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特許7297753発射部材の監視を可能にするように構成された顎部補強構成を有する外科用エンドエフェクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】発射部材の監視を可能にするように構成された顎部補強構成を有する外科用エンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020532572
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2018059968
(87)【国際公開番号】W WO2019116275
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】15/843,528
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・ジェローム・アール
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511222(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0036891(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0180585(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具と共に使用するためのエンドエフェクタであって、
第1の顎部であって、その第1の顎部近位端と第1の顎部遠位端との間に第1の顎部長手方向軸を画定し、間に第1の顎部開口部を画定するように互いから長手方向にオフセットされた複数の第1の顎部補強機構を備える、第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部及び前記第2の顎部が、完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動可能であるように、前記第1の顎部に移動可能に連結され、間に第2の顎部開口部を画定するように互いから長手方向にオフセットされた複数の第2の顎部補強機構を備え、前記第1及び第2の顎部が前記完全閉鎖位置にあるとき、前記第1の顎部補強機構のそれぞれが、前記第2の顎部開口部のうちの対応する1つと垂直方向に位置合わせされ、前記第2の顎部補強機構のそれぞれが、前記第1の顎部開口部のうちの対応する1つと垂直方向に位置合わせされている、第2の顎部と、
前記第1及び第2の顎部を前記完全開放位置と前記完全閉鎖位置との間で選択的に移動させるための手段と、
を備え
前記選択的に移動させるための手段が、前記第1及び前記第2の顎部の前記完全開放位置に対応する開始位置と終了位置との間で選択的に移動可能である軸方向に移動可能な動的クランプアセンブリを備え、
前記軸方向に移動可能な動的クランプアセンブリの進行または位置が、前記第1の顎部開口部または前記第2の顎部開口部を介して視認されることができる、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記第1の顎部が、第1の側面と前記第1の側面から横方向に離間した第2の側面とを含む第1の顎部本体を備え、前記複数の前記第1の顎部補強機構のそれぞれが、前記第1の側面と前記第2の側面との間を延在し、前記第2の顎部が、第2の顎部遠位端と第2の顎部近位端との間の第2の顎部長手方向軸を画定する第2の顎部本体を備え、前記第2の顎部が、一次側面と前記一次側面から離間した二次側面とを更に備え、前記複数の第2の顎部補強機構のそれぞれが、前記一次側面と前記二次側面との間を延在する、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記第1の顎部補強機構のそれぞれが前記第1の顎部長手方向軸を横断し、前記第2の顎部補強機構のそれぞれが前記第2の顎部長手方向軸を横断する、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記軸方向に移動可能な動的クランプアセンブリが、
垂直に延在する本体部と、
前記第1の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第1の顎部係合機構と、
前記第2の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第2の顎部係合機構と、
を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記動的クランプアセンブリが前記エンドエフェクタ内で軸方向に移動させられる際、前記少なくとも1つの第1の顎部係合機構が、前記第1の顎部の前記第1の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は前記少なくとも1つの第2の顎部係合機構が、前記第2の顎部の前記第2の顎部開口部の少なくとも1つを介して視認可能である、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記軸方向に移動可能な動的クランプアセンブリが、
垂直に延在する本体部と、
前記第1の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第1の顎部係合機構と、
前記第2の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第2の顎部係合機構と、
を備え、
前記動的クランプアセンブリが前記エンドエフェクタ内で軸方向に移動させられる際、前記少なくとも1つの第1の顎部係合機構が、前記第1の顎部の前記第1及び第2の側面のうちの1つから、前記第1の顎部の前記第1の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は前記少なくとも1つの第2の顎部係合機構が、前記第2の顎部の前記一次及び二次側面のうちの1つから、前記第2の顎部の前記第2の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記第1の顎部が、外科用ステープルカートリッジを内部に支持するように構成されたチャネルを備え、前記第2の顎部がアンビルを備える、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記垂直に延在する本体部が組織切断面を備える、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
外科用器具と共に使用するためのエンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1及び第2の顎部が完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動することができるように、前記第1の顎部に回動可能に連結された第2の顎部と、
動的クランプアセンブリであって、前記動的クランプアセンブリが開始位置から終了位置へと軸方向に移動させられる際に前記第1及び第2の顎部に係合して、前記第1及び第2の顎部に閉鎖運動を付与するように構成された動的クランプアセンブリと、
を備え、
前記第1及び第2の顎部のうちの少なくとも1つは、前記動的クランプアセンブリが前記開始位置と前記終了位置との間を移動する際に前記動的クランプアセンブリの視認を可能にするように構成された開口部によって互いに長手方向に離間している補強機構を備える、エンドエフェクタ。
【請求項10】
前記動的クランプアセンブリが、
垂直に延在する本体部と、
前記第1の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第1の顎部係合機構と、
前記第2の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第2の顎部係合機構と、
を備える、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記第1の顎部がチャネルを備え、前記チャネルが、
第1のチャネル側面と、前記第1のチャネル側面から横方向に離間した第2のチャネル側面と、を備えるチャネル本体と、
チャネル開口部によって互いに軸方向に離間して、前記第1のチャネル側面と前記第2のチャネル側面との間にまたがる、複数のチャネル補強材ブリッジと、
を備える、請求項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
前記第2の顎部が、アンビルを含み、前記アンビルが、
前記チャネルに支持されたカートリッジと対面関係で支持されるアンビルプレートと、
前記アンビルプレートに連結されたアンビルカバーであって、
第1のアンビル側面と、
前記第1のアンビル側面から離間した第2のアンビル側面であって、アンビル開口部によって互いに軸方向に離間して、前記第1のアンビル側面と前記第2のアンビル側面との間にまたがる、複数のアンビル補強ブリッジによって前記第1のアンビル側面に連結されている、第2のアンビル側面と、
を備える、アンビルカバーと、
を備える、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
前記アンビルが、近位アンビル端と遠位アンビル端との間に第2の長手方向軸を画定し、前記アンビル補強ブリッジのそれぞれが、前記第2の長手方向軸を横断する、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項14】
前記垂直に延在する本体部が組織切断面を備える、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記動的クランプアセンブリが前記エンドエフェクタ内で軸方向に移動させられる際、前記動的クランプアセンブリの一部が、前記第1のチャネル側面及び前記第2のチャネル側面のうちの1つから、前記チャネルの前記チャネル開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は前記動的クランプアセンブリの少なくとも別の一部が、前記第1のアンビル側面及び前記第2のアンビル側面のうちの1つから、前記アンビル開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
モータ駆動外科用器具と共に使用するための外科用装填ユニットであって、
前記モータ駆動外科用器具の一部と動作可能にインターフェイスするように構成されたハウジングと、
前記ハウジングに動作可能に連結されたツールアセンブリであって、
ステープルカートリッジ本体を内部に支持するチャネルであって、その近位端と遠位端との間に第1の長手方向軸を画定し、複数のチャネル補強材ブリッジ及び前記チャネル補強材ブリッジ間のチャネル開口部を画定する分割底部を備える、チャネルと、
前記チャネルに回動可能に連結されたアンビルであって、前記チャネル及び前記アンビルが、完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動可能であり、複数のアンビル補強材ブリッジ及び前記チャネル補強材ブリッジ間のアンビル開口部を画定する分割上部を備える、アンビルと、
動的クランプアセンブリであって、前記動的クランプアセンブリが開始位置から終了位置へと軸方向に移動させられる際に前記チャネル及び前記アンビルに係合して、前記チャネル及び前記アンビルに閉鎖運動を付与するように構成され、前記動的クランプアセンブリが前記開始位置と前記終了位置との間を移動する際に、前記チャネル開口部又は前記アンビル開口部を介して視認可能である、動的クランプアセンブリと、
を備える、ツールアセンブリと、
を備える、外科用装填ユニット。
【請求項17】
前記ツールアセンブリが、前記ハウジングに対して選択的に回動移動するように前記ハウジングに回動可能に連結されている、請求項16に記載の外科用装填ユニット。
【請求項18】
前記ハウジングが、前記モータ駆動外科用器具に取り外し可能に連結されるように構成されたアダプタに取り外し可能に連結されるように構成されている、請求項17に記載の外科用装填ユニット。
【請求項19】
前記複数の前記チャネル補強材ブリッジが、
前記チャネルの近位端から離間して、間に近位チャネル開口部を画定する、近位チャネル補強材ブリッジと、
前記近位チャネル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に中央チャネル開口部を画定する中央チャネル補強材ブリッジと、
前記中央チャネル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に遠位チャネル開口部を画定する遠位チャネル補強材ブリッジと、
を備え、
前記複数のアンビル補強材ブリッジが、
前記チャネル及び前記アンビルが前記完全閉鎖位置にあるとき、前記近位チャネル開口部と垂直方向に位置合わせされている近位アンビル補強材ブリッジと、
前記近位アンビル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に近位アンビル開口部を画定する中央アンビル補強材ブリッジであって、前記チャネル及び前記アンビルが前記完全閉鎖位置にあるとき、前記近位アンビル開口部が前記近位チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされている、中央アンビル補強材ブリッジと、
