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特許7296990安全タグを備えた清掃アダプタおよび安全タグを持たない清掃アダプタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】安全タグを備えた清掃アダプタおよび安全タグを持たない清掃アダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20230616BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
A61B1/12 510
A61B1/00 632
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020564736
(86)(22)【出願日】2019-05-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 US2019030888
(87)【国際公開番号】W WO2019226307
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】62/674,336
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520221947
【氏名又は名称】メディヴェーターズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】エルナンデス,シーザー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ジョン ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ベンデレ,トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】ローナン,ジョシュア リー
(72)【発明者】
【氏名】ヒジャージ,ヒバ
(72)【発明者】
【氏名】ギャレット,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ラゴウ,ロバート
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-265260(JP,A)
【文献】特開昭60-142835(JP,A)
【文献】特開2011-160825(JP,A)
【文献】特表2013-545555(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0143516(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡用の清掃アダプタであって、前記清掃アダプタはメイン心棒を備え、前記メイン心棒は、前記メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴、前記メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴、および前記第1の貫通穴を前記第2の貫通穴に流体結合する前記メイン心棒内のチャネルを備え、前記メイン心棒は一体式であり、かつ近位端および遠位端を備え、前記遠位端は開口を備え、プラグが前記開口内に配設され、前記清掃アダプタは、前記メイン心棒の周りに配設された保持器リングの周りに配設されたブーツ、および前記保持器リングの内面に接触している弾性部材を備え、前記保持器リングは、切欠きを有する開口を備える、清掃アダプタ。
【請求項2】
ボタンキャップが、前記メイン心棒の近位端に取り付けられる、請求項に記載の清掃アダプタ。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記保持器リングおよび前記ボタンキャップに接触するように構成されており、前記ボタンキャップの下方の方向の移動が、前記弾性部材を前記保持器リングに対して下方の位置に圧縮する、請求項に記載の清掃アダプタ。
【請求項4】
前記ボタンキャップは、スナップ嵌合具または縛り嵌め具を備え、かつ前記メイン心棒の近位端に係合する、請求項に記載の清掃アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本出願は、2018年5月21日申請出願番号62/674、336号の米国仮特許の優先権および利益を主張しており、この特許はその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、当分野でよく知られており、多くの医療処置で一般に使用される。内視鏡の制御部分は、吸引シリンダ、空気/水シリンダなどを含んでよい。内視鏡の様々な機能を制御するために弁がこのようなシリンダに挿入されてよい。各々の使用の後、内視鏡は、清掃、消毒および/または滅菌を受けることで、病気、ウイルス、細菌および疾患の拡大を阻止する。
【0003】
内視鏡を清掃する1つの方法は、例えば酵素クリーナーなどの清浄溶液を用いる技術者が手で行うものである。内視鏡はその後、高レベルの消毒剤の中に浸される。内視鏡の清掃は、消毒プロセスが有効であることを確実にするために不可欠である。手を使った清掃が終わると、技術者は、内視鏡を目で見て点検して、それが清潔であることを確認する。
【0004】
内視鏡を清掃するための別の方法は、再利用可能な、または使い捨てではない清掃アダプタの使用によるものであり、このアダプタもやはり、使用の間に清掃する、消毒する、および/または滅菌する必要がある。残念なことには、通常は、器具および再利用可能な清掃アダプタの高レベルの消毒を維持するには多大な費用がかかる。再利用可能な清掃アダプタを清掃および再生工程の間、対応する内視鏡と一緒に注意深く追跡して、内視鏡およびその対応する弁の再生中のひびを確認する必要があり、このことは、内視鏡およびその対応する弁が再利用される際の患者間の相互汚染のリスクを低下させる。
【0005】
再利用可能な清掃アダプタは一般に、金属、プラスチックおよび/またはゴムの組み合わせから作製され、そのため製造するのにコストがかかる場合がある。
【0006】
よって、使い捨てである新規の清掃アダプタ、ならびに清掃アダプタの繰り返しの清掃、消毒および滅菌の必要性を低減する、またはなくし、かつ汚染源が清掃アダプタから生じている場合、患者を感染させるリスクを低減する、またはなくす方法を開発する要望がある。清掃アダプタを追跡し再生する必要性をなくす、低コストの清掃アダプタのオプションをユーザに提供する要望もあり、このことは、ユーザが内視鏡再生サイクル全体の時間と労力を削減することを可能にするであろう。
【0007】
ユーザが清掃アダプタを空気/水弁と間違えるのを防ぎ、内視鏡処置の間空気/水弁の代わりに清掃アダプタを不適切に使用するのを防ぐために清掃アダプタに取り付ける安全タグを開発する要望もある。
【発明の概要】
【0008】
清掃アダプタの繰り返しの清掃、消毒および滅菌の必要性を低減する、またはなくし、ならびに患者が内視鏡処置を受けるとき、患者を感染させるリスクを低減する新規のデバイスおよび方法が提供される。使い捨てであり、これにより清掃アダプタを追跡し再生する必要性をなくす低コストの清掃アダプタのオプションをユーザに与えるデバイスおよび方法がさらに提供される。いくつかの実施形態において、清掃アダプタは使い捨てであり、1回のみの使用であるため、清掃アダプタを1回の使用の後に廃棄することができ、汚染源が清掃アダプタからである場合に次の患者を汚染するリスクが全く生じない。内視鏡処置の経過中に、ユーザが間違った弁を使用するのを防ぐ新規のデバイスおよび方法も提供される。
【0009】
いくつかの実施形態において、内視鏡用の清掃アダプタが提供される。清掃アダプタは、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するメイン心棒内のチャネルとを備えるメインの心棒を備える。
【0010】
いくつかの実施形態において、内視鏡用の使い捨ての清掃アダプタが提供される。清掃アダプタは、カウンタボアを画定する遠位端と、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴とを備えるメイン心棒を備える。第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するように構成されたチャネルが設けられ、使い捨ての清掃アダプタは、カウンタボア内に配設されたプラグを備える。
【0011】
いくつかの実施形態において、内視鏡を清掃する方法が提供される。方法は、内視鏡の空気/水シリンダから空気/水の弁を取り外すことと、清掃アダプタのメイン心棒の一部分を内視鏡の空気/水シリンダに挿入することであって、清掃アダプタは、カウンタボアを画定する遠位端と、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するように構成されたチャネルとを備えメイン心棒と、カウンタボア内に配設されたプラグとを備えるメイン心棒を備えることと、水を清掃アダプタの第1の貫通穴および第2の貫通穴の中に、内視鏡の空気/水シリンダの中に通して内視鏡を清掃することとを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、内視鏡を清掃するためのキットが提供される。キットは、カウンタボアを画定する遠位端と、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するように構成されたチャネルとを備えるメイン心棒と、カウンタボア内に配設されたプラグとを備える清掃アダプタと、内視鏡を清掃するための指示とを備える。
【0013】
いくつかの実施形態において、内視鏡用の清掃アダプタを製造するための方法が提供される。方法は、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するメイン心棒内のチャネルとを備えるメイン心棒を成形する、または3Dプリントすることと、メイン心棒に保持器リングを取り付けることと、保持器リングに弾性部材を取り付けることと、メイン心棒にボタンキャップを取り付けることとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、内視鏡用の清掃アダプタを製造するための方法が提供される。方法は、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するメイン心棒内のチャネルとを備えるメイン心棒を成形する、または3Dプリントすることと、メイン心棒に保持器リングを取り付けることと、保持器リングに弾性部材を取り付けることとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、内視鏡の弁用のタグが提供される。タグは、内視鏡の弁の特定の領域を受け入れるように構成された開口を有する平坦な面を備える。ミシン目が開口に隣接して、かつ開口に接触して配設され、ミシン目は、内視鏡の弁の領域に係合するように構成されている。折り目が、開口に隣接して配設され、平坦な面の縁部に直交して延びている。
【0016】
いくつかの実施形態において、内視鏡の弁用のタグが提供される。タグは、内視鏡の弁の特定の領域を受け入れるように構成された開口を有する平坦な面を備える。ミシン目が開口に隣接して、かつ開口に接触して配設される。ミシン目は、内視鏡の弁の領域に係合するように構成されている。第1の折り目が、開口に隣接して配設され、平坦な面の縁部に直交して延びており、第2の折り目が、第1の折り目に接触する。
【0017】
