IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニューソアラ バイオファーマ カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7296948ベンゼン縮合複素環誘導体およびその医薬組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】ベンゼン縮合複素環誘導体およびその医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 65/40 20060101AFI20230616BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/166 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/17 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/235 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/27 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/4035 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/472 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/495 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 31/60 20060101ALI20230616BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230616BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230616BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230616BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 49/747 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 49/755 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 59/70 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 59/72 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 69/773 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 69/94 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 233/33 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 235/46 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 235/84 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 259/10 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 271/28 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 271/30 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 275/38 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 311/29 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 311/51 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 317/18 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 317/22 20060101ALI20230616BHJP
   C07D 209/48 20060101ALI20230616BHJP
   C07D 211/22 20060101ALI20230616BHJP
   C07D 217/24 20060101ALI20230616BHJP
   C07D 295/20 20060101ALI20230616BHJP
   C07D 295/26 20060101ALI20230616BHJP
   C07D 307/83 20060101ALI20230616BHJP
   C07C 65/28 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
C07C65/40 CSP
A61K31/122
A61K31/166
A61K31/167
A61K31/17
A61K31/18
A61K31/192
A61K31/235
A61K31/27
A61K31/343
A61K31/4035
A61K31/445
A61K31/472
A61K31/495
A61K31/60
A61P1/16
A61P11/00
A61P35/00
A61P43/00 101
A61P43/00 105
A61P43/00 111
C07C49/747 B
C07C49/755
C07C59/70
C07C59/72
C07C69/773
C07C69/94
C07C233/33
C07C235/46
C07C235/84
C07C259/10
C07C271/28
C07C271/30
C07C275/38
C07C311/29
C07C311/51
C07C317/18
C07C317/22
C07D209/48
C07D211/22
C07D217/24
C07D295/20
C07D295/26
C07D307/83
C07C65/28
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020514196
(86)(22)【出願日】2018-09-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 US2018049946
(87)【国際公開番号】W WO2019051222
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】62/555,233
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522088014
【氏名又は名称】ニューソアラ バイオファーマ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シャウラン エス.
(72)【発明者】
【氏名】リ クアン ユアン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ メン シェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヤン-フェン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ユ-シオウ
(72)【発明者】
【氏名】チェン チ-ハン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ シェン フン
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-043482(JP,A)
【文献】特開昭51-110573(JP,A)
【文献】国際公開第2011/053511(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106278857(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106008324(CN,A)
【文献】特表平10-510537(JP,A)
【文献】米国特許第04569689(US,A)
【文献】特表2005-526796(JP,A)
【文献】特開平10-273467(JP,A)
【文献】特開平02-290869(JP,A)
【文献】特開昭52-014787(JP,A)
【文献】国際公開第2016/195361(WO,A1)
【文献】Chem. Biol. Drug. Des.,2016年,Vol. 88,889-898
【文献】J. Med. Chem,2016年,Vol. 59,3549-3561
【文献】J. Org. Chem.,2005年,Vol. 70,1316-1327
【文献】Bioorg. Med. Chem. Lett.,1998年,Vol. 8,2489-2494
【文献】薬学雑誌,1941年,Vol. 61, No. 7,292-298
【文献】J. Org. Chem.,1976年,Vol. 41, No. 22,3540-3545
【文献】J. Med. Chem.,2007年,Vol. 50,1886-1895
【文献】J. Med. Chem.,2010年,Vol. 53,3465-3479
【文献】Bioorg. Med. Chem.,2008年,16,1784-1795
【文献】J. Med. Chem.,2010年,53,5267-5280
【文献】Bioorg. Med. Chem. Lett.,2016年,26,4599-4605
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry,2017年,25,3606-3613
【文献】J. Med. Chem.,2011年,54,5395-5402
【文献】Bioorg. Med. Chem. Lett.,2003年,13,3423-3427
【文献】Journal of Chromatography B,2004年,801,229-235
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)の化合物、その医薬上許容される塩、またはその溶媒和物であって、
【化1】
式中、
【化2】
は、単結合または二重結合であり、
nは、0または1の整数であり、
Gは、炭素原子またはCHであり、
Xは、-CH-であり、
【化3】
は、ハロゲン原子、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアルキル、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアリール、-ORd1(Rd1は水素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-Rd1C(O)Rd3(Rd1は酸素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-C(O)ORd2(Rd2は水素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-C(O)ORd2d3(Rd2はアルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-NRd1C(O)NRd2d3(Rd1は水素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択され、Rd2は水素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-NRy1C(O)ORd2d3(Ry1は水素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択され、Rd2はアルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-NRd1C(O)Rd2ORd3(Rd1は水素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択され、Rd2はアルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-C(O)NRd1(Rd2d3)(Rd1は水素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択され、Rd2はアルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-C(O)NRd1(Rd2ORd1)(Rd1は水素原子、アルキルおよびアリールからなる群より選択され、Rd2はアルキルおよびアリールからなる群より選択される)、-ORd2d3(Rd2はアルキルおよびアリールからなる群より選択される)、並びに-ORd2ORd3(Rd2はアルキルおよびアリールからなる群より選択される)からなる群から独立に選択される少なくとも1つの置換基によって置換されたアリール、ピペラジン、またはピペリジンであり、ここで、Rd3は少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアリールであり、
Zは、-ORz1z3であり、ここで、Rz1はアルキルおよびアリールからなる群より選択され、Rz3は、ハロゲン原子、-RzaCOORzb、-ORzaCOORzb、-RzaSOzb、-RzaSONRzbzc、-RzaC(O)NR zc -RzaC(O)NRzbzc、および-RzaC(O)NRzbSOzcからなる群から独立に選択される少なくとも1つの置換基によって置換されたアリールであり、あるいは、
Zは、-NRz1C(O)ORz2z3であり、ここで、Rz1は水素原子であり、Rz2はアルキルであり、Rz3はアリールであり、
ここで、Rzaは、なしまたはアルキルであり、Rzbは、水素原子またはアルキルであり、Rzcは、水素原子、ヒドロキシル、アルキル、アリール、アルコキシルからなる群から選択されるか、あるいは、
NR zb zc zd は4-(メチルスルホニル)-ピペラジン-1-イル基である
式(II)の化合物、その薬学的に許容される塩、またはその溶媒和物。
【請求項2】
前記アルキルは、C~C20アルキルである
請求項1に記載の化合物、その医薬上許容される塩、またはその溶媒和物。
【請求項3】
前記アリールは、C~C10アリールである
請求項1に記載の化合物、その医薬上許容される塩、またはその溶媒和物。
【請求項4】
表Aに示される化合物、その幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、その医薬上許容される塩、またはその溶媒和物。
【表1】
【請求項5】
治療有効量の請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の化合物、その医薬上許容される塩、またはその溶媒和物と、
医薬上許容される担体と、
を含む医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬上許容される担体は、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、潤滑剤、および油からなる群から選択される
請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
環境におけるオートタキシン(autotaxin)の活性を阻害するために使用される請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の化合物、その医薬上許容される塩、またはその溶媒和物、あるいは請求項5または6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
細胞におけるオートタキシン(autotaxin)の活性を阻害するために使用される請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の化合物、その医薬上許容される塩、またはその溶媒和物、あるいは請求項5または6に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、ベンゼン縮合複素環誘導体に関し、特に、ベンゼン縮合複素環誘導体をオートタキシン(autotaxin)阻害剤およびそれを含む医薬組成物とすることに関する。
【0002】
[背景技術]
オートタキシン(ATX)は、ヒトでENPP2遺伝子によってコードされる酵素であり、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼファミリーメンバー2(ectonucleotide pyrophosphatase/phosphodiesterase family member 2, NPP2またはENPP2)またはリゾホスホリパーゼD(lysophospholipase D)として知られている。オートタキシンは、リゾホスファチジルコリン(lysophosphatidylcholine)をリゾホスファチジン酸(lysophosphatidic acid, LPA)に変換するリゾホスホリパーゼDの活性を有する。オートタキシンは、脂質シグナル分子LPAの生成に重要な、~120 kDaの分泌酵素である。
【0003】
オートタキシンおよびLPAは、数々のガンに関与することが示されている。更に、オートタキシンおよびLPAは、数々の炎症誘発性疾患、例えば喘息および関節炎にも関与する。
【0004】
非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease, NAFLD)は、アルコールによって引き起こされない、肝細胞における余分の脂肪の蓄積である。非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis, NASH)は、NAFLDの最も極端な形態である。更に、NASHは、原因不明の肝硬変の主な原因と見なされており、ATX-LPAシグナル伝達は、肝線維化(hepatic fibrogenesis)に関係している。
【0005】
特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis, IPF)は、主に高齢者に発生する、慢性の絶え間のない進行性の肺線維症である。ネズミおよびヒトの線維化肺の両方においてATX濃度の増加が検出できることは報告されている。
【0006】
従って、例えばガン、NAFLD、IPF等の疾患を治療するためのオートタキシン阻害剤の開発が必要である。
[発明の概要]
本発明は、式(I)のベンゼン縮合複素環誘導体であって、
【0007】
【化1】
【0008】
式中、
【0009】
【化2】
