(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】燃料タンクキャップのロック装置
(51)【国際特許分類】
B62J 35/00 20060101AFI20230619BHJP
B60K 15/05 20060101ALI20230619BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20230619BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20230619BHJP
E05B 83/34 20140101ALI20230619BHJP
【FI】
B62J35/00 D
B60K15/05 A
E05B47/00 R
E05B49/00 J
E05B83/34
(21)【出願番号】P 2019141010
(22)【出願日】2019-07-31
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】P 2019107019
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000213954
【氏名又は名称】朝日電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】三村 庸平
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-196951(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0156118(US,A1)
【文献】特開2005-075308(JP,A)
【文献】特開2013-124487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 35/00
B60K 15/05
E05B 47/00,49/00,83/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の燃料タンクに通じた給油口を塞いだ閉塞位置と開放した開放位置との間で移動して当該給油口を開閉可能なキャップと、
操作者によって揺動軸を中心とした揺動操作が可能とされた操作手段と、
前記操作手段の揺動操作に連動して移動可能とされるとともに、前記キャップが給油口を塞いだ状態を保持する係止位置と、当該係止を解除して当該キャップの開動作を許容する許容位置との間で動作する係止手段と、
前記係止手段の係止位置から許容位置への動作をロックし、又は当該ロックを解除して前記係止手段の係止位置から許容位置への動作を許容し得るロック手段と、
運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信する発信手段と、
車両側に配設されて前記発信手段からのIDコードを受信し得る受信手段と、
該受信手段で受信したIDコードが当該車両における正規のものであるか否かを判定する判定手段と、
を具備した燃料タンクキャップのロック装置であって、
前記ロック手段は、前記操作手段の揺動操作により前記係止手段が前記係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段の所定部位に形成された被干渉部に干渉してロックする干渉位置と、前記被干渉部に干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材を具備する
とともに、前記判定手段により正規のIDコードを受信したと判定され、且つ、前記係止手段の移動が検知されたことを条件として、前記ロック手段によるロック解除を行わせることを特徴とする燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記キャップが前記開放位置から閉塞位置まで移動するとき、前記被干渉部に押圧され、前記干渉位置から非干渉位置に移動されることを特徴とする請求項1記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項3】
前記被干渉部は、前記キャップが前記開放位置から閉塞位置まで移動するとき、前記ロック部材と当接して前記干渉位置から非干渉位置まで移動させるテーパ面が形成されたことを特徴とする請求項2記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項4】
前記ロック手段は、通電によりプランジャを変位可能なソレノイドから成るとともに、前記ロック部材は、当該プランジャから成ることを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項5】
前記係止手段と連動するスライダと、
前記スライダの移動を検知可能な検知スイッチと、
を具備し、前記検知スイッチがスライダの移動を検知したことを条件として、前記ロック手段によるロック解除を行わせ得ることを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項6】
前記ロック手段、前記スライダ及び検知スイッチが取付ケースに収容されて一体化部品としてのユニットを構成することを特徴とする請求項5記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項7】
前記判定手段が正規のIDコードを受信したと判定したことを条件として、車両のエンジン始動を許可することを特徴とする請求項1記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項8】
前記操作手段の揺動操作の過程において、所定以上の負荷が生じたとき、当該負荷を逃がして前記係止手段の係止状態を保持する過負荷防止手段を具備したことを特徴とする請求項1~7の何れか1つに記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項9】
前記係止手段は、前記キャップの前記閉塞位置から開放位置への移動を規制する係止部を有した第1係止手段と、前記操作手段からの操作力を受ける第2係止手段と、を有して構成されるとともに、前記過負荷防止手段は、前記第1係止手段及び第2係止手段の間に介在して取り付けられ、前記操作手段の揺動過程において、前記所定以上の負荷が生じないとき、前記第1係止手段及び第2係止手段を一体的に移動させ、前記所定以上の負荷が生じたとき、前記第2係止手段で受けた操作力を前記第1係止手段に伝達しない構成とされたことを特徴とする請求項8記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【請求項10】
前記過負荷防止手段は、前記第1係止手段及び第2係止手段の一方に取り付けられて他方に対して付勢手段による付勢力を付与することにより当該第1係止手段及び第2係止手段を連結し得ることを特徴とする請求項9記載の燃料タンクキャップのロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクに通じた給油口を塞ぐためのキャップの開閉をロック又はロック解除を行うための燃料タンクキャップのロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、大型の二輪車における燃料タンクの上部には、給油口が設けられるとともに、その給油口を塞いだ閉塞位置と開放した開放位置との間で移動して当該給油口を開閉可能なキャップと、キャップの開閉をロック又はロック解除を行うためのロック手段とを有した燃料タンクキャップのロック装置が提案されている。例えば、従来の燃料タンクキャップのロック装置として、特許文献1にて開示されているように、操作者によって揺動軸を中心とした揺動操作が可能とされた操作ノブと、操作ノブの揺動操作に連動して移動可能とされるとともに、キャップが給油口を塞いだ状態を保持する係止位置と、当該係止を解除して当該キャップの開動作を許容する許容位置との間で動作する係止手段と、係止手段の係止位置から許容位置への動作をロックし、又は当該ロックを解除して係止手段の係止位置から許容位置への動作を許容し得るロック手段とを具備したものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、ロック手段が、閉塞位置にあるキャップと嵌合して係止手段と連動し得るスライダと、スライダの移動を規制又は規制を解除するソレノイドとを有して構成されていたので、キャップが開放位置にあるとき、スライダが外部から見える状態となっていた。これにより、キャップが開放位置にあるとき、誤ってスライダをスライドさせてソレノイドで係止させてしまう誤操作の可能性があった。
