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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】オーラルケア効果をもたらす方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20230619BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 31/618 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 31/35 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 36/28 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q11/00
A61K8/02
A61K8/37
A61P1/02
A61K9/20
A61K47/26
A61K31/045
A61K31/05
A61P31/04
A61P43/00 121
A61K31/618
A61K31/35
A61K45/00
A61K45/06
A61K36/28
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019527172
(86)(22)【出願日】2017-10-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 US2017056554
(87)【国際公開番号】W WO2018093501
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-09-07
(31)【優先権主張番号】PCT/DK2016/050377
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】15/356,175
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507002103
【氏名又は名称】フェルティン ファルマ アー/エス
(73)【特許権者】
【識別番号】522236350
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジョンノッティ・アンソニー・アール
(72)【発明者】
【氏名】ゴラス・パトリシア・エル
(72)【発明者】
【氏名】ウィットルフ・ヘレ
(72)【発明者】
【氏名】ブリュン・ハイディ・ジーグラー
(72)【発明者】
【氏名】ボーセン・ドルテ・シャッキンガー
【審査官】伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-196278(JP,A)
【文献】国際公開第2015/158637(WO,A1)
【文献】特表2007-501273(JP,A)
【文献】特開2003-125706(JP,A)
【文献】特開2007-314565(JP,A)
【文献】特表2008-511671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61P 1/02
A61K 9/20
A61K 47/26
A61K 31/045
A61K 31/05
A61P 31/04
A61P 43/00
A61K 31/618
A61K 31/35
A61K 45/00
A61K 45/06
A61K 36/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのオーラルケア効果をもたらす方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)であって、錠剤を口腔内に導入することと、前記錠剤を咀嚼して前記口腔内に流体を生成することと、生成された前記流体の少なくとも一部を前記口腔全体で強制的に動かした後、前記流体の一部を飲み込むか又は吐き出して前記少なくとも1つのオーラルケア効果をもたらすことと、を含み、
前記錠剤は、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、前記錠剤の40重量%~99重量%の1種類以上の糖アルコールを含み、
前記錠剤はキシリトール、エリスリトール、及びイソマルトを含み、
前記エリスリトールは非直接圧縮性エリスリトールを含む、方法。
【請求項2】
前記錠剤の重量は1グラムよりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記錠剤の前記重量は1.2グラム以上である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記錠剤は200N未満の硬度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記錠剤は2~160Nの硬度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記錠剤は少なくとも20重量%のキシリトールを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記錠剤は4.3グラム以上のG40を有する、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記錠剤は唾液分泌剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記錠剤は、メントール、チモール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種類の精油を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記強制的に動かす工程は、前記流体を少なくとも30秒間にわたって前記口腔全体で強制的に動かすことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
口腔を洗浄する方法(但し、ヒトに対する医療行為を除く)であって、
a.唾液分泌剤と、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される6~99重量%の糖アルコールとを含む、1.3~2グラムの重量を有する錠剤を前記口腔内に導入することと、
b.前記錠剤を咀嚼して前記口腔内に流体を生成することと、
c.生成された前記流体を前記口腔全体で強制的に動かすことと、
d.生成された前記流体の少なくとも一部を飲み込むことと、を含み、
前記錠剤はキシリトール、エリスリトール、及びイソマルトを含み、
前記エリスリトールは非直接圧縮性エリスリトールを含む、方法。
【請求項12】
前記錠剤は4.3グラム以上のG 40 を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記錠剤は2~160Nの硬度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記錠剤は1種類以上の抗菌性精油を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、口臭、歯垢、歯肉炎、又はこれらの2つ以上の組み合わせに関連する細菌を殺滅することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1種類以上の抗菌性精油は、メントール、チモール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記強制的に動かす工程は、飲み込む前に前記流体を少なくとも30秒間にわたって強制的に動かすことを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は一部継続出願であり、2016年11月18日出願の米国特許出願第15/356,175号の利益を主張し、また、2016年11月18日出願の国際出願第PCT/DK2016/050377号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、口腔に1つ以上の効果をもたらす方法に関する。より具体的には、本発明は、1つ以上のオーラルケア効果をもたらすために口腔内にくちゅくちゅすすぎが可能な量の流体を生じさせるのに適した錠剤を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
