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特許7296952音響トランスデューサ及び磁化電流コントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】音響トランスデューサ及び磁化電流コントローラ
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20230616BHJP
【FI】
H04R3/00 310
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020517173
(86)(22)【出願日】2018-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 US2018052336
(87)【国際公開番号】W WO2019060799
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】15/714,142
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592051453
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】フレンチ, ジョン ビー.
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-110629(JP,A)
【文献】特開昭59-067798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00- 3/14
H04R 9/00
H04R 9/02- 9/10
H04R 9/18
H04R 13/00
H04R 29/00
H04R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響トランスデューサ装置であって、
入力音声信号を受信する音声入力端子と、
音響トランスデューサであって、
移動ダイアフラムと、
空隙を含む磁性材料と、
前記磁性材料及び前記空隙内の磁束を誘導する固定コイルと、
前記移動ダイアフラムに結合され、前記空隙内で少なくとも部分的に配置される可動コイルと、を含む音響トランスデューサと、
コントローラであって、
前記入力音声信号を受信することと、
前記入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成することと、
前記第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を前記固定コイルに提供することと、
前記固定コイル信号を前記固定コイルに提供した後、前記固定コイルを通る電流を測定することと、
前記固定コイルを通る前記電流を示す第1の出力を生成することと、
前記第1の出力に基づいて、前記空隙内の磁束を判定することと、
前記空隙内の前記磁束に反比例する前記可動コイルに対する電圧出力を生成することであって、前記電圧出力は前記入力音声信号に対応する無歪出力を提供することと、
前記入力音声信号が正弦波に対応するかどうかを判定することと、
を行うように構成される、コントローラと、
を備える音響トランスデューサ装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記正弦波を含む前記入力音声信号に応答して前記正弦波の包絡線の振幅を提供するスイッチを含む、請求項に記載の音響トランスデューサ装置。
【請求項3】
前記正弦波は、単一周波数トーンに対応する、請求項に記載の音響トランスデューサ装置。
【請求項4】
前記スイッチは、前記第1の出力を変換回路に提供する、請求項に記載の音響トランスデューサ装置。
【請求項5】
前記変換回路は、前記第1の出力に基づいて、前記空隙内の前記磁束を判定する、請求項に記載の音響トランスデューサ装置。
【請求項6】
前記コントローラは、さらに、前記空隙内の前記磁束に反比例する前記可動コイルに対する前記電圧出力を生成する電圧源を含む、請求項に記載の音響トランスデューサ装置。
【請求項7】
前記入力音声信号が非正弦波信号である場合、前記入力音声信号は複数の周波数に対応する、請求項に記載の音響トランスデューサ装置。
【請求項8】
入力音声信号を受信することと、
コントローラによって、前記入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成することと、
前記第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を音響トランスデューサの固定コイルに提供することと、
前記固定コイル信号を前記固定コイルに提供した後、前記固定コイルを通る電流を測定することと、
前記固定コイルを通る前記電流を示す第1の出力を生成することと、
前記第1の出力に基づいて、前記音響トランスデューサの磁性材料の空隙内の磁束を判定することと、
前記空隙内の前記磁束に反比例する可動コイルに対する電圧出力を生成することであって、前記電圧出力は前記入力音声信号に対応する無歪出力を提供することと、
前記入力音声信号が正弦波に対応するかどうかを判定することと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記正弦波を含む前記入力音声信号に応答して、スイッチを用いて、前記正弦波の包絡線の振幅を提供することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記正弦波は、単一周波数トーンに対応する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記スイッチによって、前記第1の出力を変換回路に提供することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の出力に基づいて、前記変換回路によって、前記空隙内の前記磁束を判定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電圧出力を生成することは、前記空隙内の前記磁束に反比例する前記音響トランスデューサの可動コイルに対する前記電圧出力を生成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記入力音声信号が非正弦波信号である場合、前記入力音声信号は複数の周波数に対応する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
音響トランスデューサ装置であって、
コントローラを備え、前記コントローラは、
入力音声信号を受信することと、
前記入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成することと、
前記第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を音響トランスデューサの固定コイルに提供することと、
前記固定コイル信号を前記固定コイルに提供した後、前記固定コイルを通る電流を測定することと、
前記固定コイルを通る前記電流を示す第1の出力を生成することと、
前記第1の出力に基づいて、磁性材料の空隙内の磁束を判定することと、
前記空隙内の前記磁束に反比例する可動コイルに対する電圧出力を生成することであって、前記電圧出力は前記入力音声信号に対応する無歪出力を提供することと、
前記入力音声信号が正弦波に対応するかどうかを判定することと、
を行うように構成される、音響トランスデューサ装置。
【請求項16】
前記コントローラは、前記正弦波を含む前記入力音声信号に応答して前記正弦波の包絡線の振幅を提供するスイッチを含む、請求項15に記載の音響トランスデューサ装置。
【請求項17】