は、単結合または二重結合であり、nは、0または1の整数であり、Aは、-CH-、-CH(OH)-、または-C(O)-であり、Gは、炭素原子または窒素原子であり、Xは、-CH-、酸素原子、または-C(O)-であり、Yは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアルキル、アリール、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアリール、-NRy1y2、-ORy1、-Ry1C(O)Ry3、-C(O)Ry1、-C(O)ORy2、-C(O)ORy2y3、-NRy1C(O)Ry2、-NRy1C(O)NRy2y3、-NRy1C(O)ORy2y3、-NRy1C(O)Ry2ORy3、-C(O)NRy1(Ry2y3)、-C(O)NRy1(Ry2ORy1)、-ORy2y3、および-ORy2ORy3からなる群から独立に選択される、少なくとも1つの置換基によって任意に置換されたアルキル、アリール、または複素環アルキルであり、ただし、Ry1およびRy2は、それぞれ、水素原子、酸素原子、アルキル、およびアリールからなる群から独立に選択され、Ry3は、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意に置換されたアリールであり、Zは、-NRz1z2、-NRz1z3、-ORz1、-ORz1z3、-C(O)Rz1z3、-C(O)ORz1z3、-NRz1C(O)Rz2z3、-NRz1C(O)ORz2z3、-C(O)NRz1z3、または-ORz2ORz3であり、ただし、Rz1およびRz2は、それぞれ、水素原子、酸素原子、アルキル、およびアリールからなる群から独立に選択され、Rz3は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、-RzaCOORzb、-ORzaCOORzb、-RzaSOzb、-RzaSONRzbzczd、-RzaC(O)Rzbzc、-RzaC(O)NRzbzczd、および-RzaC(O)NRzbSOzcからなる群から独立に選択される、少なくとも1つの置換基によって任意に置換されたアリールであり、ただし、Rzaは、なしまたはアルキルであり、Rzbは、水素原子またはアルキルであるか、あるいは、RzbおよびRzcは、それぞれ、水素原子、ヒドロキシル、アルキル、アリール、およびアルコキシルからなる群から独立に選択されるか、あるいは、NRzbzcは、含窒素複素環アルキル環であり、Rzdは、なしまたはスルホニルアルキルであるベンゼン縮合複素環誘導体を提供する。
【0010】
本発明は、治療有効量の本発明のベンゼン縮合複素環誘導体と、医薬上許容される担体と、を含む医薬組成物も提供する。
本発明は、更に、有効量の本発明のベンゼン縮合複素環誘導体、または本発明の医薬組成物を環境に接触させるステップを含む環境におけるオートタキシン(autotaxin)の活性を阻害する方法を提供する。
【0011】
以下の実施形態において詳しく説明する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な実施形態において、説明の目的で開示された実施形態の徹底的な理解を提供するため、数々の特定の詳細を説明する。しかし、これらの特定の詳細がなくても1以上の実施形態が実施可能であることは明らかである。他の例において、図面を簡略化するため、周知の構造および装置は概略的に示される。
【0013】
用語の定義
ある範囲の値がリストされると、その範囲における各値およびサブレンジ(sub-range)を包含することが意図される。例えば、「C1~4」は、C、C、C、C、C1~4、C1~3、C1~2、C2~4、C2~3、およびC3~4を包含することが意
図される。
【0014】
特に明記しない限り、「アルキル」という用語は、1~20個(例えば、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、または1)の炭素原子を有する直鎖、分岐、および/または環状炭化水素を意味する。1~4個の炭素原子を有するアルキル部分(C1~4アルキル)は、「低級アルキル」として意味される。アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、2-イソプロピル-3-メチルブチル、ペンチル、ペンタン-2-イル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、へプタン-2-イル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、およびドデシルを含む。特に特定しない限り、アルキルの各例は、独立して任意に置換され、即ち、1以上の置換基によって非置換(「非置換アルキル」)または置換(「置換アルキル」)された。特定の実施形態において、アルキルは、置換C2~10アルキルである。
【0015】
「複素環アルキル」は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する3~10員の非芳香族環系基を意味し、その中で、各ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、およびケイ素原子から独立に選択される(「3~10員複素環アルキル」)。1以上の窒素原子を包含する複素環において、結合点は、原子価(valency)が許す限り、炭素原子または窒素原子であることができる。特に特定しない限り、複素環アルキルの各例は、独立して任意に置換され、即ち、1以上の置換基によって非置換(「非置換複素環アルキル」)または置換(「置換複素環アルキル」)された。若干の実施形態において、複素環は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員の非芳香族環系であり、その中で、各ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立に選択される。若干の実施形態において、複素環アルキルは、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員の非芳香族環系であり、その中で、各ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立に選択される。若干の実施形態において、5~6員の複素環は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。若干の実施形態において、5~6員の複素環は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。若干の実施形態において、5~6員の複素環アルキルは、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。1個のヘテロ原子を包含する例示的な5員の複素環は、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル-2,5-ジオンを含むが、これらには限定されない。2個のヘテロ原子を包含する例示的な5員の複素環は、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン-2-オンを含むが、これらには限定されない。3個のヘテロ原子を包含する例示的な5員の複素環は、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを含むが、これらには限定されない。1個のヘテロ原子を包含する例示的な6員の複素環は、ピぺリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)を含むが、これらには限定されない。2個のヘテロ原子を包含する例示的な6員の複素環は、ピぺラジニル、モルホリニル、ジチアニル、およびジオキサニルを含むが、これらには限定されない。2個のヘテロ原子を包含する例示的な6員の複素環は、トリアジナニルを含むが、これには限定されない。1個のヘテロ原子を包含する例示的な7員の複素環は、アゼパニル(azepanyl)、オキセパニル(oxepanyl)およびチエパニル(thiepanyl)を含むが、これらには限定されない。1個のヘテロ原子を包含する例示的な8員の複素環は、アゾカニル(azocanyl)、オキセカニル(oxecanyl)およびチオカニル(thiocanyl)を含むが、これらには限定されない。
【0016】
特に明記しない限り、「アリール」という用語は、炭素原子および水素原子からなる芳香族環または部分芳香族環系を意味する。アリール部分は、結合または縮合した複数の環
を含んでもよい。アリール部分の例は、ナフチルおよびフェニルを含む。特に特定しない限り、アリールの各例は、独立して任意に置換され、即ち、1以上の置換基によって非置換(「非置換アリール」)または置換(「置換アリール」)された。特定の実施形態において、アリールは、置換フェニルである。
【0017】
特に明記しない限り、「ヘテロアリール」という用語は、その炭素原子の少なくとも一つがヘテロ原子(例えば窒素原子、酸素原子、または硫黄原子)に置換されたアリール部分を意味する。若干の実施形態において、ヘテロアリールは、芳香族環系に提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の芳香族環系であり、その中で、各ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立に選択される(「5~10員のヘテロアリール」)。若干の実施形態において、ヘテロアリールは、芳香族環系に提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員の芳香族環系であり、その中で、各ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立に選択される(「5~8員のヘテロアリール」)。若干の実施形態において、ヘテロアリールは、芳香族環系に提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員の芳香族環系であり、その中で、各ヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立に選択される(「5~6員のヘテロアリール」)。若干の実施形態において、5~6員のヘテロアリールは、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。若干の実施形態において、5~6員のヘテロアリールは、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。若干の実施形態において、5~6員のヘテロアリールは、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。特に特定しない限り、ヘテロアリールの各例は、独立して任意に置換され、即ち、1以上の置換基によって非置換(「非置換ヘテロアリール」)または置換(「置換ヘテロアリール」)された。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、非置換5~14員のヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、置換5~14員のヘテロアリールである。1個のヘテロ原子を包含する例示的な5員のヘテロアリールは、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルを含むが、これらには限定されない。2個のヘテロ原子を包含する例示的な5員のヘテロアリールは、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを含むが、これらには限定されない。3個のヘテロ原子を包含する例示的な5員のヘテロアリールは、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを含むが、これらには限定されない。4個のヘテロ原子を包含する例示的な5員のヘテロアリールは、テトラゾリル(tetrazolyl)を含むが、これには限定されない。1個のヘテロ原子を包含する例示的な6員のヘテロアリールは、ピリジニルを含むが、これには限定されない。2個のヘテロ原子を包含する例示的な6員のヘテロアリールは、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを含むが、これらには限定されない。3または4個のヘテロ原子を包含する例示的な6員のヘテロアリールは、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルを含むが、これらには限定されない。1個のヘテロ原子を包含する例示的な7員のヘテロアリールは、アゼピニル(azepinyl)、オキセピニル(oxepinyl)、およびチエピニル(thiepinyl)を含むが、これらには限定されない。
【0018】
特に明記しない限り、「アルコキシ」または「アルコキシル」という用語は、-O-アルキルを意味する。アルコキシの例は、-OCH、-OCHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、-O(CHCH、および-O(CHCHを含むが、これらには限定されない。「低級アルコキシ」という用語は、-O-(低級アルキル)を意味し、例えば-OCHおよび-OCHCHである。
【0019】
特に明記しない限り、「ハロゲン原子」という用語および「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを包含する。
「アミノ」という用語は、式:-N(R)の部分を意味し、その中で、Rの各例は、
独立して本明細書に記載の置換基であるか、あるいは、Rの2つの例は、結合して置換または非置換複素環を形成する。特定の実施形態において、アミノは、非置換アミノ(即ち、-NH)である。特定の実施形態において、アミノは、置換アミノであり、その中で、Rの少なくとも一つの例は、水素原子ではない。
【0020】
特に明記しない限り、「置換」という用語は、化学構造または部分を説明するために用いられる場合、1以上のその水素原子が原子、化学部分または官能基によって置換されたその構造または部分の誘導体を意味し、その中で、官能基は、例えばヒドロキシル、-CHO、アルコキシ、アルカノイルオキシ(例えば、-OAc)、アルケニル、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル)、アリール、アリールオキシ、ハロ、またはハロアルキル(例えば-CCl、-CF、-C(CF)であるが、これらには限定されない。
【0021】
特定の実施形態において、「置換」という用語は、化学構造または部分を説明するために用いられる場合、1以上のその水素原子が1以上のアルコキシル、アルカノイルオキシ、アルキル、アリール、ハロ、ハロアルキル、またはヒドロキシルによって置換されたその構造または部分の誘導体を意味する。
【0022】
特に明記しない限り、一連の名詞の直前にある1以上の形容詞は、各名詞に適用すると解釈される。例えば、語句「任意に置換されたアルキル、環アルキル、複素環アルキル、アリール、またはヘテロアリール」は、「任意に置換されたアルキル、任意に置換された環アルキル、任意に置換された複素環アルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリール」と同じ意味を有する。
【0023】
本発明は、上記の例示的な置換基によって如何なる形でも限定されることを意図しない。
「溶媒和物」という用語は、通常は加溶媒分解反応(solvolysis reaction)により、溶媒と結合する化合物の形態を意味する。この物理結合は、水素結合を含んでもよい。従来の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、およびジエチルエーテル等を含む。本明細書に記載の化合物は、例えば結晶形態で調製されてもよく、溶媒和されてもよい。適切な溶媒和物は、医薬上許容される溶媒和物を含み、且つ化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物の両方を更に含む。特定の例において、例えば1以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合、溶媒和物は単離することができる。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノレート、およびメタノラートを含む。
【0024】
「水和物」という用語は、水と結合する化合物を意味する。通常、化合物の水和物に包含する水分子の数は、水和物における化合物分子の数に対して一定の比率となる。従って、化合物の水和物は、例えば、一般式R・x HOで表してもよく、式中、Rは化合物であり、xは0より大きい数である。所定の化合物は、複数の種類の水和物を形成することが可能であり、例えば、一水和物(xは1)、低水和物(xは0より大きく1より小さい数であり、例えば半水和物(R・0.5 HO))、および多水和物(xは1より大きい数であり、例えば二水和物(R・2 HO)および六水和物(R・6 HO))を含む。
【0025】
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質または順序またはそれらの原子の空間における配置が異なる化合物は、「異性体」と称されることも理解されるべきである。それらの原子の空間における配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。
【0026】
互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と称され、互いに重ね合わせられない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、それが4つの異なる基に結合する場合、1対のエナンチオマーは可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置によって特徴づけられることができ、且つカーンおよびプレローグのR-およびS-順序付け規則、または分子が偏光面を回転して右旋性もしくは左旋性と指定される方法(即ち、それぞれ、(+)または(-)-異性体とする)によって説明される。キラル化合物は、単独のエナンチオマーまたはその混合物として存在することができる。等しい割合のエナンチオマーを包含する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0027】
構造または一部の構造の立体化学が、例えば、太線または破線によって指し示されなければ、当該構造または当該一部の構造は、その全ての立体異性体を包含すると解釈されることにも注意されるべきである。同様に、それらの中心の立体化学を特定しない一以上のキラル中心を有する化合物の名称は、純粋な立体異性体およびそれらの混合物を包含する。更に、図面に示される原子価が満たされない任意の原子は、原子価を満たすために十分な水素原子に結合することが仮定される。
【0028】
特に明記しない限り、化合物の「有効量」は、疾患、環境または状態の治療または管理において治療的または肯定的な利益を提供するか、あるいは、疾患、環境または状態と関連する1以上の症状を遅延または最小化するために十分な量である。化合物の有効量は、単独または他の療法と組み合わせる治療薬の量であり、疾患、環境または状態の治療または管理において治療的な利益を提供する。「有効量」という用語は、治療全体を改善するか、疾患、環境または状態の症状または原因を軽減または回避するか、あるいは、他の治療薬の治療効果を高める量を包含することができる。
