(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】災害危機管理システム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20230619BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2022167381
(22)【出願日】2022-10-19
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2022069462
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522124910
【氏名又は名称】ユアサシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094536
【氏名又は名称】高橋 隆二
(74)【代理人】
【識別番号】100129805
【氏名又は名称】上野 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100189315
【氏名又は名称】杉原 誉胤
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094536
【氏名又は名称】高橋 隆二
(72)【発明者】
【氏名】生井 彰一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 英明
(72)【発明者】
【氏名】瓜生 欣成
(72)【発明者】
【氏名】田中 吉久
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-115745(JP,A)
【文献】特表2015-528946(JP,A)
【文献】特開2011-227852(JP,A)
【文献】特開2015-115016(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0033179(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0097464(US,A1)
【文献】特開2019-086955(JP,A)
【文献】特開2011-081707(JP,A)
【文献】市嶋 洋平,レポート Report,日経コンピュータ no.809 NIKKEI COMPUTER,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2012年05月22日,16頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サプライヤから製品の供給を受けている企業のユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出して記憶するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記企業に製品を供給しているサプライヤのサプライヤ識別情報と、該サプライヤの企業名を含む企業情報と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが属するサプライチェーンにおける取引階層と、該サプライヤに自身より上位階層のサプライヤがある場合に自身よりも1つ上位のサプライヤのサプライヤ識別情報とを対応付けて記憶しているサプライヤ企業情報データベースと、
前記企業に製品を供給しているサプライヤのサプライヤ識別情報と、該サプライヤの企業名を含む企業情報と、該供給している製品の使用材料を含む製品情報とを対応付けて記憶しているサプライヤ製品情報データベースと、
前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、
前記取得したリスク情報と、前記サプライヤ企業情報データベース及び前記サプライヤ製品情報データベースとを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、前記リスク情報の内容と、該特定したサプライヤの企業情報と、該特定したサプライヤが属するサプライチェーンと前記企業との関係を示すサプライチェーン情報と、前記特定したサプライヤが供給している製品の前記製品情報を含むアラート通知を生成し、前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信するデータリンク・通知部とを有
し、
前記リスク情報抽出部は、前記収集した情報の中から、自然災害、事故、政治・経済、テロ、病気、停止のいずれかに関連するリスク内容を示す共通リスクワードと、前記サプライチェーンから製品の供給を受けている企業毎に設定されたリスク内容を示す特別リスクワードとに関連するリスク情報を検知し抽出するようになっており、
前記特別リスクワードには、少なくとも、前記企業の特有の使用材料不足が含まれており、
前記リスク情報には、リスク内容と、該リスク内容が共通リスクワード及び特別リスクワードのいずれかであるかを示すリスクワード識別情報とが含まれており、
前記リスク内容が共通リスクワードのリスク情報には位置情報が含まれており、
前記データリンク・通知部は、
前記取得したリスク情報に含まれるリスクワード識別情報が共通リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ企業情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる位置情報を用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、
前記取得したリスク情報に含まれるリスクワード識別情報が特別リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照して、前記リスク情報に含まれる特別リスクワードを用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するようになっていることを特徴とする災害危機管理システム。
【請求項2】
サプライヤから製品の供給を受けている企業のユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出して記憶するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記企業が製造する製品毎に、該製品の製造に用いる部品を供給しているサプライチェーンを構成しているサプライヤを特定する情報であって且つ該サプライヤが属するサプライチェーン及び該サプライチェーンにおける取引階層を特定するサプライヤ企業・取引階層コードと、該サプライヤの企業名を含む企業情報と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが供給している製品の使用材料を含む製品情報とを対応付けて記憶しているサプライヤ製品情報データベースと、
前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、
前記取得したリスク情報及び前記サプライヤ製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、前記リスク情報の内容と、該特定したサプライヤの前記企業情報及び位置情報と、前記特定したサプライヤが供給している製品の前記製品情報を含むアラート通知を生成するとともに、該特定したサプライヤが属するサプライチェーンの構成を示す情報が含まれている詳細情報を生成し、前記ユーザ端末に前記アラート通知及び詳細情報を送信するデータリンク・通知部とを有
し、
前記リスク情報抽出部は、前記収集した情報の中から、自然災害、事故、政治・経済、テロ、病気、停止のいずれかに関連するリスク内容を示す共通リスクワードと、前記サプライチェーンから製品の供給を受けている企業毎に設定されたリスク内容を示す特別リスクワードとに関連するリスク情報を検知し抽出するようになっており、
前記特別リスクワードには、少なくとも、前記企業の特有の使用材料不足が含まれており、
前記リスク情報には、リスク内容と、該リスク内容が共通リスクワード及び特別リスクワードのいずれかであるかを示す分類情報とが含まれており、
前記リスク内容が共通リスクワードのリスク情報には位置情報が含まれており、
前記データリンク・通知部は、
前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が共通リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる位置情報を用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、
前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が特別リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる特別リスクワードを用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するようになっていることを特徴とする災害危機管理システム。
【請求項3】
前記製品情報には、前記製品の図面番号が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項4】
前記サーバ装置の前記リスク情報取得部は、前記リスク情報抽出部がリスク情報を抽出した際に、該リスク情報抽出部からリスク情報を取得するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項5】
前記サプ
ライヤの企業名を含む企業情報には、代替可能なサプライヤを特定する情報が関連付けられており、
前記データリンク・通知部は、前記アラート対象先のサプライヤの代替可能なサプライヤを示す情報が含まれた前記アラート通知を生成するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項6】
前記サプライヤの企業名を含む企業情報には、該サプライヤのリスクを評価した値であるリスク度係数が関連付けられており、
前記データリンク・通知部は、前記アラート対象先のサプライヤのリスク度係数が含まれた前記アラート通知を生成するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項7】
前記サプライヤの企業名を含む企業情報には、該サプライヤのリスクを評価した値であるサプライヤ・リスク度係数と、該サプライヤが供給する製品のリスクを評価した値である製品・リスク度係数とが関連付けられており、
前記データリンク・通知部は、前記アラート対象先のサプライヤの前記サプライヤ・リスク度係数及び該サプライヤ
が供給する製品のリスクを評価した値である製品・リスク度係数とが含まれた前記アラート通知を生成するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項8】
サプライチェーンを経由して部品の供給を受けている企業のユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出して記憶するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記企業が仕入れている部品の品目名を含む部品情報毎に、該部品の仕入れ先企業情報と、該部品を供給するサプライチェーンを識別するチェーンコードと、該チェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成するサプライヤの企業名と、該サプライヤが担当している工程情報と、該サプライヤが属するサプライチェーンにおける取引階層と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが供給している部品の使用材料とを対応付けて記憶しているサプライヤ製品情報データベースと
、
前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、
前記取得したリスク情報及び前記サプライヤ製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するとともに、該特定したサプライヤが属するサプライチェーンが生産している部品の部品情報及び該特定したサプライヤが属するサプライチェーンに対応付けられている仕入れ先企業名を特定し、前記リスク情報の内容と、該特定したサプライヤの企業名及び位置情報と、前記特定した仕入れ先企業名と、前記特定した部品情報と、該特定したサプライヤの工程情報及び取引階層とが含まれるアラート通知を生成
し、前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信するデータリンク・通知部とを有し、
前記リスク情報抽出部は、前記収集した情報の中から、自然災害、事故、政治・経済、テロ、病気、停止のいずれかに関連するリスク内容を示す共通リスクワードと、前記サプライチェーンから製品の供給を受けている企業毎に設定されたリスク内容を示す特別リスクワードとに関連するリスク情報を検知し抽出するようになっており、
前記特別リスクワードには、少なくとも、前記企業の特有の使用材料不足が含まれており、
前記リスク情報には、リスク内容と、該リスク内容が共通リスクワード及び特別リスクワードのいずれかであるかを示す分類情報とが含まれており、
前記リスク内容が共通リスクワードのリスク情報には位置情報が含まれており、
前記データリンク・通知部は、
前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が共通リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる位置情報を用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、
前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が特別リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる特別リスクワードを用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するようになっていることを特徴とする災害危機管理システム。
【請求項9】
前記サーバ装置は、
前記部品情報毎に、該部品を生産しているサプライチェーンの構成を示すサプライチェーン情報を対応付けて記憶しているサプライチェーンデータベースを有し、
前記サプライチェーン情報には、前記サプライチェーンを識別するチェーンコードと、前記チェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成するサプライヤの企業名と、該サプライヤが担当している工程情報と、該サプライヤの取引階層と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが使用している使用材料とが含まれており、
前記データリンク・通知部は、前記サプライチェーンデータベースにアクセスし、前記アラート通知に含まれる部品情報に対応付られているサプライチェーン情報を読み出し、前記ユーザ端末に前記アラート通知と共に前記アラート通知に含まれる部品情報に対応付られているサプライチェーン情報を送信するようになっていることを特徴とする請求項8に記載の災害危機管理システム。
【請求項10】
サプライチェーンを経由して部品の供給を受けている企業のユーザ端末と通信可能に構成されているコンピュータに、前記サプライチェーンを構成するサプライヤに関係するアラート通知を生成して前記ユーザ端末に該アラート通知を提供させる処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータは、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出して記憶するリスク情報抽出部と通信可能に構成されているとともに、サプライヤ製品情報データベー
スを記憶しており、
