(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】静電気保護回路、アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230619BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230619BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20230619BHJP
【FI】
G09F9/30 330
H10K59/00
H05B33/14 A
(21)【出願番号】P 2019559689
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2019081586
(87)【国際公開番号】W WO2019233173
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】201820855116.7
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲パン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲喬▼ 勇
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 学光
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-130341(JP,A)
【文献】特開平05-088198(JP,A)
【文献】特開2001-356362(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107479283(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107507827(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電気保護回路であって、
高レベル電圧が印加される第1電圧線と、
低レベル電圧が印加される第2電圧線と、
直線に沿って配置され且つ活性層を共有する複数の第1スイッチユニット及び複数の第2スイッチユニットを含むスイッチアセンブリと、を含み、
前記複数の第1スイッチユニットは、それぞれ複数本の信号線と第1電圧線との間に接続され、信号線における負の静電気に応答してオンになり、
前記複数の第2スイッチユニットは、それぞれ複数本の信号線と第2電圧線との間に接続され、信号線における正の静電気に応答してオンにな
り、
同一の信号線に対応する第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、互いに隣接して配置され、
前記同一の信号線に対応する第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、スイッチユニット群を構成し、
前記同一の信号線に対応するスイッチユニット群は、同一の信号線接続用線を介して信号線に接続され、
互いに隣接するスイッチユニット群は、第1スイッチユニットが互いに隣接するように、或いは第2スイッチユニットが互いに隣接するように配置される
ことを特徴とする静電気保護回路。
【請求項2】
前記複数本の信号線は、アレイ基板の周辺領域に設置される
請求項1に記載の静電気保護回路。
【請求項3】
前記複数の第1スイッチユニット及び前記複数の第2スイッチユニットが位置する直線は、前記複数本の信号線の一方側に設置される
請求項1又は2に記載の静電気保護回路。
【請求項4】
互いに隣接する第1スイッチユニットは、同一の第1電圧線接続用線を介して第1電圧線に接続され、
互いに隣接する第2スイッチユニットは、同一の第2電圧線接続用線を介して第2電圧線に接続される
請求項
1に記載の静電気保護回路。
【請求項5】
前記スイッチアセンブリは、
第1スイッチアセンブリと、第2スイッチアセンブリと、を含み、
第1スイッチアセンブリの第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、第1直線に沿って配置され、
第2スイッチアセンブリの第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、第1直線に平行する第2直線に沿って配置される
請求項1又は2に記載の静電気保護回路。
【請求項6】
前記複数本の信号線は、複数本の第1信号線と、複数本の第2信号線と、を含み、
第1スイッチアセンブリが位置する第1直線及び第2スイッチアセンブリが位置する第2直線は、前記複数本の第1信号線と前記複数本の第2信号線との間に設置される
請求項
5に記載の静電気保護回路。
【請求項7】
第1スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第1スイッチユニット及び第2スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第1スイッチユニットは、同一の第1電圧線接続用線を介して第1電圧線に接続され、