いくつかの実施形態において、内視鏡を清掃する方法が提供される。方法は、清掃アダプタからタグを取り外すことであって、タグは、清掃アダプタの特定の領域を受け入れる開口を有する平坦な面と、開口に隣接して、かつ開口に接触して配設され、内視鏡の弁の領域に係合するミシン目と、開口に隣接して配設され、平坦な面の縁部に直交して延びる折り目とを備えることを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、内視鏡用のキットが提供される。キットは、清掃アダプタを受け入れる区画を有するトレイを備え、清掃アダプタはタグに係合している。タグは、清掃アダプタの特定の領域を受け入れる開口を有する平坦な面を備える。ミシン目が開口に隣接して、かつ開口に接触して配設され、ミシン目は、清掃アダプタの領域に係合する。折り目が、開口に隣接して配設され、平坦な面の縁部に直交して延びている。
【0019】
種々の実施形態の追加の特徴および利点は、以下に続く説明に一部が記載されており、一部は、この説明から明らかになるであろう、あるいは種々の実施形態の実施によって理解されてもよい。種々の実施形態の目標および他の利点は、説明および添付の特許請求の範囲にとりわけ指摘される要素および組み合わせによって実現され、達成されるであろう。
【0020】
本実施形態の他の態様、特徴、利益および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲および添付の図面に関してある程度明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】清掃アダプタの一実施形態の構成要素の分解組立斜視図である。
図2】1つまたは複数のガスケットなしで示される、図1の清掃アダプタのメイン心棒の一実施形態の斜視図である。
図3図1の清掃アダプタのメイン心棒の一実施形態の正面図である。
図4図1の清掃アダプタのメイン心棒の一実施形態の正面の断面図である。
図5図1の清掃アダプタのボタンキャップの一実施形態の斜視図である。
図6図5のボタンキャップの一実装形態の上面図である。
図7図1の清掃アダプタの保持器リングおよびブーツの一実装形態の底面図である。
図8図7に示される保持器リングおよびブーツの一実装形態の上面図である。
図9図1の清掃アダプタの保持器リングの断面斜視図である。
図10図1の清掃アダプタと同様の清掃アダプタの組立後の実施形態の斜視図である。
図11図10の清掃アダプタのメイン心棒の一実装形態の側部断面図である。
図12】清掃アダプタが内視鏡の空気/水シリンダ内で非圧縮構成にあるとき、空気および水が清掃アダプタに流れ込み、そこから流れ出るのを示す図である。
図13】清掃アダプタが内視鏡の空気/水シリンダ内で圧縮構成にあるときの、空気および水が清掃アダプタに流れ込み、そこから流れ出るのを示す図である。
図14】清掃アダプタを利用して空気および水を誘導して内視鏡の空気および水チャネルを清掃する方法のフロー図である。
図15】内視鏡用の清掃アダプタを製造する方法のフロー図である。
図16】内視鏡用の清掃アダプタを製造する方法のフロー図である。
図17】内視鏡を清掃するための清掃アダプタを保持するためのキットの上面図である。
図18】内視鏡の弁用のタグの一実装形態の正面図である。
図19】内視鏡処置用のキット内に配設された清掃アダプタの周りでL字型構成になるように折りたたまれた、図18の内視鏡の弁用のタグの斜視図である。
図20】内視鏡の弁用のタグの一実施形態の正面図である。
図21】成形後の構成になるように折りたたまれた、図20の内視鏡の弁用のタグの斜視図である。
図22】内視鏡処置用のキット内に配設された清掃アダプタの周りで成形後の構成になるように折りたたまれた、図20の内視鏡の弁用のタグの上面図である。
図23】内視鏡の弁用のタグの一実施形態の正面図である。
図24】成形後の構成になるように折りたたまれた、図23の内視鏡の弁用のタグの斜視図である。
図25】内視鏡処置用のキット内に配設された清掃アダプタの周りで成形後の構成になるように折りたたまれた、図23の内視鏡の弁用のタグの斜視図である。
図26】内視鏡の弁用のタグの一実施形態の正面図である。
図27】ユーザへの警告を視覚的に知らせる文字および/または記号の形態でタグに印刷された表示を備えた、図26のタグの正面図である。
図28】清掃アダプタと共に配設された、図26のタグの分解組立斜視図である。
図29】清掃アダプタのボタンキャップなどの一部分と共に配設された、図26のタグの一区画の斜視図である。
図30】内視鏡処置用のキット内に配設された清掃アダプタの周りに折りたたまれた、図26の内視鏡の弁用のタグの斜視図である。
図31】内視鏡の弁用のタグの一実施形態の正面図である。
図32】内視鏡の弁用のタグの一実施形態の正面図である。
図33】内視鏡の弁用のタグの一実施形態の正面図である。
【0022】
図面は縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。さらに、図面中の対象物の関係も縮尺通りでない場合があり、実際には、サイズに関して逆の関係を有する場合もある。図面は、示される各々の対象物の構造に対して理解および明確さをもたらすことが意図されており、一部の機構は、構造の特有の機構を例示するために、誇張される場合もある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的に関して、そうでないことが指摘されなければ、明細書および特許請求の範囲中で使用される、成分の量、材料のパーセンテージまたは割合、反応条件およびその他の数値を表す全ての数字は、全ての例において用語「およそ」によって加減されることを理解されたい。したがって反対のことが指摘されなければ、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって獲得されることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。控えめに言っても、かつ等価物の原則の適用を特許請求の範囲に適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告される有効数字の数字に照らして、かつ通常の丸め技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0024】
本明細書に記載される数値範囲およびパラメータに関わらず、本発明の広範な範囲は近似値であり、特有の例に記載される数値は、可能限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は本来、そのそれぞれのテスト測定において見いだされた標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含んでいる。さらに、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に含まれる任意の、および全ての部分的な範囲も包含することを理解されたい。例えば、「1から10」の範囲には、最小値の1から最大値の10までの間(かつそれを含め)の任意のおよび全ての部分的な範囲も含まれており、すなわち任意のおよび全ての部分的な範囲は、1に等しい、または1を超える最小値と、10に等しい、または10を超える最大値、例えば、5.5から10を有する。
【0025】
ここで本発明の特定の実施形態を詳細に参照されたく、その例は、添付の図面に例示されている。本発明は、例示の実施形態と併せて説明されるが、それらは本発明をそのような実施形態に限定することは意図していないことが理解されるであろう。反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲内に含まれ得る全ての代替形態、修正形態および等価物を包含することが意図されている。
【0026】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、明白に、かつはっきりと1つの指示物に限定されるのでなければ、複数の指示物を含めることに留意されたい。よって、例えば「1つのシール」は、1つ、2つ、3つまたはそれ以上のシールを含める。
【0027】
次に、図面を参照されたく、図面中では、描かれる要素が必ずしも縮尺通りではなく、同様の、または類似の要素は、いくつかの図面を通して同一の参照符号によって指定されている。
【0028】
図面を全体的に参照すると、例示は、本開示の特定の実施形態を説明する目的のためであり、それに限定することは意図していないことが理解されるであろう。
【0029】
本明細書で使用される用語のほとんどは、当業者によって認識可能であるが、明示的に定義されない場合、用語は、当業者によって目下容認されている意味を採用するように解釈されるべきであることを理解されたい。
【0030】
いくつかの実施形態において、1回利用の流体流れ制御弁として製造された使い捨ての清掃アダプタが提供される。清掃アダプタは、胃腸(GI)内視鏡の内部の空気/水チャネルの事前清掃に使用される。清掃アダプタは、GI内視鏡の空気/水シリンダおよび/またはGI内視鏡のポート内に設置されるか、またはその上に設置することができ、ユーザが2つの流れモードの間で切り替えることを可能にする。いくつかの実施形態において、空気/水シリンダは、内視鏡の空気および水チャネルに接触し、これと交じわる。第1の流れモードは、空気のみが流れるモード、または非圧縮構成(図12に示される)である。このモードでは、清掃アダプタは、流体を排出するのを助けるために、空気流を清掃アダプタの第1の貫通穴および第2の貫通穴を通るように誘導する。第2のモードは、水のみが流れるモード、または圧縮構成(図13に示される)であり、この場合、ユーザは、ボタンキャップを下方にブーツに向かって押することによって弾性部材(例えばばね)を圧縮する。このモードでは、清掃アダプタは、水などの流体を貫通穴の1つまたは複数を通して誘導して、内視鏡チャネルのすすぎを促進し、チャネルから堆積物(例えば体液、糞便、組織など)を取り除く。清掃アダプタによって、流体が遠位方向に流れることが可能になり、内視鏡のへそとなる区画に逆流するのを阻止する。
【0031】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタは、可撓性のオーバーモールドされたシール機構を備えた剛性の円筒形の弁のメイン心棒を備える。清掃アダプタは、ブーツ、ばねなどの弾性部材およびボタンヘッドキャップと共に組み立てられる。メイン心棒は、清掃アダプタを通る流体経路として機能する内部の軸方向チャネルによって接続された第1の貫通穴と、第2の貫通穴とを含む。いくつかの実施形態において、内部の軸方向チャネルは、剛性のメイン心棒の遠位端を通って延び、そこで、例えばオーバーモールドされた可撓性材料によってそれを塞いで、流体経路の端部を形成することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタの設計は、事業の製造上の利点を提供する。例えば、清掃アダプタは、旋盤やドリル穴あけなどの機械加工プロセスを必要とせずに、射出成形を介して大量に生産することができる。さらに、メイン心棒の遠位端におけるプラグ設計は、それが、射出成形プロセス中の高いプラスチック圧に起因してゆがみやすかったり、曲がりやすかったりする、頂部を通って延びる、より長く、より不安定なピンとは対照的に、メイン心棒の遠位端を通って延びる短い安定したコアピンを使用して内部の軸方向チャネルが形成されることを可能にするという点において技術的な製造上の利点を提供する
【0033】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタは、GI内視鏡と適合可能な低コストのオプションをユーザに提供する。この清掃アダプタによって、再利用可能な清掃アダプタを再生し追跡する必要性もなくなり、このことは、内視鏡再生サイクル全体におけるユーザが時間と労力を削減することを可能にする。いくつかの実施形態において、清掃アダプタは低コストで作製され、1回の使用の後で使い捨てであり、大量生産または多数生産することが可能である。
