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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】フローティングコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/91 20110101AFI20230619BHJP
【FI】
H01R12/91
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019171092
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021048099
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【弁理士】
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】小幡 雄介
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-195567(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106299781(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106299783(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/91
H01R 13/631
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ハウジングと、
可動ハウジングと、
前記固定ハウジングと前記可動ハウジングに跨って配置された複数のコンタクトと、
前記可動ハウジングの前記固定ハウジングからの抜去方向への移動を規制する移動規制部材と、
を備え、
前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して前記複数のコンタクトのピッチ方向に移動可能である、
フローティングコネクタであって、
前記移動規制部材は、前記固定ハウジングに固定される少なくとも1つの固定部と、前記固定部に支持されると共に前記可動ハウジングに対して挿抜方向で対向する弾性変形部と、を含み、
前記弾性変形部は、前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で対向すると共に、前記ピッチ方向に弾性変形可能であり、
前記少なくとも1つの固定部は、2つの固定部を有し、
前記弾性変形部は、前記2つの固定部を連結するように延びる連結梁を含み、
前記連結梁は、少なくとも1つの屈曲部又は湾曲部を有する、
フローティングコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のフローティングコネクタであって、
前記少なくとも1つの屈曲部又は湾曲部は、前記連結梁の板厚方向を変化させるように前記連結梁を屈曲させ又は湾曲させるものである、
フローティングコネクタ。
【請求項3】
固定ハウジングと、
可動ハウジングと、
前記固定ハウジングと前記可動ハウジングに跨って配置された複数のコンタクトと、
前記可動ハウジングの前記固定ハウジングからの抜去方向への移動を規制する移動規制部材と、
を備え、
前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して前記複数のコンタクトのピッチ方向に移動可能である、
フローティングコネクタであって、
前記移動規制部材は、前記固定ハウジングに固定される少なくとも1つの固定部と、前記固定部に支持されると共に前記可動ハウジングに対して挿抜方向で対向する弾性変形部と、を含み、
前記弾性変形部は、前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で対向すると共に、前記ピッチ方向に弾性変形可能であり、
前記少なくとも1つの固定部は、2つの固定部を有し、
前記弾性変形部は、前記2つの固定部を連結するように延びる連結梁と、前記連結梁に支持されて前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で接触可能な接触部と、を含み、
前記接触部は、前記接触部が前記ピッチ方向で移動すると前記連結梁がねじれ変形するように配置されている、
フローティングコネクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載のフローティングコネクタであって、
前記少なくとも1つの固定部の板厚方向は、前記ピッチ方向に対して直交する方向である、
フローティングコネクタ。
【請求項5】
固定ハウジングと、
可動ハウジングと、
前記固定ハウジングと前記可動ハウジングに跨って配置された複数のコンタクトと、
前記可動ハウジングの前記固定ハウジングからの抜去方向への移動を規制する移動規制部材と、
を備え、
前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して前記複数のコンタクトのピッチ方向に移動可能である、
フローティングコネクタであって、
前記移動規制部材は、前記固定ハウジングに固定される少なくとも1つの固定部と、前記固定部に支持されると共に前記可動ハウジングに対して挿抜方向で対向する弾性変形部と、を含み、
前記弾性変形部は、前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で対向すると共に、前記ピッチ方向に弾性変形可能であり、
前記少なくとも1つの固定部は、2つの固定部を有し、
前記弾性変形部は、前記2つの固定部を連結するように延びる連結梁と、前記連結梁に支持されて前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で接触可能な接触部と、を含み、