第1スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第2スイッチユニット及び第2スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第2スイッチユニットは、同一の第2電圧線接続用線を介して第2電圧線に接続される
請求項
6に記載の静電気保護回路。
【請求項8】
第1スイッチユニットは、直列に接続された第1トランジスタと、第2トランジスタと、を含み、
第2スイッチユニットは、直列に接続された第3トランジスタと、第4トランジスタと、を含む
請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の静電気保護回路。
【請求項9】
第1トランジスタの第1端は、信号線に接続され、第1トランジスタのゲートと第2端は、互いに接続され、
第2トランジスタの第1端は、第1トランジスタの第2端に接続され、第2トランジスタの第2端とゲートは、互いに接続され且つ第1電圧線に接続され、
第3トランジスタの第1端とゲートは、互いに接続され且つ信号線に接続され、
第4トランジスタの第1端とゲートは、互いに接続され且つ第3トランジスタの第2端に接続され、第4トランジスタの第2端は、第2電圧線に接続される
請求項
8に記載の静電気保護回路。
【請求項10】
第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ及び第4トランジスタは、直線に沿って配置された活性層を共有する
請求項
9に記載の静電気保護回路。
【請求項11】
アレイ基板であって、
前記アレイ基板の周辺領域に設置される複数本の信号線と、
前記複数本の信号線に接続される請求項1から請求項
10のいずれか1項に記載の静電気保護回路と、を含む
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項12】
前記静電気保護回路の第1電圧線は、ゲート高電圧信号線を含み、
前記静電気保護回路の第2電圧線は、ゲート低電圧信号線を含む
請求項
11に記載のアレイ基板。
【請求項13】
請求項
11又は
12に記載のアレイ基板を含むことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年6月4日に出願した出願番号が201820855116.7であって、発明名称が「静電気保護回路、アレイ基板及び表示装置」である中国実用新案の出願に基づき優先権を主張し、当該中国実用新案の出願の内容の全てを本願に援用する。
本願は、表示技術分野に関し、特に、アレイ基板、表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイなどの表示装置が広く使用されている。このような表示装置は、マトリクス状に配列された複数の画素を駆動するための走査線及びデータ線ようなの複数の信号線を含む。
【0003】
表示装置の使用中において、静電気が信号線に沿って表示装置に流入される可能性があるので、表示装置の内部の部品を損傷することがある。通常、表示装置に静電気保護又は静電気放電(ESD)回路を設置することで、静電気が表示装置に流入されてその内部の部品を損傷することを防ぐ。
【0004】
通常、このような静電気保護回路は、表示装置のアレイ基板の周辺領域に設置される。この場合、静電気保護回路がアレイ基板の周辺領域において占める面積が大きくなると、表示装置の狭額縁デザインに不利である。
このため、静電保護回路が占める面積を低減することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、静電気保護回路、アレイ基板及び表示装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、静電気保護回路を提供する。前記静電気保護回路は、高レベル電圧が印加される第1電圧線と、低レベル電圧が印加される第2電圧線と、直線に沿って配置され且つ活性層を共有する複数の第1スイッチユニット及び複数の第2スイッチユニットを含むスイッチアセンブリと、を含み、前記複数の第1スイッチユニットは、それぞれ複数本の信号線と第1電圧線との間に接続され、信号線における負の静電気に応答してオンになり、前記複数の第2スイッチユニットは、それぞれ複数本の信号線と第2電圧線との間に接続され且つ信号線における正の静電気に応答してオンになる。
【0007】
いくつかの実施例によれば、前記複数本の信号線は、アレイ基板の周辺領域に設置される。
【0008】
いくつかの実施例によれば、前記複数の第1スイッチユニット及び前記複数の第2スイッチユニットが位置する直線は、前記複数本の信号線の一方側に設置される。
【0009】
いくつかの実施例によれば、同一の信号線に対応する第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、互いに隣接して配置される。
【0010】