【0005】
また、上記従来技術においては、キャップが閉塞位置にあるとき、係止手段と嵌合して連結するための嵌合凹部がスライダに形成されているため、キャップが開放位置にあるとき、当該嵌合凹部が上方に臨んだ状態とされ、嵌合凹部に異物が詰まってしまう可能性があった。この場合、キャップを閉塞位置に揺動させても、嵌合凹部に係止手段を嵌合させることができず、ロック手段によるロックを正常に行うことができない虞がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、キャップが開放位置にあるとき、ロック手段の誤操作を防止することができるとともに、キャップを閉塞位置まで揺動する際、ロック手段によるロックを確実に行わせることができる燃料タンクキャップのロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、車両の燃料タンクに通じた給油口を塞いだ閉塞位置と開放した開放位置との間で移動して当該給油口を開閉可能なキャップと、操作者によって揺動軸を中心とした揺動操作が可能とされた操作手段と、前記操作手段の揺動操作に連動して移動可能とされるとともに、前記キャップが給油口を塞いだ状態を保持する係止位置と、当該係止を解除して当該キャップの開動作を許容する許容位置との間で動作する係止手段と、前記係止手段の係止位置から許容位置への動作をロックし、又は当該ロックを解除して前記係止手段の係止位置から許容位置への動作を許容し得るロック手段と、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信する発信手段と、車両側に配設されて前記発信手段からのIDコードを受信し得る受信手段と、該受信手段で受信したIDコードが当該車両における正規のものであるか否かを判定する判定手段とを具備した燃料タンクキャップのロック装置であって、前記ロック手段は、前記操作手段の揺動操作により前記係止手段が前記係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段の所定部位に形成された被干渉部に干渉してロックする干渉位置と、前記被干渉部に干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材を具備するとともに、前記判定手段により正規のIDコードを受信したと判定され、且つ、前記係止手段の移動が検知されたことを条件として、前記ロック手段によるロック解除を行わせることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記ロック部材は、前記キャップが前記開放位置から閉塞位置まで移動するとき、前記被干渉部に押圧され、前記干渉位置から非干渉位置に移動されることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記被干渉部は、前記キャップが前記開放位置から閉塞位置まで移動するとき、前記ロック部材と当接して前記干渉位置から非干渉位置まで移動させるテーパ面が形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1~3の何れか1つに記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記ロック手段は、通電によりプランジャを変位可能なソレノイドから成るとともに、前記ロック部材は、当該プランジャから成ることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1~4の何れか1つに記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記係止手段と連動するスライダと、前記スライダの移動を検知可能な検知スイッチとを具備し、前記検知スイッチがスライダの移動を検知したことを条件として、前記ロック手段によるロック解除を行わせ得ることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記ロック手段、前記スライダ及び検知スイッチが取付ケースに収容されて一体化部品としてのユニットを構成することを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記判定手段が正規のIDコードを受信したと判定したことを条件として、車両のエンジン始動を許可することを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1~7の何れか1つに記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記操作手段の揺動操作の過程において、所定以上の負荷が生じたとき、当該負荷を逃がして前記係止手段の係止状態を保持する過負荷防止手段を具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記係止手段は、前記キャップの前記閉塞位置から開放位置への移動を規制する係止部を有した第1係止手段と、前記操作手段からの操作力を受ける第2係止手段と、を有して構成されるとともに、前記過負荷防止手段は、前記第1係止手段及び第2係止手段の間に介在して取り付けられ、前記操作手段の揺動過程において、前記所定以上の負荷が生じないとき、前記第1係止手段及び第2係止手段を一体的に移動させ、前記所定以上の負荷が生じたとき、前記第2係止手段で受けた操作力を前記第1係止手段に伝達しない構成とされたことを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の燃料タンクキャップのロック装置において、前記過負荷防止手段は、前記第1係止手段及び第2係止手段の一方に取り付けられて他方に対して付勢手段による付勢力を付与することにより当該第1係止手段及び第2係止手段を連結し得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、ロック手段は、操作手段の揺動操作により係止手段が係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段の所定部位に形成された被干渉部に干渉してロックする干渉位置と、被干渉部に干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材を具備するので、キャップが開放位置にあるとき、ロック手段の誤操作を防止することができるとともに、キャップを閉塞位置まで揺動する際、ロック手段によるロックを確実に行わせることができる。
また、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信する発信手段と、車両側に配設されて発信手段からのIDコードを受信し得る受信手段と、該受信手段で受信したIDコードが当該車両における正規のものであるか否かを判定する判定手段とを備えるとともに、判定手段が正規のIDコードを受信したと判定している場合に限り、ロック手段によるロック解除を行わせ得るので、第三者が不正にロック手段によるロック解除を行ってしまうのを防止することができ、防犯性を向上させることができる。
