(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】グラフィカルユーザインタフェースを有する手術用器具を利用するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/10 20160101AFI20230619BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20230619BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B34/20
G06F3/01 570
G06F3/01 510
(21)【出願番号】P 2020565763
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(86)【国際出願番号】 IB2019054241
(87)【国際公開番号】W WO2019224745
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-02-18
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ツィーガー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン グリューンディグ
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/182611(WO,A1)
【文献】特開平08-164148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0036245(US,A1)
【文献】国際公開第2005/001679(WO,A1)
【文献】特開2014-157515(JP,A)
【文献】特開2007-330347(JP,A)
【文献】特開2013-215258(JP,A)
【文献】特表2004-530485(JP,A)
【文献】国際公開第02/100285(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/10
A61B 34/20
A61B 34/00
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムにおいて、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに接続され、命令であって、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記システムに:
ディスプレイを介して少なくとも1つのアイコンを含むグラフィカルユーザインタフェースを表示させ、
イメージセンサ
を介して取得し、ポインタとして利用される手術用器具を含む第一の画像を受信させ、
前記第一の画像及び
前記手術用器具のデジタルモデルから、前記第一の画像の中で前記手術用器具の第一の位置を特定させ、
前記グラフィカルユーザインタフェースのカーソルを、
前記第一の画像の中の前記第一の位置に関連付けられる第二の位置に表示させ、
前記イメージセンサ
を介して取得し、前記グラフィカルユーザインタフェースのアイコンを選択するために利用される前記手術用器具の移動パターンを含む第二の画像を受信させ、
前記第二の画像及び前記手術用器具のデジタルモデルから、前記第二の画像の中で前記手術用器具の第三の位置を特定させ、
前記グラフィカルユーザインタフェースの前記カーソルを、
前記第二の画像の中の前記第三の位置に関連付けられる第四の位置に表示させ、
前記少なくとも1つのアイコンの座標が前記第四の位置
の座標を含む場合に、ユーザによる前記少なくとも1つのアイコンの選択を示すユーザ入力を受信させ、
前記ユーザ入力が、前記少なくとも1つのアイコンの前記座標が前記第四の位置
の座標を含む場合の前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示すことを特定させ、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定したことに応答して、前記グラフィカルユーザインタフェースにより表示されるデータを変更させる
命令を含むメモリ媒体と、
を含
み、
前記選択を示す前記ユーザ入力を受信するために、前記命令はさらに、前記システムに前記イメージセンサを介して取得した複数の画像を受信させ、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定するために、前記命令はさらに、前記システムに、少なくとも前記デジタルモデルと前記複数の画像とに基づいて、移動パターンが、前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示すために利用される、前記手術用器具の登録された移動に対応するかどうかを特定させる、
システム。
【請求項2】
前記選択を示す前記ユーザ入力を受信するために、前記命令はさらに、
前記イメージセンサを介して取得し、前記イメージセンサに対する前記手術用器具の距離の変化を示すために利用される前記手術用器具を含む第三の画像を前記システムに受信させ、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定するために、前記命令はさらに、前記システムに、少なくとも前記第二及び第三の画像並びに前記デジタルモデルに基づいて、前記イメージセンサまでの前記手術用器具の距離の変化を示す、
前記グラフィカルユーザインタフェースの中の前記手術用器具に関連付けられるピクセルの数の変化を特定させる、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記命令はさらに、前記システムに:
少なくとも前記複数の画像に基づいて、
前記移動パターンが、前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示す
ために利用される、前記手術用器具の前記
登録された移動に
対応するかどうかを特定させる、
請求項1のシステム。
【請求項4】
前記命令はさらに、前記システムに:
前記メモリ媒体を介して、前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定したことに応答して、前記第一の画像、前記第二の画像、又は第三の画像の少なくとも一部を保存させる、
請求項1のシステム。
【請求項5】
前記命令はさらに、前記システムに:
手術に関連付けられるワークフローを前記ワークフローの次のステップへと進めさせる、
請求項1のシステム。
【請求項6】
ディスプレイ内蔵顕微鏡
をさらに含み、
前記ディスプレイ内蔵顕微鏡は前記ディスプレイを含む、