【0034】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタのオーバーモールドされたシールの形態および幾何学形状は、使用中の摩擦力に対するシールの性能を最適にし、均衡させるために修正することができる。シールは、シールの完全性、許容できる流体の流速、および使い捨ての清掃アダプタを設置する、取り外す、および作動させるのに必要とされる機械的な力など人間の使用要因に関してテストすることができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタ上に組み合わせることができるタグが提供される。タグは、タグが清掃アダプタから引きちぎられるまでの使用を防止する物理的なバリアとして機能する。いくつかの実施形態において、文字および/または記号の形態の警告をタグ上にプリントすることができる。いくつかの実施形態において、タグは、例えばオレンジなどの色であり得る。いくつかの実施形態において、タグは、例えばオレンジなどの色であり得る。いくつかの実施形態において、タグは、タグが使用前に取り外されなかった場合、清掃アダプタが内視鏡のポート内に完全に嵌まるのを阻止するために薄い材料から作製することができる。いくつかの実施形態において、タグは、組立中に破片、微粒子、裂け目を形成しない材料、例えばポリエチレンなどから作製される場合がある。いくつかの実施形態において、タグは、ポリプロピレンまたはボール紙から作製される場合もある。いくつかの実施形態において、タグは、酸化エチレン(ETO)滅菌プロセスの有効性を妨害せず、かつ滅菌、輸送または保管中(例えば3年の貯蔵寿命までの間)に劣化したり/ゆがんだりすることがない材料から作製される。
清掃アダプタ
【0036】
図1図9を参照すると、胃腸(GI)内視鏡の内部の空気/水チャネルを事前清掃または清掃するように構成された清掃アダプタ20が提供される。清掃アダプタは、例えばOlympus(登録商標)、Pentax(登録商標)、FujiFilm(商標)などの内視鏡の種々のブランドに適合可能である。清掃アダプタは、本明細書に記載されるようにGI内視鏡の空気/水シリンダまたはGI内視鏡のポート内に設置することができ、ユーザが、2つの流れモードの間で切り替えることを可能にする。いくつかの実施形態において、清掃アダプタは、使い捨てであり、一回使用の清掃アダプタとして企図されている。
【0037】
清掃アダプタは、近位端24と、遠位端26と、それらの間に配設された長手方向軸とを備えるメイン心棒22を含む。メイン心棒は、一体構造であってよく、長さL1を有する。メイン心棒の長さL1は、およそ4cmからおよそ6cmであり得る。メイン心棒は、本明細書に記載されるように、射出成形される、超音波溶接される、機械加工される、または3Dプリントされる場合もある。
【0038】
メイン心棒は、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴28を含む。第1の貫通穴は、長手方向軸aに対して横向きの軸bを有する。第2の貫通穴30が、メイン心棒を横方向に通って延び、第1の貫通穴と実質的に平行であり得る。第2の貫通穴は、長手方向軸aに対して横向きであり、軸bに対して平行な軸cを有する。第1の貫通穴および第2の貫通穴は、それらがスロット形状であるように構成され得る。貫通穴はまた、円形、楕円形および/または矩形である場合もある。貫通穴は、同一のサイズまたは異なるサイズであってよく、およそ1mmからおよそ4mmであり得る。第2の貫通穴は、第1の部分と、第2の部分とを含み、第1の部分は第2の部分より大きい。第1の部分は、オーバーモールド後開放したままであり、使用中、水および空気が流れることを可能にする。第2の部分は、製造中に利用され、オーバーモールド中に、本明細書に記載されるように、プラグ42の形成のためにプラスチック樹脂などの材料が流れることを可能にする。第2の部分は、オーバーモールドプロセスの結果として閉じることができる。
【0039】
チャネル32が、メイン心棒内に配設され、チャネルが、清掃アダプタのメイン心棒の中を通る空気および水の流体経路として機能するように第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合する。チャネルは、内部の軸方向チャネルであり、長手方向軸aに沿って延びている。チャネルは長さL2と、幅W1とを有する。長さL2は、およそ0.5cmからおよそ2cmであってよく、W1は、およそ0.1cmからおよそ0.3cmであり得る。
【0040】
メイン心棒の近位端では、開口34が、メイン心棒の長手方向軸aに沿って延びている。開口は、チャネル36への入り口である。チャネル32は、チャネル36に接続されていない。メイン心棒の遠位端は、開口38を備える。開口は、カウンタボア40を含み、プラグ42がカウンタボアの中に配設される。プラグは、第1の貫通穴、第2の貫通穴およびチャネル32によって形成される流体経路を終わらせるように構成されている。
【0041】
メイン心棒は、1つまたは複数の隆起44と溝46、あるいは複数の隆起と溝を備えることができる。隆起と溝は、メイン心棒の周りに円周方向に配設され、メイン心棒と一体式であり得る。これらの隆起および/または溝は、剛性であり得る、またはそれらは可撓性である場合もある。いくつかの実施形態において、隆起と溝は、図2に示されるようにメイン心棒と一体式ではない。
【0042】
1つまたは複数のガスケット48あるいは複数のガスケットが、上記に記載される複数の溝の中に配設される。1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットは、清掃アダプタがGI内視鏡の空気/水シリンダの中に配設されたとき摩擦を低減するように構成されている。1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットは、図3に示されるように、メイン心棒の複数の溝のうちの4つに配設された4つのガスケットを備えることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのガスケットまたはそれ以上のガスケットがメイン心棒上にオーバーモールドされる。4つのガスケットは、メイン心棒の近位端から遠位端に配置されたワイパーシール、傘ガスケットおよび密閉リングを備えることができる。傘ガスケットは、図3に示されるように、第1の貫通穴の遠位に配設される。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットは、阻止されるか、あるいは貫通穴ならびに内視鏡の空気および水チャネル内に誘導されるかのいずれかであり、これは密閉機能を提供する。例えば、空気および水の流れは、特有の地点での空気/水シリンダの表面に対抗するその機械的障害を介して半径方向のシールを形成する1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットの位置およびサイズ/幾何学形状に起因している。いくつかの実施形態において、傘ガスケットは、本明細書に記載されるように、密閉リングが圧縮された位置にあるときに機能する厚みのある環状ベースを有する。非圧縮位置では、本明細書に記載されるように、傘ガスケットの薄い傘形状の膜が半径方向内向きに、かつ空気/水シリンダの壁から離れるように折れ曲がることで、空気がメイン心棒の近位方向に膜の周りを流れることを可能にするが、半径方向外向きに壁に向かって折れ曲がることで逆方向に流体が逆流するのを阻止することもできる。
【0043】
いくつかの実施形態において、本体49が、第2の貫通穴の周りに配設され、複数のガスケット48、例えば複数の密閉リング51を含む。本体は、図3に示されるように、第1の直径D1を有し、複数の密閉リングは、第2の直径D2を有する。いくつかの実施形態において、直径D1は、およそ0.204インチであり、直径D2はおよそ0.241インチである。いくつかの実施形態において、メイン心棒は、直径D3を有し、直径D3は、直径D2と等しくてよい。いくつかの実施形態において、直径D1は、直径D2およびD3より短いことで、その密閉機能におけるガスケットのより大きな可撓性が促進される。
【0044】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットは、相互に接続され、互いと一体式であり、単一の本体を形成する。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットは、本明細書に記載されるように、メイン心棒上にオーバーモールドされる、または別々に成形される。メイン心棒上でのガスケットのオーバーモールドは、組立中にガスケットを引き裂いたり、損傷させたりする可能性がある、1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットをメイン心棒上で滑らせる必要性を回避する。メイン心棒上での1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットのオーバーモールドは、メイン心棒をいくつかの構成要素に分離する必要性を回避し、このことは構成要素および組立工程の数を有意に削減する。
【0045】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットは代替として、ねじ込み、溶接、化学接着、機械的把持、かしめ固着によって、または好適な接着剤を介してメイン心棒に固定される場合もある。
【0046】
清掃アダプタはさらに、図1および図7図9に示されるように、保持器リング52の周りに配設されたブーツ50を備える。保持器リングは、近位端でメイン心棒の周りに配設され、弾性部材54が、保持器リングの内面に接触している。弾性部材は、特定の厚さと特定の長さを有するばねであり得る。弾性部材はさらに、圧縮された後その元々の形状または位置を維持する例えばプラスチック、ゴムまたは他の伸縮性部材を含むことができる。弾性部材は、近位部分53と、遠位部分55とを有することができる。
【0047】
保持器リングは、図7および図8に示されるように、メイン心棒の近位端を受け入れるための開口57を含む隔壁56を備える。開口は、切欠き60を画定する円周方向の縁部58を含む。切欠きは、様々な幾何学的設計を有することができる。開口は、より大きな直径の縁の半径に沿って3つの半円の切欠きを有するより大きな直径の円として成形されるが、任意の他の好適な成形された(例えば正方形、三角形などの)開口も利用され得ることを認識されたい。
【0048】
ボタンキャップ62が、メイン心棒の近位端に取り付けられる、またはメイン心棒の近位端と一体式にされる。弾性部材は、保持器リングおよびボタンキャップに接触するように構成されており、ボタンキャップの下向き方向の保持器リングに向かう移動が弾性部材を保持器リングに対して下方の位置に圧縮する。いくつかの実施形態において、弾性部材の遠位部分55は、保持器リングの表面51(例えばばねカップまたはばね支柱)上に載せられ、弾性部材の近位部分53は、ボタンキャップ62の表面63上に載せられる。このような状況は、例えば、弾性部材が、図12に示される圧縮構成および図13に示される非圧縮構成にあるときに生じる。いくつかの実施形態において、ボタンキャップは、メイン心棒と一体式である場合もある。
【0049】
弾性部材を保持器リングとボタンキャップとの間に保持するために、ボタンキャップの頂端部の外径は、弾性部材の直径より大きく、隔壁内の開口の内径は、弾性部材の直径より小さい。
【0050】
ボタンキャップは、図5および図6に示されるように、スナップ嵌合具または縛り嵌め具であってよく、メイン心棒の近位端に係合する。ボタンキャップは、ボタンキャップがメイン心棒の近位端とスナップ嵌合式係合または縛り嵌め式係合しているとき、突起64および/またはくぼみ65を含むことができる。ボタンキャップは、2、3、4、5または6つの突起を有することができる。ボタンキャップは、上記に記載したように、メイン心棒の近位端における開口と連通する開口66を含むことができる。あるいは、メイン心棒は、超音波溶接、好適な接着剤、機械的取り付け(例えばねじ込みなど)または任意の好適な取り付け方法を使用してボタンキャップに固定されてもよい。