より完璧な世界では、人々は、日常的な口腔衛生上の慣行の一部として毎食事後に口内を十分に洗浄するであろう。残念ながら、いくつかの要因が重なって、良好な口腔洗浄レジメンのこの基本的要件との幅広い適合を妨げている。
【0004】
洗浄の性質及び洗浄が行われなければならない状況に応じて、口腔洗浄は時として困難又は不便となり得る。家庭のプライバシーに適した、各種の装置及び組成物を使用したブラッシング、フロッシング、舌の清掃及びうがいは、一般的なオーラルケアの慣行である。しかしながら、口腔洗浄の慣行で使用される装置及び組成物は、手洗い設備があまりないか、利用不能であるか、又は不衛生であり得る、家庭から離れた場所で使用するのには不便である。例えば、携帯型のフロス器具は、外出先で歯を洗浄することはできるものの、分離性ではなく、また、使用が楽しめるものではないため、消費者はこれを従順に使用することはない。
【0005】
公衆の面前でのブラッシング、フロッシング、舌の洗浄及びうがいは、全てではないにしても多くの文化圏において社会的に容認される行いとはみなされないため、さまざまなより目立たない口腔洗浄製品が開発されている。これらには、息清涼用ガム及びトローチが含まれる。ガム及びトローチは、さまざまな有益な効果を実現するように処方されているものの、これらは常に社会的に容認されるものとは限らない。例えば、ガムは、学校などの特定の機関及び特定の国では明確に禁止されている。ガム及びミントは長時間にわたって使用され、消費者による一定量の吸い込み又は咀嚼動作を必要とし、これは気を散らさせ、退屈で、望ましくない場合がある。
【0006】
別の携帯用口腔洗浄製品として、マウススプレーがある。マウスウォッシュと同様、マウススプレーは、消費者に短時間で強力な息清涼効果をもたらすことができるが、これはガム又はトローチのような長時間消費製品では強すぎる場合がある。その一方で、マウススプレーは目立ちすぎるきらいがある。マウススプレーの噴霧は、一般的に音を発生させ、これは、公衆の注意を消費者に不要に引きつける。更に、マウススプレーは一般的に比較的高価で複雑な構造の金属製のキャニスター内にパッケージングされているが、これは使用中に詰まる場合があり、また、環境に優しいものではない。更に、スプレーを誤った方向に向けることで、製品が無駄になるだけでなく、目への刺激、顔のべたつき及び/又は衣服の染みにつながり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、使用が容易な形態で、少なくとも1つのオーラルケア効果をもたらす方法が提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、口腔内に錠剤を導入することで流体を生成させ、例えば、くちゅくちゅすすぎ、すすぎ、洗浄などによって、オーラルケア効果をもたらすために、生成された流体の少なくとも一部を口腔全体で強制的に動かすことにより、少なくとも1つのオーラルケア効果をもたらす方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本方法は、口腔全体にわたって動かすことができることによりさまざまなオーラルケア効果をもたらすことができる流体を生成する錠剤の使用を可能とし、これにより、携帯性、投与の容易性、能動的安定性を含む安定性、輸送、加工処理性などを含む錠剤に付随する利点を強化する一方で、マウスウォッシュ又はマウスリンスなどの流体形態に付随する触覚/感覚及び有効性の効果ももたらすことができる。本出願人らは、本発明の方法を用いることで、既知の錠剤/固体送達ビヒクルの既知の使用と比較して、口腔内に多量の流体を生成し、次いでこの流体を口腔全体にわたって動かすことで、口腔洗浄、例えば食べ滓除去、細菌殺滅、例えば歯垢予防、歯肉炎予防、及び悪臭の低減、バイオフィルムの破壊、細菌付着の予防、口腔微生物共同体構造の改変、口腔微生物の代謝プロファイルの改変、抗ウイルス活性、抗炎症、pHバランス、歯のホワイトニング、着色汚れ防止、過敏症予防、虫歯予防、エナメル質の強化、息の清涼化、口腔保水/ドライマウスの緩和、う蝕の修復及び予防、能動送達及び保持、感覚強化、口触りの変化、疼痛緩和、創傷治癒、歯、粘膜、舌に対する他の効果、並びにこれらの2つ以上の組み合わせを含む1つ以上の効果をもたらすことができることを発見した。
【0010】
特定の実施形態では、本発明の方法は、例えば、噛み砕きに対する望ましい抵抗、口触り、水分補充効果、及びこれらの2つ以上の組み合わせを含むオーラルケア効果をもたらすうえでの有効性に加えて、感覚特性の固有の組み合わせを提供する。特定の実施形態では、本方法は、口中に錠剤を入れることと、錠剤の機械的な噛み砕き/噛みを含む、咀嚼することと、を含む。下記に更に述べるように、かかる実施形態では、錠剤は、望ましい「噛み応え」、すなわち噛み砕きに対する抵抗を有する。特定の実施形態で提供される口触りは、好ましくは比較的滑らかである、すなわち、砂のような、若しくはざらざらした感じが低減したものとして、又は錠剤を口中で咀嚼又は溶かす間に、砂のような、若しくはざらざらした感じからの速やかな移行として述べられる。水分補充効果に関しては、口触り効果及び/又は流体の生成を促進するために水分補充又は唾液分泌効果を有することが好ましい。
【0011】
本発明の方法は、口中で驚くべき量の生成された流体を一定期間、保持し、動かすことをもたらすことで、1つ以上のオーラルケア効果を可能とする。特定の実施形態では、本発明の方法は、錠剤を使用して、本明細書で下記に述べられる流体生成試験により測定した場合に約40秒におけるグラム単位の量(G40)として記録される、約4グラム以上、例えば、約4.1グラム以上、約4.2グラム以上、約4.3グラム以上、約4.4グラム以上、約4.5グラム以上、約4.6グラム以上、約4.7グラム以上、約4.8グラム以上、約4.9グラム以上、及び約5グラム以上の流体の量を生成する。特定の好ましい実施形態では、本方法は、約4.5グラム以上及び約4.8グラム以上を含む、約4.3グラム以上のG40を有する錠剤を使用する。実施例2に示すように、比較として、各種の比較錠剤は、3.9グラム未満及び3.5グラム未満を含む、4グラム未満のG40を示した。
【0012】
各種の錠剤のいずれをも、流体を生成するために本発明にしたがって使用することができる。特定の好ましい実施形態では、本発明の錠剤は、チュアブルで溶解可能な錠剤である。当業者には認識されるように、チュアブルで溶解可能な錠剤には、噛むことがより困難である傾向を有し(硬い固体形態)、かつ/若しくはその通常の使用では時間の経過とともに溶解しない部分(ガム)を含有する、例えば、ガム及び/又は比較的硬い固体形態(例えば、トローチ及び/又はハードキャンディ)に対して、例えば、使用者が噛んで咀嚼することができ、時間と共に溶解する傾向を有する錠剤が含まれる。したがって、本発明の錠剤は、例えば、本明細書に述べられる錠剤硬度試験を使用して測定した場合の例えば300ニュートン(N)以下の硬度を含む、使用者が錠剤を噛み砕き、咀嚼することができるような硬度を有する傾向にある。特定の実施形態では、本発明の錠剤は、200N未満、約25~約200N、約25~約160N、約25~約100N、及び約100~約200Nを含む、約25~約250Nの硬度を有する。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、約25~約100N、及び約25~約50Nを含む、約25~約160Nの硬度を有する。
【0013】
本発明の錠剤は、本方法で使用される流体の生成に使用するための任意の適当なサイズ/重量のものとすることができる。特定の実施形態では、錠剤は、約1.1グラム以上、約1.2グラム以上、約1.3グラム以上、又は約1.5グラム以上を含む、1グラムよりも多い量である。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、約1.1グラム~約2.5グラム、約1.1グラム~約2グラム、約1.3グラム~約2.5グラム、約1.3グラム~約2グラム、約1.5グラム~約2.5グラム、及び約1.5グラム~約2グラムを含む、約1.1グラム~約3グラムである。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、約1.5グラム~約2グラムを含む、約1.3~約2グラムである。