前記サプライヤ製品情報データベースは、前記企業が仕入れている部品の品目名を含む部品情報毎に、該部品の仕入れ先企業情報と、該部品を供給するサプライチェーンを識別するチェーンコードと、該チェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成するサプライヤの企業名と、該サプライヤが担当している工程情報と、該サプライヤが属するサプライチェーンにおける取引階層と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが供給している部品の使用材料とを対応付けて記憶しており
、
前記リスク情報抽出部は、前記収集した情報の中から、自然災害、事故、政治・経済、テロ、病気、停止のいずれかに関連するリスク内容を示す共通リスクワードと、前記サプライチェーンから製品の供給を受けている企業毎に設定されたリスク内容を示す特別リスクワードとに関連するリスク情報を検知し抽出するようになっており、
前記特別リスクワードには、少なくとも、前記企業の特有の使用材料不足が含まれており、
前記リスク情報には、リスク内容と、該リスク内容が共通リスクワード及び特別リスクワードのいずれかであるかを示す分類情報とが含まれており、
前記リスク内容が共通リスクワードのリスク情報には位置情報が含まれており、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、
前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得する処理と、
前記取得したリスク情報及び前記サプライヤ製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するとともに、該特定したサプライヤが属するサプライチェーンが生産している部品の部品情報及び該特定したサプライヤが属するサプライチェーンに対応付けられている仕入れ先企業名を特定し、前記リスク情報の内容と、該特定したサプライヤの企業名及び位置情報と、前記特定した仕入れ先企業名と、前記特定した部品情報と、該特定したサプライヤの工程情報及び取引階層とが含まれるアラート通知を生成する処理と
、
前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信する処理とを実行させるようになっており、
前記アラート通知を生成する処理では、
前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が共通リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる位置情報を用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、
前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が特別リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる特別リスクワードを用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するようになっていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害危機管理システム及びコンピュータプログラムに関し、例えば、自然災害、事故、事件等のリスクが発生した際に、サプライチェーンから製品(部品)の供給を受けている企業が受けるリスクを軽減させるための災害危機管理システム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、常識を超える想定外の自然災害、パンデミック、戦争、サイバー攻撃、テロ等の災害やトラブルが発生し、企業の事業継続に重大な影響を及ぼす事態が生じている。例えば、自動車や電機製品等の製品を生産する企業(製造メーカ)は、非常に多くのサプライヤから多品種の製品(部品)の供給を受けて完成品等の製品を生産している。このような企業は、実際に、想定外の災害やトラブルが発生すると、サプライチェーンが分断されて、多品種にわたり部品の供給が止まり、生産停止に追い込まれることが起きている。
【0003】
また、上記のようなサプライチェーンのリスクを考慮する技術として、例えば、特許文献1には、サプライチェーンにおける自然災害等の影響を変化項目に含めたシュミュレーションにより業務ロジックを算出する業務支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、多くのサプライヤから多品種の製品(部品)の供給を受けて製品を生産している企業(製造メーカ)は、想定外の災害やトラブルが発生した際、できるだけ早く、自社の生産に関係するどの製品(部品)の供給に問題が生じているかなどの情報を把握することを望んでいる。これらの企業は、想定外の災害やトラブルにより部品供給の停止や納期遅れが発生した場合、その製品(部品)の品番と、その品番に対応する図面(図面を特定する図番)を把握し、代替部品の手配ができるかなどの対策を検討し、できるだけ早期に、事業再開を目指す必要があるためである。
しかし、実際には、このような企業は、供給を受けている製品(部品)が非常に多品種であり、且つサプライチェーンが多階層に構成されているため、災害やトラブルが発生した際に、サプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)が影響を受け、どの製品(部品)の供給が止まっているかを把握するのに手間と時間がかかっている。例えば、供給が止まった製品(部品)が多種にわたる場合には、それぞれの製品(部品)について、その品番と対応する図面(図面を特定する図面番号)を把握するのに労力がかかる。特に、自社からみて、取引階層が離れているサプライヤが供給している製品(部品)や対応する図面(図面番号)等の情報を把握することに労力がかかる。
【0006】
そのため、多くのサプライチェーンから製品(部品)の供給を受けて完成品等を生産している企業に対して、実際に、想定外の災害や事故やトラブル等のリスクが発生した場合に、どのサプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)が影響を受けているかについての情報や、生産が停止している製品(部品)に関する製品情報が早期に提供されるシステムや方法があれば、製造メーカ等の企業は、災害やトラブル等のリスクに対して、速やかに対策を講じることができる。
しかし、現状において、そのようなシステムや方法は知られていない。
なお、特許文献1に記載の発明は、サプライチェーンにおける自然災害等の影響を変化項目に含めたシュミュレーションにより業務ロジックを算出するものであるが、実際に、災害やトラブル等のリスクが発生した際に、そのサプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)が影響を受けたことを示す情報や、リスクの影響により生産が停止した製品情報等について早期に把握して提供するものではない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、災害、事故、事件等のリスクが発生した際に、サプライチェーンから製品の供給を受けている企業が受けるリスクを軽減させるための災害危機管理システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明は、サプライヤから製品の供給を受けている企業のユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出して記憶するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、前記サーバ装置は、前記企業に製品を供給しているサプライヤのサプライヤ識別情報と、該サプライヤの企業名を含む企業情報と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが属するサプライチェーンにおける取引階層と、該サプライヤに自身より上位階層のサプライヤがある場合に自身よりも1つ上位のサプライヤのサプライヤ識別情報とを対応付けて記憶しているサプライヤ企業情報データベースと、前記企業に製品を供給しているサプライヤのサプライヤ識別情報と、該サプライヤの企業名を含む企業情報と、該供給している製品の使用材料を含む製品情報とを対応付けて記憶しているサプライヤ製品情報データベースと、前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、前記取得したリスク情報と、前記サプライヤ企業情報データベース及び前記サプライヤ製品情報データベースとを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、前記リスク情報の内容と、該特定したサプライヤの企業情報と、該特定したサプライヤが属するサプライチェーンと前記企業との関係を示すサプライチェーン情報と、前記特定したサプライヤが供給している製品の前記製品情報を含むアラート通知を生成し、前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信するデータリンク・通知部とを有し、前記リスク情報抽出部は、前記収集した情報の中から、自然災害、事故、政治・経済、テロ、病気、停止のいずれかに関連するリスク内容を示す共通リスクワードと、前記サプライチェーンから製品の供給を受けている企業毎に設定されたリスク内容を示す特別リスクワードとに関連するリスク情報を検知し抽出するようになっており、前記特別リスクワードには、少なくとも、前記企業の特有の使用材料不足が含まれており、前記リスク情報には、リスク内容と、該リスク内容が共通リスクワード及び特別リスクワードのいずれかであるかを示すリスクワード識別情報とが含まれており、前記リスク内容が共通リスクワードのリスク情報には位置情報が含まれており、前記データリンク・通知部は、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワード識別情報が共通リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ企業情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる位置情報を用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワード識別情報が特別リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照して、前記リスク情報に含まれる特別リスクワードを用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するようになっていることを特徴とする。
【0009】
このように、本発明の災害危機管理システムでは、サーバ装置が、リスク情報抽出部から取得したリスク情報と、記憶している情報(サプライヤ企業情報データベース及びサプライヤ製品情報データベース)とを用いて、リスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、リスク情報の内容と、その特定したサプライヤの企業情報と、特定したサプライヤが属するサプライチェーンと企業との関係を示すサプライチェーン情報と、特定したサプライヤが供給している製品の製品情報を含むアラート通知を生成し、ユーザ端末にアラート通知を送信するようになっている。
この構成によれば、例えば、サプライチェーンから製品(部品)の供給を受けて完成品を生産している企業のユーザ端末に対して、実際に、災害や事故等のリスクが発生した場合に、リスクにより影響を受けるサプライヤと、そのサプライヤが属するサプライチェーン情報と、サプライヤが生産している製品の製品情報を早期に提供することができる。
その結果、本発明によれば、実際に、災害やトラブル等のリスクが発生した際に、サプライチェーンから製品の供給を受けている企業の担当者は、リスクが発生したことと、自社と関係があるサプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)がリスクの影響を受けているかについての情報や、影響を受けているサプライヤが生産している製品に関する製品情報を知ることができる。
【0010】
また、本発明では、サーバ装置が、リスク情報抽出部から送信されるリスク情報を受信し、その受信したリスク情報に対応するアラート通知を生成し、ユーザ端末にアラート通知を送信するようになっている。その結果、サプライヤから製品の供給を受けている企業のユーザ端末に対して、災害やトラブル等のリスクが発生した際に早期に、アラート通知を提供することができる。そのため、企業の担当者は、災害やトラブル等のリスクに対して、速やかに対策を講じることができる。
【0011】
また、本発明は、サプライヤから製品の供給を受けている企業のユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出して記憶するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、前記サーバ装置は、前記企業が製造する製品毎に、該製品の製造に用いる部品を供給しているサプライチェーンを構成しているサプライヤを特定する情報であって且つ該サプライヤが属するサプライチェーン及び該サプライチェーンにおける取引階層を特定するサプライヤ企業・取引階層コードと、該サプライヤの企業名を含む企業情報と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが供給している製品の使用材料を含む製品情報とを対応付けて記憶しているサプライヤ製品情報データベースと、前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、前記取得したリスク情報及び前記サプライヤ製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、前記リスク情報の内容と、該特定したサプライヤの前記企業情報及び位置情報と、前記特定したサプライヤが供給している製品の前記製品情報を含むアラート通知を生成するとともに、該特定したサプライヤが属するサプライチェーンの構成を示す情報が含まれている詳細情報を生成し、前記ユーザ端末に前記アラート通知及び詳細情報を送信するデータリンク・通知部とを有し、前記リスク情報抽出部は、前記収集した情報の中から、自然災害、事故、政治・経済、テロ、病気、停止のいずれかに関連するリスク内容を示す共通リスクワードと、前記サプライチェーンから製品の供給を受けている企業毎に設定されたリスク内容を示す特別リスクワードとに関連するリスク情報を検知し抽出するようになっており、前記特別リスクワードには、少なくとも、前記企業の特有の使用材料不足が含まれており、前記リスク情報には、リスク内容と、該リスク内容が共通リスクワード及び特別リスクワードのいずれかであるかを示す分類情報とが含まれており、前記リスク内容が共通リスクワードのリスク情報には位置情報が含まれており、前記データリンク・通知部は、前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が共通リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる位置情報を用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が特別リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる特別リスクワードを用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するようになっていることを特徴とする。
【0012】
この構成においても、例えば、サプライチェーンから製品(部品)の供給を受けて完成品を生産している企業のユーザ端末に対して、実際に、災害や事故等のリスクが発生した場合に、リスクにより影響を受けるサプライヤと、そのサプライヤが属するサプライチェーン情報と、サプライヤが生産している製品の製品情報を早期に提供することができる。
【0013】
また、前記製品情報には、前記製品の図面番号が含まれていることが望ましい。
【0014】
このように構成したのは、以下の理由による。
現状において、サプライチェーンから製品の供給を受けている企業では、自然災害、事故等のリスクの発生により、多品種の製品の供給が止まった場合に、それぞれの製品について、その品番と対応する図面(図面を特定する図面番号)を把握するのに多大な労力がかかっている。特に、自社からみて、取引階層が離れているサプライヤが供給している製品(部品)に対応する図面(図面番号)等の情報を把握することに手間がかかっていた。