【0051】
清掃アダプタは、GI内視鏡の空気/水ポートまたは空気/水シリンダの中に設置することができ、清掃アダプタによって、図12および図13に示されるように、2つの流れモードの間をユーザが切り替えることが可能になる。第1の流れモードは、図12に示されるように、空気のみが流れるモードまたは非圧縮構成である。このモードでは、ボタンキャップはユーザによって押し下げられず、清掃アダプタは、空気流を傘ガスケットの傘膜の周りに誘導し、第1の貫通穴および第2の貫通穴を通って、内視鏡の空気および水チャネルの中へと誘導して、流体の排出を促進する。このモードでは、空気と水が空気/水シリンダ内に取り込まれるが、水の流れは、清掃アダプタによって阻止される。非圧縮構成では、弾性部材は拡張されており、ボタンキャップと保持器リングの間の距離が最大距離になることを許容する。いくつかの実施形態において、非圧縮構成では、流体圧力勾配が、逆向きに(メイン心棒の遠位端に向かって)存在する場合、傘膜はまた、内視鏡のへそとなる区画への流体の逆流を阻止することもできる。
【0052】
第2のモードは、図13に示されるように、水のみが流れるモードまたは圧縮構成である。ボタンキャップがユーザによって指を使って押し下げられたとき、弾性部材は、その近位部分53を介してキャップの下面または表面に接触し、かつその遠位部分55を介して保持器リングの内面にも接触しており、弾性部材は圧縮され、ボタンキャップを保持器リングに向かって移動させる。弾性部材が圧縮されるとき、エネルギーが弾性部材に蓄積される。メイン心棒はボタンキャップに固定されているため、メイン心棒もまた、ボタンキャップが押し下げられるときに移動し、これによりメイン心棒は内視鏡の空気/水シリンダまたは内視鏡のポートの所望される部分の中で整列するように移動することが可能になる。このモードでは、清掃アダプタは、水を貫通穴の1つまたは複数を通るように誘導して、内視鏡チャネルのすすぎを促進し、内視鏡のチャネルから堆積物、体液などを取り除く。
【0053】
ユーザがボタンキャップを解放するとき、弾性部材に蓄積されたエネルギーによって弾性部材はその非圧縮状態に戻され、清掃アダプタは、第1の流れモードまたは非圧縮構成に戻る。弾性部材がボタンキャップを保持器リングから強制的に離し、これによって保持器リングをメイン心棒の近位端に沿って移動させる。しかしながら保持器リングの隔壁内の開口は、複数のガスケットの1つあるいは1つまたは複数のガスケットの1つ(例えばワイパーシール)のすぐ上のメイン心棒の直径より小さく、これにより保持器リングが、複数のガスケットの1つあるいは1つまたは複数のガスケットの1つを超えてメイン心棒上を進むのを阻止する。
【0054】
メイン心棒の少なくとも一部分が内視鏡の空気/水シリンダの少なくとも一部分に挿入されることは当業者によって理解されるであろう。ボタンキャップ、弾性部材、保持器(例えば、ばね支柱)およびブーツは、空気/水シリンダに隣接していることから、ユーザは、清掃アダプタのボタンキャップを押し下げたり、解放したりすることによって、空気および水の流れを制御することができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、図10および図11に示されるように、清掃アダプタ20は、チャネル32が、清掃アダプタの近位端から遠位端まで延びるように修正される。この実施形態では、第2のチャネル36は存在しない。チャネルは、長さL3および幅W2を有する。長さL3はおよそ0.5cmからおよそ4cmであり、W2は、およそ0.1cmからおよそ0.6cmであり得る。チャネルの幅W2は、チャネル上のその位置に応じて変動することができる。チャネルは、上記に記載したように、チャネルが、清掃アダプタのメイン心棒を通る空気および水の流体経路として機能するように第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合する。この実施形態は、ユーザの過失による使用中の損害の可能性を低減させることができる。
【0056】
この実施形態では、ユーザが清掃アダプタを内視鏡に挿入するときチャネルの中を移動する空気が少なくなるように、チャネルによって、開口34を介してメイン心棒の近位端から空気を逃がす、または排気することが可能になる。
【0057】
いくつかの実施形態において、示されていない圧力逃がし弁をメイン心棒内に配置することができ、メイン心棒の第1の貫通穴と近位端との間に配設される。圧力逃がし弁は、ユーザが過失を冒した場合、内視鏡の中にあまりに多くの空気が流れ込む可能性を低減させることができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、メイン心棒、ボタンキャップ、保持器リング、ガスケット、シール、ブーツ、プラグまたは他の構成要素を含めた清掃アダプタの構成要素は、同一の材料から、または異なる材料から作製することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタのメイン心棒、ボタンキャップ、保持器リング、ガスケット、シール、ブーツ、プラグまたは他の構成要素は、合成ポリマーを含めた、医療用途に適した使い捨て材料から作製することができる。
【0060】
メイン心棒は、ポリマー材料を含むことができる。ポリマー材料は、熱可塑性であり得る、および/またはポリカーボネートである。例えば、清掃アダプタの構成要素は、個別にまたは一括して、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)およびポリエーテルケトン(PEK)を含めたポリアリールエーテルケトン(PAEK)、炭素-PEEK複合材、PEEK-BaS04ポリマーゴム、ポリエチレンテレフタラート(PET)、繊維、シリコン、ポリウレタン、シリコン-ポリウレタンコポリマー、ポリマーゴム、ポリオレフィンゴム、半剛性および剛性材料、エラストマー、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、エラストマー複合材、ポリフェニレン、クロロプレンゴム、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、エポキシ樹脂、一部が再吸収性の材料、全体が再吸収性の材料、ポリグリコシド、ポリチロシンカーボネート、ポリカプロラクトン、シリコンベースのゴム、液体シリコンゴム、高粘度ゴム、シリコン、TPE、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABSまたはその任意の組み合わせなどの、機械加工された、または射出成形された熱可塑性物質などの材料から作製することができる。
【0061】
清掃アダプタの構成要素は、個別にまたは一括して、上記に記載したうちの2つ以上の組み合わせなど、異種材料から作製される場合もある。清掃アダプタの構成要素は、本明細書に記載されるように、一体式に形成される場合、および/または一体式に接続される場合がある。本明細書に記載されるような清掃アダプタは、可撓性および弾性などの種々の所望される特徴を与えるために、好適な生態適合材料で構築されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタの構成要素はまた、例えばポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、スチレン熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニック)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、ABS、MABSなど、またはその組み合わせなどの好適な材料から作製することもできる。
【0063】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタの任意の構成要素は、コード化された色または一致した色であり得る。色は、これに限定されないが、オレンジ、黒、赤、黄、茶、青、紫、灰色、緑、白、ピンクまたはその組み合わせを含むことができる。
【0064】
1つまたは複数のガスケットあるいは複数のガスケットまたはプラグは、ゴム、プラスチック、シリコンまたは本明細書に記載される材料のいずれかなど好適な材料から形成することができる。保持器リングは、金属、プラスチック、シリコン、ステンレス鋼、または本明細書に記載される材料のいずれかなど、好適な材料から形成することができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、弾性部材は、金属、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステルおよびスチレン熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニック)、ゴム、プラスチックなど、またはその組み合わせ、あるいは本明細書に記載される材料のいずれかなどの好適な材料から形成されてよい。いずれの弾性部材(例えば圧縮された後、その元々の形状または位置に再び戻る部材)も弾性部材に使用することができることが理解されるであろう。
【0066】
清掃アダプタは、洗剤と併せて使用することができる。例えば洗剤のタイプには、限定するものではないが、酸性、中性、アルカリ性または酵素洗剤が含まれる。さらに、1つまたは複数の消毒薬が、洗剤と併せて使用される場合もある。異なるタイプの消毒薬には、限定するものではないが、低レベルの消毒薬、中レベルの消毒薬および高レベルの消毒薬が含まれる。特有の消毒薬には、限定するものではないが、グルタルアルデヒド、オルト-フタルアルデヒド(OPA)、ペルオキシ酢酸(PAA)、過酸化水素またはその組み合わせが含まれる。
【0067】
清掃アダプタは、内視鏡と共に使用されるように設計されているが、他の医療器具が本発明の清掃アダプタと共に使用される場合もあることが理解されるであろう。このような器具には、例えば結腸鏡、胃カメラ、腹腔鏡、気管支鏡、あるいは空気および/または水の使用を必要とするカメラまたはファイバーレンズ光学系を備えた任意の医療器具が含まれる。
清掃アダプタ方法およびキット
【0068】
内視鏡を清掃する方法が提供され、方法のフロー図が図14に示される。方法は、ステップ100に示されるように、内視鏡の空気/水シリンダから空気および水の弁を取り外すことを含む。次のステップ110は、内視鏡の空気/水シリンダに清掃アダプタのメイン心棒の一部分を挿入することである。清掃アダプタは、清掃アダプタ20に関して上記に記載したように、カウンタボアを画定する遠位端と、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するように構成されたチャネルとを備えるメイン心棒と、カウンタボア内に配設されたプラグとを備える。次にステップ120は、空気/および/または水を清掃アダプタの第1の貫通穴および第2の貫通穴に誘導し、内視鏡の空気/水シリンダの中に通して内視鏡を事前に清掃する、および/または洗い流す。清掃アダプタのメイン心棒は、一体式であり、メイン心棒の周りに円周方向に配設された複数の隆起と溝とを備え、複数の隆起と溝は、メイン心棒と一体式である。内視鏡を清掃する一回の使用の後に清掃アダプタを廃棄する作業がステップ130で行われる。
【0069】
内視鏡用の清掃アダプタを製造するための方法が提供され、方法のフロー図が図15に示される。方法は、ステップ200でメイン心棒を成形する、または3Dプリントすることを含む。メイン心棒は、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するメイン心棒内のチャネルとを備える。第2のステップ210は、保持器リングをメイン心棒に取り付けることである。第3のステップ220は、弾性部材を保持器リングに取り付けることである。第4のステップ230は、ボタンキャップをメイン心棒に取り付けることである。
