(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230619BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20230619BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2021119102
(22)【出願日】2021-07-19
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 三喜也
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-111139(JP,A)
【文献】特許第6797436(JP,B1)
【文献】特開2019-123479(JP,A)
【文献】特開2015-227852(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1945892(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第112580204(CN,A)
【文献】AI技術を活用した列車遅延予測の実証実験を開始,[online],富士通株式会社,2016年07月19日,https://pr.fujitsu.com/jp/news/2016/07/19-1.html,[検索日 2023.03.01]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサの検知情報に基づいて運行車両における遅延の原因となる原因情報を取得する取得部と、
前記原因情報に基づいて、前記運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記遅延時間毎の前記確度に基づく通知情報を生成する生成部と
、
を備え
、
前記推定部は、
過去の原因情報を説明変数とし、過去の遅延時間を目的変数とするモデルを用いて、前記遅延時間毎の前記確度を推定すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記センサは、
ユーザが所持する端末装置に備えられたセンサであって、
前記取得部は、
前記検知情報に基づいて前記運行車両に乗車中の前記ユーザを特定し、特定した前記ユーザが所持する前記端末装置の前記センサの前記検知情報に基づいて前記原因情報を取得すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
複数の前記センサの前記検知情報に基づいて前記遅延の原因が発生したことを示す前記原因情報を取得すること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記センサは、
前記運行車両に備えられたセンサであること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記センサは、
位置情報を取得するセンサ、加速度センサ、マイク、カメラの少なくとも1つを含むこと
を特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記検知情報に基づいて、前記運行車両が前記遅延の原因により減速したか停車したかの情報を含む前記原因情報を取得すること
を特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記説明変数は、
前記運行車両の乗車率、天候、到着地の周辺におけるイベント情報の少なくとも1つを含むこと
を特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、
対象の前記運行車両の前記遅延時間毎の前記確度の推定結果に基づいて、前記対象の前記運行車両の後続の前記運行車両の前記遅延時間毎の前記確度を推定すること
を特徴とする請求項1~
7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
センサの検知情報に基づいて運行車両における遅延の原因となる原因情報を取得する取得工程と、
前記原因情報に基づいて、前記運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定する推定工程と、
前記推定工程によって推定された前記遅延時間毎の前記確度に基づく通知情報を生成する生成工程と
、
を含
み、
前記推定工程は、
過去の原因情報を説明変数とし、過去の遅延時間を目的変数とするモデルを用いて、前記遅延時間毎の前記確度を推定すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
センサの検知情報に基づいて運行車両における遅延の原因となる原因情報を取得する取得手順と、
前記原因情報に基づいて、前記運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定する推定手順と、
前記推定手順によって推定された前記遅延時間毎の前記確度に基づく通知情報を生成する生成手順と
、
をコンピュータに実行させ
、
前記推定手順は、
過去の原因情報を説明変数とし、過去の遅延時間を目的変数とするモデルを用いて、前記遅延時間毎の前記確度を推定すること
を特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運行車両が路線で事故等が発生することで運行に遅延が生じた場合に、外部のサーバから遅延等の情報を取得してユーザへ遅延情報を通知する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、外部のサーバから遅延等の情報を取得するまではユーザは遅延を把握することができず、運行車両がどの程度遅延するかを早期に把握できない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、運行車両の遅延時間を早期に把握することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、推定部と、生成部とを備える。前記取得部は、センサの検知情報に基づいて運行車両における遅延の原因となる原因情報を取得する。前記推定部は、前記原因情報に基づいて、前記運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定する。前記生成部は、前記推定部によって推定された前記遅延時間毎の前記確度に基づく通知情報を生成する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、運行車両の遅延時間を早期に把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理を示す図である。
図1では、駅Aから駅Bへ向かう途中で運行車両に事故が発生した例を示している。また、
図1において、ユーザ端末50aは、かかる運行車両に乗車中のユーザUaが所持している端末装置であり、ユーザ端末50bは、駅Bで運行車両を待っているユーザUbが所持する端末装置である。