いくつかの実施例によれば、前記同一の信号線に対応する第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、スイッチユニット群を構成し、前記同一の信号線に対応するスイッチユニット群は、同一の信号線接続用線を介して信号線に接続される。
【0011】
いくつかの実施例によれば、互いに隣接するスイッチユニット群は、第1スイッチユニットが互いに隣接するように、或いは、第2スイッチユニットが互いに隣接するように配置される。
【0012】
いくつかの実施例によれば、互いに隣接する第1スイッチユニットは、同一の第1電圧線接続用線を介して第1電圧線に接続され、互いに隣接する第2スイッチユニットは、同一の第2電圧線接続用線を介して第2電圧線に接続される。
【0013】
いくつかの実施例によれば、スイッチアセンブリは、第1スイッチアセンブリと、第2スイッチアセンブリと、を含む。第1スイッチアセンブリの第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、第1直線に沿って配置され、第2スイッチアセンブリの第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、第1直線に平行する第2直線に沿って配置される。
【0014】
いくつかの実施例によれば、前記複数本の信号線は、複数本の第1信号線と、複数本の第2信号線と、を含む。第1スイッチアセンブリが位置する第1直線及び第2スイッチアセンブリが位置する第2直線は、前記複数本の第1信号線と前記複数本の第2信号線との間に設置される。
【0015】
いくつかの実施例によれば、第1スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第1スイッチユニット及び第2スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第1スイッチユニットは、同一の第1電圧線接続用線を介して第1電圧線に接続される。第1スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第2スイッチユニット及び第2スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第2スイッチユニットは、同一の第2電圧線接続用線を介して第2電圧線に接続される。
【0016】
いくつかの実施例によれば、第1スイッチユニットは、直列に接続された第1トランジスタと、第2トランジスタと、を含み、第2スイッチユニットは、直列に接続された第3トランジスタと、第4トランジスタと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例によれば、第1トランジスタの第1端は、信号線に接続され、第1トランジスタのゲート及び第2端は、互いに接続される。第2トランジスタの第1端は、第1トランジスタの第2端に接続され、第2トランジスタの第2端およびゲートは、互いに接続され且つ第1電圧線に接続される。第3トランジスタの第1端及びゲートは、互いに接続され且つ信号線に接続される。第4トランジスタの第1端及びゲートは、互いに接続され且つ第3トランジスタの第2端に接続され、第4トランジスタの第2端は、第2電圧線に接続される。
【0018】
いくつかの実施例によれば、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ及び第4トランジスタは、直線に沿って配置された活性層を共有する。
【0019】
本発明の別の態様によれば、アレイ基板を提供する。前記アレイ基板は、複数本の信号線と、前記複数本の信号線に接続されている上記の静電気保護回路と、を含む。
【0020】
いくつかの実施例によれば、静電気保護回路の第1電圧線は、ゲート高電圧信号線を含み、静電気保護回路の第2電圧線は、ゲート低電圧信号線を含む。
【0021】
本発明のさらに別の態様によれば、上記のアレイ基板を含む表示装置を提供する。
【0022】
図面は、本発明に対するさらなる理解を提供するために含まれ、本願に組み入れて本願の一部分を構成する。図面は、本発明の実施例を例示するためいのものであり、明細書とともに本発明の原理を解釈するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本発明の一例示的な実施例に係る静電気保護回路の模式図を示す。
【
図3】本発明の他の例示的な実施例に係る静電気保護回路の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施例をより全般的に説明する。しかしながら、実施例は、様々な形態で実施されることができ、本明細書にて説明する記載の例示に限定されるものであると理解されるべきではない。逆に、これらの実施例の提供することは、本発明をより全般的に全面にさせ、本発明の構想を全般的に当業者に伝えるためである。
【0025】
また、説明する特徴、構成又は特性は、任意の適切な方式で1つ又は複数の実施例に組み合わせることができる。
【0026】
