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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】雛の性別を判定するシステム
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20230616BHJP
【FI】
A01K29/00 A
A01K29/00 D
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021200787
(22)【出願日】2021-12-10
(62)【分割の表示】P 2018525480の分割
【原出願日】2016-11-11
(65)【公開番号】P2022043144
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】62/254,737
(32)【優先日】2015-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/349,981
(32)【優先日】2016-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518163954
【氏名又は名称】アプライド ライフサイエンシズ アンド システムズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】カリンプール、 ラミン
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0035370(US,A1)
【文献】米国特許第6396938(US,B1)
【文献】特開2008-136439(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2579188(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2586302(EP,A1)
【文献】特開平6-245663(JP,A)
【文献】特開平6-245661(JP,A)
【文献】特開2001-238559(JP,A)
【文献】特表2018-511455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 29/00
A01K 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雛の性別を判定するシステムであって、
定の品種の雛を支持する移動プラットフォームであって、下向きに傾斜した傾斜コンベヤーである移動プラットフォームと、
前記傾斜コンベヤー上の雛にその翼を開かせる少なくとも1つの刺激手段と、
前記傾斜コンベヤー上の雛の少なくとも1つの画像を取り込むための画像取り込み装置と、
前記特定の品種の雄及び雌の雛の翼の模様の画像のデータベースを有するコンピュータープロセッサであって、前記コンピュータープロセッサは前記画像取り込み装置と通信し、それによって、前記雛がその翼を広げたときに前記画像取り込み装置が前記雛の少なくとも1つの画像を取り込み、前記画像を前記コンピュータープロセッサに送信し、前記コンピュータープロセッサで前記画像が処理され、性別を判定するために前記データベース内の画像と比較されるコンピュータープロセッサと
を含むシステム。
【請求項2】
前記画像取り込み装置、前記移動プラットフォーム、及び前記コンピュータープロセッサと通信するマスターコントロールシステムを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記刺激手段は、前記傾斜コンベヤーに加えられる振動、ストロボライト、又は前記雛に吹き付ける空気の流れの1つ以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピュータープロセッサと通信する除去装置であって、それによって、前記コンピュータープロセッサが前記雛の性別を判定し、どちらの性別が前記移動プラットフォームに残るかを決定すると、前記除去装置が作動し、決定された前記移動プラットフォームに残る性別とは異なる性別判定を有する雛を除去する除去装置を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記除去装置は、移動プラットフォーム位置変更装置を含む、請求項4に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(優先権)
本出願は、2015年11月13日に出願された米国仮特許出願第62/254,73
7号及び2016年6月14日に提出された米国仮特許出願第62/349,981号の
優先権を主張する。それぞれの内容は、その全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、初生雛の相対的な健康状態及び性別を検出するためのシ