前記正弦波は、単一周波数トーンに対応する、請求項16に記載の音響トランスデューサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される態様は、概して、音響トランスデューサ装置及び磁化電流コントローラに関する。本態様及びその他の態様は、本明細書により詳細に説明される。
【背景技術】
【0002】
French et al.による米国特許第8,139,816号(「816特許」)は、固定コイル及び可動コイルを伴う音響ドライバを提供している。時変信号は、可聴音を生成するダイアフラムの移動を制御するために可動コイル及び固定コイルに印加される。音が入力音声信号に対応するように、時変信号は入力音声信号に対応する。説明される実施形態の一部は、複数の可動コイル、複数の固定コイル、またはそれらの両方を含む。いくつかの実施形態は、音響ドライバの特性に基づいて1つ以上の信号を調節するためのフィードバックを含む。
【0003】
French et al.による米国特許第9,241,213号(「213特許」)は、固定コイル及び可動コイルを伴う音響トランスデューサと、音響トランスデューサを動作させるための方法とを提供している。時変信号は、音を生成するダイアフラムの移動を制御するために可動コイル及び固定コイルに印加される。可動コイルに印加される時変信号は、入力音声信号の少なくとも1つの処理済バージョンに対応し、少なくとも固定コイルに印加される時変信号のバージョンに基づいて更新される。いくつかの実施形態は、固定コイルに印加される時変信号に対応する磁束値に応答して、入力音声信号の処理済バージョンを更新することを含む。いくつかの実施形態は、フィードバック信号に応答して、可動コイルに印加される時変信号を更新することを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの実施形態では、音響トランスデューサ装置は、入力音声信号を受信する音声入力端子と、音響トランスデューサとを備える。音響トランスデューサは、移動ダイアフラムと、空隙を含む磁性材料と、固定コイルと、可動コイルと、コントローラとを含む。固定コイルは、磁性材料及び空隙内の磁束を誘発する。磁気コイルは、ダイアフラムに結合され、空隙内部に少なくとも部分的に配置される。コントローラは、入力音声信号を受信し、入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成するように構成される。コントローラは、さらに、第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を固定コイルに提供し、固定コイル信号を固定コイルに提供した後、固定コイルを通る電流を測定するように構成される。コントローラは、さらに、固定コイルを通る電流を示す第1の出力を生成し、第1の出力に基づいて、空隙内の磁束を判定するように構成される。コントローラは、さらに、空隙内の磁束に反比例する可動コイルに対する電圧出力を生成するように構成される。電圧出力は、入力音声信号に対応する無歪出力を提供する。
【0005】
少なくとも別の実施形態では、コントローラによって、入力音声信号を受信することと、入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成することとを含む方法が提供される。本方法は、さらに、第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を音響トランスデューサの固定コイルに提供することと、固定コイル信号を固定コイルに提供した後、固定コイルを通る電流を測定することとを含む。本方法は、さらに、固定コイルを通る電流を示す第1の出力を生成することと、第1の出力に基づいて、音響トランスデューサの磁性材料の空隙内の磁束を判定することとを含む。本方法は、さらに、空隙内の磁束に反比例する可動コイルに対する電圧出力を生成することを含み、電圧出力は入力音声信号に対応する無歪出力を提供する。
【0006】
少なくとも1つの実施形態では、音響トランスデューサ装置が提供される。音響トランスデューサは、入力音声信号を受信し、入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成するように構成されるコントローラを含む。コントローラは、さらに、第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を音響トランスデューサの固定コイルに提供し、固定コイル信号を固定コイルに提供した後、固定コイルを通る電流を測定するように構成される。コントローラは、さらに、固定コイルを通る電流を示す第1の出力を生成し、第1の出力に基づいて、磁性材料の空隙内の磁束を判定するように構成される。コントローラは、さらに、空隙内の磁束に反比例する可動コイルに対する電圧出力を生成するように構成される。電圧出力は入力音声信号に対応する無歪出力を提供する。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
音響トランスデューサ装置であって、
入力音声信号を受信する音声入力端子と、
音響トランスデューサであって、
移動ダイアフラムと、
空隙を含む磁性材料と、
前記磁性材料及び前記空隙内の磁束を誘導する固定コイルと、
前記移動ダイアフラムに結合され、前記空隙内で少なくとも部分的に配置される可動コイルと、を含む、
前記音響トランスデューサと、
コントローラであって、
前記入力音声信号を受信することと、
前記入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成することと、
前記第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を前記固定コイルに提供することと、
前記固定コイル信号を前記固定コイルに提供した後、前記固定コイルを通る電流を測定することと、
前記固定コイルを通る前記電流を示す第1の出力を生成することと、
前記第1の出力に基づいて、前記空隙内の磁束を判定することと、
前記空隙内の前記磁束に反比例する前記可動コイルに対する電圧出力を生成することであって、前記電圧出力は前記入力音声信号に対応する無歪出力を提供する、前記生成することと、
を行う、前記コントローラと、
を備える、前記音響トランスデューサ装置。
(項目2)
前記コントローラは、さらに、前記入力音声信号が正弦波に対応するかどうかを判定するように構成される、項目1に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目3)
前記コントローラは、前記正弦波を含む前記入力音声信号に応答して前記正弦波の包絡線の振幅を提供するスイッチを含む、項目2に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目4)
前記正弦波は、単一周波数トーンに対応する、項目3に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目5)
前記スイッチは、前記第1の出力を変換回路に提供する、項目3に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目6)
前記変換回路は、前記第1の出力に基づいて、前記空隙内の前記磁束を判定する、項目5に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目7)
前記コントローラは、さらに、前記空隙内の前記磁束に反比例する前記可動コイルに対する前記電圧出力を生成する電圧源を含む、項目6に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目8)
前記入力音声信号が非正弦波信号である場合、前記入力音声信号は複数の周波数に対応する、項目5に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目9)
入力音声信号を受信することと、
