(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】標的蛋白質をコーディングするポリヌクレオチドを含む組み換え微生物に由来する細胞外小嚢及びその用途
(51)【国際特許分類】
C12N 1/21 20060101AFI20230619BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230619BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230619BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20230619BHJP
C12N 15/19 20060101ALI20230619BHJP
C12N 15/52 20060101ALI20230619BHJP
A61K 35/747 20150101ALI20230619BHJP
A61K 36/064 20060101ALI20230619BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20230619BHJP
A61K 8/9728 20170101ALI20230619BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230619BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230619BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
C12N1/21
C12N1/19 ZNA
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/19
C12N15/52 Z
A61K35/747
A61K36/064
A61K8/99
A61K8/9728
A61P17/00
A61P29/00
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2021512349
(86)(22)【出願日】2019-05-03
(86)【国際出願番号】 KR2019005334
(87)【国際公開番号】W WO2019212293
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0052157
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513243723
【氏名又は名称】メディトックス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン, ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, ヒョヌク
(72)【発明者】
【氏名】チュ, ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】ソン, スミン
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ジユン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨンイン
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ソンキ
【審査官】小田 浩代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第94/000581(WO,A1)
【文献】特表2018-511583(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331686(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0003344(KR,A)
【文献】特表2000-508162(JP,A)
【文献】渡部 邦彦,細菌が放出する膜小胞(Membrane Vesicle)の機能と生合成機構そして応用に向けた研究動向,化学と生物,2016年,Vol. 54(10),pp. 720-725
【文献】渡部 邦彦,細菌が出芽する?いえいえ,放出されるのは膜小胞,生物工学,2015年,Vol. 93,pp. 412
【文献】Dominguez Rubio AP. et al.,Lactobacillus casei BL23 Produces Microvesicles Carrying Proteins That Have Been Associated with Its Probiotic Effect,Front Microbiol.,2017年,Vol. 8:1783,pp. 1-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N1/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の標的タンパク質をコーディングする1以上のポリヌクレオチドを含む組み換え微生物に由来する細胞外小胞であって、前記微生物は、乳酸菌または酵母であり、
前記標的タンパク質は、分泌性信号ペプチドが連結されているものであり、それにより、微生物に、分泌性信号ペプチドに結合されていない標的タンパク質よりも増加した量で標的タンパク質を細胞外小胞に搭載させ、細胞外小胞は標的タンパク質を含み、且つ、
前記乳酸菌は、Lactobacillus
paracaseiであり、
且つ前記分泌性信号ペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列からなり、
前記酵母は、Saccharomyces
cerevisiae、Pichia
pastoris及びHansenula
polymorphaからなる群から選択さ
れ、且つ前記分泌性信号ペプチドは、配列番号4のヌクレオチド配列によってコーディングされるペプチドであり、且つ、
前記標的タンパク質は、成長因子、サイトカイン、抗体、及び酵素からなる群から選択される1以上である、細胞外小胞。
【請求項2】
前記標的タンパク質は、線維芽細胞成長因子1(FGF1)、線維芽細胞成長因子2(FGF2)、および上皮細胞成長因子(EGF)からなる群から選択される1以上である、請求項
1に記載の細胞外小胞。
【請求項3】
前記細胞外小胞は、前記組み換え微生物の培養液から分離されたものである、請求項1に記載の細胞外小胞。
【請求項4】
前記組み換え微生物の培養液を100,000xg以上の超遠心分離下で、沈降によって分離させたものである、請求項
3に記載の細胞外小胞。
【請求項5】
20nmないし500nmの直径を有するものである、請求項1に記載の細胞外小胞。
【請求項6】
活性成分とし
て請求項1ないし
5のいずれか1項に記載の細胞外小胞、及び担体を含む、対象に標的タンパク質を伝達するための組成物。
【請求項7】
標的タンパク質
を経皮、皮膚内、経口、経粘膜または粘膜内に伝達するため
の、請求項
6に記載の組成物。
【請求項8】
医薬品または
化粧品としての使用のための、請求項
6に記載の組成物。
【請求項9】
皮膚しわ軽減のための
請求項6に記載の組成物であって、標的タンパク質が線維芽細胞成長因子1(FGF1)、線維芽細胞成長因子2(FGF2)、および上皮細胞成長因子(EGF)からなる群より選択される1以上である
、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に係わる交差参照(cross-reference)
