(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】マスク版
(51)【国際特許分類】
C23C 14/04 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
C23C14/04 A
(21)【出願番号】P 2021572512
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2020104350
(87)【国際公開番号】W WO2021082549
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】201911053494.9
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】張志遠
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110018610(CN,A)
【文献】特開2019-073761(JP,A)
【文献】特開2002-038254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠と、前記枠で囲まれる開口と、
前記開口内に設置される遮蔽部と、
前記遮蔽部と前記枠を接続する少なくとも一つの接続部とを含み、
マスク版に垂直な方向に沿って、前記接続部が、蒸着される基板に近づくように設置される第1部分と前記蒸着される基板から離れるように設置される第2部分とを含み、前記第2部分の垂直投影が前記第1部分の垂直投影を覆い、前記第1部分の前記マスク版に平行な断面の面積が前記第2部分から離れる方向に沿って徐々に減少
し、
前記接続部の前記蒸着される基板に近い表面に少なくとも一つの第2溝が設置されて、前記第2溝内に複数の突起構造が設置され、
前記複数の突起構造は、前記接続部の延伸方向に垂直な方向に沿って配列し、
又は、
前記複数の突起構造は、前記接続部の延伸方向に沿って配列し、
又は、
前記複数の突起構造のうちの一部の突起構造は、接続部の延伸方向に垂直な方向に沿って配列し、残りの突起構造は、接続部の延伸方向に沿って配列する、マスク版。
【請求項2】
前記マスク版に垂直な方向に沿って、前記第2部分の前記マスク版に平行な断面の面積が前記第1部分から離れる方向に沿って徐々に減少する、請求項1に記載のマスク版。
【請求項3】
前記遮蔽部の前記蒸着される基板に近い表面に少なくとも一つの第1溝が設置されて、
又は、
前記遮蔽部の前記蒸着される基板から離れた表面に少なくとも一つの第1溝が設置されて、
又は、
前記遮蔽部の前記蒸着される基板に近い表面に少なくとも一つの第1溝が設置されて、かつ前記遮蔽部の前記蒸着される基板から離れた表面に少なくとも一つの第1溝が設置される、
請求項1に記載のマスク版。
【請求項4】
前記遮蔽部は、ミドル領域と前記ミドル領域を囲むエッジ領域を含み、前記第1溝が前記ミドル領域に位置する、請求項3に記載のマスク版。
【請求項5】
前記マスク版に垂直な方向に沿って、前記複数の突起構造の高さが同じであり、
又は、
前記複数の突起構造が均等に分布し、
又は、
前記マスク版に垂直な方向に沿って、前記複数の突起構造の高さが同じであり、かつ前記複数の突起構造が均等に分布する、
請求項
1に記載のマスク版。
【請求項6】
前記接続部は直線状であり、
前記遮蔽部は、複数の接続部を介して前記枠に接続され、少なくとも2つの接続部の延伸方向が異なる、請求項1に記載のマスク版。
【請求項7】
前記遮蔽部は3つの接続部を介して前記枠に接続し、
前記3つの接続部のうちの2つの接続部の延伸方向は互いに垂直し、残りの一つの接続部は前記2つの接続部の間に位置し、
又は、
前記3つの接続部のうちの2つの接続部の延伸方向は一致し、かつ前記2つの接続部は同一直線上に位置し、残りの一つの接続部の延伸方向は前記直線に垂直する、
請求項
6に記載のマスク版。
【請求項8】
前記遮蔽部は4つの接続部を介して前記枠に接続し、
前記4つの接続部のうちの2つの接続部の延伸方向は第1方向に平行し、残りの2つの接続部の延伸方向は第2方向に平行し、且つ前記第1方向は第2方向に垂直する、請求項
6に記載のマスク版。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2019年10月31日に中国特許局に提出された、出願番号が201911053494.9である中国特許出願の優先権を主張し、その出願の全部の内容は引用により本願に援用される。