請求項1のシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体において、命令であって、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載のシステムの
前記プロセッサにより実行されると、前記システムに:
ディスプレイを介して少なくとも1つのアイコンを含むグラフィカルユーザインタフェースを表示させ、
前記イメージセンサ
を介して取得した前記第一の画像を受信させ、
前記第一の画像及び手術用器具のデジタルモデルから、前記第一の画像の中で前記手術用器具の第一の位置を特定させ、
前記グラフィカルユーザインタフェースのカーソルを、
前記第一の画像の中の前記第一の位置に関連付けられる第二の位置に表示させ、
前記イメージセンサ
を介して取得した前記第二の画像を受信させ、
前記第二の画像及び前記手術用器具のデジタルモデルから、前記第二の画像の中で前記手術用器具の第三の位置を特定させ、
前記グラフィカルユーザインタフェースの前記カーソルを、
前記第二の画像の中の前記第三の位置に関連付けられる第四の位置に表示させ、
前記少なくとも1つのアイコンの座標が前記第四の位置
の座標を含む場合に、ユーザによる前記少なくとも1つのアイコンの選択を示すユーザ入力を受信させ、
前記ユーザ入力が、前記少なくとも1つのアイコンの前記座標が前記第四の位置
の座標を含む場合の前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示すことを特定させ、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定したことに応答して、前記グラフィカルユーザインタフェースにより表示されるデータを変更させる
命令を含
み、
前記選択を示す前記ユーザ入力を受信するために、前記命令はさらに、前記システムに前記イメージセンサを介して取得した複数の画像を受信させ、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定するために、前記命令はさらに、前記システムに、少なくとも前記デジタルモデルと前記複数の画像に基づいて、移動パターンが、前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示すために利用される、前記手術用器具の前記登録された移動に対応するかどうかを特定させる、
少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項8】
前記選択を示す前記ユーザ入力を受信するために、前記命令はさらに、前記システムに前記イメージセンサ
を介して取得した第三の画像を受信させ、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定するために、前記命令はさらに、前記システムに、少なくとも前記第二
の画像及び
前記第三の画像並びに前記デジタルモデルに基づいて、前記イメージセンサまでの前記手術用器具の距離の変化を示す、
前記グラフィカルユーザインタフェースの中の前記手術用器具に関連付けられるピクセルの数の変化を特定させる、
請求項7の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
前記命令はさらに、前記システムに:
前記イメージセンサ
を介して取得した複数の画像を受信させ、
少なくとも前記複数の画像に基づいて、
前記移動パターンが、前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示す
ために利用される、前記手術用器具の前記
登録された移動に
対応するかどうかを特定させる、
請求項7の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記命令はさらに、前記システムに:
前記メモリ媒体を介して、前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定したことに応答して、前記第一の画像、前記第二の画像、又は第三の画像の少なくとも一部を保存させる、
請求項7の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記命令はさらに、前記システムに:
手術に関連付けられるワークフローを前記ワークフローの次のステップへと進めさせる、
請求項7の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載のシステムを用いた方法において、
ディスプレイを介して少なくとも1つのアイコンを含むグラフィカルユーザインタフェースを表示するステップと、
前記イメージセンサ
を介して取得した前記第一の画像を受信するステップと、
前記第一の画像及び手術用器具のデジタルモデルから、前記第一の画像の中で前記手術用器具の第一の位置を特定するステップと、
前記グラフィカルユーザインタフェースのカーソルを、
前記第一の画像の中の前記第一の位置に関連付けられる第二の位置に表示するステップと、
前記イメージセンサ
を介して取得した前記第二の画像を受信するステップと、
前記第二の画像及び前記手術用器具のデジタルモデルから、前記第二の画像の中で前記手術用器具の第三の位置を特定するステップと、
前記グラフィカルユーザインタフェースの前記カーソルを、
前記第二の画像の中の前記第三の位置に関連付けられる第四の位置に表示するステップと、
前記少なくとも1つのアイコンの座標が前記第四の位置
の座標を含む場合に、ユーザによる前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示すユーザ入力を受信するステップと、
前記ユーザ入力が、前記少なくとも1つのアイコンの前記座標が前記第四の位置
の座標を含む場合の前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示すことを特定するステップと、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定する前記ステップに応答して、前記グラフィカルユーザインタフェースにより表示されるデータを変更するステップと、
を含
み、
前記選択を示すユーザ入力を受信する前記ステップは、前記イメージセンサを介して取得した第三の画像を受信するステップを含み、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定する前記ステップは、少なくとも前記第二の画像及び前記第三の画像並びに前記デジタルモデルに基づいて、前記イメージセンサまでの前記手術用器具の距離の変化を示す、前記グラフィカルユーザインタフェースの中の前記手術用器具に関連付けられるピクセルの数の変化を特定するステップを含み、
前記選択を示す前記ユーザ入力を受信する前記ステップは、前記イメージセンサを介して取得した複数の画像を受信するステップを含み、
