(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】モジュール式パーティションシステム
(51)【国際特許分類】
E04C 2/30 20060101AFI20230619BHJP
E04C 2/34 20060101ALI20230619BHJP
E04B 7/20 20060101ALI20230619BHJP
E04B 5/02 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
E04C2/30 F
E04C2/34 J
E04B7/20 511
E04B5/02 A
(21)【出願番号】P 2019553864
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(86)【国際出願番号】 GB2018050896
(87)【国際公開番号】W WO2018178726
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-29
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500108231
【氏名又は名称】ウルトラフレーム (ユーケー) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トムソン アンドリュー
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0056255(US,A1)
【文献】特開平06-316992(JP,A)
【文献】特開2000-064515(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03106582(EP,A1)
【文献】米国特許第04019302(US,A)
【文献】米国特許第04526024(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/80,1/86,1/90
E04C 2/20,2/24,2/296-2/30,2/34
E04B 7/20
E04B 5/02
E04B 1/14
E04C 3/292
E04B 2/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティション用のパネルであって、
第1の面と前記第1の面から複数の側面によって離間された第2の面とを有し、かつ、前記第1の面及び前記第2の面に平行な平面を規定する中央パネルと、
前記中央パネルの両側に向かい合って配置された2つの支持パネルであって、当該2つの支持パネルの各々が前記中央パネルの前記平面におおむね垂直に延びており、当該2つの支持パネルの各々が前記中央パネルから遠い外面と前記外面から離れた内面とを有し、かつ、当該記2つの支持パネルの各々の突出部分が前記中央パネルの前記第1の面及び前記第2の面の少なくとも一方の面を越えて延びている2つの支持パネルと、
前記2つの支持パネルの少なくとも1つの前記突出部分に設けられたフランジと、
を備えており、
1つまたは各々の前記フランジは、金属材料から形成され、かつ前記支持パネルの前記外面に隣接するとともに機械的に接続された第1の部分と前記中央パネルの前記平面におおむね平行に延びる第2の部分とを有するフランジ部材を備え、
1つまたは各々の前記フランジ部材の前記第1の部分および前記第2の部分が協働して前記2つの支持パネルのうちの一方の支持パネルの前記突出部分を受け入れるためのチャネルまたは溝を定める、パネル。
【請求項2】
前記フランジ部材の前記第2の部分が木材部材の周りに巻き付けられている、請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
前記フランジ部材の前記第2の部分は、前記支持パネルの対向する面の間をおおむね延びる部分と、前記支持パネルの前記内面におおむね平行な部分と、前記中央パネルの前記平面におおむね平行に延びる部分と、を含む、請求項1又は2に記載のパネル。
【請求項4】
前記支持パネルの2つの対向する面の間をおおむね延びる部分と前記支持パネルの前記内面におおむね平行な部分との間に、前記フランジ部材は前記支持パネルの前記内面から遠ざかるように延びる突出部を備える、請求項3に記載のパネル。
【請求項5】
前記フランジ部材の前記第2の部分は、前記中央パネルとの係合のための手段をもたらす有刺部が設けられている、請求項3又は4に記載のパネル。
【請求項6】
前記フランジ部材の一部が前記支持パネルのうちの1つの支持パネルの前記内面に機械的に取り付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項7】
前記フランジ部材の前記支持パネルへの機械的な取り付けは、前記フランジ部材を前記支持パネルに、パンチし、プレス接合し、あるいはかしめるようにツールを使用して前記フランジ部材を前記支持パネルへとかしめることで達成される、請求項6に記載のパネル。
【請求項8】
前記ツールの先端部が前記フランジ部材の外面へと打ち込まれ、前記フランジ部材及び前記支持パネルの両方の表面の塑性変形を引き起こす、請求項7に記載のパネル。
【請求項9】
前記支持パネルの一方または両方の側面に、弾性シール材料が設けられている、請求項1~8のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の複数のパネルと、溝を規定する細長い本体を含む少なくとも1つの接続ストリップと、を備えるモジュール式パーティションシステムであって、
前記少なくとも1つの接続ストリップの前記溝は、前記複数の隣接するパネルのうちの2つのパネルの各々からフランジ部材の一部分を受け入れて、前記複数の隣接するパネルのうちの前記2つのパネルを接続する、モジュール式パーティションシステム。
【請求項11】
隣接するパネルの各対の間の弾性シールをさらに備える、請求項10に記載のモジュール式パーティションシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの方向において、前記少なくとも1つの接続ストリップは、協働するように配置された前記2つの隣接するパネルから前記支持パネルを越えて延びている、請求項10または11に記載のモジュール式パーティションシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの接続ストリップは、木材部材および/またはウォールタイとの係合のための1つ以上の係合機構を備える、請求項10~12のいずれか一項に記載のモジュール式パーティションシステム。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか一項に記載のモジュール式パーティションシステムを備える建物。
【請求項15】
モジュール式パーティションシステムのための部品キットであって、
請求項1~9のいずれか一項に記載の複数のパネルと、
溝を規定する細長い本体を含む少なくとも1つの接続ストリップと、
を含み、
前記溝は、前記複数の隣接するパネルのうちの2つのパネルの各々からフランジ部材の一部分を受け入れて、前記複数の隣接するパネルのうちの前記2つのパネルを接続するように配置される、部品キット。
【請求項16】
隣接するパネルの各対の間のすき間をシールするための少なくとも1つの弾性シールをさらに含む、請求項
15に記載の部品キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティションおよびその部品を形成するためのモジュール式パーティションシステムに関する。とくには、パーティションは、これらに限られるわけではないが、断熱または遮音パーティションであってよい。パーティションは、例えば、建物の一部を形成することができ、屋根、壁、または床であってよい。
【背景技術】
【0002】
構造用断熱パネル(SIP)が、より伝統的な建設の形態に対する代案を提供する。SIPは、2つの構造パネルの間に挟まれた断熱ボードまたはパネルを備える。SIPは、屋根および壁の建設に使用可能であり、さらには床の建設にも使用可能である。
【0003】
SIPを使用する建設の1つの利点は、建物が現場へと出荷される前に工場で製造されるオフサイト建設の促進に役立つことである。SIPを使用する建設のもう1つの利点は、一般に、SIPは通常は大きな薄板材料として製造され、したがって継ぎ目を少なくし、空気の漏れの機会を減らすことができるため、良好な断熱および密閉の建物の建設に役立つ可能性があることである。
【0004】
この形式の(SIPを使用する)建設は、さまざまな利点を有するが、他のより伝統的な建設の形態と比べて高価になる可能性があるため、広くは採用されていない。したがって、SIPを使用する建設は、主として、建設の速度または外皮としての性能のいずれかが最優先の因子である場合に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書において特定されるか、あるいは他の場所で特定されるかにかかわらず、先行技術の問題のうちの1つ以上に少なくとも部分的に対処するパーティションを構築するためのシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、複数のパネルと、少なくとも1つの接続ストリップとを備えるモジュール式パーティションシステムが提供され、複数のパネルの各々は、このモジュール式パーティションシステムの平面におおむね垂直に延びる2つの支持部材と、これら2つの支持パネルの間を延びる中央パネルとを備え、複数のパネルは、複数のパネルの各々の中央パネルがおおむね互いに平行になり、複数のパネルの各々の1つの支持部材が隣接するパネルの支持部材に隣接するように配置され、少なくとも1つの接続ストリップは、複数の隣接するパネルのうちの2つのパネルの各々からの支持部材と協働して、複数の隣接するパネルのうちのこれら2つのパネルを接続する。
【0007】
本明細書において使用されるとき、パネル、薄板、およびボードという用語が、比較的薄いおおむね平坦な三次元のオブジェクトまたは物体を意味するように意図されていることを、理解できるであろう。さらに、比較的薄いとは、オブジェクトまたは物体の1つの寸法が、オブジェクトまたは物体の他の2つの寸法よりも小さいことを意味することを、理解できるであろう。オブジェクトまたは物体の最小の寸法を、オブジェクトまたは物体の厚さと称することができる。オブジェクトまたは物体の最小の寸法におおむね垂直な2つの寸法は、平面(または、平行な一群の平面)を定めることができる。そのようなパネル、薄板、およびボードは、例えば、おおむね矩形であってよい。
【0008】
本発明の第1の態様は、以下で説明されるように、先行技術と比べていくつかの利点をもたらすパーティションを構築するためのきわめて万能かつ費用効果に優れたシステムを提供する。
【0009】
とくには、本発明の第1の態様は、自立型のパーティションを構築するためのシステムを提供する。とくには、このシステムは、例えば建物の屋根、壁、または床など、荷重に耐えることができる自立した構造体を形成する。一般に、このシステムは、複数のパネルと、2つの隣接するパネルのそれぞれからの支持部材と協働するように配置された一対の接続ストリップとを備える。各々のパネルの大部分は、使用時に荷重を支えることがなく、断熱または遮音を提供することができる。2つの隣接するパネルの支持部材ならびに2つの接続ストリップが協働して、荷重を支える自立したI字梁を形成する。
【0010】
第1の態様のモジュール式パーティションシステムは、例えば構造用断熱パネル(SIP)などの先行技術の建設パネルの代替物を提供する。SIPにおいては、断熱材が2つの構造パネルの間に挟まれている(すなわち、2つのパネルが建設パネルの内面および外面に配置されている)。SIPパネルは、屋根だけでなく、広く建物の壁および床にも使用される。さらに、SIPは、一般に、パーティションの全体または少なくともかなりの部分を形成することができる大きな薄板材料として製造される。これは、空気漏れの機会が少なくなることを期待して継ぎ目の数を減らすことを狙った先行技術のSIPシステムの意図的な特徴である。
【0011】
好都合なことに、本発明の第1の態様によるシステムは、支持部材をモジュール式のパーティションシステムの平面におおむね垂直に延びる中央パネルの側面に配置したパネルを使用する。結果として、第1の態様によるモジュール式のシステムにおいては、使用される構造支持材料を、同等のSIPパネルにおいて必要とされるよりも大幅に少なくすることができる。結果として、第1の態様によるシステムは大幅に軽量になり、大幅に安く製造することができる。加えて、パネルの支持部材は、モジュール式パーティションシステムの平面に対しておおむね垂直に延びているため、(SIPとは対照的に)いかなる荷重も中央パネルによって伝達する必要がない。したがって、支持部材と中央パネルとの間の接続(例えば、接着による接合)が、高い完全性を必要としない。これは、先行技術と比較して、第1の態様のシステムの製造コストをさらに削減する。
【0012】
さらに、先行技術の教示とは反対に、第1の態様のモジュール式パーティションシステムは、より多数のパネル、したがってより多くの継ぎ目を有する構成に、より適している。これは、少なくとも部分的には、2つの隣接するパネルの間の構造的な接続を助けるために、複数の隣接するパネルのうちの2つのパネルのそれぞれからの支持部材と協働する少なくとも1つの接続ストリップを提供することによって、可能にされている。第1の態様のシステムは、このようなより小さなパネルを可能にするがゆえに、例えばパーティションの開口部(例えば、ドアおよび窓)およびパーティション間の継ぎ目(例えば、部屋の角部)において無駄になる材料の量を大幅に減らすことができ、完全になくすことさえ可能であるため、さらなる費用便益をもたらすことができる。
【0013】
さらに、第1の態様のシステムは、このようなパネルを可能にするがゆえに、きわめて容易に設置することが可能になる。例えば、第1の態様のシステムは、パネルの手作業での設置をより容易にし、高価につく可能性があり、建設現場において(例えば、一時的に利用できない場合に)高価につく遅延を引き起こす可能性があるリフト装置(例えば、クレーンなど)を不要にすることができる。
【0014】
複数のパネルの各々の中央パネルは、任意の適切な材料を備えることができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、複数のパネルの各々の中央パネルは、断熱材料を備えることができる。例えば、材料は、例えば、発泡ポリスチレン(EPS)、押出ポリスチレン(XPS)、硬質ポリウレタン(PUR)、ポリイソシアヌレート(PIR)、などの硬質断熱材料であってよい。材料は、独立気泡であっても、連続気泡であってもよい。複数のパネルの各々の中央パネルが断熱材料を備えるそのような実施形態は、パーティションが建物の屋根または外壁の一部を形成するときにとくに好適であり得る。
【0016】
あるいは、とくにはパーティションが建物の内壁または床の一部を形成する実施形態において、複数のパネルの各々の中央パネルは、単にパネルの2つの支持部材の間の接続を提供するだけの安価な材料を備えてもよい。例えば、材料は、ボール紙を備えることができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、複数のパネルの各々の中央パネルは、遮音材料を備えることができる。そのような実施形態は、パーティションが建物の内壁または床の一部を形成する場合にとくに好適であり得る。
【0018】
複数のパネルの支持部材の各々は、中央パネルの平面におおむね垂直に延びる支持パネルを備えることができる。
【0019】
支持パネルは、任意の適切な材料から形成されてよい。適切な材料として、ハードボードおよび高密度ファイバーボード(HDF)を挙げることができる。
【0020】
支持パネルを、適切な接着剤を使用して中央パネルに接合することができる。これは、パネルの構成要素を一体に保ち、したがってパネルの(例えば、建設現場への)輸送をより容易にする。
【0021】
複数のパネルの支持部材の各々は、中央パネルの少なくとも一方の表面を越えて延びる突出部分を備えることができる。
【0022】
