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特許7297895骨伝導トランスデューサアセンブリの較正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】骨伝導トランスデューサアセンブリの較正
(51)【国際特許分類】
   H04S 7/00 20060101AFI20230619BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
H04S7/00 360
H04R1/00 317
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021530143
(86)(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 US2019013858
(87)【国際公開番号】W WO2020149843
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】16/248,674
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】バウアーズ, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】カレギメーボディ, モルテザ
(72)【発明者】
【氏名】ゴットリーブ, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, アントニオ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ダグダガン, ジャック ヤークブ
【審査官】菊地 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0271590(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0301729(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0363033(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0363002(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0315422(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0201574(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04S 7/00
H04R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気伝導(AC)トランスデューサを介して、ヘッドセットの着用者に、種々の周波数における複数のトーンのうちの第1のトーンを提示することと、
前記ヘッドセットの骨伝導(BC)トランスデューサを介して、前記着用者に、前記第1のトーンと同じ周波数を有する対応するトーンを提示することと
前記対応するトーンのラウドネスのレベルが前記第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、前記対応するトーンを調整することと、
前記第1のトーンから生じる外耳道音圧(ECSP)を記録することと、
前記調整された対応するトーンのラウドネスの前記レベルが前記第1のトーンのラウドネスの前記レベルの前記しきい値範囲内にあるように、前記調整された対応するトーンを生成するために前記BCトランスデューサに印加され電圧を記録することと、
前記ECSPと前記電圧とに部分的に基づいて、前記BCトランスデューサを介した提示のためのオーディオ信号をフィルタ処理するための等化フィルタを生成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ACトランスデューサを介して、前記着用者に、前記第1のトーンの前記周波数とは異なる第2の周波数における、前記複数のトーンのうちの第2のトーンを提示することと、
前記BCトランスデューサを介して、前記着用者に、前記第2のトーンと同じ周波数を有する第2の対応するトーンを提示することと
前記第2の対応するトーンのラウドネスのレベルが前記第2のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、前記第2の対応するトーンを調整することと、
前記第2のトーンから生じる第2のECSPを記録することと、
前記調整された第2の対応するトーンのラウドネスの前記レベルが前記第2のトーンのラウドネスの前記レベルの前記しきい値範囲内にあるように、前記調整された第2の対応するトーンを生成するために前記BCトランスデューサに印加され第2の電圧を記録することと、
前記第2のECSPと前記第2の電圧とにさらに部分的に基づいて、前記等化フィルタを生成することと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記調整された対応するトーンのラウドネスの前記レベルが、前記着用者によって知覚される前記調整された対応するトーンの振幅のレベルを表す、請求項またはに記載の方法。
【請求項4】
前記対応するトーンを調整することは、
調整された振幅が前記第1のトーンの振幅のしきい値範囲内にあるように、前記対応するトーンの振幅を調整すること
を含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記電圧と前記ECSPとの比に部分的に基づいて、前記等化フィルタを生成すること
をさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記等化フィルタを生成することが、
前記ECSPと前記電圧とに部分的に基づいて伝達関数を生成することと、
補間された伝達関数を生成するために、前記伝達関数に対して補間を実施することと、
前記等化フィルタの時間領域表現を生成するために、前記補間された伝達関数の逆フーリエ変換を実施することと
を含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に提示される前記オーディオ信号に前記等化フィルタを、時間領域において前記等化フィルタを前記オーディオ信号と畳み込むことによって、適用すること
をさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に、前記対応するトーンを提示するとき、前記ヘッドセットの加速度計を介して、前記着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データを測定すること、および/または
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に、前記対応するトーンを提示するとき、前記ヘッドセットの力センサーを介して、前記着用者の頭部における骨に印加される力を測定すること、および/または
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に、前記対応するトーンを提示するとき、バイノーラルマイクロフォンを介して、前記着用者の外耳道中の音圧を測定すること
をさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記BCトランスデューサを介して、前記着用者にオーディオ信号を提示することと、
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に前記オーディオ信号を提示するときに測定された前記着用者の耳に関係する少なくとも1つの変数に関係するセンサーデータを監視することと、
前記監視されたセンサーデータが前記BCトランスデューサについての等化データからしきい値内にあるように、前記BCトランスデューサを介して前記着用者に提供される前記オーディオ信号を動的に調整することと
をさらに含み、
随意に、
前記ヘッドセットのメモリから前記BCトランスデューサについての前記等化データを取り出すこと
をさらに含む、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ヘッドセットであって、
前記ヘッドセットの着用者に、種々の周波数における複数のトーンのうちの第1のトーンを提示するように構成された空気伝導(AC)トランスデューサと、
前記第1のトーンから生じる外耳道音圧(ECSP)を記録するように構成された音響センサーと、
前記着用者に、前記第1のトーンと同じ周波数を有する対応するトーンを提示するように構成された骨伝導(BC)トランスデューサと
コントローラであって、
前記対応するトーンのラウドネスのレベルが前記第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、前記対応するトーンを調整することと、
前記調整された対応するトーンのラウドネスの前記レベルが前記第1のトーンのラウドネスの前記レベルの前記しきい値範囲内にあるように、前記調整された対応するトーンを生成するために前記BCトランスデューサに印加され電圧を記録することと、
前記ECSPと前記電圧とに部分的に基づいて、前記BCトランスデューサを介した提示のためのオーディオ信号をフィルタ処理するための等化フィルタを生成することと
を行うように構成された、コントローラと
を備える、ヘッドセット。
【請求項11】
前記ACトランスデューサが、前記着用者に、前記第1のトーンの前記周波数とは異なる第2の周波数における、前記複数のトーンのうちの第2のトーンを提示するようにさらに構成され、
前記音響センサーが、前記第2のトーンから生じる第2のECSPを記録するようにさらに構成され、
前記BCトランスデューサが、前記着用者に、前記第2のトーンと同じ周波数を有する第2の対応するトーンを提示するようにさらに構成され
前記コントローラは、
前記第2の対応するトーンのラウドネスのレベルが前記第2のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、前記第2の対応するトーンを調整することと、
前記調整された第2の対応するトーンのラウドネスの前記レベルが前記第2のトーンのラウドネスの前記レベルの前記しきい値範囲内にあるように、前記調整された第2の対応するトーンを生成するために前記BCトランスデューサに印加され第2の電圧を記録することと、
前記第2のECSPと前記第2の電圧とにさらに部分的に基づいて、前記等化フィルタを生成することと
を行うようにさらに構成された、請求項10に記載のヘッドセット。
【請求項12】
前記BCトランスデューサが、着用者のセット中の各着用者に、前記対応するトーンを提示するようにさらに構成され、前記ヘッドセットが、
前記BCトランスデューサを介して各着用者に、前記対応するトーンを提示するときに前記セット中の各着用者の耳に関係する少なくとも1つの変数を測定するように構成されたセンサー
をさらに備え、前記コントローラが、
前記少なくとも1つの変数に部分的に基づいて、前記セット中の各着用者についての等化データを生成することと、
前記セット中の前記着用者についての前記等化データに基づいて、前記BCトランスデューサについての等化データを生成することと
を行うようにさらに構成され、
随意に、
前記BCトランスデューサについての前記等化データを記憶するように構成されたメモリ
をさらに備える、請求項10または11に記載のヘッドセット。
【請求項13】
前記センサーが、
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に、前記対応するトーンを提示するとき、前記着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データを測定する
ように構成された加速度計を含み、および/または
前記センサーが、
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に、前記対応するトーンを提示するとき、前記着用者の頭部における骨に印加される力を測定する
ように構成された力センサーを含み、および/または
前記センサーが、
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に、前記対応するトーンを提示するとき、前記着用者の外耳道中の音圧を測定する
ように構成されたバイノーラルマイクロフォンを含む、請求項12に記載のヘッドセット。
【請求項14】
前記BCトランスデューサが、前記着用者にオーディオ信号を提示するようにさらに構成され、前記ヘッドセットが、
前記BCトランスデューサを介して前記着用者に前記オーディオ信号を提示するときに測定された前記着用者の耳に関係する少なくとも1つの変数に関係するセンサーデータを監視するように構成されたセンサー
をさらに備え、
前記コントローラは、前記監視されたセンサーデータが前記BCトランスデューサについての等化データからしきい値内にあるように、前記BCトランスデューサを介して前記着用者に提供される前記オーディオ信号を動的に調整するようにさらに構成された、請求項10から13のいずれか一項に記載のヘッドセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、人工現実ヘッドセットにおけるオーディオシステムに関し、詳細には、オーディオシステムにおける骨伝導トランスデューサアセンブリの較正に関する。
