(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】車載用のバッテリケース及びその枠体
(51)【国際特許分類】
H01M 50/224 20210101AFI20230619BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20230619BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20230619BHJP
【FI】
H01M50/224
H01M50/249
B60K1/04 Z
(21)【出願番号】P 2019094308
(22)【出願日】2019-05-20
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006943
【氏名又は名称】リョービ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117204
【氏名又は名称】岩田 徳哉
(72)【発明者】
【氏名】神 重傑
(72)【発明者】
【氏名】蓮野 昭人
(72)【発明者】
【氏名】西 秀和
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-025983(JP,A)
【文献】特開2006-140025(JP,A)
【文献】特開2018-170211(JP,A)
【文献】特開2011-255705(JP,A)
【文献】特開2012-176751(JP,A)
【文献】特表2020-513646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられるバッテリケースであって、
上面と底面が開口し、車体に取り付けるための車体取付部を有するダイカスト製の枠体と、枠体に取り付けられた底板とを備え
、
枠体は、下端部又は下端部近傍に、内側に突出したインナーフランジを有し、インナーフランジの上面に、バッテリを取り付けるためのバッテリ取付部が突設され、且つ、インナーフランジは、バッテリ取付部よりも内側に突出し、
底板は、インナーフランジの上面であって且つバッテリ取付部よりも内側の位置に、バッテリ取付部を位置決めとして取り付けられている、車載用のバッテリケース。
【請求項2】
枠体は、上端部又は上端部近傍に、外側に突出したアウターフランジを有しており、且つ、枠体は、仕切り壁を有している請求項1記載の車載用のバッテリケース。
【請求項3】
車体取付部は、バッテリ取付部に対応した枠体の外面の位置
に設けられている請求項
1又は2記載の車載用のバッテリケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に取り付けられる車載用のバッテリケースとその枠体に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、金属板からなるバッテリケースが記載されている。板金製のバッテリケースは、製造しやすいという利点がある。しかしながら、板金製のバッテリケースは、バッテリをバッテリケースに取り付けるための取付構造や、バッテリケースを車体に取り付けるための取付構造等、各種の構造を設ける場合に制約が生じやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、取付構造等の各種の構造を容易に備えることができる車載用のバッテリケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車載用のバッテリケースは、車体に取り付けられるバッテリケースであって、上面と底面が開口し、車体に取り付けるための車体取付部を有するダイカスト製の枠体と、枠体に取り付けられた底板とを備えている。
【0006】
この構成によれば、バッテリケースは、枠体と底板とを備えている。枠体と底板とは互いに別体である。枠体は、ダイカスト製であって、車体取付部を有している。枠体がダイカスト製であるため、車体取付部をダイカスト時に一体的に形成することができる。枠体はその底面が開口しているため、底面を有する構成に比して、製品部分の投影面積が小さくなり、溶湯注入時の型開き力が小さくて済む。そのため、ダイカスト装置の型締め力を小さなものとすることができ、低コストで製造できる。
【0007】
特に、枠体は、上端部又は上端部近傍に、外側に突出したアウターフランジを有しており、且つ、枠体は、仕切り壁を有していることが好ましい。この構成によれば、アウターフランジと仕切り壁により、枠体が効果的に補強される。