【0002】
本発明の実施例は、マスク版技術に関し、例えば、マスク版に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の進歩及び生活水準の向上に伴い、表示パネルが果たす役割もますます大きくなり、種類もますます多くなり、表示パネルの表示領域に異なる表示効果が存在し、例えばパンチホール型ディスプレイ等は新たな方向となる。
【0004】
しかしながら、パンチホール型ディスプレイは全体の表示パネルを損傷しやすく、それにより、表示パネルの全体的な表示効果が悪くなることをもたらす。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、表示領域に異なる表示効果が存在する表示パネルを簡単かつ効率的に製造できるマスク版を提供する。
【0006】
本発明の実施例は、枠と前記枠で囲まれる開口と、前記開口内に設置される遮蔽部と、前記遮蔽部と前記枠を接続する少なくとも一つの接続部とを含み、前記マスク版に垂直な方向に沿って、前記接続部が、蒸着される基板に近づくように設置される第1部分と前記蒸着される基板から離れるように設置される第2部分とを含み、前記第2部分の垂直投影が前記第1部分の垂直投影を覆い、前記第1部分の、前記マスク版に平行な断面の面積が前記第2部分から離れる方向に沿って徐々に減少し、前記接続部の前記蒸着される基板に近い表面に少なくとも一つの第2溝が設置されて、前記第2溝内に複数の突起構造が設置され、前記複数の突起構造は、前記接続部の延伸方向に垂直な方向に沿って配列し、又は、前記複数の突起構造は、前記接続部の延伸方向に沿って配列し、又は、前記複数の突起構造のうちの一部の突起構造は、接続部の延伸方向に垂直な方向に沿って配列し、残りの突起構造は、接続部の延伸方向に沿って配列する、マスク版を提供した。
【0007】
本発明が採用するマスク版は、枠と枠で囲まれる開口と、開口内に設置される遮蔽部と、遮蔽部と枠を接続する少なくとも一つの接続部とを含み、マスク版に垂直な方向に沿って、接続部が、蒸着される基板に近づくように設置される第1部分と蒸着される基板から離れるように設置される第2部分とを含み、第2部分の垂直投影が第1部分の垂直投影を覆い、第1部分のマスク版に平行な断面の面積が第2部分から離れる方向に沿って徐々に減少し、前記接続部の前記蒸着される基板に近い表面に少なくとも一つの第2溝が設置されて、前記第2溝内に複数の突起構造が設置され、前記複数の突起構造は、前記接続部の延伸方向に垂直な方向に沿って配列し、又は、前記複数の突起構造は、前記接続部の延伸方向に沿って配列し、又は、前記複数の突起構造のうちの一部の突起構造は、接続部の延伸方向に垂直な方向に沿って配列し、残りの突起構造は、接続部の延伸方向に沿って配列する。マスク版を利用して表示パネルの膜層を蒸着する時、接続部を利用して離岸設計の遮蔽部に対する安定な支持を効果的に実現し、かつ表示パネル上の、接続部に対応する位置に斜め方向の蒸着によって対応する膜層構造を形成させすることができ、これにより、表示パネル上の接続部に対応する位置に材料が蒸着されることなく表示パネルの表示品質に影響を与える問題を回避し、表示領域に異なる表示効果が存在する表示パネルを簡単かつ効率的に製造することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係るマスク版の構成の模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係る蒸着プロセスの模式図である。
【
図4】
図4は、
図1のA1‐A2方向に沿う他の断面図であり、そのうち、接続部は
図2における接続部と異なる断面形状を有する。
【
図5】
図5は、本発明の実施例に係る他の蒸着プロセスの模式図である。
【
図6】
図6は、
図1のA1‐A2方向に沿う他の断面図であり、そのうち、接続部は
図2における接続部とは異なる断面形状を有する。
【
図8】
図8は、
図1のA1‐A2方向に沿う他の断面図であり、そのうち、接続部は
図2における接続部と異なる断面形状を有する。
【
図9】
図9は、
図1のA1‐A2方向に沿う他の断面図であり、そのうち、接続部は
図2における接続部と異なる断面形状を有する。
【
図11】
