IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダーマスティール,リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】男性用衛生用品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/491 20060101AFI20230619BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20230619BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20230619BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20230619BHJP
   A61F 5/453 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
A61F13/491 100
A61F13/514 210
A61F13/56 100
A61F13/49 313
A61F5/453
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021547798
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2020018307
(87)【国際公開番号】W WO2020168204
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】62/805,511
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521359081
【氏名又は名称】ダーマスティール,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ヘイマン、 イアン エー.
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06336922(US,B1)
【文献】特開2007-167210(JP,A)
【文献】特開2004-298457(JP,A)
【文献】特表2002-509462(JP,A)
【文献】特開2004-194820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A61F5/44-5/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
男性用の衛生用品であって、
防湿バックシートと、吸収性コア要素と、前記吸収性コア要素に結合された一方向防湿要素と、前記吸収性コア要素及び前記一方向防湿要素に重なるトップシートとを含む細長いシャーシ要素であって、前記トップシート及び前記バックシートは前記吸収性コア要素及び前記一方向防湿要素を取り囲む連続的な係合を有するシャーシ要素と、
前記シャーシ要素の長手方向側面から延びる伸縮性サイドパネルであって、前記サイドパネルは前記シャーシ要素に前記シャーシ要素の横方向の中間点まで折り重ねられた外側の角を有し且つ前記シャーシ要素の両端部で前記トップシートに結合され、前記サイドパネルは前記サイドパネルの弛緩した形態で前記シャーシ要素の両端部を互いに引き寄せ、前記サイドパネル及び前記トップシートはそれらの間に袋を画定し、前記袋は前記サイドパネルが伸張した形態にある状態でその中に陰茎を受け入れるように構成され、前記衛生用品は前記サイドパネルが伸長した形態から弛緩すると、陰茎に係合し、適合するように構成されているサイドパネルと、
前記シャーシ要素の外面に結合された留め付けストラップであって、前記留め付けストラップは伸縮性材料とフック材料部分とを含み、前記フック材料部分は前記留め付けストラップの伸縮性材料が伸張した形態にある状態で前記シャーシ要素の外面に解放可能に固定されて前記衛生用品を使用者の陰茎に固定するように構成される留め付けストラップと
を含む衛生用品。
【請求項2】
前記防湿バックシートは、空気透過性であり且つ非透湿性である、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項3】
前記サイドパネルは、その中央部分における第1の伸縮性と、その両端部における第2の伸縮性とを有し、前記第1の伸縮性は前記第2の伸縮性よりも大きい、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項4】
