(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20230619BHJP
B65F 1/14 20060101ALI20230619BHJP
B65F 1/16 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
B41J29/00 A
B65F1/14 B
B65F1/16
(21)【出願番号】P 2019154263
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 彰
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-137506(JP,A)
【文献】特開2009-166258(JP,A)
【文献】特開平08-262946(JP,A)
【文献】特開平06-059605(JP,A)
【文献】特開2014-124803(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123637(WO,A1)
【文献】特開昭58-001161(JP,A)
【文献】特開2005-315953(JP,A)
【文献】特開2010-269538(JP,A)
【文献】特開2012-011565(JP,A)
【文献】特開2009-233888(JP,A)
【文献】特開2011-194590(JP,A)
【文献】特開2003-182172(JP,A)
【文献】特開2015-189076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
B65F 1/14
B65F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタ本体に対して着脱可能なゴミ箱と、
前記ゴミ箱の上方に設けられた開口部に対して開閉可能な蓋と、を備え、
前記蓋は、前記蓋の下方に設けられた固定軸を中心とする
上に凸の断面円弧形
を呈して前記開口部と同様の大きさの板状に形成されると共に、前記固定軸に対し、前記プリンタ本体の前方または後方へ回転可能に支持され、
前記蓋は、前記固定軸を回転中心として、後方へ回転したときに、前記開口部の上へ移動して、前縁部分が前側となり、後縁部分が後側となる横向きの状態で前記開口部を閉め、
前方へ回転したときに、前記開口部よりも前方の位置へ移動して、前記前縁部分が下側となり、前記後縁部分が上側となる縦向きの状態で前記開口部を開放する
と共に、前記ゴミ箱の内側に収納されるようになっており、
前記ゴミ箱を前記プリンタ本体から取り外した際、前記蓋は閉じられる
ことを特徴とする、プリンタ。
【請求項2】
前記ゴミ箱を前記プリンタ本体に取り付けた際、前記蓋は開かれる
ことを特徴とする、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記蓋を、前記蓋が閉まる方向に付勢する付勢部材と、
前記ゴミ箱を、前記プリンタ本体に取り付ける際に、前記プリンタ本体に取り付けられた、前記蓋が開く方向に押圧する押圧部と、を備える
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項4】
搬送されるシートを切断するカッターユニットを備え、
前記カッターユニットが前記シートを切断する際に、前記蓋は開く
ことを特徴とする、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記ゴミ箱は、ロール紙を出し入れする前記プリンタ本体の開口に対して、開閉可能なカバーに備えられる
ことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記ゴミ箱は、搬送されるシートを切断するカッターユニットの下方に設けられる
ことを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ箱を備えるプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ本体に対して着脱可能なゴミ箱を備えたプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、切り屑回収部の開口部に対して開閉可能な切り屑回収部蓋を備えるプリンタが開示されている。これにより、回収された切り屑が散乱することを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のプリンタは、切り屑回収部をプリンタ本体から取り外した際に、切り屑回収部の開口部から切り屑が散乱してしまう、という問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、ゴミ箱をプリンタ本体から取り外した際に、ゴミ箱の開口部からゴミが落ちることを防止するプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のプリンタは、
プリンタ本体に対して着脱可能なゴミ箱と、前記ゴミ箱の上方に設けられた開口部に対して開閉可能な蓋と、を備え、