ステム及び方法を対象とする。不健康な雛に関しては、病気又は怪我が検出されると、そ
れらは群れから引き離される。性別の判定に関しては、一度検出されると、雛は性別で分
けられる。
【0003】
現代の量産環境で処理される家禽には、本質的にブロイラー、種鶏及び産卵鶏の3種類
がある。ブロイラーは、人の食用に育てられて成熟すると屠殺される。種鶏は、ブロイラ
ー又は産卵鶏を繁殖させるために飼育され、産卵鶏は、人及び動物の食用の卵を産むため
に飼育される。いずれの場合も、雛が孵化すると、それらはすぐに処理され、それらの一
生の次の段階に移される。初生雛は、病気及び感染に対して弱い。雛が孵化及び居住する
混雑した状態が原因で、異常な状態又は病気で生まれた雛は、周囲の他の多くの雛に感染
させる立場にある。したがって、他の雛に病気をもたらす可能性のある病気又は先天性異
常を有する雛を取り除くことは、群れの健康にとって非常に重要である。また、深刻な病
気の雛又は身体障害のある雛を、それら自身に更なる損傷を引き起こす前に人道的に安楽
死させて処分することができるように取り除くことは、人道的なことである。
【0004】
ブロイラーの初生雛は、孵化場で迅速に処理され、「成育場」に迅速に輸送され、そこ
で食用の所望の体重まで居住し且つ成長する。
【0005】
一部の雛を苦しめる2つの一般的な病気がある。1つ目は、卵黄嚢の吸収後に腹壁が閉
鎖しないことである。このような場合、雛は開いた腹腔を持って孵化する。この状態は、
一般的に致命的である。長時間に亘って検出されないと、開いた創傷はその領域に望まし
くない細菌及び感染を引き付け、最終的には雛の死を招く。
【0006】
2つ目の障害は、奇形の又は障害を持った脚又は足又は奇形の嘴又は目である。奇形の
脚又は足を持った雛は、大規模飼養環境の厳しさに耐えて「成育場」で適切な飼料と水を
得ることができず、結果的に健康な仲間と同じように成長することはない。したがって、
それらは可能な限り迅速に除去する必要がある。
【0007】
したがって、初生雛を迅速且つ効率的に検査して、それらが家禽生産環境の厳しさに耐
えるのに十分なほど健康であるか否かを判定する必要がある。また、初生雛の身体的異常
を迅速且つ効率的に検出し、そのような異常を有する初生雛をそうでない健康な群れから
引き離すことができるようにする必要がある。
【0008】
雛の早期性別判定も、雄雌をできるだけ早く分けることを確実にして適切な資源の効率
的な投資を確実にするために家禽生産において重要である。産卵鶏の雄は価値がなく、同
様に必要とされる種鶏の雄の数は限られている。ブロイラーの場合、雄のブロイラーは望
ましくない。飼料要求率(FCR)、すなわち体重当たりの飼料のコストが、ブロイラー
の雄が好ましくないことの主な要因である。
【0009】
初生雛の性別を判定することは、1900年代初めから家禽産業において一般的なこと
であった。手作業による肛門及び羽毛の雌雄鑑別が、雄雌の雛を分けるのに業界で長年に
わたり利用されてきた。どちらの方法も、雛を手で扱うことによって雛に好ましくなく、
雌雄判別済みの雛の7日間の死亡率を増加させると考えられる。
【0010】
雛の翼羽によって初生雛の性別を判定できることが知られている。翼角における羽の模
様と長さは、雄雌の初生雛の間で異なる。しかしながら、雛の羽を手で開かせる現在の方
法は、雛の病気及び怪我の可能性を増加させる。また、手作業による方法は労働集約的で
あり、時間の経過とともに労働者に反復性の傷害を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、初生雛の性別を判定し且つ続いて性別で初生雛を分けるために初生雛を迅
速且つ自動的に検査する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に記載の実施形態は、移動プラットフォーム上に雛を配置するための装置と、
移動プラットフォーム上の雛の少なくとも1つの電子画像を取り込むための画像取り込み
装置とを有するシステムを含む。システムは、雛の品種の範囲内の健康な雛及び不健康な
雛の電子画像を含むデータベースと、画像取り込み装置及びデータベースと通信する画像
処理装置とを更に含む。取り込んだ雛の画像が画像処理装置に送られると、雛画像のデー
タベースと比較され、雛の画像がデータベースの健康な雛の画像から逸脱するか又は不健
康な雛の画像と一致するか又は異常を示す場合、雛を群れから引き離す。
【0013】
配置用装置はコンベヤーであることができる。雛の撮影画像は、正面画像であることが
できる。雛の撮影画像は、雛の胴体の画像であることができる。雛の撮影画像は、雛の脚
、顔、足の画像であることができる。
【0014】
本明細書に記載された実施形態は、初生雛の健康状態を判定する方法であって、移動プ
ラットフォーム上に雛を配置するステップと、移動プラットフォーム上の雛の少なくとも