なお、本明細書において用語「備える」及び/又は「含む」が使用される場合、上記の特徴、全体、ユニット及び/又はアセンブリが存在していることを意味するが、1つ又は複数の他の特徴、全体、ユニット、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせを含み又は追加する場合を排除するものではない。
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に解釈する。
【0028】
【0029】
当該静電気保護回路は、
図1に示すように、信号線SLをそれぞれ直列に接続された2つのトランジスタを介して低レベル電圧線(例えば、ゲート低電圧信号線)VGL及び高レベル電圧線(例えば、ゲート高電圧信号線)VGHに接続させることで、信号線SLにおける正の静電気及び負の静電気をそれぞれ低レベル電圧線VGLと高レベル電圧線VGHとを介して導出させるので、信号線SLにおける高電圧の静電気が表示装置の内部の部品を損傷することを回避することができる。
【0030】
具体的には、信号線SLは、第1トランジスタTFT1及び第2トランジスタTFT2を介して低レベル電圧線VGLに接続されている。第1トランジスタTFT1は、信号線SLに接続されるドレインと、当該ドレイン及び信号線SLに接続されるゲートと、第2トランジスタTFT2のドレインに接続されるソースと、を含む。第2トランジスタTFT2は、第1トランジスタTFT1のソースに接続されるドレインと、低レベル電圧線VGLに接続されるソースと、当該ドレインに接続されるゲートと、を含む。第1トランジスタTFT1及び第2トランジスタTFT2は、信号線SLに正の静電気が印加される場合、当該正の静電気に応答してオンになり、信号線SLにおける正の静電気を低レベル電圧線VGLに案内させることによって、高電圧の正の静電気が信号線SLに沿って表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0031】
信号線SLは、さらに、第3トランジスタTFT3及び第4トランジスタTFT4を介して高レベル電圧線VGHに接続されている。第3トランジスタTFT3は、信号線SLに接続されるソースと、第4トランジスタTFT4のソースに接続されるドレインと、当該ドレインに接続されるゲートと、を含む。第4トランジスタTFT4は、第3トランジスタTFT3のドレインに接続されるソースと、高レベル電圧線VGHに接続されるドレインと、当該ドレイン及び高レベル電圧線VGHに接続されるゲートと、を含む。第3トランジスタTFT3及び第4トランジスタTFT4は、信号線SLに負の静電気が印加される場合、当該負の静電気に応答してオンになり、信号線SLにおける負の静電気を高レベル電圧線VGHに案内させることによって、高電圧の負の静電気が信号線SLに沿って表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷させることを回避することができる。
【0032】
図1に示す静電気保護回路の構成において、表示装置の複数本の信号線のそれぞれには、このような静電保護回路が個別に設置される。また、各静電保護回路には、活性層(アクティブレイヤー;active layer)が個別に設置されている(即ち、一方の信号線に対応する静電気保護回路の活性層が、他方の信号線に対応する静電気保護回路の活性層と別に設置されている。)。このように、静電気保護回路がアレイ基板の周辺領域において占める面積が大きいので、表示装置の狭額縁デザインに不利である。
【0033】
本発明の例示的な実施例は、静電気保護回路を提供する。上記静電気保護回路は、アレイ基板の周辺領域において小さい面積を占めるので、表示装置の狭額縁設計に寄与することができる。
【0034】
図2は、本発明の一例示的な実施例に係る静電気保護回路の模式図を示す。
【0035】
上記静電気保護回路は、
図2に示すように、第1信号線SL1、第2信号線SL2及び第3信号線SL3を含む複数本の信号線に適用されることができる。ここで、複数本の信号線は、アレイ基板の周辺領域に設置され、即ち、アレイ基板の表示領域以外の領域に設置されている。説明の便宜上、ここでは3本の信号線のみを示したが、当業者には明らかなように、例えば、4本又はこれ以上のより多くの信号線を設置することができる。
【0036】
上記静電気保護回路は、高レベル電圧が印加される第1電圧線VL1と、低レベル電圧が印加される第2電圧線VL2と、直線に配置され且つ活性層AL1を共有する複数の第1スイッチユニットS11~S13及び複数の第2スイッチユニットS21~S23を含むスイッチアセンブリと、を含むことができる。ここで、複数の第1スイッチユニットS11~S13及び複数の第2スイッチユニットS21~S23が位置する直線は、ほぼ信号線の方向に沿って伸びている。
【0037】
ここで、複数の第1スイッチユニットS11~S13は、それぞれ複数本の信号線SL1~SL3と第1電圧線VL1との間に接続され、そして、信号線SL1~SL3における負の静電気に応答してオンになることによって、信号線SL1~SL3における負の静電気を第1電圧線VL1に案内させるので、信号線SL1~SL3における高電圧の負の静電気が表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0038】
