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特許7297871PTPN11の置換されたヘテロ環式インヒビター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】PTPN11の置換されたヘテロ環式インヒビター
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20230619BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230619BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20230619BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
C07D487/04 141
C07D487/04 CSP
A61P35/00
A61P35/02
A61P17/00
A61P15/00
A61P1/00
A61P43/00 111
A61K31/4985
C07D519/00 301
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021510272
(86)(22)【出願日】2019-05-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 US2019030277
(87)【国際公開番号】W WO2019213318
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】62/665,818
(32)【優先日】2018-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/773,915
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520427136
【氏名又は名称】ナビール ファーマ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197169
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 潤二
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン クロス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン バーク
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー マカフース
(72)【発明者】
【氏名】チーチュン カン
【審査官】坂口 岳志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/210134(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/013597(WO,A1)
【文献】特表2007-523936(JP,A)
【文献】特表2017-502993(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0102054(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式Iの化合物、又はその塩もしくは互変異性体:
【化1】
(式中、aは、0又は1であり;
bは、0又は1であり;
1aは、ハロ、フェニル、並びに1~4個のヘテロ原子もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;該R1aフェニル又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシC1-4アルコキシ、ジヒドロキシC1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;
1bは、ハロゲン、及び1-6アルキルらなる群から選択され
、R、R10、及びR11は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から各々独立して選択され;
、R、R、及びRは、水素、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、C3-8シクロアルキル、ハロ、及びC1-4アルキルアミノからなる群から独立して選択され;
及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1~3個のヘテロ原子、又はN、C(O)、O、及びS(O)からなる群から独立して選択される基を含むことができ、且つ1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員の飽和又は不飽和の環を形成し;
mは、0、1、又は2であり;
、R、R、R 、R、R10及びR11の任意の2つの基は、N、OもしくはSヘテロ原子を任意に含む、5-~6-員環を形成することができ;
、R 及びR10の任意の2つの基は、直接結合、又は1もしくは2個の原子の炭素橋を形成することができ;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、及び3-~6-員のヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル及び3-~6-員のヘテロシクリルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択され1又は複数の置換基により任意に置換され;
17 及びR 18 の各々は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される)
【請求項2】
前記R1aが、フェニル、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~-員のヘテロアリール基であり;
該R1aフェニル又はヘテロアリールが、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに
13、R15、及びR16が、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルが、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換されている、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
前記R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、各々水素である、請求項記載の化合物。
【請求項4】
前記R及びRが、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1~3個のヘテロ原子、又はN、C(O)、O、及びS(O)からなる群から独立して選択される基を含、且つ1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員の飽和又は不飽和環を形成する、請求項1~のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
前記R及びRが、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~6-員のヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
前記R17の各々が、アミノであり;並びに、各R18が、メチルである、請求項1~のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
前記R1aが:
【化2】
からなる群から選択され、並びに
各R12が、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
前記R12の各々が、ハロ、アミノ、メチルアミノ、及びエチルアミノからなる群から独立して選択される、請求項記載の化合物。
【請求項9】
前記R1aが、その各々が0~2個のR12により置換されている、フェニル又はピリジルである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
前記R1bが、ハロゲンである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
前記R1bが、クロロである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
前記R1bが、 1-6 アルキルである、請求項1載の化合物。
【請求項13】
前記R1bが、メチルである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
以下からなる群から選択される構造を有する、請求項1記載の化合物、又はその塩もしくは互変異性体:
【化3】
【請求項15】
請求項1記載の化合物の治療的有効量をむ、対象のPTPN11-媒介性疾患治療するための医薬組成物であって、前記組成物がそれを必要とする患者へ投与される、医薬組成物
【請求項16】
前記疾患が、癌である、請求項15記載の医薬組成物
【請求項17】
前記癌が、乳癌、結腸癌、白血病、及びメラノーマからなる群から選択される、請求項16記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月2日に出願された米国特許仮出願第62/665,818号、及び2018年11月30日に出願された米国特許仮出願第62/773,915号の優先権を主張し、これらの各々は、その全体において及び全ての目的のために本明細書中に組み込まれている。
【0002】
連邦政府支援の研究開発から生じた発明に対する権利に関する陳述
該当なし。
【0003】
コンパクトディスクで提出された「配列表」、表、又はコンピュータプログラムの添付リストに関する言及
該当なし。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
新規化合物及びピラゾロピラジンを基にした化合物、並びに疾患の治療のための医薬品としてのそれらの適用が、本明細書において明らかにされる。白血病及びメラノーマ、並びに乳房、肺、及び結腸の癌を含む癌などの疾患を治療するための、ヒト又は動物対象におけるPTPN11(SHP2)活性の阻害方法もまた、提供される。
【0005】
チロシルリン酸化は、細胞分化から成長及びアポトーシスまでやその他のヒト細胞プロセスを制御する。チロシルリン酸化は、プロテインチロシンキナーゼ(PTK)及びプロテインチロシンホスファターゼ(PTP)により制御される。PTK及びPTP活性により支配される制御の破壊は、癌に繋がると考えられている。PTKインヒビターは、可能性のある癌治療薬として開発されている。最近の研究は、更に細胞制御におけるPTPの可能性のある役割を明らかにしている(AJ Barrら、Cell 2009, 136, 352-363;JN Andersenら、Mol. Cell. Biol. 2001, 21, 7117-7136)。
【0006】
プロテインチロシンホスファターゼ非受容体11型(PTPN11、Srcホモロジー2ホスファターゼ(SHP2)としても公知)は、PTPN11遺伝子によりコードされた非受容体型プロテインチロシンホスファターゼである。このPTPは、2個のタンデムSrcホモロジー2(SH2)ドメインを含み、これらはホスホ-チロシン結合ドメイン、触媒ドメイン、及びC-末端尾部として機能する。基本的な状態において、このタンパク質は、典型的には、その活性部位をブロックするN-末端SH2ドメインを伴う、不活性型の自己阻害された立体構造で存在する。サイトカイン及び増殖因子により媒介されるシグナル伝達によりSH2ドメインへのリン酸化されたタンパク質の結合が刺激される場合、自己阻害は緩和され、これは、PTPN11基質の脱リン酸化に利用可能な活性部位を生じる(MG Mohl、BG Neel、Curr. Opin. Genetics Dev. 2007, 17, 23-30;KS Grossmann、Adv. Cancer Res. 2010, 106, 53-89;W.Q. Huangら、Curr. Cancer Drug Targets 2014, 14, 567-588;C. Gordonら、Cancer Methastasis Rev. 2008, 27, 179-192.)。
【0007】
PTPN11における生殖細胞変異及び体細胞変異が、ヌーナン症候群及びレオパード症候群を含む、触媒活性の機能獲得を生じるいくつかのヒト疾患;並びに、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、骨髄異形成症候群、B細胞急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫、メラノーマ、急性骨髄性白血病、並びに乳房、肺及び結腸の癌などの複数の癌において報告されている(MG Mohl、BG Neel、Curr. Opin. Genetics Dev. 2007, 17, 23-30)。最近の研究は、単独のPTPN11変異が、マウスにおいてヌーナン症候群、JMML-様骨髄増殖性疾患及び急性白血病を誘導し得ることを明らかにしている。これらの変異は、N-SH2ドメインと触媒部位の間の自己阻害を破壊し、基質の酵素の触媒部位への構成的接近を可能にする(E. Darianら、Proteins, 2011, 79, 1573-1588.;Z-H Yuら、JBC, 2013, 288, 10472;W Qiuら、BMC Struct. Biol. 2014, 14, 10)。
【0008】
PTPN11は、ほとんどの組織において広範に発現され、且つRas-MAPK経路、JAK-STAT経路又はPI3K-AKT経路を含む複数のシグナル伝達経路を通じて、増殖、分化、細胞周期の維持、EMT転換、細胞分裂活性化、代謝調節、転写制御、及び細胞遊走を含む多様な細胞機能にとって重要である、様々な細胞のシグナル伝達事象において、制御の役割を果たす(Tajan, M.ら、Eur. J. Medical Genetics, 2015, 58, 509-525;Prahallad, A.ら、Cell Reports, 2015, 12, 1978-1985)。
【0009】
加えて、PTPN11/SHP2は、腫瘍形成時の免疫回避に関与し得、従ってSHP2インヒビターは、癌患者における免疫応答を刺激するであろうという証拠が増えてきている(Cancer Res. 2015 Feb 1;75(3):508-18;T Yokosuka T、J Exp Med. 2012, 209(6), 1201;S Amarnath、Sci Transl Med. 2011, 3, 111ra120;T Okazaki、PNAS 2001, 98:24, 13866-71)。
【0010】
そのいくつかはPTPN11(SHP2)を阻害することが分かった新規化合物及び医薬組成物が、該化合物の合成方法及び該化合物を投与することにより患者におけるPTP-媒介性疾患を治療する方法を含む使用方法と共に、発見された。
【発明の概要】
【0011】
発明の簡単な概要
本発明の特定の実施態様において、化合物は、構造式Iを有するか、又はその塩もしくは互変異性体である:
【化1】
(式中、下付文字a及びb、並びにR1a、R1b、R、R、R、R、R、R7、、R、R10及びR11は、本明細書に提供されている)。
【0012】
特定の実施態様において、本発明は、式Iを有する化合物を、医薬として許容し得る担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0013】
特定の実施態様において、本発明は、白血病及びメラノーマ、並びに乳房、肺、及び結腸の癌を含む癌などの疾患を治療するための、ヒト又は動物対象における、PTPN11(SHP2)活性の阻害方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
該当なし。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
定義
本明細書において使用される以下の用語は、示された意味を有する。
【0016】
値の範囲が明らかにされる場合、及び表記「nから・・・・nまで」又は「nと・・・・nの間」が使用される場合(ここで、n及びnは数値である)、別に特定しない限りは、この表記は、数値それら自身及びそれらの間の範囲を含むことが意図される。この範囲は、その間の整数又は連続であり、且つ端値を含むことができる。例として、炭素は整数単位であるので、範囲「2個から6個までの炭素」とは、2、3、4、5及び6個の炭素を含むことが意図される。対して、例として、範囲「1から3μM(マイクロモル)」とは、1μM、3μM、並びに有意な数字の任意の数値の間の全て(例えば、1.255μM、2.1μM、2.9999μMなど)を含むことが意図される。
【0017】
本明細書において使用される用語「約」は、それが修飾する数字の値を適格とすることが意図され、誤差限界内の変数としてのそのような値を意味する。データのチャート又は表において示される平均値に対する標準偏差などの特定の誤差限界が列挙されない場合、用語「約」は、有意な数字を考慮し、列挙された値を包含する範囲、及び更にその数字に切り上げ又は切り下げることにより含まれる範囲を意味すると理解されるべきである。
【0018】
本明細書において使用される用語「アシル」は、単独で又は組合せて、アルケニル、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルに結合されたカルボニル、又はカルボニルに結合された原子が炭素である任意の他の部分を指す。「アセチル」基は、-C(O)CH基を指す。「アルキルカルボニル」又は「アルカノイル」基は、カルボニル基によって親分子部分に結合されたアルキル基を指す。そのような基の例は、メチルカルボニル及びエチルカルボニルを含む。アシル基の例は、ホルミル、アルカノイル及びアロイルを含む。
【0019】
本明細書において使用される用語「アルケニル」は、単独で又は組合せて、1又は複数の二重結合を有し、且つ2~20個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素ラジカルを指す。特定の実施態様において、該アルケニルは、2~6個の炭素原子を含む。用語「アルケニレン」は、エテニレン[(-CH=CH-)、(-C::C-)]などの、2つ以上の位置で結合された炭素-炭素二重結合システムを指す。好適なアルケニルラジカルの例は、エテニル、プロペニル、2-メチルプロペニル、1,4-ブタジエニルなどを含む。別に特定しない限りは、用語「アルケニル」は、「アルケニレン」基を含むことができる。
【0020】
用語「アルキニル」は、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合を有し、且つ指定された数の炭素原子を有する(すなわち、C2-6は、2~6個の炭素を意味する)、直鎖又は分岐鎖のいずれかの炭化水素を指す。アルキニルは、C、C2-3、C2-4、C2-5、C2-6、C2-7、C2-8、C2-9、C2-10、C、C3-4、C3-5、C3-6、C、C4-5、C4-6、C、C5-6、及びCなど、任意の数の炭素を含むことができる。アルキニル基の例は、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、ブタジニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、イソペンチニル、1,3-ペンタジニル、1,4-ペンタジニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、1,3-へキサジニル、1,4-へキサジニル、1,5-へキサジニル、2,4-へキサジニル、又は1,3,5-ヘキサトリニルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本明細書において使用される用語「アルコキシ」は、単独で又は組合せて、アルキルエーテルラジカルを指し、ここで用語アルキルは以下に定義されるものである。好適なアルキルエーテルラジカルの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどである。
【0022】
本明細書において使用される用語「アルキル」は、単独で又は組合せて、1~20個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルを指す。特定の実施態様において、該アルキルは、1~10個の炭素原子を含むであろう。更なる実施態様において、該アルキルは、1~8個の炭素原子を含むであろう。アルキル基は、本明細書において定義されたように、任意に置換される。アルキルラジカルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、iso-アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル(noyl)などを含む。本明細書において使用される用語「アルキレン」は、単独で又は組合せて、メチレン(-CH-)などの、2つ以上の位置で結合された直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素に由来する飽和脂肪族基を指す。別に特定しない限りは、用語「アルキル」は、「アルキレン」基を含んでよい。
【0023】
本明細書において使用される用語「アルキルアミノ」は、単独で又は組合せて、アミノ基によって親分子部分へ結合されたアルキル基を指す。好適なアルキルアミノ基は、モノ-又はジアルキル化され、例えば、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-エチルメチルアミノなどの基を形成する。
【0024】
本明細書において使用される用語「アルキルチオ」は、単独で又は組合せて、アルキルチオエーテル(R-S-)ラジカルを指し、ここで用語アルキルは先に定義されたものであり、且つ硫黄は一重又は二重に酸化され得る。好適なアルキルチオエーテルラジカルの例は、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、iso-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、メタンスルホニル、エタンスルフィニルなどを含む。
【0025】
本明細書において使用される用語「アミド」及び「カルバモイル」は、単独で又は組合せて、カルボニル基によって親分子部分へ結合された以下に説明したようなアミノ基、又はその逆を指す。本明細書において使用される用語「C-アミド」は、単独で又は組合せて、本明細書において定義されたような、あるいは具体的に列挙された指定された「R」基により定義されるような、R及びR’を伴う、-C(O)N(RR’)基を指す。本明細書において使用される用語「N-アミド」は、単独で又は組合せて、本明細書において定義されたような、あるいは具体的に列挙された指定された「R」基により定義されるような、R及びR’を伴う、RC(O)N(R’)-基を指す。本明細書において使用される用語「アシルアミノ」は、単独で又は組合せて、アミノ基によって親部分に結合されたアシル基を包含している。「アシルアミノ」基の例は、アセチルアミノ(CHC(O)NH-)である。
【0026】
本明細書において使用される用語「アミノ」は、単独で又は組合せて、-NRRを指し、ここでR及びRは、水素、アルキル、アシル、ヘテロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルからなる群から独立して選択され、そのいずれかは、それ自身任意に置換されてよい。加えて、R及びR’は一緒に、ヘテロシクロアルキルを形成し、そのいずれかは任意に置換されている。
【0027】
本明細書において使用される用語「アリール」は、単独で又は組合せて、1、2又は3個の環を含む、炭素環式芳香族系を意味し、ここでそのような多環式環系は、一緒に縮合される。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、及びフェナントリルなどの芳香族基を包含している。
【0028】
本明細書において使用される用語「アリールアルケニル」又は「アラルケニル」は、単独で又は組合せて、アルケニル基によって親分子部分に結合されたアリール基を指す。
【0029】
本明細書において使用される用語「アリールアルコキシ」又は「アラルコキシ」は、単独で又は組合せて、アルコキシ基によって親分子部分へ結合されたアリール基を指す。
【0030】
本明細書において使用される用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、単独で又は組合せて、アルキル基によって親分子部分へ結合されたアリール基を指す。
【0031】
本明細書において使用される用語「アリールオキシ」は、単独で又は組合せて、オキシによって親分子部分へ結合されるアリール基を指す。
【0032】
本明細書において使用される用語「カルバメート」は、単独で又は組合せて、窒素又は酸末端のいずれかから親分子部分へ結合され得、且つ本明細書において定義されたように任意に置換されている、カルバミン酸のエステル(-NHCOO-)を指す。
【0033】
本明細書において使用される用語「O-カルバミル」は、単独で又は組合せて、本明細書において定義されたR及びR’を伴う、-OC(O)NRR’基を指す。
【0034】
本明細書において使用される用語「N-カルバミル」は、単独で又は組合せて、本明細書において定義されたR及びR’を伴う、ROC(O)NR’-基を指す。
【0035】
本明細書において使用される用語「カルボニル」は、単独の場合ホルミル[-C(O)H]を含み、及び組合せでは-C(O)-基である。
【0036】
本明細書において使用される用語「カルボキシル」又は「カルボキシ」は、-C(O)OH、又はカルボン酸塩中におけるような、対応する「カルボキシラート」陰イオンを指す。「O-カルボキシ」基は、RC(O)O-基を指し、ここでRは本明細書において定義されるものである。「C-カルボキシ」基は、-C(O)OR基を指し、ここでRは本明細書において定義されるものである。
【0037】
本明細書において使用される用語「シアノ」は、単独で又は組合せて、-CNを指す。
【0038】
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」、あるいは「炭素環」は、単独で又は組合せて、飽和又は部分飽和された単環式、二環式又は三環式アルキル基を指し、ここで各環状部分は、3~12個の炭素原子環員を含み、且つ任意に本明細書において定義されたように任意に置換された、ベンゾ縮合環系であってよい。用語「シクロアルケニル」は、1又は2個の二重結合を有するシクロアルキル基を指す。特定の実施態様において、該シクロアルキル(又はシクロアルケニル)は、5~7個の炭素原子を含むであろう。そのような基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、オクタヒドロナフチル、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル、アダマンチルなどを含む。本明細書において使用される「二環式」及び「三環式」は、デカヒドロナフタレン、オクタヒドロナフタレンなどの、縮合環系、並びに多環式の(多中心の)飽和又は部分不飽和型の両方を含むことを意図している。後者の型の異性体は、一般に、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、カンファー、アダマンタン、及びビシクロ[3,2,1]オクタンにより例証される。
【0039】
本明細書において使用される用語「エステル」は、単独で又は組合せて、炭素原子で連結された2つの部分を架橋するカルボキシ基を指す。
【0040】
本明細書において使用される用語「エーテル」は、単独で又は組合せて、炭素原子で連結された2つの部分を架橋するオキシ基を指す。
【0041】
本明細書において使用される用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、単独で又は組合せて、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指す。
【0042】
本明細書において使用される用語「ハロアルコキシ」は、単独で又は組合せて、酸素原子によって親分子部分へ結合されているハロアルキル基を指す。
【0043】
本明細書において使用される用語「ハロアルキル」は、単独で又は組合せて、先に定義された意味を有するアルキルラジカルを指し、ここで1又は複数の水素は、ハロゲンにより置き換えられている。具体的には、モノハロアルキル、ジハロアルキル及びポリハロアルキルラジカルが包含される。一例として、モノハロアルキルラジカルは、そのラジカル内にヨウ素、臭素、塩素、又はフッ素の原子を有し得る。ジハロ及びポリハロアルキルラジカルは、2個又はそれよりも多い同じハロ原子、又は異なるハロラジカルの組合せを有し得る。ハロアルキルラジカルの例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル及びジクロロプロピルを含む。「ハロアルキレン」は、2又はそれよりも多い位置で結合されたハロアルキル基を指す。例は、フルオロメチレン(-CFH-)、ジフルオロメチレン(-CF-)、クロロメチレン(-CHCl-)などを含む。
【0044】
本明細書において使用される用語「ヘテロアルキル」は、単独で又は組合せて、言及された数の炭素原子、並びにN、O、及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子からなる、完全に飽和されたかもしくは1~3の不飽和度を含む、安定した直鎖又は分岐鎖、又はそれらの組合せを指し、ここでN及びS原子は、任意に酸化されてよく、且つNヘテロ原子は、任意に四級化されてよい。ヘテロ原子(複数可)は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置されてよい。例えば、-CH-NH-OCHのように、最大2個のヘテロ原子が連続してよい。
【0045】
本明細書において使用される用語「ヘテロアリール」は、単独で又は組合せて、3~15員の不飽和のヘテロ単環式環、又はN、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含む、縮合環の少なくとも1つは芳香族である、縮合した単環式、二環式、もしくは三環式環系を指す。特定の実施態様において、該ヘテロアリールは、環員として1~4個のヘテロ原子を含むであろう。更なる実施態様において、該ヘテロアリールは、環員として1~2個のヘテロ原子を含むであろう。特定の実施態様において、該ヘテロアリールは、5~7個の原子を含むであろう。この用語はまた、ヘテロ環がアリール環に縮合されている、縮合多環式基も包含しており、ここでヘテロアリール環は、他のヘテロアリール環と縮合され、ここでヘテロアリール環は、ヘテロシクロアルキル環と縮合されるか、あるいはここでヘテロアリール環は、シクロアルキル環と縮合されている。ヘテロアリール基の例は、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、ピラニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾロピリダジニル、テトラヒドロイソキノリニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニルなどを含む。例証的三環式ヘテロ環式基は、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、ジベンゾフラニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどを含む。
【0046】
本明細書において使用される用語「ヘテロシクロアルキル」、及び互換的に「ヘテロ環式」は、単独で又は組合せて、互いに、環員として少なくとも1個のヘテロ原子を含む、飽和、部分不飽和、又は完全不飽和(しかし非芳香族)の単環式、二環式、又は三環式ヘテロ環式基を指し、ここで該ヘテロ原子の各々は、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択され得る。特定の実施態様において、該ヘテロシクロアルキルは、環員として1~4個のヘテロ原子を含むであろう。更なる実施態様において、該ヘテロシクロアルキルは、環員として1~2個のヘテロ原子を含むであろう。特定の実施態様において、該ヘテロシクロアルキルは、各環内に3~8個の環員を含むであろう。更なる実施態様において、該ヘテロシクロアルキルは、各環内に3~7個の環員を含むであろう。また更なる実施態様において、該ヘテロシクロアルキルは、各環内に5~6個の環員を含むであろう。「ヘテロシクロアルキル」及び「ヘテロ環式」は、スルホン、スルホキシド、第3級窒素環員のN-オキシド、並びに炭素環縮合した及びベンゾ縮合した環系を含むことが意図され;加えて、両方の用語はまた、ヘテロ環が、本明細書において定義されたアリール基、又は追加のヘテロ環式基に縮合された、系も含む。ヘテロ環式基の例は、アジリジニル、アゼチジニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロシンノリニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピリジニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、イソインドリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、チオモルホリニルなどを含む。ヘテロ環式基は、具体的に禁止されない限りは、任意に置換される。
【0047】
本明細書において使用される用語「ヒドラジニル」は、単独で又は組合せて、単結合により連結された2個のアミノ基、すなわち、-N-N-を指す。
【0048】
本明細書において使用される用語「ヒドロキシ」は、単独で又は組合せて、-OHを指す。
【0049】
本明細書において使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、単独で又は組合せて、アルキル基により親分子部分へ結合されたヒドロキシ基を指す。
【0050】
本明細書において使用される用語「イミノヒドロキシ」は、単独で又は組合せて、=N(OH)及び=N-O-を指す。
【0051】
本明細書において使用される用語「低級アミノ」は、単独で又は組合せて、-NRRを指し、ここでR及びRは、水素及び低級アルキルからなる群から独立して選択され、そのいずれかは任意に置換されている。
【0052】
本明細書において使用される用語「メルカプチル」は、単独で又は組合せて、RS-基を指し、ここでRは本明細書において定義されているものである。
【0053】
本明細書において使用される用語「ニトロ」は、単独で又は組合せて、-NOを指す。
【0054】
本明細書において使用される用語「オキシ」又は「オキサ」は、単独で又は組合せて、-O-を指す。
【0055】
本明細書において使用される用語「オキソ」は、単独で又は組合せて、=Oを指す。
【0056】
用語「ペルハロアルコキシ」は、全ての水素原子がハロゲン原子により置き換えられている、アルコキシ基を指す。
【0057】
本明細書において使用される用語「ペルハロアルキル」は、単独で又は組合せて、全ての水素原子がハロゲン原子により置き換えられている、アルキル基を指す。
【0058】
化学構造又はその一部について言及される場合、本明細書において使用される用語「環」又は同等の「サイクル」は、各原子が共通の環構造の一員である基を意味する。環は、別に提供されない限りは、芳香族を含む、飽和又は不飽和であることができ、且つ3~9員を有してよい。環がヘテロ環である場合、これは、B、N、O、S、C(O)、S(O)からなる群から選択される、1~4個のヘテロ原子又はヘテロ原子含有基を含んでよい。具体的に禁止されない限りは、環は任意に置換される。
【0059】
本明細書において使用される用語「スルホネート」、「スルホン酸」、及び「スルホニック」は、単独で又は組合せて、-SOH基、及びスルホン酸が塩形成に使用される場合、その陰イオンを指す。
【0060】
本明細書において使用される用語「スルファニル」は、単独で又は組合せて、-S-を指す。
【0061】
本明細書において使用される用語「スルフィニル」は、単独で又は組合せて、-S(O)-を指す。
【0062】
本明細書において使用される用語「スルホニル」は、単独で又は組合せて、-S(O)-を指す。
【0063】
用語「N-スルホンアミド」は、RS(=O)NR’-基を指し、R及びR’は、本明細書において定義されている。
【0064】
用語「S-スルホンアミド」は、-S(=O)NRR’基を指し、R及びR’は、本明細書において定義されている。
【0065】
本明細書において使用される用語「互変異性体」は、単独で又は組合せて、迅速に相互転換する2つ以上の異性体の一方を指す。一般に、この相互転換は十分に早いので、個々の互変異性体は、別の互変異性体の非存在下で単離されない。互変異性体の量の比は、溶媒組成、イオン強度、及びpH、並びに他の溶液パラメータによって左右されることができる。互変異性体の量の比は、特定の溶液において、及び該溶液中の生体分子結合部位の微小環境において、異なることができる。当該技術分野において周知である互変異性体の例は、ケト/エノール、エナミン/イミン、及びラクタム/ラクチム互変異性体を含む。当該技術分野において周知である互変異性体の例はまた、2-ヒドロキシピリジン/2(1H)-ピリドン及び2-アミノピリジン/2(1H)-イミノピリドン互変異性体も含む。
【0066】
本明細書において使用される用語「チア」及び「チオ」は、単独で又は組合せて、-S-基、又は酸素が硫黄により置き換えられたエーテルを指す。チオ基の酸化された誘導体、すなわちスルフィニル及びスルホニルは、チア及びチオの定義に含まれる。
【0067】
本明細書において使用される用語「チオール」は、単独で又は組合せて、-SH基を指す。
【0068】
本明細書において使用される用語「チオカルボニル」は、単独の場合チオホルミル-C(S)Hを含み、及び組合せでは-C(S)-基である。
【0069】
用語「N-チオカルバミル」は、ROC(S)NR’-基を指し、R及びR’は本明細書において定義されている。
【0070】
用語「O-チオカルバミル」は、-OC(S)NRR’基を指し、R及びR’は本明細書において定義されている。
【0071】
用語「チオシアナト」は、-CNS基を指す。
【0072】
本明細書の任意の定義は、複合構造基を説明するために、任意の他の定義と組合せて使用されてよい。転換により、任意のそのような定義の後続要素(trailing element)は、親部分へ結合するものである。例えば、複合基アルキルアミドは、アミド基によって親分子へ結合されたアルキル基を表し、用語アルコキシアルキルは、アルキル基によって親分子へ結合されたアルコキシ基を表す。
【0073】
基が「ヌル」であると定義される場合、それが意味するものは、該基は存在しないことである。
【0074】
用語「任意に置換された」は、先行する基が、置換又は非置換であってよいことを意味する。置換されている場合、「任意に置換された」基の置換基は、単独で又は組合せて、下記の基又は特に指定された基のセットから独立して選択された1又は複数の置換基を含むが、これらに限定されるものではない:低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級ヘテロアルキル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級ハロアルキニル、低級ペルハロアルキル、低級ペルハロアルコキシ、フェニル、アリール、アリールオキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、オキソ、低級アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、低級アルキルカルボニル、低級カルボキシエステル、低級カルボキシアミド、シアノ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、ニトロ、チオール、低級アルキルチオ、低級ハロアルキルチオ、低級ペルハロアルキルチオ、アリールチオ、スルホネート、スルホン酸、三置換のシリル、N、SH、SCH、C(O)CH、COCH、COH、ピリジニル、チオフェン、フラニル、低級カルバメート、及び低級尿素。構造上実現可能である場合、2つの置換基は、一緒に連結され、縮合した5-、6-、もしくは7-員の炭素環、又は0~3個のヘテロ原子からなるヘテロ環を形成し、例えばメチレンジオキシ又はエチレンジオキシを形成することができる。任意に置換された基は、非置換(例えば-CHCH)、完全に置換(例えば-CFCF)、一置換(例えば-CHCHF)、又は完全な置換と一置換の間のいずれかのレベルで置換(例えば-CHCF)されることができる。置換について制限されない置換基が言及される場合、置換型及び非置換型の両方が包含される。置換基が「置換される」制限がある場合、その置換型が、具体的に意図される。加えて特定部分への任意の置換基の異なるセットは、必要に応じて定義されてよく;これらの場合、任意の置換基が、語句「により任意に置換され」の直後に、定義されることが多いであろう。