さらに、判定手段により正規のIDコードを受信したと判定され、且つ、係止手段の移動が検知されたことを条件として、ロック手段によるロック解除を行わせるので、操作手段の操作の過程でロック解除を行わせることができ、操作性を向上させることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、ロック部材は、キャップが開放位置から閉塞位置まで移動するとき、被干渉部に押圧され、干渉位置から非干渉位置に移動されるので、ロック部材により妨げられることなくキャップを閉塞位置まで揺動することができるとともに、係止位置にある係止手段をロック手段にて確実にロックさせることができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、被干渉部は、キャップが開放位置から閉塞位置まで移動するとき、ロック部材と当接して干渉位置から非干渉位置まで移動させるテーパ面が形成されたので、ロック部材を円滑に干渉位置から非干渉位置まで移動させることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、ロック手段は、通電によりプランジャを変位可能なソレノイドから成るとともに、ロック部材は、当該プランジャから成るので、応答性が高く、且つ、確実に係止手段のロック又はロックの解除を行わせることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、係止手段と連動するスライダと、スライダの移動を検知可能な検知スイッチとを具備し、検知スイッチがスライダの移動を検知したことを条件として、ロック手段によるロック解除を行わせ得るので、スライダを介して係止手段の移動を検知スイッチにて検知させることができる。これにより、検知スイッチの配設位置や配設方向を任意設定することができ、レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、操作手段の揺動操作の過程において、所定以上の負荷が生じたとき、当該負荷を逃がして係止手段の係止状態を保持する過負荷防止手段を具備したので、操作手段の操作時の過負荷による操作手段又は係止手段の破損又は変形等を回避することができるとともに、第三者が過度な力で操作手段を操作してロック手段でロックされた係止手段の係止を不正に解除してしまうのを防止でき、防犯効果を向上させることができる。
【0025】
請求項9の発明によれば、過負荷防止手段は、第1係止手段及び第2係止手段の間に介在して取り付けられ、操作手段の揺動過程において、所定以上の負荷が生じないとき、第1係止手段及び第2係止手段を一体的に移動させ、所定以上の負荷が生じたとき、第2係止手段で受けた操作力を第1係止手段に伝達しない構成とされたので、操作手段の揺動操作時に生じた過負荷を確実且つ円滑に逃がすことができる。
【0026】
請求項10の発明によれば、過負荷防止手段は、第1係止手段及び第2係止手段の一方に取り付けられて他方に対して付勢手段による付勢力を付与することにより当該第1係止手段及び第2係止手段を連結し得るので、付勢手段の付勢力を調整することにより、第1係止手段及び第2係止手段の連結力を調整することができ、所定以上の負荷を任意に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料タンクキャップのロック装置を示す平面図及び側面図
【
図2】
図1におけるII-II線断面図であって、(a)キャップが閉塞位置にある状態(b)キャップが開放位置にある状態を示す模式図
【
図4】同燃料タンクキャップのロック装置における操作手段の操作前の状態(係止手段が係止位置にある状態)を示す模式図
【
図5】同燃料タンクキャップのロック装置おける操作手段の操作後の状態(係止手段が許容位置にある状態)を示す模式図
【
図6】同燃料タンクキャップのロック装置においてキャップを取り外した状態を上方から見た状態を示す平面図
【
図7】同燃料タンクキャップのロック装置における係止手段に対するソレノイド及びスライダの位置関係を示す模式図
【
図8】同燃料タンクキャップのロック装置におけるキャップを示す平面図及び側面図
【
図9】同燃料タンクキャップのロック装置における操作手段を示す平面図及び側面図
【
図10】同燃料タンクキャップのロック装置における係止手段を示す4面図
【
図11】同燃料タンクキャップのロック装置における係止手段を示す斜視図
【
図13】同燃料タンクキャップのロック装置におけるソレノイド及びスライダを有したユニットを示す斜視図
【
図16】同燃料タンクキャップのロック装置におけるスライダと及び検知スイッチ(オフ状態)の位置関係を示す模式図
【
図17】同燃料タンクキャップのロック装置におけるスライダと及び検知スイッチ(オン状態)の位置関係を示す模式図
【
図18】同燃料タンクキャップのロック装置の全体構成を示すブロック図
【
図19】本発明の第2の実施形態に係る燃料タンクキャップのロック装置を示す平面図及び側面図
【
図20】
図19におけるXX-XX線断面図であって、(a)キャップが閉塞位置にある状態(b)キャップが開放位置にある状態を示す模式図
【
図22】同燃料タンクキャップのロック装置における操作手段の操作状態を示す模式図であって、(a)操作手段の操作前の状態(係止手段が係止位置にある状態)(b)操作手段の操作後の状態(係止手段が許容位置にある状態)を示す模式図
【
図23】同燃料タンクキャップのロック装置おける操作手段及び係止手段が組み付けられた状態を示す斜視図
【
図24】同燃料タンクキャップのロック装置おける操作手段及び係止手段が組み付けられた状態を示す斜視図
【
図25】同燃料タンクキャップのロック装置における第1係止手段及び第2係止手段を連結した過負荷防止手段を示す斜視図
【
図26】同燃料タンクキャップのロック装置においてロック手段が係止手段をロックした状態を示す斜視図
【
図27】同燃料タンクキャップのロック装置におけるキャップを示す平面図及び側面図
【
図28】同燃料タンクキャップのロック装置における操作手段を示す平面図及び側面図
【
図29】同燃料タンクキャップのロック装置における第1係止手段を示す4面図
【
図30】同燃料タンクキャップのロック装置における第2係止手段を示す4面図
【
図31】同燃料タンクキャップのロック装置における第1係止手段及び第2係止手段が過負荷防止手段にて連結された状態を示す斜視図
【
図32】同燃料タンクキャップのロック装置における第1係止手段及び第2係止手段が過負荷防止手段にて連結された状態を示す斜視図
【
図33】同燃料タンクキャップのロック装置における第1係止手段及び第2係止手段が過負荷防止手段にて連結された状態を示す裏面図であって、(a)第1係止手段及び第2係止手段が一体化された状態を示す模式図、(b)第1係止手段及び第2係止手段が相対的に移動した状態を示す模式図
【
図34】同燃料タンクキャップのロック装置におけるスライダと及び検知スイッチの位置関係を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る燃料タンクキャップのロック装置は、大型二輪車における燃料タンクに通じた給油口を塞ぐためのキャップの開閉をロック又はロック解除するものであり、
図1~3に示すように、キャップ1と、操作ノブ2(操作手段)と、係止手段3と、ロック手段としてのソレノイド5と、スライダ6と、検知スイッチ8とを有して構成されている。なお、上記構成部品は、給油口Taを有する燃料タンクTに固定された本体R内に収容されている。また、本体Rの上部には、
図1~3に示すように、円環状のカバー部Hが複数のボルトにて固定されている。
【0029】
キャップ1は、車両の燃料タンクに通じた給油口Taを塞いだ閉塞位置(
図2(a)参照)と開放した開放位置(
図2(b)参照)との間で移動して当該給油口Taを開閉可能なもので、上側キャップ部1a及び下側キャップ部1bから構成されている。本実施形態においては、運転者等の操作者が操作ノブ2を手で摘まんで上方に引き上げることにより、キャップ1が揺動軸Laを中心に揺動し、閉塞位置から開放位置に移動して給油口Taを外部に臨ませ得るようになっている。
【0030】
上側キャップ部1aは、