前記中央アンビル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に中央アンビル開口部を画定する、遠位アンビル補強材ブリッジであって、前記チャネル及び前記アンビルが前記完全閉鎖位置にあるとき、前記中央アンビル開口部が前記中央チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされており、前記遠位アンビル補強材ブリッジが、前記アンビルの遠位端から近位に離間して、間に遠位アンビル開口部を画定し、前記アンビル及び前記チャネルが前記完全閉鎖位置にあるとき、前記遠位アンビル開口部が前記遠位チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされている、遠位アンビル補強材ブリッジと、
を備える、請求項16に記載の外科用装填ユニット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、また、様々な状況において組織をステープル留めし、切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
図1】電気機械的外科用システムの斜視図である。
図2図1の外科用システムの電気機械的外科用器具部分の遠位端の斜視図である。
図3図2の外側シェル機構及び電気機械的外科用器具の分解組立図である。
図4図2の電気機械的外科用器具の一部の背面斜視図である。
図5図1の外科用システムのアダプタ及び電気機械的外科用器具の一部の部分分解組立図である。
図6図5のアダプタの一部の分解組立図である。
図7】アダプタの関節アセンブリの一部の断面斜視図である。
図8図7の関節アセンブリの斜視図である。
図9図8の関節アセンブリの別の斜視図である。
図10図1の電気機械的外科用システムにおいて使用される装填ユニットの分解組立図である。
図11】代替のアダプタの実施形態の斜視図である。
図12】その顎部が開放位置にある図11のアダプタの装填ユニットの一部の側面図である。
図13】その一部が断面図で示され且つその顎部が閉鎖位置にある図11の装填ユニットの一部の別の側面図である。
図14】その一部が断面図で示される図13の装填ユニットの一部の底面図である。
図15】外管の一部が二点鎖線で示される図14の装填ユニットの一部の斜視図である。
図16】顎部が閉鎖位置にあり、動的クランプアセンブリが発射位置に位置付けられた、アダプタの別の装填ユニットの上面斜視図である。
図17図16の装填ユニットの底面斜視図である。
図18】顎部が閉鎖位置にある、図16の装填ユニットの側立面図である。
図19】動的クランプアセンブリが発射位置に位置付けられた、図18の装填ユニットの別の側立面図である。
図20】動的クランプアセンブリが部分発射位置にある、図19の装填ユニットの別の側立面図である。
図21】動的クランプアセンブリが終了位置に位置付けられた、図20の装填ユニットの別の側立面図である。
図22】部分発射構成にある動的クランプアセンブリを示す、別の装填ユニットの部分側立面図である。
図23】装填ユニットのアンビルアセンブリの一部の断面端面図である。
図24】装填ユニットの別のアンビルアセンブリの一部の断面端面図である
【0003】
複数の図面をとおして、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、このような例示は、いかようにも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本願の出願人は、2017年12月15日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-「SEALED ADAPTERS FOR USE WITH ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」と題された米国特許出願第15/843,485号、
-「END EFFECTORS WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES FOR USE WITH ADAPTERS FOR ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」と題された米国特許出願第15/843,518号、
-「SURGICAL END EFFECTORS WITH CLAMPING ASSEMBLIES CONFIGURED TO INCREASE JAW APERTURE RANGES」と題された米国特許出願第15/843,535号、
-「SURGICAL END EFFECTORS WITH PIVOTAL JAWS CONFIGURED TO TOUCH AT THEIR RESPECTIVE DISTAL ENDS WHEN FULLY CLOSED」と題された米国特許出願第15/843,558号、
-「ADAPTERS WITH END EFFECTOR POSITION SENSING AND CONTROL ARRANGEMENTS FOR USE IN CONNECTION WITH ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」と題された米国特許出願第15/843,567号、
-「DYNAMIC CLAMPING ASSEMBLIES WITH IMPROVED WEAR CHARACTERISTICS FOR USE IN CONNECTION WITH ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」と題された米国特許出願第15/843,556号、
-「ADAPTERS WITH FIRING STROKE SENSING ARRANGEMENTS FOR USE IN CONNECTION WITH ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS」と題された米国特許出願第15/843,514号、
-「ADAPTERS WITH CONTROL SYSTEMS FOR CONTROLLING MULTIPLE MOTORS OF AN ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT」と題された米国特許出願第15/843,501号、
-「HANDHELD ELECTROMECHANICAL SURGICAL INSTRUMENTS WITH IMPROVED MOTOR CONTROL ARRANGEMENTS FOR POSITIONING COMPONENTS OF AN ADAPTER COUPLED THERETO」と題された米国特許出願第15/843,508号、
-「SYSTEMS AND METHODS OF CONTROLLING A CLAMPING MEMBER FIRING RATE OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題された米国特許出願第15/843,683号、
-「SYSTEMS AND METHODS OF CONTROLLING A CLAMPING MEMBER」と題された米国特許出願第15/843,689号、及び
-「METHODS OF OPERATING SURGICAL END EFFECTORS」と題された米国特許出願第15/843,704号。
【0005】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に記載され図示された実施形態は、非限定的な例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。特許請求の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0006】
用語「備える(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を有するが、それらの1つ以上のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を有するが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0007】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0008】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手術を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば開腹外科手術と関連するものを含む、多くの外科手術及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、もとからある開口部を通じて、組織に形成された切開又は穿刺穴を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0009】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタとを備えることができる。エンドエフェクタは第1の顎部及び第2の顎部を備える。第1のジョーは、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1のジョーへと挿入可能であり、且つ第1のジョーから取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1のジョーから取り外し可能でない、又は第1のジョーから少なくとも容易に交換可能ではない、その他の実施形態が想到される。第2のジョーは、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを備える。第2のジョーは、閉鎖軸の周囲にて、第1のジョーに対して枢動可能であるが、第1のジョーが第2のジョーに対して枢動可能である、その他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成された関節継手を更に備える。エンドエフェクタは、関節継手を通って延在する関節運動軸を中心にして回転可能である。関節継手を含まない他の実施形態も想到される。
【0010】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するデッキ部とを含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキ部に対して組織を圧縮及びクランプする。続いて、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納されたステープルを、組織内に配備することができる。カートリッジ本体は、その内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に取り外し可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3つの列のステープルキャビティは、長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3つの列のステープルキャビティは、長手方向スロットの第2の側に位置付けられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0011】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープル駆動部によって支持される。駆動部は、第1の、すなわち未発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、すなわち発射位置との間で移動可能である。駆動部は、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。駆動部は、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端に隣接した近位位置と、遠位端に隣接した遠位位置との間で移動可能である。スレッドは、駆動部の下を摺動し、駆動部を持ち上げるように構成された複数の傾斜面を備え、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0012】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端に向かって押し出すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受け入れるように構成されている。アンビルは、発射部材を受け入れるように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1のジョーに係合する第1のカムと、第2のジョーに係合する第2のカムとを更に備える。発射部材を遠位に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキ部とアンビルとの間の距離、すなわち組織隙間を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されたナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位側に位置付けられることが望ましい。