【0075】
用語R又は用語R’は、それ自身及び数値指定を伴わずに、別に定義しない限り、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される部分を指し、そのいずれかは任意に置換されている。そのようなR及びR’基は、本明細書において定義されたように、任意に置換されると理解されるべきである。R基が、数値指定を有するかどうかにかかわらず、R、R’及びR(式中、n=(1、2、3、…n))を含む各R基、各置換基、並びに各用語は、基からの選択に関して他の全てから独立していると理解されるべきである。何らかの変数、置換基、又は用語(例えば、アリール、ヘテロ環、Rなど)が、式又は一般構造において2回以上出現するならば、各出現でのその定義は、他の全ての出現での定義とは無関係である。当業者は、特定の基は、親分子へ結合されることができるか、又は記載されたようにいずれかの末端からの元素鎖中の位置を占拠することができることを、更に認めるであろう。例えば、-C(O)N(R)-などの非対称基は、炭素又は窒素のいずれかで、親部分へ結合することができる。
【0076】
不斉中心が、本明細書で開示された化合物中に存在する。これらの中心は、キラル炭素原子の周囲の置換基の配置に応じて、記号「R」又は「S」により指定される。本発明は、ジアステレオマー、エナンチオマー、及びエピマーの形態、並びにd-異性体及びl-異性体、並びにそれらの混合物を含む、全ての立体化学異性体型を包含することは、理解されるべきである。化合物の個別の立体異性体は、キラル中心を含む商業的に入手可能な出発材料からの合成によるか、又はエナンチオマー性生成物の混合物の調製、それに続くジアステレオマーの混合物への転換、それに続く分離もしくは再結晶などの分離、クロマトグラフィー技術、キラルクロマトグラフィーカラム上のエナンチオマーの直接分離、又は当該技術分野において公知の任意の他の好適な方法により、調製することができる。特定の立体化学の出発化合物は、商業的に入手可能であるか、又は当該技術分野において公知の技術により製造及び分割することができるかのいずれかである。加えて、本明細書に開示された化合物は、幾何異性体として存在することができる。本発明は、シス、トランス、シン、アンチ、E体(entgegen)、及びZ体(zusammen)異性体の全て、並びにそれらの好適な混合物を含む。加えて、化合物は、互変異性体として存在してよく;全ての互変異性体は、本発明により提供される。加えて、本明細書に開示された化合物は、非溶媒和型、並びに水、エタノールなどの医薬として許容し得る溶媒との溶媒和型で存在することができる。概して、溶媒和型は、非溶媒和型と同等であると考えられる。
【0077】
用語「結合」は、2個の原子間の共有的連結、又は結合により連結された原子がより大きい構造の一部であると考えられる場合の2つの部分を指す。結合は、別に特定しない限りは、単、二重、又は三重であってよい。分子図の中の2個の原子間の破線は、追加の結合が、その位置に存在又は非存在することができることを指摘している。
【0078】
本明細書において使用される用語「疾患」は、全ては、ヒトもしくは動物の体の異常な状態、又は正常な機能を損なっており、典型的には識別可能な徴候及び症状により顕在化されており、且つヒト又は動物に低下された生存の期間もしくは質を引き起こすその部分の一つの異常な状態を反映しているという点で、用語「障害」、「症候群」及び「状態」(病態であるような)と、一般に同義であり、且つ互換的に使用されることが意図される。
【0079】
用語「併用療法」は、本開示に説明された治療的状態又は障害を治療するための、2種以上の治療薬の投与を意味する。そのような投与は、固定した比の活性成分を有する単独のカプセル剤中、又は各活性成分の複数の個別のカプセル剤中など、実質的に同時の様式でのこれらの治療薬の共投与を包含している。加えて、そのような投与はまた、逐次様式での各型の治療薬の使用を包含している。いずれの場合にも、治療レジメンは、本明細書記載の状態又は障害の治療における薬物併用の有益な作用を提供するであろう。
【0080】
「PTPN11インヒビター」は、全般的に本明細書に記載されたPTPN11アッセイにおいて測定される際に、約100μM以下、より典型的には約50μM以下のPTPN11活性に関するIC50示す化合物を指すように、本明細書において使用される。「IC50」は、酵素(例えば、PTPN11)の活性を最大レベルの半分に低下する阻害濃度である。本明細書に開示された特定の化合物は、PTPN11に対する阻害を示すことが発見されている。特定の実施態様において、化合物は、本明細書記載のPTPN11アッセイにおいて測定した際に、約50μM以下のPTPN11に関するIC50を示し;更なる実施態様において、化合物は、約10μM以下のPTPN11に関するIC50を示し;また更なる実施態様において、化合物は、最高で約1μMのPTPN11に関するIC50を示し;また更なる実施態様において、化合物は、最高で約200nMのPTPN11に関するIC50を示す。
【0081】
語句「治療的に有効」とは、疾患もしくは障害の治療において、又は臨床エンドポイントの効果に関して、使用される活性成分の量を適格とすることが意図される。
【0082】
語句「治療的に許容し得る」とは、過度の毒性、刺激、及びアレルギー反応を伴わずに患者の組織と接触させる使用に適し、妥当なベネフィット/リスク比にふさわしく、且つそれらの意図された用途について効果がある、それらの化合物(又は塩、プロドラッグ、互変異性体、両性イオン型など)を指す。
【0083】
本明細書において使用される患者の「治療」に関する言及は、予防を含むことが意図される。治療はまた、実際に先手をとることができ、すなわちこれは、疾患の防止を含んでよい。疾患の防止は、例えば病原体による感染症の防止の場合のように、疾患からの完全な保護に関与するか、又は疾患の進行の防止に関与してよい。例えば、疾患の防止は、あらゆるレベルでの疾患に関連したあらゆる効果の完全な放棄(foreclosure)を意味するものではないが、代わりに臨床的に有意な又は検出可能なレベルでの疾患の症状の防止を意味し得る。疾患の防止はまた、疾患のその後の病期への疾患の進行の防止も意味することができる。
【0084】
用語「患者」は、用語「対象」と一般に同義語であり、且つヒトを含む全ての哺乳動物を含む。患者の例は、ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、及びウサギなどの家畜、並びにイヌ、ネコ、ウサギ、及びウマなどの伴侶動物を含む。好ましくは、患者はヒトである。
【0085】
用語「プロドラッグ」は、インビボにおいてより活性があるよう製造される化合物を指す。本明細書に開示された特定の化合物はまた、プロドラッグとして存在することができる。本明細書記載の化合物のプロドラッグは、生理的条件下で化学変化を容易に受け、本化合物を提供する、本化合物の構造的に改変された形態である。加えて、プロドラッグは、エクスビボ環境において化学的又は生化学的方法により、本化合物へ転換され得る。例えば、プロドラッグは、好適な酵素又は化学試薬と共に、経皮貼付貯蔵庫内に配置された場合に、化合物へゆっくり転換され得る。プロドラッグは、一部の状況においては、本化合物、又は親薬物よりも投与することが容易であるので、これらは有用であることが多い。例えば、経口投与により、親薬物は生体利用可能ではないのに対し、これらは生体利用可能である。プロドラッグはまた、親薬物を上回る、医薬組成物中で改善された溶解度を有することができる。プロドラッグの加水分解的切断又は酸化的活性化に頼るものなど、多種多様なプロドラッグ誘導体が、当該技術分野において公知である。非限定的なプロドラッグの例は、エステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後活性実体であるカルボン酸へ代謝により加水分解される化合物である。別の例は、化合物のペプチジル誘導体を含む。
【0086】
本明細書に開示された化合物は、治療的に許容し得る塩として存在することができる。本発明は、酸付加塩を含む、塩の形態の先に列挙された化合物を含む。好適な塩は、有機酸及び無機酸の両方により形成されたものを含む。そのような酸付加塩は、通常医薬として許容し得る。しかし医薬として許容し得ない塩の塩は、問題の化合物の調製及び精製において利用可能である。塩基付加塩も、形成され、且つ医薬として許容し得る。
【0087】
本明細書において使用される用語「治療的に許容し得る塩」とは、水又は油に可溶性もしくは分散性であり、且つ本明細書において定義されたように治療的に許容し得る、本明細書に開示された化合物の塩又は両性イオン型を表す。これらの塩は、本化合物の最終の単離及び精製時に調製されるか、又は個別に好適な酸と、遊離塩基の形の好適な化合物を反応することにより、調製することができる。代表的酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、L-アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチシン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、DL-マンデル酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ホスホン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピログルタミン酸、コハク酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、L-酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、パラ-トルエンスルホン酸塩(p-トシラート)、及びウンデカン酸塩を含む。同じく、本明細書に開示された化合物の塩基性基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミルの硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステリルの塩化物、臭化物、及びヨウ化物;並びに、ベンジル及びフェネチルの臭化物により、四級化されることができる。治療的に許容し得る付加塩の形成に利用することができる酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸などの無機酸、並びにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、及びクエン酸などの有機酸を含む。塩はまた、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のイオンによる、本化合物の配位により形成されることもできる。従って本発明は、本明細書に開示された化合物の、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムの塩などを企図している。
【0088】
塩基付加塩は、カルボキシ基を、金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などの好適な塩基と、又はアンモニアもしくは有機第一級、第二級、もしくは第三級アミンと反応させることにより、本化合物の最終の単離及び精製時に調製することができる。治療的に許容し得る塩の陽イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム、並びに無毒の第4級アミン陽イオン、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン、及びN,N’-ジベンジルエチレンジアミンを含む。塩基付加塩の形成に有用なその他の代表的有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、及びピペラジンを含む。
【0089】
化合物の塩は、遊離塩基の形の好適な化合物の好適な酸との反応により、生成することができる。
【0090】
略語のリスト
NaOH=水酸化ナトリウム;M=モル;mL=ミリリットル;h=時;min.=分;HCl=塩化水素;HO=水;MS=質量分析;ES+=陽イオンエレクトロスプレーイオン化;H-NMR=プロトン核磁気共鳴;MHz=メガヘルツ;DMSO-d=重水素化ジメチルスルホキシド;H=水素;rt=室温;℃=摂氏;Br=臭素;NaHSO=亜硫酸水素ナトリウム; NMP=N-メチル-2-ピロリドン;MW=マイクロウェーブ;KF=フッ化カリウム;Pd(dppf)Cl=[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロリドパラジウム(II);PE=石油エーテル;EA=酢酸エチル;CDCl=重水素化クロロホルム;MeOH=メタノール;DO=重水素水;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;DMSO=ジメチルスルホキシド;MeCN=アセトニトリル;NIS=N-ヨードスクシンイミド;DMF=ジメチルホルムアミド;KPO=リン酸三カリウム;N=窒素;TBDMS=TBS=tert-ブチルジメチルシリル;TFA=トリフルオロ酢酸;DCM=ジクロロメタン;KCO=炭酸カリウム;ul=マイクロリットル。
【0091】
実施態様
本発明の特定の実施態様において、化合物は、構造式Iを有するか、又はその塩もしくは互変異性体である:
【化2】
(式中、aは、0又は1であり;
bは、0又は1であり;
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、並びに1~4個のヘテロ原子もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5~9員のヘテロアリール基からなる群から選択され;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシC1-4アルコキシ、ジヒドロキシC1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
、R、R10、及びR11は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され;
、R、R、及びRは、水素、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、C3-8シクロアルキル、ハロ、及びC1-4アルキルアミノからなる群から独立して選択され;
は、アミノ、C1-4アミノアルキル、及びC1-4アルキルアミノからなる群から選択され;
は、水素、シアノ、アミド、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択されるか、又はそのいずれかは1又は複数のR17基により任意に置換されている、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-もしくは6-員のヘテロアリールからなる群から選択されるか;
あるいは、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1~3個のヘテロ原子、又はN、C(O)、O、及びS(O)からなる群から独立して選択される基を含むことができ、且つ1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員の飽和又は不飽和の環を形成し;
mは、0、1、又は2であり;
、R、R、R、R、R、R、R10及びR11の任意の2つの基は、N、OもしくはSヘテロ原子を任意に含む、5-~6-員環を形成することができ;
、R、R、R及びR10の任意の2つの基は、直接結合、又は1もしくは2個の原子の炭素橋を形成することができ;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、及び3-~6-員のヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル及び3-~6-員のヘテロシクリルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択された1又は複数の置換基により任意に置換され;
17及びR18の各々は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から選択され;
19及びR20の各々は、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル及びC3-6シクロアルキルからなる群から独立して選択され;並びに
各R21は、H、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル及びC3-6シクロアルキルからなる群から独立して選択される)。
【0092】
本明細書に開示された特定の化合物は、有用なPTPN11阻害活性を有することができ、且つPTPN11が能動的役割を果たす疾患又は状態の治療又は予防において使用され得る。従って広範な態様において、特定の実施態様はまた、本明細書に開示された1又は複数の化合物を、医薬として許容し得る担体と一緒に含有する医薬組成物、これらの化合物及び組成物を製造及び使用する方法も提供する。特定の実施態様は、PTPN11を阻害する方法を提供する。他の実施態様は、本発明に従い化合物又は組成物の治療的有効量を、該患者へ投与することを含む、そのような治療を必要とする患者においてPTPN11-媒介型障害を治療する方法を提供する。PTPN11の阻害により改善される疾患又は状態の治療のための医薬品の製造における用途に関する、本明細書に開示された特定の化合物の使用も提供する。
【0093】
特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、C-Cシクロアルキル、N、O及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子環頂点を有する5-又は6-員のヘテロシクリル、N、O及びSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子環頂点を有する5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択され;ここでヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換されている。
【0094】
特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、又はC-Cシクロアルキルである。特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、又は-CHFOHである。特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン、C1-6アルキル、又はC1-6ハロアルキルである。特定の実施態様において、R1bは、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、又は-CHFOHである。特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン又はC1-6アルキルである。特定の実施態様において、R1bは、ハロゲンである。特定の実施態様において、R1bは、C1-6アルキルである。特定の実施態様において、R1bは、C1-6ヒドロキシアルキルである。特定の実施態様において、R1bは、クロロ、メチル、CHF、CHF、又はCHOHである。特定の実施態様において、R1bは、クロロである。特定の実施態様において、R1bは、メチルである。特定の実施態様において、R1bは、CHOHである。
【0095】
特定の実施態様において、R1bは、N、O及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子環頂点を有する5-又は6-員のヘテロシクリル;又は、N、O及びSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子環頂点を有する5-又は6-員のヘテロアリールであり;ここでヘテロアリール及びヘテロシクリルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、C1-4アルコキシ、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~2員により置換されている。
【0096】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに、R13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換されている。
【0097】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、及びC1-4アミノアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換される。
【0098】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換される。
【0099】
特定の実施態様において、R、R、R10、及びR11は、独立して水素又はC1-4アルキルである。特定の実施態様において、R、R、R10、及びR11は、各々水素である。
【0100】
特定の実施態様において、R、R、R、及びRは、水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、C3-8シクロアルキル、及びC1-4アルキルアミノからなる群から独立して選択される。特定の実施態様において、R、R、R、及びRは、独立して水素、C1-4アルキルである。特定の実施態様において、R、R、R、及びRは、各々水素である。
【0101】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、及びC1-4アミノアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに、R、R、R、及びRは、水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、C3-8シクロアルキル、及びC1-4アルキルアミノからなる群から独立して選択される。
【0102】
特定の実施態様において、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、各々水素である。
【0103】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1~3個のヘテロ原子、又はN、C(O)、O、及びS(O)からなる群から独立して選択される基を含むことができ、且つ1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員の飽和又は不飽和環を形成する。
【0104】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員のシクロアルキル環を形成する。
【0105】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0106】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換され、且つ1個のR18基により任意に置換されている、3-~7-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0107】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により置換され、且つ1個のR18基により置換されている、3-~7-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0108】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換されている、3-~7-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0109】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~6-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0110】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換され、且つ1個のR18基により任意に置換されている、3-~6-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0111】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により置換され、且つ1個のR18基により置換されている、3-~6-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0112】
特定の実施態様において、R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換されている、3-~6-員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0113】
特定の実施態様において、Rは、アミノ、C1-4アミノアルキル、及びメチルアミノからなる群から選択される。特定の実施態様において、Rは、アミノ又はC1-4アミノアルキルである。特定の実施態様において、Rは、アミノ、アミノメチル、又はメチルアミノである。特定の実施態様において、Rは、アミノ又はアミノメチルである。特定の実施態様において、Rは、アミノである。特定の実施態様において、Rは、アミノメチルである。
【0114】
特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシル、そのいずれかが1又は複数のR17基により任意に置換されている、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択される。特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択される。特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシ、C1-4アルキル、又はC1-4ヒドロキシアルキルである。特定の実施態様において、Rは、C1-4アルキルである。特定の実施態様において、Rは、メチルである。
【0115】
特定の実施態様において、Rは、C1-4アミノアルキルであり;並びに、Rは、ヒドロキシ、そのいずれかが1又は複数のR17基により任意に置換されている、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択される。
【0116】
特定の実施態様において、Rは、アミノメチルであり;並びに、Rは、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択される。
【0117】
特定の実施態様において、Rは、アミノであり;並びに、Rは、アミド、そのいずれかが1又は複数のR17基により任意に置換されている、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択される。
【0118】
特定の実施態様において、Rは、アミノであり;並びに、Rは、C1-4ヒドロキシアルキルである。特定の実施態様において、Rは、アミノであり;並びに、Rは、C1-4アルキルである。特定の実施態様において、Rは、アミノであり;並びに、Rは、メチルである。
【0119】
前記実施態様のいずれかにおいて、Rのアミドは、具体的には-C(O)NHであることができる。
【0120】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、及びC1-4アミノアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;Rは、アミノ、C1-4アミノアルキル、及びC1-4アルキルアミノからなる群から選択され;並びに、Rは、水素、シアノ、アミド、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択されるか、あるいはそのいずれかは1又は複数のR17基により任意に置換されている、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-もしくは6-員のヘテロアリールからなる群から選択されている。
【0121】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;Rは、アミノ、C1-4アミノアルキル、及びC1-4アルキルアミノからなる群から選択され;Rは、水素、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択されるか、又はそのいずれかは1又は複数のR17基により任意に置換されている、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-もしくは6-員のヘテロアリールからなる群から選択されている。
【0122】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、及びC1-4アミノアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1~3個のヘテロ原子又はN、C(O)、O、及びS(O)からなる群から独立して選択される基を含むことができ、且つ1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員の飽和又は不飽和の環を形成している。
【0123】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1~3個のヘテロ原子又はN、C(O)、O、及びS(O)からなる群から独立して選択される基を含むことができ、且つ1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員の飽和又は不飽和の環を形成している。
【0124】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、及びC1-4アミノアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員のヘテロシクロアルキルを形成している。
【0125】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;R及びRは、それら両方が結合した炭素原子と一緒に、1個のR17基により任意に置換され、且つ1又は複数のR18基により任意に置換されている、3-~7-員のヘテロシクロアルキルを形成している。
【0126】
特定の実施態様において、各R17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、及びシアノからなる群から独立して選択される。特定の実施態様において、各R17は、アミノ、ヒドロキシ、及びシアノからなる群から独立して選択される。特定の実施態様において、各R17は、アミノ、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択される。特定の実施態様において、各R17は、アミノである。
【0127】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、及びC1-4アミノアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに、R17は、アミノ、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択される。
【0128】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに、R17は、アミノ、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択される。
【0129】
特定の実施態様において、各R18は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、及びC1-4アルキルからなる群から独立して選択される。特定の実施態様において、各R18は、ハロである。特定の実施態様において、各R18は、C1-4アルキルである。特定の実施態様において、各R18は、メチルである。
【0130】
特定の実施態様において、R1aは、C6-10アリール、又は1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基であり;並びに、該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換される。
【0131】
特定の実施態様において、R1aは:
【化3】
からなる群から選択され;並びに
各R12は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される。
【0132】
特定の実施態様において、R1aは:
【化4】
からなる群から選択され;並びに
各R12は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される。
【0133】
特定の実施態様において、R1aは:
【化5】
からなる群から選択され;並びに
各R12は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される。
【0134】
特定の実施態様において、R1aは、前述のように選択され、ここで各R12は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジメチルアミノ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される。特定の実施態様において、R1aは、前述のように選択され、ここで各R12は、独立してハロ、アミノ、又はC1-4アルキルアミノである。特定の実施態様において、R1aは、前述のように選択され、ここで各R12は、独立してハロ、アミノ、メチルアミノ、又はエチルアミノである。特定の実施態様において、R1aは、前述のように選択され、ここで各R12は、独立してハロ、メチルアミノ、又はエチルアミノである。
【0135】
特定の実施態様において、R1aは、ピリジル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、及びピリダジニルからなる群から選択される。特定の実施態様において、R1aは、ピリジルである。
【0136】
特定の実施態様において、R1aは、フェニルである。
【0137】
特定の実施態様において、化合物は、構造式II:
【化6】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され(the group consisting of the group consisting of);ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
は、アミノ、C1-4アミノアルキル、及びC1-4アルキルアミノからなる群から選択され;
は、水素、シアノ、アミド、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択されるか、あるいはそのいずれかは1又は複数のR17基により任意に置換されている、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;並びに
各R17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される。
【0138】
特定の実施態様において、化合物は、構造式III:
【化7】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子を含む5-~9-員のヘテロアリール基、又はN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基からなる群から選択され;該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
は、アミノ、C1-4アミノアルキル、及びC1-4アルキルアミノからなる群から選択され;
は、水素、シアノ、アミド、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択されるか、あるいはそのいずれかは1又は複数のR17基により任意に置換されている、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、及び5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;並びに
各R17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から独立して選択される。
【0139】
特定の実施態様において、化合物は、構造式IV:
【化8】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;
該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換される。
【0140】
特定の実施態様において、化合物は、構造式V:
【化9】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;
該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;並びに
17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から選択される。
【0141】
特定の実施態様において、化合物は、構造式VI:
【化10】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子基、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリールからなる群から選択され;
該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;
17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から選択され;並びに
18は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、及びC1-4アルキルからなる群から選択される。
【0142】
特定の実施態様において、化合物は、構造式VII:
【化11】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;
該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;
17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から選択され;並びに
各R18は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、及びC1-4アルキルからなる群から選択される。
【0143】
特定の実施態様において、化合物は、構造式VIII:
【化12】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;
該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;並びに
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;
17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から選択され;並びに
18は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、及びC1-4アルキルからなる群から選択される。
【0144】
特定の実施態様において、化合物は、構造式IX:
【化13】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;
該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;並びに
17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から選択される。
【0145】
特定の実施態様において、化合物は、構造式X:
【化14】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;
該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;並びに
17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から選択される。
