(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】ラボラトリオートメーションシステムのコンポーネントを接続するための接続ジョイント
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20230616BHJP
【FI】
G01N35/04 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021206776
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オイゲン ルッサー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】レオン フェリペ アポダカ ルハン
(72)【発明者】
【氏名】ティモ グートマン
(72)【発明者】
【氏名】アビナッシュ アディハリ ナラヤナ
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106695232(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0004056(US,A1)
【文献】特開2007-209861(JP,A)
【文献】実開昭54-034339(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G10N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラボラトリオートメーションシステム(162)の少なくとも2つのコンポーネント(176、178)を調整可能に接続するための接続ジョイント(110)であって、
A.前記ラボラトリオートメーションシステム(162)の前記少なくとも2つのコンポーネント(176、178)の第1のコンポーネント(176)に
固定して接続可能な水平ベアリングユニット(112)と、
B.前記ラボラトリオートメーションシステム(162)の前記少なくとも2つのコンポーネント(176、178)の第2のコンポーネント(178)に
固定して接続可能な垂直ベアリングユニット(114)と、
C.前記水平ベアリングユニット(112)を前記垂直ベアリングユニット(114)に接続するスライダーバー(116)と、
を含み、
前記スライダーバー(116)は、前記垂直ベアリングユニット(114)内を垂直軸(118)に沿って移動可能に取り付けられており、
前記スライダーバー(116)は、前記水平ベアリングユニット(112)において調整可能に取り付けられており、
前記スライダーバー(116)は、前記水平ベアリングユニット(112)により、前記垂直軸(118)に略直交する少なくとも一次元において調整可能であ
り、
前記第1のコンポーネント(176)が、前記ラボラトリオートメーションシステム(162)のラボラトリステーションであり、前記第2のコンポーネント(178)が、前記ラボラトリオートメーションシステム(162)のラボラトリ分配システムである、または、
前記第1のコンポーネント(176)が、前記ラボラトリオートメーションシステム(162)のラボラトリ分配システムであり、前記第2のコンポーネント(178)が、前記ラボラトリオートメーションシステム(162)のラボラトリステーションである、
接続ジョイント(110)。
【請求項2】
前記スライダーバー(116)は、前記垂直ベアリングユニット(114)内を前記垂直軸(118)に沿ってスライド可能に取り付けられている、請求項1に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項3】
前記垂直ベアリングユニット(114)は、少なくとも1つのスライドベアリング(140)を含み、
前記スライドベアリング(140)は、少なくとも1つのベアリングボア(142)を含み、
前記ベアリングボア(142)は、前記スライダーバー(116)を部分的に受容するために構成されている、
請求項1又は請求項2に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項4】
前記スライダーバー(116)は、前記スライドベアリング(140)の前記ベアリングボア(142)内をスライド可能に取り付けられている、請求項3に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項5】
前記スライダーバー(116)は、前記水平ベアリングユニット(112)において、前記垂直軸(118)に直交する前記少なくとも一次元における調整可能な位置に固定して取り付けられている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項6】
前記水平ベアリングユニット(112)は、前記水平ベアリングユニット(112)を前記第1のコンポーネント(176)に固定して接続するための1つ又は2つ以上の接続エレメント(120)を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項7】
前記水平ベアリングユニット(112)は、少なくとも1つの第1のリニアガイド(126)を有する少なくとも1つの第1の部分(124)と、少なくとも1つの第2のリニアガイド(132)を有する少なくとも1つの第2の部分(130)と、を含む、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項8】
前記第1の部分(124)と前記第2の部分(130)とは、互いに略直交して配置されている、請求項7に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項9】
前記第1の部分(124)と前記第2の部分(130)とは、互いに調整可能に取り付けられている、請求項7又は請求項8に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項10】
前記第2の部分(130)に対する前記第1の部分(124)の位置は、前記第2のリニアガイド(132)により定められる軸(136)に沿って調整可能である、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項11】
前記第1の部分(124)に対する前記スライダーバー(116)の位置は、前記第1のリニアガイド(126)により定められる軸(158)に沿って調整可能である、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項12】
前記スライダーバー(116
)の1つの端(156)は、前記第1のリニアガイド(126)において部分的に受容される、請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の接続ジョイント(110)。
【請求項13】
複数のラボラトリステーション(164)と、
前記ラボラトリステーション(164)間でラボラトリカーゴを分配するよう構成されている、少なくとも1つのラボラトリ分配システム(166)と、
前記ラボラトリステーション(164)の少なくとも1つを前記ラボラトリ分配システム(166)に接続する、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの接続ジョイント(110)と、
を含むラボラトリオートメーションシステム(162)。
【請求項14】
前記ラボラトリステーション(164)の1つは、少なくとも2つの前記接続ジョイント(110)を介して前記ラボラトリ分配システム(166)に接続される、請求項13に記載のラボラトリオートメーションシステム(162)。
【請求項15】
ラボラトリオートメーションシステム(162)の少なくとも2つのコンポーネント(176、178)を調整可能に接続するための方法であって、
i.接続ジョイント(110)に関する請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの接続ジョイント(110)を提供するステップと、
ii.水平ベアリングユニット(112)を、前記ラボラトリオートメーションシステム(162)の前記少なくとも2つのコンポーネント(176、178)の第1のコンポーネント(176)に
固定して接続するステップと、
iii.垂直ベアリングユニット(114)を、前記ラボラトリオートメーションシステム(162)の前記少なくとも2つのコンポーネント(176、178)の第2のコンポーネント(178)に
固定して接続するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための接続ジョイントと、ラボラトリオートメーションシステムと、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための方法と、に関する。ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための接続ジョイントと、ラボラトリオートメーションシステムと、方法と、は、具体的には、医療又は化学の研究所の分野において、特に、体外診断(in vitro diagnostics又はIVD)のために使用され得る。しかし、本発明の他の応用分野が実現可能である。
【背景技術】
【0002】
体外診断のテストを行うことは、臨床的判断に大きな影響をおよぼし、極めて重要な情報を医師に提供する。特に、救命救急設定における正確なテスト結果を迅速に提供することに、大きな注目が集まっている。体外診断のテストを行うことは通常、1つ又は2つ以上の処理ステップ又はワークフローステップを、1つ又は2つ以上の生物学的サンプル及び/又は1つ又は2つ以上の試薬に実行するよう操作可能な機器、例えば、分析前機器、及び、分析後機器、また、分析機器、を使用して行われる。