すなわち、パネルは、パネルの4つのエッジの各々において支持部材のうちの1つの支持部材の突出部分が中央パネルから突き出すように構成される。これは、以下で説明されるように、先行技術の構成(例えば、SIP)に対するさらなる利点をもたらす。各々の支持部材が中央パネルの表面の少なくとも1つを越えて延びているため、パーティションは滑らかで平坦な表面を持たない。むしろ、隣り合うパネルの各ペアからの支持部材の突出部分が、パーティションの各々の表面(中央パネルのおおむね互いに平行な表面によっておおむね定められる)にリッジを形成する。
【0023】
例えばSIPなどの先行技術の構成では、火災および電気配線の理由で、バテンを建設パネルの内面に追加する必要がある。典型的には、内部ボード(例えば、石膏ボード)が、これらのバテンに固定される。屋根として使用される場合、SIPの外面に屋根タイルを支持するためのバテンが取り付けられる。しかしながら、これらのバテンは、排水を助けるためにカウンターバテンでSIPの外面から離して保持される必要がある。第1の態様によるシステムにおいては、(隣接するパネルの各ペアからの支持パネルの突出部分によって形成されるパーティションの各表面のリッジゆえに)内部バテンおよび追加の外部カウンターバテンが不要である。
【0024】
複数のパネルの支持部材の各々は、中央パネルの平面におおむね平行に延びるフランジ部分を備えることができる。
【0025】
そのような構成は、支持部材の各々の端部に、さまざまな理由で有益なより大きな表面積をもたらす。第1に、この構成によれば、支持部材の外形が、I字形のおおむね半分である。すなわち、互いに接触した2つの隣接するパネルからの2つの支持部材が、おおむねI字梁の形態である。フランジによってもたらされる支持部材の表面積の増加は、モジュール式パーティションシステムによって支えられる荷重をより良好に分布させる。第2に、表面積の増加により、パーティションへの内部または外部の被覆の固定をより容易にすることができる。
【0026】
モジュール式パーティションシステムは、隣接するパネルの各ペアの間に弾性シールをさらに備えることができる。
【0027】
例えば、2つの支持部材の一方または両方の側面に、シール材料(例えば、発泡体テープなど)を設けることができる。
【0028】
少なくとも1つの方向において、少なくとも1つの接続ストリップは、協働相手の2つの隣接するパネルからの支持部材を越えて延びる。
【0029】
これにより、接続ストリップを、複数のパネルを過ぎて例えば梁に重なるように延ばすことで、モジュール式パーティションシステムの梁への接続をより容易にし、梁の上面にカウンターバテンを提供することができる。
【0030】
少なくとも1つの接続ストリップは、バテンおよび/またはウォールタイとの係合のための1つ以上の係合機構を備えることができる。
【0031】
これにより、モジュール式パーティションシステムを使用する構造がさらに簡素化される。屋根として使用される場合、屋根タイルを支持するために、複数のバテンをモジュール式パーティションシステムの外部表面に設けることができる。壁(例えば、中空壁の内側リーフ)として使用される場合、中空壁の外側リーフ(例えば、れんが壁)への接続のために、複数のウォールタイをモジュール式パーティションシステムの外部表面に設けることができる。
【0032】
本発明の第2の態様によれば、パーティション用のパネルが提供され、このパネルは、中央パネルと、中央パネルの両側に配置された2つの支持パネルとを備え、2つの支持パネルの各々は、中央パネルの平面におおむね垂直に延びる。
【0033】
このパネルは、本発明の第1の態様のモジュール式パーティションシステムにおける使用に好適であり得る。
【0034】
本発明の第2の態様は、例えば断熱材料から形成することができる中央パネルの両側に配置された2つの支持パネルによって構造的支持がもたらされる建設パネルを提供する。これは、例えば、断熱材が2つの構造パネルの間に挟まれている構造用断熱パネル(SIP)などの先行技術の断熱建設パネル(すなわち、2つのパネルが建設パネルの内側および外側表面に配置されている)と対照的である。
【0035】
好都合なことに、本発明の第2の態様によるパネルにおいては、使用される構造支持ボードを、同等のSIPパネルにおいて必要とされるよりも大幅に少なくすることができる。さらに、支持ボードは、SIPパネルで使用される構造支持ボードよりも薄くてよい。結果として、第2の態様によるパネルは大幅に軽量になり、大幅に安く製造することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、中央パネルは、断熱材料を備えることができる。例えば、材料は、例えば、発泡ポリスチレン(EPS)、押出ポリスチレン(XPS)、硬質ポリウレタン(PUR)、ポリイソシアヌレート(PIR)、などの硬質断熱材料であってよい。材料は、独立気泡であっても、連続気泡であってもよい。中央パネルが断熱材料を備えるそのような実施形態は、パネルが建物の屋根または外壁の一部を形成する場合にとくに好適であり得る。
【0037】
あるいは、とくにはパネルが建物の内壁または床の一部を形成する実施形態において、中央パネルは、単にパネルの2つの支持部材の間の接続を提供するだけの安価な材料を備えてもよい。例えば、材料は、ボール紙を備えることができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、中央パネルは、遮音材料を備えることができる。そのような実施形態は、パネルが建物の内壁または床の一部を形成する場合にとくに好適であり得る。
【0039】
支持パネルは、任意の適切な材料から形成されてよい。適切な材料として、ハードボードおよび高密度ファイバーボード(HDF)を挙げることができる。
【0040】
支持パネルを、適切な接着剤を使用して中央パネルに接合することができる。これは、パネルの構成要素を一体に保ち、したがってパネルの(例えば、建設現場への)輸送をより容易にする。
【0041】
2つの支持パネルの各々の突出部分を、中央パネルの少なくとも一方の面を過ぎて延ばすことができる。
【0042】
すなわち、パネルは、パネルの4つのエッジの各々において支持パネルのうちの1つ支持パネルの突出部分が中央パネルから突き出すように構成される。これは、以下で説明されるように、先行技術の構成(例えば、SIP)に対するさらなる利点をもたらす。パーティションを、第2の態様による複数のパネルから形成することができ、複数のパネルは、各々のパネルの支持パネルが隣のパネルの支持パネルに隣接および接触するように並べて配置される。支持パネルの各々が、中央パネルの少なくとも一方の面を越えて延びているため、第2の態様による複数のパネルから形成されるそのようなパーティションは、滑らかで平坦な表面を有さない。むしろ、隣り合うパネルの各ペアからの支持パネルの突出部分が、パーティションの各々の表面(おおむね中央パネルの表面によって定められる)にリッジを形成する。
【0043】
例えばSIPなどの先行技術の構成では、火災および電気配線の理由で、バテンを建設パネルの内面に追加する必要がある。典型的には、内部ボード(例えば、石膏ボード)が、これらのバテンに固定される。屋根パネルとして使用される場合、SIPの外面に屋根タイルを支持するためのバテンが取り付けられる。しかしながら、これらのバテンは、排水を助けるためにカウンターバテンでSIPの外面から離して保持される必要がある。第2の態様によるパネルにおいては、(隣接するパネルの各ペアからの支持パネルの突出部分によって形成されるパーティションの各表面のリッジゆえに)内部バテンおよび追加の外部カウンターバテンが不要である。
【0044】
パネルは、2つの支持パネルの少なくとも1つの突出部分から延びるフランジをさらに備えることができ、このフランジは、中央パネルの平面におおむね平行に延びる。
【0045】
各々の支持パネルおよび各々の支持パネルから延びるフランジが協働して、支持部材をもたらす。そのような支持部材を、構造的に接続される別個の支持パネルおよびフランジ部材から形成できることを、理解できるであろう。あるいは、別個の支持パネルおよびフランジ部材を一体的に形成してもよい。
【0046】
そのような構成は、支持パネルの各々の端部に、さまざまな理由で有益なより大きな表面積をもたらす。第1に、この構成によれば、支持部材の外形が、I字形のおおむね半分である。すなわち、使用時に、2つの隣接するパネルからの2つの支持部材が接触すると、それらは一緒になって、おおむねI字梁の形態となる。フランジによってもたらされる支持部材の表面積の増加は、パネルから形成されたパーティションによって支えられる荷重をより良好に分布させる。第2に、表面積の増加により、パネルから形成されたパーティションへの内部または外部の被覆の固定をより容易にすることができる。
【0047】
このフランジまたは各々のフランジは、金属材料から形成されて支持パネルに構造的に接続されたフランジ部材によってもたらされてよい。
【0048】
例えば、各々のフランジ部材は、丸められた軽量スチールストリップを支持パネル(ハードボードなどのより断熱性の高い材料から形成され得る)に機械的に取り付けて備えることができる。随意により、各々のフランジ部材は、軽量スチールストリップが周囲に丸められた木材を備えてもよい。
【0049】
いずれかの支持パネルまたは両方の支持パネルの側面に、弾性シール材料を設けることができる。
【0050】
例えば、発泡体テープなどをパネルの片側または両側に貼り付けることができる。使用時に、これは、隣接するパネルのシールを高めることができる。
【0051】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様のモジュール式パーティションシステムにおいて使用するための接続ストリップが提供され、この接続ストリップは、複数の隣接するパネルのうちの2つのパネルの各々からの支持部材の一部分を受け入れるための溝を定めている細長い本体を備え、細長い本体は、バテンおよび/またはウォールタイとの係合のための1つ以上の係合機構を備える。
【0052】
係合機構を、接続ストリップに沿った任意の好都合な間隔で設けることができる。
【0053】
各々の係合機構は、少なくとも一対の突出部を備えることができ、突出部の各々は、バテンの少なくとも一部分のためのガイドチャネルを定め、一対の突出部のガイドチャネルは、互いに面する。
【0054】
各々の突出部は、おおむねL字形であってよく、接続ストリップの表面からおおむね垂直に延びる第1の部分と、ガイドチャネルを定めるように接続ストリップのこの表面から離れて接続ストリップのこの表面におおむね平行に延びる第2の部分とを含む。
【0055】
各々の係合機構は、2対の突出部を備えることができる。
【0056】
使用時に、バテンを、バテンの横部分が少なくとも一対の突出部によって形成されたガイドチャネルに受け入れられるように、バテンにおおむね平行な(したがって、接続ストリップにおおむね垂直な)方向に滑らせることによって設置することができる。
【0057】
各々の係合機構は、バテンを受け入れるためのガイドチャネルを定める少なくとも1つのおおむねL字形の突出部を備えることができる。
【0058】
使用時に、接続ストリップは、突出部によって定められるガイドチャネルがおおむね上方を(例えば、棟木の方を)向くように設置される。
【0059】
木材バテンなどを、複数の前記接続ストリップのガイドチャネルへと、バテンにおおむね垂直(したがって、接続ストリップにおおむね平行)な方向にスライドさせることによって設置することができる。
【0060】
溝の両側において、細長い本体は、ワイヤウォールタイの端部との係合のための特徴の対を複数定めることができる。
【0061】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様のモジュール式パーティションシステムを備える建物が提供される。
【0062】
モジュール式パーティションシステムは、建物内の屋根パーティション、壁、または床のいずれかを形成することができる。
【0063】
本発明の第5の態様によれば、モジュール式パーティションシステムのための部品キットが提供され、この部品キットは、複数のパネルと、少なくとも1つの接続ストリップとを含み、複数のパネルの各々は、モジュール式パーティションシステムの平面におおむね垂直に延びる2つの支持部材と、これら2つの支持パネルの間を延びる中央パネルとを備え、複数のパネルは、複数のパネルの各々の中央パネルがおおむね互いに平行になり、複数のパネルの各々の1つの支持部材が隣接するパネルの支持部材に隣接するように配置され、少なくとも1つの接続ストリップは、複数の隣接するパネルのうちの2つのパネルの各々からの支持部材と協働して、複数の隣接するパネルのうちのこれら2つのパネルを接続するように配置される。
【0064】
複数のパネルの各々は、本発明の第2の態様によるパネルを備えることができる。
【0065】
少なくとも1つの接続ストリップは、本発明の第3の態様による接続ストリップを備えることができる。
【0066】
部品キットは、隣接するパネルの各対の間のすき間をシールするための少なくとも1つの弾性シールをさらに含むことができる。
【0067】
例えば、2つの支持部材の一方または両方の側面に、シール材料(例えば、発泡体テープなど)を設けることができる。
【0068】
本発明の第6の態様によれば、支持梁が提供され、この支持梁は、反対向きの第1および第2の表面を有するウェブパネルと、ウェブパネルの第1のエッジに近接してウェブパネルに取り付けられた第1のフランジと、ウェブパネルの第2のエッジに近接してウェブパネルに取り付けられた第2のフランジとを備え、第1および第2のフランジは、金属材料から形成され、第1および第2のフランジの各々は、反対向きの第1および第2の表面に取り付けられている。
【0069】
支持梁は、おおむねI字梁の形態である。支持梁は、床、壁、または天井などの表面の一部における根太としての使用に好適であってよい。
【0070】
本発明の第1の態様による支持梁は、以下で説明されるように、既知の支持梁よりも有利である。
【0071】
伝統的な床用根太は、中実の木材梁から形成される。床用根太にI字梁構造を使用することが、ますます一般的になってきている。建物の建設において床用根太として使用される1つの既知の種類のI字梁は、配向性ストランドボード(OSB)から形成されたウェブと、木材から形成された2つの中実フランジとを備える。OSBウェブは、各々の中実木材フランジの溝に部分的に収容され、せん断力に抵抗することができる接続をもたらすように接着剤を使用して各々の中実木材フランジの溝に取り付けられる。
【0072】
そのような既知のI字梁またはI字根太とは対照的に、本発明の第1の態様による支持梁は、金属材料から形成された第1および第2のフランジを使用する。これは、既知の構成と比べて著しい利点をもたらし、何故ならば、金属材料は、木材とは異なり、例えばさまざまな連続プロセスを使用して任意の長さに形成できるからである。したがって、本発明の第1の態様による支持梁は、さまざまな異なる長さへと容易に製造することができる。これにより、支持梁を、実質的に無駄を生じることなく、目的ごとの必要な長さに製造することができる。
【0073】
さらに、木材フランジとは対照的に、金属フランジの使用について、コスト、重量、および成形性などの多数のさらなる利点が存在する。
【0074】
加えて、支持梁は、3つの部分(ウェブパネル、第1のフランジ、および第2のフランジ)から形成され、これらが互いに取り付けられている(第1および第2のフランジが、ウェブパネルの反対向きの第1および第2の表面に取り付けられている)。これは、例えば、典型的には全体が中実な鋼から形成される典型的な圧延スチール根太(RSJ)と比べ、顕著な利点をもたらす。支持梁が互いに取り付けられる3つの部分から形成されるこの構造は、好都合なことに、より経済的かつより軽量な材料をウェブパネルに使用することを可能にする。さらに、第1および第2のフランジを、さらなるコストおよび重量の節約をもたらすおおむね管状または中空の構造として形成することを可能にする。
【0075】
第1の態様による支持梁は、金属である第1および第2のフランジを備え、第1のフランジおよび第2のフランジは、ウェブパネルの反対向きの第1および第2の表面に取り付けられる。第1および第2のフランジのウェブパネルへの取り付けは、せん断力(支持梁のせん断面はウェブパネルの平面である)に対する抵抗をもたらす取り付けであることを、理解できるであろう。
【0076】