【0146】
特定の実施態様において、化合物は、構造式XI:
【化15】
を有するか、又はその塩もしくは互変異性体であり、式中:
1aは、ハロ、C6-10アリール、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、及び1~4個のヘテロ原子、もしくはN、C(O)、O、及びSからなる群から独立して選択される基を含む5-~9-員のヘテロアリール基からなる群から選択され;
該R1aのアリール又はヘテロアリールは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アミノアルキル、C3-8シクロアルキル、C3-8シクロアルケニル、NR15C(O)R13、NR15C(O)OR13、NR13C(O)NR1516、NR15S(O)R13、NR15S(O)13、C(O)NR1516、S(O)NR1516、S(O)NR1516、C(O)R13、C(O)OR13、SR13、S(O)R13、及びS(O)13からなる群から独立して選択される1~5個のR12基により任意に置換され;
1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、-NH-NHR19、-NH-OR19、-O-NR1920、-NHR19、-OR19、-NHC(O)R19、-NHC(O)NHR19、-NHS(O)NHR19、-NHS(O)19、-C(O)OR19、-C(O)NR1920、-C(O)NH(CHOH、-C(O)NH(CH21、-C(O)R21、-NH、-OH、-CN、-S(O)NR1920、C-Cシクロアルキル、アリール、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロシクリル、N、O、S及びPからなる群から選択される1~5個のヘテロ原子環頂点を有するヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、下付文字nは、0~6の整数であり;並びに、ここでアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換され;
13、R15、及びR16は、水素、C1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからなる群から独立して選択され、ここで該アルキル又はシクロアルキルは、ヒドロキシ、シアノ及びハロからなる群から選択される1又は複数の置換基により任意に置換され;
17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシからなる群から選択され;並びに
18は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、及びC1-4アルキルからなる群から選択される。
【0147】
式II-XIのいずれか一つの特定の実施態様において、R1a、R1b、R、R、R17、及びR18は、先に注記した選択された実施態様の1又は複数のいずれかに明記した意味を有することができる。
【0148】
式II-XIのいずれか一つの特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH、C-Cシクロアルキル、N、O、及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子環頂点を有する5-又は6-員のヘテロシクリル、N、O、及びSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子環頂点を有する5-又は6-員のヘテロアリールからなる群から選択され;ここで、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、-OR21、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~3員により置換される。
【0149】
式II-XIのいずれか一つの特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、-CHFOH及びC-Cシクロアルキルからなる群から選択される。特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、又は-CHFOHである。特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン、C1-6アルキル、又はC1-6ハロアルキルである。特定の実施態様において、R1bは、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、又は-CHFOHである。特定の実施態様において、R1bは、ハロゲン又はC1-6アルキルである。特定の実施態様において、R1bは、ハロゲンである。特定の実施態様において、R1bは、C1-6アルキルである。特定の実施態様において、R1bは、C1-6ヒドロキシアルキルである。特定の実施態様において、R1bは、クロロ、メチル、CHF、CHF、又はCHOHである。特定の実施態様において、R1bは、クロロである。特定の実施態様において、R1bは、メチルである。特定の実施態様において、R1bは、CHOHである。
【0150】
式II-XIのいずれか一つの特定の実施態様において、R1bは、N、O、及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子環頂点を有する5-又は6-員のヘテロシクリル、並びにN、O、及びSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子環頂点を有する5-又は6-員のヘテロアリールであり;ここで、ヘテロアリール及びヘテロシクリルは、C1-4アルキル、-OH、-NH、C1-4アルコキシ、ハロゲン、シアノ及びオキソからなる群から独立して選択される0~2員により置換される。
【0151】
式II又はIIIの特定の実施態様において、Rは、アミノである。特定の実施態様において、Rは、C1-4アミノアルキルである。特定の実施態様において、Rは、アミノメチルである。特定の実施態様において、Rは、メチルアミノである。
【0152】
式II又はIIIの特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシである。特定の実施態様において、Rは、C1-4ヒドロキシアルキルである。特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシメチルである。特定の実施態様において、Rは、シアノ及びアミドからなる群から選択される。特定の実施態様において、Rは、シアノ及び-C(O)NHからなる群から選択される。特定の実施態様において、Rは、C1-4アルキルである。特定の実施態様において、Rは、メチルである。
【0153】
式II-XIのいずれか一つの特定の実施態様において、各R12基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキル、及びC1-4アミノアルキルからなる群から独立して選択される。特定の実施態様において、各R12基は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される。特定の実施態様において、各R12は、独立してハロ、アミノ、メチルアミノ、又はエチルアミノである。特定の実施態様において、各R12は、独立してハロ、メチルアミノ、又はエチルアミノである。
【0154】
特式V-XIのいずれか一つの定の実施態様において、R17は、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、及びシアノからなる群から選択される。特定の実施態様において、R17は、アミノ、ヒドロキシ、及びシアノからなる群から選択される。特定の実施態様において、R17は、アミノ、ハロ、及びヒドロキシからなる群から選択される。特定の実施態様において、R17は、アミノである。
【0155】
式VI、VIII及びXIのいずれか一つの特定の実施態様において、R18は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、及びC1-4アルキルからなる群から選択される。特定の実施態様において、R18は、ハロである。特定の実施態様において、R18は、C1-4アルキルである。特定の実施態様において、R18は、メチルである。
【0156】
式VIIの特定の実施態様において、各R18は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、及びC1-4アルキルからなる群から独立して選択される。特定の実施態様において、各R18は、独立してハロ又はC1-4アルキルである。特定の実施態様において、各R18は、メチルである。
【0157】
先に記載した実施態様のいずれかを含む特定の実施態様において、更なる実施態様は、R1aが、その各々が0~2個のR12により置換されている、フェニル又はピリジルであるものである。
【0158】
先に記載した実施態様のいずれかを含む特定の実施態様において、更なる実施態様は、R1bが、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ジヒドロキシアルキル、-CFOH、及び-CHFOHからなる群から選択されているものである。先に記載した実施態様のいずれかを含む更に他の選択された実施態様において、更なる実施態様は、R1bが、-CHOHであるものである。
【0159】
先に記載した実施態様のいずれかを含む特定の実施態様において、更なる実施態様は、R1bがメチルであるものである。
【0160】
先に記載した実施態様のいずれかを含む特定の実施態様において、更なる実施態様は、R1bがクロロであるものである。
【0161】
その組合せが互いに排他的でないことを条件として、先の実施態様のいずれかを、これらの実施態様の任意の1又は複数と組合せることができる実施態様も、提供される。
【0162】
本明細書において使用される2つの実施態様は、一方が他方とは異なるものであると規定される場合に、「互いに排他的」である。例えば、2個の基が一緒にシクロアルキルを形成する実施態様は、1個の基がエチルであり他方の基が水素である実施態様と、互いに排他的である。同様に、1個の基がCHである実施態様は、同じ基がNHである実施態様と互いに排他的である。
【0163】
本明細書に開示された実施例から選択された化合物も提供される。
【0164】
使用方法
本発明はまた、PTPN11を、本明細書記載の化合物と接触させる工程を含む、少なくとも1種のPTPN11の機能を阻害する方法にも関する。細胞表現型、細胞増殖、PTPN11の活性、活性PTPN11によりもたらされた生化学的結果の変化、PTPN11の発現、又はPTPN11の天然の結合パートナーとの結合は、モニタリングすることができる。そのような方法は、疾患の治療、生物学的アッセイ、細胞アッセイ、生化学的アッセイなどの様式であることができる。
【0165】
本明細書に開示された化合物、又はその塩もしくは互変異性体の治療的有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む、PTPN11-媒介性疾患の治療方法も、本明細書に提供される。
【0166】
特定の実施態様において、この疾患は、ヌーナン症候群又はレオパード症候群である。
【0167】
特定の実施態様において、この疾患は、癌である。
【0168】
特定の実施態様において、この癌は、乳癌、結腸癌、白血病、又はメラノーマである。
【0169】
本明細書に開示された化合物、又はその塩もしくは互変異性体の治療的有効量を、それを必要とする患者へ投与することを含む、PTP-媒介性疾患の治療方法も、本明細書に提供される。
【0170】
特定の実施態様において、この疾患は、ヌーナン症候群又はレオパード症候群である。
【0171】
特定の実施態様において、この疾患は、癌である。
【0172】
特定の実施態様において、この癌は、乳癌、結腸癌、白血病、又はメラノーマである。
【0173】
医薬品として使用するための本明細書に開示された化合物も、本明細書に提供される。
【0174】
PTPN11-媒介性疾患の治療のための医薬品として使用するための本明細書に開示された化合物も、本明細書に提供される。
【0175】
PTP-媒介性疾患の治療のための医薬品として使用するための本明細書に開示された化合物も、本明細書に提供される。
【0176】
医薬品としての本明細書に開示された化合物の使用も、提供される。
【0177】
PTPN11-媒介性疾患の治療のための医薬品としての本明細書に開示された化合物の使用も、提供される。
【0178】
PTPN11-媒介性疾患の治療のための医薬品の製造における使用のための本明細書に開示された化合物も、提供される。
【0179】
PTPN11-媒介性疾患の治療のための本明細書に開示された化合物の使用も、提供される。
【0180】
PTP-媒介性疾患の治療のための本明細書に開示された化合物の使用も、提供される。
【0181】
PTPN11を、本明細書に開示された化合物、又はその塩もしくは互変異性体と接触させることを含む、PTPN11の阻害方法も、本明細書に提供される。
【0182】
PTPを、本明細書に開示された化合物、又はその塩もしくは互変異性体と接触させることを含む、PTPの阻害方法も、本明細書に提供される。
【0183】
本明細書に開示された化合物、又はその塩もしくは互変異性体の治療的有効量を、患者へ投与することを含む、患者における効果を達成する方法も、本明細書に提供され、ここでこの効果は、認知増強である。
【0184】
特定の実施態様において、PTPN11-媒介性疾患は、ヌーナン症候群又はレオパード症候群である。
【0185】
特定の実施態様において、PTPN11-媒介性疾患は、癌である。
【0186】
特定の実施態様において、PTPN11-媒介性疾患は、乳癌、結腸癌、白血病、又はメラノーマである。
【0187】
本明細書に開示された化合物の治療的有効量の投与を含む、対象におけるPTPN11-媒介型機能の調節方法も、提供される。
【0188】
医薬組成物
本明細書に開示された化合物を、医薬として許容し得る担体と一緒に含有する医薬組成物も、提供される。
【0189】
特定の実施態様において、この医薬組成物は、経口投与のために製剤化される。
【0190】
特定の実施態様において、この医薬組成物は、非経口投与のために製剤化される。
【0191】
特定の実施態様において、この医薬組成物は、静脈内投与のために製剤化される。
【0192】
特定の実施態様において、この医薬組成物は、皮下投与のために製剤化される。
【0193】
特定の実施態様において、経口の医薬組成物は、錠剤又はカプセル剤である。
【0194】
本発明の化合物は、原料化学物質として投与されることが可能であるが、医薬製剤としてそれらが存在することも可能である。従って、本明細書に開示された特定の化合物の1もしくは複数、又はその医薬として許容し得る塩、エステル、プロドラッグ、アミド、もしくは溶媒和物の1もしくは複数を、1又は複数のその医薬として許容し得る担体、及び任意に1又は複数の他の治療成分と一緒に含有する医薬製剤が、本明細書において提供される。担体(複数可)は、製剤の他の成分と適合性があり、且つそのレシピエントに有害ではないという意味で、「許容され得」なければならない。適切な製剤は、選択された投与経路によって決まる。周知の技術、担体、及び賦形剤のいずれかを、適切に且つ当該技術分野において理解されるように使用することができる。本明細書に開示された医薬組成物は、当該技術分野において公知の任意の方法、例えば通常の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、粉末化、乳化、カプセル封入、閉じ込め、又は圧縮のプロセスにより、製造することができる。
【0195】
これらの製剤は、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内、及び髄内を含む)、腹腔内、経粘膜、経皮、直腸及び局所(真皮、口腔内、舌下及び眼球内を含む)の投与に適したものを含むが、最も適している経路は、例えば、レシピエントの状態及び障害によって決まり得る。これらの製剤は、好都合なことに単位剤形で提示することができ、且つ調剤分野において周知のいずれかの方法により調製されることができる。典型的には、これらの方法は、本発明の化合物又はその医薬として許容し得る塩、エステル、アミド、プロドラッグもしくは溶媒和物(「活性成分」)を、1又は複数の付属成分を構成する担体と会合させる工程を含む。概して、これらの製剤は、活性成分を、液体担体又は微細な固体担体と均一且つ緊密に会合させ、次に必要ならば所望の製剤に製品を造形することにより調製される。
【0196】
経口投与に適している本明細書に開示された化合物の製剤は、各々が予め決定された量の活性成分を含有するカプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤などの、個別の単位として;散剤もしくは顆粒剤として;水性液体もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤として;又は、水中油型液体乳剤もしくは油中水型液体乳剤として、提示されてよい。この活性成分はまた、ボーラス剤、舐剤又は泥膏としても提示されてよい。
【0197】
経口使用され得る医薬調製品は、錠剤、ゼラチンで製造された押込式カプセル剤、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で製造された密封式軟カプセル剤を含む。錠剤は、任意に1又は複数の付属成分を伴い、圧縮又は成形により製造されることができる。圧縮錠は、任意に結合剤、不活性希釈剤、又は滑沢剤、表面活性化剤もしくは分散剤と混合した、粉末又は顆粒などの自在流動形態の活性成分を、好適な機械において圧縮することにより調製されることができる。成形錠は、不活性液体希釈剤により加湿された粉末化された化合物の混合物を好適な機械において成形することにより製造されることができる。これらの錠剤は、任意にコーティングされるか、又は切れ目を入れられるかしてよく、且つそれらの中の活性成分の緩徐放出もしくは制御放出を提供するように製剤化されてよい。経口投与のための全ての製剤は、そのような投与に適した用量であるべきである。押込式カプセル剤は、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、並びに任意に安定化剤と混合した、活性成分を含有することができる。軟カプセル剤において、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体中に、溶解又は懸濁化されることができる。加えて、安定化剤が添加されてよい。糖衣錠コアは、好適なコーティングを備えて提供される。この目的のために、濃厚化された糖溶液を使用することができ、これらは任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び好適な有機溶媒もしくは溶媒混合物を含んでよい。活性化合物の投与量の異なる組合せを識別又は特徴付けるために、錠剤もしくは糖衣錠コーティングへ、染料又は顔料が添加されてよい。
【0198】
本化合物は、例えばボーラス注射又は連続点滴によるなど、注射による非経口的投与のために製剤化されてよい。注射用製剤は、添加された保存剤と共に、例えばアンプル中又は反復投与量の容器中など、単位剤形で提示され得る。これらの組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又は乳液の形をとることができ、且つ懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤などの、製剤化物質を含むことができる。これらの製剤は、例えば、密封されたアンプル及びバイアルなど単位投与量又は反復投与量の容器中に提示されてよく、且つ使用直前の例えば食塩水又は滅菌パイロジェンフリー水などの無菌の液体担体の添加のみを必要とする、粉末形状又は凍結させ乾燥させた(凍結乾燥)状態で貯蔵されることができる。即時注射用の溶液及び懸濁液は、先に説明した種類の無菌の散剤、顆粒剤及び錠剤から調製されてよい。
【0199】
非経口的投与のための製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び意図されたレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質を含み得る、活性化合物の水性及び非水性(油性)の滅菌注射溶液;並びに、懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性の滅菌懸濁液を含む。好適な親油性溶媒又はビヒクルは、ゴマ油などの脂肪油を、又はオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームを含む。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどの、懸濁液の粘度を増大する物質を含んでよい。任意に、この懸濁液はまた、好適な安定化剤又は高度に濃縮された溶液の調製を可能にするための化合物の溶解度を増大する物質も含んでよい。
【0200】
先に説明された製剤に加え、これらの化合物は、デポ調製品として製剤化されてもよい。そのような長期に作用する製剤は、埋込み(例えば皮下もしくは筋肉内に)又は筋肉内注射により投与されてよい。従って例えば、本化合物は、好適な高分子材料又は疎水性材料(例えば、許容し得る油分中のエマルション)又はイオン交換樹脂と共に、あるいは難溶性誘導体、例えば難溶性塩として製剤化されてもよい。
【0201】
口腔内又は舌下投与については、本組成物は、通常の方式で製剤化された錠剤、舐剤、トローチ、又はゲルの形状をとることができる。そのような組成物は、ショ糖及びアカシアゴム又はトラガカントなどの香味基剤中に、活性成分を含有することができる。
【0202】
本化合物はまた、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、又は他のグリセリドなどの通常の坐薬基剤を含有する、坐薬又は停留浣腸など、直腸用組成物中に製剤化されることもできる。
【0203】
特定の本明細書に開示された化合物は、局所的に、すなわち非全身性の投与により、投与されることができる。これは、表皮又は口腔への外からの、並びにそのような化合物の耳、目及び鼻への滴下による、本明細書に開示された化合物の適用を含み、その結果本化合物は血流へ著しくは浸入しない。対照的に、全身投与は、経口、静脈内、腹腔内及び筋肉内投与を指す。
【0204】
局所性投与に適した製剤は、ゲル、リニメント、ローション、クリーム、軟膏、又は泥膏など、炎症部位への皮膚を通した浸透に適した液体又は半液体の調製品、並びに目、耳又は鼻への投与に適した液滴を含む。局所性投与のための活性成分は、この製剤の、例えば0.001%~10%w/w(重量)を構成することができる。特定の実施態様において、この活性成分は、10%w/wもの量を構成することができる。他の実施態様において、これは、5%w/w未満を構成することができる。特定の実施態様において、本活性成分は、2%w/w~5%w/wを構成することができる。他の実施態様において、これは、製剤の0.1%~1%w/wを構成することができる。
【0205】
吸入による投与に関して、化合物は、好都合なことに、吸入器、ネブライザー加圧パック又はエアロゾルスプレーを送達する他の都合のよい手段から送達されることができる。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適な気体などの、好適な噴射剤を含むことができる。加圧されたエアロゾルの場合、用量単位は、定量された量を送達するためのバルブを提供することにより、決定されることができる。あるいは吸引又は吸入による投与に関して、本発明の化合物は、乾燥粉末組成物、例えば、本化合物及び乳糖又はデンプンなどの好適な粉末基剤の粉末混合物の形状をとることができる。この粉末組成物は、それから吸引器又は吸入器の補助で粉末が投与される、例えばカプセル、カートリッジ、ゼラチン又はブリスターパックなど、単位剤形で提示されてよい。
【0206】
好ましい単位剤形の製剤は、本活性成分の、本明細書において以下に引用されるような有効量、又はそれらの好適な一部分を含有するものである。
【0207】
特に先に言及した構成成分に加え、先に説明した製剤は、問題の製剤型に関して当該技術分野において通常の他の物質を含むことができ、例えば経口投与に関して適しているものは香味剤を含むことができるということは理解されるべきである。
【0208】
化合物は、1日あたり0.1~500mg/kgの投与量で、経口的に又は注射により投与されることができる。成人に関する投与量範囲は、一般に、5mg~2g/日である。錠剤又は個別の単位で提供される他の提示の形状は、好都合なことに、例えば5mg~500mg、通常およそ10mg~200mgを含有する単位の、そのような1回用量で又はそれの複数回用量として有効である、1又は複数の化合物の量を含むことができる。
【0209】
単独の剤形を作製するために担体材料と組合せることができる活性成分の量は、治療される宿主及び特定の投与様式によって大きく左右されるであろう。
【0210】
投与及び併用療法
本化合物は、例えば経口的、局所的、又は注射によるなど、様々な方式で投与されることができる。患者へ投与される化合物の正確な量は、担当医の責任であろう。いずれか特定の患者に関する具体的投与量のレベルは、使用される具体的化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時刻、投与経路、排泄率、併用薬、治療される正確な障害、及び治療される適応症又は状態の重症度を含む、様々な要因によって左右されるであろう。同じく、投与経路も、状態及びその重症度によって大きく左右され得る。
【0211】
特定の場合において、少なくとも1種の本明細書記載の化合物(又は、その医薬として許容し得る塩、エステル、互変異性体、又はプロドラッグ)を、別の治療薬と組合せて投与することは、適切であり得る。単に例として、本明細書の化合物の1種を受け取る患者により経験される副作用の1つが高血圧である場合、初回治療薬と組合せて抗高血圧薬を投与することは適切であり得る。あるいは単に例として、本明細書記載の化合物の1種の治療効果は、アジュバントの投与により、増強され得る(すなわち、アジュバントそれ自身は、最小の治療的恩恵を有するのみではなく、別の治療薬と組合せることにより、患者への全般的治療恩恵が増強される)。あるいは単に例として、患者により経験される恩恵は、本明細書記載の化合物の1種の、同じく治療的恩恵を有する別の治療薬(これも治療レジメンを含む)を伴う投与により、増大され得る。単に例として、本明細書記載の化合物の1種の投与が関与する糖尿病の治療において、増大する治療的恩恵が、糖尿病に関する別の治療薬を患者へ提供することによっても生じる。いずれの場合においても、治療される疾患、障害又は状態とは関わりなく、患者により経験される全般的恩恵は、単純に2種の治療薬の相加であるか、あるいは患者は相乗的恩恵を経験することができる。
【0212】
可能性のある併用療法の具体的な非限定的例は、抗癌(化学療法)薬を伴う、特定の本発明の化合物の使用を含む。抗癌性薬物の種類は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗有糸分裂薬、チェックポイント阻害薬、植物アルカロイド及びテルペノイド、トポイソメラーゼ阻害薬、細胞傷害性抗生物質、アロマターゼ阻害薬、血管新生阻害薬、抗-ステロイド薬及び抗-アンドロゲン薬、mTOR阻害薬、チロシンキナーゼ阻害薬など。
【0213】
癌及び新生物疾患において使用するために、PTPN11(SHP2)インヒビターは、最適には、抗癌剤の以下の非限定的例の1又は複数と一緒に使用され得る:
(1)アルキル化剤、非限定的に、カルムスチン、クロラムブシル(ロイケラン)、シスプラチン(プラチン)、カルボプラチン(パラプラチン)、オキサリプラチン(エロキサチン)、ストレプトゾシン(ザノサール)、ブスルファン(ミレラン)、ダカルバジン、イホスファミド、ロムスチン(CCNU)、メルファラン(アルケラン)、プロカルバジン(MATULAN)、テモゾロミド(テモダール)、チオテパ、及びシクロホスファミド(エンドキサン)を含む;
(2)代謝拮抗薬、非限定的に、クラドリビン(ロイスタチン)、メルカプトプリン(プリネトール)、チオグアニン、ペントスタチン(ナイペント)、シトシンアラビノシド(シタラビン、ARA-C)、ゲムシタビン(ジェムザール)、フルオロウラシル(5-FU、キャラック)、カペシタビン(キセロダ)、ロイコボリン(FUSILEV)、メトトレキセート(リウマトレックス)、ラルチトレキセドを含む;
(3)植物アルカロイド及びテルペノイド、又はそれらの誘導体であることが多い、抗有糸分裂薬、非限定的に、タキサン、例えばドセタキセル(タキシテレ)及びパクリタキセル(アブラキサン、タキソール);ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン(オンコビン)、ビンブラスチン、ビンデシン、及びビノレルビン(ナベルビン)を含む;
(4)チェックポイント阻害薬、例えば、抗-PD-1又はPD-L1抗体のペムブロリツマブ(KEYTRUDA)、ニボルマブ(オプジーボ)、MEDI4736、及びMPDL3280Aなど;抗-CTLA-4抗体のイピリムマブ(YERVOY);並びに、LAG3(リンパ球活性化遺伝子3タンパク質)、KIR(キラー細胞免疫グロブリン-様受容体)、4-1BB(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9)、TIM3(T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3)及びOX40(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4)を標的化するもの:など;
(5)トポイソメラーゼ阻害薬、非限定的に、カンプトテシン(CTP)、イリノテカン(カンプトサール)、トポテカン(ハイカムチン)、テニポシド(ブモン)、及びエトポシド(エポシン)を含む;
(6)細胞傷害性抗生物質、非限定的に、アクチノマイシンD(ダクチノマイシン、コスメゲン)、ブレオマイシン(ブレノキサン)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン(セルビジン)、エピルビシン(エレンス)、フルダラビン(フルダラ)、イダルビシン、マイトマイシン(ミトソル)、ミトキサントロン(ノバントロン)、プリカマイシンを含む;
(7)アロマターゼ阻害薬、非限定的に、アミノグルテチミド、アナストロゾール(アリミデクス)、レトロゾール(フェマーラ)、ボロゾール(リビゾール)、エクセメスタン(アロマシン)を含む;
(8)血管新生阻害薬、非限定的に、ゲニステイン、スニチニブ(スーテント)及びベバシズマブ(アバスチン)を含む;
(9)抗-ステロイド薬及び抗-アンドロゲン薬、例えばアミノグルテチミド(シタドレン)、ビカルタミド(カソデックス)、シプロテロン、フルタミド(エウレキシン)、ニルタミド(ニランドロン)など;
(10)チロシンキナーゼ阻害薬、非限定的に、イマチニブ(グリーベック)、エルロチニブ(タルセバ)、ラパチニブ(タイカーブ)、ソラフェニブ(ネクサバール)、及びアクシチニブ(イニリタ)を含む;
(11)mTOR阻害薬、例えばエベロリムス、テムシロリムス(トリセル)、及びシロリムスなど;
(12)モノクローナル抗体、例えばトラスツズマブ(ハーセプチン)及びリツキシマブ(リツキサン)など;
(13)その他の薬剤、例えば、アムサクリン;バチルスカルメットゲラン(B-C-G)ワクチン;ブセレリン(エチラミド);クロロキン(アラレン);クロドロネート、パミドロネート、及び他のビスホスホネート;コルヒチン;デメトキシビリジン:ジクロロ酢酸塩;エストラムスチン;フィルグラスチム(ニューポジェン);フルドロコルチソン(フロリネフ);ゴセレリン(ゾラデックス);インターフェロン;ロイコボリン;ロイプロリド(リュープリン);レバミソール;ロニダミン;メスナ;メトホルミン;ミトタン(o,p’-DDD、リソドレン);ノコダゾール;オクトレオチド(サンドスタチン);ペリホシン;ポリフィマー(特に光線療法及び放射線療法との組合せ);スラミン;タモキシフェン;チタノセンジクロリド;トレチノイン;タンパク質同化ステロイド、例えばフルオキシメステロン(ハロテスチン)など;エストロゲン、例えばエストラジオール、ジエチルスチルベストロール(DES)、及びジエネストロールなど;プロゲスチン、例えばメドロキシプロゲステロン酢酸塩(MPA)及びメゲストロールなど;並びに、テストステロンなど。
【0214】
いずれの場合においても、複数の治療薬(その少なくとも1種は、本明細書に開示された化合物である)は、任意の順番で又は更には同時にも投与され得る。同時である場合、複数の治療薬は、単独で、一つにされた形状で、又は複数の形状で(単に例として、単独の丸薬として又は2個の個別の丸薬としてのいずれかで)提供され得る。治療薬の一方は、反復投与量で与えられるか、又は両方は、反復投与量として与えられることができる。同時でない場合、反復投与量の間の時間は、数分から4週間までの範囲に及ぶ任意の期間であることができる。
【0215】
従って別の態様において、特定の実施態様は、当該技術分野において公知である該障害の治療のための少なくとも1種の追加の薬剤と組合せて、対象における該障害を軽減又は防止するのに有効な本明細書に開示された化合物の量を、該対象へ投与することを含む、そのような治療を必要とするヒト又は動物の対象における、PTPN11-媒介性障害の治療方法を提供する。関連する態様において、特定の実施態様は、少なくとも1種の本明細書に開示された化合物を、PTPN11-媒介性障害の治療のための1又は複数の追加の薬剤と組合せて含有する、治療的組成物を提供する。
【0216】
一部の実施態様において、本明細書記載の方法は、治療的有効量の式Iの化合物又はその医薬として許容し得る塩を、それを必要とする対象へ投与することを含む、疾患状態を治療するために使用され、ここでその状態は、化学療法薬及び/又は電離放射線に対し抵抗性を呈している癌である。
【0217】
一部の実施態様において、本明細書記載の方法は、治療的有効量の式Iの化合物又はその医薬として許容し得る塩を、それを必要とする対象へ投与することを含む、疾患状態を治療するために使用され、ここでその状態は、化学療法薬及び/又は電離放射線に対し抵抗性を呈している癌である。
【0218】
本明細書に開示された化合物、組成物、及び方法は、疾患の治療に有用である。特定の実施態様において、この疾患は、癌を含む、制御できない細胞増殖の一種である。癌は、乳癌症例におけるように、ホルモン-依存性又はホルモン-抵抗性であり得る。特定の実施態様において、癌は固形癌である。他の実施態様において、癌は、リンパ腫又は白血病である。特定の実施態様において、癌は、本明細書に開示された又は当該技術分野において公知の癌の薬物耐性表現型である。腫瘍浸潤、腫瘍成長、腫瘍転移、及び血管新生もまた、本明細書に開示された組成物及び方法を用いて治療され得る。前癌性の腫瘍形成もまた、本明細書に開示された組成物及び方法を用いて治療される。
【0219】
本明細書に開示された方法により治療される癌は、結腸癌、乳癌、卵巣癌、肺癌及び前立腺癌;口腔及び咽頭(唇、舌、口、喉頭、咽頭)、食道、胃、小腸、大腸、結腸、直腸、肝臓及び胆汁道の癌;膵臓、骨、結合組織、皮膚、頸部、子宮、子宮内膜体(corpus endometrium)、精巣、膀胱、腎細胞癌腫(RCC)を含む腎臓及び他の泌尿組織の癌;目、脳、脊髄、並びに中枢及び末梢の神経系の他の成分、並びに髄膜などの関連構造の癌;並びに、甲状腺及び他の内分泌腺の癌を含む。用語「癌」はまた、必ずしも固形癌の形状ではない癌を包含し、これはホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、並びに白血病(慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML))を含む造血系悪性腫瘍、並びにリンパ球性、顆粒球性及び単球性を含むリンパ腫を含む。本発明の化合物及び方法を用いて治療することができる追加の癌型は、腺癌、血管肉腫、星状細胞腫、聴神経腫瘍、未分化星状細胞腫、基底細胞癌、芽球性神経膠腫(blastoglioma)、軟骨肉腫、絨毛癌、脊索腫、頭蓋咽頭腫、皮膚メラノーマ、嚢胞腺癌、内皮肉腫、胎生期癌、上衣細胞腫、ユーイング腫瘍、上皮癌、線維肉腫、胃癌、尿生殖路癌、多形性膠芽腫、頭頸部癌、血管芽細胞腫、肝細胞癌、肝癌、カポジ肉腫、大細胞癌、平滑筋肉腫、白血病、脂肪肉腫、リンパ系癌、リンパ腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、甲状腺髄様癌、髄芽腫、髄膜腫、中皮腫、骨髄腫、粘液肉腫、神経芽細胞腫、神経線維肉腫、乏突起膠腫、骨原性肉腫、上皮卵巣癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、榜神経節腫、副甲状腺腫瘍、クロム親和細胞腫、松果体腫、形質細胞腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、脂腺癌、精上皮腫、皮膚癌、メラノーマ、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、扁平上皮癌、汗腺癌、滑液腫、甲状腺癌、ブドウ膜メラノーマ、及びウィルムス腫瘍を含むが、これらに限定されるものではない。
【0220】
特定の実施態様において、本明細書に開示された組成物及び方法は、腫瘍浸潤及び腫瘍転移を防止又は軽減するのに有用である。
【0221】
ヒト治療に有用であることに加え、本明細書に開示された特定の化合物及び製剤は、哺乳動物、齧歯類などを含む、伴侶動物、外来動物及び家畜の獣医学治療にも有用であることができる。より好ましい動物は、ウマ、イヌ、ブタ及びネコを含む。
【0222】
調製方法
合成中間体
以下の合成中間体は、本発明を実践するために使用することができる。
【0223】
中間体101
tert-ブチル メチル(4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート
【化16】
tert-ブチル 1-ベンジル-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート DMF(10mL)中のtert-ブチル 4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(214mg、1.0mmol)及びKCO(276mg、2.0mmol)の溶液へ、臭化ベンジル(178mg、1.05mmol)を添加した。この反応混合物を、50℃で一晩撹拌した。HOを添加し、EtOAcにより抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=2:1)により精製し、tert-ブチル 1-ベンジル-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメートを無色油状物(267mg、88%)として生じた。
【0224】
MS(ES+)C1828の理論値(requires):304、実測値:305[M+H]
【0225】
1-ベンジル-N,4-ジメチルピペリジン-4-アミン 無水THF(10mL)中の前行程からの生成物(267mg、0.88mmol)の溶液へ、LiAlH(100mg、2.64mmol)をゆっくり添加した。この反応混合物を、一晩還流加熱した。rtへ冷却した後、2~3滴のHOを添加し、濾過した。この固形物を、EtOAcにより洗浄した。一緒にした有機物を濃縮し、表題化合物を無色油状物(180mg、94%)として生じた。
【0226】
MS(ES+)C1422の理論値:218、実測値:219[M+H]
【0227】
tert-ブチル 1-ベンジル-4-メチルピペリジン-4-イル(メチル)カルバメート CHCl(10mL)中の前行程からの生成物(180mg、0.82mmol)及び(Boc)O(268mg、1.23mmol)の溶液へ、TEA(166mg、1.64mmol)を添加した。この反応混合物を、rtで6h撹拌した。溶媒を除去し、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=2:1)により精製し、表題化合物を無色油状物(190mg、73%)として生じた。
【0228】
MS(ES+)C1930の理論値:318、実測値:319[M+H]
【0229】
tert-ブチル メチル(4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート MeOH(10mL)中の前行程からの生成物(190mg、0.6mmol)の溶液を、触媒として10%Pd/C(20mg)を用い、75℃で、大気下で一晩水素添加した。触媒をセライト(商標)上の濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させ、表題化合物を無色油状物(120mg、88%)として生じた。
【0230】
MS(ES+)C1224の理論値:228、実測値:229[M+H]1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 2.84-2.8 (m, 5H), 2.23-2.18 (m, 2H), 1.71-1.67 (m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.28 (s, 3H)。