【0003】
分析機器又はアナライザは、測定値を取得するよう構成されている。アナライザは、各種の化学的、生物学的、物理的、光学的、又は他の技術的手順を介して、サンプル又はそのコンポーネントのパラメータ値を判定するよう操作可能である。アナライザは、サンプルの、又は、少なくとも1つの検体のそれらのパラメータを測定し、取得した測定値を返すよう操作可能であってよい。アナライザより返された、可能性のある分析結果のリストは、限定なく、サンプルにおける検体の濃度、(検出レベルを超える濃度に対応する)サンプルにおける検体の存在を示すデジタル(イエス又はノー)結果、光学的パラメータ、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid又はDNA)又はリボ核酸(ribonucleic acid又はRNA)シーケンス、プロテイン又は代謝産物の質量スペクトロスコピーから取得したデータ、及び、各種のタイプの物理的又は化学的パラメータを含む。分析機器は、サンプル及び/又は試薬のピペット操作、投与、及び混合をアシストするユニットを含んでよい。
【0004】
医療又は化学の研究所の分野では、サンプルチューブを分析機器間で分配するために、サンプルトランスポートシステムが使用されてよい。チューブは、多種多様なサンプル、例えば、血液、血清又は血漿、尿又は化学物質を含んでよい。チューブはまた、異なる形状、直径、色、高さなどを有する各種のタイプであり得る。トランスポートシステムは、分析機器のそれぞれにサンプルチューブを届けるために、それらサンプルチューブを受容するための複数のキャビティを含んでよい。
【0005】
容器を異なるステーション間で運ぶためのシステムの例示的実施形態が、WO2011/138448A1に説明されている。容器を異なるステーション間で運ぶためのシステムが説明されている。容器は、容器キャリアに収容されている。このシステムは、容器キャリアの運搬を制御するコントロールユニットと、サブ表面に細分されており、容器キャリアが移動可能に配置され得る運搬面と、駆動手段と、を含む。駆動手段は、コントロールユニットによりアクティブにされ、各ケースにおける1つの駆動手段が、各ケースにおける1つのサブ表面にアサインされている。各ケースにおける駆動手段は、駆動力を用いて、関連付けられている容器キャリアを提供するために設計されている。
【0006】
EP3 196 652A1は、多くの診断ラボラトリ容器キャリア及びコンベヤデバイスを持つラボラトリオートメーションシステムにおいて使用するためのラボラトリ分配システムを説明する。コンベヤデバイスは、閉ループコンベヤパスウェイを画定するエンドレス駆動部材、特に、ベルト又はチェーンと、エンドレス駆動部材に取り付けられている多くの支持エレメントと、を含む。支持エレメントは、1つの診断ラボラトリ容器キャリアを受容するため、及び、その診断ラボラトリ容器キャリアを、上向き位置にて、コンベヤパスウェイの少なくとも1つのセクションに沿って運ぶために適合されている。支持エレメントはそれぞれ、コンベヤパスに沿っての移動中に、上向き使用位置にて、支持エレメントを保持するために、駆動部材に向けて、水平ピボット軸を中心に枢動可能に取り付けられている。
【0007】
典型的には、サンプルチューブを分析機器間で分配するために使用されてよい1つ又は2つ以上のサンプルトランスポートシステムを含むラボラトリオートメーションシステムが、大きく広まっている。例示的に、ラボラトリオートメーションシステムは、20mから40mの長さを有してよい。サンプルトランスポートシステムと分析機器との水平アライメントを実現することを目的として、ラボラトリオートメーションシステムは、高さの違いを補償するために、複数の調整可能な脚を含んでよい。高さの違いは、例示的に、ラボラトリオートメーションシステムが設置されている床面の高さが大きく異なることから出現する場合がある。さらに、高さの違いは、調整可能な脚が床面に沈み込むことからもたらされる場合がある。したがって、水平アライメントをさらに改善する必要がある。
【0008】
垂直方向及び水平方向に調整可能となり得る位置決め部品を含む、各種のデバイスが知られている。したがって、DE3813 477C1は、基本的に無重力状態に物体を保持するための機器を説明する。この機器は、一定の垂直軸を持つキャリアデバイス部分と、キャリアデバイス部分に接続されており、キャリアデバイス部分に関して垂直に調整することができ、さらに、水平面において変位させることができ、物体を取り付けるための耐荷重性確保手段をも示す位置決めデバイス部分と、耐荷重性確保手段の、キャリアデバイス部分に関しての水平調整のための、一定の水平の、第1のリニアガイド部分と、物体がそれを中心に回転できる一定の水平軸と、の特徴を持つ。
【0009】
US3 511 462Aは、光学的コンポーネントを支持して、これを心出しするためのデバイスを説明する。光学的コンポーネントは、フレーム内にスライドするよう適合されており、光学的コンポーネントの長さにしたがう調節可能な距離にて相対するよう置かれている2つのアームが支える2つのサポートを含む。第1のサポートは、ユニバーサルジョイントとして配置されている2つの同心円状のリングからなる。第2のサポートは、フローティングリングからなる。フローティングリングは、2つの非平行方向への並進運動に変位され得るマイクロメータスクリュを用いて留められた2つのシャンクと協働する。光学的コンポーネントは、セントラルリングにおけるスクリュを用いて、及び、リングにおけるスクリュなどのエレメントを用いてロックされている。リングは、シャンクの端上のフリクションシュー又はボールベアリングに対して、スプリングにより押されている。フレームは、サポート上を方向Yにスライドできる。サポート自体は、ベース上を方向Zにスライドする。ベースもまた、ピボットピンを中心とする旋回運動が可能である。
【0010】
EP0024073A1は、3つの空間方向における正確な調整を説明する。この調整は、ハンドルからなる操作部材の支援を用いて取得される。ハンドルの回転は、ベースの一部上のジンバルにより作用する。ベースの一部は、機器を高さ方向に、内部レバー内に動かすために使用される。内部レバーは、ジンバルにより画定される回転の中心を中心としてアクチュエータが傾けられると、ハンドルに遊びなく接続され、したがって、ベースに対する、ベースの水平変位を作り出す。内部レバーは、すべての方向にスイングできるよう、ベースに固定されているソケットに収められており、その下端は、球状の脚の形態であり、ベース上に直接乗っている。内部レバーを収めているソケットは、ジンバルの面に、又は、その付近に配置されている。球状の脚の半径は、ソケットとベースとの間の距離に対応する。
【0011】
CN109102842Aは、二次元面並進調整デバイスを説明する。これは、アウタフレームと、ミドルフレームと、インナフレームと、を含む。アウタフレームの上壁と左壁とには、それぞれ、スクリュ孔Iとスクリュ孔IIとが提供されている。アウタフレームの右壁には、貫通孔Iが提供されている。アウタフレームの上部の中心には、インナフレームの上壁とマッチする垂直調整トップホイールが提供されている。ミドルフレームの外壁とマッチする水平調整トップホイールは、アウタフレームの右壁の中心に配置されている。アウタフレームはミドルフレームを覆う。ミドルフレームの上壁の中間には、アウタフレームの上部の中心に、垂直調整トップホイールとマッチする貫通孔IIが提供されている。スクリュ孔IIIとスクリュ孔IVとが、それぞれ、ミドルフレームの右壁と底壁とに配置されている。アウタフレームの底壁には、ガイディング溝が提供されている。本発明により開示される二次元面並進調整デバイスは、構造がシンプルであり、便利であり、作動が迅速であり、垂直方向での運動と水平方向の運動の摩擦係数を効果的に減らし、スムーズさを確保し、運動中に止まることがない。
【0012】
これら既知の方法とデバイスとにより実現されるこれらの利点にも関わらず、各種の技術的な課題が残っている。具体的には、数メートルにわたって伸長するデバイスのアライメントには、技術的な課題が残っている。接続されているデバイスは、垂直軸において動く場合がある、又は、デバイスの作動中に異なる率にて沈み込む場合がある。したがって、設置後や長期間にわたって出現する高さの違いを補償するデバイスが求められている。さらに、ねじれ防止構成の実現には、技術的な課題が残っている。
【発明の概要】
【0013】
したがって、同種の既知の方法とデバイスとの上記の技術的な課題に少なくとも部分的に対処する、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための接続ジョイントと、ラボラトリオートメーションシステムと、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための方法と、を提供することが望ましい。具体的には、ラボラトリオートメーションシステムのアライメントを改善する、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための接続ジョイントと、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための方法と、が提案されなければならない。また、ラボラトリオートメーションシステムには、アライメントの改善が提案されなければならない。
【0014】