図8に示すように、所定位置部位にキャップ1を閉塞位置と開放位置との間で揺動させる揺動軸Laが形成されている。また、上側キャップ部1aは、その上部にて操作ノブ2(操作手段)を揺動操作可能に保持している。下側キャップ部1bは、キャップ1が閉塞位置にあるとき、給油口Taをシールするシール材Sが取り付けられるとともに、
図4~6に示すように、係止手段3を係止位置と許容位置との間で移動可能な状態で収容して構成されている。
【0031】
操作ノブ2(操作手段)は、
図9に示すように、揺動軸Lbが一体的に形成されたもので、当該揺動軸Lbの両端部には、突出部2aがそれぞれ形成されるとともに、キャップ1(上側キャップ部1a)の上面に形成された凹部に取り付けられている。そして、操作者が操作ノブ2を上方に引き上げて操作すると、当該操作ノブ2が揺動軸Lbを中心に揺動操作可能とされている。
【0032】
係止手段3は、操作ノブ2の操作と連動して移動可能とされるとともに、キャップ1が給油口Taを塞いだ状態を保持する係止位置(
図4参照)と、当該係止を解除して当該キャップ1の開動作を許容する許容位置(
図5参照)との間で動作するものである。より具体的には、本実施形態に係る係止手段3は、下側キャップ部1b内の作動空間(
図6参照)において略直線状にスライド可能とされており、係止位置にあるとき、
図4に示すように、先端の係止部3aがカバー部Hに形成された被係止部Haに係止してキャップ1の閉塞位置から開放位置への移動を規制するとともに、操作ノブ2が操作されて許容位置にあるとき、
図5に示すように、係止部3aが被係止部Haから離間して係止が解かれ、キャップ1の閉塞位置から開放位置への移動を許容するよう構成されている。
【0033】
また、係止手段3は、
図4、5に示すように、コイルスプリング9の付勢力により許容位置から係止位置に向かって付勢されるとともに、
図10に示すように、係止部3aの裏面側にテーパ面3aaが形成されている。そして、キャップ1を開放位置から閉塞位置に向かって揺動させると、テーパ面3aaがカバー部Hの被係止部Haに干渉し、係止手段3がコイルスプリング9の付勢力に抗して許容位置に向かう方向に僅かに移動するようになっている。このようにして、係止手段3が移動して、テーパ面3aaが被係止部Haに干渉しなくなる位置に達すると、キャップ1が閉塞位置まで揺動するとともに係止手段3がコイルスプリング9の付勢力にて係止位置まで移動するので、係止部3aが被係止部Haに係止することとなる。
【0034】
さらに、本実施形態に係る係止手段3は、
図10~12に示すように、係止部3a及びテーパ面3aaの他、段部3b、延設部3c、係止手段3の裏面側に形成された被干渉部3d及び係止手段3の先端部に形成された当接部3eを有している。延設部3cは、係止部3aの両端部から一体的に延設された左右一対の部位から成り、それぞれの端部3caに、既述のコイルスプリング9の一端と当接可能とされている。また、係止部3a及び延設部3cの間に位置する段部3bは、
図4、5に示すように、操作ノブ2の突出部2aと当接した状態とされ、操作ノブ2が揺動軸Lbを中心に揺動すると、突出部
2aにて押圧されて係止手段3を係止位置から許容位置に移動させ得るようになっている。
【0035】
さらに、本実施形態においては、係止手段3の係止位置から許容位置への動作をロックし、又は当該ロックを解除して係止手段3の係止位置から許容位置への動作を許容し得るロック手段を具備している。具体的には、本実施形態に係るロック手段は、通電によりプランジャ5aを変位可能なソレノイド5から成るとともに、当該プランジャ5aは、操作ノブ2の揺動操作により係止手段3が係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段3の所定部位に形成された被干渉部3dに干渉してロックする干渉位置と、被干渉部3dに干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材を構成している。
【0036】
なお、プランジャ5aは、通電によって、突出状態と収縮状態との間で変位可能とされ、突出状態で干渉位置及び収縮状態で非干渉位置となるよう設定されるとともに、ソレノイド5の内部に形成されたスプリング(不図示)によって、収縮状態(非干渉位置)から突出状態(干渉位置)に向かう方向に常時付勢されている。すなわち、プランジャ5aは、通電されない状態において、内部のスプリングの付勢力にて突出状態(干渉位置)とされて係止手段3をロックし、通電されると、内部のスプリングの付勢力に抗して収縮状態(非干渉位置)とされて係止手段3のロックを解除するのである。
【0037】
一方、本実施形態に係る被干渉部3dは、
図10~12に示すように、係止手段3の裏面側において下方に向かって一体的に突出形成された部位から成り、キャップ1が閉塞位置にあるとき、係止手段3を係止位置から許容位置に移動させようとすると、被係止部3dの側面に干渉位置にあるプランジャ5aが干渉して係止手段3の許容位置に向かう移動を規制してロックするとともに、ソレノイド5に対して通電することにより、プランジャ5aが干渉位置から非干渉位置まで移動してロックが解除されるので、係止手段3の許容位置に向かう移動が許容されてロックが解除され、キャップ1を開放位置まで揺動可能とされている。
【0038】
さらに、被干渉部3dの突端には、キャップ1が開放位置から閉塞位置まで移動するとき、プランジャ5a(ロック部材)と当接して干渉位置から非干渉位置まで移動させるテーパ面3daが形成されている。すなわち、キャップ1を開放位置から閉塞位置に揺動させようとすると、係止手段3における被干渉部3dのテーパ面3daがプランジャ5aに当接するよう設定されており、キャップ1が閉塞位置まで揺動する過程において、テーパ面3daがプランジャ5aを押圧して干渉位置から非干渉位置まで移動させ得るようになっている。
【0039】
このように、プランジャ5aが移動して、プランジャ5aが被干渉部3dに干渉しなくなる位置(被干渉位置)に達すると、キャップ1を閉塞位置まで揺動させることができ、その後、プランジャ5aは内部のスプリングで干渉位置に復帰することとなる。したがって、キャップ1を開放位置から閉塞位置まで揺動させる際、その揺動力によりプランジャ5aを干渉位置から非干渉位置まで自然に移動させることができるので、操作性を向上させることができる。
【0040】
本実施形態に係るソレノイド5は、
図13~17に示すように、本体R内の所定位置に固定されるユニット4内に収容され、プランジャ5aがユニット4の外部まで突出した状態とされている。かかるユニット4は、スライダ6及び検知スイッチ8が取り付けられた取付ケース10を具備しており、ソレノイド5、スライダ6及び検知スイッチ8を一体化された部品としている。
【0041】
またさらに、本実施形態においては、係止手段3と連動するスライダ6と、スライダ6の移動を検知可能な検知スイッチ8とを具備し、検知スイッチ8がスライダ6の移動を検知したことを条件として、ソレノイド5(ロック手段)によるロック解除を行わせ得るよう構成されている。具体的には、スライダ6及び検知スイッチ8は、
図13~17に示すように、ユニット4を構成する取付ケース10に取り付けられており、スライダ6の突出部6aがユニット4の外部まで突出した状態とされている。なお、図中符号fは、防水のためのシール材を示している。
【0042】
スライダ6は、取付ケース10に取り付けられたコイルスプリング7にて
図16、17中右側に付勢された状態とされており、突出部6aの突端が係止手段3の当接部3eと当接した状態にて組み付けられている。また、スライダ6は、突出部6aと異なる部位において、検知スイッチ8の作動部8aを押圧可能な押圧面6bを有しており、スライダ6の移動に応じて、押圧面6bが作動部8aを押圧して検知スイッチ8を電気的にオン(
図17参照)し、或いは押圧面6bが作動部8aから離間して検知スイッチ8を電気的にオフ(
図16参照)し得るよう構成されている。
【0043】
そして、係止手段3が係止位置にあるとき、スライダ6は、