【0013】
図1は、種々の異なる外科手術を実施するために使用されることができるモータ駆動(電気機械的)外科用システム1を示している。その図に見られるように、外科用システム1の一例は、電動手持ち式電気機械的外科用器具による作動及び操作のためにそれぞれ構成された複数の異なる外科用ツール器具(本明細書では「アダプタ」と称される)のうち、それに選択的に取り付けられるように構成された電動手持ち式電気機械的外科用器具100を含む。図1に示されるように、手持ち式外科用器具100は、アダプタ200と選択的に接続するように構成され、ひいては、アダプタ200は、単回使用装填ユニット(「SULU」)又は使い捨て装填ユニット(「DLU」)又は複数回使用装填ユニット(「MULU」)を備えるエンドエフェクタと選択的に接続するように構成されている。別の外科用システムの実施形態では、アダプタ200の様々な形態がまた、ロボット制御外科用システム又は自動外科用システムのツール駆動アセンブリと共に効果的に使用されることができる。例えば、本明細書で開示する外科用ツールアセンブリは、種々のロボットシステム、器具、構成要素及び方法、例えば、限定されないが、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されるものと共に使用されてもよい。
【0014】
図1及び図2に示されるように、外科用器具100は、パワーパック101と、パワーパック101を選択的に受容して実質的に包囲するように構成された外側シェルハウジング10と、を含む。パワーパック101はまた、本明細書ではハンドルアセンブリ101と称されることもある。例えば、外科用器具100の一形態は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「HANDHELD ELECTROMECHANICAL SURGICAL SYSTEM」と題された、国際公開第2016/057225(A1)号、国際出願第PCT/US2015/051837号に開示されている。外科用器具100の様々な特徴は、本明細書に開示される本発明の様々な特徴を理解するために必要なものを超えては本明細書に開示されず、更なる詳細は、国際公開第2016/057225(A1)号及び参照により本明細書に組み込まれる他の参考文献に対する参照から収集されることができることが理解される。
【0015】
図3に示されるように、外側シェルハウジング10は、遠位半部10aと、遠位半部10a及び近位半部10bの上縁部に沿って位置するヒンジ16によって遠位半部10aに回動可能に接続された近位半部10bとを含む。接合されると、遠位半部10a及び近位半部10bは、パワーパック101が選択的に位置するシェル空洞10cを内部に画定する。遠位半部10a及び近位半部10bのそれぞれは、それぞれの上側シェル部分12a、12b、及び対応する下側シェル部分14a、14bを含む。下側シェル部分14a、14bは、下側シェル部分14a、14bを互いに選択的に固定し且つシェルハウジング10を閉鎖状態に維持するためのスナップ閉鎖機構18を画定する。シェルハウジング10の遠位半部10aは、アダプタ200の対応する駆動連結アセンブリ210を受け入れるように構成された接続部分20を画定する(図5を参照)。具体的には、シェルハウジング10の遠位半部10aは、アダプタ200が外科用器具100に嵌合されたときにアダプタ200の駆動連結アセンブリ210の一部を受容する凹部を有する。
【0016】
遠位半部10aの接続部分20は、図5に示されるように、その内側表面から半径方向内側に突出する一対の軸方向に延在するガイドレール21a、21bを画定する。ガイドレール21a、21bは、アダプタ200が外科用器具100に嵌合されたときに、アダプタ200を外科用器具100に対して回転的に配向するのを支援する。遠位半部10aの接続部分20は、遠位側に面する表面に形成され且つ互いに共通の平面又は線に配置された3つの開口部22a、22b、22cを画定する。遠位半部10aの接続部分20はまた、その遠位側に面する表面に同様に形成された細長スロット24を画定する。遠位半部10aの接続部分20は、更に、その表面に形成された雌接続機構26(図2を参照)を画定する。雌接続機構26は、アダプタ200の雄接続機構と選択的に係合する。
【0017】
シェルハウジング10の遠位半部10aは、遠位側に面するトグル制御ボタン30を支持する。トグル制御ボタン30は、それに対応する力又はそれに押し下げる力を加えると、左、右、上及び下方向に作動されることができる。シェルハウジング10の遠位半部10aは、右側対の制御ボタン32a、32b(図3を参照);及び左側対の制御ボタン34a、34b(図2を参照)を支持する。右側制御ボタン32a、32b及び左側制御ボタン34a、34bは、それに対応する力又はそれに押し下げる力を加えると作動されることができる。シェルハウジング10の近位半部10bは、右側制御ボタン36a(図3を参照)及び左側制御ボタン36b(図2を参照)を支持する。右側制御ボタン36a及び左側制御ボタン36bは、それに対応する力又はそれに押し下げる力を加えると作動されることができる。
【0018】
シェルハウジング10は、遠位半部10a内に選択的に支持された無菌バリアプレートアセンブリ60を含む。具体的には、無菌バリアプレートアセンブリ60は、遠位半部10aの接続部分20の後方及びシェルハウジング10のシェル空洞10c内に配設される。プレートアセンブリ60は、3つの連結シャフト64a、64b、64cを回転可能に支持するプレート62を含む(図3及び図5を参照)。各連結シャフト64a、64b、64cは、プレート62の対向する側面から延在し、3つに分岐した横断面プロファイルを有する。各連結シャフト64a、64b、64cは、無菌バリアプレートアセンブリ60がシェルハウジング10のシェル空洞10c内に配設されたときに、遠位半部10aの接続部分20のそれぞれの開口部22a、22b、22cを通って延在している。プレートアセンブリ60は、更に、プレート62上に支持された電気通過コネクタ66を含む。通過コネクタ66は、プレート62の対向する側面から延在している。通過コネクタ66は、プレート62にわたって電気的接続を延在させるための電気導管をそれぞれ含む複数の接触経路を画定する。プレートアセンブリ60が、シェルハウジング10のシェル空洞10c内に配設されるとき、連結シャフト64a、64b、64cの遠位端及び通過コネクタ66の遠位端は、シェルハウジング10の遠位半部10aの接続部分20内に配設されるか又は位置し、アダプタ200のそれぞれの対応する機構を電気的及び/又は機械的に係合するように構成されている。
【0019】
図3及び図4を参照すると、パワーパック又はハンドルアセンブリ101は、下側ハウジング部分104と、下側ハウジング部分104から延在する及び/又は下側ハウジング部分上に支持された上側ハウジング部分108とを有する内側ハンドルハウジング110を含む。下側ハウジング部分104及び上側ハウジング部分108は、遠位半部110aと、複数の締結具によって遠位半部110aに接続可能な近位半部110bとに分離される。接合されると、遠位半部110a及び近位半部110bは、内部にパワーパックコアアセンブリ106が位置する内側ハウジング空洞110cを有する内側ハンドルハウジング110を画定する。パワーパックコアアセンブリ106は、外科用器具100の種々の動作を制御するように構成されている。
【0020】
内側ハンドルハウジング110の遠位半部110aは、シェルハウジング10の遠位トグル制御ボタン30と動作可能に位置合わせされた遠位トグル制御インターフェイス130を支持する。使用中、パワーパック101がシェルハウジング10内に配設されると、トグル制御ボタン30の作動は、トグル制御インターフェイス130に力を及ぼす。内側ハンドルハウジング110の遠位半部110aはまた、右側対の制御インターフェイス(図示せず)、及び左側対の制御インターフェイス132a、132bを支持する。使用中、パワーパック101がシェルハウジング10内に配設されると、シェルハウジング10の遠位半部10aの右側対の制御ボタン又は左側対の制御ボタンのうちの一方の作動は、内側ハンドルハウジング110の遠位半部110aの右側対の制御インターフェイス132a、132b又は左側対の制御インターフェイス132a、132bのそれぞれ1つに力を及ぼす。
【0021】
図1図5を参照すると、内側ハンドルハウジング110は、パワーパックコアアセンブリ106が位置するハウジングを提供する。パワーパックコアアセンブリ106は、バッテリ回路140、コントローラ回路基板142、及び外科用器具100の電気部品のいずれかに電力を供給するように構成された再充電可能バッテリ144を含む。コントローラ回路基板142は、モータコントローラ回路基板142aと、主コントローラ回路基板142bと、モータコントローラ回路基板142aと主コントローラ回路基板142bとを相互接続する第1のリボンケーブル142cとを含む。パワーパックコアアセンブリ106は、更に、主コントローラ回路基板142b上に支持された表示画面146を含む。表示画面146は、内側ハンドルハウジング110の近位半部110bに設けられたクリア又は透明窓110d(図3を参照)を介して視認可能である。内側ハンドルハウジング110の少なくとも一部分は、透明な剛性プラスチックなどから製作されることができることが想定される。シェルハウジング10は、内部に形成された窓(表示画面146と視覚的に位置合わせされ且つ内側ハンドルハウジング110の近位半部110bの窓110dを有する)を含むことができるか、及び/又はシェルハウジング10は、透明な剛性プラスチックなどから製作されることができることが更に想定される。
【0022】
パワーパックコアアセンブリ106は、更に、モータブラケット148によって支持され且つそれぞれコントローラ回路基板142及びバッテリ144に電気的に接続された、第1のモータ152、第2のモータ154、及び第3のモータ156を含む。モータ152、154、156は、モータコントローラ回路基板142aと主コントローラ回路基板142bとの間に配設される。各モータ152、154、156は、そこから延在するそれぞれのモータシャフト152a、154a、156aを含む。各モータシャフト152a、154a、156aは、回転力又はトルクを伝達するための3つに分岐した横断面プロファイルを有する。各モータ152、154、156は、それぞれのモータコントローラによって制御される。外科用器具100の様々な動作を実行するために、それぞれのモータ152、154、156によるモータシャフト152a、154a、156aの回転は、アダプタ200のシャフト及び/又はギア構成要素を駆動するように機能する。特に、パワーパックコアアセンブリ106のモータ152、154、156は、アダプタ200のシャフト及び/又はギア構成要素を駆動するように構成されている。
【0023】
図1及び図5に示されるように、外科用器具100は、アダプタ200と選択的に接続するように構成され、ひいてはアダプタ200は、エンドエフェクタ500と選択的に接続するように構成されている。アダプタ200は、外側ノブハウジング202と、ノブハウジング202の遠位端から延在する外管206とを含む。ノブハウジング202及び外管206は、アダプタアセンブリ200の構成要素を収容するように構成され且つ寸法決めされている。外管206は、内視鏡挿入のために寸法決めされており、具体的には、外管は、典型的なトロカールポート、カニューレなどを介して通過可能である。ノブハウジング202は、トロカールポート、カニューレなどに入らないように寸法決めされている。ノブハウジング202は、外科用器具100の外側シェルハウジング10の接続部分20に接続するように構成され且つ適合されている。
【0024】
アダプタ200は、図10に示され且つ以下により詳細に説明されるように、外科用器具100の第1又は第2の連結シャフト64a、64bのいずれかの回転を、駆動アセンブリ540及びエンドエフェクタ500の関節接合リンク560を動作させるのに有用な軸方向並進に変換するように構成されている。図6に示されるように、アダプタ200は、第1の回転可能な近位駆動シャフト212、第2の回転可能な近位駆動シャフト214及び第3の回転可能な近位駆動シャフト216を内部に回転可能に支持する、近位内側ハウジングアセンブリ204を含む。各近位駆動シャフト212、214、216は、外科用器具100のそれぞれの連結シャフト64a、64b及び64cから回転力を受ける回転受容部材として機能する。加えて、アダプタ200の駆動連結アセンブリ210はまた、互いに共通の平面又は線に配置された第1、第2、及び第3コネクタスリーブ218、220及び222をそれぞれ回転可能に支持するように構成されている。各コネクタスリーブ218、220、222は、上述したように、外科用器具100のそれぞれの第1、第2、及び第3の連結シャフト64a、64b、64cと嵌合するように構成されている。各コネクタスリーブ218、222、220は、アダプタ200のそれぞれの第1、第2、及び第3の近位駆動シャフト212、214、216の近位端と嵌合するように更に構成されている。
【0025】
