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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】温度制限電流を伴うバッテリパック
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20230616BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
H02J7/10 L
H01M10/48 301
H01M10/48 P
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021178813
(22)【出願日】2021-11-01
(65)【公開番号】P2022074134
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】17/084,982
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519445152
【氏名又は名称】テクトロニック コードレス ジーピー
【氏名又は名称原語表記】Techtronic Cordless GP
【住所又は居所原語表記】100 Innovation Way Anderson SC 29621 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【弁理士】
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】ハインズ・コリン
(72)【発明者】
【氏名】ブルータス・クレイトン
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-031303(JP,A)
【文献】特開2016-010198(JP,A)
【文献】特開2008-204800(JP,A)
【文献】特開2009-219221(JP,A)
【文献】特開平05-328629(JP,A)
【文献】特表2005-528070(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0024089(US,A1)
【文献】特表2019-504611(JP,A)
【文献】特開2009-017703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
H01M 10/44,10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックであって、
1つ以上のセルと、
前記1つ以上のセルの少なくとも1つのセルの温度を示す温度測定値を取得するように構成された少なくとも1つの温度センサと、
バッテリチャージャと信号伝達するように構成されたコントローラと、
を備え、
前記コントローラが、
前記少なくとも1つの温度センサから前記温度測定値を取得することと、
前記温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つのセルの前記温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定することと、
前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記下限温度閾値と前記上限温度閾値との間にあることの判定に応じて、最大充電電流を減少させることであって、前記温度測定値と前記最大充電電流との間の逆関数関係に少なくとも部分的に基づいて前記最大充電電流を減少させることを含む、ことと、
前記1つ以上のセルを充電するために、前記最大充電電流に少なくとも部分的に基づいて前記バッテリチャージャを制御することと、
前記温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記上限温度閾値よりも高いことを判定することと、
前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記上限温度閾値よりも高いことを判定したことに応じて、前記バッテリパックの充電を停止することと、
前記バッテリの充電を停止した後に、前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記下限温度閾値よりも低いことを判定することと、
前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記下限温度閾値よりも低いことを判定したことに応じて、前記バッテリパックの充電を再開することと、
を含む、動作を実行するように構成されている、バッテリパック。
【請求項2】
前記逆関数関係が、単調に減少する関係を含む、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記逆関数関係が、線形に減少する関係を含む、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記最大充電電流に少なくとも部分的に基づいて前記バッテリチャージャを制御することが、前記バッテリチャージャから、前記1つ以上のセルを充電するための前記最大充電電流を要求することを含む、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記温度測定値が、前記バッテリパックの温度測定端子から取得される、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記バッテリパックの充電を停止することが、充電が停止している間に前記バッテリチャージャから最小電流を要求することを含む、請求項に記載のバッテリパック。
【請求項7】
前記最大充電電流が、前記バッテリチャージャから周期的な間隔で要求される、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項8】
前記1つ以上のセルと前記バッテリチャージャとの間に電気伝達を提供するように構成された1つ以上の充電端子を更に備える、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項9】
前記バッテリチャージャが、
前記1つ以上のセルに電力信号を提供するように構成された電源と、
前記最大充電電流に少なくとも部分的に基づいて前記電力信号を調整するように構成されたチャージャコントローラと、を備える、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項10】
前記コントローラが、バッテリコントローラであり、前記バッテリパックが、前記バッテリコントローラと前記チャージャコントローラとの間に信号接続を提供するように構成された1つ以上の信号端子を更に備える、請求項に記載のバッテリパック。
【請求項11】
前記電源が、DC電源である、請求項に記載のバッテリパック。
【請求項12】
前記電力信号が、電流信号である、請求項に記載のバッテリパック。
【請求項13】
前記1つ以上のセルが、リチウムイオンセルを含む、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項14】
前記バッテリパックを前記バッテリチャージャに結合するために、前記バッテリチャージャにおいて1つ以上のスロットと係合するように構成された1つ以上のスロットメカニカルコネクタを備える、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項15】
過熱状態を回避しながらバッテリパックを充電するための方法であって、
少なくとも1つの温度センサから、少なくとも1つのセルの温度を示す温度測定値を取得することと、
前記温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つのセルの前記温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定することと、
前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記下限温度閾値と前記上限温度閾値との間にあることの判定に応じて、最大充電電流を減少させることであって、前記温度測定値と前記最大充電電流との間の逆関数関係に少なくとも部分的に基づいて前記最大充電電流を減少させることを含む、ことと、