本明細書において使用されるとき、パネル、薄板、およびボードという用語が、比較的薄いおおむね平坦な三次元のオブジェクトまたは物体を意味するように意図されていることを、さらに理解できるであろう。さらに、比較的薄いとは、オブジェクトまたは物体の1つの寸法が、オブジェクトまたは物体の他の2つの寸法よりも小さいことを意味することを、理解できるであろう。オブジェクトまたは物体の最小の寸法を、オブジェクトまたは物体の厚さと称することができる。オブジェクトまたは物体の最小の寸法におおむね垂直な2つの寸法は、平面(または、平行な一群の平面)を定めることができる。そのようなパネル、薄板、およびボードは、例えば、おおむね矩形であってよい。
【0077】
第1および第2のフランジが、パネルの平面におおむね垂直な方向にウェブパネルの第1および第2の表面を越えて延びることを、理解できるであろう。
【0078】
ウェブパネルは、エンジニアリングウッドを備えることができる。
【0079】
例えば、ウェブパネルは、複合材料ボードまたはパネルを備えることができる。例えば、ウェブパネルは、OSB、ハードボード、mdf、チップボード、合板、などを備えることができる。
【0080】
ウェブパネルは、単一のパネルを備えることができる。
【0081】
そのような実施形態は、例えば、2つ以上のパネルを備える実施形態よりも好ましいかもしれず、何故ならば、2つ以上のパネルを備えるそのような構成は、パネルを(ウェブパネルの平面内で)せん断力に抵抗するように互いに結び付けることができる何らかの物理的接続を必要とすると考えられるからである。
【0082】
断面において、第1および/または第2のフランジは、中空または管状構造の形態であってよい。
【0083】
断面において、第1および/または第2のフランジは、第1の表面から第2の表面までの材料の連続ループを備えることができる。
【0084】
断面において、第1の表面から第2の表面までの材料の連続ループは、断面がおおむね一様であってよい。
【0085】
材料の連続ループは、第1の表面に接触する第1の部分と、第2の表面に接触する第2の部分とを備えることができる。
【0086】
第1および/または第2のフランジを、金属薄板から形成することができる。
【0087】
例えば、金属薄板を、軽量スチールストリップによって形成することができる。金属薄板を、例えば第1および第2のフランジを形成するように折り曲げ、あるいは丸めることができる。
【0088】
あるいは、第1および第2のフランジを、例えば押し出しなどの連続プロセスなど、別のプロセスを使用して形成してもよい。
【0089】
すでに述べたように、第1および第2のフランジのウェブパネルの第1および第2の表面への取り付けは、せん断力(支持梁のせん断面はウェブパネルの平面である)に対する抵抗をもたらす取り付けである。
【0090】
第1および第2のフランジのウェブパネルの第1および第2の表面への取り付けは、ウェブパネルに対する第1および第2のフランジの移動を防止することができる。第1および第2のフランジのウェブパネルの第1および第2の表面への取り付けは、2.5kN程度、またはそれ以上のせん断力に抵抗するのに充分であってよい。
【0091】
第1および第2のフランジのウェブパネルの第1および第2の表面への取り付けを、種々さまざまな方法で達成できることを、理解できるであろう。
【0092】
第1および/または第2のフランジのウェブパネルの第1および第2の表面への取り付けは、第1または第2の表面と相補的であり、第1または第2の表面に係合する第1および/または第2のフランジの表面を介することができる。
【0093】
そのような係合を、相互に係合する表面の塑性変形(この塑性変形の前は平坦であってよい)によって達成できることを、理解できるであろう。そのような塑性変形を、例えばパンチを使用して2つの表面を互いにかしめることによって達成することができる。例えば、パンチを使用して、第1および第2のフランジをウェブパネルに食い込ませることができる。
【0094】
あるいは、第1および第2のフランジのウェブパネルの第1および第2の表面への取り付けを、ねじ、釘、リベット、または他の機械的な固定具を使用して達成してもよい。
【0095】
第1および/または第2のフランジは、ウェブパネルの平面におおむね垂直な壁部分を備えることができる。
【0096】
壁部分は、ウェブパネルの第1または第2のエッジとの係合のための特徴を備えることができる。
【0097】
そのような係合機構を、例えば第1および第2のフランジの内面に形成することができる。
【0098】
支持梁は、第1および第2のフランジのうちの少なくとも一方の壁部分上に設けられた弾性変形可能部材をさらに備えることができる。
【0099】
このような弾性変形可能部材は、支持梁を使用して形成された構造を通して伝達される音量の或る程度の減少をもたらすことができる。例えば、支持梁は、床用の根太を形成することができる。例えば、弾性変形可能部材を、使用時に根太の上部を形成する(さらには、床板などを支持することができる)第1および第2のフランジのうちの一方に設けることができる。弾性変形可能部材は、いくらかの音を吸収することができ、したがって、音が床を通って伝わることを少なくとも或る程度防止することができる。
【0100】
弾性変形可能は、発泡材料を備えることができる。
【0101】
支持梁は、少なくとも1つの細長い金属部材をさらに備えることができ、この細長い部材は、第1または第2のフランジに可動に接続され、弾性変形可能部材は、細長い金属部材と第1または第2のフランジとの間に配置される。
【0102】
例えば、細長い金属部材を、弾性変形可能が細長い金属部材と第1または第2のフランジとの間に閉じ込められて保持されるように、嵌め込み式の結合を使用して第1または第2のフランジに被さって係合することができるような形状の軽量スチールストリップから形成することができる。これは、好都合なことに、このような防音ソリューションの容易な設置に役立つ一体化された構成を提供する。
【0103】
中階の床を通る音の伝達を防止するために現時点において使用されている既知の方法は、軽量Z形鋼の形態の弾性バーを、木製の床用根太の底面にねじ留めすることである。次いで、天井基材(例えば、石膏ボード)が弾性バーに取り付けられ、これにより、床から下方の空間への音の伝達が低減される。
【0104】
支持梁は、弾性バーへの接続のための1つ以上の係合機構をさらに備えることができ、1つ以上の係合機構は、第1および第2のフランジのうちの少なくとも一方の壁部分上に設けられる。
【0105】
例えば、弾性バーへの接続のための係合機構は、壁部分からの1つ以上のおおむねL字形の突出部の形態であってよく、これらの突出部は、弾性バーの一部分を受け入れるための溝を形成する。これらの係合機構を、例えば使用時に支持梁の下部を形成する第1および第2のフランジの一方に備えることで、コンプライアンスが改善され、設置が高速化される。このような特徴を第1および第2のフランジに容易に設けることができることが、金属フランジを使用する本発明の第1の態様による支持梁のさらなる利点である。
【0106】
支持梁は、支持梁におおむね垂直な支持構造体への接続のための1つ以上の吊り下げ機構をさらに備えることができ、この1つ以上の吊り下げ機構は、第1および第2のフランジの少なくとも一方に設けられる。
【0107】
鋼製の根太ハンガーが、梁の端部を梁におおむね垂直な支持構造体(例えば、壁または垂直な支持梁)に支持するために使用される。軽量鋼が使用され、構造性能を確保するために根太ハンガーと梁との間に多数の固定具を必要とする。インストーラーの構造では、固定具を充分に入れないことが一般的である(時間の節約)。1つ以上の吊り下げ機構は、支持梁と一体に形成されているため、迅速かつ安全な設置を促進する。
【0108】
本発明の第7の態様によれば、互いに隣接かつ平行であるように配置された本発明の第6の態様による複数の支持梁と、複数の支持梁のすべての第1のフランジに接続されるように配置された第1の細長い接続部材と、複数の支持梁のすべての第2のフランジに接続されるように配置された第2の細長い接続部材とを備える支持梁が提供される。
【0109】
例えば、第1および第2の細長い接続部材を、嵌め込み式の結合を使用して複数の支持梁のすべての第1または第2のフランジに被さって係合することができるように形作られた軽量スチールストリップから形成することができる。第1および第2の細長い接続部材と複数の支持梁のすべての第1または第2のフランジとの間に、追加の固定具を設けることができる。
【0110】
中階の床などの設計においては、いくつかの他の梁または根太を支えるための梁が必要となり得る。本発明の第2の態様による支持梁は、そのような用途に適した大きな強度および断面二次モーメントを有する構成を提供する。
【0111】
本発明の第8の態様によれば、本発明の第6の態様による支持梁を形成する方法が提供され、この方法は、ウェブパネルを用意するステップと、金属材料から形成された第1のフランジを用意するステップと、金属材料から形成された第2のフランジを用意するステップと、第1のフランジをウェブパネルの第1のエッジの付近においてウェブパネルに取り付けるステップと、第2のフランジをウェブパネルの第2のエッジの付近においてウェブパネルに取り付けるステップとを含み、第1および第2のフランジの各々は、ウェブパネルの反対向きの第1および第2の表面に取り付けられる。
【0112】
第1のフランジをウェブパネルの第1のエッジの付近においてウェブパネルに取り付けるステップは、第1のフランジの第1の部分がウェブパネルの第1の表面に隣接し、第1のフランジの第2の部分がウェブパネルの第2の表面に隣接するように、第1のフランジをウェブパネルの第1のエッジに隣接して配置するステップと、パンチを使用して、少なくとも1つの位置において第1のフランジの第1の部分をウェブパネルの第1の表面へとかしめるステップと、パンチを使用して、少なくとも1つの位置において第1のフランジの第2の部分をウェブパネルの第2の表面へとかしめるステップとを含むことができる。
【0113】
第2のフランジをウェブパネルの第2のエッジの付近においてウェブパネルに取り付けるステップは、第2のフランジの第1の部分がウェブパネルの第1の表面に隣接し、第2のフランジの第2の部分がウェブパネルの第2の表面に隣接するように、第2のフランジをウェブパネルの第2のエッジに隣接して配置するステップと、パンチを使用して、少なくとも1つの位置において第2のフランジの第1の部分をウェブパネルの第1の表面へとかしめるステップと、パンチを使用して、少なくとも1つの位置において第2のフランジの第2の部分をウェブパネルの第2の表面へとかしめるステップとを含むことができる。
【0114】
上述または後述の本発明のさまざまな態様および特徴は、当業者にとって容易に明らかであるとおり、本発明のさまざまな他の態様および特徴と組み合わせることが可能である。
【0115】
次に、本発明の実施形態を、添付の概略図を参照してあくまでも例として説明するが、添付の概略図において、対応する参照符号は対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【
図1】本発明の実施形態によるパーティション用パネルの分解斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態によるパーティション用の第2のパネルの断面図である。
【
図8】
図7に示した第2のパネルの一部分を形成する補強レールの種々の図を示している。
【
図9A】本発明の実施形態による2つのパネルと係合するように配置された本発明の実施形態による接続ストリップの実施形態を示している。
【
図9B】本発明の実施形態による2つのパネルと係合するように配置された本発明の実施形態による接続ストリップの実施形態を示している。
【
図9C】本発明の実施形態による2つのパネルと係合するように配置された本発明の実施形態による接続ストリップの実施形態を示している。
【
図10】本発明の一実施形態によるモジュール式パーティションシステムの一部を形成する2つの隣接するパネルと、これら2つのパネルの支持部材のフランジとの係合に適した接続ストリップとを示している。
【
図11A】
図10に示されている支持パネルおよびスチールストリップの一部分について、支持パネルのうちの使用時に断熱パネルに接する表面を示す第1の斜視図を示している。
【
図11B】
図10に示されている支持パネルおよびスチールストリップの一部分について、支持パネルのうちの使用時に断熱パネルから遠い方の表面を示す第2の斜視図を示している。
【
図12A】
図11Cに示した支持パネルおよびスチールストリップの一部分の断面図であり、ツール先端部をさらに示している。
【
図12B】
図11Dに示した支持パネルおよびスチールストリップの一部分の断面図であり、ツール先端部をさらに示している。
【
図13A】単一のパネルと、この単一のパネルの支持部材のフランジに係合した本発明の実施形態によるエッジストリップとを示しており、パネルは、実質的に
図10~
図12Bに示したとおりのパネルである。
【
図13B】
図13Aに示したパネルおよび係合したエッジストリップを隣接させたペアを示しており、2つのパネルの間に公差ギャップが形成されている。
【
図14】本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムを組み込むことができる寄せ棟屋根の構造の概略の斜視図である。
【
図15】本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムの一部分の断面図である。
【
図16】本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムを組み込んだ寄せ棟屋根の断面図である。
【
図17】本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムを組み込んだ寄せ棟屋根の斜視図である。
【
図18A】第1の種類の屋根カバーを備えた
図17に示した寄せ棟屋根の斜視図である。
【
図18B】第2の種類の屋根カバーを備えた
図17に示した寄せ棟屋根の斜視図である。
【
図19】パネルと棟木との間の係合を示す
図16の一部分の拡大図である。
【
図20】パネルと軒桁との間の係合を示す
図15に示した寄せ棟屋根の一部分の拡大斜視図である。
【
図21】パネルと軒桁との間の係合を示す
図16に示した寄せ棟屋根の一部分の第2の拡大斜視図である。
【
図22】本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムを組み込んだ寄せ棟屋根の斜視図であり、タイルバテンのための係合システムを示している。
【
図23】本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムを組み込んだ寄せ棟屋根の斜視図であり、タイルバテンのための別の係合システムを示している。
【
図24】本発明の実施形態による別のモジュール式パーティションシステムの一部分の断面図である。
【
図25】
図24に示したモジュール式パーティションシステムを組み込んだ建物の一部分を切除した斜視図である。
【
図29】
図25~
図28に示した建物の一部分を切除した図であり、
ウォールタイのための係合システムを示している。
【
図30】
図29の係合システムにおける
ウォールタイと接続ストリップとの間の係合を示す断面図である。
【
図31】本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムの一部分の斜視図である。
【
図32】
図31に示したモジュール式パーティションシステムの一部分の断面図である。
【
図33】本発明の実施形態による支持梁の斜視図を示している。
【
図35】本発明の別の実施形態による支持梁の断面図を示している。
【
図36】本発明の別の実施形態による支持梁の一部分の断面を示している。
【
図37】本発明の別の実施形態による支持梁の一部分の斜視図を示している。
【
図38】
図33および
図34に示した2つの支持梁を備える本発明の別の実施形態による支持梁の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0117】
本発明の一実施形態によるパーティション用の新規なパネル2が、
図1~
図6に示されている。パネル2は、断熱パネル4と、断熱パネル4の両側に配置された2つの支持パネル6とを備える。
【0118】
