(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】物品集積装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/29 20060101AFI20230619BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20230619BHJP
B65B 35/30 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
B65G47/29 F
B65G54/02
B65B35/30
(21)【出願番号】P 2022041504
(22)【出願日】2022-03-16
【審査請求日】2023-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103932
【氏名又は名称】オリオン機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】恩田 浩光
(72)【発明者】
【氏名】本庄 隆秋
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-225121(JP,A)
【文献】特開2009-220980(JP,A)
【文献】特開2001-294205(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0352261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/29
B65G 54/02
B65B 35/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚ずつ搬入される物品を所定数ごとに集積して搬出する物品集積装置であって、
互いに独立して位置制御可能な多数のスライダが基台に沿って移動自在に構成されるリニアコンベアと、
前記スライダに支持され、互いに間隔を開けて配置される複数の仕切板と、
一枚の物品が前記各仕切板間に搬入された後、前記スライダを所定距離前進させる制御ロジック、及び物品が前記各仕切板間に全て搬入された後、前記スライダを、所定数集積された物品群を前記各仕切板間から搬出する搬出位置に向かって移動させる制御ロジックを含む制御装置と、
を備えることを特徴とする物品集積装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記搬出位置に前記所定数以上の物品が存在する状況下では、当該搬出位置において、前記所定数の物品が前記各スライダから搬出された後、前記スライダ上に残存している残りの物品を搬出可能な位置まで前進させる制御ロジックを含むことを特徴とする請求項1に記載の物品集積装置。
【請求項3】
前記各仕切板は、進行方向前後一対のスライダに架け渡される支持板に支持され、
該支持板は、弾性変形可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の物品集積装置。
【請求項4】
前記制御装置は、物品を前記スライダの前記各仕切板間に搬入する搬入位置において、物品を前記各仕切板間に搬入中であるスライダの進行方向後側に次のスライダを待機させ、先行するスライダの前進に伴って次のスライダも前進させる制御ロジックを含むことを特徴とする請求項1~3いずれかに記載の物品集積装置。
【請求項5】
前記基台は、無端状に構成されることを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の物品集積装置。
【請求項6】
一枚の物品を前記各仕切板間に搬入する物品搬入手段が複数備えられ、
前記制御装置は、前記各物品搬入手段からの各物品の搬入タイミングに基づいて、各物品搬入手段に対応する前記各スライダの移動を制御する制御ロジックを含むことを特徴とする請求項1~5いずれかに記載の物品集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚ずつ搬入される物品を所定数ごとに集積して搬送する物品集積装置に関するものである。なお、物品は、例えば、紙おむつやナプキン、袋体等である。
【背景技術】
【0002】
上述した物品集積装置における従来技術として、特許文献1及び2に製品集積装置が開示されている。特許文献1に係る製品集積装置は、一般的な製品集積装置であり、所定間隔を隔ててスライド自在に配置された第1及び第2回転部材と、第1回転部材と第2回転部材との間に巻回されたチェーン及び当該チェーンに所定間隔で取付けられた多数の羽根部材を含む回転コンベアと、を備えている。そして、製品集積装置の隣接する羽根部材間に製品、例えば紙おむつが順次搬入されて、回転コンベアのチェーンの移動に伴って、各羽根部材間の所定数の製品が搬出位置まで搬送される。続いて、所定数の製品が搬出位置まで到達すると、プッシャ部材等の製品搬出手段により各羽根部材間の所定数の製品が各羽根部材間から搬出される。続いて、所定数の製品が圧縮手段により整列圧縮されて、その状態で中間コンベアを介して包装機まで搬送される。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のような一般的な製品集積装置では、回転コンベアがチェーン駆動によって作動するので、長期間使用すると、時間経過と共にチェーンが変形、すなわちチェーンが伸びる現象が発生する。そのために、搬出位置が当初の位置からずれてきてしまい、製品群の搬出に係る問題が生じる。また、当該製品集積装置では、回転コンベアがチェーン駆動であると、製品の搬入側と搬出側とがチェーンにて繋がっているために、複数の搬入口や搬出口が存在する場合、特に、複数の搬入口それぞれにおいて、製品を同時に搬入する必要があり、また各搬入口からの搬入と同時に搬出口に向かって製品群を搬出する必要もある。その結果、新たに、各搬入口における各製品の搬入タイミング等も制御する必要が生じ、汎用性が低かった。
【0004】
さらに、当該製品集積装置では、製品の搬入方向と製品群の搬出方向とを互いに反対方向に設定する必要があり、設置スペースを有効活用することができない。しかも、五角形計数機の場合には、製品群の搬出位置が3箇所あるが、各搬出位置にて製品群をそれぞれ搬出する際に、回転コンベアのチェーン駆動を停止することができず、生産性を高めるために、製品群搬出手段であるプッシャ部材を横移動させて対応していたが、その構造が複雑であり、改善する必要があった。
【0005】
また、特許文献2に係る製品集積装置は、加工機からの製品を受け入れ順次搬送する第1及び第2製品供給手段と、該第1及び第2製品供給手段から供給された製品を順次整列させて集積する第1及び第2集積手段と、該第1及び第2集積手段で集積された製品を所定個数毎に保持する第1及び第2保持手段と、第1または第2保持手段のいずれか一方により所定個数毎に保持された製品を包装機へ搬出する製品搬出手段と、を備えている。そして、製品加工機から第1または第2製品供給手段に供給された所定数の製品は、第1または第2集積手段、及び第1または第2保持手段により、所定数の製品が集積された状態で置き台の長手方向略中央部位まで搬送されて、製品搬出手段によって包装機に搬出される。その後、第1または第2保持手段は初期位置に戻り、この動作が繰り返される。
【0006】
しかしながら、特許文献2に係る製品集積装置では、例えば、第1保持手段が所定数の製品を保持した状態で置き台の長手方向略中央部位の搬出位置まで移動して、製品群を製品搬出手段によって包装機に搬出した後、初期位置まで後退して、その間に第2集積手段及び第2保持手段が作動される。要するに、本製品集積装置では、第1集積手段及び第1保持手段を有する第1系統と、第2集積手段及び第2保持手段を有する第2系統とが交互に作動されることにより生産効率の低下を抑えようとしているが、さらに生産効率を向上させるために、第1及び第2製品供給手段による製品の供給速度を速めると、第1系統と第2系統とを正常に交互に作動させることが困難になる虞があり、製品の集積に係る生産効率が下がり、改善する必要がある。
