IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝映像ソリューション株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-受信装置、圧縮装置及びプログラム 図1
  • 特許-受信装置、圧縮装置及びプログラム 図2
  • 特許-受信装置、圧縮装置及びプログラム 図3
  • 特許-受信装置、圧縮装置及びプログラム 図4
  • 特許-受信装置、圧縮装置及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】受信装置、圧縮装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4402 20110101AFI20230619BHJP
   H04N 5/761 20060101ALI20230619BHJP
   H04N 5/926 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
H04N21/4402
H04N5/761
H04N5/926 100
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019207292
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021082899
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 忍
【審査官】醍醐 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-027473(JP,A)
【文献】特開2007-318267(JP,A)
【文献】特開2001-094935(JP,A)
【文献】特開2019-154072(JP,A)
【文献】特開2015-228632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04N 5/76ー5/775
H04N 5/91-5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
録画予約された放送番組を録画データとして記憶部に記録するとともに、
前記録画データの圧縮処理を行い、前記記憶部に圧縮データとして記録する受信装置であって、
複数の録画データから、前記圧縮処理を行う複数の圧縮候補を、所定の順に抽出し、
前記複数の圧縮候補から1つの圧縮候補を抽出順に選択し、
録画予約する予定のない複数の空き時間帯のうちの、選択した前記1つの圧縮候補が前記圧縮処理を完了できる直近の空き時間帯に、選択した前記1つの圧縮候補の前記圧縮処理を設定し、前記圧縮処理を設定するときに、前記記憶部の残容量を取得し、記録可能な容量が前記記憶部に無いときには、警告を発生し、前記圧縮処理を設定しない受信装置。
【請求項2】
前記所定の順は、記録された時刻の古い順である請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記圧縮候補は、ユーザーによって予め設定される請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記記憶部に記録可能な録画データの数が、最大録画数に達しているときには、警告を発生する請求項1に記載の受信装置。
【請求項5】
前記受信装置は、テレビジョン受像機またはレコーダである請求項1に記載の受信装置。
【請求項6】
録画予約された放送番組が記憶部に記録された録画データの圧縮処理を行い、前記記憶部に圧縮データとして記録する圧縮装置であって、
複数の録画データから、前記圧縮処理を行う複数の圧縮候補を、所定の順に抽出し、
前記複数の圧縮候補から1つの圧縮候補を抽出順に選択し、
録画予約する予定のない複数の空き時間帯から、前記選択された1つの圧縮候補が前記圧縮処理を完了できる直近の空き時間帯に、前記選択された1つの圧縮候補の前記圧縮処理を設定し、前記圧縮処理を設定するときに、前記記憶部の残容量を取得し、記録可能な容量が前記記憶部に無いときには、警告を発生し、前記圧縮処理を設定しない圧縮装置。
【請求項7】
録画予約された放送番組が記憶部に記録された録画データの圧縮処理を行い、前記記憶部に圧縮データとして記録するコンピュータのプログラムであって、
前記コンピュータが、
複数の録画データから、前記圧縮処理を行う複数の圧縮候補を、所定の順に抽出し、
前記複数の圧縮候補から1つの圧縮候補を抽出順に選択し、
録画予約する予定のない複数の空き時間帯から、前記選択された1つの圧縮候補が前記圧縮処理を完了できる直近の空き時間帯に、前記選択された1つの圧縮候補の前記圧縮処理を設定し、前記圧縮処理を設定するときに、前記記憶部の残容量を取得し、記録可能な容量が前記記憶部に無いときには、警告を発生し、前記圧縮処理を設定しないように構成されているプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、受信装置、圧縮装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データを圧縮して記録する技術が広く利用されている。例えば、テレビジョン受像機、BD(ブルーレイディスク)レコーダなどの受信装置は、放送された番組データを圧縮して記録する長時間録画機能を有している。レコーダなどで録画された番組データは、一旦そのままの圧縮変換されない形式の録画番組データとして記憶装置に記録され、その後、トランスコーダにより長時間録画番組に変換すなわち圧縮される。長時間録画番組は、元の録画番組のデータ容量よりデータ容量を小さくするように圧縮された録画番組である。
【0003】