前記サイドパネルは、それぞれが第1の糸伸縮性を有する1つ以上の第1の伸縮性糸と、それぞれが第2の糸伸縮性を有する1つ以上の第2の伸縮性糸とを含み、前記1つ以上の第1の伸縮性糸と前記1つ以上の第2の伸縮性糸の構成は、前記サイドパネルの中央部分における第1の伸縮性と、前記サイドパネルの両端部における第2の伸縮性とを提供する、請求項3に記載の衛生用品。
【請求項5】
前記吸収性コア要素の外部及び前記防湿要素の外部にバックシートをさらに含み、前記バックシートは前記シャーシ要素の外層を画定し、前記シャーシ要素の外側に延在して前記サイドパネルを画定する、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項6】
前記サイドパネルは伸縮性糸を含む、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項7】
前記伸縮性糸のそれぞれが150mmから180mmの長さである、請求項6に記載の衛生用品。
【請求項8】
前記サイドパネルはそれぞれ、互いに3mmから10mmの間隔を置いて配置された2つ以上の伸縮性糸を含む、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項9】
前記一方向防湿要素は、接着剤の薄層、超音波接合、加圧溶接及び熱接着のうちの少なくとも1つを用いて前記吸収性コア要素に固定される、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項10】
前記シャーシ要素は、接着剤、超音波接合、加圧溶接、及び熱接着のうちの少なくとも1つを用いて組み立てられる、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項11】
前記留め付けストラップは、異なる伸縮性を有する少なくとも2つの部分を含む、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項12】
前記留め付けストラップは、非伸縮性材料と直列に交互に並ぶ伸縮性材料を含む、請求項11に記載の衛生用品。
【請求項13】
前記留め付けストラップのフック材料部分は、前記留め付けストラップの外面上のランディングゾーンに解放可能に固定されるように構成される、請求項1に記載の衛生用品。
【請求項14】
前記ランディングゾーンは不織布材料を含む、請求項13に記載の衛生用品。
【請求項15】
男性用の衛生用品であって、
防湿バックシートと、前記防湿バックシートよりも小さい表面積を有する吸収性コア要素と、前記吸収性コア要素に結合された一方向防湿要素と、前記吸収性コア要素及び前記一方向防湿要素に重なるトップシートとを含む細長いシャーシ要素であって、前記トップシート及び前記バックシートは、前記吸収性コア要素及び前記一方向防湿要素を取り囲む連続的な係合を有するシャーシ要素と、
前記シャーシ要素の長手方向側面から延びる伸縮性サイドパネルであって、前記サイドパネルは前記シャーシ要素に折り重ねられた外側の角を有し且つ前記シャーシ要素の両端部で前記トップシートに結合され、前記サイドパネルは前記サイドパネルの弛緩した形態で前記シャーシ要素の両端部を互いに引き寄せ、前記サイドパネル及び前記トップシートは、前記サイドパネルが伸張した形態にある状態でその中に男性の陰茎を受け入れるように構成された袋を画定する伸縮性サイドパネルと、
前記シャーシ要素の外面に結合された可撓性留め付け要素であって、前記可撓性留め付け要素は前記シャーシ要素の周りに延在し且つ前記シャーシ要素の外面に解放可能に係合して前記衛生用品を使用者の陰茎に固定するように構成され、前記可撓性留め付け要素は前記衛生用品を使用者に適合させるように構成された可撓性留め付け要素
含む衛生用品。
【請求項16】
前記可撓性留め付け要素は、前記シャーシ要素の外面に結合された留め付けストラップの形態であり、前記留め付けストラップは、非伸縮性不織布材料のゾーンの間に交互に配置された伸縮性ゾーンを含むように構成され、前記留め付けストラップは、前記留め付けストラップ及び前記シャーシ要素の1つ以上の外面に解放可能に固定されるように構成されたフック材料部分を含む、請求項15に記載の衛生用品。
【請求項17】
前記可撓性留め付け要素はプルタブをさらに含む、請求項16に記載の衛生用品。
【請求項18】
前記吸収性コア要素は、長手方向に延びる接着剤のストリップを用いて前記防湿バックシートに固定される、請求項15に記載の衛生用品。