【背景技術】
【0002】
人工現実システムにおけるヘッドセットは、しばしば、ヘッドセットの着用者にオーディオコンテンツを提供するためのスピーカーまたはパーソナルオーディオデバイスなどの特徴を含む。人工現実システムにおいてヘッドセットを動作させるための1つの一般的な要件は、ヘッドセットの着用者が、ヘッドセットからオーディオコンテンツをシームレスに提示されながら、環境からの音響信号を受信することができるように、着用者の耳が効果的に閉塞されないままであることである。骨伝導技術は、この技術を活用するシステムにより、外耳道が閉塞されないままになるので、ヘッドセットの着用者にオーディオコンテンツを配信するために使用され得る。しかしながら、高品質オーディオ体験を配信し、骨伝導を介した現実的な空間オーディオを保証するために、音響システムにおける骨伝導トランスデューサアセンブリの較正が望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、ヘッドセットの着用者にオーディオコンテンツを提供するために骨伝導を使用するヘッドセットの較正のための方法および装置をサポートする。空気伝導トランスデューサアセンブリを介して、着用者に、種々の周波数における複数のトーンのうちの第1のトーンが提示される。次いで、ヘッドセットの骨伝導トランスデューサアセンブリを介して、着用者に、第1のトーンと同じ周波数を有する対応するトーンが提示される。対応するトーンは、ラウドネスのレベルが第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように調整される。第1のトーンから生じる外耳道音圧(ECSP)が記録される。さらに、調整された対応するトーンのラウドネスのレベルが、第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、調整された対応するトーンを生成するために、骨伝導トランスデューサアセンブリに印加されている電圧が記録される。ECSPと電圧とに部分的に基づいて等化フィルタが生成される。等化フィルタは、骨伝導トランスデューサアセンブリを介した提示のためのオーディオ信号をフィルタ処理するために使用され得る。
【0004】
本発明による実施形態は、特に、方法およびヘッドセットを対象とする添付の特許請求の範囲において開示され、1つの請求項カテゴリー、たとえば、方法において言及された任意の特徴は、別の請求項カテゴリー、たとえば、ヘッドセット、システム、記憶媒体およびコンピュータプログラム製品においても請求され得る。添付の特許請求の範囲における従属関係または参照は、形式的理由で選定されるにすぎない。ただし、前の請求項への意図的な参照(特に複数の従属関係)から生じる主題も請求され得、その結果、請求項とその特徴との任意の組合せが、開示され、添付の特許請求の範囲で選定された従属関係にかかわらず請求され得る。請求され得る主題は、添付の特許請求の範囲に記載の特徴の組合せだけでなく、特許請求の範囲における特徴の任意の他の組合せをも含み、特許請求の範囲において述べられた各特徴は、特許請求の範囲における任意の他の特徴または他の特徴の組合せと組み合わせられ得る。さらに、本明細書で説明または示される実施形態および特徴のいずれも、別個の請求項において、ならびに/あるいは、本明細書で説明もしくは示される任意の実施形態もしくは特徴との、または添付の特許請求の範囲の特徴のいずれかとの任意の組合せで請求され得る。
【0005】
一実施形態では、方法は、
空気伝導(AC)トランスデューサを介して、ヘッドセットの着用者に、種々の周波数における複数のトーンのうちの第1のトーンを提示することと、
ヘッドセットの骨伝導(BC)トランスデューサを介して、着用者に、対応するトーンを提示することであって、対応するトーンが、第1のトーンと同じ周波数を有する、対応するトーンを提示することと、
ラウドネスのレベルが第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、対応するトーンを調整することと、
第1のトーンから生じる外耳道音圧(ECSP)を記録することと、
調整された対応するトーンのラウドネスのレベルが、第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、調整された対応するトーンを生成するために、BCトランスデューサに印加される電圧を記録することと、
ECSPと電圧とに部分的に基づいて、BCトランスデューサを介した提示のためのオーディオ信号をフィルタ処理するための等化フィルタを生成することと
を含み得る。
【0006】
一実施形態では、方法は、
ACトランスデューサを介して、着用者に、第1のトーンの周波数とは異なる第2の周波数における、複数のトーンのうちの第2のトーンを提示することと、
BCトランスデューサを介して、着用者に、対応する第2のトーンを提示することであって、対応する第2のトーンが、第2のトーンと同じ周波数を有する、対応する第2のトーンを提示することと、
ラウドネスのレベルが第2のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、第2の対応するトーンを調整することと、
第2のトーンから生じる第2のECSPを記録することと、
調整された第2の対応するトーンのラウドネスのレベルが、第2のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、調整された第2の対応するトーンを生成するために、BCトランスデューサに印加される第2の電圧を記録することと、
第2のECSPと第2の電圧とにさらに部分的に基づいて、等化フィルタを生成することと
を含み得る。
【0007】
調整された対応するトーンのラウドネスのレベルは、着用者によって知覚される調整された対応するトーンの振幅のレベルを表し得る。
【0008】
対応するトーンを調整することは、
調整された振幅が第1のトーンの振幅のしきい値範囲内にあるように、対応するトーンの振幅を調整すること
を含み得る。
【0009】
一実施形態では、方法は、
電圧とECSPとの比に部分的に基づいて、等化フィルタを生成すること
を含み得る。
【0010】
等化フィルタを生成することは、
ECSPと電圧とに部分的に基づいて伝達関数を生成することと、
補間された伝達関数を生成するために、伝達関数に対して補間を実施することと、
等化フィルタの時間領域表現を生成するために、補間された伝達関数の逆フーリエ変換を実施することと
を含み得る。
【0011】
一実施形態では、方法は、
BCトランスデューサを介して着用者に提示されるオーディオ信号に等化フィルタを、時間領域において等化フィルタをオーディオ信号と畳み込むことによって、適用すること
を含み得る。
【0012】
一実施形態では、方法は、
BCトランスデューサを介して着用者に、対応するトーンを提示するとき、ヘッドセットの加速度計を介して、着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データを測定すること
を含み得る。
【0013】
一実施形態では、方法は、
BCトランスデューサを介して着用者に、対応するトーンを提示するとき、ヘッドセットの力センサーを介して、着用者の頭部における骨に印加される力を測定すること
を含み得る。
【0014】
一実施形態では、方法は、
BCトランスデューサを介して着用者に、対応するトーンを提示するとき、バイノーラルマイクロフォンを介して、着用者の外耳道中の音圧を測定すること
を含み得る。
【0015】
一実施形態では、方法は、
BCトランスデューサを介して、着用者にオーディオ信号を提示することと、
BCトランスデューサを介して着用者にオーディオ信号を提示するときに測定された着用者の耳に関係する少なくとも1つの変数に関係するセンサーデータを監視することと、
監視されたセンサーデータがBCトランスデューサについての等化データからしきい値内にあるように、BCトランスデューサを介して着用者に提供されるオーディオ信号を動的に調整することと
を含み得る。
【0016】
一実施形態では、方法は、
ヘッドセットのメモリからBCトランスデューサについての等化データを取り出すこと
を含み得る。
【0017】
一実施形態では、ヘッドセットは、
ヘッドセットの着用者に、種々の周波数における複数のトーンのうちの第1のトーンを提示するように構成された空気伝導(AC)トランスデューサと、
第1のトーンから生じる外耳道音圧(ECSP)を記録するように構成された音響センサーと、
着用者に、対応するトーンを提示するように構成された骨伝導(BC)トランスデューサであって、対応するトーンが、第1のトーンと同じ周波数を有する、骨伝導(BC)トランスデューサと、
コントローラであって、
ラウドネスのレベルが第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、対応するトーンを調整することと、
調整された対応するトーンのラウドネスのレベルが、第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、調整された対応するトーンを生成するために、BCトランスデューサに印加される電圧を記録することと、
ECSPと電圧とに部分的に基づいて、BCトランスデューサを介した提示のためのオーディオ信号をフィルタ処理するための等化フィルタを生成することと
を行うように構成された、コントローラと
を備え得る。
【0018】
ACトランスデューサは、着用者に、第1のトーンの周波数とは異なる第2の周波数における、複数のトーンのうちの第2のトーンを提示するように構成され得、
音響センサーは、第2のトーンから生じる第2のECSPを記録するように構成され得、
BCトランスデューサは、着用者に、対応する第2のトーンを提示するように構成され得、対応する第2のトーンが、第2のトーンと同じ周波数を有し、
コントローラは、
ラウドネスのレベルが第2のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、第2の対応するトーンを調整することと、
調整された第2の対応するトーンのラウドネスのレベルが、第2のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、調整された第2の対応するトーンを生成するために、BCトランスデューサに印加される第2の電圧を記録することと、
第2のECSPと第2の電圧とにさらに部分的に基づいて、等化フィルタを生成することと
を行うように構成され得る。
【0019】
BCトランスデューサは、着用者のセット中の各着用者に、対応するトーンを提示するように構成され得、ヘッドセットは、
BCトランスデューサを介して各着用者に、対応するトーンを提示するときにセット中の各着用者の耳に関係する少なくとも1つの変数を測定するように構成されたセンサー
を備え得、コントローラは、
少なくとも1つの変数に部分的に基づいて、セット中の各着用者についての等化データを生成することと、
セット中の着用者についての等化データに基づいて、BCトランスデューサについての等化データを生成することと
を行うようにさらに構成され得る。
【0020】
一実施形態では、ヘッドセットは、
BCトランスデューサについての等化データを記憶するように構成されたメモリ
を備え得る。
【0021】
センサーは、
BCトランスデューサを介して上記着用者に、対応するトーンを提示するとき、上記着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データを測定する
ように構成された加速度計を含み得る。
【0022】
センサーは、
BCトランスデューサを介して上記着用者に、対応するトーンを提示するとき、上記着用者の頭部における骨に印加される力を測定する
ように構成された力センサーを含み得る。
【0023】
センサーは、
BCトランスデューサを介して上記着用者に、対応するトーンを提示するとき、上記着用者の外耳道中の音圧を測定する
ように構成されたバイノーラルマイクロフォンを含み得る。
【0024】
BCトランスデューサは、着用者にオーディオ信号を提示するようにさらに構成され得、ヘッドセットは、
BCトランスデューサを介して着用者にオーディオ信号を提示するときに測定された着用者の耳に関係する少なくとも1つの変数に関係するセンサーデータを監視するように構成されたセンサー
を備え得、
コントローラは、監視されたセンサーデータがBCトランスデューサについての等化データからしきい値内にあるように、BCトランスデューサを介して着用者に提供されるオーディオ信号を動的に調整するようにさらに構成される。
【0025】
一実施形態では、1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体は、実行されたとき、方法をまたはヘッドセットまたはシステムまたは上述の実施形態のいずれかにおいて実施するように動作可能であるソフトウェアを具現し得る。
【0026】
一実施形態では、システムは、1つまたは複数のプロセッサと、プロセッサに結合され、プロセッサによって実行可能な命令を備える少なくとも1つのメモリとを備え得、プロセッサは、命令を実行したとき、方法をまたはヘッドセットまたはシステムまたは上述の実施形態のいずれかにおいて実施するように動作可能である。
【0027】
