(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】エラストマー強化のためのスチールコード
(51)【国際特許分類】
D07B 1/06 20060101AFI20230616BHJP
【FI】
D07B1/06 Z
(21)【出願番号】P 2020523383
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(86)【国際出願番号】 EP2018078853
(87)【国際公開番号】W WO2019081411
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-14
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519460959
【氏名又は名称】ベカルト アドバンスド コーズ アールテル エンベー
【氏名又は名称原語表記】BEKAERT ADVANCED CORDS AALTER NV
【住所又は居所原語表記】Leon Bekaertlaan 5, 9880 Aalter, Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(72)【発明者】
【氏名】ゲード モレン
(72)【発明者】
【氏名】ワウター ファンレイテン
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第01034328(GB,A)
【文献】特開2014-145136(JP,A)
【文献】実開昭60-177995(JP,U)
【文献】特開2014-237908(JP,A)
【文献】特開平02-074689(JP,A)
【文献】米国特許第05048280(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D07B 1/00- 9/00
B66B 5/00- 5/28,
7/00- 7/12
F16G 1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製のストランド及びモノフィラメントを含むスチールコードであって、前記ストランドは、ストランド撚り長及び方向で撚り合わせられている鋼製のストランドフィラメントを含み、前記ストランド
及び前記モノフィラメントは、コード撚り
長及び方向で撚り合わせられており、前記ストランドは、前記スチールコードの外層を形成する、スチールコードにおいて、
前記モノフィラメントは
、前記スチールコードの前記外層の半径方向外側において隣接ストランド間の谷を満たすこと
、並びに、
下記の(i)及び/又は(ii):
(i)前記モノフィラメントは、モノフィラメント引張強度を有し、前記モノフィラメント強度は、前記モノフィラメントに最も近い前記ストランドフィラメントの引張強度よりも低い、
(ii)前記モノフィラメントは、総モノフィラメント破壊荷重を有し、前記総モノフィラメント破壊荷重は、前記スチールコードの破壊荷重の20%未満である、
を満たすこと、
を特徴とする、スチールコード。
【請求項2】
前記モノフィラメントは、直径を有し、前記モノフィラメントの前記直径は、前記隣接ストランド間の隙間よりも大きい、請求項1に記載のスチールコード。
【請求項3】
前記モノフィラメントは、前記スチールコードの前記ストランドに対する外接円内にとどまる、請求項1又は2に記載のスチールコード。
【請求項4】
前記モノフィラメントは、直径を有し、前記モノフィラメント直径は、前記スチールモノフィラメントに最も近い前記ストランドの直径よりも小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項5】
前記モノフィラメントは、直径を有し、前記モノフィラメント直径は、前記ストランドフィラメントの直径のいずれかよりも大きい、請求項4に記載のスチールコード。
【請求項6】
前記モノフィラメントの1つの断面積は、前記スチールコードの全金属断面積の2%~5%である、請求項1~
5のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項7】
前記モノフィラメントの少なくとも1つは、電気絶縁層で覆われている、請求項1~
6のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項8】
前記モノフィラメントの少なくとも1つは、間隔を置いて局所的に弱められている、請求項1~
7のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項9】
芯を更に含み、前記ストランドは、前記芯の周りに撚られている、請求項1~
8のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項10】
前記芯は、人造又は天然有機繊維を含む、請求項
9に記載のスチールコード。
【請求項11】
前記芯は、芯ストランドを形成するスチールフィラメントを含む、請求項
9に記載のスチールコード。