【請求項19】
前記可撓性留め付け要素は伸縮性クランプを含む、請求項15に記載の衛生用品。
【請求項20】
前記可撓性留め付け要素は、前記シャーシ要素の周りで曲がるように構成されたベルト要素の形態である、請求項15に記載の衛生用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、男性の解剖学的構造のための衛生用品に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/805,511号に対する優先権及びそのすべての利益を主張する。
【0003】
失禁は、様々な理由で年齢を問わず起こり得る。身体的外傷及び様々な病状が失禁を引き起こす可能性がある。失禁はまた、男性の前立腺が肥大したり、手術が膀胱につながる神経に影響を与えたり、男性がアルツハイマー病や認知症を発症したりした場合など、年齢によって生じることがある。失禁は、例えば、陰茎からの散発的又は継続的な尿の滴りによって生じることがあり、又は膀胱の内容物全体の自然放出をもたらすことがある。
【0004】
特許文献1に開示されているように、男性用の衛生用品は、だらりとした陰茎を受け入れるように適合された開放端と、閉鎖された第2端とを有する管の形をとることができ、管は、少なくとも管の第2端内に延び且つ流体を吸収するように適合された吸収性材料を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8,961,482号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、使用者の全体的な解剖学的構造に適合して、例えば、使用者の衣服の下では実質的に見分けがつかないようにしながら、男性の陰茎の幅広いサイズ及び形態にフィットして固定し、使用中に男性の陰茎のサイズ及び形態の変化に適応するように構成された男性用の衛生用品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の原理による衛生用品は、衛生用品のメインシャーシの遠位端を機械的に結合して衛生用品内に袋を画定する伸縮性サイドパネルを含む。伸縮性サイドパネルは、いくつかの実施形態では、伸縮性パネルのシャーシへの近位取付点と遠位取付点との間で全体的な伸縮性が変化するように構成される。例えば、伸縮性サイドパネル内の伸縮性糸は、サイズ、量、及び伸縮性が異なり得る。伸縮性糸の違いは、例えば、近位端と遠位端との間の伸縮性サイドパネルの中央部分に比較的大きな伸縮性を提供し、したがって、サイドパネルのシャーシへの近位取付点と遠位取付点において比較的緩い伸縮性を提供するように構成することができる。本開示の原理によれば、伸縮性サイドパネル及び衛生用品の一部としてのそのアセンブリの構造は、解剖学的形態の局所的な変化、例えば衛生用品の使用中に使用者の男性の陰茎のサイズ及び形状が変化することに適応及び適合するための自己調整をさらに提供しつつ、衛生用品を使用者に固定することを目的として所望の横方向の圧縮を提供する。
【0008】
衛生用品は、留め付け要素を用いて陰茎で使用者にさらに固定する。本開示の原理による留め付け要素は、非限定的な例として、ストラップ、ビーズ、バンド、ストリップ、クランプ、及びベルトのうちの1つの形態であり得る。ストラップのような形態を有する留め付け要素の一例では、ストラップは、衛生用品のシャーシの後部から出ている端部で構成され、衛生用品のシャーシの外部のランディングゾーンに係合するためのフック材料部分を含み、ランディングゾーンは、留め付けストラップへの確実な取り付けを提供するためにシャーシと異なる1つ以上の材料を含む。ストラップはまた、ストラップ自体に追加のランディングゾーンを含み、ストラップが重なり合う形態でストラップ自体に固定できるようにする。留め付けストラップは、横方向及び縦方向の伸張能力の一方又は両方で、性能及び調整における更なる柔軟性を提供するために伸縮性材料をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】折り畳まれた形態で留め付けストラップが外れた状態での本開示の原理による衛生用品の正面図である。
図1B】留め付けストラップが係合した状態での図1Aの図である。
【0010】
図2図1Aの衛生用品の背面図である。
【0011】
図3】衛生用品のシャーシが展開されて伸張した形態での図1Aの衛生用品の上面図である。
【0012】