一実施形態では、好ましくはコンピュータ可読非一時的記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品は、データ処理システム上で実行されたとき、方法をまたはヘッドセットまたはシステムまたは上述の実施形態のいずれかにおいて実施するように動作可能であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】1つまたは複数の実施形態による、オーディオシステムを含むヘッドセットの斜視図である。
図2】1つまたは複数の実施形態による、ヘッドセットの構成要素としてのオーディオシステムの一部分の側面図である。
図3】1つまたは複数の実施形態による、オーディオシステムのブロック図である。
図4A】1つまたは複数の実施形態による、骨伝導トランスデューサアセンブリを含むオーディオシステムを有するヘッドセットの較正のためのプロセスを示すフローチャートである。
図4B】1つまたは複数の実施形態による、ヘッドセットのオーディオシステムの骨伝導トランスデューサアセンブリについての等化データを生成するためのプロセスを示すフローチャートである。
図4C】1つまたは複数の実施形態による、ヘッドセット中のオーディオシステムの骨伝導トランスデューサアセンブリについてのターゲット等化曲線と、着用者のセット中のヘッドセットの各着用者についての等化データとを示すグラフである。
図4D】1つまたは複数の実施形態による、骨伝導トランスデューサアセンブリを含むオーディオシステムを有するヘッドセットの較正のための別のプロセスを示すフローチャートである。
図5】1つまたは複数の実施形態による、オーディオシステムをもつヘッドセットを含むシステム環境のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図は、単に説明の目的で本開示の実施形態を示す。本明細書で説明される開示の原理またはうたわれている利益から逸脱することなく、本明細書で示される構造および方法の代替実施形態が採用され得ることを、当業者は以下の説明から容易に認識されよう。
【0030】
本開示の実施形態は、人工現実システムを含むか、または人工現実システムとともに実装され得る。人工現実は、ユーザへの提示の前に何らかの様式で調整された形式の現実であり、これは、たとえば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、ハイブリッド現実、あるいはそれらの何らかの組合せおよび/または派生物を含み得る。人工現実コンテンツは、完全に生成されたコンテンツ、またはキャプチャされた(たとえば、現実世界の)コンテンツと組み合わせられた生成されたコンテンツを含み得る。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、またはそれらの何らかの組合せを含み得、それらのいずれも、単一のチャネルまたは複数のチャネルにおいて提示され得る(観察者に3次元効果をもたらすステレオビデオなど)。加えて、いくつかの実施形態では、人工現実は、たとえば、人工現実におけるコンテンツを作成するために使用される、および/または人工現実において別様に使用される(たとえば、人工現実におけるアクティビティを実施する)アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはそれらの何らかの組合せにも関連付けられ得る。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ヘッドセット、ホストコンピュータシステムに接続されたヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スタンドアロンHMD、ニアアイディスプレイ(NED)、モバイルデバイスまたはコンピューティングシステム、あるいは、1人または複数の観察者に人工現実コンテンツを提供することが可能な任意の他のハードウェアプラットフォームを含む、様々なプラットフォーム上に実装され得る。
【0031】
ヘッドセットの着用者にオーディオコンテンツを提供するために骨伝導とともにオーディオシステムを使用するヘッドセットのための較正方法。オーディオシステムは、1つまたは複数のセンサー(たとえば、マイクロフォン、加速度計、および/または動的力センサー)と、骨伝導トランスデューサアセンブリと、コントローラとを含む。骨伝導トランスデューサアセンブリは、着用者の頭部の組織/骨によって蝸牛に伝導される(鼓膜を迂回する)音響圧力波を作成するために、着用者の頭部における骨を振動させるように構成される。蝸牛は、音響圧力波(たとえば、骨伝搬(bone-borne)または組織伝搬(tissue borne))を、脳が音として知覚する信号に変える。いくつかの実施形態では、オーディオシステムは、空気伝導トランスデューサアセンブリ(たとえば、スピーカー)をさらに含む。空気伝導トランスデューサアセンブリは、着用者の耳の入口において空気伝搬(airborne)音響圧力波を直接作成し、空気伝搬音響圧力波はまた、鼓膜に伝わり、それにより、鼓膜を振動させる。これらの振動は、(内耳とも呼ばれる)蝸牛によって、脳が音として知覚する信号に変えられる。
【0032】
いくつかの実施形態では、オーディオシステムは、等ラウドネス方法を使用して較正され、異なる周波数における様々なトーンが、空気伝導トランスデューサアセンブリを介して提示され、対応するトーンが、骨伝導トランスデューサアセンブリを介して同じ周波数において提示される。空気伝導トランスデューサアセンブリを介して提示される各トーンが、異なる周波数のうちの一意の周波数を有するオーディオ信号を表す。骨伝導トランスデューサアセンブリを介して提示される各対応するトーンが、同じ一意の周波数を有する対応するオーディオ信号を表す。オーディオシステムは、各調整されたトーンのラウドネスの着用者の知覚が、空気伝導トランスデューサアセンブリを介して提示される各対応するトーンの場合と同じになるまで、骨伝導トランスデューサアセンブリを介して提示される各トーンを調整する。オーディオシステムはまた、各調整されたトーンを生成するために、骨伝導トランスデューサアセンブリに印加される電圧を記録する。オーディオシステムは、記録された電圧を使用して等化曲線を生成する。等化曲線は、骨伝導トランスデューサアセンブリを着用者に較正するために使用される。
【0033】
骨伝導トランスデューサアセンブリの較正のために提示されるトーンの分解能が、粗い較正プロシージャと細かい較正プロシージャとについて異なり得ることに留意されたい。粗い較正プロシージャでは、各提示されたトーンの周波数が、対応するオクターブバンドにおけるものであり得る。細かい較正プロシージャでは、各提示されたトーンの周波数が、各オクターブバンドの対応する1/3におけるものであり得る。たとえば、オクターブバンドについての中心周波数は、16Hz、31.5Hz、63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hz、8000Hz、および16000Hzである。
【0034】
代替実施形態では、骨伝導トランスデューサアセンブリの較正のために、小さい範囲のターゲット周波数の周りに集中する一連のナローバンド雑音信号が使用され得る。各ターゲット周波数に集中するナローバンド雑音信号が、空気伝導トランスデューサアセンブリを介して最初に提示され得る。次いで、同じターゲット周波数の周りに集中する対応するナローバンド雑音信号が、骨伝導トランスデューサアセンブリを介して提示される。ナローバンド雑音信号と、対応するナローバンド雑音信号とが、等しくラウド(loud)であるものとして知覚されるまで、対応するナローバンド雑音信号のレベル(たとえば、その大きさ)が、相応に調整され得る。
【0035】
オーディオシステムは、さらに、たとえば、等ラウドネス較正方法中に、ヘッドセットの複数の着用者についての骨の振動に関連する加速度データ(または動的力)を記録し得る。オーディオシステムは、着用者のセットからの情報を使用して生成されたターゲット等化曲線に基づいて、骨伝導トランスデューサアセンブリについての等化曲線を生成し得る。たとえば、着用者のセットは、着用者との類似度に基づいて選定され得る。いくつかの実施形態では、オーディオシステムは、骨伝導トランスデューサアセンブリについての等化曲線に基づく方法を使用して較正される。オーディオシステムは、骨伝導トランスデューサアセンブリに結合された加速度計によって収集されるセンサー情報(たとえば、加速度データまたは動的力データ)を監視しながら、ヘッドセットの着用者にオーディオコンテンツを提示し得る。オーディオシステムは、測定された加速度データを等化曲線の加速度データに近づけるように、骨伝導トランスデューサアセンブリへのオーディオコンテンツを動的に調整し得る。
【0036】
ヘッドセットは、たとえば、NED、HMD、または何らかの他のタイプのヘッドセットであり得る。ヘッドセットは、人工現実システムの一部であり得る。ヘッドセットは、ディスプレイと光学アセンブリとをさらに含む。ヘッドセットのディスプレイは、画像光を放出するように構成される。ヘッドセットの光学アセンブリは、画像光を、着用者の眼のロケーションに対応するヘッドセットのアイボックス(eye box)に向けるように構成される。いくつかの実施形態では、画像光は、ヘッドセットの周囲のローカルエリアについての深度情報を含み得る。
【0037】
図1は、1つまたは複数の実施形態による、オーディオシステムを含むヘッドセット100の斜視図である。ヘッドセット100は、ユーザ、すなわち、ヘッドセット100の着用者にメディアを提示する。(図1に示されているような)いくつかの実施形態では、ヘッドセット100は、NEDとして実装される。ヘッドセット100によって提示されるメディアの例は、1つまたは複数の画像、ビデオ、オーディオ、またはそれらの何らかの組合せを含む。ヘッドセット100は、他の構成要素の中でも、フレーム105と、レンズ110と、センサーデバイス115と、オーディオシステムとを含み得る。ヘッドセット100に組み込まれたオーディオシステムは、骨伝導トランスデューサ120と、骨伝導トランスデューサ120に結合された加速度計125と、コントローラ130と、随意の空気伝導トランスデューサ135と、随意の音響センサー140とを備える。(図1に示されていない)いくつかの実施形態では、骨伝導トランスデューサ120に、1つまたは複数の追加または代替の構成要素、たとえば、力センサー、バイノーラルマイクロフォンなどが結合される。図1に示されているヘッドセット100は、人工現実システムの一例にすぎない。(図1に示されていない)代替実施形態では、ヘッドセット100は、HMDとして実装される。
【0038】
ヘッドセット100は、着用者の視覚を補正または増強するか、着用者の眼を保護するか、あるいは着用者に画像を提供し得る。ヘッドセット100は、着用者の視力の欠損を補正する眼鏡であり得る。ヘッドセット100は、太陽から着用者の眼を保護するサングラスであり得る。ヘッドセット100は、衝撃から着用者の眼を保護する保護眼鏡であり得る。ヘッドセット100は、夜間に着用者の視覚を増強するための暗視デバイスまたは赤外線ゴーグルであり得る。ヘッドセット100は、着用者のための人工現実コンテンツを作り出すNEDまたはHMDであり得る。代替的に、ヘッドセット100は、レンズ110を含まないことがあり、着用者にオーディオ(たとえば、音楽、ラジオ、ポッドキャスト)を提供するオーディオシステムをもつフレーム105であり得る。
【0039】
フレーム105は、レンズ110を保持する正面部分と、着用者の頭部に取り付けるためのエンドピースとを含む。フレーム105の正面部分は、着用者の鼻の上をまたいでいる。エンドピース(たとえば、テンプル)は、そこに着用者のこめかみが付くフレーム105の部分である。エンドピースの長さは、異なる着用者にフィットするように調整可能(たとえば、調整可能なテンプルの長さ)であり得る。エンドピースはまた、着用者の耳の後ろ側で湾曲する部分(たとえば、テンプルの先端、イヤピース)を含み得る。
【0040】
レンズ110は、ヘッドセット100の着用者に対して光を提供するか、または光を透過する。レンズ110は、ヘッドセット100のフレーム105の正面部分によって保持される。レンズ110は、着用者の視力の欠損を補正するのを助けるための処方レンズ(たとえば、単焦点、二焦点および三焦点、または累進多焦点(progressive))であり得る。処方レンズは、ヘッドセット100の着用者に対して周囲光を透過する。透過された周囲光は、着用者の視力の欠損を補正するように処方レンズによって変えられ得る。レンズ110は、太陽から着用者の眼を保護するための偏光レンズまたは色付きレンズであり得る。レンズ110は、着用者の眼に向かって導波路の端部または縁部を通って画像光が結合された導波路ディスプレイの一部としての1つまたは複数の導波路であり得る。レンズ110は、画像光を提供するための電子ディスプレイを含み得、電子ディスプレイからの画像光を拡大するための光学ブロックをも含み得る。レンズ110に関する追加の詳細は、図5の詳細な説明において見つけられ得る。
【0041】
センサーデバイス115は、ヘッドセット100の初期位置に対するヘッドセット100の現在位置を推定する。センサーデバイス115は、ヘッドセット100のフレーム105の一部分に位置し得る。センサーデバイス115は、位置センサーと慣性測定ユニットとを含む。センサーデバイス115についての追加の詳細は、図5の詳細な説明において見つけられ得る。
【0042】