【0014】
特定の実施形態では、本発明の錠剤は、約5~約15ミリメートル(mm)、約5~約12mm、約6~約12mm、約8~約12mm、約7~約8mmの厚さを含む、任意の適当な厚さのものとすることができる。錠剤はまた、約5~約20mm、約8~約18mm、約10~約18mm、約12~約18mm、及び約12~約16mmを含む、任意の適当なサイズの直径、対角線、又は最長縁の長さを有することもできる。
【0015】
本発明の錠剤は、当該技術分野では周知のさまざまな錠剤化のいずれかの方法によって調製することができる。錠剤製造の従来の方法としては、直接圧縮(「乾式ブレンド」)、乾燥造粒に続く圧縮、湿式造粒に続く乾燥及び圧縮、熱、マイクロ波、赤外線、及び他のエネルギーを印加することを含む、錠剤化される材料のブレンドへのエネルギーの印加、これらの2つ以上の組み合わせなどが挙げられる。これらの方法のそれぞれは、当該技術分野では詳細に述べられており、当業者により容易に認識されよう。特定の好ましい実施形態では、錠剤は直接圧縮によって製造される。
【0016】
本発明の錠剤は、錠剤中での使用に適した広範な材料のいずれかを含んでもよい。特定の実施形態では、本発明の錠剤は、少なくとも1種類の炭水化物を含む。炭水化物の例としては、これらに限定されるものではないが、デキストロース、デキストロース一水和物、ラクトース、グルコース、フルクトース、マルトデキストリン、スクロース、固形コーンシロップ及びマンノースなどの糖類、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、及びポリオールを含む糖アルコールなどの炭水化物アルコール、並びにこれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、例えば、キシリトール、マルチトール、及びこれらの組み合わせ、又は、キシリトール、エリスリトール、イソマルト、並びに、キシリトール、エリスリトール、及びイソマルトの組み合わせを含むこれらの組み合わせを含む、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、及びイソマルトからなる群から選択される1種類以上の糖アルコールを含む。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、エリスリトールを単独で、又は1種類以上の更なる糖アルコールと組み合わせて含む。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、キシリトールを単独で、又は1種類以上の更なる糖アルコールと組み合わせて含む。他の好ましい実施形態では、錠剤は、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される1種類以上の糖アルコールを含む。
【0017】
本発明で使用される炭水化物は、直接圧縮性(DC)又は非直接圧縮性(非DC)であってよい。DC及び非DCという用語は、当業者には容易に理解されるものである。糖アルコールの供給元によって、錠剤の圧縮に関連して用いられる性能に関して明確な指針が使用者に提供されている。これに関連して、非DC粒子は、供給元によって圧縮することが明確に推奨されない粒子として言及されている。非DCグレードのエリスリトールの例としては、Cargill社により供給されるZerose(商標)エリスリトール16952Fがあるのに対して、エリスリトールの直接圧縮性(DC)グレードの例としては、同じくCargill社により供給されるZerose(商標)DC16966がある。特定の実施形態では、錠剤は、DC及び非DC炭水化物の両方を含む。特定の実施形態では、錠剤は、非DCエリスリトールを、1種類以上のDC糖アルコールと組み合わせて含む。他の実施形態では、錠剤はDC炭水化物を含み、非DC糖アルコールを実質的に含まない。本明細書の全体を通じて使用するところの「実質的に含まない」なる用語は、言及される実質的に含まれない材料の、錠剤の重量に対する重量%の量が、10%以下、好ましくは5%以下、好ましくは1%以下、好ましくは0.5%以下、好ましくは0.1%以下であることを意味する。特定の実施形態では、「実質的に含まない」なる用語は、錠剤が、言及される実質的に含まれない材料を含まない(0%を有する)ことを意味する。
【0018】
非DCエリスリトールを含む特定の実施形態では、非DCエリスリトール粒子の量は、比較的高量である。従来の意味でのエリスリトールは圧縮するのに魅力的とはみなされないが、かかる方法では、使用者によって知覚される口触り及び唾液分泌が低量又は同量のDCエリスリトールと比較して改善されることを考慮すると、これは特に高い。
【0019】
特定の実施形態では、本発明の錠剤は、錠剤の約40~約99重量%、約60~99重量%、約75~約95重量%、約80~約90重量%を含む、錠剤の少なくとも40重量%の全炭水化物の総量を含む。特定の好ましい実施形態では、炭水化物は1種類以上の糖アルコールを含み、錠剤は、錠剤の約40~約99重量%、約60~99重量%、約75~約95重量%、約80~約90重量%を含む、錠剤の少なくとも40重量%の糖アルコールの総量を含む。特定の実施形態では、錠剤は、少なくとも20%のキシリトール及び少なくとも20%の1種類以上の他の糖アルコールを含む、2種類以上の炭水化物のそれぞれを少なくとも20%含む。特定の実施形態では、錠剤は、約20~50%のキシリトール、約20~40%の非DCエリスリトール、及び約20~40%のイソマルトを含む、約20~50%のキシリトールと約20~50%のエリスリトール(DC又は非DC)とを含む混合物を含む、約20~50%のキシリトールを含む。特定の実施形態では、錠剤は、約20~50%のキシリトールと、ソルビトール、ラクチトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも20%の1種類の他の糖アルコールとを含む。
【0020】
特定の実施形態では、錠剤は無糖である。当業者には容易に理解されるように、かかる錠剤は糖アルコールを含有してもよいが、それでもグルコース、デキストロース、スクロース、又は糖分子のオリゴマー/ポリマーなどの糖は実質的に含まない。
【0021】
本発明の錠剤は、オーラルケア効果をもたらすうえで用いられる1種類以上の活性成分を含むことができる。特定の実施形態では、活性成分としては、これらに限定されるものではないが、食べ滓の除去を含む口の洗浄、歯垢予防、歯肉炎予防、及び悪臭の低減を含む抗菌性、バイオフィルムの破壊、細菌付着の予防、口腔微生物の共同体構造の改変、口腔微生物の代謝プロファイルの改変、抗ウイルス活性、抗炎症性、pHバランス、歯のホワイトニング、着色汚れ防止、過敏症予防、虫歯予防、エナメル質の強化、息の清涼化、口腔保水/ドライマウスの緩和、う蝕の修復及び予防、能動送達及び保持、感覚強化、口触りの変化、疼痛緩和、創傷治癒などの効果をもたらすためのさまざまな活性物質のいずれもが含まれる。
【0022】
特定の実施形態では、本発明の組成物は精油を含む。精油は、揮発性の芳香油であり、合成されてもよく、又は蒸留、圧搾、若しくは抽出による植物由来であってもよく、通常、それらが得られた植物の匂い又は香味を伝える。有用な精油は、殺菌活性を提供することができる。これらの精油のいくつかは、香味剤としても作用する。有用な精油としては、シトラ、チモール、メントール、サリチル酸メチル(ウィンターグリーン油)、ユーカリプトール、カルバクロール、カンファー、アネトール、カルボン、オイゲノール、イソオイゲノール、リモネン、オシメン、n-デシルアルコール、シトロネル、a-サルピネオール、酢酸メチル、酢酸シトロネリル、メチルオイゲノール、シネロ-ル、リナロール、エチルリナラオール、サフロラバニリン、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、月桂樹油、ニオイヒバ油、ゲリアノール、ベルベノーン、アニス油、ベイ油、ベンズアルデヒド、ベルガモット油、苦扁桃、クロロチモール、桂皮アルデヒド、シトロネラ油、クローブ油、コールタール、ユーカリ油、グアヤコール、ヒノキチオールのようなトロポロン誘導体、ラベンダー油、カラシ油、フェノール、サリチル酸フェニル、パイン油、マツ葉油、サッサフラス油、スパイクラベンダー油、ストラックス、タイム油、トルーバルサム、テレビン油、クローブ油、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