図4】部分的に展開されて弛緩した形態での図1Aの衛生用品の斜視図である。
【0013】
図5図4の部分的に展開されて弛緩した形態での図1Aの衛生用品の側面図である。
【0014】
図6】本開示の原理による衛生用品用のストレッチパネル及びフックアタッチメントを備えた留め付けストラップの上面図である。
【0015】
図7図7A図7Bは、本開示の原理による部分的に組み立てられた衛生用品の上面図及び分解断面概略図である。
【0016】
図8図8A図8Bは、さらに部分的に組み立てられた衛生用品の上面図及び分解断面概略図である。
【0017】
図9図9A図9Bは、さらに部分的に組み立てられた衛生用品の上面図及び分解断面概略図である。
【0018】
図10図10A図10Bは、展開されて伸張した形態での組み立てられた衛生用品の上面図及び分解断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の原理による衛生用品は、漏出物を収容して吸収することによって、長時間にわたって陰茎からの尿の断続的又は散発的な漏出による衣類の汚れを防ぐように構成され、同時に、確実且つ動的に変化するフィット性、目立たない外観を提供し、皮膚に接触して液体が貯留するのを防ぎ、皮膚への空気の流れを提供する。最小化されたフットプリントのおかげで、本開示による衛生用品は、それにより流体の貯留に対する解剖学的構造の曝露を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、本開示による衛生用品は、従来の男性用失禁ガード又はシールド製品の表面積のわずか8分の1程度であり、陰茎の上でのみ使用される他の男性用失禁ガード製品のサイズのわずか4分の1程度である。本開示による衛生用品のサイズ及び解剖学的に適合する特性は、衣服を着た使用者の外観に実質的な影響をもたらさない。
【0020】
本開示による衛生用品は、一回の事象又は短時間で膀胱が実質的又は完全に空になるのとは対照的に、ほんの一例として、ストレス性又は切迫性の漏れ又は排尿後の失禁など、長時間にわたって男性の解剖学的構造からの漏出物を収容することを目的としている。フットプリントを最小限に抑えながら、長時間にわたって多数のこのような事象のための容量を提供するために、本開示による衛生用品は、流体を皮膚から離れる方に吸収性コアへと向ける構造において比較的高密度の吸収性要素を使用する。本開示のこの構造は、衛生用品のサイドパネルに一様でない伸縮性を提供しながら衛生用品のシャーシを固定することを含み、これにより、衛生用品は、使用中に男性の解剖学的構造のサイズ及び位置が変化するにつれて、吸収性コアへの経路を適合し且つ維持する。流体及び吸収性コアは、水バリアバックシートと一方向防湿層(取り込み分散層)との間に含まれる。衛生用品は、高密度材料の吸収速度に対応するために、散発的な比較的少量の液体を入れることができ、高密度吸収材料はその結果、多数の漏出物を吸収する能力を提供する。
【0021】
図1A図1B及び図2を参照すると、本開示の原理による衛生用品20は、不織布外層24を有するシャーシ22を含む。この例示的な折り畳まれた形態では、シャーシ22は、前面26及び背面28を有する。
【0022】
衛生用品20は、背面28でシャーシ22に固定された留め付けストラップ30を含む。留め付けストラップ30は、留め付けストラップ30の中央部分でシャーシ22に固定されている。留め付けストラップ30の内面32はシャーシ22の背面28と接触し、留め付けストラップ30の外面34は内面32の反対側にある。留め付けストラップ30は、その反対方向の遠位端にあるプルタブ36、すなわちフィンガーリフトと、内面32にあり且つプルタブ36のそれぞれに近接している取り付け材料38とを含む。取り付け材料36は、これらの材料が互いに解放可能に固定されるという点で不織布外層24を補完するものである。例えば、取り付け材料38はフック材料を含むことができ、外層24はフック材料が係合して解放可能に固定することができるループ材料を含むことができ、衛生用品の陰茎に対する取り外し及び再固定が何度もあることを可能にする。
【0023】