【0029】
特に明記しない限り、「治療する」、「治療すること」および「治療」という用語は、対象(例えば患者)が特定の疾患または障害に罹患している間に起こる行動を予期し、疾患または障害の重症度、または1以上のその症状を軽減するか、あるいは、疾患または障害の進行を遅延させるまたは遅らせる。
【0030】
「医薬上許容される塩」という用語は、堅実な医学判断の範囲において、過度の毒性、刺激、およびアレルギー反応等なしでヒトおよび下等動物の組織と接触する使用に適した、合理的な利益/リスク比に見合ったそれらの塩を意味する。医薬上許容される塩は、当技術分野で周知である。本発明の化合物の医薬上許容される塩は、適切な無機および有機酸および塩基から誘導されたものを含む。医薬上許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸等の無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸等の有機酸、またはイオン交換等の当技術分野で周知の他の方法を用いることによって形成されたアミノ基の塩である。他の医薬上許容される塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩(camphorate)、樟脳スルホン酸塩(camphorsulfonate)、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩(cyclopentanepropionate)、ジグルコネート(digluconate)、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミスルフェート(hemisulfate)、へプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩(2-hydroxy-ethanesulfonate)、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩(pivalate)、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、
チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩(undecanoate)、および吉草酸塩等を含む。適切な塩基から誘導された塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1~4 アルキル) 塩を含む。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム等を含む。更なる医薬上許容される塩は、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩等の対イオンを用いて形成された非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミン陽イオンを含む。
【0031】
「医薬上許容される担体」という用語は、希釈剤であれ賦形剤であれ、製剤の他の成分と適合性があり、その受容者に有害ではない担体を意味する。使用可能な医薬上許容される担体は、Raymond C Rowe、Paul J Sheskey、およびMarian E Quinnによって編集されたHandbook of Pharmaceuticals Excipientsを含む様々な参考文献において開示されている。無制限の実施形態において、前記医薬上許容される担体は、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、潤滑剤、および/または油からなる群から選択されることができる。前記化合物は、任意に、少なくとも1つの追加の生物活性化合物または薬剤を更に含む。
【0032】
組成物の「投与」または「投与する」という用語は、治療または制御を必要とする対象に本発明の組成物または医薬組成物を提供することを含むと定義される。別の実施形態において、前記投与は、経口、静脈内、筋肉内、皮膚、皮下、髄腔内(intrathecal)、経皮、移植、舌下、頬側、直腸、膣、眼、耳、鼻、吸入、または噴霧経路を通じて行われる。
【0033】
本発明の広い範囲を述べる数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の例において述べられる数値は、可能な限り正確に報告されている。しかし、任意の数値は、ぞれぞれのテスト測定で見つかった標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。従って、反対に特に明記しない限り、本発明および添付の特許請求の範囲において述べられている数値パラメータは、要望に応じて変更できる近似値である。せめて、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効数字の数に照らし、通常の丸め手法を適用することによって構築されるべきである。
【0034】
単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に特に明記しない限り、複数の指示対象を含むために本明細書に用いられる。
新規化合物
本発明は、式(I)のベンゼン縮合複素環誘導体であって、
【0035】
【化3】
【0036】
式中、
【0037】
【化4】
は、単結合または二重結合であり、nは、0または1の整数であり、Aは、-CH-、-CH(OH)-、または-C(O)-であり、Gは、炭素原子または窒素原子であり、Xは、-CH-、酸素原子、または-C(O)-であり、Yは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアルキル、アリール、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアリール、-NRy1y2、-ORy1、-Ry1C(O)Ry3、-C(O)Ry1、-C(O)ORy2、-C(O)ORy2y3、-NRy1C(O)Ry2、-NRy1C(O)NRy2y3、-NRy1C(O)ORy2y3、-NRy1C(O)Ry2ORy3、-C(O)NRy1(Ry2y3)、-C(O)NRy1(Ry2ORy1)、-ORy2y3、および-ORy2ORy3からなる群から独立に選択される、少なくとも1つの置換基によって任意に置換されたアルキル、アリール、または複素環アルキルであり、ただし、Ry1およびRy2は、それぞれ、水素原子、酸素原子、アルキル、およびアリールからなる群から独立に選択され、Ry3は、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意に置換されたアリールであり、Zは、-NRz1z2、-NRz1z3、-ORz1、-ORz1z3、-C(O)Rz1z3、-C(O)ORz1z3、-NRz1C(O)Rz2z3、-NRz1C(O)ORz2z3、-C(O)NRz1z3、または-ORz2ORz3であり、ただし、Rz1およびRz2は、それぞれ、水素原子、酸素原子、アルキル、およびアリールからなる群から独立に選択され、Rz3は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、-RzaCOORzb、-ORzaCOORzb、-RzaSOzb、-RzaSONRzbzczd、-RzaC(O)Rzbzc、-RzaC(O)NRzbzczd、および-RzaC(O)NRzbSOzcからなる群から独立に選択される、少なくとも1つの置換基によって任意に置換されたアリールであり、ただし、Rzaは、なしまたはアルキルであり、Rzbは、水素原子またはアルキルであるか、あるいは、RzbおよびRzcは、それぞれ、水素原子、ヒドロキシル、アルキル、アリール、およびアルコキシルからなる群から独立に選択されるか、あるいは、NRzbzcは、含窒素複素環アルキル環であり、Rzdは、なしまたはスルホニルアルキルであるベンゼン縮合複素環誘導体を提供する。
【0038】
本発明におけるベンゼン縮合複素環誘導体は、オートタキシンの活性を阻害する効果を有し、オートタキシン阻害剤として用いられることができる。
本発明におけるベンゼン縮合複素環誘導体は、当技術分野で周知の任意の方法によって調製されることができる。例えば、以下の図式は、本発明におけるベンゼン縮合複素環誘導体を調製するための典型的な合成経路を説明する。
【0039】
A.化合物の調製
1.化合物3~21
図式1
【0040】
【化5】
【0041】
化合物3~5の調製については、図式1を参照する。
5-ヒドロキシインダノン(1)(2.5g、16.9mmol)、臭化アルキル(2)(3.86g、16.9mmol)およびACN(50mL)中のKCO(4.7g、33.8mmol)の混合溶液を50℃で16時間攪拌した。室温まで冷却した後、DCM(50mL)を混合物に加え、混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮して得られた物質をエーテルで洗浄し、生成物を固体生成物3として得た。固体生成物3は、化合物3であり、その収量は、3.2g(10.8mmol)であった。
【0042】
THF:MeOH=1.1(50mL)の共溶媒中の化合物3(2.5g、8.4mmol)の溶液に1N NaOH溶液(5mL)を室温で5時間加えた。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。残留物を水で希釈し、2N HCl(aq)でpH4まで酸性化した。得られた白色沈殿物をろ過し、HOおよびエーテルで洗浄し、真空中で乾燥し、生成物を固体生成物4として得た。固体生成物4は、化合物4であり、その収量は、1.4g(5.0mmol)であった。
【0043】
MeOH(2mL)中の化合物4(100mg、0.4mmol)および4-クロロベンズアルデヒド(55.0mg、0.4mmol)の混合物に1N NaOH溶液(2mL)を室温で16時間加えた。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。残留物を水で希釈し、2N HCl(aq)でpH4まで酸性化した。得られた白色沈殿物をろ過し、水およびエーテルで洗浄し、真空中で乾燥し、生成物を固体生成物5として得た。固体生成物5は、化合物5であり、その収量は、52.3g(0.13mmol)であった。化合物5、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.96(d、2H)、7.80-7.76(m、3H)、7.55(d、4H)、7.45(s、1H)、7.26(s、1H)、7.13(d、1H)、5.34(s、2H)、4.07(s、2H)。C2417ClOのESI-MS m/z計算値は404.08であり、実測値は405.1[M+H]であった。
【0044】
化合物6~21も上記に示される図式1に従って生成された。
【0045】
【化6】
【0046】
化合物6、H-NMR(300MHz、CDCl):δ7.78-7.72(m、4H)、7.67(s、1H)、7.49(d、1H)、7.40(s、1H)、7.32-7.28(m、2H)、7.21-7.16(m、2H)、5.08(s、2H)、4.00(s、2H)。C2415のESI-MS m/z計算値は430.10であり、実測値は453.1[M+Na]であった。
【0047】
【化7】
【0048】
化合物7、H-NMR(400MHz、CDCl):δ7.90(s、1H)、7.82(d、1H)、7.66-7.65(m、2H)、7.61-7.57(m、1H)、7.50(d、1H)、7.39(s、1H)、7.31-7.26(m、2H)、7.20-7.16(m、2H)、5.08(s、2H)、4.00(s、2H)。C2415のESI-MS m/z計算値は430.10であり、実測値は453.1[M+Na]であった。
【0049】
【化8】
【0050】
化合物8、H-NMR(400MHz、DMSO):δ8.04-8.02(d、2H)、7.91-7.88(d、2H)、7.63-7.35(m、7H)、5.20(s、2H)、4.09(s、2H)。C2416のESI-MS m/z計算値は406.10であり、実測値は407.1[M+H]であった。
【0051】
【化9】
【0052】
化合物9、H-NMR(400MHz、DMSO):δ8.30(s、1H)、8.00-7.98(d、2H)、7.66-7.35(m、8H)、5.21(s、2H)、4.08(s、2H)。C2416のESI-MS m/z計算値は406.10であり、実測値は407.1[M+H]であった。
【0053】
【化10】
【0054】
化合物10、H-NMR(400MHz、DMSO):δ8.02(d、2H)、7.87(d、2H)、7.77(d、2H)、7.66(s、1H)、7.51(s、1H)、7.32(s、1H)、7.15(d、1H)、5.25(s、2H)、4.14(s、2H)。C2415のESI-MS m/z計算値は424.09であり、実測値は425.2[M+H]であった。
【0055】
【化11】
【0056】
化合物11、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.03-7.84(m、5H)、7.67-7.65(m、2H)、7.48(s、1H)、7.24(d、1H)、7.16(d、1H)、5.28(s、2H)、4.13(s、2H)。C2415のESI-MS m/z計算値は424.09であり、実測値は425.1[M+H]であった。
【0057】
【化12】
【0058】
化合物12、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.00-7.97(d、2H)、7.87-7.74(m、8H)、7.62-7.59(d、2H)、7.51(s、1H)、7.36-7.30(m、3H)、7.16-7.12(m、1H)、5.36(s、2H)、4.12(s、2H)。C3021FOのESI-MS m/z計算値は464.14であり、実測値は465.3[M+H]であった。
【0059】
【化13】
【0060】
化合物13、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.98(d、2H)、7.83-7.69(m、3H)、7.64-7.58(m、3H)、7.44(s、1H)、7.26(s、1H)、7.13(d、1H)、5.36(s、2H)、4.09(s、2H)。C2416ClFOのESI-MS m/z計算値は422.07であり、実測値は423.1[M+H]であった。
【0061】
【化14】
【0062】
化合物14、H-NMR(400MHz、DMSO):δ7.86(d、2H)、7.80-7.70(m、4H)、7.69-7.62(m、1H)、7.43(s、1H)、7.35(d、2H)、7.26(s、1H)、7.17(d、2H)、7.10(d、1H)、5.24(s、2H)、5.18(s、2H)、4.04(s、2H)。C3121NOのESI-MS m/z計算値は530.13であり、実測値は5
31.2[M+H]であった。
【0063】
【化15】
【0064】
化合物15、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.98(d、2H)、7.79-7.69(m、4H)、7.64-7.57(m、3H)、7.45-7.41(m、2H)、7.26(s、1H)、7.12(d、1H)、5.35(s、2H)、5.25(s、2H)、4.05(s、2H)。C3120のESI-MS m/z計算値は548.12であり、実測値は549.3[M+H]であった。
【0065】
【化16】
【0066】
化合物16、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.97(d、2H)、7.30(d、3H)、7.58(d、2H)、7.44(s、1H)、7.35-7.24(m、3H)、7.12(d、3H)、7.06-7.01(m、1H)、5.34(s、2H)、4.41(s、4H)、4.03(s、2H)。C3224のESI-MS m/z計算値は542.15であり、実測値は543.2[M+H]であった。
【0067】
【化17】
【0068】
化合物17、H-NMR(400MHz、CDOD):δ8.05(d、2H)、7.73(d、1H)、7.57(d、3H)、7.25(s、2H)、7.17(s、1H)、7.15-7.05(m、1H)、6.76-6.73(m、1H)、5.30
(s、2H)、3.56(s、2H)、2.86(t、2H)、2.64(t、2H)。C2620ClのESI-MS m/z計算値は466.07であり、実測値は489.1[M+Na]であった。
【0069】
【化18】
【0070】
化合物18、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.94(d、2H)、7.76-7.72(m、3H)、7.55(d、2H)、7.50(s、1H)、7.26(s、1H)、7.13(d、1H)、5.28(s、2H)、4.11(s、2H)。C2415のESI-MS m/z計算値は424.09であり、実測値は425.2[M+H]であった。
【0071】
【化19】
【0072】
化合物19、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.99-7.93(m、3H)、7.76(d、2H)、7.64-7.54(m、4H)、7.24(s、1H)、7.13(d、1H)、5.35(s、2H)、4.03(s、2H)。C2416ClのESI-MS m/z計算値は438.04であり、実測値は439.1[M+H]であった。
【0073】
【化20】
【0074】
化合物20、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.11(d、2H)、7.80(s、2H)、7.72(d、1H)、7.68(s、1H)、7.58(d、2H)、7.42(s、1H)、7.32(s、1H)、7.10(d、1H)、5.36(s、2H)、4.12(s、2H)。C2416ClのESI-MS m/z計算値は438.04であり、実測値は439.2[M+H]であった。
【0075】
【化21】
【0076】
化合物21、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.91-7.86(m、3H)、7.88-7.69(m、2H)、7.44(s、1H)、7.36(d、2H)、7.25(s、1H)、7.11(d、1H)、5.25(s、2H)、4.09(s、2H)。C2415のESI-MS m/z計算値は424.09であり、実測値は425.2[M+Na]であった。
【0077】
2.化合物24~28
図式2
化合物24~26の調製については、図式2を参照する。
【0078】
50mLのTHF中のアニリン誘導体(22)(2.04g、21.9mmol)の溶液にNaHCO(2.02g、24.0mmol)を0℃で加えた後、クロロギ酸ベンジル(23)(3.4mL、24.0mmol)をその中に加えた。30分後、反応混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。
【0079】