【0011】
図1に示す情報処理では、運行車両に乗車中のユーザUaのユーザ端末50aや、運行車両に備えられた各種センサの検知情報に基づいて、運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定し、ユーザ端末50aやユーザ端末50bへ通知する。
【0012】
具体的には、まず、実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザ端末50aが備えるセンサの検知情報を取得し、かかる検知情報に基づいて運行車両における遅延の原因となる原因情報を取得する(ステップS1)。
【0013】
センサは、例えば、ユーザ端末50aに備えられた加速度センサ、マイク、カメラ等といった外部の情報を検知するセンサである。なお、センサは、ユーザ端末50aに備えられたセンサに限らず、運行車両に備えられたセンサや、運行車両が走行する路線に備えられたセンサであってもよい。
【0014】
原因情報は、例えば、事故等の遅延の原因が発生したことを示す情報や、遅延の原因により運行車両が減速したか停車したかの情報等を含む。なお、センサの種類や、原因情報の詳細については後述する。
【0015】
つづいて、実施形態に係る情報処理装置1は、原因情報に基づいて、運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定する(ステップS2)。
図2に示す例では、5分毎の遅延時間の発生確率を示している。なお、遅延時間毎の確度の算出方法については後述する。
【0016】
つづいて、実施形態に係る情報処理装置1は、推定した遅延時間毎の確度に基づく通知情報を生成する(ステップS3)。通知情報は、ユーザ端末50a、50bの表示部に表示される表示情報であり、例えば、
図1に示した遅延時間および確度のグラフの情報である。あるいは、通知情報は、遅延時間および確度のテキスト情報であってもよい。
【0017】
つづいて、実施形態に係る情報処理装置1は、生成した通知情報をユーザ端末50bへ送信することで通知する(ステップS4)。なお、実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザ端末50aに通知情報を併せて送信してもよい。
【0018】
このように、センサの検知情報を使って遅延時間の確度を推定してユーザUa、Ubへ通知することで、ユーザUa、Ubは早期に運行車両の遅延時間を把握することができる。
【0019】
なお、実施形態に係る情報処理装置1は、例えば、センサの検知情報から運行車両が発車時刻よりも早めに発車する確度を推定してユーザへ通知してもよい。例えば、実施形態に係る情報処理装置1は、乗車率が通常よりも低いことを検知した場合、駅での乗換時間が通常よりも短くなる(発車が早まる)ことを推定する。
【0020】
また、実施形態に係る情報処理装置1は、ある路線の遅延が他の路線にどのように影響しているかの関係性を事前に学習しておくことで、ある路線の遅延の確度に加えて、他の路線の遅延の確度を推定してもよい。
【0021】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数のユーザ端末50と、複数の車両装置100とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0022】
情報処理装置1は、情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、例えば、運行車両の乗換を案内するサービスや、遅延に関する情報を提供するサービスを提供する。
【0023】
ユーザ端末50は、ユーザが所持する端末装置であって、情報処理装置1が提供するサービスを利用する端末装置である。ユーザ端末50は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。
【0024】
車両装置100は、運行車両に備えられた各種の制御装置である。かかる制御装置は、運行車両に備えられたセンサや、路線に設置されたセンサの検知情報を取得し、情報処理装置1へ送信する。
【0025】
次に、
図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0026】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、取得部31と、推定部32と、生成部33と、通知部34とを備える。
【0027】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0028】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0029】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0030】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(取得部31、推定部32、生成部33および通知部34)について説明する。
【0031】
取得部31は、各種情報を取得する。取得部31は、センサの検知情報に基づいて運行車両における遅延の原因となる原因情報を取得する。センサは、ユーザ端末50に備えられたセンサや、運行車両に備えられたセンサ、運行車両が走行する路線に配置されたセンサ等である。
【0032】
ユーザ端末50に備えられたセンサは、例えば、位置情報を取得するセンサや、加速度センサ、ジャイロセンサ、マイク、カメラ等である。運行車両に備えられたセンサは、例えば、位置情報を取得するセンサや、車速センサ、ブレーキセンサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、マイク、カメラ等である。運行車両が走行する路線に配置されたセンサは、例えば、レーダや、マイク、カメラ等である。
【0033】
取得部31は、まず、センサの検知情報を取得し、検知情報に基づいて、運行車両に乗車中のユーザが所持するユーザ端末50を特定する。例えば、取得部31は、運行車両の位置情報(の変化)と、ユーザ端末50の位置情報(の変化)とが同じであるユーザ端末50を特定する。
【0034】
つづいて、取得部31は、特定したユーザ端末50のセンサの検知情報に基づいて、原因情報を取得する。例えば、取得部31は、加速度センサの値が急激に変化した場合に、遅延の原因が発生したことを示す原因情報を取得する。また、取得部31は、加速度センサの値に加えて、マイクで集音した音情報を加味してもよい。
【0035】
例えば、取得部31は、加速度センサの値が急激に変化し、かつ、マイクで衝撃音を集音した場合に、遅延の原因が発生したことを示す原因情報を取得する。また、取得部31は、例えば、運行車両の先頭に設置されたカメラの画像により、路線上に障害物を検出した場合に、遅延の原因が発生したことを示す原因情報を取得する。
【0036】
