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特許7297890植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンの生産方法
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  • 特許-植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンの生産方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンの生産方法
(51)【国際特許分類】
   C12P 7/22 20060101AFI20230619BHJP
   C12N 5/04 20060101ALI20230619BHJP
   C12P 17/04 20060101ALI20230619BHJP
   C12P 17/06 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
C12P7/22
C12N5/04
C12P17/04
C12P17/06
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021525618
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 KR2019015487
(87)【国際公開番号】W WO2020101371
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】10-2018-0139166
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145478
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515276624
【氏名又は名称】コリア リサーチ インスティチュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KOREA RESEARCH INSTITUTE OF BIOSCIENCE AND BIOTECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、チャヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、スヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ユジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジェチョル
(72)【発明者】
【氏名】リュ、ヨンベ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソクウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソンチョル
【審査官】藤山 純
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0106913(KR,A)
【文献】CALDERON A A, et al.,A spectrophotometric assay for quantitative analysis of the oxidation of 4-hydroxystilbene by peroxidase-H2O2 systems,JBBM,20(3),1990年03月,p.171-180
【文献】Pezet R.,Delta-viniferin, a resveratrol dehydrodimer: one of the major stilbenes synthesized by stressed grapevine leaves,J Agric Food Chem,51(18),2003年,p.5488-5492
【文献】Wan X.,Dimerization of piceatannol by Momordica charantia peroxidase and alpha-glucosidase inhibitory activity of the biotransformation products,Bioorg Med Chem,19(17),2011年,p.5085-5092
【文献】Wilkens A., et al. ,Structures of two novel trimeric stilbenes obtained by horseradish peroxidase catalyzed biotransformation of trans-resveratrol and (-)-epsilon-viniferin.,J Agric Food Chem.,58,2010年05月10日,6754-6761
【文献】Tisserant LP, et al.,13C NMR and LC-MS Profiling of Stilbenes from Elicited Grapevine Hairy Root Cultures.,J Nat Prod.,79(11),2016年11月14日,2846-2855