反応混合物をHOでクエンチし、3×20mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮し、フェニルカルバミド酸ベンジル誘導体(化合物24)を白色固体として得て、更なる精製なしでそれを用いた。化合物24の収量は、4.97g(21.9mmol)であった。
【0080】
AcOH水溶液(10mL、50%)に溶解したCrO(2.57g、25.7mmol)を、AcOH(10mL)中の化合物24(2.00g、8.5mmol)の溶液に0℃で緩徐に加えた。反応混合物を室温まで温め、1時間攪拌した。
【0081】
反応混合物を真空中で濃縮した後、1N NaOHで塩基性にして3×30mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮し、1-インダノン誘導体(化合物25)を白色固体として得て、更なる精製なしでそれを用いた。化合物25の収量は、1.81g(6.4mmol)であった。
【0082】
MeOH(5mL)中の化合物25(50mg、0.178mmol)および3-(トリフルオロメチル)-ベンズアルデヒド(33mg、0.190mmol)の混合物に1N NaOH(0.5mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を冷水で希釈した。沈殿固体をろ過によって収集し、MeOHで洗浄した。得られた生成物は、化合物26であり、その収量は、56mg(0.128mmol)であった。化合物26、H-NMR(400MHz、CDCl):δ7.89-7.80(m、4H)、7.66-7.56(m、3H)、7.44-7.36(m、4H)、7.26-7.23(m、1H)、6.99(s、1H)、5.25(s、2H)、4.03(s、2H)。C2518NOのESI-MS m/z計算値は437.12であり、実測値は438.2[M+H]であった。
【0083】
化合物27および28も上記に示される図式2に従って生成された。
【0084】
【化22】
【0085】
化合物27、H-NMR(400MHz、CDCl):δ7.87-7.85(m、1H)、7.72-7.70(m、4H)、7.58(s、1H)、7.40-7.37(m、4H)、7.27-7.22(m、3H)、7.01(s、1H)、5.24(s、2H)、4.03(s、2H)。C2518NOのESI-MS m/z計算値は437.12であり、実測値は438.2[M+H]であった。
【0086】
【化23】
【0087】
化合物28、H-NMR(400MHz、DMSO):δ10.39(s、1H)、8.03-8.01(d、2H)、7.90-7.88(d、2H)、7.85(s、1H)、7.75-7.73(d、1H)、7.55-7.36(m、7H)、5.21(s、2H)、4.13(s、2H)。C2519NOのESI-MS m/z計算値は413.13であり、実測値は414.2[M+H]であった。
【0088】
3.化合物30~37
図式3
【0089】
【化24】
【0090】
化合物30~33の調製については、図式3を参照する。
MeOH中の5-ヒドロキシインダノン(1)およびアルデヒド(29)の溶液に1N
NaOHを加えた。溶液を室温で一晩攪拌した。反応混合物を1N HClで中和し、沈殿物を収集し、MeOHで洗浄した。更なる精製なしで固体(30)を用いた。
【0091】
安息香酸(500mg、1.78mmol)およびPd-C(100mg)のMeOH溶液(100mL)を水素雰囲気下室温で3時間攪拌した。次に、混合物をろ過し、ろ液を蒸発し、固体を(化合物31)得て、更なる精製なしでこれを用いた。化合物31の収量は、465mg(1.65mmol)であった。
【0092】
DCM/DMF(6mL、5:1)中の化合物31(100mg、0.35mmol)、(2,5-ジフルオロフェニル)-メタンアミン(76mg、0.53mmol)およびHOBt(24mg、0.18mmol)の混合物に、TEA(0.1mL、0.71mmol)およびEDCI(102mg、0.53mmol)を0℃で加えた。添加後、反応混合物を緩徐に室温まで温め、一晩攪拌した。
【0093】
溶媒を減圧下で蒸発した。粗残留物をEtOAcに溶解し、飽和NHCl、飽和NaHCOおよびブラインで順次洗浄した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。1:2 ヘキサン-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムで粗生成物を精製した。得られた生成物は、化合物32であり、その収量は、51mg(0.125mmol)であった。化合物32、H-NMR(300MHz、DMSO):δ9.00(s、1H)、7.83-7.80(d、2H)、7.52-7.49(d、1H)、7.39-7.36(d、2H)、7.29-7.08(m、3H)、6.80(s、1H)、6.77(s、1H)、4.49-4.47(d、2H)、3.22-3.16(dd、1H)、3.05-2.89(m、2H)、2.73-2.65(m、2H)。C2419NOのESI-MS m/z計算値は407.13であり、実測値は430.2[M+Na]であった。
【0094】
DMF(3mL)中の化合物30(100mg、0.35mmol)、(2,5-ジフルオロフェニル)-メタンアミン(76mg、0.53mmol)およびHOBt(24
mg、0.18mmol)の混合物に、TEA(0.1mL、0.71mmol)およびEDCI(102mg、0.53mmol)を0℃で加えた。添加後、反応混合物を緩徐に室温まで温め、一晩攪拌した。反応混合物を飽和NHClで希釈した。こうして形成された沈殿物を収集し、エーテルおよびメタノールで洗浄した。得られた生成物は、化合物33であり、その収量は、40mg(0.099mmol)であった。化合物33、H-NMR(400MHz、DMSO):δ9.20-9.17(m、2H)、8.00-7.98(d、2H)、7.95(s、1H)、7.86-7.84(d、2H)、7.66-7.64(d、1H)、7.45(s、1H)、7.29-7.08(m、3H)、6.96(s、1H)、6.69-6.65(d、1H)、4.51(s、2H)、4.06(s、1H)。C2417NOのESI-MS m/z計算値は405.12であり、実測値は406.2[M+H]であった。
【0095】
化合物34も上記に示される図式3に従って生成された。
【0096】
【化25】
【0097】
化合物34、H-NMR(400MHz、CDCl):δ7.92(d、2H)、7.33-7.25(m、3H)、6.98-6.92(m、2H)、6.73(s、1H)、6.63(d、1H)、6.44(s、1H)、5.30(s、2H)、4.64(s、1H)、3.13-2.84(m、4H)。C2417のESI-MS
m/z計算値は426.11であり、実測値は427.1[M+H]であった。
【0098】
4.化合物37~38
図式4
【0099】
【化26】
【0100】
化合物37~38の調製については、図式4を参照する。
ジメチルホルムアミド(50ml)中の4-アミノフタルイミド(35)(1.00g、6.17mmol)の溶液に水酸化カリウム(0.415g、7.4mmol)を加え、混合物を周囲温度で攪拌した。2時間後、4-トリフルオロメチルベンジルブロミド(36)(1.9mL、12.34mmol)を更に混合物に加え、混合物を更に18時間攪拌した。水(100ml)および酢酸エチル(100ml)を加え、得られた相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(勾配:シクロヘキサン中の0~50%酢酸エチル)による精製によって、化合物37を黄色固体として得た(0.750g、38%の収量):Rf=0.2(ヘキサン/酢酸エチル 2:1 v/v)。化合物37(0.20g、0.62mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、アルゴンでパージした。クロロギ酸ベン
ジル(0.1mL、0.74mmol)およびトリエチルアミン(0.60mmol)をアミン溶液に加え、得られた混合物を周囲温度で2時間攪拌した。ジクロロメタンを真空で除去した後、酢酸エチル(20ml)および10%クエン酸(20ml)をそこへ加え、得られた相を分離した。10%炭酸水素ナトリウム(20ml)およびブライン(20ml)で有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、得られた生成物は、化合物38であった。化合物38、H-NMR(400MHz、CDCl):δ7.93(s、1H)、7.75(dd、2H)、7.55(dd、4H)、7.41-7.38(m、5H)、7.03(s、1H)、5.24(s、2H)、4.87(s、2H)。C2417のESI-MS m/z計算値は454.11であり、実測値は477.1[M+Na]であった。
【0101】
5.化合物41~45
図式5
【0102】
【化27】
【0103】
化合物41~45の調製については、図式5を参照する。
メタノール(75.0mL)中の6-ヒドロキシ-1-テトラロン(39)(1.0g、6.16mmol)、4-カルボキシルベンズアルデヒド(1.0g、6.66mmol)および濃HCl(50.0mL)の混合物を還流で18時間加熱した。混合物を室温まで冷却した後、ろ過した。残留物を少量のメタノールで洗浄し、真空中で乾燥し、化合物41(1.40g、74%)を薄茶色固体として得た。
【0104】
メタノール(200mL)中の化合物41(1.40g、4.54mmol)および木炭上の10%パラジウム(0.15g)の混合物を水素雰囲気下室温で18時間攪拌した。セライト床によるろ過によってパラジウムを除去し、ろ液を真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EA=2:1)による精製によってオフホワイトのふわふわした固体として化合物42(1.35g、96%)を得た。
【0105】
アセトニトリル(15mL)中の化合物42(1.0mmol)および2,4,5-トリフルオロベンジルブロミド(0.27g、1.2mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.30g、2.2mmol)を加え、混合物を20℃で一晩攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水で希釈し、有機物質を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。水(2×20mL)およびブライン(20mL)で有機層を洗浄し、無水MgSOで乾燥し、
ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、1:4)によって生成物を精製し、化合物43を得て、その収量は、80%であった。
【0106】
THF(5.0mL)中の化合物43(200mg、0.44mmol)の溶液に水酸化ナトリウム水溶液(1N、1.0mL、1.0mmol)を加えて混合物を形成し、室温で攪拌した。24時間後、反応混合物を減圧下で蒸発した。残留物を水(5.0mL)で希釈し、1N HCl水溶液(2.0mL)で酸性化し、白色固体として化合物44を150mg(77%)得た。化合物44、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.87(d、1H)、7.75(d、3H)、7.69-7.60(m、1H)、7.10(d、2H)、7.01-6.98(m、2H)、5.17(s、2H)、3.27(dd、1H)、2.90(s、2H)、2.81-2.73(m、1H)、2.57(dd、1H)、1.97-1.91(m、1H)、1.68-1.60(m、1H)。C2519のESI-MS m/z計算値は440.12であり、実測値は441.1[M+H]であった。
【0107】
ジクロロメタン(10mL)中のカルボン酸(44)(50.0mg)、EDCI(39.1mg)、HOBt(31.1mg)およびNMM(25.0μl)の混合物を窒素雰囲気下25℃で磁気的に攪拌した。混合物を25℃で10分間攪拌した後、2-アミノエタン-1-オール(7.6μl)を混合物に一度に加えた。反応混合物を更に16時間攪拌した。得られた混合物をNHCl(aq)およびジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。こうして得られた残留物をエーテルで洗浄することによって精製し、化合物45(12.3mg、22%の収量)を固体として得た。化合物45、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.36(t、1H)、7.87(d、1H)、7.79-7.60(m、4H)、7.32(d、2H)、7.02-6.98(m、2H)、5.17(s、2H)、4.71(t、1H)、3.49(q、2H)、3.27-3.20(m、2H)、2.92-2.89(m、2H)、2.86-2.80(m、1H)、2.73-2.49(m、1H)、1.96-1.90(m、1H)、1.70-1.62(m、1H)。C2724NOのESI-MS m/z計算値は483.17であり、実測値は506.2[M+Na]であった。
【0108】
化合物46および47も上記に示される図式5に従って類似の方法で生成された。
【0109】
【化28】
【0110】
化合物46、H-NMR(400MHz、DMSO):δ8.01-7.99(d、2H)、7.77-7.62(m、6H)、7.42(s、1H)、7.41-7.40(d、1H)、5.19(s、2H)、3.08-3.05(t、2H)、2.92-2.89(t、2H)。C2517のESI-MS m/z計算値は438.11であり、実測値は439.2[M+H]であった。
【0111】
【化29】
【0112】
化合物47、H-NMR(400MHz、CDCl):δ8.04-8.02(d、2H)、7.73-7.72(d、1H)、7.40-7.38(d、2H)、7.35-7.28(m、2H)、7.08-7.06(d、1H)、7.01-6.95(m、1H)、5.06(s、2H)、3.53-4.49(dd、1H)、3.16-3.10(dt、1H)、2.83-2.69(m、3H)、2.18-2.12(m、2H)。C2519のESI-MS m/z計算値は440.12であり、実測値は463.2[M+Na]であった。
【0113】
6.化合物49~53
図式6
【0114】
【化30】
【0115】
化合物49~51の調製については、図式6を参照する。
CO(2.0g、14.46mmol)およびKI(0.5g)を包含するDMF(15mL)に、6-ヒドロキシ-1-テトラロン(39)(1.0g、6.16mmol)を懸濁した。反応溶液を4-フルオロフェネチルブロミド(48)(1.5g、7.38mmol)で処理し、80℃で16時間加熱した。酢酸エチル:ヘキサン(1:3)のシリカゲルTLCを用いることによって反応進行をモニターした。完了に際し、反応物をセライトのパッドでろ過し、真空中で濃縮した。こうして得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、1:4)によって精製し、化合物49(1.2g、68%)を得た。
【0116】
10mLのEtOH中の化合物49(0.5g、1.76mmol)および4-カルボキシルベンズアルデヒド(0.26g、1.76mmol)の攪拌溶液に、2mLの2N
NaOHを加えた。溶液を室温で20時間攪拌し、得られたものを10%HClによっ
て酸性化し、沈殿物を収集し、水、次いで冷EtOHで十分に洗浄した。得られた固体を真空中で乾燥し、0.51g(69%)の化合物50をオフホワイト固体として得た。化合物50、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.01-7.98(d、2H)、7.94-7.91(d、1H)、7.67(s、1H)、7.63-7.60(d、2H)、7.40-7.35(m、2H)、7.17-7.11(m、2H)、6.97-6.93(m、2H)、4.31-4.26(t、2H)、3.08-3.04(m、4H)、2.93-2.89(t、2H)。C2621FOのESI-MS m/z計算値は416.14であり、実測値は417.2[M+H]であった。
【0117】
メタノール(100mL)中の化合物50(0.50g、1.2mmol)および木炭上の10%パラジウム(0.1g)の混合物を水素雰囲気下室温で18時間攪拌した。セライト床によるろ過によってパラジウムを除去し、ろ液を真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EA=1:6)による精製によって白色固体として化合物51(0.35g、70%)を得た。化合物51、H-NMR(400MHz、CDCl):δ8.05-8.02(m、3H)、7.34-7.32(d、2H)、7.25-7.22(m、2H)、7.03-6.98(m、2H)、6.84-6.81(dd、1H)、6.65-6.64(d、1H)、4.20-4.17(t、2H)、3.56-3.53(m、1H)、3.09-3.06(t、2H)、2.89-2.86(m、2H)、2.76-2.69(m、2H)、2.07-2.03(m、1H)、1.79-1.73(m、1H)。C2623FOのESI-MS m/z 計算値は418.16であり、実測値は419.2[M+H]であった。
【0118】
化合物52および53も上記に示される図式6に従って生成された。
【0119】
【化31】
【0120】
化合物52、H-NMR(400MHz、CDOD):δ7.94-7.91(d、1H)、7.71-7.70(d、1H)、7.17-7.05(m、3H)、7.00-6.94(m、1H)、6.86-6.83(dd、1H)、6.77-6.76(d、1H)、6.75-6.73(d、1H)、4.29-4.25(t、2H)、3.27-3.26(d、1H)、3.14-3.11(t、2H)、2.98-2.83(m、2H)、2.71-2.51(m、2H)、2.08-2.01(m、1H)、1.75-1.69(m、1H)。C2622のESI-MS m/z計算値は452.14であり、実測値は453.2[M+H]であった。
【0121】
【化32】
【0122】
化合物53、H-NMR(300MHz、CDCl):δ8.03-8.00(d、1H)、7.04-6.88(m、3H)、6.83-6.63(m、5H)、5.20(br、2H)、4.31-4.27(t、2H)、3.35-3.29(dd、1H)、3.14-3.09(t、2H)、2.89-2.84(m、2H)、2.67-2.51(m、2H)、2.12-2.03(m、1H)、1.80-1.69(m、1H)。C2522のESI-MS m/z計算値は424.15であり、実測値は425.2[M+H]であった。
【0123】
7.化合物54~62
図式7
【0124】
【化33】
【0125】
化合物54~58の調製については、図式7を参照する。
メタノール(75.0mL)中の6-ヒドロキシ-1-テトラロン(39)(1.0g、6.16mmol)、4-カルボキシルベンズアルデヒド(40)(1.0g、6.66mmol)および濃HCl(50.0mL)の混合物を還流で18時間加熱した。混合物を室温まで冷却した後、ろ過した。残留物を少量のメタノールで洗浄し、真空中で乾燥し、化合物41(1.40g、74%)を薄茶色固体として得た。
【0126】