【0070】
いくつかの実施形態において、メイン心棒は、コード化された色であり、弾性部材はばねである。ボタンキャップは、メイン心棒に超音波で溶接される、またはメイン心棒と一体式である場合もある。メイン心棒は一体式であり、メイン心棒の周りに円周方向に配設された複数の隆起と溝を備え、複数の隆起と溝は、メイン心棒と一体式である。複数のガスケットが、メイン心棒の複数の溝の中に配設され、清掃アダプタは使い捨てである。本方法の清掃アダプタは、本明細書に記載されるような清掃アダプタ20である。
【0071】
内視鏡用の清掃アダプタを製造するための方法が提供され、方法のフロー図が図16に示される。方法は、ステップ300でメイン心棒を成形する、または3Dプリントすることを含む。メイン心棒は、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するメイン心棒内のチャネルとを備える。第2のステップ310は、保持器リングをメイン心棒に取り付けることであり、第3のステップ320は、弾性部材を保持器リングに取り付けることである。
【0072】
メイン心棒は、メイン心棒と一体式であるボタンキャップを備える。メイン心棒は、一体式であってよく、メイン心棒の周りに円周方向に配設された1つまたは複数の隆起と、1つまたは複数の溝とを備え、1つまたは複数の隆起と溝は、メイン心棒と一体式である。1つまたは複数のガスケットが、メイン心棒の1つまたは複数の溝の中に配設される。本方法の清掃アダプタは、本明細書に記載されるような清掃アダプタ20である。
【0073】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタおよびその構成要素は、オーバーモールドまたは3Dプリントによって作製することができる。例えば、メイン心棒を成形することができ、その後弾性部材、保持器リング、ガスケット、シール、ブーツ、プラグおよび/またはボタンキャップをメイン心棒上にオーバーモールドして組み立てられた清掃アダプタを作製することができる。あるいは、メイン心棒、ボタンキャップ、保持器リング、ガスケット、シール、ブーツ、プラグおよび弾性部材を3Dプリントによって作製することもできる。例えばメイン心棒を3Dプリントすることができ、その後弾性部材、保持器リング、ガスケット、シール、ブーツ、プラグおよび/またはボタンキャップをメイン心棒上に3Dプリントして組み立てられた清掃アダプタを作製することができる。
【0074】
製造プロセス中の多数のステップは、任意選択であってよい、または具体的に示されるものと異なる順序で実施される場合もあることは当業者によって理解されるであろう。製造プロセスの範囲は、特許請求の範囲に明白に記載されるものを除いて、本明細書で考察される特定の順序およびステップに限定されない。
【0075】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタは、射出成形、圧縮成形、ブロー成形、熱形成、ダイプレス、スリップ鋳造、電気化学的機械加工、レーザカット、ウォータージェット機械加工、電気泳動析出、粉末射出成形、サンド鋳造、シェルモールド鋳造、石こう型鋳造、インベストメント鋳造、真空鋳造、永久鋳型鋳造、半融鋳造、圧力鋳造、ダイカスト、遠心鋳造、高圧鋳造、圧延、鍛造、圧伸成形、押し出し成形、剪断加工、旋回またはその組み合わせによって作製されてよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、清掃アダプタあるいは清掃アダプタの1つまたは複数の構成要素は、3Dプリントによって形成されてもよい。用語「三次元プリントシステム」「三次元プリンタ」および「プリント」は、選択的堆積、ジェッティング、溶融堆積モデリング、マルチジェットモデリング、および当分野で現在知られる、あるいは三次元物品を作製するために建築材またはインクを使用する将来的に既知となり得るその他の付加的製造技術によって三次元製品または物品を作製するための様々な固体自由形状作製技術を表している。
【0077】
本明細書に開示される実施形態のいずれかを包含する図式化形態の指示が、3Dプリンタによって実施されるようにコンピュータに提供されてよい。シリコンベースエラストマーなどのエラストマー材料が、清掃アダプタを形成するのに使用される容器に供給されてよい。いくつかの実施形態において、清掃アダプタの構成要素は、様々な物理的特性を表すためにコード化された色であってよい。例えば、異なる色を使用して、構成要素間で変動する摩擦および可撓性の大きさを区別することができる。材料が選択されると、エラストマー材料が、一度に1つの層で平坦な組立プラットフォーム上に堆積される。第1の層が堆積すると、第2の層が第1の層の上に堆積される。プロセスは、指示中で挙げられた仕様にふさわしいものを創り出すのに必要なだけ繰り返される。
【0078】
清掃アダプタを製造する別の形態には、材料を金型に鋳造することが含まれる。材料は、三日月形、四辺形、矩形、円筒形、プラグまたは任意の他の形状などの金型の形状を採ることができる。追加として、金型の表面は、平滑であってよい、あるいは清掃アダプタに特徴部を与えるために、隆起した特徴部、あるいはくぼみまたはノッチを形成するための刻み目などの刻み刻み目を含む場合もある。金型からの特徴部を、金型内の材料が乾燥されるときに清掃アダプタに与えることができる。特定の態様では、丸みが付けられた面、または摩擦係合面を清掃アダプタのメイン心棒の上面および/または下面に形成することもできる。いくつかの実施形態において、突出する部分または隆起した部分を金型から上面および/または下面に与えることもできる。
【0079】
清掃アダプタは滅菌可能であってよい。種々の実施形態では、清掃アダプタの1つまたは複数の構成要素は、最終包装における最終的な滅菌ステップにおいて放射線によって滅菌される。製品の最終的な滅菌は、個々の製品の構成要素を別々に滅菌すること、および最終的な包装が滅菌された環境で組み立てられることを必要とする無菌プロセスなどのプロセスよりも高い、滅菌状態の確実性を提供する。
【0080】
典型的には、種々の実施形態において、ガンマ放射線が最終的な滅菌ステップで使用され、これには、デバイス内に深く浸透するガンマ線からのイオン化エネルギーを利用することが伴う。ガンマ線は、微生物を殺すのに極めて有効であり、それらは、残留物を残さないし、そのエネルギーはデバイスに放射能を与えるには十分ではない。ガンマ線は、デバイスが包装の中にあるときに利用することができ、ガンマ滅菌は、高圧または真空条件を必要としないため、包装シールおよび他の構成要素がストレスを受けることがない。加えて、ガンマ放射線によって、透過性の包装材の必要性もなくなる。
【0081】
種々の実施形態において、清掃アダプタの1つまたは複数の構成要素を滅菌するのに
電子ビーム(e-ビーム)放射が使用されてもよい。E-ビーム放射はイオン化エネルギーの形体を含み、これは一般に、低浸透と高線量率によって特徴付けられる。E-ビーム放射は、それが接触時に、微生物の生殖細胞を含めた種々の化学結合および分子結合を変える点においてガンマ処理と同様である。e-ビーム滅菌のための生成されるビームは、電気の加速および変換によって生じた電子の集中した高度に帯電した流れである。
【0082】
他の方法が、清掃アダプタの1つまたは複数の構成要素を滅菌するのに使用されてもよく、限定するものではないが、例えばエチレンオキシドによるものなどのガス滅菌、または蒸気滅菌が含まれる。
【0083】
いくつかの実施形態において、図17に示されるように、内視鏡を清掃するためのキット600が提供される。キットは、カウンタボアを画定する遠位端と、メイン心棒を横方向に通って延びる第1の貫通穴と、メイン心棒を横方向に通って延びる第2の貫通穴と、第1の貫通穴と第2の貫通穴を流体結合するように構成されたチャネルとを備えるメイン心棒と、カウンタボア内に配設されたプラグとを備える清掃アダプタと、内視鏡を清掃するための指示とを備える。清掃アダプタのメイン心棒は一体式であり、メイン心棒の周りに円周方向に配設された複数の隆起と溝とを備え、複数の隆起と溝は、メイン心棒と一体式である。清掃アダプタは、本明細書に記載されるような清掃アダプタ20である。キットはさらに、使い捨ての空気/水の弁と、使い捨ての吸気弁とを含む。好適な使い捨ての空気/水の弁および使い捨ての吸気弁および/またはバイオプシー弁は、ミネソタ州55447、ミネアポリス、北通り28番地14605に位置するMedivatorsInc.から入手可能であり、米国特許第9、585、545号および第9、408、523号に記載されている。このような開示はここで、参照により本開示に組み込まれている。
【0084】
いくつかの実施形態において、上記に記載したような、キットの一部である内視鏡を清掃するための指示の代替として、ウェブサイト上で見つけられる使用のための指示を有するウェブサイトがキットの包装に記載される場合もある。
【0085】
種々の実施形態において、清掃アダプタと共に使用されるように一緒に組み合わされた、清掃アダプタと共に追加の部品を含み得るキットが提供される。キットは、第1の区画の中に清掃アダプタを含んでよい。第2の区画は、消毒薬および/または洗剤を保持する1つまたは複数の容器を含んでよい。第3の区画は、使い捨ての空気/水の弁を含んでよい。第4の区画は、使い捨ての吸気弁および処置に必要とされる任意の他の器具を含んでよい。第5の区画は、グローブ、ドレープ、創傷被覆材および滅菌性を維持するための他の処置の補給品、ならびに指示ブックレット、または清掃アダプタを使用するための指示を見つけることができるウェブサイトの通知を含んでよい。第6の区画は、追加のカニューレおよび/またはニードルを含んでよい。第7の区画は、放射線透過撮像のための薬剤を含んでよい。各々のデバイスは、放射線滅菌されたプラスチックパウチの中に別々に包装されてよい。キットのカバーは、清掃アダプタの使用の図解を含んでもよく、滅菌状態を維持するために区画の上に透明なプラスチックカバーが配置されてもよい。
安全タグ
【0086】
図18から図19を参照すると、上記に記載したように、例えば清掃アダプタ20などの内視鏡の弁の特定の領域を受け入れるように構成されたタグ400が提供される。タグは、タグが引きちぎられるまで清掃アダプタの使用を防ぐ物理的なバリアとして機能する。この方法において、ユーザは、それらの周りにいかなる安全タグも持たないキットにおける他の弁とは対照的に、清掃アダプタからタグを取り外す追加のステップを採る必要がある。したがって、タグは、ユーザが、内視鏡処置の間、空気/水の弁の代わりに清掃アダプタを誤って使用するのを防止する。
【0087】
タグは、平坦な面402を含む。平坦な面は、図19に示されるように特定の厚さT1を有する。いくつかの実施形態において、厚さT1は、およそ0.01からおよそ0.5インチである。いくつかの実施形態において、厚さT1は、およそ0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4からおよそ0.5インチである。
【0088】
平坦な面は、図18に示されるように第1の縁部404と、第1の縁部に対向する第2の縁部406と、第3の縁部408と、第3の縁部に対向する第4の縁部410とを含む。第3の縁部は、平坦な面の近位端412に配設され、第4の縁部は、平坦な面の遠位端414に配設される。
【0089】
平坦な面は長さL4と、幅W3とを有する。いくつかの実施形態において、L4は、およそ1からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、長さL4は、およそ1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、幅W3は、およそ0.3からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、幅W3は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチである。