ヘッドセット100のオーディオシステムは、ヘッドセット100の着用者にオーディオコンテンツを提供するように構成された1つまたは複数のトランスデューサアセンブリを備える。図1の図示の実施形態では、ヘッドセット100のオーディオシステムは、骨伝導トランスデューサ120と、骨伝導トランスデューサ120に結合された加速度計125と、コントローラ130とを含む。オーディオシステムは、空気伝導トランスデューサ135と、音響センサー140とをさらに含み得る。オーディオシステムは、骨伝導トランスデューサ120を介して着用者にオーディオコンテンツを提供する。オーディオシステムは、骨伝導トランスデューサ120を較正するために、加速度計125によって収集された着用者の骨の振動に関連する加速度データを使用し得る。オーディオシステムは、骨伝導トランスデューサ120を較正するために、空気伝導トランスデューサ135と音響センサー140とをも使用し得る。コントローラ130は、オーディオ命令を生成することによって、トランスデューサアセンブリの動作を管理する。コントローラ130は、たとえば、骨伝導トランスデューサ120を較正するために、加速度計125によって監視されたセンサーデータを受信し得る。コントローラ130は、たとえば、骨伝導トランスデューサ120を較正するために、音響センサー140によって測定された音響データをも受信し得る。ヘッドセット100のオーディオシステムに関する追加の詳細は、図3および図4A図4Dとともに提供される。
【0043】
骨伝導トランスデューサ120は、着用者の頭部における骨を振動させることによって音を作り出す。骨伝導トランスデューサ120は、フレーム105のエンドピースに結合され、耳介の後ろで着用者の骨の一部分に結合されるように構成される。骨伝導トランスデューサ120はまた、コントローラ130からオーディオ命令を受信する。骨伝導トランスデューサ120は、着用者の骨の一部分を振動させ、それにより、組織伝搬音響圧力波が生成され、組織伝搬音響圧力波は、着用者の蝸牛のほうへ伝搬し、それにより鼓膜を迂回する。骨伝導トランスデューサ120は、周波数範囲の異なる部分をカバーするための1つまたは複数のトランスデューサを含み得る。たとえば、周波数範囲の第1の部分をカバーするために圧電トランスデューサが使用され得、周波数範囲の第2の部分をカバーするために可動コイルトランスデューサが使用され得る。ヘッドセット100のオーディオシステムは、着用者の各耳について1つの骨伝導トランスデューサ120を含み得る。骨伝導トランスデューサ120に関する追加の詳細は、図3および図4A図4Dとともに提供される。
【0044】
加速度計125は、骨伝導トランスデューサアセンブリ120に結合され得る。加速度計125は、骨伝導トランスデューサ120を介して着用者にオーディオ信号を提示するとき、着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データを測定するように構成され得る。加速度計125は、たとえば、骨伝導トランスデューサ120の較正のために、測定された加速度データをコントローラ130に提供し得る。いくつかの実施形態では、加速度計125は、較正の後にヘッドセット100から取り外される。ヘッドセット100のオーディオシステムは、着用者の各耳について1つの加速度計125を含み得る。骨伝導トランスデューサ120は、さらに、(図1に示されていない)1つまたは複数の追加または代替の構成要素、たとえば、フレーム105に埋め込まれ得る力センサー(すなわち、ロードセル)および/またはバイノーラルマイクロフォンに結合され得る。力センサー(たとえば、着用者の各耳について1つ)は、骨伝導トランスデューサ120を介して着用者にオーディオ信号を提示するとき、着用者の頭部における骨に印加される力を測定し得る。バイノーラルマイクロフォン(たとえば、着用者の各耳について1つ)は、骨伝導トランスデューサ120を介して着用者にオーディオ信号を提示するとき、着用者の外耳道中の音圧を測定し得る。測定されたデータは、たとえば、骨伝導トランスデューサ120の較正のために、力センサーおよび/またはバイノーラルマイクロフォンからコントローラ130に提供され得る。骨伝導トランスデューサ120の較正のための方法に関する追加の詳細は、図3および図4A図4Dとともに提供される。
【0045】
空気伝導トランスデューサ135は、着用者の耳における空気伝搬音響圧力波を生成することによって音を作り出す。空気伝導トランスデューサ135は、フレーム105のエンドピースに結合され、着用者の耳への入口の前に置かれる。空気伝導トランスデューサ135はまた、コントローラ130からのオーディオ命令を受信する。空気伝導トランスデューサ135は、周波数範囲の異なる部分をカバーするための1つまたは複数のトランスデューサを含み得る。たとえば、周波数範囲の第1の部分をカバーするために圧電トランスデューサが使用され得、周波数範囲の第2の部分をカバーするために可動コイルトランスデューサが使用され得る。本開示の実施形態によれば、空気伝導トランスデューサ135は、骨伝導トランスデューサ120の較正のために使用され得る。いくつかの実施形態では、空気伝導トランスデューサ135は、較正の後にヘッドセット100から取り外される。ヘッドセット100のオーディオシステムは、着用者の各耳について1つの空気伝導トランスデューサ135を含み得る。空気伝導トランスデューサ135に関する追加の詳細は、図3および図4Aとともに提供される。
【0046】
音響センサー140は、着用者の耳の入口における音響圧力波を検出する。音響センサー140は、フレーム105のエンドピースに結合される。音響センサー140は、図1に示されているように、着用者の耳の入口に配置されたマイクロフォンを備え得る。この実施形態では、マイクロフォンは、着用者の耳の入口における音響圧力波を直接測定し得る。
【0047】
代替的に、音響センサー140は、着用者の耳介の後ろに結合されるように構成された振動センサーである。振動センサーは、耳の入口における音響圧力波を間接的に測定し得る。たとえば、振動センサーは、耳の入口における音響圧力波の反射である振動を測定し、および/または着用者の耳の耳介上のトランスデューサアセンブリによって作成された振動を測定し得、それらの振動は、着用者の入口における音響圧力波を推定するために使用され得る。一実施形態では、外耳道への入口において生成された音響圧力と、耳介上で生成された振動レベルとの間のマッピングが、着用者の代表的なサンプルに対して測定され、記憶された、実験的に決定された量である。音響圧力と耳介の振動レベルとの間のこの記憶されたマッピング(たとえば、周波数依存線形マッピング)は、振動センサーからの測定された振動信号に適用され、これは、外耳道の入口における音響圧力の代理としての役割を果たす。振動センサーは、加速度計または圧電センサーであり得る。加速度計は、圧電加速度計または容量性加速度計であり得る。容量性加速度計は、加速力によって移動させられ得る構造間のキャパシタンスの変化を検知する。いくつかの実施形態では、音響センサー140は、較正の後にヘッドセット100から取り外される。ヘッドセット100のオーディオシステムは、着用者の各耳について1つの音響センサー140を含み得る。音響センサー140に関する追加の詳細は、図3および図4Aとともに提供される。
【0048】
コントローラ130は、骨伝導トランスデューサ120にオーディオ命令を提供する。骨伝導トランスデューサ120の較正中に、コントローラ130は、空気伝導トランスデューサ135にオーディオ命令を提供し得る。コントローラ130は、作り出された音に関して、加速度計125および/または音響センサー140からセンサーデータをも受信し得、受信されたセンサーデータに基づいて骨伝導トランスデューサ120を較正する。オーディオ命令は、コントローラ130によって生成され得る。コントローラ130は、着用者への提示のためのオーディオコンテンツ(たとえば、音楽、較正信号)をコンソールから受信し、受信されたオーディオコンテンツに基づいてオーディオ命令を生成し得る。オーディオ命令は、振動をどのように作り出すかを各トランスデューサアセンブリに命令する。たとえば、オーディオ命令は、コンテンツ信号(たとえば、提供されるべきオーディオコンテンツに基づくターゲット波形)と、(たとえば、トランスデューサアセンブリを有効化または無効化するための)制御信号と、(たとえば、ターゲット波形の振幅を増加または減少させることによってコンテンツ信号をスケーリングするための)利得信号とを含み得る。コントローラ130は、音響センサー140から、着用者の耳における作り出された音を説明する情報をも受信する。一実施形態では、コントローラ130は、音響センサー140による耳介の監視された振動を受信し、圧力と振動との前に記憶された周波数依存線形マッピングを適用して、監視された振動に基づいて、耳の入口における音響圧力波を決定する。コントローラ130は、受信された情報を、骨伝導トランスデューサ120を較正するためのフィードバックとして使用する。コントローラ130は、ヘッドセット100のフレーム105に埋め込まれる。他の実施形態では、コントローラ130は、異なるロケーションに位置し得る。たとえば、コントローラ130は、骨伝導トランスデューサ120の一部であるか、またはヘッドセット100の外部に位置し得る。コントローラ130と、オーディオシステムの他の構成要素とのコントローラ130の動作とに関する追加の詳細は、図3および図4A図4Dとともに提供される。
【0049】
図2は、1つまたは複数の実施形態による、ヘッドセット(たとえば、ヘッドセット100)の構成要素としてのオーディオシステムの一部分の側面図200である。骨伝導トランスデューサ220、加速度計225、空気伝導トランスデューサ235、および音響センサー240は、それぞれ、骨伝導トランスデューサ120、加速度計125、空気伝導トランスデューサ135、および音響センサー140の実施形態である。
【0050】
骨伝導トランスデューサ220は、着用者の耳210の後ろで着用者の骨の一部分に結合され得る。代替的に、骨伝導トランスデューサ220は、関節丘に、すなわち、着用者の耳210の前に置かれ得る。骨伝導トランスデューサ220は、複数の周波数にわたって振動し得る。骨伝導トランスデューサ220は、骨伝導トランスデューサ220が結合された骨の一部分を振動させる。骨の一部分は、蝸牛における複数の骨/組織伝搬音響圧力波を作成するために、振動を伝導し、その音響圧力波は、次いで、音として着用者によって知覚される。オーディオシステムの一部分は、図2に示されているように、着用者の一方の耳210のためのオーディオコンテンツを作り出し、骨伝導トランスデューサ220を較正するように構成された、1つの骨伝導トランスデューサ220、1つの加速度計225、1つの空気伝導トランスデューサ235、および1つの音響センサー240を示すが、他の実施形態は、着用者の他方の耳のためのオーディオコンテンツを作り出すための同等のセットアップを含む。オーディオシステムの他の実施形態は、1つまたは複数の骨伝導トランスデューサアセンブリと1つまたは複数の空気伝導トランスデューサアセンブリとの任意の組合せを備える。加速度計225は、骨伝導トランスデューサ220を介してオーディオ信号を提示するとき、着用者の骨の振動に関連する加速度データを測定する、骨伝導トランスデューサ220に結合されたセンサーを含む。
【0051】
空気伝導トランスデューサ235は、耳210の入口におけるある範囲の空気伝搬音響圧力波を生成するために、ある範囲の周波数にわたって振動するスピーカー(たとえば、ボイスコイルトランスデューサ、またはバランスドアーマチュアトランスデューサ(balanced armature transducer)など)を含む。空気伝搬音響圧力波は、耳210の入口から、鼓膜が位置する外耳道250に沿って伝わる。鼓膜は、空気伝搬音響圧力波の変動により振動し、これは、次いで、(図2に示されていない)着用者の蝸牛によって音として検出される。音響センサー240は、空気伝導トランスデューサ235によって作り出された音響圧力波を検出するために着用者の耳210の入口に配置されたマイクロフォンを含む。
【0052】
図3は、1つまたは複数の実施形態による、オーディオシステム300のブロック図である。図1中のオーディオシステムは、オーディオシステム300の一実施形態である。オーディオシステム300は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310と、加速度計アセンブリ315と、空気伝導トランスデューサアセンブリ320と、音響アセンブリ325と、コントローラ340とを含む。一実施形態では、オーディオシステム300は、入力インターフェース330をさらに備える。他の実施形態では、オーディオシステム300は、任意の追加の構成要素とともにリストされた構成要素の任意の組合せを有することができる。
【0053】
