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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】物件情報配信システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230619BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230619BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q30/0601 312
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020040518
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021144264
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520083459
【氏名又は名称】ジリアートインターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(72)【発明者】
【氏名】前田 浩
(72)【発明者】
【氏名】松永 東一郎
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061541(JP,A)
【文献】特開2020-030824(JP,A)
【文献】特開2003-242245(JP,A)
【文献】特開2002-015159(JP,A)
【文献】特開2002-259754(JP,A)
【文献】特開2003-036368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理端末と、前記管理端末と通信可能に接続された不動産会社用端末、建設会社用端末および顧客用端末を有して構成された物件情報配信システムであって、
前記不動産会社用端末は、土地に関する物件情報を前記管理端末に登録可能であり、
前記建設会社用端末は、顧客の不動産に関する希望条件を前記管理端末に登録可能であり、
前記管理端末は、前記物件情報と前記希望条件の少なくとも一部がマッチングした場合に、前記建設会社用端末に向けて、建設会社用物件情報を配信するとともに、前記顧客用端末に向けて、顧客用物件情報を配信するように構成され、
前記建設会社用物件情報には、マッチングした前記物件情報と、マッチングした前記物件情報を登録した不動産会社を特定可能な不動産会社情報と、マッチングした前記希望条件を希望する前記顧客を特定可能な顧客情報と、が少なくとも含まれ、
前記顧客用物件情報には、マッチングした前記物件情報と、マッチングした前記希望条件を登録した建設会社を特定可能な建設会社情報が少なくとも含まれる、
ことを特徴とする物件情報配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物件情報配信システムにおいて、
前記顧客用物件情報には、前記不動産会社情報が含まれない、
ことを特徴とする物件情報配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築会社および不動産会社の営業ツールとして顧客や建設会社等に対して、土地等に関する物件情報を提供することが可能な物件情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、土地や建物等の物件を探す顧客に対して、これらの物件情報を提供する物件情報提供サービスが広く知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、顧客の予算を含む希望条件に基づいて土地を検索し、検索結果の土地に対して建築可能な建物を選択して提示する不動産情報検索システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、不動産仲介業者が提供する土地物件と、建築業者が提供する建築プランとを、事前に互いの適合性に基づいて適切に組み合わせた形態とし、顧客に提案する土地建物セット型提案システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6543599号公報