そこで、本発明では、サーバ装置に記憶させる製品情報に、製品の図面番号を含めるようにした。これにより、リスクが発生した際に、ユーザ端末に送信するアラート通知にも「製品の図面番号」を含めることができる。その結果、サプライチェーンから製品の供給を受けている企業の担当者は、リスクの発生により多品種の製品の供給が止まった場合に、労力をかけることなく、それぞれの製品について、その品番と対応する図面(図面を特定する図面番号)を把握することができる。
【0015】
また、前記サーバ装置の前記リスク情報取得部は、前記リスク情報抽出部がリスク情報を抽出した際に、該リスク情報抽出部からリスク情報を取得するようになっていることが望ましい。
この構成によれば、サーバ装置は、リスク情報抽出部がリスク情報を検知して抽出した際に、速やかに、リスク情報を取得することができる。
【0017】
このように、本発明の災害危機管理システムの構成によれば、河川決壊、地震、津波等のようなエリアに関連するリスク情報に影響を受けるサプライヤを特定できるとともに、半導体不足等の材料不足(製品の使用材料不足)のようなエリアに関連しないリスク情報に影響を受けるサプライヤを特定することができる。
【0018】
また、前記サプライヤの企業名を含む企業情報には、代替可能なサプライヤを特定する情報が関連付けられており、前記データリンク・通知部は、前記アラート対象先のサプライヤの代替可能なサプライヤを示す情報が含まれた前記アラート通知を生成するようになっていることが望ましい。
このように、アラート通知に、代替可能なサプライヤを示す情報を含めることができるため、アラート通知が送信される企業(製造業者)の担当者は、想定外の災害やトラブルが発生した場合に影響を受けるサプライヤの代替となるサプライヤを直ぐに把握することができる。
【0019】
また、前記サプライヤの企業名を含む企業情報には、該サプライヤのリスクを評価した値であるリスク度係数が関連付けられており、前記データリンク・通知部は、前記アラート対象先のサプライヤのリスク度係数が含まれた前記アラート通知を生成することが望ましい。
このように、アラート通知に、災害等のリスクにより影響を受けるサプライヤのリスク度係数を含めることができるため、アラート通知が送信される企業(製造業者)の担当者に対して、発生したリスクに対する企業にとっての深刻度合いを認識させることができる。
【0020】
また、前記サプライヤの企業名を含む企業情報には、該サプライヤのリスクを評価した値であるサプライヤ・リスク度係数と、該サプライヤが供給する製品のリスクを評価した値である製品・リスク度係数とが関連付けられており、前記データリンク・通知部は、前記アラート対象先のサプライヤの前記サプライヤ・リスク度係数及び該サプライヤが供給する製品のリスクを評価した値である製品・リスク度係数とが含まれた前記アラート通知を生成するようになっていることが望ましい。
この構成によれば、アラート通知が送信される企業(製造業者)の担当者に対して、アラート対象先になっているサプライヤと、そのサプライヤの供給している製品を考慮した、リスクに対する企業にとっての深刻度合いを認識させることができる。
【0021】
また、本発明は、サプライチェーンを経由して部品の供給を受けている企業のユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出して記憶するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、前記サーバ装置は、前記企業が仕入れている部品の品目名を含む部品情報毎に、該部品の仕入れ先企業情報と、該部品を供給するサプライチェーンを識別するチェーンコードと、該チェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成するサプライヤの企業名と、該サプライヤが担当している工程情報と、該サプライヤが属するサプライチェーンにおける取引階層と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが供給している部品の使用材料とを対応付けて記憶しているサプライヤ製品情報データベースと、前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、前記取得したリスク情報及び前記サプライヤ製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するとともに、該特定したサプライヤが属するサプライチェーンが生産している部品の部品情報及び該特定したサプライヤが属するサプライチェーンに対応付けられている仕入れ先企業名を特定し、前記リスク情報の内容と、該特定したサプライヤの企業名及び位置情報と、前記特定した仕入れ先企業名と、前記特定した部品情報と、該特定したサプライヤの工程情報及び取引階層とが含まれるアラート通知を生成し、前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信するデータリンク・通知部とを有し、前記リスク情報抽出部は、前記収集した情報の中から、自然災害、事故、政治・経済、テロ、病気、停止のいずれかに関連するリスク内容を示す共通リスクワードと、前記サプライチェーンから製品の供給を受けている企業毎に設定されたリスク内容を示す特別リスクワードとに関連するリスク情報を検知し抽出するようになっており、前記特別リスクワードには、少なくとも、前記企業の特有の使用材料不足が含まれており、前記リスク情報には、リスク内容と、該リスク内容が共通リスクワード及び特別リスクワードのいずれかであるかを示す分類情報とが含まれており、前記リスク内容が共通リスクワードのリスク情報には位置情報が含まれており、前記データリンク・通知部は、前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が共通リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる位置情報を用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が特別リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる特別リスクワードを用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するようになっていることを特徴とする。
【0022】
この構成においても、例えば、サプライチェーンから部品の供給を受けて完成品を生産している企業のユーザ端末に対して、実際に、災害や事故等のリスクが発生した場合に、リスクにより影響を受けるサプライヤと、そのサプライヤが属するサプライチェーン情報と、サプライヤが使用している使用材料等の情報を早期に提供することができる。
【0023】
また、前記サーバ装置は、前記部品情報毎に、該部品を生産しているサプライチェーンの構成を示すサプライチェーン情報を対応付けて記憶しているサプライチェーンデータベースを有し、前記サプライチェーン情報には、前記サプライチェーンを識別するチェーンコードと、前記チェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成するサプライヤの企業名と、該サプライヤが担当している工程情報と、該サプライヤの取引階層と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが使用している使用材料とが含まれており、前記データリンク・通知部は、前記サプライチェーンデータベースにアクセスし、前記アラート通知に含まれる部品情報に対応付られているサプライチェーン情報を読み出し、前記ユーザ端末に前記アラート通知と共に前記アラート通知に含まれる部品情報に対応付られているサプライチェーン情報を送信するようになっていることが望ましい。
【0024】
また、本発明は、サプライチェーンを経由して部品の供給を受けている企業のユーザ端末と通信可能に構成されているコンピュータに、前記サプライチェーンを構成するサプライヤに関係するアラート通知を生成して前記ユーザ端末に該アラート通知を提供させる処理を実行させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出して記憶するリスク情報抽出部と通信可能に構成されているとともに、サプライヤ製品情報データベースを記憶しており、前記サプライヤ製品情報データベースは、前記企業が仕入れている部品の品目名を含む部品情報毎に、該部品の仕入れ先企業情報と、該部品を供給するサプライチェーンを識別するチェーンコードと、該チェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成するサプライヤの企業名と、該サプライヤが担当している工程情報と、該サプライヤが属するサプライチェーンにおける取引階層と、該サプライヤの位置情報と、該サプライヤが供給している部品の使用材料とを対応付けて記憶しており、前記リスク情報抽出部は、前記収集した情報の中から、自然災害、事故、政治・経済、テロ、病気、停止のいずれかに関連するリスク内容を示す共通リスクワードと、前記サプライチェーンから製品の供給を受けている企業毎に設定されたリスク内容を示す特別リスクワードとに関連するリスク情報を検知し抽出するようになっており、前記特別リスクワードには、少なくとも、前記企業の特有の使用材料不足が含まれており、前記リスク情報には、リスク内容と、該リスク内容が共通リスクワード及び特別リスクワードのいずれかであるかを示す分類情報とが含まれており、前記リスク内容が共通リスクワードのリスク情報には位置情報が含まれており、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得する処理と、前記取得したリスク情報及び前記サプライヤ製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するとともに、該特定したサプライヤが属するサプライチェーンが生産している部品の部品情報及び該特定したサプライヤが属するサプライチェーンに対応付けられている仕入れ先企業名を特定し、前記リスク情報の内容と、該特定したサプライヤの企業名及び位置情報と、前記特定した仕入れ先企業名と、前記特定した部品情報と、該特定したサプライヤの工程情報及び取引階層とが含まれるアラート通知を生成する処理と、前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信する処理とを実行させるようになっており、前記アラート通知を生成する処理では、前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が共通リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる位置情報を用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、前記取得したリスク情報に含まれる分類情報が特別リスクワードであることを示す情報である場合、前記サプライヤ製品情報データベースを参照し、前記リスク情報に含まれる特別リスクワードを用いて前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定するようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、災害、事故、事件等のリスクが発生した際に、サプライチェーンから製品の供給を受けている企業が受けるリスクを軽減させるための災害危機管理システム及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムの構成を示した模式図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムを構成する共通リスクワードデータベースを示した模式図である。
【
図3】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムを構成する特別リスクワードデータベースを示した模式図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ企業情報データベースを示した模式図である。
【
図5】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
【
図6】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知情報を登録したアラート通知データベースを示した模式図であり、アラート理由が共通リスクワードの場合のアラート通知情報が登録されている例を示している。
【
図7】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムのサーバのアラート通知情報を生成する処理の手順を示したフローチャートである。
【
図8】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知情報を登録したアラート通知データベースを示した模式図であり、アラート理由が特別リスクワードの場合のアラート通知情報が登録されている例を示している。
【
図9】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムが企業のオフィスに設置されているパソコン等の情報処理装置により構成されたユーザ端末に提供するアラート通知の表示画面例を示した模式図である。
【
図10】本発明の第1実施形態の災害危機管理システムが企業の担当者が保持するモバイル端末により構成されたユーザ端末に提供するアラート通知の表示画面例を示した模式図である。
【
図11】本発明の第1実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
【
図12】本発明の第1実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
【
図13】本発明の第1実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するアラート通知データベースを示した模式図である。
【
図14】本発明の第1実施形態の変形例の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知に添付するCSVファイルの例を示した模式図である。
【
図15】本発明の第2実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
【
図16】本発明の第2実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知の内容を説明するための模式図である。
【
図17】本発明の第2実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するために生成するサプライチェーン情報を示した模式図である。
【
図18】本発明の第2実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知に添付する詳細情報が登録されたCSVファイルの例を示した模式図である。
【
図19】本発明の第2実施形態において、1つのサプライチェーンの異なる取引階層に、同じサプライヤが存在するケースを説明するための模式図である。
【
図20】本発明の第3実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ企業情報データベースを示した模式図である。
【
図21】本発明の第3実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知の内容を説明するための模式図である。
【
図22】本発明の第3実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサプライヤ企業情報データベースを示した模式図である。
【
図23】本発明の第4実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
【
図24】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
【
