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特許7297518レインガター及びレインガターの取付構造
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  • 特許-レインガター及びレインガターの取付構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】レインガター及びレインガターの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/04 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
B60R13/04 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019085496
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020179809
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314014184
【氏名又は名称】DNP田村プラスチック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】横井 淳一
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-202941(JP,A)
【文献】特開2018-202942(JP,A)
【文献】特開2003-246218(JP,A)
【文献】特開2014-076710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のサイドドアパネル上でドアミラーの下側に取り付けられる本体と、
前記本体に設けられ、取付状態で前記車体外面と前記本体との間への水の流入を許容する受け入れ部と、
前記本体の車体側において、取付状態における後方から前方へ下り傾斜して形成され、前記受け入れ部から流入した水を前方へ誘導可能な樋部と、
前記本体の部において、車体側へ延出して設けられ、前記樋部を流下する水を前記サイドドアパネルの内方へ誘導可能な誘導部と、
前記誘導部の先端に設けられ、前記本体及び前記誘導部と併せて後方に向けて開口し、前記サイドドアパネルが挿入可能な開口部を形成する折り曲げ部と、
を含んでなるレインガター。
【請求項2】
前記誘導部は、前記本体と別体であることを特徴とする請求項1に記載のレインガター。
【請求項3】
前記誘導部は、車体側へ進むにつれて、下り傾斜して形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のレインガター。
【請求項4】
自動車のサイドドアパネル上でドアミラーの下側に取り付けられる本体と、前記本体に設けられ、前記車体外面と前記本体との間への水の流入を許容する受け入れ部と、前記本体の車体側において、後方から前方へ下り傾斜して形成され、前記受け入れ部から流入した水を前方へ誘導可能な樋部と、前記本体の部において、車体側へ延出して設けられ、前記樋部を流下する水を前記サイドドアパネルの内方へ誘導可能な誘導部と、前記誘導部の先端に設けられ、前記本体及び前記誘導部と併せて後方に向けて開口し、前記サイドドアパネルが挿入可能な開口部を形成する折り曲げ部と、を含んでなるレインガターの取付構造であって、
前記本体が、前記自動車の前記サイドドアパネル上で前記ドアミラーの下側において、前記サイドドアパネルが前記開口部に挿入されるように貼着手段を介して取り付けられて、ドアミラーから垂れ落ち、前記車体外面と前記本体との間へ流入した水が、前記樋部によって前記誘導部へ誘導された後、前記折り曲げ部によって前記サイドドアパネルの内側面へ誘導可能となっていることを特徴とするレインガターの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体外面に取り付けられるレインガターと、そのレインガターを自動車の車体外面に取り付ける取付構造とに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体外面を流下する雨水等によって発生する車体外面の汚れを防ぐ技術として、例えば、フィルター手段を備えて車体の外面に貼着可能な雨水流下汚損防止具が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平5-94012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のような雨水流下汚損防止具は、雨水がフィルター手段を通過する速度を超える雨量の際には、雨水が雨水流下汚損防止具から溢れ、自動車の車体外面を伝うことで水垢等の汚れが生じ、美観を損ねる原因となる可能性がある。また、目詰まり等によりフィルター手段がその効果を発揮できなくなった際には、雨水流下汚損防止具の交換が必要となり、長期間の使用には向いていない。
