(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】キーモジュールおよびキーボード
(51)【国際特許分類】
H01H 13/14 20060101AFI20230616BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
H01H13/14 B
G06F3/02 400
H01H13/14 A
(21)【出願番号】P 2021095800
(22)【出願日】2021-06-08
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】202011321011.1
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 侑殷
(72)【発明者】
【氏名】盧 注▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】許 銘輝
(72)【発明者】
【氏名】梁 錫明
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ 國群
(72)【発明者】
【氏名】陳 家棋
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-182107(JP,A)
【文献】特開2013-229262(JP,A)
【文献】特表2015-535132(JP,A)
【文献】特開平09-190735(JP,A)
【文献】特開2017-224581(JP,A)
【文献】特開2009-076321(JP,A)
【文献】台湾特許出願公開第202009959(TW,A)
【文献】中国特許第102969183(CN,B)
【文献】特開2018-055922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00 - 13/88
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが係合部分と前記係合部分の両端にそれぞれ結合した2つのガイド部分とを有する2つの組付けフレームと、2つの前記組付けフレームに結合された接続プレートと、を備えるベースであって、2つの前記組付けフレームがそれぞれ位置決め部を形成し、前記係合部分が第1の係合穴および第2の係合穴を有
し、
2つの前記組付けフレームの同じ側の前記ガイド部分は、前記係合部分に結合した基端よりも先端が互いに近接するように配置されている、ベースと、
2つの第1の係合突起と
、少なくとも1つの位置決め構造と
、第1の支持部分と、2つの第2の支持部分とを有する第1の枢動可能フレームであって、
前記第1の枢動可能フレームの前記第1の支持部分の両端に前記第1の枢動可能フレームの2つの前記第2の支持部分がそれぞれ結合しており、前記第1の枢動可能フレームの2つの前記第2の支持部分は、同じ方向に延びて2つの前記組付けフレームの外側に位置し、前記第1の枢動可能フレームの2つの前記第1の係合突起は、それぞれ前記第1の枢動可能フレームの前記第2の支持部分の側面に結合しており、前記第1の枢動可能フレームの2つの前記第1の係合突起がそれぞれ、2つの前記組付けフレームの前記第1の係合穴に係合している、第1の枢動可能フレームと、
2つの第1の係合突起と
、少なくとも1つの位置決め構造と
、第1の支持部分と、2つの第2の支持部分とを有する第2の枢動可能フレームであって、
前記第2の枢動可能フレームの前記第1の支持部分の両端に前記第2の枢動可能フレームの2つの前記第2の支持部分がそれぞれ結合しており、前記第2の枢動可能フレームの2つの前記第2の支持部分は、同じ方向に延びて2つの前記組付けフレームの外側に位置し、前記第2の枢動可能フレームの2つの前記第1の係合突起は、それぞれ前記第2の枢動可能フレームの前記第2の支持部分の側面に結合しており、前記第2の枢動可能フレームの2つの前記第1の係合突起がそれぞれ、2つの前記組付けフレームの前記第2の係合穴に係合している、第2の枢動可能フレームと、
押圧部と、少なくとも1つの第1の係合部と、少なくとも1つの第2の係合部とを備えるキーキャップであって、前記少なくとも1つの第1の係合部と前記少なくとも1つの第2の係合部は、前記押圧部に結合しており、前記少なくとも1つの第1の係合部に前記第1の枢動可能フレームが接続しており、前記少なくとも1つの第2の係合部に前記第2の枢動可能フレームが接続している、キーキャップと、
を備え、
前記第1の枢動可能フレームの前記第1の係合突起が前記組付けフレームの前記第1の係合穴に係合しているとき、前記第1の枢動可能フレームの前記位置決め構造が、前記組付けフレームが形成する前記位置決め部内に動きを許容されて配置され、前記第1の枢動可能フレームが前記位置決め部により動きを規制され、