この問題は、独立請求項の特徴を持つ、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための接続ジョイントと、ラボラトリオートメーションシステムと、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための方法と、により対処される。単独にて、又は、いずれの任意の組み合わせにて実現されてよい好適な実施形態を、従属請求項、同様に、本明細書を通して一覧する。
【0015】
以下に使用されるように、用語「持つ(have)」、「含む(comprise)」、「含む(include)」、又はそれらのいずれの任意の文法的バリエーションは、非排他的に使用される。したがって、これらの用語は、ともに、これらの用語により導入される特徴に加えて、このコンテキストにおいて説明されるエンティティにおいてさらなる特徴が存在しない状況と、1つ又は2つ以上のさらなる特徴が存在する状況と、を指す場合がある。一例として、表現「AはBを有する(A has B)」、「AはBを含む(A comprises B)」、及び「AはBを含む(A includes B)」は、ともに、Bに加えて、Aにおいて他のエレメントが存在しない状況(つまり、Aは、単独で、排他的に、Bからなる状況)と、Bに加えて、エンティティAにおいて1つ又は2つ以上のさらなるエレメント、例えば、エレメントC、エレメントCとD、又は、もっとさらなるエレメント、が存在する状況と、を指す場合がある。
【0016】
さらに、特徴又はエレメントが、一回だけでなく、一回又は二回以上現れる場合があることを示す用語「少なくとも1つ(at least one)」、「1つ又は2つ以上(one or more)」、又は同様の表現は、典型的には、それぞれの特徴又はエレメントを導入する際に一回のみ使用されるであろうことに留意しなければならない。以下では、多くの場合において、それぞれの特徴又はエレメントを指す際に、表現「少なくとも1つ(at least one)」又は「1つ又は2つ以上(one or more)」は、それぞれの特徴又はエレメントが、一回だけでなく、一回又は二回以上現れる場合があるという事実に逆らうことなく、繰り返されない場合がある。
【0017】
さらに、以下に使用されるように、用語「好ましくは(preferably)」、「より好ましくは(more preferably)」、「特に(particularly)」、「とりわけ(more particularly)」、「具体的には(specifically)」、「より具体的には(more specifically)」、又は同様の用語が、任意の特徴に関連して、代替的な可能性を制約することなく使用される。したがって、これらの用語により導入される特徴は、任意の特徴であり、特許請求の範囲を、いかなる方法によっても制約することを意図されていない。本発明は、当業者が認識するであろうように、代替的な特徴を使用することにより行われてよい。同様に、「本発明の実施形態では(in an embodiment of the invention)」又は同様の表現により導入される特徴は、本発明の代替的な実施形態に関するいずれの制約なく、本発明の範囲に関するいずれの制約なく、及び、そのように導入される特徴を、本発明の他の任意の特徴又は任意でない特徴と組み合わせる可能性に関するいずれの制約なく、任意の特徴となるよう意図されている。
【0018】
本発明の第1の態様では、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための接続ジョイントが開示される。接続ジョイントは、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに接続可能な水平ベアリングユニットを含む。さらに、接続ジョイントは、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントに接続可能な垂直ベアリングユニットを含む。さらに、接続ジョイントは、水平ベアリングユニットを垂直ベアリングユニットに接続するスライダーバーを含む。スライダーバーは、垂直ベアリングユニット内を垂直軸に沿って移動可能に取り付けられている。スライダーバーは、水平ベアリングユニットにおいて調整可能に取り付けられている。スライダーバーは、水平ベアリングユニットにより、垂直軸に略直交する少なくとも一次元において調整可能である。
【0019】
用語「ラボラトリ(laboratory)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、化学的サンプル及び/又は生物学的サンプルなどのテストサンプルなどの少なくとも1つのサンプルを用意及び/又は分析するために構成されている少なくとも1つの機器を含む少なくとも1つの環境を指してよい。具体的には、サンプルは、サンプルチューブなどの少なくとも1つの容器に収められてよい。ラボラトリとは、対応する測定及び制御を行う機会を提供するという点において、自然科学及び/又はエンジニアリングの分野における作業のために構成されている場所であってよい。
【0020】
用語「ラボラトリオートメーションシステム(laboratory automation system)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、サンプルを自動的に扱うために構成されているシステムを指してよい。具体的には、ラボラトリオートメーションシステムは、サンプル、具体的には、サンプルが自律的に、及び/又は、完全に又は部分的に自動的に封入されているサンプルチューブなどの容器に収められているサンプルを処理するために構成されてよい。ラボラトリオートメーションシステムは、一例として、少なくとも1つのサンプルを1つの位置から別の位置に移動させるために構成されている、アクチュエータなどの、少なくとも1つのラボラトリ分配システムを含んでよい。ラボラトリオートメーションシステムは、1つ又は2つ以上のサンプルを扱うため、及び/又は、これらを処理するための、1つ又は2つ以上のハンドリングステーションをさらに含んでよい。ラボラトリオートメーションシステムは、サンプルの分析のための少なくとも1つのラボラトリステーションをさらに含んでよい。
【0021】
ラボラトリオートメーションシステムが使用されるラボラトリは、臨床ラボラトリ、法医学ラボラトリ、又は血液バンクなどの医療ラボラトリなどであってよい。さらに、ラボラトリオートメーションシステムが使用されるラボラトリは、分析ラボラトリなどの化学ラボラトリであってよい。また、他の応用が実現可能であってよい。
【0022】
本発明のコンテキストにおいて使用されてもよいラボラトリシステムの例示的実施形態について、ここに説明する変形例と共に、WO2011/138448A1などが参照されてよい。しかし、他のラボラトリシステムが使用されても良い。
【0023】
用語「コンポーネント(component)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、メカニカル及び/又はメカトロニカルシステムの一部を指してよい。コンポーネントは、独立して扱われてよい、又は、少なくとも1つの共通機能を満たすために、接続可能又は統合可能に接続されてよい。用語「第1のコンポーネント(first component)」と「第2のコンポーネント(second component)」とは、命名されたエレメントを番号付けすること又は順位付けすることなく、順序を指定することなく、及び、複数種の第1のコンポーネントと第2のコンポーネントとが存在する場合があることの可能性を排除することなく、単なる用語とみなされてよい。さらに、追加的なコンポーネント、例えば、1つ又は2つ以上の第3のコンポーネントが存在する場合がある。
【0024】
第1のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリステーションであってよく、第2のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリ分配システムであってよい。これらの逆もしかり。したがって、第1のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリ分配システムであってよく、第2のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリステーションであってよい。ラボラトリステーションとラボラトリ分配システムとについてのさらなる詳細を、以下に示す。
【0025】
用語「接続ジョイント(connecting joint)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、少なくとも2つの物理的物体間の機械的結合を形成するために構成されている任意のエレメントを指してよい。したがって、少なくとも1つの第1の物理的物体は、エレメントを介して少なくとも1つの第2の物理的物体に機械的に接続されてよい。具体的には、エレメントは、第1の物理的物体に機械的に接続可能であってよく、エレメントは、第2の物理的物体に機械的に接続可能であってよい。機械的接続は、具体的には、インターロッキング接続と、摩擦接続と、物質間結合と、からなるグループから選択されてよい。したがって、エレメントは、第1の物理的物体と第2の物理的物体との間の可動性を制約するために構成されてよい。
【0026】