本出願は、2018年5月4日に韓国特許庁に出願され、その開示が、全体として援用により、本明細書に統合される、韓国特許出願番号10-2018-0052157の優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、標的タンパク質をコーディングするポリヌクレオチドを含む組み換え微生物由来の細胞外小嚢(細胞外小胞)及びその用途に関する。
【背景技術】
【0003】
ほとんどの動物細胞は、多様な大きさと成分とを有する細胞内起源の細胞外小嚢を分泌する。原核生物及び真核生物は、いずれも細胞外小嚢を分泌すると知られている。
細胞外小嚢は、小さくは、直径約20nmから、大きくは、直径約5μmを有する膜構造小嚢体である。該細胞外小嚢は、その大きさと構成とにおいて異質性があり、エクソソーム(exosome;約30ないし約100nm)、エクトソーム(ectosome)、マイクロ小嚢(microvesicle;約100ないし約1,000nm)、マイクロ粒子(microparticle)、外膜小嚢(outer membrane vesicle)のような多数の異なる種を含む。該細胞外小嚢の特性は、その起源になる細胞の特性に影響を受ける。
一方、細胞内物質(例えば、DNA、RNA、蛋白質など)は、細胞外小嚢に自然に搭載され、細胞外に分泌されうる。該細胞外小嚢は、生体膜成分と同一であり、生体互換性(biocompatibility)が高く、その大きさがナノサイズほどに小さく、物質伝達効率にすぐれる。従って、既存のリポソームなどの伝達システムの代わりに、細胞外小嚢を利用した薬物を伝達する研究が進められている。しかし、標的蛋白質が該細胞外小嚢に搭載されるとき、標的蛋白質の細胞外小嚢への搭載効率が低かった。従って、細胞外小嚢に標的蛋白質を優秀な効率で安定して搭載させることができる技術への要求が存在した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1以上の具現例は、1以上の標的蛋白質をコーディングする1以上のポリヌクレオチドを含む組み換え微生物由来の細胞外小嚢として、前記微生物は、乳酸菌または酵母である細胞外小嚢を含むことである。
本発明の1以上の具現例は、前述の組み換え微生物から分離された細胞外小嚢を含むことである。
本発明の1以上の具現例は、有効成分として、前述の組み換え微生物由来の細胞外小嚢及び担体を含む1以上の標的蛋白質を個体に伝達するための組成物を含むことである。
本発明の1以上の具現例は、前記組成物を個体に投与する段階を含む個体の疾病を治療する方法を含むことである。
本発明の1以上の具現例は、前記組成物を個体に投与する段階を含む個体に化粧料を適用する方法を含むことである。
本発明の1以上の具現例は、前述の微生物を培養して培養物を得る段階と、前記培養物から細胞外小嚢を分離する段階と、を含む、細胞外小嚢を生産する方法を含むことである。
追加の様相は、一部は、以下で説明する説明書に開示され、一部は、上前説明書から明白であったり、提供された具現例の実施によって知るようになったりするであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その例が添付図面に例示されている具体例に参照が詳細になされ、図面全体において、類似参照番号は、類似要素を示す。従って、本具体例は、他の形態を有することができ、本明細書に開示された前記説明書に限定されるものであると解釈されるものではない。それにより、前記具体例は、本説明の様相を説明するために、図面を参照することにより、以下において単純に記述される。
【0006】
具現例の1様相は、1以上の標的蛋白質をコーディングする1以上のポリヌクレオチドを含む組み換え微生物に由来する細胞外小嚢として、前記組み換え微生物は、乳酸菌または酵母である細胞外小嚢を提供する。
【0007】
前記標的蛋白質は、信号ペプチドに連結されうる。すなわち、前記標的蛋白質は、信号ペプチドと標的蛋白質との融合蛋白質でもある。前記微生物は、前記標的蛋白質を増加させた量で、細胞外小嚢(EV:extracellular vesicle)に搭載することができる。その場合、前記組み換え微生物は、信号ペプチドがない1以上の標的蛋白質をコーディングする1以上のポリヌクレオチドを含む組み換え微生物に比べ、増大された細胞外小嚢搭載能を有するものでもある。該細胞外小嚢搭載能とは、標的蛋白質がEV内に含まれる程度、または標的蛋白質が、EV内に発現される程度を示す。該細胞外小嚢搭載能は、標的蛋白質をコーディングするポリヌクレオチドを含まない両親微生物に対する搭載能を示すものでもある。
【0008】
前記信号ペプチドは、配列番号4のヌクレオチド配列によってコーディングされるか、あるいは配列番号21ないし60のアミノ酸配列のうちいずれか一つであるか、それを含む配列であるか、あるいはそれと類似した配列でもある。
【0009】
前記組み換え微生物において、前記乳酸菌は、Lactobacillus属、Lactococcus属及びBifidobacteriumからなる群から選択された属に属しうる。前記乳酸菌は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus brevisまたはLactobacillus plantarumでもある。
【0010】
前記組み換え微生物において、前記酵母は、Saccharomyces、Pichia及びHansenulaからなる群から選択された属に属しうる。Saccharomycesは、S.cerevisiaeでもある。Pichiaは、Pichia pastorisでもあり、Hansenulaは、Hansenula polymorphaでもある。
【0011】
前記組み換え微生物において、前記標的蛋白質は、成長因子、サイトカイン、抗体、酵素、阻害蛋白質、またはそれらの断片でもある。前記成長因子は、線維芽細胞成長因子でもある。前記標的蛋白質は、線維芽細胞成長因子(FGF:fibroblast growth factor)、上皮細胞成長因子(EGF:epidermal growth factor)、肝細胞成長因子(HGF:hepatocyte growth factor)、インシュリン類似成長因子(IGF:insulin-like growth factor)、胎盤成長因子(PGF:placenta growth factor:PGF)、血小板由来成長因子(PDGF:platelet-derived growth factor)、形質転換成長因子(TGF:transforming growth factor)、血管内皮成長因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)、チオレドキシン(TRX:thioredoxin)、インターロイキン-1(IL-1:interleukin-1)、インターロイキン-10、インターロイキン-22、インターロイキン-13及び腫瘍懐死因子(TNF:tumor necrosis factor)からなる群から選択されたものでもある。前記標的蛋白質は、例えば、IL-22、EGF、IGF1、FGF1(以下、aFGF(acidic fibroblast growth factor)ともいう)、FGF2(以下、bFGF(basic fibroblast growth factor)ともいう)、FGF7(以下、KGF(keratinocyte growth factor)ともいう)、TGFa及びTRXからなる群から選択されたものでもある。
【0012】