前記接触部は、前記連結梁によって片持ち梁状に支持されている、
フローティングコネクタ。
【請求項6】
固定ハウジングと、
可動ハウジングと、
前記固定ハウジングと前記可動ハウジングに跨って配置された複数のコンタクトと、
前記可動ハウジングの前記固定ハウジングからの抜去方向への移動を規制する移動規制部材と、
を備え、
前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して前記複数のコンタクトのピッチ方向に移動可能である、
フローティングコネクタであって、
前記移動規制部材は、前記固定ハウジングに固定される少なくとも1つの固定部と、前記固定部に支持されると共に前記可動ハウジングに対して挿抜方向で対向する弾性変形部と、を含み、
前記弾性変形部は、前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で対向すると共に、前記ピッチ方向に弾性変形可能であり、
前記弾性変形部を挟んで前記可動ハウジングと反対側に設けられ、前記弾性変形部を覆う外壁を有する、
フローティングコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティングコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2007-18785号公報)は、本願の図16に示すように、固定ブロック100と可動用ハウジング101との間に複数のコンタクト102が跨るように配置されることで、可動用ハウジング101の固定ブロック100に対するピッチ方向におけるフローティングを可能にしたコネクタ103を開示している。固定ブロック100には、可動用ハウジング101の固定ブロック100からの抜去方向への移動を規制する固定タブ104が設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、可動用ハウジング101のピッチ方向における所望のフローティング量を実現するためには、可動用ハウジング101と固定タブ104の間のピッチ方向における隙間を十分に確保しなければならなかった。従って、所望のフローティング量を確保することと、コネクタをピッチ方向でダウンサイジングすることは、トレードオフの関係にあった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、ピッチ方向における所望のフローティング量と、フローティングコネクタのピッチ方向におけるダウンサイジングと、を両立する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の観点によれば、固定ハウジングと、可動ハウジングと、前記固定ハウジングと前記可動ハウジングに跨って配置された複数のコンタクトと、前記可動ハウジングの前記固定ハウジングからの抜去方向への移動を規制する移動規制部材と、を備え、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して前記複数のコンタクトのピッチ方向に移動可能である、フローティングコネクタであって、前記移動規制部材は、前記固定ハウジングに固定される少なくとも1つの固定部と、前記固定部に支持されると共に前記可動ハウジングに対して挿抜方向で対向する弾性変形部と、を含み、前記弾性変形部は、前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で対向すると共に、前記ピッチ方向に弾性変形可能である、フローティングコネクタが提供される。
好ましくは、前記少なくとも1つの固定部は、2つの固定部を有し、前記弾性変形部は、前記2つの固定部を連結するように延びる連結梁を含み、前記連結梁は、少なくとも1つの屈曲部又は湾曲部を有する。
好ましくは、前記少なくとも1つの屈曲部又は湾曲部は、前記連結梁の板厚方向を変化させるように前記連結梁を屈曲させ又は湾曲させるものである。
好ましくは、前記少なくとも1つの固定部は、2つの固定部を有し、前記弾性変形部は、前記2つの固定部を連結するように延びる連結梁と、前記連結梁に支持されて前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で接触可能な接触部と、を含み、前記接触部は、前記接触部が前記ピッチ方向で移動すると前記連結梁がねじれ変形するように配置されている。
好ましくは、前記少なくとも1つの固定部の板厚方向は、前記ピッチ方向に対して直交する方向である。
好ましくは、前記少なくとも1つの固定部は、2つの固定部を有し、前記弾性変形部は、前記2つの固定部を連結するように延びる連結梁と、前記連結梁に支持されて前記可動ハウジングと前記ピッチ方向で接触可能な接触部と、を含み、前記接触部は、前記連結梁によって片持ち梁状に支持されている。
好ましくは、前記弾性変形部は、前記少なくとも1つの固定部に片持ち梁状に支持されている。
好ましくは、前記弾性変形部を挟んで前記可動ハウジングと反対側に設けられ、前記弾性変形部を覆う外壁を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ピッチ方向における所望のフローティング量と、フローティングコネクタのピッチ方向におけるダウンサイジングと、を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コネクタアセンブリの嵌合状態における斜視図である。
図2】コネクタアセンブリの嵌合前の状態における斜視図である。
図3】レセプタクルコネクタの分解斜視図である。
図4】レセプタクルホールドダウンの斜視図である。
図5】レセプタクルホールドダウンの正面図である。
図6】可動ハウジングの斜視図である。
図7】固定ハウジングの斜視図である。
図8】レセプタクルコネクタの一部切り欠き斜視図である。
図9】レセプタクルコネクタのフローティング機能の説明図である。
図10】レセプタクルコネクタのフローティング機能の説明図である。
図11】弾性変形したレセプタクルホールドダウンの平面図である。