【0231】
中間体102
(R)-N-((R)-1-(4-メトキシフェニル)エチル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミン
【化17】
(R)-tert-ブチル 1-((R)-1-(4-メトキシフェニル)エチルアミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート THF(15mL)中のtert-ブチル 1-オキソ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート(2.0g、7.9mmol)の溶液へ、(R)-1-(4-メトキシフェニル)エタンアミン(1.79g、11.9mmol)及びTi(OEt)(2mL)を、RTで、N下で添加し、その後85℃で18h撹拌した。この混合物を真空において濃縮し、次にMeOH(10mL)を、RTで添加し、引き続きLiBH(0.33g、15.8mmol)をゆっくり添加した。この混合物を、RTで2h撹拌した。その後反応を、HO(5mL)によりクエンチさせ、EtOAc(15mL×3)により抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を無色油状物(2.0g、66%)として生じた。
【0232】
MS(ES+)C2336の理論値:388、実測値:389[M+H]
【0233】
(R)-N-((R)-1-(4-メトキシフェニル)エチル)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-アミン HCl/MeOH(3M、10mL)中の前行程からの生成物(2.0g、5.2mmol)の混合物を、RTで、2h撹拌した。その後この混合物を、真空において濃縮した。次にNaOH水溶液を添加し、pHを10~12に調節した。混合物を、EtOAc(15mL×3)により抽出した。一緒にした有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗表題生成物を無色油状物(1.2g、86%)として生じ、これを更に精製することなく直接使用した。
【0234】
MS(ES+)C1828Oの理論値:288、実測値:289[M+H]
【0235】
中間体103
(S)-N-((R)-1-(4-メトキシフェニル)エチル)-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン
【化18】
tert-ブチル 4-ヒドロキシ-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート CHCl(15mL)中の2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-オール(1.0g、6.4mmol)の溶液へ、二炭酸ジ-tert-ブチル(1.7g、7.6mmol)をRTで添加し、次にEtN(1.2mL,12.8mmol)を、RTで添加した。この反応混合物を、RTで2h撹拌し、HO(5mL)によりクエンチさせ、EtOAc(15mL×3)により抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を無色油状物(1.5g、90%)として生じ、これを更に精製することなく直接使用した。
【0236】
MS(ES+)C1323NOの理論値:257、実測値:280[M+Na]
【0237】
tert-ブチル 4-オキソ-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート CHCl(15mL)中の前行程からの生成物(1.5g、5.8mmol)の溶液へ、デス・マーチン試薬(3.7g、8.7mmol)をrtで添加した。得られた混合物を、rtで一晩撹拌した。この反応混合物を、濾過し、次にHO(5mL)によりクエンチさせ、EtOAc(15mL×3)により抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=5:1)により精製し、表題化合物を無色油状物(1.2g、86%)として生じた。
【0238】
MS(ES+)C1321NOの理論値:255、実測値:200[M-55]
【0239】
(S)-tert-ブチル 4-((R)-1-(4-メトキシフェニル)エチルアミノ)-2-オキサ-8-アザスピロ-[4.5]-デカン-8-カルボキシラート THF(15mL)中の前行程からの生成物の溶液へ、(R)-1-(4-メトキシフェニル)エタンアミン(1.06g、7.06mmol)及びTi(OEt)(2mL)をRTで、N下で添加し、次に85℃で18h撹拌した。残渣を、真空において濃縮し、次にMeOH(10mL)を添加した。LiBH(0.35g、14.8mmol)を、RTでゆっくり添加し、次にこの混合物を、RTで2h撹拌した。HO(5mL)の添加により、反応をクエンチさせた。この混合物を、EtOAc(15mL×3)により抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を無色油状物(1.3g、72%)として生じた。
【0240】
MS(ES+)C2234の理論値:390、実測値:391[M+H]
【0241】
(S)-N-((R)-1-(4-メトキシフェニル)エチル)-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4- アミン
【0242】
HCl/MeOH(3M、10mL)中の(S)-tert-ブチル 4-((R)-1-(4-メトキシフェニル)エチルアミノ)-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート(1.3g、3.3mmol)の混合物を、RTで2h撹拌した。真空において濃縮し、NaOH水溶液を添加し、pHを10~12に調節し、EtOAc(25mL×3)により抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗(S)-N-((R)-1-(4-メトキシフェニル)エチル)-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミンを無色油状物(800mg、収率:89%)として生じ、これを更に精製することなく直接使用した。
【0243】
MS(ES+)C1726の理論値:290、実測値:291[M+H]
【0244】
中間体104
ベンジル 4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-4-イルカルバメート塩酸塩
【化19】
tert-ブチル 4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシラート CHCl(20mL)中のtert-ブチル 4-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(355mg、1.54mmol)及びクロロギ酸ベンジル(288mg、1.69mmol)の溶液へ、DIPEA(596mg、4.62mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を、RTで一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=2:1)により精製し、表題化合物を白色固形物(450mg、80%)として生じた。
【0245】
MS(ES+)C1928の理論値:364、実測値:387.2[M+Na]1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.40-7.31 (m, 5H), 6.94 (s, 1H), 4.98 (s, 2H), 4.73 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.65-3.61 (m, 2H), 3.41 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 2.93-2.89 (m, 2H), 1.95-1.92 (m, 2H), 1.40-1.35 (m, 10H)。
【0246】
ベンジル 4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-4-イルカルバメート塩酸塩 HCl/MeOH(4M、2mL)中の前行程からの生成物(182mg、0.5mmol)の溶液を、RTで4h撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を無色油状物(150mg、100%)として生じ、これを更に精製することなく直接使用した。
【0247】
MS(ES+)C1421ClNの理論値:264、実測値:265.3[M+H]
【0248】
中間体105
ベンジル 4-(フルオロメチル)ピペリジン-4-イルカルバメート塩酸塩
【化20】
tert-ブチル 4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-4-(フルオロメチル)ピペリジン-1-カルボキシラート CHCl(10mL)中のtert-ブチル 4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-4-(ヒドロキシメチル)-ピペリジン-1-カルボキシラート(255mg、0.7mmol)の溶液へ、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(147mg、0.9mmol)を0℃で添加した。得られた混合物を、5℃で3h撹拌した。溶媒を除去し、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を白色固形物(180mg、70%)として生じた。
【0249】
MS(ES+)C1927FNの理論値:366、実測値:389.2[M+Na]
【0250】
ベンジル 4-(フルオロメチル)ピペリジン-4-イル カルバメート 塩酸塩 HCl/MeOH(4M、2mL)中の前行程からの生成物(92mg、0.25mmol)の溶液を、RTで4h撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を無色油状物(75mg、100%)として生じ、これを更に精製することなく直接使用した。
【0251】
MS(ES+)C1420ClFNの理論値:266、実測値:267[M+H]
【0252】
中間体106
(2-クロロピリジン-3-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン
【化21】
(2-クロロピリジン-3-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノール アルゴン下で、無水THF(40mL)中のLDA(ヘキサン中2.0M、22.0mmol)の-78℃の溶液へ、THF(10mL)中の2,6-ジクロロピラジン(1.65g、11.1mmol)をゆっくり添加した。添加が完了した後、得られた混合物を、-78℃で更に1h撹拌し、次にTHF(10mL)中の2-クロロニコチンアルデヒド(2.34g、16.6mmol)を滴加した。この反応混合物を、更なる(another)時間撹拌し、その後塩酸(3.6mL)/EtOH(15mL)/THF(18mL)混合液によりクエンチさせ、RTに温めた。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液により希釈し、EtOAcにより抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を黄色固形物(880mg、27%)として生じた。
【0253】
MS(ES+)C10ClOの理論値:289、実測値,:290[M+H]
【0254】
(2-クロロピリジン-3-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン CHCl(30mL)中の前行程からの生成物(0.88g、3.0mmol)の溶液へ、固形MnO(5.28g、60.0mmol)を少量ずつ添加した。得られた混合物を、RTで一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を黄色固形物(380mg、43%)として生じた。
【0255】
MS(ES+)C10ClOの理論値:287、実測値:288[M+H]
【0256】
中間体107
(3-クロロピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン
【化22】
(3-クロロピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノール アルゴン下で、無水THF(40mL)中のLDA(ヘキサン中2.0M、22.0mmol)の-78℃溶液へ、THF(5mL)中の2,6-ジクロロピラジン(1.65g、11.1mmol)をゆっくり添加した。添加が完了した後、得られた混合物を-78℃で更に1h撹拌し、次にTHF(5mL)中の3-クロロイソニコチンアルデヒド(2.34g、16.6mmol)を滴加した。この反応混合物を、更なる時間撹拌し、その後塩酸(3.6mL)/EtOH(15mL)/THF(18mL)混合液によりクエンチさせ、rtに温めた。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液により希釈し、EtOAcにより抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=2:1)により精製し、粗表題化合物を黄色固形物(900mg)として生じ、これを更に精製することなく次工程において使用した。
【0257】
MS(ES+)C10ClOの理論値:289、実測値:290[M+H]
【0258】
(3-クロロピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン CHCl(30mL)中の先の工程からの粗生成物(0.9g、3.1mmol)の溶液へ、固形MnO(5.46g、62.0mmol)を少量ずつ添加した。得られた混合物を、rtで一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、Prep-HPLCにより精製し、表題化合物を黄色固形物(118mg、2工程にわたり4%)を生じた。
【0259】
MS(ES+)C10ClOの理論値:287、実測値:288[M+H]
【0260】
中間体108
(3-クロロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ) ピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン
【化23】
(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)メタノール BH/THF(1M、300mL)中の2,3-ジクロロイソニコチン酸(19.2g、10mmol)の混合物を、60℃で3h撹拌した。RTへ冷却後、MeOH(100mL)をゆっくり添加し、その後反応混合物を濃縮し、HO(100mL)により希釈し、EtOAc(200mL×3)により抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗表題化合物(15.4g、収率87%)を黄色固形物として生じ、これを更に精製することなく直接使用した。
【0261】
MS(ES+)CClNOの理論値:177、実測値:178[M+H]
【0262】
(3-クロロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)ピリジン-4-イル)メタノール (4-メトキシフェニル)メタンアミン(15mL)中の前行程からの生成物(15.4g、86.5mmol)の混合物を、150℃で4h撹拌した。この混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1~2:1)で精製し、表題化合物を黄色固形物(20g、収率83.3%)として生じた。
【0263】
MS(ES+)C1415ClNの理論値:278、実測値:279[M+H]
【0264】
3-クロロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)イソニコチンアルデヒド DCM(2L)中の前行程からの生成物(20g、71.9mmol)の溶液へ、MnO(125g、1.38mol)を少量ずつ添加した。この混合物を、RTで一晩撹拌した。反応物を濾過し、濾液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=10:1~5:1)により精製し、表題化合物を黄色固形物(15g、収率75.7%)として生じた。
【0265】
MS(ES+)C1413ClNの理論値:276、実測値:277[M+H]
【0266】
(3-クロロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)ピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノール アルゴン下で、無水THF(40mL)中のLDA(ヘキサン中2.0M、22.0mmol)の-78℃溶液へ、THF(10mL)中の2,6-ジクロロピラジン(1.648g、11.0mmol)をゆっくり添加した。添加が完了した後、得られた混合物を、-78℃で更に1h撹拌し、次にTHF(30mL)中の前行程からの生成物(4.55g、16.5mmol)を滴加した。この反応混合物を、更なる時間撹拌し、HCl(1.8mL)/EtOH(7.5mL)/THF(9.0mL)混合液によりクエンチさせ、RTに温めた。反応混合物を、飽和水性NaHCO溶液により希釈し、EtOAcにより抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=3:1)により精製し、表題化合物を黄色固形物(500mg、収率10.7%)として生じた。
【0267】
MS(ES+)C1815Clの理論値:424、実測値:425[M+H]
【0268】
(3-クロロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)ピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン CHCl(200mL)中の前行程からの生成物(500mg、1.18mmol)の溶液へ、固形MnO(2.05g、23.58mmol)を少量ずつ添加した。得られた混合物を、RTで一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物を黄色固形物(480mg、収率96%)として生じた。
【0269】
MS(ES+)C1813Clの理論値:422、実測値:423[M+H]
【0270】
中間体109
(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン
【化24】
(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)メタノール 新たに調製したMeOH中のNaOMe(無水MeOH(45mL)中のNa(4.12g)から)を、無水MeOH(20mL)中の(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)メタノール(15g、87.2mmol)の溶液へ滴加した。この反応混合物を、一晩還流し、RTまで冷却し、濃縮した。得られた混合物を、HO(300mL)によりクエンチさせ、EtOAc(3×300mL)により抽出した。一緒にした有機層を、ブライン(3×100mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空において濃縮し、粗表題化合物(13g、収率86.6%)を供する。
【0271】
MS(ES+)CClNOの理論値:173、実測値:174[M+H]
【0272】
3-クロロ-2-メトキシイソニコチンアルデヒド DCM(2L)中の前行程からの生成物(13g、75.1mmol)の溶液へ、MnO(130g、1.5mol)を少量ずつ添加した。この混合物をRTで一晩撹拌した。反応物を濾過し、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=10:1~8:1)により精製し、表題化合物を白色固形物(10g、収率78.1%)として生じた。
【0273】
MS(ES+)CClNOの理論値:171、実測値:172[M+H]
【0274】
(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノール アルゴン下で、無水THF(40mL)中のLDA(ヘキサン中2.0M、22.0mmol)の-78℃の溶液に、THF(10mL)中の2,6-ジクロロピラジン(1.648g、11.0mmol)をゆっくり添加した。添加が完了した後、得られた混合物を、-78℃で更に1h撹拌し、その後THF(10mL)中の前行程からの生成物(2.82g、16.5mmol)を滴加した。この反応混合物を、更なる時間撹拌し、その後HCl(1.8mL)/EtOH(7.5mL)/THF(9.0mL)混合液によりクエンチさせ、RTに温めた。この反応混合物を、飽和NaHCO水溶液により希釈し、EtOAcにより抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=3:1)により精製し、表題化合物を白色固形物(500mg、収率14.2%)として生じた。
【0275】
MS(ES+)C11Clの理論値:319、実測値:320[M+H]
【0276】
(3-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン CHCl(200mL)中の前行程からの生成物(500mg、1.56mmol)の溶液へ、固形物MnO(2.71g、31.2mmol)を少量ずつ添加した。生じた混合物を、RTで一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物を白色固形物(480mg、収率96%)として生じた。
【0277】
MS(ES+)C11Clの理論値:317、実測値:318[M+H]
【0278】
中間体110
(4-(4-メトキシベンジルアミノ)ピペリジン-4-イル)メタノール二塩酸塩
【化25】
tert-ブチル 4-(ヒドロキシメチル)-4-(4-メトキシベンジルアミノ)ピペリジン-1-カルボキシラート
【0279】
DMF(5mL)中のtert-ブチル 4-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(100mg、0.43mmol)及びKCO(119mg、0.86mmol)の溶液へ、1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(81mg、0.52mmol)を添加した。この混合物を、50℃で一晩撹拌した。HO(20mL)を添加し、得られた混合物を、EtOAc(20mL×3)により抽出し、乾燥し、濃縮した。残渣を、PE:EtOAc=2:1で溶離するPrep-TLCにより精製し、表題化合物を無色油状物(85mg、57%)として生じた。MS(ES+)C1930の理論値:350、実測値:351[M+H]
【0280】
(4-(4-メトキシベンジルアミノ)ピペリジン-4-イル)メタノール二塩酸塩
【0281】
4M HCl/MeOH(3mL)中の前行程からの生成物(85mg、0.24mmol)の溶液を、RTで4h撹拌した。溶媒を除去し、表題化合物を白色固形物(78mg、100%)として生じ、これを更に精製することなく直接使用した。MS(ES+)C1424Clの理論値:250、実測値:251.2[M+H]
【0282】
中間体111
(5-クロロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)ピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン
【化26】
DCM(20mL)中の(5-クロロ-2-(4-メトキシベンジルアミノ)ピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノール(170mg、0.4mmol)の溶液へ、デス・マーチン試薬(255mg、0.6mmol)を0℃で添加した。この反応混合物を、RTで4h撹拌し、その後NaHCO水溶液に注ぎ、EtOAc(25mL×3)により抽出した。有機層を、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、PE:EtOAc=3:1により溶離するPrep-TLCにより精製し、表題化合物を黄色固形物(137mg、80%)として生じた。
【0283】
MS(ES+)C1813Clの理論値:422、実測値:423.1[M+H]
【0284】
中間体112
(3-アミノ-2-クロロフェニル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン
【化27】
(2-クロロ-3-ニトロフェニル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノール THF(10mL)中の2,6-ジクロロピラジン(1.06g、7.2mmol)の溶液へ、THF中の2M LDA(7.2mL,14.4mmol)を、N下、-78℃でゆっくり添加した。その後この混合物を、-78℃で1h攪拌した。THF(5mL)中の2-クロロ-3-ニトロベンズアルデヒド(2.0g、10.8mmol)の溶液を添加し、この混合物を-78℃で更に1h撹拌した。その後反応物を、NHCl水溶液(10mL)によりクエンチさせ、その後混合物を、EtOAc(20mL×3)により抽出した。一緒にした有機層を、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE:EtOAc=3:1により溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を黄色固形物(1.2g、50%)として生じた。
【0285】
MS(ES+)C11Clの理論値:333、実測値:334[M+H]
【0286】
(2-クロロ-3-ニトロフェニル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン DCM(15mL)中の前行程からの生成物の溶液へ、MnO(3.1g、36mmol)をRTで添加し、次に混合物を18h撹拌し、濾過し、真空において濃縮した。残渣を、PE:EtOAc=4:1により溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を白色固形物(0.6g、50%)として生じた。
【0287】
MS(ES+)C11Clの理論値:331、実測値:332[M+H]
【0288】
(3-アミノ-2-クロロフェニル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン EtOH(10mL)中の前行程からの生成物(0.6g、1.8mmol)の溶液へ、SnCl・2HO(0.8g、3.6mmol)をRTで添加した。次にこの混合物を、90℃で18h撹拌し、真空において濃縮した。残渣を、PE:EtOAc=1:1により溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を白色固形物(0.4g、74%)として生じた。
【0289】
MS(ES+)C11ClOの理論値:301、実測値:302[M+H]
【0290】
中間体113
(3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン
【化28】
(3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)メタノール CHNH (HO中7M、200mL)中の(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)メタノール(15.4g、87mmol)の溶液へ、MeOH(20mL)を添加した。この反応混合物を、120℃で24h撹拌し、RTまで冷却し、濃縮した。この混合物を、HO(100mL)へ注ぎ、EtOAc(3×300mL)により抽出した。一緒にした有機層を、ブライン(3×100mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空において濃縮し、粗表題化合物(13g、収率86.6%)を供した。
【0291】
MS(ES+)CClNOの理論値:172、実測値:173[M+H]
【0292】
3-クロロ-2-(メチルアミノ)イソニコチンアルデヒド DCM(2L)中の前行程からの生成物(13g、75.5mmol)の溶液へ、MnO(131g、1.5mol)を少量ずつ添加した。この混合物を、RTで一晩撹拌した。この反応物を濾過し、濾液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=10:1~4:1)により精製し、表題化合物を黄色固形物(11g、収率84.6%)として生じた。
【0293】
MS(ES+)CClNOの理論値:170、実測値:171[M+H]
【0294】
(3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノール
【0295】
アルゴン下で、-78℃の無水THF(40mL)中のLDA(ヘキサン中2.0M、22.0mmol)の溶液へ、THF(10mL)中の2,6-ジクロロピラジン(1.648g、11.0mmol)をゆっくり添加した。添加が完了した後、得られた混合物を、-78℃で更に1h撹拌し、その後THF(10mL)中の前行程からの生成物(2.8g、16.5mmol)を滴加した。この反応混合物を、更なる時間撹拌し、その後HCl(1.8mL)/EtOH(7.5mL)/THF(9.0mL)混合液によりクエンチさせ、RTに温めた。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液により希釈し、EtOAcにより抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=3:1)により精製し、表題化合物を黄色固形物(500mg、収率14.2%)として生じた。
【0296】
MS(ES+)C11ClOの理論値:318、実測値:319[M+H]
【0297】
(3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)メタノン
【0298】
CHCl(200mL)中の前行程からの生成物(500mg、1.56mmol)の溶液へ、固形MnO(2.71g、31.2mmol)を少量ずつ添加した。得られた混合物を、RTで一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物を黄色固形物(480mg、収率96%)として生じた。
【0299】
MS(ES+)C11ClOの理論値:316、実測値:317[M+H]
【0300】
中間体114
(R)-2-メチル-N-(1-(4-メチルピペリジン-4-イル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド
【化29】
tert-ブチル 4-(メトキシ(メチル)カルバモイル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシラート
【0301】
DMF(100mL)中の1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-4-メチルピペリジン-4-カルボン酸(15g、61.7mmol)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(12g、123.4mmol)及びHATU(30.8g、80.2mmol)の溶液へ、TEA(25g)を添加した。この混合物を、RTで一晩撹拌した。混合物を、EtOAc(700mL)により希釈し、NHCl水溶液(200mL×5)により洗浄した。有機相を、NaSO上で乾燥させ、濃縮し、表題化合物を茶色油状物(15g、90%)として得た。
【0302】
MS(ES+)C1426の理論値:286、実測値:287[M+H]
【0303】
tert-ブチル 4-アセチル-4-メチルピペリジン-1-カルボキシラート THF(50mL)中の前行程からの生成物(5g、粗)の溶液へ、MeMgCl(THF中2M、26mL、52mmol)を0℃で添加した。この混合物を、RTで一晩撹拌した。混合物を、冷NHCl水溶液へゆっくり注ぎ、その後EtOAc(100mL×3)により抽出した。有機相をブライン(100mL)により洗浄し、NaSOにより乾燥し、濃縮し、表題化合物を茶色油状物(4g、85%)として得た。
【0304】
MS(ES+)C1323NOの理論値241、実測値:242[M+H]
【0305】
(R,E)-tert-ブチル 4-(1-(tert-ブチルスルフィニルイミノ)エチル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシラート 無水THF(20mL)の前行程からの生成物(2.0g、8.3mmol)の溶液へ、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(2.0g、16.6mmol)及びTi(OEt)(6mL)を添加した。この混合物を、85℃で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、直接次工程で使用した。
【0306】
MS(ES+)C1732Sの理論値:344、実測値:345[M+H]
【0307】
tert-ブチル 4-(1-((R)-1,1-ジメチルエチルスルフィンアミド)エチル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシラート及びジアステレオマー MeOH(10mL)中の前行程からの生成物(2g、粗)の混合物へ、NaBH(631mg、16.6mmol)を0℃で添加した。得られた混合物を、RTで4時間撹拌した。混合物を、水(10mL)によりクエンチさせ、次に真空下で濃縮した。EtOAc(50mL)を添加し、セライト(登録商標)カラムを通して濾過した。水相を、EtOAc(50mL×3)により抽出し、その後有機相を一緒にし、ブライン(50mL)により洗浄し、MgSOにより乾燥させ、濃縮し、Pre-HPLCにより精製し、表題化合物を白色固形物(異性体1:500mg、異性体2:240mg)として得た。
【0308】
MS(ES+)C1734Sの理論値:346、実測値:347[M+H]
【0309】
(R)-2-メチル-N-(1-(4-メチルピペリジン-4-イル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド DCM(10mL)中のtert-ブチル 4-(1-((R)-1,1-ジメチルエチルスルフィンアミド)エチル)-4-メチルピペリジン-1-カルボキシラート(異性体1、200mg)の溶液へ、TFA(2mL)を0℃でゆっくり添加し、この温度で30分間攪拌し、直接次工程で使用した。
【0310】
MS(ES+)C1226OSの理論値:246、実測値:247[M+H]
【0311】
同じ方法を使用し、他方のジアステレオマーを調製した。
【0312】
中間体115
(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)(2-(4-メトキシベンジルアミノ)-3-メチルピリジン-4-イル)メタノン
【化30】
2-フルオロ-4-ヨード-3-メチルピリジン -78℃のLDA(68mL、135mmol)の溶液へ、THF(100mL)中の2-フルオロ-3-ヨードピリジン(30g、135mmol)の溶液を添加し、この混合物を、窒素下-78℃で1時間撹拌した。その後MeI(25mL、405mmol)を添加し、この混合物を、-78℃で30分間攪拌した。この混合物を、飽和NaHCO水溶液により-78℃でクエンチさせ、その後エーテルにより抽出した。一緒にしたエーテル抽出物を、MgSOにより乾燥させ、真空において濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を茶色固形物(22g、69%)として生じた。
【0313】
MS(ES+)CFINの理論値:237、実測値:238[M+H]
【0314】
メチル 2-フルオロ-3-メチルイソニコチネート MeOH(1L)中の前行程からの生成物(22g、93mmol)、Pd(OAc)(2.2g、9.8mmol)、1,1’-ビスジフェニルホスフィノフェロセン(5.1g、9.2mmol)、及びNaHCO(46.7g、556mmol)の混合物を、CO大気中、80℃で一晩撹拌した。この混合物を、室温まで冷却し、その後水及び飽和NaHCO水溶液を添加した。次にこの混合物を、EtOAcにより抽出した。有機層を、飽和ブラインにより洗浄し、次に無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を無色油状物(12g、77%)として生じた。
【0315】
MS(ES+)CFNOの理論値:169、実測値:170[M+H]
【0316】
(2-フルオロ-3-メチルピリジン-4-イル)メタノール MeOH(100mL)中の前行程からの生成物(12g、71mmol)の溶液へ、NaBH(11g、290mmol)を少量ずつ添加した。得られた混合物を、RTで0.5h撹拌し、真空において濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=2:1)により精製し、表題化合物を茶色固形物(9g、90%)として生じた。
【0317】
MS(ES+)CFNOの理論値:141、実測値:142[M+H]
【0318】
(2-(4-メトキシベンジルアミノ)-3-メチルピリジン-4-イル)メタノール DMSO(100mL)中の前行程からの生成物(9.7g、69mmol)、メトキシベンジルアミン(14.1g、103mmol)及びKCO(14.1g、103mmol)の溶液を、密封し、150℃で1時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、その後冷水(500mL)へ注ぎ、EtOAc(500mL×2)により抽出した。一緒にしたEtOAc溶液をブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:3)により精製し、表題化合物を茶色固形物(8g、45%)として生じた。
【0319】
MS(ES+)C1518の理論値:258、実測値:259[M+H]
【0320】
2-(4-メトキシベンジルアミノ)-3-メチルイソニコチンアルデヒド CHCl(1.5L)中の前行程からの生成物(8g、31mmol)の溶液へ、MnO(54g、620mmol)を添加した。この混合物を、RTで一晩撹拌し、その後濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を茶色固形物(7.2g、91%)として生じた。
【0321】
MS(ES+)C1516の理論値:256、実測値:257[M+H]
【0322】
(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)(2-(4-メトキシベンジルアミノ)-3-メチルピリジン-4-イル)-メタノール Ar下で、無水THF(100mL)中のLDA(26mL、52mmol)の-78℃溶液へ、20mL THF中の2,6-ジクロロピラジン(3.9g、26mmol)を滴加した。得られた溶液を、-78℃で1h撹拌し、その後この混合物へ、THF(20mL)中の前行程からの生成物(6.7g、26mmol)を-78℃で滴加した。得られた溶液を、-78℃で1h撹拌し、その後HCl(1.8mL)/EtOH(7.5mL)/THF(9.0mL)混合液によりクエンチさせ、rtまで温めた。この反応混合物を、飽和水性NaHCO溶液により希釈し、EtOAcにより抽出した。一緒にした有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を黄色固形物(1.1g、11%)として生じた。
【0323】
MS(ES+)C1918Clの理論値:404、実測値:405[M+H]
【0324】
(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)(2-(4-メトキシベンジルアミノ)-3-メチルピリジン-4-イル)-メタノン CHCl(200mL)中の前行程からの生成物(1.1g、2.7mmol)の溶液へ、MnO(4.7g、54mmol)を添加した。この混合物を、RTで一晩撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=2:1)により精製し、表題化合物を茶色固形物(600mg、55%)として生じた。
【0325】