特に図2を参照すると、留め付けストラップ30は、シャーシ22と留め付けストラップ30の中央部分との間の取り付け境界面40を介してシャーシ22に固定される。留め付けストラップ30の中央部分及び留め付けストラップ30の遠位部分は、不織布材料を含む。不織布材料部分42の間には、留め付けストラップ30は伸縮性部分44を含む。例えば、図6に示す例示的な実施形態では、留め付けストラップ30は、3つの不織布材料部分42の間で交互になる2つの伸縮性材料部分44を有する。当然のことながら、留め付けストラップ30の中央部分と遠位部分との間の一様でない伸縮性の他の構成は本開示の範囲内である。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態では、取り付け境界面40は実質的にシャーシ22の背面28を横切って延び、留め付けストラップ30は背面28から実質的に同様に延びている。このような実施形態では、留め付けストラップ30に加えられる引張力は、留め付けストラップ30によって生じ、シャーシ22の背面28の局所的な部分には伝達されない。このような構成は、留め付けストラップ30の伸縮性材料部分44及びシャーシ22の伸縮性サイドパネル58が、例えば、解剖学的構造のサイズ及び位置ならびに使用者の姿勢の変化に対応できるようにしながら、解剖学的構造に対するシャーシ22の位置を維持することによって、使用者に安定性及び快適性を提供する。このような構成はまた、衛生用品20の両側に留め付けストラップ30の同一の部分を有することによって衛生用品20の使用を容易にし、これによって、ねじれたり、どちらかの手を支配的に使用したりすることなく、衛生用品20を固定することができる。
【0025】
シャーシ22の前面26は、留め付けストラップ30の取り付け材料部分38のためのランディングゾーンを提供する。いくつかの実施形態では、留め付けストラップ30は、部分的にそれ自体と係合することができる。例えば、留め付けストラップ30の外面34の不織布材料部分42は、取り付け材料38を補完することができ、それにより、留め付けストラップ30の他端のためのランディングゾーンをさらに画定する。
【0026】
図1A図1B、及び図2のような折り畳まれた形態では、シャーシ要素22は、その長さに沿ってほぼ半分まで折り重ねられ、前方角50が後方角52に隣接し、外側にある不織布外層24がシャーシ22の前面26及び背面28を画定する。
【0027】
図3及び図4をさらに参照すると、衛生用品20は、2つの伸縮性サイドパネル58を含む。本開示の原理によれば、伸縮性サイドパネル58は、衛生用品20の袋70内の使用者の解剖学的構造に対して半径方向内向きの力を提供する。これらの力は、衛生用品20を使用者に固定することに役立ち、一方、伸縮性により、衛生用品20は使用中に衛生用品20を使用者の解剖学的構造に適合させることができる。
【0028】
サイドパネル58は、通気性のある疎水性材料を含む。図3の例に示すように、シャーシ22が展開された形態の場合、サイドパネル58は、前方角50と後方角52との間にシャーシ22の長さを延ばす。サイドパネル58のそれぞれは、展開されたシャーシ22の表面の実質的に半分にわたって延在し、それぞれシャーシ22の周囲に重なるその3つの外側側面でシャーシ22の周囲の周りで連続的に結合される。いくつかの実施形態では、サイドパネル58は、不織布外層24と一体であり、例えば、接着剤、超音波接合、加圧溶接又は熱接着を用いて、それぞれ遠位端60及び62でシャーシに固定される。サイドパネル58は、シャーシ22の長さに沿ったシャーシ22の中間点で互いに係合していない。サイドパネル58のそれぞれは、それぞれの前方角50及び後方角52が互いに向かっている状態で、シャーシ22を折り畳まれた形態に引っ張るように構成された様々な数の伸縮性糸64を含むことができる。特に図4に示された例を参照すると、本開示の原理によれば、シャーシ22が折り畳まれているとき、サイドパネル58は、サイドパネル58の内面とシャーシ22との間に画定された袋70への開口部を画定する。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態では、外層24及び伸縮性サイドパネル58は、単一のシート80から形成される。図7A図7B及び図8A図8Bの例に示すように、このようなシート80は、最初はメインシャーシ22の幅の約3倍になるように構成され得る。サイドパネル58は、シート80のシャーシ22の外側にある部分を折り目82で横方向に半分に折ることによって、シート80から画定される。このような実施形態では、サイドパネルは、シート80の材料の2つの層であり、それぞれがシャーシ22の幅の半分であり、一方、シャーシ22の外層24は、同じシート80の単層である。図9A図9Bをさらに参照すると、サイドパネル58の遠位端60、62は、例えば、接着剤でシャーシ22に固定される。それにより、伸縮性サイドパネル58は、男性の解剖学的構造を入れるために、その中に袋を画定する一体の管状形状を画定する。いくつかの実施形態では、サイドパネルの高さは40~50mmであり、使用者に必要なサイズ変更及び特定のフィット性ならびに衛生用品20の他の構成要素のサイズに応じて変えられる。