図16に示すように、押圧面6bが作動部8aから離間した状態とされており、検知スイッチ8は電気的にオフした状態となっているとともに、操作ノブ2を操作開始して係止手段3が係止位置から許容位置に向かって移動し始めると、スライダ6がコイルスプリング7の付勢力によって係止手段3に追従して同方向に移動し、押圧面6bが作動部8aを押圧して検知スイッチ8が電気的にオンする。このように、検知スイッチ8がスライダ6の移動を検知して電気的にオンすると、ソレノイド5に対して通電し、ロックが解除されるので、操作ノブ2を引き続き操作することによって、係止手段3が許容位置まで移動されることとなる。
【0044】
しかるに、本実施形態においては、
図7に示すように、ユニット4においてソレノイド5のプランジャ5a及びスライダ6の突出部6aをそれぞれ所定方向に突出させて、プランジャ5aを係止手段3の被干渉部3dに干渉させ、且つ、突出部6aを当接部3eに当接させるよう構成されている。これにより、プランジャ5aの干渉位置と係止手段3の当接位置との相対的位置関係を精度よく保持することができる。
【0045】
加えて、本実施形態に適用される車両は、
図18に示すように、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを電波に乗せて発信する発信手段11と、車両側に配設されて発信手段11からのIDコードを受信し得る受信手段12と、該受信手段12で受信したIDコードが当該車両における正規のものであるか否かを判定する判定手段13とを有しており、判定手段13が正規のIDコードを受信したと判定したことを条件として、ECU14に制御信号を送信してエンジン始動を許可するようになっている。
【0046】
さらに、本実施形態に係る判定手段13は、検知スイッチ8と電気的に接続されており、判定手段13が正規のIDコードを受信したと判定され、且つ、検知スイッチ8により係止手段3の移動が検知されたことを条件として、ソレノイド5のプランジャ5aを収縮状態として非干渉位置とし、ロック解除を行わせるよう構成されている。すなわち、判定手段13が正規のIDコードを受信したと判定している場合、検知スイッチ8により係止手段3の移動開始を検知することにより、ソレノイド5のプランジャ5aを突出状態(干渉位置)から収縮状態(非干渉位置)としてロック手段のロックを解除し、係止手段3の係止位置から許容位置への移動を許容するとともに、判定手段15が正規のIDコードを受信していると判定されない場合、検知スイッチ8により係止手段3の移動開始を検知しても、ソレノイド5のプランジャ5aを突出状態(干渉位置)に維持してロック手段によるロック解除動作が行われないようになっている。
【0047】
本実施形態によれば、ロック手段(ソレノイド5)は、操作ノブ2の揺動操作により係止手段3が係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段3の所定部位に形成された被干渉部3dに干渉してロックする干渉位置と、被干渉部3dに干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材(プランジャ5a)を具備するので、キャップ1が開放位置にあるとき、ロック手段の誤操作を防止することができるとともに、キャップ1を閉塞位置まで揺動する際、ロック手段によるロックを確実に行わせることができる。
【0048】
すなわち、本実施形態によれば、従来の如く係止手段3に連動するスライダをロック又はロック解除するものに比べ、係止手段3を直接ロック又はロック解除するので、キャップ1が開放位置にあるとき、ロック手段の誤操作を回避することができるのである。また、従来の如く係止手段3に嵌合する嵌合凹部を有していないので、当該嵌合凹部に異物が詰まる不具合がなく、キャップ1が閉塞位置まで揺動する際の不具合を回避することができる。
【0049】
また、本実施形態に係るロック部材(プランジャ5a)は、キャップ1が開放位置から閉塞位置まで移動するとき、被干渉部3dに押圧され、干渉位置から非干渉位置に移動されるので、ロック部材により妨げられることなくキャップ1を閉塞位置まで揺動することができるとともに、係止位置にある係止手段3をロック手段にて確実にロックさせることができる。
【0050】
さらに、本実施形態に係る被干渉部3dは、キャップ1が開放位置から閉塞位置まで移動するとき、ロック部材(プランジャ5a)と当接して干渉位置から非干渉位置まで移動させるテーパ面3daが形成されたので、ロック部材を円滑に干渉位置から非干渉位置まで移動させることができる。特に、本実施形態に係るロック手段は、通電によりプランジャ5aを変位可能なソレノイド5から成るとともに、ロック部材は、当該プランジャ5aから成るので、応答性が高く、且つ、確実に係止手段3のロック又はロックの解除を行わせることができる。
【0051】
またさらに、係止手段3と連動するスライダ6と、スライダ6の移動を検知可能な検知スイッチ8とを具備し、検知スイッチ8がスライダ6の移動を検知したことを条件として、ロック手段によるロック解除を行わせ得るので、スライダ6を介して係止手段3の移動を検知スイッチ8にて検知させることができる。これにより、検知スイッチ8の配設位置や配設方向(作動部8aが押圧される方向)を任意設定することができ、レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0052】
また、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信する発信手段11と、車両側に配設されて発信手段からのIDコードを受信し得る受信手段12と、該受信手段12で受信したIDコードが当該車両における正規のものであるか否かを判定する判定手段13とを備えるとともに、判定手段13が正規のIDコードを受信したと判定している場合に限り、ロック手段によるロック解除を行わせ得るので、第三者が不正にロック手段によるロック解除を行ってしまうのを防止することができ、防犯性を向上させることができる。
【0053】
特に、判定手段13により正規のIDコードを受信したと判定され、且つ、係止手段3の移動が検知されたことを条件として、ロック手段によるロック解除を行わせるので、操作ノブ2の操作の過程でロック解除を行わせることができ、例えば車両側に取り付けられた別個の操作手段(アクセススイッチ等)にてロック解除を行わせるものに比べて、操作性を向上させることができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態に係る燃料タンクキャップのロック装置について説明する。
第2の実施形態に係る燃料タンクキャップのロック装置は、第1の実施形態と同様、大型二輪車における燃料タンクに通じた給油口を塞ぐためのキャップの開閉をロック又はロック解除するものであり、
図19~22に示すように、キャップ1と、操作ノブ2(操作手段)と、係止手段3’と、ロック手段としてのソレノイド5と、スライダ6と、検知スイッチ8と、過負荷防止手段15とを有して構成されている。なお、本実施形態においては、上記構成部品は、給油口Taを有する本体T内に収容されている。また、本体Tの上部には、
図19~22に示すように、円環状のカバー部Hが複数のボルトにて固定されている。
【0055】
キャップ1は、車両の燃料タンクに通じた給油口Taを塞いだ閉塞位置(
図20(a)参照)と開放した開放位置(
図20(b)参照)との間で移動して当該給油口Taを開閉可能なもので、上側キャップ部1a及び下側キャップ部1bから構成されている。本実施形態においては、運転者等の操作者が操作ノブ2を手で摘まんで上方に引き上げることにより、キャップ1が揺動軸Laを中心に揺動し、閉塞位置から開放位置に移動して給油口Taを外部に臨ませ得るようになっている。
【0056】
上側キャップ部1aは、
図27に示すように、湾曲したアーム部1cが形成されており、当該アーム部1cの所定部位には、キャップ1を閉塞位置と開放位置との間で揺動させる揺動軸Laが形成されている。また、上側キャップ部1aは、その上部にて操作ノブ2(操作手段)を揺動操作可能に保持している。下側キャップ部1bは、キャップ1が閉塞位置にあるとき、給油口Taをシールするシール材Sが取り付けられるとともに、