アダプタ200の駆動連結アセンブリ210はまた、それぞれの第1、第2及び第3のコネクタスリーブ218、220、222の遠位側に配設された第1、第2及び第3の付勢部材224、226、及び228を含む。各付勢部材224、226、及び228は、それぞれの第1、第2、及び第3の回転可能な近位駆動シャフト212、214及び216の周りに配設される。アダプタ200が外科用器具100に接続されるときに、コネクタスリーブ218、222及び220が外科用器具100のそれぞれの連結シャフト64a、64b、及び64cの遠位端と係合した状態を維持するのを助けるために、付勢部材224、226、及び228は、それぞれのコネクタスリーブ218、222、及び220に作用する。
【0026】
また、図示される構成では、アダプタ200は、それぞれ内側ハウジングアセンブリ204及び外管206内に配設される第1、第2、及び第3の駆動変換アセンブリ240、250、260を含む。各駆動変換アセンブリ240、250、260は、外科用器具100の第1、第2、及び第3の連結シャフト64a、64b、及び64cの回転を、エンドエフェクタ500の関節運動を達成するためにアダプタ200の関節接合ドライバ又はバー258の軸方向並進に、アダプタ200の回転を達成するためにアダプタ200のリングギア266の回転に、又はエンドエフェクタ500の閉鎖、開放、及び発射を達成するためにアダプタ200の遠位駆動部材248の軸方向並進に伝達又は変換するように構成及び適合されている。
【0027】
更に図6を参照すると、第1の力/回転伝達/変換アセンブリ240は、上述したように、内側ハウジングアセンブリ204内で回転可能に支持される、第1の回転可能な近位駆動シャフト212を含む。第1の回転可能な近位駆動シャフト212は、外科用器具100のそれぞれの第1の連結シャフト64aに接続された第1のコネクタスリーブ218と接続するように構成された非円形の又は非円形状に成形された近位端部分を含む。第1の回転可能な近位駆動シャフト212は、ねじ付き遠位端部分212bを含む。第1の力/回転伝達/変換アセンブリ240は、更に、第1の回転可能な近位駆動シャフト212のねじ付き遠位端部分212bに螺合係合し、且つ外管206内に摺動可能に配設された駆動連結ナット244を含む。駆動連結ナット244は、第1の回転可能な近位駆動シャフト212が回転するときに回転が防止されるように外管206の近位コア管部分内に摺動可能にキー止めされる。このようにして、第1の回転可能な近位駆動シャフト212が回転すると、駆動連結ナット244は、第1の回転可能な近位駆動シャフト212のねじ付き遠位端部分212bに沿って、ひいては外管206を通って、及び/又は外管に沿って並進される。
【0028】
第1の力/回転伝達/変換アセンブリ240は、更に、駆動連結ナット244の軸方向移動が遠位駆動部材248の対応する軸方向移動量をもたらすように、駆動連結ナット244と機械的に係合された遠位駆動部材248を含む。遠位駆動部材248の遠位端部分は、エンドエフェクタ500の駆動アセンブリ540の係合部材546と選択的に係合するように構成され且つ寸法決めされた接続部材247を支持する(図10)。駆動連結ナット244及び/又は遠位駆動部材248は、エンドエフェクタ500の構成要素への力伝達部材として機能する。動作中、外科用器具100の第1の連結シャフト64aの回転の結果として、第1の回転可能な近位駆動シャフト212が回転されると、駆動連結ナット244は、第1の回転可能な近位駆動シャフト212に沿って軸方向に並進される。駆動連結ナット244が第1の回転可能な近位駆動シャフト212に沿って軸方向に並進されると、遠位駆動部材248は、外管206に対して軸方向に並進される。遠位駆動部材248が軸方向に並進され、接続部材247が接続され、エンドエフェクタ500の駆動アセンブリ540に取り付けられた中空駆動部材548と係合されると(図10)、遠位駆動部材248は、エンドエフェクタ500の駆動アセンブリ540の付随的な軸方向並進を引き起こし、エンドエフェクタ500のツールアセンブリ部分600の閉鎖及びツールアセンブリ内の様々な構成要素の発射を達成する。
【0029】
更に図6を参照すると、アダプタ200の第2の駆動変換アセンブリ250は、内側ハウジングアセンブリ204内に回転可能に支持される第2の近位駆動シャフト214を含む。第2の回転可能な近位駆動シャフト214は、外科用器具100の第2の連結シャフト64cと接続するように構成された非円形の又は非円形状に成形された近位端部分を含む。第2の回転可能な近位駆動シャフト214は、更に、関節ベアリングアセンブリ252の関節ベアリングハウジング253と螺合係合するように構成されたねじ付き遠位端部分214aを含む。図6図9を参照すると、関節ベアリングハウジング253は、外側レース259に対して独立して回転可能な内側レース257を有する関節ベアリング255を支持する。関節ベアリングハウジング253は、非円形外側プロファイル、例えば、涙滴形状を有し、これは、内側ハウジングハブ204aの相補的な孔(図示せず)内に摺動可能且つ非回転可能に配設される。アダプタ200の第2の駆動変換アセンブリ250は、更に、関節ベアリング255の内側レース257に固定された近位部分を有する関節接合バー258を含む。関節接合バー258の遠位部分は、エンドエフェクタ500の関節接合リンク560のフック562(図10)を受け入れるように構成されたスロット258aを内部に含む。関節接合バー258は、エンドエフェクタ500の構成要素への力伝達部材として機能する。図示された構成では、また国際公開第2016/057225(A1)号に更に記載されるように、関節ベアリングアセンブリ252は、回転可能であり且つ長手方向に並進可能であり、第1及び第2の顎部材610、700が接近位置にあるとき、及び/又は顎部材610、700が関節運動されたとき、エンドエフェクタ500の自由に妨げられない回転運動を可能にするように構成されている。
【0030】
動作中、第2の近位駆動シャフト214が回転されると、関節ベアリングアセンブリ252は、第2の近位駆動シャフト214のねじ付き遠位端部分214aに沿って軸方向に並進され、これは、ひいては関節接合バー258を外管206に対して軸方向に並進させる。関節接合バー258が軸方向に並進されると、エンドエフェクタ500の関節接合リンク560に連結された関節接合バー258は、エンドエフェクタ500の関節接合リンク560の付随的な軸方向並進を引き起こし、ツールアセンブリ600の関節運動を達成する。関節接合バー258は、関節ベアリング253の内側レース257に固定され、したがって、関節ベアリング253の外側レース259に対して長手方向軸を中心に自由に回転する。
【0031】
図6に示されるように、アダプタ200は、内側ハウジングアセンブリ204内に支持された第3の駆動変換アセンブリ260を含む。第3の駆動変換アセンブリ260は、外側ノブハウジング202内に固定的に支持され且つ外側ノブハウジングに接続される回転リングギア266を含む。リングギア266は、ギア歯266aの内部アレイを画定し、一対の直径方向に対向する径方向に延在する突起266bを含む。突起266bは、リングギア266の回転が外側ノブハウジング202の回転をもたらし、逆もまた同様になるように、外側ノブハウジング202内に画定された凹部内に配設されるように構成されている。第3の駆動変換アセンブリ260は、更に、上述したように、内側ハウジングアセンブリ204内に回転可能に支持された第3の回転可能な近位駆動シャフト216を含む。第3の回転可能な近位駆動シャフト216は、第3のコネクタ220との接続のために構成された非円形の又は非円形状に成形された近位端部分を含む。第3の回転可能な近位駆動シャフト216は、その遠位端にキー止めされた平歯車216を含む。逆平歯車264は、第3の回転可能な近位駆動シャフト216の平歯車216aとリングギア266のギア歯266aとを相互係合する。動作中、第3の回転可能な近位駆動シャフト216が回転すると、外科用器具100の第3の連結シャフト64bの回転に起因して、第3の回転可能な近位駆動シャフト216の平歯車216aは、逆転ギア264と係合して逆転ギア264を回転させる。逆転ギア264が回転すると、リングギア266も回転し、それによって外側ノブハウジング202を回転させる。外側ノブハウジング202の回転は、外管206をアダプタ200の長手方向軸を中心に回転させる。外管206が回転すると、アダプタ200の遠位端部分に接続されたエンドエフェクタ500もまた、アダプタ200の長手方向軸を中心に回転する。
【0032】
アダプタ200は、更に、アダプタ200の駆動連結アセンブリ210から突出するステム273(図6)上に支持された取り付け/取り外しボタン272(図5)を含む。取り付け/取り外しボタン272は、ステム273内又はその周囲に配置された付勢部材(図示せず)によって、非作動状態へと付勢される。ボタン272は、外科用器具100の接続部分20の対応するリップ又はレッジの後方にスナップ嵌めするように構成されたリップ又はレッジを含む。国際公開第2016/057225(A1)号にも記載されるように、アダプタ200は、更に、遠位駆動部材248の軸方向位置を固定するためのロック機構280を含むことができる。図21に見られるように、例えば、ロック機構280は、外側ノブハウジング202上に摺動可能に支持されたボタン282を含む。ロックボタン282は、外管206を通って長手方向に延在する作動バー(図示せず)に接続される。作動バーは、ロックボタン282の移動に応じて移動する。動作中、遠位駆動部材248の位置及び/又は向きをロックするために、ユーザは、ロックボタン282を遠位位置から近位位置へと移動させ、それにより、ロックの遠位面がカム部材288との接触から外れて移動するようにロックアウト(図示せず)を近位方向に移動させ、これによってカム部材288を遠位駆動部材248の凹部249内にカム作用させる。このようにして、遠位駆動部材248は、遠位及び/又は近位方向の動きを防止する。ロックボタン282が近位位置から遠位位置に移動されると、作動バーの遠位端は、付勢部材(図示せず)の付勢に対抗してロックアウト(図示せず)内へと遠位方向に移動して、カム部材288を凹部249から押し出すことによって、遠位駆動部材248の軸方向並進及び半径方向移動を可能にする。
【0033】
再び図6に戻ると、アダプタ200は、外側ノブハウジング202及び内側ハウジングアセンブリ204上及びその内部に支持された電気アセンブリ290を含む。電気アセンブリ290は、外科用器具100のシェルハウジング10のプレートアセンブリの通過コネクタに電気的に接続するために、回路基板294上に支持された複数の電気接触ブレード292を含む。電気アセンブリ290は、較正及び通信情報(すなわち、ライフサイクル情報、システム情報、力情報)が、外科用器具100のパワーパックコアアセンブリ106の電気レセプタクル部分を介して外科用器具100の回路基板に渡されることを可能にする役割を果たす。電気アセンブリ290は、更に、回路基板294に電気的に接続された歪みゲージ296を含む。歪みゲージ296は、内側ハウジングアセンブリ204内に取り付けられて、歪みゲージ296の回転をそれに対して制限する。第1の回転可能な近位駆動シャフト212は、歪みゲージ296を通って延在し、歪みゲージ296が第1の回転可能な近位駆動シャフト212によって示される発射/クランプ負荷に閉ループフィードバックを提供することを可能にする。電気アセンブリ290はまた、外管206の駆動連結ナット244に沿って回転不能且つ摺動可能に配設されたスリップリング298を含む。スリップリング298は、回路基板294と電気的に接続され、第1の回転可能な近位駆動シャフト212の回転、及び駆動連結ナット244の軸方向並進を可能にすると共に、スリップリング298とアダプタ200内の少なくとも別の電気部品の電気的接触を更に維持すると共に、他の電気部品が第1の回転可能な近位駆動シャフト212及び駆動連結ナット244を中心に回転することを可能にするように機能する。
【0034】
更に図6を参照すると、内側ハウジングアセンブリ204は、実質的に円形の外側プロファイルを画定する遠位方向に配向された環状壁207を有するハブ205を含む。ハブ205は、内部に関節ベアリングアセンブリ252を摺動可能に受容するような形状及び寸法とされた実質的に涙滴形状の内側凹部又はボアを含む。内側ハウジングアセンブリ204は、更に、ハブ204aの遠位方向に配向された環状壁207の遠位面に固定されたリングプレート254を含む。リングプレート254は、第2の近位駆動シャフト214と位置合わせされ且つその遠位先端を回転可能に受容するようなサイズ及び形状とされた開口部254aを画定する。このようにして、第2の近位駆動シャフト214の遠位先端は支持され、第2の近位駆動シャフト214が回転されて関節ベアリングアセンブリ252を軸方向に並進させる際に、第2の近位駆動シャフト214の長手方向回転軸から離れて半径方向に移動することが防止される。
【0035】
一実施例では、図10を参照すると、エンドエフェクタ500は、単回使用のために構成されることができ(「使い捨て装填ユニット-DLU」)、現在は米国特許第9,795,384号である「LOADING UNIT HAVING DRIVE ASSEMBLY LOCKING MECHANISM」と題された米国特許出願公開第2010/0301097号、現在は米国特許第8,292,158号である「LOCKING MECHANISM FOR USE WITH LOADING UNITS」と題された米国特許出願公開第2012/0217284号、及び「ADAPTER ASSEMBLIES FOR INTERCONNECTING SURGICAL LOADING UNITS AND HANDLE ASSEMBLIES」と題された米国特許出願公開第2015/0374371号に開示されているDLU’のものと同様とすることができ、そのような文献のそれぞれの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。エンドエフェクタ500は、「MULTI-USE LOADING UNIT」と題された米国特許出願公開第2017/0095250号に開示されているそれらのエンドエフェクタなどの複数回使用(MULU)のために構成されることができることも想定され、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