THF:MeOH=1.1(50mL)の共溶媒中の化合物41(2.5g、8.4mmol)の溶液に、2N NaOH溶液(5mL)を室温で5時間加えた。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。残留物を水で希釈し、2N HCl(aq)でpH4まで酸性化した。得られた白色沈殿物をろ過し、HOおよびエーテルで洗浄し、真空中で乾
燥し、生成物を化合物54である固体生成物として得て、その収量は、1.4g(5.0mmol)であった。
【0127】
MeOH(100mL)中の化合物54(1.6g、5.4mmol)および10%Pd/C(乾燥、0.5g)の混合物をH(1atm)雰囲気下室温で16時間攪拌した。混合物をセライトでろ過し、ろ液を濃縮した。残留物を精製せず、化合物55である生成物を得て、その収量は、1.6g(5.4mmol)であった。
【0128】
DCM(2.0mL)中の化合物55(137.0mg、0.46mmol)、NMM(76.2μl、0.69mmol)およびDMF(0.2mL)の混合溶液に、EDC-HCl(123.9mg、0.65mmol)、(2,5-ジフルオロフェニル)-メタンアミン(108.3μl、0.92mmol)およびHOBt(99mg、0.65mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。その後、混合物をEtOAcおよびHOで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮し、生成物を固体生成物(化合物56)として得た。その収量は、60mg(0.142mmol)であった。化合物56、H-NMR(400MHz、CDOD):δ7.87(d、1H)、7.80(d、2H)、7.36(d、2H)、7.14-7.08(m、2H)、7.05-6.99(m、1H)、6.71(dd、1H)、6.61(s、1H)、4.60(s、2H)、3.41(d、1H)、2.89-2.85(m、2H)、2.78-2.71(m、2H)、2.05-2.01(m、1H)、1.77-1.69(m、1H)。C2521NOのESI-MS m/z計算値は421.15であり、実測値は422.5[M+H]であった。
【0129】
MeCN(5mL)中の化合物55(200mg、0.7mmol)、1-(ブロモメチル)-2,4,5-トリフルオロベンゼン(99.0μl、0.5mmol)、KI(100.0mg、0.6mmol)およびKCO(206.0mg、1.5mmol)の混合溶液を室温で16時間攪拌した。混合物をHOおよびEtOAcで希釈した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラ(EA:Hex=1:1)によって精製し、化合物57である生成物を得て、その収量は、10mg(0.02mmol)であった。化合物57、H-NMR(400MHz、CDCl):δ8.02-7.98(m、3H)、7.36-7.29(m、3H)、7.01-6.94(m、1H)、6.76(dd、1H)、6.30(s、1H)、5.46(s、1H)、5.35(s、2H)、3.54-3.51(m、1H)、2.88-2.85(m、2H)、2.76-2.71(m、2H)、2.06-2.02(m、1H)、2.01-1.76(m、1H)。C2519のESI-MS m/z計算値は440.12であり、実測値は441.2[M+H]であった。
【0130】
DMF(2mL)中の化合物55(100mg、0.3mmol)、4-(ブロモメチル)-1,2-ジフルオロベンゼン(54.7mg、0.4mmol)およびKCO(103.0mg、1.1mmol)の混合溶液を室温で16時間攪拌した。混合物をHOおよびEtOAcで希釈した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラ(EA:Hex=1:4)によって精製し、化合物58である生成物を得て、その収量は、20mg(0.04mmol)であった。化合物58、H-NMR(300MHz、CDCl):δ8.06-7.98(m、3H)、7.33-7.20(m、4H)、7.19-7.16(m、4H)、6.88(d、1H)、6.72(s、1H)、5.30(s、2H)、5.05(s、2H)、3.52(q、1H)、2.91-2.87(m、2H)、2.74(d、2H)、2.08-2.02(m、1H)、1.83-1.69(m、1H)。C3224のESI-MS m/z計算値は548.16であり、実測値は549.3[M+H]
であった。
【0131】
化合物59~62も上記に示される図式7に従って生成された。
【0132】
【化34】
【0133】
化合物59、H-NMR(300MHz、CDOD):δ7.86(d、1H)、7.78(d、2H)、7.34(d、2H)、7.24-7.15(m、3H)、6.70(dd、1H)、6.60(s、1H)、4.52(s、2H)、3.40-3.25(m、1H)、2.87-2.84(m、2H)、2.75-2.71(m、2H)、2.05-1.97(m、1H)、1.77-1.64(m、1H)。C2521NOのESI-MS m/z計算値は421.15であり、実測値は422.2[M+H]であった。
【0134】
【化35】
【0135】
化合物60、H-NMR(400MHz、CDOD):δ7.88-7.86(d、1H)、7.71-7.69(m、2H)、7.44-7.42(m、2H)、7.34-7.32(d、2H)、7.20-7.17(dd、1H)、6.73-6.70(dd、1H)、6.62-6.61(d、1H)、3.60-3.57(t、2H)、3.41-3.38(d、1H)、2.92-2.86(m、4H)、2.77-2.73(m、2H)、2.06-1.95(m、1H)、1.76-1.67(m、1H)。C2623ClNOのESI-MS m/z計算値は467.11であり、実測値は468.2[M+H]であった。
【0136】
【化36】
【0137】
化合物61、H-NMR(400MHz、CDCl):δ7.97-7.95(d、1H)、7.40-7.38(d、2H)、7.29-7.27(d、2H)、7.00-6.95(m、2H)、6.72-6.70(dd、1H)、6.51-6.50(d、1H)、4.75(br、2H)、3.51-3.46(m、1H)、2.99(s
、3H)、2.77-2.62(m、4H)、2.05-1.98(m、1H)、1.74-1.69(m、1H)。C2622NOのESI-MS m/z計算値は453.16であり、実測値は476.2[M+Na]であった。
【0138】
【化37】
【0139】
化合物62、H-NMR(300MHz、CDCl):δ8.07-8.00(m、3H)、7.32(d、2H)、7.26-7.16(m、2H)、7.10-6.96(m、4H)、6.93-6.90(m、1H)、7.50(s、1H)、5.39(s、2H)、5.15(s、2H)、3.53(q、1H)、2.95-2.88(m、2H)、2.72(d、2H)、2.08-2.02(m、1H)、1.83-1.73(m、1H)。C3224のESI-MS m/z計算値は548.16であり、実測値は549.3[M+H]であった。
【0140】
8.化合物64~72
図式8
【0141】
【化38】
【0142】
化合物64~68の調製については、図式8を参照する。
メタノール(75.0mL)中の6-ヒドロキシ-1-テトラロン(39)(1.0g、6.16mmol)、4-ニトロベンズアルデヒド(63)(1.0g、6.61mmol)および濃HCl(50.0mL)の混合物を還流で18時間加熱した。混合物を室温まで冷却した後、ろ過した。残留物を少量のメタノールで洗浄し、真空中で乾燥し、化合物64(1.54g、85%)を薄茶色固体として得た。
【0143】
DMF(20mL)中の6-ヒドロキシ-1-テトラロン(1.5g、5.08mmo
l)、イミダゾール(0.69g、10.16mmol)の混合物に、クロロ-tert-ブチルジメチルシラン(1.15g、7.62mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌した。飽和NHCl(50mL)を反応混合物に加えた後、沈殿固体を収集し、冷水で洗浄した。更なる精製なしで得られた粗白色固体を化合物65として用い、その収量は、2.04g(4.98mmol)であった。
【0144】
化合物65(1.20g、2.93mmol)およびPd-C(240mg)のMeOH(150mL)溶液を水素雰囲気下室温で3時間攪拌した。次に、混合物をろ過し、ろ液を蒸発し、粗茶色油として生成物を得た。更なる精製なしで粗茶色油を化合物66として用い、その収量は、1.09g(2.87mmol)であった。
【0145】
ジクロロメタン(10mL)中の化合物66(268mg、0.70mmol)の溶液に、DIPEA(0.36mL、2.10mmol)およびトリホスゲン(230mg、0.77mmol)を0℃で加えた。反応混合物を同じ温度で1時間攪拌した。その後、反応混合物を室温まで温め、更に2時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発した。粗反応混合物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、0℃まで冷却した後、3,4-ジクロロベンジルアルコール(186mg、1.05mmol)およびDIPEA(0.36mL、2.10mmol)をその中に加えた。添加後、反応混合物を緩徐に室温まで温め、一晩攪拌した。反応混合物を飽和NHClでクエンチし、3×20mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。4:1ヘキサン-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムで、粗生成物を精製した。得られた生成物は、化合物67であり、その収量は、249mg(0.43mmol)であった。
【0146】
THF(5mL)中の化合物67(175mg、0.30mmol)の溶液に、THF(0.90mL)中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウムを加えた。反応混合物を3時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発した。粗残留物をEtOAcに溶解し、3×10mLの飽和NHClで洗浄した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。1:1ヘキサン-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムで、粗生成物を精製した。得られた生成物は、化合物68であり、その収量は、72mg(0.154mmol)であった。
【0147】
化合物69~72も上記に示される図式8に従って生成された。
【0148】
【化39】
【0149】
化合物69、H-NMR(400MHz、CDOD):δ7.87-7.85(d、1H)、7.48-7.46(d、2H)、7.27-7.14(m、3H)、7.19-7.17(d、2H)、6.72-6.69(dd、1H)、6.61-6.60(d、1H)、3.66(s、2H)、3.28-3.27(d、1H)、2.91-2.78(m、2H)、2.72-2.62(m、2H)、2.06-1.98(m、1H)、1.74-1.59(m、1H)。C2521NOのESI-MS m/z計算値は421.15であり、実測値は444.2[M+Na]であった。
【0150】
【化40】
【0151】
化合物70、H-NMR(300MHz、CDOD):δ7.88-7.85(d、1H)、7.39-7.35(m、5H)、7.17-7.14(d、2H)、6.73-6.69(dd、1H)、6.61-6.60(d、1H)、5.15(s、2H)、3.27-3.26(d、1H)、2.89-2.82(m、2H)、2.70-2.57(m、2H)、2.05-1.99(m、1H)、1.73-1.66(m、1H)。C2521ClNOのESI-MS m/z計算値は469.08であり、実測値は492.1[M+Na]であった。
【0152】
【化41】
【0153】
化合物71、H-NMR(300MHz、CDCl):δ8.02-7.99(d、1H)、7.32-7.25(m、2H)、7.19-7.16(d、2H)、7.12-6.91(m、1H)、6.77-6.73(dd、1H)、6.63-6.62(d、2H)、5.19(s、2H)、3.43-3.40(m、1H)、2.88-2.83(m、2H)、2.65-2.61(m、2H)、2.10-2.02(m、1H)、1.74-1.65(m、1H)。C2520NOのESI-MS m/z計算値は455.13であり、実測値は478.2[M+Na]であった。
【0154】
【化42】
【0155】
化合物72、H-NMR(400MHz、CDOD):δ7.94-7.91(d、1H)、7.71-7.70(d、1H)、7.17-7.05(m、3H)、7.00-6.94(m、1H)、6.86-6.83(dd、1H)、6.77-6.76(d、1H)、6.75-6.73(d、1H)、4.29-4.25(t、2H)、3.27-3.26(d、1H)、3.14-3.11(t、2H)、2.98-2.83(m、2H)、2.71-2.51(m、2H)、2.08-2.01(m、1H)、1.75-1.69(m、1H)。C2622のESI-MS m/z計算値は4
52.14であり、実測値は453.2[M+H]であった。
【0156】
9.化合物74~77
図式9
【0157】
【化43】
【0158】
化合物74~77の調製については、図式9を参照する。
MeCN(50mL)中の5-ヒドロキシインダノン(1)(1.0g、6.4mmol)、臭化アルキル(73)(941μl、7.1mmol)およびKCO(2.0g、14.1mmol)の混合溶液を室温で16時間攪拌した。混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。その後、DCM(10mL)を混合物に加え、ろ過してKCOを除去した。更なる精製なしでろ液を濃縮し、生成物を化合物74である固体生成物として得て、その収量は、1.4g(4.8mmol)であった。
【0159】
TFA(15mL)中の化合物73(0.5g、1.7mmol)の溶液に、NaNを加えて混合物を形成し、混合物を80℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、HO(10mL)を混合物に加え、混合物を濃縮した。残留物をEAおよびNaHCOで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、更なる精製なしで濃縮し、生成物を化合物75である固体生成物として得て、その収量は、200.0mg(0.7mmol)であった。
【0160】
DMF(10mL)中の化合物75(200mg、0.65mmol)の溶液に、NaH(60%、40mg、1.3mmol)を室温で緩徐に加えて混合物を形成し、混合物を10分間攪拌した。次に、臭化アルキル(180mg、0.8mmol)を混合物に加えた。その後、反応混合物を16時間攪拌した。混合物をEtOAcおよびNaHCOで抽出した。有機層を乾燥まで濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラ(EA:Hex=1:1)によって精製し、化合物76である生成物を得て、その収量は、180.0mg(0.4mmol)であった。
【0161】
THF:MeOH=1.1(10mL)の共溶媒中の化合物76(180.0mg、0.4mmol)の溶液に、1N NaOH溶液(10mL)を室温で4時間加えた。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。残留物を水で希釈し、2N HCl(aq)でpH4まで酸性化した。得られた白色沈殿物をろ過し、水およびエーテルで洗浄し、真空中で乾燥し、生成物を化合物77である固体生成物として得て、その収量は、143.0m
g(0.32mmol)であった。化合物77、H-NMR(400MHz、CDOD):δ8.02-7.95(m、3H)、7.52-7.43(m、3H)、7.27-7.20(m、1H)、7.10(d、1H)、6.90(s、1H)、5.16(s、2H)、4.84(s、2H)、3.55(t、2H)、2.99(t、2H)。C2418NOのESI-MS m/z計算値は441.12であり、実測値は442.2[M+H]であった。
【0162】
10.化合物79~81
図式10
【0163】
【化44】
【0164】
化合物79~81の調製については、図式10を参照する。
テレフタルアルデヒドモノジエチルアセタール(78)(0.63g、3.0mmol)および3,4-ジフルオロアセトフェノン(0.45g、2.9mmol)を混合し、15mLのメタノールに溶解し、5℃で数分間攪拌した。滴下によって4mLの1N NaOH溶液(aq)を上記の溶液に数分間かけて加えた。得られた混合物を室温(27℃)で18時間攪拌した。生成物の形成は、沈殿物の出現および反応混合物の色の変化によって示された。TLCを用いて反応をモニターし、完了に際し、反応をクエンチするために酸性化氷を混合物に加えた。沈殿物を黄色粉末(化合物79)(0.78g、78%)として収集した。更なる精製なしで粗黄色粉末(化合物79)を次のステップで用いた。
【0165】
メタノール(7.50mL)中の6-ヒドロキシ-1-テトラロン(0.33g、2mmol)、黄色粉末(化合物79)(0.77g、2.22mmol)および濃HCl(5.0mL)混合物を還流で18時間加熱した。混合物を室温まで冷却した後、ろ過した。残留物を少量のメタノールで洗浄し、真空中で乾燥し、化合物80(0.54g、65%)を薄黄色固体として得た。
【0166】
メタノール(20mL)中の化合物80(0.3g、0.72mmol)および木炭上の10%パラジウム(0.1g)の混合物を水素雰囲気下室温で18時間攪拌した。セライト床によるろ過によってパラジウムを除去し、ろ液を真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EA=3:1)による精製によって茶色固体として化合物81(0.14g、47%)を得た。化合物81、H-NMR(300MHz、CDCl):δ8.01-7.98(d、1H)、7.81-7.69(m、2H)、7.27-7.12(m、5H)、6.81-6.77(dd、1H)、6.66(s、1H)、3.44-3.39(dd、1H)、3.27-3.22(m、2H)、3.05-3.00(m、2H)、2.88-2.83(m、2H)、2.71-2.58(m、2H)、
2.08-2.02(m、1H)、1.81-1.70(m、1H)。C2622のESI-MS m/z計算値は420.15であり、実測値は421.2[M+H]であった。
【0167】
11.化合物83~85
図式11
【0168】
【化45】
【0169】
化合物83~85の調製については、図式11を参照する。