前記組み換え微生物において、前記信号ペプチドは、配列番号4のヌクレオチド配列によってコーディングされるもの、または配列番号21ないし60のアミノ酸配列のうちいずれか一つでもある。前記信号ペプチドをコーディングする遺伝子は、信号ペプチドが、前記標的蛋白質のN末端に連結されるように連結されたものでもある。前記信号ペプチドは、前記蛋白質に対し、自然なものまたは外来的(heterologous)なものでもある。前記標的蛋白質は、前記微生物に対し、外来蛋白質(heterologous protein)でもある。前記組み換え微生物は、前記標的蛋白質を発現するものでもある。前記標的蛋白質は、信号ペプチドが切られた状態でEVに搭載されるものでもある。前記標的蛋白質は、EVの膜またはその内部に搭載されるものでもある。
【0013】
前記組み換え微生物において、前記標的蛋白質をコーディングするポリヌクレオチドは、発現可能なものでもある。前記ポリヌクレオチドは、転写調節配列と作動可能に連結されたものでもある。前記転写調節配列は、プローモーター、オペレーター、エンハンサーまたはターミネーターでもある。前記ポリヌクレオチドは、翻訳調節配列と作動可能に連結されたものでもある。前記翻訳調節配列は、リボソーム結合サイト配列(ribosome binding site sequence)またはリボソーム進入サイト配列(ribosome entry site sequence)でもある。前記ポリヌクレオチドは、前記微生物のゲノムに統合されているか、あるいは独立して存在するものでもある。前記ポリヌクレオチドは、ベクターに含まれたものでもある。前記ベクターは、発現ベクターでもある。前記ベクターは、プラスミドまたはウイルス性ベクターでもある。
【0014】
具現例の他の様相は、前述の組み換え微生物から分離された細胞外小嚢を提供する。
具現例の他の様相は、活性成分として、前述の組み換え微生物由来の細胞外小嚢及び担体を有効成分として含む1以上の標的蛋白質を個体に伝達するための組成物を提供する。
前記組み換え微生物及び前記組成物に係わる具体例において、前記細胞外小嚢は、前記微生物の培養液から分離されたものでもある。すなわち、前記細胞外小嚢は、細胞外に分泌されるものでもある。前記細胞外小嚢は、約20nmないし約500nm、例えば、約20nmないし約200nm、約100nmないし約200nmの平均径を有するものでもある。前記細胞外小嚢は、前述の標的蛋白質を含むものでもある。前記標的蛋白質は、前記細胞外小嚢の膜またはその内部に位置するものでもある。
【0015】
前記細胞外小嚢は、培養液からそれを分離することができる任意の方法によって分離されたものでもある。例えば、前記細胞外小嚢は、遠心分離、超遠心分離(ultracentrifugation)、フィルターによる濾過、限外濾過、ゲル濾過クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、沈澱、免疫沈降、プリフロー電気泳動、毛細管電気泳動、またはそれらの組み合わせによっても分離される。前記分離方法は、不純物除去のための洗浄、及び濃縮などの過程を含んでもよい。前記細胞外小嚢は、下記の前記細胞外小嚢を分離する方法によって生産されたものでもある。前記細胞外小嚢は、前記微生物培養液を、カットオフ10kD以上、例えば、50kD以上、100kD以上、300kD以上または500kD以上の超微細フィルターを使用して限外濾過する方法によって生産されたものでもある。前記細胞外小嚢は、前記微生物培養液を、100,000xg以上の超遠心分離で沈降するものでもある。前記分離は、下記の第7様相による細胞外小嚢を生産する方法によって生産されたものでもある。
【0016】
前記組成物に係わる具体例において、前記担体は、生理的に許容可能なもの、例えば、薬剤学的または化粧品製造学的に許容可能なものでもある。前記担体は、一般的に使用される食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝液、シクロデキストリン、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール、リポソーム、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。また、前記担体は、抗酸化剤、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、潤滑剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0017】
前記組成物は、経口投与用または非経口投与用の剤形を有するものでもある。前記非経口投与剤形は、局所投与剤形でもある。該局所投与剤形は、皮膚投与または粘膜投与の剤形でもある。前記非経口投与剤形は、溶液、懸濁液、乳濁液、皮膚外用剤、スプレーまたはパフの剤形を有するものでもある。
【0018】
前記組成物は、皮膚適用、粘膜適用または鼻腔投与などにより、個体に投与されうる。
該投与量は、患者の体重・年齢・性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率、及び疾患の重症度などによっても異なる。一日投与量は、治療を必要とする個体に投与されることにより、軽減された疾病状態に対する治療に十分な有効成分の量を意味する。該投与量は、体重70kgである成人個体を基準にするとき、約0.01ないし1,000mg/日、または約0.01ないし約500mg/日であり、一定時間間隔で、1日に1回ないし数回に分割投与されうる。
【0019】
前記組成物は、化粧用組成物でもある。前記化粧用組成物は、化粧組成物に一般的に利用される成分が含まれてもよい。前記化粧用組成物は、抗酸化剤、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料、香料のような一般的な補助剤及び担体を含んでもよい。
前記化粧用組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、オイル、粉末ファウンデーション、乳濁液ファウンデーション、ワックスファウンデーションまたはスプレーでもある。前記化粧用組成物は、栄養クリーム、収斂化粧水、柔軟化粧水、ローション、エッセンス、栄養剤剤をまたはマッサージクリームの剤形を有するものでもある。
【0020】
前記組成物は、個体において、線維芽細胞または角質形成細胞の成長またはコラーゲン合成を促進させるためのものでもある。前記組成物は、皮膚老化防止またはしわ改善のために使用するためのものでもある。その場合、前記標的蛋白質は、成長因子でもある。
前記組成物は、前記個体に局所的に標的蛋白質を伝達するためのものでもある。前記組成物は、経皮(transdermally)、皮膚内(intradermally)、経口、経粘膜(transmucosally)または粘膜を介して伝達するためのものでもある。
前記組成物において、前記個体は、哺乳動物でもある。前記哺乳動物は、ヒト、犬、猫、馬または豚でもある。
具体的な他の様相は、前記組成物を個体に投与する段階を含む個体の疾病を治療する方法を提供する。前記個体は、哺乳動物でもある。前記哺乳動物は、ヒト、犬、猫、馬または豚でもある。前記疾病は、炎症性疾患、創傷、アトピー皮膚炎、乾癬またはにきびでもある。
【0021】
具体的な他の様相は、前記組成物を個体に投与する段階を含む個体に化粧料を適用する方法を提供する。前記投与は、個体の皮膚に塗布するものでもある。前記投与は、老化された皮膚、またはしわの寄った皮膚の部位に塗布するものでもある。前記化粧料を適用する方法は、老化された皮膚またはしわの寄った皮膚を改善させるためのものでもある。具体的な他のは、前述組み換え微生物を培養し、培養物を得る段階と、前記培養物から細胞外小嚢を分離する段階と、を含む、細胞外小嚢を生産する方法を提供する。