【文献】Nopo-Olazabal C, et al.,Differential induction of antioxidant stilbenoids in hairy roots of Vitis rotundifolia treated with methyl jasmonate and hydrogen peroxide.,Plant Physiol Biochem.,74,2013年11月08日,50-69
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 7/22
C12P 17/04
C12P 17/04
C12P 17/06
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)植物のカルスを培養培地のみで懸濁培養し、培養培地から植物のカルスを分離し、培養液を収集するステップと、
2)前記ステップ1)で収集した培養液に単量体スチルベン(monomeric stilbene)及び酸化剤を添加して攪拌するステップと、
を含む、
植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベン(dimeric stilbene)を生産する方法であって、
前記ステップ2)の単量体スチルベンが、レスベラトロール(resveratrol)またはピセアタンノール(piceatannol)であり、
前記二量体スチルベンが、δ-ビニフェリン(δ-viniferin)またはピセアタンノール二量体(piceatannol dimer)である、単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項2】
前記ステップ1)の植物が、クララ、ブドウ、チョークベリー、及び大豆からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項3】
前記ステップ1)の懸濁培養が、2~6日間行われることを特徴とする、請求項1に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項4】
前記ステップ2)の酸化剤が、過酸化水素であることを特徴とする、請求項1に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項5】
前記ステップ2)の攪拌が、3~7分間行われることを特徴とする、請求項1に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項6】
前記ステップ2)で攪拌した培養液に抽出溶媒を添加し、二量体スチルベンを抽出するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項7】
前記抽出溶媒が、酢酸エチルであることを特徴とする、請求項6に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項8】
前記ステップ2)の後に下記ステップ3)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法:
3)前記ステップ2)で攪拌した培養液を5~20分間さらに反応させて結晶を得るステップ。
【請求項9】
前記ステップ3)で得られた結晶に抽出溶媒を添加し、二量体スチルベンを抽出するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項10】
前記抽出溶媒が、メタノールまたはメタノール水溶液であることを特徴とする、請求項9に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項11】
前記二量体スチルベンが、δ-ビニフェリンであることを特徴とする、請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の植物のカルス培養液を用いた単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産する方法。
【請求項12】
植物のカルス培養液及び酸化剤を有効成分として含有する、単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産するための組成物であって、
前記植物のカルス培養液は、植物のカルスを培養培地のみで懸濁培養し、培養培地からブドウのカルスを分離したものであり、
前記単量体スチルベンが、レスベラトロールまたはピセアタンノールであり、
前記二量体スチルベンが、δ-ビニフェリンまたはピセアタンノール二量体である、単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産するための組成物。
【請求項13】
前記植物が、クララ、ブドウ、チョークベリー、及び大豆からなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産するための組成物。
【請求項14】
前記培養液が、植物のカルスを培養培地で2~6日間懸濁培養して収集したことを特徴とする、請求項12に記載の単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産するための組成物。
【請求項15】
前記酸化剤が、過酸化水素であることを特徴とする、請求項12に記載の単量体スチルベンから二量体スチルベンを生産するための組成物。
