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  • 特許-回転式シール装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】回転式シール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20230619BHJP
   B65B 51/16 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
B65B51/10 W
B65B51/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020064275
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021160776
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】玉川 幸司
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 勲
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勝己
(72)【発明者】
【氏名】高羽 硝示
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-031585(JP,A)
【文献】特開2015-058963(JP,A)
【文献】米国特許第04244158(US,A)
【文献】特開2001-107329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/00
B26D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状フィルムの搬送路を挟んで相互に反対方向に回転する一対のシール体を備え、該一対のシール体の夫々には回転軸心を挟んで径方向に対称となるシール面が設けられ、一対のシール体のシール面で筒状フィルムを順次挟持してフィルム搬送方向と交差する方向にエンドシールを施す回転式シール装置において、
前記一対のシール体の何れか一方のシール体に支持されて前記径方向に往復移動自在なベース部材および該ベース部材における往復移動方向の両側に一体で移動するように配設され、該往復移動方向の対応するに刃部を設けた切断刃を備える切断手段と、
前記ベース部材に連繋される作動機構を備え、該作動機構を作動することで前記ベース部材を、前記筒状フィルムを挟持したシール面から一方の切断刃の刃部が突出して筒状フィルムを切断するときには他方の切断刃の刃部がシール面から突出していないように往復移動する往復動手段と、を備えた
ことを特徴とする回転式シール装置。
【請求項2】
前記切断手段は、各切断刃における刃部のシール面からの突出量を変更可能に、両切断刃の夫々を前記ベース部材に対して独立して前記往復移動方向に位置調節可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の回転式シール装置。
【請求項3】
前記往復動手段は、
前記一方のシール体に支持されると共に、前記切断手段に連繋されたリンク機構と、
該リンク機構に連繋され、一方のシール体の回転軸心方向に往復移動自在な前記作動機構の作動軸と、
該作動軸を前記回転軸心方向に往復移動する駆動手段と、を備え、
前記リンク機構は、前記作動軸が前記駆動手段により往復移動されることで前記ベース部材を、前記筒状フィルムを挟持したシール面から一方の切断刃の刃部が突出するのに伴って他方の切断刃の刃部が対応するシール面から退くように作動するよう構成したことを特徴とする請求項1または2記載の回転式シール装置。
【請求項4】
前記切断手段の各刃部を対応するシール面から突出する前記往復動手段の動作を規制可能な規制手段を備え、
該規制手段は、前記シール面同士が筒状フィルムを挟持するタイミングにおいてシール面から突出する刃部が他方のシール体に干渉しないよう前記往復動手段の動作を規制するよう構成したことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の回転式シール装置。
【請求項5】
筒状フィルムの搬送路を挟んで相互に反対方向に回転する一対のシール体を備え、該一対のシール体の夫々には回転軸心を挟んで径方向に対称となるシール面が設けられ、一対のシール体のシール面で筒状フィルムを順次挟持してフィルム搬送方向と交差する方向にエンドシールを施す回転式シール装置において、
前記一対のシール体の何れか一方のシール体に、前記径方向に往復移動自在に支持され、該往復移動方向の両端に刃部を設けた切断手段と、
該切断手段を、前記筒状フィルムを挟持したシール面から一方の刃部が突出して筒状フィルムを切断するときには他方の刃部がシール面から突出していないように往復移動する往復動手段と、
前記切断手段の各刃部を対応するシール面から突出する前記往復動手段の動作を規制可能な規制手段と、を備え、
前記規制手段は、
前記一方のシール体と一体的に回転すると共に、前記往復動手段に連繋して一方のシール体の回転軸心方向に往復移動する第1規制部材と、
前記第1規制部材を挟んで軸方向に離間して配設した2つの第2規制部材と、を備え、