特定の好ましい実施形態では、本発明の錠剤は、メントール、チモール、ユーカリプトール、及びサリチル酸メチルからなる群から選択される1種以上の生物活性精油を含む。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、メントールと、チモール、ユーカリプトール、及びサリチル酸メチルから選択される少なくとも1つの他の精油とを含む。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、メントール及びユーカリプトール、メントール、ユーカリプトール、及びチモール、又はメントール、ユーカリプトール、チモール、及びサリチル酸メチルを含む。チモール((CHCHC(CH)OH)、イソプロピル-m-クレゾールとしても知られる)は、水にはごくわずかしか溶解しないがアルコールには可溶であり、その存在こそが、確立された高アルコール含量の市販の口腔洗浄剤にアルコールが必要とされた理由の1つである。サリチル酸メチル(COHCOOCH、ウィンターグリーン精油としても知られる)は、その抗菌機能とともに矯味を更に提供する。ユーカリプトール(C1018O、シネオールとしても知られている)はテルペンエーテルであり、清涼感のあるピリッとした味を与える。ユーカリプトールは、ある製剤において、必要に応じてチモールの代わりに同量使用してもよい。メントール(CH(C)OH、ヘキサヒドロチモールとしても知られる)もアルコールにはごくわずかにしか溶けず、いくぶん揮発性である。メントールは、いくらかの消毒特性に加えて、清涼感、ヒリヒリ感を提供する。
【0024】
他の適当な抗菌剤としては、ハロゲン化ジフェニルエーテル、2’,4,4’-トリクロロ-2-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル(トリクロサン)、2,2’-ジヒドロキシ-5,5’-ジブロモ-ジフェニルエーテル、ハロゲン化サルチルアニリド、4’5-ジブロモサリチルアニリド、3,4’,5-トリクロロサリチルアニリド、3,4’,5-トリブロモサリチルアニリド、2,3,3’,5-テトラクロロサリチルアニリド、3,3’,5-テトラクロロサリチルアニリド、3,5,ジブロモ-3’-トリフルオロメチルサリチルアニリド、5-n-オクタノイル-3’-トリフルオロメチルサリチルアニリド、3,5-ジブロモ-4’-トリフルオロメチルサリチルアニリド、3,5-ジブロモ-3’-トリフルオロメチルサリチルアニリド(フルロフェン(Flurophene))、安息香酸エステル、メチル-p-ヒドロキシ安息香酸エステル、エチル-p-ヒドロキシ安息香酸エステル、プロピル-p-ヒドロキシ安息香酸エステル、ブチル-p-ヒドロキシ安息香酸エステル、ハロゲン化カルバニリド、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、3-トリフルオロメチル-4,4’-ジクロロカルバニリド、3,3’,4-トリクロロカルバニリド、フェノール化合物(フェノール及びその類似体、モノ及びポリアルキル及び芳香族ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)-フェノール、レゾルシノール及びカテコール、並びにそれらの誘導体及びビスフェノール化合物を含む)、2メチル-フェノール、3メチル-フェノール、4メチル-フェノール、4エチル-フェノール、2,4-ジメチル-フェノール、2,5-ジメチル-フェノール、3,4-ジメチル-フェノール、2,6-ジメチル-フェノール、4-n-プロピル-フェノール、4-n-ブチル-フェノール、4-n-アミル-フェノール、4-tert-アミル-フェノール、4-n-ヘキシル-フェノール、4-n-ヘプチル-フェノール、2-メトキシ-4-(2-プロペニル)-フェノール(オイゲノール)、モノ及びポリアルキル及びアラルキルハロフェノール、メチル-p-クロロフェノール、エチル-p-クロロフェノール、n-プロピル-p-クロロフェノール、n-ブチル-p-クロロフェノール、n-アミル-p-クロロフェノール、sec-アミル-p-クロロフェノール、n-ヘキシル-p-クロロフェノール、シクロヘキシル-p-クロロフェノール、n-ヘプチル-p-クロロフェノール、n-オクチル-p-クロロフェノール、O-クロロフェノール、メチル-o-クロロフェノール、エチル-o-クロロフェノール、n-プロピル-o-クロロフェノール、n-ブチル-o-クロロフェノール、n-アミル-o-クロロフェノール、tert-アミル-o-クロロフェノール、n-ヘキシル-o-クロロフェノール、n-ヘプチル-o-クロロフェノール、p-クロロフェノール、o-ベンジル-p-クロロフェノール、o-ベンジル-m-メチル-p-クロロフェノール、o-ベンジル-m,m-ジメチル-p-クロロフェノール、o-フェニルエチル-p-クロロフェノール、o-フェニルエチル-m-メチル-p-クロロフェノール、3-メチル-p-クロロフェノール、3,5-ジメチル-p-クロロフェノール、6-エチル-3-メチル-p-クロロフェノール、6-n-プロピル-3-メチル-p-クロロフェノール、6-イソ-プロピル-3-メチル-p-クロロフェノール、2-エチル-3,5-ジメチル-p-クロロフェノール、6-secブチル-3-メチル-p-クロロフェノール、2-イソ-プロピル-3,5-ジメチル-p-クロロフェノール、6-ジエチルメチル-3-メチル-p-クロロフェノール、6-イソ-プロピル-2-エチル-3-メチル-p-クロロフェノール、2-secアミル-3,5-ジメチル-p-クロロフェノール、2-ジエチルメチル-3,5-ジメチル-p-クロロフェノール、6-sec-オクチル-3-メチル-p-クロロフェノール、p-ブロモフェノール、メチル-p-ブロモフェノール、エチル-p-ブロモフェノール、n-プロピル-p-ブロモフェノール、n-ブチル-p-ブロモフェノール、n-アミル-p-ブロモフェノール、sec-アミル-p-ブロモフェノール、n-ヘキシル-p-ブロモフェノール、シクロヘキシル-p-ブロモフェノール、o-ブロモフェノール、tert-アミル-o-ブロモフェノール、n-ヘキシル-o-ブロモフェノール、n-プロピル-m、m-ジメチル-o-ブロモフェノール、2-フェニルフェノール、4-クロロ,2-メチルフェノール、4-クロロ-3-メチルフェノール、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,4-ジクロロ-3,5-ジメチルフェノール、3,4,5,6-テトラブロモ-2-メチルフェノール、5-メチル-2-ペンチルフェノール、4-イソプロピル-3-メチルフェノール、5-クロロ-2-ヒドロキシジフェニルメタン、レゾルシノール及びその誘導体、レゾルシノール、メチル-レゾルシノール、エチル-レゾルシノール、n-プロピル-レゾルシノール、n-ブチル-レゾルシノール、n-アミル-レゾルシノール、n-ヘキシル-レゾルシノール、n-ヘプチル-レゾルシノール、n-オクチル-レゾルシノール、n-ノニル-レゾルシノール、フェニル-レゾルシノール、ベンジル-レゾルシノール、フェニルエチル-レゾルシノール、フェニルプロピル-レゾルシノール、p-クロロベンジル-レゾルシノール、5-クロロ-2,4-ジヒドロキシジフェニルメタン、4’-クロロ-2,4-ジヒドロキシジフェニルメタン、5-ブロモ-2,4-ジヒドロキシジフェニルメタン、4’-ブロモ-2,4-ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノール化合物、ビスフェノールA、2,2’-メチレンビス(4-クロロフェノール)、2,2’-メチレンビス(3,4,6-トリクロロフェノール)(ヘキサクロロフェン)、2,2’-メチレンビス(4-クロロ-6-ブロモフェノール)、ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)スルフィド、ビス(2-ヒドロキシ-5-クロロベンジル)スルフィド、メントキシ-1,2-プロパンジオール、オルトメトキシシンナムアルデヒド、メンチル-3-ヒドロキシブタノエート、これらの2つ以上の組み合わせなどが挙げられる。