前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定する前記ステップは、少なくとも前記デジタルモデル及び前記複数の画像に基づいて、前記移動パターンが、前記少なくとも1つのアイコンの前記選択を示すために利用される、前記手術用器具の前記登録された移動に対応するかどうかを特定するステップを含み、
さらに、
前記メモリ媒体を介して、前記ユーザ入力が前記選択を示すことを特定する前記ステップに応答して、前記第一の画像、前記第二の画像、又は前記第三の画像の少なくとも一部を保存するステップと、
手術に関連付けられるワークフローを前記ワークフローの次のステップへと進めるステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療処置における品質保証に関し、より詳しくは、医療処置又は医療処置のプロセス要素で患者情報を認証するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムは、手術において外科医を支援することができる。コンピュータシステムは、グラフィカルユーザインタフェースを提供する。しかしながら、滅菌環境では、コンピュータシステムとのインタフェース等の滅菌されていない器具に外科医が容易に触れることはできない。現在、外科医にはコンピュータシステムとのインタフェースを操作するための別の可能性があり、これはフットペダル、手術助手(縦えば、医療従事者)、タッチスクリーン及び/又はキーボードを操作するための使い捨て用具(例えば、綿棒)である。これらの解決策は、エラーを生じやすい可能性があり、誤った入力につながりかねない。例えば、コンピュータシステムとのやり取り中、外科医は自分の手及び/又は顔を患者からコンピュータシステムインタフェースへと物理的に動かして、自分のコンピュータシステムへの入力が正しいことを確認しなければならないかもしれない。このことによって手術中に注意散漫となり得、それが思いがけない、及び/又は有害な結果を招く可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、ディスプレイを介して少なくとも1つのアイコンを含むグラフィカルユーザインタフェースを表示し、イメージセンサからの第一の画像を受信し、第一の画像及び手術用器具のデジタルモデルから、第一の画像の中で手術用器具の第一の位置を特定することのできるシステムを提供する。例えば、ポインタとして利用される手術用器具としては、外科用メス、綿棒、ピンセット等が含まれてよい。システムは、グラフィカルユーザインタフェースを表示するディスプレイを含んでいてもよく、又はそれに接続されていてもよい。システムはディスプレイ内蔵顕微鏡を含んでいてよく、これはディスプレイを含み、それがグラフィカルユーザインタフェースを表示する。システムはさらに、グラフィカルユーザインタフェースのカーソルを、第一の位置に関連付けられる第二の位置に表示してよい。システムはさらに、イメージセンサからの第二の画像を受信し、第二の画像及び手術用器具のデジタルモデルから、第二の画像の中で手術用器具の第三の位置を特定し、グラフィカルユーザインタフェースのカーソルを、第三の位置に関連付けられる第四の位置に表示してよい。システムはさらに、少なくとも1つのアイコンの座標が第四の位置を含んでいる間の選択を示すユーザ入力を受信してよい。例えば、選択はアイコンの選択を示してよい。システムはさらに、ユーザ入力が、少なくとも1つのアイコンの座標が第四の位置を含んでいる間の選択を示すことを特定し、ユーザ入力が選択を示すことを特定したことに応答して、グラフィカルユーザインタフェースにより表示されるデータを変更してよい。例えば、グラフィカルユーザインタフェースの画像データは、手術に関連付けられるワークフローの次のステップに関連して変更されてよい。他の例として、ユーザ入力が選択を示すことを特定したことに応答して、第一の画像、第二の画像、又は第三の画像の少なくとも一部が保存されてよい。画像データはメモリ媒体を介して保存されてもよい。
【0004】
本開示は、システムのプロセッサにより実行されると、システムに上記のステップを実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読メモリデバイスをさらに含んでよい。本開示は、以下のような追加の特徴のうちの1つ又は複数を備える上述のようなシステム又は非一時的コンピュータ可読メモリデバイスをさらに含み、これは明確に相互に排他的でないかぎり、相互に組み合わせて使用されてよい:i)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、ディスプレイを介して少なくとも1つのアイコンを含むグラフィカルユーザインタフェースを表示できてよく、ii)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、イメージセンサからの第一の画像を受信できてよく、iii)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、第一の画像及び手術用器具のデジタルモデルから、第一の画像内で手術用器具の第一の位置を特定できてよく、iv)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、グラフィカルユーザインタフェースのカーソルを第一の位置に関連付けられる第二の位置に表示できてよく、v)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、イメージセンサからの第二の画像を受信できてよく、vi)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、第二の画像及び手術用器具のデジタルモデルから、第二の画像内で手術用器具の第三の位置を特定できてよく、vii)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、グラフィカルユーザインタフェースのカーソルを第三の位置に関連付けられる第四の位置に表示できてよく、vii)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、少なくとも1つのアイコンの座標が第四の位置を含んでいる間の選択を示すユーザ入力を受信できてよく、ix)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、ユーザ入力が少なくとも1つのアイコンの座標が第四の位置を含んでいる間の選択を示すことを特定できてよく、x)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、ユーザ入力が選択を示すことを特定したことに応答して、グラフィカルユーザインタフェースにより表示されたデータを変更できてよく、xi)システムが選