図12】レセプタクルホールドダウンの斜視図である。(第2実施形態)
図13】レセプタクルホールドダウンの斜視図である。(第3実施形態)
図14】レセプタクルコネクタの一部切り欠き斜視図である。(第3実施形態)
図15】レセプタクルホールドダウンの斜視図である。(第4実施形態)
図16】特許文献1の図1(A)を簡略化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、図1から図11を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
【0009】
図1及び図2に示すように、コネクタアセンブリ1は、プラグ基板2とレセプタクル基板3を機械的及び電気的に接続する基板対基板コネクタであって、プラグ基板2のコネクタ搭載面2Aに搭載されるプラグコネクタ4と、レセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aに搭載されるレセプタクルコネクタ5(フローティングコネクタ)と、により構成されている。
【0010】
図2及び図3に示すように、レセプタクルコネクタ5は、固定ハウジング6、可動ハウジング7、複数のレセプタクルコンタクト8(コンタクト)、2つのレセプタクルホールドダウン9(移動規制部材)により構成されている。
【0011】
固定ハウジング6と可動ハウジング7は、レセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aに対して直交する方向に重なるように配置されている。複数のレセプタクルコンタクト8は、固定ハウジング6と可動ハウジング7に跨るように配置されている。複数のレセプタクルコンタクト8は、レセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aに対して平行な方向において2列を成すように配置されている。2つのレセプタクルホールドダウン9は、固定ハウジング6をレセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aに固定するものである。
【0012】
ここで、図1から図3を参照して、「挿抜方向」「ピッチ方向」「幅方向」を定義する。挿抜方向及びピッチ方向、幅方向は互いに直交する方向である。
【0013】
挿抜方向は、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に対して挿抜する方向である。挿抜方向は、プラグ基板2のコネクタ搭載面2A、及び、レセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aに対して直交する方向である。挿抜方向は、上方(抜去方向)及び下方(嵌合方向)を含む。上方は、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から抜去する方向である。下方は、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に嵌合する方向である。
【0014】
ピッチ方向は、複数のレセプタクルコンタクト8が並べられる方向である。本実施形態のように複数のレセプタクルコンタクト8が2列を構成する場合、ピッチ方向は、2列のうち一方の列に属する複数のレセプタクルコンタクト8が並べられる方向と定義し得る。ピッチ方向は、プラグ基板2のコネクタ搭載面2A、及び、レセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aに対して平行な方向である。ピッチ方向は、ピッチ方向内方及びピッチ方向外方を含む。ピッチ方向内方は、コネクタアセンブリ1のピッチ方向における中央に近づく方向である。ピッチ方向外方は、コネクタアセンブリ1のピッチ方向における中央から離れる方向である。
【0015】
幅方向は、挿抜方向及びピッチ方向に対して直交する方向である。本実施形態のように複数のレセプタクルコンタクト8が2列を構成する場合、幅方向は、2列が互いに対向する方向と定義し得る。幅方向は、プラグ基板2のコネクタ搭載面2A、及び、レセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aに対して平行な方向である。幅方向は、幅方向内方及び幅方向外方を含む。幅方向内方は、コネクタアセンブリ1の幅方向における中央に近づく方向である。幅方向外方は、コネクタアセンブリ1の幅方向における中央から離れる方向である。
【0016】
本実施形態において、レセプタクルコネクタ5は、所謂フローティングコネクタである。即ち、図3に示すように、各レセプタクルコンタクト8は、S字状に曲げて形成されており、その両端が固定ハウジング6及び可動ハウジング7にそれぞれ固定されている。各レセプタクルコンタクト8は、銅又は銅合金製の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することで形成されている。従って、各レセプタクルコンタクト8は弾性変形可能とされており、もって、可動ハウジング7は、固定ハウジング6に対してピッチ方向及び幅方向に移動可能及び傾斜可能、即ちフローティング可能に構成されている。このようにレセプタクルコネクタ5がフローティングコネクタであることによって、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に嵌合する際にプラグ基板2がレセプタクル基板3に対して傾斜していたり、プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ5がピッチ方向又は幅方向で若干ずれていたりしても、誤差を吸収し、プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ5を嵌合することができる。
【0017】
(プラグコネクタ4)