【0007】
また、特許文献2に係る製品集積装置では、上下一対の回転部材の回転によって、第1または第2製品供給手段によって供給された製品を各回転部材に設けた螺旋状に延びる棒状部材との接触により前に送り出す構成が採用されているが、第1及び第2製品供給手段による製品の供給速度を速めると、螺旋状の各棒状部材と製品との摩擦により製品が加熱され、場合によっては製品が焦げる虞もあり、生産効率を向上させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2006-225121号公報
【文献】特開2009-220980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そして、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、従来のチェーン駆動に伴う問題を解消することで、信頼性を向上させつつ、汎用性が高く、物品の集積に係る生産効率を向上させることができる物品集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、一枚ずつ搬入される物品を所定数ごとに集積して搬出する物品集積装置であって、互いに独立して位置制御可能な多数のスライダが基台に沿って移動自在に構成されるリニアコンベアと、前記スライダに支持され、互いに間隔を開けて配置される複数の仕切板と、一枚の物品が前記各仕切板間に搬入された後、前記スライダを所定距離前進させる制御ロジック、及び物品が前記各仕切板間に全て搬入された後、前記スライダを、所定数集積された物品群を前記各仕切板間から搬出する搬出位置に向かって移動させる制御ロジックを含む制御装置と、を備えることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、一枚の物品が、例えば物品搬入手段から単一のスライダ上の各仕切板間に搬入される。その後、当該スライダが所定距離、例えば物品搬入手段と対向する位置に次の各仕切板間が到達するように所定距離移動して、次の物品がスライダ上の次の各仕切板間に搬入される。この動作を繰り返して、物品がスライダ上の各仕切板間に全て搬入されると、スライダが搬出位置まで移動する。この動作を繰り返して、複数のスライダが搬出位置に順次到達すると、例えば物品群搬出手段により、複数のスライダ上の所定数の物品(物品群)が次工程に搬出される。なお、制御装置は、各種検出センサからの検出信号に基づいて、上述したようにスライダに対して位置制御する。そして、請求項1の発明では、上述した動作を、リニアコンベアを採用することで成立させ、従来のチェーン駆動を採用していないので、チェーン駆動に伴う問題を解消することで、信頼性を向上させつつ、多種多様の集積装置に対応することができ、その汎用性を高くすることができる。
【0011】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記制御装置は、前記搬出位置に前記所定数以上の物品が存在する状況下では、当該搬出位置において、前記所定数の物品が前記各スライダから搬出された後、前記スライダ上に残存している残りの物品を搬出可能な位置まで前進させる制御ロジックを含むことを特徴とするものである。
請求項2の発明では、複数のスライダ上の各仕切板間に物品をそれぞれ収容した状態で各スライダが搬出位置に順次到達して、当該搬出位置に所定数以上の物品が到達した際には、まず、当該搬出位置にて、例えば物品群搬出手段により所定数の物品が各スライダの各仕切板間から搬出される。その後、スライダ上の残りの物品が、物品群搬出手段により搬出可能な位置まで前進され、後から到達した物品と共に、物品群搬出手段により搬出され、この動作が繰り返される。これにより、搬出位置では、時間的ロスなく、すなわち物品群搬出手段を待ちの状態で停止させることなく、所定数の物品(物品群)を次工程に次々に搬出することができるので、物品の集積に係る生産効率を向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記各仕切板は、進行方向前後一対のスライダに架け渡される支持板に支持され、該支持板は、弾性変形可能であることを特徴とするものである。
請求項3の発明では、例えば、基台が無端状であって、基台に半円弧状に湾曲する部位が存在する場合、各スライダが基台の湾曲部分に到達すると、支持板が弾性変形、すなわち支持板が外方に向かって凸状に湾曲することで、各仕切板間の距離が先端に向かって大きくなる現象が生じる。この現象を利用して、当該基台の湾曲部位において、物品搬入手段により、スライダの各仕切板間に物品を搬入することで、その搬入が容易となる。
【0013】
請求項4に記載した発明は、請求項1~3いずれかに記載した発明において、前記制御装置は、物品を前記スライダの前記各仕切板間に搬入する搬入位置において、物品を前記各仕切板間に搬入中であるスライダの進行方向後側に次のスライダを待機させ、先行するスライダの前進に伴って次のスライダも前進させる制御ロジックを含むことを特徴とするものである。
請求項4の発明では、単一のスライダ上の各仕切板間に全ての物品が搬入されて、スライダがその状態で搬出位置に向かって移動した後、時間的ロスなく、次のスライダ上の各仕切板間に物品を搬入することができる。
【0014】
請求項5に記載した発明は、請求項1~4いずれかに記載した発明において、前記基台は、無端状に構成されることを特徴とするものである。
請求項5の発明では、各スライダを基台に沿って一方向に移動させて循環させることで、搬入位置及び搬出位置に順次移動させることができる。その結果、時間的ロスがなく、また構造的に複雑にすることもなく、搬入位置におけるスライダ上の各仕切板間への物品の搬入動作と、搬出位置における各スライダ上の各仕切板間からの物品群の搬出動作を繰り返すことができる。
なお、基台は、側面視において、その外形が長円形状を呈する無端状に構成されても良いし、平面視において、その外形が長円形状を呈する無端状に構成されても良い。
【0015】
請求項6に記載した発明は、請求項1~5いずれかに記載した発明において、一枚の物品を前記各仕切板間に搬入する物品搬入手段が複数備えられ、前記制御装置は、前記各物品搬入手段からの各物品の搬入タイミングに基づいて、各物品搬入手段に対応する前記各スライダの移動を制御する制御ロジックを含むことを特徴とするものである。
請求項6の発明では、物品搬入手段を複数備えているので、物品として、複数種類のものを交互に集積する際に最適である。また、リニアコンベアを採用することで、各物品搬入手段からの各物品の搬入タイミングに基づいて、各物品搬入手段に対応する各スライダの移動を制御することができる。これにより、従来のように、複数の搬入位置それぞれにおいて、物品を同時に搬入する必要はなく、汎用性が高くなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る物品集積装置では、従来のチェーン駆動に伴う問題を解消することで、信頼性を向上させつつ、汎用性が高く、物品の集積に係る生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る物品集積装置を示し、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る物品集積装置に採用したリニアコンベアの概略側面図である。
【
図3】
図3は、
図1から続く、第1実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図4】
図4は、
図3から続く、第1実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図5】