本明細書において使用されるとき、パネルという用語が、比較的薄いおおむね平坦な三次元のオブジェクトまたは物体を意味するように意図されていることを、理解できるであろう。さらに、比較的薄いとは、オブジェクトまたは物体の1つの寸法が、オブジェクトまたは物体の他の2つの寸法よりも小さいことを意味することを、理解できるであろう。オブジェクトまたは物体の最小の寸法を、オブジェクトまたは物体の厚さと称することができる。オブジェクトまたは物体の最小の寸法におおむね垂直な2つの寸法は、平面(または、平行な一群の平面)を定めることができる。
【0119】
図1~
図6において、断熱パネル4の最小の寸法、すなわち厚さは、z方向である。断熱パネル4の厚さにおおむね垂直な2つの寸法を、x-y平面を定めると考えることができる。
図1~
図6において、各々の支持パネル6の最小の寸法、すなわち厚さは、x方向である。支持パネル6の厚さにおおむね垂直な2つの寸法を、y-z平面を定めると考えることができる。したがって、2つの支持パネル6の各々は、断熱パネル4の平面に対しておおむね垂直に広がっている。
【0120】
断熱パネル4は、任意の適切な断熱材料を含むことができる。例えば、材料は、例えば、発泡ポリスチレン(EPS)、押出ポリスチレン(XPS)、硬質ポリウレタン(PUR)、ポリイソシアヌレート(PIR)、などの硬質断熱材料であってよい。材料は、独立気泡であっても、連続気泡であってもよい。断熱パネル4の厚さを、パネル2を組み込んだ建物が満たすことが望まれる建築規則または規準を念頭に置くことによって決定することができる。建設業界においては、パーティションに組み込まれる断熱材の厚さを増やすという一般的な傾向が存在する。あくまでも例として、断熱パネル4は、175mm程度の厚さを有することができる。
【0121】
支持パネル6は、任意の適切な材料から形成されてよい。適切な材料として、ハードボードおよび高密度ファイバーボード(HDF)を挙げることができる。
【0122】
図4において最もよく見て取ることができるように、2つの支持パネル6の各々の突出部分8が、断熱パネル4の面10、12を越えて延びている。本明細書において使用されるとき、パネルの面は、パネルの厚さによって隔てられた2つの表面を意味するように意図されていることを、理解できるであろう。
【0123】
したがって、パネル2は、パネル2の4つのエッジの各々において支持パネル6のうちの1つの支持パネルの突出部分8が断熱パネル4から突き出すように構成されている。
【0124】
パネル2は、2つの支持パネル6の各々の突出部分8から延びるフランジをさらに備え、このフランジは、断熱パネル4の平面におおむね平行に延びている。
図1~
図6に示される実施形態において、そのようなフランジの各々は、巻かれた軽量スチールストリップ14および木材バテン16によってもたらされている。
【0125】
各々の木材バテン16は、支持パネル6のうちの1つの支持パネルの突出部分8と、断熱パネル4の面10、12のうちの一方とに隣接して配置されている。各々のスチールストリップ14は、支持パネル6のうちの1つの支持パネルの外面(すなわち、支持パネル6のうちの断熱パネル4とは反対の面)に隣接する第1の部分と、断熱パネル4の平面におおむね平行に延びる第2の部分とを含む。スチールストリップ14の第2の部分を、木材バテン16を所定の場所に保持するように、木材バテン16の周りに巻き付けることができる。
【0126】
各々のスチールストリップ14の第1の部分は、1つ以上の固定具18(
図3を参照)によって支持パネル6のうちの1つに機械的に取り付けられている。固定具18は、例えば、パンチ、リベット、ねじ、釘、などであってよい。
【0127】
各々の支持パネル6および各々の支持パネル6から延びるフランジをまとめて、支持部材をもたらすと考えることができる。すなわち、1つの支持パネル6、2つのスチールストリップ14、および随意による2つの木材バテン16を、支持部材を形成すると考えることができる。
【0128】
図1~
図6において、パネル2の厚さは、z方向である。パネル2の厚さにおおむね垂直な他の2つの寸法のうち、断熱パネル4および支持パネルの両方が延在する寸法(すなわち、y方向)を、パネル2の長さと考えることができ、残りの寸法(すなわち、x方向)を、パネル2の幅と考えることができる。
【0129】
パネル2は、任意の幅であってよい。パネル2の幅を、パネルの全体的な構造安定性に必要な支持の量、および/または使用時にパネル2が支持すべき基材の要件の両方を念頭に選択することができる。例えば、使用時に、パネルは、典型的には最大600mmの中心で支持される石膏ボードを(その内面で)支持するかもしれない。したがって、一実施形態において、パネル2は、これに対応するために、約600mmの幅を有することができる。支持パネル6は、約6mmの厚さを有することができる。パネル2の全体の厚さを600mmにするために、断熱パネル4の幅は、588mmになる。したがって、パネル2の幅全体に、12mmの支持パネル材料(例えば、ハードボード)および588mmの断熱材、すなわち2%の構造体および98%の断熱材が存在する。
【0130】
図1~
図6に示され、上述されたパネル2は、断熱パネル4の両側に配置された2つの支持パネル6によって構造的支持がもたらされる断熱建設パネルを提供する。これは、例えば、断熱材が2つの構造パネルの間に挟まれている構造用断熱パネル(SIP)などの先行技術の断熱建設パネル(すなわち、2つのパネルが建設パネルの内面および外面に配置されている)と対照的である。
【0131】
好都合なことに、パネル2は、同等のSIPパネルにおいて必要とされるよりも著しく少ない構造支持ボードしか使用しない。さらに、支持ボード6は、SIPパネルで使用される構造支持ボードよりも薄くてよい。結果として、パネル2は大幅に軽量になり、大幅に安く製造することができる。
【0132】
絶縁パネル4の面10、12を越えて延びる2つの支持パネル6の各々の突出部分8を設けることにより、以下で説明されるように、先行技術の構成(例えば、SIP)に対するさらなる利点がもたらされる。パーティションを、複数のパネル2から形成することができ、複数のパネルは、各々のパネル2の支持パネル6が隣のパネル2の支持パネル6に隣接および接触するように並べて配置される。支持パネル6の各々が、断熱パネルの少なくとも一方の面を越えて延びているため、複数のパネル2から形成されるそのようなパーティションは、滑らかで平坦な表面を有さない。むしろ、隣り合うパネル2の各ペアからの支持パネル6の突出部分8が、パーティションの各々の表面(おおむね断熱パネル4の表面によって定められる)にリッジを形成する。
【0133】
例えばSIPなどの先行技術の構成では、火災および電気配線の理由で、バテンを建設パネルの内面に追加する必要がある。典型的には、内部ボード(例えば、石膏ボード)が、これらのバテンに固定される。屋根パネルとして使用される場合、SIPの外面に屋根タイルを支持するためのバテンが取り付けられる。しかしながら、これらのバテンは、排水を助けるためにカウンターバテンでSIPの外面から離して保持される必要がある。
図1~
図6に示されるパネル2では、(隣接するパネルの各ペアからの支持パネルの突出部分によって形成されるパーティションの各表面のリッジゆえに)内部バテンおよび追加の外部カウンターバテンが不要である。
【0134】
2つの支持パネル6の各々の突出部分8から延びるフランジ(巻かれた軽量スチールストリップ14および木材バテン16によってもたらされる)を設けることによって、支持パネル6の各々の端部に、さまざまな理由で有益なより大きい表面積がもたらされる。第1に、この構成によれば、支持部材の外形が、I字形のおおむね半分である。すなわち、使用時に、2つの隣接するパネル2からの2つの支持部材が接触すると、それらは一緒になって、おおむねI字梁の形態となる。フランジによってもたらされる支持部材の表面積の増加は、パネル2から形成されたパーティションによって支えられる荷重をより良好に分布させる。第2に、表面積の増加により、パネル2から形成されたパーティションへの内部または外部の被覆の固定をより容易にすることができる。
【0135】
支持パネル6を、断熱パネル4に接合または接着することができる。これは、各々のパネル2をより容易に持ち運ぶことができるアセンブリにすることができるため、便利かもしれない。しかしながら、パネル2の支持パネル6は、パネル2の平面に対しておおむね垂直に延びているため、(SIPとは対照的に)いかなる荷重も断熱パネル4によって伝達する必要がない。したがって、支持部材6と断熱パネル4との間の接続(例えば、接着による接合)は、高い完全性を必要としない。これは、先行技術と比較して、第1の態様のシステムの製造コストをさらに削減する。
【0136】
支持パネル6は、断熱パネル4と同じ熱性能を有さず、典型的には、断熱材のみによる構造と比較して、全体としてのアセンブリの熱性能を低下させると考えられる。この影響を低減するために、支持部材6の厚さを最小にでき、支持部材6を形成する材料を、構造ロールを果たしつつパネル2の熱性能を最大にするように選択することができる。
【0137】
パネル2は、必要に応じて、任意の長さを有することができる。上述の特徴を備えたパネルは、約6.5mの距離に及ぶ可能性が明らかになっている。パネルの構造は、注文に応じた長さに切断するだけでよいような構造であってよいと考えられる。これにより、材料の無駄を大幅に削減できると期待される。
【0138】
パネル2が勾配屋根を覆うべく用いられるように意図される実施形態においては、パネル2の一端に端部支持パネル20が設けられる。端部支持パネル20は、断熱パネル4に接合または接着されてよい。これに加え、あるいはこれに代えて、端部支持パネル20を、固定具22によって木材バテン16に取り付けることができる。固定具22は、例えば、パンチ、リベット、ねじ、釘、などであってよい。
【0139】
図3に見られるように、パネル2の一方の面において、端部支持パネル20は、ショルダ23を形成するように2つの支持パネル6の突出部分8を越えて延びている。使用時に、このショルダ23を、棟木上の相補的な
特徴に係合させることができる。使用時に、棟木の第1の側に2つ以上のパネル2を設けることができ、棟木の第2の反対側に2つ以上のパネル2を設けることができることを、理解できるであろう。パネル2の他方の面の付近において、端部支持パネル20は、2つのフック24を備える。使用時に、これらのフック24は、棟木の両側の2つのパネル2の間を延びる1つ以上のクランプ(
図12において25と標記されている)の位置詳細を提供することができる。これらのクランプは、棟木に機械的に固定されてよい。
【0140】
上述したように、支持パネル6を断熱パネル4に接合または接着することで、各々のパネル2をより容易に輸送することができるアセンブリにすることができる。ここで、
図7および
図8を参照して、代案の構成が説明される。したがって、本発明の一実施形態によるパーティション用の第2の新規なパネル26が、
図7および
図8に示されている。
図1~
図6に示したパネル2の特徴と実質的に同じである
図7および
図8に示されるパネル26の特徴は、共通の参照番号を共有する。
図7および
図8に示されるパネル26と
図1~
図6に示したパネル2との間の相違点のみを、ここで説明する。
【0141】
断熱パネル4の平面におおむね平行に2つの支持パネル6の各々の突出部分8から延びるフランジが、変更版の巻かれた軽量スチールストリップ28を備えている。
【0142】
各々のスチールストリップ28は、支持パネル6のうちの1つの支持パネルの外面(すなわち、支持パネル6のうちの断熱パネル4とは反対の面)に隣接する第1の部分と、断熱パネル4の平面におおむね平行に延びる第2の部分32とを含む。
【0143】
スチールストリップの第2の部分32は、おおむね箱形梁の形態となるように巻かれ、あるいは折り曲げられている。これを達成するために、スチールストリップ28は、スチールストリップの第2の部分32が、断熱パネル4の表面におおむね平行に延び、かつ断熱パネル4の表面から離れている部分32aと、おおむね断熱パネル4の表面に向かって延びる部分32bと、断熱パネル4の表面におおむね平行に延び、かつ断熱パネル4の表面に隣接する部分32cと、おおむね断熱パネル4の表面から遠ざかるように延びる部分32dとを含むように巻かれ、あるいは折り曲げられている。スチールストリップ28を、鋼の薄板を各々の隣接部分の間の交線において丸め、あるいは折り曲げることによって形成できることを、理解できるであろう。
【0144】
第2の部分32の遠位端34は、第1の部分30におおむね平行である。第2の部分32の遠位端34と第1の部分30とが協働して、2つの支持パネル6のうちの一方の支持パネルの突出部分8を受け入れるためのチャネルまたは溝36を定める。第2の部分32の遠位端34と第1の部分30とによって定められるこのチャネルまたは溝36を、2つの支持パネル6のうちの一方の支持パネルの突出部分8と締まり嵌めを形成するような寸法とすることができる。これは、パネルの組み立てを補助し、スチールストリップ28を(
図1~
図6に示したパネル2と同様のやり方で)1つ以上の固定具で保持されるまで所定の位置に保つことができる。
【0145】
各々のスチールストリップ28の第2の部分32は、断熱パネル4の面10、12との係合のための手段を備える。とくには、各々のスチールストリップ28の第2の部分32は、断熱パネル4に刺さり、あるいは断熱パネル4を貫いて、断熱パネル4に係合するように配置された複数の不連続または断続的なかかり37を備える。かかり37は、おおむね断熱パネル4の表面に向かって延びる部分32bと、断熱パネル4の表面におおむね平行に延び、かつ断熱パネル4の表面に隣接する部分32cとの間の交線の形成時に丸められたり、あるいは折り曲げられたりしない薄板材料の複数の部分から形成される。
【0146】
本発明のいくつかの実施形態は、複数のパネル(例えば、上述のパネル2、26)と、複数の隣接するパネルのうちの2つのパネルの各々からの支持部材と協働するように配置された少なくとも1つの接続ストリップとを備えるモジュール式パーティションシステムに関する。そのような接続ストリップは、
図9A~
図9Cを参照して以下で説明されるように、さまざまな異なる形態をとることができる。
【0147】
図9Aが、上述のパネル2、26の支持部材のフランジとの係合に適した接続ストリップ38を示している。接続ストリップ38は、上述のパネル2、26の支持部材のフランジを受け入れるためのチャネルまたは溝を定める。接続ストリップ38の外形は、上述のパネル2、26の支持部材のフランジと締まり嵌めを形成するような外形である。
【0148】
図9Bおよび
図9Cの各々は、上述のパネルと同様のパネルの支持パネル6との係合に適した異なる接続ストリップ40、42を示している。接続ストリップ38は、パネルの2つの隣接する支持パネル6の突出部分8を受け入れるためのチャネルまたは溝を定めている。これらの実施形態において、支持パネル6にフランジが設けられていない(スチールストリップ14、28も、木材バテン16も設けられていない)ことに留意されたい。しかしながら、接続ストリップ40、42は、2つの隣接する支持パネル6の突出部分8を受け入れるためのチャネルまたは溝の両側に突出フランジ部分を備えている。接続ストリップ40、42の突出フランジ部分は、上述のパネル2、26に設けられたフランジと同様の役割を果たす。接続ストリップ40、42の外形は、2つの隣接する支持パネル6の突出部分8と締まり嵌めを形成するような外形である。
【0149】
一般に、
図9A~
図9Cに示される各々の種類の接続ストリップ38、40、42は、2つの隣接するパネルのそれぞれからの支持部材と締まり嵌めを形成する。さらに、各々の接続ストリップ38、40、42は、一般に、1つ以上の固定具(例えば、パンチ、リベット、ねじ、釘、など)を使用して、隣接するパネルの両方に機械的に取り付けられる。
【0150】
使用時に、隣接するパネルの各ペアについて、通常は2つの接続ストリップ38、40、42が設けられ、2つの接続ストリップ38、40、42は、支持部材の両端に設けられることを、理解できるであろう。
【0151】
次に、複数のパネルと、複数の隣接するパネルのうちの2つのパネルのそれぞれからの支持部材と協働するように配置された少なくとも1つの接続ストリップとを備えるモジュール式パーティションシステムのさらなる実施形態を、
図10~
図12Bを参照して説明する。
【0152】
図10は、2つの隣接するパネル132と、これらのパネル132の支持部材のフランジとの係合に適した接続ストリップ134とを示している。この実施形態において、パネル132は、
図1~
図6に示したパネル2ならびに
図7および
図8に示したパネル26とは異なる。加えて、接続ストリップ134は、
図9A~