前記第2の枢動可能フレームの前記第1の係合突起が前記組付けフレームの前記第2の係合穴に係合しているとき、前記第2の枢動可能フレームの前記位置決め構造が、前記組付けフレームが形成する前記位置決め部内に動きを許容されて配置され、前記第2の枢動可能フレームが前記位置決め部により動きを規制される、
ことを特徴とするキーモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のキーモジュールであって、前記第1の枢動可能フレームは、前記第1の枢動可能フレームの2つの側面にそれぞれ位置する2つの第1のリンク構造をさらに備え、前記第2の枢動可能フレームは、前記第2の枢動可能フレームの2つの側面にそれぞれ位置する2つの第2のリンク構造をさらに備え、前記第1のリンク構造はそれぞれ前記第2のリンク構造に動きが許容されて連結している、キーモジュール。
【請求項3】
請求項
1に記載のキーモジュールであって、前記第1の枢動可能フレームは、前記第1の枢動可能フレームの前記第2の支持部分の側面のうちの、前記第1の枢動可能フレームの前記第1の支持部分から離れた位置にそれぞれ結合した2つの第1のリンク構造をさらに含み、前記第2の枢動可能フレームは、前記第2の枢動可能フレームの前記第2の支持部分の側面のうちの、前記第2の枢動可能フレームの前記第1の支持部分から離れた位置にそれぞれ結合した2つの第2のリンク構造をさらに含み、前記第1のリンク構造は、前記第1の枢動可能フレームの前記第2の支持部分の内側の側面から前記第2の支持部分の外側の側面に向かって延び、前記第2のリンク構造は、前記第2の枢動可能フレームの前記第2の支持部分の内側の側面から前記第2の支持部分の外側の側面に向かって延び、前記第1のリンク構造は前記第2のリンク構造と係合するように構成されている、キーモジュール。
【請求項4】
ケーシングと、
前記ケーシング上に配設された複数のキーモジュールと、
を含むキーボードであって、
前記複数のキーモジュールのそれぞれが、
それぞれが係合部分と前記係合部分の両端にそれぞれ結合した2つのガイド部分とを有する2つの組付けフレームと、前記組付けフレームに結合された接続プレートとを備えるベースであって、2つの前記組付けフレームがそれぞれ位置決め部を形成し、前記係合部分が第1の係合穴および第2の係合穴を有
し、
2つの前記組付けフレームの同じ側の前記ガイド部分は、前記係合部分に結合した基端よりも先端が互いに近接するように配置されている、ベースと、
2つの第1の係合突起と
、少なくとも1つの位置決め構造と
、第1の支持部分と、2つの第2の支持部分とを有する第1の枢動可能フレームであって、
前記第1の枢動可能フレームの前記第1の支持部分の両端に前記第1の枢動可能フレームの2つの前記第2の支持部分がそれぞれ結合しており、前記第1の枢動可能フレームの2つの前記第2の支持部分は、同じ方向に延びて2つの前記組付けフレームの外側に位置し、前記第1の枢動可能フレームの2つの前記第1の係合突起は、それぞれ前記第1の枢動可能フレームの前記第2の支持部分の側面に結合しており、前記第1の枢動可能フレームの2つの前記第1の係合突起がそれぞれ、2つの前記組付けフレームの前記第1の係合穴に係合している、第1の枢動可能フレームと、
2つの第1の係合突起と
、少なくとも1つの位置決め構造と
、第1の支持部分と、2つの第2の支持部分とを有する第2の枢動可能フレームであって、
前記第2の枢動可能フレームの前記第1の支持部分の両端に前記第2の枢動可能フレームの2つの前記第2の支持部分がそれぞれ結合しており、前記第2の枢動可能フレームの2つの前記第2の支持部分は、同じ方向に延びて2つの前記組付けフレームの外側に位置し、前記第2の枢動可能フレームの2つの前記第1の係合突起は、それぞれ前記第2の枢動可能フレームの前記第2の支持部分の側面に結合しており、前記第2の枢動可能フレームの2つの前記第1の係合突起がそれ
ぞれ、2つの前記組付けフレームの前記第2の係合穴に係合している、第2の枢動可能フレームと、
押圧部と、少なくとも1つの第1の係合部と、少なくとも1つの第2の係合部とを備えるキーキャップであって、前記少なくとも1つの第1の係合部と前記少なくとも1つの第2の係合部は、前記押圧部に結合しており、前記少なくとも1つの第1の係合部に前記第1の枢動可能フレームが接続しており、前記少なくとも1つの第2の係合部に前記第2の枢動可能フレームが接続している、キーキャップと、
を備え、
前記第1の枢動可能フレームの前記第1の係合突起が前記組付けフレームの前記第1の係合穴に係合しているとき、前記第1の枢動可能フレームの前記位置決め構造が、前記組付けフレームが形成する前記位置決め部内に配置されて、前記第1の枢動可能フレームが前記位置決め部により動きを規制され、