しかし、トランスコーダは、録画番組の長時間録画番組への圧縮変換が開始された後に動作が停止する、あるいは使用できなくなる状態になる場合がある。例えば、トランスコーダを含む録画及び再生の機能を有する半導体装置などの仕様により、予約録画の開始等があると、トランスコーダが使用できなくなる受信装置がある。
【0004】
長時間録画番組への圧縮変換が中断されると、その後、トランスコーダが空いているときに、長時間録画番組への圧縮変換が再度実行されるが、その圧縮変換の途中で、トランスコーダが再度中断されてしまうこともある。そのため、圧縮変換予定の記録データが、いつまで経っても圧縮変換がされないという状態が発生してしまう場合がある。
【0005】
すなわち、データの圧縮変換に用いられるトランスコーダは、記録データの圧縮変換中に、予約録画の実行等により使用できない状態になる場合があり、そのような場合が度々起こると、いつまで経っても圧縮変換がされないという状態が発生し、記録データの圧縮変換が効率良く実行されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平08-65616号公報
【文献】特開2002-171485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本実施形態は、記録データの圧縮変換処理を効率よく行うことができ、記録データの圧縮変換がいつまで経ってもされない状態が発生し難い、受信装置、圧縮装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の受信装置は、録画予約された放送番組を録画データとして記憶部に記録するとともに、前記録画データの圧縮処理を行い、前記記憶部に圧縮データとして記録する受信装置であって、複数の録画データから、前記圧縮処理を行う複数の圧縮候補を、所定の順に抽出し、前記複数の圧縮候補から1つの圧縮候補を抽出順に選択し、録画予約する予定のない複数の空き時間帯のうちの、選択した前記1つの圧縮候補が前記圧縮処理を完了できる直近の空き時間帯に、選択した前記1つの圧縮候補の前記圧縮処理を設定し、前記圧縮処理を設定するときに、前記記憶部の残容量を取得し、記録可能な容量が前記記憶部に無いときには、警告を発生し、前記圧縮処理を設定しない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係わる受信装置の構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係わる、長時間録画のための圧縮変換処理の流れの例を示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態に係わる、長時間録画のための圧縮変換制御プログラムの機能ブロック図である。
図4】第1の実施形態に係わる、トランスコーダによる長時間録画処理による圧縮変換の実行例を説明するための図である。
図5】第2の実施形態に関わるデータ圧縮システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本実施形態に係わる受信装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の受信装置1は、デジタル方式のテレビジョン放送を受信し、放送に係る番組を記憶装置に記録することができるように構成されている。受信装置1は、例えば、録画装置、テレビジョン受像機である。録画装置は、ブルーレイディスクなどの録画再生用記録媒体のドライブ装置を搭載したレコーダである。テレビジョン受像機は、レコーダの機能を内蔵したテレビジョン装置である。受信装置1は、後述するように、データ圧縮を行うトランスコーダ23aを有する。
【0011】
受信装置1は、アンテナANTからの放送信号が入力される入力部11と、再生/録画部12と、記憶部13とを有する。入力部11は、アンテナANTと接続される。入力部11は、チューナを有し、放送信号を受信する。入力部11は、例えば、地上デジタル放送、BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送、CS(Communication Satellite)デジタル放送、BS/CS4K放送の少なくとも1つの番組を受信する。入力部11は、複数のチューナを有し、複数のデジタル放送の番組を受信すなわち選局可能である。
【0012】
なお、入力部11は、二点鎖線で示すように、ケーブルテレビのためのケーブル、インターネット、等々からの放送信号を受信するものでもよい。
【0013】
入力部11の出力信号は、再生/録画部12に供給される。再生/録画部12は、入力部11からの放送信号を処理して、受信装置1がテレビジョン受像機の場合は、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signaling)の信号形式の映像信号を、液晶パネルなどの映像を表示する映像表示パネル14に出力する。音声出力信号は、アナログ信号形式で、図示しないスピーカへ出力される。図1では、映像表示パネル14への映像信号のみが示されている。
【0014】
なお、受信装置1がレコーダである場合は、一点鎖線で示すように、HDMI(High-difinition Digital Media Interface:登録商標)インターフェース15を介して、別体のテレビジョン受像機16等に映像信号が出力される。
【0015】
受信装置1が、レコーダである場合は、記憶部13は、内蔵あるいは外付けされる。受信装置1がテレビジョン受像機である場合、映像表示パネル14は、受信装置1と一体となるが、記憶部13は、テレビジョン受像機に内蔵されてもよいし、外付けされてもよい。
【0016】
記憶部13は、ハードディスクドライブ装置などの大容量の記憶容量を有する記憶装置である。
【0017】
受信装置1のユーザは、リモコンなどを操作して、所望の番組の映像を映像表示パネル14に表示させたり、視聴中の番組を録画したり、電子番組表(EPG)などを用いて録画予約をしたり、記憶部13に記録された録画番組を再生することができる。