【0008】
更に、枠体は、下端部又は下端部近傍に、内側に突出したインナーフランジを有し、インナーフランジに、バッテリを取り付けるためのバッテリ取付部が設けられていることが好ましい。この構成によれば、アウターフランジとインナーフランジの相乗効果によって、枠体が効果的に補強される。また、枠体が、インナーフランジにバッテリ取付部を備えることにより、インナーフランジを有効的に活用してバッテリ取付部を配置することができる。しかも、バッテリ取付部によってインナーフランジが補強され、枠体が更に補強される。
【0009】
また更に、バッテリ取付部に対応した枠体の外面の位置に、車体取付部が設けられていることが好ましい。この構成によれば、バッテリが安定する。
【0010】
また、本発明に係る車載用のバッテリケースの枠体は、車体に取り付けられるバッテリケースの枠体であって、ダイカスト製であり、上面と底面が開口している。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、ダイカスト製の枠体を備えることにより、車体取付部等の各種の構造を容易に備えることができる。枠体の底面が開口しているので、枠体の製造設備を小型化でき、低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態におけるバッテリケースを平面側から見た斜視図。
【
図4】同バッテリケースにバッテリを収容した状態を示す、平面側から見た斜視図。
【
図5】同バッテリケースにバッテリを収容した状態を示す、平面側から見た斜視図。
【
図6】同バッテリケースに使用されている枠体を平面側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかるバッテリケースについて
図1~
図12を参酌しつつ説明する。
図1~
図3に、本実施形態にかかるバッテリケース1を示している。
図4及び
図5にバッテリケース1にバッテリ2を収容した状態を示している。バッテリケース1は、複数のバッテリ2を収容するためのものである。バッテリケース1の上面は開口しており、その上面の開口部からバッテリ2がバッテリケース1に入れられる。バッテリケース1は、枠体3と、底板4とを備えている。枠体3と底板4とは、互いに別体である。枠体3はダイカスト製であり、底板4は好ましくは金属板からなる。
【0014】
<枠体3>
図6~
図12に枠体3を単体の状態で示している。枠体3は、上面と底面が何れも開口したものである。枠体3は、平面視矩形状であって、具体的には、平面視長方形状である。但し、枠体3の形状は種々であってよい。枠体3は、長辺方向の寸法と短辺方向の寸法に対して高さ方向の寸法が小さい。枠体3は、長辺方向に対称形状であり、短辺方向に対称形状である。枠体3は、四つの壁部を有している。即ち、枠体3は、一対の長壁部10と一対の短壁部11とを有している。一対の長壁部10は長辺方向に沿って延びており、一対の短壁部11は短辺方向に沿って延びている。一対の長壁部10と一対の短壁部11は、互いに直交している。一対の長壁部10は、互いに短辺方向に対向している。一対の短壁部11は、互いに長辺方向に対向している。
【0015】
<仕切り壁12>
枠体3は、仕切り壁12を有している。仕切り壁12は、枠体3の長辺方向の中央部に位置している。仕切り壁12によって、枠体3の上面の開口部と底面の開口部は、二つに分けられる。仕切り壁12によって、枠体3の内部空間が二つの領域に区画されている。枠体3の内部空間は、バッテリを収容するための収容空間であって、仕切り壁12によって収容空間は二つに仕切られる。仕切り壁12は、短辺方向に沿って延びている。仕切り壁12は、一対の長壁部10同士を短辺方向に連結している。仕切り壁12は、枠体3の全高に対応した高さ寸法を有している。本実施形態では、枠体3が仕切り壁12を有しているので、枠体3は、二つの底面開口部、即ち、第一底面開口部13と第二底面開口部14とを有している。
【0016】
<アウターフランジ20>
枠体3の上端部には、アウターフランジ20が設けられている。アウターフランジ20は、全周に亘って形成されている。アウターフランジ20は、枠体3の上端部から外側に向けて略水平に突出している。アウターフランジ20の上面は枠体3の上端面である。アウターフランジ20の上面は平坦面である。アウターフランジ20の上面と仕切り壁12の上端面は略面一である。アウターフランジ20には、複数のネジ孔21が形成されている。ネジ孔21は、図示しないアッパーカバーをバッテリケース1にネジ止めするためのものである。アウターフランジ20の下面には、袋部22が形成されている。袋部22は、アウターフランジ20の下面から下方に向けて膨出している。袋部22は、枠体3の外面と接続されている。袋部22の内側にネジ孔21が形成されている。