前記第2の枢動可能フレームの前記第1の係合突起が前記組付けフレームの前記第2の係合穴に係合しているとき、前記第2の枢動可能フレームの前記位置決め構造が、前記組付けフレームが形成する前記位置決め部内に配置されて、前記第2の枢動可能フレームが前記位置決め部により動きを規制される、
キーボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キーモジュールおよびキーボードに関し、さらに詳しくは、枢動可能フレームを有するキーモジュールおよびキーボードに関する。
【背景技術】
【0002】
キーボードは、ボタンまたはキーの配列を使用する入力デバイスであり、ユーザが文字、記号、数字、および他の文字をコンピュータに打ち込めるようになっている。この概念は、また、家電製品およびビジネス機器のコンピュータ制御のために広く採用される。
【0003】
最近、コンピュータのキーボードは、シザースイッチキーボードが主流となっているが、シザースイッチキーボード用の通常のフレームは、シザースイッチの長いキーストロークに対して余裕を持たせるために厚みがある。
【0004】
具体的には、典型的なシザースイッチは、鋏のように連動し、一側でキーキャップに、また、他側ではベースの2つのフックにスナップ留めされる2つの交差するパーツを有しており、これにより、キーキャップは、キーボードのベースに対する動きが可能となる。このようなシザースイッチの設計では、組み立て工程が複雑になり、手間がかかる。さらに、金属で作製されるフックは、組み立て工程中にしばしば連動するパーツにダメージを与えることもあり、それによって、耐久性や触覚フィードバックに影響を与えることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、単純な組み立て工程が可能な構成であるとともに、必要な耐久性と触覚フィードバックを確保するキーモジュールとキーボードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、キーモジュールは、ベースと、第1の枢動可能フレームと、第2の枢動可能フレームと、キーキャップとを含む。前記ベースは、2つの組付けフレームを含む。前記組付けフレームのそれぞれは、係合部分と2つのガイド部分を有する。前記係合部分は、組付けフレームに結合しているとともに各前記組付けフレームの2つのガイド部分の間に位置している。前記第1の枢動可能フレームは、各組付けフレームのガイド部分によって案内されることによって係合部分と係合する。前記第2の枢動可能フレームは、各組付けフレームのガイド部分によって案内されることによって係合部分と係合する。前記キーキャップは、押圧部と、少なくとも1つの第1の係合部と、少なくとも1つの第2の係合部とを含む。前記少なくとも1つの第1の係合部と前記少なくとも1つの第2の係合部は押圧部と結合している。前記第1の枢動可能フレームは、少なくとも1つの第1の係合部と係合しており、前記第2の枢動可能フレームは、少なくとも1つの第2の係合部と係合している。
【0007】
本開示の別の態様によると、キーボードは、ケーシングと、前記ケーシング上に配設された複数のキーモジュールを含む。前記複数のキーモジュールのそれぞれは、ベースと、第1の枢動可能フレームと、第2の枢動可能フレームと、キーキャップとを含む。前記ベースは、2つの組付けフレームを含む。前記組付けフレームのそれぞれは、係合部分と2つのガイド部分を有する。前記係合部分は、組付けフレームに結合しているとともに各前記組付けフレームの2つのガイド部分の間に位置している。前記第1の枢動可能フレームは、各組付けフレームのガイド部分によって案内されることによって係合部分と係合する。前記第2の枢動可能フレームは、各組付けフレームのガイド部分によって案内されることによって係合部分と係合する。前記キーキャップは、押圧部と、少なくとも1つの第1の係合部と、少なくとも1つの第2の係合部とを含む。前記少なくとも1つの第1の係合部と前記少なくとも1つの第2の係合部は押圧部と結合している。前記第1の枢動可能フレームは、少なくとも1つの第1の係合部と係合しており、前記第2の枢動可能フレームは、少なくとも1つの第2の係合部と係合している。
【0008】
上記のキーモジュールおよびキーボードによると、枢動可能フレームとガイド部分の協働により、前記枢動可能フレームを組付けフレーム内にスムーズに配置することができるため、枢動可能フレームが組付けフレームによって傷が付いたり損傷したりすることを防ぎ、品質のよい組み立て工程、ならびに耐久性と触覚フィードバックを確保することができる。
本開示は、以下の詳細な説明、および例示のみを目的とし、本開示を限定することを意図するものではない添付の図面からより完全に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1の実施形態によるキーボードの斜視図である。