【0018】
再生/録画部12は、ユーザの操作指示及び録画予約に従って、入力部11からの番組を記憶部13に記録する。すなわち、記憶部13に記録される記録データは、放送信号を記録した録画番組データである。ユーザは、記憶部13に記録する番組を、長時間録画番組として記録するかを設定することができる。
【0019】
再生/録画部12は、制御部21と、再生部22と、録画部23を含む。制御部21は、中央処理装置(以下、CPUという)21aとメモリ21bを有する。メモリ21bは、ROM、RAM及び書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリなど)を含む。ROM及び書き換え可能な不揮発性メモリには、受信装置1の全体の動作及び各種機能を実現するための各種プログラムが記憶されている。CPU21aは、ROM及び書き換え可能な不揮発性メモリから各種プログラムを読み出してRAMに展開して実行する。
【0020】
図示しないリモコンなどからのコマンドが、制御部21に与えられると、制御部21がそのコマンドに応じたプログラムをROM又は書き換え可能な不揮発性メモリから読み出して実行することにより、コマンドに応じた番組の表示、録画などの各種機能が実現される。
【0021】
なお、ここでは、制御部21は、CPU21aを有してプログラムを実行することによって受信装置1の各種機能が実現されるが、制御部21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いた電子回路、あるいはLSI(Large Scale Integration)等の半導体装置により構成してもよい。その場合、電子回路あるいは半導体装置により、後述する圧縮変換制御プログラムCCPの各機能が実現される。
【0022】
再生部22は、入力部11からの放送信号を再生する再生回路である。再生部22は、信号検出分離部22aとデコーダ22bを含む。信号検出分離部22aは、入力部11が受信して選局したチャンネルの放送信号を、TS(Transport Stream)(すなわち映像信号(Video))、音声信号(Audio)及び制御信号に分離する。デコーダ22bは、制御部21の制御の下、信号検出分離部22aからの映像信号をデコードしてデジタル映像信号(ビデオ出力)として、例えばLVDS信号形式で映像表示パネル14へ出力する。上述したように、音声信号は、図示しないスピーカへ出力される。
【0023】
録画部23は、トランスコーダ23aを有している。トランスコーダ23aは、信号圧縮器である。トランスコーダ23aは、制御部21の制御の下、映像信号と音声信号を含む番組データを、圧縮し、データ容量の小さなサイズのデジタル信号に変換するために用いられる。
【0024】
録画部23は、図示しない記録回路を有し、記録回路は、一旦、番組データをそのままの圧縮変換されない形式で記憶部13に記録する。トランスコーダ23aは、制御部21の制御の下で、記憶部13に記録された番組データを読み出して圧縮変換して、記憶部13に再度記録する。記憶部13の録画番組の番組データは、デコーダ22bに入力されて、再生される。
【0025】
再生/録画部12は、本実施形態では、SoC(System-on-a-Chip)の1つの半導体チップすなわち半導体装置として形成される。トランスコーダ23aは、再生/録画部12に接続された圧縮ワークメモリ17を用いて圧縮変換処理を実行する。圧縮ワークメモリ17は、例えばDRAMである。よって、トランスコーダ23aは、制御部21の制御の下、長時間録画が指定された録画番組を記憶部13から読み出して、圧縮ワークメモリ17を用いて圧縮変換処理を実行し、圧縮された録画番組データを記憶部13に記録する。
【0026】
トランスコーダ23aは、圧縮変換処理のために用いられるが、例えば、再生/録画部12が1つの半導体チップとして形成された場合、再生/録画部12の機能あるいは仕様により、再生部22の動作中、予約録画の実行中などにおいては、トランスコーダ23aが使用できない等の動作上の制約が生じる場合がある。その場合、そのようなトランスコーダ23aの動作上の制約により、トランスコーダ23aが長時間録画のために使用されているときに、予約録画が実行されると、長時間録画のための圧縮変換処理は、中止される。本実施形態のトランスコーダ23aは、再生部22の動作中と予約録画の実行中は、長時間録画のための圧縮変換処理をすることができないという制約を有する。
【0027】
上述したように、ユーザは、リモコンなどを用いて、放送番組の録画予約をすることができ、録画予約の場合も含めて、録画番組を長時間録画するか否かを指定すなわち設定することができる。録画予約情報は、メモリ21bの書き換え可能な不揮発性メモリに記憶され、制御部21は、そのメモリ21bに記憶された録画予約情報に基づいて、番組を録画する。長時間録画の設定情報を含む録画予約情報は、メモリ21bの書き換え可能な不揮発性メモリに記憶される。
【0028】
長時間録画が設定された番組は、圧縮変換されていない放送したままの画質の番組データとして、例えばDR(Direct Recording)形式で、録画番組として、記憶部13に一旦記録される。例えば記憶部13にDR形式で記録された録画番組データは、長時間録画が設定されていることを示す圧縮変換予定情報を含む。後述するように、トランスコーダ23aが空いているときに、圧縮変換予定情報を有する録画番組の番組データは、制御部21の制御の下、トランスコーダ23aにより圧縮変換される。すなわち、記憶部13に記録された番組データは、トランスコーダ23aにより読み出されて圧縮変換処理がされた後、長時間録画データとして記憶部13に再度記録される。
【0029】
なお、長時間録画が設定されていない録画番組は、圧縮変換予定情報を含まないので、圧縮変換されていない放送したままの画質の番組データとして記憶部13に記録される。
【0030】