【0025】
他の抗菌剤としては、これらに限定されるものではないが、ヘキセチジン、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノレライジン酸、アラキドン酸ビタミンE、酢酸ビタミンE、アピゲニン、及びこれらの混合物などの脂肪酸化合物、参照によりその全容を本明細書に援用するところの米国特許出願公開第20110123462号(Mordasら)に記載されるものなどの長鎖脂肪アルコール(その例としては、これらに限定されるものではないが、1-デセン-3-オール、cis-4-デセン-1-オール、trans-2-デセン-1-オール、cis-2-ノネン-1-オール、cis-4-デセナール、trans-2-デセナール、cis-7-デセナール、cis-5-オクテン-1-オール、trans-2-オクテン-1-オール、1-オクテン-3-オール、cis-3-ノネン-1-オール、trans-2-ノネン-1-オール、cis-6-ノネン-1-オール、9-デセン-1-オール、trans-2-ウンデセン-1-オール、trans-2-ドデセン-1-オール、trans-2-オクテナール、trans-2-ノネナール、6-ノネナール、cis-2-デセナール、trans-2-ウンデセナール、trans-2-ドデセナール、cis-3-オクテン-1-オール、3-オクテン-2-オール、10-ウンデセン-1-オール、trans-2-トリデセン-1-オール、これらの立体異性体、及びこれらの混合物)、ファルネソールなどの環状セスキテルペンアルコール類、参照によりその全容を本明細書に援用するところのEngelmanらの米国特許第5,874,068号に記載されるものなどのN’-アルキル-L-アルギニンアルキルエステル(例えば、ラウロイルアルギニンエチルエステル)及び塩、参照によりその全容を本明細書に援用するところの、Gambogiらの米国特許出願公開第20160145203号に記載されるアミノ酸誘導体化合物、例えば、レトロサイクリン(RC101)、プロテグリン-1(PG1)、又はKSL-Wなどの抗菌ペプチド、並びに、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、及びこれらの混合物などのカチオン性界面活性剤を含む界面活性剤、などが挙げられる。更に、クランベリーに見いだされるプロアントシアニジン(PAC)を含む、特定の植物又は果実の抗菌性抽出物が含まれてもよく、例えば、フラバン-3-オール(及びそのポリマー)、プロシアニジン(及びそのポリマー)、テルペン(及びそのポリマー)、ヒドロキシベンゾール酸、ヒドロキシケイ皮酸、アントシアニジン(及びそのポリマー)、フラボノール(及びそのポリマー)、並びに他のシアニジン及びペオニジンなどがある。ペパーミント油及びセージ油などの油類もまた、本明細書において有用である。
【0026】
他の適当な活性物質としては、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ、及びフッ化アミンなどのフッ化物イオン源(例えば、約1~5000ppmのフッ化物イオン、任意選択的に約200~1150ppmのフッ化物イオンを与える)、炭酸カルシウム、αリン酸三カルシウム、又はカルシウムのホスホリルオリゴ糖などの非フッ素系歯強化剤、水溶性ピロリン酸塩などの抗結石剤、好ましくは、アルカリ金属ピロリン酸塩、ポリアクリレート、並びに、例えばGaffarらの米国特許第4,627,977号に記載されるような、無水マレイン酸又は酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー(例えば、Gantrez)、並びに、例えば、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド(ポリアスパラギン酸、及びポリグルタミン酸など)、及びこれらの2つ以上の混合物、水溶性ピロリン酸塩などの抗結石剤、好ましくはアルカリ金属ピロリン酸塩、酒石酸及びその薬学的に許容される塩、クエン酸及びクエン酸アルカリ金属塩、並びにこれらの混合物などのキレート剤、硝酸カリウム及び塩化カリウムなどのカリウム塩、並びに塩化ストロンチウム及び酢酸ストロンチウムなどのストロンチウム塩を含む、歯過敏症を低減させる歯感度低下剤、歯ホワイトニング剤及びビタミンAなどのビタミン類、並びに、無機白色顔料、無機着色顔料、真珠光沢剤、充填剤粉末などの顔料及び着色料、並びにタルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、赤酸化鉄、茶色酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、シルク粉末、結晶性セルロース、デンプン、チタン化雲母、酸化鉄チタン化雲母、オキシ塩化ビスマス、及びこれらの2つ以上の混合物、が挙げられる。
【0027】
酵素は、本組成物中に使用することができる別の種類の活性物質である。有用な酵素としては、プロテアーゼ、溶菌酵素、歯垢マトリックス阻害剤、及びオキシダーゼの分類に属するものが挙げられ、プロテアーゼとしては、パパイン、ペプシン、トリプシン、フィシン、ブロメリンが挙げられ、細胞壁溶菌酵素としてはリゾチームが挙げられ、歯垢マトリックス阻害剤としては、デキストラナーゼ、ムタナーゼが挙げられ、オキシダーゼとしては、グルコースオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼを含むペルオキシダーゼが挙げられる。オキシダーゼは、抗菌特性に加えてホワイトニング/洗浄活性をも有する。
【0028】
アルギニン、アルギニン一塩酸塩、及びイヌリン型フルクタン、マルトデキストリン、フラクトオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖を含む、口内細菌により代謝されて口腔内で有益な効果を生じさせる成分がこれらの錠剤に含まれてもよい。更に、これらの錠剤を使用して、特定の種のラクトバチルス(Lactobacilli)及びビフィズス菌(bifidobacteria)、サッカロミセス属(Saccharomyces spp)、連鎖球菌(Streptococci)、腸球菌、及び共生大腸菌を含む細菌のプロバイオティクス菌株を送達することができる。
【0029】
また、錠剤は、口腔疾患又は口腔又は中咽頭に生じる疾患症状を治療するために、麻酔薬、抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、及び抗炎症化合物などの医薬活性物質を送達するために使用することもできる。
【0030】
特定の実施形態では、本発明で使用される錠剤は、さまざまな唾液分泌剤(唾液刺激剤又は唾液剤としても知られる)のいずれかを含んでもよい。適当な唾液分泌剤としては、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アスコルビン酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸などの食品有機酸、例えば、ピロカルピン塩酸塩のようなコリンエステル、又はコリンエステラーゼ阻害剤などの副交感神経興奮薬、及びこれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。更なる好適な唾液刺激剤が、例えば、その全容を本明細書に援用するところの米国特許第4,820,506号及び同第8,435,542号に記載されている。特定の好ましい実施形態では、唾液分泌剤は、クエン酸、コハク酸、若しくはこれらの組み合わせを、単独で、又は他の唾液分泌剤と組み合わせて含む。特定の好ましい実施形態では、唾液分泌剤は、米国特許第8,435,542号に記載のジャンブ-オレオレジン抽出物を含む。唾液分泌剤は、錠剤の約0.01~約3重量%、約0.01~約1重量%、約0.01~約0.5重量%、約0.01~約0.25重量%、及び約0.01~約0.1重量%を含む、錠剤の約0.001~約5重量%を含む、本発明で使用するための任意の好適な量で存在してよい。