コントローラによって、前記入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成することと、
前記第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を音響トランスデューサの固定コイルに提供することと、
前記固定コイル信号を前記固定コイルに提供した後、前記固定コイルを通る電流を測定することと、
前記固定コイルを通る前記電流を示す第1の出力を生成することと、
前記第1の出力に基づいて、前記音響トランスデューサの磁性材料の空隙内の磁束を判定することと、
前記空隙内の前記磁束に反比例する可動コイルに対する電圧出力を生成することであって、前記電圧出力は前記入力音声信号に対応する無歪出力を提供する、前記生成することと、
を含む、方法。
(項目10)
前記入力音声信号が正弦波に対応するかどうかを判定することをさらに含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記正弦波を含む前記入力音声信号に応答して、スイッチを用いて、前記正弦波の包絡線の振幅を提供することをさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記正弦波は、単一周波数トーンに対応する、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記スイッチによって、前記第1の出力を変換回路に提供することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記第1の出力に基づいて、前記変換回路によって、前記空隙内の前記磁束を判定することをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記電圧出力を生成することは、前記空隙内の前記磁束に反比例する前記音響トランスデューサの可動コイルに対する前記電圧出力を生成することを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記入力音声信号が非正弦波信号である場合、前記入力音声信号は複数の周波数に対応する、項目13に記載の方法。
(項目17)
音響トランスデューサ装置であって、
コントローラを備え、前記コントローラは、
入力音声信号を受信することと、
前記入力音声信号の包絡線を示す第1の基準信号を生成することと、
前記第1の基準信号に基づいて、固定コイル信号を音響トランスデューサの固定コイルに提供することと、
前記固定コイル信号を前記固定コイルに提供した後、前記固定コイルを通る電流を測定することと、
前記固定コイルを通る前記電流を示す第1の出力を生成することと、
前記第1の出力に基づいて、磁性材料の空隙内の磁束を判定することと、
前記空隙内の前記磁束に反比例する可動コイルに対する電圧出力を生成することであって、前記電圧出力は前記入力音声信号に対応する無歪出力を提供する、前記生成することと、
を行う、前記音響トランスデューサ装置。
(項目18)
前記コントローラは、さらに、前記入力音声信号が正弦波に対応するかどうかを判定するように構成される、項目17に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目19)
前記コントローラは、前記正弦波を含む前記入力音声信号に応答して前記正弦波の包絡線の振幅を提供するスイッチを含む、項目18に記載の音響トランスデューサ装置。
(項目20)
前記正弦波は、単一周波数トーンに対応する、項目19に記載の音響トランスデューサ装置。
【0007】
本開示の実施形態は、添付の「特許請求の範囲」において詳細に指摘される。しかしながら、様々な実施形態の他の特徴がより明らかになり、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって最良に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】概して、第1の音響トランスデューサ装置を示す。
図2】概して、第2の音響トランスデューサ装置を示す。
図3】概して、一実施形態による、音響トランスデューサ装置の一実施態様を示す。
図4】概して、別の実施形態による、音響トランスデューサ装置の別の実施態様を示す。
図5】概して、別の実施形態による、音響トランスデューサ装置の別の実施態様を示す。
図6】概して、図3の音響トランスデューサ装置の実施態様の少なくとも一部を実行するための方法を示す。
図7】概して、図5の音響トランスデューサ装置の実施態様の少なくとも一部を実行するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示された実施形態は、様々な形態及び代替の形態で具体化され得る本発明の単なる例であることを理解されたい。図は必ずしも縮尺通りではなく、一部の特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小にされ得る。したがって、本明細書に開示される具体的な構成及び機能の詳細は、限定するものではなく、単に当業者が本発明を様々に使用するのに教示するための代表的な基準として解釈されたい。
【0010】
本明細書に開示されるコントローラは、様々なマイクロプロセッサ、集積回路、メモリデバイス(例えば、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、または他の適切な異形)、及び本明細書に開示される動作(複数可)を行うために相互に共同するソフトウェアを含み得る。加えて、開示される係るコントローラは、開示される任意の数の機能を行うようにプログラムされる非一時的コンピュータ可読媒体内で具体化されるコンピュータプログラムを実行する1つ以上のマイクロプロセッサを利用する。さらに、本明細書に開示されるコントローラ(複数可)は、筐体、筐体内に位置付けられる、様々な数のマイクロプロセッサ、集積回路、メモリデバイス(例えば、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM))を含む。また、開示されるコントローラ(複数可)は、本明細書に説明される他のハードウェアベースのデバイスに、及びそこから、各々、データを送受信するためのハードウェアベースの入力及び出力を含む。
【0011】
概して、本明細書に開示される態様は、とりわけ、音響トランスデューサのドライバ内部に配置された磁気コイルに対する磁化電流を制御する、電磁音響トランスデューサ装置に関する。磁気コイルに対する磁化電流を制御することで、限定ではないが、従来の実施態様と比較して、過渡応答、歪み、及び効率の改善を達成し得る。加えて、本態様は、自動車用途に適切な保護、検出、及び診断を追加し得る。
【0012】
一つの従来の音響トランスデューサの実施態様は、典型的には可動コイルトランスデューサの音声コイルギャップを磁化するために使用される永久磁石を、ギャップを磁化するためのコイル巻線及び電流(すなわち、磁気コイルまたは「可動コイル」を用いる)と置き換えている。磁気コイルは永久磁石と比較して重量及びサイズを減らす可能性があるが、永久磁石とは異なり、ギャップを磁化するとき、磁気コイルは電力を消費する。電力を減らすための典型的な方法は、その抵抗を減らすために磁気コイルのサイズを大きくすることである。しかしながら、本態様は、最初の場所で磁気コイルを利用する潜在的な利点をなくす。したがって、この従来の音響トランスデューサは、磁気コイルによって利用される電力を減らそうとし、それによって、効率を保ちながら、かなり小さい磁気コイルを使用することを可能にする。したがって、音声信号が高いとき、時折、磁化電流だけを使用して、音声入力信号のレベルに関連して磁気コイル内の電流のレベルを変えることによって、節電を達成する。
【0013】