また、取得部31は、遅延の原因が発生した場合に、かかる遅延により運行車両が減速、または、停車したことを示す原因情報を取得する。運行車両が減速または停車したことの情報は、例えば、運行車両の車速情報や、ブレーキ情報、位置情報等に基づいて検出可能である。
【0037】
つまり、原因情報は、遅延の原因の発生と、その原因により運行車両が減速したか停車したかの情報を含む。また、原因情報は、例えば、路線上の障害物の有無や、センサの検知情報等を含んでもよい。
【0038】
推定部32は、取得部31が取得した原因情報に基づいて、運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定する。例えば、推定部32は、遅延時間毎の確度を推定するためのモデルを用いることができる。モデルは、例えば、過去の原因情報を説明変数とし、過去の遅延時間を教師データ(目的変数)として生成される。
【0039】
推定部32は、取得部31が取得した原因情報をモデルに入力し、モデルが出力するスコアとして遅延時間毎の確度を取得する。また、推定部32は、モデルの説明変数として、運行車両の乗車率や、天候、駅周辺でのイベント情報等を含ませてもよい。
【0040】
また、推定部32は、推定した遅延時間毎の確度に基づいて、対象の運行車両(遅延の原因に最も近い運行車両)の後続の運行車両の遅延時間毎の確度を推定してもよい。例えば、推定部32は、対象の運行車両の遅延時間毎の確度と、各運行車両の時刻表とに基づいて、後続の運行車両の遅延時間毎の確度を推定してもよい。
【0041】
生成部33は、推定部32によって推定された遅延時間毎の確度に基づく通知情報を生成する。通知情報は、例えば、ユーザ端末50の表示部で表示される表示情報である。例えば、生成部33は、各遅延時間の確度をすべて表示した通知情報を生成する。あるいは、生成部33は、確度が所定値以上の遅延時間や、確度が最も高い遅延時間のみを表示した通知情報を生成する。なお、通知情報は、表示情報に限らず、音声情報であってもよい。
【0042】
また、生成部33は、例えば、推定部32によって後続の運行車両の遅延時間毎の確度が推定された場合、後続の運行車両の遅延時間毎の確度に基づく情報を通知情報に含ませてもよい。
【0043】
通知部34は、生成部33によって生成された通知情報をユーザ端末50へ送信する。通知部34は、例えば、ユーザ端末50から要求があった場合に、通知情報を送信する。あるいは、通知部34は、遅延している運行車両に乗車中のユーザや、運行車両の次の到着地(例えば、駅)で待機しているユーザを特定し、かかるユーザのユーザ端末50へ通知情報をプッシュ通知してもよい。
【0044】
次に、
図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理の処理手順について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0045】
図4に示すように、制御部3は、まず、センサの検知情報に基づいて運行車両における遅延の原因となる原因情報を取得する(ステップS101)。つづいて、制御部3は、原因情報に基づいて、運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定する(ステップS102)。つづいて、制御部3は、遅延時間毎の確度に基づく通知情報を生成する(ステップS103)。つづいて、制御部3は、生成した通知情報をユーザ端末50へ通知し(ステップS104)、処理を終了する。
【0046】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0047】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0048】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0049】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0050】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0051】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0052】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0053】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0054】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0055】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0056】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、取得部31と、推定部32と、生成部33とを備える。取得部31は、センサの検知情報に基づいて運行車両における遅延の原因となる原因情報を取得する。推定部32は、原因情報に基づいて、運行車両が遅延する確度を遅延時間毎に推定する。生成部33は、推定部32によって推定された遅延時間毎の確度に基づく通知情報を生成する。センサは、ユーザが所持する端末装置(ユーザ端末50)に備えられたセンサである。取得部31は、検知情報に基づいて運行車両に乗車中のユーザを特定し、特定したユーザが所持する端末装置のセンサの検知情報に基づいて原因情報を取得する。取得部31は、複数のセンサの検知情報に基づいて遅延の原因が発生したことを示す原因情報を取得する。センサは、運行車両に備えられたセンサである。センサは、位置情報を取得するセンサ、加速度センサ、マイク、カメラの少なくとも1つを含む。取得部31は、検知情報に基づいて、運行車両が遅延の原因により減速したか停車したかの情報を含む原因情報を取得する。推定部32は、過去の原因情報を説明変数とし、過去の遅延時間を目的変数とするモデルを用いて、遅延時間毎の確度を推定する。説明変数は、運行車両の乗車率、天候、到着地の周辺におけるイベント情報の少なくとも1つを含む。推定部32は、対象の運行車両の遅延時間毎の確度の推定結果に基づいて、対象の運行車両の後続の運行車両の遅延時間毎の確度を推定する。このような構成により、運行車両の遅延時間を早期に把握することができる。
【0057】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0058】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0059】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0060】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0061】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 取得部
32 推定部
33 生成部
34 通知部
50 ユーザ端末
100 車両装置
S 情報処理システム