択を示すユーザ入力を受信すると、システムはさらに、イメージセンサからの第三の画像を受信できてよく、xii)システムがユーザ入力が選択を示すことを特定すると、システムはさらに、少なくとも第二及び第三の画像並びにデジタルモデルに基づいて、イメージセンサまでの手術用器具の距離の変化を示す、手術用器具に関連付けられるピクセルの数の変化を特定できてよく、xiii)システムが選択を示すユーザ入力を受信すると、システムはさらに、イメージセンサからの複数の偽造を受信できてよく、xv)システムがユーザ入力が選択を示すことを特定すると、システムはさらに、少なくともデジタルモデル及び複数の画像に基づいて、選択を示す手術用器具の移動に関連付けられる移動パターンを特定できてよく、xvi)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、少なくとも複数の画像に基づいて、選択を示す手術用器具の移動に関連付けられる移動パターンを特定できてよく、xvii)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、ユーザ入力が選択を示すことを特定したことに応答して、メモリ媒体を介して、第一の画像、第二の画像、又は第三の画像の少なくとも一部を保存できてよく、xviii)プロセッサが命令を実行すると、システムはさらに、手術に関連付けられるワークフローをワークフローの次のステップへと進めることができてよい。
【0005】
上記のシステムの何れも、上記の方法の何れでも実行できてよく、上記の非一時的コンピュータ可読メモリデバイスの何れも、システムに上記の方法の何れでも実行させることができてよい。上記の方法の何れも、上記のシステムの何れにおいても、又は上記の非一時的コンピュータ可読メモリデバイスの何れを使用しても実装されてよい。
【0006】
上記の一般的な説明と以下の詳細な説明のどちらも、例であり、例示的な性質であり、本開示の範囲を限定することなく、本開示を理解できるようにするためのものであると理解されたい。この点に関して、当業者にとって、本開示の他の態様、特徴、及び利点は以下の詳細な説明から明らかであろう。
【0007】
本開示及びその特徴と利点をさらによく理解するために、ここで、正確な縮尺によらない下記のような添付の図面とともに読むべき以下の特徴を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1B】
図1Bは、ディスプレイ内蔵顕微鏡の例と手術用器具の例を示す。
【
図3A】
図3Aは、グラフィカルユーザインタフェースの例を示す。
【
図3B】
図3Bは、グラフィカルユーザインタフェースの例を示す。
【
図5】
図5は、グラフィカルユーザインタフェースを使って手術用器具を利用する方法の例を示す。
【
図6】
図6は、グラフィカルユーザインタフェースを使って手術用器具を利用する他の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明の中で、開示されている主旨を説明しやすくするために、詳細事項が例として示されている。しかしながら、当業者にとっては、開示されている実施形態は例に過ぎず、考え得るすべての実施形態を網羅しているわけではないことが明らかであるはずである。
【0010】
本明細書で使用されるかぎり、参照番号は実体のクラス又はタイプを指し、このような参照番号に続く何れの文字も、そのクラス又はタイプの特定の実体の具体的な実例を指す。それゆえ、例えば「12A」により示される仮の実体は特定のクラス/タイプの特定の実例を指すかもしれず、参照番号「12」はその特定のクラス/タイプに属する実例の集合又はそのクラス/タイプ全体の何れか1つの実例を指してよい。
【0011】
外科医は、滅菌された手術環境中にいてもよい。外科医は、自分の手術用器具を使って、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を制御及び/又は誘導してよい。GUIは手術に関連するワークフローを制御するために利用されてよい。手術用器具を利用してGUIを制御及び/又は誘導する際、デバイスは手術用器具の1つ又は複数の形状を特定してよい。例えば、1つ又は複数のカメラは1つ又は複数の画像をデバイスに提供してよい。デバイスは、手術用器具を1つ又は複数のカメラからの1つ又は複数の画像から特定してよい。デバイスは、手術用器具の1つ又は複数の移動を追跡してよい。例えば、デバイスは、手術用器具の1つ又は複数の移動を、少なくとも1つ又は複数のカメラからの1つ又は複数の画像に基づいて追跡してよい。
【0012】
追跡対象の手術用器具の1つ又は複数の移動が、GUIの操作の中で利用されてよい。一例において、GUIはディスプレイ内蔵顕微鏡(MID:microscope integrated display)を介して表示されてよい。他の例では、GUIはディスプレイを介して表示されてよい。外科医は、MIDを介してGUIを見て、及び/又はそれを操作してよい。外科医及び/又はその他の手術要員は、ディスプレイを介してGUIを操作してよい。GUIは外科医の現在の関心領域に重ね合わされてよい。例えば、GUIは外科医の現在の関心領域に重ねられてよいため、外科医は外科医の現在の関心領域から視線を外さずにGUIを可視化してよい。例えば、GUIはライブシーンに重ねられてよい。GUIの操作においては、動きベース物体追跡が利用されてよい。例えば、動きベース物体追跡及び/又は物体認識を利用する場合、手術用器具はGUIの操作におけるポインティングデバイスとして利用されてよい。ポインティングデバイスの例は、特にマウス、トラックパッド、及びトラックボールのうちの1つ又は複数であるか、又はそれを含んでよい。
【0013】
手術用器具は、GUIに関して利用されることになるシステムと位置合わせされてよい。例えば、手術用器具は、GUIに関連して利用されることになるポインティングデバイスとして利用されるシステムと位置合わせされてよい。GUIに関して利用されることになる手術用器具を位置合わせすることは、システムが手術用器具の1つ又は複数の画像を受信し、手術用器具の1つ又は複数の形状及び/又は1つ又は複数の曲線を特定することを含んでいてよく、これは手術用器具を識別するのに利用されてよい。例えば、1つ又は複数の機械学習プロセス及び/又は1つ又は複数の機械学習方法が手術用器具の1つ又は複数の形状及び/又は1つ又は複数の曲線を特定する中で利用されてよく、これは手術用器具の識別において利用されてよい。1つ又は複数の機械学習プロセス及び/又は1つ又は複数の機械学習方法は、手術用器具のデジタルモデルを生成及び/又は特定してよい。例えば、デジタルモデルは、GUIと関連付けられた利用において手術用器具の1つ又は複数の位置を推定する際に利用されてよい。
【0014】