複数の第2スイッチユニットS21~S23は、それぞれ複数本の信号線SL1~SL3と第2電圧線VL2の間に接続され、そして、信号線SL1~SL3における正の静電気に応答してオンになることによって、信号線SL1~SL3における正の静電気を第2電圧線VL2に案内させるので、信号線SL1~SL3における高電圧の正の静電気が表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0039】
上記のように、例示的な本実施例に係る静電気保護回路において、複数本の信号線に使用する複数の第1スイッチユニット及び複数の第2スイッチユニットが直線に配置されるとともに、活性層を共有するので、上記静電気保護回路が占める面積が小さくなり、表示装置の狭額縁設計に寄与することができる。
【0040】
いくつかの実施例において、高レベル電圧が印加される第1電圧線VL1は、表示装置におけるゲート高電圧信号線であり、低レベル電圧が印加される第2電圧線VL2は、表示装置におけるゲート低電圧信号線であってもよいが、本発明ではこれに限定しない。第1電圧線VL1及び第2電圧線VL2は、それぞれ表示装置において単独に設置された、高レベル電圧が印加される電圧線及び低レベル電圧が印加される電圧線であってもよい。
【0041】
図2に示すように、第1スイッチユニットS11~S13のそれぞれは、複数本の電圧線接続用線VCL11及びVCL12を介して第1電圧線VL1に接続されるとともに、複数本の信号線接続用線SCL1~SCL3を介して第1信号線SL1~第3信号線SL3に接続されている。第2スイッチユニットS21~S23のそれぞれは、複数本の電圧線接続用線VCL21及びVCL22を介して第2電圧線VL2に接続されるとともに、複数本の信号線接続用線SCL1~SCL3を介して第1信号線SL1~第3信号線SL3に接続されている。
【0042】
具体的には、第1スイッチユニットS11は、一端が、第1信号線接続用線SCL1を介して第1信号線SL1に接続され、他端が、第2電圧線接続用線VCL21を介して第1電圧線VL1に接続されるので、第1スイッチユニットS11が第1信号線SL1と第1電圧線VL1との間に接続される。また、第1スイッチユニットS11が第1信号線SL1における負の静電気に応答してオンになることで、第1信号線SL1における高電圧の負の静電気が第1電圧線VL1に伝送されるので、第1信号線SL1における高電圧の負の静電気が表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0043】
第2スイッチユニットS21は、一端が、第1信号線接続用線SCL1を介して第1信号線SL1に接続され、他端が、第1電圧線接続用線VCL11を介して第2電圧線VL2に接続されるので、第2スイッチユニットS21が第1信号線SL1と第2電圧線VL2との間に接続される。また、第2スイッチユニットS21が第1信号線SL1における正の静電気に応答してオンになることで、第1信号線SL1における高電圧の正の静電気が第2電圧線VL2に伝送されるので、第1信号線SL1における高電圧の正の静電気が表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0044】
第1スイッチユニットS12は、一端が、第2信号線接続用線SCL2を介して第2信号線SL2に接続され、他端が、第1電圧線接続用線VCL21を介して第1電圧線VL1に接続されるので、第1スイッチユニットS12が第2信号線SL2と第1電圧線VL1との間に接続される。また、第1スイッチユニットS12が第2信号線SL2における負の静電気に応答してオンになることで、第2信号線SL2における高電圧の負の静電気が第1電圧線VL1に伝送されるので、第2信号線SL2における高電圧の負の静電気が表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0045】
第2スイッチユニットS22は、一端が、第2信号線接続用線SCL2を介して第2信号線SL2に接続され、他端が、第3電圧線接続用線VCL12を介して第2電圧線VL2に接続されるので、第2スイッチユニットS22が第2信号線SL2と第2電圧線VL2との間に接続される。また、第2スイッチユニットS22が第2信号線SL2における正の静電気に応答してオンになることで、第2信号線SL2における高電圧の正の静電気が第2電圧線VL2に伝送されるので、第2信号線SL2における高電圧の正の静電気が表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0046】
第1スイッチユニットS13は、一端が、第3信号線接続用線SCL3を介して第3信号線SL3に接続され、他端が、第4電圧線接続用線VCL22を介して第1電圧線VL1に接続されるので、第1スイッチユニットS13が第3信号線SL3と第1電圧線VL1との間に接続される。また、第1スイッチユニットS13が第3信号線SL3における負の静電気に応答してオンになることで、第3信号線SL3における高電圧の負の静電気が第1電圧線VL1に伝送されるので、第3信号線SL3における高電圧の負の静電気が表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0047】