図20~22に示すように、係止手段3’を係止位置と許容位置との間で移動可能な状態で収容して構成されている。なお、
図26中符号1dは、下側キャップ部1bの上部を塞ぐ蓋部材を示している。
【0057】
操作ノブ2(操作手段)は、
図28に示すように、揺動軸Lbが一体的に形成されたもので、当該揺動軸Lbの一方の端部には、突出部2aが形成されるとともに、キャップ1(上側キャップ部1a)の上面に形成された凹部に取り付けられている。そして、操作者が操作ノブ2を上方に引き上げて操作すると、当該操作ノブ2が揺動軸Lbを中心に揺動操作可能とされている。
【0058】
係止手段3’は、操作ノブ2の操作と連動して移動可能とされるとともに、キャップ1が給油口Taを塞いだ状態を保持する係止位置(
図22(a)参照)と、当該係止を解除して当該キャップ1の開動作を許容する許容位置(
図22(b)参照)との間で動作するものである。より具体的には、本実施形態に係る係止手段3’は、下側キャップ部1b内の作動空間において略直線状にスライド可能とされており、係止位置にあるとき、
図22(a)に示すように、先端の係止部3’aaがカバー部Hに形成された被係止部Haに係止してキャップ1の閉塞位置から開放位置への移動を規制するとともに、操作ノブ2が操作されて許容位置にあるとき、
図22(b)に示すように、係止部3’aaが被係止部Haから離間して係止が解かれ、キャップ1の閉塞位置から開放位置への移動を許容するよう構成されている。
【0059】
また、係止手段3’は、
図22(a)(b)に示すように、コイルスプリング9の付勢力により許容位置から係止位置に向かって付勢されるとともに、
図31、32に示すように、係止部3’aaの裏面側にテーパ面3’abが形成されている。そして、キャップ1を開放位置から閉塞位置に向かって揺動させると、テーパ面3’abがカバー部Hの被係止部Haに干渉し、係止手段3’がコイルスプリング9の付勢力に抗して許容位置に向かう方向に僅かに移動するようになっている。このようにして、係止手段3’が移動して、テーパ面3’abが被係止部Haに干渉しなくなる位置に達すると、キャップ1が閉塞位置まで揺動するとともに係止手段3’がコイルスプリング9の付勢力にて係止位置まで移動するので、係止部3’aaが被係止部Haに係止することとなる。
【0060】
ここで、本実施形態に係る係止手段3’は、
図23~25及び
図31~33に示すように、キャップ1の閉塞位置から開放位置への移動を規制する係止部3’aaを有した第1係止手段3’aと、操作ノブ2からの操作力を受ける第2係止手段3’bとを有して構成されており、これら第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bの間には、過負荷防止手段15が介在して取り付けられている。
【0061】
より具体的には、第1係止手段3’aは、
図29に示すように、カバー部Hに形成された被係止部Haに係止可能な係止部3’aaと、係止部3’aaの裏面側に形成されたテーパ面3’abと、第1係止手段3’aのスライド方向に延びる延設部3’acと、第1係止手段3’aの裏面側に形成された被干渉部3’adと、被干渉部3’adの所定位置に形成されたテーパ面3’aeと、第1係止手段3’aの先端部に形成された当接部3’afとを有して構成されている。
【0062】
また、第1係止手段3’aは、第2係止手段3’bを嵌入可能な嵌入部Kを有しており、その嵌入部Kの一方の側部には、挿通部3’ahが延設されるとともに、当該挿通部3’ahの所定位置には、後述する係止部材15aを嵌入可能な凹部3’aiが形成されている。なお、延設部3’acは、第1係止手段3’aから一体的に延設された部位から成り、
図23~25に示すように、その端部3’agにコイルスプリング9の一端が当接可能とされている。
【0063】
一方、第2係止手段3’bは、
図30に示すように、操作ノブ2の突出部2aと当接した状態とされる段部3’baと、第2係止手段3’bのスライド方向に延びる延設部3’bbと、過負荷防止手段15を収容可能な収容凹部3’bdと、第1係止手段3’aの挿通部3ahを挿通可能な挿通溝3’beとを有して構成されている。なお、延設部3’bbは、第2係止手段3’bから一体的に延設された部位から成り、
図23~25に示すように、その端部3’bcにコイルスプリング9の一端が当接可能とされている。
【0064】
そして、第2係止手段3’bの挿通溝3’beに第1係止手段3’aの挿通部3’ahを挿通させつつ第1係止手段3’aに形成された嵌入部Kに第2係止手段3’bを嵌入するとともに、第2係止手段3’bの収容凹部3bdに過負荷防止手段15を収容させることにより、
図31~33に示すように、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bが過負荷防止手段15にて連結され、一体化された係止手段3’を得ることができる。
【0065】
本実施形態に係る過負荷防止手段15は、第2係止手段3’bの収容凹部3bdに収容された連結部材15a及び付勢部材15bにて構成されており、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bの一方(本実施形態においては第2係止手段3’bの収容凹部3bd)に取り付けられて他方(本実施形態においては第1係止手段3’aの凹部3’ai)に対して付勢手段による付勢力を付与することにより当該第1係止手段及び第2係止手段を連結し得るものとされている。
【0066】
本実施形態に係る付勢部材15b(付勢手段)は、コイルスプリングから成り、連結部材15aに対して付勢力を付与し得るものとされている。かかる連結部材15aは、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bが組み付けられた状態において、付勢部材15bの付勢力を受けて押圧され、第1係止手段3’aの凹部3’aiに嵌入状態とされるよう構成されている。これにより、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bは、過負荷防止手段15の付勢力により連結され、一体的にスライド可能とされている。
【0067】
そして、操作ノブ2が揺動軸Lbを中心に揺動すると、第2係止手段3’bの段部3’baが突出部2aにて押圧されて、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bを一体的に係止位置から許容位置に移動させ得るようになっている。ここで、本実施形態に係る過負荷防止手段15は、操作ノブ2の揺動操作の過程において、所定以上の負荷が生じたとき、当該負荷を逃がして係止手段3’の係止状態(係止部3’aaの被係止部Haに対する係止状態)を保持するものとされている。
【0068】
すなわち、操作ノブ2の揺動過程において、所定以上の負荷が生じないとき、
図33(a)に示すように、第1係止手段及び第2係止手段を許容位置まで一体的に移動させ、係止部3’aaの被係止部Haに対する係止を解除するとともに、所定以上の負荷が生じたとき、
図33(b)に示すように、連結部材15aが凹部3’aiから脱して嵌入が解かれて第2係止手段3’bが第1係止手段3’aと相対的に移動することにより、第2係止手段3’bで受けた操作力を第1係止手段3’aに伝達しない構成とされている。
【0069】
なお、本実施形態に係る係止手段3’は、過負荷防止手段15を構成する付勢部材15bの付勢力により第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bの連結力が維持されており、操作手段の揺動操作の過程で、当該連結力以上の負荷(所定以上の負荷)が生じると、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bの連結が解かれ、相対的に移動することによって負荷が逃がされることとなる。
【0070】