図5は、
図4から続く、第1実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図6】
図6は、
図5から続く、第1実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図7】
図7は、
図6から続く、第1実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図8】
図8は、
図7から続く、第1実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る物品集積装置を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図10】
図10は、
図9から続く、第2実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図11】
図11は、
図10から続く、第2実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図12】
図12は、
図11から続く、第2実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図13】
図13は、
図12から続く、第2実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図14】
図14は、
図13から続く、第2実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図15】
図15は、
図14から続く、第2実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図16】
図16は、
図15から続く、第2実施形態に係る物品集積装置の作用を示す図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部側面図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態に係る物品集積装置を示す平面図である。
【
図18】
図18は、第3実施形態に係る物品集積装置に採用される各種物品の配列図であり、(a)は、3台の仕切板ユニットに対して、各種物品を5枚ずつ交互に配置した全10枚の物品群を集積する際の各種物品の配列図であり、(b)は、3台の仕切板ユニットに対して、各種物品を6枚ずつ交互に配置した全12枚の物品群を集積する際の各種物品の配列図であり、(c)は、5台の仕切板ユニットに対して、各種物品が9枚ずつ交互に配置した全18枚の物品群を集積する際の各種物品の配列図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1~第3実施形態に係る物品集積装置1A、1B、1Cを
図1~
図18に基づいて詳細に説明する。第1~第3実施形態に係る物品集積装置1A、1B、1Cは、一枚ずつ搬入されるシート状の物品Wを所定数ごとに集積して次工程に搬出、供給するものである。集積される物品Wは、紙おむつ、ナプキンや袋体等であるが、第1~第3実施形態に係る物品集積装置1A、1B、1Cでは、ナイロン製等のシート状の袋体など、自然に自立できない物品Wを集積する装置として、特に有効である。
【0019】
まず、第1実施形態に係る物品集積装置1Aを
図1~
図8に基づいて詳細に説明する。なお、第1実施形態に係る物品集積装置1Aは、物品Wとして同じ種類のものを集積するものである。第1実施形態に係る物品集積装置1Aは、シート状の物品Wである紙おむつを集積するものである。
図1を参照して、第1実施形態に係る物品集積装置1Aは、互いに独立して位置制御可能な多数のスライダ11が基台10に沿って移動自在に構成されるリニアコンベア4と、単一のスライダ11に支持される、互いに間隔を開けて配置される複数の仕切板5と、特に、リニアコンベア4の各スライダ11、11の位置を、後述するリニアスケールを含む各種検出センサ(図示略)からの検出信号に基づき制御する制御装置7と、を備えている。
【0020】
図1及び
図2を参照して、リニアコンベア4は、リニアモータを駆動源として、基台10上に敷設されたレールに沿って多数のスライダ11をそれぞれ移動させるものである。なお、リニアモータとしては、いわゆる可動磁石型リニアモータが適用される。この可動磁石型リニアモータは、具体的には、電磁石(電機子)がリニアモータ固定子として基台10上に固定される一方、永久磁石がリニアモータ可動子として各スライダ11に固定され、電磁石を構成するコイルへの電流供給が制御されることで各スライダ11に推進力が与えられる。そして、各スライダ11に固定されるスケールと、基台10側に配置される複数のセンサと、を備えるリニアスケールが組み込まれる。このリニアスケールによる位置検出に基いて、前記コイルへの電流供給が制御されることで、特定位置への各スライダ11の移動が可能となっている。なお、
図2では、リニアコンベア4において、基台10及び各スライダ11以外の構成部材の図示は省略している。
【0021】
図2を参照して、リニアコンベア4の基台10は、側面視において、その外形が対向する一対の半円弧状経路10A、10Aと、一対の半円弧状経路10A、10Aに接続され、対向する一対の直線状経路10B、10Bとからなる長円形状を呈する無端状に構成される。
図1を参照して、基台10の上側に位置する直線状経路10Bには、その幅方向両側方に一対の物品脱落防止台14、14がそれぞれ配置される。物品脱落防止台14は、後述するスライダ11の各仕切板5、5間に搬入された物品Wの脱落を防止するためのものである。基台10の直線状経路10Bの上流側(搬送方向後側で
図1の左側)に物品Wが順次搬入される搬入位置が設けられる。基台10の直線状経路10Bの下流側(搬送方向前側で
図1の右側)に所定数集積された物品群W’が搬出される搬出位置が設けられる。
【0022】
図1を参照して、単一のスライダ11上には、基台10の直線状経路10Bに沿って互いに間隔を開けて配置される複数の仕切板5、5が設けられる。本実施形態では、仕切板は5枚である。仕切板5は、正面視略矩形状に形成される。仕切板5の高さは、物品Wの高さの1/2である。各仕切板5、5は、底板6にて互いに連結される。当該底板6が、スライダ11に連結される。各仕切板5、5間の距離は、物品Wを収容できる程度の距離である。そして、単一のスライダ11上の隣接する仕切板5、5間に物品Wがそれぞれ搬入される。その結果、本実施形態では、単一のスライダ11上には、物品Wが4枚支持される。なお、本実施形態では、基台10は、
図2に示すように、側面視において、その外形が長円形状を呈する無端状に構成されているが、基台10を、平面視において、その外形が長円形状を呈する無端状に構成しても良い。
【0023】
物品Wの搬入位置には、物品Wを一枚ずつ順次基台10の直線状経路10B上に搬入する物品搬入手段16が備えられる。物品搬入手段16は、例えば、無端状ベルト18が所定位置に配置された案内ローラ19及び駆動ローラ(図示略)に巻回されて構成されてなるベルトユニット20、20が一対配置されて構成される。一対のベルトユニット20、20は、一対の無端状ベルト18、18が所定範囲にて互いに対向するように構成される。
図1では、一対のベルトユニット20、20の端部のみが図示されている。
【0024】
そして、一対のベルトユニット20、20の無端状ベルト18、18が駆動ローラの駆動により作動されることで、多数の物品Wが互いに間隔を開けて一対のベルトユニット20、20間(一対の無端状ベルト18、18間)をそれぞれ移動する。最終的に、一対のベルトユニット20、20間の多数の物品Wが、その端部間から基台10の直線状経路10Bを移動する後述するスライダ11上の各仕切板5、5間に順次搬入される。そして、基台10の直線状経路10B上において、一対のベルトユニット20、20の端部間からの延長線上の位置が物品Wの搬入位置となる。なお、物品Wの搬入方向は、