【0022】
前記培養は、前記微生物の成長に有用な培地内においてインキュベーションするものでもある。前記培養は、乳酸菌または酵母に適すると知られた条件、例えば、温度条件及び撹拌条件によっても行われる。
前記培養物から細胞外小嚢を分離する段階は、培養物から細胞外小嚢を分離するものであるならば、いずれも含まれる。
【0023】
前記分離する段階は、前記培養物を遠心分離して上澄み液を得る段階と、前記上澄み液を濾過する段階と、前記濾過物を超遠心分離して沈殿物を得る段階と、を含むものでもある。
前記分離段階において、上澄み液を得る段階において、該遠心分離は、約1,000xgないし約20,000xgで行われるものでもある。前記上澄み液を濾過する段階において、前記濾過は、超微細フィルターを使用した濾過でもある。前記濾過は、前記上澄み液をカットオフ10kD以上、例えば、50kD以上、100kD以上、300kD以上または500kD以上の超微細フィルターを使用して限外濾過するものでもある。前記濾過物を超遠心分離して沈殿物を得る段階において、前記超遠心分離は、100,000xg以上、例えば、約100,000xgないし約200,000xgで行われるものでもある。
前記方法は、沈殿物を懸濁する段階をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0024】
一具現例による組み換え微生物は、細胞外小嚢、またはそれから標的蛋白質を効率的に分離するところにも使用される。
他の具現例による前述の細胞外小嚢及び標的蛋白質を個体に伝達するための組成物は、標的蛋白質を個体に効率的に伝達するところにも使用される。
他の具現例による個体の疾病を治療する方法は、前記疾病を効率的に治療するところにも使用される。
他の具現例による個体に化粧料を適用する方法は、個体に効率的に化粧料を適用するところにも使用される。
他の具現例による細胞外小嚢を生産する方法は、細胞外小嚢を効率的に生産するところにも使用される。
【0025】
本明細書において記述された具体例は、記述的意味にのみ考慮されなければならず、限定する目的に使用されてはならない。それぞれの具体例内において、特徴(features)または様相(aspects)の記述は、他の具体例において、他の類似した特徴または様相について利用することができると、一般的に考慮されなければならない。
1以上の具体例が、図面に参照されて記述されているが、形態及び細部事項において、多様な変化が、下記における請求項によって定義されているような開示の精神(spirit)と範囲とを外れることなく、その中においてなされうるということは、当業界の通常の技術者によって理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
それらの様相及び/または他の様相は、添付された図面と共にとりなされた、具体例の下記説明から明白になるか、あるいはさらに容易に理解されるであろう。
【
図1】標的蛋白質を酵母細胞で発現するための発現ベクターを示す図である。
【
図2】p416G-MF-hEGF1(IGF1、FGF1、FGF2、TGF alpha及びTRX)で形質転換されたS.Cerevisiaeに由来する、上澄み液及び細胞外小嚢に標的蛋白質が発現された程度を示す図である。
【
図3】p416G-hFGF1、p416G-MF-hFGF1、p416G-hTRX及びp416G-MF-hTRXで形質転換されたS.Cerevisiaeに由来する、上澄み液及び細胞外小嚢に標的蛋白質が発現された程度を示す図である。
【
図4】酵母に由来する成長因子含有細胞外小嚢の細胞増殖に及ぼす効果を示す図である。
【
図5】S.Cerevisiae由来のIL-22を含む細胞外小嚢、及びIL-22を含んでいない細胞外小嚢でそれぞれ処理された細胞において、IL-10生産量を示す図である。
【
図6】S.CerevisiaeのEVであって、CFSEで標識された細胞外小嚢が細胞と融合する程度を、細胞フロー分析を介して観察した結果を示す図である。
【
図7】酵母由来細胞外小嚢の皮膚に対する毒性を測定した図である。
【
図8】形質転換された乳酸菌に由来するEVの大きさ及び濃度分布を示す図である。
【
図9】EV溶液に対してウェスタンブロットを行った結果を示す図である。
【
図10】信号ペプチド遺伝子と融合されているか、あるいは融合されていないFGF1をコーディングする遺伝子を含むpMT172組み換えで形質転換されたLMT1-21に由来するEVに対してウェスタンブロットを行った結果を示す図である。
【
図11】乳酸菌に由来する成長因子含有細胞外小嚢の細胞増殖に及ぼす効果を示す図である。
【
図12】LMT1-21由来IL-22含有EV、またはIL-22を含んでいないEVで処理された細胞において、IL-10の生産を示す図である。
【
図13】CFSEで標識された細胞外小嚢が細胞と融合する程度を、細胞フロー分析を介して観察した結果を示す図である。
【
図14】酵母由来細胞外小嚢の皮膚に対する毒性を測定した図である。
【
図15】EVに含まれた成長因子、またはEVに含まれていない成長因子の上皮細胞増殖、またはコラーゲン生成に対する影響を観察した結果を示す図である。
【
図16】EVに含まれているEGF、またはEVに含まれていないEGFの安定性を観察した結果を示す図である。
【
図17】EVに含まれているFGF2、またはEVに含まれていないFGF2の安定性を観察した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明について、実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それら実施例は、本発明について例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、それら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0028】
実施例1:酵母細胞由来の細胞外小嚢
標的蛋白質を発現する組み換え酵母を作製し、その酵母から細胞外小嚢を分離した。具体的な過程は、次の通りである。該酵母細胞は、Saccharomyces cerevisiaeを使用した。
【0029】
1.発現ベクターの作製
図1は、標的蛋白質を酵母細胞で発現するための発現ベクターを示す。該ベクターは、プラスミドpRS416 GPD(配列番号1)の配列を利用して作製され、標的蛋白質は、hEGF1、hIGF1、hFGF1、hFGF2、hTGF alpha及びhTRXである。前述のhEGF1、hIGF1、hFGF1、hFGF2、hTGF alpha及びhTRXは、それぞれ配列番号14,15,12,13,17または18のアミノ酸配列を有し、それらは、配列番号5,6,7,8,10及び11のヌクレオシド配列によってもコーディングされる。FGF7は、配列番号9のヌクレオシド配列を有することができ、そのアミノ酸配列は、配列番号9のヌクレオシド配列によってコーディングされるアミノ酸配列でもある。
図1のベクターは、標的蛋白質により、p416G-MF-hEGF1(IGF1、FGF1、FGF2、TGF alpha及びTRX)と命名した。
まず、S.cerevisiaeのコドン使用頻度により、コドン最適化された標的蛋白質遺伝子、すなわち、ヒトEGF1遺伝子、ヒトIGF1遺伝子、ヒトFGF1遺伝子、ヒトFGF2遺伝子、ヒトTGF alpha遺伝子及びヒトTRX遺伝子を、Microgen社に依頼して合成した。それら遺伝子を、p416GPDベクター(ATCC87360)(配列番号1)を使用し、