【0017】
<インナーフランジ>
枠体3の下端部には、インナーフランジが形成されている。インナーフランジは、全周に亘って形成されている。インナーフランジは、枠体3の下端部から内側に向けて略水平に突出している。インナーフランジの下面は枠体3の下端面である。インナーフランジの下面は平坦面である。インナーフランジの下面と仕切り壁12の下端面は略面一である。
【0018】
具体的には、一対の長壁部10の下端部には、第一インナーフランジ31、第二インナーフランジ32、第三インナーフランジ33、及び、第四インナーフランジ34が形成されている。第一インナーフランジ31と第二インナーフランジ32は一方の長壁部10の下端部に位置している。第一インナーフランジ31と第二インナーフランジ32は仕切り壁12を挟んで隣り合っている。第三インナーフランジ33と第四インナーフランジ34は他方の長壁部10に位置している。第三インナーフランジ33と第四インナーフランジ34は仕切り壁12を挟んで隣り合っている。第一インナーフランジ31と第三インナーフランジ33が対向し、第二インナーフランジ32と第四インナーフランジ34が対向している。一対の短壁部11の下端部には、第五インナーフランジ35と第六インナーフランジ36が形成されている。第一インナーフランジ31、第二インナーフランジ32、第三インナーフランジ33、及び、第四インナーフランジ34の内側への突出量は、第五インナーフランジ35及び第六インナーフランジ36の内側への突出量よりも大きい。尚、第一乃至第六インナーフランジ31,32,33,34,35,36を特に区別しない場合には、単にインナーフランジと総称する。
【0019】
仕切り壁12の下端部にフランジが形成されている。具体的には、仕切り壁12の下端部の両側にそれぞれ第一仕切りフランジ37と第二仕切りフランジ38が突設されている。第一仕切りフランジ37は、第一底面開口部13に向けて略水平に突設されており、第二仕切りフランジ38は、第二底面開口部14に向けて略水平に突設されている。第一仕切りフランジ37は、第一インナーフランジ31と第三インナーフランジ33に接続されている。第二仕切りフランジ38は、第二インナーフランジ32と第四インナーフランジ34に接続されている。第一インナーフランジ31、第一仕切りフランジ37、第三インナーフランジ33、及び第五インナーフランジ35が第一底面開口部13を周回している。第二インナーフランジ32、第六インナーフランジ36、第四インナーフランジ34、及び第二仕切りフランジ38が第二底面開口部14を周回している。
図7のように、第一乃至第六インナーフランジ31,32,33,34,35,36の下面と第一及び第二仕切りフランジ37,38の下面は互いに面一であって、枠体3の下端面を構成している。
【0020】
<バッテリ取付部40>
第一インナーフランジ31、第二インナーフランジ32、第三インナーフランジ33、及び、第四インナーフランジ34の上面には、それぞれバッテリ取付部40が形成されている。バッテリ取付部40は、バッテリ2をバッテリケース1に取り付けるためのものである。第一インナーフランジ31、第二インナーフランジ32、第三インナーフランジ33、及び、第四インナーフランジ34の上面に、それぞれバッテリ取付部40が一対ずつ形成されている。従って、枠体3は、合計八つのバッテリ取付部40を有している。第一インナーフランジ31のバッテリ取付部40は、第三インナーフランジ33のバッテリ取付部40と対向している。第二インナーフランジ32のバッテリ取付部40は、第四インナーフランジ34のバッテリ取付部40と対向している。
【0021】