しかしながら、可動コイルまたは音声コイル(VC)及び固定コイルまたは磁気コイル(または可動コイル)(MC)の両方を制御するアプローチは、電流源を利用する。本実施態様は、ハードウェアのコスト、複雑性に悩まされ得、典型的には音声コイルに電力供給するために集積回路(IC)の形態で電圧源増幅器を使用する自動車用途に不適切である。
【0014】
別の従来的アプローチは、電圧を音声コイル及び可動コイルに提供する電圧源を利用し、それによって、自動車用途に適切なアプローチを可能にする。しかしながら、本方法は、より複雑なアルゴリズム、より遅い過渡応答、待ち時間の増加、及び精度の制限をもたらす。加えて、2つの従来の方法のいずれも、可動コイルに提供される電圧または電流を生成するために使用されるハードウェア関連電子機器を保護する課題に対処していない。同様に、2つの従来の方法のいずれも、自動車用途の故障診断を提供していない。また、可動コイル用の電圧源インピーダンス特性は、歪みに理想的ではない場合がある。
【0015】
トランスデューサは、大型の重いセラミック(またはフェライト)磁石、または高価であるが軽量のネオジム永久磁石のいずれかを使用して、音声コイル内の電流が音を作るためにコーンを移動させる力を作る一定及び強力な磁場を作る。永久磁石を電磁石と置き換えることによって、ならびに電磁石及び固定コイル内の電流を入念に制御することによって、軽量のネオジム磁石の利点は、ネオジムに費用をかけないで達成することができる。通常、電磁石は、永久磁石と比較したとき非効率的であり、この理由として、電磁石は、磁場を作るために電流がその間ずっと流れることを必要とし、その電流は、電磁石の励磁コイル(または固定コイル)の抵抗の電力を消散するためである。本明細書に記載の音響トランスデューサに関して、効率の問題は、音声信号が大きい場合のみ、高電流を電磁石に印加することによって解決し得る。しかしながら、これは、トランスデューサの音響感度及び周波数応答が変化し、これにより、歪みを生じさせるであろうことを意味する。
【0016】
加えて、電磁石の電流が低い場合、音声信号の過渡的または突然のバーストが発生したときに、電磁石が十分に磁化するのに不十分な時間がある。したがって、本明細書に記載される音響トランスデューサは、変化する電磁石の電界強度によって導入された音響歪みを最小にしながら、効率及び過渡性能を最適化する方法で、固定コイル及び可動コイル内の電流を制御しようとする。音響トランスデューサは、可動コイルの電流の大きさを調整して変化する感度を補償し、可動コイル電流の電流の周波数応答を調整して、変化する音響周波数応答を補償する。音響トランスデューサは、固定コイルの電流の大きさを調節し、これにより、固定コイルの長期間の平均損失及び可動コイルの長期間の損失は、かなり等しく、バランスがとれている。これは、最適な効率を保証する。本明細書に説明される音響トランスデューサは、この長期間のバランスを無効にし、大きい音声過渡があるとき、強制的に固定コイルの電流が迅速に上昇し、固定コイルを十分に磁化する。固定コイルの電流を制御するために、音響トランスデューサは、電流測定デバイス、制御システム、及び出力フィルタを伴う電圧源を使用する。本態様及びその他の態様は、下記により詳細に説明される。
【0017】
図1は、概して、第1の音響トランスデューサ装置100を示す。音響トランスデューサ装置100は、入力端子102、制御ブロック103、及びトランスデューサ106を含む。入力音声信号(例えば、V)は、制御ブロック103の入力端子102に提供される。制御ブロック103は、可動コイル制御信号(例えば、I)及び固定コイル制御信号(例えば、I)を生成する。トランスデューサ106は、磁性材料112、ダイアフラム114、フォーマー116、固定コイル118及び可動コイル120を含む。可動コイル120は、フォーマー116に取り付けられている。
【0018】
磁性材料112は、略ドーナツ形であり、ドーナツ形空洞を有する。固定コイル118は、キャビティ内に位置付けられる。様々な実施形態では、磁性材料112は、固定コイル118をより容易に空洞内に挿入または形成することを可能し得る1つ以上の部分から形成され得る。磁性材料112は、固定コイル信号に応答して磁化され、それによって、磁性材料112内の磁束を作る。磁性材料112は磁路138内にドーナツ形空隙136を含み、磁束は空隙136を通って及びその近くで流れる。
【0019】
磁性材料112は、磁場の存在下で磁化される状態になることが可能である任意の材料で形成され得る。様々な実施形態では、磁性材料112は、2つ以上の係る材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、磁性材料112は、積層から形成され得る。いくつかの実施形態では、積層は、半径方向に組み立てられ得、複合磁性材料が積層間にギャップがなく形成されるように楔型に成形され得る。
【0020】
可動コイル120は、フォーマー116に搭載され、制御ブロック103から可動コイル信号を受信する。ダイアフラム114がフォーマー116及び可動コイル120と一緒に移動するように、ダイアフラム114はフォーマー116に搭載される。フォーマー116及び可動コイル120は、可動コイル信号及び空隙136内の磁束に応答して、空隙136の内部で移動する。概して、フォーマー116と共に動く音響トランスデューサ106の様々な構成要素は、移動構成要素と称され得る。フォーマー116が運動中であるとき、動かない構成要素は固定構成要素と称され得る。音響トランスデューサ106の固定構成要素は、概して、磁性材料112及び固定コイル118を含む。
【0021】
様々な実施形態では、音響トランスデューサ106は、ダストキャップ132と磁性材料112との間の空域を通気するように適合され得る。例えば、開口は磁性材料112内で形成され得、または、開口はフォーマー116内に形成され、空域が通気することを可能にし得、それによって、空気圧がダイアフラム114の移動に影響及ぼすことを減らすまたは防止する。
【0022】
制御ブロック103は、概して、フィルタ152(例えば、2次フィルタ)、変換回路154、分周回路156、第1の電流源158、第2の電流源160、平方根回路162、及びピーク検出回路164を含む。概して、トランスデューサ装置100は、第1の電流源158及び第2の電流源160を利用して、自動車用途に適切なトランスデューサ装置100を可能にする電圧源を交換する。しかしながら、トランスデューサ装置100は、より遅い過渡応答、待ち時間の増加、及び精度の制限をもたらす複雑なアルゴリズムを利用する。加えて、トランスデューサ装置100は、可動コイル120(または音声コイル)に一般的に関連する電子回路の保護、または自動車用途に必要な故障診断に関連する問題に対処できない。さらに、励磁コイルの電圧源インピーダンス特性(または固定コイル118)は、歪みに理想的ではない場合がある。
【0023】
概して、電圧源及び電流源の両方の利点を組み込む固定コイル118及び可動コイル120に電流を提供し、過渡応答を改善し、待ち時間及び、精度、ならびに適切な保護及び診断の改善を提供するための制御方法が必要である。図1に示される装置100に戻って参照すると、制御ブロック103は、可動コイル信号(例えば、I)(または音声コイル信号)を提供するための第1の電流源158を利用することによって、簡略化された周波数補償を提供する。第1の電流源158は可動コイル120の抵抗の減衰効果をなくし、電流(すなわち、可動コイル信号)は可動コイル120のインピーダンスに依存しない。したがって、トランスデューサ106の周波数応答は可動コイル信号(すなわち、電流)に依存しない、代わりに、固定されている。本態様は、単一の固定の時間的に変化しない2次フィルタ152を、周波数応答を補償するために使用することを可能にする。
【0024】