図11は、本発明の実施例に係る他のマスク版の構成の模式図であり、そのうち、一つの遮蔽部は3つの接続部に対応し、3つの接続部のうちの2つの接続部の延伸方向は互いに垂直し、他の一つの接続部の延伸方向は互いに垂直な2つの接続部の間にある。
【
図12】
図12は、本発明の実施例に係る他のマスク版の構成の模式図であり、そのうち、一つの遮蔽部は4つの接続部に対応し、4つの接続部のうちの2つの接続部の延伸方向は第1方向に平行し、他の2つの接続部の延伸方向は第2方向に平行し、かつ第1方向は第2方向に垂直する。
【
図13】
図13は、本発明の実施例に係る他のマスク版の構成の模式図であり、そのうち、一つの遮蔽部は3つの接続部に対応し、3つの接続部のうちの2つの接続部の延伸方向は一致し、かつ同一直線上に位置し、他の一つの接続部の延伸方向はこの直線に垂直する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面と実施例とを参照しながら、本願を説明する。ここで記載された実施例は本願を説明するためのものだけであり、本願を限定するものではない。また、説明を容易にするために、図面において本願に関連する部分のみを示しており、全ての構造ではない。
【0010】
背景技術で述べたように、パンチホール型ディスプレイは表示パネルの全体が損傷しやすいという問題が存在し、詳しい研究により、この技術的問題が発生した原因は、関連技術においてパンチホール型ディスプレイを製造する場合、まずマスク版を利用して層全体の膜層構造を製作し、そして、この膜層構造にレーザ穴あけによって孔状構造を形成し、しかしながら、レーザ穴あけの技術の難点があり、かつ表示パネルの膜層構造を損傷しやすい。
【0011】
図1は本発明の実施例に係るマスク版の構成の模式図であり、
図2は
図1のA1‐A2方向に沿う断面図であり、
図1及び
図2を参照し、マスク版は、枠101と枠101で囲まれる開口102と、開口102内に設置される遮蔽部103と遮蔽部103と枠101を接続する少なくとも一つの接続部104とを含み、マスク版に垂直な方向に沿って、接続部104が、蒸着される基板に近づくように設置される第1部分1041と蒸着される基板から離れるように設置される第2部分1042とを含み、第2部分1042の垂直投影が第1部分1041の垂直投影を覆い、第1部分1041のマスク版に平行な断面の面積が第2部分1042から離れる方向に沿って徐々に減少する。
【0012】
一実施例において、
図1及び
図2を参照し、マスク版は表示パネルを製造するために使用でき、1枚のマスク版には複数の開口102を含み、各開口102は一つの表示パネルに対応し、開口102内の遮蔽部103は、表示パネルの膜層(例えば、陰極層又は封止層)が蒸着される時に、対応する材料が表示パネルの当該材料が対応する膜層を形成する必要がない領域、例えば他の表示領域を区別する特定領域(例えばパンチホール領域)、に蒸着することを回避するように設置され、先に層全体の完全な膜層を製作して、そしてレーザ穴あけを行って膜層を損傷することにより表示パネルの表示品質に影響を与える問題を回避する。
【0013】
本実施例において、第1部分1041のマスク版に平行な断面の面積が第2部分1042から離れる方向に沿って徐々に減少することは、第1部分1041の断面の幅が徐々に減少することであってもよい。
図2は、例示的に接続部104の左右側が対称構造であることを示した。一実施形態において、接続部104を非対称構造となるように設置してもよい。
図3は本発明の実施例に係る蒸着プロセスの模式図であり、
図2及び
図3を参照し、マスク版を利用して表示パネルの膜層を蒸着される場合、蒸着される基板201はマスク版の上方に設置され、接続部104の第1部分1041は蒸着される基板201に近接して、接続部104の第2部分1042は蒸着される基板201から離れ、蒸着される基板201は、接続部104によって遮蔽されている遮蔽領域2011と、接続部104によって遮蔽されていない未遮蔽領域2012とを含む。例えば、本発明の実施例に係るマスク版を利用して表示パネルにおける陰極層の蒸着を行う場合、パンチホール領域のみ、すなわち蒸着される基板上の遮蔽部103に対応する領域は、当該領域に陰極材料を形成させないように遮蔽部103を利用して遮蔽する必要があり、他の領域にはいずれも陰極材料が形成される必要があり、すなわち遮蔽領域2011及び未遮蔽領域2012のいずれにも対応する膜層構造を蒸着する必要があり、蒸着時に材料を下から上に蒸着される基板201上に蒸着し、垂直方向で未遮蔽領域2012に膜層構造を蒸着させることができ、かつ第1部分のマスク版に平行な断面の面積が第2部分から離れる方向に沿って徐々に減少することにより、斜め方向で遮蔽領域2011に膜層構造を蒸着させることもでき、これにより、表示パネル上の接続部104に対応する位置に材料が蒸着されなくて表示パネルの表示品質に影響を与える問題を回避する。