前記第1規制部材および第2規制部材の一方に係合部が設けられると共に、他方には該係合部と係合可能な被係合部が設けられ、
前記第1規制部材の回転によって相対位置が変化する前記係合部と被係合部とが係合して第1規制部材の軸方向移動を阻止することで、刃部をシール面から突出する前記往復動手段の動作を規制するよう構成した
ことを特徴とする回転式シール装置。
【請求項6】
前記一対のシール体の内の他方のシール体には超音波発振手段を備え、
前記他方のシール体に、前記切断手段の刃部を非接触で受け入れ可能な受け部を各シール面で開口するように形成したことを特徴とする請求項1~5に何れか一項に記載の回転式シール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に反対方向に回転する一対のシール体によって筒状フィルムをシールし、そのシール箇所で筒状フィルムを切断する回転式シール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製袋充填機において、一対のシール体で筒状フィルムを挟持してフィルム搬送方向と交差する方向にエンドシールを施すシール装置として、両シール体が夫々自転する中で所定の回転角で噛合って、その噛合う位置がフィルム搬送方向に移動することがない回転式のシール装置と、対向的に接近・離間移動する一対のシール体が筒状フィルムを挟持しながらフィルム搬送方向に移動する所謂ボックスモーション式のシール装置が知られている。ボックスモーション式のシール装置は、エンドシールを施す際にはシール体を含めた重量のある部品が上下および前後に移動することから、振れや振動が発生し易く、包装に支障のない範囲でのシール動作を行うための包装能力の上限値が制約される。これに対し、回転式のシール装置は、1分間当たりの処理能力が高く、高速化が求められる包装には好適に採用されている。
【0003】
前記シール装置には、シール体によるシール箇所においてフィルム搬送方向と交差する方向に筒状フィルムを切断する切断手段が設けられる。回転式のシール装置における切断手段としては、一方のシール体に設けた当て刃を、他方のシール体に設けた受け刃に筒状フィルムを挟んで当接することで該フィルムを切断する、所謂「当て切り」タイプの切断手段が一般的に採用されている。しかしながら、「当て切り」タイプの切断手段を採用したシール装置では、シール体のシール面に形成されたシール目を合わせる調節とは別に、受け刃に対する当て刃の当たり具合を調節する必要があり、調節作業が煩雑で時間が掛かる問題がある。そこで、受け刃と当て刃との当たり具合を調節する必要のない、所謂「突っ切り」タイプの切断手段を採用した回転式のシール装置が、例えば特許文献1として提案されている。特許文献1のシール装置は、相互に反対方向に回転する一対のシール体に設けたシール面同士が噛合うタイミングで、一方のシール体の内部に収容している切断刃をシール面から突出することで、シール面で挟持している筒状フィルムを切断するよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭51-31585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のシール装置は、一対のシール体の夫々の外周部に、径方向に突出する2つのシール面を180度間隔で設けると共に、各シール面に対応して切断刃を設けて処理能力を高めている。しかし、切断刃を作動するためのカム等によるリンク機構を、各切断刃に対応して夫々設けているため、切断刃および切断刃を作動するためのリンク機構や該リンク機構を駆動する駆動手段が複数必要となり、構造が複雑になるばかりでなく、メンテナンスなどに手間が掛かる問題が指摘される。
【0006】
本発明は、簡易な構造で、メンテナンスなどが容易な回転式シール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の請求項1に係る発明の回転式シール装置は、
筒状フィルム(10)の搬送路を挟んで相互に反対方向に回転する一対のシール体(12,13)を備え、該一対のシール体(12,13)の夫々には回転軸心を挟んで径方向に対称となるシール面(12a,12b,13a,13b)が設けられ、一対のシール体(12,13)のシール面(12a,12b/13a,13b)で筒状フィルム(10)を順次挟持してフィルム搬送方向と交差する方向にエンドシールを施す回転式シール装置において、
前記一対のシール体(12,13)の何れか一方のシール体(12)に支持されて前記径方向に往復移動自在なベース部材(24)および該ベース部材(24)における往復移動方向の両側に一体で移動するように配設され、該往復移動方向の対応するに刃部(25a,26a)を設けた切断刃(25,26)を備える切断手段(14)と、
