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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法及び推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230619BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230619BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
G08G1/00 C
G08G1/09 F
G01C21/26 C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020157913
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051433
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 安昭
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴明
(72)【発明者】
【氏名】森 泰介
(72)【発明者】
【氏名】助光 康大
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-153864(JP,A)
【文献】特開2010-210284(JP,A)
【文献】特開2002-257561(JP,A)
【文献】国際公開第2019/171489(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内におけるユーザ端末装置が取得した当該車両の走行情報を基に当該車両の所定の移動態様を取得し、該取得された所定の移動態様に基づき、所定のエリア内の道路の所定セグメント毎の所定の断面交通量を算出することにより、第1領域において所定の第1イベントが生じた際における当該第1領域の交通態様を取得する取得部と、
前記交通態様に基づいて、第2領域において前記第1イベントと類似する第2イベントが生じた際における当該第2領域の交通態様を推定する推定部と
を有し、当該第2領域における所定の地理的範囲内を走行する車両に対し、当該第2イベントに係る所定のタイミングで当該第2領域の交通態様を通知することを特徴とする推定装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記第2領域として、前記第1領域と道路状況が類似する領域における交通態様を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記第2領域として、前記第1領域で前記第1イベントが生じた施設と類似する施設を含む領域における交通態様を推定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記第2領域として、前記第1領域で前記第1イベントが生じた期間と類似する期間に前記第2イベントが生じる領域における交通態様を推定する
ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記取得部により取得された第1領域における所定の第1イベント発生に伴う交通態様に基づいて、第2領域における所定の第2イベントの発生に伴う交通態様を推定するためのモデルを生成し、前記モデルを用いて、前記第2領域における前記第2イベントの発生に伴う交通態様を推定する
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項6】
前記取得部は、端末装置を所持したユーザが乗車する車両が、第2領域内に入った際、前記端末装置から送信される前記車両の位置情報を取得し、
通信部が、当該位置情報に係る所定の地理的範囲内を走行する前記車両に対し、所定のタイミングで当該第2領域の交通態様を通知する
ことを特徴とする請求項1~5のうちのいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項7】
前記推定部は、第1領域における第1イベントに係る交通態様に基づいて、第2領域における所定のエリア毎に第2イベントの発生に伴う交通態様を推定する
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項8】
前記取得部は、第1領域における第1イベントに係る交通態様を所定のユーザ属性毎に取得し、
前記推定部は、第2領域における第2イベントの発生に伴う交通態様を前記ユーザ属性毎に推定する
ことを特徴とする請求項1~7のうちのいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項9】
前記取得部は、端末装置を所持したユーザが乗車する車両が、第2領域に入った際、前記端末装置からユーザの検索クエリを取得し、