【請求項12】
前記芯は、芯直径を有し、前記ストランドは、ストランド直径を有し、前記芯直径は、前記ストランド直径よりも小さい、請求項
9~
11のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項13】
外ストランドの数は、3つ、4つ又は5つである、請求項
12に記載のスチールコード。
【請求項14】
少なくとも前記モノフィラメントは、0.25mmよりも大きい
直径を有する、請求項1~
13のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれか一項に記載のスチールコードを含むエラストマー製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム又は熱可塑性エラストマー、例えばポリウレタンベースの熱可塑性エラストマー製のタイヤ、ホース、ベルト、例えばコンベヤベルト、同期ベルト及びエレベーターベルトなどのエラストマー製品のエラストマー強化のためのスチールコードに関する。
【背景技術】
【0002】
エラストマー強化の分野において、スチールコードの使用が大量にある。スチールコードは、ベルト及びタイヤの骨組み、大小のホースの壁、更にコンベヤベルト、同期ベルト(タイミングベルトとしても知られている)、平ベルト、パワーベルトなどのベルトを強化するために使用される。近年、エレベーターにおけるベルトの使用が急増している。なぜなら、このエレベーターベルトの進歩により、エレベーターシャフトの上で機械室の除去が可能になったからである(米国特許第6739433号明細書)。
【0003】
更に、スチールコードを高強度、高軸方向剛性及び低クリープで製造することができるため、スチールコードは、現在、ベルトを強化する好ましい方法である。その上、スチールコードは、十分な耐火性を示し、長い寿命を保証する。ゴム又は熱可塑性ポリウレタン製のエラストマージャケットにスチールコードを組み込む前にウェブで互いに平行にスチールコードを配置することにより、エレベーターベルトを製造する。熱可塑性ポリウレタン材料は、耐摩擦性、耐摩耗性及び耐火性の点でエレベーターベルトの必要性に容易に適応できるため、熱可塑性ポリウレタン材料は、現在、最も好ましい。その上、ゴムに関して加硫工程の必要性がないため、製造は、エネルギー効率が良い。
【0004】
エレベーターベルトは、エレベーターの安全関連部品であり、従って特別な考慮を必要とする。要件の1つは、更なる使用が安全でない程度までエレベーターベルトが劣化した場合、この劣化がエレベーターベルトにおいて目立っている必要があることである。従って、ベルトにおけるスチールコードの劣化を監視することができる極めて精巧な設備が提案されている。これらの方法は、ベルトにおけるスチールコードの電気抵抗の変化に主に基づいている(欧州特許第1732837号明細書、欧州特許第2172410号明細書)。電気抵抗のこの変化は、線破壊、フレッティング腐食又はエラストマージャケットの劣化によって生じることがある。
【0005】
ベルトが交換期限になった場合、ベルトの元の破壊荷重の少なくとも80%をベルトが依然として有することができるべきであることは、一般的な経験則である。問題は、スチールコード強化エレベーターベルトの劣化が非常に遅く進み、実際にはこの限界にめったに達しないことである。スチールコードは、一緒に徐々に劣化し、単一スチールコードの破壊のためにベルトの破壊荷重の低下が生じることは、極めてまれである。エラストマージャケットは、多くの場合にスチールコードよりも早く摩耗し、ベルトを交換する主な理由は、スチールコードが劣化していることではなく、エラストマーの摩耗が多過ぎることである。
【0006】
従って、本発明者らは、耐久性があるが、エレベーターの安全性を脅かすことなく明らかな寿命末期指示を与える、エレベーターベルトの強化のためのスチールコードを開発する作業を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、エラストマーの強化のためのスチールコードを提供することである。より詳細には、スチールコードは、エレベーターベルトを強化するのに適している。スチールコードは、エレベーターの安全性を脅かすことなくベルトの著しい故障の定時(早過ぎず且つ必ず遅過ぎないことを意味する)検出を可能にする内蔵特徴を有する。更に、スチールコードは、同じ円周領域内でより高い強度を提供する。ベルトの強度を監視する方法は、単純で効率的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、請求項1の特徴を有するスチールコードが提供される。スチールコードは、鋼製のストランド及びモノフィラメントを含む。ストランド自体は、ストランド撚り長及び方向で撚り合わせられているスチールフィラメントで作られている。スチールフィラメントの巻き上のストランドは、コード撚り長及び方向で撚り合わせられている。ストランドは、スチールコードの外層を形成する。好ましい実施形態において、フィラメントは、円形の垂直断面を有する。