前記蓋は、前記蓋の下方に設けられた固定軸を中心とする上に凸の断面円弧形を呈して前記開口部と同様の大きさの板状に形成されると共に、前記固定軸に対し、前記プリンタ本体の前方または後方へ回転可能に支持され、
前記蓋は、前記固定軸を回転中心として、後方へ回転したときに、前記開口部の上へ移動して、前縁部分が前側となり、後縁部分が後側となる横向きの状態で前記開口部を閉め、
前方へ回転したときに、前記開口部よりも前方の位置へ移動して、前記前縁部分が下側となり、前記後縁部分が上側となる縦向きの状態で前記開口部を開放すると共に、前記ゴミ箱の内側に収納されるようになっており、
前記ゴミ箱を前記プリンタ本体から取り外した際、前記蓋は閉じられる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このように構成された本発明のプリンタは、ゴミ箱をプリンタ本体から取り外した際に、ゴミ箱の開口部からゴミが落ちることを防止することができる。
また、蓋は、上に凸の断面円弧形を呈して開口部と同様の大きさの板状に形成され、下方に設けられた固定軸を回転中心として、後方へ回転したときに、開口部の上へ移動して、前縁部分が前側となり、後縁部分が後側となる横向きの状態で開口部を閉めることができる。反対に、蓋は、前方へ回転したときに、開口部よりも前方の位置へ移動して、前縁部分が下側となり、後縁部分が上側となる縦向きの状態で開口部を開放すると共に、ゴミ箱の内側に収納されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施例1のプリンタのカバーが開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】実施例1のプリンタの縦断面を示す断面図である。
【
図5】実施例1の前カバーがプリンタ本体から取り外された状態を示す断面図である。
【
図6】実施例1の前カバーをプリンタ本体に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図7】実施例2の蓋が開位置の状態を示す断面図である。
【
図8】実施例2の蓋が閉位置の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明によるプリンタを実現する実施形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
実施例1におけるプリンタは、昇華型熱転写方式のプリンタに適用される。
【0012】
[プリンタの構成]
図1は、実施例1のプリンタを示す斜視図である。
図2は、実施例1のプリンタのカバーが開いた状態を示す斜視図である。
図3は、実施例1のプリンタの縦断面を示す断面図である。以下、
図1~
図3に基づいて、実施例1のプリンタの構成を説明する。なお、プリンタ1の幅方向を幅方向Wとして、プリンタ1の前方を前方Fとし、プリンタ1の後方を後方Bとする。
【0013】
図1及び
図2に示すように、プリンタ1は、プリンタ本体1Aと、前カバー10と、を備える。
【0014】
プリンタ本体1Aは、箱状のケース2と、ケース2の上面に形成された上開口2aに設けられる上カバー3と、を備える。
【0015】
図2に示すように、前カバー10の下端には、幅方向Wに突出した円柱状の突起10aを備える。突起10aが、前開口2bを形成するケース2の下側の軸受2cに回転可能に軸支される。これにより、前カバー10は、前開口2bに対して開閉可能とする。
【0016】
前カバー10が開けられた状態では、前開口2bを通して、ロール紙Rをケース2の内部の収容部2Sに収容したり、収容部2Sからロール紙Rを取り出したりすることが可能となっている。
【0017】
軸受2cは、断面U字状に形成され、前カバー10は、ケース2に対して、脱着可能に設けられる。すなわち、前カバー10は、プリンタ本体1Aに対して、着脱可能に設けられる。
【0018】
前開口2bを形成するケース2の上側には、押圧部51が形成される。押圧部51は、矩形の筒状に形成され、ケース2から前方Fに向かって延在する。
【0019】
図3に示すように、ケース2の内部には、主要構成要素として、記録媒体としてのシートSを供給するロール紙Rと、サーマルヘッド5と、プラテンローラ6と、切断部としてのカッターユニット40と、駆動ローラ21と、インクリボンTと、を備える。
【0020】
ロール紙Rから繰り出されたシートSは、駆動ローラ21と、従動ローラ23とに架け回されて、搬送経路X1を繰出方向D1に搬送され、排出口8から、シートSを排出する。
【0021】
ロール紙Rは、モータに接続されたロール紙ホルダ31により、回転可能に保持される。
【0022】
駆動ローラ21と従動ローラ23は、ケース2に取り付けられ、搬送経路X1に沿って配置される。駆動ローラ21は、モータに接続され、正方向と、正方向とは逆の負方向との何れかに回転可能とする。駆動ローラ21の対向する位置には、対向ローラ22が配置される。
【0023】