【0014】
マスク版に垂直な方向に沿って、上記接続部104の第1部分1041と第2部分1042との間の境界は、本発明の実施例に限定されず、第1部分1041のマスク版に平行な断面の面積が第2部分1042から離れる方向に沿って徐々に減少することを確保すればよい。
【0015】
本実施例が採用するマスク版は、枠と枠で囲まれる開口と、開口内に設置される遮蔽部と遮蔽部と枠を接続する少なくとも一つの接続部とを含み、マスク版に垂直な方向に沿って、接続部が、蒸着される基板に近づくように設置される第1部分と蒸着される基板から離れるように設置される第2部分とを含み、第2部分の垂直投影が第1部分の垂直投影を覆い、第1部分のマスク版に平行な断面の面積が第2部分から離れる方向に沿って徐々に減少する。マスク版を利用して表示パネルの膜層を蒸着する場合に、接続部を利用して遮蔽部に対する安定な支持を効果的に実施し、かつ表示パネル上の遮蔽部に対応する領域に膜層構造が蒸着されることができなく、且つ表示パネル上の接続部に対応する位置に斜め方向の蒸着によって対応する膜層構造を形成させすることができるようにして、これにより、表示パネル上の接続部に対応する位置に材料が蒸着されなくて表示パネルの表示品質に影響を与える問題を回避し、表示領域に異なる表示効果が存在する表示パネルを簡単かつ効率的に製造することに役立つ。
【0016】
一実施例において、
図4は
図1のA1‐A2方向に沿う他の断面図であり、
図4を参照し、マスク版に垂直な方向に沿って、第2部分1042のマスク版に平行な断面の面積が第1部分1041から離れる方向に沿って徐々に減少する。
【0017】
一実施例において、
図5は本発明の実施例に係る他の蒸着プロセスの模式図であり、
図4及び
図5を参照し、遮蔽領域2011及び未遮蔽領域2012のいずれにも膜層構造を蒸着する必要があり、蒸着時に蒸着材料を下から上に蒸着される基板201上に蒸着し、未遮蔽領域2012の遮蔽領域2011から離れた領域には、垂直方向で膜層構造を蒸着させることができ、斜め方向で膜層構造を蒸着させることもできるが、遮蔽領域2011に近い領域は接続部104の遮蔽により、垂直方向で膜層構造を蒸着するしかできず、すなわち、未遮蔽領域2012の遮蔽領域2011に近い領域の膜層の厚みが遮蔽領域2011から離れた領域の膜層の厚みより小さくなる可能性があり、これにより、表示パネルの膜層の厚みが均等でないことをもたらし、表示効果に影響を与える。第2部分1042のマスク版に平行な断面の面積が第1部分1041から離れる方向に沿って徐々に減少するように設置されることにより、蒸着材料が接続部104に対応する領域から斜め方向に未遮蔽領域2012の遮蔽領域2011に近い領域に蒸着することに対しる第2部分1042の遮蔽が比較的小さくて、未遮蔽領域2012の遮蔽領域2011に近い領域に斜め方向の方式によって一定の膜層構造を蒸着させることができ、遮蔽領域2011から離れた領域の膜層構造の厚みとの差異を減少し、これにより、表示パネル上の膜層構造の厚みの均等性を高め、表示の均等性を高め、さらに、表示効果を高める。
【0018】
一実施例において、
図2及び
図4に示す断面図は一例であり、他の実施形態において、他の形状であってもよい。任意選択で、第1部分1041のマスク版に平行な断面の面積が第2部分1042から離れる方向に沿って非線形に減少するようにしてもよく、第2部分1042のマスク版に平行な断面の面積が第1部分1041から離れる方向に沿って非線形に減少するようにしてもよい。例示的には、
図6は
図1のA1‐A2方向に沿う他の断面図であり、
図6に示すように、第1部分1041及び第2部分1042の側面がいずれも円弧構造であってもよく、それにより、接続部の製造難易度を低下させ、製造コストを節約する。
【0019】
一実施例において、
図7は
図1のA3‐A4方向に沿う断面図であり、
図1及び
図7を参照し、遮蔽部103の蒸着される基板に近づくように設置される表面に少なくとも一つの第1溝が設置されており、及び/又は、遮蔽部103の蒸着される基板から離れるように設置される表面に少なくとも一つの第1溝が設置されている。