【0009】
スチールコードに関する特徴は、モノフィラメントが、コード撚り長及び方向で撚られており、且つスチールコードのストランドの外層の半径方向外側において隣接ストランド間の谷を満たすことである。「ストランドの外層の半径方向外側において」は、モノフィラメントの中心が、ストランドの中心によって形成された円の半径方向外側に位置していることを意味する。
【0010】
モノフィラメントの直径は、隣接ストランド間の隙間よりも大きい。隣接ストランド間の隙間は、ストランドに外接させる2つの円筒間の最短距離である。好ましい実施形態において、フィラメントは、円形の垂直断面を有する。モノフィラメントの直径は、フィラメントの軸と垂直なマイクロメーターの平行アンビル間で測定されるような最小及び最大フェレ直径の平均である。その結果、モノフィラメントは、スチールコードの外層の2つの隣接ストランドと接触しており、接触し、接触可能であり、例えば芯がある場合にスチールコードの芯と接触しない。より詳細には、各モノフィラメントは、スチールコードのストランドの外層のまさに2つの隣接ストランドと接触するか又は接触可能である。
【0011】
用語1つ又は複数の「モノフィラメント」は、「充填材フィラメント」よりもむしろ選択される。なぜなら、充填材フィラメントは、それ自体「充填材構成」としても知られている平行撚り構成で互いに平行に撚られたフィラメント間の内部隙間を満たすことでよく知られているからである。この用途の意味では、隠されたままである「充填材フィラメント」と対照的に、モノフィラメントは、内部隙間を満たさず、外側から見える。本発明によるモノフィラメントは、充填材フィラメントに対して期待するよりも大きい。
【0012】
代替の減少実施形態において、スチールコードは、スチールフィラメントから完全になり得、即ち、ストランドは、スチールフィラメント及びモノフィラメントからなる。
【0013】
好ましくは、ストランドは、タイプ「1+n」、即ち「n」個の外スチールフィラメントが撚られた中心スチールフィラメントである。タイプ1+4、又は1+5、又は1+6のストランドが最も好ましい。3+6又は3+9などの単純な層状タイプのストランドを考慮することもできる。このようなストランドは、それぞれ6つ又は9つの外フィラメントが異なる撚り長及び/又は方向で撚られた3つの撚り合わせられたスチールフィラメントの内ストランドを有する。ストランドは、全フィラメントが同じ撚り長で撚り合わせられた単一撚りタイプであることもできる。例は、比d1/d0が約1.5であり、比d2/d0が約1.85であり、高い充填率を与える3×(d0|d1|d2)である(例えば、米国特許第3358435号明細書を参照されたい)。代わりに、芯は、米国特許第4829760号明細書に記載のように、d2/d0が約1.14であり、d1/d0が約0.79であるタイプ3×(d0|2×d1|d2)であることができる。この構成において、大きいフィラメントd2は、フィラメントd0間の隙間を満たす。各対のフィラメントd2間に2つのより小さいフィラメントd1を入れ子にする。「di」は、ストランドの中心まで同じ距離を全て有する層「i」におけるフィラメントの直径を表す。
【0014】
ストランドのスチールフィラメントが形成されたスチールは、0.40%(例えば、0.65%を超える)の最小炭素含有率、0.40%~0.70%のマンガン含有率、0.15%~0.30%のケイ素含有率、0.03%の最大硫黄含有率、0.30%の最大リン含有率(全てのパーセントは、重量パーセントである)を有する典型的な組成を有する通常の高炭素鋼である。微量の銅、ニッケル及び/又はクロムが存在するのみである。最小炭素含有率が約0.80重量%(例えば、0.775~0.825重量%)である場合、高張力鋼を指す。
【0015】
ストランドのスチールフィラメントは、少なくとも2000MPaの引張強度、好ましくは2700MPaを超える引張強度を有する一方、3500MPaなどの3000MPaを超える強度が受け入れられている。現在、最高4200MPaが非常に細い線で得られている。炭素含有率が0.65wt%を超える炭素を有する鋼からフィラメントを十分な程度まで冷間延伸することにより、このような高い強度を得ることができる。
【0016】
モノフィラメントは、同じ種類の鋼製であり、ストランドのフィラメントと同じレベルの引張強度を有し得、即ち2000MPa~約3500MPaを超える引張強度を有する高炭素鋼製であり得る。
【0017】
代替の同様に好ましい実施形態において、モノフィラメントは、ストランドのフィラメントの種類と異なる種類の鋼製である。例えば、モノフィラメントは、低炭素鋼製であり得る。低炭素鋼は、0.04wt%~0.20wt%の炭素含有率を有する組成を有する。全組成は、下記のように、0.06wt%の炭素含有率、0.166wt%のケイ素含有率、0.042wt%のクロム含有率、0.173wt%の銅含有率、0.382wt%のマンガン含有率、0.013wt%のモリブデン含有率、0.006wt%の窒素含有率、0.077wt%のニッケル含有率、0.007wt%のリン含有率、0.013wt%の硫黄含有率であり得る。