【請求項16】
植物のカルスとしてブドウのカルス培養液に抽出溶媒を添加し、二量体スチルベンとしてマーキン(maackin)を抽出するステップを含む、植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンとしてのマーキン生産方法であって、
前記ブドウのカルス培養液は、ブドウのカルスを培養培地のみで懸濁培養し、培養培地からブドウのカルスを分離したものである、植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンとしてのマーキン生産方法。
【請求項17】
前記培養液が、ブドウカルスを培養培地で2~6日間懸濁培養して収集したことを特徴とする、請求項16に記載の植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンとしてのマーキン生産方法。
【請求項18】
前記抽出溶媒が、酢酸エチルであることを特徴とする、請求項16に記載の植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンとしてのマーキン生産方法。
【請求項19】
前記マーキンが、下記一般式1で表されることを特徴とする、請求項16に記載の植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンとしてのマーキン生産方法。
[化1]
【請求項20】
植物のカルスとしてブドウのカルス培養液を有効成分として含有する、二量体スチルベンとしてのマーキンを生産するための組成物であって、
前記ブドウのカルス培養液は、ブドウのカルスを培養培地のみで懸濁培養し、培養培地からブドウのカルスを分離したものである、二量体スチルベンとしてのマーキンを生産するための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベン(dimeric stilbene)の生産方法に関し、さらに詳しくは、植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンの生産方法、及び植物のカルス培養液を有効成分として含む二量体スチルベンを生産するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
主にレスベラトロール化合物で表されるスチルベンは、フェニルアラニンから始まる一般的なフェニルプロパノイド経路に由来した植物の二次代謝産物の小さなクラスである。レスベラトロール(resveratrol;3,4′,5-transtrihydroxystilbene)は、UV照射や真菌感染症のような環境ストレスに対する反応として、ブドウ、ピーナッツ、及びベリー類などの一部の植物によって生産される自然発生のファイトアレキシン(phytoalexin)である。植物の防御反応において、レスベラトロール及びその誘導体は、フィトアレクシン及び抗酸化物質として重要な役割を果たすのみならず、抗炎症効果、抗腫瘍活性及び抗老化効果を始めとする様々な有益な特性を示す。しかしながら、トランス-レスベラトロール(transresveratrol)の潜在的な使用は、光と酸素に晒させたり、強いpH条件を有する環境下では、その不安定性で制限される。
【0003】
レスベラトロールの二量体(dimer)の1つであるビニフェリン(viniferin)も、レスベラトロールと同様に、抗ガン、抗ウイルス、抗炎症、抗老化、抗酸化などの様々な生理学的活性を示し、機能性健康食品、化粧品、医薬品、染料、及び機能性家畜飼料などに活用されており、特にビニフェリンの場合、肝臓の保護、抗ガン、抗酸化、皮膚の美白に効果的であり、低密度リポタンパク質と高密度リポタンパク質の酸化を阻害し、また血管平滑筋細胞の増殖と移動を阻害する効果があることが知られている。さらに詳しくは、チロシンをメラニン細胞に変化させるチロシナーゼを調節し、ダークスポットの形成段階で細胞の酸化作用を中和するが、活性酸素の攻撃は、チロシナーゼを刺激する。そのとき、ビニフェリンの強力な抗酸化作用により、活性酸素がメラニン形成細胞に変化することを防ぎ、きれいで清潔な肌を保つようにする。また、酸化ストレスの循環反応を止め、皮膚細胞の炎症を防いでくれることが知られている。
【0004】
このように様々な活用を有するビニフェリンの生産方法として、ブドウの樹液から抽出する方法が、欧州登録特許EP1519709に開示されている。しかしながら、1kgのビニフェリンを抽出するためには、1トンのブドウの樹液が必要である。
【0005】
また、ビニフェリンのうち、δ-ビニフェリン(δ-viniferin)は、ペルオキシダーゼ(peroxidase)を利用し、トランス-レスベラトロールを生物変換(bioconversion)して得る方法が知られている(J.Agric.Food Chem.2003、51、5488-5492)。しかしながら、そのときに用いられるペルオキシダーゼの価格が高いという欠点がある。
【0006】
故に、コストと時間の観点から効率的にビニフェリンを生産する方法が要求されている。
【0007】