【文献】特開2018-73325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の不動産情報検索システムでは、顧客は、自身の希望条件に見合う土地と、その土地に建築可能な建物の情報を得ることができるものの、物件情報に精通しない顧客が、自身で物件情報を検索する必要がある上に、検索結果に応じて不動産会社や建築会社に個々に連絡を取る必要があり、物件情報の提供後の顧客のフォローアップが不十分であるといった問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に記載の土地建物セット型提案システムでは、顧客は、不動産仲介業者が提供する土地物件と、建築業者が提供する建築プランの情報を同時に得ることができ、不動産仲介業者および建築業者は、互いの適合性に基づいた物件情報を顧客に提案することができるものの、物件情報に精通しない顧客が、自身で物件情報を検索する必要がある上に、検索結果に応じて不動産会社や建築会社に個々に連絡を取る必要があり、物件情報の提供後の顧客のフォローアップが不十分であるといった問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、物件情報に精通しない顧客に対して、適切な物件情報を提供できることに加えて、物件情報の提供後に顧客のフォローアップを確実に行うことができ、また、建設会社と不動産会社との結びつきを従来よりも強めることができ、建設会社と不動産会社の両方に営業上のメリットを与えることができる物件情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る物件情報提供システムは、管理端末と、前記管理端末と通信可能に接続された不動産会社用端末、建設会社用端末および顧客用端末を有して構成された物件情報配信システムであって、前記不動産会社用端末は、土地に関する物件情報を前記管理端末に登録可能であり、前記建設会社用端末は、顧客の不動産に関する希望条件を前記管理端末に登録可能であり、前記管理端末は、前記物件情報と前記希望条件の少なくとも一部がマッチングした場合に、前記建設会社用端末に向けて、建設会社用物件情報を配信するとともに、前記顧客用端末に向けて、顧客用物件情報を配信するように構成され、前記建設会社用物件情報には、マッチングした前記物件情報と、マッチングした前記物件情報を登録した不動産会社を特定可能な不動産会社情報と、マッチングした前記希望条件を希望する前記顧客を特定可能な顧客情報と、が少なくとも含まれ、前記顧客用物件情報には、マッチングした前記物件情報と、マッチングした前記希望条件を登録した建設会社を特定可能な建設会社情報が少なくとも含まれる、ことを特徴とする物件情報配信システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る物件情報提供システムによれば、物件情報に精通しない顧客に対して、適切な物件情報を提供できることに加えて、物件情報の提供後に顧客のフォローアップを確実に行うことができ、また、建設会社と不動産会社との結びつきを従来よりも強めることができ、建設会社と不動産会社の両方に営業上のメリットを与えることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る物件情報配信システム10の構成例を示したシステム構成図である。
図2】管理端末12の内部構成と、不動産会社用端末14、建設会社用端末16、および、顧客用端末18の接続の一例を示したブロック図である。
図3】物件情報配信システム10による各種処理の一例を時系列で示したフローチャートである。
図4】Webサイトにおける物件情報の登録画面の一例を示したものである。
図5】Webサイトにおける物件情報の登録画面の一例を示したものである。
図6】自動図面作成機能によって生成された物件図面の一例を示したものである。
図7】Webサイトにおける顧客の基本情報の登録画面の一例を示したものである。
図8】Webサイトにおける希望条件の登録画面の一例を示したものである。
図9】(a)顧客情報が登録された場合に建設会社の担当者に自動配信されるメールの一例を示した図である。(b)顧客情報が登録された場合に顧客に自動配信されるメールの一例を示した図である。
図10】(a)物件情報と希望条件がマッチした場合に建設会社の担当者に自動配信される建設会社用物件情報メールの一例を示したものである。(b)建設会社用物件情報メールに記載のURLにアクセスした場合に閲覧することが可能な図面の一例を示したものである。
図11】物件情報と希望条件がマッチしなかった場合に建設会社に自動配信される建設会社用条件変更情報メールの一例を示したものである。
図12】(a)物件情報と希望条件がマッチした場合に顧客に自動配信される顧客用物件情報メールの一例を示したものである。(b)顧客用物件情報メールに記載のURLにアクセスした場合に閲覧することが可能な図面の一例を示したものである。
図13】物件情報と希望条件がマッチしなかった場合に顧客に自動配信される顧客用条件変更情報メールの一例を示したものである。