図7は、例示的に遮蔽部103の蒸着される基板に近づくように設置される表面に一つの第1溝1031が設置されるように設置し、すなわち、遮蔽部103の上表面に一つの第1溝1031が設置されている。本発明の実施例は、遮蔽部103の一つの表面に設置される第1溝1031の数量及び遮蔽部103の第1溝1031が設置される表面の数量を限定しない。
【0020】
一実施例において、遮蔽部103は表示パネル上の穴あけが必要な領域に対応し、表示パネル上の穴あけが必要な領域に対応する膜層構造(例えば、陰極層と薄膜封止層)を形成する必要がなく、遮蔽部103の重量が重すぎると、遮蔽部103自身の重力により遮蔽部103が変形しやすくなり、表示パネル上の遮蔽部103に対応する領域の一部に膜層構造が蒸着される可能性があり、表示パネル上の遮蔽部103に対応する領域の膜層構造に影響を与えて、表示パネルの良品率を低下させる。また、遮蔽部103の重量が大きすぎると、遮蔽部103を支持する接続部104が変形を発生することを起こりやすく、表示パネル上の接続部104に対応する領域の蒸着効果に影響を与える。本発明の実施例は、遮蔽部103の蒸着される基板に近づくように設置される表面に少なくとも一つの第1溝が設置され、及び/又は、遮蔽部103の蒸着される基板から離れるように設置される表面に少なくとも一つの第1溝が設置されるように設置することにより、遮蔽部103の重量を低減し、遮蔽部103及び接続部104が変形を発生する確率を低減し、表示パネル上の遮蔽部103及び接続部104に対応する領域の蒸着効果を高め、これにより、表示パネルの表示効果を高める。
【0021】
一実施例において、
図7を参照し続け、遮蔽部103は、ミドル領域1032とミドル領域1032を囲むエッジ領域1033を含み、第1溝1031はミドル領域1032に位置する。一実施例において、遮蔽部103の形状は円形であってもよく、エッジ領域1033は円環状であってもよく、エッジ領域1033の厚みが薄すぎると、蒸着時に過剰な蒸着材料が斜め方向の方式で表示パネル上の遮蔽部に対応する位置に到達し、対応する膜層を形成する必要がない表示パネル上の遮蔽部103に対応して設置される領域に対応する膜層構造を形成するようにして、表示パネルの良品率を低下する。本発明の実施例は、第1溝1031をミドル領域1032内に設置し、エッジ領域1033の厚みをミドル領域1032の厚みより高いようにして、エッジ領域1033の厚みが薄すぎず、蒸着時に蒸着材料が斜め方向の方式で表示パネル上の遮蔽部に対応する領域に蒸着される確率を低減し、さらに、表示パネルの良品率を高める。
【0022】
一実施例において、
図8は
図1のA1‐A2方向に沿う他の断面図であり、
図8を参照し、接続部104の蒸着される基板に近づくように設置される表面に少なくとも一つの第2溝が設置されており、及び/又は、接続部104の蒸着される基板から離れるように設置される表面に少なくとも一つの第2溝が設置されている。
図8は、例示的に接続部104の蒸着される基板に近づくように設置される表面に一つの第2溝1043が設置されるように設置し、すなわち、接続部104の上表面に一つの第2溝1043が設置されている。本発明の実施例は、接続部104の一つの表面に設置される第2溝1043の数量及び接続部104の第2溝1043が設置される表面の数量を限定しない。
【0023】
一実施例において、接続部104の重量が重すぎると、接続部104自身の重力により接続部104が変形しやすくなり、表示パネル上の接続部104に対応する領域の膜層構造に影響を与えて、表示パネルの良品率を低下させる。また、接続部104は遮蔽部103を固定的に支持する役割を果たし、接続部104の変形により接続部104の遮蔽部103に対する支持能力が低下し、かつ接続部104の変形は、遮蔽部103の位置の変化を起こす可能性があり、表示パネル上の遮蔽部103に対応する領域の蒸着効果に影響を与える。本発明の実施例は、接続部104の蒸着される基板に近づくように設置される表面に少なくとも一つの第2溝が設置され、及び/又は、接続部104の蒸着される基板から離れるように設置される表面に少なくとも一つの第2溝が設置されるように設置することにより、接続部104の重量を低減し、接続部104が変形を発生する確率を低減し、接続部104の重量が大きすぎることにより接続部104が垂下して遮蔽部103の垂下が過剰になる現象を回避し、さらに、表示パネル上の遮蔽部103に対応する領域に膜層構造が蒸着されないように保証し、表示パネル上の遮蔽部103及び接続部104に対応する領域の蒸着効果を高め、さらに、表示パネルの表示効果を高める。