固定コイル118及び可動コイル120の両方の電力を含むトランスデューサ106の最適な効率は、固定コイル118及び可動コイル120の電力のバランスがとれているとき(すなわち、固定コイル106の電流のさらなる増加が利点をもたらさない、トランスデューサ106のモータアセンブリの鋼鉄が飽和し始める点に至るとき達成する。トランスデューサ装置100に関して、これは、抵抗の電力が電流の2乗に比例するため、固定コイル118の電流を設定するために、ピーク検出器164によって検出された音声信号レベルのピークの平方根回路12を用いて近似される。直接、平方根回路162から出力104を使用するために、比例している電流源(すなわち、第2の電流源160は、固定コイル118を駆動するために使用される。

【0025】
最後に、固定コイル信号(または固定コイル120の電流)に正比例する出力104の変化している感度を補償するために、変換回路154は、関数B(i)によって、可動コイル120の空隙136内の磁束を計算するために使用されることができる。トランスデューサ106の感度が可動コイル120の空隙136内の磁束に正比例するので、フィルタ12によって提供される周波数補償型音声信号は、一定の総合感度を達成するために、B(i)により、分周回路156によって分周されることができる。
【0026】
しかしながら、上記に留意したように、このアプローチは2つの欠点をもたらし得る。まず、第1の電流源158及び第2の電流源160は実装するのが困難であり得、第1の電流源158は、自動車用途に使用される電圧源ICアンプと互換性がない場合がある。加えて、第2の電流源160は、可動コイル120と固定コイル118との巻数比を乗じた固定コイル118への可動コイル120のトランス結合された電圧から生じる高電圧を扱う必要があり得る。本実施態様は、第2の電流源160を実装するのに高価にさせ得る。
【0027】
図2は、概して、第2の音響トランスデューサ装置200を示す。トランスデューサ装置200は、概して、変換器106及び制御ブロック202を含む。制御ブロック202は、概して、動的等化ブロック204、分周回路206、第1の電圧源208、可動コイル電力推定ブロック210、固定コイル電力推定ブロック212、減算回路214、第2の電圧源216、固定コイルモデリングブロック218、及び変換回路220を含む。概して、第1の電圧源208及び第2の電圧源216は、概して図1に関連して示される第1の電流源158及び第2の電流源160と置き換わる。この場合、可動コイル120のインピーダンスが第1の電流源158によってネゲートされない場合があるので、図1の制御ブロック103のフィルタ152を固定することができない。装置200に関して、動的等化ブロック204は、変換回路220によって提供される関数B(i)を用いて、可動コイル120の空隙136内の磁束を表す伝達関数を提供する。
【0028】
分周回路206は、変換回路220によって算出された変化する磁束密度によって音声信号を分周する。しかしながら、ここで、第2の電圧源216が第2の電流源160と置き換わっているため、目標出力電流205は、固定コイル118のインピーダンスにより、固定コイル118の実電流に正比例しない。本態様を補償するために、固定コイルモデリングブロック218(例えば、インダクタンスモデル)は、固定コイル118の抵抗が既知であると仮定する。実際には、それは、抵抗を50%以上変化させる可能性がある温度効果が原因ではない。これらのエラーは、固定コイル118の電流が変化しているとき、定常状態及び過渡状況の両方において、周波数補償及び感度補償の両方のエラーにつながる。
【0029】
固定コイル118及び可動コイル120の電力のバランスがとれているとき、トランスデューサ106の最適な効率を達成し得ることが認識される。したがって、装置200は、平方根近似法を利用する。例えば、可動コイル電力推定ブロック210は可動コイル120の平均電力を判定し、固定コイル電力推定ブロック212は固定コイル118の平均電力を判定する。減算回路214は、可動コイル120の電力と、固定コイル118の電力とを比較する。可動コイル120の平均電力が固定コイル118の平均電力よりも大きい場合、減算回路(または差分ブロック)214は固定コイル118の目標電流(または固定コイル信号)として使用される出力205を増加させる。この条件は、可動コイル120への電力の減少を生じさせ、固定コイル118と可動コイル120との間の電力のバランスをとる。
【0030】
しかしながら、平均電力は、歪みを避けるために、かなり長期間にわたって推定されるべきであり、0.1秒~1秒で推定され得る。これは、過渡状況において、音声信号があるレベルに急激に増加するとき、固定コイル信号(または固定コイル118の電流)が迅速に追跡しないことを伴う。結果として、トランスデューサ106の感度が、過渡時に長期間、低いままであり、ひいては、かなり高い過渡的可動コイル120が必要であり、トランスデューサ106の増幅器のピーク電力または出力音圧レベル(SPL:Sound Pressure Level)は、過渡時に制限され得る。加えて、入力音声信号のレベルに対して遅い固定コイル信号のトラッキングは効率を損なう可能性があり、この理由として、入力音声信号のレベルが高い動的コンテンツを有するとき、電力のバランスが維持されない場合があるためである。
【0031】
図3は、概して、一実施形態による、音響トランスデューサ装置300の一実施態様を示す。音響トランスデューサ装置300は、トランスデューサ106及び音響トランスデューサコントローラ(またはコントローラ)302を含む。音響トランスデューサコントローラ302は、概して、少なくとも1つのデジタルプロセッサ301及びメモリ303を含む。デジタルプロセッサ301は、概して、コントローラ302によって行われる機能を実行する。コントローラ302は、入力102において入力音声信号を受信したことに応答して、各々、可動コイル信号及び固定コイル信号を生成し、それらの信号を可動コイル120及び固定コイル118に伝送する。
【0032】
装置300は、概して、高速過渡応答を達成しながら、固定コイル118と可動コイル120との間の電力のバランスをとり、固定コイル118の変化している電流(すなわち、変化している固定コイル信号)の存在下において、周波数及び感度補償の精度を改善し、歪みを導入することなく固定コイル信号及び可動コイル信号を生成するために電流源に依存しないで、トランスデューサ106の効率を改善するように構成される。さらに、より詳細に説明されるように、装置300は、概して、固定コイル118に関連して使用される電子機器の保護及び診断を提供するように構成される。
【0033】
コントローラ302は、動的等化ブロック304、分周回路306、電圧源308、複合源ブロック310、変換回路312、及びピークの集合ブロック314を含む。複合源ブロック310は、図1に関連して留意される第2の電流源160と置き換わり、図2に関連して留意される第2の電圧源216と置き換わるように提供される。概して、複合源ブロック310は、固定コイル118への伝送のために、固定コイル信号(Is)を生成するためにそのインピーダンスを制御または調整するように構成される。
【0034】
ピークの集合ブロック314による平均値は、入力音声信号のピーク値をとり、(図1のピーク検出器164に同様の)単純なピーク検出器に関連したリップルを除去する低域通過フィルタを使用する。過渡時、遅く変化する低域通過フィルタは、入力音声信号の瞬時最大絶対値に直接低域通過フィルタの値を設定することによって、強制的に過渡に即座に応答する。このように、音声信号のレベルの過渡的増加に応答し、複合源ブロック310に基準信号305として提供されることができる入力音声信号の、最小のリップルを伴う入力音声信号のきれいな包絡線を生成することができる。
【0035】