1つの電子画像を取り込むステップとを含む方法を更に含む。方法はまた、雛の品種の範
囲内の健康な雛の電子画像を含むデータベースを提供することと、画像取り込み装置及び
データベースと通信する画像処理装置を提供することとを含む。方法は、取り込んだ画像
をデータベース内の電子画像と比較することと、取り込んだ画像がデータベース内の画像
から逸脱するか否かを判定することとを更に含む。
【0015】
本明細書に記載の実施形態は、雛に翼を広げさせるための装置と、雛の翼が広げられた
ときに雛の翼の少なくとも1つの電子画像を取り込むための画像取り込み装置とを有する
システムを更に含む。システムは、雛の品種の範囲内の雄雌の翼の模様の電子画像を含む
データベースと、画像取り込み装置及びデータベースと通信する画像処理装置とを更に含
む。取り込んだ雛の翼の画像が画像処理装置に送られると、雛の性別を判定するためにそ
の品種の雛の翼の模様のデータベースと比較される。
【0016】
雛に翼を広げさせるための装置は、好ましくは、傾斜コンベヤー又はヒンジで連結され
たプラットフォームである。画像取り込み装置は、デジタルカメラであることができる。
雛の撮影画像は正面画像であることができる。
【0017】
本明細書の実施形態はまた、雛の性別を判定する方法であって、雛を支持するための移
動プラットフォームを提供するステップと、雛にその翼を広げさせるための少なくとも1
つの刺激を導入するステップと、雛がその翼を広げたときに雛の少なくとも1つの画像を
取り込むステップとを含む方法を記載している。方法は、デジタル画像のライブラリを有
するデータベースを提供することと、画像取り込み装置及びデータベースと通信するコン
ピュータープロセッサを提供することとを更に含む。雛がその翼を広げた後、翼の画像が
撮影される。雛の翼の画像は、雛の性別を判定するためにデジタル画像のライブラリと比
較される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
実施形態の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照すること
によって明らかになるであろう。
図1】第1実施形態の一部の斜視図である。
図2】第1実施形態の側面概略図である。
図3】第1実施形態の第1傾斜コンベヤーの拡大斜視図である。
図4図2の第1実施形態の一部の拡大側面概略図である。
図5】第1実施形態のアクチュエーターの伸長位置と収縮位置の両方の図式的な表示である。
図6】第1実施形態の第2傾斜コンベヤーの拡大斜視図である。
図7】第1実施形態の様々な要素の通信の図式的な表示である。
図8図6の第1実施形態の側面概略図である。本明細書に記載された実施形態は、限定を意図するものではない。実施形態は、本明細書で定められるすべての代替物、改変物及び等価物を含むことが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書の実施形態は、雛の相対的な健康状態及び性別を判定するためのシステム及び
方法に重点を置いている。図1に示す第1実施形態10は、孵化場において雛14を移動
する第1コンベヤー12を含む。雛14は他のコンベヤー及び仕切りによって予め分離さ
れ、現在は縦一列で第1コンベヤー12に沿って移動していることを理解されたい。第1
コンベヤー12は、第1コンベヤー上の雛14の存在を感知するために存在センサー16
を有する。1つ以上のカメラ18が、第1コンベヤー12の経路に沿って配置される。カ
メラ18は、雛の腹部、脚及び足に焦点を合わせることができるように、雛14の体と同
じ高さのコンベヤーの端部に配置されることが好ましい。また、カメラ18は、雛に焦点
を合わせることができるが、第1コンベヤーに沿った雛の移動を妨げないように、第1コ
ンベヤー12の上空に装着されることができる。コンベヤーという用語は、物体(この場
合は動物)を第1位置から第2位置に運ぶことができる任意のタイプのハンドリング機構
を意味すると理解される。コンベヤーという用語は、コンベヤーベルト、移動プラットフ
ォームなどを含むが、これらに限定されない。
【0020】
カメラ18は、好ましくは、各雛14が第1コンベヤー12に沿って移動するときに各
雛14のライブビデオ映像を撮影することができるビデオカメラである。カメラ18は、
マスターシステムコントローラ44及びコンピュータープロセッサ32(図7)と通信す
る。コンピュータープロセッサ32は、健康な雛14及び不健康な雛14の画像のデータ
ベースを含む。コンピュータープロセッサ32は、カメラ18からの画像を受信して処理
し、雛画像が更なる注意を必要とする異常又は不整の兆候を示すか否かを判定するように
設計される。このプロセスの詳細については後述する。
【0021】
図2に示すように、傾斜コンベヤー20が、第1コンベヤー12に隣接し且つ第1コン
ベヤー12の下に配置される。第1傾斜コンベヤー20は、水平線に対して角度θで配向
される。