接続ジョイントは、少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するために構成されてよい。用語「調整可能に接続するために構成されている(configured for adjustably connecting)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、少なくとも2つの物理的物体間の可動性を適合可能に制約するために構成されている任意のジョイントのプロパティを指してよい。したがって、第2の物理的物体に対する第1の物理的物体の相対位置は、ジョイントを介して適合可能であってよい。具体的には、第2の物理的物体に対する第1の物理的物体の相対位置は、ジョイントを介しての、他の物理的物体に対する第1の物理的物体と第2の物理的物体との1つの回転運動及び/又は並進運動により変更可能であってよい。具体的には、ジョイントは、第1の物理的物体への、及び、第2の物理的物体への、それぞれの機械的接続を形成するために構成されてよく、その後、第2の物理的物体に対する第1の物理的物体の相対位置が調整されてよい。例示的に、ジョイントは、互いに対して並進移動可能及び/又は回転移動可能である少なくとも2つの部分を有してよい。
【0027】
上に概説するように、接続ジョイントは、水平ベアリングユニットと、垂直ベアリングユニットと、を含む。用語「ユニット(unit)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、少なくとも1つの共通機能を満たすために、別のエレメントと相互作用するよう構成されている任意のエレメントを指してよい。具体的には、エレメントは、共通コンポーネントを形成するために、互いに接続されてよい、互いに接続可能であってよい、又は、互いに統合可能であってよい。したがって、ユニットは、部品又はコンポーネントを指してもよい。
【0028】
用語「ベアリングユニット(bearing unit)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、少なくとも1つのさらなるデバイス又はコンポーネントを支えるために、及び/又は、支持するために構成されている任意のデバイス又はコンポーネントを指してよい。ベアリングユニットは、具体的には、少なくとも2つの物理的物体間の相対運動を、それら物理的物体間の所望する運動のみに抑制するために構成されてよい。さらに、コンポーネントは、それら物理的物体間の摩擦を減らすために構成されてよい。ベアリングユニットは、物理的物体上にかかる垂直抗力の1つ又は2つ以上のベクトルを制御することにより、運動を防ぐために構成されてよい。
【0029】
用語「垂直ベアリングユニット(vertical bearing unit)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、垂直軸における少なくとも2つの物理的物体間の運動を可能にするために構成されている任意のベアリングユニットを指してよい。垂直軸は、軸zに対応してよく、上記に画定するような軸xと軸yとに直交して配置されてよい。
【0030】
用語「垂直軸(vertical axis)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、ラボラトリオートメーションシステムなどのシステムの水平部、及び/又は、地球の引力と地球の回転による遠心力との結果としての方向における地球の重力場の水準面に直交して立つ軸のプロパティを指してよい。
【0031】
用語「水平ベアリングユニット(horizontal bearing unit)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、水平面における少なくとも2つの物理的物体間の運動を可能にするために構成されている任意のベアリングユニットを指してよい。水平面は、例示的に、互いに直交して配置されている軸xと軸yとに沿って伸長してよい。
【0032】
用語「水平面(horizontal plane)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、ラボラトリオートメーションシステムなどのシステムにおける水平作業面に平行な面を指してよい。したがって、水平面は、上記に画定するような垂直軸に直交する。
【0033】
上に概説するように、水平ベアリングユニットは、第1のコンポーネントに接続可能であり、垂直ベアリングユニットは、第2のコンポーネントに接続可能である。用語「コンポーネントに接続可能(connectable to a component)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、任意のコンポーネントに機械的に接続可能であるエレメントのプロパティを指してよい。したがって、エレメントとコンポーネントとは、機械的接続を有してよい。機械的接続は、インターロッキング接続と、摩擦接続と、物質間結合と、からなるグループから選択されてよい。また、他の実施形態が実現可能であってよい。水平ベアリングユニットと第1のコンポーネントとの間の機械的接続と、垂直ベアリングユニットと第2のコンポーネントとの間の機械的接続と、についてのさらなる詳細を、より詳細に以下に示す。
【0034】
具体的には、水平ベアリングユニットは、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに固定して接続可能であってよい。用語「固定して接続可能である(being fixedly connectable)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、コンポーネントに対するエレメントの運動が、完全に又は少なくとも大きく抑制されるような、任意のコンポーネントに機械的に接続可能であるエレメントである物体のプロパティを指してよい。具体的には、水平ベアリングユニットは、圧力ばめ接続により、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに固定して接続可能であってよい。したがって、水平ベアリングユニットと第1のコンポーネントとは、共に押されてよく、静摩擦によりそれらの位置にとどまってよい。具体的には、水平ベアリングユニットは、水平ベアリングユニットを第1のコンポーネントに固定して接続するための、1つ又は2つ以上の接続エレメント、具体的には、1つ又は2つ以上の貫通孔を含んでよい。水平ベアリングユニットは、1つ又は2つ以上のスクリュをさらに含んでよい。水平ベアリングユニットは、第1のコンポーネントにねじ止めされるよう構成されてよい。
【0035】
水平ベアリングユニットは、少なくとも1つの第1のリニアガイド、好ましくは、少なくとも1つの第1の細長い孔を有する少なくとも1つの第1の部分と、少なくとも1つの第2のリニアガイド、好ましくは、少なくとも1つの第2の細長い孔を有する少なくとも1つの第2の部分と、を含んでよい。用語「第1の部分(first part)」、「第1のリニアガイド(first linear guide)」、及び「第1の細長い孔(first elongated hole)」、同様に、「第2の部分(second part)」、「第2のリニアガイド(second linear guide)」、及び「第2の細長い孔(second elongated hole)」は、命名されたエレメントを番号付けする又は順位付けすることなく、順序を指定することなく、及び、複数種の第1の部分と、第1のリニアガイドと、第1の細長い孔と、が存在する場合があり、同様に、複数種の第2の部分と、第2のリニアガイドと、第2の細長い孔と、が存在する場合があることの可能性を排除することなく、単なる用語とみなされてよい。さらに、追加的な部分と、追加的なリニアガイドと、追加的な細長い孔と、例えば、1つ又は2つ以上の第3の部分と、1つ又は2つ以上の第3のリニアガイドと、1つ又は2つ以上の第3の細長い孔と、が存在する場合がある。
【0036】
第1のリニアガイドは、1mmから100mm、好ましくは、5mmから20mm、最も好ましくは、15mm、の長さを有してよい。第2のリニアガイドは、10mmから100mm、好ましくは、20mmから50mm、好ましくは、25mmから35mm、最も好ましくは、30mm、の長さを有してよい。
【0037】
第1の部分と第2の部分とは、互いに略直交して配置されてよい。用語「略直交(essentially perpendicular)」は、直交配置からの若干の逸脱、例えば、直交配置から、10度未満だけ、好ましくは、5度未満だけ逸脱する配置を含んでよい。具体的には、第1のリニアガイドと第2のリニアガイドとは、互いに略直交して配置されてよい。具体的には、第1の部分と第2の部分と、具体的には、第1のリニアガイドと第2のリニアガイドとは、互いにT字構成に配置されてよい。
【0038】
用語「リニアガイド(linear guide)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、1つの方向への自由運動を提供するよう設計されている任意のエレメントを指してよい。具体的には、その助力により、コンポーネントが直線上に対して動くことができるエレメントを指す。上に概説するように、リニアガイドは、具体的には、細長い孔であってよい。細長い孔は、貫通孔であってよい。
【0039】
具体的には、第1の部分と第2の部分とは、互いに調整可能に取り付けられてよい。したがって、第2の部分に対する第1の部分の位置は、適合可能であってよい。具体的には、第2の部分に対する第1の部分の位置は、第2のリニアガイドにより定められる軸に沿って調整可能であってよい。第1の部分は、第2の部分に、1つ又は2つ以上のスクリュを介して、具体的には、少なくとも2つのスクリュを介してねじ止めされるよう構成されてよい。スクリュは、第2の部分の第2のリニアガイドにおいて少なくとも部分的に受容されてよい。第1の状態では、スクリュは、第1の部分にゆるくねじ止めされてよく、第1の部分は、第2のリニアガイドにより定められる軸に沿って移動可能であってよい。第2の状態では、具体的には、第1の部分と第2の部分との互いに対して所望する位置が調整される際に、具体的には、第2の部分に対する第1の部分の相対運動が抑制されてよい、又は、これが少なくとも大きく減らされてよいように、スクリュがしっかりとねじ止めされてよい。上に概説するように、第1の部分は、第2の部分に、具体的には、少なくとも2つのスクリュを介してねじ止めされるよう構成されてよい。少なくとも2つのスクリュの利用により、第1の部分と第2の部分との互いに対するねじれが抑制されてよい、又は、これが少なくとも大きく減らされてよい。