図9Cに示した接続ストリップ38、40、42とは異なる。ここでは、この実施形態と上述の実施形態との間の相違点のみを、詳細に説明する。したがって、
図1~
図6に示したパネル2ならびに
図7および
図8に示したパネル26の特徴と実質的に同じであるパネル132の特徴は、共通の参照番号を共有する。
【0153】
この実施形態のパネル132と、
図1~
図6に示したパネル2ならびに
図7および
図8に示したパネル26との間の唯一の相違点は、支持パネル6のフランジである。
図7および
図8に示したパネル26と同様に、この実施形態のパネル132のフランジは、木材バテン16を備えない。この実施形態のパネル132の支持パネル6のフランジは、(上述のスチールストリップ14、28とは異なる)変更版のスチールストリップ136を備え、これを
図11A~
図11Dを参照して説明する。
【0154】
図11A~
図11Dは、支持パネル6の一部分およびスチールストリップ136を示している。
図11Aは、使用時に断熱パネル4に接触する支持パネル6の表面6a(内側表面と呼ぶことができる)を示す斜視図を示している。
図11Bは、使用時に断熱パネル4から遠い支持パネル6の表面6b(外側表面と呼ぶことができる)を示す斜視図を示している。
図11A~
図11Dには、各々の支持パネル6の最小の寸法、すなわち厚さが、x方向であるように、
図1~6に示したものと一致する1組のデカルト座標軸が示されている。支持パネル6の厚さにおおむね垂直な2つの寸法を、y-z平面を定めると考えることができる。断熱パネル(図示せず)の最小の寸法、すなわち厚さは、z方向である。
図11Cは、x-z平面における支持パネル6およびスチールストリップ136の断面図であり、
図11Dは、x-y平面における支持パネル6およびスチールストリップ136の断面図である。
【0155】
図11Cにおいて最もよく見て取ることができるように、スチールストリップ136は、支持パネル6の外側表面6bに接触し、かつ支持パネル6の外側表面6bにおおむね平行である第1の部分138と、おおむね支持パネル6の2つの対向する表面6a、6bの間を延びる第2の部分140と、支持パネル6の内側表面6aにおおむね平行な第3の部分142と、断熱パネル4(
図10を参照)の表面におおむね平行に延びる第4の部分144とを含む。
【0156】
接続ストリップ134(
図10を参照)は、上述のように2つの隣接するパネル132の支持部材6のフランジの一部分を受け入れるためのチャネルまたは溝を定める。接続ストリップ38の外形は、次に説明されるように、パネル132の支持部材6のフランジと締まり嵌めを形成するような外形である。
【0157】
接続ストリップ134(圧延鋼から形成することができる)は、おおむね箱形梁の形態であるが、2つの支持パネルのエッジの付近の部分と、スチールストリップ136のうちの支持パネルのエッジの付近の部分とを受け入れるための開口を有する。とくに、接続ストリップ134は、中央壁部分134aと、2つのおおむねU字形の横部分134b、134cとを備える。2つの隣接するパネル132の支持部材6のフランジの一部分を受け入れるためのチャネルまたは溝が、2つの横部分134b、134cの間に形成される。
【0158】
第2の部分140と第3の部分142との間に、各々のスチールストリップ136は、支持パネル6の内側表面6aから遠ざかるように延びる突出部141を備える。突出部141は、2つの隣接するパネル132の突出部141が、2つの横部分134b、134cの間に形成されるチャネルまたは溝の開口部よりもわずかに大きくなるような寸法とされている。しかしながら、接続ストリップ134は、2つの隣接するパネル132の突出部141をチャネルまたは溝に受け入れることができるように充分に弾性変形することができる。ひとたび2つの隣接するパネル132の突出部141が2つの横部分134b、134cを通過すると、接続ストリップ134は、突出部141を溝またはチャネルに捕まえて保持するように跳ね戻ることができる。
【0159】
スチールストリップ136の第4の部分の遠位端に、断熱パネル4の面との係合のための手段をもたらす有刺部146が設けられている。有刺部146は、
図7および
図8に示した実施形態のかかり37によく似ており、断熱パネル4に刺さり、あるいは断熱パネル4を貫いて、断熱パネル4に係合するように配置されている。しかしながら、この実施形態においては、複数の不連続なかかり37ではなく、有刺部146がスチールストリップ136の実質的に全長にわたって形成されている。
【0160】
各々のスチールストリップ136の第1の部分138は、支持パネル6のうちの1つの支持パネルの外側表面6bに機械的に取り付けられる。同様に、各々のスチールストリップ136の第3の部分142は、支持パネル6のうちの1つの支持パネルの内側表面6aに機械的に取り付けられる。この実施形態において、これは、支持パネル6の外側表面6bおよび支持パネル6の内側表面6aを
図12Aおよび
図12Bを参照してさらに説明されるように複数の位置において互いにパンチし、
プレス接合し、あるいはかしめるように、ツールを使用してスチールストリップ136の第1の部分138を支持パネル6のうちの1つの支持パネルの外側表面6bへとかしめ、スチールストリップ136の第3の部分142を支持パネルのうちの1つの支持パネル6の内側表面6aへとかしめることで達成される。結果として、スチールストリップ136の第1および第3の部分138、142の外面に、複数のディンプルまたは凹部148を見て取ることができる。
【0161】
図12Aは、x-z平面における支持パネル6およびスチールストリップ136の断面図であり、
図12Bは、x-y平面における支持パネル6およびスチールストリップ136の断面図である。
図12Aおよび
図12Bには、ツール先端部150も概略的に示されている。
【0162】
ツール先端部150が、スチールストリップ136の第1および第3の部分138、142の外面へと打ち込まれ、スチールストリップの第1および第3の部分138、142ならびに支持パネル6の両方の表面の塑性変形を引き起こす(この塑性変形の前は平坦であってよい)ことを、理解できるであろう。この塑性変形の結果として、スチールストリップ136の第1および第3の部分138、142の表面は、それぞれ支持パネルの外側表面6bおよび内側表面6aと相補的になり、これらに係合する。
【0163】
ツール先端部150は、おおむね円筒形であってよく、4~6mm程度の直径を有することができる。しかしながら、
図12Aにおいて最もよく見て取ることができるように、ツール先端部150の先端は、マイナスドライバーと同様の形状の矩形のエッジへと先細りであってよい。ツール先端部を、3~4mm程度の深さまで打ち込むことができる。先の実施形態と同様に、支持パネル6は、6mm程度の厚さを有することができ、スチールストリップ136は、1mm程度の厚さを有する軽量スチールストリップであってよい。隣接する凹部148(ツール先端部150によって形成される)の中心間の距離152は、40mm程度であってよい。
【0164】
図12Bにおいて最もよく見て取ることができるように、支持パネル6の内側表面6aに形成された凹部148は、支持パネル6の外側表面6bに形成された凹部148に対してy方向にずれている。
図12A(および、
図11C)には2つの凹部148が示されているが、これは単に凹部が支持パネル6の両面に設けられることを示すためのものにすぎず、実際には、これらの凹部は(
図12Bおよび
図11Dのように)ずれており、同じx-z平面の断面に現れることがないことを、理解できるであろう。
【0165】
このモジュール式パーティションシステムを使用し、複数の平行かつ隣接するパネル(例えば、パネル2、26、132)を、隣接するパネルの各ペアについて2つの接続ストリップ(例えば、接続ストリップ38、40、42、134)を使用して互いに接続することで、パーティションを形成できることを理解できるであろう。2つの隣接するパネルの支持部材6の両端に2つの接続ストリップが設けられる。
【0166】
一般に、支持部材6および接続ストリップは、2つの支持体(例えば、屋根梁)の間にまたがり、支持体間にまたがるように所望の長さ(すなわち、例えば
図1~
図6に示されるとおりのy方向のパネルの寸法)に製造されてよい。
【0167】
パネルは、任意の幅であってよい。パネルの幅を、パネルの全体的な構造安定性に必要な支持の量、および/または使用時にパネルが支持すべき基材(例えば、床板、石膏ボード、など)の要件の両方を念頭に選択することができる。モジュール式のパネルシステムの組み立て後の全体としての幅(すなわち、モジュール式のシステムの例えば
図1~
図6に示されるとおりのx方向の寸法)が、公差のギャップを可能にするようにパーティションの幅にほぼ等しく(しかしながら、それよりもわずかに小さく)なることが望ましいかもしれないことを、理解できるであろう。パネルの幅を、パーティションの幅の整数分の一になるように選択することができる。これに加え、あるいはこれに代えて、パネルを、例えば約400mm、500mm、または600mmの幅を有する1つ以上の標準幅にて提供してもよい。これらの標準幅のうちの1つの整数倍(または、種々の標準幅の組み合わせ)ではない全体としての幅を有するパーティションの場合、モジュール式のパネルシステムの組み立て後の全体としての幅が、公差のギャップを可能にするようにパーティションの幅にほぼ等しく(しかしながら、それよりもわずかに小さく)なるように、1つ以上のオーダーメイドのパネルを形成できることを理解できるであろう。
【0168】
以下で説明されるように、公差のギャップを可能にするために、1つ以上のエッジストリップを設けることができる。エッジストリップは、(それぞれ2つの隣接するパネルのフランジ部分に係合するように構成された接続ストリップ38、40、42、134とは対照的に)単一のパネルのフランジ部分との係合に好適であってよい。したがって、エッジストリップは、おおむね接続ストリップのうちの1つの接続ストリップの半分の形態の外形を有することができる。これが、
図13Aおよび
図13Bを参照して、
図10~
図12Bに図示して上述した実施形態について説明される。
図9A~
図9Cに示した実施形態についても、同様のエッジストリップを設けることができることを、理解できるであろう。
【0169】
図13Aは、単一のパネル132と、単一のパネル132の支持部材のフランジに係合したエッジストリップ154とを示している。パネル132は、実質的に、
図10~
図12Bを参照して上述したとおりである。とくには、パネルは、支持パネル6に機械的に取り付けられたスチールストリップ136を備え、スチールストリップ136は、支持パネル6の内側表面から遠ざかるように延びる突出部141を有している。
【0170】
エッジストリップ154(圧延鋼から形成されてよい)は、おおむね接続ストリップ134の半分の形態である。エッジストリップ154は、おおむね箱形梁の形態であり、支持パネル6のエッジの付近の部分と、スチールストリップ136のうちの支持パネル6のエッジの付近の部分とを受け入れるための開口を有する。エッジストリップ154は、1つのおおむねU字形の横部分154bと1つのおおむね平坦な横部分154cとの間に配置された中央壁部分154aを含む。単一のパネル132の支持部材6のフランジの一部分を受け入れるためのチャネルまたは溝が、2つの横部分154b、154cの間に形成される。
【0171】
中央壁部分154aは、接続ストリップ134(
図10を参照)の中央壁部分134aの長さの約半分の長さを有する。おおむねU字形の横部分154bは、接続ストリップ134の2つのおおむねU字形の横部分134b、134cのうちの一方とほぼ同じ形状である。しかしながら、他方の横部分154cは、中央壁部分154aにおおむね垂直であり、スチールストリップ136の第1の部分138に平行かつスチールストリップ136の第1の部分138に接するおおむね平坦な壁部分を含む。
【0172】
エッジストリップ154は、接続ストリップ134と一対の隣接するスチールストリップ136との間の嵌まり合いと同様の嵌まり合いにて、スチールストリップ136に係合する。突出部141は、2つの横部分154b、154cの間に形成されたチャネルまたは溝の開口部よりもわずかに大きくなるように寸法付けられている。しかしながら、エッジストリップ154は、突出部141をチャネルまたは溝に受け入れることができるように充分に弾性変形することができる。ひとたびパネル132の突出部141が2つの横部分154b、154cを通過すると、エッジストリップ154は、突出部141を溝またはチャネルに捕まえて保持するように跳ね戻ることができる。
【0173】
図13Bは、2つの隣接するパネル132を示しており、各々のパネル132は、パネル132の支持部材のフランジに係合したエッジストリップ154を有しており、2つのパネル132の間には公差のギャップ156が設けられている。公差のギャップ156を、適切な充てん材料158(例えば、発泡体など)で少なくとも部分的に満たすことができる。2つの隣接するパネルが、使用時にモジュール式のパネルシステムによって支持される基材(例えば、床板、石膏ボード、など)を介して接続されてよいことを、理解できるであろう。そのような基材は、両方のエッジストリップ154の中央部分154aに接触でき、機械的な固定具(例えば、釘またはねじなど)を使用してエッジストリップ154の中央部分154aに接続されてよい。
【0174】
勾配屋根において使用するためのモジュール式パーティションシステムに関する本発明の実施形態を、
図14~
図23を参照して以下で説明する。
【0175】
図14は、本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムを組み込むことができる寄せ棟屋根44の構造の概略の斜視図である。
【0176】
寄せ棟屋根44は、寄せ棟屋根44の周囲を定めるように壁47の上部に沿ってそれぞれ延びる軒桁46と、寄せ棟屋根44の上端を定める棟木48とを備える。棟木48は、棟木48の端部から2つの軒桁46が出会う角部まで屋根の斜めの縁に沿ってそれぞれ延びる4つの隅木50によって支持されている。
【0177】
次に、本発明の一実施形態によるモジュール式パーティションシステム52を、
図15~
図21を参照して説明する。
【0178】
図15は、本発明の一実施形態によるモジュール式パーティションシステム52の一部分の断面図である。モジュール式パーティションシステム52は、
図1~
図6を参照して上述した複数のパネル2を含む。
図15には3つのパネル2が示されているが、他の実施形態において、モジュール式パーティションシステム52が2つのパネル2または4つ以上のパネル2を含んでもよいことを、理解できるであろう。パネル2は、各々のパネル2の断熱パネル4がおおむね互いに平行になり、複数のパネル2の各々のパネル2の1つの支持部材(すなわち、1つの支持パネル6、2つのスチールストリップ14、および随意による2つの木材バテン16)が隣接するパネル2の支持部材に隣接するように配置される。モジュール式パーティションシステム52は、隣接するパネル2の各ペアにつき2つの接続ストリップ38をさらに備える。各々の接続ストリップ38は、おおむね
図9Aに示した形態であり、複数の隣接するパネル2のうちの2つのパネル2の各々からの支持部材と協働するように配置される。
【0179】
一般に、モジュール式パーティションシステム52の内面において、内部基材54が1つ以上の固定具(典型的には、ねじまたは釘など)を使用してパネル2に接続される。内部基材54は、例えば12.5mmの箔で裏打ちされた石膏ボードなど、石膏ボードを含むことができる。これらの固定具の各々が、1つのパネルのフランジ(すなわち、スチールストリップ14および木材バテン16)へと接続ストリップ38を通過する。
【0180】
随意により、内部基材54と各々の接続ストリップ38との間にバテン56を設けることができる。これは、例えば、内部基材54とパネル2の断熱パネル4との間に形成される空隙58のサイズを大きくしたい場合に望ましいかもしれない。
【0181】
一般に、モジュール式パーティションシステム52の外面において、外部基材または屋根構造がパネル2に接続される。技術的に知られているとおり、そのような外部基材について、種々のさまざまな選択肢が存在する。以下で2つの選択肢が説明され、これらから、どのようにモジュール式パーティションシステム52を他の種類の外部基材において使用できるのかが、当業者にとって明らかであろう。第1の選択肢は、パネル2に接続された配向性ストランドボード(OSB)の層と、そこに直接接続された屋根タイルの層とを備える。第2の選択肢は、屋根タイルが接続されるバテンの1つ以上の列(通常は屋根の勾配に対して垂直に延びる)を備える。