対向ローラ22は、ケース2に取り付けられ、搬送経路X1に沿って配置される。対向ローラ22は、駆動ローラ21に対して、移動可能に構成される。シートSの搬送時には、対向ローラ22は、駆動ローラ21に当接し、駆動ローラ21に従動して回転する。駆動ローラ21が正方向に回転することで、駆動ローラ21と対向ローラ22がシートSを挟んだ状態で、シートSを繰出方向D1へ搬送する。駆動ローラ21が正方向とは反対の負方向に回転することで、駆動ローラ21と対向ローラ22がシートSを挟んだ状態で、シートSを引戻方向D2へ搬送する。シートSの搬送時以外には、対向ローラ22は、駆動ローラ21から離間する。
【0024】
サーマルヘッド5は、上カバー3に取り付けられ、搬送経路X1に沿って配置される。サーマルヘッド5は、シートSの繰出方向D1において、駆動ローラ21の下流に配置される。
【0025】
プラテンローラ6は、ケース2に取り付けられ、搬送経路X1に沿ってサーマルヘッド5に対向するように配置される。
【0026】
カッターユニット40は、ケース2に取り付けられ、搬送経路X1に沿って、繰出方向D1において排出口8の手前に配置される。カッターユニット40は、搬送経路X1を搬送されるシートSを切断する。
【0027】
インクリボンTは、例えば、イエローY、マゼンタM及びシアンCの各インク領域、並びにオーバーコートOPの領域が、長手方向に繰り返し配置された帯状のシートである。インクリボンTは、インクリボンTを繰り出すリボン供給リール32と、インクリボンTを巻き取るリボン巻取リール33と、により保持される。
【0028】
リボン巻取リール33は、モータに接続され、回転方向Kに回転する。リボン巻取リール33が、回転方向Kに回転すると、インクリボンTが、リボン供給リール32から繰り出される。リボン供給リール32から繰り出されたインクリボンTは、リボン搬送方向D3に搬送され、従動ローラ25,26を介して、サーマルヘッド5とプラテンローラ6との間を通過して、リボン巻取リール33に巻き取られる。
【0029】
このように構成されたプリンタ1は、プリンタ1に画像データが入力され、印画動作が開始されると、
図3に示すように、ロール紙ホルダ31が回転すると共に、駆動ローラ21が正方向に回転することで、ロール紙Rから繰り出されたシートSが、搬送経路X1にて繰出方向D1に搬送される。
【0030】
次いで、シートSが引戻方向D2に搬送されると共に、サーマルヘッド5によって、シートSに画像が形成される。
【0031】
サーマルヘッド5は、シートSとインクリボンTとを介して、プラテンローラ6に押圧された状態で、発熱して、インクリボンTに塗布された昇華性染料インクをシートSの上に転写することで、シートSに画像を形成する。
【0032】
そして、各色(イエローY、マゼンタM、シアンC、オーバーコートOP)の画像の形成に合わせて、シートSが繰り返し往復して搬送され、シートSの同一領域に各色を組み合わせた画像が形成される。
【0033】
次いで、シートSは、搬送経路X1を繰出方向D1に搬送され、カッターユニット40によって切断されて、排出口8より排出される。カッターユニット40によって切断される際に発生するゴミ(例えば、切り屑)は、前カバー10に備わったゴミ箱としての収容部11よって回収される。
【0034】
[前カバーの構成]
図4は、実施例1の前カバーを示す斜視図である。以下、
図4に基づいて、実施例1の前カバーの構成を説明する。
【0035】
図4に示すように、前カバー10は、収容部11と、蓋15と、を備える。
【0036】
収容部11は、上方に開口部11aを有する矩形の箱状に形成される。収容部11は、内部にゴミを収容可能な収容空間Uを備える。収容部11は、前カバー10が閉じられた状態で、カッターユニット40の下方に配置される。
【0037】
収容部11の内側で、幅方向Wの一方の端部には、矩形の板状の係合片12が形成される。係合片12は、前後方向に延在して形成される。係合片12の前方F側の端部には、付勢部材としての引っ張りばね80が取り付けられる取付孔12aが形成される。
【0038】
蓋15は、開口部11aに対して開閉可能に設けられる。蓋15は、蓋本体16と、蓋本体16の長手方向の両方の端部に設けられた支持片17と、支持片17より蓋本体16の長手方向の外側に設けられた作用部18と、を備える。
【0039】
蓋本体16は、断面円弧形の板状に形成される。支持片17は、扇形の板状に形成され、蓋本体16の長手方向の端部の下面から、下方に延在する。支持片17は、収容部11に固定された固定軸17aに回転可能に支持される。支持片17の下端には、引っ張りばね80が取り付けられる取付孔17bが形成される。
【0040】
引っ張りばね80は、幅方向Wの一方の端部に配置され、一端が支持片17の取付孔17bに取り付けられ、他端が係合片12の取付孔12aに取り付けられる。蓋15は、引っ張りばね80によって、開口部11aが閉まる第1方向E1に付勢される。
【0041】
作用部18は、矩形の板状に形成され、蓋本体16の後方Bの縁部から、下方に向けて延在する。作用部18は、ケース2に形成された押圧部51に対応する位置に形成される。
【0042】
[蓋の動き]
図5は、実施例1の前カバー10がプリンタ本体1Aから取り外された状態を示す断面図である。