図1において、上から下に向かう方向となる。また、物品Wの搬入方向を、
図1において、下から上に向かう方向としてもよい。
【0025】
一方、物品群W’の搬出位置には、物品Wが所定数集積された物品群W’を各スライダ11の各仕切板5、5間から搬出する物品群搬出手段24が備えられる。物品群搬出手段24は、搬出位置において、例えば、基台10の直線状経路10B及び物品脱落防止台14上をその幅方向に沿って横切るように往復運動するプッシャ部材26等で構成される。プッシャ部材26は、例えば、物品群W’の、各スライダ11上の各仕切板5、5の上端から上方に突出している部分に接触して押し出すプッシャ本体部28と、該プッシャ本体部28の背面から基台10の直線状経路10Bの幅方向に沿って延びる軸部29と、を備えている。プッシャ本体部28は、正面視略矩形状に形成される。
【0026】
プッシャ本体部28の、基台10の直線状経路10Bの延びる方向の長さ(長手方向の長さ)が、所定数集積された物品群W’を搬出すべく長さに設定される。プッシャ本体部28の上下方向の長さは、物品群W’の、各スライダ11上の各仕切板5、5の上端から上方に突出している部分に接触すべく長さに設定される。そして、複数のスライダ11が、各物品Wを搭載して、基台10の直線状経路10Bに沿って移動して搬出位置に到達すると、プッシャ部材26が前進することで、プッシャ本体部28が物品群W’の、各スライダ11上の各仕切板5、5の上端から上方に突出している部分に接触され、物品群W’が各スライダ11上の各仕切板5、5から基台10の直線状経路10Bの幅方向に沿って押し出されて、その幅方向外側に搬出される。そして、基台10の直線状経路10B上において、プッシャ部材26のプッシャ本体部28の長手方向全範囲が物品群W’の搬出位置となる。なお、物品群W’の搬出方向は、物品Wの搬入方向と同じ方向であって、
図1において、上から下に向かう方向となる。また、物品群W’の搬出方向を、
図1において、下から上に向かう方向としてもよい。
【0027】
図1に示す制御装置7は、主に、リニアコンベア4の各スライダ11の位置、仕切板5、5間に物品Wが搬入されているか否か、及び物品群搬出手段24(プッシャ部材26)の動作等を、リニアスケールを含む各種検出センサからの検出信号に基づき制御するものである。当該制御装置7による制御方法は、後述する本実施形態に係る物品集積装置1の作用を説明する際に詳しく説明する。
【0028】
次に、第1実施形態に係る物品集積装置1Aの作用を
図1、
図3~
図8に基づいて説明する。なお、上述したように、以下で説明する、リニアコンベア4の各スライダ11の位置、各スライダ11上の隣接する仕切板5、5間に物品Wが搬入されているか否か、及び物品群搬出手段24(プッシャ部材26)の動作等は、制御装置7により制御される。
まず、
図1を参照して、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の幅方向に沿う延長線上の位置に、先頭のスライダ11において先頭に位置する隣接する仕切板5、5間が位置する。また、先頭のスライダ11の後側には、複数のスライダ11、11が互いに微小な間隔(数mm程度)を開けて待機される。
【0029】
次に、
図1を参照して、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの最初の物品Wが、先頭のスライダ11上において先頭に位置する隣接する仕切板5、5間に搬入される。続いて、
図3を参照して、最初の物品Wが、先頭のスライダ11上における先頭に位置する仕切板5、5間に搬入されると、先頭のスライダ11を含む後側で待機している複数のスライダ11、11が所定距離、すなわち先頭のスライダ11における次の仕切板5、5間が、一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の幅方向に沿う延長線上の位置に到達するように前進する。続いて、
図4を参照して、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの次の物品Wが、先頭のスライダ11における次の仕切板5、5間に搬入される。
【0030】
図5を参照して、この動作が繰り返されて、先頭のスライダ11上の各仕切板5、5間に全て物品Wが搬入されると、
図6を参照して、当該スライダ11は物品群W’の搬出位置に向かって移動する。これと同時に、搬入位置では、一対のベルトユニット20、20の端部間からの物品Wに対する、次のスライダ11上の各仕切板5、5間への搬入が継続される。そして、
図7を参照して、上述した動作が繰り返されて、各スライダ11が各物品Wを搭載した状態で物品群W’の搬出位置に順次到達する。なお、搬出位置にて、所望以上のスライダ11が滞留している場合には、搬出位置から所定距離手前(上流側)で待機される。
【0031】
次に、
図7を参照して、物品群W’の搬出位置では、所定数以上のスライダ11、すなわち所定数以上の物品Wが待機していることが検出されると、物品群搬出手段24のプッシャ部材26が、各スライダ11、11上の各仕切板5、5間に位置する、所定数集積された物品群W’に向かって前進する。そして、プッシャ部材26が前進すると、プッシャ本体部28が物品群W’の、各スライダ11上の各仕切板5、5の上端から上方に突出している部分に接触して、物品群W’が各スライダ11上の各仕切板5、5間から基台10の直線状経路10Bの幅方向に沿って押し出される。その結果、プッシャ部材26により、搬出位置における先頭の物品Wを含む物品群W’が、各スライダ11、11上から基台10の直線状経路10Bの幅方向外側に搬出されて次工程に供給される。
【0032】
なお、
図7から解るように、物品群W’の搬出位置にて、物品群W’がプッシャ部材26により基台10の直線状経路10Bから搬出される動作中またはプッシャ部材26が初期位置にて待機している間、物品Wの搬入位置における、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの各物品Wが、スライダ11上における隣接する仕切板5、5間にそれぞれ搬入される動作は継続して行われる。
【0033】
また、物品群W’の搬出位置において、所定数以上の物品Wが待機している場合、プッシャ部材26により、搬出位置における先頭の物品Wを含む物品群W’が基台10の直線状経路10Bの幅方向外側に搬出され、プッシャ部材26が初期位置に後退した後、
図8を参照して、搬出されていない物品Wの先頭、すなわち物品Wが全て搬出されていないスライダ11にて残っている物品Wの先頭が搬出位置の先頭に一致するように、当該スライダ11が前進すると共に、当該スライダ11に追従するように次の各スライダ11も前進して停止する。そして、搬出位置に所定数以上の物品Wが待機されると、上述したように、プッシャ部材26の動作により、物品群W’が基台10の直線状経路10Bの幅方向外側に搬出されて、当該動作が繰り返される。
【0034】
なお、物品群W’の搬出位置にて、プッシャ部材26により、基台10の直線状経路10Bの幅方向外側に搬出された物品群W’は、当該物品群W’を圧縮すべく物品群圧縮機構に供給される。引き続き、物品群W’が搬出位置にて搬出された後、空のスライダ11は、基台10に沿って循環するように一周して、再び物品Wの搬入位置に至るまで所定位置で待機される。
【0035】
以上説明したように、第1実施形態に係る物品集積装置1Aでは、互いに独立して位置制御可能な多数のスライダ11、11が基台10に沿って移動自在に構成されるリニアコンベア4と、スライダ11に支持され、互いに間隔を開けて配置される複数の仕切板5、5と、一枚の物品Wがスライダ11上の各仕切板5、5間に搬入された後、当該スライダ11を所定距離、本実施形態では、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間と対向する位置に次の各仕切板5、5間が到達するように所定距離前進させる制御ロジック、及び物品Wがスライダ11上の各仕切板5、5間に全て搬入された後、当該スライダ11を、物品Wを各仕切板5、5間から搬出する搬出位置に移動させる制御ロジックを含む制御装置7と、を備えている。