ジクロロメタン(20mL)中のピぺラジン(82)(0.50g、2.68mmol)の溶液に、DIPEA(1.86mL、10.72mmol)およびトリホスゲン(0.80g、2.68mmol)を0℃で加えた。反応混合物を同じ温度で1時間攪拌した。次に、反応混合物を室温まで温め、更に2時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発した。その後、反応混合物をジクロロメタン(20mL)に溶解し、3,5-ジクロロベンジルアルコール(0.71g、4.02mmol)およびDIPEA(1.86mL、10.72mmol)をその中に加えた。添加後、反応混合物を一晩加熱して還流した。反応混合物を飽和NHClでクエンチし、3×20mLのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。4:1ヘキサン-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムで粗生成物を精製した。得られた生成物は、化合物83であり、その収量は、0.87g(2.22mmol)であった。
【0170】
1,4-ジオキサン(5mL)中の4M HClを化合物83(0.87g、2.22mmol)に0℃で加え、反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発した。更なる精製なしで粗白色固体を次のステップで化合物84としてそのまま用い、その収量は、0.75g(2.09mmol)であった。
【0171】
i-PrOH(5mL)中の6-ヒドロキシ-1-テトラロン(41mg、0.25mmol)、パラホルムアルデヒド(77mg、1.25mmol)およびピぺラジン塩化水素塩(364mg、1.00mmol)の混合物に、濃HCl(0.1mL)を加えた後、混合物を80℃で一晩加熱した。溶媒を減圧下で蒸発した。粗残留物をEtOAcに溶解し、飽和NaHCOで洗浄した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。1:1ヘキサン-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムで粗生成物を精製した。得られた生成物は、化合物85であり、その収量は、30mg(0.065mmol)であった。化合物85、H-NMR(300MHz、CDCl):δ7.96-7.93(d、1H)、7.31-7.30(t、1H)、7.22-7.21(d、2H)、6.76-6.72(dd、1H)、6.66-6.65(d、1H)、5.07(s、2H)、3.54-3.47(m、5H)、2.95-2.90(m、4H)、2.67-2.51(m、3H)、2.44-2.30(m、2H)、1.96-1.88(m、1H)。C2324ClのESI-MS m/z計算値は462.11であり、実測値は463.2[M+H]であった。
【0172】
12.化合物87~89
図式12
【0173】
【化46】
【0174】
化合物87~88の調製については、図式12を参照する。
MeOH(2mL)中の5-ヒドロキシインダノン(1)(1.0g、6.41mmol)およびアルデヒド(86)(1.02g、7.05mmol)の混合物に、1N NaOH溶液(2mL)を室温で加え、16時間攪拌した。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフ(EA:Hex=1:1)によって残留物を精製し、化合物87である生成物を得て、その収量は、1.1g(4.06mmol)であった。
【0175】
DMF(10mL)中の化合物87(1.0mg、1.74mmol)、4-ブロモメチル安息香酸メチル(0.14ml、0.61mmol)およびKCO(210.8mg、1.53mmol)の混合溶液を室温で16時間攪拌した。混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。その後、EA(10mL)を混合物に加え、混合物をろ過してKCOを除去した。ろ液をEAおよびNaHCOで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、更なる精製なしで濃縮し、生成物を化合物88である固体生成物として得て、その収量は、84.0mg(0.20mmol)であった。化合物88、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.01(d、2H)、7.81(dd、1H)、7.78(dd、1H)、7.73(dd、1H)、7.69-7.62(m、3H)、7.44(s、1H)、7.27(s、1H)、7.15(d、1H)、5.37(s、2H)、4.09(s、2H)、3.86(s、3H)。C2518ClFOのESI-MS m/z計算値は436.09であり、実測値は438.2[M+H]であった。
【0176】
化合物89も上記に示される図式12に従って生成された。
【0177】
【化47】
【0178】
化合物89、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.08-7.98(m、3H)、7.86-7.83(m、1H)、7.84(d、1H)、7.63(d、3H)、7.31(d、1H)、6.97(d、1H)、6.90(s、1H)、5.41(s、2H)、3.34(s、3H)。C2416のESI-MS m/z計算値は422.10であり、実測値は445.1[M+Na]であった。
【0179】
13.化合物91~93
図式13
【0180】
【化48】
【0181】
化合物91~92の調製については、図式14を参照する。
MeCN(50mL)中の5-ヒドロキシインダノン(1)(288.0mg、1.74mmol)、臭化アルキル(90)(0.25ml、1.91mmol)およびKCO(483.7mg、3.5mmol)の混合溶液を室温で16時間攪拌した。混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。その後、DCM(10mL)を混合物に加え、混合物をろ過してKCOを除去した。更なる精製なしでろ液を濃縮し、生成物を化合物91である固体生成物として得て、その収量は、0.4g(1.21mmol)であった。
【0182】
MeOH(2mL)中の化合物91(100mg、0.35mmol)および4-トリフルオロメチルベンズアルデヒド(0.05mL、0.35mmol)の混合物に、1N
NaOH溶液(2mL)を室温で加え、混合物を16時間攪拌した。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラ(EA:Hex=1:3)によって残留物を精製し、化合物92である生成物を得て、その収量は、25.3mg(0.06mmol)であった。化合物92、H-NMR(400MHz、CDCl):δ8.13(d、1H)、7.82(s、1H)、7.67(d、2H)、7.51(d、2H)、7.23-7.16(m、2H)、6.96-6.93(m、2H)、6.78(s、1H)、5.09(s、2H)、3.10-3.07(m、2H)、2.95-2.92(m、2H)。C2517のESI-MS m/z計算値は444.11であり、実測値は467.1[M+Na]であった。
【0183】
化合物93も上記に示される図式13に従って生成された。
【0184】
【化49】
【0185】
化合物93、H-NMR(400MHz、CDCl):δ8.13(d、1H)、7.82(s、1H)、7.65(s、1H)、7.61-7.52(m、3H)、7.30-7.16(m、3H)、6.94(d、1H)、6.78(s、1H)、5.08(s、2H)、3.10-3.07(m、2H)、2.95-2.92(m、2H)。C2517のESI-MS m/z計算値は444.11であり、実測値は467.1[M+Na]であった。
【0186】
14.化合物95~96
図式14
【0187】
【化50】
【0188】
化合物95~96の調製については、図式15を参照する。
1,2,4-ベンゼントリカルボン酸無水物(94)(1.76g、10mmole)は、還流条件下で酢酸10mL中の3-トリフルオロメチルベンジルアミン(1.92g、10mmole)で処理した。18時間後、酢酸を真空で除去した。得られた固体をHOで洗浄し、ろ過し、乾燥し、化合物95であるカルボン酸を得た。
【0189】
カルボン酸(95)(0.1g、0.286mmol)を、塩化オキサリル(0.43mmol、2eq)および触媒量の無水CHCl10mL中のDMFを用いることによって対応するハロゲン化アシルに0℃で変換した後、室温まで温め、一晩攪拌した。過剰の塩化オキサリルおよびCHClを真空で除去した。粗ハロゲン化アシルを新たなCHClおよび3,4-ジフルオロアニリン(0.044g、0.34mmole)に溶解し、EtN(0.4mmole)をその中に加え、3時間攪拌した。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフ(EA:Hex=3:1)によって残留物を精製し、化合物96である生成物を得た。化合物96、H-NMR(300MHz、CDCl):δ8.31-8.28(m、2H)、8.02-7.99(m、1H)、7.90(s、1H)、7.80-7.73(m、1H)、7.69(s、1H)、7.65-7.63(d、1H)、7.58-7.55(d、1H)、7.49-7.44(t、1H)、7.26-7.17(m、2H)、4.93(s、2H)。C2313のESI-MS m/z計算値は460.08であり、実測値は483.1[M+Na]であった。
【0190】
15.化合物98~102
図式15
【0191】
【化51】
【0192】
化合物98~99の調製については、図式15を参照する。
無水CHCN中の4-ヒドロキシベンズアルデヒド(97)(1.0g、8.2mmol)の攪拌溶液に、KCO(3.4g、24.6mmol)および2,4,5-トリフルオロベンジルブロミド(2.3g、10.0mmol)を加えた。得られた溶液を80℃で一晩加熱した。出発物質の消費をTLCによって確認した後、飽和塩化アンモニウムの添加によって反応をクエンチした。得られた懸濁液をCHCl(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。ヘキサ
ン/エタノール(1:1)中での再結晶によって粗物質を精製し、化合物98を1.6g得た。
【0193】
メタノール(21.0mL)中の6-ヒドロキシ-1-テトラロン(0.5g、3.08mmol)、化合物98(0.9g、3.39mmol)および濃HCl(15.0mL)の混合物を還流で18時間加熱した。混合物を室温まで冷却した後、ろ過した。残留物を少量のメタノールで洗浄し、真空中で乾燥し、固体生成物として化合物99(0.46g、36%)を得た。化合物99、H-NMR(300MHz、DMSO):δ10.39(s、1H)、7.84(d、1H)、7.81-7.60(m、3H)、7.50(d、2H)、7.12(d、2H)、6.76(dd、1H)、6.67(s、1H)、5.15(s、2H)、3.03(t、2H)、2.83(t、2H)。C2417のESI-MS m/z計算値は410.11であり、実測値は411.2[M+H]であった。
【0194】
化合物100~102も上記に示される図式15に従って生成された。
【0195】
【化52】
【0196】
化合物100、H-NMR(300MHz、CDOD):δ7.95(d、1H)、7.83(s、1H)、7.45-7.31(m、4H)、7.12-6.92(m、4H)、6.79(d、1H)、6.66(s、1H)、4.23(t、2H)、3.19-3.08(m、4H)、2.90(t、2H)。C2521FOのESI-MS
m/z計算値は388.15であり、実測値は411.1[M+Na]であった。
【0197】
【化53】
【0198】
化合物101、H-NMR(300MHz、DMSO):δ10.40(s、1H)、7.87(d、1H)、7.61(s、1H)、7.50-7.47(d、2H)、7.34-7.23(m、2H)、7.08-7.03(m、3H)、6.76(dd、1H)、6.67(s、1H)、4.39(s、4H)、3.03(t、2H)、2.83(t、2H)。C2520のESI-MS m/z計算値は422.13であり、実測値は423.2[M+H]であった。
【0199】
【化54】
【0200】
化合物102、H-NMR(300MHz、CDCl):δ8.01(d、1H)、7.15(d、2H)、7.04-6.96(m、1H)、6.88(d、3H)、6.84-6.74(m、2H)、6.63(s、1H)、5.54(s、1H)、4.38-4.28(m、4H)、3.38(d、1H)、2.88-2.84(m、2H)、2.66-2.63(m、2H)、2.09-2.04(m、1H)、1.81-1.71(m、1H)。C2522のESI-MS m/z計算値は424.15であり、実測値は425.2[M+H]であった。
【0201】
16.化合物110
図式16
【0202】
【化55】
【0203】
化合物100の調製については、図式16を参照する。
図式16-1
【0204】
【化56】
【0205】
化合物103の調製の詳細については、図式16-1および以下を参照する。
DCM(100mL)中の5-アミノインダン(22)(5.00g、37.5mmol)の溶液に、TEA(10.4mL)および二炭酸ジ-tert-ブチル(9.83g、45.1mmol)を加えた後、室温で3時間攪拌した。
【0206】
溶媒を減圧下で除去した後、残留物をHOで希釈し、EAで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した後、真空中で濃縮し、N-(インダン-5-イル)カルバミド酸tert-ブチルを白色固体として得て、更なる精製なしでそれを用いた。N-(インダン-5-イル)カルバミド酸tert-ブチルは、化合物103であり、その収量は、8.61g(36.9mmol)であった。
【0207】
図式16-2
【0208】
【化57】
【0209】
化合物104の調製の詳細については、図式16-2および以下を参照する。
AcOH(10mL)中の化合物103(2.00g、8.6mmol)の溶液に、AcOH水溶液(10mL、50%)に溶解したCrO(2.57g、25.7mmol)を0℃で緩徐に加えた。反応混合物を室温まで温め、1時間攪拌した。
【0210】
反応混合物を真空中で濃縮した後、1N NaOHで塩基性にし、3×30mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮し、1-インダノンを白色固体として得て、更なる精製なしでそれを用いた。1-インダノンは、化合物104であり、その収量は、1.60g(6.5mmol)であった。
【0211】
図式16-3
【0212】
【化58】
【0213】
化合物105の調製の詳細については、図式16-3および以下を参照する。
MeOH(20mL)中の化合物104(0.31g、1.3mmol)およびアルデヒド(0.19g、1.3mmol)の混合物に、1N NaOH(3.7mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。
【0214】
溶媒を減圧下で除去した。次に、反応混合物を1N HClで酸性化した。沈殿固体をろ過によって収集し、MeOHで洗浄した。得られた生成物は、化合物105であり、その収量は、0.44g(1.2mmol)であった。
【0215】
図式16-4
【0216】
【化59】
【0217】
化合物106の調製の詳細については、図式16-4および以下を参照する。
化合物105(0.40g、1.05mmol)およびPd-C(0.08g)のMeOH(150mL)溶液を水素雰囲気下室温で一晩攪拌した。次に、混合物をろ過し、ろ液を蒸発し、生成物を得た。更なる精製なしで粗生成物を化合物106として用い、その収量は、0.35g(0.91mmol)であった。
【0218】
図式16-5
【0219】
【化60】
【0220】
化合物107の調製の詳細については、図式16-5および以下を参照する。
トルエン(10mL)中の化合物106(0.35g、0.91mmol)の溶液に、3滴の硫酸を加えた後、溶液を4時間還流した。
【0221】
溶媒を減圧下で除去した後、残留物を飽和NHCl水溶液で希釈し、3×20mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥した。更なる精製なしで粗生成物を化合物107として用い、その収量は、0.26g(0.71mmol)であった。
【0222】
図式16-6
【0223】
【化61】
【0224】
化合物108の調製の詳細については、図式16-6および以下を参照する。
化合物107(0.26g、0.71mmol)およびPd-C(0.05g)のMeOH(50mL)溶液を水素雰囲気下室温で一晩攪拌した。次に、混合物をろ過し、ろ液を蒸発し、粗生成物を得た。更なる精製なしで粗生成物を化合物108として用い、その収量は、0.21g(0.57mmol)であった。
【0225】
図式16-7
【0226】
【化62】
【0227】
化合物109の調製の詳細については、図式16-7および以下を参照する。
1,4-ジオキサン(5mL)中の4M HClを化合物108(0.21g、0.57mmol)に0℃で加え、反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発した。更なる精製なしで粗白色固体を次のステップで化合物109としてそのまま用い、その収量は、0.14g(0.46mmol)であった。
【0228】
図式16-8
【0229】
【化63】
【0230】
化合物110の調製の詳細については、図式16-8および以下を参照する。
1:1ジオキサン-水(10mL)中の化合物109(0.14g、0.46mmol
)の氷冷溶液に、2N NaOH(1mL)の溶液を加えて混合物を形成した。この混合物をクロロギ酸ベンジル(0.09g、0.5mmol)で処理した後、氷浴で2時間攪拌した。反応混合物を1N HClの水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮し、固体を粗生成物として得た。1:1ヘキサン-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムで粗生成物を精製した。得られた生成物は、化合物110であり、その収量は、32.5mg(0.08mmol)であった。
【0231】
【化64】
【0232】
化合物110、H-NMR(400MHz、CDCl):δ8.05-8.03(d、2H)、7.39-7.30(m、7H)、7.12-7.04(m、2H)、6.62(s、1H)、5.19(s、2H)、3.02-2.58(m、7H)。C2523NOのESI-MS m/z計算値は401.16であり、実測値は424.2[M+Na]であった。
【0233】
17.化合物117
図式17
【0234】
【化65】
【0235】
化合物117の調製については、図式17を参照する。
図式17-1
【0236】
【化66】
【0237】
化合物113の調製の詳細については、図式17-1および以下を参照する。
MeOH(10.0mL)中の化合物111(235mg、1.55mmol)および化合物112(590mg、2.38mmol)の混合物に、1N NaOH(6.4mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。
【0238】
溶媒を減圧下で除去した。残留物を冷水で希釈し、1N HClで酸性化した後、酢酸エチルで抽出し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮し、固体を粗生成物として得た。粗生成物は、化合物113であり、その収量は、480mg(1.27mmol)であった。