【0005】
そこで、本発明は、ドアミラー周辺等の自動車の車体外面における水垢等による汚れを防止し、美観を維持することができると共にフィルター等の交換が不要で長期間の使用も可能なレインガター及びその取付構造を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、自動車のサイドドアパネル上でドアミラーの下側に取り付けられる本体と、本体に設けられ、取付状態で車体外面と本体との間への水の流入を許容する受け入れ部と、本体の車体側の面において、取付状態における後方から前方へ下り傾斜して形成され、前記受け入れ部から流入した水を前方へ誘導可能な樋部と、本体の部において、車体側へ延出して設けられ、樋部を流下する水をサイドドアパネルの内方へ誘導可能な誘導部と、誘導部の先端に設けられ、本体及び誘導部と併せて後方に向けて開口し、前記サイドドアパネルが挿入可能な開口部を形成する折り曲げ部と、を含んでなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、誘導部は、前記本体と別体であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、誘導部は、車体側へ進むにつれて、下り傾斜して形成されることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、自動車のサイドドアパネル上でドアミラーの下側に取り付けられる本体と、本体に設けられ、車体外面と本体との間への水の流入を許容する受け入れ部と、本体の車体側の面において、後方から前方下り傾斜して形成され、受け入れ部から流入した水を前方へ誘導可能な樋部と、本体の部において、車体側へ延出して設けられ、樋部を流下する水をサイドドアパネルの内方へ誘導可能な誘導部と、誘導部の先端に設けられ、本体及び誘導部と併せて後方に向けて開口し、前記サイドドアパネルが挿入可能な開口部を形成する折り曲げ部と、を含んでなるレインガターの取付構造であって、本体が、自動車のサイドドアパネル上でドアミラーの下側において、サイドドアパネルが開口部に挿入されるように貼着手段を介して取り付けられて、ドアミラーから垂れ落ち、車体外面と本体との間へ流入した水が、樋部によって誘導部へ誘導された後、折り曲げ部によってサイドドアパネルの内側面へ誘導可能となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1及び4に記載の発明によれば、自動車のサイドドアパネル上のドアミラーの下側に取り付けた状態で、ドアミラーから垂れ落ち、本体を流下する水を誘導部及び折り曲げ部によってサイドドアパネルの内側面へ誘導可能なため、自動車の車体外面における水垢等による汚れを防止でき、美観を維持することができる。また、シンプルな構造であるため、本体の交換の必要性が低く、長期に亘って使用可能である。
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加えて、自動車の車体外面形状に合わせて、本体及び/又は誘導部を選択できる。
請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加えて、流下する水を下方に向けてより効率的に排水できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】レインガターを取り付けた自動車の外観を示す説明図である。
図2】(A)は外側から見たレインガターの斜視図、(B)は前部の平面図、(C)は内側から見た斜視図である。
図3】(A)はレインガターの取付状態を示す説明図、(B)は、レインガターの排水作用を示す説明図である。
図4】(A)は外側から見たレインガターの変形例の斜視図、(B)は前部の平面図、(C)は内側から見た斜視図である。
図5】レインガターを車体正面から見たものであり、(A)は角部を設けない場合の排水作用を示す説明図、(B)は角部を設けた場合の排水作用を示す説明図である。
図6】(A)は外側から見たレインガターの変形例の斜視図、(B)は前部の平面図、(C)は内側から見た斜視図である。