この装置300に関して、入力音声信号のレベルは、平方根回路162(または平方根関数)を用いないで使用されることができ、この理由として、固定コイル118の源の出力電圧は、電力が電圧の2乗に比例する既知電圧であるためである。これは、可動コイル120の電力が固定コイル118の電力に比例することを意味し、その理由として、固定コイル信号(または、固定コイル118に提供される電流)が基準信号305を用いて入力音声信号に比例し、可動コイル120の電力が固定コイル120の電流の2乗に比例するためである。このアプローチは、可動コイル推定ブロック210及び固定コイル推定ブロック211によって行われる電力均衡化と同様の精度ではない場合があり、この理由として、留意されるアプローチは、可動コイル120の周波数依存インピーダンスの効果を無視しているためである。しかしながら、音楽及びノイズ信号に関して、音楽及びノイズによる可動コイル118のインピーダンスの効果を十分に近似するために、平均スケーリング値を選ぶことができる。
【0036】
複合源ブロック310は、電流測定回路307により、固定コイル118(または固定コイル信号)に提供される電流を測定する。電流測定回路307は、抵抗器、変流器、ホール効果センサ等であり得る。測定電流(すなわち、測定固定コイル信号)は、エラー信号を加算回路322に提供するために、補償ブロック320へのフィードバックとして提供される。加算回路322は、参照信号305を誤差信号と比較し(または基準信号305からエラー信号を減算し)、電圧源324を調整する。電圧源324は、フィルタ325と一緒に、パルス幅変調(「PWM」)(または他の変調方式)における降圧(または他のトポロジ)のレギュレータとして実装され得ることが認識される。フィルタ325は、概して、電圧源324から出力される電圧をフィルタリングするために、インダクタ326及びコンデンサ328を含む。補償ブロック320及びフィルタ325は、概して、インピーダンスを出力しており、それにより、複合源ブロック310は、電流源、電圧源、または、所望の場合の混合の周波数依存ソース等のものである。具体的には、複合源ブロック310が、低周波数において電流源として、トランスデューサ106の機械的共振を上回る周波数(例えば、6インチの中低音ドライバの50~100Hz)において電圧源として働くことが望ましい場合がある。本態様は、固定コイルの平均電流(または固定コイル信号の平均値)及び過渡レベルに対する正確な制御を提供しながら、トランスデューサ106の通過帯域内の歪みを改善し得る。複合源ブロック310によってインピーダンスの挙動を達成するために、補償ブロック320は、例えば、比例-積分-微分(PID)コントローラとして実装され得る。例えば、補償ブロック320は、固定コイル信号の電流が電流測定回路307によって測定される電流フィードバック経路のゲイン「Kp」を伴う比率経路を含み得る。積分項及び微分項(すなわち、Ki及びKd)は、例えば、ゼロであり得る。比例する電流フィードバックK(すなわち、Ki及びKd=0)を使用することで、フィルタ325に十分になる。インダクタ326及びキャパシタ228によって生じる2次システムは電流測定回路307による電流測定及び比例する電流フィードバックKpにより1次システムに減るため、積分項Ki及び微分項Kdは安定している。フィードバック経路の比例した電流フィードバックKpを使用することによって、この条件は、実効電流源を生じさせる。
【0037】
本装置では、電流フィードバックを使用することによって生じる電流源によって、インダクタ326のインダクタンスを(安定した感覚で)効果的になくす。適切なゲインKpを選択することによって、補償ブロック320のフィードバック経路において、キャパシタ328の固有インピーダンスが出力インピーダンスに影響をもたらす周波数を調整することができる。Kpに対するゲインが高くなるにつれて、周波数は高くなる。高周波数において、複合源ブロック310によって提供されるインピーダンスは、キャパシタ328のインピーダンスによって占められ、ひいては、電圧源等のものである。これが真であるためには、コンデンサ328の静電容量の大きさは、トランスデューサ106の共振を上回る所望の周波数において、コンデンサ328のインピーダンスがトランスデューサ106のインピーダンスと同様またはそれよりも小さくなるように十分でなければならない。低周波数おいて、キャパシタ328のインピーダンスは高く、出力電流は、電流フィードバックを使用することによって生じる実効電流源によって占められる。したがって、制御ブロック301は、低周波数における電流源の特性インピーダンスと、高周波数における電圧源の特性インピーダンスとを提供し得る。より高周波数はトランスデューサ106の機械的共振の略3~5倍であり、低周波数は、概して、高周波数を下回るいずれかの周波数である。最後に、この同じ効果は、例えば、電圧感知を利用し、安定させるために、積分項Ki、ならびに比例項Kp及び可能性として、微分項Kdを加える等の他の制御アプローチによって達成され得ることが認識される。前述のものは、sドメインまたはzドメインに表され得る。
【0038】
加えて、2つ以上の固定コイル118が電流供給されるシステムでは、相互に並列である固定コイル118の負荷に接続し、1つの制御ループ及び電圧源を使用することが可能である。しかしながら、コントローラ302と固定コイル118との間の入力において、本装置をフェイルセーフにするために、上記に言及したフィードバック経路の電流測定回路307における測定電流は、いずれかの瞬間において、固定コイル118の複数の電流のうちのより高いものであり得る。このように、固定コイル118の電流は、最高電流を提供する固定コイル118の負荷に合わせて調整される。
【0039】
概して、装置300の効率を最適化するための固定コイル118の電流のレベルは、概して、ピークの集合ブロック314によって判定される。例えば、ピークの集合ブロック314は、入力音声信号または動的等化ブロック304からの出力のいずれかを受信する。ピークの集合ブロック314は入力音声信号を受信することが好ましい。本装置は、トランスデューサ106の共振に近い固定コイル118の所望の電流の大きい変動を避けることを補助する。近共振において、より少ない電力が同一の音響出力レベルを生じさせるために必要とされる。この理由のために、装置100及び200は、概して、電力のバランスをとるために共振において、固定コイル118の電流が減ることをもたらし得る。しかしながら、固定コイル118の電流が減少するにつれて、減衰は減り、固定コイル118の電流のさらなる減少につながる可動コイル120にさらに少ない電力が必要となる。この結果は、感度及び周波数応答の両方において近共振のエラーにつながる可能性があり、この理由として、トランスデューサ106は、その機械的損失によってほぼ全体的に減衰し得るためである。したがって、入力音声信号を、動的等化ブロック304の前にあるピークの集合ブロック314に提供することによって、この条件は、上記に留意したエラーを回避する。これは、固定コイル118と可動コイル120とのパワーバランスが近共振において維持されない場合があることを伴い得るが、固定コイル118及び可動コイル120の電力レベルが低い近共振であるため、本態様は問題にならない場合がある。
【0040】
変換回路312は、固定コイル118(すなわち、固定コイル信号)の測定電流を受信し、空隙136内の磁束を判定し得る。空隙136内で判定された磁束密度は、固定コイル118の電流の関数として、トランスデューサ106の変化する音響周波数応答及び音響感度を判定するために使用される。固定コイル118の測定電流が空隙136内の磁束を判定するために使用される場合、分周回路306は固定コイル118の感度を補正し得る。可動コイル120の測定電流が空隙136内の磁束、ひいては、感度及び周波数応答を判定するために直接使用される場合、歪みはいくつかの周波数及びレベルで発生し得る。
【0041】
概して、固定コイル118は、トランスデューサ106が音声を出力することを可能にするために、空隙136内の磁束を生成するために一般的に使用される従来の磁石と置き換わる。しかしながら、固定コイル118は、トランスデューサ106が高ピークの音声(すなわち、ドラムロール等)を出力することが必要であるとき、多くの電流を利用する。したがって、コントローラ302は、入力音声信号の包絡線に基づいて、電流Isを調整する。ハイレベルの音声を出力する必要がないとき、コントローラ302は電流Isを下げ、ハイレベルの音声を出力する必要があるとき、電流Isを増加させる(すなわち、電流の動的調整を提供する)。