前記推定部は、前記検索クエリに基づいて、第2領域における第2イベントの発生に伴う交通態様を推定する
ことを特徴とする請求項1~8のうちいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項10】
前記取得部は、端末装置を所持したユーザが乗車する車両が、第2領域に入った際、前記端末装置からユーザのSNS情報を取得し、
前記推定部は、前記SNS情報に基づいて、第2領域における第2イベントの発生に伴う交通態様を推定する
ことを特徴とする請求項1~9のうちいずれか1つに記載の推定装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する推定方法であって、
車両内におけるユーザ端末装置が取得した当該車両の走行情報を基に当該車両の所定の移動態様を取得し、該取得された所定の移動態様に基づき、所定のエリア内の道路の所定セグメント毎の所定の断面交通量を算出することにより、第1領域において所定の第1イベントが生じた際における当該第1領域の交通態様を取得する取得工程と、
前記交通態様に基づいて、第2領域において前記第1イベントと類似する第2イベントが生じた際における当該第2領域の交通態様を推定する推定工程と
を含み、
当該第2領域における所定の地理的範囲内を走行する車両に対し、当該第2イベントに係る所定のタイミングで当該第2領域の交通態様を通知することを特徴とする推定方法。
【請求項12】
車両内におけるユーザ端末装置が取得した当該車両の走行情報を基に当該車両の所定の移動態様を取得し、該取得された所定の移動態様に基づき、所定のエリア内の道路の所定セグメント毎の所定の断面交通量を算出することにより、第1領域において所定の第1イベントが生じた際における当該第1領域の交通態様を取得する取得手順と、
前記交通態様に基づいて、第2領域において前記第1イベントと類似する第2イベントが生じた際における当該第2領域の交通態様を推定する推定手順と
をコンピュータに実行させ
当該第2領域におけ所定の地理的範囲内を走行する車両に対し、当該第2イベントに係る所定のタイミングで当該第2領域の交通態様を通知することをコンピュータに実行させることを特徴とする推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、推定方法及び推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、集客施設やイベント等の交通への影響を予測するため、地域レベルのネットワークを対象として、詳細なモデルを生成しシミュレーションが行われている。道路渋滞を解消するための交通流のモデル化は、様々なアプローチがされており、動的な交通配分、流入制限などを目的とするシミュレーション方法が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-005264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、地域レベルのネットワークを対象とする精度の高いモデルであり、パラメータを多数、使用しているため、汎用的ではないといった問題がある。
【0005】
また、実データによるモデルの検証も十分とは言えない状況である。
【0006】
本願は、上記に鑑み、効率的に新規イベント開催等に伴う交通態様を推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る推定装置は、第1領域の所定の期間内において、所定のイベントの発生に伴う交通態様を取得する取得部と、第1領域における当該イベントに係る断面交通量に基づいて、第2領域における所定の期間内の当該イベントに類似するイベントの発生に伴う交通態様を推定する推定部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、効率的に新規イベント開催等に伴う交通態様を推定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、交通態様を推定する推定処理の一例を示す図である。
図2図2は、断面交通量データの一例を示す図である。
図3図3は、断面交通量から推定混雑度を求める一例を示す図である。
図4図4は、ユーザ端末装置が、指定された交通態様を受信する範囲の設定方法の一例を示す図である。
図5図5は、交通態様データの一例を示す図である。
図6図6は、イベントデータの一例を示す図である。
図7図7は、形態に係る推定装置200の構成例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る推定装置200によって実行される、交通態様を推定するための処理手順を示すフローチャートである。
