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特許7297061様々な種類のフレキシブル包装材のためのアプリケータノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】様々な種類のフレキシブル包装材のためのアプリケータノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/50 20060101AFI20230616BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20230616BHJP
   B65D 47/20 20060101ALI20230616BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
B65D35/50
A45D34/04 555
B65D47/20 111
B65D83/00 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021518835
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 BR2019050219
(87)【国際公開番号】W WO2019237171
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】PCT/BR2018/050189
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(73)【特許権者】
【識別番号】520489662
【氏名又は名称】ズェンブロッド エリック
【氏名又は名称原語表記】ZEMBROD, Eric
【住所又は居所原語表記】Alameda Paris, 615, Boituva-SP Brazil
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100169236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】ズェンブロッド エリック
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-312462(JP,A)
【文献】特開2004-067099(JP,A)
【文献】特開2004-238027(JP,A)
【文献】特開2013-060222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/50
A45D 34/04
B65D 47/20
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置であって:
- プラグ(2)の形態の下部ブロックとエラストマーバルブ(3)の形態の上部ブロックとの2つの末端ブロックによって密封制御される、垂直方向の出口部チャンバー(1)、を備え;
- 前記垂直方向の出口部チャンバー(1)は、下部にある円筒形カプセル(4)の中空部分、及び内部エラストマー物質(6)と一緒になった任意のノズル(5)によって定められ;
- 前記下部カプセル(4)は、前記プラグ(2)を駆動する密封シート部(7)を有し、それによって、前記プラグ(2)と前記下部カプセル(4)との間に、製品の排出ために開き、前記製品の水密のために閉じることができる経路を形成することができ;
- 前記プラグ(2)は、弾性パッド(18)によって前記密封シート部(7)に対して軽く押し付けられて保持されており;
- 前記下部カプセル(4)及び前記ノズル(5)は、フレキシブル容器(10)のノズル(9)と結合している可変部分(8a)及び(8b)と組み合わされており;
- 前記フレキシブル容器(10)は、押すことができ、その元の形状に戻って内部に吸引を引き起こすための形状記憶を備えたフレキシブルプラスチック材料から作製されている必要があり;
- 前記プラグ(2)は、前記フレキシブル容器(10)内部での内圧の発生時又は停止時に上下に移動するのに充分なクリアランスで前記密封シート部(7)に収容され、前記密封シート部(7)に前記製品を通過させるか、又は前記密封シート部(7)をしっかりと閉じ;
- 前記弾性パッド(18)は、前記容器(10)中に内圧が存在する場合に、前記プラグ(2)の前記動きと同時に圧縮を受けるのに充分な弾性を有し;