骨伝導トランスデューサアセンブリ310は、複数の骨伝導トランスデューサ、たとえば、着用者の各耳について1つの骨伝導トランスデューサを含み得る。図1の骨伝導トランスデューサ120と、図2の骨伝導トランスデューサ220とは、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の骨伝導トランスデューサの実施形態である。骨伝導トランスデューサアセンブリ310の骨伝導トランスデューサが、(たとえば、コントローラ340から受信された)オーディオ命令に従って、蝸牛によって直接検出されるべき着用者の骨を振動させるように構成される。骨伝導トランスデューサアセンブリ310は、着用者の頭部の一部分と直接接触し得る。一実装形態では、骨伝導トランスデューサアセンブリ310は、着用者の耳の後ろで着用者の頭蓋骨と直接接触する。別の実装形態では、骨伝導トランスデューサアセンブリ310は、着用者の顎と直接接触する。骨伝導トランスデューサアセンブリ310は、コントローラ340からのオーディオ命令に従って振動するための、各耳について少なくとも1つのトランスデューサを含む。骨伝導トランスデューサアセンブリ310は、たとえば、コントローラ340からのオーディオ命令に基づいて、振動の振幅を変化させることができる。骨伝導トランスデューサアセンブリ310の動作に関するさらなる詳細は、図4A図4Dとともに提供される。
【0054】
加速度計アセンブリ315は、複数の加速度計、たとえば、着用者の各耳について1つの加速度計を含み得る。図1の加速度計125と、図2の加速度計225とは、加速度計アセンブリ315の加速度計の実施形態である。加速度計アセンブリ315の各加速度計が、骨伝導トランスデューサアセンブリ310に結合され得る。加速度計アセンブリ315は、骨伝導トランスデューサアセンブリ315を介して着用者にオーディオ信号(すなわち、トーン)を提示するとき、着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データを測定するように構成され得る。加速度計アセンブリ315は、たとえば、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正のために、測定された加速度データをコントローラ340に提供し得る。加速度計アセンブリ315の加速度計は、圧電性または容量性であり得る。圧電加速度計は、圧電材料が加速力によって変形されるときに電気信号を生成することができる。圧電材料は、ポリマー(たとえば、PVC、PVDF)、ポリマーベース複合材、セラミック、または結晶(たとえば、SiO、PZT)であり得る。圧電材料に圧力を印加することによって、圧電材料は、極性が変化し、電気信号を作り出す。容量性加速度計は、加速力によって移動させられ得る構造間のキャパシタンスの変化を測定する。いくつかの実施形態では、加速度計アセンブリ315は、較正の後にオーディオシステム300から取り外される。加速度計アセンブリ315を取り外すことの利点は、オーディオシステム300および潜在的に、オーディオシステム300が構成要素であるヘッドセット(たとえば、ヘッドセット100)の体積および重量を低減すると同時に、オーディオシステム300をより着用しやすくすることを含む。骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正のための加速度計アセンブリ315の動作に関するさらなる詳細は、図4B図4Dとともに提供される。
【0055】
いくつかの実施形態では、オーディオシステム300は、空気伝導トランスデューサアセンブリ320を含む。空気伝導トランスデューサアセンブリ320は、複数の空気伝導トランスデューサ、たとえば、着用者の各耳について1つの空気伝導トランスデューサを含み得る。図1の空気伝導トランスデューサ135と、図2の空気伝導トランスデューサ235とは、空気伝導トランスデューサアセンブリ320の空気伝導トランスデューサの実施形態である。空気伝導トランスデューサアセンブリ320の空気伝導トランスデューサが、(たとえば、コントローラ340から受信された)オーディオ命令に従って、着用者の耳の入口における音響圧力波を生成するために振動するように構成される。空気伝導トランスデューサアセンブリ320の空気伝導トランスデューサが、着用者の耳の入口の前に位置し得る。最適には、空気伝導トランスデューサアセンブリ320の空気伝導トランスデューサが妨害されておらず、着用者の耳の入口における音響圧力波を直接生成することが可能である。空気伝導トランスデューサアセンブリ320は、オーディオ命令に従って音響圧力波を作成するために、周波数範囲にわたって振動するための、着用者の各耳について少なくとも1つのトランスデューサを含む。周波数範囲にわたって、空気伝導トランスデューサアセンブリ320は、作り出された音響圧力波の振幅に影響を及ぼすために、振動の振幅を変化させることができる。いくつかの実施形態では、空気伝導トランスデューサアセンブリ320の空気伝導トランスデューサが、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の骨伝導トランスデューサと同じ周波数範囲にわたって振動するように構成される。本開示の実施形態によれば、空気伝導トランスデューサアセンブリ320は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正のために使用され得、較正の後にオーディオシステム300から取り外され得る。空気伝導トランスデューサアセンブリ320を取り外すことの利点は、オーディオシステム300および潜在的に、オーディオシステム300が構成要素であるヘッドセット(たとえば、ヘッドセット100)の体積および重量を低減すると同時に、オーディオシステム300をより着用しやすくすることを含む。骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正のための空気伝導トランスデューサアセンブリ320の動作に関するさらなる詳細は、図4A図4Dとともに提供される。
【0056】
いくつかの実施形態では、オーディオシステム300は、音響アセンブリ325を含む。音響アセンブリ325は、複数の音響センサー、たとえば、着用者の各耳について1つの音響センサーを含み得る。図1の音響センサー140と、図2の音響センサー240とは、音響アセンブリ325の音響センサーの実施形態である。音響アセンブリ325の音響センサーが、着用者の耳の入口における音響圧力波を検出する。音響アセンブリ325の1つまたは複数の音響センサーが、着用者の各耳の入口に配置され得る。1つまたは複数の音響センサーは、着用者の耳の入口において形成された空気伝搬音響圧力波を検出するように構成される。一実施形態では、音響アセンブリ325は、作り出された音に関する情報をコントローラ340に提供する。音響アセンブリ325は、検出された音響圧力波のフィードバック情報をコントローラ340に送信し、フィードバック情報は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正のためにコントローラ340によって使用され得る。較正を完了したことに応答して、音響アセンブリ325は、オーディオシステム300から分離され得る。音響アセンブリ325を取り外すことの利点は、オーディオシステム300および潜在的に、オーディオシステム300が構成要素であるヘッドセット(たとえば、ヘッドセット100)の体積および重量を低減すると同時に、オーディオシステム300をより着用しやすくすることを含む。骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正のための音響アセンブリ325の動作に関するさらなる詳細は、図4Aとともに提供される。
【0057】
一実施形態では、音響アセンブリ325は、着用者の各耳の入口に配置されたマイクロフォンを含む。マイクロフォンは、圧力を電気信号に変換するトランスデューサである。マイクロフォンの周波数応答は、周波数範囲のいくつかの部分では比較的平坦であり得、周波数範囲の他の部分では線形であり得る。マイクロフォンは、空気伝導トランスデューサアセンブリ320に提供されたオーディオ命令に基づいて、マイクロフォンからの検出信号をスケーリングするための信号をコントローラ340から受信するように構成され得る。たとえば、信号は、検出信号のクリッピングを回避するために、または検出信号の信号対雑音比を改善するために、オーディオ命令に基づいて調整され得る。
【0058】
別の実施形態では、音響アセンブリ325は、振動センサーを含む。振動センサーは、着用者の耳の一部分に結合される。いくつかの実施形態では、振動センサーと空気伝導トランスデューサアセンブリ320とは、耳の異なる部分に結合する。振動センサーは、信号が逆に流れていることを除いて、空気伝導トランスデューサアセンブリ320において使用されるトランスデューサと同様である。トランスデューサにおいて機械的な振動を作り出す電気信号の代わりに、機械的な振動が、振動センサーにおいて電気信号を生成している。振動センサーは、圧電材料が変形されるときに電気信号を生成することができる圧電材料から作られ得る。圧電材料は、ポリマー(たとえば、PVC、PVDF)、ポリマーベース複合材、セラミック、または結晶(たとえば、SiO、PZT)であり得る。圧電材料に圧力を印加することによって、圧電材料は、極性が変化し、電気信号を作り出す。圧電センサーは、着用者の耳の後ろによく付く材料(たとえばシリコーン)に結合され得る。また、振動センサーは加速度計であり得る。加速度計は、圧電性または容量性であり得る。一実施形態では、振動センサーは、着用者の耳の後ろとの良好な表面接触を維持し、着用者の耳への一定量の印加力(たとえば、1ニュートン)を維持する。振動センサーは、内部測定ユニット(IMU)集積回路(IC)に組み込まれ得る。IMUは、図5に関してさらに説明される。
【0059】
入力インターフェース330は、オーディオシステム300のユーザ(たとえば、ヘッドセット100の着用者)に、骨伝導トランスデューサアセンブリ310と空気伝導トランスデューサアセンブリ320との動作をトグルする能力を提供する。入力インターフェース330は、随意の構成要素であり、いくつかの実施形態では、オーディオシステム300の一部でない。入力インターフェース330は、コントローラ340に結合される。入力インターフェース330は、着用者にオーディオコンテンツを提示するためのオーディオソースオプションを提供する。オーディオソースオプションは、特定のタイプのトランスデューサアセンブリを介してコンテンツが着用者に提示されるようにするための着用者選択可能オプションである。入力インターフェース330は、着用者による選択のためのオーディオシステム300を制御するための物理ダイヤルとして、別の物理スイッチ(たとえば、スライダー、バイナリスイッチなど)として、オーディオシステム300を制御するためのオプションをもつ仮想メニューとして、またはそれらの何らかの組合せで、オーディオソースオプションを提供し得る。骨伝導トランスデューサアセンブリ310と空気伝導トランスデューサアセンブリ320とを備える2つのトランスデューサアセンブリをもつオーディオシステム300の一実施形態では、オーディオソースオプションは、骨伝導トランスデューサアセンブリ310のための第1のオプションと、空気伝導トランスデューサアセンブリ320のための第2のオプションと、骨伝導トランスデューサアセンブリ310と空気伝導トランスデューサアセンブリ320との組合せのための第3のオプションとを含む。入力インターフェース330は、複数のオーディオソースオプションのうちの1つのオーディオソースオプションの選択を受信し得る。入力インターフェース330は、受信された選択をコントローラ340に送り得る。
【0060】
コントローラ340は、オーディオシステム300の構成要素を制御する。図1のコントローラ130は、コントローラ340の一実施形態である。コントローラ340は、振動をどのように作り出すかを骨伝導トランスデューサアセンブリ310および空気伝導トランスデューサアセンブリ320に命令するためのオーディオ命令を生成する。たとえば、オーディオ命令は、コンテンツ信号(たとえば、振動を作り出すために骨伝導トランスデューサアセンブリ310または空気伝導トランスデューサアセンブリ320に印加される信号)と、トランスデューサアセンブリのいずれかを有効化または無効化するための制御信号と、コンテンツ信号をスケーリングする(たとえば、トランスデューサアセンブリのいずれかによって作り出された振動の振幅を増加または減少させる)ための利得信号とを含み得る。本開示の実施形態によれば、コントローラ340は、オーディオシステム300の、すなわち、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正を管理するように構成される。
【0061】
コントローラ340は、着用者に、各々異なる周波数における複数のトーンを提示するために、骨伝導トランスデューサアセンブリ310および空気伝導トランスデューサアセンブリ320のためのオーディオ命令を生成する。コントローラ340は、さらに、空気伝導トランスデューサアセンブリ320を介して着用者に提示されるトーンの振幅と(たとえば、しきい値範囲内に)マッチするように、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者に提示されるトーンの振幅を調整するための電圧を生成および記録する。コントローラ340はまた、空気伝導トランスデューサアセンブリ320を介して着用者に提示される各トーンから生じる外耳道音圧に関する情報を(たとえば、音響アセンブリ325から)取得する。コントローラ340は、次いで、外耳道音圧に関する情報と記録された電圧とに基づいて等化フィルタを生成する。生成された等化フィルタは、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介した提示のためのオーディオ信号をフィルタ処理するために使用され、したがって、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正を達成し得る。いくつかの他の実施形態では、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正を達成するために、コントローラ340は、加速度計アセンブリ315によって収集されたデータが骨伝導トランスデューサアセンブリ310についての等化データからしきい値内にあるように、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者に提供されるオーディオ信号を動的に調整するためのオーディオ命令を生成する。