【0030】
サイドパネル58は、1つ以上の伸縮性糸64を含む。図の例に示すように、サイドパネル58はそれぞれ、3つの伸縮性糸64を含む。伸縮性サイドパネル58の他の実施形態では、3本から12本の伸縮性糸が片側に使用され、最適なギャザー寄せ機能のために戦略的に間隔を置いて配置され、シート80の層の間に封入される。このような実施形態では、糸は、長さが150mmから180mmであり、3mmから10mmの間隔を置いて配置される。これらの寸法は、必要なサイズ及びフィット性に一致し且つ衛生用品の他の構成要素に対応するように変えられる。
【0031】
伸縮性糸64は、例えば、遠位端60、62の間の伸縮性サイドパネル58の中央部分に比較的大きな伸縮性を提供し、したがって遠位端60、62に比較的緩い伸縮性を提供するなど、一様でない伸縮性を提供するように構成することができる。本開示の原理によれば、伸縮性糸64は、糸64がサイドパネル58に取り付けられている間、糸64に適用される伸縮率を変えることによって一様でない伸縮性を提供することができる。いくつかの実施形態では、単一のサイドパネル内の伸縮性糸64の異なるものを、様々な伸縮率プロファイルで構成することができる。
【0032】
サイドパネル58の中央部分がより大きな伸縮性を有する実施形態では、形態が、衛生用品20の使用、陰茎への適合、陰茎への確実なフィット性、及び使用中の快適性を容易にする。前方角50と後方角52とが合わせられたときにサイドパネル58をその中央部分に寄せ集める衛生用品20の構造により、袋70が画定される。中央に寄せ集められているため、伸縮性サイドパネル58は、解剖学的構造及び前方から後方又は後方から前方への位置の変化に対応することができる。伸縮性を有するため、サイドパネル58は、留め付けストラップ30が重ねられる前に男性の解剖学的構造の周りに係合することができ、それにより留め付けストラップ30の圧縮力をサイドパネル58にも加えることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、サイドパネル58の層は、不織布材料の所望のギャザー寄せ特性に従って、伸縮性糸64の長さに沿った個別の位置で接着剤、超音波結合、加圧溶接又は熱接着を用いて固定され、それにより、本開示の原理に従って衛生用品20のフィット性及び機能を提供する。いくつかの実施形態では、糸64の伸縮性スナップバックは、サイドパネル58の中央部分におけるキャザー寄せを局所化するために、約0.5インチ(1.27cm)から1.0インチ(2.54cm)である。この距離は、所望のサイズ及びフィット性に応じて、且つ衛生用品20の他の構成要素のサイズに対応するように変えられる。サイドパネル58内の伸縮性糸64の一様でない伸縮性により、衛生用品20は、衛生用品20の使用中に頻繁に起こり得る陰茎の形状及びサイズの様々な変化に対応することができる。
【0034】
いくつかの例示的な実施形態では、伸縮性サイドパネル58用の伸縮性糸64は、680デシテックスのサイズを有することができ、糸64は、それらの弛緩した長さの1倍から3倍の間の伸縮率で使用することができる。当然のことながら、糸64のサイズ及び糸64に適用される伸縮率は、求められる伸縮性、サイズ、及びフィット性の所望の範囲に応じて、且つ衛生用品20の他の構成要素のサイズに対応するように変えられる。例えば、糸64は、500~1100デシテックスの範囲であり得る。
【0035】
図1A図1B図2図10A図10Bを参照すると、留め付けストラップ30は、メインシャーシの背面28に固定されている。折り重ねられ、固定された留め付けストラップ30で陰茎に固定されると、衛生用品20の遠位端は、留め付けストラップ30の位置よりも上に上方に延びる。この構造は、使用者、サイドパネル58、及びシャーシ22の内面の間に一貫した係合を提供する。この構造はまた、衛生用品20の通気性のある布によってストラップと使用者との間に空気の流れのための経路を提供し、これにより、快適さがさらに促進され、同時に空気の流れの増加によって皮膚炎及び皮膚の劣化の抑制が提供される。
【0036】