前記少なくとも1つのセルを充電するために、前記最大充電電流に少なくとも部分的に基づいてバッテリチャージャを制御することと、
前記温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記上限温度閾値よりも高いことを判定することと、
前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記上限温度閾値よりも高いことを判定したことに応じて、前記少なくとも1つのセルの充電を停止することと、
前記バッテリの充電を停止した後に、前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記下限温度閾値よりも低いことを判定することと、
前記少なくとも1つのセルの前記温度が前記下限温度閾値よりも低いことを判定したことに応じて、前記少なくとも1つのセルの充電を再開することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記逆関数関係が、単調に減少する関係を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記逆関数関係が、線形に減少する関係を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのセルの充電を停止することが、充電が停止している間に前記バッテリチャージャから最小電流を要求することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的な態様は、複数のバッテリセル及びシステムを含むバッテリパックなどの電気エネルギー貯蔵デバイス、並びにそれらを充電するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリパックは、ポータブル電気機器及び工具で一般的に使用されているため、これらの機器及び工具は、固定電源が利用できない環境において使用することができる。例えば、電動工具の製造者は、多くの場合、電気ドリル、ハンマ、スクリュードライバ、インパクトレンチ、アングルグラインダなどの様々なタイプのコードレス電動工具で互換的に使用できるユニバーサル電源パックを製造している。バッテリパックは通常、一体型ハウジングに収容された複数のバッテリセルを含み、ここでユーザは、バッテリ全体を電動工具内に簡単に取り付けたり、又はバッテリパックハウジング及び/又は電動工具上に構成されたラッチ機構を介して電動工具から取り外したりすることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施形態の態様及び利点は、以下の記載に部分的に示され、又は説明から学ぶことができ、又は実施形態の実施を通じて学ぶことができる。
【0004】
本開示の一例示的な態様は、バッテリパックに関する。バッテリパックは、1つ以上のセルを含み得る。バッテリパックは、1つ以上のセルの少なくとも1つのセルの温度を示す温度測定値を取得するように構成された少なくとも1つの温度センサを含み得る。バッテリパックは、バッテリチャージャと信号伝達するように構成されたコントローラを含み得る。コントローラは、動作を実行するように構成され得る。動作は、少なくとも1つの温度センサから温度測定値を取得することを含み得る。動作は、温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定することを含み得る。動作は、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることの判定に応じて、最大充電電流を減少させることであって、最大充電電流を減少させることが、温度測定値と最大充電電流との間の逆関数関係に少なくとも部分的に基づいて最大充電電流を減少させることを含む、ことを含み得る。動作は、1つ以上のセルを充電するために、最大充電電流に少なくとも部分的に基づいてバッテリチャージャを制御することを含み得る。
【0005】
本開示の別の例示的な態様は、過熱状態を回避しながらバッテリパックを充電するための方法に関する。方法は、少なくとも1つの温度センサから、少なくとも1つのセルの温度を示す温度測定値を取得することを含み得る。方法は、温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定することを含み得る。方法は、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあるとの判定に応じて、最大充電電流を減少させることであって、最大充電電流を減少させることが、温度測定値と最大充電電流との間の逆関数関係に少なくとも部分的に基づいて最大充電電流を減少させることを含む、ことを含み得る。方法は、少なくとも1つのセルを充電するために、最大充電電流に少なくとも部分的に基づいてバッテリチャージャを制御することを含み得る。
【0006】
本開示の他の態様は、様々なシステム、装置、非一時的コンピュータ可読媒体、ユーザインターフェース、及び電子デバイスに関する。
【0007】
本開示の様々な実施形態のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の記載及び添付の特許請求の範囲を参照することにより、よりよく理解されるようになるであろう。この明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、明細書とともに、本開示の例示的な実施形態を示し、関連する原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の例示的な実施形態による、例示的な工具バッテリを示している。
図2図2は、本開示の例示的な実施形態による、例示的なコードレス(バッテリ電動)工具を示している。
図3図3は、本開示の例示的な実施形態による、例示的なバッテリパック充電システムの概略図を示している。
図4図4は、本開示の例示的な実施形態による、例示的な温度-電流曲線を示している。
図5図5は、本開示の例示的な実施形態による、充電プロセス中のバッテリパラメータのプロットを示している。
図6図6は、本開示の例示的な実施形態による、過熱状態を回避するようにバッテリパックを充電するための例示的な方法のフローチャート図を示している。
図7図7は、本開示の例示的な実施形態による、過熱状態を緩和するようにバッテリパックを充電するための例示的な方法のフローチャート図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面では、同様の数字は、本明細書に記載されるいくつかの実施形態を通して同様の部分を示している。
【0010】
以下の特許請求の範囲、及び本開示の例示的な態様の先行する説明において、明示的な文言又は必要な含意のために文脈が別の方法で要求する場合を除いて、「備える」という単語又は「備える」又は「備えている」などの変形例は、包括的意味で使用され、すなわち、述べられた特徴の存在を特定するが、本開示の例示的な態様の様々な実施形態での更なる特徴の存在又は追加を排除するものではない。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「結合」又は「接続」は、特に明記しない限り、1つ以上の電気的手段を介した直接的又は間接的のいずれかの電気的結合又は接続を指す。
【0012】
本明細書で使用される「水平」、「垂直」、「上向き」、「下向き」、「上方」、「下方」などの用語、及び同様の用語は、通常の使用方向における例示的な実施形態を説明するためのものであり、開示を特定の方向に限定することを意図するものではない。
【0013】
本開示の例示的な態様は、バッテリパックに関する。バッテリパックは、1つ以上のセルを含み得る。1つ以上のセルは、電気工具、園芸工具などの電気デバイスに電力を供給するために、電荷を(例えば電力として)貯蔵及び/又は転送することができる。バッテリパックは、様々なDC電圧レベル(例えば、12ボルト、18ボルト、24ボルト、28ボルト、40ボルトなど)を有するように構成され得る。例えば、バッテリパックは、12ボルトのバッテリパック、28ボルトのバッテリパック、40ボルトのバッテリパック、又は別の電圧のものであり得る。一例では、バッテリパックは、バッテリパックの定格電圧で直流を出力するように構成された1つ以上のリチウムイオン(Liイオン)セルを含み得る。いくつかの実施形態では、セルの電極は、グラファイト電極であり得るか、又はそれを含み得る。他の適切な材料がセルの電極に含まれてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、バッテリパック内のバッテリセルは、再充電可能なリチウムイオンセルであり得る。他の構造では、バッテリセルは、例えば、ニッケルカドミウム(NiCa又はNiCad)、ニッケル金属水素化物などのリチウムイオン以外の化学的性質を有し得る。一実施形態では、バッテリは、1つ以上のバッテリセルを含むパックハウジングと、バッテリパックをバッテリインターフェースに選択的に固定するためのラッチ機構とを含む、電動工具バッテリパックである。