【0018】
特定の実施形態において、モノフィラメントは、2000MPa未満の引張強度を有し得る。より小さい冷間延伸変形を与えることにより、且つ/又はより低い炭素含有率、例えば0.40wt%の炭素を有する鋼若しくは低炭素鋼を使用することにより、より低い強度、例えば2000MPa未満(例えば、500MPa~2000MPa)の引張強度を得ることができる。
【0019】
特定の実施形態の場合、モノフィラメントは、磁化可能であり、即ち強磁性材料製であることが好ましい。強磁性材料は、1を上回る、好ましくは50を超える比透磁率を有する。低炭素鋼及び高炭素鋼は、磁化可能材料である。
【0020】
モノフィラメントは、「寿命指標」として主に追加される。モノフィラメントは、スチールコードの外側に位置決めされるため、モノフィラメントが内部に置かれている場合と比較して、モノフィラメントは、より高い曲げ応力及び引張応力を受ける。ここで、モノフィラメントのサイズ及び引張強度を適応させることにより、モノフィラメントが破壊する概略時間範囲を調整することができる。より大きい直径のモノフィラメントは、より高い曲げ応力のため、より小さい直径のモノフィラメントよりも早く破壊する。代わりに又は組み合わせて、より低い引張強度(例えば、1200MPa~2000MPa)のモノフィラメントは、より低い引張強度のモノフィラメントの降伏点がより低いため、高い引張強度のモノフィラメントよりも早く破壊する。
【0021】
更に、モノフィラメントは、ストランドの外層の半径方向外側に位置しているため、モノフィラメントが破壊した場合、モノフィラメントが埋め込まれた重合体をモノフィラメントが貫通し、これにより寿命指標としての機能を果たす。これらの貫通フィラメントを視覚的に検出することができる。
【0022】
代わりに、貫通モノフィラメントは、エラストマー製品が移動中のプーリーとスチールコードとの間の電気的接触としての機能を果たすことができる。このために、一方の極性(例えば、接地)におけるプーリーと他方の極性におけるスチールコードとの間で電気的張力を維持する。貫通モノフィラメントがプーリーに触れた場合、電気的短絡が発生するのみであるため、この一時的な接触は、破壊の位置指標としての機能を果たすことができる。例えば、エラストマー製品がエレベーターベルトである場合、エレベーターの作動中に発生する短絡の数を数えることができる。破壊の総数が特定の数よりも多くなると直ちに、エレベーターベルトを交換する必要があるという指示を出す。
【0023】
更に好ましい実施形態において、ストランド撚り方向は、コード撚り方向と逆である。これは、モノフィラメントに最も近いストランドフィラメント間において、重合体材料の侵入を可能にする隙間を形成し、これによって重合体の十分な機械的固定を可能にするという利点を有する。「モノフィラメントに最も近いストランドフィラメント」は、モノフィラメントに触れるか又は殆ど触れるストランドの外フィラメントを意味する。実際に、本発明者らが驚いたことに、ストランドとコードとの間で逆の撚り方向を使用した場合、スチールコードの機械的固定に対する悪影響は認められなかった。
【0024】
更に好ましい実施形態において、モノフィラメントは、スチールコードのストランドに対する外接円内にとどまる。「スチールコードのストランドに対する外接円」は、全ストランドを依然として囲み、モノフィラメントを必ずしも囲まない最小直径を有する円である。しかし、エラストマー製品に加工するのを一層容易にするより丸い全断面をスチールコードが得るように、モノフィラメントは、その円内にとどまることが好ましい。
【0025】
更に、モノフィラメントは、金属充填率を増加させるため、モノフィラメントの存在は、モノフィラメントの直径を増加させることなくスチールコードの破壊荷重を増加させる。金属充填率は、外接円の面積で割られたコードの金属断面の比である。この用途のために、スチールコードの金属断面は、スチールコードにおける各フィラメントの全ての個々の垂直断面積の合計である。
【0026】
記載のように、モノフィラメントの直径は、モノフィラメントの疲労寿命に対する影響を与える。従って、モノフィラメントは、充填材スチールフィラメントに最も近いストランドフィラメントの直径よりも大きい直径を有することが好ましく、その結果、モノフィラメントは、ストランドフィラメントよりも早く破壊する。更に、これを取ると、モノフィラメントがスチールコードにおけるいずれかの他のフィラメントの直径よりも大きい直径を有することは、本発明に有利である。更に、モノフィラメントのより大きい直径は、ストランドの接触外フィラメントのフレッティングを減らす。モノフィラメントの直径は、ストランドの直径よりも小さいままであるべきである。モノフィラメントの直径がストランドの直径程度である場合、スチールコードの剛性は、あまりにも高くなり、スチールコードは、スチールコードの目的にもはや適していない。有利には、モノフィラメントの直径は、ストランドの直径の半分よりも小さいか又は例えばストランドの直径の40%、35%若しくは30%よりも小さい。逆に、モノフィラメント直径は、外ストランド間の最小隙間よりも小さくなることができない。なぜなら、そうしないと、モノフィラメントは、ストランド間に引っ張られ、非常に望ましくない状況であるからである。