図6は、実施例1の前カバー10をプリンタ本体1Aに取り付けた状態を示す断面図である。以下、
図5及び
図6に基づいて、実施例1の蓋の動きを説明する。
【0043】
図5に示すように、前カバー10がプリンタ本体1Aから取り外された状態では、蓋15は、引っ張りばね80の付勢力により、固定軸17aを回転中心として、開口部11aを閉める第1方向E1に回転した閉位置P1に位置する。
【0044】
図6に示すように、前カバー10をプリンタ本体1Aに取り付けられると、押圧部51が作用部18を押圧し、引っ張りばね80の付勢力に抗して、蓋15は、固定軸17aを回転中心として、開口部11aを開放する第2方向E2に回転した開位置P2に位置する。
【0045】
[プリンタの作用]
実施例1のプリンタ1の作用を説明する。
【0046】
実施例1のプリンタ1は、プリンタ本体1Aに対して着脱可能なゴミ箱(収容部11)と、ゴミ箱(収容部11)の上方に設けられた開口部11aに対して開閉可能な蓋15と、を備え、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aから取り外した際、蓋15は閉じられる(
図5)。
【0047】
これにより、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aから取り外した際は、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aを蓋15で閉じることができる。そのため、例えばゴミ箱(収容部11)に溜まったゴミを廃棄するために、ゴミ箱(収容部11)を持って移動する際に、ゴミ箱(収容部11)に収容されたゴミをゴミ箱(収容部11)の開口部11aから落とさないようにすることができる。
【0048】
実施例1のプリンタ1において、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aに取り付けた際、蓋15は開かれる(
図6)。
【0049】
これにより、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aに取り付けた際は、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aの蓋15を開くことができる。そのため、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aに取り付けているときは、プリンタ1で発生するゴミを、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aから回収することができる。
【0050】
実施例1のプリンタ1において、蓋15を、蓋15が閉まる方向に付勢する付勢部材(引っ張りばね80)と、ゴミ箱(収容部11)を、プリンタ本体1Aに取り付ける際に、プリンタ本体1Aに取り付けられた、蓋15が開く方向に押圧する押圧部51と、を備える(
図5)。
【0051】
これにより、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aから取り外すだけで、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aに対して、蓋15を閉じることができる。また、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aに取り付けるだけで、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aに対して、蓋15を開けることができる。そのため、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aに対して脱着するだけで、ゴミ箱(収容部11)の蓋15の開閉をすることができる。その結果、面倒な作業をすることがなく、ゴミ箱(収容部11)の蓋15の開閉をすることができる。
【0052】
実施例1のプリンタ1において、ゴミ箱(収容部11)は、ロール紙Rを出し入れするプリンタ本体1Aの開口(前開口2b)に対して、開閉可能なカバー(前カバー10)に備えられる(
図5)。
【0053】
これにより、カバー(前カバー10)とゴミ箱(収容部11)を一体とすることができる。そのため、カバー(前カバー10)をプリンタ本体1Aから取り外すことで、カバー(前カバー)に取り付けられたゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aから取り外すことができる。その結果、プリンタ本体1Aに脱着可能な、簡易な構成のゴミ箱(収容部11)とすることができる。
【0054】
実施例1のプリンタ1は、ゴミ箱(収容部11)は、搬送されるシートSを切断するカッターユニット40の下方に設けられる(
図3)。
【0055】
これにより、カッターユニット40でシートS切断された際に発生するゴミを、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aから回収することができる。
【実施例2】