- 前記エラストマーバルブ(3)は、圧力が存在する場合に、及び前記フレキシブル容器(10)内部の前記圧力が遮断された場合に、開き、及び閉じるように設計された、弾性開口先端部(11)を有し;並びに
- 前記プラグ(2)、前記エラストマーバルブ(3)、及び前記弾性パッド(18)は、前記フレキシブル容器(10)がもはや押されず、そのフレキシブル形態記憶が、その元の状態に戻ろうとする場合に、水密位置に戻る、
ディスペンサ装置。
【請求項2】
実質的に可塑性である材料から作製された前記プラグ(2)が、カップの形態にテーパ状とされた上側部分(12)を備えたカップ形状を提供して、径の小さい側が閉じて下に向いており、そこから垂直方向に、やはりテーパ状とされたブラインドフランジ(14)の底部分で終端する円筒形ガイド(13)まで延びていることを特徴とする、請求項1に記載の様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置。
【請求項3】
前記密封シート部(7)の領域の前記円筒形カプセル(4)が、穴部(15)によって中空とされた底部分を提供し、その内径部は、半径方向内側に向き、前記穴部(15)の上端部に配置された歯(17)の形態のツメを上端部が形成する等間隔の縦長で半径方向の突出部(16)を有し、そして前記穴部(15)の上端部は、いくつかの円形バンドを備えて拡がっており、そのうちの中間バンドは、テーパ状とされて、前記密封シート部(7)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置。
【請求項4】
前記プラグ(2)のブラインドフランジ(14)が、前記下部カプセル(4)の内部で、上部から底部へ、その半径方向内側に向いた歯(17)を通して押し込まれ、その後は、保持力が発生することを特徴とする、請求項1に記載の様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置。
【請求項5】
前記フランジ(14)が、前記下部カプセル(4)の穴部(15)よりも小さい径を有し、両者間に前記製品のための経路を形成することを特徴とする、請求項2に記載の様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置。
【請求項6】
前記密封シート部(7)に収容された前記プラグ(2)が、前記下部カプセル(4)の歯(17)の間をスライドするその円筒形ガイド(13)によってガイドされ、前記プラグ(2)の移動経路は、ブラインドフランジ(14)と前記歯(17)の下側とによって定められることを特徴とする、請求項1に記載の様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置。
【請求項7】
前記弾性パッド(18)が、組み立て後、任意のノズル(5)と前記プラグ(2)との間で圧縮され、前記プラグ(2)が前記密封シート部(7)に対して水密位置で押し付けられている状態を維持することを特徴とする、請求項1に記載の様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置。
【請求項8】
前記プラグ(2)が、任意の材料及び形状であるスプリング、エラストマー部分、及び/又はフレキシブルプラスチック部分など、弾性的に圧縮及び伸長が可能である部分から形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置。
【請求項9】
記弾性パッド(18)が、上部水平リング(19)及び下部垂直ロッド(20)の2つの一体化された部分を備え、これら両方が、アーチ状のフレキシブルリンク(21)によって相互接続されており、前記弾性パッド(18)は、軽い圧縮状態で前記アセンブリ内部に搭載されており、前記上部リング(19)は、前記ノズル(5)の下部側に対して支持され、一方反対側では、前記垂直ロッド(20)が、その底端部が前記プラグ(2)の内部で支持され、その円筒形ガイド(13)と軸線方向に整列されていることを特徴とする、請求項1に記載の様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品、薬物、食品、又は化学物質であれ、流体状態である、特には半固体又は液体である様々な製品の取り出し又は適用に用いられる様々な包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