図2に戻り、プラグコネクタ4は、プラグハウジング10と、複数のプラグコンタクト11と、2つのプラグホールドダウン12(図1を併せて参照)と、を備えている。複数のプラグコンタクト11は、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に嵌合させると、レセプタクルコネクタ5の複数のレセプタクルコンタクト8にそれぞれ接触するように配置されている。2つのプラグホールドダウン12は、プラグハウジング10をプラグ基板2のコネクタ搭載面2Aに固定するものである。
【0018】
(レセプタクルコネクタ5)
次に、図4から図8を参照して、レセプタクルコネクタ5を詳細に説明する。
【0019】
(レセプタクルコネクタ5:レセプタクルホールドダウン9)
図4及び図5には、2つのレセプタクルホールドダウン9のうち一方を示している。2つのレセプタクルホールドダウン9は同じ形状であるから、他方の説明は省略する。
【0020】
本実施形態においてレセプタクルホールドダウン9は、銅又は銅合金製の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することで形成されている。図4及び図5に示すように、レセプタクルホールドダウン9は、幅方向で対称となるように形成されている。
【0021】
図4に示すように、レセプタクルホールドダウン9は、弾性変形部20と、2つのハウジング固定部21(固定部)と、2つの基板固定部22と、で構成されている。
【0022】
弾性変形部20は、連結梁23と接触部24により構成されている。
【0023】
連結梁23は、2つのハウジング固定部21を連結するように幅方向で細長く延びている。連結梁23は、2つのハウジング固定部21によって両持ち梁状に支持されている。連結梁23は、中央梁部25と2つの固定連結梁部26、2つの斜行中間部27を含んで構成されている。中央梁部25は、2つの斜行中間部27の間に配置されている。中央梁部25と2つの斜行中間部27は、2つの固定連結梁部26の間に配置されている。従って、幅方向に沿って順に、一方の固定連結梁部26、一方の斜行中間部27、中央梁部25、他方の斜行中間部27、他方の固定連結梁部26がこの記載順に連なっている。
【0024】
中央梁部25及び2つの固定連結梁部26の板厚方向は、ピッチ方向に等しい。中央梁部25は、2つの固定連結梁部26よりもピッチ方向内方に配置されている。2つの固定連結梁部26は、ピッチ方向において同じ位置に配置されている。各斜行中間部27は、中央梁部25と各固定連結梁部26を連結しており、幅方向外方に向かうにつれてピッチ方向外方に向かうように傾斜している。従って、2つの斜行中間部27は、ピッチ方向内方に向かうにつれて互いに近づくように傾斜している。
【0025】
中央梁部25と各斜行中間部27の間には、内方屈曲部28(屈曲部)が形成されている。内方屈曲部28の存在により、連結梁23の板厚方向と各斜行中間部27の板厚方向は互いに異なっている。各斜行中間部27と各固定連結梁部26の間には、外方屈曲部29(屈曲部)が形成されている。外方屈曲部29の存在により、各斜行中間部27と各固定連結梁部26の板厚方向は互いに異なっている。
【0026】
接触部24は、中央梁部25によって片持梁状に支持されており、中央梁部25から下方に向かって突出して形成されている。詳しくは、接触部24は、下方延長バネ部30と、水平突出部31と、を有している。下方延長バネ部30は、中央梁部25から下方に向かって突出する部分である。水平突出部31は、下方延長バネ部30の下端30Aからピッチ方向内方に突出する部分である。従って、接触部24は、幅方向で見るとL字状と言える。水平突出部31は、ピッチ方向内方を向く先端面31Aと、下方を向く下面31Bと、を有している。本実施形態では、図5に示すように、中央梁部25に、下方に開口する2つのスリット32が形成されている。2つのスリット32は、幅方向において接触部24を挟むように形成されている。2つのスリット32の存在により、接触部24の下方延長バネ部30の挿抜方向における長さが十分に確保される。
【0027】
各ハウジング固定部21は、レセプタクルホールドダウン9を固定ハウジング6に固定するための部分であって、固定部本体35と、固定実行部36と、で構成されている。各ハウジング固定部21の固定部本体35は、連結梁23の幅方向における各端部23Aからピッチ方向内方に延びる部分である。固定実行部36は、固定ハウジング6に圧入により固定される部分であって、固定部本体35から下方に向かって突出する部分である。なお、固定実行部36は、固定ハウジング6に圧入により固定されることに代えて、接着や溶着、ネジ締結、その他の手段により固定ハウジング6に固定されてもよい。
【0028】
各基板固定部22は、レセプタクルホールドダウン9をレセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aのパターンに半田付けにより固定する部分であって、各ハウジング固定部21の下端21Aから幅方向外方に突出して形成されている。なお、各基板固定部22は、レセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aのパターンに半田付けにより固定されることに代えて、接着や溶着、ネジ締結、その他の手段によりレセプタクル基板3のコネクタ搭載面3Aに固定されてもよい。
【0029】
(レセプタクルコネクタ5:可動ハウジング7)
図6には、可動ハウジング7のピッチ方向における端部を拡大して示している。可動ハウジング7は、絶縁樹脂製であって、ピッチ方向及び幅方向で対称となるように構成されており、可動ハウジング本体40と、2つのフローティング干渉部41と、を有している。
【0030】
可動ハウジング本体40は、ピッチ方向に細長い直方体状に形成されており、上面40Aと、ピッチ方向外方を向く2つの側面40Bと、を有している。可動ハウジング本体40の上面40Aには、上方に開口することでプラグコネクタ4が挿入可能な嵌合挿入口42が形成されている。
【0031】