【0090】
平坦な面は、清掃アダプタの特定の領域を受け入れるように構成された開口416を含む。例えば、図19に示されるように、例えば第1の貫通穴28の遠位に配設された傘ガスケットなどの1つまたは複数のガスケット48と、ブーツ50との間などの清掃アダプタの特定の領域を開口によって受け入れることができる。いくつかの実施形態において、開口は、開口によって受け入れられる内視鏡の弁の領域の直径と等しい、またはこれより大きい直径D4を有する。いくつかの実施形態において、直径D4は、およそ0.2からおよそ0.6インチである。いくつかの実施形態において、直径D4は、およそ0.2、0.3、0.4、0.5からおよそ0.6インチである。いくつかの実施形態において、開口は円形である。いくつかの実施形態において、開口は、楕円形または正方形である場合もある。
【0091】
ミシン目418が、開口に隣接して、かつ開口に接触して配設され、開口によって受け入れられる清掃アダプタの領域に係合するように構成されている。ミシン目は、ユーザがタグから清掃アダプタを取り外したいと思ったときに引き裂かれるように構成されている。いくつかの実施形態において、ミシン目は、タグに可撓性を与える。ミシン目は、第1の端部420と、第2の端部422とを含む。第1の端部は、平坦な面の第3の縁部まで延び、第2の端部は開口に接触している。いくつかの実施形態において、ミシン目は、長さL5を有する。いくつかの実施形態において、長さL5は、およそ4ミリメートル(mm)からおよそ10mmである。いくつかの実施形態において、長さL5は、およそ4、5、6、7、8、9からおよそ10mmである。
【0092】
平坦な面は、折り目424を含む。折り目は、図18に示されるように、開口に隣接して配設され、例えば第1の縁部および第2の縁部など平坦な面の縁部に直交して延びている。折り目は、タグに可撓性を与えるように構成されており、またいくつかの実施形態では、タグは、図19に示されるように折り目を曲げることによってL字型構成になるように形成することができる。いくつかの実施形態において、ミシン目は、折り目に直交して配設される。
【0093】
いくつかの実施形態において、折り目は長さL6を有する。いくつかの実施形態において、長さL6は、およそ0.3からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、長さL6は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、折り目の長さL6は、平坦な面の幅W3と同じサイズである場合もある。
【0094】
いくつかの実施形態において、平坦な面は、平坦な面の開口の周りに円周方向の配列で配設された複数のスリット426を備える。複数のスリットは、開口によって受け入れられる清掃アダプタの領域を容易に挿入させるように構成されている。いくつかの実施形態において、複数のスリットは、開口に接触する。複数のスリットは同一のまたは異なる長さL7を有する2、3、4、5、6、7、8、9または10のスリットを含むことができる。いくつかの実施形態において、長さL7は、およそ1mmからおよそ4mmであり得る。いくつかの実施形態において、長さL7は、およそ1、2、3または4mmである場合もある。開口、ミシン目および複数のスリットは、平坦な面の第1の縁部と第2の縁部との間に配設されること、ならびに折り目は、第1の縁部から第2の縁部まで延びることを理解されたい。
【0095】
いくつかの実施形態において、平坦な面の遠位端は、ユーザに対する警告を視覚的に知らせる文字および/または記号を有する表示428を含む。いくつかの実施形態において、この表示は、様々なフォント、サイズ、色であってよく、盛り上がっている場合、または平坦な面と同一面の場合がある。いくつかの実施形態において、表示は、赤、黒、オレンジ、黄、青、緑、紫、茶、白および/またはピンクでプリントされ得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、タグは、特定の色であり得る。いくつかの実施形態において、タグの色は、限定するものではないが、赤、黒、オレンジ、黄、青、緑、紫、茶、白および/またはピンクが含むことができる。
【0097】
いくつかの実施形態において、タグは、タグが使用前に取り外されなかった場合、清掃アダプタが内視鏡のポート内に完全に嵌まるのを防ぐために、薄い材料から作製することができる。いくつかの実施形態において、タグは、組立中に破片、微粒子、裂け目を形成しない材料、例えばポリエチレンなどから作製される場合もある。いくつかの実施形態において、タグは、ETO滅菌プロセス中の有効性を妨害せず、かつ滅菌、輸送または保管中(例えば3年の貯蔵寿命までの間)に劣化したり/ゆがんだりすることがない材料から作製される。いくつかの実施形態において、タグは、限定するものではないが、ポリプロピレン、ボール紙、工作用紙、クラフト紙、ボンド紙、光沢紙、硬い厚紙、ボール紙、プラスチック、ゴム、金属またはその組み合わせを含めた、1つまたは複数の材料から作製することができる。いくつかの実施形態において、タグが作製される材料は、耐水性にされる場合もある。いくつかの実施形態において、プラスチック、ゴムおよび/またはワックスの1つまたは複数の層がタグに加えられてタグを耐水性にする場合もある。
【0098】
図20から図22を参照すると、上記に記載したように、例えば清掃アダプタ20などの内視鏡の弁の特定の領域を受け入れるように構成された、タグ400と同様のタグ500が設けられている。タグは、平坦な面502を備える。平坦な面は、図21に示されるように特定の厚さT2を有する。いくつかの実施形態において、厚さT2は、およそ0.01からおよそ0.5インチである。いくつかの実施形態において、厚さT2は、およそ0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4からおよそ0.5インチである。
【0099】
平坦な面は、図20に示されるように、第1の縁部504と、第1の縁部に対向する第2の縁部506と、第3の縁部508と、第3の縁部に対向する第4の縁部510と、第2の縁部に対向する第5の縁部511と、第4の縁部に対向し、かつ第1の縁部に隣接する第6の縁部513とを含む。第3の縁部は、平坦な面の近位端512に配設され、第4の縁部は、平坦な面の遠位端514に配設される。
【0100】
いくつかの実施形態において、平坦な面は、第2の縁部で長さL8を有する。いくつかの実施形態において、L8は、およそ1からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、長さL8は、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、平坦な面は、第1の縁部で長さL9を有する。いくつかの実施形態において、長さL9は、およそ0.3からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、長さL9は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、L8はL9より大きい。いくつかの実施形態において、平坦な面は、第5の縁部で長さL10を有する。いくつかの実施形態において、長さL10は、およそ0.6からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL10は、およそ0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL8は、長さL10より大きく、長さL9は長さL10より小さい。
【0101】
いくつかの実施形態において、平坦な面は、第3の縁部で長さL11を有する。いくつかの実施形態において、長さL11はおよそ0.3からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、長さL11は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、平坦な面は、第4の縁部で長さL12を有する。いくつかの実施形態において、長さL12は、およそ0.9からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、長さL12は、およそ0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、長さL11は、長さL12より小さい。いくつかの実施形態において、平坦な面は、第6の縁部で長さL13を有する。いくつかの実施形態において、長さL13はおよそ0.6からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL13は、およそ0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL12は長さL13より大きく、長さL11は長さL13より小さい。
【0102】
平坦な面は、清掃アダプタの特定の領域を受け入れるように構成された開口516を含む。例えば、図22に示されるように、第1の貫通穴28の遠位に配設された傘ガスケットなどの1つまたは複数のガスケット48と、ブーツ50との間などの清掃アダプタの特定の領域を開口によって受け入れることができる。いくつかの実施形態において、開口は、開口によって受け入れられる内視鏡の弁の領域の直径と等しい、またはこれより大きい直径D5を有する。いくつかの実施形態において、直径D5は、およそ0.2インチからおよそ0.6インチである。いくつかの実施形態において、直径D5は、およそ0.2、0.3、0.4、0.5からおよそ0.6インチである。いくつかの実施形態において、開口は円形である。いくつかの実施形態において、開口は、楕円形または正方形である場合もある。
【0103】
ミシン目518が、開口に隣接して、およびこれに接触して配設され、開口によって受け入れられる清掃アダプタの領域に係合するように構成されている。ミシン目は、ユーザがタグから清掃アダプタを取り外したいと思ったときに引き裂かれるように構成されている。いくつかの実施形態において、ミシン目は、タグに可撓性を与える。ミシン目は、第1の端部520と、第2の端部522とを含む。第1の端部は、平坦な面の第3の縁部まで延び、第2の端部は開口に接触している。いくつかの実施形態において、ミシン目は、長さL14を有する。いくつかの実施形態において、長さL14は、およそ4ミリメートル(mm)からおよそ10mmである。いくつかの実施形態において、長さL14は、およそ4、5、6、7、8、9からおよそ10mmである。
【0104】
平坦な面は、第1の折り目524を含む。第1の折り目は、図20に示されるように、開口に隣接して配設され、例えば第1の縁部および第2の縁部など平坦な面の縁部に直交して延びている。いくつかの実施形態において、ミシン目は、折り目に直交して配設される。
【0105】
平坦な面は、第1の折り目に接触する第2の折り目524Aを含む。いくつかの実施形態において、第3の折り目524Bが設けられる。第3の折り目は、図21および図22に示されるように第2の折り目に平行して延び、タグを成形された構成になるように折り曲げることを可能にする。いくつかの実施形態において、折り目は、タグに可撓性を与えるように構成されており、これによりこの形状を構成するためにタグが折り目で曲がることを可能にする。いくつかの実施形態において、タグは、折れ曲がったり、広がったりするように構成されており、折れ曲がった構成ではタグは内視鏡の弁を部分的に取り囲む。
【0106】