【0062】
いくつかの実施形態では、等化フィルタを生成するために、コントローラ340は、対応する記録された電圧と外耳道音圧との比に基づいて伝達関数を生成する。コントローラ340は、伝達関数の最大値が0dBであるように、伝達関数の大きさを(たとえば、dB単位で)正規化し得る。追加または代替として、コントローラ340は、補間された伝達関数、すなわち、フィルタ応答関数を表す高密度伝達関数大きさ曲線(dense transfer function magnitude curve)を生成するために、伝達関数に対して補間を実施し得る。フィルタ応答関数についての負の周波数大きさスペクトル(negative frequency magnitude spectrum)が、0Hzの周りで正の周波数スペクトルをミラーリングすることによって取得され得る。因果的応答を作成するために、コントローラ340は、周波数領域において複素指数との乗算として、または時間領域において遅延したクロネッカーのデルタとの畳み込みとしてのいずれかで、フィルタ応答関数に線形位相シフトを適用し得る。コントローラ340は、等化フィルタの時間領域表現を生成するために、因果的周波数応答の逆フーリエ変換をさらに実施し得る。コントローラ340は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者に提示されるオーディオ信号に等化フィルタを、時間領域において等化フィルタをオーディオ信号と畳み込むことによって、適用する。フィルタ処理されたオーディオ信号は、空気伝導トランスデューサアセンブリ320を介して着用者に提示される場合、フィルタ処理されたオーディオ信号のラウドネスのレベルが、オーディオ信号のラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるようにスケーリングされる。骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正のためのコントローラ340の動作に関する追加の詳細は、図4A図4Dとともに提供される。
【0063】
図4Aは、1つまたは複数の実施形態による、骨伝導トランスデューサアセンブリを含むオーディオシステムを有するヘッドセットの較正のためのプロセス400を示すフローチャートである。図4Aのプロセス400は、オーディオシステム、たとえば、図3のオーディオシステム300の構成要素によって実施され得る。他の実施形態では、他のエンティティ(たとえば、図1のヘッドセット100の構成要素および/または図2に示されている構成要素)が、プロセスのステップの一部または全部を実施し得る。同様に、実施形態は、異なるおよび/または追加のステップを含むか、または異なる順序でステップを実施し得る。
【0064】
オーディオシステム300は、402において、たとえば、空気伝導トランスデューサアセンブリ320を介して、ヘッドセットの着用者に、種々の周波数における複数のトーンのうちの第1のトーンを提示する。第1のトーンを提示すると、オーディオシステム300は、たとえば、空気伝導トランスデューサアセンブリ320を介して、着用者に、第1のトーンの周波数とは異なる第2の周波数における、複数のトーンのうちの第2のトーンを提示する。粗い較正では、各提示されたトーンの周波数が、たとえば、対応するオクターブバンドにおけるものであり得る。細かい較正では、各提示されたトーンの周波数が、たとえば、各オクターブバンドの対応する1/3におけるものであり得る。いくつかの実施形態では、較正のために提示されるトーンが、定義された範囲のターゲット周波数の周りに集中するナローバンド雑音信号である。
【0065】
オーディオシステム300は、404において、たとえば、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して、着用者に、第1のトーンと同じ周波数を有する対応するトーンを提示する。対応するトーンを提示すると、オーディオシステム300は、たとえば、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して、着用者に、第2のトーンと同じ周波数を有する対応する第2のトーンを提示する。
【0066】
オーディオシステム300は、406において、たとえば、コントローラ340を介して、ラウドネスのレベルが第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、対応するトーンを調整する。調整された対応するトーンのラウドネスのレベルは、着用者によって知覚される調整された対応するトーンの振幅のレベルを表し得る。いくつかの実施形態では、オーディオシステム300は、たとえば、コントローラ340を介して、調整された振幅が第1のトーンの振幅のしきい値範囲内にあるように、対応するトーンの振幅を調整する。対応するトーンを調整すると、オーディオシステム300は、たとえば、コントローラ340を介して、ラウドネスのレベルが第2のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、第2の対応するトーンを調整する。
【0067】
オーディオシステム300は、408において、たとえば、音響アセンブリ325を介して、第1のトーンから生じる外耳道音圧(ECSP)を記録する。ECSPは、外耳道における空気伝搬音響圧力波を表し得る。音響アセンブリ325は、外耳道への入口におけるECSPを測定し得る。ECSPを記録すると、オーディオシステム300は、たとえば、音響アセンブリ325を介して、第2のトーンから生じる第2のECSPを記録する。
【0068】
オーディオシステム300は、410において、たとえば、コントローラ340を介して、調整された対応するトーンのラウドネスのレベルが、第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、調整された対応するトーンを生成するために、骨伝導トランスデューサアセンブリ310に印加される電圧を記録する。いくつかの実施形態では、しきい値範囲は、dB単位の定義された値であり得る。オーディオシステム300は、調整された対応するトーンの振幅が第1のトーンの振幅からデシベル単位の定義された値内にある場合、調整された対応するトーンが第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあると(たとえば、コントローラ340を介して)決定し得る。いくつかの他の実施形態では、オーディオシステム300は、第1のトーンと調整された対応するトーンとが同じであるという着用者の知覚に基づいて、調整された対応するトーンが第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあると決定する。着用者が、第1のトーンと調整された対応するトーンとが同じであると知覚したとき、着用者は対応するマッチするフィードバック信号を、たとえば、マッチするフィードバック信号を受信するコントローラ340とインターフェースされる、骨伝導トランスデューサアセンブリ310に取り付けられたボタンをプッシュすることを介して、オーディオシステム300に提供し得る。電圧を記録すると、オーディオシステム300は、たとえば、コントローラ340を介して、調整された第2の対応するトーンのラウドネスのレベルが、第2のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、調整された第2の対応するトーンを生成するために、骨伝導トランスデューサアセンブリ310に印加される第2の電圧を記録する。
【0069】
オーディオシステム300は、412において、たとえば、コントローラ340を介して、ECSPと電圧とに部分的に基づいて等化フィルタを生成する。等化フィルタは、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介した提示のためのオーディオ信号をフィルタ処理するために使用され得る。等化フィルタは、電圧とECSPとの比に部分的に基づいて生成され得る。
【0070】
オーディオシステム300は、414において、複数のトーンのうちのすべてのトーンが着用者に提示されるかどうかを(たとえば、コントローラ340を介して)決定する。すべてのトーンが着用者に提示されるとは限らない場合、オーディオシステム300は、複数のトーンのうちの別のトーンについてステップ402~412を繰り返す。そうではなく、複数のトーンのうちのすべてのトーンが着用者に提示される場合、等化フィルタが生成される。
【0071】
図4Bは、1つまたは複数の実施形態による、オーディオシステム300の骨伝導トランスデューサアセンブリ310についての等化データを生成するためのプロセス420を示すフローチャートである。等化データは、周波数のセットについての加速度値のセットを含み得、セット中の各加速度値は、周波数のセット中のある周波数において骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者にオーディオ信号を提示するときの、着用者の頭部における骨の加速度である。図4のプロセス400は、オーディオシステム300の構成要素によって実施され得る。他の実施形態では、他のエンティティ(たとえば、図1のヘッドセット100の構成要素および/または図2に示されている構成要素)が、プロセスのステップの一部または全部を実施し得る。同様に、実施形態は、異なるおよび/または追加のステップを含むか、または異なる順序でステップを実施し得る。
【0072】
プロセス420は、概して、図4Aのプロセス400より前に行われる。また、プロセス420は、プロセス400とは異なるロケーションにおいて行われ得る。たとえば、プロセス420は、たとえば、オーディオシステム300の製造中に、およびエンドユーザ(着用者)とは関係なく実施され得る。したがって、プロセス420は、着用者使用事例より前に実施され得る。
【0073】
オーディオシステム300は、422において、たとえば、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して、着用者のセット中のヘッドセットの各着用者に、種々の周波数における複数のトーンのうちのトーンを提示する。粗い較正では、各提示されたトーンの周波数が、たとえば、対応するオクターブバンドにおけるものであり得る。細かい較正では、各提示されたトーンの周波数が、たとえば、各オクターブバンドの対応する1/3におけるものであり得る。いくつかの実施形態では、較正のために提示されるトーンが、定義された範囲のターゲット周波数の周りに集中するナローバンド雑音信号である。着用者のセットは、着用者との類似度に基づいて決定され得る。セット中の着用者は、異なる頭部サイズ(たとえば、小さい、中間のおよび大きい頭部サイズ)を有する人に対応し得る。統計的関係性のために、たとえば、少なくとも50個のトーンの集団が着用者の各グループについて提示され得、各グループは、そのグループ中のすべての着用者の間の1つまたは複数の特徴(たとえば、頭部サイズ)を共有する。いくつかの実施形態では、トーンは、図4Aの較正プロセス400中に骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者に提示され得る。
【0074】
オーディオシステム300は、424において、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して各着用者にトーンを提示するときにセット中の各着用者の耳に関係する少なくとも1つの変数を、たとえば、オーディオシステム300のセンサーを介して測定する。少なくとも1つの変数は、たとえば、着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データ、着用者の頭部における骨に印加される力、着用者の外耳道における音圧、何らかの他の変数、またはそれらの何らかの組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、オーディオシステム300は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者にトーンを提示するとき、着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データとして少なくとも1つの変数を、たとえば、加速度計アセンブリ315を介して測定する。いくつかの他の実施形態では、オーディオシステム300は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者にトーンを提示するとき、着用者の頭部における骨に印加される力として少なくとも1つの変数を、たとえば、力センサーを介して測定する。いくつかの他の実施形態では、オーディオシステム300は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者に、対応するトーンを提示するとき、着用者の外耳道における音圧として少なくとも1つの変数を、たとえば、バイノーラルマイクロフォンを介して測定する。