前記ベース部材(24)に連繋される作動機構(29)を備え、該作動機構(29)を作動することで前記ベース部材(24)を、前記筒状フィルム(10)を挟持したシール面(12a,12b)から一方の切断刃(25,26)の刃部(25a,26a)が突出して筒状フィルム(10)を切断するときには他方の切断刃(25,26)の刃部(25a,26a)がシール面(12a,12b)から突出していないように往復移動する往復動手段(15)と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、単一の切断手段によって2箇所のシール面で挟持した筒状フィルムを選択して切断すると共に、該切断手段を単一の往復動手段によって作動するよう構成したので、構造を簡易にすることができると共に、メンテナンスなどを容易とすることができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記切断手段(14)は、各切断刃(25,26)における刃部(25a,26a)のシール面(12a,12b)からの突出量を変更可能に、両切断刃(25,26)の夫々を前記ベース部材(24)に対して独立して前記往復移動方向に位置調節可能に設けたことを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、往復動手段を調節したり部品交換したりすることなく、各刃部の対応するシール面からの突出量を独立して調節することができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記往復動手段(15)は、
前記一方のシール体(12)に支持されると共に、前記切断手段(14)に連繋されたリンク機構(28)と、
該リンク機構(28)に連繋され、一方のシール体(12)の回転軸心方向に往復移動自在な前記作動機構(29)の作動軸(38)と、
該作動軸(38)を前記回転軸心方向に往復移動する駆動手段(30)と、を備え、
前記リンク機構(28)は、前記作動軸(38)が前記駆動手段(30)により往復移動されることで前記ベース部材(24)を、前記筒状フィルム(10)を挟持したシール面(12a,12b)から一方の切断刃(25,26)の刃部(25a,26a)が突出するのに伴って他方の切断刃(25,26)の刃部(25a,26a)が対応するシール面(12a,12b)から退くように作動するよう構成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、作動軸を軸方向に往復移動する簡単な構成によって、切断手段を径方向に往復移動して筒状フィルムを切断することができる。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記切断手段(14)の各刃部(25a,26a)を対応するシール面(12a,12b)から突出する前記往復動手段(15)の動作を規制可能な規制手段(48)を備え、
該規制手段(48)は、前記シール面(12a,13a/12b,13b)同士が筒状フィルム(10)を挟持するタイミングにおいてシール面(12a,12b)から突出する刃部(25a,26a)が他方のシール体(13)に干渉しないよう前記往復動手段(15)の動作を規制するよう構成したことを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、シール面から突出する刃部が、他方のシール体と干渉しないように往復動手段の動作を規制するので、刃部が損傷するのを防ぐことができる。
【0011】
本願の請求項に係る発明の回転式シール装置は、
筒状フィルム(10)の搬送路を挟んで相互に反対方向に回転する一対のシール体(12,13)を備え、該一対のシール体(12,13)の夫々には回転軸心を挟んで径方向に対称となるシール面(12a,12b,13a,13b)が設けられ、一対のシール体(12,13)のシール面(12a,12b/13a,13b)で筒状フィルム(10)を順次挟持してフィルム搬送方向と交差する方向にエンドシールを施す回転式シール装置において、
前記一対のシール体(12,13)の何れか一方のシール体(12)に、前記径方向に往復移動自在に支持され、該往復移動方向の両端に刃部(25a,26a)を設けた切断手段(14)と、
該切断手段(14)を、前記筒状フィルム(10)を挟持したシール面(12a,12b)から一方の刃部(25a,26a)が突出して筒状フィルム(10)を切断するときには他方の刃部(25a,26a)がシール面(12a,12b)から突出していないように往復移動する往復動手段(15)と、
前記切断手段(14)の各刃部(25a,26a)を対応するシール面(12a,12b)から突出する前記往復動手段(15)の動作を規制可能な規制手段(48)と、を備え、
前記規制手段(48)は、
前記一方のシール体(12)と一体的に回転すると共に、前記往復動手段(15)に連繋して一方のシール体(12)の回転軸心方向に往復移動する第1規制部材(45)と、
前記第1規制部材(45)を挟んで軸方向に離間して配設した2つの第2規制部材(46,47)と、を備え、
前記第1規制部材(45)および第2規制部材(46,47)の一方に係合部(45a,45b)が設けられると共に、他方には該係合部(45a,45b)と係合可能な被係合部(46b,47b)が設けられ、
前記第1規制部材(45)の回転によって相対位置が変化する前記係合部(45a,45b)と被係合部(46b,47b)とが係合して第1規制部材(45)の軸方向移動を阻止することで、刃部(25a,26a)をシール面(12a,12b)から突出する前記往復動手段(15)の動作を規制するよう構成したことを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、単一の切断手段によって2箇所のシール面で挟持した筒状フィルムを選択して切断すると共に、該切断手段を単一の往復動手段によって作動するよう構成したので、構造を簡易にすることができると共に、メンテナンスなどを容易とすることができる。また、刃部がシール面から突出するのを機械的な構成によって規制して、刃部の損傷を防ぐことができる。