MS(ES+)C1916Clの理論値:402、実測値:403[M+H]
【0326】
中間体116
(R)-N-((1R,3S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【化31】
tert-ブチル 2-オキソ-6-オキサスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3,4’-ピペリジン]-1’-カルボキシラート
【0327】
MeOH(10mL)中tert-ブチル-1-オキソ-8-アザスピロ[4.5]デセ-2-エン-8-カルボキシラート(500mg;1.99mmol)の撹拌溶液に、H(13.93mmol、1.58mL)を、引き続きNaOH(656μmol;131μL)を0℃で添加した。45分後、反応を、AcOHの1滴の添加によりクエンチさせた。反応混合物を、ブラインへ注ぎ、EtOAc(3×25mL)により抽出した。一緒にした有機層を、NaHSOにより洗浄し、乾燥させ、且つ濃縮し、表題化合物(440mg、収率82.7%)を明茶色油状物として得、これを直接次工程において使用した。
【0328】
MS(ES+):C1421NOの理論値:267.1、実測値:290.0[M+Na]1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.08-3.95 (m, 1H), 3.92 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 3.88-3.73 (m, 1H), 3.48 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 2.92 (d, J = 11.5 Hz, 2H), 2.44 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 1.87 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 1.78 (ddd, J = 13.4, 11.4, 4.3 Hz, 1H), 1.70-1.62 (m, 1H), 1.45 (s, 9H), 1.32-1.18 (m, 2H)。
【0329】
tert-ブチル 3-ヒドロキシ-1-オキソ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート アセトン(25mL)中の前行程からの生成物(979mg、3.7mmol)の溶液を、NaI(2.0g、13.5mmol)、NaOAc(1.36mmol、111mg)及びAcOH(13.55mmol、776μL)により、25℃で30分間処理した。この反応から形成されたヨウ素を、飽和Na水溶液(25mL)の添加により還元し、アセトンを蒸発除去させた。残存する水性混合物を、EtOAc(75mL)により希釈し、水(2×25mL)、飽和NaCO水溶液(3×25mL)、及びブライン(20mL)により洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濃縮した。残渣を、シリカゲル上で10~50%EtOAc/DCMで溶離し精製し、表題化合物(819mg、収率83%)を白色固形物として得た。
【0330】
MS(ES+)C1423NOの理論値:269.2、実測値:292.1[M+Na]1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.67-4.56 (m, 1H), 3.99-3.75 (m, 2H), 3.10-2.90 (m, 2H), 2.65 (dd, J = 18.4, 5.9 Hz, 1H), 2.46-2.33 (m, 1H), 2.19-2.04 (m, 2H), 1.97 (s, 1H), 1.85-1.76 (m, 1H), 1.70-1.62 (m, 2H), 1.45 (s, 9H)。
【0331】
tert-ブチル 3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-オキソ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート DMF(5mL)中の前行程からの生成物(819mg、3.04mmol)、イミダゾール(4.56mmol、320.12mg)及びTBDMSCl(3.80mmol、590.61mg)の混合物を、室温で16h撹拌した。この反応混合物を、飽和NHC1水溶液:HO(1:1、50mL)の入った分液ロートに注ぎ、EtO(5×20mL)により抽出した。一緒にした有機相を、MgSO上で乾燥させ、濾過し、揮発性物質を減圧下で除去した。得られた残渣を、シリカクロマトグラフィー(0~30%EtOAc/ヘプタン溶離液)により精製し、表題化合物(965mg、収率82.7%)を無色油状物として得た。
【0332】
MS(ES+)C2037NOSiの理論値:383.2、実測値:406.2[M+Na]1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.47-4.42 (m, 1H), 3.92-3.74 (m, 2H), 3.04-2.84 (m, 2H), 2.49 (dd, J = 18.2, 5.7 Hz, 1H), 2.29 (d, J = 18.1 Hz, 1H), 2.07-1.93 (m, 2H), 1.75-1.67 (m, 1H), 1.64-1.56 (m, 2H), 1.40 (s, 9H), 1.24-1.21 (m, 1H), 0.81 (s, 9H), 0.01 (s, 3H), -0.00 (s, 3H)。
【0333】
(R,E)-tert-ブチル 3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-((R)-tert-ブチルスルフィニルイミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート及び(S,E)-tert-ブチル3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-((R)-tert-ブチルスルフィニルイミノ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート THF(3mL)中の前行程からの生成物(0.21g、547μmol)、Ti(OEt)(2.19mmol、462μL)及び(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(1.09mmol、132.7mg)の溶液を、65℃で16時間加熱した。この混合物を、RTにまで冷却し、飽和NaHCO溶液によりクエンチさせ、EtOAc(15mL×4)により抽出した。一緒にした有機層を、ブライン(20mL)により洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮し、残渣を、シリカゲル上で0~45%EtOAc/PEにより溶離し精製し、第一の(R,E)-異性体(R=0.75、74mg、収率28%)を白色固形物として得:
【0334】
MS(ES+)C2446SSiの理論値:486.3、実測値:509.3[M+Na]1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.42-4.34 (m, 1H), 4.05-3.83 (m, 2H), 3.16 (dd, J = 19.0, 3.3 Hz, 1H), 3.04-2.73 (m, 3H), 1.88-1.77 (m, 2H), 1.75-1.63 (m, 3H), 1.40 (s, J = 3.3 Hz, 9H), 1.31-1.25 (m, 1H), 1.19 (s, 9H), 0.80 (s, 9H), 0.00 (d, J = 3.0 Hz, 6H)、
【0335】
引き続き(S,E)-異性体(R=0.35、75mg、収率28%)を無色油状物として得た:
【0336】
MS(ES+)C2446SSiの理論値:486.3、実測値:509.3[M+Na]1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.47-4.38 (m, 1H), 4.01-3.81 (m, 2H), 3.07 (dd, J = 18.8, 5.6 Hz, 1H), 2.96-2.78 (m, 3H), 1.91 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 1.77 (dd, J = 13.5, 5.0 Hz, 2H), 1.73-1.65 (m, 2H), 1.41 (s, 9H), 1.35-1.30 (m, 1H), 1.19 (s, 9H), 0.80 (s, 9H), -0.00 (s, 6H)。
【0337】
(1R,3S)-tert-ブチル 3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-((R)-1,1-ジメチルエチルスルフィンアミド)-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-カルボキシラート THF(5mL)中の前行程からの生成物(0.072g、148μmol)の溶液へ、MeOH(0.5mL)を-78℃で添加し、引き続きLiBH(444μmol、222μL)を添加した。得られた混合物を、-78℃で4h撹拌した。その後飽和NHCl溶液をゆっくり添加し、過剰な水素化ホウ素をクエンチし、引き続きEtOAc(25mL)を添加した。得られた混合物を、15分間激しく攪拌し、その後セライト(登録商標)パッドを通して濾過した。揮発性物質を、減圧下で除去し、得られた残渣を、シリカクロマトグラフィー(0~50%EtOAc/ヘプタン)により精製し、表題化合物(56mg、収率77%)を無色油状物として生じた。
【0338】
MS(ES+)C2448SSiの理論値:488.3、実測値:489.3[M+H]1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.26 (s, 1H), 4.04-3.78 (m, 2H), 3.27 (s, 1H), 2.95-2.75 (m, 2H), 2.29 (s, 1H), 1.891.51 (m, 7H), 1.41 (s, 9H), 1.26-1.20 (m, 1H), 1.16 (s, 9H), 0.83 (s, 9H), -0.00 (s, 6H)。
【0339】
(R)-N-((1R,3S)-3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド DCM(5mL)中の前行程からの生成物(50mg、102μmol)を、TFA(0.5mL)へ添加した。この混合物を、RTで2時間撹拌し、その後濃縮し、表題化合物(40mg、収率100%)を淡色油状物として得、これを更に精製することなく使用した。
【0340】
MS(ES+)C1940SSiの理論値:388.3、実測値:389.3[M+H]
【0341】
中間体117
4-アミノピペリジン-4-カルボキサミド二塩酸塩
【化32】
tert-ブチル 4-アミノ-4-カルバモイルピペリジン-1-カルボキシラート DMSO(1mL)中のtert-ブチル 4-アミノ-4-シアノピペリジン-1-カルボキシラート(50mg、0.22mmol)及びKCO(61mg、0.44mmol)の溶液へ、H(水中30%、25mg、0.44mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を、RTで72h撹拌した。この反応混合物を、Na水溶液(15mL)によりクエンチさせ、CHCl:i-PrOH(4:1、30mL×3)により抽出し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、表題化合物を無色のシロップ状固形物(60mg、粗)として生じた。
【0342】
MS(ES+)C1121の理論値:243、実測値266[M+Na]
【0343】
4-アミノピペリジン-4-カルボキサミド二塩酸塩 MeOH(0.5mL)中のtert-ブチル 4-アミノ-4-カルバモイルピペリジン-1-カルボキシラート(60mg、0.25mmol)の溶液へ、HCl/ジオキサン(4M、3mL、12mmol)を添加した。得られた混合物を、RTで2h撹拌した。沈殿した固形物を濾過し、表題化合物を白色固形物(60mg)として生じた。
【0344】
MS(ES+)C13Oの理論値:143、実測値:144[M+H]
【0345】
中間体118
(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)(2-(4-メトキシベンジルアミノ)-5-メチルピリジン-4-イル)メタノン
【化33】
メチル 2-フルオロ-5-メチルイソニコチネート MeOH(200mL)中の2-フルオロ-4-ヨード-5-メチルピリジン(3.4g、14mmol)、Pd(OAc)(314mg、1.4mmol)、1,1’-ビスジフェニルホスフィノフェロセン(776mg、1.4mmol)、TEA(7g、70mmol)の混合物を、CO大気中、80℃で一晩撹拌した。この混合物を、RTに冷却し、その後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を白色固形物(1.5g、75%)として生じた。
【0346】
MS(ES+)CFNOの理論値:169、実測値:170[M+H]
【0347】
(2-フルオロ-5-メチルピリジン-4-イル)メタノール MeOH(20mL)中の前行程からの生成物(1.2g、7.1mmol)の溶液へ、NaBH(1.1g、29mmol)を少量ずつ添加した。得られた混合物を、RTで0.5h撹拌し、この反応混合物を、真空において濃縮した。残渣を、EtOAc(50mL)中に溶解し、ブライン(50mL×3)により洗浄し、濃縮し、表題化合物を茶色固形物(970mg、粗)として生じた。
【0348】
MS(ES+)CFNOの理論値:141、実測値:142[M+H]
【0349】
(2-(4-メトキシベンジルアミノ)-5-メチルピリジン-4-イル)メタノール 4-メトキシベンジルアミン(5mL)中の(2-フルオロ-5-メチルピリジン-4-イル)メタノール(0.97g、6.9mmol)の溶液を密封し、135℃で72時間撹拌した。この反応混合物を、RTに冷却し、その後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=100:3)により精製し、表題化合物を茶色固形物(800mg、粗)として生じた。
【0350】
MS(ES+)C1518の理論値:258、実測値:259[M+H]
【0351】
2-(4-メトキシベンジルアミノ)-5-メチルイソニコチンアルデヒド CHCl(300mL)中の前行程からの生成物(0.8g、3.1mmol)の溶液へ、MnO(5.4g、62mmol)を添加した。この混合物を、RTで一晩撹拌し、その後濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、表題化合物を茶色固形物(720mg、90%)として生じた。
【0352】
MS(ES+)C1516の理論値:256、実測値:257[M+H]
【0353】
(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)(2-(4-メトキシベンジルアミノ)-5-メチルピリジン-4-イル)メタノール アルゴン下で、無水THF(10mL)中のLDA(2.6mL、5.2mmol)の-78℃の溶液へ、THF(4mL)中の2,6-ジクロロピラジン(390mg、26mmol)を、-78℃で滴加した。得られた溶液を、-78℃で1h撹拌し、その後THF(4mL)中の前行程からの生成物(670mg、2.6mmol)を、この混合物へ、-78℃で滴加した。得られた溶液を、-78℃で1h撹拌し、その後HCl(1.8mL)/EtOH(7.5mL)/THF(9.0mL)混合液によりクエンチさせ、RTまで温めた。この反応混合物を、飽和NaHCO水溶液により希釈し、EtOAcにより抽出した。有機層を分離し、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)により精製し、更にPre-HPLCにより精製し、表題化合物を黄色固形物(80mg、6%)として生じた。MS(ES+)C1918Clの理論値:404、実測値:405[M+H]
【0354】
(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)(2-(4-メトキシベンジルアミノ)-5-メチルピリジン-4-イル)メタノン CHCl(10mL)中の前行程からの生成物(80mg、0.20mmol)の溶液へ、デス-マーチンペルヨージナン(127mg、0.3mmol)を0℃で添加し、この混合物を0℃で1時間撹拌し、その後別のバッチのデス・マーチンペルヨージナン(127mg、0.3mmol)を添加し、この混合物を、0℃で更に4時間撹拌した。この混合物を、NaHCO水溶液により洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=2:1)により精製し、表題化合物を茶色固形物(20mg、25%)として生じた。
【0355】
MS(ES+)C1916Clの理論値:402、実測値:403[M+H]
【0356】
中間体119
メチル 3-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-クロロピラジン-2-カルボキシラート
【化34】
メチル 3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-クロロピラジン-2-カルボキシラート ジオキサン(105ml)中の(3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン二塩酸塩(5.1g、20.97mmol)の溶液へ、3,5-ジクロロピラジン-2-カルボン酸メチル(4.34g、20.97mmol)及びヒューニッヒ塩基(18.32ml、105mmol)を添加し、得られた混合物を、24℃で18h撹拌した。HO(20mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×20mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)により精製し、メチル 3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-クロロピラジン-2-カルボキシラート(1.6g、4.69mmol、収率22.38%)を淡黄色液体として生じた。質量分析:MS(ES+)C1521ClNの理論値:340、実測値:341[M+Na]
【0357】
メチル 3-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-クロロピラジン-2-カルボキシラート THF(100ml)中のメチル 3-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-クロロピラジン-2-カルボキシラート(5.1g、14.96mmol)の溶液へ、BOC-無水物(4.17ml、17.96mmol)及びTEA(2.503ml、17.96mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で8h撹拌した。HO(20mL)を添加し、相を分離した。水相をEtOAc(3×20mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10%のEtOAc)により精製し、メチル 3-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-クロロピラジン-2-カルボキシラート(6g、13.61mmol、収率91%)を黄色液体として生じた。質量分析:MS(ES+)C2029ClNの理論値:440、実測値:463[M+Na]
【0358】
中間体120
【化35】
3-クロロ-2-フルオロ-4-(トリブチルスタンニル)ピリジン i-PrOH(20mL)中の3-クロロ-2-フルオロ-4-ヨードピリジン(500mg、1.945mmol)の溶液へ、SnBu(2.25g、3.891mmol)、Pd(dba)(178mg、0.194mmol)、及びDIPEA(752mg、5.836mmol)を添加し、Arをフラッシュさせ、25℃で48時間撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン)により精製し、表題化合物を無色油状物(700mg、80%)として生じた。MS(ES+)C1729ClFNSnの理論値:421、実測値:422[M+H]
【0359】
中間体121
【化36】
工程1:エチル 2-(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)-2-オキソアセテート
下で、500mLの無水THF中の2,6-ジクロロピラジン(24)(25g、160mmol)及びシュウ酸ジエチル(25g、170mmol)の冷却した(-78℃、内部温度計)溶液へ、内部温度-78℃を維持するよう、LDA(85mL、2M)を滴加した。酢酸(9.6mL、160mmol)の滴加による添加が完了した後、15分間冷却し、反応をクエンチさせた。この反応混合物を、飽和NHCl溶液へ注ぎ、EtOAc(3×500mL)により抽出した。一緒にした有機層を、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮し、粗生成物を得、これを溶離液として0~10%の酢酸エチル/石油勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、生成物(9g、22%)を茶色油状物として生じた。1H NMR (400 MHz, CDCl3, 2種の回転異性体) δ 8.61 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 4.45 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.33 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.41 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.27 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。MS(ES+):m/z 249.9 (M+1)。GCMS:100%。
【0360】
工程2:(Z)-エチル 2-(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)-2-ヒドラゾノアセテート
エタノール50mL中のヒドラジン水和物(3.4g、69mmol)の溶液へ、0℃で、塩酸水溶液(6M、11.5mL、69mmol)を滴加した。その後45mLのEtOH中のエチル 2-(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)-2-オキソアセテート(17g、69mmol)を、この混合物へ滴加した。反応混合物を、80℃で2h加熱した。その後冷却し、飽和NaHCO水溶液へ注ぎ、EtOAc(3×800mL)により抽出した。有機層を一緒にし、NaSO上で乾燥させ、真空において濃縮し、(Z)-エチル 2-(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)-2-ヒドラゾノアセテート(17.6g、98%)を茶色油状物として生じ、これを直接次工程において使用した。MS(ES+)Cl2の理論値:262、実測値:263[M+H]
【0361】
工程3:エチル 6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-カルボキシラート
300mLのTHF中の(Z)-エチル 2-(3,5-ジクロロピラジン-2-イル)-2-ヒドラゾノアセテート(17.6g、67mmol)の溶液へ、0℃で、NaH(3.2g、134mmol)を少量ずつゆっくり添加した。この反応混合物を、rtまで30分間かけて温めた。飽和NHCl溶液により、反応をクエンチさせ、その後飽和NHCl溶液へ注いだ。水層のpHを、1N塩酸水溶液により5に調節し、次にこれを、EA(3×500mL)により抽出した。一緒にした有機層を、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮し、粗生成物を生じ、これをEAにより再結晶し、エチル 6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-カルボキシラート(5.3g、35%)を淡黄色固形物として生じた。MS(ES+)CClNの理論値:226、実測値:227[M+H]
【0362】
工程4:6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-カルボン酸
6N HCl(30mL)中のエチル 6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-カルボキシラート(5g、22mmol)の溶液を、100℃で16h撹拌した。その後沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-カルボン酸(3.7g、84%)を茶色固形物として生じた。MS(ES+)CClNの理論値:198、実測値:199[M+H]
【0363】
工程5:6-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン
DCE/HO(20/20mL)中の6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-カルボン酸(2.0g、10mmol)の撹拌溶液へ、NaHCO(2.5g、30mmol)を添加し、引き続きNaI(3.9g、26mmol)、I(3.3g、13mmol)を添加した。得られた混合物を、100℃で1h撹拌した。この混合物を水へ注ぎ、EtOAc(3×300mL)により抽出した。一緒にした有機層を、10%Na(500mL)及び飽和NaHCO(500mL)により洗浄した。その後有機層を、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空において濃縮し、粗生成物を生じ、これをEtOAcにより洗浄した。沈殿を濾過し、6-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(1.6g、57%)を黄色固形物として生じた。MS(ES+)CClINの理論値:280、実測値:281[M+H]
【0364】
工程6:6-クロロ-3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン
EtOAc(100ml)中の6-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(5g、17.857mmol)、DHP(3g、35.714mmol)の混合物に、TosOH(300mg、1.78mmol)を添加し、60℃で2時間撹拌し、LCMSモニタリングした。この混合物を、シリカゲルクロマトグラフィー(0~50%のPE中EtOAc)により精製し、表題化合物を白色固形物(5.1g、78%)として生じた。MS(ES+)C1010ClINOの理論値:363.96、実測値:365[M+H]
【0365】
工程7:N-((3S,4S)-8-(3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
DMF(10ml)中の6-クロロ-3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(1g、2.74mmol)、tert-ブチル (3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(740mg、2.74mmol)、及びDIPEA(1.06g、8.22mmol)の混合物を、100℃で3h撹拌し、LCMSモニタリングし、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(30~50%のPE中EA)により精製し、表題化合物を黄色固形物(1.3g、78%)として生じた。MS(ES+)C2335INSの理論値:602、実測値:603[M+H]
【0366】
工程8:(3S,4S)-8-(3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン
4N HCl(ジオキサン中10ml)中のN-((3S,4S)-8-(3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(1.3g、2.16mmol)の溶液を、50℃で1h撹拌し、LCMSモニタリングし、濃縮し、表題化合物を黄色固形物(630mg、粗)として得た。MS(ES+)C1419INOの理論値:414、実測値:415[M+H]
【0367】
工程9:tert-ブチル (3S,4S)-8-(3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート
(3S,4S)-8-(3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン(600mg、1.45mmol)、BocO(380mg、1.74mmol)及びEtN(440mg、4.35mmol)の混合物を、rtで16h撹拌し、LCMSモニタリングし、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0~10%のDCM中MeOH)により精製し、表題化合物を黄色固形物(720mg、92%)として生じた。MS(ES+)C1927INの理論値:514、実測値:515[M+H]
【0368】
工程10:tert-ブチル (3S,4S)-8-(3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート
tert-ブチル (3S,4S)-8-(3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(720mg、1.4mmol)、DHP(840mg、8.4mmol)及びPPTs(10mg、触媒)の混合物を、Arでフラッシュさせ、一晩還流し、LCMSモニタリングし、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0~10%のDCM中MeOH)により精製し、表題化合物を黄色固形物(750mg、89%)として生じた。MS(ES+)C2435INの理論値:598、実測値:599[M+H]
【0369】
工程11:tert-ブチル (3S,4S)-8-(5-クロロ-3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート
DMF(4ml)中のtert-ブチル (3S,4S)-8-(3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(400mg、0.669mmol)の溶液へ、NCS(267mg、2.007mmol)を添加し、この混合物を室温で1時間撹拌し、LCMSモニタリングした。この混合物を、NaHSO(飽和水溶液)の液滴及びブライン(15ml)によりクエンチさせ、EtOAc(15ml×3)により抽出し、水(15ml)、ブライン(15ml)で洗浄し、濃縮し、表題化合物を明黄色固形物(300mg、75%)として得た。MS(ES+)C2434ClINの理論値:632、実測値:633[M+H]
【0370】
中間体122
【化37】
工程1:3-クロロ-4-ヨード-2-(オキセタン-3-イルオキシ)ピリジン
DMF(10ml)中のオキセタン-3-オール(345mg、0.467mmol)の溶液に、NaH(60%、202mg、0.56mmol)を0℃で添加し、1時間撹拌し、DMF(2ml)中の3-クロロ-2-フルオロ-4-ヨードピリジン(1g、0.389mmol)を添加し、室温までゆっくり温め、1時間撹拌し、NHCl(飽和水性、1ml)によりクエンチさせ、水20mlを添加し、0℃で10分間攪拌し、濾過し、表題化合物を白色固形物(1.1g、91%)として得た。MS(ES+)CClINOの理論値:311、実測値:312[M+H]
【0371】
工程2:3-クロロ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)-4-(トリブチルスタンニル)ピリジン
i-PrOH(20ml)中の3-クロロ-4-ヨード-2-(オキセタン-3-イルオキシ)ピリジン(1g、3.89mmol)、Pd(dba)(356mg、0.39mmol)、BuSn(3.44g、5.83mmol)、DIPEA(1.5g、11.67mmol)の混合物を、Arでフラッシュし、RTで48時間撹拌し、LCMSモニタリングした。この混合物を、シリカゲルクロマトグラフィー(0~100%のPE中EtOAc)により精製し、表題化合物を無色油状物(800mg、52%)として生じた。MS(ES+)C2034ClNOSnの理論値:475、実測値:476[M+H]1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.98 - 7.77 (m, 1H), 6.97 - 6.68 (m, 1H), 5.70 - 5.54 (m, 1H), 5.00 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 4.88 - 4.67 (m, 2H), 1.56 - 1.43 (m, 6H), 1.42 - 1.27 (m, 6H), 1.26 - 1.09 (m, 6H), 0.89 (t, J = 7.3 Hz, 9H)。
【0372】
中間体123
【化38】
工程1:3-トシルオキセタン
DCM(25ml)中のオキセタン-3-オール(2g、27mmol)の混合物に、DIPEA(6.97g、54.1mmol)、TosCl(6.16g、32.4mmol)を添加し、この混合物を室温で一晩撹拌し、LCMSモニタリングした。この混合物を、NHCl水溶液(25ml×3)及びブライン(25ml)により洗浄し、シリカゲルクロマトグラフィー(0~20%のPE中EtOAc)により精製し、表題化合物を白色固形物(4g、70%)として生じた。MS(ES+)C1012Sの理論値:212、実測値:213[M+H]
【0373】
工程2:3-(3-ブロモ-2-クロロフェノキシ)オキセタン
DMF(20ml)中の3-ブロモ-2-クロロフェノール(2.1g、10.2mmol)、3-トシルオキセタン(3.5g、15.3mmol)、KI(168mg、1.02mmol)、CsCO(6.65g、20.4mmol)の混合物を、80℃で一晩撹拌し、LCMSモニタリングした。この混合物を、水(150ml)へ注ぎ、EtOAc(75ml×3)により抽出し、飽和NHCl(100ml×2)及びブライン(100ml)により洗浄し、シリカゲルクロマトグラフィー(0~20%のPE中EA)により精製し、表題化合物を白色固形物(1.5g、56%)として生じた。MS(ES+)CBrClOの理論値:261.94、実測値:263[M+H]
【0374】
工程3:2-(2-クロロ-3-(オキセタン-3-イルオキシ)フェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
ジオキサン(20ml)中の3-(3-ブロモ-2-クロロフェノキシ)オキセタン(750mg、2.85mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.45g、5.703mmol)、Pd(dppf)Cl(208mg、0.285mmol)、KOAc(838mg、8.555mmol)の混合物を、Arでフラッシュし、一晩還流し、LCMSモニタリングした。この混合物を、シリカゲルクロマトグラフィー(0~25%のPE中EtOAc)により精製し、表題化合物を白色固形物(0.8g、90%)として生じた。MS(ES+)C1520BClOの理論値:310、実測値:311[M+H]1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.28 (dd, J = 7.4, 1.3 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.56 (dd, J = 8.1, 1.3 Hz, 1H), 5.30 - 5.12 (m, 1H), 4.96 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 4.90 - 4.75 (m, 2H), 1.38 (s, 12H)。
【0375】
中間体124
【化39】
工程1:3-クロロ-N-メチルピリジン-2-アミン
MeNH(40%、水性)中の2,3-ジクロロピリジン(10g)の混合物を、密封チューブ内で、125℃で一晩撹拌した。この混合物を濃縮し、EtOAc(100ml×5)により抽出し、ブライン(100ml×2)により洗浄し、表題化合物を無色油状物(7.5g、70%)として生じた。MS(ES+)CClNの理論値:142、実測値:143[M+H]
【0376】
工程2:3-クロロ-N-(4-メトキシベンジル)-N-メチルピリジン-2-アミン
DMF(無水物、10ml)中の3-クロロ-N-メチルピリジン-2-アミン(1g、7.04mmol)の溶液へ、NaH(338mg、8.45mmol)を0℃で添加し、室温で1時間撹拌した。PMBCl(1.65g、10.05mmol)を、0℃でゆっくり添加し、室温で一晩温めた。この混合物を、ブライン(20ml)によりクエンチさせ、EtOAc(25ml×3)により抽出し、NHCl水溶液(25ml×2)及びブライン(25ml)により洗浄し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(10~50%のPE中EtOAc)により精製し、表題化合物を無色油状物(900mg、48%)として生じた。MS(ES+)C1415ClNOの理論値:262、実測値:263[M+H]
【0377】
工程3:3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イルボロン酸
THF(10ml)中の3-クロロ-N-(4-メトキシベンジル)-N-メチルピリジン-2-アミン(1g、3.816mmol)の溶液へ、-78℃で、n-BuLi(2.4ml、1.6M、3.816mmol)をゆっくり添加し、その後この温度で40分間攪拌し、i-PrOB(1.4g、7.633mmol)を-78℃で添加した。2時間後、これをNHCl(10ml)によりクエンチさせ、クエン酸によりpH=6に調節し、EtOAc(20ml×5)により抽出し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0~2%のDCM中のMeOH)により精製し、表題化合物を茶色固形物(150mg、粗)として生じた。MS(ES+)C1416BClNの理論値:306、実測値:307[M+H]
【0378】
合成スキーム
下記のスキームを使用し、本発明を実践することができる。
【0379】
スキームI
【化40】
開示された化合物に関する全般的な非限定的な合成戦略を、上記スキームIに例示している。適宜置換されたピペリジンを、塩素化されたピラジンと縮合させる。ピラゾロ[3,4-b]ピラジンコアが、この中間体のヒドラジンとの反応により形成される。他の合成経路を、本発明の実践に利用することができることは理解されるであろう。
【0380】
スキームII
【化41】
本明細書に開示された実施例は、スキームIIに示した一般的合成手順を用い合成することができる。ピラジン201のオルトメタル化は、(R106NH及びBuLiから調製することができる(示さず)、メタル化された第二級アミン(R106NLiにより達成され得る。限定するものではないが、この変換に適した第二級アミン(R106NHの例は、ジイソプロピルアミン及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを含む。メタル化されたピラジンは、置換アリールカルボキシアルデヒドと縮合され、ベンジル系アルコール202を生じる。ケトン203への酸化に、適宜置換されたピペリジンによるハロゲン化アリールの置換が続き、アミン204を生じる。ヒドラジンとの反応は、ピラゾロ[3,4-b]-ピラジン環205を生じる。
【0381】
スキームIIは、ピペリジン中に官能基を収容するように変更することができることは、明らかであろう。保護されたアミンは、-NHP基としてピペリジンへ組み込まれ得る。このスキームにおいて、基「P」は、好適なアミノ保護基である。限定するものではないが、Pは、BocもしくはCBzなどのカルバメート保護基、又はp-メトキシベンジルなどの不安定な芳香族保護基であることができる。保護基Pは、205から除去され、該生成物を供する。カルバメート保護基は、酸性条件下で除去され、該生成物を供することができる。
【0382】
スキームIII
【化42】