【0040】
垂直ベアリングユニットは、少なくとも1つのスライドベアリングを含んでよい。用語「スライドベアリング(slide bearing)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、少なくとも1つのベアリング面を有する任意のベアリングを指してよい。シャフトは、ベアリング面と接触するために、及び、ベアリング面上をスライドするために構成されてよい。具体的には、スライドベアリングは、少なくとも1つのベアリングボアを含んでよい。ベアリングボアは、スライダーバーを部分的に受容するために構成されてよい。ベアリングボアは、少なくとも1つのベアリング面を含んでよい。ベアリング面は、スライダーバーと接触するために構成されてよい。
【0041】
具体的には、垂直ベアリングユニットは、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントに固定して接続可能であってよい。具体的には、垂直ベアリングユニットは、圧力ばめ接続により、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントに固定して接続可能であってよい。具体的には、垂直ベアリングユニットは、垂直ベアリングユニットを第2のコンポーネントに固定して接続するための、1つ又は2つ以上の接続エレメント、具体的には、1つ又は2つ以上のアイレットを含んでよい。垂直ベアリングユニットは、1つ又は2つ以上のスクリュをさらに含んでよい。垂直ベアリングユニットは、第2のコンポーネントにねじ止めされるよう構成されてよい。
【0042】
用語「スライダーバー(slider bar)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、1つの位置から少なくとも別の位置へのスライディング運動と、その逆のスライディング運動と、を行うよう構成されている任意の縦方向エレメントを指してよい。スライダーバーは、少なくとも1つの円筒状に形成された部位、具体的には、少なくとも1つの円形円筒状に形成された部位を含んでよい。具体的には、円筒状に形成された部位は、垂直ベアリングユニットに少なくとも部分的に受容されてよい。さらに、スライダーバーは、少なくとも1つの第1の端と、少なくとも1つの反対側の第2の端と、を含んでよい。第1の端と第2の端との少なくとも1つは、円錐状であってよい。
【0043】
スライダーバーは、5mmから100mm、好ましくは、10mmから70mm、最も好ましくは、20mmから40mm、の長さを有してよい。水平ベアリングユニットの第1の部分と、ラボラトリオートメーションシステムの第2のコンポーネントと、の間の距離は、10mmから100mm、好ましくは、20mmから50mm、好ましくは、25mmから35mm、最も好ましくは、30mm、であってよい。
【0044】
上に概説するように、スライダーバーは、水平ベアリングユニットを垂直ベアリングユニットに接続する。したがって、スライダーバーは、水平ベアリングユニットと垂直ベアリングユニットとの間の機械的結合を形成してよい。具体的には、スライダーバーは、水平ベアリングユニットに機械的に接続可能であってよい。さらに、スライダーバーは、垂直ベアリングユニットに機械的に接続可能であってよい。スライダーバーと水平ベアリングユニットとの間の接続と、同様に、スライダーバーと垂直ベアリングユニットとの間の接続と、についてのさらなる詳細を、より詳細に以下に示す。
【0045】
上に概説するように、スライダーバーは、垂直ベアリングユニット内を垂直軸に沿って移動可能に取り付けられている。具体的には、スライダーバーは、垂直軸に沿って配置可能であってよい。スライダーバーは、垂直軸に沿って配置可能であってよい。用語「移動可能に取り付けられる(movably mounted)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、取り付けられている状態において、少なくとも1つの方向への運動を行うことができる物体の状態を指してよい。この運動は、具体的には、スライディング運動を指してよい。用語「軸に沿って移動可能に取り付けられる(movably mounted along an axis)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、取り付けられている状態において、軸に沿う運動を行うことができる物体の状態を指してよい。したがって、物体は、軸により定められる方向への運動を行うことができてよい。スライダーバーは、垂直ベアリングユニット内を垂直軸に沿ってスライド可能に取り付けられてよい。具体的には、スライダーバーは、スライドベアリングのベアリングボアにおいてスライド可能に取り付けられてよい。
【0046】
上に概説するように、スライダーバーは、水平ベアリングユニットにおいて調整可能に取り付けられている。用語「調整可能に取り付けられる(adjustably mounted)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、物体の位置が適合可能な、取り付けられているその物体のプロパティを指してよい。具体的には、物体は、所望する位置おいて、別の物体に対して配置可能であってよい。
【0047】
上に概説するように、スライダーバーは、調整可能、例えば、水平ベアリングユニットにより、垂直軸に略直交する少なくとも一次元において、所望する位置において配置可能である。用語「略直交する(essentially perpendicular)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、直交する向きが好ましいという事実を指してよい。しかし、直交する向きからの若干の逸脱、例えば、直交する向きから、10度未満だけ、好ましくは、5度未満だけ逸脱する向きが実現可能であってよい。
【0048】
第1の部分に対するスライダーバーの位置は、第1のリニアガイドにより定められる軸に沿って調整可能であってよい。スライダーバーは、水平ベアリングユニットの第1の部分に、1つ又は2つ以上のスクリュを介してねじ止めされるよう構成されてよい。スクリュは、第1の部分の第1のリニアガイドにおいて少なくとも部分的に受容されてよい。第1の状態では、スクリュは、スライダーバーにゆるくねじ止めされてよく、スライダーバーは、第1のリニアガイドにより定められる軸に沿って移動可能であってよい。第2の状態では、具体的には、スライダーバーと第1の部分との互いに対して所望する位置が調整される際に、具体的には、第1の部分に対するスライダーバーの相対運動が抑制されてよい、又は、これが少なくとも大きく減らされてよいように、スクリュがしっかりとねじ止めされてよい。スライダーバーユニットの1つの端は、第1のリニアガイド、具体的には、第1の細長い孔に部分的に受容されてよい。この配置により、第1のリニアガイドにより定められる軸を横断するスライダーバーのねじれが抑制されてよい、又は、これが少なくとも大きく減らされてよい。
【0049】
スライダーバーは、水平ベアリングユニットにおいて垂直軸に直交する少なくとも一次元における調整可能な位置において固定して取り付けられてよい。用語「固定して取り付けられる(fixedly mounted)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、別の物体に対する物体の運動が抑制される、又は、これが少なくとも大きく減らされる、取り付けられているその物体プロパティを指してよい。
【0050】
機械的ジョイントの、スライダーバーと、垂直ベアリングユニットと、水平ベアリングユニットと、さらなるコンポーネントと、の1つ又は2つ以上は、スチール、具体的には、ステンレススチールと、真鍮と、アルミニウムと、複合材料と、ポリマーと、からなるグループから選択される少なくとも1つの材料製であってよい。また、他の材料が実現可能であってよい。
【0051】
本発明のさらなる態様では、ラボラトリオートメーションシステムが開示される。ラボラトリオートメーションシステムは、複数のラボラトリステーションを含む。さらに、ラボラトリオートメーションシステムは、少なくとも1つのラボラトリ分配システムを含む。ラボラトリ分配システムは、ラボラトリステーション間でラボラトリカーゴを分配するよう構成されている。さらに、ラボラトリオートメーションシステムは、上述するような、又は、以下に、より詳細に、さらに説明するような、少なくとも1つの接続ジョイントを含む。接続ジョイントは、少なくとも1つのラボラトリステーションをラボラトリ分配システムに接続する。
【0052】