【0075】
オーディオシステム300は、426において、たとえば、コントローラ340を介して、少なくとも1つの測定された変数に部分的に基づいて、セット中の各着用者についての等化データを生成する。いくつかの実施形態では、等化データは、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して異なるトーンが提示される周波数のセットについて加速度計アセンブリ315によって測定された加速度データのセット(または着用者の頭部における骨に印加される力のセット、外耳道における音圧のセット、またはそれらの組合せ)として生成される。オーディオシステム300は、428において、たとえば、コントローラ340を介して、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して複数のトーンのうちのすべてのトーンがセット中の各着用者に提示されるかどうかを決定する。すべてのトーンがセット中の各着用者に提示されるとは限らない場合、ステップ422~426が繰り返される。そうではなく、複数のトーンのうちのすべてのトーンが提示される場合、セット中の各着用者についての等化データが生成される。
【0076】
オーディオシステムは、430において、たとえば、コントローラ340を介して、セット中の着用者についての等化データに基づいて、骨伝導トランスデューサアセンブリ310についての等化データを生成する。いくつかの実施形態では、コントローラ340は、セット中の着用者の少なくとも一部分についての等化データを平均化することによって、骨伝導トランスデューサアセンブリ310についての等化データを決定する。たとえば、セット中の着用者は、異なる頭部サイズ(たとえば、小さい、中間のおよび大きい頭部サイズ)を有する人に対応し得る。コントローラ340は、後で使用するために、骨伝導トランスデューサアセンブリ310についての等化データを(たとえば、コントローラ340に結合されたメモリに)記憶し得る。
【0077】
図4Cは、1つまたは複数の実施形態による、骨伝導トランスデューサアセンブリ310についての例示的なターゲット等化曲線438(すなわち、等化データ)と、セット中の各着用者についての等化データとを示すグラフ435である。セット中の各着用者についての等化データ(たとえば、図4Cに示されている等化データ440、442、444、446、448)は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して上記着用者に、複数の周波数における複数のトーンを提示するときに上記着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度値を、たとえば、加速度計アセンブリ315を介して測定することによって取得される。コントローラ340は、たとえば、セット中のすべての着用者についての等化データを平均化することによって、セット中のすべての着用者についての等化データに基づいて、図4Cに示されている骨伝導トランスデューサアセンブリ310についてのターゲット等化曲線438(すなわち、等化データ)を生成し得る。図4Cは、セット中の一部のおよび全部でない着用者についての等化データをもつ例示的なグラフ435を示すことに留意されたい。
【0078】
図4Dは、1つまたは複数の実施形態による、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を含むオーディオシステム300を有するヘッドセット(たとえば、ヘッドセット100)の較正のためのプロセス450を示すフローチャートである。図4Dのプロセス450は、オーディオシステム、たとえば、図3のオーディオシステム300の構成要素によって実施され得る。他の実施形態では、他のエンティティ(たとえば、図1のヘッドセット100の構成要素および/または図2に示されている構成要素)が、プロセスのステップの一部または全部を実施し得る。同様に、実施形態は、異なるおよび/または追加のステップを含むか、または異なる順序でステップを実施し得る。
【0079】
オーディオシステム300は、452において、たとえば、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して、ヘッドセットの着用者にオーディオ信号を提示する。提示されるオーディオ信号は、1つの周波数成分または複数の周波数成分を含み得る。
【0080】
オーディオシステム300は、454において、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者にオーディオ信号を提示するときに測定された着用者の耳に関係する少なくとも1つの変数に関係するセンサーデータを、たとえば、オーディオシステム300のセンサーを介して監視する。いくつかの実施形態では、オーディオシステム300は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者にオーディオ信号を提示するとき、着用者の頭部における骨の振動に関連する加速度データとして少なくとも1つの変数を、たとえば、加速度計アセンブリ315を介して測定する。
【0081】
オーディオ信号300は、456において、たとえば、コントローラ340を介して、監視されたセンサーデータが骨伝導トランスデューサアセンブリ310についての対応する等化データ(たとえば、図4Cに示されているターゲット等化曲線438)からしきい値内に(たとえば、1%内に)あるように、骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介して着用者に提供されるオーディオ信号を動的に調整する。いくつかの実施形態では、骨伝導トランスデューサアセンブリ310についての等化データは、図4Bのプロセス420中に生成され、たとえば、コントローラ340に結合されたメモリから取り出される。
【0082】
システム環境
図5は、1つまたは複数の実施形態による、オーディオシステムを含むヘッドセットのシステム環境500である。システム500は、人工現実環境、たとえば、仮想現実環境、拡張現実環境、複合現実環境、またはそれらの何らかの組合せにおいて動作し得る。図5によって示されているシステム500は、ヘッドセット505と、コンソール510に結合された入出力(I/O)インターフェース515とを備える。ヘッドセット505は、ヘッドセット100の一実施形態であり得る。図5は、1つのヘッドセット505と1つのI/Oインターフェース515とを含む例示的なシステム500を示すが、他の実施形態では、任意の数のこれらの構成要素が、システム500中に含まれ得る。たとえば、各々が、関連するI/Oインターフェース515を有する、複数のヘッドセット505があり得、各ヘッドセット505およびI/Oインターフェース515はコンソール510と通信する。代替構成では、異なるおよび/または追加の構成要素が、システム500中に含まれ得る。さらに、図5に示されている構成要素のうちの1つまたは複数に関して説明される機能性は、いくつかの実施形態では、図5に関して説明されるものとは異なる様式で構成要素の間で分散され得る。たとえば、コンソール510の機能性の一部または全部がヘッドセット505によって提供される。
【0083】
ヘッドセット505は、コンピュータ生成された要素(たとえば、2次元(2D)画像または3次元(3D)画像、2Dビデオまたは3Dビデオ、音など)を用いた物理的な現実世界の環境の拡張ビューを含むコンテンツを着用者に提示する、NEDまたはHMDであり得る。いくつかの実施形態では、提示されるコンテンツは、オーディオシステム300を介して提示されるオーディオを含み、オーディオシステム300は、ヘッドセット505、コンソール510、またはその両方からオーディオ情報を受信し、そのオーディオ情報に基づいてオーディオデータを提示する。いくつかの実施形態では、ヘッドセット505は、着用者の周囲の実際の環境に部分的に基づく仮想コンテンツを着用者に提示する。たとえば、仮想コンテンツは、ヘッドセットの着用者に提示され得る。着用者は、物理的に部屋の中にいることがあり、その部屋の仮想壁および仮想床が、仮想コンテンツの一部としてレンダリングされる。
【0084】
ヘッドセット505は、ヘッドセット505の着用者にオーディオ信号を提示するための図3のオーディオシステム300を含む。オーディオシステム300の空気伝導トランスデューサアセンブリ320は、ヘッドセット505の着用者に、種々の周波数における複数のトーンのうちの第1のトーンを提示する。オーディオシステム300の音響アセンブリ325は、第1のトーンから生じるECSPを記録する。オーディオシステム300の骨伝導トランスデューサアセンブリ310は、着用者に、第1のトーンと同じ周波数を有する対応するトーンを提示する。オーディオシステム300のコントローラ340は、骨伝導トランスデューサアセンブリ310の較正のための動作を制御する。オーディオシステム300のコントローラ340は、ラウドネスのレベルが第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、対応するトーンを調整する。オーディオシステム300のコントローラ340は、調整された対応するトーンのラウドネスのレベルが、第1のトーンのラウドネスのレベルのしきい値範囲内にあるように、調整された対応するトーンを生成するために、骨伝導トランスデューサアセンブリ310に印加される電圧を記録する。オーディオシステム300のコントローラ340は、ECSPと電圧とに部分的に基づいて等化フィルタを生成する。等化フィルタは、オーディオシステム300の骨伝導トランスデューサアセンブリ310を介したヘッドセット505の着用者への提示のためのオーディオ信号をフィルタ処理するために適用され得る。
【0085】
ヘッドセット505は、深度カメラアセンブリ(DCA)520と、電子ディスプレイ525と、光学ブロック530と、1つまたは複数の位置センサー535と、慣性測定ユニット(IMU)540とを含み得る。電子ディスプレイ525と光学ブロック530とは、レンズ110の一実施形態である。位置センサー535とIMU540とは、センサーデバイス115の一実施形態である。ヘッドセット505のいくつかの実施形態は、図5に関して説明されるものとは異なる構成要素を有する。さらに、図5に関して説明される様々な構成要素によって提供される機能性は、他の実施形態ではヘッドセット505の構成要素の間で別様に分散されるか、またはヘッドセット505からリモートにある別個のアセンブリにおいて取り込まれ得る。
【0086】
DCA520は、ヘッドセット505の一部または全部の周囲のローカルエリアの深度情報を説明するデータをキャプチャする。DCA520は、光生成器と、イメージングデバイスと、光生成器とイメージングデバイスの両方に結合され得るDCAコントローラとを含み得る。光生成器は、たとえば、DCAコントローラによって生成された放出命令に従って、照明光でローカルエリアを照明する。DCAコントローラは、放出命令に基づいて、たとえば、ローカルエリアを照明する照明光の強度およびパターンを調整するために、光生成器のいくつかの構成要素の動作を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、照明光は、構造化された光パターン、たとえば、ドットパターン、ラインパターンなどを含み得る。イメージングデバイスは、照明光で照明されたローカルエリアにおける1つまたは複数のオブジェクトの1つまたは複数の画像をキャプチャする。DCA520は、イメージングデバイスによってキャプチャされたデータを使用して深度情報を計算することができるか、またはDCA520は、この情報を、DCA520からのデータを使用して深度情報を決定することができる、コンソール510などの別のデバイスに送ることができる。
【0087】
電子ディスプレイ525は、コンソール510から受信されたデータに従って、2D画像または3D画像を着用者に表示する。様々な実施形態では、電子ディスプレイ525は、単一の電子ディスプレイまたは複数の電子ディスプレイ(たとえば、着用者の各眼のためのディスプレイ)を備える。電子ディスプレイ525の例は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリックス有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLED)、何らかの他のディスプレイ、またはそれらの何らかの組合せを含む。
【0088】
光学ブロック530は、電子ディスプレイ525から受光された画像光を拡大し、画像光に関連する光学誤差を補正し、補正された画像光をヘッドセット505の着用者に提示する。様々な実施形態では、光学ブロック530は、1つまたは複数の光学素子を含む。光学ブロック530中に含まれる例示的な光学素子は、導波路、アパーチャ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、反射面、または画像光に影響を及ぼす任意の他の好適な光学素子を含む。その上、光学ブロック530は、異なる光学素子の組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、光学ブロック530中の光学素子のうちの1つまたは複数は、部分反射コーティングまたは反射防止コーティングなど、1つまたは複数のコーティングを有し得る。