図25】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
【
図26】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。
【
図27】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。
【
図28】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。
【
図29】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。
【
図30】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。
【
図31】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。
【
図32】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。
【
図33】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。
【
図34】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ企業マスタデータベースを示した模式図である。
【
図35】本発明の第5実施形態の災害危機管理システムのリスク情報取得部がリスク情報抽出装置から取得するリスク情報を示した模式図である。
【
図36】本発明の第5実施形態のデータリンク・通知部が生成するアラート通知を示した模式図である。
【
図37】本発明の第5実施形態のデータリンク・通知部が生成するアラート通知を示した模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態の災害危機管理システムについて図面に基づいて説明する。
【0028】
先ず、本発明の第1実施形態の災害危機管理システムの構成について
図1~6を参照しながら説明する。
【0029】
ここで、
図1は、第1実施形態の災害危機管理システムの構成を示した模式図である。
図2は、第1実施形態の災害危機管理システムを構成する共通リスクワードデータベースを示した模式図である。
図3は、第1実施形態の災害危機管理システムを構成する特別リスクワードデータベースを示した模式図である。
図4は、第1実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ企業情報データベースを示した模式図である。
図5は、第1実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
図6は、第1実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知情報を登録したアラート通知データベースを示した模式図である。
【0030】
《災害危機管理システムの全体構成》
先ず、第1実施形態の災害危機管理システムの全体構成について説明する。
図1に示すように、災害危機管理システムは、サプライヤから製品の供給を受けている企業(ユーザ)のユーザ端末151、152と通信可能に構成されているサーバ装置(以下、「サーバ」)1と、SNSを中心にした複数の情報ソースから収集した情報から災害、事故、事件、トラブルを含むリスク内容を示すリスク情報を検知して抽出し、そのリスク情報をサーバ1に提供するリスク情報抽出装置(リスク情報抽出部)100とを有している。
【0031】
また、サーバ1は、リスク情報抽出装置100からリスク情報を取得し、そのリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、リスク情報の内容と、特定したサプライヤの企業情報と、特定したサプライヤが属するサプライチェーンと企業との関係を示すサプライチェーン情報と、特定したサプライヤが供給している製品の製品情報を含むアラート通知を生成し、ユーザ端末151、152にアラート通知を送信して提供するようになっている。
なお、図示する例では、サーバ1とリスク情報抽出装置100が、別々の装置で構成されているが特にこれに限定されるものではない。サーバ1に、リスク情報抽出装置100の機能が設けられていても良い。
【0032】
また、サプライチェーンから部品の供給を受けている企業(ユーザ)とは、例えば、自動車メーカや電機メーカ等の製造業を営む企業であり、多くのサプライヤから多品種の部品の供給を受けて製品を生産している企業である。
【0033】
《ユーザ側・システム》
災害危機管理システムからアラート通知を受ける企業のユーザ側・システム(ユーザ環境)は、基幹システムサーバ150と、企業のオフィスに設置されているパソコン(PC)で構成されているユーザ端末151と、企業の担当者が保持しているスマートフォン等のモバイル端末で構成されているユーザ端末152とを有している。
図示する例では、説明の便宜上、1台のパソコン(ユーザ端末151)と、1台のモバイル端末(ユーザ端末152)が示されているが、実際には、複数台のユーザ端末151、152にアラート通知が提供される。
【0034】
基幹システムサーバ150は、ユーザ端末151とLAN等の企業内ネットワークで接続されている。また、基幹システムサーバ150及びユーザ端末151、152は、いずれも、インターネット等のネットワークNWを介して、サーバ1に通信可能(接続可能)に構成されており、サーバ1との間で各種情報の授受が行えるようになっている。
【0035】
また、基幹システムサーバ150は、自社が仕入れる製品(部品)の供給元となるサプライヤに関する情報(サプライヤ企業情報)と、供給される製品(部品)に関する情報(サプライヤ製品情報)を記憶している。
基幹システムサーバ150の「サプライヤ企業情報及びサプライヤ製品情報」は、サーバ1に設けられている「サプライヤ企業情報データベース30及びサプライヤ製品情報データベース40」に記憶されている情報と同一の内容になるように、所定タイミングで同期処理が行われている。なお、「サプライヤ企業情報データベース30及びサプライヤ製品情報データベース40」のデータ構成については、後述する。
【0036】
《リスク情報抽出装置100》
リスク情報抽出装置100は、サーバ1に、図示しないネットワーク(インターネット等のネットワーク)を介して接続されており、サーバ1と通信可能に構成されている。
また、リスク情報抽出装置100は、インターネット上で公開されているSNSを中心にした複数の情報ソース(SNS等のWebサイト、各地に設置されたライブカメラ等の情報ソース)から大量の情報を収集し、その収集した大量の情報から「自然災害、パンデミック、戦争、サイバー攻撃、テロ、企業倒産情報、半導体不足、モータ不足等」の災害やトラブルの発生を示すリスク情報(世界中のリスク情報)を検知して抽出し記憶する機能(リスク情報抽出機能)を有している。
【0037】
具体的には、リスク情報抽出装置100は、事前処理として、サーバ1(或いはリスク情報抽出部100の管理者)からリスクワード(共通リスクワード、特別リスクワード)を受け付け、その受け付けたリスクワードを記憶している。
上記の「共通リスクワード」は、例えば、「自然災害(地震、河川決壊等)」、「事故」、「政治・経済(戦争等)」、「テロ」、「病気」、「停止(工場停止)」等の発生エリアが特定されるリスクに関するワードである。また、「特別リスクワード」は、例えば、「半導体不足」、「鉄不足」等のエリアを特定しないリスクに関するワードである。なお、共通リスクワード及び特別リスクワードの内容については、後段で詳細に説明する。
【0038】
上記の事前処理が終わると、リスク情報抽出部100は、SNS等の複数の情報ソースから大量の情報を収集し、その収集した大量の情報から、記憶しているリスクワード(共通リスクワード、特別リスクワード)をリスク内容(アラート内容)にしているリスク情報を検知し抽出して記憶する。
【0039】
また、上記のリスク情報は、リスク内容(アラート理由)が、「河川決壊、地震、津波等の災害情報」のようなエリアが特定されるリスク内容(共通リスクワード)の場合、日時情報、リスク内容(アラート理由)、位置情報(国、住所)」等で構成されている。例えば、リスク情報は、「2022年〇月〇日 〇時〇分、河川決壊、位置情報(日本、〇□県〇×市〇〇町、〇△川)」となっている。
また、リスク情報は、リスク内容(アラート理由)が、「半導体不足等」の材料不足のようなエリアが特定されないリスク情報の場合、日時情報、リスク内容(アラート理由)、位置情報(全域)等で構成されている。例えば、リスク情報は、「2022年〇月〇日 〇時〇分、半導体不足、位置情報(全域)」となっている。
【0040】
また、リスク情報抽出装置100は、リスク情報を検知し抽出した際に、サーバ1に対してリスク情報を提供する機能(リスク情報提供機能)を有している。
具体的には、リスク情報抽出装置100は、リスク情報を検知して抽出すると、サーバ1に対して、抽出したリスク情報を送信するようになっている。また、サーバ1(後述するリスク情報取得部3)は、リスク情報抽出装置100の機能(リスク情報抽機能、リスク情報提供機能)と連携して、リスク情報抽出装置100から送信される「リスクワードに対応するリスク情報」を取得するようになっている。この構成により、サーバ1は、リスク情報抽出装置100がリスクを検知した際に、速やかに、所望するリスク情報を取得することができる。
【0041】
なお、リスク情報抽出装置100のハードウェア構成については特に限定されるものではない。例えば、リスク情報抽出装置100は、CPUと、主記憶装置と、補助記憶装置と、IOインターフェースと、通信インターフェースとを備えたコンピュータ等の情報処理装置(1台或いは複数台の情報処理装置)により構成される。
【0042】
また、上記のリスク情報抽出機能は、例えば、情報処理装置に搭載されたAIエンジン(リスク情報抽出プログラム(コンピュータプログラム))により実現される。また、上記のリスク情報提供機能は、情報処理装置に搭載されたリスク情報提供プログラム(コンピュータプログラム)により実現される。
この場合、情報処理装置の補助記憶装置には、「AIエンジン及びリスク情報提供プログラム」が格納されている。そして、リスク情報抽出機能及びリスク情報提供機能は、情報処理装置のCPUが、補助記憶装置に格納されている「AIエンジン及びリスク情報提供プログラム」を主記憶装置にロードして実行することにより実現される。
【0043】
また、上記のAIエンジンは、例えば、過去に「SNS等のWebサイト上で公開された画像やテキスト、過去にライブカメラが撮影した画像等の情報」と、当該情報に対応するリスク情報をラベリングした学習用データ」を機械学習させた学習済みモデル(リスク情報抽出ディープラーニングモデル)により構成されている。
なお、このリスク情報抽出機能は、公知技術により実現可能であるため詳細な説明を省略する。
【0044】
このように、リスク情報抽出装置100は、例えば、現場(災害、テロ、事故等の発生現場)にいる目撃者によるSNSへの投稿やライブカメラの映像等の情報を収集して、リスク情報を検知しているため、新聞社、放送局、出版社、通信社等のニュース報道よりも早いタイミングで、自然災害や事故発生等を示すリスク情報を抽出することができる。また、リスク情報抽出装置100は、リスク情報を検知して抽出した際に、サーバ1と連動して、サーバ1に対してリスク情報を提供するようになっている。したがって、リスク情報抽出装置100は、サーバ1に対して、新聞社、放送局、出版社、通信社等のニュース報道よりも早いタイミングで、リスク情報を提供することができる。
【0045】
《サーバ1》
サーバ1は、リスク情報抽出装置100から災害やトラブルの内容を示すリスク情報を取得するリスク情報取得部3と、ユーザ(企業)の基幹システム150からサプライヤ企業情報及びサプライヤ製品情報を取得するサプライヤ情報取得部4と、取得したリスク情報により影響を受けるサプライチェーンを構成するサプライヤを特定し、その特定したサプライヤが属するサプライチーン及び当該サプライヤが供給している製品に関する製品情報が含まれているアラート通知を生成し、ユーザ端末151、152にアラート通知を送信するデータリンク・通知部5と、各種のデータベースを記憶している記憶部7とを有している。
また、記憶部7は、「共通リスクワードデータベース10、特別リスクワードデータベース20、サプライヤ企業情報データベース30、サプライヤ製品情報データベース40、アラートデータベース50、及びアラート通知データベース60」を記憶している。
【0046】
また、サーバ1のハードウェア構成については特に限定されるものではない。例えば、サーバ1は、CPUと、主記憶装置と、補助記憶装置と、IOインターフェースと、通信インターフェースとを備えたコンピュータ等の情報処理装置(1台或いは複数台の情報処理装置)により構成される。
【0047】
また、上記の補助記憶装置には、「リスク情報取得部3、サプライヤ情報取得部4及びデータリンク・通知部5」の機能を実現するためのプログラム(サーバ・コンピュータプログラム)が記憶されている。また、上記の補助記憶装置の所定領域には、記憶部7が形成されている。
そして、「リスク情報取得部3、サプライヤ情報取得部4及びデータリンク・通知部5」の機能は、情報処理装置のCPUが、補助記憶装置に格納されている「サーバ・コンピュータプログラム」を主記憶装置にロードして実行することにより実現される。
【0048】
以下、サーバ1の各構成について順番に説明する。
先ず、記憶部7が記憶しているデータベースのデータ構成について説明する。
【0049】
《共通リスクワードデータベース10》
共通リスクワードデータベース10は、アラート通知が送信されるどの企業に対しても、共通で用いられるデータベースである。
共通リスクワードデータベース10は、
図2に示すように、リスク分類毎に、リスク分類に対応するリスク内容を示す共通リスクワード(共通ワード)を対応付けて記憶しているデータベースである。
【0050】
「リスク分類」は、リスクの種類であり、例えば、「自然災害」、「事故」、「政治・経済」、「テロ」、「病気」、「停止」等のことを云う。
「共通リスクワード(共通ワード)」は、それぞれのリスク分類に対応するワードである。例えば、リスク分類の「自然災害」には、「河川決壊、地震、台風、大雨、洪水、落雷、竜巻、山家事、火山噴火、大雪、崖崩れ、雪崩れ等」の単語が対応付けられている。また、例えば、リスク分類の「政治・経済」には、「戦争、革命、法律変更、制度変更、金利大変動、為替大変動、株価大暴落、倒産、人権問題等」の単語が対応付けられている。また、例えば、リスク分類の「停止」には、「工場操業停止、工場閉鎖、採掘停止、流通停止、高騰、輸入停止、ロックダウン、労働時間制限、行政指導等」の単語が対応付けられている。
【0051】
《特別リスクワードデータベース20》
特別リスクワードデータベース20は、アラート通知の送信先の企業の特有のリスクワードが登録されるデータベースである。
【0052】
具体的には、特別リスクワードデータベース20は、
図3に示すように、リスク分類毎に、リスク分類に対応するリスク内容を示す特別リスクワード(特別ワード)を対応付けて記憶しているデータベースである。この特別リスクワードデータベース20は、共通リスクワードデータベース10と同じデータ構造になっているが、アラート通知が提供される企業毎に特有のリスク内容を示すデータが登録されている。
【0053】
なお、図中で例示する特別リスクワードデータベース20では、「リスク分類」に「部品調達不足」が登録されて、「部品調達不足」に対応する「特別リスクワード」に「鉄不足、LМガイド不足、銅不足、鋳物不足、ステンレス不足、モータ不足、サーボモータ不足、シーケンサー不足、PCL不足、油圧ユニット不足、オイルシール不足、ワイヤーハーネス不足、MLCL不足、ボールネジ不足、デバイス不足、半導体不足、ICチップ不足、ベアリング不足、コンテナ不足」が登録されている。
【0054】
《サプライヤ企業情報データベース30》
サプライヤ企業情報データベース30は、アラート通知の送信先の企業に製品(部品)を供給しているサプライヤのサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)、サプライヤの企業情報(企業名及び工場名)、サプライヤの所在地(位置情報)、サプライチェーンにおける取引階層(階層情報)等が登録されているデータベースである。
【0055】