用語「ラボラトリステーション(laboratory station)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、上記に画定するような、ラボラトリシステムのコンポーネントとして、ラボラトリシステムにおける少なくとも1つのラボラトリタスク又はステップ、例えば、サンプルの用意と、サンプルの分析と、からなるグループから選択される少なくとも1つのタスクを行うために構成されているデバイスを指してよい。具体的には、ラボラトリシステムは、少なくとも1つのサンプル、特に、複数のサンプルを分析するために、及び/又は、サンプルの分析のプロセスチェーンにおける少なくとも1つのステップ、例えば、生物学的ステップと、化学的ステップと、分析的ステップと、の少なくとも1つを行うために構成されてよい。したがって、分析されるサンプルは、少なくとも1つの試薬を使用して分析するために用意されてよい。具体的には、ラボラトリアナライザが、電気化学的及び/又は分光学的実験のために使用されてよい。ラボラトリステーションは、医療又は化学の研究所の分野において、特に、体外診断(in vitro diagnostics又はIVD)のために使用されてよい。ラボラトリステーションは、1つ又は2つ以上の生物学的サンプル及び/又は試薬に、1つ又は2つ以上の処理ステップ及び/又はワークフローステップを実行するために構成されてよい。用語「処理ステップ(processing step)」は、したがって、遠心分離、アリクォーテーション、サンプルの分析などの、物理的に実行される処理ステップを指す。ラボラトリステーションは、事前分析ステーション、分析ステーション、及び/又は、事後分析ステーションであってよい。また、他の実施形態が実現可能であってよい。「ラボラトリステーション(laboratory station)」はまた、「ラボラトリアナライザ(laboratory analyzer)」、「分析ステーション(analytical station)」、「分析機器(analyzing instrument)」、又は「分析システム(analytical system)」を指してよい、又は、それとして構成されてよい。
【0053】
用語「ラボラトリ分配システム(laboratory distribution system)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、1つ又は2つ以上のラボラトリカーゴを保持するよう構成されており、具体的には、運搬ライン又はトランスポートラインを介して、ラボラトリオートメーションシステム内において、ラボラトリカーゴを、対象とする目的地に分配するために構成されているいずれのデバイスを指してよい。ラボラトリ分配システムは、ラボラトリステーション及び他の器具間でラボラトリカーゴを分配するために使用できる。ラボラトリ分配システムは、少なくとも1つのロボットアーム、運搬システム、及びカルーセルであってよい、又は、これらの1つ又は2つ以上を含んでよい。他のラボラトリ分配システム、例えば、トランスポートモジュールが既知であり、これらが使用されてよい。「ラボラトリ分配システム(laboratory distribution system)」は、「ラボラトリトランスポートシステム(laboratory transport system)」を指してもよい。
【0054】
用語「ラボラトリカーゴ(laboratory cargo)」は、ここで使用するように、幅広い用語であり、その一般的で慣習的な意味を当業者に与えるものであり、特別又は特注の意味に限定するものではない。この用語は、具体的には、限定なく、サンプルを含むこと、保管すること、又は、運ぶことの1つ又は2つ以上のために構成されている、任意のラボラトリ診断容器、例えば、ベッセル又はチューブを指してよい。サンプルは、一定分量の物質、例えば、化学的化合物又は生物学的化合物を指してよい。具体的には、サンプルは、少なくとも1つの生物学的試料、例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液の1つ又は2つ以上であってよい、又は、これらを含んでよい。加えて、又はその代わりに、ラボラトリカーゴ及び/又はサンプルは、化学物質又は化合物及び/又は試薬であってよい、又は、これらを含んでよい。また、他の実施形態が実現可能であってよい。
【0055】
ラボラトリステーションの1つは、ラボラトリ分配システムに、少なくとも2つの接続ジョイントを介して接続されてよい。少なくとも2つの接続ジョイントの使用により、ラボラトリ分配システムとラボラトリステーションとの互いに対するねじれが抑制されてよい、又は、これが少なくとも大きく減らされてよい。
【0056】
本発明のさらなる態様では、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための方法が開示される。
【0057】
この方法は、具体的には、所与の順序にて行われてよい以下のステップを含む。しかし、異なる順序もまた可能であることに留意しなければならない。さらに、方法ステップの1つ又は2つ以上を、一回だけ行うこともでき、又は、繰り返し行うこともできる。さらに、方法ステップの2つ又は3つ以上を、同時に行うこともでき、又は、時間的に重ねて行うこともできる。この方法は、一覧されていないさらなる方法ステップを含んでよい。
【0058】
本方法は、
i.上述するような、又は、以下に、より詳細に、さらに説明するような、少なくとも1つの接続ジョイントを提供するステップと、
ii.水平ベアリングユニットを、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに接続するステップと、
iii.垂直ベアリングユニットを、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントに接続するステップと、
を含む。
【0059】
少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリステーションであってよい。少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリ分配システムであってよい。ラボラトリステーションと、ラボラトリ分配システムと、ラボラトリオートメーションシステムと、が、より詳細に説明されており、これを、以下に、より詳細に、さらに説明する。
【0060】
この方法は、水平ベアリングユニットにおいてスライダーバーを調整可能に載置することを含んでよい。さらに、この方法は、水平ベアリングユニットを介して、垂直軸に略直交する少なくとも一次元において、スライダーバーを調整することを含んでよい。
【0061】
これらのデバイス及び方法は、既知のデバイス及び方法のそれらを超える利点を示す。数メートルにわたって伸長するデバイスのアライメントが実現されてよい。ラボラトリオートメーションシステムの設置中、具体的には、ラボラトリステーションのラボラトリ分配システム上への設置中、水平面における調整が実現されてよい。具体的には、調整が一度実現されると、水平面を画定する軸が固定されてよい。さらに、ラボラトリオートメーションシステムの作動中、垂直軸における可動性が与えられてよい。一般的には、接続されているデバイスは、垂直軸において動く場合がある、又は、デバイスの作動中に異なる率にて沈み込む場合がある。本発明に係る接続ジョイントにより、設置後や長期間にわたって出現する高さの違いが補償されてよい。さらに、ねじれ防止構成が実現されてよい。
【0062】
さらに可能性のある実施形態を排除することなくまとめると、以下の実施形態が考えられてよい。
【0063】
実施形態1:ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための接続ジョイントであって、
A.ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに接続可能な水平ベアリングユニットと、
B.ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントに接続可能な垂直ベアリングユニットと、
C.水平ベアリングユニットを垂直ベアリングユニットに接続するスライダーバーと、
を含み、
スライダーバーは、垂直ベアリングユニット内を垂直軸に沿って移動可能に取り付けられており、
スライダーバーは、水平ベアリングユニットにおいて調整可能に取り付けられており、
スライダーバーは、水平ベアリングユニットにより、垂直軸に略直交する少なくとも一次元において調整可能である、
接続ジョイント。
【0064】
実施形態2:スライダーバーは、垂直ベアリングユニット内を垂直軸に沿ってスライド可能に取り付けられている、先の実施形態に記載の接続ジョイント。
【0065】
実施形態3:垂直ベアリングユニットは、少なくとも1つのスライドベアリングを含む、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0066】
実施形態4:
スライドベアリングは、少なくとも1つのベアリングボアを含み、
ベアリングボアは、スライダーバーを部分的に受容するために構成されている、
先の実施形態に記載の接続ジョイント。
【0067】
実施形態5:スライダーバーは、スライドベアリングのベアリングボア内をスライド可能に取り付けられている、先の実施形態に記載の接続ジョイント。
【0068】
実施形態6:垂直ベアリングユニットは、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントに固定して接続可能である、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0069】
実施形態7:垂直ベアリングユニットは、垂直ベアリングユニットを第2のコンポーネントに固定して接続するための、1つ又は2つ以上の接続エレメント、具体的には、1つ又は2つ以上のアイレットを含む、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0070】
実施形態8:スライダーバーは、垂直軸に沿って配置可能である、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0071】