【0036】
このように、第1実施形態に係る物品集積装置1Aでは、特に、リニアコンベア4を採用することで、制御装置7により各スライダ11の動作(位置)を独立して制御して、各スライダ11上の各仕切板5、5間に物品Wを集積するので、従来の集積装置(特許文献1に記載の製品集積装置)にて発生していたチェーン駆動に伴う種々の問題を解消することができ、信頼性を向上させつつ、多種多様の集積装置に対応することができ、その汎用性を高くすることができる。
【0037】
また、第1実施形態に係る物品集積装置1Aでは、スライダ11に支持された各仕切板5、5間に物品Wが搬入された後、スライダ11が所定距離前進することで、次の物品Wを、スライダ11に支持された次の仕切板5、5間に搬入して集積する構成である。これにより、従来の製品集積装置(特許文献2に係る製品集積装置)のように、物品搬入手段16による物品Wの搬入速度を速めても、物品Wが摩擦により加熱されることはなく、物品Wの集積に係る生産効率を向上させることができる。
【0038】
さらに、第1実施形態に係る物品集積装置1Aにおける制御装置7は、物品Wがスライダ11上の各仕切板5、5間に全て搬入された後、当該スライダ11を、物品Wを各仕切板5、5間から搬出する搬出位置に移動させる制御ロジックを含むので、物品群W’の搬出位置に所定数以上の物品Wを迅速に待機させることができる。その結果、搬出位置にて、迅速に、物品群W’を次工程に搬出することができ、物品Wの集積に係る生産効率を向上させることができる。
【0039】
さらにまた、第1実施形態に係る物品集積装置1Aにおける制御装置7は、物品群W’の搬出位置に所定数以上の物品Wが存在する状況下では、当該搬出位置において、所定数の物品Wが各スライダ11から搬出された後、スライダ11上の残りの物品を搬出可能な位置まで前進させる制御ロジックを含む。
これにより、集積される物品Wの数量が変更されても、プッシャ部材26のプッシュ本体部28の、基台10の直線状経路10Bに沿う方向の長さを変更するだけで対応可能で、大掛かりなシステム変更はほとんど必要無い。その結果、各種の物品Wの集積に、迅速に対応することができ、コストアップをも抑制することができる。
【0040】
さらにまた、第1実施形態に係る物品集積装置1における制御装置7は、物品Wをスライダ11上の各仕切板5、5間に搬入する搬入位置において、物品Wを各仕切板5、5間に搬入中であるスライダ11の進行方向後側に次のスライダ11を待機させ、先行するスライダ11の前進に伴って次のスライダ11も前進させる制御ロジックを含む。
これにより、スライダ11上の各仕切板5、5間に全て物品Wが搬入されて、物品群W’の搬出位置に向かって移動を開始しても、次のスライダ11が搬入位置に迅速に移動することができ、物品Wの集積を滞りなく継続することができる。その結果、さらに物品Wの集積に係る生産効率を向上させることができる。
【0041】
さらにまた、第1実施形態に係る物品集積装置1Aでは、特許文献2に係る製品集積装置のように、第1系統及び第2系統を備えておらず、容易に、先行するスライダ11の後側に次のスライダ11を待機させることができる。その結果、物品Wの集積に係る生産効率を向上させるために、物品搬入手段16による物品Wの搬入速度を速めても、物品Wの搬入速度に対応して、物品Wの集積を正常に行うことができる。
【0042】
さらにまた、第1実施形態に係る物品集積装置1Aでは、物品搬入手段16を一箇所しか備えていないにも関わらず(特許文献2に記載の製品集積装置では第1及び第2製品供給手段が備えられる)、搬出位置にて、物品群W’がプッシャ部材26により各スライダ11から搬出される動作中に、搬入位置にて順次送られてくる各物品Wがスライダ11上の各仕切板5、5間にそれぞれ搬入される動作を継続して行うことができる。
この点からも、物品Wの集積に係る生産効率を向上させることができる。また装置本体に加え、装置本体の周りに配置される物品搬入手段16等の周辺機構をコンパクトにすることができる。その結果、物品Wを集積して包装機までに至る装置全体をコンパクトにすることができ、占有スペースを相当縮小することができる。さらにまた、第1実施形態に係る物品集積装置1Aでは、搬入位置における物品Wの搬入方向と、搬出位置における物品群W’の搬出方向とを同じ方向に設定することができるので、設置スペースを有効活用することができる。なお、スペースの関係上、搬入位置における物品Wの搬入方向と、搬出位置における物品群W’の搬出方向とを互いに反対方向に設定してもよい。
【0043】
さらにまた、第1実施形態に係る物品集積装置1Aでは、基台10は、無端状に構成されるので、物品Wの搬入位置では、物品Wをスライダ11上の各仕切板5、5間に搬入して、スライダ11上の各仕切板5、5間に物品Wが全て搬入されると、当該スライダ11を搬出位置に向かって移動させ、当該搬出位置にて、各スライダ11の各仕切板5、5間から物品群W’を搬出させる動作を、時間的ロスがなく、また構造的に複雑にすることもなく繰り返すことができる。
この点からも、さらに物品Wの集積に係る生産効率を向上させることができ、しかも、占有スペースを縮小して、スペース効率を良好にすることができる。
【0044】
なお、第1実施形態に係る物品集積装置1Aでは、基台10の上側に位置する直線状経路10Bに対応して物品搬入手段16及び物品群搬出手段24を配置しているが、基台10の下側に位置する直線状経路10Bに対応して物品搬入手段16及び物品群搬出手段24を配置してもよい。これにより、さらに物品Wの集積に係る生産効率を向上させることができる。
【0045】
次に、第2実施形態に係る物品集積装置1Bを
図9~
図16に基づいて説明する。なお、第2実施形態に係る物品集積装置1Bを説明する際には、第1実施形態に係る物品集積装置1Aとの相違点を主に説明する。なお、第2実施形態に係る物品集積装置1Bでは、第1実施形態に係る物品集積装置1Aと同様に、シート状の物品Wである紙おむつを集積するものである。
【0046】
第2実施形態に係る物品集積装置1Bでは、
図9及び
図10を参照して、リニアコンベア4の基台10は、平面視において、その外形が対向する一対の半円弧状経路10A、10Aと、一対の半円弧状経路10A、10Aに接続され、対向する一対の直線状経路10B、10Bとからなる長円形状を呈する無端状に構成される。要するに、当該基台10において、スライダ11が移動する、一対の半円弧状経路10A、10A及び一対の直線状経路10B、10Bが鉛直面に沿うようになる。一方の直線状経路10Bの下部から基台10のエリアの外側で、且つ一方の直線状経路10Bに近接する一方の半円弧状経路10Aの一部における下部から基台10のエリアの外側に、後述するスライダユニット34の各仕切板5、5間の物品Wを立った状態で支持する物品搬送台31が連続して配置される。
【0047】
第2実施形態に係る物品集積装置1Bでは、
図9及び
図10を参照して、複数のスライダユニット34が備えられる。当該スライダユニット34は、互いに間隔を置いた前後一対のスライダ11、11に架け渡された支持板33と、該支持板33上に基台10の直線状経路10Bに沿って互いに間隔を開けて配置された複数の仕切板5、5と、を備えている。支持板33は、弾性変形可能な材質で構成される。支持板33は、例えば、弾性変形可能な合成樹脂材等で構成される。
【0048】
図9及び