各フローティング干渉部41は、各レセプタクルホールドダウン9と協働して、可動ハウジング7の固定ハウジング6からの上方への移動を防止する部分であって、各側面40Bからピッチ方向外方に突出して形成されている。各フローティング干渉部41は、概ね直方体状であって、上面41Aと、ピッチ方向外方を向く先端面41Bと、を有する。上面41Aには、窪み43が形成されている。各フローティング干渉部41は、窪み43の底面43Aを有している。上面41Aは、幅方向で窪み43によって分割されることで、2つの上面分割面41Cを有している。2つの上面分割面41Cは、平面視で幅方向において底面43Aを挟むように配置されている。2つの上面分割面41Cは、底面43Aよりも上方に配置されている。従って、各フローティング干渉部41は、ピッチ方向で見ると上方に開口するU字状に形成されている。先端面41Bは、ピッチ方向に対して直交する面である。
【0032】
(レセプタクルコネクタ5:固定ハウジング6)
固定ハウジング6は、絶縁樹脂製であって、ピッチ方向及び幅方向で対称となるように構成されており、図3に示すように、平板状の内底部50と、2つのコンタクト保持部51と、2つのホールドダウン保持部52と、で構成されている。内底部50の板厚方向は挿抜方向に平行である。2つのコンタクト保持部51は、内底部50を挟んで幅方向で対向するように配置されている。2つのホールドダウン保持部52は、内底部50を挟んでピッチ方向で対向するように配置されている。従って、2つのコンタクト保持部51と2つのホールドダウン保持部52は、内底部50を取り囲むように配置されている。
【0033】
各コンタクト保持部51は、複数のレセプタクルコンタクト8を保持する部分である。
【0034】
各ホールドダウン保持部52は、各レセプタクルホールドダウン9を保持する部分であって、平面視で概ねピッチ方向内方に開口するU字状に形成されている。固定ハウジング6は、ピッチ方向で対称な形状であるから、以下、一方のホールドダウン保持部52を説明し、他方の説明は省略する。図7には、ホールドダウン保持部52を拡大して示している。図7に示すように、ホールドダウン保持部52は、2つのホールドダウン保持実行部53と、ホールドダウン保護部54と、で構成されている。
【0035】
2つのホールドダウン保持実行部53は、幅方向で対向するように互いに離れて配置されている。各ホールドダウン保持実行部53には、上方に開口すると共にピッチ方向に延びる固定部本体収容溝55と、幅方向外方に開口すると共に挿抜方向に延びる固定実行部収容溝56と、が形成されている。
【0036】
ホールドダウン保護部54は、2つのホールドダウン保持実行部53を連結するように幅方向に延びる外方保護部57(外壁)と、2つの内方保護部58と、を有している。2つの内方保護部58は、外方保護部57のピッチ方向内方に配置されており、幅方向において互いに離れて配置されている。2つの内方保護部58と外方保護部57の間には、レセプタクルホールドダウン9の弾性変形部20を収容可能な隙間59がそれぞれ形成されている。外方保護部57の下方には、ピッチ方向に貫通する貫通口60が形成されている。
【0037】
(レセプタクルコネクタ5の製造方法)
次に、レセプタクルコネクタ5の製造方法を説明する。レセプタクルコネクタ5の各構成部品の製造方法は省略し、以下、レセプタクルコネクタ5の組み立て方法を説明する。
【0038】
まず、図3に示す複数のレセプタクルコンタクト8を固定ハウジング6の2つのコンタクト保持部51の対応するスリットに圧入する。
【0039】
次に、複数のレセプタクルコンタクト8を可動ハウジング7の可動ハウジング本体40の対応するスリットに圧入する。
【0040】
これにより、複数のレセプタクルコンタクト8が固定ハウジング6と可動ハウジング7に跨るように配置されることになる。
【0041】
そして、2つのレセプタクルホールドダウン9を固定ハウジング6の2つのホールドダウン保持部52にそれぞれ保持させる。具体的には、図4の固定部本体35を図7の固定部本体収容溝55に収容すると共に、図4の固定実行部36を図7の固定実行部収容溝56に圧入する。これにより、各レセプタクルホールドダウン9の各ハウジング固定部21が固定ハウジング6に対して移動不能に固定される。このとき、図4の固定連結梁部26は図7の隙間59に挿入されるものの、隙間59のピッチ方向における寸法は、固定連結梁部26の板厚寸法よりも大きく設計されているので、固定連結梁部26は、隙間59に収容された状態でピッチ方向に弾性変形することが許容されている。また、図4の中央梁部25及び2つの斜行中間部27は、図7のホールドダウン保護部54の外方保護部57によってピッチ方向外方が覆われるものの、ピッチ方向内方ではホールドダウン保護部54によって覆われてない。また、図4の中央梁部25及び2つの斜行中間部27は、2つの固定連結梁部26と比較してピッチ方向内方に配置されるので、図7のホールドダウン保護部54の外方保護部57から離れて配置される。従って、中央梁部25及び2つの斜行中間部27のピッチ方向における弾性変形及び弾性変位が許容されることになる。そして、連結梁23は、2つのハウジング固定部21によって両持ち梁状に支持されているものの、複数の屈曲部、即ち、2つの内方屈曲部28及び2つの外方屈曲部29を有することで、連結梁23が幅方向に直線的に形成される場合と比較して、ピッチ方向で容易に弾性変形可能となっている。
【0042】
図8には、固定ハウジング6及びレセプタクルホールドダウン9の一部を切り欠いた斜視図を示している。図8に示すように、レセプタクルコネクタ5が組み立てられた状態で、レセプタクルホールドダウン9の弾性変形部20の連結梁23が可動ハウジング7のフローティング干渉部41の上方に配置されている。連結梁23は、フローティング干渉部41と挿抜方向で対向している。具体的には、連結梁23の中央梁部25がフローティング干渉部41の上面分割面41Cと挿抜方向で対向している。また、接触部24の水平突出部31の下面31Bがフローティング干渉部41の窪み43の底面43Aと挿抜方向で対向している。これにより、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から上方に向かって抜去する際に、可動ハウジング7が固定ハウジング6に対して相対的に上方に移動しようとしても、可動ハウジング7がレセプタクルホールドダウン9に対して挿抜方向で突き当り、可動ハウジング7の上方へのそれ以上の移動が規制される。従って、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から抜去する際に、固定ハウジング6と可動ハウジング7に跨って配置された複数のレセプタクルコンタクト8が過度な変形により損傷するのを防止することができる。