図示された外科用器具100は、ステープルを発射するが、クリップ及び2部締結具などの任意の他の好適な締結具を発射するように適合されてもよい。図示された構成では、エンドエフェクタ500は、装填ユニット510を備える。装填ユニット510は、近位本体部分520及びツールアセンブリ600を備える。ツールアセンブリ600は、アンビルアセンブリ612を備える第1の顎部材610と、カートリッジアセンブリ701を備える第2の顎部材700とを含む一対の顎部材を含む。一方の顎部材は、顎部材間の組織のクランプを可能にするために、他方に対して回動可能である。カートリッジアセンブリ701は、アンビルアセンブリ612に対して移動可能であり、開放位置又はクランプ解除位置と閉鎖位置又は近接位置との間で移動可能である。しかしながら、アンビルアセンブリ612、又はカートリッジアセンブリ701及びアンビルアセンブリ612の双方は、移動可能とすることができる。
【0037】
カートリッジアセンブリ701は、カートリッジ本体702を有し、場合によっては、スナップ嵌め接続、戻り止め、ラッチ、又は別のタイプの接続によってチャネル720に取り付けられる支持プレート710を有する。カートリッジアセンブリ701は、組織接触面708内の開口部として構成された、複数の横方向に離間したステープル保持スロット706内で移動可能に支持される締結具又はステープル704を含む。各スロット706は、その内部に締結具又はステープルを受容するように構成されている。カートリッジ本体702はまた、ステープルプッシャ709を収容し且つ底部において(すなわち、組織接触面から離れて)開放しており、作動スレッド712がそれを通って長手方向に通過することを可能にする、複数のカムくさびスロットを画定する。カートリッジアセンブリ701は、ステープルがカートリッジ本体702から発射された後にチャネル720から取り外し可能である。別の取り外し可能なカートリッジアセンブリは、外科用器具100が再び作動されて追加の締結具又はステープルを発射することができるように、チャネル720上に装填されることができる。カートリッジアセンブリに関する更なる詳細は、例えば、米国特許出願公開第2017/0095250号、並びに参照により本明細書に組み込まれている種々の他の文献において見出すことができる。
【0038】
カートリッジアセンブリ701は、アンビルアセンブリ612に対して回動可能であり、トロカールのカニューレを介した挿入のために、開放位置又はクランプ解除位置と、閉鎖位置又はクランプ位置との間で移動可能である。近位本体部分520は、少なくとも駆動アセンブリ540及び関節接合リンク560を含む。1つの構成では、駆動アセンブリ540は、遠位端544と近位係合部分546とを有する可撓性駆動ビーム542を含む。係合部分546の近位端は、駆動部材548をビーム542の近位端に固定的に固定するために中空駆動部材548と係合する、直径方向に対向する内向きに延在するフィンガ547を含む。駆動部材548は、エンドエフェクタ500がアダプタ200の遠位端に取り付けられたときにアダプタ200の第1の駆動変換アセンブリ240の駆動管246の接続部材247を受容する近位ポート孔を画定する。
【0039】
エンドエフェクタ500は、更に、外側ハウジング532と、外側ハウジング532内に配設された内側ハウジング534とを備えるハウジングアセンブリ530を含む。第1及び第2のラグ536は、それぞれ、国際公開第2016/057225(A1)号に更に詳細に記載されているように、外側ハウジング532の近位端533の外面上に配設され、アダプタ200の遠位端と動作可能に係合するように構成されている。
【0040】
図10を参照すると、例えば、アンビルアセンブリ612は、アンビルカバー630と、複数のステープル成形凹部を含むアンビルプレート620とを含む。アンビルプレート620は、アンビルカバー630の下面に固定される。ツールアセンブリ600が近接位置にあるとき、ステープル成形凹部は、カートリッジアセンブリ701のステープル受容スロットと並置的に位置合わせされて配置される。
【0041】
ツールアセンブリ600は、上側取り付け部分810及び下側取り付け部分812を備える取り付けアセンブリ800を含む。取り付けテール632は、アンビルカバー630の近位端631から近位方向に突出する。中央に配置された回動部材814は、連結部材820内に形成された開口部822を通って、上側及び下側取り付け部分810及び812のそれぞれから延在する。少なくとも1つの構成では、上側取り付け部分810の回動部材814もまた、取り付けテール部632内の開口部634を通って延在する。連結部材820は、それぞれ、外側ハウジング532及び内側ハウジング534の遠位端に形成された対応する溝内に受容されるように構成された連結近位部分824を含む。エンドエフェクタ500の近位本体部分520は、フック付き近位端562を有する関節接合リンク560を含む。関節接合リンク560は、内側ハウジングにおけるスロット内に摺動可能に配置されるように寸法決めされている。一対のHブロックアセンブリ830は、外側ハウジング532の遠位端に隣接し且つ軸方向駆動アセンブリ540の遠位端544に隣接して配置され、外科用ステープル留め装置10の関節運動及び発射中に可撓性駆動ビーム542の外向きの座屈及び膨張を防止する。各Hブロックアセンブリ830は、外側ハウジング532の遠位端に固定的に固定された近位端と、取り付けアセンブリ800に固定的に固定された遠位端と、を含む可撓性本体832を含む。1つの構成では、関節接合リンクの遠位端564は、右Hブロックアセンブリ830に回動可能にピン留めされる。関節接合リンク560の軸方向移動は、ツールアセンブリを本体部分520に対して関節運動させることになる。
【0042】
図11図15は、以下に述べる相違点を除き、上述したアダプタ200と実質的に同一のアダプタ200’を図示している。図11に見られるように、アダプタ200’は、第1の直径「FD」を有し且つ外側ノブハウジング202内に取り付けられた近位端部分910を有する外管206を含む。近位端部分910は、例えば国際公開第2016/057225(A1)号に更に詳細に記載されている方法で、内側ハウジングアセンブリ204に連結されてもよく、ないしは別の方法で内部に支持されてもよい。近位端部分910は、第2の直径「SD」を有する中央管部分912から近位方向に延在する。図示された実施形態では、エンドエフェクタ500は、シャフトアセンブリ203又は外管206の遠位端914に連結されている。外管206は、図11に見られるように、近位端部分910と遠位端914との間に延在する長手方向軸LAを画定する。図10及び図11に見られるように、エンドエフェクタ500の近位本体部分520の外側スリーブ570は、遠位端部分572及び近位端部分574を有する。近位端部分574は、中央管部分912の第2の直径SDにほぼ等しい直径SD’を有する。遠位端部分572は、第3の直径「TD」を有する。1つの構成では、FD及びTDは、SDとほぼ等しく、SDよりも大きい。FD及びTDが等しくないが、それぞれがSDよりも大きい他の構成が想到される。しかしながら、ほとんどの場合、FD及びTDは、典型的なトロカールポート、カニューレなどを介して内視鏡的に挿入されるような寸法とされることが好ましい。少なくとも1つの構成(図11)では、外側スリーブ570は、アダプタ200’の様々な駆動及び関節構成要素を効果的に収容しながら、患者内の改善されたアクセスを容易にするために、平坦又はスカラップ状の側部576によって形成される。加えて、直径が減少した中央管部分912を提供することにより、アダプタ200’に、改善された胸腔間のリブアクセスをもたらすことができる。
【0043】
少なくとも1つの構成では、機械加工されることができる又は板金から作製されることができるチャネル720は、アンビルアセンブリ612とカートリッジアセンブリ701との間の回動関係を容易にするために対応するピン又はボス638(図12)を受容するように、アンビルカバー630における一対の対応する孔636と位置合わせするように構成された一対の近位孔722(図10)を含む。図示の例では、動的クランプアセンブリ550は、可撓性駆動ビーム542の遠位端544に取り付けられるか又はそこに形成される。動的クランプアセンブリ550は、その上に形成された又はそれに取り付けられた組織切断面554を有する、垂直本体部分552を含む。例えば、図10を参照されたい。アンビル係合機構556は、本体部分552の一端に形成され、本体部分552の各側面から突出するアンビル係合タブ557を備える。同様に、チャネル係合機構558は、本体部分552の他端に形成され、本体部分552の各側面から突出するチャネル係合タブ559を備える。図15を参照されたい。
【0044】
上記のように、アンビルアセンブリ612は、アンビルプレート620を含む。アンビルプレート620は、動的クランプアセンブリ550が発射プロセス中に軸方向に前進するときに、動的クランプアセンブリ550の本体部分552を収容するように構成された細長スロット622を含む。細長スロット622は、細長スロット622の各側面に沿って延在する2つのアンビルプレートレッジ624の間に画定される。図10を参照されたい。動的クランプアセンブリ550が遠位方向に前進すると、アンビル係合タブ557は、アンビルプレートレッジ624と摺動可能に係合して、アンビルアセンブリ612を標的組織上にクランプされた状態に保持する。同様に、発射動作中、動的クランプアセンブリ550の本体部分552は、チャネル720内の中央スロットを通って延在し、チャネル係合タブ559は、中央チャネルスロットの各側に沿って延在するチャネルレッジ725と摺動可能に係合して、カートリッジアセンブリ701を標的組織上にクランプされた状態に保持する。
【0045】
図13及び図15を参照すると、チャネル720は、本明細書では未発射位置又は開始位置と称されるその最近位位置にあるときに動的クランプアセンブリ550を収容するように構成された、一般に730として指定されるドッキング領域を画定する。具体的には、ドッキング領域730は、動的クランプアセンブリ550上のチャネル係合タブ559間の隙間を提供して、カートリッジアセンブリ701が完全に開放位置に回動することを可能にする平面ドッキング面732によって部分的に画定される。傾斜又はカム面726は、ドッキング面732のそれぞれの遠位端から延在する。傾斜面726は、アンビルアセンブリ612及びカートリッジアセンブリ701を互いに対して移動させるために、動的クランプアセンブリ550によって係合される。他の実施形態では、同様のカム面がアンビルアセンブリ612上に提供されることができる。傾斜面726はまた、チャネル720と支持プレート620及び/又はカートリッジ本体702との間の位置合わせ及び/又は係合を容易にすることができることが想定される。駆動アセンブリ540が遠位方向に前進(発射)されると、動的クランプアセンブリ550上のチャネル係合タブ559は、対応する傾斜面726と係合して、カートリッジアセンブリ701に閉鎖運動を加え、したがってカートリッジアセンブリ701及びアンビルアセンブリ612を閉鎖する。動的クランプアセンブリ550の更なる遠位並進は、作動スレッド712をカートリッジ本体702を通って遠位方向に移動させ、これによって作動スレッド712のカムくさび713をステープルプッシャ709と連続的に係合させ、ステープルプッシャ709をステープル保持スロット706内で垂直方向に移動させ、ステープル704をアンビルプレート620のステープル成形凹部内に排出させる。ステープル704が保持スロット706から(及び組織内へ)排出された後、動的クランプアセンブリ550の切断縁部554は、動的クランプアセンブリ550の垂直本体部分552上の組織切断縁部554がカートリッジ本体702の中央スロット703を通って遠位方向に移動する際に、ステープル留めされた組織を切断する。ステープル704がカートリッジ本体702から排出され且つユーザが同じ器具10を使用して追加のステープル704(又は別のタイプの締結具又はナイフ)を発射することを望んだ後、ユーザは、アダプタ200’から装填ユニット510を取り外し、それを別の新しい又は未使用の装填ユニットと交換することができる。代替的な構成では、ユーザは、使用済みカートリッジ本体702を単純に取り外し、新しい未使用の又は未発射のカートリッジ本体702と交換することができる。
【0046】