【0042】
制御ブロック310は、出力電流Isを、空隙136内の磁束に対応する値を提供する変換ブロック312に提供する。動的等化ブロック304は磁束値を使用して、同じ周波数応答を入力音声信号に提供する。制御ブロック310は、電圧源または電流源のインピーダンス特性を有する。制御ブロック310は、音声入力信号が大きなレベルのとき、電流Isを強制的に迅速かつ穏やかに上昇させる。
【0043】
固定コイル118及び可動コイル120は、磁性材料112を介してトランス結合される。その結果、可動コイル120内の電流は、固定コイル118内にトランス結合された電流または反射電流を作る。可動コイル120の反射電流が固定コイル118の電流の平均値に比べて大きい周波数及び信号レベルにおいて、この歪みはより一般的または重要である。図3を参照すると、定常電流は電流測定回路307によって測定され、測定は可動コイル120の電流から反射された電流を含み得る。しかしながら、コントローラ302は、測定電流を使用して、トランスデューサ106の音響感度を判定し得る。可動コイル120の電流位相関係が正しい場合、固定コイル118への可動コイル120の反射電流は固定コイル118の平均電流から減算したものであり得、それによって、変換回路302にギャップ136内のより低い流束密度、ひいては、より低い感度を計算させる。これは、より小さい信号を分周器306の分母に提供し得、可動コイル120内の電流の増加をもたらす。本態様は、固定コイル118内の平均電流からさらに減算する固定コイル118内のより多くの電流を反射し得、変換回路302に、ギャップ136内のさらに低い流束密度、最終的に、可動コイル120の電流の増加を計算させる。したがって、前述の歪みを生じさせる正のフィードバックが確立される。
【0044】
逆位相では、可動コイル120の電流は、固定コイル118の電流の平均値に追加することができ、変換ブロック302にギャップ136内のより高い磁束密度を計算させる。これは、次に歪みをもたらす同じ正のフィードバックを提供する。その結果、いくつかの周波数において、結果として生じる出力信号は、さらに大きい次数の歪み成分によって非対称に歪むことをもたらす。一態様では、感度補償及び周波数補償も判定するために使用される固定コイル118に反射される可動コイル120の電流の効果を分別する利点をもたらし得る。
【0045】
図4は、概して、別の実施形態による、音響トランスデューサ装置400の別の実施態様を示す。音響トランスデューサ装置400は、トランスデューサ106及び音響トランスデューサコントローラ(またはコントローラ)402を含む。音響トランスデューサコントローラ402は、概して、少なくとも1つの、デジタルプロセッサ401及びメモリ403を含む。デジタルプロセッサ401は、概して、コントローラ402によって行われる機能を実行する。音響トランスデューサコントローラ402は、入力102において入力音声信号を受信したことに応答して、各々、可動コイル信号及び固定コイル信号を生成し、それらの信号を可動コイル120及び固定コイル118に伝送する。
【0046】
コントローラ402は、概して、動的等化ブロック304、分周回路306、電圧源308、複合源ブロック310、変換回路312、ピークの集合ブロック404、及び前処理ブロック404を含む。装置400に関して、固定コイル118の測定電流は、可動コイル120の空隙136の磁束を判定するために直接使用されていない。むしろ、前処理ブロック404は、固定コイル118の測定電流を前処理する。例えば、前処理ブロック404は、電流測定回路307において測定される固定コイル118の長期間の平均電圧振幅を取得し、固定コイル118の平均抵抗を判定する。固定コイル118の平均抵抗は、固定コイル118の実効平均電流を予測するために、固定コイル118のL/Rモデルで使用され、次に、固定コイル118では、可動コイル120の反射電流がなくなる。L/Rモデルは固定コイルモデリングブロック218のものと同様であるが、固定コイルの抵抗Rを測定して、それによって、より高精度になっている。この場合、可動コイル120の抵抗及び内部温度は、固定コイル118の実効平均電流を予測することを補助する精度に基づいて既知であり得る。可動コイル120の抵抗は、固定コイル118の電流が低いときに計算することは困難であり得、インダクタンスは、概して、残留磁気、飽和、及び鋼鉄の他の効果等のインダクタの非理想的態様の全てを含み得る固定コイル118の実際のインダクタンスの理想的近似値であることが認識される。
【0047】
前処理ブロック404は、測定電流のピークの集合関数による高速平均値を取得するように構成される。前処理ブロック404は、最初に、固定コイル118の測定電流のピーク検出値を取得し、次に、その中の低域通過フィルタを利用して、ピーク検出値を平均化する。フィルタリングにより、固定コイル118の測定電流から、可動コイル120からの反射電流のほとんどを除去する。固定コイル118の過渡で高速の上昇電流に応答するために、通過フィルタの値は、定常電流が高速で上昇している間、強制的にピーク値になり得る。これは、フィルタが平均定常電流を推定することができない場合、低域通過フィルタのカットオフ周波数を下回る周波数を有する純正弦波を除いて、上記に留意した歪みの問題を解消するために最適であり得る。
【0048】
図5は、概して、別の実施形態による、音響トランスデューサ装置500の別の実施態様を示す。音響トランスデューサ装置500は、トランスデューサ106及び音響トランスデューサコントローラ(またはコントローラ)502を含む。音響トランスデューサコントローラ502は、概して、少なくとも1つの、デジタルプロセッサ501及びメモリ503を含む。デジタルプロセッサ501は、概して、コントローラ502によって行われる機能を実行する。コントローラ502は、入力102において入力音声信号を受信したことに応答して、各々、可動コイル信号及び固定コイル信号を生成し、それらの信号を可動コイル102及び固定コイル118に伝送する。
【0049】
コントローラ502は、概して、動的等化ブロック304、分周回路306、電圧源308、複合源ブロック310、変換回路312、ピークの集合ブロック314、前処理ブロック404、遅延ブロック504、信号種類識別器ブロック506、及び信号スケーリングブロック508を含む。フィードバック経路523及びフィードフォワード経路524は、入力を前処理ブロック04に提供するものとして示される。例えば、前処理ブロック04は、ピークの集合ブロック314、スイッチ512、及び高速平均ピークの集合ブロック516を含む。信号種類識別器ブロック506はスイッチ512を選択するために提供され、それにより、フィードバック経路523またはフィードフォワード経路524は、低速平均ピークの集合ブロック514または高速平均ピークの集合ブロック516のいずれかから来る入力を変換回路312に提供するために選択される。
【0050】
信号種類識別器ブロック506は、入力音声信号が前処理ブロック404の低域通過フィルタのカットオフ周波数を下回る時間、または主として、本質的に正弦波(例えば、単一周波数を伴う単音または試験信号)である時間を判定する。この状態が真である(すなわち、入力音声信号が正弦波である)場合、低速平均ピークの集合ブロック514は、変換回路312への入力として、スイッチ512を用いてフィードフォワード経路524で使用されることができる。上記に留意したように、ピークの集合ブロック314による平均値は、固定コイル118の目標電流を提供する。このモードは、フィードバック経路が使用中ではないとき、フィードバック経路523をなくすことによって、可動コイル120の反射電流の効果をなくす。加えて、低速平均ピークの集合ブロック514は、平均ピークの集合ブロック314が有する同じ方法の高速ピークの集合関数を含み、高速過渡がブロック514の出力を設定し、平均フィルタに関連付けられる遅延をなくすことを可能にする。