【0027】
更に改良された実施形態において、モノフィラメントの直径は、最も近いストランドフィラメントの直径よりも1%~20%、又は5%~20%、又は5%~15%だけ大きい。従って、外フィラメントが直径「d0」を有する場合、モノフィラメント「d1」は、1.01×d0~1.20×d0、又は1.05×d0~1.20×d0、又は1.05×d0~1.15×d0の直径を有する。
【0028】
更に好ましい実施形態において、モノフィラメントは、モノフィラメントに最も近いストランドフィラメントの引張強度と実質的に等しい引張強度を有する。引張強度が略等しく、隣接フィラメントの直径があまり違わない場合、隣接フィラメント間のフレッティングは、過剰でない。「実質的に等しい」は、2つの引張強度間の絶対差が200N/mm2未満であることを意味する。
【0029】
上述と対照的に、モノフィラメントに最も近いストランドフィラメントの引張強度よりも明らかに低い強度を有するモノフィラメントを選択することが有利である場合がある。このようにして、モノフィラメントは、フレッティングの影響をより受けやすく、従って定時に破壊を示す一方、ストランドの外フィラメントは、依然として腐食していない。
【0030】
スチールコードにおける全モノフィラメントが同じ場所で破壊した場合、スチールコードの破壊荷重が元の破壊荷重の80%未満に低下することを防止するために、スチールコードの破壊荷重に対する全モノフィラメントの寄与は、スチールコードの破壊荷重の20%未満であることが一層好ましい。この寄与が更に多い場合、全モノフィラメントが1つの場所で破壊した後の残りの破壊荷重は、元の破壊荷重の80%未満に低下する。一方、総破壊荷重に対するモノフィラメントの寄与が少なくとも5%又は10%である場合に有利である。
【0031】
本発明の更なる改良形態において、スチールコードにおける全スチールフィラメント(モノフィラメントを含む)の全金属断面積に対する1つのモノフィラメントの断面積の比は、2%~5%である。別の表現では、モノフィラメントの1つの断面積は、スチールコードの全金属断面積の2%~5%である。より好ましくは、1つのモノフィラメントは、スチールコードの全金属断面積の少なくとも3%又は4%超を占める。1つのモノフィラメントが破壊した場合、スチールコードの全金属断面積は、元の全金属断面積の2%~5%だけ減少することになる。
【0032】
1つのモノフィラメントの断面積は、ストランドフィラメントに比べて比較的大きいため、モノフィラメントに関連する質量は、付随して大きい。モノフィラメントの1つが破壊した場合、モノフィラメントが磁化可能であることを条件として、磁束検出器における外乱は、検出されるのに十分である。ロープ又はベルトにおけるフィラメント破壊を検出する磁束検出器は、既知のデバイスである。
【0033】
代替の実施形態において、モノフィラメントの少なくとも1つ、又は2つ以上、又は全部を電気絶縁層で覆うことができる。電気絶縁層は、例えば、ラッカー又は押し出し重合体塗膜であることができる。このような実施形態は、電気抵抗測定によるモノフィラメントの破壊の検出の可能性を与える。例えば、個々のモノフィラメントの抵抗を監視することができる。代わりに、平行に並んだ全モノフィラメントの抵抗を監視することができる。
【0034】
代替的な実施形態において、モノフィラメントの少なくとも1つ、又は2つ以上、又は全部を、間隔を置いて局所的に弱める。「局所的に弱める」は、短い長さにわたり、例えばモノフィラメントの直径の5倍未満又は2倍未満にわたり破壊荷重を局所的に低下させることを意味する。局所的に線を機械的に変形させることにより、例えば線を挟む、絞る又は平坦化することにより、このような弱めることを行うことができる。代わりに、鋼の金属組織を局所的に変更することにより、例えばレーザーパルスを用いて線を局所的に加熱することにより、この弱めることを行うことができる。「間隔を置いて」は、モノフィラメントの長さに沿って弱めることが繰り返されることを意味する。繰り返しは、不規則、即ちランダムであり得るが、好ましくは、規則正しい又は周期的である。局所的に弱められた場所間の距離は、コード撚り長の1/10(0.1倍)~100(100倍)であり得る。弱めることの目的は、充填材線が望ましく制御可能に破壊する制御された弱い場所を有することである。
【0035】
更に非常に好ましい実施形態によれば、スチールコードは、外層のストランドがモノフィラメントと一緒に撚られている芯を含む。第1の実施形態によれば、芯は、糸に撚られている合成若しくは天然有機繊維を含むか又は合成若しくは天然有機繊維からなる。更に、糸は、コアロープに撚られ得る。有機繊維は、純炭素を含む炭素化学ベースの重合体で形成されている繊維を意味する。これらの繊維は、綿、亜麻、麻、羊毛、サイザル麻又は同様の材料などの天然起源であり得る。代わりに、糸は、炭素繊維、ポリプロピレン、ナイロン又はポリエステルで形成可能である。好ましくは、糸は、液晶高分子(LCP)、アラミド、高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリ(p-フェニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール及びこれらの混合物の繊維で形成されている。