具体的には、サプライヤ企業情報データベース30は、
図4に示すように、「お客様コード」を登録するためのフィールド30aと、「お客様工場名」を登録するためのフィールド30bと、「サプライヤ企業コード」を登録するためのフィールド30cと、「サプライヤ工場コード」を登録するためのフィールド30dと、「サプライヤ企業名」を登録するためのフィールド30eと、「サプライヤ工場名」を登録するためのフィールド30fと、「サプライヤ工場の所在地(位置情報)」を登録するためのフィールド30gと、「サプライヤの取引区分」を登録するためのフィールド30hと、「サプライヤの取引階層」を登録するためのフィールド30iと、「親サプライヤ企業コード」を登録するためのフィールド30jと、「親サプライヤ工場コード」を登録するためのフィールド30kと、「上位サプライヤ企業コード」を登録するためのフィールド30lと、「上位サプライヤ工場コード」を登録するためのフィールド30mとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
なお、「サプライヤ企業コード」及び「サプライヤ工場コード」によりサプライヤ(企業、工場)が特定されるため、「サプライヤ企業コード」及び「サプライヤ工場コード」を組み合わせたものが「サプライヤ識別情報」になる。
【0056】
フィールド30aに登録される「お客様工場コード」は、アラート通知の送信先の企業(自動メーカ等の企業)の工場を識別するための情報(ユーザID)であり、一意に割り当てた英数字等の情報が用いられる(図示する例では数字)。
フィールド30bに登録される「お客様工場名」は、フィールド30aの「お客様工場コード」により特定される企業の工場名(岐阜工場等の具体的な工場名)である。
【0057】
フィールド30cに登録される「サプライヤ企業コード」は、フィールド30aの「お客様工場コード」により特定される企業の工場に製品(部品)を供給するサプライヤ企業を識別するための情報(企業ID)であり、一意に割り当てた英数字等の情報が用いられる(図示する例では数字)。
フィールド30dに登録される「サプライヤ工場コード」は、フィールド30aの「お客様工場コード」により特定される企業の工場に製品(部品)を供給するサプライヤの工場(製品(部品)を生産している工場)を識別するための情報(サプライヤ工場ID)であり、英数字等の情報が用いられる(図示する例では数字)。
【0058】
フィールド30eに登録される「サプライヤ企業名」は、フィールド30aの「お客様工場コード」により特定される企業の工場に製品(部品)を供給するサプライヤの企業名(鈴木産業等の企業名)である。
フィールド30fに登録される「サプライヤ工場名」は、フィールド30aの「お客様工場コード」により特定される企業の工場に製品(部品)を供給するサプライヤの工場名(例えば、大和工場)である。
フィールド30gに登録される「所在地」は、フィールド30aの「お客様工場コード」により特定される企業の工場に製品(部品)を供給するサプライヤの工場の位置情報である。図示する例では、住所(「神奈川県大和市・・・」等の住所)が登録されているが、「緯度、経度」を用いても良い。
なお、図示する住所では、国名を省略しているが、サプライヤに日本以外の国にある工場が含まれる場合には、フィールド30gに国名も登録される。
【0059】
フィールド30hに登録される「取引区分」は、フィールド30aの「お客様コード」により特定される企業からみて仕入れ先にあたるのか、売り上げ先に当たるのかを示す情報であり、図示する例では数字が用いられている。例えば、「取引区分:0」は売上先であることを示し、「取引区分1:直接仕入先」、「取引区分3:1社以上経由した仕入先」となっている。
【0060】
フィールド30iに登録される「取引階層(外注順序)」は、サプライヤが属するサプライチェーンにおける当該サプライヤの取引階層を示す情報であり、図示する例では数字が用いられている。この「取引階層」は、フィールド30aの「お客様コード」の企業から見て、近い階層から昇順に数字が割り当てられている。具体的には、サプライチェーンのうち、最上位階層のサプライヤの取引階層が「1」であり、取引階層が「1」のサプライヤに製品を納入するサプライヤの取引階層が「2」であり、取引階層が「2」のサプライヤに製品を納入するサプライヤの取引階層が「3」になる。
【0061】
フィールド30jに登録される「親サプライヤ企業コード」は、フィールド30cの「サプライヤ企業コード」により特定されるサプライヤのサプライチェーンにおける取引階層が「2」より大きい場合に、登録される親サプライヤの企業コードである。すなわち、フィールド30jには、サプライヤが属するサプライチェーンにおいて、自身より上位階層のサプライヤがある場合に、最上位階層(取引階層が1)の「サプライヤ企業コード」が登録される。
具体的には、フィールド30cの「サプライヤ企業コード」により特定されるサプライヤの取引階層が「2」以上のサプライヤの場合、フィールド30jには、そのサプライチェーンの「取引階層」が「1」のサプライヤの「サプライヤ企業コード」が登録される。一方、フィールド30cの「サプライヤ企業コード」により特定されるサプライヤの取引階層が「1」の場合、自身よりも上位の取引階層のサプライヤが存在しないため、フィールド30jは「空白」になっている。
【0062】
フィールド30kに登録される「親サプライヤ工場コード」とは、「親サプライヤ企業コード」と同様、フィールド30cの「サプライヤ工場コード」により特定されるサプライヤが、自身が属するサプライチェーンのなかに自身より上位階層のサプライヤがある場合に登録される「取引階層が1」のサプライヤの工場の「サプライヤ工場コード」である。一方、フィールド30cの「サプライヤ企業コード」により特定されるサプライヤの取引階層が「1」の場合、自身よりも上位の取引階層のサプライヤが存在しないため、フィールド30kは「空白」になっている。
【0063】
フィールド30lに登録される「上位サプライヤ企業コード」とは、フィールド30cの「サプライヤ企業コード」により特定されるサプライヤが、自身が属するサプライチェーンのなかに自身より上位階層のサプライヤがある場合に登録される自身よりも「取引階層」が「1階層」上の取引階層のサプライヤの「サプライヤ企業コード」である。
具体的には、フィールド30lには、フィールド30cの「サプライヤ企業コード」により特定されるサプライヤの取引階層が「2」のサプライヤの場合、対応するサプライチェーンの「取引階層」が「1」のサプライヤの「サプライヤ企業コード」が登録される。また、フィールド30lには、サプライヤの取引階層が「3」のサプライヤの場合、対応するサプライチェーンの「取引階層」が「2」のサプライヤの「サプライヤ企業コード」が登録される。また、サプライヤの取引階層が「1」のサプライヤの場合、自身よりも上位の取引階層のサプライヤが存在しないため、フィールド30lは、「空白」になっている。
【0064】
フィールド30mに登録される「上位サプライヤ工場コード」は、「上位サプライヤ企業コード」と同様、フィールド30cの「サプライヤ企業コード」により特定されるサプライヤが、自身が属するサプライチェーンのなかに自身より上位階層のサプライヤがある場合に登録される自身よりも「取引階層」が「1階層」上のサプライヤの工場の「サプライヤ工場コード」である。なお、サプライヤの取引階層が「1」のサプライヤの場合、自身よりも上位の取引階層のサプライヤが存在しないため、フィールド30mは、「空白」になっている。
【0065】
《サプライヤ製品情報データベース40》
サプライヤ製品情報データベース40は、サプライヤが供給している製品(部品)に関する情報を登録するためのデータベースであり、アラート通知の送信先の企業に製品(部品)を提供しているサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)と、サプライヤ企業情報(サプライヤ企業名、サプライヤ工場名)と、供給している製品の製品情報(製品名、製品番号、図面番号、製品の使用材料)とが対応付けられて記憶されている。
【0066】
具体的には、サプライヤ製品情報データベース40は、
図5に示すように、「お客様工場コード」を登録するためのフィールド40aと、「サプライヤ企業コード」を登録するためのフィールド40bと、「サプライヤ工場コード」を登録するためのフィールド40cと、「サプライヤ企業名」を登録するためのフィールド40dと、「サプライヤ工場名」を登録するためのフィールド40eと、「製品名」を登録するためのフィールド40fと、「製品番号」を登録するためのフィールド40gと、「図面番号」を登録するためのフィールド40hと、「使用材料」を登録するためのフィールド40iとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0067】
フィールド40a、40b、40c、40d、40eに登録される「お客様工場コード、サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード、サプライヤ企業名、サプライヤ工場名」は、上述した
図4に示すサプライヤ企業情報データベース30に登録されるものと同じである。
フィールド40f、40g、40h、40iに登録される「製品名、製品番号、図面番号、使用材料」は、フィールド40aの「お客様工場コード」により特定される企業の工場が供給を受けている製品の「製品名、製品番号、図面番号、使用材料」である。
【0068】
《アラートデータベース50》
アラートデータベース50は、リスク情報取得部3がリスク情報抽出装置100から取得したリスク情報を登録するデータベースである。リスク情報は、日時、リスク内容(アラート理由)や位置情報(住所、或いは全域)」等で構成されている。
上記のリスク内容(アラート理由)は、共通リスクワードデータベース10に登録されている共通リスクワード(共通ワード)及び特別リスクワードデータベース20に登録されている特別リスクワード(特別ワード)のいずれかのリスクワードになっている。
また、アラートデータベース50は、登録されるリスク情報毎に、処理が終了したことを示すフラグ情報が登録できるようになっている。
【0069】
《アラート通知データベース60》
アラート通知データベース60は、データリンク・通知部5が生成したアラート通知情報を登録するためのデータベースである。
このアラート通知データベース60は、リスク内容を示すアラート理由と、アラート対象先(アラート対象のサプライヤ名(企業名、工場名))と、アラート対象先が属するサプライチェーンとアラート通知を受ける企業との関係を示す情報(サプライチェーン情報)と、このアラート理由により影響を受ける製品に関する製品情報(製品番号、図面番号、使用材料)とを対応付けて記憶している。
【0070】
具体的には、
図6に示すように、アラート通知データベース60は、アラート理由を登録するためのフィールド60aと、アラート対象先を登録するためのフィールド60bと、アラート対象先のサプライヤが属するサプライチェーンとアラート通知を受ける企業との関係を示す情報(サプライチェーン情報)を登録するためのフィールド60cと、製品名を登録するためのフィールド60dと、製品番号を登録するためのフィールド60eと、図面番号を登録するためのフィールド60fと、製品の使用材料を登録するためのフィールド60gと、処理フラグを登録するためのフィールド60hとを有している。
【0071】
フィールド60aに登録される「アラート理由」とは、「河川決壊、半導体不足、火山噴火等」のアラートを通知する原因となっているリスク内容を云う。
フィールド60bに登録される「アラート対象先」は、アラート理由により影響を受けるサプライヤのことをいう。例えば、「アラート対象先」は、図示する「エスケー 沼津工場(エスケー社の沼津工場)」等の情報である。
【0072】
フィールド60cに登録される「アラート対象先のサプライヤが属するサプライチェーンとアラート通知を受ける企業との関係を示す情報」は、アラート対象先のサプライヤが属するサプライチェーンの構成と、アラート通知を受ける企業との関係を示す情報である。
図6に示す例では、フィールド60cに、「取引階層1:鈴木産業大和工場」、「取引階層2:イシダ御殿場工場」、「取引階層3:エスケー沼津工場」が登録されている。これは、アラート対象先のサプライヤがサプライチェーンの「取引階層3」にあたり、且つそのサプライチェーンの「取引階層1が鈴木産業大和工場」であり、「取引階層2がイシダ御殿場工場」であることを示している。すなわち、図示する例は、アラート通知先の企業への製品の納入ルートが、「エスケー沼津工場⇒イシダ御殿場工場⇒鈴木産業大和工場」⇒「アラート通知を受ける企業」となっていることを示している。また、この情報から、アラート対象先がどのサプライチェーンのどの部分(階層)にあたるかを把握できる。
【0073】
フィールド60d、60e、60f、60gに登録される「製品名、製品番号、図面番号、使用材料」は、フィールド60bの「アラート対象先」のサプライヤが製造する製品の「製品名、製品番号、図面番号、使用材料」である。
また、フィールド60hは、アラート通知の送信処理を行った場合に、処理済を示すフラグ情報(例えば、「1」の数字)を登録するためのものであり、アラート通知の送信処理がなされていないときには「空白(なにも登録されてない状態)」になっている。
【0074】
《リスク情報取得部3》
次に、サーバ1のリスク情報取得部3の機能を説明する。
リスク情報取得部3は、事前処理として、リスク情報抽出装置100に対して、共通リスクワードデータベース10に登録されている共通リスクワード(共通ワード)及び特別リスクワードデータベース20に登録されている特別リスクワード(特別ワード)を送信する。リスク情報抽出装置100は、リスク情報取得部3から送られたリスクワード(共通リスクワード及び特別リスクワード)を受信すると、受信したリスクワードを設定する(サーバ1の識別情報に対応付けてリスクワードを記憶する)。
なお、この事前処理は、サーバ1が自動的に行うのではなく、サーバ1の管理者が、リスク情報抽出装置100の管理者に、リスクワード(共通リスクワード及び特別リスクワード)を渡して、リスク情報抽出装置100の管理者が、手動で、リスク情報処理装置100にリスクワードを設定して登録するようにしても良い。
【0075】
上記の事前処理が終了すると、サーバ1のリスク情報取得部3は、リスク情報抽出装置100からリスク情報を取得する処理を行う。
リスク情報を取得する処理では、リスク情報取得部3は、リスク情報抽出装置100の「リスク情報を抽出するAIエンジン」及び「リスク情報を提供するリスク情報提供プログラム」と連携して、リスク情報抽出装置100がリスクワード(共通リスクワード、特別リスクワード)に関連するリスク情報を抽出した際に、リスク情報抽出装置100から抽出したリスク情報を取得する。
具体的には、リスク情報取得部3は、リスク情報抽出装置100と連携して、リスク情報抽出装置100がリスク情報(リスクワードに関連するリスク情報)を抽出したタイミングで、リスク情報抽出装置100から送信されたリスク情報を受信する。
【0076】
サーバ1のリスク情報取得部3は、リスク情報抽出装置100から送信されたリスク情報を受信すると、アラートデータベース50に、その受信したリスク情報を記憶させる。
【0077】
《サプライヤ情報取得部4》
サプライヤ情報取得部4は、所定タイミングで(例えば、1日1回のタイミングで)、アラート通知を受けるユーザ(企業)の基幹システム150とデータの授受を行い、記憶部7のサプライヤ企業情報データベース30及びサプライヤ製品情報データベース40のデータを更新する処理(データ更新処理)を行う。
【0078】
このデータ更新処理では、サプライヤ情報取得部4は、ユーザの基幹システムサーバ150から各種情報(サプライヤ企業情報及サプライヤ製品情報)を受け取り、サプライヤ企業情報データベース30及びサプライヤ製品情報データベース40に受け取った各種情報を記憶させる。
【0079】
具体的には、サプライヤ情報取得部4は、基幹システム150から送られてくるデータを受信すると、その受信したデータ(ファイル)のデータ形式のチェック(ヘッダー・データ、トレーラ・エンド)を行う(データ形式チェックを行う)。
また、サプライヤ情報取得部4は、同じファイルが送信されて二重取り込みが発生することを防止するため、受信したデータ(ファイル)のヘッダーの「Date Time」が、前回取り込んだファイルのヘッダーの「Date Time」と同じでないことのチッェク(Date Timeチェック)を行う。