いくつかの実施形態において、第1の折り目は長さL15を有する。いくつかの実施形態において、長さL15は、およそ0.3からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、長さL15は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、第1の折り目の長さL15は、平坦な面の長さL11と同じサイズであり得る。
【0107】
いくつかの実施形態において、第2の折り目は長さL16を有し、第3の折り目は長さL17を有する。いくつかの実施形態において、長さL16、L17は、およそ0.6からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL16、L17は、およそ0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL16、L17は、平坦な面の長さL10と同じサイズであってよく、長さL16、L17は、長さL15より大きい。
【0108】
いくつかの実施形態において、平坦な面は、平坦な面の開口の周りに円周方向の配列で配設された複数のスリット526を備える。複数のスリットは、開口によって受け入れられる清掃アダプタの領域を容易に挿入させるように構成されている。いくつかの実施形態において、複数のスリットは、開口に接触する。複数のスリットは同一のまたは異なる長さL18を有する2、3、4、5、6、7、8、9または10のスリットを含むことができる。いくつかの実施形態において、長さL18は、およそ1mmからおよそ4mmであり得る。いくつかの実施形態において、長さL18は、およそ1、2、3または4mmである場合もある。開口、ミシン目および複数のスリットは、平坦な面の第1の縁部と第2の縁部との間に配設されること、ならびに折り目は、第1の縁部から第2の縁部まで延びることを理解されたい。
【0109】
いくつかの実施形態において、平坦な面の遠位端は、ユーザに対する警告を視覚的に知らせる文字および/または記号を有する表示528を含む。いくつかの実施形態において、表示は、タブ400に関して上記に記載したように、表示428と同じやり方で構成され得る。
【0110】
図23から図25を参照すると、上記に記載したように、例えば清掃アダプタ20などの内視鏡の弁の特定の領域を受け入れるように構成された、タグ500と同様のタグ700が設けられている。タグは、平坦な面702を備える。平坦な面は、図24を示されるように特定の厚さT3を有する。いくつかの実施形態において、厚さT3は、およそ0.01からおよそ0.5インチである。いくつかの実施形態において、厚さT3は、およそ0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4からおよそ0.5インチである。
【0111】
平坦な面は、図23に示されるように第1の縁部704と、第1の縁部に対向する第2の縁部706と、第3の縁部708と、第3の縁部に対向する第4の縁部710と、第2の縁部に対向する第5の縁部711と、第4の縁部に対向し、かつ第1の縁部に隣接する第6の縁部713とを含む。第3の縁部は、平坦な面の近位端712に配設され、第4の縁部は、平坦な面の遠位端714に配設される。
【0112】
いくつかの実施形態において、第2の縁部で長さL18を有する。いくつかの実施形態において、L18は、およそ1からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、長さL18は、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、平坦な面は、第1の縁部で長さL19を有する。いくつかの実施形態において、長さL19は、およそ0.3からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、長さL19は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチの間である。いくつかの実施形態において、L18は、L19より大きい。いくつかの実施形態において、平坦な面は、第5の縁部で長さL20を有する。いくつかの実施形態において、長さL20は、およそ0.6からおよそ2インチを有する。いくつかの実施形態において、長さL20は、およそ0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL18は、長さL20より大きく、長さL19は長さL20より小さい。
【0113】
いくつかの実施形態において、平坦な面は、第3の縁部で長さL21を有する。いくつかの実施形態において、長さL21はおよそ0.3からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、長さL21は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、平坦な面は、第4の縁部で長さL22を有する。いくつかの実施形態において、長さL22は、およそ0.9からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、長さL22は、およそ0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9からおよそ3インチである。いくつかの実施形態において、長さL21は、長さL22より小さい。いくつかの実施形態において、平坦な面は、第6の縁部で長さL23を有する。いくつかの実施形態において、長さL23はおよそ0.6からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL23は、およそ0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL22は長さL23より大きく、長さL21は長さL23より小さい。
【0114】
平坦な面は、清掃アダプタの特定の領域を受け入れるように構成された開口716を含む。例えば、図25に示されるように、第1の貫通穴28の遠位に配設された傘ガスケットなどの1つまたは複数のガスケット48と、ブーツ50との間の清掃アダプタの特定の領域を開口によって受け入れることができる。いくつかの実施形態において、開口は、開口によって受け入れられる内視鏡の弁の領域の直径と等しい、またはこれより大きい直径D6を有する。いくつかの実施形態において、直径D6は、およそ0.2インチからおよそ0.6インチである。いくつかの実施形態において、直径D6は、およそ0.2、0.3、0.4、0.5からおよそ0.6インチである。いくつかの実施形態において、開口は円形である。いくつかの実施形態において、開口は、楕円形または正方形である場合もある。
【0115】
ミシン目718が、開口に隣接して、かつ開口に接触して配設され、開口によって受け入れられる清掃アダプタの領域に係合するように構成されている。ミシン目は、ユーザがタグから清掃アダプタを取り外したいと思ったときに引き裂かれるように構成されている。いくつかの実施形態において、ミシン目は、本明細書に記載されるように第1の折り目に対して平行に配設される。いくつかの実施形態において、ミシン目は、タグに可撓性を与える。ミシン目は、第1の端部720と、第2の端部722とを含む。第1の端部は、平坦な面の第1の縁部まで延び、第2の端部は開口に接触している。いくつかの実施形態において、ミシン目は、図24に示されるように長さL24を有する。いくつかの実施形態において、長さL24は、およそ4ミリメートル(mm)からおよそ10mmである。いくつかの実施形態において、長さL24は、およそ4、5、6、7、8、9からおよそ10mmである。
【0116】
平坦な面は、図23に示されるように第1のくぼみ719と、第2のくぼみ721とを含む。第1のくぼみおよび/または第2のくぼみは、開口に隣接して配設され、以下に記載する図25に示されるトレイ602の区画604への最適な嵌合を促進するように構成されている。いくつかの実施形態において、第1のくぼみは、第2のくぼみに対して平行であり、各くぼみは弓形に成形され得る。いくつかの実施形態において、第2の縁部の一部分は第1のくぼみを含み、第5の縁部の一部分は第2のくぼみを含む。いくつかの実施形態において、平坦な面は、1からおよそ6つのくぼみを含むことができる。いくつかの実施形態において、平坦な面は、1、2、3、4、5からおよそ6つのくぼみを含む場合もある。
【0117】
平坦な面は、第1の折り目724を含む。第1の折り目は、図23に示されるように、開口に隣接して配設され、例えば第1の縁部および第2の縁部など平坦な面の縁部に直交して延びている。いくつかの実施形態において、ミシン目は、第1の折り目に直交して配設される。
【0118】
平坦な面は、第1の折り目に接触する第2の折り目724Aを含む。いくつかの実施形態において、第3の折り目724Bが設けられる。第3の折り目は、図24および図25に示されるように、第2の折り目に対して平行して延び、タグを成形された構成になるように折り曲げることを可能にする。いくつかの実施形態において、折り目は、タグに可撓性を与えるように構成されており、これによりこの形状を構成するためにタグが折り目で曲がることを可能にする。いくつかの実施形態において、タグは、折れ曲がったり、広がったりするように構成されており、折れ曲がった構成ではタグは、内視鏡の弁を部分的に取り囲む。
【0119】
いくつかの実施形態において、第1の折り目は長さL25を有する。いくつかの実施形態において、長さL25は、およそ0.3からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、長さL25は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチである。いくつかの実施形態において、第1の折り目の長さL25は、平坦な面の長さL21と同じサイズであり得る
【0120】
いくつかの実施形態において、第2の折り目は長さL26を有し、第3の折り目は長さL27を有する。いくつかの実施形態において、長さL26、L27は、およそ0.6からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL26、L27は、およそ0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9からおよそ2インチである。いくつかの実施形態において、長さL26、L27は、長さL20と同じサイズであってよく、長さL26、L26は、長さL25より大きい。
【0121】
いくつかの実施形態において、平坦な面は、平坦な面の開口の周りに円周方向の配列で配設された複数のスリット726を備える。複数のスリットは、開口によって受け入れられる清掃アダプタの領域を容易に挿入させるように構成されている。いくつかの実施形態において、複数のスリットは、開口に接触する。複数のスリットは同一のまたは異なる長さL28を有する2、3、4、5、6、7、8、9または10のスリットを含むことができる。いくつかの実施形態において、長さL28は、およそ1mmからおよそ4mmであり得る。いくつかの実施形態において、長さL28は、およそ1、2、3または4mmである場合もある。開口、ミシン目、第1の折り目および複数のスリットは、平坦な面の第1の縁部と第2の縁部との間に配設されること、ならびに第1の折り目は、第1の縁部から第2の縁部まで延びることを理解されたい。
【0122】
いくつかの実施形態において、平坦な面の遠位端は、図24に示されるように、ユーザに対する警告を視覚的に知らせる文字および/または記号を有する表示728を含む。いくつかの実施形態において、表示は、タブ400に関して上記に記載したような表示428と同じやり方で構成することができる。
【0123】