制御部21は、ユーザからの指示に基づいて、再生/録画部12内の各回路の状態を制御しながら、記憶部13への番組の録画、映像表示パネル14に映像信号を出力することによって番組の表示あるいは再生、さらに、録画番組の長時間録画のための圧縮変換、等の処理の制御を行う。録画番組の長時間録画のための圧縮変換は、トランスコーダ23aが動作可能であるときに、実行される。
【0031】
トランスコーダ23aが動作可能か否かすなわち空いているか否かは、制御部21が、受信装置1の動作状態、動作予定情報及び録画予約情報に基づいて判定する。
(作用)
次に、受信装置1において実行される長時間録画のための圧縮変換処理について説明する。図2は、長時間録画のための圧縮変換処理の流れの例を示すフローチャートである。図3は、長時間録画のための圧縮変換制御プログラムCCPの機能ブロック図である。図4は、トランスコーダ23aによる長時間録画処理による圧縮変換の実行例を説明するための図である。図2の長時間録画処理は、メモリ21bのROM又は不揮発性メモリに格納された圧縮変換制御プログラムCCPの処理であり、制御部21のCPU21aにより実行される。
【0032】
図3に示すように、圧縮変換制御プログラムCCPは、機能部として、管理部41、抽出部42、判定部43、及び圧縮変換部44を有している。
【0033】
図2は、抽出部42、判定部43及び圧縮変換部44の機能を含む処理を示す。図2の処理は、受信装置1において、トランスコーダ23aは動作可能状態であるが使用されていないとき、すなわちトランスコーダ23aが空いているときに、実行される。
【0034】
管理部41は、前記トランスコーダの動作を管理する。トランスコーダ23aが空いているか否か、言い換えれば動作可能であるかは、受信装置1の現時点の動作状態及び将来の動作予定に基づいて管理部41により判定される。すなわち、管理部41は、前記トランスコーダの動作を管理し、トランスコーダ23aが動作可能であることを確認することができる。トランスコーダ23aが空いているときとは、例えば、受信装置1の電源がオフで録画予約が実行されていないとき、受信装置1がスリープ状態で録画予約が実行されていないときである。一般に、受信装置1の電源がオフで録画予約が実行されていないとき、及び受信装置1がスリープ状態で録画予約が実行されていないときは、トランスコーダ23aは、動作可能である。従って、受信装置1の電源がオフであるときに、管理部41は、トランスコーダ23aが動作可能であるかを確認する。
【0035】
上述したように、本実施形態では、再生/録画部12の仕様により、トランスコーダ23aは、再生部22が動作しているとき、及び予約録画が実行されているとき、動作させることができないすなわち使用できないが、受信装置1の電源がオフで録画予約が実行されていないとき、受信装置1がスリープ状態で録画予約が実行されていないとき、等では、トランスコーダ23aは、動作可能すなわち空いている。
【0036】
制御部21は、受信装置1の各部の状態を確認し、その確認した状態に基づいて、トランスコーダ23aは、動作可能すなわち空いているかを判定する。管理部41により、トランスコーダ23aが空いているか否かが判定される。トランスコーダ23aが空いていると判定されると、制御部21は、図2に示す処理を実行する。
【0037】
以下、図2を参照しながら、抽出部42、判定部43、及び圧縮変換部44の処理を説明する。
【0038】
まず、制御部21は、長時間録画のための圧縮変換予定のある録画番組(以下、変換予定番組という)があるか否かを判定する(ステップ(以下Sと略す)1)。変換予定番組の有無の判定は、記憶部13に記録された各録画番組の記録データに含まれる圧縮変換予定情報の有無に基づいて行われる。
【0039】
なお、圧縮変換予定情報は、制御部21のメモリ21bに記憶するようにしてもよく、制御部21は、そのメモリ21bの圧縮変換予定情報を参照して、変換予定番組の有無を判定してもよい。
【0040】
図4において、SSは、現時点における変換予定番組の待ちキューと、トランスコーダの空き状況を示す。SS中のSS1は、現時点での既に記憶部13に録画済の録画番組リストであり、録画された時刻順の録画番組リストであり、記憶部13に記録された複数の録画番組の番組データから、制御部21により生成される。
【0041】
録画番組リストSS1に示すように、番組Aは、1時間番組であり、変換予定番組である。番組Bは、30分番組であり、変換予定番組である。番組Cは、1時間番組であり、圧縮変換予定のない録画番組である。番組Dは、2時間番組であり、変換予定番組である。番組Eは、1時間番組であり、圧縮変換予定のない録画番組である。番組Fは、10分番組であり、変換予定番組である。
【0042】
SS中のSS2は、録画済の録画番組の中で変換予定番組の録画番組リストの待ちキューを示す変換予定録画番組リストである。制御部21は、録画番組リストSS1の中から変換予定番組を抽出して、待ちキューである変換予定録画番組リスト(以下、変換予定リストという)SS2が生成される。変換予定リストSS2は、録画時刻順に並べられる。ここでは、変換予定番組A,B,D,Fが示されている。
【0043】
よって、図4の例の場合、S1では、録画番組リストSS1から生成された変換予定リストSS2中に、変換予定番組があるか否かが判定される。
【0044】
長時間録画のための変換予定番組がないとき(S1:NO)、処理は終了する。
【0045】
長時間録画のための変換予定番組があるとき(S1:YES)、制御部21は、変換予定番組の情報を取得する(S2)。ここでは、変換予定リストSS2の情報、例えば録画時間の情報、が取得される。
【0046】
S2の後、制御部21は、録画予約があるかを判定する(S3)。録画予約情報は、メモリ21bに格納されているので、制御部21は、ユーザにより設定された番組予約情報の有無に基づいて、録画予約の有無を判定する。
【0047】
