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特許7297123多色のサーメット及び/又はセラミックス製の物品、及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】多色のサーメット及び/又はセラミックス製の物品、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 1/05 20230101AFI20230616BHJP
   G04B 37/22 20060101ALI20230616BHJP
   C04B 35/64 20060101ALI20230616BHJP
   C04B 35/486 20060101ALI20230616BHJP
   B22F 7/00 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
C22C1/05 A
G04B37/22 B
G04B37/22 V
C04B35/64
C04B35/486
B22F7/00 Z
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022078565
(22)【出願日】2022-05-12
(65)【公開番号】P2023014979
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】21186465.7
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599044744
【氏名又は名称】コマディール・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ティエリ・コルディエ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル・ル コルテ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・モロー
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・ショパール-ラリエ
【審査官】清水 研吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-517006(JP,A)
【文献】スイス国特許出願公開第00715336(CH,A3)
【文献】特開2021-99308(JP,A)
【文献】特表2021-529253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 1/04-1/059;33/02
G04B 37/22
C04B 35/00-35/84
B22F 1/00-8/00;10/00-12/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レリーフ装飾(11)がある多色のサーメット及び/又はセラミックス製の物品を注入して製造する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つの第1の材料(2)と少なくとも1つの第2の材料(3)を用意するステップであって、前記第1の材料(2)が前記第2の材料(3)とは別の色であり、前記第1の材料(2)と前記第2の材料(3)がセラミックス又はサーメットのいずれかである、ステップと、
注入後に前記第1の材料(2)にフック面を形成するように意図されたレリーフ又は凹状の構造を有する構造部分(7)があるパターン空洞(6)が形成された型(5)を用意するステップと、
前記構造部分(7)がある前記パターン空洞(6)に前記第1の材料(2)を注入して、前記第1の材料(2)の一部に前記構造をプリントし、前記構造部分にフック面を形成するステップと、
少なくとも前記フック面において前記第1の材料(2)上に前記第2の材料(3)を注入して、材料体(8)を形成するステップと、
前記材料体(8)を焼結して、ブランクを形成するステップと、
前記材料体(8)又は前記ブランクにおける前記第2の材料(3)をレーザーアブレーションによって加工して、レリーフ装飾(11)を作るステップであって、前記第2の材料(3)を少なくとも前記第1の材料(2)までレーザーアブレーションによって除去して前記第1の材料(2)を露出し前記第1の材料(2)上に前記第2の材料(3)によって作られたレリーフ装飾(11)を得る、ステップと、及び
前記ブランクに仕上げ処理をして、前記物品を得るステップと
を行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記構造部分(7)の前記構造は、不連続的である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構造部分(7)の前記構造には、レリーフがある
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構造部分(7)の前記構造は、複数のスタッド(7a)によって形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記構造部分(7)の前記構造は凹状であり、複数のくぼみによって形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の材料(3)が前記第1の材料(2)上に注入されて、前記第1の材料(2)の層と前記第2の材料(3)の層である2つの重なり合った層を含む材料体(8)を形成し、