本発明は、前記要求によって導き出されたものであり、本発明者らは、植物のカルスを懸濁培養して培養液を得て、得られた培養液を用いて二量体スチルベンの生産が可能であることを確認した。そこで、本発明によると、二量体スチルベンの大量生産が可能であり、単価の高い可溶化剤の使用を減らすことができ、コストと時間を削減することができることを見出すことで、本発明の完成に至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、植物のカルス培養液を用いて、単量体スチルベン(monomeric stilbene)を生物変換(bioconversion)することにより、二量体スチルベン(dimeric stilbene)を生産する方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、植物のカルス培養液を用いて、二量体スチルベンを生産する方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、植物のカルス培養液を有効成分として含有する、二量体スチルベンを生産するための組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、
1)植物のカルスを培養培地で懸濁培養し、培養液を収集するステップと、
2)前記ステップ1)で収集した培養液に単量体スチルベン(monomeric stilbene)及び酸化剤を添加して攪拌するステップと、を含む、植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベン(dimeric stilbene)の生産方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、植物のカルス培養液及び酸化剤を有効成分として含有する、二量体スチルベンを生産するための組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、植物のカルスとしてブドウのカルス培養液に抽出溶媒を添加し、二量体スチルベンであるマーキン(maackin)を抽出するステップを含む、植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンとしてのマーキン生産方法を提供する。
【0014】
さらに、本発明は、植物のカルスとしてブドウのカルス培養液を有効成分として含有する、二量体スチルベンとしてのマーキン(maackin)を生産するための組成物を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、植物のカルスを懸濁培養して培養液を得て、得られた培養液を用いて二量体スチルベン、さらに詳しくは、δ-ビニフェリン(δ-viniferin)、ピセアタンノール二量体(piceatannol dimer)、マーキン(maackin)を生産できることを確認した。故に、本発明に係る方法は、二量体スチルベンを生産する方法として有用に利用することができる。
【0016】
また、本発明に係る方法は、単価の高い可溶化剤の使用を減らすことができるので、コスト及び時間を削減することができるという利点があり、培養液のみを回収して反応に用いるため、反応に用いられていないカルスは回収して次の培養のために継代することにより、連続した使用が可能であり、反応のための時間及びコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ペルオキシダーゼ(peroxidase)が酸化剤として過酸化水素を用いて基質を脱水素化させる触媒過程を示す図である。
図2】ペルオキシダーゼによって、二つの単量体レスベラトロール(resveratrol)がレスベラトロール二量体であるδ-ビニフェリン(δ-viniferin)に生物変換(bioconversion)される過程を示す図である。
図3】本発明に係る植物のカルス培養液としてクララのカルス培養液を用いて、レスベラトロールを生物変換して得られた結果物に対するHPLC分析結果を示す図である。
図4】本発明に係る植物のカルス培養液として、クララ、チョークベリー、ブドウのそれぞれのカルス培養液を用いて、レスベラトロールを生物変換して得られた結果物に対するHPLC分析結果を示す図である。
図5】本発明に係る植物のカルス培養液としてクララのカルス培養液を用いてレスベラトロールを生物変換し、さらに反応して得られた結晶に対するHPLC分析結果を示す図である。
図6】本発明に係る植物のカルス培養液としてブドウのカルス培養液を用いて、単量体ピセアタンノール(piceatannol)を生物変換して得られた結果物に対するHPLC分析結果を示す図である。
図7】本発明に係る植物のカルス培養液としてブドウのカルス培養液を用いて、単量体ピセアタンノール(piceatannol)を生物変換して得られた結果物に対するLC/MS分析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0019】
本発明は、
1)植物のカルスを培養培地で懸濁培養し、培養液を収集するステップと、
2)前記ステップ1)で収集した培養液に単量体スチルベン(monomeric stilbene)及び酸化剤を添加して攪拌するステップと、を含む、植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベン(dimeric stilbene)の生産方法を提供する。
【0020】