【0080】
サプライヤ情報取得部4は、上記の「データ形式チェック及びDate Timeチェック」で不備があったと判定した場合(データ形式に不備があった場合や、比較したファイルの「Date Time」が同じであった場合)、サーバ1のシステム管理者の端末(図示せず)に、不備があったことを示す情報を通知する。
一方、サプライヤ情報取得部4は、上記の「データ形式チェック及びDate Timeチェック」で不備が無いと判定した場合、サプライヤ企業情報データベース30及びサプライヤ製品情報データベース40の対応する領域に、その受信したデータ(ファイル)を記憶させるデータ更新処理を行う。
【0081】
《データリンク・通知部5》
また、データリンク・通知部5は、アラート通知を生成する処理(アラート通知生成処理)と、ユーザ端末151、152に生成したアラート通知を送信する処理(アラート通知処理)とを行う。
以下、「アラート通知生成処理」と、「アラート通知処理」を順番に説明する。
【0082】
《アラート通知生成処理》
先ず、データリンク・通知部5のアラート通知生成処理について、上述した
図1~6と、
図7、
図8を参照しながら説明する。
【0083】
なお、
図7は、第1実施形態の災害危機管理システムのアラート通知情報を生成する処理の手順を示したフローチャートである。
図8は、第1実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知情報を登録したアラート通知データベースを示した模式図であり、アラート理由が特別リスクワードの場合のアラート通知情報が登録されている例を示している。
【0084】
データリンク・通知部5は、アラートデータベース50にアクセスして、アラートデータベース50に登録されているリスク情報のなかの未処理のリスク情報を読み出す(S1)。具体的には、データリンク・通知部5は、アラートデータベース50に登録されたリスク情報のうち、処理が終了したことを示すフラグ情報が登録されていないリスク情報を読み出す。
【0085】
次に、データリンク・通知部5は、共通リスクワードデータベース10及び特別リスクワードデータベース20を参照して、読み出したリスク情報に含まれるリスク内容(アラート理由)が、共通リスクワード(共通ワード)及び特別リスクワード(特別ワード)のいずれであるかを判定する(S2)。
そして、データリンク・通知部20は、リスク内容(アラート理由)が共通リスクワード(共通ワード)の場合、S3~S7の処理に進み、リスク内容(アラート理由)が特別リスクワード(特別ワード)の場合、S11~S15の処理に進む。
【0086】
例えば、S1で読み出したリクス情報が「リスク内容(アラート理由):河川決壊、位置情報(所在地情報):静岡県沼津市、日時情報:〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分」であったとする。この場合、データリンク・通知部5は、アラート理由の「河川決壊」が共通リスクワードデータベース10に登録されている「共通リスクワード(共通ワード)」にあたるため、共通リスクワード(共通ワード)と判定してS3~S7の処理に進む。
また、例えば、S1で読みだしたリクス情報が「リスク内容(アラート理由):半導体不足、位置情報(所在地情報):全域、日時情報:〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分」であったとする。この場合、データリンク・通知部5は、アラート理由の「半導体不足」が特別リスクワードデータベース20に登録されている「特別リスクワード(特別ワード)」にあたるため、特別リスクワード(特別ワード)と判定してS11~S15の処理に進む。
以下、S3~S7の処理と、S11~S15の処理について、順番に説明する。
【0087】
最初にS3~S7の処理について説明する。
リスク内容(アラート理由)が共通リスクワード(共通ワード)の場合に進むS3では、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース30にアクセスして、S1で読み出したリスク情報に含まれる「位置情報(所在地情報)」をキーにして、サプライヤ企業情報を読み出して、S4の処理に進む。
具体的には、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース30に登録されているサプライヤ企業情報のなかから、リスク情報に含まれる「位置情報(所在地情報)」が登録されているサプライヤ企業情報を読み出す。
なお、本ステップで読み出したサプライヤ企業情報に登録された「サプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)」のサプライヤが、リスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤと特定される。
【0088】
例えば、S1で読み出したリクス情報が「リスク内容(アラート理由):河川決壊、位置情報:静岡県沼津市・・・、日時情報:〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分」であったとする。この場合、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース30にアクセスし、フィールド30gに、「静岡県沼津市」が登録されている企業情報を読み出す。
図4に示すサプライヤ企業情報データベース30では、上から4番目の「エスケー 沼津工場」が登録されているサプライヤ企業情報(
図4の符号A)が読み出される。
【0089】
S4では、データリンク・通知部5は、S3で読み出したサプライヤ企業情報の「取引階層」が「2」以上であるか否かを判定し、「取引階層」が「2」以上であればS5の処理に進み、「取引階層」が「2」以上でなければ(すなわち、取引階層」が「1」の場合に)S6の処理に進む。
また、S5では、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース30にアクセスして、S3で読み出したサプライヤ企業情報に登録されている「上位サプライヤ識別情報(上位サプライヤ企業コード及び上位サプライヤ工場コード)」を「サプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード及びサプライヤ工場コード)」にしているサプライヤ企業情報を読み出し、S4に戻り処理を繰り返す。
なお、
図7のS4~S5の処理は、S3で読み出したサプライヤ企業情報が複数ある場合は、読み出したサプライヤ企業情報毎に、それぞれ、S4~S5の処理を行うことになるが、
図7では、説明の便宜上、簡略化している。
【0090】
例えば、S3で読み出したサプライヤ企業情報が
図4に示すサプライヤ企業情報データベース30の上から4番目の「エスケー 沼津工場」が登録されたレコードであったとする。
この場合、S4では、「エスケー 沼津工場」が登録されたレコードのフィールド30iの「取引階層」が「3」であるため、「取引階層」が「2」以上と判定されてS5に進む。
また、S5では、「エスケー 沼津工場」が登録されたレコードのフィールド30l、30mの「上位サプライヤ識別情報(上位サプライヤ企業コード及び上位サプライヤ工場コード)」である「900001、001」を「サプライヤ識別情報」にしている「イシダ 御殿場工場」が登録されているサプライヤ企業情報(
図4の符号B)が読み出されて、S4の処理に戻る。
【0091】
また、再度のS4では、「イシダ 御殿場工場」が登録されたレコードのフィールド30iの「取引階層」が「2」であるため、「取引階層」が「2」以上と判定されてS5に進む。
また、S5では、「イシダ 御殿場工場」が登録されたレコードのフィールド30l、30mの「上位サプライヤ識別情報(上位サプライヤ企業コード及び上位サプライヤ工場コード)」である「100001、001」を「サプライヤ識別情報」にしている「鈴木産業 大和工場」が登録されているサプライヤ企業情報(
図4の符号C)が読み出されて、S4の処理に戻る。
そして、再々度のS4では、「鈴木産業 大和工場」が登録されたレコードのフィールド30iの「取引階層」が「1」であるため、「取引階層」が「2」以上ではないと判定されてS6の処理に進む。
【0092】
S6では、S3で読み出したサプライヤ企業情報の「サプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード及びサプライヤ工場コード)」が登録されているサプライヤ製品情報を読み出し、S7の処理に進む。
例えば、S3で読み出したサプライヤ企業情報が
図4に示すサプライヤ企業情報データベース30の上から4番目の「エスケー 沼津工場」が登録されたレコードであったとする。この「エスケー 沼津工場」が登録されたレコードに登録されている「サプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード及びサプライヤ工場コード)」が「900002、001」になっている。
この場合、
図5に示すサプライヤ製品情報データベース40の例では、フィールド40bに「900002」が登録され、且つフィールド40cに「001」が登録されている上から6、7,8番目のサプライヤ製品情報が読み出される(
図5の符号D)。図示する例では、「エスケー 沼津工場」で生産されている製品が3製品あるため、3つのサプライヤ製品情報が読み出されることになる。
【0093】
S7では、データリンク・通知部5は、読み出した「サプライヤ企業情報及びサプライヤ製品情報」を用いて、アラート通知情報を生成してS20の処理に進む。
具体的には、S7では、S1で読み出したリスク情報の「リスク内容(アラート理由)」に、このリスク内容に影響を受けるサプライヤ(企業名及び工場名)と、S3~S5の処理で読み出したサプライヤ企業情報から生成した「サプライチェーン情報」と、S6で読み出したサプライヤ製品情報に登録された「製品情報(製品名、製品番号、図面番号、使用材料)」とを対応づけたアラート通知情報を生成する。本ステップでは、リスク内容に影響を受けるサプライヤ(企業名及び工場名)は、S3で読み出したサプライヤ企業情報に登録された「企業名及び工場名」になる。
【0094】
例えば、S1で読み出したリクス情報が「リスク内容(アラート理由):河川決壊、位置情報(所在地情報):静岡県沼津市、日時情報:〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分」であったとする。また、S3~S5で読み出されたサプライヤ企業情報が、サプライヤ企業情報データベース30の上から4番目の「エスケー 沼津工場」が登録されたレコード(
図4の符号A)と、上から3番目の「イシダ 御殿場工場」が登録されたレコード(
図4の符号B)と、上から1番目の「鈴木産業 大和工場」が登録されたレコード(
図4の符号C)であったする。
また、S6で読み出されたサプライヤ製品情報が、サプライヤ製品情報データベース40の上から6、7,8番目のレコード(
図5の符号D)に登録された3つの製品に関するものであったとする。
【0095】
この場合、
図6に示すように、3つのアラート通知情報が生成される。
具体的には、3つのアラート通知情報は、いずれも、「アラート理由」が「河川決壊」になり、「アラート対象先」が「エスケー 沼津工場」になり、「サプライチェーン情報」が「取引階層1:鈴木産業大和工場;取引階層2:イシダ御殿場工場;取引階層3:エスケー沼津工場」となる。
また、3つのアラート通知情報は、それぞれ製品情報が「製品名:SSS,製品番号:SA10005,図面番号:ZA00573、使用材料:アルミ、銅」と、「製品名:TTT,製品番号:SA10072,図面番号:ZA02045、使用材料:鉄、LMガイド、シーケンサ」と、「製品名:UUU,製品番号:SA10329,図面番号:ZA03907、使用材料:ステンレス、ベアリング」とになる。
【0096】
次にS11~S15の処理について説明する。
リスク内容(アラート理由)が特別リスクワード(特別ワード)の場合に進むS11では、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース40にアクセスして、S1で読み出したリスク情報に含まれる「特別リスクワード(特別ワード)」をキーにして、サプライヤ製品情報を読み出して、S12の処理に進む。
具体的には、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース40に登録されているサプライヤ製品情報のなかから、リスク情報に含まれる「特別リスクワード(特別ワード)」が登録されているサプライヤ製品情報を読み出す。
なお、本ステップで読み出したサプライヤ製品情報に登録されている「サプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)」のサプライヤが、リスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤとして特定される。
【0097】
例えば、S11では、S1で読み出したリクス情報が「リスク内容(アラート理由):半導体不足、位置情報:全域、日時情報:〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分」であったとする。
この場合、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース40にアクセスし、フィールド40iに、「半導体」が登録されているサプライヤ製品情報を読み出す。
図5に示すサプライヤ製品情報データベース40では、上から4番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号E)と、上から10番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号F)と、上から12番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号G)とが読み出される。
【0098】
S12~S14では、S11で読み出した各サプライヤ製品情報のそれぞれについて処理を行う。
具体的には、S12では、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース30にアクセスして、S11で読み出したサプライヤ製品情報に登録された「サプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)」が登録されたサプライヤ企業情報を読み出し、S13の処理に進む。
【0099】
S13では、データリンク・通知部5は、上述したS4と同様の処理を行う。具体的には、データリンク・通知部5は、S12で読み出したサプライヤ企業情報の「取引階層」が「2」以上であるか否かを判定し、「取引階層」が「2」以上であればS14の処理に進み、「取引階層」が「2」以上でなければ(すなわち、取引階層」が「1」の場合に)S15の処理に進む。
【0100】
S14では、データリンク・通知部5は、上述したS5と同様の処理を行う。具体的には、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース30にアクセスして、S12で読み出したサプライヤ企業情報に登録されている「上位サプライヤ識別情報(上位サプライヤ企業コード、上位サプライヤ工場コード)」を「サプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)」にしているサプライヤ企業情報を読み出し、S13に戻り処理を繰り返す。
【0101】
なお、例えば、上述したように、S11において、
図5に示すサプライヤ製品情報データベース40から、上から4番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号E)と、上から10番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号F)と、上から12番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号G)とが読み出したとする。
【0102】