【0012】
請求項6に係る発明では、前記一対のシール体(12,13)の内の他方のシール体(13)には超音波発振手段(49)を備え、
前記他方のシール体(13)に、前記切断手段(14)の刃部(25a,26a)を非接触で受け入れ可能な受け部(23)を各シール面(13a,13b)で開口するように形成したことを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、切断手段を支持していないシール体を超音波発振手段により超音波振動するよう構成したので、超音波発振手段による超音波振動の影響を切断手段が直接受けることはなく、超音波振動の負荷が集中して切断手段が破損などするのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、処理能力を高めることができると共に、構造が簡単であり、メンテナンスなどを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例のエンドシール装置を一部切欠いて示す概略正面図である。
図2】実施例のエンドシール装置を一部切欠いて示す要部概略正面図である。
図3】(a)は、図1のA-A線で保持部材を縦断した概略側面図であり、(b)は、図2のB-B線で保持部材を縦断した概略側面図である。
図4】別実施例のエンドシール装置を示す要部概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る回転式シール装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、回転式シール装置を、横形製袋充填機のエンドシール装置に採用した場合で説明する。
【実施例
【0016】
横形製袋充填機(包装機)は、フィルムロールから引き出した帯状フィルムを、その長手方向両端縁部を合掌状に重合して筒状フィルム10として成形する製袋手段と、筒状フィルム10に向けて物品11を所定間隔毎に供給する供給コンベヤと、前記合掌状に重合した筒状フィルム10の重合部にセンターシールを施すセンターシール装置と、前記筒状フィルム10の重合部を挟持してセンターシール装置に向けて筒状フィルム10を搬送するフィルム搬送手段と、筒状フィルム中に所定間隔毎に供給された物品11の前後位置で筒状フィルム10を挟持し、フィルム搬送方向と交差する方向(幅方向)にエンドシール・切断を施すエンドシール装置と、の夫々を備える。
【0017】
図1に示す如く、前記エンドシール装置は、筒状フィルム10の搬送路を挟んで相互に反対方向に回転する一対のシール体12,13と、一方のシール体12に配設されて筒状フィルム10を切断する切断手段14と、該切断手段14を一方のシール体12の径方向に往復移動する往復動手段15とを備える。実施例では、前記搬送路を挟んで上側に一方のシール体である上シール体12が配置されると共に、下側に他方のシール体である下シール体13が配置される。上下のシール体12,13は、前記幅方向の一方および他方に延出する回転軸16,17,18が、幅方向に離間する一対の支持部材19,20に回転自在に支持されて、一対の支持部材19,20の間に上下のシール体12,13が位置する。上下のシール体12,13における一方の回転軸16,18は、図示しないサーボモータなどの駆動モータに、歯車機構やチェン-スプロケット機構などの伝達機構21を介して連繋され、該駆動モータによって上下のシール体12,13は相互に反対方向に回転駆動される。
【0018】
図2図3に示す如く、前記上下のシール体12,13の夫々には、回転軸心を挟んで径方向に対称となる第1シール面(シール面)12a,13aおよび第2シール面(シール面)12b,13bが形成されており、対をなす第1シール面12a,13a同士または対をなす第2シール面12b,13b同士で筒状フィルム10を順次挟持することで、該筒状フィルム10にエンドシールが施される。上シール体12には、径方向に貫通する貫通孔22が、第1シール面12aおよび第2シール面12bに幅方向に所定長さで開口するように設けられる。該貫通孔22内に、前記切断手段14が径方向に往復移動自在に支持される。また、下シール体13には、切断手段14の往復移動によって上シール体12の第1シール面12aから突出する後述する第1刃部25aおよび上シール体12の第2シール面12bから突出する後述する第2刃部26aを非接触で受け入れ可能な凹部(受け部)23が、第1シール面13aおよび第2シール面13bで開口するように形成されている。なお、図示しないが、上下のシール体12,13には、ヒータ等の加熱源が、各シール面12a,12b,13a,13bの近傍に埋設されており、第1シール面12a,13aおよび第2シール面12b,13bで挟持された筒状フィルム10は加熱溶着される。また、各シール面12a,12b,13a,13bには、筒状フィルム10に施したエンドシール部に、所定形状のシール目が付くように凹凸が形成される。
【0019】