図9図9は、ハードウエア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る推定装置、推定方法及び推定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る推定装置、推定方法及び推定プログラムが限定されるものではない。1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下の説明および図面に記載される。また、1つまたは複数の実施形態の各々は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の1つまたは複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
〔1.推定処理〕
まず、図1を参照して、実施形態に係る推定処理の一例について説明する。図1は、新規イベントの開催に伴う交通態様を推定する推定処理の一例を示す図である。なお、図1に示す例では、実施形態に係る推定システム1によって、所定の領域における交通態様を推定する処理を実行する例について記載した。
【0012】
図1に示すように、推定システム1には、ユーザ端末装置10~10n、20~20と、推定装置100、推定装置200とが含まれる(nは任意の自然数)。明細書では、ユーザ端末装置10~10を区別する必要がない場合は、ユーザ端末装置10~10を「ユーザ端末装置10」と、ユーザ端末装置20~20を区別する必要がない場合は、ユーザ端末装置20~20を「ユーザ端末装置20」総称する。図1では図示していないが、推定システム1は、複数台の推定装置100、複数台の推定装置200を含んでもよい。
【0013】
ユーザ端末装置10、20は、ユーザによって利用される情報処理装置である。ユーザ端末装置10、20は、スマートフォン、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット型PCを含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。
【0014】
図1の例では、ユーザ端末装置10は、車両を運転するユーザによって利用されるクライアント装置である。この例では、ユーザ端末装置10は、カーナビゲーションアプリケーション(カーナビアプリと呼ばれる)がインストールされたスマートフォンである。スマートフォンは、例えば、ユーザの車両に設置される。より具体的な例を挙げるとこのようなスマートフォンは、ユーザの車両に搭載された車載ホルダに装着され得る。なお、「ユーザの車両に設置されたユーザ端末装置10」という用語は、「ユーザの車両に搭載されたユーザ端末装置10」を包含し得る。つまり、「ユーザ端末装置10の設置」という用語は、「ユーザ端末装置10の恒久的な設置(例えば、ユーザ端末装置10を搭載すること)」を包含し得る。また、ユーザ端末装置10は、車両に搭載された車両情報取得装置、例えばプローブ機器が検知したプローブ情報を有線または無線で取得することも、またユーザ端末装置10自身が走行情報を検知することも包含し得る。ユーザ端末装置20も同様である。
【0015】
推定装置200は、交通情報提供事業者等によって利用される情報処理装置であり、サーバ装置又はクラウドシステムにより実現される。図1では図示していないが、推定装置200は、ネットワーク網(例えば、インターネット網)を介して、有線又は無線によりユーザ端末装置20及び推定装置100と通信を行う。例えば、推定装置200は、集客施設やイベント等の交通への影響を予測等する民間団体、民間企業等により利用される。図1の例では、推定装置200は、乙県B市で新規イベントが開催される際のイベント会場周辺での渋滞等の交通態様を予測し、その予測結果を提供する。
【0016】
推定装置100は、断面交通量データを生成する情報処理装置である。推定装置100は、サーバを含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。図1では図示していないが、推定装置100は、ネットワーク網(例えば、インターネット網)を介して、有線又は無線によりユーザ端末装置10及び推定装置200と通信を行う。
【0017】
図1の例では、推定装置100は、甲県A市で所定のイベントが所定の期間開催された際、所定の範囲であるエリアAにおいて、ユーザ端末装置10を介して走行情報を取得し、断面交通量データを生成する。すなわち、推定装置100は、イベントが開催された所定の期間内において、イベントが発生した施設を含む領域であるエリアAに含まれる、以下に述べる道路上の各セグメントの断面交通量データを生成する。
【0018】
図1の例では、推定装置100が、ユーザ端末装置10(例えば、カーナビゲーションアプリケーション(カーナビアプリと呼ばれる)がインストールされたスマートフォン)を車載ホルダに装着している車両から走行情報(例えば、時刻情報、位置情報、移動態様、速度情報等)を取得し(ステップS11)、セグメント毎に断面交通量データを生成する(ステップS12)。ここで、セグメントとは、道路管理者の定める「路線」、通称上の「通り名」等をいう。