外科手技の間、臨床医が、採用されるアダプタの動的クランプ部材の進行又は位置を監視できることが望ましい場合がある。図16~21は、エンドエフェクタ2500の顎部を更に閉鎖し続けながら、閉鎖とステープルカートリッジからのステープルの連続的発射との両方を行うため、エンドエフェクタ2500の動的クランプアセンブリ550の位置を確認するための手段を含む、別のエンドエフェクタ2500を示す。一形態では、エンドエフェクタ2500は、本明細書で論じる相違点を除いて、上述のツールアセンブリ600と同一であり得るツールアセンブリ2600を含む。ツールアセンブリ2600は、アンビルアセンブリ2612を備える第1の顎部2610と、カートリッジアセンブリ2701を備える第2の顎部2700と、を含む。一形態では、アンビルアセンブリ2612は、カートリッジアセンブリ2701と対面関係となるように構成されたステープル形成下面2626を含むアンビルプレート2620を備える。アンビルカバー2630は、アンビルプレート2620に取り付けられる。
【0047】
図示される例では、アンビルカバー2630は、近位端2642から遠位端2644まで延在する本体部2632を備える。図示されるように、アンビルカバー2630はまた、標的組織がカートリッジアセンブリ2701内に格納された最近位のステープルを越えて近位に延在するのを防止するように機能する、一対の下向きに延在する組織止め2646を含んでもよい。図17及び18は、動的クランプアセンブリ550が開始位置にあるツールアセンブリ2600を示す。別の言い方をすれば、図17及び18中、動的クランプアセンブリ550が最近位位置にある。図16に最も具体的に見られるように、例えば、アンビルカバー本体部2632は、第1の側面部2634と、第1の側面部2634から横方向に離間した第2の側面部2636と、を備える。複数の第1の顎部補強機構2650、2652は、第1の側面部2634と第2の側面部2636との間に延在する。補強機構2650及び2652は、互いから長手方向にオフセットされて、間に第1の顎部開口部2654を画定する。また、第1の顎部補強機構2650は、近位の第1の顎部開口部2656によって近位端部2642から長手方向に分離され、第2の顎部補強機構2652は、図示されるように遠位の第1の顎部開口部2658によって遠位端部2644から長手方向に分離される。
【0048】
次に図17を参照すると、第2の顎部2700は、カートリッジアセンブリ2701を内部に動作可能に支持するように構成されたチャネル2720を備える。チャネル2720は、近位端部2723及び遠位端部2726を含むチャネル本体部2721を備える。チャネル2720は、一次側面部2727と、一次側面部2727から横方向に離間された二次側面部2728と、を更に備える。複数の第2の顎部補強機構2734、2735は、一次及び二次側面部2727、2728の間に延在する。第2の顎部補強機構2734及び2735は、互いから長手方向にオフセットされて、間に第2の顎部開口部2736を画定する。また、第2の顎部補強機構2734は、近位の第2の顎部開口部2737によって近位端部2725から長手方向に分離され、第2の顎部補強機構2735は、図示されるように遠位の第2の顎部開口部2738によって遠位端部2726から長手方向に分離される。
【0049】
第1の顎部補強材2650、2652及び第2の顎部補強材2734、2735は、間に標的組織をクランプしながら、第1及び第2の顎部2610、2700をそれぞれ補強する働きをする。また、長手方向に変位した開口部2654、2656、2658、2736、2737、2738により、臨床医は、発射中の動的クランプアセンブリの進行及び位置(例えば、ステープルがカートリッジアセンブリ701から発射される、動的クランプアセンブリ550の遠位方向前進の部分)を視認可能である。例えば、図19に示すように、基準軸Aは、カートリッジアセンブリ2701内の最近位のステープル又は締結具の位置に対応する。基準軸Aは、カートリッジアセンブリ2701内の最遠位ステープル又は締結具の位置に対応する。図示される実施例では、近位の第2の顎部開口部2737は、最近位の締結具位置(基準軸Aによって表される)から第2の顎部補強機構2734まで遠位に延在し、遠位の第1の顎部開口部2658は、最遠位の締結具位置(軸Aによって表される)から第1の顎部補強機構2652まで近位に延在する。
【0050】
更に図19を参照すると、第1の顎部2610の近位端部2642は、顎部2610、2700が図示されるように完全閉鎖位置にあるとき、第2の顎部2700の近位の第2の顎部開口部2737と垂直方向に位置合わせされている(例えば、真上にある)。少なくとも1つの例では、近位端部2642の長手方向長さLL及び近位の第2の顎部開口部2737の長手方向長さLLはほぼ等しい。同様に、近位の第1の顎部開口部2656は、顎部が完全閉鎖位置にあるとき、第2の顎部補強機構2734と垂直方向に位置合わせされている。近位の第1の顎部開口部2656の長手方向長さLLは、第2の顎部補強機構2734の長手方向長さLLにほぼ等しい。第1の顎部補強機構2650は、第2の顎部開口部2736と垂直方向に位置合わせされている。第1の顎部補強機構2650の長手方向長さLLは、第2の顎部開口部2736の長手方向長さLLにほぼ等しい。第2の顎部補強機構2735は、第1の顎部開口部2654と垂直方向に位置合わせされている。第2の顎部補強機構2735の長手方向長さLLは、第1の顎部開口部2654の長手方向長さLLにほぼ等しい。第1の顎部補強機構2652は、第2の顎部開口部2738と垂直方向に位置合わせされている。第1の顎部補強機構2652の長手方向長さLLは、第2の顎部開口部2738の長手方向長さLLにほぼ等しい。最遠位の第1の顎部開口部2658は、最遠位締結具位置Aから第2の顎部開口部2738まで延在する第2の顎部2700の遠位端部2726と垂直方向に位置合わせされている。遠位の第1の顎部開口部LLの長手方向長さは、遠位端部2726の長手方向長さLLにほぼ等しい。
【0051】
図示される例では、第1の顎部補強機構2650、2652並びに第1の顎部2610の近位端部2642及び遠位端部2644は、第1の側面部2634と第2の側面部2636との間を長手方向軸に対して横方向に延在し、弧状の断面形状を有する。第1の顎部補強機構2650、2652並びに第1の顎部2610の近位端部2642及び遠位端部2644は、「補強材ブリッジ」と称されてもよい。同様に、第2の顎部補強機構2734、2735並びに第2の顎部2700の近位端部2725及び遠位端部2726は、一次及び二次側面部2727と2728との間で長手方向軸LAに対して横方向に延在し、弧状の断面形状を有する。第2の顎部補強機構2734、2735、並びに第2の顎部2700の近位端部2725及び遠位端部2726は、「補強材ブリッジ」と称されてもよい。
【0052】
図19は、発射位置又は発射準備完了位置にある動的クランプアセンブリ550の位置を示す。この図に見られるように、動的クランプアセンブリ550の一部は、臨床医によって近位の第2の顎部開口部2737を介して視認可能である。図20では、動的クランプアセンブリ550は遠位に前進しており、その位置で、臨床医は、第1の顎部開口部2654及び第2の顎部開口部2736を介して動的クランプアセンブリ550の位置を視認可能である。図21は、最遠位ステープルが発射されている、最終位置又は終了位置にある動的クランプアセンブリ550の位置を示す。この図に見られるように、動的クランプアセンブリ550の位置は、第1の顎部開口部2658を介して視認可能である。したがって、第1及び第2の顎部補強機構並びに第1及び第2の顎部開口部の位置を上述したように長手方向にずらすことによって、かかる構成は、エンドエフェクタ2500の剛性、より具体的にはエンドエフェクタ2500のツールアセンブリ2600、更により具体的には第1及び第2の顎部2610、2700の剛性を維持する役割を果たす。第1及び第2の顎部が完全閉鎖位置又はクランプ位置にあるとき、動的クランプアセンブリ550は遠位に前進して、クランプされた組織を切断し、カートリッジアセンブリ内に支持されたステープルを発射する。また、このような構成により、臨床医は、動的クランプアセンブリ550の発射ストローク中の任意の位置で、動的クランプアセンブリ550の位置を観察することができる。この文脈で使用されるとき、「発射ストローク」は、発射位置FP又はステープル発射前の発射準備完了位置から、全ステープルが既に発射された終了発射位置までの動的クランプアセンブリ550の移動の範囲を意味する。追加の補強機構及び顎部開口部が、第1及び第2の顎部において上記のように使用される、代替的な構成が想到される。第1及び第2の顎部のうちの一方のみが、ユーザに動的クランプアセンブリ(発射部材)の動きを監視させることができる互いに離間した補強機構を含む、更に他の構成が想到される。
【0053】
図22は、アンビルアセンブリ612にクランプ力を加える従来の動的クランプアセンブリ550を示しており、このクランプ力は、アンビル係合機構557によるアンビルプレート620上の棚部624への不所望の偏向、並びにチャネル係合機構559によるチャネル720内に形成されたチャネル棚部への偏向をもたらし得る。二次顎部閉鎖システムを採用するエンドエフェクタとは異なり、このような構成は、動的クランプアセンブリを用いて、第1及び第2の顎部に全ての閉鎖力を加える。このような設計は、例えば、組織を圧縮させ、顎部間に適切な組織間隙を形成するために、非常に高い局所圧延力に依存する。反対に、別個の独立した閉鎖及び発射システムは、可能な限り遠位へ力を投入することに依存する。
【0054】
図23は、ステープル形成下面2812を含むアンビルプレート2810を備えるアンビルアセンブリ2800の一部を示す。アンビルプレート2810は、動的クランプアセンブリが発射プロセス中に軸方向に前進する際、動的クランプアセンブリ550の本体部を収容するように構成された細長スロット2814を含む。細長スロット2814は、スロット2814の各側面に沿って延在する2つのアンビルプレート棚部2816の間に画定される。動的クランプ部材が遠位に前進すると、動的クランプアセンブリ550上のアンビル係合タブ又はピンは、アンビルプレート棚部2816と摺動可能に係合して、アンビルアセンブリ2800が標的組織上にクランプされた状態を保持する。アンビルカバープレート又はアンビルキャップ2820は、アンビルプレート2810上のキャップ棚部2818に受容され、該棚部に溶接される、又は別の方法で取り付けられ得る。アンビルプレート棚部2816はそれぞれ、カンチレバー形状で内方に延在し、棚部幅LWを有する。動的クランプアセンブリ550がアンビルアセンブリ2800にクランプ係合する際、動的クランプアセンブリ550のアンビル係合機構又はタブ556は、棚部2816と係合して、閉鎖運動を加える。しかしながら、この構成では、棚部2816はより堅牢であり、例えばアンビルプレート620上の棚部の棚部厚さよりも大きい棚部厚さLTを有する。
【0055】
図24は、ステープル形成下面2912を含むアンビルプレート2910を備える、別のアンビルアセンブリ2900を示す。アンビルプレート2910は、動的クランプアセンブリが発射プロセス中に軸方向に前進する際、動的クランプアセンブリ550の本体部を収容するように構成された細長いスロット2914を含む。細長スロット2914は、スロット2914の各側面に沿って延在する2つのアンビルプレート棚部2916間に画定される。アンビルカバープレート又はアンビルキャップ2920は、アンビルプレート2910上の棚部2918に受容され、該棚部に溶接される、又は別の方法で取り付けられ得る。アンビルプレート棚部2916はそれぞれ、カンチレバー構成で内方に延在する。各棚部2916は棚部厚さLT(図23)未満の棚部厚さLT’を有し、各棚部2916は棚部2816の棚部幅LW未満の棚部幅LW’を有する。このような短い棚部2916の場合、例えば、アンビルプレート620上の棚部が偏向しにくい。かかる構成は、棚部2916が短く、動的クランプアセンブリの高荷重前進中に受ける偏向量を制限することができるため、従来のアンビルプレート構成を改善する。
【実施例
【0056】
実施例1-外科用器具と共に使用するためのエンドエフェクタ。一実施例では、エンドエフェクタは、第1の顎部近位端と第1の顎部遠位端との間に延在する第1の顎部長手方向軸を画定する第1の顎部を備える。第1の顎部は、互いに長手方向にオフセットされて間に第1の顎部開口部を画定する複数の第1の顎部補強機構を更に備える。第2の顎部は、第1の顎部と第2の顎部とが完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動可能であるように、第1の顎部に移動可能に連結される。第2の顎部は、間に第2の顎部開口部を画定するように互いから長手方向にオフセットされた複数の第2の顎部補強機構を備え、第1及び第2の顎部が完全閉鎖位置にあるとき、第1の顎部補強機構のそれぞれが、第2の顎部開口部のうちの対応する1つと垂直方向に位置合わせされ、第2の顎部補強機構のそれぞれが、第1の顎部開口部のうちの対応する1つと垂直方向に位置合わせされている。エンドエフェクタは、完全開放位置と完全閉鎖位置との間で第1及び第2の顎部を選択的に移動させるための手段を更に備える。
【0057】