本明細書に開示された実施例は、スキームIIIに示した一般的合成手順を用い合成することができる。スピロケトン301(z=1)のエナンチオ純粋な1-(4-メトキシフェニル)エチルアミン)との縮合、それに続く還元は、キラル第二級アミン302を生じる。Boc保護基を、酸性条件下で除去し、アミン303を生じる。このスキームにおいて、記号Pは、1-(4-メトキシフェニル)エチル基を表すことを意図している。203(スキームII)などのケトンとの反応は、アミン304を供する。ヒドラジンとの反応は、ピラゾロ[3,4-b]-ピラジン環305を生じる。最後に、1-(4-メトキシフェニル)エチル基を、酸性条件下で除去する。この手順は、異なる環サイズ、すなわちz≠1であるスピロ化合物を利用するように、変更することができる。その後この化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基として単離されてよい。
【0383】
スキームIV
【化43】
本明細書に開示された実施例は、スキームIVに示した一般的合成手順を用い合成することができる。第一級アミン401のCBz-Clとの反応は、保護されたアミン402を生じる。Boc保護基を、酸性条件下で除去し、アミン403を生じ、無傷のCBz基を残す。先に示されたケトン203との反応は、アミン404を供する。ヒドラジンとの反応は、ピラゾロ[3,4-b]ピラジン環405を生じる。最後に、CBz基を、より強い酸性条件下で除去し、該生成物を生じる。この化合物はその後、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基として単離されてよい。
【0384】
スキームV
【化44】
本明細書に開示された実施例は、スキームVに示した一般的合成手順を用い合成することができる。ピラゾロピラジン501のBocO及びDMAPとの反応は、保護されたヘテロ環502を生じる。次にコアは、N-ブロモスクシンイミドを用い臭素化され、503を生じる。このブロモヘテロ環は次に、有機亜鉛試薬とのクロスカップリングにより、官能基化されたヘテロ環を提供し、Boc基の除去は、本発明の化合物をもたらす。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0385】
スキームVI
【化45】
本明細書に開示された実施例は、スキームVIに示した一般的合成手順を用い合成することができる。ブロモピラゾロピラジン503のTFAとの反応は、本発明のもたらされた臭素化された化合物602を生じる。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0386】
スキームVII
【化46】
本明細書に開示された実施例は、スキームVIIに示した一般的合成手順を用い合成することができる。ピラゾロピラジン701は、N-ブロモスクシンイミドを用い臭素化され、702を生じることができる。このブロモヘテロ環は次に、高温のDMA溶媒中で、シアン化銅(I)及びヨウ化ナトリウムと反応させ、本発明の化合物として官能基化されたヘテロ環703とすることができる。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0387】
スキームVIII
【化47】
本明細書に開示された実施例は、スキームVIIIに示した一般的合成手順を用い合成することができる。KCOなどの無機塩基の存在する中パラジウム触媒下での、Boc-保護したブロモピラゾロピラジン503の、有機ボロン酸及びエステル誘導体801との、熱又はマイクロウェーブ照射による反応は、官能基化されたヘテロ環を生じる。Boc基の除去は、本発明の化合物802をもたらす。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0388】
スキームIX
【化48】
本明細書に開示された実施例は、スキームIXに示した一般的合成手順を用い合成することができる。Boc-保護したピラゾロピラジン502のN-クロロスクシンイミドとの反応は、塩素化されたヘテロ環902を生じ、その後これは次にTFAにより脱保護され、本発明の化合物903を生じる。あるいは、902は、塩酸の存在下アルコールと反応し、本発明のエーテル含有化合物904を生じることができる。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0389】
スキームX
【化49】
本明細書に開示された実施例は、スキームXに示した一般的合成手順を用い合成することができる。ジクロロピラジン1001の環状アミンとの反応は、所望の官能基化されたピラジン1002を作る。次に、これは、DIBALなどの還元剤により還元され、所望のアルコール1003を生じることができる。その後遊離ヒドロキシル基は、例えばイミダゾールの存在下TBS-Clを使用するなど、当業者に公知の方法により保護され、保護された化合物1004を生じる。この官能基化されたピラジンは、NBSを用いて臭素化され、化合物1005を生じ、これは次に150℃でのシアン化銅(I)及びヨウ化ナトリウムとの反応により、ピラジンニトリル1006へ転換され得る。ブタノールなどのアルコール溶媒中の1006のヒドラジン水和物との反応は、環化を生じ、ピラゾロピリダジン(pyrazolopyridzaine)環系1007を生じる。その後アミノ基は、ジアゾ化され、亜硝酸イソペンチル及び臭化銅(II)との反応などの方法により、対応するヘテロ二環式臭化物1008へ転換されることができる。パラジウム触媒の存在下での1008のボロン酸及びエステルとの鈴木クロスカップリングは、官能基化された化合物1009を生じる。これらは次に、脱保護され、本発明の化合物1010を生じる。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0390】
スキームXI
【化50】
本明細書に開示された実施例は、スキームXIに示した一般的合成手順を用い合成することができる。ブロモ-保護したピラゾロピラジン1101は、例えばパラジウム触媒(例えば、Pd(OAc)及びXanPhos)を使用し、MeOHなどのアルコール溶媒中一酸化炭素ガスによるなど、公知の方法により、カルボニル化され、1102などのエステルを生じることができる。次に、これらは、高温でTHF及び水などの溶媒中、無機塩基により加水分解され、酸1103を生じる。この酸は次に、有機塩基の存在下、HATUなどのカップリング試薬により、塩化アンモニウムなどのアミンとカップリングされ、本発明の化合物1104を生じることができる。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0391】
スキームXII
【化51】
本明細書に開示された実施例は、スキームXIIに示した一般的合成手順を用い合成することができる。ブロモ-保護されたピラゾロピラジン1201は、例えばパラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl及びKCOなどの無機塩基)を使用する、1202のようなビニルボロン誘導体とのカップリングなど、公知の方法により、対応するビニル誘導体1203へ転換されることができる。次に例えば、ジオキサン及び水などの溶媒中の四酸化オスミウム及び過ヨウ素酸ナトリウムの混合物を使用し、ビニル基は切断され、本発明のアルデヒド1204を遊離することができる。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0392】
スキームXIII
【化52】
本明細書に開示された実施例は、スキームXIIIに示した一般的合成手順を用い合成することができる。パラジウム触媒下でのBoc-保護されたブロモピラゾロピラジン503の有機亜鉛誘導体1205との反応は、官能基化されたヘテロ環を生じる。Boc基の除去は、本発明の化合物1206をもたらす。その後所望の化合物は、当該技術分野において公知の方法により、遊離塩基又は塩として単離されてよい。
【0393】
本発明は、下記実施例により更に例示され、これらは合成され且つ遊離塩基として又はTFA塩として単離される。
【実施例
【0394】
実施例1:1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン
【化53】
スキーム1:
【化54】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:THF(7.9mL)中の1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン(300mg、0.795mmol)の懸濁液へ、DMAP(243mg、1.99mmol)及びBocO(462μl、1.99mmol)を添加し、得られた混合物を、RTで6h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲル上に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~60%のEtOAc)により精製し、表題化合物(410mg、89%)を黄色の非晶質物質として生じた。MS(ES+)C2734Clの理論値:576、実測値:577[M+H]
【0395】
tert-ブチル 5-ブロモ-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:DCM(1.7mL)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(100mg、0.173mmol)の溶液へ、0℃で、NBS(46mg、0.26mmol)を添加し、得られた混合物を、RTへ1hかけて温めた。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲル上に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(82mg、72%)を、オレンジ色の非晶質物質として生じた。MS(ES+)C2733BrClの理論値:654、実測値:655[M+H]
【0396】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:THF(1.2mL)中のビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(3.1mg、6.1μmol)及びtert-ブチル 5-ブロモ-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(80mg、0.12mmol)の溶液を、Nにより1分間脱気した。ヘプタン中のジメチル亜鉛(244μl、0.244mmol、1M)を添加し、この混合物を、Nにより更に2分間脱気した。この反応混合物を、40℃に加熱し、1h撹拌した。反応を、MeOH(1mL)によりゆっくりクエンチさせた。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(41mg、57%)を、淡黄色の非晶質物質として生じた。MS(ES+)C2836Clの理論値:590、実測値:591[M+H]
【0397】
1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン:DCM(676μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(40mg、0.068mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(208μl、2.70mmol)を添加し、得られた混合物を、RTで1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、質量によって引き起こされる(mass-triggered)分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物(16mg、60%)を帯黄白色固形物として生じた。MS(ES+)C1820Clの理論値:390、実測値:391[M+H]1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ 7.67 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 3.70 - 3.61 (m, 2H), 3.30 - 3.26 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.10 - 2.00 (m, 2H), 1.99 - 1.89 (m, 2H), 1.52 (s, 3H)。
【0398】
実施例2:1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン
【化55】
1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン:DCM(539μl)中のtert-ブチル (1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(15mg、0.027mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(104μl、1.35mmol)を添加し、得られた混合物を、RTで2h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、質量によって引き起こされる分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物(3mg、24%)を白色固形物として生じた。MS(ES+)C1717BrClの理論値:454実測値:455[M+H]1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 14.11 (s, 1H), 7.97 (s, 3H), 7.80 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.66 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 7.9 Hz, 1H), 3.82 - 3.68 (m, 2H), 3.29 - 3.19 (m, 2H), 2.00 - 1.88 (m, 2H), 1.88 - 1.78 (m, 2H), 1.40 (s, 3H)。
【0399】
実施例3:6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-オール
【化56】
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-オール:表題化合物(5mg、47%)を、実施例2の反応混合物から黄色の非晶質物質として単離した。MS(ES+)C1718ClOの理論値:392、実測値:393[M+H]1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.90 (s, 1H), 7.97 (s, 3H), 7.71 (dd, J = 7.5, 2.1 Hz, 1H), 7.51 - 7.37 (m, 2H), 4.42 - 4.28 (m, 2H), 3.48 - 3.37 (m, 2H), 1.88 - 1.79 (m, 2H), 1.78 - 1.70 (m, 2H), 1.38 (s, 3H)。
【0400】
実施例4:6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボニトリル
【化57】
スキーム2:
【化58】

tert-ブチル (1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:DMF(2.0mL)中の1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン(150mg、0.398mmol)の懸濁液へ、トリエチルアミン(222μl、1.59mmol)及びBocO(231μl、0.994mmol)を添加し、得られた混合物を、40℃で12h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲル上に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(159mg、84%)を黄色の非晶質物質として生じた。MS(ES+)C2226Clの理論値:476、実測値:477[M+H]
【0401】
tert-ブチル (1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:DCM(1.0mL)中のtert-ブチル (1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(50mg、0.11mmol)の溶液へ、0℃で、NBS(28.0mg、0.157mmol)を添加し、得られた混合物を、RTで1h以上温めた。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲル上に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(48mg、83%)をオレンジ色の非晶質物質として生じる。MS(ES+)C2225BrClの理論値:554、実測値:555[M+H]
【0402】
tert-ブチル (1-(5-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:DMA(773μl)中のtert-ブチル (1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(43mg、0.077mmol)、シアン化銅(I)(9.0mg、0.10mmol)及びヨウ化ナトリウム(15mg、0.10mmol)の懸濁液を、Nにより2分間脱気した。この反応混合物を、150℃に加熱し、1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(30mg、77%)を黄色固形物として生じた。MS(ES+)C2325Clの理論値:501、実測値:502[M+H]
【0403】
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボニトリル:DCM(577μl)中のtert-ブチル (1-(5-シアノ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(29mg、0.058mmol)の懸濁液へ、トリフルオロ酢酸(89μl、1.1mmol)を添加し、得られた混合物を、RTで1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲル上に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(0.5%NHOHを含むDCM中の0~10%のMeOH)により精製し、表題化合物(15mg、65%)を黄色固形物として生じた。MS(ES+)C1817Clの理論値:401、実測値:402[M+H]1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 7.77 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.52 (dd, J = 7.9 Hz, 1H), 3.73 - 3.65 (m, 4H), 1.73 - 1.54 (m, 4H), 1.19 (s, 3H)。
【0404】
実施例5:1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン
【化59】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:ジオキサン(173μl)及び水(17μl)中のtert-ブチル 5-ブロモ-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(25mg、0.038mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(9.6mg、0.050mmol)及びKCO(15.8mg、0.114mmol)の溶液を、Nにより30秒間脱気した。PdCl(dppf)-CHCl付加物(3.1mg、3.8μmol)を添加し、この混合物を、Nにより更に30秒間脱気した。この反応混合物を、マイクロウェーブにより120℃で1h照射した。反応混合物を、セライトプラグを通して濾過し、DCMにより洗浄し、濃縮し、粗表題化合物(24mg、100%)を生じた。MS(ES+)C3036Clの理論値:642、実測値:643[M+H]
【0405】
1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン:DCM(190μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(24mg、0.038mmol)の溶液へ、TFA(59μl、0.76mmol)を添加し、得られた混合物を、20℃で2h撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を、質量によって引き起こされる分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=10~50%;20分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物(10mg、34%)を淡黄色固形物として生じた。MS(ES+)C2020Cl・3CHFの理論値:442、実測値:443[M+H]1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ 7.72 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.66 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.42 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 3.62 - 3.55 (m, 2H), 3.21 (dd, J = 13.4, 9.7 Hz, 2H), 2.00 - 1.93 (m, 2H), 1.83 (d, J = 13.4 Hz, 2H), 1.46 (s, 3H)。
【0406】
実施例6:1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メトキシ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミンビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)
【化60】
MeOH(163μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-クロロ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(20mg、0.033mmol)の溶液ヘ、HCl水溶液(327μl、0.327mmol、1M)を添加し、得られた混合物を、20℃で4h撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を、質量によって引き起こされる分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=20~60%;20分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物(7.5mg、29%)を白色固形物として生じた。MS(ES+)C1820ClO・2CHFの理論値:406、実測値:407[M+H]1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ 7.70 - 7.58 (m, 2H), 7.46 - 7.38 (m, 1H), 4.21-4.17 (m, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.45-3.42 (m, 2H), 2.11 - 2.03 (m, 2H), 2.02 - 1.88 (m, 2H), 1.52 (s, 3H)。
【0407】
実施例7:(6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール
【化61】
スキーム3
【化62】
メチル 3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-クロロピラジン-2-カルボキシラート:ジオキサン(1.93mL)中のメチル 3,5-ジクロロピラジン-2-カルボキシラート(100mg、0.483mmol)の溶液へ、tert-ブチル (4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(109mg、0.507mmol)及びTEA(0.141mL、1.01mmol)を添加し、得られた混合物を、24℃で18h撹拌した。HO(20mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×20mL)で抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(120mg、64%)を淡黄色固形物として生じた。MS(ES+)C1725ClNの理論値:384、実測値:407[M+Na]1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.88 (s, 1H), 4.40 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.71 - 3.57 (m, 2H), 3.46 - 3.27 (m, 2H), 2.19 - 2.04 (m, 2H), 1.74 - 1.62 (m, 2H), 1.54 - 1.34 (m, 12H)。同じく、位置異性体メチル 5-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-クロロピラジン-2-カルボキシラート(60mg、32%)を淡黄色固形物として単離した。 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 8.03 (s, 1H), 4.41 (s, 1H), 4.06 - 3.96 (m, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.53 - 3.39 (m, 2H), 2.26 - 2.12 (m, 2H), 1.72 - 1.57 (m, 2H), 1.50 - 1.37 (m, 12H)。
【0408】
tert-ブチル (1-(6-クロロ-3-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:DCM(4.0mL)中のメチル 3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-クロロピラジン-2-カルボキシラート(150mg、0.390mmol)の冷却した-78℃の溶液へ、DIBAL-H(1.55mL、1.55mmol、1.0M)を添加した。得られた混合物を、-78℃で30分間攪拌した。その後この混合物を、0℃で30分間温め、-78℃へ戻し冷却した。NaSO十水和物を、この混合物へ-78℃で添加し、RTまで温め、この状態で2h維持した。この反応混合物を、DCM(10mL)により希釈し、セライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~50%のEtOAc)により精製し、表題化合物(80mg、57%)を帯黄白色固形物として生じた。MS(ES+)C1625ClNの理論値:356、実測値:357[M+H]+1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.05 (s, 1H), 4.64 (s, 2H), 4.39 (s, 1H), 3.73 (s, 1H), 3.40 - 3.28 (m, 2H), 3.25 - 3.12 (m, 2H), 2.19 - 2.05 (m, 2H), 1.79 - 1.68 (m, 2H), 1.49 - 1.36 (m, 12H)。
【0409】
tert-ブチル (1-(3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-6-クロロピラジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:DMF(1.12mL)中のtert-ブチル (1-(6-クロロ-3-(ヒドロキシメチル)ピラジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(80mg、0.22mmol)の溶液へ、TBS-Cl(40.5mg、0.269mmol)及びイミダゾール(38mg、0.56mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で12h撹拌した。この反応混合物を、EtOAc(10mL)により希釈し、HO(10mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×10mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~20%のEtOAc)により精製し、表題化合物(92mg、87%)を無色の液体として生じた。MS(ES+)C2239ClNSiの理論値:470、実測値:471[M+H]+1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.02 (s, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.41 (s, 1H), 3.63 - 3.54 (m, 2H), 3.34 - 3.21 (m, 2H), 2.16 - 2.05 (m, 2H), 1.75 - 1.66 (m, 2H), 1.47 - 1.37 (m, 12H), 0.88 (s, 9H), 0.10 (d, J = 1.0 Hz, 6H)。
【0410】
tert-ブチル (1-(5-ブロモ-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-6-クロロピラジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:DMF(3651μl)中のtert-ブチル (1-(3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-6-クロロピラジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(172mg、0.365mmol)の冷却した0℃の溶液へ、NBS(97mg、0.548mmol)を添加した。得られた混合物を、25℃で2h撹拌した。飽和NaHCO(5mL)/飽和Na(5mL)を添加し、30分間攪拌させた。これらの層を分離し、水相をEtOAc(3×10mL)により抽出し、一緒にした有機層を飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~15%のEtOAc)により精製し、表題化合物(175mg、87%)を黄色液体として生じた。MS(ES+)C2238BrClNSiの理論値:548、実測値:549[M+H]
【0411】
tert-ブチル (1-(3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:DMF(182μl)中のtert-ブチル (1-(5-ブロモ-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-6-クロロピラジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(20mg、0.036mmol)の溶液へ、シアン化銅(I)(3.6mg、0.040mmol)及びヨウ化ナトリウム(6.0mg、0.040mmol)を添加し、得られた混合物を、150℃で3h撹拌した。この反応混合物をRTまで冷却させ、セライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、EtOAc(5mL)により希釈し、水(5mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×5mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaHCO(3×5mL)、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(12mg、66%)を黄色液体として生じた。MS(ES+)C2338ClNSiの理論値:495、実測値:496、498[M+H]1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 4.67 (s, 2H), 4.41 (s, 1H), 4.10 - 4.03 (m, 2H), 3.58 - 3.48 (m, 2H), 2.19 - 2.07 (m, 2H), 1.70 - 1.62 (m, 2H), 1.48 - 1.38 (m, 12H), 0.87 (s, 9H), 0.08 (s, 6H)。
【0412】
tert-ブチル (1-(3-アミノ-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:ブタン-1-オール(242μl)中のtert-ブチル (1-(3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(12mg、0.024mmol)の溶液へ、ヒドラジン水和物(2.1μl、0.054mmol)を添加し、得られた混合物を、105℃で6h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0~10%のMeOH)により精製し、表題化合物(8.0mg、67%)を黄色固形物として生じた。MS(ES+)C2341Siの理論値:491、実測値:492[M+H]1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 9.57 (s, 1H), 4.79 (s, 2H), 4.54 (s, 1H), 4.39 (s, 2H), 3.65 - 3.47 (m, 2H), 3.38 - 3.22 (m, 2H), 2.21 - 2.07 (m, 2H), 1.82 - 1.72 (m, 2H), 1.44 (s, 12H), 0.90 (s, 9H), 0.12 (s, 6H)。
【0413】
tert-ブチル (1-(3-ブロモ-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:アセトニトリル(163μl)中のtert-ブチル (1-(3-アミノ-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(8.0mg、0.016mmol)及び臭化銅(II)(4.0mg、0.018mmol)の冷却した0℃の溶液へ、亜硝酸イソペンチル(5.1mg、0.044mmol)を添加した。得られた混合物を、光が届かない状態で、25℃で18h撹拌した。水(1mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×3mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~50%のEtOAc)により精製し、表題化合物(4.0mg、44%)を淡黄色液体として生じた。MS(ES+)C2339BrNSiの理論値:554、実測値:555、557[M+H]1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 10.00 (s, 1H), 4.43 (s, 2H), 3.76 - 3.66 (m, 2H), 3.45 - 3.30 (m, 2H), 2.20 - 2.07 (m, 2H), 1.80 - 1.71 (m, 2H), 1.48 - 1.36 (m, 12H), 0.97 - 0.83 (m, 9H), 0.15 (s, 6H)。
【0414】
tert-ブチル 3-ブロモ-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:THF(468μl)中のtert-ブチル (1-(3-ブロモ-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(26mg、0.047mmol)の溶液へ、BocO(13μl、0.056mmol)及びDMAP(6.8mg、0.056mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で3h撹拌した。この反応混合物を、EtOAc(10mL)により希釈し、水(10mL)で洗浄した。これらの層を分離し、有機層を、飽和NaCl(10mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~20%のEtOAc)により精製し、表題化合物(26mg、85%)を淡黄色固形物として生じた。MS(ES+)C2847BrNSiの理論値:654、実測値:655[M+H]
【0415】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:アセトニトリル(397μl)中のtert-ブチル 3-ブロモ-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(26mg、0.040mmol)、(2,3-ジクロロフェニル)ボロン酸(9.8mg、0.052mmol)及びKCO(22mg、0.16mmol)の溶液を、Nにより2分間脱気した。PdCl(dppf)-CHCl付加物(6.5mg、7.9μmol)を添加し、この混合物を、Nにより更に1分間脱気した。この反応混合物を、100℃まで加熱し、6h撹拌した。反応混合物を、室温に冷却させ、セライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~50%のEtOAc)により精製し、表題化合物(8mg、28%)を淡黄色液体として生じた。MS(ES+)C3450ClSiの理論値:720、実測値:721[M+H]1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 7.65 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.30 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 4.79 (s, 2H), 4.46 (s, 1H), 3.86 - 3.78 (m, 2H), 3.49 - 3.38 (m, 2H), 2.18 - 2.11 (m, 2H), 1.81 - 1.75 (m, 2H), 1.72 (s, 9H), 1.45 - 1.42 (m, 12H), 0.86 (s, 9H), 0.06 (s, 6H)。
【0416】
(6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール:DCM(208μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(15mg、0.021mmol)の冷却した0℃の溶液へ、TFA(21μl、0.27mmol)を添加した。得られた混合物を、25℃で18h撹拌した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0~20%のMeOH)により精製し、表題化合物(2mg、24%)を白色固形物として生じた。MS(ES+)C1820ClOの理論値:406、実測値:390[M-OH]1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ 7.69 - 7.65 (m, 1H), 7.64 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.46 - 7.40 (m, 1H), 4.76 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 3.82 - 3.75 (m, 2H), 3.41 - 3.36 (m, 2H), 2.09 - 2.02 (m, 2H), 1.99 - 1.91 (m, 2H), 1.52 (s, 3H)。
【0417】
実施例8:6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボキサミド
【化63】
スキーム4
【化64】