【0239】
図式17-2
【0240】
【化67】
【0241】
化合物114の調製の詳細については、図式17-2および以下を参照する。
DMF(10mL)中の化合物113(480mg、1.27mmol)およびイミダゾール(173mg、2.54mmol)の混合物に、クロロ-tert-ブチルジメチルシラン(287mg、1.91mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌した。その後、飽和NHCl(50mL)を反応混合物に加え、沈殿固体を収集し、冷水で洗浄した。更なる精製なしで得られた粗白色固体を化合物114として用い、その収量は、482mg(0.98mmol)であった。
【0242】
図式17-3
【0243】
【化68】
【0244】
化合物115の調製の詳細については、図式17-3および以下を参照する。
化合物114(482mg、0.98mmol)およびPd-C(96mg)のMeOH(100mL)溶液を水素雰囲気下室温で一晩攪拌した。次に、混合物をろ過し、ろ液を蒸発し、粗生成物を得た。更なる精製なしで粗生成物を化合物115として用い、その収量は、317mg(0.88mmol)であった。
【0245】
図式17-4
【0246】
【化69】
【0247】
化合物116の調製の詳細については、図式17-4および以下を参照する。
DCM(5mL)中の3,5-ジクロロベンジルアルコール(96mg、0.54mmol)およびDIPEA(70mg、0.54mmol)の溶液に、トリホスゲン(54mg、0.18mmol)を氷浴で加えた。反応混合物を同じ温度で1時間攪拌した。
【0248】
DCM(5mL)中の化合物115(65mg、0.18mmol)およびDIPEA(70mg、0.54mmol)の溶液を反応混合物に氷浴で加えた。添加後、反応混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。
【0249】
溶媒を減圧下で除去した後、残留物をEAおよび飽和NHClで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮し、固体を粗生成物として得た。更なる精製なしで粗生成物を化合物116として用い、その収量は、80mg(0.14mmol)であった。
【0250】
図式17-5
【0251】
【化70】
【0252】
化合物117の調製の詳細については、図式17-5および以下を参照する。
THF(5mL)中の化合物116(80mg、0.14mmol)の溶液に、1M TBAF(1mL)を加えて混合物を形成し、混合物を室温で30分間攪拌した。
【0253】
溶媒を減圧下で除去した。残留物をEAおよび飽和NHClで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮し、固体を粗生成物として得た。10:1ヘキサン-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムで粗生成物を精製した。得られた生成物は、化合物117であり、その収量は、32mg(0.07mmol)であった。
【0254】
【化71】
【0255】
化合物117、H-NMR(300MHz、CDCl):δ7.33-7.29(m、2H)、7.23-7.22(m、2H)、7.18-7.12(m、2H)、5.08-5.06(d、2H)、4.16(br、2H)、3.32-3.24(m、1H)、2.82(br、2H)、2.79-2.67(m、2H)、1.95-1.86(m、1H)、1.79-1.72(m、4H)、1.38-1.33(m、1H)、1,24-1.18(m、1H)。C2323ClNOのESI-MS m/z計算値は447.10であり、実測値は470.20[M+Na]であった。
【0256】
18.化合物118
図式18
【0257】
【化72】
【0258】
DCM(20mL)中の2-(4-アミノベンジル)-6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(化合物66、0.08g、0.21mmol)およびTEA(0.04g、0.43mmol)の溶液に、イソシアン酸フェニル(0.04g、0.23mmol)を加えた。添加後、反応混合物を30分間攪拌した。
【0259】
反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をTHF(20mL)に溶解し、TBAF(0.4mL)を加えた。添加後、反応混合物を30分間攪拌した。
【0260】
反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をEtOAcで希釈し、飽和NHClおよびブラインで洗浄した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。10:3 Hex-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、化合物118を得た。収量は、0.08g(0.17mmol)であった。
【0261】
【化73】
【0262】
化合物118、H-NMR(400MHz、CDOD):δ7.88-7.86(d、1H)、7.48-7.47(d、2H)、7.36-7.34(d、2H)、7.20-7.18(d、2H)、7.04-7.03(t、1H)、6.72-6.69(dd、1H)、6.61-6.60(d、1H)、3.29-3.28(m、1H)、2.94-2.84(m、2H)、2.82-2.66(m、1H)、2.08-2.01(m、1H)、1.77-1.67(m、1H)、1.57-1.51(m、1H)。C2420ClのESI-MS m/z計算値は454.03であり、実測値は477.1[M+Na]であった。
【0263】
19.化合物119
図式19
【0264】
【化74】
【0265】
図式19-1
【0266】
【化75】
【0267】
MeOH(30mL)中の6-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(0.05g、0.34mmol)および4-ホルミルピぺリジン-1-カルボン酸ベンジル(0.13g、0.51mmol)の混合物に、1N NaOH(1.36mL、1.36mmol)を加えた。添加後、反応混合物を室温で一晩攪拌した。
【0268】
反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を1N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。更なる精製なしで粗生成物化合物119aを次のステップで用いた。
【0269】
図式19-2
【0270】
【化76】
【0271】
DMF(5mL)中の(E)-4-((6-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-インデン-2-イリデン)メチル)ピぺリジン-1-カルボン酸ベンジル(化合物119a、0.17g、0.45mmol)およびイミダゾール(0.06g、0.90mmol)の混合物に、TBDMSCl(0.10mL、0.68mmol)を0℃で加えた。次に、反応混合物を室温まで温め、一晩攪拌した。
【0272】
反応が完了した後、溶媒を除去した。残留物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。10:1 Hex-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、化合物119bを得た。収量は、0.11g(0.22mmol)であった。
【0273】
図式19-3
【0274】
【化77】
【0275】
MeOH(20mL)中の(E)-4-((6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-インデン-2-イリデン)メチル)ピぺリジン-1-カルボン酸ベンジル(化合物119b、0.11g、0.22mmol)の溶液に、Pd/C(0.02g)を加えた後、反応混合物をH下で一晩攪拌した。
【0276】
反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をセライトでろ過し、EtOAcで洗浄した後、真空中で濃縮した。更なる精製なしで粗生成物化合物119cを次のステップで用いた。
【0277】
図式19-4
【0278】
【化78】
【0279】
DCM(50mL)中の(3,5-ジクロロフェニル)メタノール(化合物119c、0.09、0.54mmol)およびDIPEA(0.07g、0.54mmol)の溶液に、トリホスゲン(0.05g、0.18mmol)を0℃で加えた。添加後、反応混合物を同じ温度で1時間攪拌した。
【0280】
DCM(10mL)中の6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-(ピぺリジン-4-イルメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(0.06g、0.18mmol)およびDIPEA(0.07g、0.54mmol)の溶液を、反応混合物に加えた。添加後、反応混合物を緩徐に室温まで温め、一晩攪拌した。
【0281】
反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。10:1 Hex-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、化合物119d(0.08g)を得た。
【0282】
図式19-5
【0283】
【化79】
【0284】
THF(5mL)中の4-((6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メチル)ピぺリジン-1-カルボン酸3,5-ジクロロベンジル(化合物119d、0.08g、0.14mmole)の溶液に、TBAF(0.5mL)を加えた。添加後、反応混合物を室温で30分間攪拌した。
【0285】
反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、真空中で濃縮した。10:1 Hex-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、化合物119を得た。収量は、0.03g(0.07mmol)であった。
【0286】
【化80】
【0287】
化合物119、H-NMR(300MHz、CDCl):δ7.33-7.12(m、6H)、5.08-5.06(d、2H)、4.16-4.09(m、2H)、3.32-3.24(m、1H)、2.82-2.67(m、4H)、1.95-1.86(m、1H)、1.79-1.64(m、4H)、1.38-1.18(m、2H)。C2323ClNOのESI-MS m/z計算値は447.10であり、実測値は4
70.2[M+Na]であった。
【0288】
20.化合物120~121、125および127
図式20
【0289】
【化81】
【0290】
図式20-1
【0291】
【化82】
【0292】
MeCN(150mL)中の5-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(化合物1、4.4g、29.7mmol)、4-(ブロモメチル)安息香酸メチル(化合物2、6.8g、29.7mmol)およびKCO(8.2g、59.4mmol)の混合溶液を50℃で16時間攪拌した。室温まで冷却した後、混合溶液を濃縮した。残留物をHOおよびエーテルで洗浄した。ろ紙上で押すことによって固体を更に乾燥し、生成物4-(((1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸メチル(化合物3、7.9g、90%の収量)を得た。
【0293】
図式20-2
【0294】
【化83】
【0295】
MeCN(100mL)中の4-(((1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸メチル(化合物3、7.9g、26.7mmol)の溶液に、1N NaOH溶液(80mL)を50℃で一晩加えた。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。残留物を水で希釈し、2N HCl(aq)でpH4まで酸性化した。得られた白色沈殿物をろ過し、HOおよびエーテルで洗浄した。ろ紙上で押すことによって固体を更に乾燥し、白色粉末生成物4-(((1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸(化合物4、7.0g、93%の収量)を得た。
【0296】
図式20-3
【0297】
【化84】
【0298】
MeOH(100mL)中の4-(((1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸(化合物4、7.0g、24.8mmol)および3,5-ジクロロベンズアルデヒド(5.2g、29.7mmol)の混合物に、1N NaOH溶液(560mL)を室温で16時間加えた。反応混合物を濃縮して有機溶媒を除去した。残留物を水で希釈し、2N HCl(aq)でpH4まで酸性化した。得られた白色沈殿物をろ過し、HOおよびエーテルで洗浄し、それをろ紙上で押すことによって乾燥し、生成物を粉末として得て、粗生成物を固体(12.2g)として得た。MeOH:Toluene=1:6の共溶媒に、粗生成物を加え、60℃で4時間攪拌した。温度が室温まで冷却した際に、混合物をろ過し、HOおよびエーテルで洗浄した。ろ紙上で押すことによって固体を更に乾燥し、生成物(E)-4-(((2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸を白色粉末(化合物20、7.1g、65%の収量)として得た。
【0299】
図式20-4
【0300】
【化85】
【0301】
DCM中の(E)-4-(((2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸(化合物20、100.0mg、0.23mmol)、DMAP(56.2mg、0.46mmol)およびEDCI(52.9mg、0.35mmol)の混合溶液に、THF(0.3mL)中の2Mメチルアミンの溶液を加え、一晩攪拌した。反応が完了した後、ヘキサンを加えて白色固体を分離し、それをろ過し、HOおよびエーテルで洗浄し、生成物を白色固体生成物化合物120として得た。収量(72.0mg、69%の収量)であった。
【0302】
【化86】
【0303】
化合物120、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.51(s、1H)、7.89-7.69(m、6H)、7.58-7.55(d、2H)、7.43(s、1H)、7.33(s、1H)、7.14-7.11(d、1H)、5.32(s、2H)、4.12(s、2H)、2.79(s、3H)。C2519ClNOのESI-MS m/z計算値は451.07であり、実測値は474.3[M+Na]であった。
【0304】
【化87】
【0305】
DCM中の(E)-4-(((2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸(化合物20、100.0mg、0.23mmol)、DMAP(56.2mg、0.46mmol)、EDCI(52.9mg、0.35mmol)および1-(メチルスルホニル)ピぺラジン(45.3mg、0.28mmol)の混合溶液を一晩攪拌した。反応が完了した後、粗生成物をNHOHおよびDCMで抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濃縮した。シリカゲル(EAのみ(20mL)、次いでDCM:MeOH=1:8)で残留物を精製し、化合物121(80.0mg、59%の収量)を得た。
【0306】
【化88】
【0307】
化合物121、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.82(s、2H)、7.77-7.75(d、1H)、7.69(s、1H)、7.59-7.57(d、2H)、7.49-7.46(d、2H)、7.43(s、1H)、7.34(s、1H)、7.15-7.12(d、1H)、5.31(d、2H)、4.13(d、2H)、3.70-3.45(br、4H)、3.17-3.15(br、4H)、2.90(s、3H)。C2926ClSのESI-MS m/z計算値は584.09であり、実測値は607.4[M+Na]であった。
【0308】
化合物125および127は、図式20-4と同じ方法を用いることによって合成した。
【0309】
【化89】
【0310】
化合物125、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.99-7.96(d、2H)、7.81(s、2H)、7.77-7.74(d、1H)、7.69(s、1H)、7.60-7.57(m、2H)、7.42(s、1H)、7.32(s、1H)、7.15-7.12(dd、1H)、5.35(s、2H)、4.12(s、2H)、3.33(s、3H)。C2519ClNOSのESI-MS m/z計算値は515.04であり、実測値は516.3[M+H]であった。
【0311】
【化90】
【0312】
化合物127、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.81-7.69(m、7H)、7.59-7.56(d、2H)、7.42(s、1H)、7.32(s、1H)、7.14-7.10(d、1H)、5.76(s、2H)、4.12(s、2H)、3.71(s、3H)。C2519ClNOのESI-MS m/z計算値は467.03であり、実測値は468.3[M+H]であった。
【0313】
21.化合物122~124、126および130
図式21
【0314】
【化91】
【0315】
図式21-1
【0316】
【化92】
【0317】
4-(ブロモメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(2.7g、10mmol)、無水
炭酸カリウム(1.4g、10mmol)および無水THF(60mL)を窒素下で混合した。混合物を氷浴で冷却し、THF中のメチルアミンの2M溶液を滴下し、この温度で30分間攪拌した。氷浴を取り外し、周囲温度で16時間攪拌した。EtOAcで希釈した後、1N HCl水溶液で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。1:0、4:1、7:3および13:7 Hex-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、4-ブロモメチル-N-メチル-ベンゼンスルホンアミドである化合物21aを得た。収量(1.5g、71%)であった。
【0318】
図式21-2
【0319】
【化93】
【0320】
1,4-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(3.10g、11.75mmol)およびメチルスルフィン酸ナトリウム(0.40g、3.92mmol)をDMF(5mL)に溶解し、反応を80℃まで6時間温め、室温まで冷却した後、そこへ水(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。2:1石油エーテル-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、化合物21bを白色固体1-(ブロモメチル)-4-((メチルスルホン)メチル)ベンゼン(1.4g、60.0%)として得た。