【
図2】
図1のキーボードのキーモジュールの斜視図である。
【
図4】
図3のキーモジュールの第1の枢動可能フレームと第2の枢動可能フレームの部分拡大図である。
【
図5】
図2のキーモジュールの設置工程を示す模式図である。
【
図6】
図2のキーモジュールの設置工程を示す模式図である。
【
図7】
図2のキーモジュールの設置工程を示す模式図である。
【
図8】
図2のキーモジュールの設置工程を示す模式図である。
【
図9】
図2のキーモジュールの設置工程を示す模式図である。
【
図10】
図2のキーモジュールの設置工程を示す模式図である。
【
図12】
図2のキーモジュールのキーキャップが上昇位置にあるところを示す断面図である。
【
図14】本開示の第2の実施形態による第1の枢動可能フレームと第2の枢動可能フレームの部分拡大図である。
【
図15】本開示の第3の実施形態による第1の枢動可能フレームと第2の枢動可能フレームの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、説明を目的として、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細について言及する。しかしながら、1つ以上の実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施することができることは明らかである。別の例では、周知の構造およびデバイスは、図面を単純化するために模式的に示している。
【0011】
図1~
図4を参照されたい。
図1は、本開示の第1の実施形態によるキーボードの斜視図である。
図2は、
図1のキーボードのキーモジュールの斜視図である。
図3は、
図2のキーモジュールの分解図である。
図4は、
図3のキーモジュールの第1の枢動可能フレームと第2の枢動可能フレームの部分拡大図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態は、キーボード1を提供する。キーボード1は、例えば、ノートパソコンのビルトインメンブレンキーボードであるが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、キーボードは、外部の無線または有線のメカニカルキーボードであってもよい。キーボード1は、ケーシング5と、ケーシング5に設置された複数のキーモジュール10を含む。
【0013】
図2および
図3に示すように、キーモジュール10のそれぞれは、ベース100と、第1の枢動可能フレーム200と、第2の枢動可能フレーム300と、キーキャップ400とを含む。
【0014】
ベース100は、例えば、金属から作製される。ベース100は、接続プレート110と、例えば型抜き工程によって形成される2つの組付けフレーム120を含む。接続プレート110および組付けフレーム120は、互いに結合されている。各組付けフレーム120は、係合部分121と2つのガイド部分122を有する。係合部分121は、2つのガイド部分122に結合しているとともに、これら2つのガイド部分122の間に位置し、係合部分121は、例えば、ガイド部分122に平行ではない。本実施形態では、それぞれの組付けフレーム120の同じ側において、2つのガイド部分122の間の距離は、係合部分121に近い側から係合部分121から遠い側に向かって小さくなっている。すなわち、それぞれの組付けフレーム120の同じ側に位置するガイド部分122の間の距離は、組付けフレーム120の外側から中央部に向かって大きくなる。
図3に示すように、ガイド部分122は、組付けフレーム120の屈曲部として見なすことができるが、本開示は、これに限定されない。いくつかの別の実施形態において、ガイド部分は、大きい曲率で滑らかな湾曲形状に形成することができる。あるいは、ガイド部分は、それぞれの組付けフレームの両端部の間の距離をわずかに減らすことによって形成することができる。ガイド部分の形状は、実際の状況に基づいて適応的に変更することができる。
【0015】
本実施形態では、各係合部分121は、第1の係合穴1211および第2の係合穴1212を有する。ガイド部分122と接続プレート110は、互いに間隔があけられており、4つの位置決め部1221がそれらの間に形成されている。
【0016】
第1の枢動可能フレーム200は、第1の支持部分210と、2つの第2の支持部分220と、2つの第1の係合突起240を含む。同様に、第2の枢動可能フレーム300は、第1の支持部分310と、2つの第2の支持部分320と、2つの第1の係合突起340を含む。
【0017】