【0043】
また、図8に示すように、レセプタクルコネクタ5が組み立てられた状態で、レセプタクルホールドダウン9の弾性変形部20の接触部24が可動ハウジング7の可動ハウジング本体40のピッチ方向外方に配置されている。具体的には、接触部24の水平突出部31の先端面31Aが可動ハウジング本体40の側面40Bとピッチ方向で対向している。図9に示すように、可動ハウジング7が固定ハウジング6に対してピッチ方向で中立位置にあるとき、先端面31Aと側面40Bは、ピッチ方向で所定距離Pだけ離れている。従って、図10に示すように、可動ハウジング7が固定ハウジング6に対してピッチ方向において所定距離Pだけ移動すると、側面40Bが先端面31Aに接触する。
【0044】
ここで、図11には、レセプタクルホールドダウン9の弾性変形部20の水平突出部31の先端面31Aにピッチ方向外方へ外力を付与したときのレセプタクルホールドダウン9の弾性変形を三次元有限要素法を用いて数値解析した結果を示している。この数値解析においては、2つのハウジング固定部21は変位しないとする境界条件を用いた。図11に示すように、弾性変形部20は、ピッチ方向で弾性変形可能に構成されている。即ち、接触部24の水平突出部31の先端面31Aはピッチ方向外方に弾性変位可能とされている。
【0045】
従って、図10に示すように側面40Bが先端面31Aに接触した状態から、可動ハウジング7は、弾性変形部20のピッチ方向における弾性変形を伴いながら、固定ハウジング6に対してピッチ方向で移動可能である。要するに、弾性変形部20がピッチ方向で弾性変形可能であることにより、可動ハウジング7は固定ハウジング6に対して所定距離Pよりも大きく、ピッチ方向で相対的に移動可能とされている。従って、可動ハウジング7と弾性変形部20との間のピッチ方向における隙間、即ち所定距離Pを小さく設定しても、弾性変形部20の弾性変形により、上記隙間以上のフローティングが可能となる。その結果、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を両立することができる。
【0046】
以上に、第1実施形態を説明したが、上記実施形態は以下の特徴を有する。
【0047】
即ち、図1から図3に示すように、レセプタクルコネクタ5(フローティングコネクタ)は、固定ハウジング6と、可動ハウジング7と、固定ハウジング6と可動ハウジング7に跨って配置された複数のレセプタクルコンタクト8(コンタクト)と、可動ハウジング7の固定ハウジング6からの上方(抜去方向)への移動を規制するレセプタクルホールドダウン9(移動規制部材)と、を備える。可動ハウジング7が固定ハウジング6に対して複数のレセプタクルコンタクト8のピッチ方向に移動可能である。図4に示すように、レセプタクルホールドダウン9は、固定ハウジング6に固定される2つのハウジング固定部21(固定部)と、ハウジング固定部21に支持されると共に可動ハウジング7に対して挿抜方向で対向する弾性変形部20と、を含む。図8から図11に示すように、弾性変形部20は、可動ハウジング7とピッチ方向で対向すると共に、ピッチ方向に弾性変形可能である。以上の構成によれば、可動ハウジング7と弾性変形部20との間のピッチ方向における隙間を小さく設定しても、弾性変形部20の弾性変形により、上記隙間以上のフローティングが可能となる。従って、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を両立することができる。
【0048】
なお、本実施形態においてレセプタクルコネクタ5は、2つのレセプタクルホールドダウン9を備えているが、レセプタクルホールドダウン9は1つのみであってもよい。また、本実施形態においてレセプタクルホールドダウン9は、2つのハウジング固定部21を備えているが、これに代えて、ハウジング固定部21は1つのみであってもよい。
【0049】
また、図4に示すように、弾性変形部20は、2つのハウジング固定部21を連結するように延びる連結梁23を含む。連結梁23は、複数の屈曲部、即ち、2つの内方屈曲部28及び2つの外方屈曲部29を有する。以上の構成によれば、連結梁23がピッチ方向で弾性変形し易くなるので、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を一層高いレベルで両立することができる。
【0050】
なお、本実施形態において連結梁23は複数の屈曲部を有しているが、これに代えて、屈曲部は1つのみであってもよい。また、連結梁23は、屈曲部を有することに代えて、少なくとも1つの湾曲部を有してもよい。この場合でも、連結梁23がピッチ方向で弾性変形し易くなるので、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を一層高いレベルで両立することができる。
【0051】
また、図4に示すように、連結梁23の屈曲部、即ち、2つの内方屈曲部28及び2つの外方屈曲部29は、連結梁23の板厚方向を変化させるように連結梁23を屈曲させるものである。連結梁23が屈曲部に代えて湾曲部を有する場合は、湾曲部は、連結梁23の板厚方向を変化させるように連結梁23を湾曲させるものであることが好ましい。
【0052】