図1の発現ベクターを作製した。
図1の発現ベクターは、S.cerevisiaeのmating factor alpha-1信号ペプチド(MF)をコーディングするポリヌクレオチド(配列番号4)を、標的蛋白質遺伝子の上流に連結された配列を含む。対照群として、信号ペプチド(MF)をコーディングするポリヌクレオチド(配列番号4)が連結されていない遺伝子を使用した。また、p416GPD(ATCC87360)ベクターの代わりに、p426GPDベクター(ATCC87361)(配列番号2)を使用し、同一にベクターを作製した。p416GPDベクターは、低いコピー(low copy)で細胞内に存在するベクターであり、p426GPDは、高いコピー(high copy)で細胞内に存在するベクターである。p416GPD及びp426GPDにおいて、GPDは、プローモーターGPDのヌクレオシド配列(配列番号3)を示す。
図1において、前記ベクターは、S.cerevisiaeの複製原点であるCEN/Ars配列、アンピシリン抵抗性遺伝子Amp
r配列、大腸菌複製原点配列であるColE1 ori配列、S.cerevisiaeのプローモーター配列であるプローモーターGPD配列、S.cerevisiaeのCYC terminator配列であるScCYC term配列、バクテリオファージの複製原点であるF1 ori配列、S.cerevisiaeのプローモーター、ORF、ターミネーター配列(ScURA3p-URA3)を含んでいる。
【0030】
2.酵母における標的蛋白質の発現
p416G-MF-hEGF1(IGF1、FGF1、FGF2、TGF alpha及びTRX)ベクターを、それぞれS.cerevisiae CEN.PK2-1菌株に、LiCl方法によって形質転換させた。得られた形質転換菌株を、2mLのminimal ura-drop out培地(Yeast nitrogen base without amino acids(Sigma-Aldrich:Cat.No.Y0626)6.7g/L及びYeast synthetic drop-out without uracil(Sigma-Aldrich:Cat.No.Y1501)1.92g/L、ブドウ糖2(w/v)%)で一日の間、一次培養し、培養された菌株を、カザミノ酸(casamino acids)が1%含まれた15mLのminimal ura-drop out培地に、開始OD
600が0.5になるように接種し、本培養を行った。本培養は、30℃で2日間、220rpmで撹拌培養し、菌体を除去した上澄み液を直接使用した試料群を準備した。また、前記上澄み液を、100kDaカットオフ膜(Amicon Ultra-15 Centrifugal Filter Unit with Ultracel-10 membrane(100K)、Millipore:Cat.No.UFC910024)を使用して濾過し、濃縮された濾過液を得て、それを、150,000gで2時間超遠心分離し、細胞外小嚢(EV)を分離させ、1ml PBSに懸濁した。ここで、上澄み液、及び得られた細胞外小嚢試料に対し、ウェスタンブロットを行い、蛋白質の発現程度を確認した。
図2は、p416G-MF-hEGF1(IGF1、FGF1、FGF2、TGF alpha及びTRX)で形質転換されたS.cerevisiaeから、上澄み液及び細胞外小嚢に、標的蛋白質が発現された程度を示す図面である。レーン1及び2は、各標的蛋白質が、信号ペプチド(MF)に連結された融合蛋白質の発現程度を示すウェスタンブロット写真である。該レーン1は、酵母細胞内で発現され、培養液に分離された全ての蛋白質、すなわち、細胞外小嚢に搭載された蛋白質と、搭載されていない標的蛋白質とのいずれも含む。該レーン2は、細胞外小嚢に搭載された標的蛋白質のみを示す。
図2に示されているように、6個実験群いずれにおいても、細胞外小嚢に標的蛋白質が顕著に増加した量に搭載されている。
図3は、p416G-hFGF1、p416G-MF-hFGF1、p416G-hTRX及びp416G-MF-hTRXで形質転換されたS.cerevisiaeから、上澄み液及び細胞外小嚢に標的蛋白質が発現された程度をそれぞれ示す図面である。すなわち、信号ペプチドの有無による細胞外小嚢に捕獲される程度を示す。
レーン1は、信号ペプチドなしに発現させた菌株の培養液から獲得された細胞外小嚢私の標的蛋白質を示し、レーン2は、信号ペプチド配列と共に発現させて分泌させた菌株の培養液から獲得された細胞外小嚢内標的蛋白質が発現されたところを示す。
図3に示されているように、標的蛋白質を細胞内で発現させたもの、すなわち、1億個EV当たり、FGF1:0.667ng、TRX:0.047ngより、発現させて細胞外に分泌発現させたとき、細胞外小嚢に発現される標的蛋白質の量、すなわち、1億個EV当たり、FGF1:2.648ng、TRX:35.518ngと顕著に多かった。
【0031】
3.成長因子含有細胞外小嚢が細胞増殖に及ぼす効能確認
2.に記載された方法によって分離された細胞外小嚢内標的蛋白質の濃度を測定した後、それを20μL使用したものを開始濃度にし、順次に10倍ずつ蛋白質濃度を、PBSで4段階希釈した。各希釈液20μLを、NIH3T3細胞株またはHaCat細胞を、各ウェル当たり5,000細胞ずつ含む96ウェルプレートに添加した後、37℃で48時間培養した。その後、Cell Counting Kit-8(Dojindo)溶液10μLを、各ウェルに添加した。2時間後、450nmで吸光度を測定した。FGF1、FGF2及びIGFの場合、NIH3T3細胞を使用し、TGFa及びEGFの場合、HaCat細胞を使用した。
図4は、酵母から分離された成長因子含有細胞外小嚢の細胞増殖に及ぼす効果を示す図面である。
図4において、SCは、Saccharomyces cerevisiaeを示す。
その結果、前記標的蛋白質含有細胞外小嚢は、用量依存的に細胞数を増加させた。
図4において、PichiaEV-FGF1及びHansenula EV-FGF1は、FGF1で形質転換されたPichia pastorisまたはHansenula polymorphaを使用したことを除いては、S.cerevisiaeを使用したところと同一過程を経たものである。
図4において、横軸は、培地内細胞外小嚢内標的蛋白質含有濃度(w/v、ng/ml)を示す。縦軸は、使用された細胞外小嚢含有溶液が、細胞増殖程度を対照群(100%)と比較し、それを百分率で示したものである。
【0032】
4.IL-22発現の確認
標的蛋白質をIL-22にし、1.に記載されたところにより、発現ベクターp426G-MF-IL-22を作製し、2.に記載されたところにより、S.cerevisiae CEN.PK2-1菌株で形質転換した。対照群としては、IL-22を含まないものを除いては、同一p426G-MFベクターを使用した。
具体的には、Colo205細胞株を、96ウェルプレートにおいて、RPMI培地内で37℃で48時間培養した後、p426G-MF-IL22ベクターまたはp426G-MFベクターで形質転換され、それぞれIL-22を発現する酵母由来、及びそれを発現しない酵母由来の細胞外小嚢を精製した。前記細胞外小嚢を、0.5mg/mLの濃度で、PBS内で懸濁し、それらを20μLずつ、96ウェルプレートのウェルに添加し、37℃で6時間さらに培養した。その後、細胞株から蛋白質を抽出し、間接的にIL-10の発現レベルを介し、IL-22の発現レベルを比較した。該IL-22は、配列番号19のアミノ酸配列を有する。該IL-22は、細胞においてIL-10生産を促進すると知られている。