第1の枢動可能フレーム200の第1の支持部分210は、第1の枢動可能フレーム200の2つの第2の支持部分220に結合しているとともに、2つの第2の支持部分220の間に位置しており、第1の枢動可能フレーム200の2つの第2の支持部分220は同じ向きに延びている。第1の枢動可能フレーム200の2つの第1の係合突起240は、第1の枢動可能フレーム200の2つの第2の支持部分220の側面の、第1の枢動可能フレーム200の第1の支持部分210から離れた位置にそれぞれ結合しており、第1の枢動可能フレーム200の2つの第1の係合突起240は、それぞれの組付けフレーム120の同じ側にある2つのガイド部分122によって案内されることにより、第1の係合穴1211にそれぞれ係合する。詳細には、第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起240が、それぞれの組付けフレーム120の同じ側にある2つのガイド部分122から係合部分121に向けて移動するとき、第1の枢動可能フレーム200の2つの第2の支持部分220を互いに遠ざかる方向にわずかに変形するように、2つのガイド部分122が第1の枢動可能フレーム200の2つの第1の係合突起240にそれぞれ当接する。第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起240が第1の係合穴1211と整列すると、第1の支持部分210と第2の支持部分220の弾性により、第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起240は第1の係合穴1211に係合する。つまり、第1の枢動可能フレーム200の側面は、組付けフレーム120のガイド部分122によって案内されることによって係合部分121に係合する。
【0018】
第2の枢動可能フレーム300の第1の支持部分310は、第2の枢動可能フレーム300の2つの第2の支持部分320に結合しているとともに、2つの第2の支持部分320の間に位置しており、第2の枢動可能フレーム300の第2の支持部分320は同じ向きに延びている。第2の枢動可能フレーム300の2つの第1の係合突起340は、第2の枢動可能フレーム300の2つの第2の支持部分320の側面の、第2の枢動可能フレーム300の第1の支持部分310から離れた位置にそれぞれ結合しており、第2の枢動可能フレーム300の2つの第1の係合突起340は、それぞれの組付けフレーム120の同じ側にあるもう一方の2つのガイド部分122によって案内されることにより、第2の係合穴1212にそれぞれ係合する。詳細には、第2の枢動可能フレーム300の第1の係合突起340が、それぞれの組付けフレーム120の同じ側にあるもう一方の2つのガイド部分122から係合部分121に向けて移動するとき、第2の枢動可能フレーム300の2つの第2の支持部分320を互いに遠ざかる方向にわずかに変形するように、もう一方の2つのガイド部分122が第2の枢動可能フレーム300の2つの第1の係合突起340にそれぞれ当接する。第2の枢動可能フレーム300の第1の係合突起340が第2の係合穴1212と整列すると、第1の支持部分310と第2の支持部分320の弾性により、第2の枢動可能フレーム300の第1の係合突起340は第2の係合穴1212に係合する。つまり、第2の枢動可能フレーム300の側面は、組付けフレーム120のガイド部分122によって案内されることによって係合部分121に係合する。
【0019】
図4に示すように、本実施形態では、第1の係合突起240は斜面241を有し、第1の係合突起340は斜面341を有する。第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起240がガイド部分122から係合部分121に向かって移動するとき、斜面241は、ガイド部分122に移動可能に当接する。第2の枢動可能フレーム300の第1の係合突起340がもう一方のガイド部分122から係合部分121に向かって移動するとき、斜面341は、もう一方のガイド部分122に移動可能に当接する。
【0020】
本実施形態では、第1の係合突起240および340の斜面241および341は、例示に過ぎず、本開示を限定することを意図するものではない。いくつかの別の実施形態では、第1の係合突起は、もう一つの実施形態における斜面を有していない、または第1の係合突起のうちの一部のみが斜面を有している。
【0021】
図2および