実施形態9:スライダーバーは、少なくとも1つの円筒状に形成された部位、具体的には、少なくとも1つの円形円筒状に形成された部位を含む、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0072】
実施形態10:円筒状に形成された部位は、垂直ベアリングユニットに少なくとも部分的に受容される、先の実施形態に記載の接続ジョイント。
【0073】
実施形態11:
スライダーバーは、少なくとも1つの第1の端と、少なくとも1つの反対側の第2の端と、を含み、
第1の端と第2の端との少なくとも1つは円錐状である、
先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0074】
実施形態12:スライダーバーは、水平ベアリングユニットにおいて、垂直軸に直交する少なくとも一次元における調整可能な位置において固定して取り付けられている、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0075】
実施形態13:水平ベアリングユニットは、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに固定して接続可能である、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0076】
実施形態14:水平ベアリングユニットは、水平ベアリングユニットを第1のコンポーネントに固定して接続するための、1つ又は2つ以上の接続エレメント、具体的には、1つ又は2つ以上の貫通孔を含む、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0077】
実施形態15:水平ベアリングユニットは、少なくとも1つの第1のリニアガイド、好ましくは、少なくとも1つの第1の細長い孔を有する少なくとも1つの第1の部分と、少なくとも1つの第2のリニアガイド、好ましくは、少なくとも1つの第2の細長い孔を有する少なくとも1つの第2の部分と、を含む、先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0078】
実施形態16:第1の部分と第2の部分と、具体的には、第1のリニアガイドと第2のリニアガイドと、は、互いに略直交して配置されている、先の実施形態に記載の接続ジョイント。
【0079】
実施形態17:第1の部分と第2の部分と、具体的には、第1のリニアガイドと第2のリニアガイドと、は、互いにT字構成に配置されている、先の2つの実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0080】
実施形態18:第1の部分と第2の部分とは、互いに調整可能に取り付けられている、先の3つの実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0081】
実施形態19:第2の部分に対する第1の部分の位置は、第2のリニアガイドにより定められる軸に沿って調整可能である、先の4つの実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0082】
実施形態20:第1の部分に対するスライダーバーの位置は、第1のリニアガイドにより定められる軸に沿って調整可能である、先の5つの実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0083】
実施形態21:スライダーバーユニットの1つの端は、第1のリニアガイド、具体的には、第1の細長い孔において部分的に受容される、先の6つの実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0084】
実施形態22:
第1のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリステーションであり、
第2のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリ分配システムである、
又は、それらの逆も然りである、
先の実施形態のいずれか1つに記載の接続ジョイント。
【0085】
実施形態23:
複数のラボラトリステーションと、
ラボラトリステーション間でラボラトリカーゴを分配するよう構成されている、少なくとも1つのラボラトリ分配システムと、
ラボラトリステーションの少なくとも1つをラボラトリ分配システムに接続する、先の請求項のいずれか1つに記載の少なくとも1つの接続ジョイントと、
を含むラボラトリオートメーションシステム。
【0086】
実施形態24:ラボラトリステーションの1つは、少なくとも2つの接続ジョイントを介してラボラトリ分配システムに接続される、先の実施形態に記載のラボラトリオートメーションシステム。
【0087】
実施形態25:ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントを調整可能に接続するための方法であって、
i.接続ジョイントを指す、先の実施形態のいずれか1つに記載の少なくとも1つの接続ジョイントを提供するステップと、
ii.水平ベアリングユニットを、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに接続するステップと、
iii.垂直ベアリングユニットを、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントに接続するステップと、
を含む方法。
【0088】
実施形態26:
少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリステーションであり、
少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントは、ラボラトリオートメーションシステムのラボラトリ分配システムである、
先の実施形態に記載の方法。
【0089】
実施形態27:水平ベアリングユニットにおいて、スライダーバーを調整可能に載置することを含む、先の2つの実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
実施形態28:水平ベアリングユニットを介して、垂直軸に略直交する少なくとも一次元においてスライダーバーを調整することステップを含む、先の3つの実施形態のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
さらなる任意の特徴及び実施形態を、後続の実施形態の説明に、好ましくは、従属請求項に関連して、より詳細に開示する。ここでは、それぞれの任意の特徴は、単独にて、同様に、当業者が実現するように、いずれの任意の実現可能な組み合わせにて、実現され得る。本発明の範囲は、これらの好ましい実施形態により制約されない。実施形態は、これらの図面では、模式的に描かれている。ここでは、これらの図面中の同一の参照番号は、同一又は機能的に比較可能なエレメントを指す。図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【
図1A】本発明に係る、組み立てられた状態での、接続ジョイントの例示的実施形態を示す。
【
図1B】本発明に係る、分解図での、接続ジョイントの例示的実施形態を示す。
【
図2A】斜視図での、ラボラトリオートメーションシステムの例示的実施形態を示す。
【
図2B】詳細図での、ラボラトリオートメーションシステムの例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図1A及び
図1Bは、本発明に係る、組み立てられた状態(
図1A)での、及び、分解図(
図1B)での、接続ジョイント110の例示的実施形態を示す。
【0094】
接続ジョイント110は、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに接続可能な水平ベアリングユニット112を含む。さらに、接続ジョイント110は、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第2のコンポーネントに接続可能な垂直ベアリングユニット114を含む。第1のコンポーネントと、第2のコンポーネントと、ラボラトリオートメーションシステムと、は、
図1Aから
図1Bには図示しない。
図2Aから
図2Bを以下に参照する。さらに、接続ジョイント110は、水平ベアリングユニット112を垂直ベアリングユニット114に接続するスライダーバー116を含む。スライダーバー116は、垂直ベアリングユニット114内を垂直軸118に沿って移動可能に取り付けられる。スライダーバー116は、水平ベアリングユニット112において調整可能に取り付けられる。スライダーバー116は、水平ベアリングユニット112により、垂直軸118に略直交する少なくとも一次元において調整可能である。
【0095】
水平ベアリングユニット112は、ラボラトリオートメーションシステムの少なくとも2つのコンポーネントの第1のコンポーネントに固定して接続可能であってよい。具体的には、水平ベアリングユニット112は、1つ又は2つ以上の接続エレメント120、具体的には、
図1Aに示すような、1つ又は2つ以上の貫通孔122を含んでよい。接続エレメント120は、水平ベアリングユニット112を第1のコンポーネントに固定して接続するために構成されてよい。水平ベアリングユニット112は、1つ又は2つ以上のスクリュ124をさらに含んでよい。水平ベアリングユニット112は、第1のコンポーネントにねじ止めされるよう構成されてよい。
【0096】