図14】物件情報の配信後の顧客、建設会社、不動産会社の連絡の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態に係る物件情報配信システム10について説明する。
【0013】
<全体構成>
最初に、図1を用いて、本実施形態に係る物件情報配信システム10の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る物件情報配信システム10の構成例を示したシステム構成図である。
【0014】
物件情報配信システム10は、システム全体を管理する管理端末12と、この管理端末12とネットワークNWを介して相互に通信可能に接続される1または複数の不動産会社用端末14と、管理端末12とネットワークNWを介して相互に通信可能に接続される1または複数の建設会社用端末16と、管理端末12とネットワークNWを介して相互に通信可能に接続される1または複数の顧客用端末18と、を有して構成される。
【0015】
物件情報配信システム10に適用するネットワークNWは、典型的には、WAN(Wide Area Network)であるが、通信の形態は有線/無線を問わず、接続された端末間で相互に通信可能な回線であればよく、VPNなどの専用線で接続してもよい。また、管理端末12の台数は1台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0016】
<管理端末>
次に、図2を用いて、管理端末12について詳細に説明する。なお、図2は、管理端末12の内部構成と、不動産会社用端末14、建設会社用端末16、および、顧客用端末18の接続の一例を示したブロック図である。
【0017】
管理端末12は、物件情報配信システム10の利用者に対して、Webサイトを介して各種サービスを提供する端末であり、従来公知のサーバ、無停電電源装置、セキュリティ設備等によって構成される。
【0018】
管理端末12は、例えば、端末全体を制御するCPU21と、基本I/Oプログラムや各種データを記憶するためのROM22と、一時的にデータを記憶するためのRAM23と、CD-ROMやDVDなどの記録媒体24に対するデータの読み書きが可能な外部記憶ドライブ25と、データを記憶するための記憶装置26と、管理端末12に対するコマンド(指令)等を入力するための入力装置27と、各種表示を行うための表示装置28と、不動産会社用端末14、建設会社用端末16および顧客用端末18等とネットワークNWを介して通信を行うための通信部29と、を有して構成される。
【0019】
CPU21は、ROM22や記憶装置26等に格納されているアプリケーションプログラムやオペレーティングシステム(OS)等を実行する処理や、プログラムの実行に必要なデータやファイル等をRAM23や記憶装置26等に記憶する処理などを行う。
【0020】
記憶装置26は、アプリケーションプログラム、OS、制御プログラム、関連プログラム、各種情報(例えば、後述する物件情報や希望条件)を記憶するものであり、例えば、ハードディスク(HDD)やソリッドステートドライブ(SDD)等によって構成される。入力装置27は、管理端末12に対するコマンド(指令)等を入力するためのものであり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネル等によって構成される。表示装置28は、入力装置27によって入力されたコマンドや、当該コマンドに対する管理端末12の応答出力等を表示するものであり、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等によって構成される。
【0021】
<不動産会社用端末>
次に、不動作会社用端末14について説明する。
【0022】
不動産会社用端末14は、物件情報配信システム10を利用する不動産会社の関係者(社員や役員等)が使用する端末であり、例えば、従来公知のパソコン、スマートフォン、タブレット型端末、PDA(=Personal Digital Assistant)等が該当する。
【0023】
詳細は後述するが、不動産会社の関係者は、この不動産会社用端末14を用いて、管理端末12が提供するWebサイトにログインし、土地に関する物件情報を登録する。
【0024】
ここで、「物件情報」とは、売地や貸地等の土地に関する情報のことであり、例えば、土地の価格、坪単価、土地形状を表す図面や写真、所在地、所在地までの交通手段、所在地周辺の地図、最寄駅、面積、建築条件、建ぺい率、容積率、水道・ガス・下水等のインフラ、特徴(閑静な住宅地、日当たり良好、近くに学校・公園・スーパー・病院有り等)、接道状況、土地権利、現況等の情報が挙げられる。
【0025】
<建設会社用端末>
次に、建設会社用端末16について説明する。
【0026】