図10を参照して、支持板33上には、仕切板5、5が基台10の直線状経路10Bに沿って互いに間隔を置いて複数立設される。すなわち、各仕切板5、5は、支持板33から基台10のエリア外に向かって突設される。また各仕切板5、5は、基台10の上端から上方に向かっても突設される。物品搬入手段16は、物品Wを、一方の直線状経路10Bに近接した一方の半円弧状経路10Aに停止されたスライダユニット34の各仕切板5、5間に搬入すべく位置に配置される。そして、基台10の半円弧状経路10Aであって、一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の半円弧状経路10Aに向かう延長線上の位置が物品Wの搬入位置となる。
【0049】
一方、物品群搬出手段24は、一方の直線状経路10Bの長手方向略中間位置に配置される。物品群搬出手段24は、例えばプッシャ部材26にて構成される。プッシャ部材26は、基台10の上方であって、基台10のエリア内からエリア外に向かって往復運動するものである。プッシャ部材26は、物品群W’の、各スライダユニット34の各仕切板5、5の上端から上方に突出された部位を基台10のエリア内からエリア外に押し出すように搬出するものある。
【0050】
プッシャ部材26は、第1実施形態に係る物品集積装置1Aにて採用されたものと同様であって、所定数集積された物品群W’を基台10のエリア外に押し出すプッシャ本体部28と、該プッシャ本体部28の背面から基台10の直線状経路10Bと直交する方向に延びる軸部29と、を備えている。プッシャ本体部28の長手方向に沿う長さは、所定数集積された物品群W’を搬出すべく長さに設定される。そして、基台10の直線状経路10Bに沿う位置において、プッシャ部材26のプッシャ本体部28が基台10のエリア内とエリア外とを往復運動する際のプッシャ本体部28の長手方向の全範囲が物品群W’の搬出位置となる。
【0051】
次に、第2実施形態に係る物品集積装置1Bの作用を
図9~
図16に基づいて説明する。なお、第2実施形態に係る物品集積装置1Bにおいても、以下で説明する、リニアコンベア4の各スライダユニット34の位置、各スライダユニット34の各仕切板5、5間に物品Wが搬入されているか否か、及び物品群搬出手段24(プッシャ部材26)の動作等は、制御装置7により制御される。
【0052】
まず、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の半円弧状経路10Aに向かう延長線上に、先頭のスライダユニット34において先頭に位置する隣接する仕切板5、5間が位置する(物品Wの搬入位置)。また、先頭のスライダユニット34の後側には、複数のスライダユニット34、34が互いに微小な間隔(数mm程度)を置いて待機される。このとき、各スライダユニット34は、基台10の半円弧状経路10Aに到達しているので、各スライダユニット34の支持板33が外側に向かって凸状に湾曲した状態となる。その結果、支持板33上の各仕切板5、5間の間隔が先端に向かって次第に大きくなっている。
【0053】
次に、
図9を参照して、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの最初の物品Wが、先頭のスライダユニット34において先頭に位置する隣接する仕切板5、5間に搬入される。このとき、第2実施形態に係る物品集積装置1Bでは、先頭のスライダユニット34が基台10の半円弧状経路10A上に位置し、スライダユニット34の各仕切板5、5間の間隔が先端に向かって次第に大きくなっているので、物品Wがスライダユニット34の各仕切板5、5間に搬入され易くなる。
【0054】
次に、最初の物品Wが、先頭のスライダユニット34における先頭に位置する仕切板5、5間に搬入されたことが検出されると、先頭のスライダユニット34を含む後側で待機している複数のスライダユニット34、34が所定距離、すなわち先頭のスライダユニット34における次の仕切板5、5間が、一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の半円弧状経路10Aに沿う延長線上の位置に到達するように前進する。続いて、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの次の物品Wが、先頭のスライダ11における次の仕切板5、5間に搬入される。
【0055】
図10及び
図11を参照して、この動作が繰り返されて、先頭のスライダユニット34の各仕切板5、5間に全て物品Wが搬入されると、当該スライダユニット34は、基台10の直線状経路10Bに到達して、その後、当該直線状経路10Bに沿って物品群W’の搬出位置に向かって移動する。なお、スライダユニット34が、基台10の直線状経路10Bに到達すると、その支持板33は、直線状経路10Bと略平行になるように復元して、スライダユニット34が直線状経路10Bに沿って移動する。そして、上述した動作が繰り返されて、各スライダユニット34が、各仕切板5、5間に各物品Wを搭載した状態で物品群W’の搬出位置に順次到達する。
【0056】
次に、
図12を参照して、物品群W’の搬出位置では、所定数以上のスライダユニット34、すなわち所定数以上の物品Wが待機していることが検出されると、物品群搬出手段24のプッシャ部材26が、各スライダユニット34、34上の各仕切板5、5間の、所定数集積された物品群W’に向かって前進する。そして、
図13を参照して、プッシャ部材26が前進すると、プッシャ本体部28が物品群W’の、各スライダユニット34、34の各仕切板5、5の上端から上方に突出している部分に接触されて、物品群W’が各スライダユニット34、34の各仕切板5、5から基台10のエリア外に押し出される。その結果、プッシャ部材26により、搬出位置における先頭の物品Wを含む物品群W’が各スライダユニット34、34の各仕切板5、5間から基台10のエリア外に搬出される。
【0057】
なお、
図12及び
図13から解るように、第2実施形態に係る物品集積装置1Bにおいても、物品群W’の搬出位置にて、物品群W’がプッシャ部材26により基台10のエリア外に搬出される動作中またはプッシャ部材26が初期位置にて待機している間、物品Wの搬入位置における、物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの各物品Wが、スライダユニット34の隣接する仕切板5、5間にそれぞれ搬入される動作は継続して行われる。
【0058】
また、
図14~
図16を参照して、搬出位置において、所定数以上の物品Wが待機している場合、プッシャ部材26により、搬出位置における先頭の物品Wを含む物品群W’が基台10のエリア外に搬出され、プッシャ部材26が初期位置に後退した後、搬出されていない物品Wの先頭、すなわち先頭に位置するスライダユニット34に残っている物品Wの先頭が搬出位置の先頭の位置に一致するように、当該スライダユニット34が移動すると共に、当該スライダユニット34に追従するように次の各スライダユニット34も搬出位置に移動して停止する。そして、搬出位置に所定数以上の物品Wが待機されると、上述したように、プッシャ部材26の動作により、物品群W’が基台10のエリア外に搬出されて、当該動作が繰り返される。
【0059】
その後、搬出位置にて、プッシャ部材26により、基台10のエリア外に搬出された物品群W’は、当該物品群W’を圧縮すべく物品群圧縮機構に供給される。引き続き、物品群W’が搬出位置にて搬出された後、空のスライダユニット34は、基台10に沿って循環するように一周して、再び搬入位置に至るまで所定位置で待機される。
【0060】
以上説明したように、第2実施形態に係る物品集積装置1Bでは、上述した第1実施形態に係る物品集積装置1Aの作用効果と略同等の作用効果を奏することができる。しかも、第2実施形態に係る物品集積装置1Bでは、互いに間隔を置いた前後一対のスライダ11、11に架け渡された支持板33と、該支持板33上に基台10の直線状経路10Bに沿って互いに間隔を置いて配置された複数の仕切板5、5と、を有するスライダユニット34を複数備えている。そして、物品Wの搬入位置では、スライダユニット34が基台10の半円弧状経路10A上に位置することで、スライダユニット34の各仕切板5、5間の間隔が先端に向かって次第に大きくなるために、物品Wがスライダユニット34の各仕切板5、5間に搬入され易くなる。