水平ベアリングユニット112は、水平面において、スライダーバー116の位置を調整するために構成されてよい。水平面は、例示的に、互いに直交して配置されている軸xと軸yとに沿って伸長してよい。具体的には、水平ベアリングユニット112は、少なくとも1つの第1のリニアガイド126、好ましくは、少なくとも1つの第1の細長い孔128を有する少なくとも1つの第1の部分124と、少なくとも1つの第2のリニアガイド132、好ましくは、少なくとも1つの第2の細長い孔134を有する少なくとも1つの第2の部分130と、を含んでよい。第1のリニアガイド126は、好ましくは、15mmの長さl1を有してよい。第2のリニアガイドは、好ましくは、30mmの長さl2を有してよい。第1の部分124と第2の部分130とは、互いに略直交して配置されてよい。具体的には、第1のリニアガイド126と第2のリニアガイド128とは、互いに略直交して配置されてよい。
【0097】
第1の部分124と第2の部分130とは、互いに調整可能に取り付けられてよい。したがって、第2の部分130に対する第1の部分124の位置は、適合可能であってよい。具体的には、第2の部分130に対する第1の部分124の位置は、第2のリニアガイド130により定められる軸136に沿って調整可能であってよい。第1の部分124は、第2の部分130に、2つのスクリュ138を介してねじ止めされるよう構成されてよい。スクリュ138は、第2の部分130の第2のリニアガイド132において少なくとも部分的に受容されてよい。第1の状態では、スクリュ138は、第1の部分124にゆるくねじ止めされてよく、第1の部分124は、第2のリニアガイド130により定められる軸136に沿って移動可能であってよい。第2の状態では、具体的には、第1の部分124と第2の部分130との互いに対して所望する位置が調整される際に、第2の部分130に対する第1の部分124の相対運動が抑制されてよい、又は、これが少なくとも大きく減らされてよいように、スクリュ138がしっかりとねじ止めされてよい。
【0098】
垂直ベアリングユニット114は、少なくとも1つのスライドベアリング140を含んでよい。具体的には、スライドベアリング140は、少なくとも1つのベアリングボア142を含んでよい。ベアリングボア142は、スライダーバー116を部分的に受容するために構成されてよい。ベアリングボア142は、
図1Bに示すような、少なくとも1つのベアリング面144を含んでよい。ベアリング面144は、スライダーバー116と接触するために構成されてよい。垂直ベアリングユニット114は、ラボラトリオートメーションシステムの第2のコンポーネントに固定して接続可能であってよい(
図1A及び
図1Bには図示せず)。具体的には、垂直ベアリングユニット114は、垂直ベアリングユニット114を第2のコンポーネントに固定して接続するための、1つ又は2つ以上の接続エレメント146、具体的には、1つ又は2つ以上のアイレット148を含んでよい。垂直ベアリングユニット114は、第2のコンポーネントにねじ止めされるよう構成されてよい。
【0099】
スライダーバー116は、少なくとも1つの筒状に形成された部位150、具体的には、少なくとも1つの円筒状に形成された部位152を含んでよい。具体的には、筒状に形成された部位150は、垂直ベアリングユニット114に少なくとも部分的に受容されてよい。さらに、スライダーバー116は、少なくとも1つの第1の端154と、少なくとも1つの反対側の第2の端156と、を含んでよい。第1の端と第2の端との少なくとも1つは、円錐状であってよい。
【0100】
スライダーバー116は、例示的に、20mmから40mmの長さl3を有してよい。さらに、水平ベアリングユニット112の第1の部分124と垂直ベアリングユニット114との間の距離dは、例示的に、30mmであってよい。
【0101】
スライダーバー116は、水平ベアリングユニット112と垂直ベアリングユニット114との間の機械的結合を形成してよい。具体的には、スライダーバー116は、水平ベアリングユニット112に機械的に接続可能であってよい。さらに、スライダーバー116は、垂直ベアリングユニット114に機械的に接続可能であってよい。
【0102】
第1の部分124に対するスライダーバー116の位置は、第1のリニアガイド126により定められる軸158に沿って調整可能であってよい。スライダーバー116は、水平ベアリングユニット112の第1の部分124に、スクリュ160を介してねじ止めされるよう構成されてよい。スクリュ160は、第1のリニアガイド126において少なくとも部分的に受容されてよい。第1の状態では、スクリュ160は、スライダーバー116にゆるくねじ止めされてよく、スライダーバー116は、第1のリニアガイド126により定められる軸158に沿って移動可能であってよい。第2の状態では、具体的には、スライダーバー116と第1の部分124との互いに対して所望する位置が調整される際に、具体的には、第1の部分124に対するスライダーバー116の相対運動が抑制されてよい、又は、これが少なくとも大きく減らされてよいように、スクリュ160がしっかりとねじ止めされてよい。スライダーバー116ユニットの第2の端156は、第1のリニアガイド126、具体的には、第1の細長い孔128に部分的に受容されてよい。
【0103】
図2A及び
図2Bは、斜視図(
図2A)での、及び、詳細図(
図2B)での、ラボラトリオートメーションシステム162の例示的実施形態を示す。
【0104】
ラボラトリオートメーションシステム162は、複数のラボラトリステーション164を含む。
図2A及び
図2Bでは、1つのラボラトリステーション164を例示的に示す。さらに、ラボラトリオートメーションシステム162は、少なくとも1つのラボラトリ分配システム166を含む。ラボラトリ分配システム166は、ラボラトリステーション164間でラボラトリカーゴを分配するよう構成されている。さらに、ラボラトリオートメーションシステムは、少なくとも1つの接続ジョイント110を含む。接続ジョイント110は、ラボラトリステーション164をラボラトリ分配システム166に接続する。
図2A及び
図2Bに描くような接続ジョイント110は、
図1A及び
図1Bに描くような接続ジョイント110に対応する。したがって、
図1A及び
図1Bの上記説明を参照する。
【0105】
ラボラトリ分配システム166は、ラボラトリオートメーションシステム162内において、ラボラトリカーゴを、対象とする目的地に分配するために構成されているトランスポートライン(
図2A及び
図2Bには図示せず)を有してよい。さらに、ラボラトリ分配システム166は、ラボラトリカーゴを保管するための複数のラック及び/又は引き出し(
図2A及び
図2Bには図示せず)を有してよい。
図2Aに、ラボラトリカーゴを受容するために構成されている開口168を示す。
【0106】
典型的には、
図2Aに示すように、ラボラトリオートメーションシステム162は、高さの違いを補償するために、複数の調整可能な脚170を含む。この高さの違いは、具体的には、調整可能な脚170の床面への沈み込みからもたらされる場合がある。水平アライメントのさらなる改善が、接続ジョイント110により実現されてよい。
【0107】
図2Bは、ラボラトリステーション164の詳細図を示す。ラボラトリステーション164には、2つのシングルサンプルキャリア172と、2つのカメラモジュール174と、が描かれている。
【0108】
図2Bに示すような接続ジョイント110は、ラボラトリステーション164、これは、ラボラトリオートメーションシステム162の第1のコンポーネント176を指してもよい、と、ラボラトリ分配システム166、これは、ラボラトリオートメーションシステム162の第2のコンポーネント178を指してもよい、と、を調整可能に接続する。水平ベアリングユニット112は、第1のコンポーネント176に接続可能である。具体的には、水平ベアリングユニット112は、第1のコンポーネント176に、1つ又は2つ以上の接続エレメント120、具体的には、1つ又は2つ以上の貫通孔122を介して固定して接続可能であってよい。水平ベアリングユニット112は、スクリュ124をさらに含んでよい。水平ベアリングユニット112は、第1のコンポーネント176にねじ止めされるよう構成されてよい。さらに、接続ジョイント110は、第2のコンポーネント178に接続可能な垂直ベアリングユニット114を含む。垂直ベアリングユニット114は、第2のコンポーネント178に固定して接続可能であってよい。具体的には、垂直ベアリングユニット114は、垂直ベアリングユニット114を第2のコンポーネント178に固定して接続するための、1つ又は2つ以上の接続エレメント146、具体的には、1つ又は2つ以上のアイレット148を含んでよい。垂直ベアリングユニット114は、第2のコンポーネント178にねじ止めされるよう構成されてよい。スライダーバー116は、水平ベアリングユニット112を垂直ベアリングユニット114に接続する。
【符号の説明】
【0109】
110 接続ジョイント
112 水平ベアリングユニット
114 垂直ベアリングユニット
116 スライダーバー
118 垂直軸
120 接続エレメント
122 貫通孔
124 第1の部分
126 第1のリニアガイド
128 第1の細長い孔
130 第2の部分
132 第2のリニアガイド
134 第2の細長い孔
136 軸
138 スクリュ
140 スライドベアリング
142 ベアリングボア
144 ベアリング面
146 接続エレメント
148 アイレット
150 円筒状に形成された部位
152 円形円筒状に形成された部位
154 第1の端
156 第2の端
158 軸
160 スクリュ
162 ラボラトリオートメーションシステム
164 ラボラトリステーション
166 ラボラトリ分配システム
168 開口
170 脚
172 サンプルキャリア
174 カメラモジュール
176 第1のコンポーネント
178 第2のコンポーネント