建設会社用端末16は、物件情報配信システム10を利用する建設会社(工務店等のハウスメーカー)の関係者(社員や役員等)が使用する端末であり、例えば、従来公知のパソコン、スマートフォン、タブレット型端末、PDA(=Personal Digital Assistant)等が該当する。
【0027】
詳細は後述するが、建設会社の関係者は、顧客から不動産に関する希望条件(例えば、希望購入価格、希望土地面積、希望交通手段、希望地域、希望接道方面等)を予めヒアリングした上で、この建設会社用端末16を用いて、管理端末12が提供するWebサイトにログインし、顧客に代わって、顧客情報(顧客の基本情報、顧客の不動産に関する希望条件)を登録する。管理端末12は、登録された顧客の希望条件(マッチング条件)にマッチングする物件情報があると、この物件情報を含む建設会社用物件情報を建設会社用端末16に向けて配信する。
【0028】
<顧客用端末>
次に、顧客用端末18について説明する。
【0029】
顧客用端末18は、土地や建物等の物件を探している顧客が使用する端末であり、例えば、従来公知のパソコン、スマートフォン、タブレット型端末、PDA(=Personal Digital Assistant)等が該当する。
【0030】
詳細は後述するが、顧客は、建設会社の担当者等に、不動産に関する希望条件(例えば、希望購入価格、希望土地面積、希望交通手段、希望地域、希望接道方面等)を伝え、この希望条件を、管理端末12が提供するWebサイトに登録してもらう。管理端末12は、登録された顧客の希望条件(マッチング条件)にマッチングする物件情報があると、この物件情報を含む顧客用物件情報を顧客用端末18に向けて配信する。
【0031】
<物件情報配信の流れ>
次に、図3を用いて、物件情報配信システム10による物件情報配信の流れについて説明する。なお、図3は、物件情報配信システム10による各種処理の一例を時系列で示したフローチャートである。
【0032】
<物件情報の登録>
最初に、不動産会社の関係者は、ステップS101において、パソコン、スマートフォン、タブレット型端末等の不動産会社用端末14を用いて、管理端末12が提供するWebサイトにログインし、土地に関する物件情報を登録する。
【0033】
図4図5は、Webサイトにおける物件情報の登録画面の一例を示したものである。
【0034】
本例では、物件情報として、図4図5に示すように、土地の価格、物件種目、所在地の郵便番号、所在地の都道府県・市区町村・町域・番地、所在地までの交通手段、土地の面積、セットバックの有無、地目、土地形状、接道状況、土地の写真(画像)の登録を行うことが可能である。なお、上述の通り、本発明に係る「物件情報」は、本例に限定されるものではなく、売地や貸地等の土地に関する情報であればよい。
【0035】
また、物件情報配信システム10は、不動産会社用端末14を用いて登録された物件情報や、不動産会社に関する情報(例えば、会社名、営業所名、住所、電話番号、担当者名等)に基づいて、物件図面を自動生成する自動図面作成機能を有している。
【0036】
図6は、自動図面作成機能によって生成された物件図面の一例を示したものである。
【0037】
自動図面作成機能は、本発明に係る物件情報配信システムの特徴ではないため、その説明は省略するが、物件情報配信システム10は、不動産会社用端末14を用いて登録された物件情報と、不動産会社に関する情報に基づいて、不動産会社の名称(本例では、RA法人01)の情報を含む物件図面を自動生成する。
【0038】
このような自動図面作成機能を備えれば、不動産会社の利便性を高め、物件図面の作成に要する負担を軽減することができ、物件情報配信システム10を不動産会社に積極的に利用してもらうインセンティブを働かせることができる。また、生成された物件図面は、後述する建設会社用物件情報としても利用することができるため、物件情報配信システム10の負担を軽減することができる。
【0039】
図3に戻って、管理端末12は、ステップS201において、不動産会社用端末14から物件情報の登録を受け付けたか否かを判定する。物件情報の登録を受け付けた場合には、ステップS202において、受け付けた物件情報を、記憶装置26等に記憶(登録)する。
【0040】
<顧客の希望条件の登録>
建設会社の関係者は、顧客から不動産に関する希望条件(例えば、希望購入価格、希望土地面積、希望交通手段、希望地域、希望接道方面等)を予めヒアリングし、パソコン、スマートフォン、タブレット型端末等の建設会社用端末16を用いて、管理端末12が提供するWebサイトにログインし、顧客に代わって、顧客情報(顧客の基本情報、顧客の不動産に関する希望条件)を登録する。
【0041】
図7は、Webサイトにおける顧客の基本情報の登録画面の一例を示したものであり、図8は、Webサイトにおける希望条件(マッチング条件)の登録画面の一例を示したものである。