【0051】
信号スケーリングブロック508は、信号種類識別器ブロック506によって検出される入力音声信号の特質に基づいて、固定コイル118の目標電流のレベルをスケーリングする。このように、固定コイル118の最適電流は、正弦波の電力と、良好に維持することができるノイズまたは音楽信号の様々な最適電流とのバランスをとるために提供され、正弦波はノイズまたは音楽よりも低いピーク対平均値を有する。加えて、遅延ブロック504は、特に、高速過渡時、固定コイル信号の電流が、固定コイル118の目標電流まで上昇するための追加時間を提供する。概して、遅延ブロック504は、適切な動作を保証するために、分周回路398の前で動的等化ブロック304からの出力を受信する。
【0052】
遅延ブロック504によって使用される遅延の大きさは、電圧源324の電力供給、固定コイル118のインダクタンス及び抵抗、装置500の帯域幅、ひいては、再生される過渡のスルーレート及び増幅器ヘッドルーム等の二次的要因等の使用されるパワーエレクトロニクスによって判定される固定コイル118の電流を動かすのに利用可能である電圧によって決まり得る。いくつかの場合、遅延は必要ではない場合がある。
【0053】
図6は、概して、図3の音響トランスデューサ装置300の実施態様の少なくとも一部を実行するための方法600を示す。
【0054】
動作602では、音響トランスデューサコントローラ302は、トランスデューサ106によって再生される目標音声信号に対応する入力音声信号を受信する。
【0055】
動作604では、ピークの集合ブロック314による平均値は、入力音声信号の包絡線に対応する基準信号305を生成する。包絡線は、概して、入力音声信号の上極限及び入力音声信号の下極限によって定義される滑らかな曲線に対応する。具体的には、入力音声信号の包絡線は、概して、入力音声信号の上極限と下極限との間の入力音声信号のエネルギーの絶対値に対応する。ピークの集合ブロック314による平均値は、ピーク検出器を使用して、次に、単一のピーク検出器に関連付けられるリップルを除去するために平均低域通過フィルタを使用して、入力音声信号の包絡線を取得する。ピーク検出器の減衰率は、最適な効率を達成するために固定コイルのL/R時定数と同様にするべきである。低域通過フィルタのカットオフ周波数は、トランスデューサ106の通過帯域を下回るはずである。過渡時、その大きさは低域通過フィルタの電流レベルを上回り、遅く変化する低域通過フィルタは、入力音声信号の瞬時最大絶対値に直接低域通過フィルタの値を設定することによって、強制的により高いレベルの過渡に即座に応答する。このように、さらに、音声信号のレベルの過渡的増加に応答し、複合源ブロック310に基準信号305として提供され得る入力音声信号の、最小のリップルを伴う入力音声信号のきれいな包絡線を生成することができる。
【0056】
動作606では、複合源ブロック310は、基準信号305に基づいて、固定コイル信号を固定コイル118に提供する。
【0057】
動作608では、電流測定回路307は、固定コイル信号を固定コイル118に提供した後、固定コイル118を通る電流を測定する。
【0058】
動作610では、複合源ブロック310は、固定コイル118を通る測定電流を示す出力を生成する。
【0059】
動作612では、変換回路312における磁束の量は出力に基づいて空隙136内に存在する。
【0060】
動作614では、音響トランスデューサコントローラ302は、磁束に反比例する可動コイル120の電圧出力を生成する。例えば、分周回路306は、変換回路312から受信した磁束の逆数を取得し、電圧源308が変換回路312からの磁束値に反比例する電圧を提供するように出力を電圧源308に提供する。電圧出力は磁束βと電流Iとの積(すなわち、β×I)に比例するため、これにより、電流は電圧に比例する。したがって、磁束が減る場合、電圧出力は、歪みを避けるために比例して増加する。
【0061】
図7は、概して、図5の音響トランスデューサ装置500の実施態様の少なくとも一部を実行するための方法700を示す。
【0062】
動作702では、音響トランスデューサコントローラ502は、入力音声信号を受信する。
【0063】
動作704では、信号種別識別部506は、入力音声信号が純音信号(または試験信号)、または複数の周波数を含む音声信号であるかどうかを判定する。例えば、上記に留意したように、信号種別識別部506は、入力音声信号が正弦波を含む(または単一周波数を含む)かどうかを判定する。この条件が真である場合、方法700は動作706に移動する。この条件が偽である場合、信号種別識別部506は、入力音声信号が複数の周波数を含み、入力音声信号は娯楽消費のためにユーザの再生のために所望される音声入力に対応することを判定する。例えば、信号種類識別器ブロック506は入力音声信号のピーク値/平均値(またはp/a)を監視する。純正弦波は1/0.63または1.45のp/aを有する一方、音楽またはノイズが2~10のp/aである。したがって、信号種類識別器ブロック506が、p/aが約1.5であると判定する場合、信号種類識別器ブロック506は、入力音声信号が純音(または試験信号)であることを判定する。信号種類識別器ブロック506が入力音声信号のp/aが2~10の範囲内であると判定する場合、信号種類識別器ブロック506は、入力音声信号が音声信号であることを判定する。
【0064】
動作706では、信号種類識別器ブロック506は、フィードフォワード経路524の低速平均ピーク集合のブロック514が、ピークの集合314による平均からの出力を、変換回路312への入力に提供することを可能にするように、スイッチ512を制御する。概して、低速平均ピークの集合ブロック514は、動作時のピークの集合ブロック314による平均であるが、314で使用されるものと比較して低速の平均低域通過フィルタによる平均と同様である。例えば、0.1~1ヘルツである。この動作は、入力正弦波のリップルフリー包絡線を提供する。変換回路312は、固定コイル118の電流を磁束密度に変換する。動的等化ブロック304及び分周器306は、変換回路312から入力音声信号に出力される磁束密度を使用して、磁束の変化に対して固定コイル信号を補償する。
【0065】
動作708では、信号種類識別器ブロック506は、電流測定回路307の出力が、固定コイル118を通る測定電流に対応する出力をピークの集合ブロック516による高速平均に、次に、変換回路12に提供することを可能にするように、スイッチ512をアクティブにする。ピークの集合ブロック516による高速平均は、ピークの集合ブロック314による平均と同様に機能し、しかしながら、ピークの集合ブロック516により高速平均の平均低域通過フィルタのカットオフ周波数はトランスデューサ106の共振に同等である。これは、入力音声信号によって、前処理ブロック404の動作を繰り返す。ピークの集合ブロック516による高速平均は、包絡線が測定電流の急速な変化に対応するとき、固定コイル120を通る電流の包絡線を提供する。
【0066】
動作710では、音響トランスデューサコントローラ502は、動作610及び612に関連して上記に留意した同様の動作を行う。
【0067】
例示的な実施形態を上記に説明したが、これらの実施形態が本発明の全ての可能な形態を説明することが意図されない。むしろ、本明細書で使用される単語は、限定的ではなく説明のための単語であり、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが理解される。加えて、本発明のさらなる実施形態を形成するために、実施形態を様々に実装する特徴を組み合わせ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7