留め付けストラップ30が衛生用品20を使用者に固定することにより、衛生用品20は、確実で快適なフィット性及び陰茎のサイズ及び位置の様々な変化への対応を提供する。留め付けストラップ30の伸縮性要素44がシャーシ22を解剖学的構造に固定するための圧縮力を提供することにより、陰茎のサイズ及び位置の変化に対応し、一対のサイドパネル58の間で使用者を横切って前後に移動するシャーシとは対照的に、陰茎は伸縮性サイドパネル58内に保持される。留め付けストラップ30がサイドパネル58に重なる伸縮性部分44を含むことにより、ストラップ30は、シャーシ22を固定するだけでなく、サイドパネル58の拡張を可能にする。
【0037】
図7A図7B図8A図8B図9A図9B、及び図10A図10Bに示すように、衛生用品20のシャーシ22は複数の層を含む。図の例では、シャーシ22は、いくつかの実施形態では係合が行われる、外層24を画定するシート80の部分と直接係合する不織布の空気透過性の防湿バックシート90と、接着層91とを含む。このような実施形態では、シャーシ22の外層24は、衛生用品20の最も外側の柔らかいカバーとして、使用者の移動中の調整又は衣服との接触による衛生用品20からのノイズを抑制する。
【0038】
バックシート90の内側でバックシート90に接着されているのは吸収性コア要素92であり、コア要素は、バックシート90に比べてシャーシ22のより小さい領域にわたって延在する。シャーシ22上のフットプリントの面積がコア要素92と実質的に等しい取り込み分散層94が、バックシート90の反対側でコア要素92上に積層される。トップシート96が、コア要素92及び取り込み分散層94と重なる。トップシート96はバックシート90と直接接触し、トップシート96及びバックシート90は、コア要素92及び取り込み分散層94の周りに延在し、それらを取り囲む接着剤の窓によって固定される。トップシート96はバックシート90の全ての縁に重なっており、したがって、トップシート96及びサイドパネル58は、それらの間に袋70を規定し、袋70内で使用者に直接接触し得る衛生用品20の構成要素は、トップシート96及びサイドパネル58だけである。
【0039】
いくつかの実施形態では、コア要素92は、接着剤でバックシートに固定される。例えば、この接着剤は、液体を受け入れて収容するために吸収性コア要素92の表面積の可能な限り多くの部分を自由にしておくために、シャーシの中央にある細長いストリップ100の形態であり得る。コア要素92は、長時間にわたって膀胱内容物の散発的で部分的な漏出物の吸収を提供するように選択される。いくつかの実施形態では、衛生用品20は、長時間にわたって実質的に2オンス(56.7グラム)の液体吸収容量を提供する。容量を最大化しつつ衛生用品20のサイズ及び外観を最小化するために、また衛生用品20が長時間にわたって部分的な漏れをサポートするように設計されているため、コア要素92は、従来のより大きい失禁用品に比べて比較的高い密度を有する。コア要素92及び一般に衛生用品20のサイズが、もしあれば、使用者の自然な外観の下着に対する影響を最小限に抑えるだけでなく、実質的に露出した表面積を有する収容されたサイズが、漏出物の貯留及びそれに伴う皮膚の不快感及び刺激を防ぐ。
【0040】
不織布バックシート90は、衛生用品20内のコア要素90に引き寄せられた液体を収容するように機能する空気透過性の防湿材である。この構造により、衛生用品は、例えば衛生用品と使用者との間の接触領域を冷却するために、衛生用品内に空気の流れを提供する。非限定的な例として、防湿層は、ポリフィルム材料を含むことができる。接着剤に加えて又は接着剤の代替品として、バックシート90は、いくつかの実施形態では、超音波接合、加圧溶接、及び熱接着のいずれか1つによってコア要素に固定することができる。不織布バックシート90が接着剤で固定されるいくつかの実施形態では、接着剤はドットマトリックスなどのパターンで構成され、パターンは、コア要素92と不織布バックシート90の一方又は両方の構成を補完するものであり、パターンは、コア要素の吸収性能を最大化し、衛生用品20内の流体の流れに対する障害を最小化しながら、バックシート90を固定するように補完するものである。
【0041】
吸収性コア要素92は、いくつかの実施形態では、最小の厚さで最大の吸収を提供するために、ハイドロボンドセルロースシート内に封入された吸収性ポリマーで作られた材料を含む。このような材料の異なるグレード及びパッチサイズによって、例えば0.5液量オンス(14.8ミリリットル)から6液量オンス(177ミリリットル)まで、様々なレベルの吸収を達成することができる。いくつかの実施形態では、コア要素92は、衛生用品20をより柔軟に、したがって使用者にとってより快適にするために柔らかくされる。いくつかの実施形態では、コア要素の幅は38mmから50mmであり、長さは最大170mmである。本開示の原理に従って、コア要素の寸法は、所望の吸収特性を達成するために変えることができる。