この場合、上から4番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号E)では、「サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード」が「100001、002」の「鈴木産業水戸工場」が登録されているため、S12では、
図4に示す上から2番目のサプライヤ企業情報(
図4の符号H)が読み出される。また、このサプライヤ企業情報に登録されている取引階層が「1」であるため、S13で「Nо」と判定されてS15に進む。
また、上から10番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号F)では、「サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード」が「100002、001」の「美浜鉄工上尾工場」が登録されているため、S12では、
図4に示す上から6番目のサプライヤ企業情報(
図4の符号I)が読み出される。また、このサプライヤ企業情報に登録されている取引階層が「1」であるため、S13で「Nо」と判定されてS15に進む。
【0103】
また、上から12番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号G)では、「サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード」が「900015、001」の「武田工業君津工場」が登録されているため、S12では、
図4に示す上から7番目のサプライヤ企業情報(
図4の符号J)が読み出される。また、このサプライヤ企業情報に登録されている取引階層が「2」であるため、S13で「Yes」と判定されてS14に進む。そして、S14では、「武田工業君津工場」の「上位サプライヤ企業コード、上位サプライヤ工場コード」を「サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード」にしているサプライヤ企業情報(美浜鉄工上尾工場)が読み出される。
S14の後に行うS13では、S14で読み出したサプライヤ企業情報(美浜鉄工上尾工場)に登録されている取引階層が「1」であるため、S13で「Nо」と判定されてS15に進む。
【0104】
S15では、S7と同様、データリンク・通知部5は、読み出した「サプライヤ企業情報及びサプライヤ製品情報」を用いて、アラート通知情報を生成してS20の処理に進む。
具体的には、S15では、S1で読み出したリスク情報の「リスク内容(アラート理由)」に、S11で読み出したサプライヤ製品情報に登録されている「サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード」をキーにして、S12で読み出したリスク内容に影響を受けるサプライヤ(企業名及び工場名)と、S12~S14の処理で読み出したサプライヤ企業情報から生成した「サプライチェーン情報」と、S11で読み出したサプライヤ製品情報に登録された「製品情報(製品名、製品番号、図面番号、使用材料)」とを対応付けたリスク情報を生成する。
【0105】
例えば、S1で読み出したリクス情報が「リスク内容(アラート理由):半導体不足、位置情報:全域、日時情報:〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分」であったとする。また、S11において、上述したように、
図5に示すサプライヤ製品情報データベース40から、上から4番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号E)と、上から10番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号F)と、上から12番目のサプライヤ製品情報(
図5の符号G)とが読み出されたとする。
また、S12~S14において、上述したように、「鈴木産業水戸工場」、「美浜鉄工上尾工場」、「武田工業君津工場」が登録されているサプライヤ企業情報が読み出されたとする。
【0106】
この場合、
図8に示すように、3つのアラート通知情報が生成される。
具体的には、3つのアラート通知情報は、いずれも、「アラート理由」が「半導体不足」になる。また、3つのアラート通知情報の「アラート対象先」は、それぞれ、「鈴木産業水戸工場」、「美浜鉄工上尾工場」、「武田工業君津工場」となる。また、3つのアラート通知情報の「サプライチェーン情報」は、それぞれ、「取引階層1:鈴木産業水戸工場」、「取引階層1:美浜鉄工上尾工場」、「取引階層1:美浜鉄工上尾工場、取引階層2:武田工業君津工場」となる。
また、3つのアラート通知情報の「製品情報」は、いずれも、「製品名:VVV,製品番号:VX30046,図面番号:XLA0947、使用材料:ICチップ、半導体」となる。
【0107】
次に、S7の処理、或いは、S15の処理の後に行うS20の処理について説明する。
S20では、データリンク・通知部5は、アラート通知データベース60に、S7(或いはS15)で作成したアラート通知情報を記憶させ、アラート通知生成処理を終了する。なお、アラート通知情報が登録されているレコードのフィールド60hは空白になっている。
また、データリンク・通知部5は、S1で読み出したリスク情報に対して、フラグ情報を処理済みにした(処理が終了したことを示すフラグ情報を登録した)上で、アラートデータベース50に上書きする。
【0108】
《アラート通知処理》
次に、データリンク・通知部5が、ユーザ端末151、152に生成したアラート通知を送信するアラート通知処理について、
図9、
図10を参照しながら説明する。
なお、
図9は、本実施形態の災害危機管理システムが企業のオフィスに設置されているパソコン等の情報処理装置により構成されたユーザ端末に提供するアラート通知の表示画面例を示した模式図である。
図10は、本実施形態の災害危機管理システムが企業の担当者が保持するモバイル端末により構成されたユーザ端末に提供するアラート通知の表示画面例を示した模式図である。
【0109】
アラート通知処理では、データリンク・通知部5が、所定間隔のタイミングで、アラート通知データベース60に登録されているアラート通知情報のなかに、未処理のアラート通知情報が有るか否かを確認する。データリンク・通知部5は、未処理のアラート通知情報が有る場合、その未処理のアラート通知情報を読み出す。
一方、データリンク・通知部5は、未処理のアラート通知情報が無ければ処理を終了する。
【0110】
具体的には、データリンク・通知部5は、アラート通知データベース60にアクセスし、アラート通知情報が格納されている各レコードのフィールド60hを参照し、フィールド60hに処理フラグが登録されていないレコードがあれば、そのレコード(アラート通知情報)を読み出す。
【0111】
データリンク・通知部5は、読み出したアラート通知情報を用いて、ユーザ端末151、152に表示させるアラート通知画像を生成し、ユーザ端末151、152に、生成したアラート通知画像を送信する。その後、データリンク・通知部5は、アラート通知データベース60にアクセスし、読み出したレコード(アラート通知情報)のフィールド60hにフラグ情報(例えば、「1」)を格納して、読み出したレコードを処理済みに更新する。
【0112】
例えば、データリンク・通知部5は、読み出したアラート通知情報を用いて、
図9に示すアラート通知を生成し、パソコン等で構成されるユーザ端末151に送信して、ユーザ端末151にアラート通知を表示させる。
また、例えば、データリンク・通知部5は、読み出したアラート通知情報を用いて、
図10に示すアラート通知を生成し、スマートフォン等で構成されるユーザ端末152に送信して、ユーザ端末152にアラート通知を表示させる。
【0113】
ここで、
図9の符号201は、アラート通知のデスクトップ通知を示しており、符号300は、デスクトップ通知201がクリックされた際に表示されるアラート通知の詳細画面を示している。詳細画面300には、アラート通知の詳細情報301が表示されている。
図示するデスクトップ通知201には、河川決壊、半導体不足等のアラート理由が表示される領域201aと、アラート対象先のサプライヤを表示する領域201bと、アラート対象先のサプライヤが属するサプライチェーンを示すサプライチェーン情報を表示する領域201cとが形成されている。
また、図示するアラート通知の詳細情報301には、アラート理由が表示される領域301aと、アラート対象先のサプライヤを表示する領域301bと、アラート対象先のサプライヤが属するサプライチェーンを示すサプライチェーン情報を表示する領域301cとが形成されている。さらに、アラート通知の詳細情報301には、製品情報を表示する領域301dが形成され、この領域301dには、製品名、使用材料、製品番号、図面番号が表示されている。
【0114】
具体的には、データリンク・通知部5が、ユーザ端末151にアラート通知を送信すると、ユーザ端末151のディスプレイ(表示部)に、デスクトップ通知201が表示される。
そして、ユーザ端末151が設置されている企業の担当者が、ユーザ端末151の入力装置(マウスやタッチパネル)を操作して、ユーザ端末151のディスプレイに表示されたデスクトップ通知201をクリックすると、ディスプレイにアラート通知の詳細情報301が提示された詳細画面300が表示される。
【0115】
また、
図10には、スマートフォン等のモバイル端末のディスプレイ(表示部)に表示するアラート通知401を示している。
アラート通知401は、
図9のアラート通知の詳細情報301と同様、アラート理由が表示される領域401aと、アラート対象先のサプライヤを表示する領401bと、サプライヤ情報を表示する領域401cとが形成されている。さらに、アラート通知401には、製品情報を表示する領域401dが形成され、この領域401dには、製品名、使用材料、製品番号、図面番号が表示されている。
【0116】
このように、本実施形態によれば、
図9、
図10に示すように、サプライチェーンから製品(部品)の供給を受けている企業の担当者のユーザ端末151、152に対して、災害やトラブルが発生した場合に、そのサプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)が影響を受けているかについての情報や、生産が停止している製品(部品)に関する製品情報が提供される。また、製品情報についても、その品番とともに対応する図面番号(図面を特定する図番)が提示されている。
【0117】
そのため、サプライチェーンから製品(部品)の供給を受けている企業の担当者は、災害やトラブルにより影響を受ける製品が、自社から見て、階層が離れているサプライヤが供給しているものであっても、労力をかけることなく、その製品名及び製品番号と、その製品に対応する図面番号(図面を特定する図番)、製品の使用材料を把握することができる。
なお、現状において、サプライチェーンから製品の供給を受けている企業では、自然災害、事故等のリスクの発生により、多品種の製品の供給が止まった場合に、それぞれの製品について、その品番と対応する図面(図面を特定する図面番号)を把握するのに多大な労力がかかっている。特に、自社からみて、取引階層が離れているサプライヤが供給している製品(部品)に対応する図面(図面番号)等の情報を把握することに手間がかかっていた。
【0118】
以上、説明したように、第1実施形態の災害危機管理システムは、サプライチェーンから製品(部品)の供給を受けている企業(ユーザ)のユーザ端末151、152に各種情報を提供するサーバ1と、SNSを中心にした複数の情報ソースから収集した情報から災害やトラブルの内容を示すリスク情報を検知して抽出し、そのリスク情報をサーバ1に提供するリスク情報抽出装置(リスク情報抽出部)100とを有している。
【0119】
また、リスク情報抽出装置100は、サーバ1と連携し、リスク情報を検知して抽出した際に、サーバ1に対してリスク情報を提供するようになっている。したがって、サーバ1は、新聞社、放送局、出版社、通信社等のニュース報道よりも早いタイミングで、リスク情報を取得することができる。
また、サーバ1は、リスク情報抽出装置100からリスク情報を取得すると、取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先のサプライヤを特定し、リスク情報の内容と、特定したサプライヤの企業情報と、特定したサプライヤが属するサプライチェーンと企業との関係を示すサプライチェーン情報と、特定したサプライヤが供給している製品の前記製品情報を含むアラート通知を生成し、ユーザ端末151、152に対してアラート通知を提供するようになっている。
【0120】
したがって、第1実施形態によれば、サプライヤから製品(部品)の供給を受けて製品を生産している企業に対して、実際に、想定外の災害やトラブルが発生した場合に、どのサプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)が影響を受けているかについての情報や、生産が停止している製品(部品)に関する情報を早期に提供することができる。その結果、本実施形態によれば、災害やトラブルが発生した際に、製造メーカ等の企業は、災害やトラブル等のリスクに対して、速やかに対策を講じることができる。
【0121】
このように、第1実施形態によれば、災害、事故、事件等のリスクが発生した際に、サプライチェーンから製品(部品)の供給を受けている企業が受けるリスクを軽減させるための災害危機管理システム及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【0122】
なお、本発明は、上述した第1実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0123】
例えば、上述した第1実施形態では、アラート通知生成処理のS2(
図7参照)において、共通リスクワードデータベース10及び特別リスクワードデータベース20を参照して、読み出したリスク情報に含まれるリスク内容(アラート理由)が、共通リスクワード(共通ワード)及び特別リスクワード(特別ワード)のいずれであるかを判定しているが、特にこの方法に限定されるものではない。
【0124】
例えば、リスク情報抽出装置100が送信するリスク情報に、「アラート理由」が「共通リスクワード(共通ワード)」及び「特別リスクワード(特別ワード)」のいずれかであるかを示す情報(リスクワード識別情報)を含めるようにしておく。この場合、リスクワード識別情報が「0」なら共通リスクワード、リスクワード識別情報が「1」なら特別リスクワード等のようにする。
このようにすることで、サーバ1のデータリンク・通知部5は、アラート通知生成処理のS2において、リスク情報に含まれているリスクワード識別情報を参照することで、リスク情報に含まれるリスク内容(アラート理由)が、共通リスクワード(共通ワード)及び特別リスクワード(特別ワード)のいずれであるかを判定することができる。つまり、この構成によれば、S2において、共通リスクワードデータベース10及び特別リスクワードデータベース20を参照する必要がない。
なお、事前処理において、リスク情報抽出装置100の管理者が、リスク情報抽出装置100に共通リスクワードデータベース10及び特別リスクワードデータベース20を登録しておくようにすれば、サーバ1側に共通リスクワードデータベース10及び特別リスクワードデータベース20を設ける必要が無くなる。
【0125】
また、上述した第1実施形態では、ユーザ端末151、152に送るアラート通知の一例として、
図9、10の表示画面を示しているが特にこれに限定されるものではない。例えば、サーバ1は、ユーザ端末151、152に対して、「アラート通知があることを示す代表通知」及び「アラート通知の内容を一覧で示したCSV形式のデータ(CSVファイル)」により構成されるアラート通知を提供するようにしても良い。このようにすることで、アラート内容が大量の場合(アラート対象先のサプライヤが多数であったり、アラート対象となる製品が多数であったりする場合等)に、ユーザ(企業)に把握し易く、且つ加工し易いデータを提供することができる。
【0126】
また、上述した第1実施形態では、サーバ1のサプライヤ企業情報データベース30に、「取引区分」が登録できるようになっている。この「取引区分」は、アラート通知を受ける企業との関係で、「売上先」であることを示すデータも登録される。
そのため、アラート対象先が「売上先」の企業の場合には、アラート通知を受ける企業に対して、「売上先」になっている企業が災害等により影響を受けていることを知らせることができる。
【0127】