図26から図33を参照すると、上記に記載したように、例えば清掃アダプタ20などの内視鏡の弁の特定の領域を受け入れるように構成されたタグ800が設けられている。タグは、平坦な面802を備える。平坦な面は、図28に示されるように特定の厚さT4を有する。いくつかの実施形態において、厚さT4は、およそ0.01からおよそ0.5インチである。いくつかの実施形態において、厚さT4は、およそ0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4からおよそ0.5インチである。
【0124】
平坦な面は、清掃アダプタの特定の領域を受け入れるように構成された開口806を有する近位端804を備える。例えば、開口によって受け入れられる清掃アダプタの領域は、図28および図29に示されるようにボタンキャップ62の遠位端および弾性部材54の一部分であり得る。ボタンキャップは、清掃アダプタから取り外され、タグの開口はボタンキャップの遠位端および弾性部材の一部分と係合する。
【0125】
いくつかの実施形態において、開口は、開口によって受け入れられる内視鏡の弁の領域の直径より小さい、これと等しい、またはこれより大きい直径D7を有する。いくつかの実施形態において、直径D7は、およそ0.2からおよそ0.6インチである。いくつかの実施形態において、直径D7は、およそ0.2、0.3、0.4、0.5からおよそ0.6インチである。
【0126】
いくつかの実施形態において、近位端および開口は、図26から図29に示されるように円形形状である。円形形状の構成では、開口の直径D7は、開口によって受け入れられる内視鏡の弁の領域の直径と等しい、またはこれより大きく、係合は、ぴったりフィットする。
【0127】
いくつかの実施形態において、近位端および開口は、図31に示されるようにスロット形状である。スロット形状の構成では、開口の直径D7は、開口によって受け入れられる内視鏡の弁の領域の直径より小さい。
【0128】
いくつかの実施形態において、近位端および開口は、図32に示されるように半円であり、クリップ810を形成している。半円またはクリップ構成では、開口の直径D7は、開口によって受け入れられる内視鏡の弁の領域の直径と等しい、またはこれより大きい。
【0129】
いくつかの実施形態において、近位端および開口は、図33に示されるように楕円形形状である。楕円形形状の構成では、開口の直径D7は、開口によって受け入れられる内視鏡の弁の領域の直径より小さい。
【0130】
先細になった部分808が開口に隣接して配設される。先細になった部分は、第1の角度を成す縁部811と、第2の角度を成す縁部812などの縁部を含む。第2の角度を成す縁部は、第1の角度を成す縁部に対して平行である。いくつかの実施形態において、第1および第2の角度を成す縁部は、図27に示されるように特定の角度α1およびα2を有することができる。いくつかの実施形態において、角度α1およびα2は、同一であり、およそ10度からおよそ45度である。いくつかの実施形態において、角度α1およびα2は、およそ10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44からおよそ45度である。
【0131】
先細になった部分は、平坦な面の遠位端814に向かって増大することができる特定の幅W4と、特定の長さL29とを有することができる。幅W4は、およそ0.1からおよそ0.6インチである。いくつかの実施形態において、幅W4は、およそ0.1、0.2、0.3、0.4、0.5からおよそ0.6インチである。長さL29は、およそ0.2からおよそ1インチであり得る。いくつかの実施形態において、長さL29は、およそ0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチであり得る。
【0132】
先細になった部分は、図28に示されるようにその上に配設された折り目816を含む。折り目は、第1の角度を成す縁部および第2の角度を成す縁部に直交して延びている。いくつかの実施形態において、平坦な面は、折り目のところで曲がるように構成されており、折り目はタグに可撓性を与える。折り目は、図27に示されるように特定の長さL30を有することができる。いくつかの実施形態において、長さL30は、およそ0.1からおよそ0.6インチであってよく、先細になった部分の幅W4と等しい。いくつかの実施形態において、長さL30は、およそ0.1、0.2、0.3、0.4、0.5からおよそ0.6インチであり得る。いくつかの実施形態において、先細になった部分は、図29に示されるように折り目を含まない。
【0133】
平坦な面の近位端は、図26に示されるように長さL31と、幅W5とを有することができる。長さL31は、およそ1からおよそ3インチであり得る。いくつかの実施形態において、長さL31は、およそ1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9からおよそ3インチであり得る。いくつかの実施形態において、幅W5は、およそ0.3からおよそ1インチであり得る。いくつかの実施形態において、幅W5は、およそ0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9からおよそ1インチである。
【0134】
いくつかの実施形態において、遠位端は、図27に示されるようにユーザに対する警告を視覚的に知らせる文字および/または記号を有する表示818を含む。いくつかの実施形態において、表示は、タブ400に関して上記に記載したような表示428と同じやり方で構成することができる。
安全タグ方法およびキット
【0135】
内視鏡を清掃する方法が提供されており、方法は、清掃アダプタからタグを取り外すことであって、タグは、清掃アダプタの特定の領域を受け入れる開口を有する平坦な面と、開口に隣接して、かつ開口に接触して配設され、内視鏡の弁の領域に係合するミシン目と、開口に隣接して配設され、平坦な面の縁部に直交して延びる折り目とを備えることを含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、内視鏡の空気/水シリンダから空気/水の弁を取り外すことを含む。いくつかの実施形態において、タグは、ミシン目でタグに引き裂く力を加えることによって清掃アダプタから取り外される。いくつかの実施形態において、タグは、近位端に配設されたタグの開口に引き裂く力を加えることによって清掃アダプタから取り外される。いくつかの実施形態において、引き裂く力は、近位端に加えられ、遠位端は、円形形状(図26から図29)、スロット形状(図31)、クリップを形成する半円形状(図32)または楕円形状(図33)である。
【0137】
いくつかの実施形態において、引き裂いた後、方法はさらに、清掃アダプタのメイン心棒の一部分を内視鏡の空気/水シリンダに挿入することと、空気および/または水を清掃アダプタの第1の貫通穴の中に入れ、清掃アダプタの第2の貫通穴から出して、内視鏡の空気/水シリンダの中を通るように誘導して、内視鏡を洗い流すこととを含む。
【0138】
いくつかの実施形態において、ミシン目は、折り目に直交して配設される。いくつかの実施形態において、平坦な面は、平坦な面の開口の周りに円周方向の配列で配設された複数のスリットを備え、複数のスリットは開口に接触する。いくつかの実施形態において、タグの平坦な面の遠位端は、ユーザに対する警告を視覚的に知らせる文字および/または記号を有する表示を含む。タグは、図19に示されるタグ400であることを理解されたい。あるいは、タグは、図22に示されるタグ500、図25に示されるタグ700または図26から図33に示されるタグ800であり得る。
【0139】
内視鏡のためにキット600が、図17図19図22図25および図30に示されるように提供されている。キットは、区画604を有するトレイ602を備える。区画は、清掃アダプタ20を受け入れるように構成されている。清掃アダプタは、タグに係合し、タグは、清掃アダプタの特定の領域を受け入れる開口を有する平坦な面と、開口に隣接して、かつ開口に接触して配向され、清掃アダプタの領域に係合するミシン目と、開口に隣接して配設され、平坦な面の縁部に直交して延びる折り目とを備える。いくつかの実施形態において、区画は、清掃アダプタとタグの両方を受け入れる。いくつかの実施形態において、区画は、清掃アダプタとタグを部分的に取り囲む。
【0140】
いくつかの実施形態において、ミシン目は、折り目に直交して配設される。いくつかの実施形態において、平坦な面は、平坦な面の開口の周りに円周方向の配列で配設された複数のスリットを備え、複数のスリットは開口に接触する。いくつかの実施形態において、タグの平坦な面の遠位端は、ユーザに対する警告を視覚的に知らせる文字および/または記号を有する表示を含む。タグは、図19に示されるようなタグ400であることを理解されたい。いくつかの実施形態において、タグは、図22に示されるようなタグ500、または図25に示されるようなタグ700であり得る。あるいはタグは図30に示されるようなタグ800である。
【0141】
いくつかの実施形態において、キットは、図22に示されるように、吸気弁608、空気/水の弁610、バイオプシー弁612および/または補助コネクタ614を受け入れるための第2の区画606をさらに備える。いくつかの実施形態において、追加の区画をキットに加えることもできる。好適な使い捨ての空気/水の弁および使い捨ての吸気弁および/またはバイオプシー弁は、ミネソタ州55447、ミネアポリス、北通り28番地14605に位置するMedivatorsInc.から入手可能であり、米国特許第9、585、545号および第9、408、523号に記載されている。これらの開示は、ここで参照により本開示に組み込まれている。
【0142】
種々の実施形態において、清掃アダプタと共に使用されるように一緒に組み合わされた、清掃アダプタに取り付けられたタグと共に追加の部品を含み得るキットが提供されている。キットは、第1の区画内にタグに取り付けられた清掃アダプタを含んでよい。第2の区画は、消毒薬および/または洗剤を保持する1つまたは複数のコンテナを含んでよい。第3の区画は、使い捨ての空気/水の弁を含んでもよい。第4の区画は、使い捨ての吸気弁および処置に必要とされる任意の他の器具を含んでもよい。第5の区画は、グローブ、ドレープ、創傷被覆材および滅菌性を維持するための他の処置の補給品、ならびに指示ブックレット、または清掃アダプタを使用するための指示を見つけることができるウェブサイトの通知を含んでよい。キットのカバーは、清掃アダプタの使用の図解を含んでもよく、滅菌状態を維持するために区画の上に透明なプラスチックカバーが配置されてもよい。
【0143】
本明細書に記載される実装形態は、本開示の特定の態様を実証するために含まれている。本明細書に記載される実装形態は、本開示の一例の実装形態を単に表すのみであることは当業者によって理解されるべきである。当業者は、本開示に照らして、記載される特有の実装形態に変更を行うことができ、なおも、本開示の精神および範囲から逸脱することなく同様のまたはよく似た結果を得ることができることを理解すべきである。前述の記載から、当業者は、本開示の必須の特徴を容易に確認することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、本開示を種々の用途および状況に適合させるために様々な変更および修正を行うことができる。上記に記載される実装形態は、単なる例示であることが意図されており、以下の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【0144】
前述の記載から、当業者は、本開示の必須の特徴を容易に確認することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、本開示を種々の用途および状況に適合させるために様々な変更および修正を行うことができる。上記に記載される実装形態は、単なる例示であることが意図されており、以下の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。
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