録画予約があるとき(S3:YES)、制御部21は、n=n+1を実行する(S4)。なお、nは整数であり、図2の処理の実行が開始されるとき、nは、0に設定される。
【0048】
S4の後、制御部21は、変換予定リストSS2から選択したn番目の圧縮変換予定の録画番組を選択する(S5)。最初は、n=1の録画番組、すなわち変換予定リストSS2中の最も古く録画された録画番組が選択される。S1~S5の処理が、抽出部42に対応し、映像情報及び音声情報の少なくとも一方を含む複数の記録データ(録画番組)から、所定の順に、ここでは各記録データの記録された時刻の古い順に、圧縮予定の圧縮予定記録データ(変換予定番組)を、圧縮候補として抽出する。
【0049】
制御部21は、変換予定リストSS2から録画番組が選択されたか、すなわち選択録画番組があるかを判定する(S6)。図2の変換予定リストSS2の場合、n=1のとき、番組Aが選択され、選択録画番組があると判定される(S6:YES)。
【0050】
なお、変換予定リストSS2の最後の(最新の)録画番組を選択した後は、変換予定リストSS2から選択する録画番組はない、と判定され(S6:NO)、処理は、終了する。
【0051】
変換予定リストSS2から選択する録画番組があるとき(S6:YES)、制御部21は、n番目の変換予定番組の圧縮変換が、録画予約の次回の録画開始の時刻までに完了するかを判定する(S7)。S7の処理が、判定部43を構成する。よって、判定部43は、抽出した圧縮予定記録データ(変換予定番組)を、動作可能なトランスコーダ23aにより前記データ圧縮できるかを判定する。すなわち、判定部43は、トランスコーダ23aにより、抽出された圧縮候補をデータ圧縮できるかを判定する。
【0052】
n番目の変換予定番組の圧縮変換が次回の録画開始の時刻までに完了しないとき(S7:NO)、処理は、S4に戻る。S4において、nが1だけインクリメントされる。S5において、2番目に古く録画された録画番組が選択されて、制御部21は、2番目の変換予定番組の圧縮変換が次回の録画開始の時刻までに完了するかを判定する(S7)。以下同様に、制御部21は、録画された時刻の古い順に録画番組を選択して、その選択した変換予定番組の圧縮変換が次回の録画開始の時刻までに完了するかを判定する。
【0053】
n番目の変換予定番組の圧縮変換が次回の録画開始の時刻までに完了するとき(S7:YES)、制御部21は、記憶部13の残容量、すなわち記録可能な容量、を取得する(S8)。記憶部13の残容量は、記憶部13の残量を監視するプログラムにより記憶されたメモリ21bなどの記憶領域から読み出すことにより取得される。
【0054】
また、S3において録画予約がないと判定されたとき(S3:NO)、処理は、S8に飛ぶ。
【0055】
制御部21は、記憶部13に、n番目の変換予定番組の変換後のデータ容量以上の残容量があるかを判定する(S9)。S9の判定は、n番目の変換予定番組のデータ容量と記憶部13の残容量とを比較することによって行われる。
【0056】
n番目の変換予定番組の変換後のデータ容量以上の残容量が記憶部13にあるとき(S9:YES)、制御部は21、n番目の変換予定番組についての長時間録画変換処理、すなわちトランスコーダ23aを用いた圧縮変換処理を実行する(S10)。
【0057】
S3で録画予約がないときは、変換予定リストSS2の中から、録画された時刻の最も古い録画番組が圧縮変換される(S10)。以上のように、管理部41によりその動作が管理されるトランスコーダ23aの動作に基づき、トランスコーダ23aが動作可能となるとき、S1~S5の抽出部42は、圧縮候補として圧縮予定記録データ(変換予定番組)を抽出し、S7の判定部43は、抽出された圧縮予定記録データ(変換予定番組)を、トランスコーダ23aによりデータ圧縮(圧縮変換)できるかを判定する。
【0058】
上述した実施形態では、管理部41により管理されるトランスコーダ23aの動作に基づき、トランスコーダ23aが動作可能となるとき、判定部43は、トランスコーダが動作可能となってから次の録画予約の実行が開始されるまでの時間帯内に、抽出した圧縮候補を、トランスコーダ23aによりデータ圧縮できるかを判定する。そして、圧縮候補が、トランスコーダ23aによりデータ圧縮(圧縮変換)できるとき、その圧縮候補についての圧縮変換が実行される(S10)。
【0059】
長時間録画変換が終了すると、処理は、S1に戻る。S10の処理が、圧縮変換部44を構成する。圧縮変換部44は、変換予定番組を圧縮変換するようにトランスコーダ23aを制御する圧縮変換制御部を構成する。
【0060】
以上の処理を、図4の例を用いて説明する。上述したように、SS1は、現時点での既に記憶部13に録画済の録画番組リストである。図4の録画番組リストSS1の状態で、図2の処理が実行されると、変換予定リストSS2が生成され、時刻t0において、変換予定番組の番組Aが選択される。
【0061】
このとき、制御部21は、録画予約情報からトランスコーダ空き状況情報SS3を生成することができる。トランスコーダ空き状況情報SS3は、現時刻t0から所定期間T(ここでは、6時間20分)のタイムスケジュールを示す。トランスコーダ空き状況情報SS3によれば、現時刻t0から30分後の時刻t1に、1時間30分の番組の録画予約aの録画が開始される予定である。よって、現時刻t0から30分間は、トランスコーダ23aは使用されず空いている。言い換えれば、現時刻t0から30分間は、トランスコーダ23aを長時間録画のための圧縮変換処理に使用することができる。
【0062】
また、トランスコーダ空き状況情報SS3によれば、録画予約aの実行終了の時刻t2から20分経過後の時刻t3に、1時間の番組の録画予約bの録画が開始される予定である。よって、時刻t2からt3までの20分間は、トランスコーダ23aを長時間録画のための圧縮変換処理に使用することができる。
【0063】