【0031】
本発明で使用する錠剤は、例えば、甘味料、潤滑剤、充填剤、吸着剤、崩壊剤、滑剤、超崩壊剤、香味料及び芳香剤、酸化防止剤、防腐剤、質感向上剤、着色剤など、並びにこれらの2つ以上の混合物を含む、錠剤中での使用に適したさまざまな追加成分のいずれかを含んでもよい。
【0032】
特定の実施形態では、錠剤は、これらに限定されるものではないが、合成糖又は天然糖、サッカリンナトリウムを含むサッカリン及びその塩、アスパルテーム、並びにアセスルファムカリウムを含むアセスルファム及びその塩、タウマチン、グリチルリチン、スクラロース、ジヒドロカルコン、アリテーム、ミラクリン、モネリン、ステビオシド、並びにこれらの2つ以上の組み合わせなどの合成甘味料を含む、追加甘味料を含んでもよい。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、スクラロース、アセスルファムカリウム、又はこれらの組み合わせを含む。錠剤は、錠剤の約0.02~約8重量%、約0.1~約3重量%、約0.1~約1重量%、及び約0.1~約0.5重量%を含む、約0.001~約8重量%を含む任意の好適な総量の追加甘味料を含むことができる。
【0033】
錠剤はまた、特定の実施形態において潤滑材料を含んでもよい。好適な潤滑剤としては、これらに限定されるものではないが、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸などの長鎖脂肪酸及びそれらの塩、タルク、グリセリドワックス、及びこれらの混合物が挙げられる。かかる材料は、錠剤の約0.5~約2重量%を含む、約0.1~約5重量%、約0.5~約3重量%を含む、約0.01~約5重量%を含む任意の好適な量で存在してよい。
【0034】
好適な充填剤としては、これらに限定されるものではないが、非水溶性塑性変形材料(例えば、微結晶セルロース又は他のセルロース誘導体)、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な吸着剤としては、これらに限定されるものではないが、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、ケイ酸処理微結晶セルロース(例えば、PROSOLVブランド(PenWest Pharmaceuticals社、Patterson、NY)で流通されるもの)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(例えば、NEUSILINブランド(Fuji Chemical Industries(USA)Inc社(Robbinsville,NJ)で流通されるもの)、粘土、シリカ、ベントナイト、ゼオライト、ケイ酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ビーガム、及びこれらの混合物などの非水溶性吸着剤が挙げられる。好適な崩壊剤としては、これらに限定されるものではないが、グリコール酸ナトリウムデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、微結晶セルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
超崩壊剤の例としては、これらに限定されるものではないが、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、及び架橋ポビドン(クロスポビドン)が挙げられる。一実施形態では、錠剤は、かかる超崩壊剤を最大約5重量%含有する。
【0036】
香味料及び芳香剤の例としては、これらに限定されるものではないが、アルコール、エステル、アルデヒド、及びラクトンの混合物を含有する細断された花、葉、果皮、若しくはパルプ化全果実の蒸留物、溶媒抽出物、又は冷圧搾物を含む精油、精油の希釈溶液、又は果実(例えば、イチゴ、ラズベリー、及びクロスグリ)の天然の風味と一致するようにブレンドされた合成化学物質の混合物のいずれかを含む、エッセンス、例えば、コニャック、ウィスキー、ラム、ジン、シェリー、ポート、及びワインなどの醸造酒及び蒸留酒の人工並びに天然香味料、タバコ、コーヒー、茶、ココア、及びミント、レモン、オレンジ、及びライムなどの、水洗い、擦り洗いした果物から圧搾された果汁を含む果汁、オランダハッカ、ペパーミント、ウィンターグリーン、シナモン、カカオ/ココア、バニラ、カンゾウ、メントール、ユーカリ、アニシード、ナッツ類(例えば、ピーナッツ、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、クリの実、クルミ、コーラの実)、アーモンド、レーズン、及び、粉末、細粉、又はショウガ根を含む植物材料部分が挙げられる。
【0037】
酸化防止剤の例としては、これらに限定されるものではないが、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エデト酸、及びエデト酸塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0038】
防腐剤の例としては、これらに限定されるものではないが、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、及びソルビン酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
質感向上剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ペクチン、ポリエチレンオキシド、及びカラギーナン、並びにこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、質感向上剤は、約0.1重量%~約10重量%の濃度で使用される。
【0040】
一実施形態では、錠剤は、1種類以上の発泡性カップル剤を更に含有する。一実施形態では、発泡性カップル剤は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸ナトリウムからなる群からの1つの構成材と、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、リン酸、及びアルギン酸からなる群から選択される1つの構成材とを含有する。一実施形態では、粉末ブレンド/錠剤中の発泡性カップル剤(複数可)の合計量は、粉末ブレンド/錠剤の総重量の約2~約20重量%、例えば約2~約10重量%である。
【0041】
いくつかの実施形態では、錠剤は、その成分を混合し、各成分がシロップに溶融するまで加熱した後、混合物を加圧二酸化炭素ガス(約600ポンド/平方インチ、又はpsi)に曝露してから冷却することによって、製造することができる。このプロセスにより、細かな高圧の気泡がキャンディー内に閉じ込められる。錠剤が口中に置かれて唾液と接触すると、錠剤は壊れて溶解し、気泡から二酸化炭素を放出する結果、弾けるような音及びシューシュー言う音を生じ、わずかなヒリヒリする感覚を残す。
【0042】
上記に述べたように、好ましい実施形態では、本発明の錠剤はガムではなく、チュアブルで溶解可能な錠剤と異なり、ガムを製造するために従来使用されているガムベースを実質的に含まない。好ましい実施形態では、本発明の錠剤は、そうした用語及びその製造が当該技術分野では理解されており、その製品形態は、チュアブルで溶解可能な錠剤よりもゆっくりと溶解することを意図するハードキャンディ又はトローチを形成するように充分に加熱されない。
【0043】
本発明の方法は、口腔内に本発明の錠剤を導入することを含む。さまざまな既知の手段のいずれをも、導入工程に用いることができる。例えば、錠剤を使用者の口中に手で入れてもよく、錠剤をアプリケータ、包装、容器、投与装置、又はかかる目的に好適な他の物品若しくは機械によって導入することもできる。
【0044】