図2に示す如く、前記切断手段14は、前記上シール体12の貫通孔内を径方向に往復移動自在なベース部材24と、該ベース部材24に着脱自在に配設された一対の切断刃25,26とを備える。一方の第1切断刃25は、第1シール面側の先端に第1刃部(一方の刃部)25aが設けられると共に、他方の第2切断刃26は、第2シール面側の先端に第2刃部(他方の刃部)26aが設けられ、切断手段14は、ベース部材24の往復移動によって刃部25a,26aが対応するシール面12a,12bから突出して筒状フィルム10を切断する。また、第1切断刃25および第2切断刃26は、ベース部材24に対して、切断刃25,26またはベース部材24の一方に設けた長孔と、該長孔に挿通されて切断刃25,26とベース部材24とを固定するボルトなどの固定手段とからなる調節手段27によって、夫々独立して往復移動方向に位置調節可能に配設され、各切断刃25,26の対応するシール面12a,13aからの突出量を別々に変更調節可能に構成される。
【0020】
前記往復動手段15は、前記貫通孔22内に支持されたリンク機構28と、該リンク機構28を作動する作動機構29と、該作動機構29を駆動する駆動手段としてのサーボモータなどの駆動モータ30と、を備える。リンク機構28は、前記貫通孔22内に配設した複数のリンク部材31,32,33から構成される。すなわち、図2に示す如く、貫通孔22内には、第1リンク部材31が、前記切断手段14の往復移動方向と交差する枢軸34によって回転自在に支持されると共に、該第1リンク部材31の枢軸34から離間する位置に設けた枢軸34と平行な第1支軸35に、第2リンク部材32の長手方向の一端部が回転自在に連結される。第2リンク部材32の長手方向の他端部は、前記ベース部材24に枢軸34と平行な第2支軸36を介して回転自在に連結される。また、第1リンク部材31には、枢軸34および第1支軸35から離間した位置に、枢軸34と平行な第3支軸37を介して第3リンク部材33が回転自在に連結される。更に、第3リンク部材33における第3支軸37の連結位置から離間する位置に、前記作動機構29の後述する作動軸38の一端部が回転自在に連結される。そして、作動軸38を軸方向に往復移動することで、第3リンク部材33を介して第1リンク部材31が枢軸34を支点として正方向および逆方向に回転し、これに伴って第2リンク部材32を介して連結するベース部材24が上シール体12の径方向に往復移動するよう構成される。実施例では、作動軸38が上シール体12に近接する方向に移動する際に、ベース部材24に設けた第1切断刃25の第1刃部25aが前記第1シール面12aから突出するのに伴って第2切断刃26の第2刃部26aが前記第2シール面12bから退き、作動軸38が上シール体12から離間する方向に移動する際に、ベース部材24に設けた第2切断刃26の第2刃部26aが、第2シール面12bから突出するのに伴って第1切断刃25の第1刃部25aが第1シール面12aから退くように、切断手段14を移動するようリンク機構28が作動する。なお、切断手段14における往復移動方向の長さは、ベース部材24の往復移動方向の中間位置において、両刃部25a,26aがシール面12a,12bから突出しない寸法に設定されて、一方の刃部25a,26aが対応するシール面12a,12bから突出するときには、他方の刃部25a,26aが対応するシール面12a,12bから突出しないよう構成される。
【0021】
図2に示す如く、前記上シール体12における前記伝達機構21が連繋される回転軸16とは反対側の回転軸17は中空軸として構成されて、上シール体12の回転軸心方向に所定長さで延在する中空軸17に、前記作動機構29を構成する作動軸38が軸方向に移動自在に挿通支持され、該作動軸38における上シール体12の貫通孔22内に位置する一端部が、前記第3リンク部材33に回転自在に連結される。中空軸17を支持する支持部材20の外側面に設置部材39が配設されると共に、該設置部材39に配設された保持部材40に、中空軸17から延出する前記作動軸38が、回転自在で、かつ軸方向に往復移動自在に貫通している。また、保持部材40から延出する作動軸38の他端部が、設置部材39に対してレールおよび該レールに摺動自在に支持されるブロックからなるリニアガイド41によって前記軸方向に沿って移動自在に支持された可動体42に連結される。作動軸38は、可動体42に対して回転自在で、かつ一体的に軸方向に移動するように連結される。前記設置部材39に、サーボモータなどの前記駆動モータ30が配置され、該駆動モータ30における作動軸38と交差する方向に延在する出力軸30aに、偏心部材43が、偏心位置で連結されている。また、前記可動体42に一端部が回転自在に連結された作動部材44の他端部が、偏心部材43に回転自在に連結されている。すなわち、駆動モータ30により偏心部材43を一方向に回転することで、該偏心部材43の偏心回転によって作動部材44を介して可動体42および作動軸38が軸方向に沿って往復移動する。実施例では、作動軸38、可動体42、偏心部材43によって、前記リンク機構28を作動する作動機構29が構成される。
【0022】