より詳細には、本発明は、2018年6月12日に出願された国際出願PCT BR2018050189号に関連し、それは、最初に、「カップ」形状のプラグを構成する下部ブロックとエラストマーバルブを形成する上部ブロックとの2つの末端バルブブロックによって密封制御される垂直方向の出口部チャンバーによって定められる。2つのロックを備えた出口部チャンバーは、任意のノズルの内部に搭載され、そしてそのノズルは、押すためにチューブのような必然的にフレキシブルである包装体の端部と結合される手段を含む。2つのバルブブロックは、フレキシブル体の内圧に従って作動し、すなわち、前記フレキシブル体を押した場合、内圧が作り出され、その結果、その内容物が、出口部チャンバーの中へ押し流される。この段階で、下部プラグは、製品のための経路を開けるために動き、そして製品は、出口部チャンバーに沿って移動し、次にエラストマーバルブに応力を加え、この時点で、製品は、所望される量に応じて、制御された様式で吐出される。その後、包装材のフレキシブル体がもはや押されない場合、反対の効果が発生し、すなわち、包装材のフレキシブル体の材料の形状記憶が、その元の位置に戻ろうとし、実際には、その圧力を反転させる。その後、吸引効果が発生し、この時点で、下部プラグとエラストマーバルブとによって定められる出口部チャンバーの2つの末端ブロックは、最初の水密の閉じた状態に戻る。2つのブロックによって実現されるこの水密効果は、出口部チャンバー内部に保持されている製品部分と合わせてのみ作動する。この部分は、第三の「プラグ」としても機能して、2つのブロックの水密性を保証する要素を構成し、包装材のフレキシブル体のフレキシブル性によって提供される吸引と一緒になって定められる閉じた水密位置に、ブロックを保持する。
【0003】
したがって、2018年6月12日に出願された国際出願PCT BR2018050189号は、ボトル内部で発生された陰圧によって作動する自動密封システムを提供する。ボトルは、プラグ(2)を通してバルブに対する吸引を発生させて閉位置とし(ボトルの形状記憶が陰圧を発生)、その結果、プラグ(2)は、下向きに動かされ、又は円筒形カプセル(4)の密封シート部(7)上に収まるように動かされ、そうして、この機構の水密性が作り出される。
【0004】
国際出願PCT BR2018050189号に記載の重要な詳細事項は、自動密封システムが、包装材の最初の使用後にしか発現しないこと、すなわち、所望される陰圧は、ボトルを最初に押した後に、又は最初の使用後に発生することであり、その結果、包装材が販売可能な状態とされた後、包装材の内圧は、大気圧、すなわち、ボトル詰めされた際と同じであり、したがって、その時点で、包装材内部には、吸引(陰圧)を促進し、バルブ又はプラグ(2)を、所望される圧力に応じて最大で閉じた(密封)位置まで動かすことができる陰圧は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際出願PCT BR2018050189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、包装材が充填された後で、それが最初に使用される前にも、自動密封が存在することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に照らして、国際出願PCT BR2018050189号に記載の包装材を、包装材が充填された直後に自動密封が行われるように改変した。この新規な特徴を満たすために、弾性パッドを、バルブ又はプラグと固定ノズル部分との間に挿入した。弾性パッドは、スプリングの機能を有し、すなわち、それは、アセンブリ中で「圧縮状態」を維持し、その結果、それは、バルブ又はプラグをその密封シート部に対して押し付けた状態を維持するのに充分な伸長力を有し、それによって、包装材の充填直後に、所望される水密性が確保される。前記弾性パッドはまた、最初の使用時及びその後の使用時に、バルブ自体によって圧縮されることを可能とする弾性も呈し、なぜなら、包装材が押された場合、内圧が、バルブがその密封シート部から離れるのに充分なバルブの動きを促進し、同時に製品がディスペンサノズルへ流動するからである。内圧が止まると、既に言及したように、包装材の形状記憶が、バルブがその元の水密位置に戻るまで、吸引及びバルブの動きを促進する。この最後の段階では、吸引の存在によって密封は自動的に行われるが、弾性パッドも伸長するため、より素早くより精密な密封が作り出される。
【0008】
弾性パッドは、弾性的に圧縮及び伸長が可能である部分を有するいずれのコンポーネントも意味し、任意の材料及び形状であるスプリング、エラストマー部分、及び/又はフレキシブルプラスチック部分などである。