本発明に係る方法において、前記ステップ1)の植物は、クララ、ブドウ、チョークベリーまたは大豆であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本発明に係る方法において、前記ステップ1)の植物のカルスは、植物組織の切片体をカルス誘導培地上に置き、植物組織カルスを誘導して得られるか、あるいは寄託機関から分譲されたものを用いてもよい。
【0022】
また、前記カルス誘導培地は、生長調節剤として、0.05~0.2mg/LのIAA(indole-3-acetic acid)、0.05~0.2mg/LのNAA(1-naphthaleneacetic acid)、1~2mg/Lの2,4-D及び0.2~0.3mg/Lのキネチンが添加された培地であってもよく、さらに詳しくは、0.1mg/LのIAA(indole-3-acetic acid)、0.1mg/LのNAA(1-naphthaleneacetic acid)、1.5mg/Lの2,4-D及び0.25mg/Lのキネチンが添加された培地であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本発明に係る方法において、前記ステップ1)の培養培地は、0.5~2.0mg/Lの2,4-Dが含まれているMS(Murashige&Skoog)培地であってもよく、さらに詳しくは、1mg/Lの2,4-Dが含まれているMS(Murashige&Skoog)培地であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0024】
本発明に係る方法において、前記ステップ1)の懸濁培養は、2~6日間行われてもよく、より詳しくは、3~5日間行われてもよく、さらに詳しくは、4日間行われてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0025】
本発明に係る方法において、前記ステップ2)の単量体スチルベンは、レスベラトロール(resveratrol)またはピセアタンノール(piceatannol)であってもよい。
【0026】
本発明に係る方法において、前記ステップ2)の酸化剤は、単量体スチルベンを二量体スチルベンに生物変換するための脱水素化反応の際に用いられるもので、さらに詳しくは、過酸化水素であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0027】
本発明に係る方法において、前記ステップ2)の攪拌は、3~7分間行われてもよく、より詳しくは、4~6分間行われてもよく、さらに詳しくは、5分間行われてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0028】
本発明の方法において、前記ステップ2)で攪拌した培養液に抽出溶媒を添加し、二量体スチルベンを抽出するステップをさらに含んでもよく、そこで、抽出溶媒は、酢酸エチルであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0029】
本発明に係る方法において、前記二量体スチルベンは、δ-ビニフェリン(δ-viniferin)またはピセアタンノール二量体(piceatannol dimer)であってもよい。
【0030】
また、本発明に係る方法において、前記ステップ2)の後に以下のステップ3)をさらに含んでもよい:
3)前記ステップ2)で攪拌した培養液を、5~20分間、より詳しくは、7~20分間、さらに詳しくは、10~20分間さらに反応させて結晶を得るステップ。
【0031】
前記ステップ3)の反応により、水に溶けにくい性質を示す、生物変換された二量体スチルベンが結晶として析出される。
【0032】
本発明に係る方法において、前記ステップ3)で得られた結晶に抽出溶媒を添加し、二量体スチルベンを抽出するステップをさらに含んでもよく、そこで、抽出溶媒は、メタノールまたはメタノール水溶液であってもよく、さらに詳しくは、メタノール水溶液であってもよいが、これらに限定されるものではない。また、前記二量体スチルベンは、δ-ビニフェリンであってもよい。
【0033】
本発明の具体的な実施例において、本発明者らは、本発明に基づいて、植物のカルスとしてクララ、ブドウ、チョークベリーまたは大豆のカルスを懸濁培養して培養液を収集した。その後、前記収集した培養液に単量体スチルベンとしてのレスベラトロール及び酸化剤としての過酸化水素を添加して攪拌し、レスベラトロールを生物変換(bioconversion)することにより、二量体スチルベンとしてδ-ビニフェリンを生産できることを確認した。
【0034】
また、前記収集した培養液に単量体スチルベンとしてのレスベラトロール及び酸化剤としての過酸化水素を添加して攪拌してから、さらに10分以上反応させて結晶を得た。前記結晶を抽出し、分析したところ、結晶からδ-ビニフェリンが確認された。
【0035】
また、本発明者らは、本発明に基づいて、植物のカルスとしてブドウカルスを懸濁培養して培養液を収集した。その後、前記収集した培養液に単量体スチルベンとしてのピセアタンノール及び酸化剤としての過酸化水素を添加して攪拌し、ピセアタンノールを生物変換することで、二量体スチルベンとしてピセアタンノール二量体を生産できることを確認した。
【0036】
従って、本発明では、植物のカルスを懸濁培養して培養液を回収し、回収した培養液と共に酸化剤として過酸化水素を用いて単量体スチルベンを生物変換することで、二量体スチルベンの生産が可能であることを確認した。