第2スイッチユニットS23は、一端が、第3信号線接続用線SCL3を介して第3信号線SL3に接続され、他端が、第3電圧線接続用線VCL12を介して第2電圧線VL2に接続されるので、第2スイッチユニットS23が第3信号線SL3と第2電圧線VL2との間に接続される。また、第2スイッチユニットS23が第3信号線SL3における正の静電気に応答してオンになることで、第3信号線SL3における高電圧の正の静電気が第2電圧線VL2に伝送されるので、第3信号線SL3における高電圧の正の静電気が表示装置の内部の部品に伝送されてこれを損傷することを回避することができる。
【0048】
いくつかの実施例において、同一の信号線に対応する第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットは、互いに隣接して配置されてもよい。
図2に示すように、第1信号線SL1に対応する第1スイッチユニットS11及び第2スイッチユニットS21は、互いに隣接して配置されてもよい。第2信号線SL2に対応する第1スイッチユニットS12及び第2スイッチユニットS22は、互いに隣接して配置されてもよい。第3信号線SL3に対応する第1スイッチユニットS13及び第2スイッチユニットS23は、互いに隣接して配置されてもよい。
【0049】
上記の構成は、信号線接続用線の数を効果的に低減させることができる。具体的には、同一の信号線に対応する第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットの組み合わせをスイッチユニット群と称することができる。また、同一の信号線に対応するスイッチユニット群は、同一の信号線接続用線を介して信号線に接続されることができる。例えば、
図2に示すように、第1スイッチユニットS11及び第2スイッチユニットS21、第1スイッチユニットS12及び第2スイッチユニットS22、第1スイッチユニットS13及び第2スイッチユニットS23は、それぞれスイッチユニット群を構成することができる。第1スイッチユニットS11及び第2スイッチユニットS21から構成されるスイッチユニット群(以下、第1スイッチユニット群と称する。)は、第1信号線接続用線SCL1を介して第1信号線SL1に接続され、第1スイッチユニットS12及び第2スイッチユニットS22とから構成されるスイッチユニット群(以下、第2スイッチユニット群と称する。)は、第2信号線接続用線SCL2を介して第2信号線SL2に接続され、第1スイッチユニットS13及び第2スイッチユニットS23から構成されるスイッチユニット(以下、第3スイッチユニット群と称する。)は、第3信号線接続用線SCL3を介して第3信号線SL3に接続される。上記から分かるように、このような構成は、信号線接続用線をスイッチユニットにより共有させることができる。例えば、第1信号線接続用線SCL1は、第1スイッチユニットS11及び第2スイッチユニットS21により共有され、第2信号線接続用線SCL2は、第1スイッチユニットS12及び第2スイッチユニットS22により共有され、第3信号線接続用線SCL3は、第1スイッチユニットS13及び第2スイッチユニットS23により共有されることができるので、信号線接続用線の数を効果的に低減することができ、これにより、静電気保護回路が占める面積を低下させることに寄与することができる。
【0050】
いくつかの実施例において、互いに隣接するスイッチユニット群は、第1スイッチユニットが互いに隣接するように、或いは第2スイッチユニットが互いに隣接するように配置されることができる。
図2に示すように、互いに隣接する第1スイッチユニット群及び第2スイッチユニット群は、第1スイッチユニットS11と第1スイッチユニットS12とが互いに隣接するように配置され、また、互いに隣接する第2スイッチユニット群及び第3スイッチユニット群は、第2スイッチユニットS22と第2スイッチユニットS23とが互いに隣接するように配置される。
【0051】
上記の構成は、信号線接続用線の数を効果的に低減することができる。具体的には、このような構成において、互いに隣接する第1スイッチユニットは、同一の電圧線接続用線を介して第1電圧線に接続され、互いに隣接する第2スイッチユニットは、同一の電圧線接続用線を介して第2電圧線に接続されてもよい。例えば、
図2に示すように、互いに隣接する第1スイッチユニットS11、S12は、第2電圧線接続用線VCL21を介して第1電圧線VL1に接続され、互いに隣接する第2スイッチユニットS22、S23は、第3電圧線接続用線VCL12を介して第2電圧線VL2に接続される。上記から分かるように、このような構成は、電圧線接続用線が互いに隣接するスイッチユニットにより共有されることができる。例えば、第2電圧線接続用線VCL21は、互いに隣接する第1スイッチユニットS11、S12により共有され、第3電圧線接続用線VCL12は、互いに隣接する第2スイッチユニットS22、S23により共有されることができるので、信号線接続用線の数を効果的に低減することができる。これにより、静電気保護回路が占める面積を低下させることに寄与することができる。