【0015】
更に、1つ以上のセルを含むバッテリパックは、バッテリチャージャによって充電及び/又は再充電され得る。例えば、バッテリパックは、バッテリパックをバッテリレセプタクルに受容するように構成されているなど、バッテリパックを受け取るように構成されているバッテリチャージャに接続され得る。一例として、バッテリパックは、バッテリパックをバッテリチャージャに結合するために、バッテリチャージャにおいて1つ以上のスロットと係合するように構成された1つ以上のスロットメカニカルコネクタ(例えばレール)を含み得る。バッテリパックがバッテリチャージャに接続されると、バッテリチャージャは、バッテリパックに(例えば、1つ以上のセルに)電力(例えば、電圧及び/又は電流)を供給して、セルの電荷を増大させることによってバッテリを充電することができる。いくつかの実施形態では、バッテリパック及び/又はバッテリチャージャは、バッテリ充電として一定の(例えば、指定された)電圧を維持するために経時的に電流を減少させることなどによって、バッテリパックに定電圧を供給する定電圧モードで構成することができる。追加的に及び/又は代替的に、バッテリパック及び/又はバッテリチャージャは、バッテリパックに一定の(例えば、指定された)電流を供給する定電流モードで構成することができる。これにより、一般に、バッテリパックの電圧(例えばセル電圧)を充電により増大させる。
【0016】
バッテリパックは、バッテリコントローラを含み得る。バッテリコントローラは、バッテリチャージャのチャージャコントローラなど、バッテリチャージャと信号伝達することができる。例えば、バッテリパックがバッテリチャージャによって受容されると、バッテリコントローラは、(例えば、1つ以上の信号ピン及び/又は他の端子によって)チャージャコントローラに結合され得る。バッテリコントローラは、バッテリを充電するために、バッテリチャージャからの電流量を要求することができる。例えば、バッテリコントローラは、バッテリチャージャによって供給される、要求された電流量を示すデータをチャージャコントローラに伝達することができる。チャージャコントローラは、バッテリチャージャを制御して、要求された電流量をバッテリに供給することができる。いくつかの実施形態では、要求された電流量は、上限電流であり得る。例えば、チャージャは、上限電流以下の電流量を提供することができる。例えば、バッテリパックが4アンペアしか供給できないバッテリチャージャに6アンペアの要求を伝達する場合、バッテリチャージャは4アンペアしか供給できなくてもよい。しかしながら、バッテリパックが同じ4アンペアのバッテリチャージャに2アンペアの要求を伝達する場合、バッテリチャージャは2アンペアを供給することができる。このように、バッテリパックは、様々なチャージャとの互換性を有しながら、受け取る電流量をインテリジェントに制限することができる。
【0017】
一般に、バッテリパックは、温度の制約を受け得る。例えば、バッテリパックを上限温度以下に維持する必要があり得る。バッテリの温度は、使用中及び/又は充電中に増大する場合がある。上限温度を超えると、過熱状態がもたらされることで、安全上のリスク、バッテリ寿命の短縮、バッテリ及び/若しくは他のシステムに対する損傷、並びに/又は他の不具合などの不具合を引き起こし得る。加えて、過熱状態が発生した場合、バッテリパックがより低い温度に戻るまで充電を停止するなどによって、過熱状態を緩和する必要があり得る。これにより、バッテリパックの充電に必要な時間が大幅に増大する可能性がある。したがって、一般に、バッテリパックを上限温度以下に維持することによって、及び/又は上限温度を超えないようにすることによって、過熱状態を回避することが望ましい。
【0018】
本開示の例示的な態様によれば、バッテリコントローラは、バッテリパックの温度を監視することができる。一例として、バッテリコントローラは、バッテリパックのセル(単数又は複数)の温度を監視することができる。例えば、いくつかの実施形態では、バッテリパックは、少なくとも1つのセルにそれぞれ対応する1つ以上の温度センサを含み得る。温度センサは、少なくとも1つのセルから温度測定値を取得し得る。バッテリコントローラは、温度センサから温度測定値を取得し得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、温度測定値は、バッテリチャージャに利用可能にされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、温度測定値は、バッテリパックで温度測定端子において利用可能であり得る。例えば、バッテリパックがデバイス(例えばバッテリチャージャ)で受容されると、温度測定端子は、温度測定値を示す温度測定信号(例えば、デジタル及び/又はアナログ信号)を、バッテリパックが結合されているデバイス(例えばバッテリチャージャ)に伝達することができる。
【0020】
本開示の例示的な態様によれば、バッテリコントローラは、動作を実行するように構成され得る。動作は、例えば、過熱状態を回避しながらバッテリパックを充電するための方法を含み得る。例えば、本開示の例示的な態様によれば、バッテリコントローラは、過熱状態を防止しながらバッテリを充電するための動作を実施することができる。更に、過熱状態が関係なしに発生する場合、いくつかの実施形態では、動作が、過熱状態の緩和に寄与することができる。
【0021】
方法は、温度センサから少なくとも1つのセルの温度を示す温度測定値を取得することを含み得る。温度測定値は、バッテリパックの温度(例えば、少なくとも1つのセルの温度)を示し得る。温度測定値は、バッテリコントローラに伝達され得る。1つの例示的な実施形態では、単一の温度センサは、バッテリパックの温度を判定するために、1つのセルの温度測定値を取得するように構成されている。例えば、単一セルの温度測定値を外挿して、バッテリパックの温度を表すことができる。本開示の例示的な実施形態によれば、他の適切な温度測定構成を採用することができる。
【0022】
方法は、温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定することを含み得る。例えば、下限温度閾値は、過熱状態を回避するためにバッテリパックへの電流を減少させ始めることが望ましくなる温度であり得る。一般に、下限温度閾値は、任意の適切な温度であり得、上限温度閾値よりも低い(例えば、約摂氏10度低い)温度であり得る。更に、いくつかの実施形態では、上限温度閾値は、過熱状態が発生する温度などの上限温度であり得る。バッテリコントローラは、例えば、閾値比較によるなどの任意の適切な方法で、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定することができる。追加的に及び/又は代替的に、判定は、温度を数学的モデルに入力した結果として実行され得る。
【0023】