【0182】
図17が、モジュール式パーティションシステム52を組み込んだ(
図14に示した種類の)寄せ棟屋根の斜視図である。
図17は、外部基材または外被が適用される前のモジュール式パーティションシステム52の外面を示している。
図18Aが、OSBボード60がパネル2に(接続ストリップ38を介して、1つのパネル2のフランジへと)固定された状態の
図17に示した寄せ棟屋根の斜視図である。したがって、これは(タイルが適用される前の)第1の屋根葺きの選択肢に一致する。
図18Bは、木材バテン62の列がパネル2に(接続ストリップ38を介して、1つのパネル2のフランジへと)固定された状態の
図17に示した寄せ棟屋根の斜視図である。したがって、これは(タイルが適用される前の)第2の屋根葺きの選択肢に一致する。
【0183】
図15が、第1の屋根葺きの選択肢を示している一方で、
図16は、第2の屋根葺きの選択肢を示している。
【0184】
再び
図15を参照すると、いくつかの実施形態においては、OSBボード60の層が、1つ以上の固定具(典型的には、ねじまたは釘など)を使用してパネル2(の外面)に固定される。これらの固定具の各々が、1つのパネルのフランジ(すなわち、スチールストリップ14および木材バテン16)へと接続ストリップ38を通過する。タイル64の層が、従来からのやり方でOSBボードの層へと取り付けられる。
【0185】
図16は、モジュール式パーティションシステム52を組み込んだ寄せ棟屋根の断面図である。
図16は、棟木48および2つの軒桁46(
図14を参照)を示す断面図である。棟木48と2つの軒桁46の各々との間にまたがる屋根の断面が示されている。
【0186】
棟木48と一方の軒桁46との間にまたがる屋根の各部分は、おおむね
図15に示したモジュール式パーティションシステム52の形態である(ただし、この図では、
図15に示されるOSBボード60およびタイル64とは対照的に、木材バテン62がモジュール式パーティションシステム52の外面に取り付けられている)。
【0187】
図19~
図21を参照して以下で説明されるように、モジュール式パーティションシステム52は、棟木48と、軒桁46のうちの1つとに係合する。
【0188】
モジュール式パーティションシステム52のパネル2と棟木48との間の係合を、
図19を参照して以下で説明する。
図19に示されるように、棟木48は、おおむね一定の断面形状を有する。棟木48の外形は、おおむね箱形梁の形態である中央部分49と、中央部分49の各側に設けられた2つの横部分65とを含む。2つの横部分の各々は、端部支持パネル20および2つの支持パネル6の突出部分8によって形成されたショルダ23との係合のための
特徴を提供する。とくには、2つの横部分65の各々は、端部支持パネル20および2つの支持パネル6の突出部分8によって形成されたショルダ23と係合するためのフランジまたはリップ63を定める。係合用のフランジまたはリップ63と、端部支持パネル20および2つの支持パネル6の突出部分8によって形成されたショルダ23との間のこの係合は、位置決め機能を提供することによってパネル2の設置を助けることができる。ひとたびパネル2を棟木48に係合させると、パネル2を、1つ以上の固定具66(例えば、セルフタップねじ)によって棟木48に機械的に取り付けることができる。固定具66は、棟木48の横部分65をパネル2へと(例えば、接続ストリップ38を貫き、スチールストリップ14および木材バテン16によって形成されたフランジへと)通過する。
図19に示されるように、各々の横部分65によって定められるフランジまたはリップ63は、横部分65の主要部分から折り返され、固定具66は、パネル2へと横部分65の主要部分ならびにフランジまたはリップ63を通過する。
【0189】
端部支持パネル20は、支持パネル6と同じ材料から形成されてよい。あるいは、いくつかの実施形態において、端部支持パネル20は、鋼のストリップまたは薄板から形成されてよい。そのような実施形態において、(ショルダ23を形成するように)2つの支持パネル6の突出部分8を越えて延びる端部支持パネル20の一部分を、棟木48の2つの横部分65とより良好に係合するように湾曲させ、あるいはおおむねフック状とすることができる。
【0190】
図14に示した形態の切妻屋根において、パネル2の少なくともいくつかが、棟木50のうちの1つと軒桁のうちの1つとの間にまたがることを、理解できるであろう。
図17に見られるように、そのようなパネルは、おおむね台形の形態である(すなわち、2つの平行な辺と、2つの非平行な辺とを有する)。そのようなパネル2に、上述の棟木48との係合と同様のやり方で棟木50上の
特徴と係合するためのショルダ23を定める端部支持パネル20がやはり設けられることを、理解できるであろう。
【0191】
図20は、パネル2と軒桁46との間の係合を、屋根の内部から示している。見て取ることができるように、軒桁46は、パネル2を支持するフランジまたはリップ67を定める。接続ストリップ38は、軒桁46によって定められるフランジ67の直前まで延び、追加の固定クリップ68が、フランジ67に隣接して設けられる。この固定クリップ68は、接続ストリップ38の外形と同様の外形を有し、同様のやり方で2つの隣接するパネル2の各々からの支持部材と協働するように配置された第1の部分72を備える。固定クリップ68は、軒桁46によって定められるフランジ67におおむね平行な第2の部分74をさらに備える。モジュール式パーティションシステム52の軒桁46への機械的な固定は、固定クリップ68の第2の部分74を通り、軒桁46によって定められたフランジ67を通って、2つの隣接するパネル2のうちの一方の支持部材へと進入する一対の固定具70(例えば、セルフタップねじ)によって達成される。
【0192】
図21は、パネル2と軒桁46との間の係合を、屋根の外部から示している。見て取ることができるように、外側において、接続ストリップ38は、協働するように構成された2つの隣接するパネル2からの支持部材を過ぎて、軒桁46の表面上へと延びている。随意により、接続ストリップ38と軒桁46との間の空間に、木材バテン76を設けることができる。モジュール式パーティションシステム52の軒桁46への機械的な固定は、接続ストリップ38を通り、木材バテン76(存在する場合)を通って、軒桁46へと進入する一対の固定具78(例えば、セルフタップねじ)によって達成される。
【0193】
モジュール式パーティションシステム52は、以下で説明されるように、先行技術を超える多くの利点をもたらすパーティション(例えば、屋根)を構築するためのきわめて万能かつ費用効果に優れたシステムを提供する。
【0194】
モジュール式パーティションシステム52は、例えば構造用断熱パネル(SIP)などの先行技術の断熱建設パネルの代替物を提供する。SIPにおいては、断熱材が2つの構造パネルの間に挟まれている(すなわち、2つのパネルが建設パネルの内面および外面に配置されている)。SIPパネルは、屋根だけでなく、広く建物の壁および床にも使用される。さらに、SIPは、一般に、パーティションの全体または少なくともかなりの部分を形成することができる大きな薄板材料として製造される。これは、空気漏れの機会が少なくなることを期待して継ぎ目の数を減らすことを狙った先行技術のSIPシステムの意図的な特徴である。
【0195】
好都合なことに、モジュール式パーティションシステム52は、支持部材をモジュール式パーティションシステム52の平面にほぼ垂直に延びる断熱パネル4の側面に配置したパネルを使用する。結果として、モジュール式パーティションシステム52においては、使用される構造支持材料を、同等のSIPパネルにおいて必要とされるよりも大幅に少なくすることができる。結果として、パネル2が大幅に軽量になり、大幅に安く製造することができる。加えて、パネル2の支持部材は、モジュール式パーティションシステム52の平面に対しておおむね垂直に延びているため、(SIPとは対照的に)いかなる荷重も断熱パネル4によって伝達する必要がない。したがって、支持部材と断熱パネル4との間の接続(例えば、接着による接合)が、高い完全性を必要としない。実際に、
図7および
図8を参照して上述したように、いくつかの実施形態において、支持部材は、断熱パネル4との締まり嵌めを提供する1つ以上の
特徴を備えることで、支持部材と断熱パネル4との間の接着による接合の費用を回避することができる。これは、先行技術と比較して、モジュール式パーティションシステム52のシステム製造コストをさらに削減する。
【0196】
さらに、先行技術の教示とは反対に、モジュール式パーティションシステム52は、より多数のパネル、したがってより多くの継ぎ目を有する構成に、より適している。これは、少なくとも部分的には、2つの隣接するパネル2の間の構造的な接続を助けるために、複数の隣接するパネル2のうちの2つのパネルのそれぞれからの支持部材と協働するように構成された新規な接続ストリップ38を提供することによって、可能にされている。モジュール式パーティションシステム52は、このようなより小さなパネルを可能にするがゆえに、例えばパーティションの開口部(例えば、ドアおよび窓)およびパーティション間の継ぎ目(例えば、部屋の角部)において無駄になる材料の量を大幅に減らすことができ、完全になくすことさえ可能であるため、さらなる費用便益をもたらすことができる。
【0197】
いくつかの実施形態において、モジュール式パーティションシステム52は、隣接するパネルの各ペアの間に弾性シールをさらに備えることができる。例えば、2つの支持部材の一方または両方の側面(例えば、支持パネル6の外側表面)に、シール材料(例えば、発泡体テープなど)を設けることができる。あるいは、設置の最中に適切なシール材料を手作業で設けてもよい。
【0198】
さらに、モジュール式パーティションシステム52は、このようなパネル2を可能にするがゆえに、きわめて容易に設置することが可能になる。例えば、モジュール式パーティションシステム52は、パネル2の手作業での設置をより容易にし、高価につく可能性があり、建設現場において(例えば、一時的に利用できない場合に)高価につく遅延を引き起こす可能性があるリフト装置(例えば、クレーンなど)を不要にすることができる。
【0199】
断熱パネル4に使用される断熱材が独立気泡(例えば、XPS)である実施形態においては、モジュール式パーティションシステム52を使用する屋根について、外部(防水)膜を設ける必要はないかもしれない。
【0200】
モジュール式パーティションシステム52において外部膜が使用される場合、接続ストリップ38によって所定の位置に保持することが可能である。すなわち、外部膜を、2つの隣接するパネル2へと、それらの支持部材に接続ストリップ38を係合させる前に適用することができる。あるいは、外部膜を、パネル2のスチールストリップ14によって所定の位置に保持してもよい。これは、外部膜をパネル2の製造時に適用でき、設置時間を節約できるため、とくに好都合である。
【0201】
モジュール式パーティションシステム52が、現場の公差を許容するために変更版の接続ストリップを備えてもよいことを、理解できるであろう。例えば、一連のパネル2に沿った現場の公差ゆえに、隣接するパネル2の或るペアにおいて、パネル間にすき間が存在すると考えられる。このすき間を、通常どおり、膨張する発泡体で埋めることができ、変更版の接続ストリップを、互いに重なり合い、1つ以上の固定具を使用して互いに取り付けることができるように、延長脚を有する2つの別個の部材として提供することができる。
【0202】
すでに説明したように、少なくともいくつかの実施形態においては、屋根タイルを支持するために、1列以上のバテン(屋根の勾配に対しておおむね垂直に延びる)が、モジュール式パーティションシステム52の外部に取り付けられる。したがって、いくつかの実施形態においては、
図22および
図23を参照して以下で説明されるように、接続ストリップが、バテンとの係合のための1つ以上の係合機構を備えることができる。
【0203】
図22は、上述の種類の本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムを組み込んだ寄せ棟屋根の斜視図である。
図22に示される実施形態は、おおむね
図9Bに示した形態の接続ストリップ40を使用する。接続ストリップ40は、2つの隣接するパネルからの支持パネル6の突出部分8を受け入れるためのチャネルまたは溝を定めている。
【0204】
接続ストリップ40のこのチャネルまたは溝とは反対側の表面に、金属バテン用の複数の係合機構が設けられている。各々の係合機構は、おおむねL字形の突出部80のペアを2つ含む。突出部80は、接続ストリップ40の上面からおおむね垂直に延びる第1の部分と、接続ストリップ40の上面におおむね平行に延びる接続ストリップ40の上面から離れた第2の部分とを含む。各々の突出部80の第2の部分が、金属製バテンのガイドフランジを受け入れるためのガイドチャネルを定めている。突出部の各ペアにおいて、第2の部分は、ガイドチャネルが互いに向かい合うようにお互いに向かって延びている。さらに、突出部の2つのペアの各々のガイドチャネルは、整列している。
【0205】
図22に見られるように、係合機構は、2つのサイドフランジ83と隆起した中央部分84とを備えるバテン82(例えば、圧延された軽量スチールストリップから形成される)を案内するのに適している。バテン82を、2つのサイドフランジ83の各々が突出部80によって形成されたガイドチャネルに受け入れられるように、バテン82におおむね平行な(したがって、接続ストリップにおおむね垂直な)方向に滑らせることによって設置することができる。
【0206】
係合機構は、接続ストリップ40に沿った任意の好都合な間隔で設けることができる。
【0207】
接続ストリップ40を、軽量スチールストリップから形成することができる。突出部80を、接続ストリップ40の上面の一部分を(例えば、切断または打ち抜きによって)接続ストリップ40の上面の主要部分から部分的に分離させ、接続ストリップ40の主要面の面外へと曲げることによって形成することができる。
【0208】
図23は、上述の種類の本発明の実施形態によるモジュール式パーティションシステムを組み込んだ寄せ棟屋根の斜視図である。
図23に示される実施形態も、おおむね
図9Bに示した形態の接続ストリップ40を使用する。接続ストリップ40は、2つの隣接するパネルからの支持パネル6の突出部分8を受け入れるためのチャネルまたは溝を定めている。
【0209】
接続ストリップ40のこのチャネルまたは溝とは反対側の表面に、木材バテン62のための複数の係合機構が設けられている。各々の係合機構は、2つのおおむねL字形の突出部86を含む。突出部86は、接続ストリップ40の上面からおおむね垂直に延びる第1の部分と、接続ストリップ40の上面におおむね平行に延びる接続ストリップ40の上面から離れた第2の部分とを含む。各々の突出部80の第2の部分が、木材バテン86を受け入れるためのガイドチャネルを定めている。2つの突出部によって定められたガイドチャネルは、整列している。
【0210】
使用時に、接続ストリップ40は、突出部86によって定められるガイドチャネルがおおむね上方を(例えば、棟木の方を)向くように設置される。
【0211】
図23に見られるように、係合機構は、木材バテン62の案内に好適である。バテン62を、接続ストリップ40のガイドチャネルへと、バテン62におおむね垂直(したがって、接続ストリップ40におおむね平行)な方向にスライドさせることによって設置することができる。各々の突出部86の遠位端に、接続ストリップ40の上面の方を向いたリップまたはフランジ88が設けられている。突出部86および木材バテン62の寸法を、木材バテン62がリップまたはフランジ88を通過して接続ストリップ40のガイドチャネルに受け入れられるために突出部を撓ませなければならないように選択することができる。このような構成によって、リップまたはフランジ88は、接続ストリップ40のガイドチャネルに木材バテン62を保持するように作用する。
【0212】
係合機構は、接続ストリップ40に沿った任意の好都合な間隔で設けることができる。
【0213】
次に、中空壁において使用するためのモジュール式パーティションシステム90に関する本発明の実施形態を、
図24~
図28を参照して説明する。
【0214】