【0052】
いくつかの実施例において、第1スイッチユニットS11~S13のうちのスイッチユニットのそれぞれは、いずれも直列に接続される第1トランジスタと第2トランジスタとを含み、例えば、
図1に示す直列に接続される第3トランジスタTFT3及び第4トランジスタTFT4に類似している。第2スイッチユニットS21~S23のうちのスイッチユニットのそれぞれは、いずれも直列に接続される第3トランジスタと第4トランジスタとを含み、例えば、
図1に示す直列に接続される第1トランジスタTFT1及び第2トランジスタTFT2に類似している。
【0053】
具体的には、第1スイッチユニットS11と第2スイッチユニットS21を一例とすると、第1スイッチユニットS11に含まれる第1トランジスタの第1端(例えば、ソース)は、第1信号線接続用線SCL1を介して第1信号線SL1に接続され、ゲート及び第2端(例えば、ドレイン)は互いに接続される。第1スイッチユニットS11に含まれる第2トランジスタの第1端(例えば、ソース)は、第1トランジスタの第2端に接続され、第2端(例えば、ドレイン)及びゲートは、互いに接続されるとともに、第2電圧線接続用線VCL21を介して第1電圧線VL1に接続される。第2スイッチユニットS21に含まれる第3トランジスタの第1端(例えば、ドレイン)及びゲートは、互いに接続されるとともに、第1信号線SCL1を介して第1信号線SL1に接続される。第2スイッチユニットS21に含まれる第4トランジスタの第1端(例えば、ドレイン)とゲートは、互いに接続されるとともに、第3トランジスタの第2端(例えば、ソース)に接続され、第2端(例えば、ソース)は、第1電圧線接続用線VCL1を介して第2電圧線VL2に接続される。
【0054】
第1スイッチユニットS11及び第2スイッチS21に同様に、第1スイッチユニットS12~S13のうちの第1トランジスタ及び第2トランジスタ、第2スイッチユニットS22~S23のうちの第3トランジスタ及び第4トランジスタを配置してもよいが、ここではその説明を省略する。
【0055】
また、このような場合、スイッチアセンブリにおける第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ及び第4トランジスタは、いずれも直線に配置されるとともに、活性層を共有することができる。即ち、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ及び第4トランジスタのソース・ドレインは、直線に配置されるとともに、これらが共有する活性層もこの直線に沿って配置される。
【0056】
ここで、第1トランジスタ~第4トランジスタは、NMOSトランジスタであってもよいが、当業者は、本発明がこれに限定されないものを理解することができる。
【0057】
図2に示す例示的な実施例において、複数の第1スイッチユニット及び複数の第2スイッチユニットが位置する直線は、複数本の信号線の一方側に設置される。即、スイッチアセンブリは、複数本の信号線の一方側に設置されている。しかしながら、本発明の例示的な実施例は、これに限定されなく、複数の第1スイッチユニット及び複数の第2スイッチユニットが位置する直線は、複数本の信号線の間に設置されることができる。即ち、スイッチアセンブリは、複数本の信号線の間に設置されてもよい。
【0058】
次に、図面3を参照しながら、このような例示的な実施例を説明する。
【0059】
図3は、本発明の他の例示的な実施例に係る静電気保護回路の模式図を示す。
【0060】
上記静電気保護回路は、
図3に示すように、第1信号線SL1~第6信号線SL6を含む複数本の信号線に適用されることができる。また、上記静電気保護回路のスイッチアセンブリは、第1信号線SL1~第3信号線SL3を含む複数本の信号線と第4信号線SL4~第6信号線SL6を含む複数本の信号線との間に設置される。
【0061】
上記静電気保護回路は、高レベル電圧が印加される第1電圧線VL1と、低レベル電圧が印加される第2電圧線VL2と、第1スイッチアセンブリ及び第2スイッチアセンブリを含むスイッチアセンブリと、を含むことができる。例示的な本実施例において、第1スイッチアセンブリは、第1直線に沿って配置され且つ第1活性層AL1を共有する複数の第1スイッチユニットS11~S13及び複数の第2スイッチユニットS21~S23を含む。第2スイッチアセンブリは、第2直線に沿って配置され且つ第2活性層AL2を共有する複数の第1スイッチユニットS14~S16及び複数の第2スイッチユニットS24~S26を含む。本発明のいくつかの例示的な実施例において、第1スイッチアセンブリのスイッチユニットが位置する第1直線及び第2スイッチアセンブリのスイッチユニットが位置する第2直線は、互いに平行に配置されることができる。
【0062】