【0321】
図式21-3
【0322】
【化94】
【0323】
図式21-3a
【0324】
【化95】
【0325】
MeOH(20mL)中の5-ヒドロキシインダノン(化合物1、500.0mg、3.4mmol)および3,5-ジクロロベンズ-アルデヒド(650.0mg、3.7mol)の溶液に、1N NaOH(10mL)を加えた。溶液を室温で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮した。残留物をHOおよびエーテルで洗浄した。ろ紙上で押すことによって固体を更に乾燥し、生成物を粉末として得た。更なる精製なしで(E)-2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-5-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(1.02g、98%の収量)である生成物化合物21cを用いた。
【0326】
図式21-3b
【0327】
【化96】
【0328】
アセトン(30mL)中の(E)-2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-5-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(0.45g、1.47mmol)およびKCOの混合物に、2-(4-(ブロモメチル)フェニル)酢酸エチル(0.43g、1.67mmol)を加えた。添加後、反応混合物を一晩還流した。
【0329】
反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を水で希釈した後、沈殿した固体をろ過によって収集した。粗沈殿した固体をトルエンから再結晶し、化合物130aである生成物を得た後、更なる精製なしで次のステップで用いた。収量は、0.45g(0.96mmol)であった。
【0330】
図式21-3c
【0331】
【化97】
【0332】
(E)-2-(4-(((2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)フェニル)酢酸エチル(化
合物130a、0.12g、0.25mmol)をMeOH/THF(10mL、1:1)に溶解し、1N LiOHを1.5mL反応混合物に加え、室温で一晩攪拌した。
【0333】
反応が完了した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を1N HClで酸性化し、沈殿した固体をろ過によって収集した。10:1 EtOAc-MeOHを溶離液として用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、化合物130である生成物を得た。収量は、2.6mg(0.005mmol)であった。
【0334】
【化98】
【0335】
化合物130、H-NMR(300MHz、CDCl):δ7.87-7.84(d、1H)、7.49-7.48(d、2H)、7.44-7.31(m、6H)、7.06-7.03(m、2H)、5.17(s、2H)、3.97(s、2H)、3.68(s、2H)。C2518ClのESI-MS m/z計算値は452.06であり、実測値は475.0[M+Na]であった。
【0336】
化合物122~124および126は、図式21と同じ方法を用いることによって合成した。
【0337】
【化99】
【0338】
化合物122、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.98-7.97(d、2H)、7.81(s、2H)、7.77-7.71(m、3H)、7.69(s、1H)、7.42(s、1H)、7.34(s、1H)、7.18-7.13(d、1H)、5.37(s、2H)、4.13(s、2H)、3.23(s、3H)。C2418ClSのESI-MS m/z計算値は472.03であり、実測値は495.3[M+Na]であった。
【0339】
【化100】
【0340】
化合物123、H-NMR(400MHz、DMSO):δ7.83-7.81(m、4H)、7.76(d、1H)、7.72-7.69(m、3H)、7.50(s、1H)、7.43(m、1H)、7.34(m、1H)、7.14(dd、1H)、5.38(s、2H)、4.13(s、2H)、2.42(s、3H)。C2419ClNOSのESI-MS m/z計算値は487.04であり、実測値は488.3[M+H]であった。
【0341】
【化101】
【0342】
化合物124、H-NMR(300MHz、DMSO):δ7.82(s、2H)、7.76-7.73(d、1H)、7.69(s、1H)、7.54-7.42(m、5H)、7.39(s、1H)、7.18-7.14(d、1H)、5.27(s、2H)、4.51(s、2H)、4.13(s、2H)、2.92(s、3H)。C2520ClSのESI-MS m/z計算値は486.05であり、実測値は487.3[M+H]であった。
【0343】
【化102】
【0344】
化合物126、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.01-7.96(m、3H)、7.81-7.74(m、4H)、7.58-7.52(m、1H)、7.44(s、1H)、7.30(s、1H)、7.16-7.12(d、1H)、5.41(s、2H)、4.09(s、2H)、3.23(s、3H)。C2418ClFOSのESI-MS m/z計算値は456.06であり、実測値は479.3[M+Na]であった。
【0345】
22.化合物128~129および132
図式22
【0346】
【化103】
【0347】
DCM中の(E)-4-(((2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸(化合物20、100.0mg、0.23mmol)、DMAP(56.2mg、0.46mmol)、EDCI(52.9mg、0.35mmol)およびO-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)ヒドロキシルアミン(29.3mg、0.25mmol)の混合溶液を一晩攪拌した。反応が完了した後、粗生成物をNHOHおよびDCMで抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濃縮した。1:1 Hex-EtOAcを溶離液として用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、化合物128aを得た。収量(100.0mg、81%の収量)であった。
【0348】
(E)-4-(((2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)-N-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ベンズアミド(化合物128a、28.0mg、0.05mmol)の混合溶液に、エーテル(3mL)中の2N HClを加え、室温で一晩攪拌した。反応が完了した後、混合物を濃縮し、エーテルで洗浄した。ろ紙上で押すことによって固体を更に乾燥し、化合物128である生成物を白色粉末として得た。収量(6.0mg、26%の収量)であった。
【0349】
【化104】
【0350】
化合物128、H-NMR(400MHz、DMSO):δ9.15(br、1H)、7.81-7.74(m、6H)、7.69(s、1H)、7.57-7.55(d、2H)、7.42(s、1H)、7.32(s、1H)、7.14-7.11(d、1H)、5.32(s、2H)、4.12(s、2H)。C2417ClNOのESI-MS m/z計算値は453.05であり、実測値は454.3[M+H]であった。
【0351】
化合物129は、図式20-3と同じ方法を用いることによって合成した。
【0352】
【化105】
【0353】
化合物129、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.10-7.90(m、5H)、7.75-7.72(d、1H)、7.60-7.58(d、2H)、7.51(s、1H)、7.32(s、1H)、7.12-7.10(d、1H)、5.34(s、2H)、4.12(s、2H)。C2516ClFのESI-MS m/z計算値は472.07であり、実測値は473.1[M+H]であった。
【0354】
化合物132は、図式12と同じ方法を用いることによって合成した。
【0355】
【化106】
【0356】
化合物132、H-NMR(300MHz、DMSO):δ8.02-7.99(d、2H)、7.80(s、2H)、7.76-7.74(d、1H)、7.68(s、1H)、7.67-7.61(d、2H)、7.42(s、1H)、7.32(s、1H)、7.15-7.11(d、1H)、5.37(s、2H)、4.11(s、2H)、3.86(s、3H)。C2518ClのESI-MS m/z計算値は452.06であり、実測値は453.0[M+H]であった。
【0357】
23.化合物131
図式23
【0358】
【化107】
【0359】
図式23-1
【0360】
【化108】
【0361】
アセトン(30mL)中の4-ヒドロキシベンゼンメタノール(1.0g、8.06mmol)、ブロモ酢酸メチル(1.36g、8.86mmol)およびKCO(2.22g、16.1mmol)の混合溶液を50℃で16時間攪拌した。室温まで冷却した後、混合溶液を濃縮した。残留物をEAおよびHOで抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濃縮し、更なる精製なしで生成物2-(4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)酢酸メチル(化合物131a)を得た(1.04g、66%の収量)。
【0362】
DCM中の2-(4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)酢酸メチル(化合物131a、1.04g、5.3mmol)の溶液に、エーテル中のPBrの溶液を0℃で加え、室温で40分間攪拌した。反応が完了した後、反応混合物をHOでクエンチし、EAおよびブラインで抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濃縮し、更なる精製なしで生成物2-(4-(ブロモメチル)フェノキシ)酢酸メチル(化合物131b)を得た(1.25g、91%の収量)。
【0363】
図式23-2
【0364】
【化109】
【0365】
ACN(10mL)中の(E)-2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-5-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(100.0mg、1.0mmol)、2-(4-(ブロモメチル)フェノキシ)酢酸メチル(化合物131b、157.0mg、1.0mmol)およびKCO(141.0mg、2.0mmol)の混合溶液を50℃で16時間攪拌した。室温まで冷却した後、混合溶液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(EA:Hex.=1:4)で精製し、化合物131c(171.0mg、70%の収量)である生成物を得た。
【0366】
図式23-3
【0367】
【化110】
【0368】
THF(3mL)中の(E)-2-(4-(((2-(3,5-ジクロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)フェノキシ)酢酸メチル(化合物131c、100.0mg、0.21mmol)の溶液に、1N LiOH(1mL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応が完了した後、混合溶液を濃縮した。残留物をpH=4に調整し、ろ過した。収集した固体をエーテルおよびHOで洗浄し、化合物131(4.0mg、4%の収量)である生成物を得た。
【0369】
【化111】
【0370】
化合物131、H-NMR(400MHz、DMSO):δ7.81(s、2H)、7.75-7.72(d、1H)、7.69(s、1H)、7.43-7.41(m、3H)、7.32(s、1H)、7.11-7.09(d、1H)、6.95-6.93(d、2H)、5.17(s、2H)、4.69(s、2H)、4.12(s、2H)。C2518ClのESI-MS m/z計算値は468.05であり、実測値は491.0[M+Na]であった。
【0371】
24.化合物133
図式24
【0372】
【化112】
【0373】
THF/MeOH(2mL、1:1)の共溶媒中の(E)-4-(((2-(3,5-ジコロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸(100.0mg、0.23mmol)の溶液に、NaBH(50.0mg)を加え、50℃で2時間攪拌した。反応が完了した後、反応混合物を室温まで冷却し、HO(2mL)で0℃でクエンチした。得られた白色沈殿物をろ過し、HOおよびエーテルで洗浄した。ろ紙上で押すことによって固体を更に乾燥し、化合物133である生成物を白色粉末として得た。収量(20.0mg、20%の収量)であった。
【0374】
【化113】
【0375】
化合物133、H-NMR(400MHz、DMSO):δ7.87-7.85(d、2H)、7.49(s、1H)、7.45(s、2H)、7.34-7.29(m、3H)、6.98(s、1H)、6.91-6.89(d、1H)、6.71(s、1H)、5.76-5.74(d、1H)、5.41(s、1H)、5.09(s、2H)、3.84(s、2H)。C2418ClのESI-MS m/z計算値は440.06であり、実測値は463.0[M+Na]であった。
【0376】
25.化合物134
図式25
【0377】
【化114】
【0378】
トルエン中の(E)-4-(((2-(3,5-ジコロロベンジリデン)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)メチル)安息香酸(100.0mg、0.23mmol)、エチジン(86.5mg、0.34mmol)およびSiO(250.0mg)の混合溶液に、DMF(1mL)を加え、70℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、ろ過してSiOを除去した。ろ液を濃縮し、厚いTLCプレートで精製し、化合物134である生成物を得た。収量(6.0mg、6%の収量
)であった。
【0379】
【化115】
【0380】
化合物134、H-NMR(300MHz、CD3OD):δ8.04-8.01(d、2H)、7.67-7.64(d、1H)、7.56-7.53(d、2H)、7.34(s、1H)、7.25(s、2H)、7.13-7.04(m、2H)、5.26(s、2H)、3.31-3.19(m、2H)、3.15-3.13(m、1H)、2.83-2.77(m、2H)。C2418ClのESI-MS m/z計算値は440.06であり、実測値は441.0[M+H]であった。
【0381】
B.オートタキシン阻害剤スクリーニングアッセイ
上記のように、本発明の化合物は、オートタキシンの活性を阻害する効果を有し、オートタキシン阻害剤として用いられることができる。環境におけるオートタキシンの活性を阻害する一つの方法は、有効量の式(I)の化合物を環境に投与することである。以下の実験を参照する。リン酸ビス(p-ニトロフェニル)からオートタキシンによって切断された黄色生成物であるp-ニトロフェノールを用い、オートタキシンのホスホジエステラーゼ活性を測定した。最終濃度の3mMのリン酸ビス(p-ニトロフェニル)(BNPP)を包含する最終容量の200μlのアッセイ緩衝液(5mM CaCl、50mM Tris-HCl、pH9.0)で、化合物サンプル(10μl)をオートタキシン(10μl)と37℃でインキュベートした。30分後、反応溶液の410nmでの吸光度を測定した。以下の方程式を用い、各試験物(TA)(化合物)の阻害パーセントを測定した。
【0382】
阻害%=(O.D.溶剤-O.D.TA)/O.D.溶剤×100
オートタキシン酵素の活性に対する化合物の阻害率を表1に示す。
【0383】
【表1】
【0384】
C.医薬製剤
式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~99重量%のレベルで存在する。若干の実施形態において、式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて少なくも1重量%のレベルで存在する。特定の実施形態において、式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて少なくも5重量%のレベルで存在する。更に他の実施形態において、式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて少なくも10重量%のレベルで存在する。更に他の実施形態において、式(I)の化合物は、医薬組成物の総重量に基づいて少なくも25重量%のレベルで存在する。
【0385】
特定の医薬組成物は、患者に経口、粘膜(例えば、鼻、舌下、膣、頬側、または直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注入、筋肉内、または動脈内)、または経皮投与に適した単一単位剤形である。剤形の例は、錠剤、カプレット、軟弾性ゼラチンカプセル等のカプセル、カシェ剤、トローチ、ロゼンジ(lozenges)、分散剤、坐薬、軟膏、パップ剤(湿布)、パスタ剤、粉末、ドレッシング、クリーム、膏薬、溶液、パッチ、エアゾール(例えば、点鼻スプレーまたは吸入剤)、ゲル、懸濁液(例えば、水性または非水性液体懸濁液、水中油型エマルジョン、または油中水型液体エマルジョン)、溶液、およびエリキシル剤を含む患者に経口または粘膜投与に適した液体剤形、患者に非経口投与に適した液体剤形、および患者に非経口投与に適した液体剤形を提供するために再構成できる無菌固体(例えば、結晶性または非晶質固体)を含むが、これらには限定されない。
【0386】
製剤は、投与の様式に適すべきである。例えば、経口投与は、本発明の化合物を消化管内の分解から保護するために腸溶コーティングが必要である。同様に、製剤は、作用部位への活性成分の送達を促進する成分を包含してもよい。例えば、化合物は、分解酵素からそれらを保護するため、循環系での輸送を促進するため、および細胞膜を通して細胞内部位へ送達することを影響するため、リポソーム製剤で投与してもよい。
【0387】
開示された実施形態に対して様々な修正および変更を行うことができることは、当業者には明らかである。明細書および例が例示としてのみ考えられることは意図され、本発明の適正な範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって指し示される。