前記第1の材料(2)の層と前記第2の材料(3)の層は、フック面において互いに連結している
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の材料(2)は、部分的に除去されて、前記フック面が除去される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記レリーフ装飾(11)は、前記物品の残りと一体的に形成され、
前記装飾(11)と、前記物品の残りは、塊において、前記色のそれぞれに対して一様な色を有するようにされている
ことを特徴とする請求項1に記載の方法
【請求項9】
計時器用の外側コンポーネント、又はムーブメントのコンポーネントである
ことを特徴とする請求項8に記載の方法
【請求項10】
前記計時器用の外側コンポーネント又は前記ムーブメントのコンポーネントは、ケースミドル部、ケース底部、ベゼル、ベゼルインサート、押し部品、リュウズ、ブレスレットリンク、バックル、表盤、針、表盤インデックス、振動錘及びプレートからなる群から選択される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法
【請求項11】
少なくともインデックスと数値によって形成されるレリーフ装飾(11)があるベゼル(1)である
ことを特徴とする請求項10に記載の方法
【請求項12】
頭字語によって形成されるレリーフ装飾(11)があるリュウズである
ことを特徴とする請求項10に記載の方法
【請求項13】
前記装飾(11)は白色ジルコニアによって作られており、前記物品の残りは黒色ジルコニアによって作られている
ことを特徴とする請求項8に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス及び/又はサーメットのマルチインジェクション(多元注入)によって得られる物品に関する。本発明は、特に、異なる色のセラミックス及び/又はサーメット材料を注入することによって作られたベゼルのような計時器用コンポーネントであって、1つの色が計時器用コンポーネントの装飾を形成するものに関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックス又はサーメット製の計時器用コンポーネントは、一般的には、材料を注入し、その後に焼結する方法によって得られる。このようなコンポーネントには、多くの場合、コンポーネントの他の部分とは異なる色を有する装飾、例えば、ベゼルのインデックスや数値、がある。装飾の各要素は、一般的には、焼結によって得られるブランクにろう付け又は接着することによって直接取り付ける。このようなブランクに対する装飾の要素の機械的な組み付けは、費用がかかり、実装が複雑になりがちである。
【0003】
このような機械的アセンブリーの代わりに、加工後に形成する装飾の色とは異なる色の材料を注入することによってブランクを作るものがある。しかし、異なる色のセラミックス又はサーメット製のコンポーネントの製造は複雑である。実際に、焼結中に、30%に達することがある大きな収縮が観察される。この収縮率は、材料の選択や材料の注入量のようないくつかの要因に依存する。このことによって、バイインジェクション(二元注入)又はより一般的にはマルチインジェクションの方法において、焼結中の収縮の差が発生して、別種類の材料の間の接合部において離脱が発生する可能性がある。
【0004】
この課題を解決するために、欧州特許文献EP2746243において、単一の材料を注入し、材料体の一部を含浸させてから、顔料として機能する金属を含む溶液とともに焼結することが提案されている。しかし、この方法には、色付き部分の塊において一様な色を得ることが難しいという課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、異なる色を有する注入材料どうしの間の収縮の差を抑えたような、多材料を注入し、その後のステップにおいて1つの色の材料に対して加工して装飾を形成する新しい多材料注入方法を提供することによって、前記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、注入ステップの間に、注入された第2の材料のためのフック面を注入された第1の材料にプリントするように意図されたレリーフ又は凹状の構造を有するインサートを用いるような製造方法に関する。このフック面によって、注入された第2の材料を保持することができ、したがって、焼結ステップの間の収縮を低減させることができる。
【0007】
具体的には、本発明に係る物品の製造方法は、
レリーフ装飾がある多色のサーメット及び/又はセラミックス製の物品を注入して製造する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つの第1の材料と少なくとも1つの第2の材料を用意するステップであって、前記第1の材料が前記第2の材料とは、組成、特に色、が異なり、前記第1の材料と前記第2の材料がセラミックス又はサーメットのいずれかである、ステップと、
前記第1の材料にフック面を形成するように意図されたレリーフ又は凹状の構造を有する構造部分があるパターン空洞が形成された型を用意するステップと、
前記構造部分がある前記パターン空洞に前記第1の材料を注入して、前記第1の材料の一部に前記構造をプリントし、前記構造部分にフック面を形成するステップと、