【0061】
その結果、物品搬入手段16、すなわち一対のベルトユニット20、20間からの物品Wの移動方向が多少ずれたとしても、物品Wをスライダユニット34の各仕切板5、5間に容易に搬入させることができる。これにより、基台10と物品搬入手段16との間の位置関係を精度良くする必要なく、その上で、物品Wの、一対のベルトユニット20、20の端部間からスライダユニット34の各仕切板5、5間への搬入漏れを抑制することができる。
【0062】
次に、第3実施形態に係る物品集積装置1Cを
図17及び
図18に基づいて説明する。なお、第3実施形態に係る物品集積装置1Cを説明する際には、第1実施形態に係る物品集積装置1Aとの相違点を主に説明する。
図17を参照して、第3実施形態に係る物品集積装置1Cは、物品W1、W2として、シート状の2種類のものを交互に集積するものである。詳しくは、第3実施形態に係る物品集積装置1Cは、物品W1である赤色の小袋と、物品W2である青色の小袋とを、交互に集積するものである。第3実施形態に係る物品集積装置1Cに採用したリニアコンベア4の基台10は、平面視において、その外形が対向する一対の半円弧状経路10A、10Aと、一対の半円弧状経路10A、10Aに接続され、対向する一対の直線状経路10B、10Bとからなる長円形状を呈する無端状に構成される。
【0063】
図17及び
図18を参照して、各スライダ11には、仕切板ユニット37がそれぞれ連結される。仕切板ユニット37は、基台10の直線状経路10Bに沿って互いに間隔を開けて配置される複数の仕切板5、5と、各仕切板5、5間の底部を閉塞する底板6と、各仕切板5、5間の基台10のエリアの内側の端部を閉塞する内側端部閉塞板39と、を備えている。なお、本実施形態では、物品W1と物品W2とを仕切板ユニット37の各仕切板5、5に同数搬入するために、各仕切板5、5間が偶数箇所備えられる。本実施形態では、単一のスライダ11の仕切板ユニット37において、仕切板5、5間が4箇所備えられる。仕切板ユニット37の高さは、物品W1、W2の高さより低く設定されている。
【0064】
また、第3実施形態に係る物品集積装置1Cでは、物品搬入手段16、16が2箇所備えられている。一方の物品搬入手段16は、物品W1を搬入するためのものである。他方の物品搬入手段16は、物品W2を搬入するためのものである。各物品搬入手段16、16は、基台10の一方の直線状経路10Bに互いに間隔を開けて配置される。物品搬入手段16の具体的な構成は、第1実施形態に係る物品集積装置1Aに採用した物品搬入手段16と同等である。一方の物品搬入手段16が配置されている位置が物品W1の搬入位置(以下、第1搬入位置という)となる。他方の物品搬入手段16が配置されている位置が物品W2の搬入位置(以下、第2搬入位置という)となる。また、物品群搬出手段の図示は省略されているが、他方の直線状経路10Bの端部が、物品W1、W2が交互に集積されてなる物品群W’を基台10のエリア外に搬出する搬出位置となる。
【0065】
次に、第3実施形態に係る物品集積装置1Cの作用を
図17及び
図18に基づいて説明する。なお、第3実施形態に係る物品集積装置1Cにおいても、以下で説明する、リニアコンベア4の各スライダ11の位置、各スライダ11(各仕切板ユニット37)の各仕切板5、5間に物品W1、W2が搬入されているか否か、及び図示しないが物品群搬出手段の動作等は、制御装置7により制御される。また、以下では、第3実施形態に係る物品集積装置1Cにて、
図18(b)に示すような、3台のスライダ11(仕切板ユニット37)を1ユニットとして、物品W1、W2が6枚ずつ交互に配置されて全12枚の物品群W’を集積する作用を説明する。
【0066】
図17を参照して、まず、物品W1の第1搬入位置において、一方の物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の直線状経路10Bに向かう延長線上の位置に、先頭のスライダ11(仕切板ユニット37)において先頭に位置する隣接する仕切板5、5間が位置する。また、先頭のスライダ11の後側には、複数のスライダ11、11が互いに微小な間隔(数mm程度)を置いて待機される。
【0067】
次に、一方の物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの物品W1が、スライダ11(仕切板ユニット37)において先頭に位置する隣接する仕切板5、5間に搬入される。続いて、物品W1が、先頭のスライダ11における先頭に位置する仕切板5、5間に搬入されたことが検出されると、当該スライダ11を含む後側で待機している複数のスライダ11、11が所定距離、すなわち先頭のスライダ11における3番目の仕切板5、5間が、一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の直線状経路10Bに向かう延長線上の位置に到達するように前進する。続いて、一方の物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの次の物品W1が、先頭のスライダ11における3番目の仕切板5、5間に搬入される。このように、第1搬入位置における一方の物品搬入手段16からの物品W1の搬入タイミングに基づいて、一方の物品搬入手段16に対応する各スライダ11、11(仕切板ユニット37、37)の移動及び停止が制御される。
【0068】
次に、仕切板ユニット37の1番目と3番目の仕切板5、5間に物品W1、W1がそれぞれ搬入されると、スライダ11(仕切板ユニット37)は基台10の直線状経路10Bに沿って第2搬入位置に向かって移動する。このように、第1搬入位置では、上述した動作が繰り返されて、各スライダ11が物品W1、W1を搭載した状態で基台10の直線状経路10Bに沿って第2搬入位置に順次到達する。当該第2搬入位置では、複数のスライダ11が待機している状態となる。このとき、他方の物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の直線状経路10Bに向かう延長線上の位置に、先頭のスライダ11(仕切板ユニット37)において2番目に位置する空の仕切板5、5間が位置する。
【0069】
次に、物品W2の第2搬入位置では、他方の物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの物品W2が、先頭のスライダ11の空の仕切板5、5間、すなわち2番目の各仕切板5、5間に搬入される。続いて、物品W2が、当該スライダ11における2番目の各仕切板5、5間に搬入されると、当該スライダ11を含む後側で待機している複数のスライダ11、11が所定距離、すなわち当該スライダ11における4番目の仕切板5、5間が、一対のベルトユニット20、20の端部間から基台10の直線状経路10Bに向かう延長線上の位置に到達するように前進する。続いて、他方の物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの次の物品W2が、先頭のスライダ11における4番目の仕切板5、5間に搬入される。このように、第2搬入位置における他方の物品搬入手段16からの各物品W2の搬入タイミングに基づいて、他方の物品搬入手段16に対応する各スライダ11、11(仕切板ユニット37、37)の移動及び停止が制御される。
【0070】