図3に示すように、本実施形態では、第1の枢動可能フレーム200は、第1の枢動可能フレーム200の2つの第2の支持部分220の側面の、第1の枢動可能フレーム200の第1の支持部分210から離れた位置にそれぞれ結合した2つの第1のリンク構造230をさらに含む。同様に、第2の枢動可能フレーム300は、第2の枢動可能フレーム300の第2の支持部分320の側面の、第2の枢動可能フレーム300の第1の支持部分310から離れた位置にそれぞれ結合した2つの第2のリンク構造330をさらに含む。2つの第1のリンク構造230は、それぞれ、2つの第2のリンク構造330に動きが許容されて連結されている。本開示の第1のリンク構造230は、例えば、第1の枢動可能フレーム200の第2の支持部分220の内側の側面から第2の支持部分220の外側の側面に向かって延びるギヤ歯構造(例えば、歯車の歯)である。本開示の第2のリンク構造330は、例えば、第2の枢動可能フレーム300の第2の支持部分320の内側の側面から第2の支持部分320の外側の側面に向かって延びるギヤ歯間空間(例えば、歯車の2つの隣接する歯の間の空間)である。ギヤ歯構造は、ギヤ歯間空間とそれぞれ噛み合って、第1の枢動可能フレーム200は第2の枢動可能フレーム300に対して枢動でき、第1の枢動可能フレーム200と第2の枢動可能フレーム300は、ベース100に対して枢動できる。第2の支持部分220の上記の内側の側面とは、2つの第2の支持部分220の互いに対向する側面を指し、第2の支持部分220の上記の外側の側面とは、2つの第2の支持部分220の互いに反対方向を向いた側面を指す。同様に、第2の支持部分320の上記の内側の側面とは、2つの第2の支持部分320の互いに対向する側面を指し、第2の支持部分320の上記の外側の側面とは、2つの第2の支持部分320の互いに反対方向を向いた側面を指す。
【0022】
第1のリンク構造230は、突起構造でもよく、本実施形態のギヤ歯構造の第1のリンク構造230は、突起構造の例示に過ぎず、本開示は、それに限定されるものではない。第2のリンク構造330は、凹型構造でもよく、本実施形態のギヤ歯間空間の第2のリンク構造330は、凹型構造の例示に過ぎず、本開示は、それに限定されるものではない。以下、別の例を説明する。
【0023】
本実施形態では、第1の枢動可能フレーム200は、第1の枢動可能フレーム200の第2の支持部分220の側面の、第1の支持部分210に近い位置に結合した2つの位置決め構造260をさらに含んでいてもよい。同様に、第2の枢動可能フレーム300は、第2の枢動可能フレーム300の第2の支持部分320の側面の、第1の支持部分310に近い位置に結合した2つの位置決め構造360をさらに含んでいてもよい。第1の係合突起240および340が第1の係合穴1211および第2の係合穴1212と係合すると、位置決め構造260および360は、それぞれ、位置決め部1221内に動きを許容されて位置する。
【0024】
本実施形態では、位置決め構造260および360の数量は、例示であって、本開示を限定することを意図するものではない。他のいくつかの実施形態では、第1の枢動可能フレームと第2の枢動可能フレームのそれぞれは、1つの位置決め構造のみを含んでいてもよく、あるいは、位置決め構造を含んでいなくてもよい。
【0025】
キーキャップ400は、押圧部410と、2つの第1の係合部420と、2つの第2の係合部430とを含む。第1の係合部420と第2の係合部430は押圧部410の同じ側面に結合している。第1の係合部420は、押圧部410の同じ側に近く、第2の係合部430は、押圧部410の反対の側に近い。第1の枢動可能フレーム200は、第1の枢動可能フレーム200の2つの第2の支持部分220の側面の、第1の枢動可能フレーム200の第1の支持部分210に近い位置にそれぞれ結合した2つの第2の係合突起250をさらに含む。第2の枢動可能フレーム300は、第2の枢動可能フレーム300の2つの第2の支持部分320の側面の、第2の枢動可能フレーム300の第1の支持部分310に近い位置にそれぞれ結合した2つの第2の係合突起350をさらに含む。第1の枢動可能フレーム200の2つの第2の係合突起250がキーキャップ400の2つの第1の係合部420とそれぞれ係合し、第2の枢動可能フレーム300の2つの第2の係合突起350がキーキャップ400の2つの第2の係合部430とそれぞれ係合する。このように、キーキャップ400は、第1の枢動可能フレーム200および第2の枢動可能フレーム300のベース100に対する移動を通じて、上昇位置(
図12に示す)または押圧位置(
図10に示す)に位置決めすることができる。
【0026】
本実施形態では、第1の係合部420は、例えば、スロットであり、第2の係合部430は、例えばフックである。しかしながら、本開示は、それに限定されない。別のいくつかの実施形態では、すべての第1の係合部および第2の係合部はスロットである。
【0027】
本実施形態では、キーモジュール10は、回路層150と弾性トリガ部品160をさらに含んでいてもよい。回路層150は、ベース100に積層されている。弾性トリガ部品160は、回路層150とキーキャップ400の押圧部410との間に挟み込まれている。キーキャップ400が押圧位置に位置決めされると、キーキャップ400は、回路層150を起動するように構成されるとともに、弾性トリガ部品160はキーキャップ400を押圧位置から上昇位置に戻すように構成されているため、回路層150の起動を停止する。