【0009】
本発明をより良く理解するために、すべてが例示的である添付の図面を参照して、以下で詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、例示的な包装材に組み立てられた本発明を模式的に示す断面図を表す。
図2図2は、より高い角度からの分解斜視図を示し、本発明の装置を形成するコンポーネントを模式的に示している。
図3図3は、本発明の装置を構成するコンポーネントを模式的に示す別の分解斜視図を示すが、より低い角度からの図である。
図4図4は、半断面の分解斜視図であり、装置を構成するコンポーネントの他の内部の詳細を示している。
図5図5は、図1に類似の断面図を示すが、この図では、バルブが開いており、アセンブリの作動を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
これらの実例及びその詳細、より特には図1~3によると、本発明、様々な種類のフレキシブル包装材のためのノズル用の空気取り込みのないディスペンサ装置は:
- プラグ(2)の形態の下部ブロックとエラストマーバルブ(3)の形態の上部ブロックとの2つの末端ブロックによって密封制御される、垂直方向の出口部チャンバー(1)、を備え;
- 垂直方向の出口部チャンバー(1)は、下部にある円筒形カプセル(4)の中空部分、及び内部エラストマー物質(6)と一緒になった任意のノズル(5)によって定められ;
- 下部カプセル(4)は、プラグ(2)を収容している密封シート部(7)を有し、それによって、それと下部カプセル(4)との間に、取り出されるべき製品のための経路が形成され;
- 下部カプセル(4)及びノズル(5)は、任意のフレキシブル容器(10)のノズル(9)と結合している可変部分(8a)及び(8b)と組み合わされており;
- フレキシブル容器(10)は、押すことができ、その元の形状に戻って内部に吸引を引き起こすための形状記憶を備えたフレキシブルプラスチック材料から作製されている必要があり;
- プラグ(2)は、フレキシブル容器(10)内部での内圧の発生時又は停止時に上下に移動するのに充分なクリアランスで密封シート部(7)に収容され、密封シート部(7)に製品を通過させるか、又はそれをしっかりと閉じ;
- エラストマーバルブ(3)は、圧力が存在する場合に、及びフレキシブル容器(10)内部の圧力が遮断された場合に、開き、及び閉じるように設計された、弾性開口先端部(11)を有し;並びに
- プラグ(2)及びエラストマーバルブ(3)は、フレキシブル容器(10)がもはや押されず、そのフレキシブル形態記憶が、その元の状態に戻ろうとする場合に、水密位置に戻る。
【0012】
図4に示されるように、プラグ(2)は、実質的に可塑性である材料から作製され、カップの形態に円錐台状とされた上側部分(12)を備えたカップ形状を有して、径の小さい側が閉じて下に向いており、そこから垂直方向に、やはりテーパ状とされたブラインドフランジ(14)の底部分で終端する円筒形ガイド(13)まで延び、円筒形カプセル(4)の内部に収容可能となるようなプロファイルを有するピースを形成し、円筒形カプセル(4)は、この目的のために、密封シート部(7)に加えて、穴部(15)によって中空とされたその底部を提供し、内径部は、半径方向内側に向き、前記穴部(15)の上端部に配置された歯(17)の形態のツメを上端部が形成する等間隔の縦長で半径方向の突出部(16)を提供し、その間を、ブラインドフランジ(14)は、そのテーパ状のために、押し通された後は、保持力が発生するが;その部分は、前記歯より下では、垂直方向に容易に動かされ、そこでは、言及したフランジ(14)は、穴部(15)よりも小さい径を有し、製品のための経路を形成する。穴部(15)の上端部は、いくつかの円形バンドを備えて拡がっており、そのうちの1つは、中間にあって、密封シート部(7)を形成し、その上に、プラグ(2)の等しくテーパ状とされたカップ形状(12)のセクションがフィットし、この部分で、フレキシブル容器(10)内部の製品の通過又は密封が行われる。
【0013】
2018年6月12日に出願された国際出願PCT BR2018050189号からの上記すべての内容は、より良い理解のために、本請求に含めた。
【0014】
既に述べたように、国際出願PCT BR2018050189号からの包装材は、容器(10)によって発生された陰圧を通して作動する自動密封システムを含む。ボトルは、プラグ(2)に対する吸引を発生させて閉位置とし、その結果、プラグ(2)は、下向きに動かされ、又は円筒形カプセル(4)の密封シート部(7)上に収まるように動かされ、そうして、この機構の水密性が作り出される。