【0089】
光学ブロック530による画像光の拡大および集束は、電子ディスプレイ525が、より大きいディスプレイよりも、物理的により小さくなり、重さが減じ、少ない電力を消費することを可能にする。さらに、拡大は、電子ディスプレイ525によって提示されるコンテンツの視野を増大させ得る。たとえば、表示されるコンテンツの視野は、表示されるコンテンツが、着用者の視野のほとんどすべて(たとえば、対角約110度)、およびいくつかの場合にはすべてを使用して提示されるようなものである。さらに、いくつかの実施形態では、拡大量は、光学素子を追加することまたは取り外すことによって調整され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、光学ブロック530は、1つまたは複数のタイプの光学誤差を補正するように設計され得る。光学誤差の例は、たる形ひずみまたは糸巻き形ひずみ、縦色収差、あるいは横色収差を含む。他のタイプの光学誤差は、球面収差、色収差、またはレンズ像面湾曲による誤差、非点収差、または任意の他のタイプの光学誤差をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、表示のために電子ディスプレイ525に提供されるコンテンツは予歪され、光学ブロック530が、そのコンテンツに基づいて生成された画像光を電子ディスプレイ525から受光したとき、光学ブロック530はそのひずみを補正する。
【0091】
IMU540は、位置センサー535のうちの1つまたは複数から受信された測定信号に基づいて、ヘッドセット505の位置を指示するデータを生成する電子デバイスである。位置センサー535は、ヘッドセット505の運動に応答して1つまたは複数の測定信号を生成する。位置センサー535の例は、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数のジャイロスコープ、1つまたは複数の磁力計、運動を検出する別の好適なタイプのセンサー、IMU540の誤差補正のために使用されるタイプのセンサー、またはそれらの何らかの組合せを含む。位置センサー535は、IMU540の外部に、IMU540の内部に、またはそれらの何らかの組合せで位置し得る。
【0092】
1つまたは複数の位置センサー535からの1つまたは複数の測定信号に基づいて、IMU540は、ヘッドセット505の初期位置に対するヘッドセット505の推定現在位置を指示するデータを生成する。たとえば、位置センサー535は、並進運動(前/後、上/下、左/右)を測定するための複数の加速度計と、回転運動(たとえばピッチ、ヨー、およびロール)を測定するための複数のジャイロスコープとを含む。いくつかの実施形態では、IMU540は、測定信号を迅速にサンプリングし、サンプリングされたデータからヘッドセット505の推定現在位置を算出する。たとえば、IMU540は、加速度計から受信された測定信号を経時的に積分して速度ベクトルを推定し、その速度ベクトルを経時的に積分して、ヘッドセット505上の基準点の推定現在位置を決定する。代替的に、IMU540は、サンプリングされた測定信号をコンソール510に提供し、コンソール510は、誤差を低減するようにデータを解釈する。基準点は、ヘッドセット505の位置を説明するために使用され得る点である。基準点は、一般に、ヘッドセット505の向きおよび位置に関係する空間内の点、または位置として定義され得る。
【0093】
I/Oインターフェース515は、着用者がアクション要求を送り、コンソール510から応答を受信することを可能にするデバイスである。アクション要求は、特定のアクションを実施するための要求である。たとえば、アクション要求は、画像データまたはビデオデータのキャプチャを開始または終了するための命令、あるいはアプリケーション内で特定のアクションを実施するための命令であり得る。I/Oインターフェース515は、1つまたは複数の入力デバイスを含み得る。例示的な入力デバイスは、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、またはアクション要求を受信し、そのアクション要求をコンソール510に通信するための任意の他の好適なデバイスを含む。I/Oインターフェース515によって受信されたアクション要求は、コンソール510に通信され、コンソール510は、そのアクション要求に対応するアクションを実施する。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース515は、上記でさらに説明されたように、I/Oインターフェース515の初期位置に対するI/Oインターフェース515の推定位置を指示する較正データをキャプチャするIMU540を含む。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース515は、コンソール510から受信された命令に従って、着用者に触覚フィードバックを提供し得る。たとえば、アクション要求が受信されたときに触覚フィードバックが提供されるか、またはコンソール510がアクションを実施するときに、コンソール510が、I/Oインターフェース515に命令を通信して、I/Oインターフェース515が触覚フィードバックを生成することを引き起こす。
【0094】
コンソール510は、ヘッドセット505とI/Oインターフェース515とのうちの1つまたは複数から受信された情報に従って処理するためのコンテンツをヘッドセット505に提供する。図5に示されている例では、コンソール510は、アプリケーションストア550と、追跡モジュール555と、エンジン545とを含む。コンソール510のいくつかの実施形態は、図5に関して説明されるものとは異なるモジュールまたは構成要素を有する。同様に、以下でさらに説明される機能は、図5に関して説明されるものとは異なる様式でコンソール510の構成要素の間で分散され得る。
【0095】
アプリケーションストア550は、コンソール510が実行するための1つまたは複数のアプリケーションを記憶する。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたとき、着用者への提示のためのコンテンツを生成する命令のグループである。アプリケーションによって生成されたコンテンツは、ヘッドセット505またはI/Oインターフェース515の動きを介して着用者から受信された入力に応答したものであり得る。アプリケーションの例は、ゲームアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、または他の好適なアプリケーションを含む。
【0096】
追跡モジュール555は、1つまたは複数の較正パラメータを使用してシステム環境500を較正し、ヘッドセット505またはI/Oインターフェース515の位置を決定する際の誤差を低減するように、1つまたは複数の較正パラメータを調整し得る。また、追跡モジュール555によって実施される較正は、ヘッドセット505中のIMU540および/またはI/Oインターフェース515中に含まれるIMU540から受信された情報を考慮する。さらに、ヘッドセット505の追跡が失われた場合、追跡モジュール555は、システム環境500の一部または全部を再較正し得る。
【0097】
追跡モジュール555は、1つまたは複数の位置センサー535、IMU540、DCA520、またはそれらの何らかの組合せからの情報を使用して、ヘッドセット505またはI/Oインターフェース515の動きを追跡する。たとえば、追跡モジュール555は、ヘッドセット505からの情報に基づいて、ローカルエリアのマッピングにおいてヘッドセット505の基準点の位置を決定する。追跡モジュール555はまた、ヘッドセット505の基準点の位置、またはI/Oインターフェース515の基準点の位置を、それぞれヘッドセット505の位置を指示するIMU540からのデータを使用して、またはI/Oインターフェース515の位置を指示するI/Oインターフェース515中に含まれるIMU540からのデータを使用して決定し得る。さらに、いくつかの実施形態では、追跡モジュール555は、位置またはヘッドセット505を指示するIMU540からのデータの部分を使用して、ヘッドセット505の将来のロケーションを予測し得る。追跡モジュール555は、ヘッドセット505またはI/Oインターフェース515の推定または予測された将来位置をエンジン545に提供する。
【0098】
エンジン545はまた、システム環境500内のアプリケーションを実行し、追跡モジュール555から、ヘッドセット505の位置情報、加速度情報、速度情報、予測された将来の位置、またはそれらの何らかの組合せを受信する。受信された情報に基づいて、エンジン545は、着用者への提示のためにヘッドセット505に提供すべきコンテンツを決定する。たとえば、受信された情報が、着用者が左を見ていることを指示する場合、エンジン545は、仮想環境において、またはローカルエリアを追加のコンテンツで拡張する環境において、着用者の動きを反映する、ヘッドセット505のためのコンテンツを生成する。さらに、エンジン545は、I/Oインターフェース515から受信されたアクション要求に応答して、コンソール510上で実行しているアプリケーション内でアクションを実施し、そのアクションが実施されたというフィードバックを着用者に提供する。提供されるフィードバックは、ヘッドセット505を介した視覚または可聴フィードバック、あるいはI/Oインターフェース515を介した触覚フィードバックであり得る。
【0099】
追加の構成情報
本開示の実施形態の上記の説明は、説明の目的で提示されており、網羅的であること、または開示される正確な形態に本開示を限定することは意図されない。当業者は、上記の開示に照らして多くの修正および変形が可能であることを諒解することができる。
【0100】
本明細書のいくつかの部分は、情報に関する動作のアルゴリズムおよび記号表現に関して本開示の実施形態について説明する。これらのアルゴリズム説明および表現は、データ処理技術分野の当業者が、他の当業者に自身の仕事の本質を効果的に伝えるために通常使用される。これらの動作は、機能的に、計算量的に、または論理的に説明されるが、コンピュータプログラムまたは等価な電気回路、マイクロコードなどによって実装されることが理解される。さらに、一般性の喪失なしに、動作のこれらの仕組みをモジュールと呼ぶことが時々好都合であることも証明された。説明される動作およびそれらの関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて具現され得る。
【0101】
本明細書で説明されるステップ、動作、またはプロセスのいずれも、1つまたは複数のハードウェアまたはソフトウェアモジュールで、単独でまたは他のデバイスとの組合せで実施または実装され得る。一実施形態では、ソフトウェアモジュールは、コンピュータプログラムコードを含んでいるコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品で実装され、コンピュータプログラムコードは、説明されるステップ、動作、またはプロセスのいずれかまたはすべてを実施するためにコンピュータプロセッサによって実行され得る。
【0102】
本開示の実施形態はまた、本明細書の動作を実施するための装置に関し得る。この装置は、必要とされる目的のために特別に構築され得、および/あるいは、この装置は、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再構成される汎用コンピューティングデバイスを備え得る。そのようなコンピュータプログラムは、非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体、または電子命令を記憶するのに好適な任意のタイプの媒体に記憶され得、それらの媒体はコンピュータシステムバスに結合され得る。さらに、本明細書で言及される任意のコンピューティングシステムは、単一のプロセッサを含み得るか、または、増加された計算能力のために複数のプロセッサ設計を採用するアーキテクチャであり得る。
【0103】
本開示の実施形態はまた、本明細書で説明されるコンピューティングプロセスによって製造される製品に関し得る。そのような製品は、コンピューティングプロセスから生じる情報を備え得、その情報は、非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、本明細書で説明されるコンピュータプログラム製品または他のデータ組合せの任意の実施形態を含み得る。
【0104】
最終的に、本明細書において使用される言い回しは、主に読みやすさおよび教育目的で選択されており、本明細書において使用される言い回しは、本発明の主題を定めるかまたは制限するように選択されていないことがある。したがって、本開示の範囲はこの詳細な説明によって限定されるのではなく、むしろ、本明細書に基づく出願に関して生じる請求項によって限定されることが意図される。したがって、実施形態の開示は、以下の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲を例示するものであり、限定するものではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5