【0019】
図1の例では、例えば、推定装置100は、自動車類等の各種移動体について、交通流量を推定する。
【0020】
断面交通量を推定するため、推定装置100は、例えば、流入と流出とを交差点の中心から見たときの車両の流れで判断する。ここで、流入とは、各道路から交差点に進入する車両の流れであり、流出とは、交差点から各道路へ進出する車両の流れである。
【0021】
推定装置100は、交差点から各道路へ進む車両の流入台数及び各道路から交差点へ進む車両の流出台数を推定する。推定装置100は、ユーザ端末装置自身が取得した自車位置、時刻、自加速度センサ、ジャイロセンサ等により検知した振動情報、進行方向、地点速度、加速度等、プローブ情報を含む走行情報を基に車両の移動態様を推定し、断面交通量を推定する。
【0022】
図2に、A市のイベント会場周辺のエリアAにおける主要道路について推定装置100が生成した断面交通量データの一例を示す。推定装置100は、各車両の左折、直進、右折等の走行情報をユーザ端末装置10から取得し、各セグメントについて断面交通量を算出する。断面交通量とは、各道路の交通量を断面別に示したものであり、例えば、交差点や幹線道路等の所定の位置における車両が流入する態様及び流出する態様を示す情報である。流入台数は、所定の時間における交差点から各道路へ進む車両の台数の合計であり、流出台数は、所定の期間における各道路から交差点へ進む車両の台数の合計である。実際には、車両の移動態様は、左折、直線、右折とは限らないが、本実施例においては、右折、直進、左折のいずれかに進行するものと限定している。
【0023】
次に、図1の例で、推定装置200が行う推定処理について説明する。例えば、乙県B市で開催が予定されているイベントは、甲県A市で開催済みのイベントと類似するものであるとする。具体的には、A市とB市は、地理的経済的にほぼ同レベルの規模の市であり、主催者、出演者が同じ又は類似であって、観客層も類似し、開催規模、開催時期、イベントホールが収容できる観客数等もほぼ同レベルのイベントである。
【0024】
推定装置200は、甲県A市で、所定の期間、所定のイベントが行われた際のエリアAにおける断面交通量データを推定装置100から取得する(ステップS13)。エリアAとエリアBの道路の地理的配置は異なるため、推定装置200は、エリアAにおける断面交通量データを基に、エリアBにおける各セグメントの断面交通量を推定する。
【0025】
例えば、推定装置200は、まず、A市におけるイベント会場を中心として、所定の範囲であるエリアAにおける所定の時間内の断面交通量を推定装置100から取得し、イベント会場に向かう各交叉点や道路等の各ポイントにおける総断面交通量を算出する。
【0026】
次いで、推定装置200は、交通態様を取得したい道路(一般的に車道)についてセグメントを設定する。B市におけるイベント会場を中心としたエリアBにおけるセグメントについて、イベント会場に向かう所定のセグメントの車線毎に、例えば、上記の総断面交通量を均等に割り当てる。総断面交通量を割り当てる際、道路状況、地理的状況等を考慮するモデルを用いて、セグメント毎に固有の重みを付加して割り当ててもよい。
【0027】
次いで、推定装置200は、交通混雑度を求めるために、それぞれのセグメント毎に交通密度を算出する。交通密度とは、交通混雑度を表す単位であり、1km当たりの車両の台数で表される。推定装置200は、以下に示す式を用いて、セグメントのそれぞれについて交通密度を算出する。
交通量(台/h)=交通密度(台/Km)×平均速度(Km/h)・・(1)
【0028】
推定装置200は、(1)式において、例えば、交通量として、各セグメントの断面交通量、平均速度として、各セグメントの法定速度を用いる。推定装置200は、平均速度の代わりに、各セグメントについて、推定時点までに実測されている平均速度を用いてもよい。
【0029】
次いで、推定装置200は、各セグメントにおける交通態様を推定する。具体的には、推定装置200は、セグメントの交通密度を基に、所定の閾値に従い、セグメント毎に混雑度を推定する(ステップS14)。図3は、推定した混雑度の表示例であり、矢印が太い程、混雑度が大きいことを示している。推定装置200は、推定された混雑度を示す交通態様の推定結果をイベント運営会社等に提供する(ステップS15)。
【0030】
〔2.実測値に基づく推定について〕
推定装置100は、測定対象の地点において、ユーザ端末装置10を用いた所定の時間内の自動車類断面合計を推定後、正解データ(実測値)との比率とユーザ端末装置10の利用率を考慮して、最終的な推定値を算出する。すなわち、推定装置100は、ユーザ端末装置10が取得した走行情報を、プローブとなる車両の走行情報として、所定の位置における断面交通量を推定してもよい。
【0031】