モジュール式パーティションシステム90が、多数の特徴を
図15~
図21に図示して上述したモジュール式パーティションシステム52と共通に共有することを、理解できるであろう。主な違いは、用途であり、
図24~
図28に示されるモジュール式パーティションシステム90は、屋根ではなく壁の一部を形成する。
図15~
図21に示したモジュール式パーティションシステム52の特徴と実質的に同じである
図24~
図28に示されるモジュール式パーティションシステム90の特徴は、共通の参照番号を共有する。
図24~
図28に示されるモジュール式パーティションシステム90と
図15~
図21に示したモジュール式パーティションシステム52との間の相違点のみを、ここで説明する。
【0215】
図24に見られるように、モジュール式パーティションシステム90の内面において、内部基材54が、モジュール式パーティションシステム52と同様のやり方で、1つ以上の固定具(典型的には、ねじまたは釘など)を使用してパネル2に接続される。しかしながら、この実施形態において、随意によるスペーサバテン56は省略されている。
【0216】
モジュール式パーティションシステム90は、中空壁構造の内側リーフを形成する。したがって、モジュール式パーティションシステム90の外面には、中空壁の外側リーフ92が設けられ、両者の間に空間または空洞がもたらされる。
【0217】
図25および
図26が、それぞれモジュール式パーティションシステム90を組み込んだ建物の部分切断の斜視図および断面図である。建物は、堅固な床94と、その上方の2つの浮かんだ木造床96とを備えている。以下において、堅固な床と下側の浮かんだ木造床96との間の空間を、階下と呼び、2つの浮かんだ木造床96の間の空間を、上階と呼ぶ。堅固な床94は、コンクリートスラブを備えることができる。浮かんだ木造床96は、床基材100および天井基材102を支持する複数のおおむね平行な根太98を備える典型的な構造である。根太は、各々の端部において梁104によって支持されている。
【0218】
図25は、内部基材(例えば、石膏ボード)が適用される前のモジュール式パーティションシステム90の内面を示している。
【0219】
中空壁の内側リーフは、
図27および
図27を参照して次に説明されるように床94、96によって支持されるモジュール式パーティションシステム90を備える。
【0220】
階下に位置するモジュール式パーティションシステム90のパネル2は、堅固な床94に機械的に固定されたソールプレート106によって支持される(
図28を参照)。次いで、モジュール式パーティションシステム90のこれらの階下パネル2は、モジュール式パーティションシステム90の上階のパネル2および下側の浮かんだ木造床96(従来からのやり方で根太ハンガーなどを介する)を支持するための梁104を支持する。
【0221】
このようにして、上階の壁および下側の浮かんだ木造床96の荷重は、梁104および下階の壁を介して堅固な床へと伝達される。開口部(例えば、ドアおよび窓)98が存在する場合、従来からのやり方で、まぐさ110が開口部98の真上を壁の各側の部分へと分配するために設けられる。
【0222】
中空壁の内側のリーフと外側のリーフとを機械的に結び付けることが望ましい。したがって、いくつかの実施形態においては、
図29および
図30を参照して以下で説明されるように、モジュール式パーティションシステム90の外側の接続ストリップが、
ウォールタイとの係合のための1つ以上の係合機構を備えることができる。
【0223】
図29は、
図25~
図28に示した建物の一部分を切除した図であり、
ウォールタイの係合システムを示している。
図29に示される実施形態は、おおむね
図9Bに示した形態である接続ストリップ40を使用し、これは、接続ストリップ40と
ウォールタイとの間の係合を示す
図30として再掲される。接続ストリップ40は、2つの隣接するパネルからの支持パネル6の突出部分8を受け入れるためのチャネルまたは溝を定めている。
【0224】
接続ストリップ40のフランジ部分において、接続ストリップ40の両側に、ワイヤウォールタイ114の端部を係合させるための複数の特徴112が設けられている。特徴112を、接続ストリップ40に沿った任意の好都合な間隔で設けることができる。建設時に、ウォールタイ114を所望の場所で接続ストリップ40に接続することができる。続いて、外側リーフレンガ壁92の構築時に、ウォールタイ114の遠位端の付近の部分116が、レンガ壁のモルタルに差し込まれ、2つのリーフを互いに結び付ける。
【0225】
パーティション用の上述のパネル2、26は、2つの支持パネル6の間を延びる断熱パネル4、すなわち断熱材料を含むパネルを備える。しかしながら、代案の実施形態において、断熱パネル4を断熱性ではない材料で置き換えてもよいことを、理解できるであろう。例えば、断熱が不要な内部パーティション(壁または床)に使用するためのパネルは、例えば段ボールなどのより安価な材料を使用することができる。そのような実施形態は、上述の利点の多くを依然として享受し、より安価な充てん材料は、これらのパネルを含むパーティションの設置を支援するために、荷重を支える支持部材の間の接続を単に提供する。さらなる代案として、断熱パネル4を、例えば遮音など、パーティションに望まれ得る他の特性を備えた材料で置き換えることができる。そのような構成が、
図31および
図32に示される。
【0226】
図31および
図32は、本発明の一実施形態によるモジュール式パーティションシステム118の一部分を示している。モジュール式パーティションシステム118は、変更版のパネル120および接続ストリップ121を採用しているが、上述のモジュール式パーティションシステム52によく似ている。すでに説明した実施形態の特徴と実質的に同じである
図31および
図32に示されるモジュール式パーティションシステム118の特徴は、共通の参照番号を共有する。
図31および
図32に示されるモジュール式パーティションシステム118とすでに説明した実施形態との間の相違点のみを、以下で説明する。
【0227】
変更版のパネル120は、上述したパネル2、26と同様の構成であるが、2つの支持パネル6の間を延びる断熱パネル4が、代替の中央パネル122によって置き換えられている。この実施形態において、中央パネル122は、2つの吸音ボード126の間に挟まれた充てん材124を含む複合パネルである。充てん材124は、必要に応じてミネラルウール絶縁材または他の吸音材を含むことができる。吸音ボード126には、吸音を助けるための複数の貫通孔が設けられている。
【0228】
図32において最もよく見て取ることができるように、2つの支持パネル6の各々の突出部分から中央パネル122の平面におおむね平行に延びているフランジが、上述のパネル26の丸められた軽量スチールストリップ28と同様の丸められた軽量スチールストリップ128を備える。しかしながら、この実施形態においては、充てん材124および2つの吸音ボード126の両方を収容するために、支持パネル6の両方のエッジに設けられたフランジの間に充分な空間が存在する。したがって、吸音ボード126を収容するために、各々のスチールストリップ128と充てん材124の表面との間にスロット130が形成される。
【0229】
接続ストリップ121は、おおむね上述の接続ストリップ38(
図9Aを参照)の形態であり、複数の隣接するパネル2のうちの2つのパネル2のそれぞれからの支持部材と協働するように配置される。
【0230】
上述のように、本発明のいくつかの実施形態は、パーティション(例えば、断熱または遮音パーティション)を形成するためのモジュール式パーティションシステムに関する。とくに、本発明のいくつかの実施形態は、例えば建物の屋根、壁、または床などの荷重に耐えることができる自立した構造体に関する。一般に、これらの実施形態は、複数のパネル(例えば、上述のパネル2、26、132、120)と、2つの隣接するパネルのそれぞれからの支持部材と協働するように配置された一対の接続ストリップとを備えることができる。各々のパネルの大部分は、使用時に荷重を支えることがなく、断熱または遮音を提供する。2つの隣接するパネルの支持部材が、2つの接続ストリップと協働して、I字梁を形成する。
【0231】
本発明のいくつかの他の実施形態は、
図33~
図38を参照して以下で説明されるように、支持梁に関する。これらの支持梁は、断熱を備えずに形成されてもよい建物の中階の床および内壁に特定の用途を有することができる。
【0232】
図33および
図34は、本発明の一実施形態による支持梁160の斜視図および断面図をそれぞれ示している。支持梁160は、ウェブパネル162と、第1のフランジ164と、第2のフランジ166とを備える。
【0233】
ウェブパネル162は、エンジニアリングウッドを備えることができる。例えば、ウェブパネル162は、複合材料ボードまたはパネルを備えることができる。例えば、ウェブパネル162は、OSB、ハードボード、mdf、チップボード、合板、などを備えることができる。
【0234】
図33において、ウェブパネル162の最小の寸法、すなわち厚さは、x方向である。ウェブパネル162の厚さにおおむね垂直な2つの寸法を、y-z平面を定めると考えることができる。ウェブパネル162は、反対向きの第1および第2の表面168、170を有する。反対向きの第1および第2の表面168、170は、どちらもy-z平面におおむね平行である。
【0235】
第1および第2の表面168、170は、どちらもおおむね矩形であり、ウェブパネル162の4つのエッジによって定められる。とくには、ウェブパネル162の第1および第2のエッジ172、174が、z方向に離れており、ウェブパネル162の高さを定めている。同様に、ウェブパネル162の第3および第4のエッジが、y方向に離れており、ウェブパネル162の長さを定めていることを、理解できるであろう。
【0236】
ウェブパネル162の寸法が、種々の実施形態においてさまざまであってよいことを、理解できるであろう。寸法は、支持梁162の意図される用途(および、荷重)に依存し得る。一実施形態において、ウェブパネル162は、8~12mm程度の厚さを有し得る。ウェブパネルの高さ(z方向の寸法であってよい)は、240mm程度であってよい。
【0237】
第1のフランジ164が、ウェブパネル162の第1のエッジ172に近接してウェブパネル162に取り付けられ、第2のフランジ166が、ウェブパネル162の第2のエッジ174に近接してウェブパネル162に取り付けられる。第1および第2のフランジ164、166は、ウェブパネル162の平面におおむね垂直な方向にウェブパネル162の第1および第2の表面168、170を越えて延びる。
【0238】
第1および第2のフランジ164、166は、金属材料から形成される。
【0239】
図34において最もよく見て取ることができるように、断面において、第1および第2のフランジ164、166の各々は、第1の表面168から第2の表面170まで延びる材料の連続ループを備える。さらに、断面において、この第1の表面168から第2の表面170までの材料の連続ループは、断面がおおむね一様である。断面において、第1および第2のフランジ164、166の各々は、中空または管状構造の形態である。この中空または管状構造は、ウェブパネル162の第1または第2のエッジ172、174の一方を受け入れるための開口部、溝、またはチャネルを有する。
【0240】
一実施形態において、第1および第2のフランジ164、166は、金属薄板から形成される。例えば、第1および第2のフランジ164、166を、例えば1mm程度の厚さを有する軽量圧延スチールストリップから形成することができる。金属薄板を、例えば第1および第2のフランジ164、166を形成するために折り曲げ、あるいは丸めることができる。あるいは、第1および第2のフランジ164、166を、例えば押し出しなどの連続プロセスなど、別のプロセスを使用して形成してもよい。
【0241】
この実施形態において、第1のフランジ164の断面形状は、第2のフランジ166の断面形状と実質的に同じである。この断面形状を、
図34において最もよく見て取ることができる。
【0242】
断面において、第1および第2のフランジ164、166の各々は、第1の表面168から第2の表面170まで延びる材料の連続ループを備える。とくには、材料の連続ループは、第1の表面168に接触している第1の部分176と、第2の表面170に接触している第2の部分178とを含む。第1および第2の部分176、178の間に、連続ループまたは材料は、第1の表面168からおおむね遠ざかるように延びる第3の部分180と、第1の表面168におおむね平行に延びているが、第1の表面168から離れている第4の部分182と、ウェブパネル168の平面におおむね垂直に延びている第5の部分184と、第2の表面170におおむね平行に延びているが、第2の表面170から離れている第6の部分186と、おおむね第2の部分178と第6の部分186との間を延びている第7の部分188とを含む。
【0243】
第3の部分180と第4の部分182とは、おおむね互いに垂直である(第3の部分180がおおむねx-y平面内を延び、第4の部分182がおおむねz-y平面内を延びている)が、第3の部分180は、第3の部分180と第4の部分182との間の交線181が鋭角になるように、第3の部分180と第4の部分182との間の交線181の付近においてx-y平面の外へと傾いている。同様に、第7の部分188と第6の部分186とは、おおむね互いに垂直である(第7の部分188がおおむねx-y平面内を延び、第6の部分186がおおむねz-y平面内を延びている)が、第7の部分188は、第7の部分188と第6の部分186との間の交線187が鋭角になるように、第7の部分188と第6の部分186との間の交線187の付近においてx-y平面の外へと傾いている。
【0244】
このようにして、第1および第2のフランジ164、166の各々は、中空または管状構造の形態である。この中空または管状構造は、ウェブパネル162の第1または第2のエッジ172、174の一方を受け入れるための開口部、溝、またはチャネルを有する。
【0245】
第1および第2のフランジ164、166の各々は、ウェブパネル162の第1および第2の表面168、170に取り付けられる。この取り付けは、せん断力に対する抵抗をもたらす(支持梁160のせん断面は、ウェブパネルの平面、すなわちy-z平面である)。この第1および第2のフランジ164、166のウェブパネル162の第1および第2の表面168、170への取り付けは、ウェブパネル162に対する第1および第2のフランジ164、166の移動を防止する。いくつかの実施形態において、第1および第2のフランジ164、166の第1および第2の表面168、170への取り付けは、2.5kN程度、またはそれ以上のせん断力に抵抗するのに充分である。
【0246】
ウェブパネル162の第1および第2の表面168、170への第1および第2のフランジ164、166の取り付けを、種々さまざまな方法で達成できることを、理解できるであろう。
【0247】
この実施形態において、ウェブパネル162の第1および第2の表面168、170への第1および第2のフランジ164、166の取り付けは、第1または第2の表面168、170に相補的であり、第1または第2の表面168、170に係合する第1および第2のフランジ164、166の表面を介する。とくには、第1および第2のフランジ164、166のそれぞれの第1の部分176が、第1の表面168に相補的であり、第1の表面168に係合する。同様に、第1および第2のフランジ164、166のそれぞれの第2の部分178が、第2の表面170に相補的であり、第2の表面170に係合する。
【0248】
この係合は、第1の部分176および第1の表面168の互いに係合する表面の塑性変形(この塑性変形の前は平坦であってよい)、ならびに第2の部分178および第2の表面170の互いに係合する表面の塑性変形(やはり、この塑性変形の前は平坦であってよい)によって達成される。そのような塑性変形を、例えばパンチを使用して2つの隣接する表面を一緒にかしめることにより達成することができる。例えば、パンチを使用して、第1および第2のフランジをウェブパネルに食い込ませることができる。
【0249】
とくには、第1および第2のフランジ164、166のいずれかのウェブパネル162への取り付けを、スチールストリップ136を支持パネル6の内側および外側表面6a、6bへと取り付ける
図10~
図12Bに示した本発明の実施形態について上述したプロセスと同様のやり方で達成することができる。