【0024】
一実施例において、
図9は
図1のA1‐A2方向に沿う他の断面図であり、
図9を参照し、接続部104の蒸着される基板に近づくように設置される表面に少なくとも一つの第2溝1043が設置されており、第2溝1043内に複数の突起構造1044が設置されている。
【0025】
一実施例において、表示パネルを蒸着する場合、マスク版を吸着することによりマスク版の垂下を回避するように、蒸着される基板のマスク版から離れる側に磁性材料を設置する必要があり、しかしながら、磁性材料はマスク版を蒸着される基板に吸着し、これにより、接続部104と蒸着される基板との間に隙間が存在しなくなり、蒸着時に蒸着材料を表示パネルの接続部104に対応する位置に蒸着することができなくなり、これにより、膜層の厚みの不均等をもたらし、表示効果に影響を与える。複数の突起構造1044を設置することにより、接続部104が吸引されるため蒸着される基板の表面に張り付けられるとき、突起構造1044は、接続部104を支持することができ、接続部104が蒸着される基板の表面に完全に張り付けられることを回避し、複数の突起構造1044の隙間に対応する表示パネルの領域内に膜層構造を蒸着することができ、表示パネルの接続部104に対応する領域に膜層構造を蒸着することができなくて表示不均等の現象を回避し、表示効果を高める。
【0026】
一実施例において、
図9に示すように、複数の突起構造1044が接続部
104の延伸方向に垂直な方向に沿って配列されてもよく、
図10に示すように配列されてもよく、
図10は
図1のA5‐A6方向に沿う断面図である。
図10は複数の突起構造1044が接続部
104の延伸方向に沿って配列される断面を示す。一実施例において、複数の突起構造1044が接続部
104の延伸方向に沿って配列されてもよく、又は、複数の突起構造1044が接続部
104の延伸方向に垂直な方向に沿って配列され、接続部
104の延伸方向に沿って配列されてもよく、例えば、複数の突起構造1044のうちの一部の突起構造1044は接続部
104の延伸方向に垂直な方向に沿って配列され、残りの突起構造1044は接続部
104の延伸方向に沿って配列される。例示的に、複数の突起構造1044はドットマトリクス式に配列されてもよく、すなわち、各突起構造1044はいずれも孤立した島状構造であり、例えば、
図10において突起構造1044を台形の台状構造となるように設置してもよく、すなわち、突起構造1044の上表面及び下表面の形状をいずれも円形となるように設置してもよく、突起構造1044の蒸着される基板に近づくように設置される一面が蒸着される基板に平行であり、接続部104が蒸着される基板の表面に張り付けられる場合、突起構造1044は、接続部104を支持することができ、接続部104が蒸着される基板の表面に完全に張り付けられることを回避する。一実施例において、
図10は例示的に突起構造1044の断面を正台形に設置し、突起構造1044の断面を矩形又は逆台形に設置してもよい。本発明の実施例は、突起構造1044の断面の形状に対して限定せず、突起構造1044が蒸着される基板に面する側が支持台を有することを確保すればよい。
【0027】
一実施例において、
図9及び
図10を参照し続け、マスク版に垂直な方向に沿って複数の突起構造1044の高さが同じであるように設置してもよく、及び/又は、複数の突起構造1044が均等に分布する。
【0028】
一実施例において、複数の突起構造1044の高さが同じであり、マスク版が蒸着される基板に張り付けられる場合、複数の突起構造1044がマスク版を支持し、かつ支持する高さが同じであるようにして、接続部104の延伸方向が蒸着される基板に平行することを保証して、遮蔽部103が蒸着される基板に平行することも保証し、遮蔽部103が傾斜することを起こして表示パネル上の遮蔽部103に対応する領域に膜層構造を蒸着されることを回避する。同時に、複数の突起構造1044が均等に分布するように設置してもよく、複数の突起構造1044が第2溝内に均等に配置され、接続部104の重量の分布をより均等にすることができ、接続部104の一部の重量が多すぎてこの部分の垂下量が大きすぎることにより、遮蔽部103が傾斜する現象を回避し、さらに表示パネル上の遮蔽部103に対応する領域に膜層構造を蒸着することを回避する。