【0037】
また、生物変換した培養液をさらに反応させて結晶を得ることが可能であり、前記得られた結晶から二量体スチルベンの抽出が可能であることを確認した。
【0038】
故に、本発明に係る方法は、二量体スチルベンを生産する方法として有用に利用することができる。また、本発明に係る方法は、単価の高い可溶化剤の使用を減らすことができるので、コスト及び時間を削減することができるという利点があり、培養液のみを回収して反応に用いるため、反応に用いられていないカルスは回収して次の培養のために継代することにより、連続した使用が可能であり、反応のための時間及びコストを削減することができる。
【0039】
また、本発明は、植物のカルス培養液及び酸化剤を有効成分として含有する、二量体スチルベンを生産するための組成物を提供する。
【0040】
本発明において、前記植物は、クララ、ブドウ、チョークベリーまたは大豆であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0041】
本発明において、前記植物のカルスは、植物組織の切片体をカルス誘導培地上に置き、植物組織カルスを誘導して得られるか、あるいは寄託機関から分譲されたものを用いてもよい。
【0042】
本発明において、前記培養液は、植物のカルスを培養培地で2~6日間、より詳しくは3~5日間、さらに詳しくは、4日間懸濁培養して収集してもよいが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本発明において、前記酸化剤は、単量体スチルベンを二量体スチルベンに生物変換するための脱水素化反応のために用いられるもので、さらに詳しくは、過酸化水素であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0044】
本発明において、前記二量体スチルベンは、δ-ビニフェリンまたはピセアタンノール二量体であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0045】
本発明者らは、植物のカルスを懸濁培養して培養液を回収し、回収した培養液と共に酸化剤として過酸化水素を用いて単量体スチルベンを生物変換することで、二量体スチルベンの生産が可能であることを確認した。故に、前記植物のカルス培養液及び酸化剤を、二量体スチルベンを生産するための組成物の有効成分として有用に利用することができる。
【0046】
また、本発明は、植物のカルスとしてブドウのカルス培養液に抽出溶媒を添加し、二量体スチルベンとしてマーキン(maackin)を抽出するステップを含む、植物のカルス培養液を用いた二量体スチルベンとしてのマーキン生産方法を提供する。
【0047】
さらに、本発明は、植物のカルスとしてブドウのカルス培養液を有効成分として含有する、二量体スチルベンとしてのマーキンを生産するための組成物を提供する。
【0048】
本発明において、前記ブドウカルスは、ブドウ組織の切片体をカルス誘導培地上に置き、ブドウ組織カルスを誘導して得られるか、あるいは寄託機関から分譲されたものを用いてもよい。
【0049】
本発明において、前記培養液は、ブドウカルスを培養培地で2~6日間、より詳しくは3~5日間、さらに詳しくは、4日間懸濁培養して収集してもよいが、これらに限定されるものではない。
【0050】
また、前記培養培地は、0.5~2.0mg/Lの2,4-Dが含まれているMS(Murashige&Skoog)培地であってもよく、さらに詳しくは、1mg/Lの2,4-Dが含まれているMS(Murashige&Skoog)培地であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0051】
本発明において、前記培養液は、抽出溶媒を添加してマーキンを抽出してもよく、そのとき、抽出溶媒は、酢酸エチルであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0052】
本発明において、前記マーキンは、下記一般式1で表される。
【0053】
【化1】
【0054】
本発明の具体的な実施例において、本発明者らは、本発明に基づいて、ブドウカルスを懸濁培養して培養液を収集した。その後、前記収集した培養液を抽出溶媒で抽出し、二量体スチルベンとしてマーキンの生産が可能であることを確認した。故に、前記ブドウのカルス培養液を、二量体スチルベンとしてのマーキン生産方法及びマーキン生産のための組成物の有効成分として有用に利用することができる。
【0055】
以下、実施例を挙げ、本発明についてより詳細に説明する。
【0056】
但し、下記実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記実施例によって限定されるものではない。
【0057】
<実施例1>クララカルスの懸濁培養及び生物変換のための培養液の回収
本発明では、生物変換のためにクララカルスを用いた。前記クララカルスは、KCTC(韓国微生物資源センター)から分譲されたクララカルス(BP1429378)を用いた。
【0058】