【0250】
したがって、第1および第2のフランジ164、166のいずれかのウェブパネル162への取り付けは、支持梁160の長さに沿った複数の位置においてウェブパネル162の第1の表面168および第2の表面170を互いにパンチし、
プレス接合し、あるいはかしめるように、ツールを使用してフランジ164、166の第1の部分176をウェブパネル162の第1の表面168へとかしめ、フランジ164、166の第2の部分178をウェブパネル162の第2の表面170へとかしめることによって達成される。結果として、第1および第2のフランジ164、166の第1および第2の部分176、178の外面に、複数のディンプルまたは凹部190を見て取ることができる。
図33においてはフランジ164、166の第1の部分176のみを見て取ることができるが、第1および第2のフランジ164、166の第2の部分178の外面にもくぼみまたは凹部190が見られることを、理解できるであろう。
【0251】
図12Aおよび
図12Bを参照して上述したように、取り付けプロセスは、ツール先端部をフランジ164、166の第1および第2の部分176、178の外面へと打ち込み、フランジ164、166の第1および第2の部分176、178ならびにウェブパネル162の両方の表面の塑性変形(この塑性変形の前は平坦であってよい)を引き起こすことを含むことができる。
【0252】
ツール先端部は、おおむね上述のとおりであってよく、4~6mm程度の直径を有する略円筒形であってよい。一実施形態において、ツール先端部の先端は、マイナスドライバーと同様の形状の矩形のエッジへと先細りである。ツール先端部を、3~4mm程度の深さまで打ち込むことができる。隣接する凹部190(ツール先端部によって形成される)の中心間の距離は、40mm程度であってよい。
【0253】
図12Bを参照して上述したように、ウェブパネル162の表面168に形成された凹部190は、ウェブパネル162の第2の表面170に形成された凹部に対してy方向にずらされていてもよい。
【0254】
あるいは、ウェブパネル162の第1および第2の表面168、170への第1および第2のフランジ164、166の取り付けを、ねじ、釘、リベット、または他の機械的な固定具を使用して達成できることを、理解できるであろう。
【0255】
第1および第2のフランジ164、166の各々の第5の部分184を、ウェブパネル162の平面におおむね垂直な壁部分であると見なすことができる。
【0256】
第1および第2のフランジ164、166は、ウェブパネル162の第1または第2のエッジ172、174との係合のための特徴を備える。とくには、第1および第2のフランジ164、166の各々の第5の部分184に、2つのリッジ192が形成されている。2つのリッジ192は、2つのリッジ192の間に形成された溝に受け入れられるウェブパネル162のための位置詳細を提供する。
【0257】
支持梁160は、おおむねI字梁の形態である。支持梁160は、床、壁、または天井などの表面の一部における根太としての使用に好適であってよい。支持梁160は、以下で説明されるように、公知の支持梁よりも有利である。
【0258】
伝統的な床用根太は、中実の木材梁から形成される。床用根太にI字梁構造を使用することが、ますます一般的になってきている。建物の建設において床用根太として使用される1つの既知の種類のI字梁は、配向性ストランドボード(OSB)から形成されたウェブと、木材から形成された2つの中実フランジとを備える。OSBウェブは、各々の中実木材フランジの溝に部分的に収容され、せん断力に抵抗することができる接続をもたらすように接着剤を使用して各々の中実木材フランジの溝に取り付けられる。
【0259】
そのような既知のI字梁またはI字根太とは対照的に、上述の支持梁160は、金属材料から形成された第1および第2のフランジ164、166を使用する。これは、既知の構成と比べて著しい利点をもたらし、何故ならば、金属材料は、木材とは異なり、例えばさまざまな連続プロセスを使用して任意の長さに形成できるからである。したがって、支持梁160を、さまざまな異なる長さに容易に製造することができる。これにより、支持梁160を、実質的に無駄を生じることなく、目的ごとの必要な長さに製造することができる。
【0260】
さらに、木材フランジとは対照的に、金属フランジ164、166の使用について、コスト、重量、および成形性などの多数のさらなる利点が存在する。
【0261】
加えて、支持梁160は、3つの部分(ウェブパネル162、第1のフランジ164、および第2のフランジ166)から形成され、これらが互いに取り付けられている(第1および第2のフランジ164、166が、ウェブパネル162の反対向きの第1および第2の表面168、170に取り付けられている)。これは、例えば、典型的には全体が中実な鋼から形成される典型的な圧延スチール根太(RSJ)と比べ、顕著な利点をもたらす。支持梁160が互いに取り付けられる3つの部分から形成されるこの構造は、好都合なことに、より経済的かつより軽量な材料をウェブパネル162に使用することを可能にする。さらに、第1および第2のフランジ164、166を、さらなるコストおよび重量の節約をもたらすおおむね管状または中空の構造として形成することを可能にする。
【0262】
第1および第2のフランジ164、166の形状が、他の実施形態では異なり得ることを、理解できるであろう。例として、
図35が、本発明の別の実施形態による支持梁194の断面図を示している。
図35に示される支持梁194は、
図33および
図34に示した支持梁160の特徴と共通する多くの特徴を共有する。相違点のみを、以下で詳細に説明する。
図33および
図34に示した支持梁160の特徴とおおむね同じである
図35に示される支持梁194の特徴は、支持梁160の対応する特徴と共通の参照番号を共有する。
【0263】
支持梁194は、ウェブパネル162と、第1のフランジ196と、第2のフランジ198とを備える。第1および第2のフランジ196、198は、上述の第1および第2のフランジ164、166と共通のいくつかの特徴を共有する。
【0264】
断面において、第1および第2のフランジ196、198の各々は、ウェブパネル162の第1の表面168から第2の表面170まで延びる材料の連続ループを備える。さらに、断面において、この第1の表面168から第2の表面170までの材料の連続ループは、断面がおおむね一様である。断面において、第1および第2のフランジ196、198の各々は、中空または管状構造の形態である。この中空または管状構造は、ウェブパネル162の第1または第2のエッジ172、174の一方を受け入れるための開口部、溝、またはチャネルを有する。
【0265】
第1および第2のフランジ196、198を、金属薄板から形成することができる。例えば、第1および第2のフランジ196、198を、例えば1mm程度の厚さを有する軽量圧延スチールストリップから形成することができる。金属薄板を、例えば第1および第2のフランジ196、198を形成するために折り曲げ、あるいは丸めることができる。あるいは、第1および第2のフランジ196、198を、例えば押し出しなどの連続プロセスなど、別のプロセスを使用して形成してもよい。
【0266】
第1のフランジ196の断面形状は、第2のフランジ198の断面形状と実質的に同じである。しかしながら、この断面形状は、
図33および
図35に示した第1および第2のフランジ164、166の断面形状とは異なる。
【0267】
断面において、第1および第2のフランジ196、198の各々は、第1の表面168から第2の表面170まで延びる材料の連続ループを備える。とくには、材料の連続ループは、第1の表面168に接触している第1の部分176と、第2の表面170に接触している第2の部分178とを含む。さらに、材料の連続ループは、ウェブパネル162の平面におおむね垂直な壁部分184を備え、壁部分184は、2つのリッジ192を備えている。しかしながら、この実施形態において、壁部分184は、それぞれおおむねまっすぐな壁部分200、202によって第1および第2の部分176、178に接続されている。
【0268】
第1および第2の部分176、178の間に、連続ループまたは材料は、第1の表面168からおおむね遠ざかるように延びる第3の部分180と、第1の表面168におおむね平行に延びているが、第1の表面168から離れている第4の部分182と、ウェブパネル168の平面におおむね垂直に延びている第5の部分184と、第2の表面170におおむね平行に延びているが、第2の表面170から離れている第6の部分186と、おおむね第2の部分178と第6の部分186との間を延びている第7の部分188とを含む。
【0269】
いくつかの実施形態において、支持梁160、194は、
図36を参照して以下で説明されるように、第1および第2のフランジの少なくとも一方の壁部分に設けられた弾性変形可能部材をさらに備えてもよい。
【0270】
図36は、本発明の別の実施形態による支持梁の一部分の断面を示している。この支持梁は、
図33および
図34に示して上述した支持梁と実質的に同じであるが、以下で説明されるように、2つのさらなる要素をさらに備える。
【0271】
とくには、この実施形態は、細長い金属部材204と、細長い弾性変形可能部材206とをさらに備える。弾性変形可能206は、発泡材料のストリップを備えることができる。細長い金属部材204を、弾性変形可能部材206が細長い金属部材204と第1のフランジ164との間に閉じ込められて保持されるように、嵌め込み式の結合を使用して第1のフランジ164に被さって係合することができるような形状の軽量スチールストリップから形成することができる。細長い部材204の(z方向の)内部寸法は、第1のフランジ164の外部寸法よりも大きい。したがって、細長い部材204は、弾性変形可能部材206を細長い金属部材204と第1のフランジ164との間に位置させて、第1のフランジ164に移動可能に接続される。
【0272】
したがって、細長い金属部材204の形状が、一般に、支持梁のフランジの形状に依存する(例えば、別の外形の細長い金属部材を
図35に示した支持梁194のフランジ196、198と共に使用することができる)ことを、理解できるであろう。しかしながら、一般に、細長い金属部材204は、まっすぐな中央壁部分208と、中央壁部分208におおむね垂直に延びる2つの横壁部分210とを備えることができる。横壁部分210は、フランジ164に嵌め合わせられるように配置されたタブ部分212を備えることができる。
【0273】
中央壁部分200に圧縮力が加えられると、弾性変形可能部材206の圧縮により、細長い金属部材204が第1のフランジ164に向かってz方向に移動することができる。
【0274】
このような弾性変形可能部材206は、支持梁を使用して形成された構造を通して伝達される音量の或る程度の減少をもたらすことができる。例えば、支持梁は、床用の根太を形成することができる。例えば、弾性変形可能部材206を、使用時に根太の上部を形成する(さらには、床板などを支持することができる)第1および第2のフランジ164、166のうちの一方に設けることができる。弾性変形可能部材206は、いくらかの音を吸収することができ、したがって、音が床を通って伝わることを少なくとも或る程度防止することができる。好都合なことに、
図36に示した実施形態は、防音ソリューションの容易な設置に役立つ一体化された構成を提供する。
【0275】
いくつかの実施形態において、支持梁160、194は、
図37を参照して以下で説明されるように、弾性バーへの接続のための1つ以上の係合機構をさらに備えることができる。
【0276】
図36は、本発明の別の実施形態による支持梁の一部分の斜視図を示している。この支持梁は、
図33および
図34に示して上述した支持梁と実質的に同じであるが、以下で説明されるように、弾性バーへの接続のための1つ以上の係合機構もさらに備える。
【0277】
中階の床を通る音の伝達を防止するために現時点において使用されている既知の方法は、軽量Z形鋼214の形態の弾性バーを、木製の床用根太の底面にねじ留めすることである。次いで、天井基材(例えば、石膏ボード)が弾性バー214に取り付けられ、これにより、床から下方の空間への音の伝達が低減される。
【0278】
図36に示されるように、この実施形態においては、おおむねL字形の突出部216の形態の
特徴が、第2のフランジ166の壁部分184(第5の部分184)に形成され、これらの突出部は、Z形断面の弾性バー214の一部分を受け入れるための溝を形成する。これらの係合機構を、例えば使用時に支持梁の下部を形成する第1および第2のフランジの一方に備えることで、コンプライアンスが改善され、設置が高速化される。このような
特徴を第1および第2のフランジに容易に設けることができることが、金属フランジを使用する本発明の実施形態による支持梁のさらなる利点である。
【0279】
いくつかの実施形態において、支持梁は、支持梁におおむね垂直な支持構造体への接続のための1つ以上の吊り下げ機構をさらに備えることができ、この1つ以上の吊り下げ機構は、第1および第2のフランジの少なくとも一方に設けられる。この1つ以上の吊り下げ機構は、支持梁の一端または両端(すなわち、y方向に離れた2つの端部)に設けられてよい。これらの吊り下げ機構が、おおむね任意の既知の種類の根太ハンガーの形態であってよいが、第1および第2のフランジのいずれかまたは両方に一体に形成されることを、理解できるであろう。
【0280】
鋼製の根太ハンガーが、梁の端部を梁におおむね垂直な支持構造体(例えば、壁または垂直な支持梁)に支持するために使用される。軽量鋼が使用され、構造性能を確保するために根太ハンガーと梁との間に多数の固定具を必要とする。インストーラーの構造では、固定具を充分に入れないことが一般的である(時間の節約)。1つ以上の吊り下げ機構は、支持梁と一体に形成されているため、迅速かつ安全な設置を促進する。
【0281】
本発明のいくつかの実施形態は、
図38を参照して以下で説明されるように、上述の支持梁(例えば、支持梁160、194)を複数備える支持梁に関係し得る。
【0282】
図38は、
図33および
図34に示して上述したような2つの支持梁160を備える支持梁218の断面図を示している。
【0283】
支持梁218の実施形態は、
図33および
図34に示したような2つの支持梁160の第1のフランジ164へと接続されるように構成された第1の細長い接続部材220をさらに備える。支持梁218の実施形態は、
図33および
図34に示したような2つの支持梁160の第2のフランジ166へと接続されるように構成された第2の細長い接続部材222をさらに備える。
【0284】
第1および第2の接続部材220、222は、実質的に同じであり、嵌め込み式の結合を使用して第1のフランジ164または第2のフランジ166に被さって係合することができるように形作られた軽量スチールストリップから形成されてよい。したがって、第1および第2の接続部材220、222の形状が、一般に、支持梁のフランジの形状に依存する(例えば、別の外形の細長い金属部材を
図35に示した支持梁194のフランジ196、198と共に使用することができる)ことを、理解できるであろう。しかしながら、一般に、第1および第2の接続部材220、222は、まっすぐな中央壁部分224と、中央壁部分224におおむね垂直に延びる2つの横壁部分226とを備えることができる。横壁部分226は、2つのフランジ(2つの第1のフランジ164または2つの第2のフランジ166のいずれか)に嵌め合わせられるように配置されたタブ部分228を備えることができる。
【0285】
図33および
図34に示されるように、第1および第2の細長い接続部材220、222と、2つの支持梁160の第1または第2のフランジ164、166との間に、さらなる固定具を設けてもよい。
【0286】
中階の床などの設計においては、いくつかの他の梁または根太を支えるための梁が必要となり得る。
図38に示される支持梁218は、そのような用途に適した大きな強度および断面二次モーメントを有する構成を提供する。
【0287】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明を、上述したやり方とは異なるやり方で実施できることを、理解できるであろう。以上の説明は、限定ではなく、例示を目的としている。したがって、添付の特許請求の範囲の技術的範囲から外れることなく上述した発明に変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。