図7】(A)はレインガターの変形例の誘導部の斜視図、(B)は本体と誘導部を組み合わせた状態及び排水作用を示す説明図、(C)は自動車への取付状態を示す説明図(本体を透明化させて示す)である。
図8】(A)はレインガターの変形例の誘導部の斜視図、(B)は本体と誘導部を組み合わせた状態及び排水作用を示す説明図、(C)は自動車への取付状態を示す説明図(本体を透明化させて示す)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動車用外装品であるレインガター10は、両面テープ等の貼着手段によって自動車20の前側サイドドアパネル21におけるドアミラー22の下側に取り付けられている。
レインガター10は、図1及び図2(A)-(C)に示すように、自動車20の前後方向に延びる本体3と、本体3の上端縁に沿って形成される受け入れ部4と、本体3の前部の一部を前方へ延出して形成される誘導部5とを備える。一方、本体3の車体側(内側)には、後方から前方へ下り傾斜して形成される樋部6が設けられている。樋部6の車体側の面6aは、レインガター10を前側サイドドアパネル21へ取り付ける際に貼着面として利用される。また、本体3の前端部には、誘導部5の上端との間に切欠部31が形成されている。
【0010】
以上の如く構成されたレインガター10は、少なくとも樋部6の車体側の面6aを介して、両面テープ等の貼着手段(図示せず)により、前側サイドドアパネル21へ取り付けられる。この時、図3(A)に示すように、受け入れ部4が、ドアミラー22の下方に位置し、また、誘導部5が、前側サイドドアパネル21とボディ23との隙間24に位置する箇所に取り付けられる。
レインガター10は、前側サイドドアパネル21に取り付けられた状態において、本体3と前側サイドドアパネル21との間には、貼着手段の厚みの分だけ間隙が生じるため、受け入れ部4は、上方からの本体3の内側へ雨水の流入を許容可能となる。
【0011】
よって、ドアミラー22から垂れ落ちた雨水は、図3(B)に矢印で示すように、レインガター10の受け入れ部4から、本体3の内側へ流入し、樋部6及び/又は貼着手段に受け止められ、そのまま、樋部6及び/又は貼着手段を通って、本体3の前方へ誘導される。本体3の前方へ誘導された雨水は、誘導部5により、前側サイドドアパネル21の内方へ誘導され、更に下方へ誘導された後、下方へ排水される。このため、ドアミラー22から垂れ落ち、前側サイドドアパネル21の外面を流れる雨水の量が少なくなり、水垢等の汚れが生じにくくなり、美観を維持することができる。
【0012】
上記形態のレインガター10及びその取付構造によれば、レインガター10は、自動車20の前側サイドドアパネル21に取り付け可能で自動車20の前後方向に延びる本体3と、本体3の上端縁に設けられ、取付状態で前側サイドドアパネル21と本体3との間への雨水の流入を許容する受け入れ部4と、本体3の内側において、後方から前方へ下り傾斜して形成され、受け入れ部4から流入した雨水を前方へ誘導可能な樋部6と、本体3の前部に設けられ、樋部6を流下する雨水を前側サイドドアパネル21の内方へ誘導可能な誘導部5と、を含んでなり、前側サイドドアパネル21に取り付けた状態で、本体3の樋部6を流下する雨水を誘導部5によって前側サイドドアパネル21の内方及び下方へ誘導可能となっているので、ドアミラー22周辺等の前側サイドドアパネル21の外面における水垢等による汚れを防止でき、美観を維持することができる。また、レインガター10は、フィルター等を有さないシンプルな構造であるため、本体3の交換の必要性が低く、長期に亘って使用可能である。
【0013】
図4(A)-(C)は、本発明の実施の形態の変形例1を示す説明図である。但し、図2,3と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略し、図4(C)は、変形例1の排水作用を示す説明図を兼ねる。
図4(B)に示すように、本体3aの前部に設けられた誘導部5aは、本体3aの前部の一部を前方かつ内側方向へ延出して、本体3aと併せて、平面視L字形状に形成される。また、誘導部5aの前方端部の下端車体側には、前側サイドドアパネル21に接しない位置で下方へ向けて突出する角部7が設けられている。加えて、本体3aに設けられた受け入れ部4の後方には切欠部41が形成され、ドアミラー22から垂れ落ちた雨水をより多く受け入れ可能としている。なお、前側サイドドアパネル21への取り付けは、前述の実施例と同様に行う。