少なくとも前記フック面において前記第1の材料上に前記第2の材料を注入して、材料体を形成するステップと、
前記材料体を焼結して、ブランクを形成するステップと、
少なくとも前記第2の材料をレーザーアブレーションによって加工して、前記第1の材料の裏側にある前記第2の材料にて装飾を作るステップと、及び
前記ブランクに仕上げ処理をして、前記物品を得るステップと
を行う。
【0008】
好ましいことに、この方法は、前記焼結ステップの前及び/又は後に、前記材料体及び/又は前記ブランクの大きさを調整するための別の加工ステップを行う。
【0009】
本発明は、さらに、当該製造方法によって得られるセラミックス及び/又はサーメット製の物品に関する。本発明に係る物品は、色によって、より一般的には美的外観によって、区別される少なくとも2種類の別種類の材料を含む。本発明によると、装飾された物品は、直接取り付け、ろう付け又は接着によって物品に装飾の要素を形成される物品とは異なり、装飾と物品の残りの部分の間に不連続性がなく、一体的に形成される。本発明によると、装飾と物品の残りの部分は、各色において一様な色で塊にて色付けされている。
【0010】
添付の図面を参照しながら例として与えられる好ましい実施形態の以下の説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点が明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】型の固定部分のダブルパターン空洞の3次元図であり、2つのパターン空洞のうちの1つが、本発明に係るレリーフ構造を有するインサートを備える。
図2】レリーフ構造を有するインサートの3次元図である。
図3】右側に第1の材料、左側に第2の材料が注入された型の断面図である。
図4】材料のバイインジェクションによって得られた材料体の3次元図である。
図5図4の材料体の部分図である。
図6】本発明に係る製造方法によって得られた装飾されたベゼルの3次元図である。
図7】本発明に係る製造方法によって得られた装飾されたベゼルを上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、サーメット又はセラミックスのいずれかである少なくとも2つの別種類の材料によって作られた物品を注入によって製造する方法に関する。「別種類の材料」という用語は、美的外観、特に色、によって区別される材料を意味する。これによって、化学組成に違いが発生する。ベース材料が同じで顔料が異なるものでもよく、あるいは色やベース材料が異なるものでもよい。例として、ベース材料が酸化ジルコニウムであって同じで、一方では黒色の材料を得るように黒色の顔料を、他方では白色を得るようにアルミナを含むようにすることができる。より一般的には、セラミックスは、窒化物、炭化物及び/又は酸化物であることができる。同様に、サーメットは、炭化物、窒化物及び/又は酸化物を含むセラミックス相と、及び金属バインダーの相を含むことができる。金属バインダーは、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、金及び銀のような貴重な元素から選択される。
【0013】
本発明に係る物品は、携行型時計(例、腕時計、懐中時計)、宝飾品、ブレスレットなどの構成要素のような装飾品であることができる。携行型時計の製造の分野において、この物品は、ケースミドル部、ケース底部、ベゼル、ベゼルインサート、押し部品、リュウズ、ブレスレットリンク、バックル、表盤、針、表盤インデックスのような外側部品であることができる。また、この物品は、振動錘、プレートのような可動コンポーネントであることもできる。例として、この物品は、図6と7に示しているように、黒色と白色のような異なる色の2つのセラミックスによって作られたベゼル1であって、一方の色が底部を形成し、他方の色が装飾11を形成するものであることができる。さらに、例として、装飾は、携行型時計のリュウズにある頭字語であることができる。
【0014】
この物品は、異なる種類の材料を注入して材料体を形成し、この材料体を焼結することによって作られる。以下において、2種類の別種類の材料を含む物品を製造する方法について説明するが、この物品は、3、4などの数の別種類の材料を含む物品であって、続く注入材料のそれぞれにフック面を形成するものであることもできる。同様に、同色の装飾がある物品を示しているが、異なる色の装飾があることもできる。
【0015】
図1~7を参照すると、当該製造方法は、以下のステップを行う。すなわち、
- 少なくとも1つの第1の材料2と少なくとも1つの第2の材料3を用意するステップであって、前記第1の材料が、色、したがって化学組成、が第2の材料とは異なり、前記第1及び第2の材料が、セラミックス又はサーメットのいずれかである、ステップを行う。したがって、前記第1及び第2の材料は、両方ともセラミックスであることができ、又は両方ともサーメットであることができ、又は一方の材料がセラミックスで他方の材料がサーメットであることもできる。
- 注入された第1の材料にフック面を形成するように意図された、レリーフ又は凹状の構造を有する、インサートとも呼ばれる、構造部分7があるパターン空洞6がある型5を用意するステップを行う(図1)。好ましくは、前記構造にはレリーフがある。この構造は好ましくは不連続的である。したがって、この構造は、複数のスタッド7a(図2)又はくぼみによって形成していることができる。この不連続的構造は、材料の保持性を向上させるために、溝やタブのような連続的構造に比べて好ましい。好ましくは、前記くぼみ又はスタッドはそれぞれ、少なくとも0.2mmの深さ又は高さを有する。好ましくは、前記スタッド又はくぼみは、数が10mm2当たり1~10であり、より好ましくは10mm2当たり1~3である。