【0042】
本例では、顧客の基本情報として、図7に示すように、建設会社の担当者(営業担当者)に関する情報(担当者名、担当者電話番号、メールアドレス)と、顧客の個人情報(顧客名、メールアドレス、電話番号、年齢、住所、世帯年収、備考)の登録を行うことが可能である。なお、建設会社の営業担当者に関する情報は、本例に限定されるものではなく、建設会社の営業担当者が特定可能な情報であればよい。また、顧客の個人情報も、本例に限定されるものではなく、顧客が特定可能な情報であればよい。
【0043】
また、本例では、不動産に関する希望条件として、図8に示すように、希望購入金額、希望土地面積、希望交通手段、希望地域、希望接道方面の登録を行うことが可能である。なお、不動産に関する希望条件は、本例に限定されるものではなく、「物件情報」として例示した情報のいずれかであってもよい。
【0044】
図3に戻って、管理端末12は、ステップS203において、建設会社用端末16から顧客情報の入力を受け付けたか否かを判定する。顧客情報の入力を受け付けた場合には、ステップS204において、顧客情報に含まれる希望条件と、登録済みの物件情報とのマッチングを行い、顧客情報の入力が確定すると、顧客情報(顧客の基本情報、顧客の不動産に関する希望条件)を、記憶装置26等に記憶(登録)する。
【0045】
また、顧客情報が登録されると、顧客情報に含まれる顧客の基本情報に基づいて、登録された建設会社の担当者と、登録された顧客の両者に向けて、顧客情報の登録完了を知らせるメールを自動配信する。
【0046】
図9(a)は、顧客情報が登録された場合に建設会社の担当者に自動配信されるメールの一例を示した図であり、図9(b)は、顧客情報が登録された場合に顧客に自動配信されるメールの一例を示した図である。
【0047】
本例では、登録された建設会社の担当者に対しては、図9(a)に示すように、顧客の基本情報と、登録された希望条件をメールで自動配信し、登録された顧客に対しては、図9(a)に示すように、建設会社の担当者に関する情報と、登録された希望条件をメールで自動配信する。なお、顧客情報の登録の手順や、登録完了の通知方法は、本例に限定されるものではない。
【0048】
<希望条件の検索、物件情報の配信>
図3に示すように、管理端末12は、ステップS205において、記憶装置26等に記憶(登録)された希望条件と物件情報が一致するか否かを定期的にマッチング(照合)し、両者がマッチングした場合には、ステップS206において、希望条件と一致した物件情報を含む建設会社用物件情報を建設会社用端末16に向けて配信するとともに、ステップS207において、希望条件と一致した物件情報を含む顧客用物件情報を顧客用端末18に向けて配信する。
【0049】
ここで、「建設会社用物件情報」とは、建設会社用端末16に向けて送信する物件情報のことであり、顧客の希望条件にマッチングした物件情報と、マッチングした物件情報を登録した不動産会社を特定可能な不動産会社情報(例えば、会社名、営業所名、住所、電話番号、FAX番号、担当者名、メールアドレス等)と、マッチングした希望条件を希望する顧客を特定可能な顧客情報(例えば、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、携帯電話番号等)と、を少なくとも含む情報である。
【0050】
また、「顧客用物件情報」とは、顧客用端末18に向けて送信する物件情報のことであり、建設会社用物件情報に含まれる物件情報と同一の物件情報と、マッチングした希望条件を登録した建設会社を特定可能な建設会社情報(例えば、会社名、営業所名、住所、電話番号、FAX番号、担当者名、メールアドレス、携帯電話番号等)と、少なくとも含む情報である。
【0051】
以上のとおり、建設会社用物件情報のうち、物件情報は、顧客用物件情報にも含まれる情報であるが、不動産会社情報は、顧客用物件情報には含まれず、建設会社用物件情報だけに含まれる情報である。不動産会社情報は、顧客用物件情報には含まれないため、顧客が建設会社を介さずに不動産会社に連絡することを回避することができ、建設会社に対して、営業上のメリットを確実に与えることができる。
【0052】
<建設会社用物件情報の受信>
図3に示すように、建設会社用端末16は、ステップS302において、建設会社用物件情報(物件情報、不動産会社情報と、顧客情報)、または、建設会社用条件変更情報を受信したか否かを判定し、建設会社用物件情報を受信した場合には、次のステップS303において、液晶表示装置等の表示手段を用いて、受信した建設会社用物件情報を表示する。
【0053】
図10(a)は、物件情報と希望条件がマッチした場合に建設会社の担当者に自動配信される建設会社用物件情報メールの一例を示したものであり、図10(b)は、建設会社用物件情報メールに記載のURLにアクセスした場合に閲覧することが可能な図面の一例を示したものである。