図1図3に示す如く、エンドシール装置は、前記第1シール面12a,13a同士または第2シール面12b,13b同士が筒状フィルム10を挟持するタイミングにおいて上シール体12のシール面12a,12bから突出する刃部が、下シール体13に干渉しないよう前記往復動手段15の動作を規制する規制手段48を備える。実施例において、筒状フィルム10を挟持するタイミングとは、貫通孔22を挟んで回転方向の前後に位置するシール面12a,12a/12b,12bにおける回転方向前側のシール面12a,12bが、下シール体13の対応するシール面13a,13bとにより筒状フィルム10を挟持し始めてから、回転方向後側のシール面12a,12bが、下シール体13の対応するシール面13a,13bとによる筒状フィルム10の挟持を解除するまでの期間である。そして、前記タイミング(期間)において、前記駆動モータ30の後述するノイズによる電気信号の乱れなどによって、貫通孔22と下シール体13の凹部23とが対向する前後の時期に、往復動手段15により刃部25a,26aを対応するシール面12a,12bから突出する動作が行われる場合に、該動作を規制手段48で規制するよう構成される。具体的に規制手段48は、前記作動軸38に配設(連繋)されて、該作動軸38と一体的に回転すると共に軸方向に移動する第1規制部材45と、該第1規制部材45を挟んで軸方向に離間して前記保持部材(固定部)40に配設した2つの第2規制部材46,47と、を備える。なお、第2規制部材46,47について、図2において上シール体12に近接する第2規制部材46を第1の第2規制部材46と指称すると共に、上シール体12から離間する第2規制部材47を第2の第2規制部材47と指称する。
【0023】
図2,図3に示す如く、2つの第2規制部材46,47の夫々には、第1規制部材45との対向面に開口する2つの孔部(許容部)46a,46a/47a,47aが、夫々周方向に180度間隔で設けられる。なお、第1の第2規制部材46の孔部46aを第1孔部46aと指称すると共に、第2の第2規制部材47の孔部47aを第2孔部47aと指称する。また、前記第1規制部材45には、第1の第2規制部材46との対向面から突出する2つの第1規制突部(規制部)45a,45aが、周方向に180度間隔で設けられると共に、第2の第2規制部材47との対向面から突出する2つの第2規制突部(規制部)45b,45bが、周方向に180度間隔で設けられる。各規制突部45a,45bは、対向する第2規制部材46,47の孔部46a,47aに対して軸方向から挿脱可能な寸法に設定される。第1規制突部45a,45aと第1孔部46a,46aは、シール体12,13の回転方向前後の前記第1シール面12a,13a同士が何れも筒状フィルム10を挟持するタイミングで軸方向に対向する位置に位置すると共に、第2規制突部45b,45bと第2孔部47a,47aは、シール体12,13の回転方向前後の前記第2シール面12b,13b同士が何れも筒状フィルム10を挟持するタイミングで軸方向に対向する位置に位置する関係で設けられる。そして、第1孔部46a,46aに第1規制突部45a,45aが軸方向に対向する位置では、第1孔部46a,46aへの第1規制突部45a,45aの進入が許容されて、前記第1切断刃25の第1刃部25aを第1シール面12aから突出する方向への前記作動軸38の軸方向移動が許容される。また、第2孔部47a,47aに第2規制突部45b,45bが軸方向に対向する位置では、第2孔部47a,47aへの第2規制突部45b,45bの進入が許容されて、前記第2切断刃26の第2刃部26aを第2シール面12bから突出する方向への前記作動軸38の軸方向移動が許容される。これに対し、各規制突部45a,45bが対向する第2規制部材46,47の孔部46a,47aと軸方向に対向しない位置では、規制突部45a,45bが第2規制部材46,47の対向面46b,47bに当接して孔部46a,47aへの規制突部45a,45bの進入が阻止されることで、各シール面12a,12bから刃部25a,26aを突出させる作動軸38の軸方向移動が規制される。実施例では、規制突部45a,45bが第2規制部材46,47の対向面46b,47bに当接して作動軸38が移動規制された際に前記駆動モータ30に加わる負荷を、図示しない負荷検出手段で検出して、包装機の運転を停止するよう構成される。また、各孔部46a,47aは、上シール体12と共に回転する第1規制部材45が、第1シール面12a,13aまたは第2シール面12b,13bで筒状フィルム10を挟持する所定角度範囲で回転することを許容するように、周方向に所定長さで延在する長孔に形成される。実施例では、第1規制部材45の回転によって相対位置が変化する規制突部45a,45a,45b,45bおよび第1規制部材45に対する第2規制部材46,47の対向面46b,47bの一方が、規制手段48の係合部で、他方が規制手段48の被係合部を構成し、該係合部と被係合部とが当接(係合)することで、往復動手段15による刃部25a,26aを対応するシール面12a,12bから突出する動作を規制する。
【0024】
前記駆動モータ30は、前記上下のシール体12,13を回転駆動する駆動モータと同期するように回転駆動されて、上下のシール体12,13の第1シール面同士が筒状フィルム10を挟持するタイミング(具体的には、シール体12,13の回転方向前後のシール面12a,12a,13a,13aが何れも筒状フィルム10を挟持した状態)で、前記第1規制部材45の第1規制突部45a,45aを、第1の第2規制部材46の第1孔部46a,46aに進入すると共に、上下のシール体12,13の第2シール面同士が筒状フィルム10を挟持するタイミング(具体的には、シール体12,13の回転方向前後のシール面12b,12b,13b,13bが何れも筒状フィルム10を挟持した状態)で、前記第1規制部材45の第2規制突部45b,45bを第2の第2規制部材47の第2孔部47a,47aに進入するように前記作動軸38が軸方向に移動するよう、前記偏心部材43を偏心回転する。