例えば、推定装置100は、断面交通量の調査対象となる交差点において、人手で取得された断面交通量調査の結果を取得する。また、推定装置100は、ユーザ端末装置10が取得した走行情報を用いて、断面交通量の推定を行う。そして、推定装置100は、ユーザ端末装置10が取得した走行情報を用いて推定された断面交通量を、人手で取得された断面交通量へと変換するための補正モデルを生成する。なお、このような補正モデルは、例えば、各種の回帰分析、SVM(Support vector machine)やニューラルネットワークといった各種の機械学習技術により実現可能である。なお、推定装置100は、このような補正モデルを、推定対象となる位置ごと、推定対象となる位置を含む地域ごと、曜日や時間帯ごと、車種ごと等に生成してもよく、これら各種の属性の組合せごとに生成してもよい。
【0032】
続いて、推定装置100は、ユーザ端末装置10が取得した走行情報を用いて、推定対象となる位置における断面交通量であって、推定対象となる一次における断面交通量を推定する。そして、推定装置100は、推定した断面交通量を、生成した補正モデルにより補正することで、最終的な推定結果を得てもよい。
【0033】
〔3.ジオフェンスの設定について]
ここで、推定装置100は、ジオフェンスの技術を用いて、走行情報を取得してもよい。ジオフェンシングとは、位置情報を利用した機能であり、地図上に仮想的な地理的境界線を設定し、その境界線内への出入りを自動的に記録し、それを使用して、リアルタイムに所定の情報を通知することができる機能である。ジオフェンスを張ることで、フェンス内に出入りした車両を走行情報の取得対象とし、また所定の情報を走行車両に通知できる。
【0034】
例えば、推定装置100、200は、それぞれエリアA、Bを設定するためジオフェンスを設定する。図4は、エリアBについてジオフェンスを設定した例であり、GF1は、ジオフェンスの境界を表す。推定装置100は、ジオフェンス内における車両の走行情報を詳細に収集する。例えば、推定装置200は、イベント当日であって、イベント開始前の所定時間内に、推定装置200は、ジオフェンス内を走行する車両に対し、推定された交通態様、具体的には、推定された道路の混雑状況を通知する。
【0035】
〔4.道路の類似性について〕
エリアBの交差点と類似する交差点をエリアAから特定する。例えば、三叉路であるか4四差炉であるか、隣接する交差点(道路で接続されている他の交差点)の類似性等に基づいて特定する。そして、エリアBでイベントが発生した際に、エリアBにおける交差点の断面交通量が、類似する交差点の断面交通量であってエリアAでイベントが発生した際に取得された断面交通量であると推定してもよい。また、推定装置200は、エリアBにおける各セグメントの断面交通量に基づいて、エリアB全体の交通態様を推定してもよい。
【0036】
〔5.推定する交通態様について〕
推定装置200は、例えば、イベント発生時の交通量と、通常の交通量との差に基づいた情報を提供してもよい。例えば、イベント時においてエリアBにおけるある交差点で右折する車両の量が、イベントが発生していない際の量よりも優位に多い場合は、かかる交差点や交差点へと車が走行する道路上で渋滞が発生すると推定してもよい。また、推定装置200は、推定した交通量に基づいて、各種公知の渋滞発生技術等により、イベント発生時における各種交通態様(例えば、各車両の挙動等)を推定してもよい。
【0037】
〔6.推定時のデータ選択について〕
推定装置200は、推定対象となるエリアやイベント等に応じて、推定時に用いるデータを選択してもよい。エリアBと道路の構造や車線の数等が類似するエリアAを選択してエリアAのデータを用いる。類似するイベントが発生した際のエリアAのデータを用いる
イベントが発生した施設が類似するデータを用いる。例えば、エリアBでイベントが発生する施設がドームである場合、類似するイベントが発生した他のドーム周辺の領域をエリアAとする。類似するイベントが発生した際のデータを用いる。例えば、アイドルの場合、アイドルに係るデータ、演歌歌手の場合、演歌歌手に係るデータである。
【0038】
〔7.イベントについて〕
推定装置200は、任意のイベントを対象とする。例えば、コンサート、各種の集会、施設の新規オープン、花火大会等、任意のものが採用可能である。
【0039】
〔8.推定装置の構成〕
次に、図6を参照して、実施形態に係る推定装置200の構成例について説明する。図6は、実施形態に係る推定装置200の構成例を示す図である。図6に示すように、推定装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。なお、推定装置200は、推定装置200を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0040】
(通信部210)