【0054】
本例では、建設会社用物件情報として、顧客の希望条件にマッチングした物件情報(本例では、価格、面積、交通手段、住所、接道方面、物件図面が閲覧可能なURL)と、不動産会社情報(本例では、不動産会社の名称「RA法人01」、電話番号、FAX番号、担当者の氏名「物件担当A」、担当者の携帯番号とメールアドレス)と、顧客情報(本例では、顧客の氏名「顧客太郎」)をメールで送信している。
【0055】
また、建設会社用端末16は、ステップS302において、建設会社用条件変更情報を受信した場合には、次のステップS303において、液晶表示装置等の表示手段を用いて、受信した建設会社用条件変更情報を表示する。
【0056】
図11は、物件情報と希望条件がマッチしなかった場合に建設会社に自動配信される建設会社用条件変更情報メールの一例を示したものである。
【0057】
本例では、建設会社用条件変更情報として、顧客の希望条件にマッチングした物件情報が無かったこと(本例では、「顧客の希望にマッチする物件はございませんでした」という文章)と、顧客情報(本例では、顧客の氏名)をメールで送信している。
【0058】
顧客の希望条件にマッチングした物件情報が無かった場合に、このような建設会社用条件変更情報を建設会社に送信すれば、建設会社は、物件情報を提供することができなかった顧客に対しても、フォローアップを行うことが可能となるため、顧客との結びつきを、より一層、強めることができる。
【0059】
なお、建設会社用物件情報は、メールの文面として送信される情報に限定されるものではなく、本例のように、一部は、メールの文面として送信される情報であり、残りは、メールの文面に記載されたURLにアクセスすることで提供される情報であってもよい。また、建設会社用物件情報の一部は、メールの文面として送信される情報であり、残りは、メールの添付ファイルで提供される情報であってもよい。また、建設会社用物件情報や建設会社用条件変更情報は、メール以外のSNSやFAX等で配信される情報であってもよい。
【0060】
<顧客用物件情報の受信>
図3に示すように、顧客用端末18は、ステップS401において、顧客用物件情報(物件情報、建設会社情報)、または、顧客用条件変更情報を受信したか否かを判定し、顧客用物件情報を受信した場合には、次のステップS402において、液晶表示装置等の表示手段を用いて、受信した顧客用物件情報を表示する。
【0061】
図12(a)は、物件情報と希望条件がマッチした場合に顧客に自動配信される顧客用物件情報メールの一例を示したものであり、図12(b)は、顧客用物件情報メールに記載のURLにアクセスした場合に閲覧することが可能な図面の一例を示したものである。
【0062】
本例では、顧客用物件情報として、顧客の希望条件にマッチングした物件情報(本例では、価格、面積、交通手段、住所、接道方面、物件図面が閲覧可能なURL)と、建設会社情報(本例では、建設会社の名称「HM法人01」、電話番号、FAX番号、担当者の氏名「顧客担当A」、担当者の携帯番号とメールアドレス)をメールで送信している。
【0063】
また、顧客用端末18は、ステップS402において、顧客用条件変更情報を受信した場合には、次のステップS403において、液晶表示装置等の表示手段を用いて、受信した顧客用条件変更情報を表示する。
【0064】
図13は、物件情報と希望条件がマッチしなかった場合に顧客に自動配信される顧客用条件変更情報メールの一例を示したものである。
【0065】
本例では、顧客用条件変更情報として、顧客の希望条件にマッチングした物件情報が無かったこと(本例では、「お客様のご希望にマッチする物件は0件でした」という文章))と、建設会社情報(本例では、建設会社の名称、担当者の氏名、担当者の携帯番号とメールアドレス)をメールで送信している。
【0066】
顧客の希望条件にマッチングした物件情報が無かった場合に、このような顧客用条件変更情報を顧客に送信すれば、顧客は、マッチングした物件情報が無かったことを、いち早く知ることができる上に、建設会社の担当者に建築相談をすることが可能となり、顧客の満足度や利便性を高めることができる。
【0067】
なお、顧客用物件情報は、メールの文面として送信される情報に限定されるものではなく、本例のように、一部は、メールの文面として送信される情報であり、残りは、メールの文面に記載されたURLにアクセスすることで提供される情報であってもよい。また、顧客用物件情報の一部は、メールの文面として送信される情報であり、残りは、メールの添付ファイルで提供される情報であってもよい。また、顧客用物件情報や顧客用条件変更情報は、メール以外のSNSやFAX等で配信される情報であってもよい。