【0025】
次に、実施例に係るエンドシール装置の作用について説明する。
図1図3(a)に示す如く、前記上下のシール体12,13の第1シール面12a,13aおよび第2シール面12b,13bの何れもが対向していない状態で、両シール体12,13を相互に反対方向に回転し、図2図3(b)に示す如く、両シール体12,13の第1シール面12a,13aで筒状フィルム10が挟持されると、該筒状フィルム10にエンドシールが施される。また、上シール体12と一体的に回転する前記作動軸38に設けた前記第1規制部材45の第1規制突部45a,45aが、前記第1の第2規制部材46の第1孔部46a,46aと軸方向に対向すると共に、前記駆動モータ30の駆動によって作動軸38が上シール体12に近接する方向に移動する。そして、第1規制突部45a,45aが第1孔部46a,46aに進入して作動軸38の軸方向移動が許容され、該作動軸38によって作動される前記リンク機構28によって前記切断手段14が径方向に移動し、第1切断刃25の第1刃部25aが第1シール面12aから突出して、上下のシール体12,13の第1シール面12a,13a同士で挟持されてエンドシールが施された筒状フィルム10は幅方向に切断される。このとき、第2切断刃26の第2刃部26aは、第2シール面12bから突出しない。第1シール面12aから突出する第1刃部25aは、下シール体13の第1シール面13aで開口する凹部23に非接触で受け入れられる。また、駆動モータ30の駆動によって作動軸38が上シール体12から離間する方向に移動することで、第1シール面12aから突出する第1刃部25aが前記貫通孔22内に戻ると共に、第1規制突部45a,45aが第1孔部46a,46aの外方に抜けることで第1規制部材45および作動軸38の回転は許容される。
【0026】
連続回転する前記上下のシール体12,13の第1シール面12a,13a同士が離間し、前記第2シール面12b,13b同士で筒状フィルム10が挟持されると、該筒状フィルム10にエンドシールが施される。また、上シール体12と一体的に回転する前記作動軸38に設けた前記第1規制部材45の第2規制突部45b,45bが、前記第2の第2規制部材47の第2孔部47a,47aと対向すると共に、前記駆動モータ30の駆動によって作動軸38が上シール体12から離間する方向に移動する。そして、第2規制突部45b,45bが第2孔部47a,47aに進入して作動軸38の軸方向移動が許容され、該作動軸38によって作動される前記リンク機構28によって前記切断手段14が径方向に移動し、第2切断刃26の第2刃部26aが第2シール面12bから突出して、上下のシール体12,13の第2シール面12b,13b同士で挟持されてエンドシールが施された筒状フィルム10は幅方向に切断される。このとき、第1切断刃25の第1刃部25aは、第1シール面12aから突出しない。第2シール面12bから突出する第2刃部26aは、下シール体13の第2シール面13bで開口する凹部23に非接触で受け入れられる。また、駆動モータ30の駆動によって作動軸38が上シール体12に近接する方向に移動することで、第2シール面12bから突出する第2刃部26aが前記貫通孔22内に戻ると共に、第2規制突部45b,45bが第2孔部47a,47aの外方に抜けることで第1規制部材45および作動軸38の回転は許容される。
【0027】
実施例のエンドシール装置は、上シール体12に設けた切断手段14を、駆動モータ30により作動する作動機構29およびリンク機構28によって該上シール体12の径方向に往復移動し、第1シール面12a,13a同士で挟持した筒状フィルム10および第2シール面12b,13b同士で挟持した筒状フィルム10を選択して切断するよう構成した。すなわち、各シール面12a,13a/12b,13bで挟持した筒状フィルム10を、単一の切断手段14によって切断するので、部品点数を低減することができる。また、切断手段14を作動する往復動手段15も単一であるので、装置構成を簡略化することができ、メンテナンス性を向上することができる。実施例のエンドシール装置は、回転式のシール体12,13を採用して高速処理化を図ると共に、受け刃と当て刃との当たり具合の調節を行う必要のない突っ切りタイプの切断手段14を採用したので、メンテナンス性をより向上することができる。また、切断手段14を、作動軸38を軸方向に往復移動する簡単な構成の往復動手段15で径方向に往復移動することができる。更に、作動軸38は、駆動モータ30によって偏心部材43を偏心回転して往復移動する構成であるので、高速化に対応することができる。
【0028】
実施例のエンドシール装置は、前記ベース部材24に対して第1および第2切断刃25,26の夫々を、調節手段27によって独立して往復移動方向に位置調節可能に構成したので、往復動手段15を調節したり部品交換したりすることなく、各切断刃25,26における刃部25a,26aの対応するシール面12a,12bからの突出量を独立して調節することができる。
【0029】