【0036】
より好ましくは、芯は、芯ストランドに撚り合わせられているスチールフィラメントを含むか又はスチールフィラメントからなる。可能な芯ストランドは、下記の通りである。
・単一スチールフィラメント。
・芯ストランドに撚り合わせられた2つ、3つ、4つ又は5つのスチールフィラメントが最も好ましい。
・3つ、4つ、5つ、6つ、7つ又は「n」個のフィラメントがそれぞれ撚られた単一スチールフィラメントを表す1+3、1+4、1+5、1+6、1+7又は1+nなどの単一層ストランド。十分な金属充填を有するようにフィラメントの直径を選択する。
・各連続層がより多くのフィラメントを含む、3+6、3+9、1+6+12、3+9+15、4+10+16などの層状型コード。層は、順に重ねて撚られ、各層は、撚り長及び/又は撚り方向で少なくとも異なる。
・全フィラメントが同じ撚り方向及び撚り長で撚られた単一撚りコード(例えば、3|9、3|3|6、1|5|5|5、1|6|6|6などの小型コード、ウォリントンストランド、シールストランド)。
【0037】
平行アンビルを有するキャリパーにより、芯直径を測定することができる。芯直径のようなこの用途のために、最大直径は、円形プラテンアンビルを有するマイクロメーターにより、ストランドと垂直な面を横切る異なる角度にわたって判定されると見なされる。同じように、ストランド直径を判定することができる。好ましい実施形態において、芯直径は、ストランド直径よりも小さい。
【0038】
外ストランドの数を3つ、4つ又は5つに限定すると、使用中に安定しているスチールコードを得たい場合、芯直径は、外ストランド直径よりも必然的に小さい。「使用中に安定している」は、フィラメント及びストランドが使用中に互いに過度に動かないことを意味する。更に、ストランドの数が3つ、4つ又は5つである場合、ストランド間に形成された谷がより大きいため、モノフィラメントの直径が最大である。例えば、6つのストランドを使用する場合、ストランドの各々は、6つの外スチールフィラメントが撚られたスチールフィラメントを含み、モノフィラメントの直径は、外スチールフィラメントと略等しく、あまり好ましくない状況である。
【0039】
スチールコードの更に好ましい実施形態において、モノフィラメントは、少なくとも0.25mmの直径を有する。場合により、他の全フィラメントは、従って、0.25mmよりも小さく、モノフィラメントは、スチールコードにおいて最大になる。好ましくは、スチールコードの全直径は、3mm未満、又は2mm未満、又は1.8mm(例えば、約1.5mm)未満である。外ストランド間の谷の深さは、スチールコードの直径に対応するため、大き過ぎる直径は、初期故障及び過度の曲げ剛性を引き起こす非常に大きい充填材直径になる。従って、スチールコードを、他の特性で譲歩することなく、より大きい直径に単にサイズ変更することができない。従って、本発明者らは、0.50mm又は0.40mm未満(例えば、0.35mm以下)の最大直径を有するモノフィラメントに本発明の実際的な使用を限定する。他の全フィラメントも好ましくはその直径未満である。
【0040】
本発明のコードは、先行技術コードと比較して幾つかの有利な特徴を示す。
・モノフィラメントの破壊荷重は、総破壊荷重に常に追加するため、モノフィラメントなしの同じコードと比較してより高い破壊荷重を達成することができる。
・充填材線は、寿命指標として追加され、最初に破壊する。視覚的、電気的又は磁気的検出によって破壊を検出することができる。
・全モノフィラメントが破壊した場合でも、スチールコードの破壊荷重は、元の破壊荷重の80%を超えるように依然として保証されている。
・芯ストランドは、外ストランドよりも小さい。その結果、芯ストランドが大きい場合のように容易に外に逃げない。
・更に、モノフィラメントは、コードを安定させる。これは、外ストランドを適所に保つのにモノフィラメントが役立つことを意味する。
・非常に驚いたことに、スチールコードの外面は、周囲重合体に対する固定性能を維持する。この説明によって限定されることなく、本発明者らは、これが、ストランド撚り方向が芯撚り方向と逆である場合、外ストランドとモノフィラメントとの間の隙間の存在に起因すると考える。
【0041】
第2の態様によれば、エラストマー製品が特許請求の範囲に記載される。エラストマー製品は、上述のスチールコードを含む。好ましくは、エラストマー製品は、エレベーターベルト、平ベルト、同期ベルト又はパワーベルトなどのベルトである。更に好ましい使用は、ホースである。タイヤにおける使用は、あまり好ましくないが、モノフィラメントの破壊能力を考えると、特別な用途で排除されない。
【0042】