追加的に及び/又は代替的に、方法は、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることの判定に応じて、最大充電電流を減少させることを含み得る。例えば、最大充電電流を減少させることは、(例えば、充電電流要求によって)バッテリチャージャから要求されている最大充電電流を減少させることを含み得る。本開示の例示的な態様によれば、最大充電電流を減少させることは、温度測定値と最大充電電流との間の逆関数関係に少なくとも部分的に基づいて、最大充電電流を減少させることを含み得る。例えば、逆関数関係は、少なくとも1つのセルの温度が、下限温度閾値から上限温度閾値までの領域の少なくとも一部にわたって増大するにつれて、最大充電電流が減少するようにすることができる。例えば、逆関数関係は、上限温度閾値における最大充電電流が、少なくとも下限温度閾値における最大充電電流よりも小さいようにすることができる。追加的に及び/又は代替的に、最大充電電流は、温度が減少するにつれて(例えば、電流を減少させた後)、回復する(例えば、増大する)ことが可能であり得る。いくつかの実施形態では、逆関数関係は、単調に減少する関係であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、逆関数関係は、線形に減少する関係であり得る。例えば、最大充電電流は、温度の増大に対して線形に減少し得る。本開示の例示的な態様によれば、指数関数的に減少する関数、ステップ関数など、他の適切な関数関係を採用することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、逆関数関係は、数学的モデル又は関数であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、コンピューティングシステムは、数式又は数学的モデルに基づいて最大充電電流を計算することができる。別の例として、逆関数関係は、ルックアップテーブルであり得るか、又はそれを含み得る。例えば、最大充電電流は、温度が入力としてルックアップテーブルに提供されるルックアップテーブルから取得され得る。本開示の例示的な態様によれば、逆関数関係(例えば閾値化)を利用するための他の適切なシステムを採用することができる。一例として、最大充電電流は、温度-電流曲線からの温度ベースの電流制限に関して判定され得る。温度-電流曲線は、例えば、フラッシュメモリ、RAM、ROM、EEPROM、ハードディスクメモリ、ソリッドステートメモリ、及び/又は任意の他の適切なメモリなどの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶することができる。例えば、いくつかの実施形態では、曲線は、ルックアップテーブル、数学的関係若しくはモデル、又は他の適切な表現として記憶することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、最大充電電流は、バッテリパックの他の要因に関して確立された様々な他の電流制限に基づき得る。例えば、電流制限は、充電状態、バッテリ電圧、セル電圧、充電タイプ(例えば、定電流対定電圧)、充電状態、充電進行などの、バッテリの様々な基準によって確立することができるが、これらに限定されない。これらの電流制限のうちの1つは、温度と充電電流の間の逆関数関係に基づいてなど、バッテリパックの温度に関して確立され得る。例えば、最小電流制限は、最大充電電流として使用されてもよい。
【0026】
追加的に及び/又は代替的に、方法は、バッテリチャージャから、1つ以上のセルを充電するための最大充電電流を要求することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、バッテリコントローラは、充電電流要求を判定することができる。充電電流要求は、最大充電電流など、バッテリを充電するためにバッテリに提供される、要求された電流量を指定することができる。充電電流要求は、チャージャコントローラなどのバッテリチャージャに伝達され得る。いくつかの実施形態では、最大充電電流は、バッテリチャージャから周期的に要求され得る。例えば、最大充電電流は、刺激などに応じて、規則的な間隔及び/又は不規則的な間隔を含む設定された時間間隔などの周期的な間隔で要求され得る。例えば、最大充電電流は、電流が必要に応じて更新されることを確実にするために、規則的な間隔で判定及び要求され得る。
【0027】
充電電流要求を受信した後、チャージャコントローラは、充電電流要求によって指定された電流量をバッテリパック(例えばセル)に供給するようにバッテリチャージャ(例えば電源)を構成することができる。一例として、バッテリパック及び/又はバッテリチャージャは、1つ以上のセルと電源との間など、1つ以上のセルとバッテリチャージャとの間に電気接続を提供するように構成された1つ以上の充電端子を含み得る。いくつかの実施形態では、充電電流要求は、バッテリチャージャに周期的に伝達される。例えば、充電電流要求は、刺激などに応じて、設定された時間間隔で伝達され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、バッテリコントローラは、バッテリパックでの過熱状態を緩和するように更に構成され得る。例えば、本開示の例示的な態様は、一般に、バッテリパックへの電流減少の結果としてバッテリパックの温度を低下させることなどによって、過熱状態の可能性を減少させることができる。それにもかかわらず、場合によっては、それでもなお過熱状態に達した場合、バッテリパックの充電を完全に停止することが依然として望ましい場合がある。
【0029】
例えば、方法は、温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのセルの温度が上限温度閾値よりも高いことを判定することを更に含み得る。例えば、バッテリコントローラは、セルの温度を上限温度閾値と比較することができる。温度が上限温度閾値以上の場合、バッテリパックの充電を停止することが望ましい場合がある。例えば、1つ以上のセルの温度が上限温度閾値よりも高いと判定したことに応じて、方法は、バッテリパックの充電を停止することを含み得る。例えば、バッテリパックの充電を停止することは、充電が停止されている間にバッテリチャージャから最小電流を要求することを含み得る。最小電流は、0アンペアなど、約0.1アンペア未満など、ゼロアンペア又はそれに近い電流であり得る。例えば、バッテリパックの充電を停止することは、バッテリチャージャに停止電流要求を伝達することを含み得、停止電流要求は約ゼロアンペアの要求を含む。
【0030】
バッテリコントローラは、バッテリの充電を停止した後に、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値よりも低いことを判定するように更に構成され得る。例えば、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値よりも低いことは、一般に、充電を安全に再開できることを示し得る。1つ以上のセルの温度が下限温度閾値よりも低いと判定したことに応じて、方法は、バッテリパックの充電を再開することを含み得る。例えば、いったんバッテリパックが下限温度閾値に達すると、バッテリコントローラは、本明細書で説明されるように、温度測定値に基づいて最大充電電流を判定することを再開することができる。
【0031】
本開示のいくつかの例示的な態様は、説明のために、例えば、少なくとも1つの温度センサから温度測定値を取得すること、温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定すること、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることの判定に応じて、最大充電電流を減少させることであって、最大充電電流を減少させることが、温度測定値と最大充電電流との間の逆関数関係に少なくとも部分的に基づいて最大充電電流を減少させることを含む、こと、及びバッテリチャージャから、1つ以上のセルを充電するための最大充電電流を要求すること、などの動作を実行するバッテリコントローラを参照して、本明細書で検討され得る。これらのステップのいくつか又は全ては、例えば、チャージャコントローラなどの、バッテリコントローラ以外のコンピューティングデバイスにおいて実行され得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、バッテリパックは、バッテリパック及び/又はバッテリチャージャの伝達端子又は伝達ピンなどによって、温度測定値をバッテリチャージャに伝達してもよい。チャージャコントローラは、バッテリパックから(例えば、端子を介して)温度測定値を取得し、コントローラにおいて最大充電電流を制限するための動作を実行することができる。これは、バッテリパックにバッテリコントローラがない場合、更新できないファームウェアを有するバッテリのレガシーサポートを提供する場合など、バッテリパックが本明細書で説明する方法を実行できない場合に役立ち得る。
【0032】
本開示の例示的な態様により、多くの技術的効果及び利益を提供することができる。一例として、本開示の例示的な態様は、バッテリパックの充電時間を短縮することができる。例えば、バッテリパックが上限温度を超えている場合、充電を停止する必要があり得る。本開示の例示的な態様によるシステム及び方法は、上限温度などの、バッテリパックが上限温度に達する前に、チャージャからの電流を積極的に減少させることができる。このようにして、バッテリパックは上限温度に達することを回避することができ、それによって、次いで上限温度に達することによる時間のかかる充電の中断を防止することができる。別の例として、本開示の例示的な態様は、バッテリ寿命を増大することができる。例えば、本開示の例示的な態様は、バッテリを上限温度以下に維持することができ、それによって、上限温度を超えることに関連するバッテリ寿命の低下を防止することができる。