メチル 6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボキシラート:MeOH(20mL)中のtert-ブチル (1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(300mg、0.54mmol)の混合物へ、Pd(OAc)(12mg、0.054mmol)、Xantphos(31mg、0.054mmol)、及びTEA(0.5mL)を添加した。この混合物を、一酸化炭素によりフラッシュし、一酸化炭素バルーンにより15h還流した。揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中の10~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(300mg、>100%)を茶色固形物として生じた。MS(ES+)C2428Clの理論値:534、実測値:535[M+H]
【0418】
6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボン酸:THF(10mL)中のメチル 6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボキシラート(190mg、0.35mmol)及びNaOH水溶液(5mL、2M)の混合物を、48h還流加熱した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、EtOAcにより希釈し、飽和クエン酸によりpH<5に調節した。混合物を、EtOAc(5×20mL)により抽出し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0~10%のMeOH)により精製し、表題化合物(50mg、27%)を茶色固形物として生じた。MS(ES+)C2326Clの理論値:520、実測値:521[M+H]
【0419】
tert-ブチル 1-(5-カルバモイル-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート:DMF(2mL)中の6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボン酸(20mg、0.038mmol)の混合物へ、HATU(22mg、0.058mmol)を添加し、得られた混合物を、10分間攪拌し、その後NHCl(20mg、0.37mmol)及びDIPEA(0.2mL)を添加した。この混合物を、rtで1h撹拌した。この混合物を、水(20mL)により希釈し、EtOAc(20mL×3)により抽出し、ブライン(20mL)により洗浄し、濃縮し、直接次工程で使用した。MS(ES+)C2327Clの理論値:519、実測値:520[M+H]
【0420】
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボキサミド:DCM(5mL)中のtert-ブチル 1-(5-カルバモイル-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(20mg、~0.038mmol)の溶液へ、TFA(1mL)を添加し、rtで1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、分取HPLC(移動相:A=0.01%TFA/HO、B=0.01%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物(3.9mg、24%、TFA塩)を明黄色固形物として生じた。MS(ES+)C1819ClO・CHFの理論値:419、実測値:420[M+H]1H NMR (500 MHz, 600 MHz, メタノール-d4) δ 7.68 (td, J = 7.7, 1.5 Hz, 2H), 7.46 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 3.95 (d, J = 14.4 Hz, 2H), 3.45 - 3.36 (m, 2H), 2.02 (t, J = 9.6 Hz, 2H), 1.92 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 1.52 (s, 3H)。
【0421】
実施例9:6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルバルデヒド
【化65】
スキーム5
【化66】
tert-ブチル (1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ビニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:マイクロウェーブバイアルに、tert-ブチル (1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(200mg、0.360mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(72.0mg、0.467mmol)、KCO(149mg、1.08mmol)及びジオキサン(3.3mL)を投入した。この反応混合物を、Nにより1分間脱気した。PdCl(dppf)-CHCl付加物(29mg、0.036mmol)を添加し、混合物を、Nにより更に1分間脱気した。バイアルを密封し、反応混合物を、マイクロウェーブ反応器中で、120℃で1h加熱した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(92mg、51%)を黄色固形物として生じた。MS(ES+)C2428Clの理論値:502、実測値:503[M+H]
【0422】
tert-ブチル (1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ホルミル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート:ジオキサン(447μl)及び水(149μl)中のtert-ブチル (1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ビニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(30mg、0.060mmol)の溶液へ、2,6-ルチジン(13.9μl、0.119mmol)、過ヨウ素酸ナトリウム(51.0mg、0.238mmol)、及び四酸化オスミウム(9.4μl、1.2μmol、水中4%溶液)を添加し、得られた混合物を、rtで12h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(26mg、86%)を淡黄色固形物として生じた。MS(ES+)C2326Clの理論値:504、実測値:505[M+H]
【0423】
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルバルデヒド:DCM(495μl)中のtert-ブチル (1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ホルミル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(25mg、0.049mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(95μl、1.2mmol)を添加し、得られた混合物を、rtで1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、質量によって引き起こされる分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物(8mg、40%、TFA塩)を黄色固形物として生じた。MS(ES+)C1818ClO・CHFの理論値:404、実測値:405[M+H]1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 14.06 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 7.97 (s, 3H), 7.82 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.55 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.84 - 3.72 (m, 2H), 3.35 - 3.30 (m, 2H), 2.01 - 1.88 (m, 2H), 1.87 - 1.73 (m, 2H), 1.40 (s, 3H)。
【0424】
下記実施例を、先の実施例について使用した合成方法に類似し、且つ全般的に本明細書に開示された方法により行うことができる合成方法により合成した。これらの実施例は、遊離塩基又は塩として生成されてよい。
【表1】
【0425】
実施例11:(6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール
【化67】
スキーム6
【化68】
tert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:MeCN(763μl)中のtert-ブチル 3-ブロモ-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(50mg、0.076mmol)の溶液へ、(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)ボロン酸(28.4mg、0.099mmol)及びKCO(42.2mg、0.305mmol)を添加し、得られた混合物を、Nにより2分間脱気した。PdCl(dppf)-CHCl付加物(12.45mg、0.015mmol)を添加し、この混合物を、Nにより更に1分間脱気した。反応混合物を、90℃に加熱し、6h撹拌した。反応混合物を、室温まで冷却させ、セライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~50%のEtOAc)により精製し、所望の化合物(12mg、0.015mmol、収率19%)を淡黄色液体として生じた。1H-NMR (600 MHz, CDCl3) 8.48 (d, J = 0.01 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 0.01 Hz, 1H), 4.80 (s, 2H), 3.89 (d(br), J = 0.02 Hz, 2H), 3.49 (t(br), J = 0.01 Hz, 2H), 3.27 (s, 3H), 2.16 (d(br), J = 0.02 Hz, 2 H), 1.77 (t(br), J = 0.01 Hz, 2H), 1.73 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 1.44 (s, 3H), 1.42 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.08 (s, 6H)。MS(ES+)C3961ClNSiの理論値:816、実測値:717[M+H-100]
【0426】
【化69】
(6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール:DCM(147μl)中のtert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(12mg、0.015mmol)の溶液へ、TFA(29.4μl、0.015mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で18h撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をMeOH(300μL)中に再溶解した。KCO(4.06mg、0.029mmol)を添加し、この混合物を、3h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(0.5%NHOHを含むDCM中の10%MeOH)により精製し、所望の化合物(1.5mg、3.7μmol、収率25%)を淡黄色固形物として生じた。1H-NMR (600 MHz, CDCl3) 8.18 (d, J = 0.01 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 0.01 Hz, 1H), 5.32 (d(br), J = 0.01, 1H), 4.78 (s, 2H), 3.39 (m, 4H), 3.12 (d, J = 0.011 3H), 1.26 (s, 3H)。MS(ES+)C1823ClNOの理論値:402、実測値:403[M+H]
【0427】
実施例12:1-(6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)エタノール
【化70】
スキーム7
【化71】
tert-ブチル 1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(1-エトキシビニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート:THF(1.5mL)中のtert-ブチル 1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(100mg、0.148mmol)、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(80mg、0.222mmol)、CuI(2.8mg、0.015mmol)、及びPd(PhP)Cl(10mg、0.015mmol)の混合物を、Arにより2分間フラッシュし、得られた混合物を、70℃で2時間加熱した。この混合物を、室温に冷却し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~80%のEtOAc)により精製し、表題化合物を茶色油状物(80mg、0.146mmol)として生じた。MS(ES+)C2632Clの理論値:546、実測値:547[M+H]
【0428】
tert-ブチル 1-(5-アセチル-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート:アセトン(3mL)/水(1mL)中のtert-ブチル 1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(1-エトキシビニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(50mg、0.091mmol)の混合物へ、シュウ酸(50mg、0.555mmol)を添加し、この混合物を、25℃で1時間撹拌した。ブライン(25mL)を添加し、混合物を、EtOAc(3×25mL)により抽出し、有機相を一緒にし、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗表題化合物(50mg、0.096mmol)を生じた。得られた混合物を、更に精製することなく使用した。MS(ES+)C2428Clの理論値:518、実測値:519[M+H]
【0429】
tert-ブチル 1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート:MeOH(2ml)中のtert-ブチル 1-(5-アセチル-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(50mg、0.096mmol)の0℃の溶液へ、NaBH(20mg、0.528mmol)を添加し、得られた混合物を、0℃で20分間攪拌した。ブライン(25mL)を添加し、混合物を、EtOAc(3×25mL)により抽出し、有機相を一緒にし、ブラインにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を茶色油状物(50mg、0.096mmol)として得た。得られた混合物を、更に精製することなく使用した。MS(ES+)C2430Clの理論値:520、実測値:521[M+H]
【0430】
1-(6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)エタノール:tert-ブチル 1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(1-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(50mg、0.096mmol)へ、TFA(2ml)を添加し、得られた混合物を、25℃で1時間撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、分取HPLC(移動相:A=0.01%TFA/HO、B=0.01%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物を明黄色固形物(20mg、0.045mmol)として得た。MS(ES+)C2127ClNOの理論値:442、実測値:443[M+H]1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 7.69 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.45 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 5.20 (q, J = 6.3 Hz, 1H), 3.85 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.62 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.46 (ddd, J = 13.6, 8.8, 4.5 Hz, 1H), 3.27 (t, J = 10.6 Hz, 1H), 2.21 - 2.08 (m, 1H), 2.05 - 1.86 (m, 3H), 1.58 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.53 (s, 3H)。
【0431】
実施例13:6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-N-ヒドロキシ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボキサミド
【化72】
スキーム8
【化73】
tert-ブチル 1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート:DMF(10mL)中のtert-ブチル 1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(800mg、1.44mmol)の溶液へ、1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(337mg、2.16mmol)及びCsCO(935mg、2.88mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で18時間撹拌した。この混合物を、EtOAc(50mL)及びブライン(50mL)により希釈し、これらの層を分離した。水層を、EtOAc(2×50mL)により抽出し、一緒にした有機層を、水(50mL)、NHCl(2×50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。有機物を、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~50%のEtOAc)により精製し、表題化合物を油状物(1g、1.40mmol、収率98%)として生じた。MS(ES+)C3033BrClの理論値:674、実測値:675[M+H]
【0432】
メチル 6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボキシラート:MeOH(20mL)中のtert-ブチル 1-(5-ブロモ-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(500mg、0.739mmol)の溶液へ、Pd(dba)(52mg、0.074mmol)、Xantphos(43mg、0.074mmol)、及びTEA(747mg、7.4mmol)を添加した。この混合物を、一酸化炭素によりフラッシュし、一酸化炭素大気(1atm)下で70℃で18時間撹拌した。この混合物を、シリカゲル(2g)に吸着させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~40%のEtOAc)により精製し、表題化合物を茶色固形物(200mg、0.305mmol、収率41%)として生じた。MS(ES+)C3236Clの理論値:654、実測値:655[M+H]
【0433】
tert-ブチル 1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(ヒドロキシカルバモイル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート:MeOH(3mL)中のメチル 6-(4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボキシラート(100mg、0.153mmol)の0℃の溶液へ、NHOH(50%、0.5mL)、NaOH(MeOH中飽和、0.5mL)を添加し、得られた混合物を、0℃で1時間撹拌した。ブライン(25mL)を添加し、これらの層を分離した。水層を、EtOAc(3×25mL)により抽出し、一緒にした有機物をブライン(25ml)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、表題化合物を茶色固形物(100mg、0.152mmol)として生じた。生成物を、更に精製することなく使用した。MS(ES+)C3135Clの理論値:655、実測値:656[M+H]
【0434】
6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-N-ヒドロキシ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-カルボキサミド:tert-ブチル 1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(ヒドロキシカルバモイル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イルカルバメート(90mg、0.137mmol)を含むマイクロウェーブバイアルに、TFA(2mL)を入れた。このバイアルに蓋を付け、マイクロウェーブ照射下で、80℃で2時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、逆相分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物を明黄色固形物(7.2mg、0.016mmol、収率11%)として生じた。MS(ES+)C1819l2の理論値:435、実測値:436[M+H]1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 7.68 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.45 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 3.96 (d, J = 14.3 Hz, 2H), 3.39 (dd, J = 25.6, 15.0 Hz, 2H), 1.98 (dt, J = 43.2, 11.6 Hz, 4H), 1.52 (s, 3H)。
【0435】
実施例14:1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン
【化74】
スキーム9
【化75】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:アセトニトリル(1.060ml)中の1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン(0.2g、0.530mmol)の溶液へ、TEA(0.111ml、0.795mmol)及びBOCO(0.492ml、2.120mmol)を添加し、引き続きDMAP(6.48mg、0.053mmol)を添加し、得られた混合物を、60℃で66h撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~50%のEtOAc)により精製し、tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(125mg、0.216mmol、収率40.8%)を無色の液体として生じた。MS(ES+)C2734l2の理論値:576/578/560、実測値:577/579/561[M+H]
【0436】
tert-ブチル 5-ブロモ-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:0℃で、DCM(1732μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(100mg、0.173mmol)の溶液へ、NBS(46.2mg、0.260mmol)を添加し、得られた混合物を、1hかけてRTへ温めた。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(82mg、0.125mmol、収率72.1%)をオレンジ色非晶質物質として生じた。MS(ES+)C2733BrClの理論値:656、実測値:657[M+H]
【0437】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ビニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:マイクロウェーブバイアルに、tert-ブチル 5-ブロモ-6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(500mg、0.762mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(153mg、0.990mmol)、KCO(316mg、2.285mmol)及びジオキサン(6925μl)を投入した。この反応混合物を、Nにより1分間脱気した。PdCl(dppf)-CHCl付加物(31.1mg、0.038mmol)を添加し、この混合物を、Nにより更に1分間脱気した。バイアルを密封し、反応混合物を、マイクロウェーブ反応器内で120℃まで1hかけて加熱した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(240mg、0.398mmol、収率52.2%)を黄色非晶質物質として生じた。MS(ES+)C2936Clの理論値:602、実測値:603[M+H]
【0438】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ホルミル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:ジオキサン(3575μl)及び水(1192μl)中のtert-ブチル (1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ビニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル)カルバメート(240mg、0.477mmol)の溶液へ、2,6-ルチジン(111μl、0.953mmol)及び四酸化オスミウム(74.8μl、9.53μmol)を添加し、得られた混合物を、RTで3h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(188mg、0.372mmol、収率78%)を淡黄色固形物として生じた。MS(ES+)C2834Clの理論値:605、実測値:606[M+H]
【0439】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:DCM(363μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ホルミル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(22mg、0.036mmol)の溶液へ、0℃で、DAST(14.40μl、0.109mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で18h撹拌した。残渣を、シリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(12mg、0.019mmol、収率52.6%)を黄色非晶質物質として生じた。MS(ES+)C2834Clの理論値:627、実測値:628[M+H]
【0440】
1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン:DCM(382μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(12mg、0.019mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(44.2μl、0.574mmol)を添加し、得られた混合物を、RTで1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。次にこの試料を、MeOH/HO中で凍結させ、凍結乾燥した。表題化合物(10mg、0.018mmol、収率97%)を、淡黄色固形物として単離した。MS(ES+)C1818Clの理論値:427、実測値:428[M+H]1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 14.19 (s, 1H), 8.03 (s, 3H), 7.82 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 7.7, 1.5 Hz, 1H), 7.55 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 53.4 Hz, 1H), 3.63 - 3.55 (m, 2H), 3.34 - 3.27 (m, 3H), 2.00 - 1.91 (m, 2H), 1.89 - 1.81 (m, 2H), 1.39 (s, 3H)。
【0441】
実施例15:1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(フルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン
【化76】
スキーム10
【化77】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:DCM(1552μl)及びメタノール(1552μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-ホルミル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(188mg、0.310mmol)の溶液へ、水素化ホウ素ナトリウム(35.2mg、0.931mmol)を添加し、得られた混合物を、RTで1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。黄色残渣を、DCM(3mL)中に溶解し、飽和ロッシェル塩(2mL)を添加した。この混合物を、18時間撹拌した。これらの層を分離し、水層を、DCM(2×1mL)により抽出した。一緒にした有機物を、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲル上に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物(136mg、0.224mmol、収率72.1%)を淡黄色非晶質物質として生じた。MS(ES+)C2836Clの理論値:607、実測値:608[M+H]
【0442】
tert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(フルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:DCM(2239μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(136mg、0.224mmol)の溶液へ、0℃で、DAST(89μl、0.672mmol)を添加し、得られた混合物を、それ自身でRTまで温め、18時間撹拌した。この反応物を、SiOプラグ4gを通して溶離し、DCM(5mL)及びEtOAc(15mL)により溶離した。揮発性物質を、減圧下で除去した。粗表題化合物(136mg、0.224mmol、収率100%)を単離した。MS(ES+)C2835ClFNの理論値:609、実測値:610[M+H]
【0443】
1-(3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(フルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-4-メチルピペリジン-4-アミン:DCM(2231μl)中のtert-ブチル 6-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-5-(フルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(136mg、0.223mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(17.19μl、0.223mmol)を添加し、得られた混合物を、RTで1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、セライト上に吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(DCMw/0.5%NHOH中の0~10%のMeOH)により精製し、表題化合物(6mg、0.015mmol、収率6.57%)を淡黄色固形物として生じた。MS(ES+)C1819ClFNの理論値:408、実測値:392[M-NH1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 13.99 (s, 1H), 8.03 (s, 3H), 7.80 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.54 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 47.8 Hz, 2H), 3.66 - 3.55 (m, 2H), 3.31 - 3.25 (m, 2H), 1.99 - 1.91 (m, 2H), 1.89 - 1.80 (m, 2H), 1.40 (s, 3H)。
【0444】
実施例16:(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール
【化78】
(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール:表題化合物は、中間体119を使用し、実施例7、工程2から調製することができる。MS(ES+)C2124Clの理論値:463、実測値:464[M+H]1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ 7.64 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 4.79 (s, 2H), 4.28 - 4.16 (m, 2H), 3.86 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.74 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.56 - 3.44 (m, 2H), 3.26 - 3.08 (m, 2H), 3.06 (s, 1H), 2.01 (t, J = 12.3 Hz, 2H), 1.87 (d, J = 11.9 Hz, 2H), 1.79 (s, 1H), 1.27 (d, J = 6.9 Hz, 3H)。
【0445】
実施例17:(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール
【化79】
(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール:表題化合物は、中間体119を使用し、実施例11から調製することができる。MS(ES+)C2229ClNの理論値:472、実測値:473[M+H]1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ 8.03 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.76 (s, 2H), 4.29 - 4.19 (m, 2H), 3.86 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 3.73 (t, J = 9.0 Hz, 2H), 3.68 - 3.62 (m, 2H), 3.54 - 3.49 (m, 2H), 3.26 - 3.11 (m, 2H), 3.05 (d, J = 8.3, 4.9 Hz, 1H), 2.04 - 1.87 (m, 2H), 1.77 (t, J = 18.3 Hz, 2H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.24 - 1.22 (m, 3H)。
【0446】
実施例18:(3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン 2,2,2-トリフルオロアセテート
【化80】
スキーム11
【化81】
5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-クロロピラジン-2-カルボニトリル;アセトニトリル(86mL)中の(3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン二塩酸塩(4.19g、17.2mmol)の冷却した0℃の懸濁液へ、ヒューニッヒ塩基(15.06mL、86.0mmol)及び3,5-ジクロロピラジン-2-カルボニトリル(3g、17.2mmol)を添加した。得られた混合物を、25℃で1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、黄色油状物を生じ、これを更に精製することなく使用した。MS(ES+)C1418ClNOの理論値:307、実測値:308[M+H]
【0447】
tert-ブチル ((3S,4S)-8-(6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート:THF(66mL)中の5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-クロロピラジン-2-カルボニトリル(4.1g、13.3mmol)の溶液へ、BOC-無水物(3.7mL、15.9mmol)及びTEA(2.2mL、15.9mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で3h撹拌した。水(20mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×25mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0~5%のMeOH)により精製し、表題化合物(5g、12.2mmol、収率92%)を黄色固形物として生じた。MS(ES+)C1926ClNの理論値:407、実測値:408[M+H]1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 7.98 (s, 1H), 4.66 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.20 - 4.08 (m, 1H), 4.04 - 3.97 (m, 1H), 3.90 - 3.70 (m, 3H), 3.68 - 3.58 (m, 2H), 1.90 - 1.77 (m, 2H), 1.78 - 1.70 (m, 1H), 1.66 (s, 1H), 1.63 - 1.57 (m, 2H), 1.52 (s, 9H), 1.20 (d, J = 6.3 Hz, 3H)。
【0448】