手術用器具の1つ又は複数の移動は、ポインタの「クリック」を特定する中で利用されてよい。例えば、手術用器具の1つ又は複数の移動は、マウスのクリックとして利用されてよい。ポインタの「クリック」は、GUIを介して表示される1つの又は複数のアイテムの選択を示してよい。手術用器具がシステムと位置合わせされた後で、手術用器具の1つ又は複数の移動はポインタの「クリック」として特定され、及び/又は識別されてよい。一例では、第一の移動は、マウス左ボタンの選択(例えば、「クリック」)として利用されてよい。第二の例では、第二の移動は、マウス右ボタンの選択(例えば、「クリック」)として利用されてよい。第三の例では、第三の移動はマウス左ボタン長押しの選択(例えば、マウス左ボタンを長押しする)として利用されてよい。他の例では、第四の移動は、マウス左ボタンのリリースの選択(例えば、マウス左ボタンをリリースする)として利用されてよい。1つ又は複数の動きベース物体追跡プロセス及び/又は1つ又は複数の動きベース物体追跡方法が利用されてよい。例えば、1つ又は複数の動きベース物体追跡プロセス及び/又は1つ又は複数の動きベース物体追跡方法は、特に背景差分、フレーム間差分、及びオプティカルフローのうちの1つ又は複数を利用して、手術用器具を追跡してよい。
【0015】
ここで、
図1Aを参照すると、システムの例が示されている。図のように、外科医110は手術用器具120を利用してよい。一例では、外科医110は手術用器具120を、患者140の患者部分130に係わる手術において利用してよい。例えば、外科医110は、手術用器具120をシステム100と相互作用して、及び/又はそれを使って利用してよい。例えば、システム100は眼科手術用器具追跡システムであり、又はそれを含んでよい。例示のように、システム100はコンピューティングデバイス150、ディスプレイ160、及びMID 170を含んでよい。
【0016】
コンピューティングデバイス150は、1つ又は複数のイメージセンサにより捕捉された画像フレームを受信してよい。例えば、コンピューティングデバイス150は、1つ又は複数の画像フレームに対して様々な画像処理を実行してよい。コンピューティングデバイス150は、1つ又は複数の画像フレームに対して画像解析を実行して、1つ又は複数の画像フレームから手術用器具120の1つ又は複数の画像を抽出してよい。コンピューティングデバイス150はGUIを生成してよく、これは1つ又は複数の画像フレームに重ねられてよい。例えば、GUIは、特に1つ又は複数のインディケータ及び/又は1つまた複数のアイコンを含んでよい。1つ又は複数のインディケータは、手術データ、例えば1つ又は複数の位置及び/又は1つ又は複数の向きを含んでよい。GUIは、ディスプレイ160及び/又はMID 170により外科医110及び/又はその他の医療従事者に対して表示されてよい。
【0017】
コンピューティングデバイス150、ディスプレイ160、及びMID 170は、相互に通信可能に接続される別々のハウジング内に、又は共通のコンソール若しくはハウジング内に実装されてよい。ユーザインタフェースは、特にコンピューティングデバイス150、ディスプレイ160、及びMID 170のうちの1つ又は複数に関連付けられてよい。例えば、ユーザインタフェースは、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、アイトラッキングデバイス、音声認識装置、ジェスチャ制御モジュール、ダイヤル、及び/又はボタン、並びにその他の入力装置のうちの1つ又は複数を含んでよい。ユーザ(例えば、外科医110及び/又はその他の医療従事者)は、ユーザインタフェースを介して所望の命令及び/又はパラメータを入力してよい。例えば、ユーザインタフェースは、特にコンピューティングデバイス150、ディスプレイ160、及びMID 170のうちの1つ又は複数を制御する中で利用されてよい。
【0018】
次に、
図1Bを参照すると、ディスプレイ内蔵顕微鏡の例と手術用器具の例が示されている。図のように、手術用器具120Aは外科用メスであるか、それを含んでよい。例示のように、手術用器具120Bは綿棒であるか、それを含んでよい。図のように、手術用器具120Cはピンセットであるか、それを含んでよい。具体的に図示されていないその他の手術用器具が、本明細書に記載の1つ又は複数のシステム、1つ又は複数のプロセス、及び/又は1つ又は複数の方法で利用されてもよい。
【0019】
ある例として、手術用器具120は1つ又は複数のパターンでマークされてもよい。1つ又は複数のパターンは、手術用器具120を識別する中で利用されてもよい。1つ又は複数のパターンには、特にハッシュパターン、ストライプパターン、及びフラクタルパターンのうちの1つ又は複数が含まれてよい。他の例として、手術用器具120は染料及び/又は塗料でマークされてもよい。染料及び/又は塗料は、特に可視光、赤外線、紫外線のうちの1つ又は複数を反射してよい。一例では、照明器178は紫外線を提供してよく、イメージセンサ172は手術用器具120により反射された紫外線を受信してよい。コンピュータシステム150は、イメージセンサ172から、少なくとも手術用器具120から反射された紫外線に基づく画像データを受信してよく、少なくとも手術用器具120から反射された紫外線に基づく画像データを利用して、イメージセンサ172により提供された他の画像データから手術用器具120を識別してよい。他の例では、照明器178は赤外線を提供してよく、イメージセンサ172は手術用器具120から反射された赤外線を受信してよい。コンピュータシステム150は、イメージセンサ172から、少なくとも手術用器具120から反射された赤外線に基づく画像データを受信してよく、少なくとも手術用器具120から反射された赤外線に基づく画像データを利用して、イメージセンサ172により提供された他の画像データから手術用器具120を識別してよい。
【0020】
例示のように、MID 170はディスプレイ162A及び162Bを含んでよい。例えば、外科医110は複数のアイピースを覗いてよく、ディスプレイ162A及び162Bは外科医110に対して情報を表示してよい。MID 170は複数のディスプレイを有するように示されているが、MID 170は1つのディスプレイ162を含んでよい。例えば、MID 170は、1つ又は複数のディスプレイ162で実装されてもよい。図のようにMID 170はイメージセンサ172A及び172Bを含んでよい。一例では、イメージセンサ172A及び172Bは画像を取得してよい。第二の例では、イメージセンサ172A及び172Bはカメラを含んでよい。他の例では、イメージセンサ172は、特に可視光、赤外線、紫外線のうちの1つ又は複数を介した画像を取得してよい。1つ又は複数のイメージセンサ172A及び172Bは、コンピューティングデバイス150に画像のデータを提供してよい。MID 170は複数イメージセンサを有するように示されているが、MID 170は1つのイメージセンサ172を含んでいてもよい。例えば、MID 170は、1つ又は複数のイメージセンサ172で実装されてもよい。