通信部210は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部210は、ネットワーク網と有線又は無線により接続され、ネットワーク網を介して、ユーザ装置20および情報センターサーバ200の間で情報の送受信を行う。
【0041】
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図6に示すように、記憶部220は、断面交通量データ記憶部221と、交通態様データ記憶部222と、交通態様推定モデル記憶部223、イベントデータ記憶部224とを有する。
【0042】
(断面交通量データ記憶部221)
断面交通量データ記憶部221は、推定装置100から取得した断面交通量データを記憶する。
【0043】
断面交通量データ記憶部221は、例えば、図2に示すような道路ID、セグメントID,時刻情報、緯度、経度、流入車両台数、流出車両台数等を記憶する。例えば、道路IDは、道路管理者の定める「路線」、通称上の「通り名」等に対応づけたID番号である。例えば、セグメントIDは、断面交通量の測定地点から、道路に沿って所定の距離を有する区間に付けたIDである。時刻情報は、断面交通量の取得開始時刻、取得完了時刻等の情報である。緯度、経度は、ユーザ端末装置がGPSにより取得した自車位置データである。流入車両台数は、そのセグメントから交差点に進入する車両の台数であり、流出車両台数とは、交差点からそのセグメントに進出する車両の台数である。
【0044】
(交通態様データ記憶部222)
交通態様データ記憶部222は、例えば、図5に示すような道路ID、セグメントID、時刻情報、緯度、経度、流入交通密度、流出交通密度を記憶する。道路ID、セグメントID、時刻情報、緯度、経度は、上述した通りである。流入交通密度は、1Km当たりの流入車両の台数であり、流出交通密度は、1Km当たりの流出車両の台数である。
【0045】
(交通態様推定モデル記憶部223)
交通態様推定モデル記憶部223は、交通態様を推定するための機械学習モデルである交通態様推定モデル(すなわち、機械学習モデルのデータ)を記憶する。交通態様推定モデル記憶部223は、例えば、以下で説明される受信部232によって受信された交通態様推定モデルを記憶する。交通態様推定モデル記憶部223は、以下で説明される推定部233によって生成された交通態様推定モデルを記憶してもよい。
【0046】
(イベントデータ記憶部224)
イベントデータ記憶部224は、例えば、図6に示すようなイベントカテゴリ、イベント名、発生日時、場所、イベントエリア等を記憶する。
【0047】
(制御部230)
制御部230は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、推定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(推定プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0048】
制御部230は、図6に示すように、取得部231と、受信部232と、推定部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。なお、制御部230の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0049】
(取得部231)
取得部231は、上述の交通態様推定モデル(すなわち、機械学習モデルのデータ)を取得してもよい。取得部231は、例えば、以下で説明される受信部232によって受信された交通態様推定モデルを取得してもよい。取得部231は、所定の記憶装置から、交通態様推定モデルを取得してもよい。例えば、取得部231は、上述の交通態様推定モデル記憶部123から、交通態様推定モデルを取得してもよい。取得部231は、取得された移動態様推定モデルを、移動上述の交通態様推定モデル記憶部223に格納してもよい。
【0050】
(受信部232)
受信部232は、ユーザからイベント開催地、イベントカテゴリを受信する。受信部232は、ジオフェンシング機能により、エリアBに入った車両から位置情報を受信する。例えば、これにより、通信部210が、エリアBにおいて位置情報を送信した車両に対し、交通態様の推定データを送信してもよい。
【0051】
(推定部233)
推定部233は、第1領域における第1イベントに係る断面交通量データを基に、第2領域における第2イベントに係る交通態様の推定をする。より詳細には、上述した各種の手法により、推定部233は、第2領域における第2イベントに係る交通態様の推定をする。
【0052】