tert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート:BuOH(60mL)中のtert-ブチル ((3S,4S)-8-(6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(5g、12.2mmol)の溶液へ、ヒドラジン水和物(1.87mL、30.6mmol)を添加し、得られた混合物を、100℃で8h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、黄色油状物を生じ、これを更に精製することなく使用した。MS(ES+)C1929の理論値:403、実測値:404[M+H]
【0449】
tert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート:アセトニトリル(90mL)中のtert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(4g、9.9mmol)及び臭化銅(II)(2.43g、10.9mmol)の0℃に冷却した溶液へ、亜硝酸イソペンチル(3.60mL、26.8mmol)を添加した。得られた混合物を、光の届かない所で、25℃で18h撹拌した。水(20mL)を添加し、揮発性物質を、減圧下で除去した。この反応混合物を、DCM(50mL)により希釈し、3%NHOH(2×50mL)により洗浄した。これらの層を分離し、有機層を、飽和NaCl(30mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(2%NHOH含有DCM中の0~5%のMeOH)により精製し、表題化合物(1.7g、3.6mmol、収率36.7%)を黄色液体として生じた。MS(ES+)C1927BrNの理論値:467、実測値:468[M+H]
【0450】
tert-ブチル 3-ブロモ-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:THF(35mL)中のtert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(1.7g、3.6mmol)の溶液へ、BOC-無水物(1.013mL、4.3mmol)及びTEA(0.60mL、4.3mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で6h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(2%NHOH含有DCM中の0~5%のMeOH)により精製し、表題化合物(1.3g、2.2mmol、収率63.0%)を黄色液体として生じた。MS(ES+)C2435BrNの理論値:567、実測値:568[M+H]
【0451】
tert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:ジオキサン(15mL)中のtert-ブチル 3-ブロモ-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(1.2g、2.1mmol)、(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)ボロン酸(1.144g、3.8mmol)及びKCO(1.169g、8.4mmol)の溶液を、Nにより1分間脱気した。PdCl(dppf)-CHCl付加物(0.345g、0.4mmol)を添加し、この混合物を、Nにより更に2分間脱気した。この反応混合物を、100℃に加熱し、3h撹拌した。水(5mL)を添加し、反応混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。反応混合物を、DCM(20mL)により希釈し、水(15mL)により洗浄した。これらの層を分離し、有機層を飽和NaCl(15mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(2%NHOH含有DCM中の0~5%のMeOH)により精製し、表題化合物(1.3g、1.7mmol、収率83%)を黄色泡状固形物として生じた。MS(ES+)C3651ClNの理論値:743、実測値:744[M+H]
【0452】
tert-ブチル 5-ブロモ-3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:DCM(17mL)中のtert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(1.3g、1.7mmol)の0℃へ冷却した溶液へ、NBS(0.467g、2.6mmol)を添加した。得られた混合物を、50℃で2h撹拌した。飽和NaHCO(10mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、DCM(3×10mL)により抽出し、一緒にした有機層を、水により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(2%NHOH含有DCM中の0~5%のMeOH)により精製し、表題化合物(1.28g、1.5mmol、収率89%)を黄色泡状固形物として生じた。MS(ES+)C3650BrClNの理論値:822、実測値:823[M+H]
【0453】
tert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:THF(6.0mL)中のtert-ブチル 5-ブロモ-3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(500mg、0.6mmol)の脱気した0℃の溶液へ、ビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(15.54mg、0.03mmol)及びジメチル亜鉛(912μl、0.9mmol)を添加した。得られた混合物を、20℃で1h撹拌した。MeOH(3mL)を添加し、揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、逆相分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=50~90%;12分間;カラム:Y)により精製し、表題化合物(26mg、0.03mmol、収率5.65%)を黄色液体として生じた。MS(ES+)C3753ClNの理論値:757、実測値:758[M+H]
【0454】
(3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン 2,2,2-トリフルオロアセテート:DCM(343μl)中のtert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(26mg、0.03mmol)の溶液へ、TFA(26.4μl、0.3mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で3h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、表題化合物(18mg、0.032mmol、収率92%)を黄色油状物として生じた。MS(ES+)C2229ClNOの理論値:456、実測値:457[M+H]1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ 7.95 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.34 - 4.29 (m, 1H), 3.98 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.88 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.77 - 3.66 (m, 2H), 3.61 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.49 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 3.11 - 2.99 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.08 - 1.99 (m, 2H), 1.99 - 1.94 (m, 1H), 1.83 - 1.76 (m, 1H), 1.39 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.33 (d, J = 6.5 Hz, 3H)。
【0455】
スキーム12
【化82】
5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-クロロピラジン-2-カルボニトリル:アセトニトリル(575ml)中の3S,4S)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン二塩酸塩(28.0g、115mmol)の冷却した0℃の懸濁液へ、ヒューニッヒ塩基(100ml、575mmol)及び3,5-ジクロロピラジン-2-カルボニトリル(20g、115mmol)を添加した。得られた混合物を、25℃で1h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、黄色油状物を生じ、これを更に精製することなく使用した。MS(ES+)C1418ClNOの理論値:307、実測値:308[M+H]
【0456】
tert-ブチル ((3S,4S)-8-(6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート:DCM(460ml)中の5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-クロロピラジン-2-カルボニトリル(35.4g、115mmol)の溶液へ、BOC-無水物(32.0ml、138mmol)及びTEA(19.24ml、138mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で3h撹拌した。HO(100mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×50mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~90%のEtOAc)により精製し、tert-ブチル ((3S,4S)-8-(6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(38g、93mmol、収率81%)を黄色泡状固形物として生じた。MS(ES+)C1926ClNの理論値:407、実測値:408[M+H]
【0457】
tert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-ブロモ-6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート:DMF(564ml)中のtert-ブチル ((3S,4S)-8-(6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(46g、113mmol)の溶液へ、NBS(30.1g、169mmol)を添加し、得られた混合物を、50℃で18h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~80%のEtOAc)により精製し、tert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-ブロモ-6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(24g、49.3mmol、収率43.7%)を淡黄色泡状固形物として生じた。MS(ES+)C1925BrClNの理論値:486、実測値:486、487[M+H]
【0458】
tert-ブチル ((3S,4S)-8-(6-クロロ-5-シアノ-3-メチルピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート:ジオキサン(51.4ml)中のtert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-ブロモ-6-クロロ-5-シアノピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(5g、10.27mmol)、2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン(0.574ml、4.11mmol)及びKCO(2.84g、20.54mmol)の溶液を、Nにより2分間脱気した。PdCl(dppf)-CHCl付加物(0.839g、1.027mmol)を添加し、この混合物を、Nにより更に1分間脱気した。反応混合物を、90℃に加熱し、72h撹拌した。この反応混合物を、室温に冷却させ、セライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~70%のEtOAc)により精製し、tert-ブチル ((3S,4S)-8-(6-クロロ-5-シアノ-3-メチルピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(3.3g、7.82mmol、収率76%)を黄色液体として生じた。MS(ES+)C2028ClNの理論値:421、実測値:422[M+H]
【0459】
tert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-アミノ-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート:BuOH(78ml)中のtert-ブチル ((3S,4S)-8-(6-クロロ-5-シアノ-3-メチルピラジン-2-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(3.3g、7.82mmol)の溶液へ、ヒドラジン水和物(0.979g、19.55mmol)を添加し、得られた混合物を、105℃で8h撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却させ、揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0~10%のMeOH)により精製し、tert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-アミノ-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(1.6g、3.83mmol、収率49.0%)を黄色液体として生じた。MS(ES+)C2031の理論値:417、実測値:418[M+H]
【0460】
tert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-ブロモ-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート:アセトニトリル(38.3ml)中のtert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-アミノ-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(1.6g、3.83mmol)の溶液へ、臭化銅(II)(0.942g、4.22mmol)及び亜硝酸イソペンチル(1.122g、9.58mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で18h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。この反応混合物を、EtOAc(20mL)により希釈し、NHOH(20mL、10%溶液)を添加し、これらの層を分離した。有機層を、NHOH(2×20mL、10%溶液)、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0~5%のMeOH)により精製し、tert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-ブロモ-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(810mg、1.683mmol、収率43.9%)を暗色液体として生じた。MS(ES+)C2029BrNの理論値:481、実測値:482、483[M+H]
【0461】
tert-ブチル 3-ブロモ-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:THF(16.800mL)中のtert-ブチル ((3S,4S)-8-(3-ブロモ-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イル)カルバメート(810mg、1.683mmol)の溶液へ、BOC-無水物(0.469mL、2.019mmol)及びTEA(0.352mL、2.52mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で12h撹拌した。HO(20mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×15mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~85%のEtOAc)により精製し、tert-ブチル 3-ブロモ-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(650mg、1.118mmol、収率66.4%)を淡黄色泡状固形物として生じた。MS(ES+)C2537BrNの理論値:581、実測値:582、583[M+H]
【0462】
tert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート:ジオキサン(29.3ml)中のtert-ブチル 3-ブロモ-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(2.56g、4.40mmol)、(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)ボロン酸(2.382g、7.92mmol)及びKCO(2.434g、17.61mmol)の溶液を、Nにより1分間脱気した。PdCl(dppf)-CHCl付加物(0.719g、0.880mmol)を添加し、この混合物を、Nにより更に2分間脱気した。この反応混合物を、100℃に加熱し、3h撹拌した。水(5mL)を添加し、反応混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。この反応混合物を、DCM(20mL)により希釈し、HO(15mL)により洗浄した。これらの層を分離し、有機層を飽和NaCl(15mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(2%NHOH含有DCM中の0~5%のMeOH)により精製し、tert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(2.67g、3.52mmol、収率80%)を黄色泡状固形物として生じた。MS(ES+)C3651ClNの理論値:743、実測値:744[M+H]
【0463】
(3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン:DCM(26.4ml)中のtert-ブチル 3-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(エチル)アミノ)-3-クロロピリジン-4-イル)-6-((3S,4S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-1-カルボキシラート(2g、2.64mmol)の溶液へ、TFA(2.035ml、26.4mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で5h撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(2%NHOH含有DCM中の0~10%のMeOH)により精製し、(3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミンを淡黄色固形物として生じた。MS(ES+)C2229ClNOの理論値:456、実測値:457[M+H]1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ 7.95 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.34 - 4.29 (m, 1H), 3.98 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.88 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.77 - 3.66 (m, 2H), 3.61 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.49 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 3.11 - 2.99 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.08 - 1.99 (m, 2H), 1.99 - 1.94 (m, 1H), 1.83 - 1.76 (m, 1H), 1.39 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.33 (d, J = 6.5 Hz, 3H)。
【0464】
実施例19:(3S,4S)-8-(5-クロロ-3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン
【化83】
スキーム13
【化84】
tert-ブチル (3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-フルオロピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート:トルエン(25mL)中の3-クロロ-2-フルオロ-4-(トリブチルスタンニル)ピリジン[中間体120](842mg、2mmol)及びtert-ブチル (3S,4S)-8-(3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(600mg、1mmol)の溶液へ、Pd(PhP)(116mg、0.1mmol)、CuI(19mg、0.1mmol)、及びKF(232mg、4mmol)を添加した。この反応混合物を、Arで2分間掃流し、120℃で48時間撹拌した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~55%のEtOAc)により精製し、表題化合物を、明黄色固形物(165mg、0.271mmol、収率28%)として生じた。MS(ES+)C2937ClFNの理論値:601、実測値:602[M+H]
【0465】
tert-ブチル (3S,4S)-8-(5-クロロ-3-(3-クロロ-2-フルオロピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート:DMF(5mL)中のtert-ブチル (3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-フルオロピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(100mg、0.166mmol)の溶液へ、NCS(220mg、1.661mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で1時間撹拌した。飽和NaHSO(1mL)及びブライン(15mL)を添加し、これらの層を分離した。水層を、EtOAc(3×15mL)により抽出し、一緒にした有機層を、水(15mL)、ブライン(15mL)により洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を茶色油状物(50mg、0.078mmol、収率45%)として生じた。この生成物を、更に精製することなく使用した。MS(ES+)C2936ClFNの理論値:635、実測値:636[M+H]
【0466】
tert-ブチル (3S,4S)-8-(5-クロロ-3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート:DMSO(0.5mL)中のtert-ブチル (3S,4S)-8-(5-クロロ-3-(3-クロロ-2-フルオロピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(40mg、0.062mmol)の溶液へ、EtNH(70%、0.1mL)を添加し、得られた混合物を、25℃で2時間撹拌した。水(10mL)を添加し、これらの層を分離した。水層を、EtOAc(3×15mL)により抽出し、一緒にした有機層を、水(15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を茶色油状物(50mg、0.075mmol)として生じた。生成物を、更に精製することなく使用した。MS(ES+)C3142Clの理論値:660、実測値:661[M+H]
【0467】
(3S,4S)-8-(5-クロロ-3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-アミン:tert-ブチル (3S,4S)-8-(5-クロロ-3-(3-クロロ-2-(エチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(50mg、0.075mmol)へ、TFA(2ml)を添加し、得られた混合物を、25℃で1時間撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、逆相分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物を明黄色固形物(7mg、0.014mmol、収率18%)として生じた。MS(ES+)C2126ClOの理論値:476、実測値:477[M+H]1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 8.02 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.34 (dd, J = 6.5, 4.2 Hz, 1H), 4.11 - 3.94 (m, 3H), 3.91 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.59 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.51 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 3.23 - 3.00 (m, 2H), 2.13 - 1.90 (m, 3H), 1.82 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 1.36 (t, J = 7.2 Hz, 6H)。
【0468】
実施例20:(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール
【化85】
スキーム14
【化86】
tert-ブチル (3S,4S)-8-(5-クロロ-3-(3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート:トルエン(3mL)、EtOH(1.5mL)、及び水(1mL)中のtert-ブチル (3S,4S)-8-(5-クロロ-3-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(220mg、0.347mmol)の溶液へ、3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イルボロン酸(212mg、0695mmol)、Pd(PhP)(40mg、0.035mmol)、KF(60mg、1.043mmol)、及びKPO(221mg、1.043mmol)を添加し、得られた混合物を、120℃で18時間加熱した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物を茶色固形物(150mg、0.195mmol、収率75%)として生じた。MS(ES+)C3848Clの理論値:766、実測値:767[M+H]
【0469】
tert-ブチル (3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-ビニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート:トルエン(2mL)、EtOH(1mL)、及びHO(0.5mL)中のtert-ブチル (3S,4S)-8-(5-クロロ-3-(3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(190mg、0.2477mmol)の溶液へ、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(43mg、0.322mmol)、Pd(PhP)(28.6mg、0.025mmol)、KCO(102mg、0.743mmol)を添加し、得られた混合物を、120℃で1時間加熱した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%のEtOAc)により精製し、表題化合物を茶色固形物(120mg、0.158mmol、収率63%)として生じた。MS(ES+)C4051ClNの理論値:758、実測値:759[M+H]
【0470】
tert-ブチル (3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)-5-ホルミル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート:ジオキサン(4ml)中のtert-ブチル (3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-ビニル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(120mg、0.158mmol)の溶液へ、2,6-ジメチルピリジン(51mg、0.474mmol)、NaIO(135mg、HO中0.632mmol(1ml))、及びOsO(0.27mg、0.001mmol)を添加し、得られた混合物を、25℃で1時間撹拌した。この反応混合物を、EtOAc(25mL)により希釈し、HO(25mL)を添加し、これらの層を分離した。水層を、EtOAc(3×25mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を油状物(120mg、0.197mmol、収率99%)として生じた。この生成物を、更に精製することなく使用した。MS(ES+)C3949ClNの理論値:760、実測値:761[M+H]
【0471】
tert-ブチル (3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート:MeOH(5mL)中のtert-ブチル (3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)-5-ホルミル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(150mg、0.197mmol)の0℃の溶液へ、NaBH(15mg、0.394mmol)を添加し、得られた混合物を、0℃で30分間攪拌した。飽和NaCl(50mL)を添加し、これらの層を分離した。水相を、EtOAc(3×25mL)により抽出し、一緒にした有機層を、飽和NaClにより洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を茶色油状物(100mg、0.132mmol、収率67%)として生じた。この生成物を、更に精製することなく使用した。MS(ES+)C3951ClNの理論値:762、実測値:763[M+H]
【0472】
(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール:tert-ブチル (3S,4S)-8-(3-(3-クロロ-2-((4-メトキシベンジル)(メチル)アミノ)ピリジン-4-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-4-イルカルバメート(100mg、0.132mmol)へ、TFA(5mL)を添加し、得られた混合物を、25℃で1時間撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去し、残渣を、逆相分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物を明茶色固形物(11mg、0.019mmol、収率14%)として生じた。MS(ES+)C2635ClNの理論値:558、実測値:559[M+H]1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 8.01 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.82 (s, 2H), 4.41 - 4.23 (m, 1H), 4.01 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.93 - 3.71 (m, 3H), 3.51 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 3.23 - 3.03 (m, 5H), 2.19 - 1.87 (m, 3H), 1.81 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 1.36 (d, J = 6.5 Hz, 3H)。
【0473】
下記実施例を、先の実施例について使用した合成方法に類似し、且つ全般的に本明細書に開示された方法により行うことができる合成方法により合成した。これらの実施例は、遊離塩基又は塩として生成されてよい。
【表2-1】
【表2-2】
【0474】
実施例23:2-(4-(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-イル)-3-クロロピリジン-2-イルオキシ)プロパン-1,3-ジオール
【化87】
2-((4-(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-イル)-3-クロロピリジン-2-イル)オキシ)プロパン-1,3-ジオール:(6-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)-3-(3-クロロ-2-(オキセタン-3-イルオキシ)ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール(30mg、0.059mmol)へ、TFA(3ml)を添加し、得られた混合物を、25℃で1時間撹拌した。揮発性物質を、減圧下で除去した。残渣を、MeOH(3ml)中に溶解し、KCO(30mg)を添加し、得られた混合物を、25℃で15分間攪拌した。この混合物を濾過し、残渣を、逆相分取HPLC(移動相:A=0.1%TFA/HO、B=0.1%TFA/MeCN;勾配:B=10~90%;12分間;カラム:C18)により精製し、表題化合物を明茶色固形物(9mg、0.017mmol、収率3.4%)として生じた。MS(ES+)C2330ClNの理論値:519、実測値:520[M+H]1H NMR (500 MHz, MeOD) δ 7.72 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.80 (s, 2H), 4.50 (dd, J = 13.2, 3.4 Hz, 1H), 4.34 (dd, J = 6.5, 4.2 Hz, 1H), 4.19 - 3.69 (m, 6H), 3.63 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 3.49 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 3.25 - 2.98 (m, 2H), 2.02 (dt, J = 30.1, 13.2 Hz, 3H), 1.80 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 1.35 (d, J = 6.5 Hz, 3H)。
【0475】
生物活性アッセイ
PTPN11インヒビターとして本明細書に開示された実施例の化合物の活性を、以下のアッセイにおいて例証する。未だ生成及び/又は試験されていない、本明細書に列挙したその他の化合物もまた、これらのアッセイにおいて活性を有すると推定される。
【0476】
PTPN11酵素アッセイ
組換え完全長野生型及びE76K変異体のヒトPTPN11タンパク質を、クローニングし、発現させ(大腸菌系)、且つNiアフィニティクロマトグラフィー、それに続くS75サイズ排除クロマトグラフィーの二工程精製により単離した。
【0477】
完全長野生型PTPN11(PTPN11-WT)又はPTPN11-E76K変異体の酵素のホスファターゼ活性を、基質として蛍光性6,8-ジフルオロ-4-メチルウンベリフェリルリン酸(DiFMUP;Molecular Probes)を用いて測定した。酵素(250pM)を、アッセイ緩衝液(62.5mM HEPES、125mM NaCl、1mM EDTA、1.25mM TECP、0.1%BSA)中で、漸増濃度の化合物を含有又は非含有で、室温で30分間インキュベーションした。384-ウェル黒色プレートにおいて、最終反応容積20uLのアッセイ緩衝液中、室温でDiFMUP(50μM)を添加することにより、反応を開始した。1時間後、DiFMUP蛍光シグナルを、Envisionプレートリーダーを用いて測定した(励起波長:340/蛍光波長:460)。用量-反応曲線を、IC50回帰曲線フィッティング(GeneData Screener)を用いて解析した。曲線は、インヒビターを含まない高濃度対照、及び酵素を含まない低濃度対照に対して、規準化した。結果を、下記表1に示す。本明細書に開示された他の化合物は、下記結果に類似した活性を有すると予想され、PTPN11インヒビターとしての活性を示す。
【0478】
pERK AlphaScreenプロトコール
KYSE-520細胞(10000個細胞/ウェル)を、384-ウェルプレートにおいて、培地(RPMI-1640、フェノールレッド非含有、10%FBS含有)20uL中で、5%CO下、37℃で一晩成長させた。DMSO(対照)又は漸増濃度の化合物を、培地中に希釈し、384-ウェルプレートへ添加し(5uL/ウェル、最終DMSO濃度1%)、その後細胞を、化合物と一緒に2時間インキュベーションした。ホスホ-ERKレベルを、ホスホ-ERK1/2 AlphaScreen SureFire(PerkinElmer、TGRESB10K)を製造業者の推奨に従い使用し、測定した。用量-反応曲線を、IC50回帰曲線フィッティング(GeneData Screener)を用いて解析した。曲線は、インヒビターを含まない高濃度対照(DMSOのみ)、及び低濃度対照(1μMセルメチニブ)に対して、規準化した。
表10. PTPN11-E76K変異体酵素の阻害及びpERK AlphaScreenの生物活性
N.A.=該当なし
【表3】
【0479】
コロニー形成アッセイ
【0480】
KYSE-520細胞(2000個細胞/ウェル)を、DMSO(対照;最終濃度1%)又は漸増濃度の化合物が存在する、培地(RPMI-1640、10%FBS含有)2mLを含む6-ウェルプレートへ、播種した。加湿した5%COインキュベーター内において37℃で14日間培養した後、コロニーを、0.1%クリスタルバイオレット及び15%エタノール溶液により固定し染色した。プレートを撮影し、ImageJ、Colony Area plugin(Guzman、Camilo, PloS one 2014)により、コロニー面積を定量し、DMSOに対して規準化した。本明細書に開示された化合物は、前述のアッセイにおいて、細胞増殖及び/又はコロニー形成を阻害する活性を有すると予想される。
【0481】
本出願に引用された米国又は外国の全ての参考文献、特許又は出願は、それらの全部が本明細書に記載されているように、引用により本明細書中に組み込まれている。何らかの矛盾が生じる場合、文字通り本明細書に開示されたものが支配する。
【0482】
前述の説明から、当業者は、本発明の本質的特徴を容易に確認することができ、且つその精神及び範囲から逸脱することなく、様々な用法及び条件に適合するように、本発明に様々な変更及び修飾を行うことができる。