【0033】
ここで図面を参照して、本開示の例示的な実施形態を、説明のために、図面を参照しながら検討する。図1及び図2は、典型的な工具バッテリ10及びコードレス(バッテリ電動)工具20を示している。図示された工具20は、工具ハウジング21及びピストルタイプのハンドル24を有するドリル又はドライバである。工具出力22を駆動するためのモータ23(破線で示されている)がハウジング内に配置されている。バッテリ10は、工具ハンドル24によって支持されて接続可能である。トリガ25などの工具コントローラは、バッテリ10からモータ23にエネルギーを結合するために、ハウジング21とハンドル24との間の接合部に隣接して配置されている。しかしながら、これは、本開示の例示的な態様による、バッテリの使用範囲を制限することを意図するものではない。そのようなバッテリは、他のタイプのコードレス工具、特にハンドヘルドコードレス工具、又は芝刈り機、ヘッジトリマなどのコードレス芝生及び園芸機器で使用され得る。そのようなバッテリはまた、掃除機、ハンドバキューム、コードレススイーパーなどのフロアケア製品に使用され得る。
【0034】
そのようなタイプのコードレス工具用のバッテリの一実施形態は、工具に接続するための嵌合面12を有するバッテリパックハウジング11を有する。バッテリパックハウジング11は、バッテリ接続特徴部を介して工具ハウジングによって選択的に受容可能且つ支持可能であり、別個のチャージャ(図示せず)で充電するために工具から選択的に分離され得る。例えば、バッテリ嵌合特徴部の1つの例示的な実施形態が、図1に示されている。図示された実施形態では、バッテリ接続特徴部は、バッテリエネルギー源を工具コントローラ又はトリガ25に接続するための、ポスト13上の端子ポスト13及びバッテリ端子14、15である。代替的な実施形態では、バッテリ接続特徴部は、スライドタイプ若しくはレールタイプの接続特徴部、又は当該技術分野で知られている任意の他のタイプのバッテリ接続特徴部であり得る。例えば、端子ポスト13に含まれる代わりに、バッテリ端子14及び15は、嵌合面12上に配置されてもよく、1つ以上のレールに沿ってバッテリ10をスライドさせることによって、バッテリ10が工具ハンドル24で受容されるときに嵌合するように構成されてもよい。本開示の例示的な実施形態によれば、任意の他の適切なバッテリ接続機能部を使用することができる。
【0035】
図3は、本開示の例示的な実施形態による、例示的なバッテリパック充電システム300の概略図を示している。バッテリパック充電システム300は、バッテリチャージャ310を含み得る。バッテリチャージャ310は、バッテリパック320に取り外し可能に結合され得る。例えば、バッテリチャージャ310は、バッテリパック320を受容するように構成され得る。一例として、バッテリチャージャ310は、バッテリチャージャ310とバッテリパック320との間の電気伝達(例えば、信号伝達)を結合及び/又は確立するように構成された空洞、スロット、及び/又は他の取り付け機構において、バッテリパック320を受容することができる。一例として、バッテリパック320は、バッテリパック320をバッテリチャージャ310に結合するために、バッテリチャージャ310の1つ以上のスロットと係合するように構成された1つ以上のスロットメカニカルコネクタを含み得る。
【0036】
バッテリパック320は、1つ以上のセル322を含み得る。1つ以上のセル322は、電気工具、園芸工具などの電気デバイスに電力を供給するために、電荷を(例えば電力として)貯蔵及び/又は転送することができる。更に、1つ以上のセル322は、バッテリチャージャ310によって充電及び/又は再充電され得る。例えば、バッテリパック320は、バッテリパック320をバッテリレセプタクルに受け入れるように構成されているなど、バッテリパック320を受容するように構成されているバッテリチャージャ310に接続され得る。バッテリパック320がバッテリチャージャ310に接続されると、バッテリチャージャ310は、電圧信号及び/又は電流信号などの電力信号によって、バッテリパック320(例えば、1つ以上のセル322に)に電力(例えば、電圧及び/又は電流)を供給して、セルの電荷を増大させることによりバッテリを充電することができる。いくつかの実施形態では、バッテリパック320及び/又はバッテリチャージャ310は、バッテリチャージャ310において一定の電圧を維持するために経時的に電流を減少させることなどによって、バッテリパックに定電圧信号を供給する定電圧モードで構成することができる。追加的に及び/又は代替的に、バッテリパック320及び/又はバッテリチャージャ310は、バッテリパック320に定電流信号を供給する定電流モードで構成することができる。これにより、一般に、バッテリパック320の電圧(例えば、セル電圧)を充電状態で増大させる。
【0037】
バッテリチャージャ310は、バッテリパック320を充電するように構成され得る。例えば、バッテリチャージャ310は、電源312を含み得る。電源312は、電圧信号及び/又は電流信号などの電力信号を、バッテリパック320のセル322に供給することによって、電力を供給してバッテリパック320を充電するように構成され得る。例えば、電源312は、セル322に蓄積されている電力を供給することができる。電源312は、AC/DCコンバータを含むDC電源など、DC電力信号を提供するように構成されたDC電源であり得る。例えば、電源312は、電源コンセントなどからのAC信号などのAC信号など、第1の電力信号を受信し、第1の電力信号を、バッテリパック320を充電するための定格のDC電流信号などのDC信号など、第2の電力信号に変換することができる。
【0038】
バッテリパック320は、バッテリコントローラ324を含み得る。バッテリコントローラ324は、バッテリチャージャ310のチャージャコントローラ314など、バッテリチャージャ310と信号伝達するように配置され得る。例えば、バッテリパック320がバッテリチャージャ310によって受容されると、バッテリコントローラ324は、(例えば、1つ以上の信号ピン及び/又は他の端子によって)チャージャコントローラ314に結合され得る。バッテリコントローラ324は、バッテリを充電するために、バッテリチャージャ310からの電流量を要求することができる。例えば、バッテリコントローラ324は、バッテリチャージャ310によって供給される、要求された電流量の要求をチャージャコントローラ314に伝達することができる。チャージャコントローラ314は、バッテリチャージャ310を制御して、要求された電流量をバッテリに供給することができる。例えば、バッテリチャージャ310及び/又はバッテリパック320は、1つ以上のセル322とバッテリチャージャ310(例えば、電源312)との間に電気接続及び/又は電気伝達を提供するように構成された1つ以上の充電端子を含み得る。充電端子は、バッテリパック320がバッテリチャージャ310から取り外され得るように、及び/又は電気工具などのバッテリパック320を利用するデバイスに接続され得るように、接続可能及び/又は切断可能であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、要求された電流量は、上限電流であり得る。例えば、チャージャは、上限電流以下の量の電流を提供することができる。例えば、バッテリパック320が4アンペアしか供給できないバッテリチャージャ310に6アンペアの要求を伝達する場合、バッテリチャージャ310は4アンペアしか供給できなくてもよい。しかしながら、バッテリパック320が同じ4アンペアのバッテリチャージャ310に2アンペアの要求を伝達する場合、バッテリチャージャ310は2アンペアを供給することができる。
【0040】