また、図8に示すように、弾性変形部20は、2つのハウジング固定部21を連結するように延びる連結梁23と、連結梁23に支持されて可動ハウジング7とピッチ方向で接触可能な接触部24と、を含む。接触部24は、接触部24がピッチ方向で移動すると連結梁23がねじれ変形するように配置されている。具体的には、接触部24が連結梁23によって片持ち梁状に支持されることにより、接触部24がピッチ方向で移動すると接触部24自体にモーメントが発生し、これにより、連結梁23がねじれ変形するようになっている。以上の構成によれば、連結梁23がねじれ変形するようになるので、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を一層高いレベルで両立することができる。
【0053】
また、図8に示すように、ハウジング固定部21の板厚方向は、ピッチ方向に対して直交する方向である。換言すれば、ハウジング固定部21の板厚方向は、幅方向に等しい。以上の構成によれば、ハウジング固定部21の板厚方向がピッチ方向に等しい場合と比較して、連結梁23を長くすることができるので、連結梁23が一層弾性変形し易くなる。
【0054】
また、図4に示すように、弾性変形部20は、2つのハウジング固定部21を連結するように延びる連結梁23と、連結梁23に支持されて可動ハウジング7とピッチ方向で接触可能な接触部24と、を含む。接触部24は、連結梁23によって片持ち梁状に支持されている。以上の構成によれば、接触部24自体が容易にピッチ方向で弾性変形可能となるので、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を一層高いレベルで両立することができる。
【0055】
また、図9に示すように、レセプタクルコネクタ5は、ピッチ方向において弾性変形部20を挟んで可動ハウジング7と反対側に設けられ、弾性変形部20を覆う外方保護部57(外壁)を有する。以上の構成によれば、弾性変形部20の露出が抑えられるので、弾性変形部20と他部品との意図しない導通を抑制することができる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、図12を参照して、第2実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0057】
例えば、図4に示すように、上記第1実施形態において連結梁23は、2つの内方屈曲部28及び2つの外方屈曲部29を有することで、ピッチ方向で容易に弾性変形可能となっている。
【0058】
しかし、これに代えて、図12に示すように、連結梁23は、幅方向で直線的に形成されている。この場合でも、接触部24が連結梁23によって片持梁状に支持されているので、接触部24自体がピッチ方向外方に容易に弾性変形可能となっており、もって、ピッチ方向におけるフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を両立することができる。
【0059】
また、接触部24が連結梁23によって片持ち梁状に支持されることにより、接触部24がピッチ方向で移動すると接触部24自体にモーメントが発生し、これにより、連結梁23がねじれ変形するようになっている。以上の構成によれば、連結梁23がねじれ変形するようになるので、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を一層高いレベルで両立することができる。
【0060】
(第3実施形態)
次に、図13及び図14を参照して、第3実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0061】
本実施形態は、上記第1実施形態との対比において、接触部24の形状が異なっている。
【0062】
即ち、図13に示すように、本実施形態の接触部24は、中央梁部25によって片持梁状に支持されており、中央梁部25から下方に向かって突出して形成されている。詳しくは、接触部24は、傾斜バネ部70と、垂直突出部71と、2つのL型突出部72と、を有している。
【0063】
傾斜バネ部70は、中央梁部25から下方に向かって突出する部分である。詳しくは、傾斜バネ部70は、下方に向かうにつれてピッチ方向内方に向かうように傾斜している。垂直突出部71は、傾斜バネ部70の下端70Aから下方に向かって突出する部分である。垂直突出部71の板厚方向はピッチ方向に等しい。2つのL型突出部72は、垂直突出部71の幅方向端部から幅方向外方に突出し、その後、ピッチ方向外方に突出するように、平面視でL字状に形成されている。
【0064】
図14には、固定ハウジング6及びレセプタクルホールドダウン9の一部を切り欠いた斜視図を示している。図14に示すように、レセプタクルコネクタ5が組み立てられた状態で、レセプタクルホールドダウン9の弾性変形部20の連結梁23が可動ハウジング7のフローティング干渉部41の上方に配置されている。連結梁23は、フローティング干渉部41と挿抜方向で対向している。具体的には、連結梁23の中央梁部25がフローティング干渉部41の2つの上面分割面41Cと挿抜方向で対向している。また、接触部24の垂直突出部71の下面71B、及び、接触部24の2つのL型突出部72の下面72Bが、フローティング干渉部41の窪み43の底面43Aと挿抜方向で対向している。これにより、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から上方に向かって抜去する際に、可動ハウジング7が固定ハウジング6に対して相対的に上方に移動しようとしても、可動ハウジング7がレセプタクルホールドダウン9に対して挿抜方向で突き当り、可動ハウジング7の上方へのそれ以上の移動が規制される。従って、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から抜去する際に、固定ハウジング6と可動ハウジング7に跨って配置された複数のレセプタクルコンタクト8が過度な変形により損傷するのを防止することができる。
【0065】