さらに、トランスコーダ空き状況情報SS3によれば、録画予約bの実行終了の時刻t4から2時間経過後の時刻t5に、1時間の番組の録画予約cの録画が開始される予定である。よって、時刻t4からt5までの2時間は、トランスコーダ23aを長時間録画のための圧縮変換処理に使用することができる。
【0064】
図4では、次の録画予約aがあるため(S3:YES)、制御部21は、変換予定番組の番組Aの圧縮変換処理が、次の録画予約aの録画開始までに完了するかを判定する(S7)。現時刻t0から、次の録画予約aの予約録画の開始時刻t1までの時間は30分であり、変換予定番組の番組Aの圧縮変換処理は1時間掛かるため、変換予定番組Aの圧縮変換が次回の録画開始の時刻までに完了しないと判定される(S7:NO)。そして、S4でn=n+1が実行され、次の変換予定番組の番組Bについての圧縮変換処理が、次の録画予約aが開始されるために完了するかが判定される(S7)。
【0065】
時刻t0とt1間は30分であり、変換予定番組の番組Bの圧縮変換処理は30分掛かるため、変換予定番組Bの変換が次回の録画開始の時刻までに完了すると判定される(S7:YES)。
【0066】
そして、記憶部13の残量チェック後、番組Bについての長時間録画変換が実行される(S10)。
【0067】
番組Bの長時間録画のための圧縮変換の終了後、録画予約aの録画が実行される。録画予約aの録画の実行が終了すると、トランスコーダ23aが空いているので、その終了時刻t2で図2の圧縮変換処理が再び実行される。
【0068】
時刻t2において、他の変換予定番組の追加などがなく、さらに録画予約の追加もなければ、時刻t2で図2の処理が実行されたとき、最初に、時刻t2からt3の20分の間で、番組Aの圧縮変換が可能か否かが判断される(S6)。番組Aは1時間番組であるため、変換予定番組Aの変換が次回の録画開始の時刻t3までに完了しないと判定される(S7:NO)。そして、S4でn=n+1が実行され、次の変換予定番組の番組Dについての圧縮変換処理が、次の録画予約bが開始されるまでに完了するかが判定される(S7)。
【0069】
時刻t2とt3間は20分であり、変換予定番組の番組Dの圧縮変換処理は2時間掛かるため、変換予定番組Dの変換が次回の録画開始の時刻t3までに完了しないと判定される(S7:NO)。そして、S4でn=n+1が実行され、次の変換予定番組の番組Fについての圧縮変換処理が、次の録画予約bが開始されるまでに完了するかが判定される(S7)。
【0070】
時刻t2とt3間は20分であり、変換予定番組の番組Fの圧縮変換処理は、10分掛かるため、変換予定番組Fの変換が次回の録画開始の時刻までに完了すると判定される(S7:YES)。
【0071】
そして、記憶部13の残量チェック後、長時間録画変換が、番組Fについて実行される(S10)。
【0072】
番組Fの長時間録画のための圧縮変換の終了後、他の変換予定番組の追加などがなく、さらに録画予約の追加もなければ、トランスコーダ23aは、空きの状態となる。この場合、時刻t2から10分後に、トランスコーダ23aは、空きの状態となり、図2の圧縮変換処理が再び実行される。
【0073】
このとき、変換予定リストSS2では、圧縮変換された録画番組(番組B,F)は削除され、変換予定リストSS2には、番組AとDが含まれている。
【0074】
しかし、時刻t2から10分後から、次の録画予約bの録画が開始されるまでは、10分しかなく、変換予定リストSS2には、番組AとDが含まれているため、時刻t3まで、圧縮変換処理は実行されない。
【0075】
その後、時刻t3で番組bの予約録画が実行され、時刻t4で終了する。時刻t4において、他の変換予定番組の追加などがなく、さらに録画予約の追加もなければ、時刻t4で図2の処理が実行されたとき、最初に、時刻t4からt5の2時間の間で、番組Aの圧縮変換が可能か否か判断される(S7)。番組Aは1時間番組であるため、変換予定番組Aの変換が次回の録画開始の時刻t5までに完了すると判定される(S7:YES)。
【0076】
そして、記憶部13の残量チェック後、長時間録画変換が、番組Aについて実行される(S10)。
【0077】
番組Aの長時間録画のための圧縮変換の終了後、他の変換予定番組の追加などがなく、さらに録画予約の追加もなければ、トランスコーダ23aは、空きの状態となる。よって、時刻t4から1時間後の時刻t41に、トランスコーダ23aは、空きの状態となり、図2の処理が再び実行される。
【0078】
このとき、変換予定リストSS2では、圧縮変換された録画番組(番組A,B,F)は削除され、変換予定リストSS2には、番組Dが含まれている。
【0079】
しかし、時刻t4から1時間経過した時刻t41から、次の録画予約cの録画が開始されるまでは、1時間しかないため、このとき、番組Dについての圧縮変換処理は実行されない。
【0080】
図4のTSは、番組Aの長時間録画変換処理後の時刻t41における変換予定番組の変換予定リストSS2と、トランスコーダ23aによる圧縮変換の実行状況と、その後の空き状況を示すトランスコーダ空き状況情報SS3を含む。図4のTSは、時刻t41においては、録画番組Dだけが長時間録画のための圧縮変換処理待ちであることを示している。
【0081】
図2の処理が実行されるとき、現時刻から所定期間Tについてタイムスケジュールが毎回生成され、番組Dの長時間録画のための圧縮変換処理は、時刻t41以降は、トランスコーダ23aが空いてから次の録画予約の録画が開始されるまでの時間が2時間以上あるときに、実行される。
【0082】
以上のように、圧縮変換制御プログラムCCPによれば、トランスコーダ23aが空いているときに、圧縮変換予定の録画番組の中から、より古い録画番組であってかつ次にトランスコーダ23aが使用できなくなる時刻までに圧縮変換可能な録画番組が選択されて、圧縮変換される。
【0083】