さらに、本実施形態においては、係止手段3’の係止位置から許容位置への動作をロックし、又は当該ロックを解除して係止手段3’の係止位置から許容位置への動作を許容し得るロック手段を具備している。具体的には、本実施形態に係るロック手段は、第1の実施形態と同様、通電によりプランジャ5aを変位可能なソレノイド5から成るとともに、当該プランジャ5aは、操作ノブ2の揺動操作により係止手段3’が係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段3’(第1係止手段3’a)の所定部位に形成された被干渉部3’adに干渉してロックする干渉位置と、被干渉部3’adに干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材を構成している。
【0071】
なお、プランジャ5aは、通電によって、突出状態と収縮状態との間で変位可能とされ、突出状態で干渉位置及び収縮状態で非干渉位置となるよう設定されるとともに、ソレノイド5の内部に形成されたスプリング(不図示)によって、収縮状態(非干渉位置)から突出状態(干渉位置)に向かう方向に常時付勢されている。すなわち、プランジャ5aは、通電されない状態において、内部のスプリングの付勢力にて突出状態(干渉位置)とされて係止手段3’をロックし、通電されると、内部のスプリングの付勢力に抗して収縮状態(非干渉位置)とされて係止手段3’のロックを解除するのである。
【0072】
一方、本実施形態に係る被干渉部3’adは、
図26に示すように、係止手段3’の裏面側において下方に向かって一体的に突出形成された部位から成り、キャップ1が閉塞位置にあるとき、係止手段3’を係止位置から許容位置に移動させようとすると、被係止部3’adの側面に干渉位置にあるプランジャ5aが干渉して係止手段3’の許容位置に向かう移動を規制してロックするとともに、ソレノイド5に対して通電することにより、プランジャ5aが干渉位置から非干渉位置まで移動してロックが解除されるので、係止手段3’の許容位置に向かう移動が許容されてロックが解除され、キャップ1を開放位置まで揺動可能とされている。
【0073】
さらに、被干渉部3’adの突端には、キャップ1が開放位置から閉塞位置まで移動するとき、プランジャ5a(ロック部材)と当接して干渉位置から非干渉位置まで移動させるテーパ面3’aeが形成されている。すなわち、キャップ1を開放位置から閉塞位置に揺動させようとすると、係止手段3’における被干渉部3’adのテーパ面3’aeがプランジャ5aに当接するよう設定されており、キャップ1が閉塞位置まで揺動する過程において、テーパ面3’aeがプランジャ5aを押圧して干渉位置から非干渉位置まで移動させ得るようになっている。
【0074】
このように、プランジャ5aが移動して、プランジャ5aが被干渉部3’adに干渉しなくなる位置(被干渉位置)に達すると、キャップ1を閉塞位置まで揺動させることができ、その後、プランジャ5aは内部のスプリングで干渉位置に復帰することとなる。したがって、キャップ1を開放位置から閉塞位置まで揺動させる際、その揺動力によりプランジャ5aを干渉位置から非干渉位置まで自然に移動させることができるので、操作性を向上させることができる。
【0075】
またさらに、本実施形態においては、第1の実施形態と同様、係止手段3’と連動するスライダ6と、スライダ6の移動を検知可能な検知スイッチ8とを具備し、検知スイッチ8がスライダ6の移動を検知したことを条件として、ソレノイド5(ロック手段)によるロック解除を行わせ得るよう構成されている。具体的には、スライダ6は、
図34に示すように、コイルスプリング7にて同図中左側に付勢された状態とされており、突出部6aの突端が係止手段3’(第1係止手段3’a)の当接部3’afと当接した状態にて組み付けられている。
【0076】
また、スライダ6は、突出部6aと異なる部位において、検知スイッチ8の作動部8aを押圧可能な押圧面6bを有しており、スライダ6の移動に応じて、押圧面6bが作動部8aを押圧して検知スイッチ8を電気的にオンし、或いは押圧面6bが作動部8aから離間して検知スイッチ8を電気的にオフし得るよう構成されている。
【0077】
そして、係止手段3’が係止位置にあるとき、スライダ6は、押圧面6bが作動部8aから離間した状態とされており、検知スイッチ8は電気的にオフした状態となっているとともに、操作ノブ2を操作開始して係止手段3’が係止位置から許容位置に向かって移動し始めると、スライダ6がコイルスプリング7の付勢力によって係止手段3に追従して同方向に移動し、押圧面6bが作動部8aを押圧して検知スイッチ8が電気的にオンする。このように、検知スイッチ8がスライダ6の移動を検知して電気的にオンすると、ソレノイド5に対して通電し、ロックが解除されるので、操作ノブ2を引き続き操作することによって、係止手段3’が許容位置まで移動されることとなる。
【0078】
加えて、本実施形態に適用される車両は、第1の実施形態と同様、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを電波に乗せて発信する発信手段11と、車両側に配設されて発信手段11からのIDコードを受信し得る受信手段12と、該受信手段12で受信したIDコードが当該車両における正規のものであるか否かを判定する判定手段13とを有しており(
図18参照)、判定手段13が正規のIDコードを受信したと判定したことを条件として、ECU14に制御信号を送信してエンジン始動を許可するようになっている。
【0079】
さらに、本実施形態に係る判定手段13は、検知スイッチ8と電気的に接続されており、判定手段13が正規のIDコードを受信したと判定され、且つ、検知スイッチ8により係止手段3’の移動が検知されたことを条件として、ソレノイド5のプランジャ5aを収縮状態として非干渉位置とし、ロック解除を行わせるよう構成されている。すなわち、判定手段13が正規のIDコードを受信したと判定している場合、検知スイッチ8により係止手段3の移動開始を検知することにより、ソレノイド5のプランジャ5aを突出状態(干渉位置)から収縮状態(非干渉位置)としてロック手段のロックを解除し、係止手段3’の係止位置から許容位置への移動を許容するとともに、判定手段15が正規のIDコードを受信していると判定されない場合、検知スイッチ8により係止手段3’の移動開始を検知しても、ソレノイド5のプランジャ5aを突出状態(干渉位置)に維持してロック手段によるロック解除動作が行われないようになっている。
【0080】
本実施形態によれば、ロック手段(ソレノイド5)は、操作ノブ2の揺動操作により係止手段3’が係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段3’の所定部位に形成された被干渉部3’adに干渉してロックする干渉位置と、被干渉部3’adに干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材(プランジャ5a)を具備するので、キャップ1が開放位置にあるとき、ロック手段の誤操作を防止することができるとともに、キャップ1を閉塞位置まで揺動する際、ロック手段によるロックを確実に行わせることができる。
【0081】
すなわち、本実施形態によれば、従来の如く係止手段3’に連動するスライダをロック又はロック解除するものに比べ、係止手段3’を直接ロック又はロック解除するので、キャップ1が開放位置にあるとき、ロック手段の誤操作を回避することができるのである。また、従来の如く係止手段3に嵌合する嵌合凹部を有していないので、当該嵌合凹部に異物が詰まる不具合がなく、キャップ1が閉塞位置まで揺動する際の不具合を回避することができる。
【0082】
また、本実施形態に係るロック部材(プランジャ5a)は、キャップ1が開放位置から閉塞位置まで移動するとき、被干渉部3’adに押圧され、干渉位置から非干渉位置に移動されるので、ロック部材により妨げられることなくキャップ1を閉塞位置まで揺動することができるとともに、係止位置にある係止手段3’をロック手段にて確実にロックさせることができる。
【0083】