【0029】
一実施例において、
図1に示すように、接続部104を直線状に設置してもよい。接続部104を直線構造に設置され、直線状の接続部104を利用して遮蔽部103に支持力を提供するとともに、マスク版の構造を比較的に簡単にさせ、マスク版の製造プロセスの難易度を低減することに役に立つ。また、接続部104を直線に設置し、最短構造の接続部を利用して遮蔽部103とマスク版の枠との接続を実現し、接続部104の重量を減少することに役に立ち、接続部104の面積を減少することにも役に立ち、これにより、表示パネル上の接続部104に対応して設置される領域の面積を減少し、表示パネル上の接続部104に対応する領域に膜層構造が蒸着できることに役に立つ。
【0030】
一実施例において、
図1を参照し続け、遮蔽部103は、複数の接続部104を介して枠101に接続され、少なくとも2つの接続部104の延伸方向が異なる。
図1は、例示的に遮蔽部103が2つの接続部104を介して枠101に接続され、2つの接続部104の延伸方向が互いに垂直するように設置する。一実施例において、遮蔽部103がより多くの接続部104を介して枠101に接続されるように設置され、複数の接続部104の延伸方向はいずれも異なるように設置されてもよい。
【0031】
一実施例において、複数の接続部104を利用して遮蔽部103と枠101を固定的に接続して遮蔽部103をよりよく支持することができるとともに、少なくとも2つの接続部104の延伸方向が異なることによって接続部104が複数の方向に沿って遮蔽部103へ支持力を提供し、各接続部104が受けた応力を減少することに役に立ち、接続部104の変形によって遮蔽部103が傾斜する確率を低下し、表示パネル上の遮蔽部103及び接続部104に対応して設置される領域の蒸着効果を高めることに役に立つ。
【0032】
一実施例において、
図1に示された接続部と遮蔽部との位置関係は一例に過ぎず、
図11に示すようにしてもよく、
図11は本発明の実施例に係る他のマスク版の構成の模式図であり、一つの遮蔽部103は3つの接続部104に対応してもよく、3つの接続部104の位置関係は
図11に示すように、3つの接続部104のうちの2つの接続部104の延伸方向が互いに垂直し、他の一つの接続部104の延伸方向が互いに垂直する2つの接続部の間にあって、又は、
図12に示すように、
図12は本発明の実施例に係る他のマスク版の構成の模式図であり、一つの遮蔽部103は4つの接続部104に対応してもよく、4つの接続部104の位置関係は
図12に示すようにしてもよく、4つの接続部104のうちの2つの接続部104の延伸方向は第1方向に平行し、他の2つの接続部104の延伸方向は第2方向に平行し、且つ第1方向は第2方向に垂直し、又は、
図13に示すようにしてもよく、
図13は本発明の実施例に係る他のマスク版の構成の模式図であり、一つの遮蔽部103は3つの接続部104に対応してもよく、3つの接続部104の位置関係は
図13に示すように、3つの接続部104のうちの2つの接続部104の延伸方向が一致し、かつ同一直線上に位置し、他の一つの接続部104の延伸方向はこの直線に垂直する。
【0033】
一実施例において、
図9に示すように、接続部104の延伸方向に垂直な方向に沿って、接続部104の最大幅dは150マイクロメートル以上であり、かつ300マイクロメートル以下である。
【0034】
一実施例において、接続部104の最大幅が小さすぎると、遮蔽部103に十分な支持力を提供することができず、遮蔽部103はひどい垂下が発生して、大量な蒸着材料が表示パネル上の遮蔽部に対応する領域に蒸着させ、これにより、表示パネルの良品率を大幅に低下させる。しかし、接続部104の幅が大きすぎると、接続部104が遮蔽する領域も大きすぎ、蒸着材料は斜め方向の方式で表示パネル上の接続部104に対応する全ての領域に蒸着することができず、これにより、表示パネルの複数の部分の膜層の厚さを不均等にし、表示効果に影響を与える。接続部104の最大幅が150マイクロメートル以上かつ300マイクロメートル以下であるように設置することにより、接続部104が遮蔽部103に十分な支持力を提供することを保証することができ、表示パネル上の遮蔽部103に対応する領域に膜層構造が蒸着されないことを保証するだけでなく、表示パネル上の接続部104に対応する位置に膜層構造が蒸着されることができることを保証することもでき、表示パネルの表示の均等性を高める。