【0021】
例示のように、MID 170は距離センサ174A及び174を含んでよい。例えば、距離センサ174は、手術用器具120までの距離を特定してよい。距離センサ174は、Z軸に関連する距離を特定してよい。MID 170は複数のイメージセンサを有するように示されているが、MID 170は1つの距離センサ174を含んでよい。一例では、MID 170は1つ又は複数の距離センサ174で実装されてよい。他の例では、MID 170は、距離センサを持たずに実装されてもよい。図のように、MID 170は、レンズ176A及び176Bを含んでよい。MID 170は複数のレンズ176A及び176Bを有するように示されているが、MID 170は、1つのレンズ176を含んでよい。例えば、MID 170は、1つ又は複数のレンズ176で実装されてよい。例示のように、MID 170は、照明器178A及び178Bを含んでよい。例えば、照明器178は、特に可視光、赤外線、及び紫外線のうちの1つ又は複数を提供し、及び/又は生成してよい。MID 170は複数の照明器を有するように示されているが、MID 170は、1つの照明器178を含んでよい。例えば、MID 170は、1つ又は複数の照明器178で実装されてよい。
【0022】
次に、
図2を参照すると、コンピュータシステムの例が示されている。図のように、コンピュータシステム150はプロセッサ210、揮発性メモリ媒体220、不揮発性メモリ媒体230、及び入力/出力(I/O)デバイス240を含んでよい。例示のように、揮発性メモリ媒体220、不揮発性メモリ媒体230、及びI/Oデバイス240は、プロセッサ210に通信可能に接続されてよい。
【0023】
「メモリ媒体」という用語は、「メモリ」、「記憶装置」、「メモリデバイス」、「コンピュータ可読媒体」、及び/又は「有形コンピュータ可読記憶媒体」を意味してよい。例えば、メモリデバイスとしては、ハードディスクドライブを含む直接アクセス記憶装置、テープディスクドライブ等のシーケンシャルアクセス記憶装置、コンパクトディスク(CD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、エレクトリカリイレーサブルプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、非一時的媒体、及び/又はこれらの1つ又は複数の組合せが含まれるが、これらに限定されない。図のように、不揮発性メモリ媒体230は、プロセッサ命令232を含んでよい。プロセッサ命令232は、プロセッサにより実行される。一例ではプロセッサ命令232の1つ又は複数の部分は、不揮発性メモリ媒体230を介して実行されてよい。他の例では、プロセッサ命令232の1つ又は複数の部分は、揮発性メモリ媒体220を介して実行されてよい。プロセッサ命令232の1つ又は複数の部分は、揮発性メモリ媒体220に伝送されてよい。
【0024】
プロセッサ210は、本明細書に記載の1つ又は複数のシステム、1つ又は複数のフローチャート、1つ又は複数のプロセス、及び/又は1つ又は複数の方法を実施する中でプロセッサ命令232を実行してよい。例えば、プロセッサ命令232は、本明細書に記載の1つ又は複数のシステム、1つ又は複数のフローチャート、1つ又は複数の方法、及び/又は1つ又は複数のプロセスによる命令で構成、コード化、及び/又は符号化されてよい。記憶媒体及びメモリ媒体の1つ又は複数はソフトウェア製品、プログラム製品、及び/又は製造物品であってよい。例えば、ソフトウェア製品、プログラム製品、及び/又は製造物品は、本明細書に記載の1つ又は複数のフローチャート、1つ又は複数の方法、及び/又は1つ又は複数のプロセスによる、プロセッサにより実行可能な命令で構成され、コード化され、及び/又は符号化されてよい。
【0025】
プロセッサ210は、メモリ媒体の中に保存され、及び/又はネットワークを介して受信されるプログラム命令、プロセスデータ、又はそれらの両方を解釈し、実行するように動作可能な何れの適当なシステム、デバイス、又は装置を含んでいてもよい。プロセッサ210はさらに、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途集積回路(ASIC)、又は、プログラム命令、プロセスデータ、又はそれらの両方を解釈し、実行するように構成されたその他の回路構成を含んでよい。
【0026】
I/Oデバイス240は、ユーザからの入力及びユーザへの出力を容易にすることによって、ユーザがコンピュータシステム150及びそれに関連するコンポーネントと相互作用できるようにし、及び/又はそれを可能にする何れの1つ及び複数の手段を含んでいてもよい。ユーザからの入力を容易にすることにより、ユーザはコンピュータシステム150を操作及び/又は制御できるかもしれず、ユーザへの出力を容易にすることによって、コンピュータシステム150はユーザの操作及び/又は制御の効果を示すことができるかもしれない。例えば、I/Oデバイス240により、ユーザはデータ、命令、又はそれらの両方をコンピュータシステム150に入力できるかもしれず、コンピュータシステム150及びそれに関連するコンポーネントをそれ以外に操作及び/又は制御することができるかもしれない。I/Oデバイスとしては、ユーザインタフェースデバイス、例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、手持ちのレンズ、ツール追跡装置、座標入力装置、又はシステム100等のシステムとの使用に適した他の何れのI/Oデバイスが含まれていてもよい。
【0027】
I/Oデバイス240は、特に、プロセッサ210が本明細書に記載の1つ又は複数のシステム、プロセス、及び/又は方法を実施するのを容易にし、及び/又は可能にしてよい1つ又は複数のバス、1つ又は複数のシリアルデバイス、1つ又は複数のネットワークインタフェースを含んでよい。一例では、I/Oデバイス240はプロセッサ210が外部ストレージと通信するのを容易にし、及び/又は可能にしてよいストレージインタフェースを含んでよい。ストレージインタフェースは、特にユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、SATA(Serial ATA)インタフェース、PATA(Parallel ATA)インタフェース、及びスモールコンピュータシステムインタフェース(SCSI)のうちの1つ又は複数を含んでよい。第二の例では、I/Oデバイス240は、プロセッサ210がネットワークと通信するのを容易にし、及び/又は可能にしてよいネットワークインタフェースを含んでよい。I/Oデバイス240は無線ネットワークインタフェース及び有線ネットワークインタフェースのうちの1つ又は複数を含んでよい。第三の例では、I/Oデバイス240は、特にペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)インタフェース、PCIエクスプレス(PCIe)インタフェース、シリアルペリフェラルインターコネクト(SPI)インタフェース、及びアイ・スクエアド・シー(I2C)インタフェースのうちの1つ又は複数を含んでよい。他の例では、I/Oデバイス240は、プロセッサ210が特にディスプレイ160及びMID 170のうちの1つ又は複数とデータを通信するのを容易にし、及び/又は可能にしてよい。