前記分譲されて安定化させたクララカルスを懸濁培養した。懸濁培養時は、1mg/Lの2,4-D(2-4-dichlorophenoxy acetic acid)が含まれたMS(Murashige&Skoog)培地を称するMS1D(MS 4.4g、ショ糖30g、MES(2-(N-Morpholino)ethanesulfonic acid)0.5g、ミオ-イノシトール0.1g、チアミン-HCl 0.4mg、2,4-D 1mg/L)の液体培地を用いた。20mLのMS1D培地が入った125mLの三角フラスコに2gのクララカルスを接種し、闇条件下、25℃、90rpmで4日間懸濁培養した。培養4日目の試料をふるいでろ過することでカルスとカルス培養液を分離し、1次分離された培養液試料を3000rpmで2分間遠心分離することでカルスと培養液を完全に分離し、これを生物変換の実験に用いた。
【0059】
<実施例2>クララのカルス培養液を用いたレスベラトロール(resveratrol)の生物変換
前記<実施例1>で得られたクララのカルス培養液と1mMの過酸化水素及び単量体スチルベンとして1mMのレスベラトロール(resveratrol)を2mLのe-tubeに添加し、回転式振盪機で5分間攪拌させ、レスベラトロールの二量体反応を誘導した。
【0060】
対照群として、クララのカルス培養液中に存在する総タンパク質の定量値に比準して、MS1D培地に同量のHRP(Horseradish peroxidase)と1mMの過酸化水素、1mMのレスベラトロールをe-tubeに添加し、回転式振盪機で5分間攪拌させ、レスベラトロールの生物変換を誘導した。陰性対照群として、レスベラトロールと過酸化水素のみをMS1D培地に添加した試料を用いた。
【0061】
<実施例3>生物変換培養液からのδ-ビニフェリン(δ-viniferin)の抽出及びHPLC分析
同量の酢酸エチルにより、前記<実施例2>で反応させたそれぞれの試料を水と酢酸エチルに分配抽出した。得られた酢酸エチル層に空気(air)を注入して乾燥させ、得られた乾燥物を400μL 80%のメタノールに溶かし、0.2μmのPTFEフィルタ(hydrophilic、ADVANTEC、日本)の後、HPLC分析に用いた。HPLCは、Agilent Technology 1200 seriesを用いて分析した。ポンプシステムは、4つの溶媒ポンプ(quaternary pump)を使用し、カラムは、Agilent社のZORBAX SB-18(5mm、4.6×150mm)を使用し、移動相は、水(A、0.05%のトリフルオロ酢酸)とアセトニトリル(B 0.05%のトリフルオロ酢酸)を用い、勾配溶出を用いて分析した。DAD(Diode Aray Detector)を用いて、300nmの波長でスチルベン化合物を確認した。前記陰性対照群では、単量体レスベラトロールの二量体スチルベンであるδ-ビニフェリン(δ-viniferin)が全く観察されなかったが、クララのカルス培養液またはHRPが添加された試料抽出物では、同様のレベルのδ-ビニフェリンが検出された(図3)。前記<実施例2>で用いた培地(0.9mL)のコストは、5.2ウォンであり、クララのカルス培養液に含まれる総タンパク質量と同量のHRP(12.48mg)のコストである23,212ウォンがその培地のコストに加算されることから、同量のδ-ビニフェリンを生産するためにクララのカルス培養液を使用することが非常に有利であることが分かる。
【0062】
<実施例4>各種の植物カルスの懸濁培養及び培養液の回収
クララカルスの他、別の植物のカルス培養液を用いた生物変換の可否を確認するために、チョークベリーカルス、大豆カルス、ブドウ(Vitis vinifera L.cv Campbell Early)カルスを用いた。前記それぞれのカルスは、前記<実施例1>に記載の方法と同様にして、KCTCから分譲されたものを用いた。その後、前記<実施例1>に記載の方法と同様の方法で、20mLのMS1D液体培地に2gのチョークベリーカルス、大豆カルス、ブドウカルスをそれぞれ接種した後、懸濁培養し、遠心分離することで、それぞれのカルス培養液を取得して生物変換の実験に用いた。
【0063】
<実施例5>各種の植物のカルス培養液を用いたレスベラトロールの生物変換
前記<実施例4>で得られたチョークベリーのカルス培養液、大豆のカルス培養液、ブドウのカルス培養液のそれぞれと1mMの過酸化水素、1mMのレスベラトロールを2mLのe-tubeに添加し、回転式振盪機で5分間攪拌させ、レスベラトロールの生物変換を誘導した。次いで、生物変換を誘導したそれぞれの培養液を前記<実施例3>に記載の方法と同様の方法で抽出した後、HPLC分析を行い、レスベラトロール二量体の生産を確認した。その結果、植物の種類によってその効率は異なるものの、生物変換を誘導したチョークベリーのカルス培養液、大豆のカルス培養液、ブドウのカルス培養液の中からも、δ-ビニフェリンが検出されることを確認した(図4)。
【0064】
<実施例6>各種の植物のカルス培養液の反応物からのδ-ビニフェリンの抽出及びHPLC分析
前記<実施例2>から回収したクララのカルス培養液で、前記<実施例3>に記載の方法と同様の方法で生物変換を行った後、10分以上さらに反応させたところ、黄色の結晶が析出されることを確認した。前記結晶が含まれている培養液を12,000rpmで10分間遠心分離して沈殿物(pellet)と上澄み液を分離した後、上澄み液を除去して得られた沈殿物に空気(air)を注入して乾燥させた。乾燥物を80%のメタノールに1mg/mLの濃度で溶かし、0.2μmのPTFEフィルタ(hydrophilic、ADVANTEC、日本)の後、HPLC分析した。その結果、析出した物質の75%がδ-ビニフェリンであることが確認された。前記析出法を利用する場合、従来の方法を用いるよりも、生産物を取得するための抽出ステップを削減できることが分かる(図5)。