【0042】
取り込み分散層94は、いくつかの実施形態では、接着剤の薄層102でコア要素90に固定される。接着剤の薄層102は、層94の貫通路の目詰まりを回避する。取り込み分散層94は、それを通ってコア要素にのみ液体が流れ、コア要素からは流れないように配向された一方向防湿材である。一方向防湿材は、流体が吸収性コア要素92内を通過することを可能にし、コア要素92の最も近く及びコア要素92により小さな端部を有する円錐形の流れ孔によって流体の逆流を防止する。本開示の原理に従って、この特徴は、尿漏れ及び衣服を汚すことの可能性を減らすことによって、着用者の快適さを保護する。本開示の衛生用品のいくつかの実施形態では、一方向防湿要素94は、40mmから60mmの幅及び150mmの長さを有し、長さは、吸収性コア要素92のサイズに応じて変えられる。接着剤に加えて又は接着剤の代替品として、一方向防湿要素94は、例えば、超音波接合、加圧溶接、及び熱接着のうちの1つによってコア要素に固定することができ、これらの構成要素の確実な係合のパターンは、尿の流れ又は円錐形の流れ孔の一方向防湿特性を制限しないように設計されている。
【0043】
本開示の衛生用品は、内部の一方向防湿層94よりも上にトップシート96を含む。トップシート96は、使用者と直接接触するための衛生用品の袋70の内面を画定する。トップシート96は、使用者に快適さを提供するために、超軟質繊維の構成を有することができる。トップシート96は、コア要素94及び取り込み分散層94がトップシート96とバックシート90との間にある状態で、シャーシ22のフットプリント内で接着剤の周辺シールを用いてバックシート90に取り付けられる。いくつかの実施形態では、トップシート96及びバックシート90は、超音波接合、加圧溶接、又は熱接着を用いて接着することができる。接着剤、超音波接合、加圧溶接又は熱接着の量は、使用者の皮膚を刺激するであろう構成要素の結合によるシャーシ22内の起伏又はしこりを回避するために制限される。
【0044】
本開示の衛生用品のいくつかの実施形態では、トップシート96の寸法は、幅55mm、長さ180mmであり、これらは、他の構成要素に対応して変えられ、異なるレベルのサイズ、フィット性、及び吸収を作り出す。トップシート96の材料は、尿が制限されることなく一方向防湿要素94に流れ、その結果、吸収性コア要素92に流入することを可能にする、極度の柔らかさ及び親水性の通路の特性を含む。バックシート90、吸収性コア要素92、一方向防湿要素94、及びトップシート96のアセンブリは、衛生用品のシャーシ22を構成する。
【0045】
いくつかの実施形態では、留め付けストラップ30のサイズは、長さ140mm、幅12mmから30mmの間であり、これらの寸法は、所望のサイズ及びフィット性に応じて、且つ衛生用品20の他の構成要素のサイズに対応するように変えられる。本開示の原理によるいくつかの実施形態では、留め付け要素は、衛生用品20を使用者の解剖学的構造に固定すると同時に、性能及び使用者に対する衛生用品のフィット性の調整における柔軟性を提供するために、ビーズ、バンド、ストリップ、クランプ、又はベルトの形態であり得る。いくつかの実施形態では、留め付け要素は、皮膚に優しいシリコーン材料のビーズの形態であり得る。いくつかの実施形態では、留め付け要素は、調整可能で柔軟なバンド又はバンドストリップを含むことができる。いくつかの実施形態では、留め付け要素は、衛生用品の近位端を包み込む伸縮性クランプを含むことができる。いくつかの実施形態では、留め付け要素は、再利用可能な比較的ワイヤ状のベルトの形態であり、このベルトは、シャーシ22の背面の後部中央に取り付けられ、シャーシ22が使用者の所定の位置に配置されると、シャーシ22の周りで曲げることができる。
【0046】
本開示は例示的な方法で説明されており、使用されている用語は限定ではなく、説明の言葉の性質であることを意図したものであることが理解されるべきである。上記の教示に照らして本開示の多くの修正及び変形が可能であり、本開示は具体的に記載される以外の方法で実施することができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B