なお、上述した例では、説明を簡単にするために、録画予約の開始時刻だけが確認されて、現時刻から録画予約開始時刻までの間に、トランスコーダ23aが圧縮変換予定番組の圧縮変換をできるかが判定されているが、テレビジョン受像機、レコーダなどにおいて予め決められている所謂システムメンテナンスの時間帯も合わせて考慮して、圧縮変換予定番組の圧縮変換ができるかが判定される。
【0084】
さらになお、記憶部13に現在録画されている録画番組数が、受信装置1に設定されている最大録画数(受信装置1が録画可能な番組の最大数)に達しているかを確認する処理を行い、現在録画されている録画番組数が、受信装置1に設定されている最大録画数に達しているときは、所定のメッセージを生成して映像表示パネル14に表示するようにして、録画番組数が最大録画数を超えたことをユーザに告知するようにしてもよい。
【0085】
以上のように、上述した実施形態によれば、記録データの圧縮変換処理を効率よく行うことができ、記録データの圧縮変換がいつまで経ってもされない状態が発生し難い受信装置を提供することができる。
なお、上述した実施形態では、圧縮変換の対象の一例として、長時間録画番組を挙げたが、圧縮変換の対象は、必ずしも長時間録画番組である必要はなく、例えば、長時間録画の設定とは無関係に指定された録画番組、例えば、指定されたジャンルやシリーズ名などの属性を有する録画番組でもよい。
さらになお、圧縮変換の対象は、放送された番組の録画データだけでなく、指定された記憶領域に保存される録画データ、録画可能領域が閾値以下となった場合に保存される録画データ、指定されたユーザによる録画データ等、様々な態様の録画データを、圧縮変換の対象としてもよい。
【0086】
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
上述した実施形態では、トランスコーダ23aが空いているときに、圧縮変換予定の録画番組の中から、録画時刻の古い順に変換予定番組を選択し、選択した変換予定番組がトランスコーダが動作可能となってから次の録画予約の開始までのトランスコーダの空いている空き時間中に、圧縮変換可能な変換予定番組があれば、その変換予定番組を直ぐに圧縮変換しているが、変換予定リストSS2中の変換予定番組の中で、その空き時間中に圧縮変換可能な変換予定番組が複数あるかを判定し、その空き時間中に圧縮変換可能な変換予定番組が複数あるときは、所定の優先順位に従って(ここでは録画時間の長い変換予定番組を優先的に)1つの圧縮候補を選択し、圧縮変換するようにしてもよい。
【0087】
例えば、空き時間が30分で、録画時刻の古い順に、変換予定リスト中に10分の変換予定番組と20分の変換予定番組の2つがあるとき、その30分の空き時間に、10分の変換予定番組よりも後に録画された20分の変換予定番組が優先して選択されて、圧縮変換される。その20分の圧縮変換後に、トランスコーダ23aにより10分の変換予定番組の圧縮変換が可能であれば、10分の変換予定番組の圧縮変換が実行される。
【0088】
さらに、例えば、空き時間が30分で、録画時刻の古い順に、変換予定リスト中に10分の変換予定番組と、20分の変換予定番組と、30分の変換予定番組の3つがあるとき、その30分の空き時間に、録画時間の最も長い30分の変換予定番組が優先して選択され、圧縮変換される。上記の図2のS3~S7において、複数の変換予定番組が抽出され、S10において、録画時間の長い変換予定番組が優先的に選択されて、圧縮変換処理が行われる。この場合も、録画時間が長い変換予定番組が複数あるときは、録画時刻の古い順に変換予定番組は選択される。
【0089】
すなわち、管理部41により管理されるトランスコーダ23aの動作に基づき、トランスコーダ23aが動作可能となるとき、判定部43が、トランスコーダが動作可能となってから放送信号の次の録画予約の実行が開始されるまでの時間帯内に、データ圧縮が可能な複数の圧縮候補があると判定したとき、圧縮変換部44は、所定の優先順位に(ここでは、録画時刻が長い順に)従って、1つの圧縮候補を特定して圧縮変換を行うようにトランスコーダ23aを制御する。
【0090】
本変形例1によれば、所定の優先順位に従って(ここでは録画時間のより長い録画番組が優先的に)特定された圧縮候補が圧縮変換されるので、録画番組の圧縮変換がいつまで経ってもされない状態が発生し難くなる。
(変形例2)
上述した実施形態では、トランスコーダ23aは、録画番組を記憶部13に記録する録画時間と等しい時間を掛けて、すなわち等倍速で、変換予定番組の圧縮変換を行っているが、トランスコーダ23aの性能によっては、トランスコーダ23aが等倍速よりも速い速度で圧縮変換できる場合がある。そのような場合は、録画時間と等倍速の時間ではない圧縮変換処理時間に基づいて、上述したS7の判定を行うようにしてもよい。
(変形例3)
上述した実施形態では、トランスコーダ23aが空いているときに、圧縮変換予定の録画番組の中から、所定の順として、録画時刻の古い順に、変換予定番組を選択し、選択した変換予定番組がトランスコーダが動作可能となってから次の録画予約の開始まで空いている空き時間中に、圧縮変換可能な変換予定番組があれば、その変換予定番組を直ぐに圧縮変換している。すなわち、圧縮候補の選択は、所定の順序として、録画時刻の古い順に行われる。
しかし、変形例3として、圧縮候補の選択の所定の順は、録画時刻の新しい順でもよいし、録画番組のデータサイズ順(サイズの大きい順あるいはサイズの小さい順)でもよいし、さらに、他の順序でもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、放送信号から録画された録画番組を圧縮する受信装置に関するが、第2の実施形態は、外部装置などに記録されたデータを圧縮する圧縮装置に関する。本実施形態の圧縮装置は、データ圧縮を行うトランスコーダを有する。
【0091】
本実施形態では、データ圧縮をするトランスコーダを有する圧縮装置において、上述した第1の実施形態と同様に、トランスコーダが空いているときに、外部装置などに記録されたデータが効率よく圧縮される。
【0092】