さらに、本実施形態に係る被干渉部3’adは、キャップ1が開放位置から閉塞位置まで移動するとき、ロック部材(プランジャ5a)と当接して干渉位置から非干渉位置まで移動させるテーパ面3’aeが形成されたので、ロック部材を円滑に干渉位置から非干渉位置まで移動させることができる。特に、本実施形態に係るロック手段は、通電によりプランジャ5aを変位可能なソレノイド5から成るとともに、ロック部材は、当該プランジャ5aから成るので、応答性が高く、且つ、確実に係止手段3’のロック又はロックの解除を行わせることができる。
【0084】
またさらに、係止手段3’と連動するスライダ6と、スライダ6の移動を検知可能な検知スイッチ8とを具備し、検知スイッチ8がスライダ6の移動を検知したことを条件として、ロック手段によるロック解除を行わせ得るので、スライダ6を介して係止手段3’の移動を検知スイッチ8にて検知させることができる。これにより、検知スイッチ8の配設位置や配設方向(作動部8aが押圧される方向)を任意設定することができ、レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0085】
また、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信する発信手段11と、車両側に配設されて発信手段からのIDコードを受信し得る受信手段12と、該受信手段12で受信したIDコードが当該車両における正規のものであるか否かを判定する判定手段13とを備えるとともに、判定手段13が正規のIDコードを受信したと判定している場合に限り、ロック手段によるロック解除を行わせ得るので、第三者が不正にロック手段によるロック解除を行ってしまうのを防止することができ、防犯性を向上させることができる。
【0086】
特に、判定手段13により正規のIDコードを受信したと判定され、且つ、係止手段3’の移動が検知されたことを条件として、ロック手段によるロック解除を行わせるので、操作ノブ2の操作の過程でロック解除を行わせることができ、例えば車両側に取り付けられた別個の操作手段(アクセススイッチ等)にてロック解除を行わせるものに比べて、操作性を向上させることができる。
【0087】
加えて、本実施形態によれば、操作ノブ2の揺動操作の過程において、所定以上の負荷が生じたとき、当該負荷を逃がして係止手段3’の係止状態を保持する過負荷防止手段15を具備したので、操作ノブ2の操作時の過負荷による操作ノブ2又は係止手段3’の破損又は変形等を回避することができるとともに、第三者が過度な力で操作ノブ2を操作してロック手段でロックされた係止手段3’の係止を不正に解除してしまうのを防止でき、防犯効果を向上させることができる。
【0088】
また、本実施形態に係る過負荷防止手段15は、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bの間に介在して取り付けられ、操作ノブ2の揺動過程において、所定以上の負荷が生じないとき、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bを一体的に移動させ、所定以上の負荷が生じたとき、第2係止手段3’bで受けた操作力を第1係止手段3’aに伝達しない構成とされたので、操作ノブ2の揺動操作時に生じた過負荷を確実且つ円滑に逃がすことができる。
【0089】
またさらに、本実施形態に係る過負荷防止手段15は、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bの一方に取り付けられて他方に対して付勢部材15b(付勢手段)による付勢力を付与することにより当該第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bを連結し得るので、付勢部材15bの付勢力を調整することにより、第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bの連結力を調整することができ、所定以上の負荷を任意に調整することができる。
【0090】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばロック手段は、操作ノブ2(操作手段)の揺動操作により係止手段3が係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段(3、3’)の所定部位に形成された被干渉部(3d、3’ad)に干渉してロックする干渉位置と、被干渉部(3d、3’ad)に干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材を具備するものであれば、ソレノイド5に限定されず、他のアクチュエータ等であってもよい。
【0091】
また、第1の実施形態においては、ロック手段としてのソレノイド5と、スライダ6及び検知スイッチ8とがユニット4にて一体化された部品とされているが、これらがユニット4を介さず別個に配設されていてもよい。さらに、第1、2の実施形態においては、スライダ6を介して係止手段3の移動を検知スイッチ8にて検知しているが、係止手段3の移動を直接検知スイッチ8にて検知するようにしてもよい。
【0092】
加えて、第2の実施形態に係る過負荷防止手段15は、第2係止手段3’bに取り付けられて第1係止手段3’aに対して付勢部材15b(付勢手段)による付勢力を付与することにより第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bを連結し得るよう構成されているが、第1係止手段3’aに取り付けられて第2係止手段3’bに対して付勢部材15b(付勢手段)による付勢力を付与することにより第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bを連結し得るものとしてもよい。
【0093】
また、第2の実施形態に係る過負荷防止手段15は、付勢部材15bで付勢された連結部材15aにて構成されているが、他の構成のもの(例えば付勢部材15bを他の付勢手段としたもの、或いは専ら摩擦力により第1係止手段3’a及び第2係止手段3’bの連結力を保持するもの等)としてもよい。なお、適用される車両は、自動車や二輪車の他、バギー又は雪上車等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
ロック手段は、操作手段の揺動操作により係止手段が係止位置から許容位置まで移動するとき、当該係止手段の所定部位に形成された被干渉部に干渉してロックする干渉位置と、被干渉部に干渉しないでロックを解除する非干渉位置との間を移動可能なロック部材を具備するとともに、判定手段により正規のIDコードを受信したと判定され、且つ、係止手段の移動が検知されたことを条件として、ロック手段によるロック解除を行わせる燃料タンクキャップのロック装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 キャップ
1a 上側キャップ部
1b 下側キャップ部
1c アーム部
2 操作ノブ(操作手段)
2a 突出部
3 係止手段
3a 係止部
3aa テーパ面
3b 段部
3c 延設部
3d 被干渉部
3da テーパ面
3e 当接部
3’ 係止手段
3’a 第1係止手段
3’aa 係止部
3’ab テーパ面
3’ac 延設部
3’ad 被干渉部
3’ae テーパ面
3’af 当接部
3’ag 端部
3’ah 挿通部
3’ai 凹部
3’b 第2係止手段
3’ba 段部
3’bb 延設部
3’bc 端部
3’bd 収容凹部
3’be 挿通溝
4 ユニット
5 ソレノイド(ロック手段)
5a プランジャ(ロック部材)
6 スライダ
6a 突出部
6b 押圧面
7 コイルスプリング
8 検知スイッチ
8a 作動部
9 コイルスプリング
10 取付ケース
11 発信手段
12 受信手段
13 判定手段
14 ECU
15 過負荷防止手段
15a 連結部材
15b 付勢部材
T 燃料タンク
Ta 給油口
R 本体
H カバー部
Ha 被係止部
S シール材