電源312は、チャージャコントローラ314によって制御され得る。例えば、チャージャコントローラ314は、(例えば、バッテリコントローラ324から)取得することができ、及び/又はそうでなければ、バッテリパック320に供給される電圧及び/又は電流の量を判定することができる。チャージャコントローラ314は、判定された量の電圧及び/又は電流をバッテリパック320に供給するように、電源312を構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、チャージャコントローラは、パルス幅変調(PWM)信号などの1つ以上のデジタル信号の特性を調整して、電源312によって供給される電流及び/又は電圧及び/又は電力の量を構成することができる。例えば、コントローラは、電源312における1つ以上のパルス幅変調回路のデューティサイクル、周波数/周期などを調整することによって、バッテリパック320における電圧及び/又は電流を調整することができる。別の例として、いくつかの実施形態では、チャージャコントローラ314は、可変抵抗器、バラクタ、スイッチなどの可変構成要素などの電源312の他の構成要素を調整して、電源312によって供給される電流及び/又は電圧及び/又は電力の量を構成することができる。例えば、チャージャコントローラ314は、本明細書に記載されるように、(例えば、バッテリコントローラ324からの)最大充電電流に少なくとも部分的に基づいて、(例えば、セル322を充電するために)電源312からの電力信号を調整するように構成することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、バッテリチャージャ310の制御は、例えば、チャージャコントローラ314などの、バッテリコントローラ324以外の別のコントローラによって、少なくとも部分的に実行されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、バッテリパック320は、バッテリパック320及び/又はバッテリチャージャ310の温度測定端子などによって、温度センサ326からの温度測定値をチャージャコントローラ314に直接的に伝達することができる。チャージャコントローラ314は、本明細書に記載されるように、温度センサ326から(例えば、温度測定端子を介して)温度測定値を(例えば、間接的に)取得し、温度測定値に基づいて電源312を制御することができる。これは、バッテリパック320にバッテリコントローラ324がない場合、更新できない(例えば、バッテリコントローラ324において)ファームウェアを有するバッテリパック320のレガシーサポートを提供する場合など、バッテリパック320が本明細書で説明する方法を実行できない場合に役立ち得る。
【0042】
ここで図4を参照すると、本開示の例示的な態様に従って使用され得る1つの例示的な温度-電流曲線400が示されている。図4は、本開示の例示的な実施形態による、例示的な温度-電流曲線400を示している。曲線400は、一般に、本開示の例示的な実施形態によるいくつかの実施形態の挙動を説明することができる。例えば、温度-電流曲線400にアクセスすることは、本明細書に記載されるシステム及び方法を実施することの一例であり得る。他の例として、本明細書に記載されるシステム及び方法は、閾値チェック、ルックアップテーブル、数学的関数及び/若しくはモデル、曲線400の近似(例えば、離散化曲線)、並びに/又は他の適切な表現によって実施することができる。
【0043】
温度-電流曲線400は、温度不変領域410、温度反転領域420、及び過熱領域430を含み得る。例えば、温度反転領域420は、下限温度閾値422から上限温度閾値424まで及び得る。例えば、温度反転領域420は、下限温度閾値422における下限温度閾値から、上限温度閾値424における上限温度閾値まで及び得る。例えば、温度反転領域は、下限温度閾値422及び上限温度閾値424によって制限される温度-電流曲線の一部にわたって及び得る。温度反転領域420は、温度反転領域420にわたる温度と電流との間の逆関係を定義することができる。例えば、電流は、温度反転領域420にわたって低減され得る。
【0044】
温度不変領域410は、下限温度閾値422を下回るいくつか又は全ての温度を含み得る。示されるように、電流は、温度不変領域410内で一定及び/又は温度不変であり得る。例えば、電流制限は、温度不変領域410内の温度によって影響されない場合がある。例えば、温度不変領域410は、バッテリパック320上の全体的な上限電流などの一定の値を定義し得る。
【0045】
更に、過熱領域430は、上限温度閾値(例えば、上限温度制限)424を上回るいくつか又は全ての温度を含み得る。例えば、バッテリパック(例えば、バッテリパック320)の温度を、上限温度閾値424以下に維持することが望ましい場合がある。したがって、電流は、上限温度閾値424以上の温度でゼロに低減され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、バッテリパックの温度が過熱領域430に入った(例えば、上限温度閾値424を超える)場合、バッテリパックは、バッテリパックが下限温度閾値422などの下限温度閾値に達するまで、電流充電を停止することができる。例えば、温度が過熱領域430に入った場合、温度-電流曲線は、(例えば、温度反転領域420の代わりに)冷却領域425にシフトして、バッテリパックの温度を下限温度閾値422に達するように冷却することを可能にする。例えば、バッテリパックは、バッテリパックの温度が下限温度閾値422に達するまで最小電流を要求することができ、その時点で、バッテリパックは温度反転領域420に続いて再開することができる。
【0047】
図5は、本開示の例示的な実施形態による、充電プロセス中のバッテリパラメータのプロット500を示している。例えば、プロット500は、電流曲線502を含む。電流曲線502は、経時的に(例えば、バッテリチャージャから)1つ以上のセルに供給される電流量(例えばアンペア単位)を示している。加えて、プロット500は、温度曲線504を含む。温度曲線504は、経時的に充電されているバッテリパック(例えば、少なくとも1つのセル)の温度(例えば摂氏)を示している。加えて、プロット500は、電圧曲線506を含む。電圧曲線506は、経時的な(例えば、バッテリパック内の1つ以上のセルからの)バッテリパックの電圧(例えばボルト単位)を示している。加えて、プロット500は、充電状態曲線508を含む。充電状態曲線508は、経時的なバッテリパックの充電状態(例えばパーセンテージ)を示している。例えば、100%の充電状態はバッテリが完全に充電されていることを示し、一方、0%の充電状態はバッテリが使い尽くされていることを示す。
【0048】
プロット500は、時間の様々な段階にわたるバッテリの充電プロセスを示している。例えば、時間512において、バッテリパックは充電を開始することができる。例えば、電流曲線502によって示されるように、ゼロ以外の量の電流が、時間512においてバッテリパックに提供されて、バッテリの充電を開始することができる。時間512より前に、バッテリパックは、以前に使い果たされていたか、そうでなければバッテリパックが不完全な充電で使用されていた可能性がある。例えば、充電状態曲線508によって示されるように、バッテリパックは、最初は、0%に近い充電状態を有し得る。更に、バッテリパックの使用により、バッテリパック(例えば、1つ以上のセル)が、バッテリパックの室温又は他の周囲温度を超えて加熱された可能性がある。
【0049】
時間514において、バッテリパックは、バッテリパックの温度の増大に基づいて電流を減少させ始め得る。例えば、示されるように、時間512から時間514までチャージャによって供給される「全」電流量は、電流の結果としてバッテリパックの温度を増大させ得る。時間514において、バッテリパックの温度は、最初に、下限温度閾値を超える場合があり、その結果、最大充電電流がここで、逆関数関係によってバッテリパックの温度に関連する。追加的に及び/又は代替的に、温度は、時間514の前に下限温度閾値を超え得たが、温度から、減少した最大電流は、別の要因からの電流制限及び/又はバッテリチャージャが提供可能な最大電流よりも高かった可能性がある。電流曲線502によって時間514と時間516との間に示されるように、バッテリパックに供給される電流は、バッテリパックが過熱状態を回避できるように、逆関数関係に基づいて温度と逆に変化させることができる。
【0050】
時間516において、バッテリパックは、定電圧方式で充電され得る。例えば、時間516より前に、バッテリパックは、本明細書に記載されるように、電流がバッテリパックの温度に基づいて変化し得る「定電流」方式などの特定の電流方式で充電されていた可能性がある。しかしながら、一般に、バッテリパックの電圧は、時間516より前に増大すると予想される。しかしながら、516において、バッテリパックは代わりに定電圧方式で充電されて、バッテリパックが時間516における電圧(例えば、バッテリパックの定格電圧)を維持することができる。電圧曲線506及び充電状態曲線508によって時間516において示されるように、バッテリは完全に100%の充電状態ではない。したがって、バッテリは、バッテリが充電を完了する時間518まで、定電圧で充電し続けることができる。時間518に続いて、100%の充電状態を維持するために、電流が依然としてバッテリに供給されてもよい。