図5は、第2の実施形態に関わるデータ圧縮システムの構成図である。本実施形態では、データ圧縮システムの圧縮装置51は、建物H内に設置される。建物H内には、ルータ52が設置され、ルータ52を含むネットワークを介して、圧縮装置51、テレビジョン受像機53、レコーダ54及び音楽サーバ55が互いに通信可能に接続されている。
【0093】
ルータ52は、無線LAN機能を有し、スマートフォン56などとの通信も可能となっている。ルータ52は、インターネットなどのネットワーク61と接続するネットワーク機器57にも接続されている。
【0094】
圧縮装置51は、制御部51a、トランスコーダ51b、記憶部51c及び通信部51dを含む。制御部51a、トランスコーダ51b及び記憶部51cは、それぞれ、第1の実施形態の制御部21、トランスコーダ23a及び記憶部13に対応する。
【0095】
通信部51dは、ルータ52との通信のための回路である。制御部51aは、テレビジョン受像機53、レコーダ54、音楽サーバ55及びスマートフォン56などに記録された複数の録画番組、音楽サーバ55に記録された複数の曲等の記録データを、ルータ52を経由して通信により取得し、トランスコーダ51bが空いているときに、圧縮して、記憶部51cに格納したり、テレビジョン受像機53、レコーダ54等に送信する。
【0096】
制御部51aは、CPU、ROM等を含み、ROMには、図2と同様の圧縮変換制御プログラムCCPが格納されている。制御部51aの有する圧縮変換制御プログラムCCPは、図3に示すように、管理部41、抽出部42、判定部43及び圧縮変換部44を含んでいる。
【0097】
本実施形態の管理部41は、トランスコーダ51bの動作を管理する。本実施形態の抽出部42は、映像情報又は音声情報を含む複数の記録データから、所定の順に、1又は2以上の圧縮候補を抽出する。本実施形態の判定部43は、動作可能なトランスコーダ51bにより、抽出された1又は2以上の圧縮候補をデータ圧縮できるかを判定する。圧縮変換制御部としての圧縮変換部44は、判定部43によりデータ圧縮できると判定された記録データの圧縮変換を行う。
【0098】
よって、制御部51aは、ユーザにより指定された録画番組データ、音楽データなどを、トランスコーダ51bが空いているときに、トランスコーダ51bを利用して圧縮変換して、記憶部51cに格納することができる。
【0099】
圧縮装置51では、管理部41によりトランスコーダ51bの空き状態を確認し、抽出部42によりテレビジョン受像機53、レコーダ54、音楽サーバ55と通信して圧縮変換予定の記録データを抽出し、判定部43によりトランスコーダ51bが圧縮変換処理に使用可能であるかを判定し、圧縮変換部44によりトランスコーダ51bが圧縮変換処理に使用可能であるとき抽出した圧縮変化予定の記録データを圧縮変換して記憶部51cに格納する。
【0100】
また、圧縮装置51は、ネットワーク61を介して自動車62に搭載された機器63に記録された映像データや音声データを取得し、圧縮変換処理した映像データ等をネットワーク61を介して機器63に送信することもできる。
【0101】
さらにまた、インターネットのクラウド64上のサーバ64aに記録されている映像情報データ等を圧縮装置51がダウンロードして、上述した圧縮変換処理を実行して、記憶部51cあるいはサーバ64aに格納するようにしてもよい。
【0102】
圧縮変換処理した映像データ等は、通信部51dから、レコーダ54、機器63、サーバ64a等の外部機器に送信される。すなわち、圧縮装置51は、圧縮変換部44において圧縮変換された記録データを、ネットワーク52,61を介して外部機器へ送信するための通信部51dを有する。
【0103】
以上のように、上述した実施形態によれば、記録データの圧縮変換処理を効率よく行うことができ、記録データの圧縮変換がいつまで経ってもされない状態が発生し難い圧縮装置を提供することができる。
【0104】
なお、第1の実施形態の変形例1、2及び3は、第2の実施形態においても適用可能である。
【0105】
以上のように、上述した各実施形態及び各変形例によれば、記録データの圧縮変換処理を効率よく行うことができ、記録データの圧縮変換がいつまで経ってもされない状態が発生し難い受信装置、圧縮装置及びプログラムを提供することができる。
【0106】
なお、以上説明した動作を実行する圧縮変換制御プログラムCCPは、コンピュータプログラム製品として、フレキシブルディスク、CD-ROM等の可搬媒体や、ハードディスク等の記憶媒体に、その全体あるいは一部が記録され、あるいは記憶されている。そのプログラムがコンピュータにより読み取られて、動作の全部あるいは一部が実行される。あるいは、そのプログラムの全体あるいは一部を通信ネットワークを介して流通または提供することができる。利用者は、通信ネットワークを介してそのプログラムをダウンロードしてコンピュータにインストールしたり、あるいは記録媒体からコンピュータにインストールすることで、容易に本発明の受信装置及び圧縮装置を実現することができる。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1 受信装置、11 入力部、12 録画部、13 記憶部、14 映像表示パネル、15 インターフェース、16 テレビジョン受像機、17 圧縮ワークメモリ、21 制御部、21b メモリ、22 再生部、22a 信号検出分離部、22b デコーダ、23 録画部、23a トランスコーダ、41 管理部、42 抽出部、43 判定部、44 圧縮変換部、51 圧縮装置、51a 制御部、51b トランスコーダ、51c 記憶部、51d 通信部、52 ルータ、53 テレビジョン受像機、54 レコーダ、55 音楽サーバ、56 スマートフォン、57 ネットワーク機器、61 ネットワーク、62 自動車、63 機器、64 クラウド、64a サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5