【0068】
<顧客からの連絡の流れ>
図14は、物件情報の配信後の顧客、建設会社、不動産会社の連絡の流れを示したフローチャートである。
【0069】
顧客は、顧客用端末18に配信された顧客用物件情報(希望条件にマッチングした物件情報、建設会社情報)を確認することで、物件の視察や問い合わせ等を希望する場合には、建設会社情報(会社名、営業所名、住所、電話番号、FAX番号、担当者名、メールアドレス、携帯電話番号等)に基づいて、建設会社の担当者等に連絡を行うことができる。
【0070】
なお、顧客用物件情報には、不動産会社を特定可能な不動産会社情報が含まれないため、顧客は、物件の視察や問い合わせ等を希望する場合には、建設会社を介して不動産会社に連絡をすることとなる。
【0071】
また、不動産会社は、不動産会社用端末14を用いて物件情報の登録を行ったり、管理端末12が有する自動図面作成機能により生成された物件図面を取得したりすることはできるが、不動産会社用端末14には、建設会社用物件情報や顧客用物件情報は配信されないため、不動産会社は、建設会社を介して、顧客からの連絡を受けることとなる(顧客から直接、マッチングした物件情報に関する連絡を受けることはできない)。
【0072】
すなわち、物件情報配信システム10を利用することで、物件の視察や問い合わせ等の流れは、顧客→建設会社→不動産会社となり、物件の売買が成約した場合には、物件情報配信システムの管理者や建設会社が土地取引の仲介に入ることが無いため、不動産会社は、顧客と直接取引を行うことができるとともに、売主と買主の両方から、土地の売却と購入の両方の仲介手数料を受領することができ、営業上のメリットを享受することができる。しかも、不動産会社に対しては、物件情報配信システム10の利用料を無料にするとともに自動図面作成機能を提供することで、不動産会社は、営業活動に要する経費を削減することができる上に、物件図面を無償で入手することもできる。
【0073】
一方、建設会社は、建設会社用端末16に配信された建設会社用物件情報含まれる顧客情報(顧客名、メールアドレス、電話番号、住所等)に基づいて、マッチングした物件情報の提供後に顧客のフォローアップ(追客)を行うことができるとともに、顧客が物件の視察や問い合わせ等を希望する場合には、建設会社用物件情報に含まれる不動産会社情報(会社名、営業所名、住所、電話番号、FAX番号、担当者名、メールアドレス、携帯電話番号等)に基づいて、不動産会社の担当者等に連絡を行うことができる。
【0074】
従来、建設会社は売地等を求めている顧客の追客をほとんどしていないのが現状であるが、物件情報配信システム10を利用することで、建設会社は、住宅等を建築する土地は決まっていないが建設会社に建築相談をしている顧客や、建設会社が所持する土地を探している顧客に対して、適切な物件情報を提供することができ、顧客の満足度を高めることができる。また、建設会社は、情報提供後に顧客のフォローアップを確実に行うことができるため、顧客との結びつきを強めることができるとともに、物件情報配信システム10を営業促進のツールとして有効活用することができ、営業上のメリットを享受することができる。
【0075】
以上説明したように、本発明に係る物件情報配信システム(例えば、図1に示す物件情報配信システム10)は、管理端末(例えば、図1に示す管理端末12)と、前記管理端末と通信可能に接続された不動産会社用端末(例えば、図1に示す不動産会社用端末14)、建設会社用端末(例えば、図1に示す建設会社用端末16)および顧客用端末(例えば、図1に示す顧客用端末18)を有して構成された物件情報配信システムであって、前記不動産会社用端末は、土地に関する物件情報(例えば、土地の価格、坪単価、土地形状を表す図面や写真、所在地、所在地までの交通手段、所在地周辺の地図、最寄駅、面積、建築条件、建ぺい率、容積率、水道・ガス・下水等のインフラ、特徴(閑静な住宅地、日当たり良好、近くに学校・公園・スーパー・病院有り等)、接道状況、土地権利、現況)を前記管理端末に登録可能であり、前記建設会社用端末は、顧客の不動産に関する希望条件(例えば、希望購入価格、希望土地面積、希望交通手段、希望地域、希望接道方面等)を前記管理端末に登録可能であり、前記管理端末は、前記物件情報と前記希望条件の少なくとも一部がマッチングした場合に、前記建設会社用端末に向けて、建設会社用物件情報を配信するとともに、前記顧客用端末に向けて、顧客用物件情報を配信するように構成され、前記建設会社用物件情報には、マッチングした前記物件情報と、マッチングした前記物件情報を登録した不動産会社を特定可能な不動産会社情報(例えば、不動産会社の会社名、営業所名、住所、電話番号、FAX番号、担当者名、メールアドレス、携帯電話番号等)と、マッチングした前記希望条件を希望する前記顧客を特定可能な顧客情報(例えば、顧客の個人情報)と、が少なくとも含まれ、前記顧客用物件情報には、マッチングした前記物件情報と、マッチングした前記希望条件を登録した建設会社を特定可能な建設会社情報(例えば、建設会社の会社名、営業所名、住所、電話番号、FAX番号、担当者名、メールアドレス、携帯電話番号等)が少なくとも含まれる、ことを特徴とする物件情報配信システムである。