ドアミラー22から垂れ落ちた雨水は、図4(C)に矢印で示すように、レインガター11の受け入れ部4及び/又は切欠部41から、本体3aの内側へ流入し、樋部6及び/又は貼着手段に受け止められ、そのまま、樋部6及び/又は貼着手段を通って、本体3aの前方へ誘導される。本体3aの前方へ誘導された雨水は、誘導部5aにより、前側サイドドアパネル21のより内方へ誘導され、更に下方へ誘導された後、角部7を通過して下方へ排水される。従って、前側サイドドアパネル21に接しない位置で下方へ向けて突出する角部7が設けられたことにより、雨水を、前側サイドドアパネル21の外面によりかかりにくい位置で下方へ排水できる。
【0014】
以下、角部7の機能について詳細に説明する。
図5(A)は、角部7を備えないレインガター11’の排水作用を示す説明図、図5(B)は、角部7を備えたレインガター11の排水作用を示す説明図である。なお、図5(A)-(B)は共に、前側サイドドアパネル21に取り付けた状態のレインガター11,11’を前方から見たものである。
図5(A)に示すように、角部7を備えないレインガター11’では、誘導部5a’まで誘導された雨水は、誘導部5a’によって、前側サイドドアパネル21の内方へ誘導されるが、誘導部5a’の下端において、水の表面張力等に起因して、自動車20の外側方向へ戻ってしまうことがある。従って、一旦、内方へ誘導された雨水が、前側サイドドアパネル21の外面を伝ってしまうため、前側サイドドアパネル21の外面に水垢等の汚れが生じ、美観を損ねる原因となり得る。
一方、レインガター11のように角部7を備えることで、内方へ誘導された雨水は、前側サイドドアパネル21の外面へ戻ることなく、下方へ垂れ落ちるため、前側サイドドアパネル21の外面に水垢等の汚れが生じにくくなり、美観を維持することができる。
【0015】
図6(A)-(C)は、本発明の実施の形態の変形例2を示す説明図である。但し、図2,3,4と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略し、図6(C)は、変形例2の排水作用を示す説明図を兼ねる。
図6(B)に示すように、レインガター12の本体3b前方に設けられた誘導部5bには、折り曲げ部80が設けられ、本体3bと併せて、後方へ向けて開口する平面視コ字形状に形成される。なお、前側サイドドアパネル21への取り付けは、前述の実施例と同様に行うが、本体3bと折り曲げ部80とにより形成される平面視コ字形状の開口部に前側サイドドアパネル21を挿入して取り付けられる。
ドアミラー22から垂れ落ちた雨水は、図6(C)に矢印で示すように、レインガター12の受け入れ部4及び/又は切欠部41から、本体3bの内側へ流入し、樋部6及び/又は貼着手段に受け止められ、そのまま、樋部6及び/又は貼着手段を通って、本体3bの前方へ誘導される。本体3bの前方へ誘導された雨水は、誘導部5bにより、前側サイドドアパネル21のより内方へ誘導された後、折り曲げ部80によって、前側サイドドアパネル21の内側面へ誘導され、当該内側面を伝って下方へ排水される。従って、雨水を、前側サイドドアパネル21の外面によりかかりにくい位置で下方へ排水できる。
【0016】
また、上述の各実施形態では、本体と誘導部とが一体に形成されているが、本体と誘導部とが別体でも良い。一般的に、自動車の種類ごとに外形やドアパネルの厚み等が異なるため、本体と誘導部とを別体とすることで、自動車の種類ごとの車体外面形状に合った本体及び/又は誘導部を選択可能となる。
例えば、図7(A)-(C)に、本発明の実施の形態の変形例3を示す。但し、図2,3,4と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略し、図7(B)は、変形例3の排水作用を示す説明図を兼ねる。
図7(A)に示すように、本体とは別体の誘導部5cは、車体側の面の下部に設けられた樋部61と、誘導部5cの前部に設けられ、車体側へ進むにつれて下方へ向かう螺旋形状に形成された折り曲げ部81とを備えた、後方へ向けて開口した平面視コ字形状に形成される。
図7(B)に示すように、レインガター13は、本体3cと誘導部5cとからなり、誘導部5cは、本体3cの前方に設けられた切欠部32に位置し、誘導部5cの上部後端と樋部6の前端とが当接する位置に配置される。
【0017】
レインガター13の前側サイドドアパネル21への取り付けは、前述の実施例と同様に行うが、図7(C)に示すように、誘導部5cに形成されている平面視コ字形状の開口部に前側サイドドアパネル21を挿入して、誘導部5cを所定の位置に設置した後、本体3cと前側サイドドアパネル21とで、誘導部5cを挟持させて取り付ける。