この用途に関連して、「エラストマー」は、熱硬化性(加硫若しくは熱処理を必要とする)又は熱可塑性であり得る弾性重合体材料である。
【0043】
熱硬化性エラストマーは、典型的に、天然ゴム又は合成ゴムなどのゴム材料である。NBR(アクリロニトリルブタジエン)、SBR(スチレンブタジエン)、EPDM(エチレンプロピレンジエン単量体)若しくはCR(ポリクロロプレン)又はシリコーンゴムのような合成ゴムが好ましい。当然のことながら、異なる添加剤を重合体に加えてゴム材料の特性を変更することができる。
【0044】
熱可塑性エラストマー材料は、例えば、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリアミド、ポリオレフィン混合物、熱可塑性共ポリエステル、熱可塑性フッ素重合体(例えば、ポリビニリデンジフルオリド又はポリオキシメチレン(POM))であることができる。これらの中で、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールから得られるか又はポリカーボネートから得られる熱可塑性ポリウレタンが最も好ましい。更に、これらの熱可塑性材料は、難燃性、摩耗改善充填材、有機又は無機性の摩擦制御充填材で完全なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明のスチールコードの第1の好ましい実施形態の断面図である。
【
図2】本発明のスチールコードの第2の好ましい実施形態の断面図である。
【
図3】本発明のスチールコードの可能な製造方法を説明する。
【
図4】上(
図4a)及び側面(
図4b)から見たフィラメントの局所的な弱めとしての機能を果たす規則正しい狭窄を有するモノフィラメントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図面において、同等のユニット及び数十の番号を有する参照番号は、図面全体で対応する項目を示し、百の桁は、図面の番号を示す。
【0047】
第1の好ましい実施形態によれば、下記の構成のコードが提示される。
[(3×0.22)10z+5×(0.17+5×0.23)12z|5×0.25]16.3S
スチールコードの鏡像では、あらゆる「z」を「s」と置換し、逆も同様である。
【0048】
この式を下記のように読み取る必要がある。
・小数は、フィラメントの直径を示し、整数は、フィラメント又はストランドの数を示す。
・括弧は、1ステップで撚り合わせられるフィラメント及び/又はストランドを含む。
・副添字は、撚り長(mm)及び方向を示す。
・プラス記号は、「+」の両側の項目が撚り合わされ、異なる撚り長及び/又は方向を有することを示す。
・一画は、「|」の両側の項目を同じ撚り長及び/又は方向で撚り合わせることを示す。
【0049】
このコード100の断面を
図1に表す。外ストランド102は、サイズ0.23mmの5つの外スチールフィラメント106が「z」方向に12mmの撚り長で撚られたサイズ0.17mmの中心スチールフィラメント110で形成されている。この場合、芯108は、サイズ0.22mmの3つのフィラメントが「z」方向に10の撚りで互いに撚られたスチールフィラメント芯である。芯108に、5つの外ストランド102は、ストランドがモノフィラメントと交互する「S」方向に16.3の撚り長の5つのモノフィラメント104、104’、104’’、104’’’、104’’’’で撚り合わせられている。ストランド102は、スチールコード100の外層を形成する。モノフィラメント104~104’’’’は、外層の半径方向外側にストランド間の谷に入れ子にされている。
【0050】
ストランドの撚り方向「z」は、コードの撚り方向「S」と逆である。モノフィラメント104~104’’’’は、全てストランド102に接する外接円112内にとどまる。モノフィラメント104は、ストランドの外フィラメント106に最も近い。モノフィラメント104の直径は、0.25mmであり、この直径は、モノフィラメント104に最も近いストランドフィラメント106の直径0.23mmよりも大きい。実際に、モノフィラメントの直径は、最も近い外フィラメントの直径よりも8.7%大きい。更に、モノフィラメントは、スチールコードにおいて最大フィラメントである。
【0051】
下記の比較表1は、モノフィラメントなしの0.725wt%の炭素の先行技術コード(「先行技術」)と比較して、0.725%の炭素鋼及び0.825%の炭素鋼を使用した場合のコードの特徴を示す。
【0052】
【0053】
0.25mmのモノフィラメント(*)は、0.725wt%C及び0.825wt%Cの両方に対して0.23mmのストランドの最も近い外フィラメントよりも低い引張強度を示す。しかし、引張強度間の差は、200MPa(それぞれ130MPa及び160MPa)未満であり、従って互いに明白に同程度である。モノフィラメントのそれぞれの1つは、コードの全断面積の3.25%を占める。
【0054】
破壊荷重に対するモノフィラメントの寄与を下記の手順によって容易に評価することができる。