【0076】
本発明に係る物件情報配信システムによれば、物件の視察や問い合わせ等の流れは、顧客→建設会社→不動産会社となり、物件の売買が成約した場合には、物件情報配信システムの管理者や建設会社が土地取引の仲介に入ることが無いため、不動産会社は、顧客と直接取引を行うことができるとともに、売主と買主の両方から、土地の売却と購入の両方の仲介手数料を受領することができ、営業上のメリットを享受することができる。
【0077】
また、建設会社は、住宅等を建築する土地は決まっていないが建設会社に建築相談をしている顧客や、建設会社が所持する土地を探している顧客に対して、適切な物件情報を提供することができ、顧客の満足度を高めることができる。また、建設会社は、物件情報の提供後の顧客へのアプローチがし易くなり、顧客のフォローアップを確実に行うことができるため、顧客との結びつきを強めることができるとともに、物件情報配信システムを営業促進のツールとして有効活用することができ、営業上のメリットを享受することができる。
【0078】
また、顧客は、物件情報に精通した建設会社に物件情報を登録してもらうことで、余計な手間を省くことができる上に、希望条件に見合った物件を高精度で効率良く探すことができるとともに、物件情報の提供後も、建設会社によるフォローアップを受けることができるため、満足度の高いサービスを受けることができる。
【0079】
また、前記顧客用物件情報には、前記不動産会社情報が含まれないものであってもよい。
【0080】
このような構成とすれば、顧客が建設会社を介さずに不動産会社に連絡することを回避することができ、建設会社に対して、営業上のメリットを確実に与えることができる。
【0081】
また、前記不動産会社用端末は、前記管理端末から前記顧客情報を取得できないように構成されているものであってもよい。
【0082】
このような構成とすれば、不動産会社が建設会社を介さずに顧客に連絡することを回避することができ、建設会社に対して、営業上のメリットを確実に与えることができる。
【0083】
また、前記管理端末は、前記建設会社用物件情報と前記顧客用物件情報をメールで配信するように構成され、前記メールには、マッチングした前記物件情報の少なくとも一部(例えば、物件図面)を閲覧可能なURLが記載されているものであってもよい。
【0084】
このような構成とすれば、電話、郵送、FAX等の連絡手段に比べて、建設会社と顧客の双方の利便性を高めることができるとともに、画像や写真等の容量が大きい物件情報については、当該物件情報が保管された保管場所のURL(アドレス)を記載することで、メールの送信サイズを少なくすることができ、メールの送信エラー等による連絡不行き届き等を未然に防ぐことができる。また、建設会社と顧客の双方に物件情報が送信される上に、顧客用物件情報には、建設会社情報が含まれているため、建設会社にとっては、物件情報の提供後の顧客へのアプローチがし易くなり、営業促進のツールとして有効活用することができる。
【0085】
また、前記不動産会社情報には、マッチングした前記物件情報を登録した不動産会社の担当者の情報が少なくとも含まれ、前記建設会社情報には、マッチングした前記希望条件を登録した建設会社の担当者の情報が少なくとも含まれるものであってもよい。
【0086】
このような構成とすれば、顧客→建設会社→不動産会社の間の連絡を円滑に行うことができ、顧客の満足度をさらに高めることができる。
【0087】
なお、本発明に係る物件情報配信システムの構成は、上記実施形態に係る物件情報配信システム10の構成に限定されるものではなく、例えば、不動産会社を特定可能な不動産会社情報は、不動産会社の会社名や担当者に限定されず、不動産会社の責任者に関する情報等であってもよい。また、建設会社を特定可能な建設会社情報は、建設会社の会社名や担当者に限定されず、建設会社の責任者に関する情報等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明に係る物件情報配信システムは、土地や建物等の売買や賃貸において、広く利用することができる。
【符号の説明】
【0089】
NW ネットワーク
10 物件情報配信システム
12 管理端末
14 不動産会社用端末
16 建設会社用端末
18 顧客用端末
図1
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