【0056】
実施例2のプリンタは、蓋の開閉機構の構成が異なる点で、実施例1のプリンタと相違する。
【0057】
[蓋の開閉機構の構成]
図7は、実施例2の蓋が開位置の状態を示す断面図である。
図8は、実施例2の蓋が閉位置の状態を示す断面図である。以下、
図7及び
図8に基づいて、実施例2の蓋の開閉機構を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一の符号を用いて説明する。
【0058】
図7及び
図8に示すように、カッターユニット40は、可動刃41を備える。可動刃41は、例えばモータに接続され、上昇した上昇位置Q1と、下降した下降位置Q2との間を移動可能とする。可動刃41が、上昇位置Q1から下降位置Q2に移動する際に、搬送されたシートSが切断される。
【0059】
可動刃41の下端の縁は、ギヤを介して、蓋15の作用部18を押圧する押圧部に接続される。この押圧部は、可動刃41の上昇位置Q1から下降位置Q2への移動する際に、前方に移動することで、蓋15の作用部18を押圧して、蓋15を閉位置P1から開位置P2に回転させる。
【0060】
図7に示すように、可動刃41が上昇位置Q1に位置する場合、蓋15は、引っ張りばね80の付勢力により、固定軸17aを回転中心として、開口部11aを閉める第1方向E1に回転した閉位置P1に位置する。
【0061】
図8に示すように、可動刃41が下降位置Q2に移動すると、蓋15は、可動刃41に接続された押圧部が作用部18を押圧し、引っ張りばね80の付勢力に抗して、固定軸17aを回転中心として、開口部11aを開放する第2方向E2に回転した開位置P2に移動する。
【0062】
可動刃41が下降位置Q2から上昇位置Q1に移動すると、可動刃41に接続された押圧部が作用部18を押圧する力が解除され、蓋15は、引っ張りばね80の付勢力により、固定軸17aを回転中心として、開口部11aを閉める第1方向E1に回転した閉位置P1に移動する。
【0063】
[プリンタの作用]
実施例2のプリンタ1の作用を説明する。
【0064】
実施例3のプリンタ1において、搬送されるシートSを切断するカッターユニット40を備え、カッターユニット40がシートSを切断する際に、蓋15は開く(
図8)。
【0065】
これにより、ゴミ箱(収容部11)をプリンタ本体1Aに取り付けた状態であっても、シートSを切断する際を除いて、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aを蓋15で閉じることができる。そのため、ゴミ箱(収容部11)を取り付けた状態でプリンタ1を移動する際に、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aに対して蓋15で閉じることができる。その結果、ゴミ箱(収容部11)を取り付けた状態のプリンタ1を移動する際に、ゴミ箱(収容部11)の開口部11aからプリンタ1の内部にゴミが飛散することを防止することができる。
【0066】
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0067】
以上、本発明のプリンタを実施例1及び実施例2に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や、各実施例の組み合わせや、追加等は許容される。
【0068】
実施例1及び実施例2では、引っ張りばね80を、幅方向Wにおける収容部11の一方の端部に配置される例を示した。しかし、引っ張りばね80を、幅方向Wにおける収容部11の両方の端部に配置されてもよい。
【0069】
実施例1及び実施例2では、ゴミ箱としての収容部11を前カバー10と一体として設ける例を示した。しかし、ゴミ箱は、前カバーと別体として設けてもよい。
【0070】
実施例2では、カッターユニット40の可動刃41の昇降に伴って、蓋15が閉位置P1と開位置P2との間を移動する例を示した。しかし、モータ等の駆動源によって、蓋が開位置と閉位置との間を移動するようにしても良い。また、プラテンローラ6や対向ローラ22等の移動機構に、蓋の開閉機構を連動させるようにしてもよい。
【0071】
実施例2では、シートSをカッターユニット40で切断する際に、蓋15が閉位置P1から開位置P2に移動する例を示した。しかし、印刷中や、電源ONの状態のときに、蓋15が閉位置P1から開位置P2に移動してもよい。
【0072】
実施例2では、付勢部材を引っ張りばね80とする例を示した。しかし、付勢部材は、この態様に限定されるものではない。
【0073】
実施例1及び実施例2では、本発明を昇華型熱転写方式のプリンタ1とする例を示した。しかし、本発明は、インクリボンを使用する他のプリンタにも適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 プリンタ
1A プリンタ本体
2b 前開口(開口の一例)
10 前カバー(カバーの一例)
11 収容部(ゴミ箱の一例)
11a 開口部
15 蓋
40 カッターユニット
51 押圧部
80 引っ張りばね(付勢部材の一例)
R ロール紙
S シート