【0051】
図6は、本開示の例示的な実施形態による、過熱状態を回避するためにバッテリパックを充電するための例示的な方法600のフローチャート図を示している。図6は、例示及び検討の目的で特定の順序で実行されるステップを示しており、本開示の方法は、特に例示された順序又は配置に限定されるものではない。方法600の様々なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法で省略、再配置、結合、及び/又は適合させることができる。
【0052】
方法600は、図3のバッテリパック320及び/又はバッテリチャージャ310などの、バッテリパック及び/又はバッテリチャージャと伝達する任意の適切なコンピューティングデバイスによって実施され得る。一例として、方法600の全てのステップのいくつかは、図3のバッテリコントローラ324によって実施され得る。別の例として、方法600のいくつか又は全てのステップは、図3のチャージャコントローラ314によって実施され得る。方法600は、例えば、揮発性及び/又は不揮発性コンピュータ可読媒体、プロセッサ、プログラマブル論理回路及び/若しくはプログラマブル論理アレイ、特定用途向け集積回路、並びに/又は他の適切なコンピューティングシステムなどの、任意の適切なコンピューティング構造によって実行され得る。
【0053】
方法600は、602において、温度センサから少なくとも1つのセルの温度を示す温度測定値を取得することを含み得る。温度測定値は、バッテリパックの温度(例えば、少なくとも1つのセルの温度)を示し得る。例えば、いくつかの実施形態では、温度測定値は、温度センサから、バッテリコントローラ及び/又はチャージャコントローラなどのコントローラに伝達することができる。1つの例示的な実施形態では、単一の温度センサは、バッテリパックの温度を判定するために1つのセルの温度測定値を取得するように構成されている。例えば、単一セルの温度測定値を外挿して、バッテリパックの温度を表すことができる。本開示の例示的な実施形態によれば、他の適切な温度測定構成を採用することができる。
【0054】
追加的に及び/又は代替的に、いくつかの実施形態では、温度測定値は、バッテリチャージャに利用可能にされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、温度測定値は、バッテリパックで温度測定端子において利用可能であり得る。例えば、バッテリパックがデバイス(例えばバッテリチャージャ)で受容されると、温度測定端子は、温度測定値を示す温度測定信号(例えば、デジタル及び/又はアナログ信号)を、バッテリパックが結合されているデバイス(例えばバッテリチャージャ)に伝達することができる。バッテリチャージャ(例えばチャージャコントローラ)は、温度測定端子から温度測定値を取得することができる。
【0055】
方法600は、604において、温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定することを含み得る。例えば、下限温度閾値は、過熱状態を回避するためにバッテリパックへの電流を減少させ始めることが望ましくなる温度であり得る。一般に、下限温度閾値は、任意の適切な温度であり得、上限温度閾値よりも低い(例えば、約摂氏10度低い)温度であり得る。更に、いくつかの実施形態では、上限温度閾値は、過熱状態が発生する温度などの上限温度であり得る。コントローラは、例えば、閾値比較によるなどの任意の適切な方法で、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることを判定することができる。追加的に及び/又は代替的に、判定は、例えば、温度を数学的モデルに入力した結果として実行され得る。
【0056】
追加的に及び/又は代替的に、方法600は、606において、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値と上限温度閾値との間にあることの判定に応じて、最大充電電流を減少させることを含み得る。例えば、最大充電電流を減少させることは、バッテリチャージャから(例えば、充電電流要求によって)要求される最大充電電流を減少させることを含み得る。本開示の例示的な態様によれば、最大充電電流を減少させることは、温度測定値と最大充電電流との間の逆関数関係に少なくとも部分的に基づいて、最大充電電流を減少させることを含み得る。例えば、逆関数関係は、少なくとも1つのセルの温度が増大するにつれて、最大充電電流が減少するようにすることができる。追加的に及び/又は代替的に、最大充電電流は、温度が低下するにつれて(例えば、低下した後)、回復させる(例えば、増大させる)ことができる。いくつかの実施形態では、逆関数関係は、単調に減少する関係であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、逆関数関係は、線形に減少する関係であり得る。例えば、最大充電電流は、温度の増大に対して線形に減少し得る。他の適切な関数関係は、本開示の例示的な態様に従って使用され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、逆関数関係は、数学的モデル又は関数であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、コンピューティングシステムは、数式又は数学的モデルに基づいて最大充電電流を計算することができる。別の例として、逆関数関係はルックアップテーブルであり得るか、又はそれを含み得る。例えば、最大充電電流は、温度が入力としてルックアップテーブルに提供されるルックアップテーブルから取得され得る。本開示の例示的な態様によれば、逆関数関係(例えば閾値化)を利用するための他の適切なシステムを採用することができる。一例として、最大充電電流は、温度-電流曲線からの温度ベースの電流制限に関して判定され得る。温度-電流曲線は、例えば、フラッシュメモリ、RAM、ROM、EEPROM、ハードディスクメモリ、ソリッドステートメモリ、及び/又は任意の他の適切なメモリなどの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶することができる。例えば、いくつかの実施形態では、曲線は、ルックアップテーブル、数学的関係若しくはモデル、又は他の適切な表現として記憶することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、最大充電電流は、バッテリパックの他の要因に関して確立された様々な他の電流制限に基づき得る。例えば、電流制限は、充電状態、バッテリ電圧、セル電圧、充電タイプ(例えば、定電流対定電圧)、充電状態、充電進行などの、バッテリの様々な基準によって確立することができるが、これらに限定されない。これらの電流制限のうちの1つは、温度と充電電流の間の逆関数関係に基づいてなど、バッテリパックの温度に関して確立され得る。例えば、最小電流制限は、最大充電電流として使用されてもよい。
【0059】