【0015】
国際出願PCT BR2018050189号に記載の重要な詳細事項は、自動密封システムが、包装材の最初の使用後にしか発現しないこと、すなわち、所望される陰圧は、ボトルを最初に押した後に、又は最初の使用後に発生することであり、その結果、包装材が販売可能な状態とされた後、包装材の内圧は、大気圧、すなわち、ボトル詰めされた際と同じであり、したがって、その時点で、包装材内部には、吸引(陰圧)を促進し、バルブ又はプラグ(2)を、所望される圧力に応じて最大で閉(密封)位置まで動かすことができる陰圧は存在しない。
【0016】
したがって、包装材が充填された後で、それが最初に使用される前にも、自動密封が存在することが望ましい。
【0017】
上記に照らして、国際出願PCT BR2018050189号に記載の包装材を、包装材が充填された直後に自動密封が行われるように改変した。
【0018】
この新規な特徴を満たすために、図1~5に示されるように、チャンバー(1)を通る製品の経路のいかなる妨害も引き起こすことなく、弾性パッド(18)を、プラグ(2)とノズル(5)の底部との間に挿入した。
【0019】
スプリングタイプの弾性パッド(18)は、組み立て後、「圧縮状態」を維持し、その結果、それは、バルブ又はプラグ(2)をその密封シート部(7)に対して押し付けた状態を維持するのに充分な伸長力を有し、それによって、包装材の充填直後に、所望される水密性が確保される。
【0020】
前記弾性パッド(18)はまた、最初の使用時及びその後の使用時に、プラグ(2)自体によって圧縮されることを可能とする弾性も呈し、なぜなら、容器(10)を押した場合、内圧が、プラグ(2)をその密封シート部(7)から離れるのに充分に動かし、同時に製品がディスペンサノズルへ流動するからである。内圧が止まると、既に言及したように、包装材の形状記憶が、バルブがその元の水密位置に戻るまで、吸引及びバルブの動きを促進する。この最後の段階では、吸引の存在によって密封は自動的に行われるが、弾性パッドも伸長するため、より素早くより精密な密封が作り出される。
【0021】
弾性パッド(18)は、弾性的に圧縮及び伸長が可能である部分を有するいずれのコンポーネントも意味し、任意の材料及び形状であるスプリング、エラストマー部分、及び/又はフレキシブルプラスチック部分などである。
【0022】
前記図1~4に示される好ましい構造では、弾性パッド(18)は、上部水平リング(19)及び下部垂直ロッド(20)の2つの一体化された部分から構成され、これら両方が、アーチ状のフレキシブルリンク(21)によって相互接続されている。弾性パッド(18)は、軽い圧縮状態でアセンブリ内部に搭載されており、上部リング(19)は、ノズル(5)の下部側に対して支持され、一方反対側では、垂直ロッド(20)が、その底端部がプラグ(2)の内部で支持され、その円筒形ガイド(13)と軸線方向に整列されている。
【0023】
図5は、本発明の装置の作動を模式的に示すが、まず図1を見ると、閉じられている充填後の密封システムが分かる。この状態では、既に述べたように、弾性パッド(18)は、アセンブリによって僅かに圧縮されており、その結果、プラグ(2)も、密封シート部(7)に対して軽く押し付けられており、したがって、容器(10)が押されない限り、水密は維持されている。図5では、自動密封システムが作動されており、すなわち、容器(10)が押され、そのために、プラグ(2)、エラストマーバルブ(3)、及び弾性パッド(18)が、フレキシブル容器(10)の内圧に応じて自動的に作動しており、すなわち、前記フレキシブル容器(10)を押すと、内圧が発生し、その結果、その内容物が出口部チャンバー(1)へと押し流される。この段階で、下部プラグ(2)は、密封シート部(7)から離れ、したがって、やはりパッド(18)を押し、それを圧縮することで、製品の出口部チャンバー(1)への通過を起こすことができ、これにより、製品がエラストマーバルブ(3)を押し、その弾性開口部(11)が、製品がスムーズに及び所望される量に応じて制御された様式で吐出されるように、充分に開く。これと共に、フレキシブル容器(10)がもはや押されない場合、反対の効果が発生し、すなわち、フレキシブル容器材料(10)の形状記憶が、その元の位置に戻ろうとし、実際には、その圧力を反転させ、これと共に、それは、吸引効果を発生させ、その時点で、プラグ(2)、エラストマーバルブ(3)、及び弾性パッド(18)は、最初の水密閉鎖の状態に戻る(図1)。この水密効果は、吸引圧力を維持する。この維持効果は、出口部チャンバー(1)の内部に集められて保持されている製品の部分と一緒になって行われており、なぜなら、そのような製品部分も、密封の補完として機能し、実際の「プラグ」となるからである。