・まず、本発明のコードの破壊荷重を判定する。その結果は、「A」ニュートンである。
・本発明のコードからモノフィラメントを除去する。モノフィラメントは、スチールコードの外側にあるため、この除去を容易に実行することができる。
・残りのコードの破壊荷重を測定する。その結果は、「B」ニュートンである。
総破壊荷重に対するモノフィラメントの寄与は、従って、パーセントで100×(A-B)/Aである。0.725wt%Cの上述の場合、破壊荷重に対するモノフィラメントの寄与は、16%である。従って、全モノフィラメントが使用中に同じ場所で破壊した場合、元の破壊荷重の84%が依然として残る。モノフィラメントの破壊荷重を問わず、モノフィラメントは、スチールコードの破壊荷重に常に寄与することに留意すべきである。
【0055】
第2の実施形態によれば、下記の構成のコードを提案し、このコードの断面を
図2に示す。
[(3×0.15)
9z+4×(0.19+5×0.265)
14z|4×0.28]
16.3S
鏡像は、全て逆の撚り方向を有する。
【0056】
この場合、制御された断片の場所を得るために、直径0.28mmのモノフィラメントは、引張強度を局所的に減らすようにギザギザがつけられている。このために、互いに同期されて動く2つの歯車間にモノフィラメントを導く。歯車の歯が互いに面する(歯車のかみ合いがない)ように歯車間の相を調整する。歯車の歯間の隙間をモノフィラメントの直径の0.70~0.95に調整する。ここで、線を2つの歯車間に導くと、2つの平坦部が互いに直径方向に形をなす。これを
図4に示し、線204は、平坦部220間で円形の断面224を示す。線の直径の2倍未満である平坦部において、断面226は、平坦化されている。このような平坦部を線に形成する装置は、国際公開第2015/054820号パンフレットに例示されており、平坦部を形成する手順は、[33]、[46]並びに
図5a及び
図5bに記載されている。この開示は、本出願に具体的且つ/又は完全に組み込まれる。
【0057】
平坦部220は、スチールコードの破壊荷重の全体的な低下が2%低くなるモノフィラメントの10%低い破壊荷重になる。平坦部は、制御された破壊場所になる。全モノフィラメントが同じ場所で破壊された場合、破壊荷重は、14.3%低下するのみであり、即ち元の破壊荷重の85.7%が依然として維持されている。モノフィラメントを局所的に平坦化するため、平坦部は、モノフィラメントと外ストランドとの間の隙間を維持する。このような隙間は、スチールコードの芯へのエラストマー浸透を向上させると期待される。
【0058】
この第2の実施形態では、熱可塑性ポリウレタンを用いた接着試験を接着剤あり及び接着剤なしの両方で行った。接着剤として、国際公開第2004/076327号パンフレットから知られているような有機官能シランを使用した。このために、スチールコードを長さ25mm及び直径12.5mmの小さい射出成形シリンダーに組み込み、24時間冷却後に軸に沿って引き抜いた。
【0059】
【0060】
先行技術コードは、モノフィラメントなしの第2の実施形態のコードである。
【0061】
非常に驚いたことに、本発明者らは、本発明のコードと先行技術コード(接着剤を使用しない)との間の有意差を認めなかった。接着剤の大部分が機械的固定をすることになっている場合のように、機械的固定は、比較的滑らかな外面の影響を受けないように見える。更なる利点は、本発明のコードの金属外面がモノフィラメントの導入によって増加するため、接着剤塗布後の接着性も大幅に向上することである。
【0062】
第3の実施形態(図示せず)は、下記のような式を有する。
[(3×0.15)9z+4×(0.244+6×0.238)14z|4×0.28]16.3S
第4の実施形態(図示せず)を下記のように構成することができる。
[(0.21+6×0.20)9z+6×(0.19+6×0.18)14z|6×0.21]16.3S
第4の実施形態の例は、モノフィラメントの直径が他の直径と実質的に違わないため、あまり好ましくない。
【0063】
図3は、コードを製造することができる方法を例示する。それ自体既知の集積工程において、芯308、ストランド302及びモノフィラメント304を撚り合わせ金型318で組み立てる。ストランドを、巻き戻し中にストランド撚り長を短くする回転巻き戻し台320から延伸する。コードの撚り方向は、ストランドの撚り方向と逆であるため、ストランドの撚り長は、バウ310で進行中に増加する。この増加を回転巻き戻し台が正確に補償する。モノフィラメント304は、撚り長を有しないため、モノフィラメント304を静的に巻き戻すことができる。国際公開第2015/05482号パンフレットに記載のデバイス322は、平坦部を線に生成する。この場合、1つのみのモノフィラメントを変形させるが、他のモノフィラメントも同様に変形させることができる。平坦部は、モノフィラメントがより破壊しやすい局所的な好ましい破壊場所を導入する。バウ310の一方の端部に位置する2つの案内プーリー316及び316’は、スチールコード301をスプール314に案内する。スチールコード301の経路でねじれ除去デバイス312を導入する。