例えば、推定部233は、第2領域として、第1領域と道路状況が類似する領域における交通態様を推定してもよい。また、推定部233は、第2領域として、第1領域で第1イベントが生じた施設と類似する施設を含む領域における交通態様を推定してもよい。また、推定部233は、第2領域として、第1領域で第1イベントが生じた期間と類似する期間に第2イベントが生じる領域における交通態様を推定してもよい。例えば、推定部233は、第2領域で第2イベントが生じる曜日や時間帯を特定し、特定した曜日や時間帯と類似する曜日や時間帯において第1領域で第1イベントが生じた際の道路状況から、第2領域で第2イベントが生じる際の交通態様を推定してもよい。
【0053】
また、推定部233は、第1領域における所定の第1イベント発生に伴う交通態様に基づいて、第2領域における所定の第2イベントの発生に伴う交通態様を推定するためのモデルを生成し、前記モデルを用いて、前記第2領域における前記第2イベントの発生に伴う交通態様を推定してもよい。例えば、推定部233は、第1領域における所定の第1イベント発生に伴う交通態様を学習データとして、学習データが有する特徴をモデルに学習させる。より具体的な例を挙げると、推定部233は、第1領域の道路に関する情報(例えば、各交差点の配置関係や道路の車線数、交差点が三叉路であるか四叉路であるか等)と、第1イベントに関する情報とを入力した際に、交通態様を示す情報を出力するようにモデルを学習する。このような学習は、例えば、バックプロパゲーション等の各種既存のモデル学習手法が採用可能である。
【0054】
そして、推定部233は、学習済みのモデルに対し、第2領域の道路に関する情報と第2イベントに関する情報とを入力することで、第2領域で第2イベントが生じた際の交通態様をモデルに推定させてもよい。なお、推定部233は、例えば、イベントが発生する曜日や時間帯等をさらに入力データとすることで、所定の領域で所定の曜日、所定の日時に所定のイベントが発生する際の交通態様を推定してもよい。
【0055】
〔9.推定処理のフロー〕
次に、実施形態に係る推定装置200による推定処理の手順について説明する。
【0056】
図7は、実施形態に係る推定装置200によって実行される、交通態様を推定するための処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
まず、推定装置200の受信部232は、ユーザからイベント開催地、イベントカテゴリを受け付ける(ステップS101)。
【0058】
次いで、推定装置200の推定部233は、エリアBにおいて開催予定のイベントと類似するイベントが開催されたエリアであって、エリアBと類似するエリアAを参照エリアとする(ステップS102)。
【0059】
次いで、推定装置200の推定部233は、エリアAで指定されたイベントの開催日時を特定する(ステップS103)。
【0060】
次いで、推定装置200の取得部231は、エリアAにおける断面交通量データを取得する(ステップS104)。
【0061】
次いで、推定装置200の推定部233は、エリアBにおいて開催予定の第2イベントに係る交通態様を推定する(ステップ105)。
【0062】
次いで、推定装置200の通信部210は、推定した交通態様を提供する(ステップ106)。
【0063】
〔10.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0064】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0065】
例えば、図6に示した記憶部220の一部又は全部は、推定装置200によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、推定装置200は、ストレージサーバにアクセスすることで、走行情報等の各種情報を取得する。
【0066】
〔11.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る推定装置100は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0067】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0068】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0069】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0070】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0071】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0072】
例えば、コンピュータ1000が推定装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。
【0073】
〔12.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る推定装置200は、取得部231と、受信部232、推定部233とを有する。
【0074】