追加的に及び/又は代替的に、方法600は、608において、1つ以上のセルを充電するために、最大充電電流に少なくとも部分的に基づいてバッテリチャージャを制御することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、バッテリチャージャの電源などのバッテリチャージャは、最大充電電流以下の量の電圧及び/又は電流をバッテリパックに供給するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、チャージャコントローラは、パルス幅変調(PWM)信号などの1つ以上のデジタル信号の特性を調整して、バッテリチャージャ(例えば電源)によって供給される電流及び/又は電圧及び/又は電力の量を構成することができる。例えば、コントローラは、バッテリチャージャにおける1つ以上のパルス幅変調回路のデューティサイクル、周波数/周期などを調整することによって、バッテリパックにおける電圧及び/又は電流を調整することができる。別の例として、いくつかの実施形態では、チャージャコントローラは、可変抵抗器、バラクタ、スイッチなどの可変構成要素などのバッテリチャージャの他の構成要素を調整して、バッテリチャージャによって供給される電流及び/又は電圧及び/又は電力の量を構成することができる。例えば、チャージャコントローラは、本明細書に記載されるように、(例えば、バッテリコントローラから、及び/又は充電コントローラにおいて判定されたように)最大充電電流に少なくとも部分的に基づいて、(例えば、セルを充電するための)バッテリチャージャからの電力信号を調整するように構成され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、最大充電電流に少なくとも部分的に基づいてバッテリチャージャを制御することは、バッテリチャージャからの、1つ以上のセルを充電するための最大充電電流を要求することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、バッテリコントローラは、充電電流要求を判定することができる。充電電流要求は、最大充電電流など、バッテリを充電するためにバッテリに提供される、要求された電流量を指定することができる。充電電流要求は、チャージャコントローラなどのバッテリチャージャに伝達され得る。いくつかの実施形態では、最大充電電流は、バッテリチャージャから周期的に要求され得る。例えば、最大充電電流は、電流が必要に応じて更新されることを確実にするために、規則的な間隔で判定及び要求され得る。例えば、最大充電電流要求は、刺激などに応じて、規則的な間隔及び/又は不規則な間隔を含む、設定された時間間隔などの周期的な間隔で要求され得る。
【0061】
充電電流要求を受信した後、チャージャコントローラは、充電電流要求によって指定された電流量をバッテリパック(例えばセル)に供給するようにバッテリチャージャ(例えば電源)を構成することができる。一例として、バッテリパック及び/又はバッテリチャージャは、1つ以上のセルと電源との間など、1つ以上のセルとバッテリチャージャとの間に電気接続を提供するように構成された1つ以上の充電端子を含み得る。いくつかの実施形態では、充電電流要求は、バッテリチャージャに周期的に伝達される。例えば、充電電流要求は、刺激などに応じて、規則的な間隔及び/又は不規則な間隔を含む、設定された時間間隔などの周期的な間隔で伝達され得る。
【0062】
図7は、本開示の例示的な実施形態による、過熱状態を緩和するための例示的な方法700のフローチャート図を示している。図7は、例示及び検討の目的で特定の順序で実行されるステップを示しており、本開示の方法は、特に例示された順序又は配置に限定されるものではない。方法700の様々なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法で省略、再配置、結合、及び/又は適合させることができる。
【0063】
方法700は、図3のバッテリパック320及び/又はバッテリチャージャ310などの、バッテリパック及び/又はバッテリチャージャと伝達する任意の適切なコンピューティングデバイスによって実施され得る。一例として、方法700の全てのステップのいくつかは、図3のバッテリコントローラ324によって実施され得る。別の例として、方法700のいくつか又は全てのステップは、図3のチャージャコントローラ314によって実施され得る。方法700は、例えば、揮発性及び/又は不揮発性コンピュータ可読媒体、プロセッサ、プログラマブル論理回路及び/若しくはプログラマブル論理アレイ、特定用途向け集積回路、並びに/又は他の適切なコンピューティングシステムなどの、任意の適切なコンピューティング構造によって実行され得る。
【0064】
方法700は、702において、温度センサから少なくとも1つのセルの温度を示す温度測定値を取得することを含み得る。温度測定値は、バッテリパックの温度(例えば、少なくとも1つのセルの温度)を示し得る。例えば、いくつかの実施形態では、温度測定値は、温度センサから、バッテリコントローラ及び/又はチャージャコントローラなどのコントローラに伝達することができる。1つの例示的な実施形態では、単一の温度センサは、バッテリパックの温度を判定するために1つのセルの温度測定値を取得するように構成されている。例えば、単一セルの温度測定値を外挿して、バッテリパックの温度を表すことができる。本開示の例示的な実施形態によれば、他の適切な温度測定構成を採用することができる。
【0065】
追加的に及び/又は代替的に、いくつかの実施形態では、温度測定値は、バッテリチャージャに利用可能にされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、温度測定値は、バッテリパックで温度測定端子において利用可能であり得る。例えば、バッテリパックがデバイス(例えばバッテリチャージャ)で受容されると、温度測定端子は、温度測定値を示す温度測定信号(例えば、デジタル及び/又はアナログ信号)を、バッテリパックが結合されているデバイス(例えばバッテリチャージャ)に伝達することができる。バッテリチャージャ(例えばチャージャコントローラ)は、温度測定端子から温度測定値を取得することができる。
【0066】
方法700は、704において、温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのセルの温度が上限温度閾値よりも高いことを判定することを含み得る。例えば、コントローラは、セルの温度を上限温度閾値と比較することができる。温度が上限温度閾値以上の場合、バッテリパックの充電を停止することが望ましい場合がある。例えば、1つ以上のセルの温度が上限温度閾値よりも高いと判定したことに応じて、方法700は、706において、バッテリパックの充電を停止することを含み得る。例えば、バッテリパックの充電を停止することは、充電が停止されている間にバッテリチャージャから最小電流を要求することを含み得る。最小電流は、0アンペアなど、約0.1アンペア未満など、ゼロアンペア又はそれに近い電流であり得る。例えば、バッテリパックの充電を停止することは、バッテリチャージャに停止電流要求を伝達することを含み得、この停止電流要求は、ゼロアンペア又はほぼゼロアンペアの要求を含む。
【0067】
方法700は、708において、バッテリの充電を停止した後に、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値よりも低いことを判定することを含み得る。例えば、少なくとも1つのセルの温度が下限温度閾値よりも低いことは、一般に、充電を安全に再開できることを示し得る。1つ以上のセルの温度が下限温度閾値よりも低いと判定したことに応じて、方法700は、710において、バッテリパックの充電を再開することを含み得る。例えば、いったんバッテリパックが下限温度閾値に達すると、コントローラは、本明細書で説明されるように、温度測定値に基づいて最大充電電流の判定を再開することができる。
【0068】
このように、本発明の例示的な実施形態が、完全に説明されている。記載は特定の実施形態に言及しているが、本発明がこれらの特定の詳細の変形例で実施され得ることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0069】
本発明は、図面及び先行する記載において詳細に例示及び説明されてきたが、それらは、例示的であり、性質を限定するものではないと見なされるべきであり、例示的な実施形態のみが示されて説明されており、いかなる方法でも本発明の範囲を限定しないことが理解されよう。本明細書に記載される特徴のいずれもが、任意の実施形態で使用され得ることが理解できよう。例示的な実施形態は、互いに、又は本明細書に列挙されていない他の実施形態を排除するものではない。したがって、本発明はまた、上述の例示的な実施形態のうちの1つ以上の組み合わせを含む実施形態を提供する。本明細書に示される本発明の修正及び変形は、その精神及び範囲から逸脱することなく行うことができ、したがって、添付の特許請求の範囲によって示されるような制限のみが課されるべきである。
【符号の説明】
【0070】
10 バッテリ
11 バッテリハウジング
12 嵌合面
13 端子ポスト
14、15 バッテリ端子
20 工具
21 ハウジング
22 出力
23 モータ
24 ハンドル
25 トリガ
312 電源
314 チャージャコントローラ
322 セル
326 温度センサ
324 バッテリコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7