実施例2-複数の第1の顎部補強機構が、第1の顎部の近位端から離間して、間に近位の第1の顎部開口部を画定する近位の第1の顎部補強材を備える、実施例1に記載のエンドエフェクタ。中央の第1の顎部補強材が、近位の第1の顎部補強材から遠位に離間して、間に中央の第1の顎部開口部を画定する。遠位の第1の顎部補強材が、中央の第1の顎部補強材から遠位に離間して、間に遠位の第1の顎部開口部を画定する。少なくとも1つの実施例では、複数の第2の顎部補強機構が第1及び第2の顎部が完全閉鎖位置にあるとき、近位の第1の顎部開口部と垂直方向に位置合わせされている近位の第2の顎部補強材を備える。中央の第2の顎部補強材が、近位の第2の顎部補強材から遠位に離間して、間に近位の第2の顎部開口部を画し、第1及び第2の顎部が完全閉鎖位置にあるとき、近位の第2の顎部開口部が近位の第1の顎部補強材と垂直方向に位置合わせされている。遠位の第2の顎部補強材が、中央の第2の顎部補強材から遠位に離間して、第1及び第2の顎部が完全閉鎖位置にあるとき、中央の第1の顎部補強材と垂直方向に位置合わせされている中央の第2の顎部開口部を画定する。遠位の第2の顎部補強材が、第2の顎部の遠位端から近位に離間して、第1及び第2の顎部が完全閉鎖位置にあるとき、遠位の第1の顎部補強材と垂直方向に位置合わせされている遠位の第2の顎部開口部を画定する。
【0058】
実施例3-第1の顎部が、第1の側面と、第1の側面から横方向に離間した第2の側面とを有する第1の顎部本体を備える、実施例1又は2に記載のエンドエフェクタ。各第1の顎部補強機構が、第1の側面と第2の側面との間に延在する。第2の顎部が、第2の顎部遠位端と第2の顎部近位端との間に延在する第2の顎部長手方向軸を画定する第2の顎部本体を備える。第2の顎部が、一次側面と、一次側面から離間した二次側面を更に備える。各第2の顎部補強機構が、一次側面と二次側面との間に延在する。
【0059】
実施例4-第1の顎部補強機構が第1の顎部長手方向軸を横断し、各第2の顎部補強機構が第2の顎部長手方向軸を横断する、実施例3に記載のエンドエフェクタ。
【0060】
実施例5-選択的に移動させるための手段が、第1及び第2の顎部の完全開放位置に対応する開始位置と終了位置との間で選択的に移動可能である、軸方向に移動可能な動的クランプアセンブリを備える、実施例1、2、3、又は4に記載のエンドエフェクタ。少なくとも1つの実施例では、軸方向に移動可能な動的クランプアセンブリが、第1の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第1の顎部係合機構と、第2の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第2の顎部係合機構とを含む、垂直に延在する本体部を備える。
【0061】
実施例6-動的クランプアセンブリがエンドエフェクタ内で軸方向に移動される際、少なくとも1つの第1の顎部係合機構が、第1の顎部内の第1の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は少なくとも1つの第2の顎部係合機構が、第2の顎部内の第2の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、実施例5に記載のエンドエフェクタ。
【0062】
実施例7-動的クランプアセンブリがエンドエフェクタ内で軸方向に移動される際、少なくとも1つの第1の顎部係合機構が、第1の顎部の第1及び第2の側面のうちの1つから、第1の顎部の第1の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は少なくとも1つの第2の顎部係合機構が、第2の顎部の一次及び二次側面のうちの1つから、第2の顎部の第2の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、実施例3に記載のエンドエフェクタ。
【0063】
実施例8-第1の顎部が、外科用ステープルカートリッジを内部に支持するように構成されたチャネルを備え、第2の顎部がアンビルを備える、実施例1、2、3、4、5、6又は7に記載のエンドエフェクタ。
【0064】
実施例9-垂直に延在する本体部が組織切断面を備える、実施例5に記載のエンドエフェクタ。
【0065】
実施例10-外科用器具と共に使用するためのエンドエフェクタ。少なくとも1つの実施例では、エンドエフェクタは、第1の顎部と、第1の顎部に移動可能に連結された第2の顎部とを備え、第1及び第2の顎部は、完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である。動的クランプアセンブリは、動的クランプアセンブリが開始位置から終了位置へと軸方向に移動させられる際に第1及び第2の顎部に係合して、第1及び第2の顎部に閉鎖運動を付与するように構成されている。第1及び第2の顎部のうちの少なくとも1つは、動的クランプアセンブリが開始位置と終了位置との間を移動する際、動的クランプアセンブリの視認を可能にするように構成された開口部によって互いに長手方向に離間した補強機構を備える。
【0066】
実施例11-動的クランプアセンブリが、垂直に延在する本体部と、第1の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第1の顎部係合機構と、第2の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第2の顎部係合機構とを備える、実施例10に記載のエンドエフェクタ。
【0067】
実施例12-第1の顎部は、第1のチャネル側面と、第1のチャネル側面から横方向に離間した第2のチャネル側面とを含むチャネル本体を有するチャネルを備える、実施例10又は11に記載のエンドエフェクタ。複数のチャネル補強材ブリッジは、チャネル開口部によって互いに軸方向に離間して、第1のチャネル側面と第2のチャネル側面との間にまたがる。
【0068】
実施例13-第2の顎部が、チャネル内に支持されたカートリッジと対面関係で支持されるアンビルプレートを含むアンビルを備える、実施例12に記載のエンドエフェクタ。アンビルカバーは、アンビルプレートに連結され、第1のアンビル側面と、第1のアンビル側面から離間した第2のアンビル側面であって、アンビル開口部によって互いに軸方向に離間した複数のアンビル補強ブリッジによって第1のアンビル側面に連結されている第2のアンビル側面とを備え、アンビル補強ブリッジが、第1のアンビル側面と第2のアンビル側面との間にまたがる。
【0069】
実施例14-チャネル補強材ブリッジのそれぞれが、第1の長手方向軸を横断し、アンビルが、近位アンビル端と遠位アンビル端との間に第2の長手方向軸を画定し、アンビル補強材ブリッジのそれぞれが、第2の長手方向軸を横断する、実施例13に記載のエンドエフェクタ。
【0070】
実施例15-垂直に延在する本体部が組織切断面を備える、実施例11に記載のエンドエフェクタ。
【0071】
実施例16-動的クランプアセンブリがエンドエフェクタ内で軸方向に移動させられる際、動的クランプアセンブリの一部が、第1のチャネル側面及び第2のチャネル側面のうちの1つから、チャネルのチャネル開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は動的クランプ部材の少なくとも別の一部が、第1のアンビル側面及び第2のアンビル側面のうちの1つから、アンビル開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、実施例13に記載のエンドエフェクタ。
【0072】
実施例17-モータ駆動外科用器具と共に使用するための外科用装填ユニット。少なくとも1つの実施例では、装填ユニットは、モータ駆動外科用器具の一部と動作可能にインターフェイスするように構成されたハウジングを備える。ツールアセンブリは、ハウジングに動作可能に連結され、ステープルカートリッジ本体を内部に支持するチャネルを備える。チャネルは、その近位端と遠位端との間に延在する第1の長手方向軸を画定する。チャネルは、間に配置されたチャネル開口部によって離間した複数のチャネル補強材ブリッジを画定する分割底部を更に含む。アンビルは、チャネル及びアンビルが完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動可能であるように、チャネルに回動可能に連結される。アンビルは、間に配置されたアンビル開口部によって離間した複数のアンビル補強材ブリッジを画定する分割上部を含む。動的クランプアセンブリは、動的クランプアセンブリが開始位置から終了位置へと軸方向に移動させられる際にチャネル及びアンビルに係合して、チャネル及びアンビルに閉鎖運動を付与するように構成されている。動的クランプアセンブリは、動的クランプアセンブリが開始位置と終了位置との間を移動する際に、チャネル開口部又はアンビル開口部を介して視認可能である。
【0073】
実施例18-ツールアセンブリが、ハウジングアセンブリに対して選択的に枢動移動するように回動移動するようにハウジングアセンブリに回動可能に連結されている、実施例17に記載の外科用装填ユニット。
【0074】
実施例19-ハウジングが、モータ駆動外科用器具に取り外し可能に連結されるように構成されたアダプタに取り外し可能に連結されるように構成されている、実施例17又は18に記載の外科用装填ユニット。
【0075】
実施例20-複数のチャネル補強材ブリッジが、チャネルの近位端から離間して、間に近位チャネル開口部を画定する、近位チャネル補強材ブリッジと、近位チャネル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に中央チャネル開口部を画定する中央チャネル補強材ブリッジと、中央チャネル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に遠位チャネル開口部を画定する遠位チャネル補強材ブリッジと、を備える、実施例17、18、又は19の外科用装填ユニット。複数のアンビル補強材ブリッジは、チャネル及びアンビルが完全閉鎖位置にあるとき、近位チャネル開口部と垂直方向に位置合わせされている近位アンビル補強材ブリッジを備える。中央アンビル補強材ブリッジが、近位アンビル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に近位アンビル開口部を画定し、チャネル及びアンビルが完全閉鎖位置にあるとき、近位アンビル開口部が近位チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされている。遠位アンビル補強材ブリッジが、中央アンビル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に中央アンビル開口部を画定し、チャネル及びアンビルが完全閉鎖位置にあるとき、中央アンビル開口部が中央チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされている。遠位アンビル補強材ブリッジが、アンビルの遠位端から近位に離間して、間に遠位アンビル開口部を画定し、アンビル及びチャネルが完全閉鎖位置にあるとき、遠位アンビル開口部が遠位チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされている。
【0076】
本明細書で説明する外科用器具システムの多くは、電動モータによって駆動されている。本明細書に記載された外科用器具システムは、任意の好適な方式で動作することができる。様々な事例において、本明細書で説明した外科用器具システムは、例えば、手動操作トリガにより動作することができる。ある特定の例において、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御システムの部分を備えてもよい。更に、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び/又は工具アセンブリのいずれもロボット手術器具システムと共に利用することができる。例えば、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許第9,072,535号は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例をより詳細に開示している。
【0077】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきた。本明細書に記載された実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結要素を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また、例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを印加することができる。
【0078】
特定の実施形態と共に本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ以上の実施形態で、任意の適切な様式で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能(複数可)を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、このような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0079】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0080】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0081】
例示的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0082】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具と共に使用するためのエンドエフェクタであって、