図5は、IL-22を含む細胞外小嚢、及びIL-22を含んでいない細胞外小嚢でそれぞれ処理されたColo205細胞株から蛋白質を抽出して確認したIL-10蛋白質生産量を示す図面である。
図5に示されているように、IL-22を含んでいない細胞外小嚢に比べ、IL-22を含む細胞外小嚢を細胞と接触させて培養した場合、IL-10の蛋白質生産量が顕著に増加した。
図5において、レーン1は、IL-22を含まない細胞外小嚢を処理したColo205細胞株のIL-10蛋白質生産程度を示したものであり、レーン2は、IL-22を含む細胞外小嚢を処理したColo205細胞株のIL-10蛋白質生産程度を示したものである。
【0033】
5.酵母由来細胞外小嚢と細胞との融合
形質転換されていないS.cerevisiae CEN.PK2-1菌株から、前述のように、細胞外小嚢を分離させた。分離された細胞外小嚢(0.5mg/ml PBS)1mlを、CFSE(5-carboxyfluorescein N-hydroxysuccinimidyl ester)(5μM)溶液内に常温で30分間置いた。その後、溶液に対し、PD-10脱塩カラム(desalting column)(GE)を利用し、残っているCFSEを除去し、CFSEで標識された細胞外小嚢を得た。NIH3T3細胞株を、96ウェルプレートのウェルにおいて、RPMI培地0.2mL内で37℃で48時間培養した後、PBS内で、CFSEで標識された細胞外小嚢の10μL(赤色)または20μL(緑色)を添加し、37℃で24時間さらに培養した。その後、PBSで細胞を洗浄した。残っている細胞を、フロー分析機(flow cytometer)を介して通過させ、それに係わる蛍光度を測定した。対照群としては、BSA 0.5μg/mlを同じCFSEで標識させ、20μl使用した。
図6は、CFSEで標識された細胞外小嚢が細胞と融合する程度を、細胞フロー分析を介して観察した結果を示す。
図6において、対照群(negative control)(左側図面)は、CFSEで標識させたBSAと細胞とを接触させたものであり、実験群(右側)は、CFSEで標識された細胞外小嚢の10μL(赤色)及び20μL(緑色)と細胞とを接触させた後、観察された結果を示す。その結果、
図6の右側に示されているように、細胞がCFSEで染色されるところから見て、細胞外小嚢が細胞と融合し、細胞外小嚢の成分が細胞に導入されることを確認した。NIH3T3細胞は、標準線維芽細胞(fibroblast)細胞株である。
【0034】
6.酵母由来細胞外小嚢の皮膚毒性確認
酵母由来細胞外小嚢の皮膚に対する毒性を、OECDガイドラインにより、人工皮膚に対する毒性実験を介して測定した。該人工皮膚は、Neoderm
TM-ED(Tegoサイエンス社製)を使用した。
S.cerevisiae、Pichia pastorisまたはHansenula polymorphaに由来する細胞外小嚢を分離させた。S.cerevisiae由来細胞外小嚢は、2.に記載されたところによって分離させた。Pichia pastorisまたはHansenula polymorphaに由来する細胞外小嚢は、Pichia pastoris及びHansenula polymorphaを使用したことを除いては、2.に記載されたところによって分離させた。
分離された細胞外小嚢のそれぞれ、陰性対照群としてのPBS、及び陽性対照群としての5% SDSのそれぞれ30μLを、Neoderm
TM-ED人工皮膚に塗布し、37℃で15分間インキュベーションした。その後、前記人工皮膚をPBSで洗浄した後、12ウェルプレートにある2ml分析媒質(assay medium)(Tegoサイエンス社)に浸漬させ、37℃で42時間さらにインキュベーションした。
インキュベーションされた人工皮膚を取り出し、0.3% MTT溶液(0.3mg/ml)に移した後、37℃で3時間インキュベーションした。その後、さらに人工皮膚を取り出し、8mm生検(biopsy punch)を利用して組織を分離させ、0.04N HCl・イソプロパノール500μlに入れ、4時間脱色させた。570nmで吸光度を測った後、対照群吸光度と比較し、生存度(%)を求めた。その結果、測定された生存度が、陽性対照群値と陰性対照群値との中間以上であるならば、毒性がないと決定した。該生存度は、下記数式によって計算した。
生存度=試験物質吸光度/陰性対照群吸光度X100
図7は、酵母由来細胞外小嚢の皮膚に対する毒性を測定した図面である。
図7において、1:陰性対照群(PBS)、2:陽性対照群(5% SDS)、3:S.cerevisiaeに由来する細胞外小嚢、4:P.pastorisに由来する細胞外小嚢、5:H.Polymorphaに由来する細胞外小嚢を示す。
【0035】
実施例2:乳酸菌(LAB:lactic acid bacteria)細胞由来の細胞外小嚢
標的蛋白質を発現する組み換え乳酸菌を作製し、その乳酸菌から細胞外小嚢を分離した。具体的な過程は、次の通りである。該乳酸菌細胞は、Lactobacillus paracasei LMT1-21(KCTC13422BP)、Lactobacillus brevis LMT1-46(KCTC13423BP)及び/またはLactobacillus plantarum LMT1-9(KCTC13421BP)を使用した。
【0036】
1.遺伝子発現ベクターの作製
標的遺伝子は、蛋白質のアミノ酸配列から、Codo noptimization tool(http://sq.idtdna.com/CodonOpt)を使用し、使用される乳酸菌に最適化されたコドンを有するヌクレオシド配列を導き出し、該配列の両端に、BamHI制限酵素及びXhoI制限酵素の認知配列を有する配列を考案し、該配列を有するDNAを合成した(Microgen社、韓国)。合成された遺伝子は、BamHI制限酵素及びXhoI制限酵素を使用して切断した。また、親ベクターpMT182-PR4(配列番号20)も、同一制限酵素を使用して切断し、Gel purification kitを使用して精製した後、アルカリホスファターゼ(AP)を使用し、脱リン酸化させた。該親ベクターは、標的蛋白質を発現させるためのプローモーターPR4、及び細胞外に分泌させるための信号ぺプチドSP4(配列番号21)を含んでいる。
そのように準備したベクターDNA 1μL、挿入体(insert)DNA 3μL、T4 DNAリガーゼ(Takara社、日本)0.5μL及び緩衝溶液1μLを、蒸溜水5.5μLに添加し、総体積を10μLにした。該反応溶液を、16℃で12時間インキュベーションさせて結合反応を行わせ、得られた結合体を、Sambrookらの方法(Sambrook et al., Molecular Cloning: A laboratory manual, 2nd ed. 1989)により、大腸菌top10菌株を形質転換した。各コロニーから得られたプラスミドの配列を分析して確認した。標的蛋白質は、FGF1、FGF2、EGF、IGF、KGF、TGFa、TRX及びIL-22を使用した。それらは、それぞれ配列番号1,2,3,4,5,6,7及び8のアミノ酸配列を有する。
【0037】
2.乳酸菌形質転換