【0022】
第1傾斜コンベヤー20は、近位端22と遠位端24とを有する。傾斜コンベヤー20
は、傾斜コンベヤーを支持するフレーム26を有する(図4)。傾斜コンベヤー20のフ
レーム26は、近位端22において、システム全体のフレーム構造などの固定構造物に回
転可能に連結される。フレーム26は、雛が傾斜コンベヤー20から脱落するのを防止す
る一対のレール28を支持する。
【0023】
図3~5に示すアクチュエーター30は、傾斜コンベヤー20のフレーム26に、また
システム全体のフレーム構造などの支持構造物に固定的に連結される。アクチュエーター
30は、通常、伸長位置で傾斜コンベヤー20を支持するように配置される。作動させる
と、アクチュエーター30は収縮して傾斜コンベヤー20のフレーム26をその近位端2
2の周りで旋回させ、遠位端24を更に下方に旋回させて角度θを増大させる。アクチュ
エーター30は、アクチュエーターを遠隔制御するコンピュータープロセッサ32と通信
する。
【0024】
図2に戻って、第3コンベヤー34が、傾斜コンベヤー20の下に配置され、傾斜コン
ベヤーがその伸長位置にあるときに傾斜コンベヤー20から雛14を受け入れるように配
置される。第4コンベヤー36が、傾斜コンベヤー20の更に下に配置され、収縮させた
ときの傾斜コンベヤー20に対して垂直に向けられる。第4コンベヤー36は、傾斜コン
ベヤー20がアクチュエーター30によって引っ込められたときに傾斜コンベヤー20か
ら雛14を受け入れる。このことについては以下でより詳細に説明する。
【0025】
図2及び6に示す第2傾斜コンベヤー38が、第3コンベヤー34のすぐ下に配置され
、第3コンベヤー34から雛14を受け入れる。第2存在センサー40が、第3コンベヤ
ー34の端部に配置される。第2存在センサー40は、第2傾斜コンベヤー38の経路に
沿って雛14の存在を感知する。
【0026】
カメラ18は、第3コンベヤー34の端部に、及び第2傾斜コンベヤー38の経路に沿
った1つ以上の地点に配置される(図6)。カメラ18は、雛14が通過する際に雛14
の翼の模様に焦点を合わせるように配置される。
【0027】
ファン42が、第2傾斜コンベヤー38の経路に沿って配置される(図6)。ファン4
2は、雛14が通過するときに空気を上方に導くように配置される。ファンの作動は、マ
スターコントロールシステム44によって制御される。マスターコントロールシステムは
、コンピュータープロセッサ32と通信する(図7)。
【0028】
図6に示す振動機構46が、第2傾斜コンベヤー38に固定される。使用中、振動機構
46は、第2傾斜コンベヤー38を振動させる。振動機構46は、マスターコントロール
システム44と通信する。ストロボライト47が、コンベヤー38の端部に向かってコン
ベヤー38の経路の上方に配置される。ストロボライト47もまた、マスタコントローラ
44と通信する。
【0029】
図2に示すように、第5コンベヤー48が、第2傾斜コンベヤー38の端部に配置され
る。第5コンベヤー48は、第2傾斜コンベヤー38から降りるこれらの雛14を受け入
れる。第6コンベヤー50が、第2傾斜コンベヤー38のすぐ下に且つ第2傾斜コンベヤ
ー38に対して垂直に配置される。第6コンベヤー50は、第2傾斜コンベヤー38がそ
の引っ込められた位置にあるときに第2傾斜コンベヤー38から離れるように動かされる
これらの雛14を受け入れる。このプロセスを以下でより詳細に説明する。
【0030】
コンピュータープロセッサ32は、そこに格納されている様々なニワトリ品種の雛の翼
の模様のデジタル画像のライブラリを有するデータベースを含む。コンピュータープロセ
ッサ32(図7)はまた、マスターコントロールシステム44を介して第2存在センサー
40、カメラ18、及びアクチュエーター30(図6)と通信する。更に、コンピュータ
ープロセッサ32は、コンベヤーの速度を制御し、全体的な運転機能を制御するマスター
コントロールシステム44と通信する。マスターコントロールシステム44は、前述のそ
れぞれの開始及び停止をマスターコントロールシステムによって制御することができるよ
うに、カメラ18、ファン42、及び振動機構46(図6)と電子的に通信する。前述の
要素間の通信の図式的な表示を図7に示す。
【0031】
使用するとき、雛14が孵化した後、雛14は最初に処理され、最終的に第1コンベヤ
ー12上に移動される。新たに孵化した雛14をコンベヤー12に移動させるために使用
することができる一連の他のコンベヤー及び仕切りなど(図示せず)が存在し得ることに
留意されたい。ただし、このような機器及び詳細な実施についてはここでは説明しない。
【0032】
雛14が第1コンベヤー12に沿って移動するとき、第1存在センサー16は、第1コ
ンベヤー12に沿って移動する雛の存在を検出する(図2)。存在センサー16は、コン
ピュータープロセッサ32と通信し、コンピュータープロセッサ32は、第1コンベヤー