ドアミラー22から垂れ落ちた雨水は、図7(B)に矢印で示すように、レインガター13の受け入れ部4及び/又は切欠部41から、本体3cの内側へ流入し、樋部6及び/又は貼着手段に受け止められ、そのまま、樋部6及び/又は貼着手段を通って、本体3cの前方へ誘導される。本体3cの前方へ誘導された雨水は、誘導部5cの樋部61を通過して前側サイドドアパネル21のより内方へ誘導された後、折り曲げ部81によって、前側サイドドアパネル21の内側面へ誘導され、当該内側面を伝って下方へ排水される。従って、雨水を、前側サイドドアパネル21の外面によりかかりにくい位置で下方へ排水できる。また、折り曲げ部81を、自動車20側へ進むにつれて下り傾斜して形成したことで、より効率的な排水が可能となっている。
【0018】
図8(A)-(C)は、本発明の実施の形態の変形例4である。但し、図2,3,4、7と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略し、図8(B)は、変形例4の排水作用を示す説明図を兼ねる。
図8(A)に示すように、本体とは別体の誘導部5dは、側面視倒L字形状となるように形成された樋部62と、前部に設けられ、車体側へ進むにつれて下方へ向かう折り曲げ部82とを備えた、平面視L字形状に形成される。
図8(B)に示すように、レインガター14は、本体3cと誘導部5dとからなり、誘導部5dは、本体3cの前方に設けられた切欠部32に位置し、誘導部5dの後部上端と、本体3cに設けられた樋部6の前部下端とが当接するように配置される。
【0019】
レインガター14の前側サイドドアパネル21への取り付けは、前述の実施例と同様に行うが、図8(C)に示すように、誘導部5dの折り曲げ部82が前側サイドドアパネル21とボディ23との隙間24に挿入される位置で、本体3cと前側サイドドアパネル21とで、誘導部5dを挟持させて取り付ける。
ドアミラー22から垂れ落ちた雨水は、図8(B)に矢印で示すように、レインガター14の受け入れ部4及び/又は切欠部41から、本体3cの内側へ流入し、樋部6及び/又は貼着手段に受け止められ、そのまま、樋部6及び/又は貼着手段を通って、本体3cの前方へ誘導される。本体3cの前方へ誘導された雨水は、誘導部5dの樋部62を通過し、折り曲げ部82によって、前側サイドドアパネル21のより内方へ誘導され、更に下方へ向けて誘導された後、下方へ排水される。従って、雨水を、前側サイドドアパネル21の外面によりかかりにくい位置で下方へ排水できる。また、折り曲げ部82を車体側へ進むにつれて下り傾斜して形成したことで、より効率的な排水が可能となっている。
【0020】
以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その技術範囲はこれに限定されるものではない。例えば、本体の形状は、自動車へ取り付け可能な形状であれば、適宜変更可能である。また、誘導部の折り曲げ部は、図示したような形状に限定されず、雨水の誘導が可能であれば、棒状や二又に分かれた形状等でも良い。また、角部は、本体及び/又は誘導部と別体でも良く、ドアパネルの内方へ誘導された雨水が自動車の外側方向へ戻ることなく、車体外面に接しない位置で下方へ排水できれば、円錐状に設けたり、誘導部の前方端部の下端中央に設けたりする等、その形状や設置位置は限定されない。また、レインガターの材質や厚み、硬度等は任意に選択可能である。また、本体に樋部を設けず、本体を自動車の車体外面に貼着する際の貼着手段のみを樋部として利用してもよい。さらに、樋部の前端は、切欠部と連続する位置に設けても良く、誘導部に当接させて設けても良い。さらにまた、本体の取付位置は、車体外面の雨水流下箇所であれば良く、ドアミラーの下側に限定されず、ドアハンドル下側でも良く、前側サイドドアパネル以外にも後側サイドドアパネル、バックドアパネル、フェンダーパネルへの適用も可能である。また、貼着手段を設ける箇所は、樋部の車体側の面に限定されず、本体内側の所定箇所にも設けられる。この際、樋部を車体に当接させて雨水を誘導可能な構成としても良い。また、受け入れ部は、雨水の受け入れが可能であれば、その形成位置や形成範囲、形状は限定されず、本体の周縁及び/又は外面において任意に設定可能であり、例えば、本体外面に透孔やスリット状に設けても良い。また、受け入れ部に設けられる切欠部は、より多くの雨水の受け入れが可能であれば、受け入れ部において、任意の位置及び範囲で形成可能である。
【符号の説明】
【0021】
10,11,12,13,14・・レインガター、3,3a,3b・・本体、4・・受け入れ部、5,5a,5b,5c,5d・・誘導部、6,61,62・・樋部、7・・角部、80,81,82・・折り曲げ部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8