第1の顎部であって、その第1の顎部近位端と第1の顎部遠位端との間に第1の顎部長手方向軸を画定し、間に第1の顎部開口部を画定するように互いから長手方向にオフセットされた複数の第1の顎部補強機構を備える、第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部及び前記第2の顎部が、完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動可能であるように、前記第1の顎部に移動可能に連結され、間に第2の顎部開口部を画定するように互いから長手方向にオフセットされた複数の第2の顎部補強機構を備え、前記第1及び第2の顎部が前記完全閉鎖位置にあるとき、前記第1の顎部補強機構のそれぞれが、前記第2の顎部開口部のうちの対応する1つと垂直方向に位置合わせされ、前記第2の顎部補強機構のそれぞれが、前記第1の顎部開口部のうちの対応する1つと垂直方向に位置合わせされている、第2の顎部と、
前記第1及び第2の顎部を前記完全開放位置と前記完全閉鎖位置との間で選択的に移動させるための手段と、
を備える、エンドエフェクタ。
(2) 前記複数の前記第1の顎部補強機構が、
前記第1の顎部の近位端から離間して、近位の第1の顎部開口部を間に画定する近位の第1の顎部補強材と、
前記近位の第1の顎部補強材から遠位に離間して、間に中央の第1の顎部開口部を画定する中央の第1の顎部補強材と、
前記中央の第1の顎部補強材から遠位に離間して、間に遠位の第1の顎部開口部を画定する遠位の第1の顎部補強材と、
を備え、
前記複数の第2の顎部補強機構が、
前記第1及び第2の顎部が前記完全閉鎖位置にあるとき、前記近位の第1の顎部開口部と垂直方向に位置合わせされている近位の第2の顎部補強材と、
前記近位の第2の顎部補強材から遠位に離間して、間に近位の第2の顎部開口部を画定する中央の第2の顎部補強材であって、前記第1及び第2の顎部が前記完全閉鎖位置にあるとき、前記近位の第2の顎部開口部が前記近位の第1の顎部補強材と垂直方向に位置合わせされている、中央の第2の顎部補強材と、
前記中央の第2の顎部補強材から遠位に離間して、間に中央の第2の顎部開口部を画定する、遠位の第2の顎部補強材であって、前記第1及び第2の顎部が前記完全閉鎖位置にあるとき、前記中央の第2の顎部開口部が前記中央の第1の顎部補強材と垂直方向に位置合わせされており、前記遠位の第2の顎部補強材が、前記第2の顎部の遠位端から近位に離間して、間に遠位の第2の顎部開口部を画定し、前記第1及び第2の顎部が前記完全閉鎖位置にあるとき、前記遠位の第2の顎部開口部が前記遠位の第1の顎部補強材と垂直方向に位置合わせされている、遠位の第2の顎部補強材と、
を備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(3) 前記第1の顎部が、第1の側面と前記第1の側面から横方向に離間した第2の側面とを含む第1の顎部本体を備え、前記複数の前記第1の顎部補強機構のそれぞれが、前記第1の側面と前記第2の側面との間を延在し、前記第2の顎部が、第2の顎部遠位端と第2の顎部近位端との間の第2の顎部長手方向軸を画定する第2の顎部本体を備え、前記第2の顎部が、一次側面と前記一次側面から離間した二次側面とを更に備え、前記複数の第2の顎部補強機構のそれぞれが、前記一次側面と前記二次側面との間を延在する、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(4) 前記第1の顎部補強機構のそれぞれが前記第1の顎部長手方向軸を横断し、前記第2の顎部補強機構のそれぞれが前記第2の顎部長手方向軸を横断する、実施態様3に記載のエンドエフェクタ。
(5) 前記選択的に移動させるための手段が、前記第1及び前記第2の顎部の前記完全開放位置に対応する開始位置と終了位置との間で選択的に移動可能である軸方向に移動可能な動的クランプアセンブリを備え、前記軸方向に移動可能な動的クランプアセンブリが、
垂直に延在する本体部と、
前記第1の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第1の顎部係合機構と、
前記第2の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第2の顎部係合機構と、
を備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
【0083】
(6) 前記動的クランプアセンブリが前記エンドエフェクタ内で軸方向に移動させられる際、前記少なくとも1つの第1の顎部係合機構が、前記第1の顎部の前記第1の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は前記少なくとも1つの第2の顎部係合機構が、前記第2の顎部の前記第2の顎部開口部の少なくとも1つを介して視認可能である、実施態様5に記載のエンドエフェクタ。
(7) 前記動的クランプアセンブリが前記エンドエフェクタ内で軸方向に移動させられる際、前記少なくとも1つの第1の顎部係合機構が、前記第1の顎部の前記第1及び第2の側面のうちの1つから、前記第1の顎部の前記第1の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は前記少なくとも1つの第2の顎部係合機構が、前記第2の顎部の前記一次及び二次側面のうちの1つから、前記第2の顎部の前記第2の顎部開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、実施態様3に記載のエンドエフェクタ。
(8) 前記第1の顎部が、外科用ステープルカートリッジを内部に支持するように構成されたチャネルを備え、前記第2の顎部がアンビルを備える、実施態様5に記載のエンドエフェクタ。
(9) 前記垂直に延在する本体部が組織切断面を備える、実施態様8に記載のエンドエフェクタ。
(10) 外科用器具と共に使用するためのエンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1及び第2の顎部が完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動することができるように、前記第1の顎部に回動可能に連結された第2の顎部と、
動的クランプアセンブリであって、前記動的クランプアセンブリが開始位置から終了位置へと軸方向に移動させられる際に前記第1及び第2の顎部に係合して、前記第1及び第2の顎部に閉鎖運動を付与するように構成された動的クランプアセンブリと、
を備え、
前記第1及び第2の顎部のうちの少なくとも1つは、前記動的クランプアセンブリが前記開始位置と前記終了位置との間を移動する際に前記動的クランプアセンブリの視認を可能にするように構成された開口部によって互いに長手方向に離間している補強機構を備える、エンドエフェクタ。
【0084】
(11) 前記動的クランプアセンブリが、
垂直に延在する本体部と、
前記第1の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第1の顎部係合機構と、
前記第2の顎部と摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つの第2の顎部係合機構と、
を備える、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(12) 前記第1の顎部がチャネルを備え、前記チャネルが、
第1のチャネル側面と、前記第1のチャネル側面から横方向に離間した第2のチャネル側面と、を備えるチャネル本体と、
チャネル開口部によって互いに軸方向に離間して、前記第1のチャネル側面と前記第2のチャネル側面との間にまたがる、複数のチャネル補強材ブリッジと、
を備える、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(13) 前記第2の顎部が、アンビルを含み、前記アンビルが、
前記チャネルに支持されたカートリッジと対面関係で支持されるアンビルプレートと、
前記アンビルプレートに連結されたアンビルカバーであって、
第1のアンビル側面と、
前記第1のアンビル側面から離間した第2のアンビル側面であって、アンビル開口部によって互いに軸方向に離間して、前記第1のアンビル側面と前記第2のアンビル側面との間にまたがる、複数のアンビル補強ブリッジによって前記第1のアンビル側面に連結されている、第2のアンビル側面と、
を備える、アンビルカバーと、
を備える、実施態様12に記載のエンドエフェクタ。
(14) 前記チャネル補強材ブリッジのそれぞれが、前記第1の長手方向軸を横断し、前記アンビルが、近位アンビル端と遠位アンビル端との間に第2の長手方向軸を画定し、前記アンビル補強材ブリッジのそれぞれが、前記第2の長手方向軸を横断する、実施態様13に記載のエンドエフェクタ。
(15) 前記垂直に延在する本体部が組織切断面を備える、実施態様11に記載のエンドエフェクタ。
【0085】
(16) 前記動的クランプアセンブリが前記エンドエフェクタ内で軸方向に移動させられる際、前記動的クランプアセンブリの一部が、前記第1のチャネル側面及び前記第2のチャネル側面のうちの1つから、前記チャネルの前記チャネル開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、又は前記動的クランプアセンブリの少なくとも別の一部が、前記第1のアンビル側面及び前記第2のアンビル側面のうちの1つから、前記アンビル開口部のうちの少なくとも1つを介して視認可能である、実施態様12に記載のエンドエフェクタ。
(17) モータ駆動外科用器具と共に使用するための外科用装填ユニットであって、
前記モータ駆動外科用器具の一部と動作可能にインターフェイスするように構成されたハウジングと、
前記ハウジングに動作可能に連結されたツールアセンブリであって、
ステープルカートリッジ本体を内部に支持するチャネルであって、その近位端と遠位端との間に第1の長手方向軸を画定し、複数のチャネル補強材ブリッジ及び前記チャネル補強材ブリッジ間のチャネル開口部を画定する分割底部を備える、チャネルと、
前記チャネルに回動可能に連結されたアンビルであって、前記チャネル及び前記アンビルが、完全開放位置と完全閉鎖位置との間で互いに対して移動可能であり、複数のアンビル補強材ブリッジ及び前記チャネル補強材ブリッジ間のアンビル開口部を画定する分割上部を備える、アンビルと、
動的クランプアセンブリであって、前記動的クランプアセンブリが開始位置から終了位置へと軸方向に移動させられる際に前記チャネル及び前記アンビルに係合して、前記チャネル及び前記アンビルに閉鎖運動を付与するように構成され、前記動的クランプアセンブリが前記開始位置と前記終了位置との間を移動する際に、前記チャネル開口部又は前記アンビル開口部を介して視認可能である、動的クランプアセンブリと、
を備える、ツールアセンブリと、
を備える、外科用装填ユニット。
(18) 前記ツールアセンブリが、前記ハウジングアセンブリに対して選択的に回動移動するように前記ハウジングアセンブリに回動可能に連結されている、実施態様17に記載の外科用装填ユニット。
(19) 前記ハウジングが、前記モータ駆動外科用器具に取り外し可能に連結されるように構成されたアダプタに取り外し可能に連結されるように構成されている、実施態様18に記載の外科用装填ユニット。
(20) 前記複数の前記チャネル補強材ブリッジが、
前記チャネルの近位端から離間して、間に近位チャネル開口部を画定する、近位チャネル補強材ブリッジと、
前記近位チャネル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に中央チャネル開口部を画定する中央チャネル補強材ブリッジと、
前記中央チャネル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に遠位チャネル開口部を画定する遠位チャネル補強材ブリッジと、
を備え、
前記複数のアンビル補強材ブリッジが、
前記チャネル及び前記アンビルが前記完全閉鎖位置にあるとき、前記近位チャネル開口部と垂直方向に位置合わせされている近位アンビル補強材ブリッジと、
前記近位アンビル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に近位アンビル開口部を画定する中央アンビル補強材ブリッジであって、前記チャネル及びアンビルが前記完全閉鎖位置にあるとき、前記近位アンビル開口部が前記近位チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされている、中央アンビル補強材ブリッジと、
前記中央アンビル補強材ブリッジから遠位に離間して、間に中央アンビル開口部を画定する、遠位アンビル補強材ブリッジであって、前記チャネル及び前記アンビルが前記完全閉鎖位置にあるとき、前記中央アンビル開口部が前記中央チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされており、前記遠位アンビル補強材ブリッジが、前記アンビルの遠位端から近位に離間して、間に遠位アンビル開口部を画定し、前記アンビル及び前記チャネルが前記完全閉鎖位置にあるとき、前記遠位アンビル開口部が前記遠位チャネル補強材ブリッジと垂直方向に位置合わせされている、遠位アンビル補強材ブリッジと、
を備える、実施態様17に記載の外科用装填ユニット。
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