12の経路の端部で且つ第1コンベヤー12の経路の上に及び傾斜コンベヤー20に沿っ
て配置されたカメラ18を作動させる(図3)。カメラ18は、雛の少なくとも1つの画
像を撮影する。好ましくは、カメラ18は、雛の腹部、脚、顔の特徴及び足のビデオ画像
を撮影することができる。
【0033】
1つ又は複数の画像は、コンピュータープロセッサ32に電子的に伝達される(図7
。コンピュータープロセッサ32は、画像を処理し、それらの画像を同じ品種の健康な雛
及び不健康な雛のデータベース内の画像と比較する。カメラ画像をデジタル画像ライブラ
リと比較する際に、コンピュータープロセッサ32は、データベース内の標準画像から得
られる画像における異常又は逸脱を検出することができる。撮影画像に逸脱が検出された
場合、コンピュータープロセッサ32は、より注意を必要とする異常又は障害としてこの
ような逸脱を登録する。
【0034】
したがって、コンピュータープロセッサは、その結果をマスターコントロールシステム
44と通信し、マスターコントロールシステム44はアクチュエーター30を作動させる
図4)。これにより、第1傾斜コンベヤー20の近位端22が旋回し、遠位端24が下
方に揺動して角度θを増大させる。ある角度θで、雛14は、第1傾斜コンベヤー上に留
まることができず、更なる手作業による検査のために第4コンベヤー36(図2)上に落
とされる。雛が健康でない場合、雛は他の健康な群れから分離される。雛が実際には健康
であれば、雛は更なる処理のために群れに戻される。
【0035】
雛が第4コンベヤー36に移されると、アクチュエーター30(図5)が反転され、第
1傾斜コンベヤー20をその伸長位置に戻させる。これにより、第1傾斜コンベヤー20
の遠位端24は近位端22がそれ自体の周りで旋回するにつれて上方に揺動し、角度θが
減少する。アクチュエーターが第1傾斜コンベヤー20をその元の位置に戻すと、別の雛
14を受け入れることができる。このようにして、健康な雛のみが第3コンベヤー34に
進むことを許される。
【0036】
健康な雛が第3コンベヤー34に進むと、第2存在センサー40(図6)が第3コンベ
ヤー34上の雛の存在を検出する。第2存在センサー40は、コンピュータープロセッサ
32及びマスターコントロールシステム44(図7)と通信して、第2傾斜コンベヤー3
8に隣接するカメラ18、ファン42、ストロボライト47及び振動機構46を作動させ
る。
【0037】
第3コンベヤー34に沿った移動の最後に、雛は第2傾斜コンベヤー38上に移動する
。この時点で、雛は、第2傾斜コンベヤー38に直面し、雛の足から雛の顔面及び頭部に
向かって上向きに吹く空気がファン42によって形成される。また、振動機構46の作動
の結果として、第2傾斜コンベヤー38の表面が振動している。上向きに吹く空気と振動
する面は、雛にバランスを失ったように感じさせる。そのバランスを取り戻すために、雛
は翼を持ち上げて羽ばたき始める。そのとき、カメラ18は開いた翼の模様の画像を撮影
する。ストロボライト47の点滅もまた、雛に同様の刺激効果があると予想される。
【0038】
画像はコンピュータープロセッサ32と通信され(図7)、コンピュータープロセッサ
32が画像を処理し、それらをその品種の雛のデータベース内の雄雌の翼の模様の画像と
比較する。画像を比較することで、コンピューターは当該雛の性別を判定することができ
る。コンピュータープロセッサ32が雛を雌であると判定すると、雛は第5コンベヤー4
8に進むことを許され、第5コンベヤー48において雛は木箱に詰められ、成育場に移さ
れる。雛が雄であると判定されると、コンピュータープロセッサ32がアクチュエーター
30を作動させ、アクチュエーター30が収縮し、第2傾斜コンベヤー38を旋回させ、
遠位端20を下方に揺動させて角度θを増大させる。ある角度θで、雛14は第2傾斜コ
ンベヤー38の上に留まることができず、更なる処理のために別のコンベヤー50上に落
とされる。雛は性別で分けられ、別々に処理される。
【0039】
雄の雛14が別のプラットフォームに移されると、マスターコントロールシステム44
はアクチュエーター30を停止させる(図6)。これにより、第2傾斜コンベヤー38が
その伸長位置に戻る。これにより、第2傾斜コンベヤー38の遠位端20は近位端18が
それ自体の周りで旋回するにつれて上方に揺動し、角度θが減少する。アクチュエーター
30が第2傾斜コンベヤー38をその元の位置に戻すと、別の雛を受け入れることができ
る。
【0040】
したがって、本明細書の実施形態は、上記の目的、目標及び利点を完全に満たすことが
明らかである。前述の説明を考慮すれば、多くの代替物、改変物及び変形物が当業者に明
らかであることが分かる。したがって、添付の特許請求の範囲の主旨及び範囲内にあるよ
うなこのような代替物、改変物及び変形物のすべてを含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8