前記得られたクローニングされたDNAを、3種の乳酸菌で形質転換させた。各菌株を、50mLのMRSで、OD600が0.5になるまで培養した後、4℃、7,000rpmで10分間遠心分離し、25mL ice-cold EPS(1mM K2HPO4 KH2PO4、pH7.4、1mM MgCl2及び0.5Mサッカロース含有)で2回洗浄した。該細胞を、1mL ice-cold EPSに懸濁し、電気穿孔法(electroporation)に使用されるコンピテント細胞(competent cell)を製造し、-80℃冷蔵庫(deep freezer)に保管した。該コンピテント細胞40μLとベクター1μg/uL DNAとをキュベットに移し、5分間氷に放置した。25μF、8kV/cm及び400ohmsの条件でパルスを与えた後、直ちに1mL MRS液体培地を添加し、37℃で1時間ほど培養した。該細胞を、10μg/mlクロラムフェニコールが含まれたMRS培地に塗抹した後、49時間37℃で培養し、形質転換された細胞を得た。
【0038】
3.細胞外小嚢(EV)分離
得られたそれぞれ形質転換された前記乳酸菌菌株のうちKCTC13422BP菌株を、MRS液体培地で37℃で16時間静置培養した後、さらにMRS液体培地に、その2%体積を接種した後、16時間静置培養した。得られた培養物を5,000xgで15分間遠心分離し、乳酸菌を除去した上澄み液を得た後、それに対し、分子量カットオフ(MWCO)100kDa超微細濾過膜を利用して限外濾過し、20倍濃縮した。該濃縮液を、150,000xgで3時間超遠心分離し、沈んだペレットを得た後、該ペレットをPBSに再懸濁し、EV溶液を得た。NanoSight NS300(Malvern)を利用して得られたEVの大きさと個数とを測定した。その結果を
図8に示した。
図8は、形質転換された乳酸菌から分離されたEVの大きさ及び濃度分布を示した図面である。
図8において、横軸は、直径であり、縦軸は、濃度(粒子/ml)である。
図8において、使用された乳酸菌は、KCTC13422BP菌株であり、標的蛋白質は、FGF1である。
図8に示されているように、EVは、80ないし250nmの粒子サイズにおいて、90%の粒子が分布した。
【0039】
4.EVに標的蛋白質が存在するか否かということの確認
3.で得られたEV溶液に対してウェスタンブロットを行い、標的蛋白質がEVに存在するか否かということを確認した。前記EVは、pMT182-PR4に、FGF1またはTRXをコーディングする遺伝子をクローニングしたベクターで形質転換されたKCTC13422BP菌株(以下、LMT1-21ともする)から分離されたものである。このとき、前記遺伝子は、信号ペプチド、すなわち、SP4配列と融合されたり、融合されなかったりする配列を使用した。
ウェスタンブロットは、次のように行った。EV溶液5μLに、4xローディングバッファ(thermo)、10x還元剤(reducing agent)(thermo)を添加した後、SDS-PAGE(sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis)用ゲルに電気泳動した。該ゲルの蛋白質をニトロセルロース膜に移した後、該膜を、遮断溶液5%脱脂乳含有TBST(tris-buffered saline with Tween20)で2時間インキュベーションして遮断した。その後、TBSTを使用し、5分間3回洗浄した後、遮断溶液に、該膜と一次抗体とを添加し、2時間インキュベーションし、抗原・抗体結合を誘導した。TBST洗浄後、二次抗体を添加した。1時間放置した後、ECL(enhanced electrochemical)システムを使用し、標的蛋白質の量及び位置を確認した。
図9は、EV溶液に対してウェスタンブロットを行った結果を示す。
図9に示されているように、信号ペプチドと融合されたFGF1及びTRXを、pMT182-PR4にクローニングして得られたベクターで形質転換されたLMT1-21から分離されたEVには、FGF1及びTRXが発現されており、それらがEVに存在するということが分かる。
図10は、信号ペプチド遺伝子と融合するか、あるいは融合していないFGF1をコーディングする遺伝子を含む組み換えベクター、すなわち、pMT182-PR4-FGF1ベクターまたはpMT182-PR4-SP4-FGF1ベクターで形質転換されたLMT1-21から分離されたEVに対し、ウェスタンブロットを行った結果を示す。
図10において、レーン1は、信号配列なしにFGF1遺伝子を発現させた場合のEVを示し、レーン2は、信号配列がFGF1と融合された蛋白質をコーディングする遺伝子を発現させた場合のEVを示す。
【0040】
5.乳酸菌由来成長因子含有細胞外小嚢が細胞増殖に及ぼす効能の確認
3.に記載された方法により、1L乳酸菌培養液から分離された細胞外小嚢をPBS1mlに懸濁した。DMEM培地におけるNIH3T3細胞株(または、HaCat細胞)を96ウェルプレートの各ウェルに、5,000細胞ずつ接種(seeding)した後、37℃で48時間培養した。その後、前記成長因子を発現する細胞外小嚢含有溶液または対照群PBSを20μLずつ添加した。同一条件で48時間培養した後、Cell Counting Kit-8(Dojindo)溶液10μLを各ウェルに添加した。2時間後、450nmで吸光度を測定した。FGF1、FGF2及びIGFの場合、NIH3T3細胞を使用し、KGF、TGFa及びEGFの場合、HaCat細胞を使用した。
図11は、乳酸菌から分離された成長因子含有細胞外小嚢の細胞増殖に及ぼす効果を示す図面である。
図11において、LABは、lactic acid bacterium(KCTC13422BP菌株)を示す。その結果、前記標的蛋白質含有細胞外小嚢は、用量依存的に細胞濃度を上昇させた。
図11において、横軸は、細胞外小嚢に含まれた標的蛋白質の濃度(w/v)を示す。縦軸は、使用された細胞外小嚢含有溶液の細胞増殖の程度を、対照群に対比させ、それを百分率で示したものである。
【0041】
6.成長因子を含むEVの効能:IL-10発現の確認
1.及び2.により、IL-22を発現するベクターを作製し、該ベクターをLMT1-21で形質転換した。3.により、IL-22を発現するベクターで形質転換されたLMT1-21からEVが分離された。該EVが、細胞において、IL-10発現を促進するか否かということを確認し、間接的にIL-22の存在いかんを推定した。
具体的には、Colo205細胞株を、96ウェルプレートで、RPMI培地中に37℃で48時間培養した後、ここに、IL-22を発現する乳酸菌、及びそれを発現しない乳酸菌に由来する細胞外小嚢を分離し、該細胞外小嚢を、0.5mg/mLの濃度で、PBS内に懸濁し、それらを20μLずつウェルに添加し、37℃で6時間さらに培養した。その後、細胞株から蛋白質を抽出、すなわち、細胞破砕(lysis)した後、破砕物(lysate)を得て、そこにおいて、IL-10の発現量を比較した。
図12は、LMT1-21由来EVと接触された細胞由来蛋白質をウェスタンブロットした写真である。
図12において、レーン1は、PBSであり、レーン2は、LMT1-21由来EVであり、レーン3は、IL-22を発現するLMT1-21由来EVを処理したものを示す。
【0042】
7.乳酸菌由来細胞外小嚢と細胞との融合
形質転換されていない乳酸菌菌株(KCTC13422BP)から、前述のように、細胞外小嚢を分離させた。分離された細胞外小嚢(0.5mg/ml)1mlを、CFSE(5μM)溶液内に常温で30分間置いた。その後、溶液に対し、PD-10脱塩カラム(GE)を利用し、残っているCFSEを除去し、CFSEで標識された細胞外小嚢を得た。NIH3T3細胞株を、96ウェルプレートのウェルで、RPMI培地0.2mLにおいて48時間培養した後、PBSにおいて、CFSEで標識された細胞外小嚢の10μL(赤色)または20μL(緑色)を添加し、24時間さらに培養した。その後、PBSで細胞を洗浄した。残っている細胞をフロー分析機を介して通過させ、それに係わる蛍光度を測定した。対照群としては、BSA 0.5μg/mlを同じCFSEで標識させ、20μl使用した。