実施形態に係る推定装置200は、第1領域において所定の第1イベントが生じた際における第1領域の交通態様を取得し、第1領域の交通態様に基づいて、第2領域において前記第1イベントと類似する第2イベントが生じた際における第2領域の交通態様を推定する。これにより、推定装置200は、第2領域における第2イベントの開催に伴う交通渋滞等の交通態様を推定でき、イベント関係者等に、これに対応した措置を事前に準備させることができる。
【0075】
実施形態に係る推定装置200は、第2領域として、第1領域と道路状況が類似する領域における交通態様を推定する。この場合、推定装置200は、第2領域における第2イベントの開催に伴う交通渋滞等の交通態様を、より正確に推定できる。
【0076】
実施形態に係る推定装置200は、第2領域として、第1領域で第1イベントが生じた施設と類似する施設を含む領域における交通態様を推定する。この場合、推定装置200は、第2領域における第2イベントの開催に伴う交通渋滞等の交通態様を、より正確に推定できる。
【0077】
実施形態に係る推定装置200は、第2領域として、第1領域で第1イベントが生じた期間と類似する期間に第2イベントが生じる領域における交通態様を推定する。この場合、推定装置200は、第2領域における第2イベントの開催に伴う交通渋滞等について、所定期間の交通態様を推定できる。
【0078】
実施形態に係る推定装置200は、第1領域における所定の第1イベント発生に伴う交通態様を取得し、これに基づいて、第2領域における所定の第2イベントの発生に伴う交通態様を推定するためのモデルを生成し、このモデルを用いて、前記第2領域における前記第2イベントの発生に伴う交通態様を推定する。これにより、推定装置200は、モデルを学習させながら、交通態様の推定精度を上げることができる。
【0079】
実施形態に係る推定装置200は、端末装置を所持したユーザが乗車する車両が、第2領域内に入った際、端末装置から送信される車両の位置情報を取得し、車両に交通態様を通知する。これにより、推定装置200は、車両のドライバ自身に交通渋滞を回避させることができる。
【0080】
実施形態に係る推定装置200は、第1領域における第1イベントに係る交通態様に基づいて、第2領域における所定のエリア毎に第2イベントの発生に伴う交通態様を推定する。これにより、推定装置200は、第2領域において、ピンポイントで交通態様を推定することができる。
【0081】
実施形態に係る推定装置200は、第1領域における第1イベントに係る交通態様を所定のユーザ属性毎に取得し、第2領域における第2イベントの発生に伴う交通態様を前記ユーザ属性毎に推定する。これにより、推定装置200は、第2領域において、ユーザ属性毎に交通態様を推定できる。
【0082】
実施形態に係る推定装置200は、端末装置を所持したユーザが乗車する車両が、第2領域に入った際、前記端末装置からユーザの検索クエリを取得し、検索クエリに基づいて、第2領域における第2イベントの発生に伴う交通態様を推定する。これにより、推定装置200は、第2領域において、ユーザの検索クエリの情報を反映させた交通態様を推定できる。
【0083】
実施形態に係る推定装置200は、端末装置を所持したユーザが乗車する車両が、第2領域に入った際、前記端末装置からユーザのSNS情報を取得し、SNS情報に基づいて、第2領域における第2イベントの発生に伴う交通態様を推定する。これにより、推定装置200は、第2領域において、ユーザのSNS情報を反映させた交通態様を推定できる。
【0084】
また、実施形態に係る推定装置200は、ユーザ端末装置20を有し、車両に設置された端末装置であってもよい。
【0085】
また、実施形態に係る推定装置200は、ジオフェンスを複数設定することにより、複数の所定のエリアを所定の期間内に走行した車両に設置されたユーザ端末装置20に対し、交通態様を通知してもよい。
【0086】
上述した各処理により、推定装置200は、効率的に新規イベント開催等に伴う交通態様を推定することができる。
【0087】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0088】
また、上述した推定装置200は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0089】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 推定システム
10 ユーザ端末装置
20 ユーザ端末装置
100 推定装置
200 推定装置
210 通信部
220 記憶部
221 断面交通量データ記憶部
222 交通態様データ記憶部
223 交通態様推定モデル記憶部
224 イベントデータ記憶部
230 制御部
231 取得部
232 受信部
233 推定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9