次に、当該スライダ11(仕切板ユニット37)の2番目と4番目の仕切板5、5間に物品W2、W2がそれぞれ搬入されると、当該スライダ11は、基台10の半円弧状経路10Aに沿って物品群W’の搬出位置に向かって移動する。このように、第2搬入位置では、上述した動作が繰り返されて、各スライダ11が物品W1、W2を交互に搭載した状態で基台10の半円弧状経路10A及び直線状経路10Bに沿って物品群W’の搬出位置に順次到達する。なお、搬出位置にて、所定数のスライダ11の仕切板ユニット37から物品群W’が搬出されている最中では、その搬出位置から所定距離手前(上流側)にてスライダ11が待機される。
【0071】
次に、物品群W’の搬出位置では、所定数のスライダ11、11(仕切板ユニット37、37)、すなわち所定数の物品W1、W2が待機していることが検出されると、物品群搬出手段により、物品群W’が各スライダ11、11の各仕切板ユニット37、37(各仕切板5、5間)から基台10のエリア外に押し出される。その結果、物品群搬出手段により、搬出位置における物品群W’が各スライダ11、11の各仕切板ユニット37、37から基台10のエリア外に搬出される。
【0072】
図17から解るように、第3実施形態に係る物品集積装置1Cにおいては、物品群W’の搬出位置にて、物品群W’が物品群搬出手段により基台10のエリア外に搬出される動作中または物品群搬出手段が初期位置にて待機している間、物品W1の第1搬入位置における、一方の物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの各物品W1が、仕切板ユニット37の隣接する仕切板5、5間にそれぞれ搬入される動作は継続して行われ、また、物品W2の第2搬入位置における、他方の物品搬入手段16の一対のベルトユニット20、20の端部間からの各物品W2が、仕切板ユニット37の隣接する仕切板5、5間にそれぞれ搬入される動作も継続して行われる。
【0073】
すなわち、第3実施形態に係る物品集積装置1Cでは、各物品搬入手段16、16からの各物品W1、W2の搬入タイミングに基づいて、各物品搬入手段16、16に対応する各スライダ11、11(仕切板ユニット37、37)の移動を独立して制御することができるので、第1搬入位置における各物品W1の搬入動作中に、第2搬入位置における各物品W2の搬入動作を継続して行うことができる。
【0074】
その後、物品群W’の搬出位置にて、物品群搬出手段により、基台10のエリア外に搬出された物品群W’は、当該物品群W’を圧縮すべく物品群圧縮機構に供給される。引き続き、物品群W’が搬出位置にて搬出された後、空の仕切板ユニット37、37(各スライダ11、11)は、基台10に沿って循環するように一周して、再び第1搬入位置に至るまで所定位置で待機される。
【0075】
そこで、
図18(a)を参照して、物品W1が5枚、また物品W2が5枚の全10枚の物品群W’を集積する際には、3台のスライダ11(仕切板ユニット37)を1ユニットにして、各スライダ11の各仕切板5、5間に物品W1、W2を交互に集積しつつ、先頭のスライダ11における先頭の仕切板5、5間と、最後尾のスライダ11における最後尾の仕切板5、5間とを空の状態にして物品群W’の搬出位置に到達させる。また、物品W1が6枚、また物品W2が6枚の全12枚の物品群W’を集積する際には、上述したように、
図18(b)を参照して、3台のスライダ11(仕切板ユニット37)を1ユニットにして、各スライダ11の各仕切板5、5間に物品W1、W2を交互に集積しつつ、全てのスライダ11の仕切板5、5間に物品W1、W2を搬入した状態で物品群W’の搬出位置に到達させる。
【0076】
さらに、
図18(c)を参照して、物品W1が9枚、また物品W2が9枚の全18枚の物品群W’を集積する際には、5台のスライダ11(仕切板ユニット37)を1ユニットにして、各スライダ11の各仕切板5、5間に物品W1、W2を交互に集積しつつ、先頭のスライダ11における先頭の仕切板5、5間と、最後尾のスライダ11における最後尾の仕切板5、5間とを空の状態にして物品群W’の搬出位置に到達させる。
【0077】
以上説明したように、第3実施形態に係る物品集積装置1Cでは、上述した第1実施形態に係る物品集積装置1Aの作用効果と略同様の作用効果を奏することができる。また、第3実施形態に係る物品集積装置1Cでは、第1実施形態に係る物品集積装置1Aと同様に、特に、リニアコンベア4を採用して、制御装置7により各スライダ11の動作(位置)を独立して制御することで、各スライダ11上の各仕切板5、5間に物品W1、W2を集積するので、物品W1、W2として、シート状の2種類のものを交互に集積する際にも最適である。
【0078】
また、第3実施形態に係る物品集積装置1Cでは、リニアコンベア4を採用することで、制御装置7により、各スライダ11の動作(位置)を独立して制御することができるので、制御装置7により、第1搬入位置及び第2搬入位置において、各物品搬入手段16、16からの各物品W1、W2の搬入タイミングに基づいて、各物品搬入手段16、16に対応する各スライダ11、11(仕切板ユニット37、37)の移動を制御することができる。要するに、リニアコンベア4を採用することで、制御装置7により、第1搬入位置における各物品W1の搬入動作と、第2搬入位置における各物品W2の搬入動作と、搬出位置における物品群W’の搬出動作とを、互いに独立して行うことができる。
【0079】
これにより、従来のように、第1及び第2搬入位置それぞれにおいて、物品W1、W2を同時に搬入する必要はなく、また第1及び第2搬入位置における物品W1、W2の搬入動作と略同時に搬出位置における物品群W’の搬出動作を行う必要もなく、従来のチェーン駆動に伴う問題を解消することができる。そして、第3実施形態に係る物品集積装置1Cでは、複数の搬入位置及び搬出位置が備えることができるなど多種多様の集積装置に対応することができ、汎用性が高くなる。
【0080】
なお、第3実施形態に係る物品集積装置1Cでは、搬出位置における物品群W’の搬出動作中に、第1搬入位置における各物品W1の搬入動作を継続して行うことができると共に、第2搬入位置における各物品W2の搬入動作を継続して行うことができるので、物品W1、W2の集積に係る生産効率を向上させることができる。
【0081】
また、第3実施形態に係る物品集積装置1Cでは、物品W1、W2の物品搬入手段16、16を2台備え、すなわち物品W1、W2の搬入位置を2箇所備え、物品群W’の搬出位置を1箇所備えているが、物品Wの搬入位置を2箇所以上備えてもよいし、物品群W’の搬出位置を1箇所以上備えてもよい。
【0082】
また、物品群W’搬出位置が、例えば3箇所設置されたとしても、リニアコンベア4が採用され、各スライダ11、11(仕切板ユニット37、37)の移動を独立して制御することで、各搬出位置に対応して、各スライダ11、11を移動及び停止させることができる。これにより、従来のように、物品群搬出手段としてのプッシャ部材を横方向に移動させる必要はなく、その駆動ユニットが不要となり、構造も簡素化することができる。
【符号の説明】
【0083】
1A、1B、1C 物品集積装置,4 リニアコンベア,5 仕切板,6 制御装置,10 基台,11 スライダ,16 物品搬入手段,33 支持板,34 スライダユニット,W 物品,W1 物品,W2 物品,W’ 物品群
【要約】
【課題】従来のチェーン駆動に伴う問題を解消することで、信頼性を向上させつつ、汎用性が高く、物品の集積に係る生産効率を向上させる物品集積装置を提供する。
【解決手段】物品集積装置1Aは、互いに独立して位置制御可能な多数のスライダ11が基台10に沿って移動自在に構成されるリニアコンベア4と、スライダ11に支持され、互いに間隔を開けて配置される複数の仕切板5と、一枚の物品Wが各仕切板5、5間に搬入された後、スライダ11を所定距離前進させる制御ロジック、及び物品Wが各仕切板5、5間に全て搬入された後、スライダ11を、物品Wを各仕切板5、5間から搬出する搬出位置に向かって移動させる制御ロジックを含む制御装置7と、を備えている。これにより、従来のチェーン駆動に伴う問題を解消することで、信頼性を向上させてつつ、汎用性が高く、物品の集積に係る生産効率を向上させることができる。
【選択図】
図1