ここで、第1スイッチアセンブリは、第1信号線SL1~SL3に使用され、第2スイッチアセンブリは、第4信号線SL4~第6信号線SL6に使用される。また、第1スイッチアセンブリのうちの第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットの構造、配置及び信号線との接続方式は、
図2に示すものに類似している。同様に、第2スイッチアセンブリのうちの第1スイッチユニット及び第2スイッチユニットの構造、配置及び信号線との接続方式は、
図2に示すものに類似しているので、ここではその説明を省略する。
【0063】
第1スイッチアセンブリ及び第2スイッチアセンブリは、
図3に示すように、複数本の信号線の間に設置されることができる。具体的には、第1スイッチアセンブリが位置する第1直線及び第2スイッチアセンブリが位置する第2直線は、第1信号線SL1~第3信号線SL3を含む複数本の信号線及び第4信号線SL4~第6信号線SL6を含む複数本の信号線に設置される。このような構成により、電圧線接続用線の数を低減することができるので、静電気保護回路が占める面積を低下させ、表示装置の狭額縁設計に寄与することができる。
【0064】
具体的には、いくつかの実施例において、第1スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第1スイッチユニット及び第2スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第1スイッチユニットは、同一の電圧線接続用線を介して第1電圧線に接続され、第1スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第2スイッチユニット及び第2スイッチアセンブリのうちの少なくとも1つの第2スイッチユニットは、同一の電圧線接続用線を介して第2電圧線に接続されることができる。
【0065】
例えば、
図3に示すように、第1スイッチアセンブリのうちの第1スイッチユニットS11、S12及び第2スイッチアセンブリのうちの第1スイッチユニットS14、S15は、同一の第2電圧線接続用線VCL21を介して第1電圧線VL1に接続され、第1スイッチアセンブリのうちの第1スイッチユニットS13及び第2スイッチアセンブリのうちの第1スイッチユニットS16は、同一の第4電圧線接続用線VCL22を介して第1電圧線VL1に接続され、第1スイッチアセンブリのうちの第2スイッチユニットS21及び第2スイッチアセンブリのうちの第2スイッチユニットS24は、同一の第1電圧線接続用線VCL11を介して第2電圧線VL2に接続されている。第1スイッチアセンブリのうちの第2スイッチユニットS22、S23及び第2スイッチアセンブリのうちの第2スイッチユニットS25、S26は、同一の第3電圧線接続用線VCL12を介して第2電圧線VL2に接続されている。
【0066】
例示的な本実施例において、電圧線接続用線は、複数の第1スイッチユニット又は複数の第2スイッチユニットにより共有されることができるので、電圧線接続用線の数を低減することができる。これにより、静電気保護回路が占める面積を低下させ、表示装置の狭額縁設計に寄与することができる。
【0067】
本発明の上記の例示的な実施形態に対する説明から分かるように、本発明の例示的な実施例に係る静電保護回路は、小さな面積を占めるので、表示装置の狭額縁設計に寄与することができる。
【0068】
本発明の例示的な実施例は、さらに、上記の静電気保護回路を含むアレイ基板を提供する。また、上記アレイ基板は、上記の静電気保護回路に接続される複数本の信号線をさらに含む。いくつかの実施例において、信号線は、走査線またはデータ線であってもよい。また、いくつかの実施例において、静電気保護回路の第1電圧線は、ゲート高電圧信号線であり、第2電圧線は、ゲート低電圧信号線であってもよい。
【0069】
また、本発明の例示的な実施例は、さらに、上記の上述アレイ基板を含む表示装置を提供する。
【0070】
以上、図面を参照しながら、本発明の特定の例示的な実施例を説明した。これらの例示的な実施例は、網羅的であること、或いは本発明を開示された特定の形態に限定することを意図するものではない。また、上記の示唆によって、当業者が多くの修正及び変更を行うことができることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、前述した実施例に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲及びその均等物により限定されることを意図するものである。
【符号の説明】
【0071】
S11~S13 ・・・第1スイッチユニット
S21~S23 ・・・第2スイッチユニット
SL1~SL3 ・・・信号線
TFT1 ・・・第1トランジスタ
TFT2 ・・・第2トランジスタ
TFT3 ・・・第3トランジスタ
TFT4 ・・・第4トランジスタ
VCL11 ・・・第1電圧線接続用線
VCL12 ・・・第3電圧線接続用線
VCL21 ・・・第2電圧線接続用線
VCL22 ・・・第4電圧線接続用線
VL1 ・・・第1電圧線
VL2 ・・・第2電圧線
VGL ・・・低レベル電圧線
VGH ・・・高レベル電圧線