また、図14に示すように、レセプタクルコネクタ5が組み立てられた状態で、レセプタクルホールドダウン9の弾性変形部20の接触部24が可動ハウジング7の可動ハウジング本体40のピッチ方向外方に配置されている。具体的には、接触部24の垂直突出部71の側面71Aが可動ハウジング本体40の側面40Bとピッチ方向で対向している。可動ハウジング7が固定ハウジング6に対してピッチ方向で中立位置にあるとき、側面71Aと側面40Bは、ピッチ方向で所定距離だけ離れて配置されている。そして、上記第1実施形態と同様に、弾性変形部20がピッチ方向で弾性変形可能であることにより、可動ハウジング7は固定ハウジング6に対して所定距離以上、ピッチ方向で相対的に移動可能とされている。従って、可動ハウジング7と弾性変形部20との間のピッチ方向における隙間、即ち上記の所定距離を小さく設定しても、弾性変形部20の弾性変形により、上記隙間以上のフローティングが可能となる。その結果、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を一層高いレベルで両立することができる。
【0066】
(第4実施形態)
次に、図15を参照して、第4実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0067】
例えば、図4に示すように、上記第1実施形態において、弾性変形部20は、2つのハウジング固定部21によって両持ち梁状に支持される連結梁23と、連結梁23に片持梁状に支持される接触部24と、を備えている。
【0068】
これに対し、本実施形態では、図15に示すように、弾性変形部20は、片持ち梁状に構成されている。即ち、弾性変形部20は、2つの抜去阻止梁80を備えており、各抜去阻止梁80は各ハウジング固定部21によって片持ち梁状に支持されている。各抜去阻止梁80は、各ハウジング固定部21から幅方向内方に直線的に延びて形成されている。
【0069】
各抜去阻止梁80の自由端には、接触部81が形成されている。接触部81は、ピッチ方向内方を向く側面81Aと、下方を向く下面81Bと、を有する。側面81Aは、可動ハウジング7の可動ハウジング本体40の側面40Bとピッチ方向で対向する。下面81Bは、可動ハウジング7のフローティング干渉部41の上面41Aと挿抜方向で対向する。
【0070】
下面81Bが上面41Aと挿抜方向で対向することにより、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から上方に向かって抜去する際に、可動ハウジング7が固定ハウジング6に対して相対的に上方に移動しようとしても、可動ハウジング7がレセプタクルホールドダウン9に対して挿抜方向で突き当り、可動ハウジング7の上方へのそれ以上の移動が規制される。従って、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から抜去する際に、固定ハウジング6と可動ハウジング7に跨って配置された複数のレセプタクルコンタクト8が過度な変形により損傷するのを防止することができる。
【0071】
また、可動ハウジング7が固定ハウジング6に対してピッチ方向で中立位置にあるとき、側面81Aと側面40Bは、ピッチ方向で所定距離だけ離れて配置されている。そして、弾性変形部20がピッチ方向で弾性変形可能であることにより、可動ハウジング7は固定ハウジング6に対して所定距離以上、ピッチ方向で相対的に移動可能とされている。従って、可動ハウジング7と弾性変形部20との間のピッチ方向における隙間、即ち上記の所定距離を小さく設定しても、弾性変形部20の弾性変形により、上記隙間以上のフローティングが可能となる。その結果、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を両立することができる。
【0072】
本実施形態では、特に、弾性変形部20がハウジング固定部21によって片持ち梁状に支持されているので、弾性変形部20がピッチ方向で一層弾性変形し易くなり、もって、ピッチ方向における所望のフローティング量と、レセプタクルコネクタ5のピッチ方向におけるダウンサイジングと、を一層高いレベルで両立することができる。
【0073】
以上に、本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記第1から第4実施形態は、適宜組み合わせて実施できるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
1 コネクタアセンブリ
2 プラグ基板
2A コネクタ搭載面
3 レセプタクル基板
3A コネクタ搭載面
4 プラグコネクタ
5 レセプタクルコネクタ(フローティングコネクタ)
6 固定ハウジング
7 可動ハウジング
8 レセプタクルコンタクト(コンタクト)
9 レセプタクルホールドダウン(移動規制部材)
10 プラグハウジング
11 プラグコンタクト
12 プラグホールドダウン
20 弾性変形部
21 ハウジング固定部(固定部)
21A 下端
22 基板固定部
23 連結梁
23A 端部
24 接触部
25 中央梁部
26 固定連結梁部
27 斜行中間部
28 内方屈曲部(屈曲部)
29 外方屈曲部(屈曲部)
30 下方延長バネ部
30A 下端
31 水平突出部
31A 先端面
31B 下面
32 スリット
35 固定部本体
36 固定実行部
40 可動ハウジング本体
40A 上面
40B 側面
41 フローティング干渉部
41A 上面
41B 先端面
41C 上面分割面
42 嵌合挿入口
43 窪み
43A 底面
50 内底部
51 コンタクト保持部
52 ホールドダウン保持部
53 ホールドダウン保持実行部
54 ホールドダウン保護部
55 固定部本体収容溝
56 固定実行部収容溝
57 外方保護部(外壁)
58 内方保護部
59 隙間
60 貫通口
70 傾斜バネ部
70A 下端
71 垂直突出部
71A 側面
71B 下面
72 L型突出部
72B 下面
80 抜去阻止梁
81 接触部
81A 側面
81B 下面
P 所定距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16