【0028】
図のように、I/Oデバイス240は、ディスプレイ160及びMID 170と通信可能に接続されてよい。例えば、コンピュータシステム150は、ディスプレイ160及びMID 170と、I/Oデバイス240を介して通信可能に接続されてよい。I/Oデバイス240は、プロセッサ210がMID 170の1つ又は複数の要素とデータを通信するのを容易にし、及び/又は可能にしてよい。一例では、I/Oデバイス240は、プロセッサ210が、特にイメージセンサ172、距離センサ174、及びディスプレイ162のうちの1つ又は複数とデータを通信するのを容易にし、及び/又は可能にしてよい。他の例では、I/Oデバイス240は、プロセッサ210が、特にイメージセンサ172、距離センサ174、照明器178、及びディスプレイ162のうちの1つ又は複数を制御するのを容易に、及び/又は可能にしてよい。
【0029】
次に、
図3A及び3Bを参照すると、グラフィカルユーザインタフェースの例が示されている。図のように、GUI 310はアイコン320A~320Cを含んでよい。例えば、GUI 310及び/又はアイコン320A~320Cはイメージセンサ172を介して取得された画像の上に重ねられてよい。例示のように、GUI 310はカーソル330を表示してよい。例えば、システム100は、手術用器具120の移動を追跡し、手術用器具120の1つ又は複数の移動及び/又は1つ又は複数の位置に基づいてカーソル330を表示する。システム100は、手術用器具120の移動を追跡してよい。例えば、システム100は手術用器具120の1つ又は複数の移動及び/又は1つ又は複数の位置をアイコン320Cまで追跡してよい。
【0030】
GUI 310は、ディスプレイを介して表示されてよい。例えば、GUI 310は特にディスプレイ160、162A、及び162Bのうち1つ又は複数を介して表示されてよい。外科医110は、アイコン320Cを選択してよい。一例では、外科医110はフットペダルを介してアイコン320Cを選択してよい。フットペダルの作動は、ポインタクリック(例えば、マウスのクリック)として利用されてよい。他の例では、外科医110は手術用器具120の1つ又は複数の移動を介してアイコン320Cを選択してよい。手術用器具120の1つ又は複数の移動は、ポインタクリック(例えば、マウスのクリック)として利用されてよい。
【0031】
次に、
図4A及び4Bを参照すると、レジストレーションエリアの例が示されている。
図4Aに示されるように、手術用器具120Bはレジストレーションエリア410を介して位置合わせされてよい。例えば、レジストレーションエリア410はGUI 310を介して表示されてよい。
図4Bに示されているように、手術用器具120Aはレジストレーションエリア410を介して位置合わせされてよい。例えば、レジストレーションエリア410は取得された画像に重ねられてよい。取得された画像は、イメージセンサ172A及び172Bを介して取得されていてもよい。
【0032】
手術用器具120のデジタルモデルが1つ又は複数のイメージセンサ172からの1つ又は複数の画像から特定されてよい。手術用器具120のデジタルモデルは、手術用器具120のパターンを含んでよい。一例として、デジタルモデルは、イメージセンサ172A及び172Bのうちの1つ又は複数を介して取得された画像の中で、手術用器具120の画像データに関して利用されてよい。デジタルモデルは、イメージセンサ172A及び172Bのうちの1つ又は複数を介して取得された画像の中の手術用器具の画像データ間の考え得る関係を含んでよい。例えば、デジタルモデルは、考え得る関係を特定するかもしれないパラメータを含んでよい。学習プロセス及び/又は方法は、訓練データを利用してパラメータをフィットさせてよい。一例では、1つ又は複数の画像が訓練データとして利用されてよい。他の例では、レジストレーションエリア410が訓練データとして画像データを関連付けることにおいて利用されてよい。手術用器具120のデジタルモデルを特定することは、少なくとも1つ又は複数の画像に基づいてデジタルモデルを訓練することを含んでよい。デジタルモデルは弁別的であってよい。デジタルモデルは生成的であってよい。1つ又は複数の推論過程及び/又は1つ又は複数の方法は、イメージセンサ172A及び172Bのうちの1つ又は複数を介して取得された画像の中で手術用器具120の画像データを特定するためにデジタルモデルを利用してよい。
【0033】
次に
図5を参照すると、グラフィカルユーザインタフェースと共に手術用器具を利用する方法の例が示されている。510で、グラフィカルユーザインタフェースがディスプレイを介して表示されてよい。一例では、GUI 310はディスプレイ160を介して表示されてよい。他の例では、GUI 310は、ディスプレイ162A及び162Bのうちの1つ又は複数を介して表示されてよい。515で、手術用器具がグラフィカルユーザインタフェースに関連付けられるポインタとして利用されることを示す第一のユーザ入力が受信されてよい。一例では、第一のユーザ入力はフットペダルの作動を含んでよい。第二の例では、第一のユーザ入力は音声入力を含んでよい。他の例では、第一のユーザ入力はGUIアイコンの作動を含んでよい。外科医110又はその他の医療従事者は、GUIアイコンを作動させてよい。
【0034】
520で、少なくとも1つのイメージセンサからの第一の複数の画像が受信されてよい。例えば、イメージセンサ172A及び172Bのうちの1つ又は複数のからの第一の複数の画像が受信されてよい。第一の複数の画像は、グラフィカルユーザインタフェースに関連付けられるポインタとして利用される手術用器具の画像データを含んでよい。525で、手術用器具の、手術用器具のパターンを含むデジタルモデルが第一の複数の画像から特定されてよい。例えば、デジタルモデルは、イメージセンサ172A及び172Bのうちの1つ又は複数を介して取得された画像の中の手術用器具の画像データを関係付けることにおいて利用されてよい。デジタルモデルは、イメージセンサ172A及び172Bのうちの1つ又は複数を介して取得された画像の中の手術用器具の画像データ間の考え得る関係を含んでよい。例えば、デジタルモデルは、考え得る関係を特定するかもしれないパラメータを含んでよい。学習プロセス及び/又は方法は、訓練データを使ってパラメータをフィットさせてよい。例えば、第一の複数の画像が訓練データとして利用されてよい。手術用器具のデジタルモデルを特定することは、少なくとも第一の複数の画像に基づいてデジタルモデルを訓練することを含んでよい。デジタルモデルは弁別的であってよい。デジタルモデルは生成的であってよい。推論過程及び/又は方法は、イメージセンサ172A及び172Bのうちの1つ又は複数を介して取得された画像の中で手術用器具の画像データを特定するためにデジタルモデルを利用してよい。