【0028】
図2のキーモジュールの設置工程を示す模式図である
図5~
図10を参照されたい。
【0029】
図5に示すように、第1の枢動可能フレーム200は、組付けフレーム120の係合部分121に向けて、方向AAに移動する。すでに述べたように、それぞれの組付けフレーム120の同じ側の2つのガイド部分122間の距離は、組付けフレーム120の外側から中央部に向けて大きくなっている。よって、第1の枢動可能フレーム200の2つの第1の係合突起240は、組付けフレーム120のガイド部分122の案内により、互に遠ざかり、これにより、第1の支持部分210に対して2つの第2の支持部分220を外側に、方向BBにわずかに変形させる。
【0030】
図6に示すように、第1の枢動可能フレーム200は、第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起240が係合部分121の第1の係合穴1211と整列するまで組付けフレーム120の係合部分121に向かって方向AAに移動し続ける。この瞬間において、第1の支持部分210と第2の支持部分220は、それらの元の形状に復元するため、第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起240を第1の係合穴1211とそれぞれ係合させる。そうすることで、第1の枢動可能フレーム200がベース100上に設置される。
【0031】
第1の枢動可能フレーム200を係合部分121に向かって移動させる工程中、第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起240は、係合部分121とガイド部分122の滑らかな表面と接触する。よってベース100は、第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起240を傷つけたり、損傷を与えたりすることはない。
【0032】
そして、
図7に示すように、第2の枢動可能フレーム300は、組付けフレーム120の係合部分121に向かって方向CCに移動する。すでに述べたように、それぞれの組付けフレーム120の同じ側の他の2つのガイド部分122間の距離は、組付けフレーム120の外側から中央部に向けて大きくなっている。よって、第2の枢動可能フレーム300の第1の係合突起340は、組付けフレーム120のガイド部分122の案内により、互いに遠ざかり、これにより、第1の支持部分310に対して第2の支持部分320を外側に、方向DDにわずかに変形させる。
【0033】
図8に示すように、第2の枢動可能フレーム300は、第1の枢動可能フレーム200の第1の係合突起340が係合部分121の第1の係合穴1211と整列するまで組付けフレーム120の係合部分121に向かって方向CCに移動し続ける。整列すると、第1の支持部分310と第2の支持部分320は、それらの元の形状に復元するため、第2の枢動可能フレーム300の2つの第1の係合突起340を2つの第2の係合穴1212とそれぞれ係合させる。そうすることで、第2の枢動可能フレーム300がベース100上に設置される。
【0034】
第2の枢動可能フレーム300を係合部分121に向かって移動させる工程中、第2の枢動可能フレーム300の第1の係合突起340は、係合部分121とガイド部分122の滑らかな表面と接触する。よってベース100は、第2の枢動可能フレーム300の第1の係合突起340を傷つけたり、損傷を与えたりすることはない。
【0035】
そして、
図9に示すように、キーキャップ400の第2の係合部430は、第2の枢動可能フレーム300の第2の係合突起350と係合する。そして、
図10に示すように、キーキャップ400の第1の係合部420は、第1の枢動可能フレーム200の第2の係合突起250と係合する。そうすることで、キーキャップ400は、第1の枢動可能フレーム200と第2の枢動可能フレーム300上に設置される。
【0036】
【0037】
図10および
図11に示すように、キーキャップ400は、押圧位置に位置決めされており、第2の支持部分220および320の当接面221および321は接続プレート110と依然として接触していない。
【0038】
そして、
図12および
図13に示すように、キーキャップ400は、方向EEに移動して元の位置に戻り、キーキャップ400は、第2の支持部分220および320の当接面221および321が接続プレート110に平行し、かつ当接すると、上昇位置に位置決めされる。
【0039】
上記の実施形態において、ギヤ歯構造の第1のリンク構造230とギヤ歯間空間の第2のリンク構造330は、例示であり、必要に応じて変更することができる。