【0065】
また、前記<実施例4>から回収したチョークベリーのカルス培養液、大豆のカルス培養液及びブドウのカルス培養液のそれぞれで、前記<実施例5>に記載の方法と同様の方法で生物変換を行った後、10分以上さらに反応させたところ、黄色の結晶が析出されることを確認した。前記結晶が含まれている培養液のそれぞれについても、前記のようにHPLC分析した結果、析出された物質からδ-ビニフェリンを確認した(分析した結果は含まれていない)。
【0066】
<実施例7>ブドウのカルス培養液を用いたピセアタンノール(piceatannol)の生物変換
前記<実施例4>で得られたブドウのカルス培養液と2mMの過酸化水素、単量体スチルベンとして1mMのピセアタンノール(piceatannol)を2mLのe-tubeに添加し、回転式振盪機で5分間攪拌させ、ピセアタンノールの生物変換を誘導した。次いで、生物変換を誘導した培養液を前記<実施例3>に記載の方法と同様の方法で抽出した後、HPLC分析を行い、ピセアタンノール二量体の生産を確認した。その結果、基質として入れたピセアタンノールの他、4つの新しいピーク(peak)が確認された(図6)。
【0067】
<実施例8>ブドウのカルス培養液を用いたピセアタンノールの生物変換培養液からのピセアタンノール二量体の抽出及びLC/MS分析
前記<実施例7>で生産された新しいピークを確認するために、同量の酢酸エチルにより、前記<実施例7>で反応させたブドウのカルス培養液を水と酢酸エチルに分配抽出した。得られた酢酸エチル層に空気(air)を注入して乾燥させ、乾燥物を100%のメタノールに溶かし、0.2μmのPTFEフィルタ(hydrophilic、ADVANTEC、日本)の後、LC/MS分析に用いた。LC/MSは、UPLC-Q-TOF MS(XevoTM G2-S、Waters、Miliford、MA、USA)を使用し、カラムは、Acquity UPLC BEH C18 column(2.1mm×100mm、1.7μm;Waters)を使用し、移動相は、0.1%のFAが添加された水(A)と同じ物質が添加されたアセトニトリル(B)を用いて行われた。移動相の変化率条件は、以下の表1に示す。その結果、ピセアタンノール二量体と推定される2つのピークとピセアタンノール-2H-二量体と推定される1つのピークを確認した(図7)。
【0068】
【表1】
【0069】
<実施例9>ブドウのカルス培養液からのマーキン(maackin)の分離及びNMR分析
前記<実施例4>で得られたブドウのカルス培養液を水と酢酸エチルに分配抽出し、得られた酢酸エチル層を減圧濃縮した。得られた濃縮物(300mg)は、Recycling preparative HPLC機器を用いて逆相カラム(20×500mm)で第1段階の分離を行った。そのとき、溶出溶媒としては、水-メタノール混合溶液を25:75の割合で溶出させ、4つの分画物(A~D)を得た。目標化合物であるマーキン(Maackin;下記一般式1)を多量に含む画分Cを濃縮して濃縮物140mgを得た。得られた濃縮物140mgを前記混合溶媒の条件下、Recycling LC機器を用いて実施することで、マーキン25mgを得た。得られた化合物の構造は、1H-NMR、13C-NMR、2D-NMR、DEPT、及び質量分析計を用いて同定した。
マーキン(Maackin):淡い黄色(yellow pale)、1HNMR(500MHz、CD3OD)δ7.118(1H、d、=2.0Hz)、7.050(1H、dd、=1.5、8.5Hz)、6.965(1H、d、=15.5Hz)、6.934(1H、d、=8.5Hz)、6.856(1H、d、=16.5Hz)、6.640(1H、s)、6.636(1H、d、=8.5Hz)、6.451(2H、s)、6.440(1H、d、=2.5Hz)、6.158(2H、d、=14.0Hz)、6.082(1H、s)、6.078(1H、s)、4.705(2H、d、=2.5Hz);13CNMR(125MHz、CD3OD)δ158.3(C-11a、13a)、157.9(c-11b、13b)、145.3(C-4a)、144.7(C-3a)、143.6(C-3b)、139.6(C-9a、4b)、138.7(C-9b)、131.2(C-1b)、128.0(C-1a)、127.7(C-7b)、127.0(C-8b)、119.7(C-6b)、119.3(C-6a)、116.8(C-5b)、114.6(C-5a)、114.4(C-2b)、114.2(C-2a)、106.0(C-10b、14b)、104.5(C-10a、14a)、102.2(C-12b)、101.5(C-12a)、80.9(C-7a)、80.504(C-8a)
【0070】
【化1】
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る方法は、二量体スチルベンを生産する方法として有用に利用することができる。また、本発明に係る方法は、可溶化剤及び生物変換に用いられるペルオキシダーゼなどの使用を減らすことができるので、コスト及び時間を削減することができるという利点がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7