バッテリ取付部40の構成は任意である。本実施形態では、バッテリ2がバッテリ取付部40に上側からネジ止めされる。詳細には、バッテリ取付部40は、第一インナーフランジ31、第二インナーフランジ32、第三インナーフランジ33、及び、第四インナーフランジ34の上面に台状に突設されたベース部41と、ベース部41の上面に突設された一対のネジボス部42とを有している。ベース部41は、一対の長壁部10の内面と一体に構成されている。一対のネジボス部42は長辺方向に並んでいる。ネジボス部42にネジ孔が形成されている。ベース部41の短辺方向の寸法は、第一インナーフランジ31、第二インナーフランジ32、第三インナーフランジ33、及び、第四インナーフランジ34の突出量よりも小さい。そのため、第一インナーフランジ31、第二インナーフランジ32、第三インナーフランジ33、及び、第四インナーフランジ34は、バッテリ取付部40よりも内側に突出している。バッテリ取付部40は、第一インナーフランジ31、第二インナーフランジ32、第三インナーフランジ33、及び、第四インナーフランジ34の上面のうち、一対の長壁部10の内面寄りに位置している。
【0022】
<ブラケット43(車体取付部)>
一対の長壁部10の外面には、ブラケット43が形成されている。ブラケット43は、バッテリケース1を車体に取り付けるための車体取付部である。バッテリケース1はブラケット43を介して車体に下側からネジ止めされる。ブラケット43は、一対の長壁部10の外面から外側に突出している。ブラケット43の突出量は、アウターフランジ20の突出量よりも大きい。ブラケット43は、アウターフランジ20よりも外側にはみ出している。バッテリケース1は、アウターフランジ20よりも外側の位置において車体に取り付けられる。ブラケット43は、一対の長壁部10の外面のうち下部に形成されている。
【0023】
一対の長壁部10には、それぞれ複数のブラケット43が設けられている。複数のブラケット43は、長辺方向に間隔をおいて配置されている。一対の長壁部10に、それぞれ四つのブラケット43が形成されている。従って、枠体3は、合計八つのブラケット43を備えている。ブラケット43は、バッテリ取付部40の外側に対向して位置している。八つのブラケット43は、それぞれ八つのバッテリ取付部40に対応して配置されている。
【0024】
一対の長壁部10の外面の下端部には、外側に向けて下フランジ44が突設されている。下フランジ44は、四つのブラケット43のうち一方の端に位置するブラケット43から他方の端に位置するブラケット43まで延びている。下フランジ44によって、四つのブラケット43は全て連結されている。
【0025】
<縦リブ>
枠体3の外面には、複数の縦リブが形成されている。縦リブは、上下方向に延びている。複数の縦リブは、水平方向に間隔をあけながら、枠体3の外面の全周に亘って配置されている。縦リブの詳細な仕様について、長壁部10における縦リブ、短壁部11における縦リブの順に説明する。
【0026】
図10のように、長壁部10の外面において、ブラケット43とアウターフランジ20との間に、縦リブ50が形成されている。縦リブ50は、ブラケット43と接続されていると共にアウターフランジ20と接続されている。縦リブ50は、アウターフランジ20とブラケット43を上下に連結している。一つのブラケット43につき、三本の縦リブ50が形成されている。隣り合うブラケット43同士の間に縦リブ51が形成されている。縦リブ51は隣り合うブラケット43同士の間の中間部に位置している。縦リブ51は、袋部22と接続されていると共に下フランジ44と接続されている。縦リブ51は、袋部22と下フランジ44を上下に連結している。長壁部10の外面の長辺方向の両端部の近傍にはそれぞれ縦リブ52が形成されている。縦リブ52は、袋部22と接続されていて、袋部22から長壁部10の下端部まで延びている。
【0027】
図11のように、短壁部11の外面において、各袋部22の下側には縦リブ60が形成されている。縦リブ60は、袋部22と接続されていて、袋部22から短壁部11の下端部まで延びている。隣り合う袋部22同士の間には、縦リブ61が形成されている。縦リブ61は、隣り合う袋部22同士の間の中間部に位置している。縦リブ61は、アウターフランジ20に接続されていて、アウターフランジ20から短壁部11の下端部まで延びている。
【0028】
<枠体3の製造>
上述のように枠体3は、ダイカスト製である。図示しないダイカスト金型における主型の型開き方向は例えば水平方向とされる。主型は、固定型と可動型とからなる。固定型と可動型は例えば水平方向に対向して配置される。尚、枠体3の長壁部10の外面のうちブラケット43が設けられている範囲については、例えば上下方向、あるいは、水平方向であって主型の型開き方向に対して直交する方向に往復移動するスライドコアによって形成される。
【0029】
<底板4>