図14を参照されたい。この図は、本開示の第2の実施形態による、第1の枢動可能フレームおよび第2の枢動可能フレームの部分拡大図である。
【0040】
本実施形態では、第1のリンク構造230aは、第2の支持部分220aの内側の側面から第2の支持部分220aの外側の側面に向かって延びる支柱構造であり、第2のリンク構造330aは、第2の支持部分320aの内側の側面から第2の支持部分320aの外側の側面に向かって延びる溝構造である。
【0041】
図15を参照されたい。この図には、本開示の第3の実施形態による、第1の枢動可能フレームと第2の枢動可能フレームの部分拡大図が示されている。
【0042】
本実施形態では、2つの第1のリンク構造230bはそれぞれがL字形の断面を有する第1のフック構造であり、第1のリンク構造230bは、第2の支持部分220bの内側の側面から第2の支持部分220bの外側の側面に向かって延び、2つの第2のリンク構造330bはそれぞれがL字形の断面を有する第2のフック構造であり、第2のリンク構造330bは、第2の支持部分320bの内側の側面から第2の支持部分320bの外側の側面に向かって延びている。そして、第1のフック構造は第2のフック構造と係合するように構成されている。詳細には、2つの第1のリンク構造230bのそれぞれは、第1の拡張部分231bおよび第2の拡張部分232bを含む。第1の拡張部分231bは、第2の支持部分220bに結合している。第2の拡張部分232bは、第1の拡張部分231bに結合し、第1の拡張部分231bの拡張方向とは異なる方向に沿って延びている。2つの第2のリンク構造330bのそれぞれは、第1の拡張部分331bおよび第2の拡張部分332bを含む。第1の拡張部分331bは、第2の支持部分320bに結合している。第2の拡張部分332bは、第1の拡張部分331bに結合し、第1の拡張部分331bの拡張方向とは異なる方向に沿って延びており、第2の拡張部分332bは、第2の拡張部分232b上に当接する。
【0043】
上記のキーモジュールおよびキーボードによると、枢動可能フレームとガイド部分の協働により、前記枢動可能フレームを組付けフレーム内にスムーズに配置することができるため、枢動可能フレームが組付けフレームによって傷が付いたり損傷したりすることを防ぎ、品質のよい組み立て工程、ならびに耐久性と触覚フィードバックを確保することができる。
【0044】
さらに、第1および第2の枢動可能フレームは、組付けフレームのガイド部分の案内によってベースの組付けフレーム上に直接設置することができ、それによって単純な組み立て工程を可能にするとともに、ベースの製造に関わる工程(例えば、型抜き工程)を減らして製造工程の簡略化に役立つ。
【0045】
さらに、第1のリンク構造および第2のリンク構造は、第2の支持部分の内側の側面から第2の支持部分の外側の側面に向かって延びているので、第1のリンク構造と第2のリンク構造は、第2の支持部分と実質的に同じ幅を有している。このように、第1のリンク構造と第2のリンク構造は、比較的大きい接触面を有することができるので、キーモジュールの安定性と耐久性を高めることができる。
【0046】
さらに、第1のリンク構造及び第2のリンク構造は、第2の支持部分の内側の側面から第2の支持部分の外側の側面に向かって延びているので、第1と第2の枢動可能フレームを製造するための金型は、単純な設計でよく、よって金型の製造コストを低減することができる。
【0047】
さらに、上記のような単純な設計によると、キーモジュールのコンポーネントの配置をさらに改善することで、キーモジュールの寸法を小さくすることができる。
【0048】
さらに、第1の係合穴と第2の係合穴は、全周円であるため、第1の係合穴と第2の係合穴に係合する第1の係合突起がそこから容易に外れることはなく、キーモジュールをしっかりと組み立てることができる。
【0049】
本実施形態を選び、説明したのは、本開示の原理とその実用的な応用を最も分かり易く説明し、よって、他の当業者が本開示および企図する特定の使用法に合わせた様々な変形例を含む様々な実施形態を最もよく利用できるようにするためである。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲およびその等価物によって定義されるよう、意図されている。
【符号の説明】
【0050】
1 キーボード
5 ケーシング
10 キーモジュール
100 ベース
110 接続プレート
120 組付けフレーム
121 係合部分
122 ガイド部分
150 回路層
200、300 枢動可能フレーム
210、220、310、320 支持部分
221、321 当接面
240、340 係合突起
241、341 斜面
400 キーキャップ
410 押圧部
420、430 係合部
1211、1212 係合穴