本発明の方法は、錠剤を導入した後に口腔内に流体を、好ましくは口腔内に導入された錠剤からの成分を含む流体を生成することを更に含む。容易に理解されるように、好ましい実施形態では、流体を生成する工程は、口腔内の唾液の生成を、単独で又は流体を生成するための他の手段と組み合わせて刺激することを含む。好ましくは、流体を生成する工程は、錠剤の少なくとも一部を溶解させることと、唾液の生成を刺激することとを、順次及び/又は同時のいずれかの順序で含む。好ましい実施形態では、流体は、錠剤とともに口腔内に更なる流体、例えば水、溶媒、又は他の飲料若しくは摂取可能な流体を導入することなく、本発明に基づいて生成される。好ましい実施形態では、錠剤は、本発明に基づいて流体を生成するために、口腔内への錠剤の導入の前又はそれと同時に水/流体と混合されることもなければ、また、更なる水/流体が口腔内の錠剤に加えられることもない。
【0045】
特定の実施形態では、本発明の方法は、錠剤を導入した後、前記錠剤を咀嚼して口腔内に流体を生成すること、好ましくは錠剤の少なくとも一部を溶解させるため、又は溶解させながら、前記錠剤を咀嚼して、前記錠剤からの各成分を含む流体を生成することを含む。錠剤は、例えば、少なくとも10秒間、少なくとも15秒間、少なくとも20秒間、又は少なくとも30秒間を含む、少なくとも5秒間にわたって咀嚼することを含む咀嚼工程を含む実施形態に基づいて流体を生成するのに充分な任意の時間にわたって、咀嚼することができる。特定の好ましい実施形態では、錠剤は、約10秒間、又は少なくとも10秒間にわたって咀嚼される。
【0046】
本方法は、生成された流体の少なくとも一部を口腔全体で強制的に動かす工程を含む。本明細書で使用するところの強制的に動かす工程は、口腔内に任意の好適な大きさの力を作用させて任意の1以上の方向、例えば、左右交互、上、下、後、前、歯、歯肉、頬、及び/又は口腔内の別の表面の前方、後方、周囲、その上に、及び/又はそれを通じて流体を動かすことを含む。特定の実施形態では、流体は、(a)口腔の舌面から口腔の頬側面及び/又は唇面に向かって、又はその上に、(b)口腔の頬側面及び/又は唇面から口腔の舌面に向かって、あるいは(a)及び(b)の両方に強制的に動かされる。特定の実施形態では、流体は、頬及び/又は舌の筋肉運動を利用して、口腔全体で強制的に動かされる。特定の実施形態では、流体は、唇が閉じた状態で、口腔全体で強制的に動かされる。特定の好ましい実施形態では、強制的に動かす工程は、頬及び舌の筋肉運動を利用して、生成された流体の少なくとも一部を唇が閉じた状態で口腔全体で動かすことを含む。流体は、例えば、口中でくちゅくちゅする、すすぐ、洗浄する、回す、うがいする、揺動する、激しく動かす、ばしゃばしゃ動かす、口中に引く(irrigating)、動作させる(actuating)、勢いよく流す(gushing)、潅水する(douching)、噴出させる(swooshing)、跳ねさせる(splooshing)、絞り出す(squooshing)、押し出す、誘導する(maneuvering)、混合する、回転させる(twisting)、流す、浸す、循環させる、分配する、分散する、濡らす、動かす、などを含む、本発明に基づく任意の好適な形で、任意の1以上の方向に、又はさもなければ流体をマウスウォッシュ、マウスリンス、若しくは他の液体オーラルケア製品として使用して、強制的に流すことができる。流体は、少なくとも5秒、少なくとも10秒、少なくとも15秒、少なくとも20秒、又は少なくとも30秒を含む任意の好適な時間にわたって、口腔内で強制的に流す/動かすことができる。特定の好ましい実施形態では、流体は、約30秒間、又は少なくとも30秒間にわたって、揺動される。
【0047】
特定の実施形態では、本方法で生成された流体は、使用者が飲み込む/摂取してもよく、又は動かす工程の後で排出/吐き出してもよい。特定の好ましい実施形態では、本方法は、流体の少なくとも一部を飲み込むことを含む。
【0048】
限定することを意図するものではないが、使用される本方法の一実施形態の一例は、(a)一般的に流体を生成するのに適し、かつ/又は好ましくは少なくとも4グラムのG40を有する錠剤を、使用者の口腔内に導入することと、(b)使用者に、好ましくは流体を生成するのに好適な時間にわたって錠剤を咀嚼させて、好ましくは錠剤の少なくとも一部を咀嚼及び/又は溶解することによって口腔内に導入された錠剤からの材料/成分を含有する流体を生成することと、(c)口腔内の流体の少なくとも一部をくちゅくちゅすすぎ、又は別の形で動かすことと、その後、(d)飲み込むことと、を含むことができる。別の実施形態では、使用者は錠剤を口腔内に導入し、錠剤を溶解させて流体を生成し、その少なくとも一部を口腔内で動かした後、飲み込むか又は吐き出すことができる。
【0049】
特定の好ましい実施形態では、本発明の方法は、口を洗浄する方法を含む。かかる方法には、口腔から食べ滓を除去する方法であって、例えば、歯又は歯肉内の食物粒子若しくは他の食べ滓を除去することと、かつ/又は、息の清涼化をもたらし、口臭に関連する細菌を殺滅することとを含む方法が含まれ得る。本出願人らは、本方法が、従来技術の錠剤と比較して、口全体で動かすことで効果的に食べ滓を除去し、かつ/又は錠剤から口腔の各表面に抗菌活性物質を送達して細菌を殺滅することができる、錠剤からの充分な流体の生成を可能とすることを認識した。他の好ましい実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1種類の抗菌活性物質を含む本発明の錠剤を導入することによって、口臭、歯垢、及び/又は歯肉炎に関連する細菌を殺滅する方法を含む。
【実施例
【0050】
実施例1 錠剤
表1に示される成分を用いて、錠剤E1~E4及びC1~C3を調製した。全ての成分は粉末の形態で入手した。各成分を合わせて粉末混合物として混合し、SMI P2007-212b 6トンの単発式打錠機(錠剤E1、E2、C1、C2)、又はFette3090iを使用して、打錠した。
【0051】
【表1】
ジャンブ・オレオレジン抽出物を含む。
メントール、ユーカリプトール、オイゲノール、メントキシ-1,2-プロパンジオール,o-メトキシシンナムアルデヒド、メンチル-3-ヒドロキシブタノエート(menthyl-3-hydroxyutanoate)、及び他の香味成分を含む。
【0052】
実施例2 流体の生成
錠剤の流体生成特性を以下の流体生成試験にしたがって測定することで、10秒間の咀嚼と、流体を30秒間くちゅくちゅすすぎ/動かすことを含む、40秒間の後に生成された流体のグラム単位の量(G40)を判定した。実施例1にしたがって調製した錠剤E1~E4及びC1~C3に関連するG40を測定した。また、Wrigley社より市販される、糖、アラビアガム、人工香味料、ゼラチン、及び着色料(赤色40号)を含む一連の成分を有し、測定された平均重量が約0.72グラムであるAltoids(登録商標)ブランドのペパーミント(C4)についても測定を行った。
【0053】
流体生成試験
参加者には錠剤が与えられ、錠剤を10秒間咀嚼してもらった後、生成された流体を口の中で30秒間、動かしてもらい(くちゅくちゅすすぎ)、その後、予め計量したカップ内に吐き出してもらうように指示した。40秒後にカップ内に吐き出された、生成された流体の最終質量、すなわち、(唾液の入った最終的なカップの質量)-(空のカップの質量)をグラム単位で測定した。少なくとも8(N)人の参加者の全体の平均の質量を、下記表2に示される錠剤に関連するG40として報告した。注:SEM=標準誤差。
【0054】
【表2】
【0055】
錠剤の流体生成特性を、表3及び表4に示すように、同じ参加者による他の錠剤との一対比較によっても測定した(各参加者を自身と比較する)。表3に報告されるデータは、示された第1の錠剤によって生成された流体の量から、示された第2の錠剤によって生成された量を引いた差をグラム数で表したものである。表4に報告されるデータは、示された第2の錠剤と比較した、示された第1の錠剤によって生成された流体の変化率(%)である。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
実施例3-殺菌性
各錠剤に関連する殺菌特性を、以下の手順にしたがって測定した。
材料
□予め還元した9mlの0.1%ペプトンチューブ
□予め還元した4.95mlのPO4チューブ
□キャップを備えた18mm滅菌ガラス試験管
□3mm滅菌ガラスビーズ
□Sakura試験サンプル錠剤
□ヒト唾液
□滅菌ステンレス製スパチュラ
□予め還元した1.9mlのオートクレーブにかけたDiH2Oチューブ
□予め還元したOOPS寒天プレート
【0059】
殺菌性の測定法