枠体3に底板4が取り付けられている。底板4は、枠体3の底面開口部を塞ぐ。本実施形態では、枠体3が第一底面開口部13と第二底面開口部14とを有しているので、各底面開口部13,14毎に底板4が一枚ずつ取り付けられている。即ち、合計二枚の底板4が枠体3に取り付けられている。底板4は枠体3に上側から取り付けられている。底板4は、インナーフランジ31,32,33,34,35,36と仕切りフランジ37,38の上面に載置されている。底板4は、インナーフランジ31,32,33,34,35,36の上面と仕切りフランジ37,38の上面に溶接により固定されている。底板4に対して枠体3の短辺方向の外側にバッテリ取付部40が位置している。枠体3の短辺方向に対向するバッテリ取付部40が、枠体3の短辺方向における底板4の位置決めとして機能している。
【0030】
<バッテリ収容状態>
バッテリケース1には、
図4のように複数のバッテリ2が収容される。バッテリ2は底板4に載置される。枠体3が仕切り壁12を備えているので、バッテリケース1は、仕切り壁12によって隔てられた二つのバッテリ収容部5を有している。一つのバッテリ収容部5には、例えば
図4のように四つのバッテリ2を収容することができる。従って、バッテリケース1には、合計八個のバッテリ2を収容することができる。尚、図示しないが、バッテリ2は複数のセルが積層一体化されたものである。
【0031】
図5のように、バッテリ押さえ70によってバッテリ2を上側から押さえ付けて、バッテリ2をバッテリケース1に取り付けることができる。バッテリ押さえ70は、例えば板金製である。バッテリ押さえ70は、枠体3の短辺方向に並んだ二つのバッテリ2をまとめてバッテリケース1に取り付けることができる。バッテリ押さえ70は枠体3の短辺方向に長い長方形状である。バッテリ収容部5毎にバッテリ2が四つずつ収容されているので、バッテリ収容部5毎に二つずつバッテリ押さえ70が取り付けられる。合計四つのバッテリ押さえ70は、枠体3の長辺方向に沿って並んでいる。バッテリ押さえ70は、両端部にそれぞれネジ止め部71を有している。ネジ止め部71は、枠体3のバッテリ取付部40の上方に対向して位置する。ネジ止め部71の上側からボルト72をバッテリ取付部40のネジボス部42のネジ孔に螺合させる。
【0032】
以上のように構成されたバッテリケース1は、枠体3と底板4とが別体の構成である。そして、枠体3がダイカスト製である。そのため、大型の枠体3であっても、枠体3を容易にダイカストにより製造できる。底面を有する構成に比して、製品部分の投影面積が小さくなり、溶湯注入時の型開き力が小さくて済む。そのため、ダイカスト装置の型締め力を小さなものとすることができ、低コストで製造できる。また、枠体3がダイカスト製であるため、ブラケット43やバッテリ取付部40、アウターフランジ20、袋部22、インナーフランジ31,32,33,34,35,36、仕切りフランジ37,38、仕切り壁12、縦リブ50,51,52,60,61等の各種の形状を容易に形成することができる。
【0033】
アウターフランジ20やインナーフランジ31,32,33,34,35,36、仕切り壁12、仕切りフランジ37,38、縦リブ50,51,52,60,61、ブラケット43、下フランジ44、袋部22が枠体3を効果的に補強する。バッテリ取付部40が第一乃至第四インナーフランジ31,32,33,34に設けられているので、第一乃至第四インナーフランジ31,32,33,34を有効に活用してバッテリ取付部40を配置できる。また、バッテリ取付部40が第一乃至第四インナーフランジ31,32,33,34と共に枠体3の補強となる。特にバッテリ取付部40が長壁部10の内面と一体化されているので、バッテリ取付部40が第一乃至第四インナーフランジ31,32,33,34の補強となり、結果として、枠体3が効果的に補強される。ブラケット43とバッテリ取付部40が内外対応した位置関係にあるので、バッテリ2が安定する。
【符号の説明】
【0034】
1 バッテリケース
2 バッテリ
3 枠体
4 底板
5 バッテリ収容部
10 長壁部
11 短壁部
12 仕切り壁
13 第一底面開口部
14 第二底面開口部
20 アウターフランジ
21 ネジ孔
22 袋部
31 第一インナーフランジ
32 第二インナーフランジ
33 第三インナーフランジ
34 第四インナーフランジ
35 第五インナーフランジ
36 第六インナーフランジ
37 第一仕切りフランジ
38 第二仕切りフランジ
40 バッテリ取付部
41 ベース部
42 ネジボス部
43 ブラケット
44 下フランジ
50 縦リブ
51 縦リブ
52 縦リブ
60 縦リブ
61 縦リブ
70 バッテリ押さえ
71 ネジ止め部
72 ボルト