- インサート7があるパターン空洞6内に前記第1の材料2を注入して、第1の材料2の一部に前記構造をプリントし、第2の材料3のためのフック構造を形成するステップを行う。
- 少なくともフック面において第1の材料2上に第2の材料3を注入して、材料体8を形成するステップを行う(図3及び4)。
- 材料体8を焼結してブランクを形成するステップを行う。
- 少なくとも材料体8又はブランクにある第2の材料3をレーザーアブレーションによって加工して、ブランクの第1の材料2上に装飾11を設けるステップを行う。第2の材料3は、第1の材料2まで除去されて、第1の材料2を露出し、前記第2の材料3においては装飾11のみを残す。
- 前記ブランクに仕上げ処理をして前記物品を得るステップを行う。
【0016】
前記加工ステップの間に、第1の材料をわずかに除去して、実行しなければ装飾の後に見えるままになるフック領域における材料を取り除くこともできる。言い換えると、実行しなければ装飾の後に見えることになる第1の材料の一部にプリントされた構造を取り除く。3種類以上の異なる色の材料を用いる場合、異なる色の装飾を描くために、異なる材料を除去することができる。したがって、第2の材料上に注入される第3の材料の存在下で、第3の材料を第2の材料まで又はさらには第1の材料まで除去して、第2の材料上に、又は第1の材料上に、又は部分的に第2の材料と第1の材料上に、設けられる装飾を形成することができる。
【0017】
前記レーザーアブレーション加工ステップは、焼結前に、すなわち、材料体に対して、又は焼結後に、すなわち、ブランクに対して、実行することができる。
【0018】
レーザーアブレーションは、好ましくは、ピコ秒、ナノ秒又はフェムト秒のレーザーのようなパルスレーザーを用いて行う。
【0019】
この方法は、さらに、材料体及び/又はブランクの大きさを調整するように意図された、第2の加工ステップとも呼ばれる別の加工ステップを行うことができる。好ましくは、この第2の加工ステップは、材料が硬すぎでないように焼結前に、材料体に対して行う。本発明は、この第2の加工ステップを部分的に焼結前に行い部分的に焼結後に行うことを除外するものではない。
【0020】
この方法は、随意的に、有機バインダー(パラフィン、ポリエチレンなど)系とともに前記材料を注入する場合に、焼結ステップの前にバインダーを除去するステップを行うことができる。
【0021】
レーザーアブレーションによる加工後に、当該製造方法は、研磨、サテン仕上げ、艶消しのような仕上げ処理をするステップを行う。
【0022】
図示している例において、当該注入デバイスには、第1のパターン空洞6a及び第2のパターン空洞6bである2つのパターン空洞6によって形成される固定部分5aを含む型5があり、この第1のパターン空洞6aには、第1の材料2を注入することを意図しており、第2のパターン空洞6bには、第2の材料3を注入することを意図している(図1)。第1のパターン空洞6aには、レリーフ構造を有するインサート7がある。例において、インサートはパターン空洞に直接取り付けられるが、パターン空洞の残りの部分と一体的であることもできる。注入の間に、図3の右側に示しているように、固定部分5a及び可動部分5bによって形成される型5内に、第1の材料2が注入される。次に、注入された第1の材料2とともに可動部分5bを、他方のパターン空洞6bの固定部分5aの方に移動して、第2の材料3の注入を行う(図3の左側)。レリーフ構造を有するインサート7は、第1の材料2にてくぼみ2aをプリントすることを意図している。このくぼみ2aは、第2の材料3の注入中にフックとして用いる。図4は、第1の材料2と、その上に重なり合う第2の材料3とのバイインジェクションによって得られた材料体8を示している。焼結終了時の材料体とブランクにおいては、2種類の材料2及び3が重なり合う、具体的にはロックし合う、部分4がある(図5)。「ロックし合う」という用語は、2種類の材料の一方の材料が、その表面において、他方の材料で充填される構造を有することを意味する。図5には、重なり合っている2種類の材料2及び3を示しており、一方の材料が、他方の材料の表面に形成されたくぼみ2a内にてロックし合っている。
【0023】
ベゼルを形成するために、第2の加工ステップ中に、スプルー10が切断され、ベゼルの内側を除去して内径を形成する。その前後に、第2の材料を少なくとも第1の材料までレーザーアブレーションによって除去して、ベゼルによって形成される基材とは異なる色の装飾11を形成する。
【0024】
典型的には、図6及び7におけるベゼル1は、白色ジルコニア及び黒色ジルコニアを注入し、酸化性雰囲気中で1400℃の温度で48時間焼結することによって得られる。
【符号の説明】
【0025】
1 物品、計時器用コンポーネント又はベゼル
2 セラミックスとも呼ぶ第1の材料
a くぼみ
3 セラミックスとも呼ぶ第2の材料
4 物品の一部
5 型
5a 固定部分
5b 可動部分
6 パターン空洞
6a 第1のパターン空洞
6b 第2のパターン空洞
7 パターン空洞の構造部分とも呼ばれるインサート
7a スタッド
8 材料体
9 材料体のスプルー
10 装飾
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7