【0035】
530で、第二の複数の画像が少なくとも1つのイメージセンサを介して受信されてよい。例えば、イメージセンサ172A及び172Bのうちの1つ又は複数からの第二の複数の画像が受信されてよい。第二の複数の画像は、手術用器具の画像テータを含んでよい。535で、グラフィカルユーザインタフェースのアイコンを選択するために利用可能な手術用器具の移動のパターンが第二の複数の画像及びデジタルモデルから特定されてよい。例えば、
図4Cに示されるパターン420が、第二の複数の画像及びデジタルモデルから特定されてよい。パターン420は、
図4Dに示されるように、アイコン320を選択するために利用されてよい。パターン420は、
図4Eに示されるように、アイコン320を選択するために利用されてよい。例えば、少なくともパターン420の一部はアイコン420と重複してよい。
【0036】
次に、
図6を参照すると、グラフィカルユーザインタフェースと共に手術用器具を利用する方法の他の例が示されている。610で、少なくとも1つのアイコンを含むグラフィカルユーザインタフェースがディスプレイを介して表示されてよい。一例では、GUI 310は、ディスプレイ160を介して表示されてよい。他の例では、GUI 310は、ディスプレイ162A及び162Bのうちの1つ又は複数を介して表示されてよい。615で、イメージセンサからの第一の画像が受信されてよい。例えば、イメージセンサ172からの第一の画像が受信されてよい。620で、第一の画像の中の手術用器具の第一の位置が第一の画像及び手術用器具のデジタルモデルから特定されてよい。例えば、
図3Aに示されるように、手術用器具120の第一の位置が第一の画像及び手術用器具のデジタルモデルから特定されてよい。ある例として、デジタルモデルは、
図5の方法要素525を介して特定されたデジタルモデルであるか、それを含んでよい。他の例では、デジタルモデルは、メモリ媒体から読み出されてもよい。メモリ媒体は、手術用器具の1つ又は複数のデジタルモデルを記憶してよい。例えば、メモリ媒体は手術用器具の1つ又は複数のデジタルモデルを含むライブラリを記憶してよい。
【0037】
625で、第一の位置に関連付けられる第二の位置にグラフィカルーザインタフェースのカーソルが表示されてよい。例えば、
図3Aに示されるGUI 310のカーソル330は、第一の位置に関連付けられる第二の位置に表示されてよい。630で、イメージセンサからの第二の画像が受信されてよい。例えば、イメージセンサ172からの第二の画像が受信されてよい。635で、第二の画像の中の手術用器具の第三の位置が、第二の画像及び手術用器具のデジタルモデルから特定されてよい。例えば、
図3Bに示される手術用器具120の第二の位置が、第二の画像及び手術用器具のデジタルモデルから特定されてよい。640で、グラフィカルユーザインタフェースのカーソルが、第三の位置に関連付けられる第四の位置に表示されてよい。例えば、
図3Bに示されるGUI 310のカーソル330は、第三の位置に関連付けられる第四の位置に表示されてよい。
【0038】
645で、少なくとも1つのアイコンの座標が第四の位置を含む間に、選択を示すユーザ入力が受信されてよい。一例では、ユーザ入力は、フットペダルの作動を含んでよい。外科医110は、選択を示すユーザ入力として、フットペダルを作動させてよい。第二の例では、ユーザ入力は移動パターンを含んでよい。ユーザ入力は、
図4D及び4Eに示される移動パターン420を含んでよい。移動パターンは、
図4D及び4Eに示される移動パターン420に近似してよい。他の移動パターンが構成され、及び/又は利用されてよい。第三の例では、ユーザ入力は手術用器具に関連付けられるピクセル数の変化を含んでいてよく、これは手術用器具からイメージセンサまでの距離の変化を示す。手術用器具に関連付けられるピクセルの数は、手術用器具がイメージセンサに近付けられると増加するかもしれない。ある例として、イメージセンサからイメージセンサからの第三の画像が受信されてよく、手術用器具のイメージセンサまでの距離の変化を示す手術用器具に関連付けられるピクセル数の変化が、少なくとも第二及び第三の画像並びにデジタルモデルに基づいて特定されてよい。
【0039】
650で、少なくとも1つのアイコンの座標が第四の位置を含む間に、ユーザ入力が選択を示すと特定されてよい。例えば、ユーザ入力はアイコン320の選択を示すと特定されてよい。655で、グラフィカルユーザインタフェースにより表示されるデータが変更されてよい。例えば、GUI 310の画像データが変更されてよい。グラフィカルユーザインタフェースにより表示されるデータを変更することは、ユーザ入力が選択を示すと特定したことに応答して行われてよい。ある例として、手術に関連付けられるワークフローは、ワークフローの次のステップに進むかもしれない。GUI 310の画像データは、手術に関連付けられるワークフローの次のステップに関連して変更されてよい。他の例として、第一の画像、第二の画像、又は第三の画像の少なくとも一部は、ユーザ入力が選択を示すと特定したことに応答して記憶されてよい。画像データは、メモリ媒体を介して記憶されてよい。
【0040】
方法及び/又はプロセス要素の1つ又は複数及び/又は方法及び/又はプロセス要素の1つ又は複数の部分は、異なる順序で行われてよく、繰り返されてよく、又は省かれてよい。さらに、希望に応じて、追加の、補足的な、及び/又は重複する方法及び/又はプロセス要素が実装、インスタンス化、及び/又は実行されてよい。そのうえ、希望に応じて、システム要素の1つ又は複数が省かれてよく、及び/又は追加のシステム要素が追加されてよい。
【0041】
メモリ媒体は、製造物品であってよく、及び/又はそれを含んでよい。例えば、製造物品は、ソフトウェア製品及び/又はプログラム製品を含んでいてよく、及び/又はそれらであってよい。メモリ媒体は、製造物品を生産するための本明細書に記載の1つ又は複数のフローチャート、システム、方法、及び/又はプロセスによるプロセッサ実行可能な命令でコード化及び/又は符号化されてよい。
【0042】
上で開示された主旨は、例示的であって限定的ではないとみなされるものとし、付属の特許請求の範囲は、本開示の真の主旨と範囲に含まれる改良、改善、及びその他の実装のすべてを含むことが意図されている。それゆえ、法の下で可能なかぎり、本開示の範囲は後述の特許請求の範囲及びその均等物の許容される最も広い解釈により特定されるものとし、上記の詳細な説明によって制限又は限定されないものとする。