図13は、CFSEで標識された細胞外小嚢が細胞と融合する程度を、細胞フロー分析を介して観察した結果を示す。
図13において、対照群(negative control)(左側図面)は、CFSEで標識させたBSAと細胞とを接触させたものであり、実験群(右側)は、CFSEで標識された細胞外小嚢の10μL(赤色)と20μL(緑色)と、細胞とを接触させた後、観察された結果を示す。その結果、
図13の右側に示されているように、細胞がCFSEに染色されることから見て、細胞外小嚢が細胞と融合し、細胞外小嚢の成分が細胞に導入されることを確認した。NIH3T3細胞は、標準線維芽細胞細胞株である。
【0043】
8.乳酸菌由来細胞外小嚢の皮膚毒性確認
乳酸菌由来細胞外小嚢の皮膚に対する毒性を、OECDガイドラインにより、人工皮膚に対する毒性実験を介して測定した。該人工皮膚は、Neoderm
TM-ED(Tegoサイエンス社製)を使用した。
LMT1-21、LMT1-9またはLMT1-46に由来する細胞外小嚢を分離させた。それら細胞外小嚢は、2.に記載されたところによって分離させた。分離された細胞外小嚢のそれぞれ、陰性対照群としてのPBS、及び陽性対照群としての5% SDSそれぞれ30μLをNeoderm
TM-ED人工皮膚に塗布し、37℃で15分間インキュベーションした。その後、前記人工皮膚をPBSで洗浄した後、12ウェルプレートにある2ml分析媒質(Tegoサイエンス)に浸漬させ、37℃で42時間さらにインキュベーションした。
インキュベーションされた人工皮膚を取り出し、0.3% MTT溶液(0.3mg/ml)に移した後、3時間インキュベーションした。その後、さらに人工皮膚を取り出し、8mm生検を利用して組織を分離させ、0.04N HCl・イソプロパノール500μlに入れて4時間脱色させた。570nmで吸光度を測った後、対照群吸光度と比較し、生存度(%)を求めた。その結果、測定された生存度が、陽性対照群値と陰性対照群値との中間以上であるならば、毒性がないと決定した。該生存度は、下記数式によって計算した。
生存度=試験物質吸光度/陰性対照群吸光度X100
図14は、乳酸菌由来細胞外小嚢の皮膚に対する毒性を測定した図面である。
図14において、1:陰性対照群(PBS)、2:陽性対照群(5%SDS)、3:LMT1-46、4:LMT1-9、5:LMT1-21に由来する細胞外小嚢を示す。
【0044】
実施例3:成長因子含有EVの細胞増殖効果と、ネイキド成長因子の細胞増殖効果との比較
1.成長因子含有EVの製造
成長因子含有EVは、実施例1の3.と同一方式により、それぞれp416G-MF-EGF、p416G-MF-FGF1及びp416G-MF-FGF2で形質転換されたPichia pastorisから分離された。成長因子含有EVそれぞれは、PBSに懸濁させ、EGFの濃度を10μg/ml、及びFGF1またはFGF2の濃度を1μg/mlに調整した。対照群として、ネイキドEGF蛋白質、ネイキドFGF1蛋白質及びネイキドFGF2蛋白質をAbCamから購入し、前記濃度と同一濃度でPBS内に懸濁させた。
【0045】
2.成長因子含有EVの細胞増殖効果と、ネイキド成長因子の細胞増殖効果との比較
人工皮膚、Neoderm
TM-EDをTaigo Science Co.,Ltd.から購入した。前記人工皮膚をPBSで洗浄した後、PBS 2mL、前述のところで準備されたEV-成長因子含有溶液2mL、及び前述のところで製造されたネイキドEGF蛋白質、ネイキドFGF1蛋白質及びネイキドFGF2蛋白質含有の対照群溶液2mLを、12ウェルプレートのウェルに添加し、37℃で24時間、さらにインキュベーションした。PBSで3回洗浄した後、該人工皮膚を、37℃で18時間、4%パラホルムアルデヒド溶液(Sigma、米国)中に固定し、Leica Biosystemsを使用し、冷凍切片を作った。EGF-EV及び対照群蛋白質に対する抗Ki-67抗体(AbCam)、並びにFGF1-EV、FGF2-EV及び対照群蛋白質に対する抗コラーゲン抗体(AbCAm)を使用し、免疫組織化学(IHC)を遂行した後、DAB(3,
3,3’ジアミノベンジジン(DAB)を添加した。その結果について、顕微鏡下で写真を撮った。一般的には、Ki-67またはコラーゲンの豊富は、茶色に観察される。Ki-67は、上皮細胞増殖のバイオマーカーとして知られている。
図15に示されているように、PBS及び対照群蛋白質処理に比べ、EGF-EV処理した場合、さらに良好な上皮細胞増殖が観察された(A列)。また、PBSまたは対照群蛋白質を使用した場合に比べ、FGF1-EV及びFGF2-EVを使用した場合、さらに良好なコラーゲン合成が観察された(B列及びC列)。3つの結果によれば、成長因子タイプに係わらず、EVに含まれた成長因子は、ネイキド成長因子に比べ、細胞増殖に対してさらに効果的であり、そのうち、FGF2-EVが、EVに含まれた他の成長因子、またはEVに含まれていない他の成長因子に比べ、さらに効果的であった。
【0046】
実施例4:成長因子の安定性比較
1.EGF-EV安定性とネイキドEGF安定性との比較
Pichia pastoris由来EGF-EV及び対照群蛋白質、すなわち、EVに含まれていないEGF蛋白質を、実施例1の2.に記述されたところと同一方式で準備した。簡単には、前記EGF-EVまたはEGF蛋白質をPBS 1mLに懸濁させ、濃度を10μg/mlにした後、40℃で8週間インキュベーションした。2週ごとに試料を分注し、細胞増殖活性分析(cell proliferation activity assay)のために、PBSを使用して希釈し、100ng/ml濃度にした。
DMEM中のHaCat細胞を、5,000細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレートの各ウェルに接種し、37℃で48時間培養した。次に、前記EGF-EV、前記対照群蛋白質及び前記PBSの各サンプル20μLを、そこに添加した。細胞を48時間、同一条件で培養した後、cell counting kit-8(Dojindo)溶液10μLを各ウェルに添加した。2時間後、450nmで吸光度を測定した。
図16に示されているように、EVに含まれたEGFは、ネイキドEGFに比べ、さらに安定している。
【0047】
2.FGF2-EV安定性とネイキドFGF2安定性との比較
Pichia pastoris由来FGF2-EV及び対照群蛋白質、すなわち、EVに含まれていないFGF2蛋白質を、実施例1の2.に記述されたところと同一方式で準備した。簡単には、前記FGF2-EV蛋白質または前記FGF2蛋白質をPBS 1mLに懸濁させ、濃度を10μg/mlになるようにした後、室温で4週間インキュベーションした。規則的に(on regular basis)各試料を分注し、細胞増殖活性分析のためにPBSを使用して希釈し、100ng/ml濃度にした。
DMEM培地中のNIH3T3細胞を、5,000細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレートの各ウェルに接種し、37℃で48時間培養した。次に、前記FGF2-EV、前記対照群蛋白質及び前記PBSの各サンプル20μLをそこに添加した。細胞を48時間、同一条件で培養した後、cell counting kit-8(Dojindo)溶液10μLを各ウェルに添加した。2時間後、450nmで吸光度を測定した。
図17に示されているように、EVに含まれたFGF2は、ネイキドFGF2に比べ、さらに安定している。
【配列表】