【0024】
図面は、単なる例示であり、なぜなら、知られているように、包装材自体は、著しい範囲のバリエーションを呈することができ、その構造の詳細部分が、当該装置の機能的概念を変えるものではないからである。
【0025】
示した包装材は、オーバーキャップを有しておらず、なぜなら、そのような詳細部分は、本発明の装置の構造に影響を与えないからである。
【0026】
例えば、ノズル(5)は、製品及びその用途に応じて、可変の外部詳細部分を有し得る。
【0027】
他方、下部カプセル(4)は、独立した部分として示されているが、フレキシブル容器(10)を閉じる異なる部分と一体化されていてもよい。
【0028】
公開され、示された内容によると、本発明の装置は、国際出願PCT BR2018050189号及び当該適用の上述した利点を具体化するものである:
- 自動密封システムは、充填後及び最初の使用後に、密封を確保し、したがって、これまでの装置の不都合が解決される;
- 出口部チャンバー(1)は、プラグ(2)、エラストマーバルブ(3)、及び弾性パッド(18)と組み合わせて、本発明の装置を低下されたサイズで製造することに寄与し、それは、著しく様々な種類のフレキシブル包装材に、特に、ポンプ又は類似のものなどの複雑な装置を取り付けて空気の取り込みを防止(エアレス)することができない低減された容量の包装材に用いることができる。
- 出口部チャンバー(1)は、プラグ(2)、及びエラストマーバルブ(3)と組み合わせて、複雑な装置の、特に、より大きい容量である他の包装材に用いられるポンプの代わりとなる必要な手段も追加する;
- 出口部チャンバー(1)は、プラグ(2)、エラストマーバルブ(3)、及び弾性パッド(18)と組み合わせて、空気の取り込みを防止し、その結果、製品の元の特徴を保存し、出口部チャンバー(1)の内部に残されている製品の部分の汚染を防止する;
- 出口部チャンバー(1)は、プラグ(2)、エラストマーバルブ(3)、及び弾性パッド(18)と組み合わせて、高められた流動性を有する異なる凝集状態、半固体及び液体、の様々な製品での、それらが化粧品、薬物、食品、又は化学物質であれ、完全な作動も特徴とする;
- 出口部チャンバー(1)、プラグ(2)、エラストマーバルブ(3)、及び弾性パッド(18)は、製品の残された部分と組み合わせて、完全な水密効果及び吐出される製品の量の精密な制御のための効率的な手段を提供し、外部に残される部分、溢れ、及び滴りさえも回避する;
- コンポーネントの数が減少したことにより、すなわち、開閉が僅かに4つのコンポーネント、出口部チャンバー(1)、プラグ(2)、エラストマーバルブ(3)、及び弾性パッド(18)、によって定められることにより、さらに前記アセンブリが独立していることにより、この装置を、空気取り込みのない従来の複雑な装置の代わりとすることができ、単に寸法の変動があったとしても、アセンブリを適合させることができ、それによって、それは、異なる粘度の製品での作動が可能となり、包装材の最終コストを大きく低減するために必要な手段を提供し、特にスプリング、プランジャなどを備えた空気の進入を防止するように設計されたより複雑な装置と比較した場合に、同じ効率を維持する。
【0029】
当該装置のある特定の特徴、並びに任意のノズル(5)との、及び任意のフレキシブル容器(10)との組み合わせが、アセンブリに対する同じ機能的概念を維持して、大きく変更され得ることは理解され;その結果、本明細書において例として詳細に記載される構造が、明らかにそのような部分の構造的変更を受ける場合があることには留意されたく;しかし、これはすべて、最初に開示され、開口時と水密閉鎖時との両方において包装材自体の内圧によっていずれも駆動される2つの末端バルブブロックによって密封制御される垂直方向の出口部チャンバーによって定められる本発明の範囲内であり、並びに、法律の記載要件に従って本明細書で詳述した構成において多くの改変が成されてもよいことから、提示された詳細内容は、限定的ではなく、例示的として解釈されるべきであることは理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5