ここで、前記上下のシール体12,13を回転駆動する駆動モータと、前記切断手段14を往復移動する駆動モータ30とが、ノイズによる電気信号の乱れなどによって同期しなくなり、前記切断手段14の刃部25a,26aがシール面12a,12bから突出するタイミングが、シール面12a,13a/12b,13bで筒状フィルム10を挟持するタイミングにおいて、シール体12,13の貫通孔22を挟んで回転方向前後の第1シール面12a,12aと第2シール面13a,13aまたは第1シール面12b,12bと第2シール面13b,13bが筒状フィルム10を挟持する時期と前後にずれた場合(シール面12a,12bから突出する刃部25a,26aを凹部23に非接触で受け入れられない状態)、刃部25a,26aが下シール体13のシール面13a,13bなどに当って損傷するおそれがある。実施例のエンドシール装置は、シール体12,13の貫通孔22を挟んで回転方向前後の第1シール面12a,12aと第2シール面13a,13aまたは第1シール面12b,12bと第2シール面13b,13bが筒状フィルム10を挟持する時期に対し、切断手段14の刃部25a,26aをシール面12a,12bから突出する前記作動軸38の移動タイミングがずれた場合は、上シール体12と一体的に回転する前記第1規制部材45の規制突部45a,45bが、対向する第2規制部材46,47の孔部46a,47aに進入することなく対向面46a,47aに当接して第1規制部材45および作動軸38の移動が阻止される。すなわち、刃部25a,26aがシール面12a,12bから突出するのを機械的に規制するので、刃部25a,26aが下シール体13のシール面13a,13bなどに当って損傷などするのを防止することができる。
【0030】
(別実施例)
図4は、エンドシール装置の別実施例を示すものであって、別実施例については、実施例の構成と異なる部分についてのみ説明する。また、実施例で説明した同一部材には、同じ符号を付すものとする。
【0031】
別実施例のエンドシール装置は、シール体12,13に超音波振動を付与して筒状フィルム10にエンドシールを施す超音波方式のシール装置である。超音波方式のシール装置の動作原理は、電極間に圧電セラミックスが挿入されてなる超音波振動子に電圧をかけることで圧電セラミックスが振動してその振動が超音波発振手段(ブースタ)に伝達されて、該超音波発振手段によって適切な値に調節された振幅をホーンに伝達すると、該ホーンが超音波振動することから、筒状フィルム10を超音波振動と加圧力によりホーンとアンビルの間で溶融して超音波シールするものである。別実施例では、前記上シール体12をアンビルとして構成すると共に、前記下シール体13をホーンとして構成し、該下シール体13に超音波発振手段49が接続されている。また、下シール体13には、実施例と同様に、上シール体12のシール面12a,12bから突出する切断手段14の刃部25a,26aを、非接触で受け入れる凹部23がシール面13a,13bで開口するように形成されている。
【0032】
別実施例のエンドシール装置では、筒状フィルム10を超音波シールするようにしたので、チョコ菓子などの溶け易い物品11や、熱変形し易い素材からなる筒状フィルム10に対するダメージを低減することができると共に、処理能力を向上することができる。また、アンビルとなる上シール体12に切断手段14を設けると共に、ホーンとなる下シール体13に刃部25a,26aを非接触で受け入れる凹部23を設けているので、下シール体13による超音波振動の影響を切断手段14が直接受けることはなく、超音波振動の負荷が集中して切断手段14が破損するのを防ぐことができる。
【0033】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 切断手段14は、下シール体13に設ける構成を採用することができる。また、切断手段14は、往復移動方向の両端に刃部25a,26aを設けた一体物であってもよい。
(2) 許容部は、第1規制部材45(作動軸38)の軸方向移動を許容するように規制突部45a,45bを受け入れ可能であれば、孔でなく切欠きなどであってもよい。
(3) 実施例や別実施例では、第1規制部材45に規制突部45a,45bを設けると共に第2規制部材46,47に孔部46a,47aを設けたが、第1規制部材45に孔部を設けると共に第2規制部材46,47に規制突部を設ける構成としてもよい。この構成では、第1規制部材45における第2規制部材46,47との対向面が係合部または被係合部を構成する。
(4) 作動軸38の軸方向移動を規制する規制手段48は、シール体12,13を回転駆動する駆動モータと、切断手段14を作動する駆動モータ30との同期がずれたことを両モータ30に設けた回転検出器等の検出手段で検出して、該駆動モータ30を強制的に停止させる構成を採用することができる。
(5) 縦形製袋充填機のエンドシール装置として採用することができる。
【符号の説明】
【0034】
10 筒状フィルム,12 上シール体(一方のシール体)
12a 第1シール面(シール面),12b 第2シール面(シール面)
13 下シール体(他方のシール体),13a 第1シール面(シール面)
13b 第2シール面(シール面),14 切断手段,15 往復動手段
23 凹部(受け部),25a 第1刃部(刃部),26a 第2刃部(刃部)
28 リンク機構,30 駆動モータ(駆動手段),38 作動軸,45 第1規制部材
45a 第1規制突部(係合部/被係合部),45b 第2規制突部(係合部/被係合部)
46b 対向面(係合部/被係合部),47b 対向面(係合部/被係合部)
48 規制手段,49 超音波発振手段


図1
図2
図3
図4