●試験前日に、嫌気性チャンバ内にて全てのチューブ及びプレートを予め還元する。
●唾液接種材料の調製
○最小で6人のドナーから採取した唾液をプールし、均質化する。
○25mLの予め還元した0.1%ペプトンを25mlの唾液に加えることにより、50%唾液溶液を調製する。
●サンプル錠剤1錠をきれいな乳鉢及び乳棒(70%のIPAで洗浄し、キムワイプで清拭したもの)で粉砕し、6個の3mm滅菌ガラスビーズとともに18mmの試験管に入れる。
●4mLの調製した、予熱した希釈唾液接種材料を、粉砕した錠剤の入った試験管(反応管)に加え、タイマーを開始させる。
○ネガティブコントロールとしての水を試験するため、1.9mlを試験管に入れ、調製した、予熱した希釈唾液4mlを加え、攪拌する。
○反応管を合計で35秒又は45秒間、攪拌する。
○35秒又は45秒間の曝露時間後、反応管から反応混合物50μLを取り、4.95mLの中和培養液中に注ぎ、5秒間攪拌する。
■これらは、10-2希釈と呼ばれる。
●希釈し、OOPS III寒天上にプレーティングする。
●35℃で5日間の嫌気的条件下でのインキュベーション後、暗コロニー(VSC産生生物)をOOPsIII上で計数し、滅菌水コントロールと比較した。
●水による処理と比較した低減率(%)を計算した。
●結果を表5に示す。
【0060】
【表5】
【0061】
実施例4 錠剤の硬度
錠剤の硬度を、器具の取扱説明書にしたがってPharmaTest_PTB311Eにより測定した(錠剤硬度試験)。結果を下記表6に示す。注:SEM=標準誤差。
【0062】
【表6】
【0063】
実施例5-食べ滓の除去
本方法に基づく食べ滓を除去する能力/効果を、以下のように試験した。
【0064】
食べ滓除去試験:
咀嚼後に残ったクラッカー残り滓の基準量の判定:
参加者は、Saltine(商標)クラッカーを30秒間咀嚼して飲み込むように指示された。飲み込みの直後に、参加者に10mlの水で30秒間くちゅくちゅすすぎしてもらい、口内の内容物を100ミクロンのナイロンネットフィルタ(カタログ番号SCNY00100)を備えたMillipore Steriflip(登録商標)50ml滅菌使い捨て真空濾過システムの中に吐き出してもらった。すべての水分が除去されるまで、約10秒間、真空をかけた。余分な液体をフィルタの縁から吸い取った。次いで、クラッカーの残り滓を有するフィルタを秤量し、フィルタ+クラッカー残り滓の重量と未使用のきれいなフィルタの平均重量(N=11)との差を計算した。この量を、クラッカーを食べた後に参加者の口中に残ったクラッカーの基準量として使用した。
【0065】
錠剤の使用によって除去されたクラッカー残り滓の量の測定
上記と同様、参加者はSaltine(商標)クラッカーを30秒間咀嚼して飲み込むように指示された。飲み込んだ直後に、参加者に錠剤E3を口中に入れ、10秒間咀嚼し、液体を30秒間くちゅくちゅすすぎしてもらった後、飲み込んでもらった。飲み込んだ直後に、参加者に10mlの水で30秒間くちゅくちゅすすぎしてもらい、口内の内容物を100ミクロンのナイロンネットフィルタ(カタログ番号SCNY00100)を備えたMillipore Steriflip(登録商標)50ml滅菌使い捨て真空濾過システムの中に吐き出してもらった。すべての水分が除去されるまで、約10秒間、真空をかけた。余分な液体をフィルタの縁から吸い取った。次いで、クラッカーの残り滓を有するフィルタを秤量し、フィルタ+クラッカー残り滓の重量と未使用のきれいなフィルタの平均重量(N=11)との差を計算した。この量を、クラッカーを咀嚼し、錠剤を使用して口を洗浄し、食べ滓を除去した後に参加者の口中に残ったクラッカーの量として使用した。結果を表7に示す。
【0066】
【表7】
【0067】
実施例6-消費者試験
出願人らは、錠剤を、咀嚼することで、使用される流体を(例えば、マウスウォッシュ又はリンスとして)生成することができる固体形態として使用する際の消費者体験を評価した。本発明の錠剤は、チュアブル錠剤としての適合性、及びくちゅくちゅすすぎするのに充分な流体を生成するための望ましい唾液分泌効果をもたらす。
【0068】
他の方法と比較した本方法の消費者体験の評価を試験した。結果を表8に示す。
【0069】
【表8】
90%水準で有意
【0070】
〔実施の態様〕
(1) 少なくとも1つのオーラルケア効果をもたらす方法であって、錠剤を口腔内に導入することと、前記錠剤を咀嚼して前記口腔内に流体を生成することと、生成された前記流体の少なくとも一部を前記口腔全体で強制的に動かした後、前記流体の一部を飲み込むか又は吐き出してオーラルケア効果をもたらすことと、を含む、方法。
(2) 前記錠剤は1グラムよりも多い、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記錠剤は約1.2グラム以上である、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記錠剤は200N未満の硬度を有する、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記錠剤は約25~約160Nの硬度を有する、実施態様1に記載の方法。
【0071】
(6) 前記錠剤は約4.3グラム以上のG40を有する、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記錠剤は、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、前記錠剤の約40重量%~約99重量%の1種類以上の糖アルコールを含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記錠剤は少なくとも20重量%のキシリトールを含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記錠剤はキシリトール、エリスリトール、及びイソマルトを含む、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記エリスリトールは非直接圧縮性エリスリトールを含む、実施態様9に記載の方法。
【0072】
(11) 前記錠剤は非直接圧縮性エリスリトールを本質的に含まない、実施態様7に記載の方法。
(12) 前記錠剤は唾液分泌剤を含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記錠剤は、メントール、チモール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種類の精油を含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記強制的に動かす工程は、前記流体を少なくとも30秒間にわたって前記口腔全体で強制的に動かすことを含む、実施態様1に記載の方法。
(15) 口腔を洗浄する方法であって、
a.唾液分泌剤と、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される約60~約99重量%の糖アルコールとを含む、約1.3~約2グラムの重量を有する錠剤を前記口腔内に導入することと、
b.前記錠剤を咀嚼して前記口腔内に流体を生成することと、
c.前記生成された流体を前記口腔全体で強制的に動かすことと、
d.前記生成された流体の少なくとも一部を飲み込むことと、を含む、方法。
【0073】
(16) 前記錠剤は約25~約160Nの硬度を有する、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記錠剤は1種類以上の抗菌性精油を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記方法は、口臭、歯垢、歯肉炎、又はこれらの2つ以上の組み合わせに関連する細菌を殺滅することを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記1種類以上の抗菌性精油は、メントール、チモール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記強制的に動かす工程は、飲み込む前に前記流体を少なくとも30秒間にわたって強制的に動かすことを含む、実施態様19に記載の方法。