また、上述した第1実施形態では、サプライチェーンを構成する企業が製造業の工場である場合の例を示しているが特にこれに限定されるものではない。サプライチェーンを構成する企業が製造業の工場だけでなく、商社や企業の物流拠点等が含まれてる場合にも本発明は適用される。
また、上述した第1実施形態の説明では、説明を簡素化するために、サプライチェーンを構成するサプライヤの拠点が日本国内にある場合を示しているが、これは例示に過ぎない。本発明は、日本以外の外国(中国、タイ等のアジア各国、米国、欧州各国等の外国)を拠点にしているサプライヤが含まれているサプライチェーンに対しても適用される。
【0128】
《第1実施形態の変形例》
次に、第1実施形態の災害危機管理システムの変形例について、
図11~
図14を用いて説明する。
本実施形態の変形例の災害危機管理システムは、上述した実施形態のサーバ1に設けたサプライヤ製品情報データベース40を、
図11(或いは、
図12)に示すデータ構造のサプライヤ製品情報データベース400に変更している。また、本変形例では、サーバ1のデータリンク・通知部5が行う処理を、サプライヤ製品情報データベース400のデータ構造に対応する内容に変更している。
また、サーバ1のアラート通知データベース60を、
図13に示すアラート通知データベース600に変更している。
【0129】
ここで、
図11、12は、第1実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
図13は、第1実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するアラート通知データベースを示した模式図である。
図14は、第1実施形態の変形例の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知に添付するCSVファイルの例を示した模式図である。
【0130】
《本変形例のサプライヤ製品情報データベース500》
図11に示すように、サプライヤ製品情報データベース500は、製品番号を含む製品情報毎に、その製品を扱っているサプライチェーンを示す情報を対応付けて記憶しているデータベースである。
【0131】
具体的には、サプライヤ製品情報データベース500は、「製品番号」を登録するためのフィールド500aと、「製品名」を登録するためのフィールド500bと、「図面番号」を登録するためのフィールド500cと、「使用材料」を登録するためのフィールド500dと、「サプライチェーンコード(チェーンコード)」を登録するためのフィールド500eと、「サプライチェーンを構成する階層別のサプライヤ」を登録するためのフィールド500f、500g、500h、500i、500jとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0132】
上記のフィールド500a、500b、500c、500dに登録されている「製品情報(製品番号、製品名、図面番号、使用材料)」は、上述した
図4のサプライヤ製品情報データベース40に登録されている「製品情報」と同じである。
また、フィールド500eに登録されている「チェーンコード」は、ユーザ端末151、152の企業に対して、フィールド500aに登録されている「製品番号」の製品を供給(納品)しているサプライヤ(取引階層1のサプライヤ)を最上位にしているサプライチェーンを特定する識別情報である。
図示する例では、「チェーンコード」が「100001」のサプライチェーンとして、4系統のサプライチェーンが登録され、「チェーンコード」が「100002」のサプライチェーンとして、4系統のサプライチェーンが登録されている。
【0133】
また、フィールド500f、500g、500h、500i、500jに登録されている「サプライチェーンを構成する階層別のサプライヤ」は、該当するサプライヤの名称(サプライヤ企業名、サプライヤ工場名等)である。図示する例では、説明を簡略化するために「サプライヤ名」を英数字で示しているが、実際には、「鈴木産業・大和工場」や「〇△商事」等の企業名が登録される。
なお、フィールド500fには「取引階層1のサプライヤ」が登録され、フィールド500gには「取引階層2のサプライヤ」が登録され、フィールド500hには「取引階層3のサプライヤ」が登録され、フィールド500iには「取引階層4のサプライヤ」が登録され、フィールド500jには「取引階層5のサプライヤ」が登録されるようになっている。
また、対応する取引階層のサプライヤが存在しない場合には、「空白」が登録される。例えば、フィールド500eに登録されている「チェーンコード」で特定されるサプライチェーンのうち、取引階層が「3」までしか無いサプライチェーンがある場合、そのサプライチェーンについては、フィールド500i、500jに「空白」が登録される。
【0134】
なお、フィールド500f、500g、500h、500i、500jに登録される「サプライヤを示す情報」に、上述した実施形態で用いたサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)を用いるようにしても良い。
【0135】
また、サプライチェーンのサプライヤに「商社」が入っているようなケースでは、1つのサプライチェーンの異なる取引階層に「商社」が2回存在するケースがある。このケースのサプライチェーンが登録されたサプライヤ製品情報データベース500の例を
図12に示す。
図12に示すサプライヤ製品情報データベース500では、図中の一番上にあるサプライチェーンでは、「取引階層1」及び「取引階層3」の両方に「商社Z」が登録されている。
なお、
図11、12に示すサプライヤ製品情報データベース500は、取引階層が5階層までのサプライチェーンを登録できるようになっているが、あくまでも一例である。サプライヤ製品情報データベース500のデータ構造は、アラート通知が提供される企業が製品の供給を受けているサプライチェーンの取引階層数に応じて、適宜設計されるものである。
例えば、当該企業が、10階層におよぶサプライチェーンから製品の供給を受けている場合、10階層のサプライヤが登録できるように、サプライヤ製品情報データベース500が設計される(
図11、12に示すものと比べて、レコードのフィールド数を5つ増やしたものになる)。
【0136】
《本変形例のデータリンク・通知部5の処理》
次に、本変形例のデータリンク・通知部5が行う処理について説明する。
本変形例では、
図7に示した処理のうち、S3~S7の処理と、S11~S15の処理とを変更している。以下、変更している部分を説明する。
【0137】
先ず、本変形例において、リスク情報に含まれるリスク内容(アラート理由)が、共通リスクワード(共通ワード)の場合の処理について説明する。
この場合、本変形例のデータリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース30にアクセスし、サプライヤ企業情報データベース30に登録されているサプライヤ企業情報のなかから、リスク情報に含まれる「位置情報(所在地情報)」が登録されているサプライヤ(サプライヤ企業名、サプライヤ工場名)を読み出す。この読み出したサプライヤがアラート対象先となる。ここでは、サプライヤ名として、「A-1-2-2」を読み出したとする。
【0138】
次に、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース500にアクセスし、サプライヤ製品情報データベース500登録されている情報のなかから、読み出したサプライヤ名(ここでは「A-1-2-2」)に対応付けられている「製品情報(製品番号、製品名、図面番号、使用材料)」と、「チェーンコード」及び「取引階層」とを読み出す。
図11の例では、「A-1-2-2」に対応付けられている各情報が読み出される
【0139】
次に、データリンク・通知部5は、読み出した各種情報を用いて、アラート通知情報を生成する。
具体的には、データリンク・通知部5は、読み出したリスク情報の「リスク内容(アラート理由)」に、このリスク内容に影響を受けるアラート対象先のサプライヤ(企業名及び工場名)と、上記の読み出したサプライヤ製品情報(製品名、製品番号、図面番号、使用材料)」と、「チェーンコード」及び「取引階層」とを対応づけたアラート通知情報を生成する。
【0140】
次に、データリンク・通知部5は、アラート通知データベース600に、生成したアラート通知情報を登録する。
なお、本変形例のアラート通知データベース600は、
図13に示すように、「アラート理由」を登録するためのフィールド600aと、「アラート対象先」を登録するためのフィールド600bと、「製品番号」を登録するためのフィールド600cと、「製品名」を登録するためのフィールド600dと、「図面番号」を登録するためのフィールド600eと、「チェーンコード」を登録するためのフィールド600fと、「取引階層」を登録するためのフィールド600gと、「使用材料」を登録するためのフィールド600hとを有するレコードにより構成されている。
【0141】
なお、データリンク・通知部5は、ユーザ端末151、152に提供するアラート通知に添付するCSVファイルとして、例えば、
図14に示す構成のCSVファイルを生成する。
具体的には、データリンク・通知部5は、アラート対象先である「A-1-2-2(
図11参照)」を含むサプライチェーンだけでは無く、
図14に示すように、読み出したサプライヤ(ここでは「A-1-2-2」)に対応付けられている「製品情報(製品番号、製品名、図面番号、使用材料)」の製品に関係しているサプライチェーンの情報も含んだCSVファイルを生成する。
【0142】
なお、上述した
図11に示す例では、「A-1-2-2」を含むサプライチェーンは、1系統だけであるが、「A-1-2-2」に対応付けられている「製品情報(製品番号、製品名、図面番号、使用材料)」の製品に関連するサプライチェーンは、全部で8系統ある。
本変形例では、リスクワードが共通リスクワードの場合、アラート通知に添付するCSVファイルに、リスク情報に含まれる「位置情報(所在地情報)」のサプライヤ(A-1-2-2)を含むサプライチェーン及び対応する製品情報だけでは無く、サプライヤ(A-1-2-2)に対応付けられている「製品情報(製品番号、製品名、図面番号、使用材料)」の製品に関係しているサプライチェーンの情報も含める。
【0143】
次に、本変形例において、リスク情報に含まれるリスク内容(アラート理由)が、特別リスクワード(特別ワード)の場合に行う処理について説明する。ここでは、アラート理由が「ステンレス不足」であるものとする。
【0144】
この場合、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース400にアクセスして、読み出したリスク情報に含まれる「特別リスクワード(ステンレス不足)」をキーにして、サプライヤ製品情報及びサプライチェーン情報を読み出す。
図11の例では、使用材料が「ステンレス」が登録されているレコードが全て読み出される。ここでは、製品情報(製品番号、製品名、図面番号、使用材料)と、対応するチェーンコードと、対応する8系統のサプライチェーン情報が読み出される。
【0145】
次に、データリンク・通知部5は、読み出した情報を用いて、アラート通知を生成して、アラート通知データベース600(
図13参照)に登録する。
ここでは、データリンク・通知部5は、読み出したリスク情報の「リスク内容(ステンレス不足)」に対応するアラート対象先を「広域サプライチェーン」とする。また、データリンク・通知部5は、「リスク内容(ステンレス不足)」に対応する取引階層を「空白」とする。
【0146】
そして、データリンク・通知部5は、「リスク内容(ステンレス不足)」に、アラート対象先(広域サプライチェーン)と、読み出した「製品名、製品番号、図面番号」と、読み出した「チェーンコード」と、「取引階層(空白)」と、使用材料(ステンレス)とを対応づけたアラート通知情報を生成する。
なお、データリンク・通知部5は、アラート通知に添付するCSVファイルとして、
図14に示す「アラート理由」を「ステンレス不足」に入れ替えたものを生成する。
【0147】
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態の災害危機管理システムについて
図15~
図18を用いて説明する。
ここで、
図15は、本発明の第2実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
図16は、本発明の第2実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知の内容を説明するための模式図である。
図17は、本発明の第2実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するために生成するサプライチェーン情報を示した模式図である。
図18は、本発明の第2実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知に添付する詳細情報が登録されたCSVファイルの例を示した模式図である。
【0148】
第2実施形態の災害危機管理システムは、第1実施形態の災害危機管理システムのサーバ1に設けられていた「サプライヤ企業情報データベース30及びサプライヤ製品情報データベース40」を、
図15に示す「サプライヤ製品情報データタベース700」に変更し、データリンク・通知部5の処理の手順を変更したものである。
なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成や相当する構成については、同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0149】
《第2実施形態のサプライヤ製品情報データベース700》
先ず、第2実施形態のサプライヤ製品情報データベース700のデータ構成について説明する。
サプライヤ製品情報データベース700は、アラート通知の送信先となる企業(サプライチェーンから製品(部品)の供給を受けている企業)が製造する製品毎に、「その製品の製造に用いる部品を供給しているサプライチェーンを構成しているサプライヤを特定し且つ当該サプライヤが属するサプライチェーン及び当該サプライチェーンにおける取引階層を特定するサプライヤ企業・取引階層コード」と、「当該サプライヤの企業名を含む企業情報」と、「当該サプライヤの位置情報」と、「当該サプライヤが供給している製品の製品情報(図面番号、使用材料)」とを対応付けて記憶しているデータベースである。
【0150】
具体的には、
図15に示すように、サプライヤ製品情報データベース700は、アラート通知の送信先の企業(製造業者)の工場を識別する「お客様工場コード」を登録するためのフィールド701と、「製品番号」を登録するためのフィールド702と、「製品名」を登録するためのフィールド703と、「チェーンコード(サプライチェーンコード)」を登録するためのフィールド704と、サプライチェーンを構成するサプライヤの「取引階層(外注順序)」を登録するためのフィールド705と、サプライヤを特定し且つサプライヤの属するサプライチェーン及びその取引階層を特定する「サプライヤ企業・取引階層コード」を登録するためのフィールド706と、「サプライヤの企業名」を登録するためのフィールド707と、「サプライヤの拠点(位置情報)」を登録するためのフィールド708と、サプライヤが供給している製品(部品)の「図面番号(製品情報)」を登録するためのフィールド709と、サプライヤが供給している製品(部品)の使用材料を登録するためのフィールド710とを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0151】
なお、フィールド702、703に登録される「製品番号、製品名」は、アラート通知の送信先の企業(製造業者)が、サプライチェーンから供給された部品を用いて製造する製品(例えば、完成品)の「製品番号、製品名」である。
また、フィールド704に登録されるチェーンコードは、サプライチェーンを識別するための一意の情報であり、例えば、英数字により構成される。
【0152】
また、フィールド706に登録される「サプライヤ企業・取引階層コード」は、サプライヤを特定し且つそのサプライヤが属するサプライチェーン及びそのサプライチェーンにおける取引階層を特定するコードである。
図示する例では、アルファベットだけの「サプライヤ企業・取引階層コード(A、B、C等)」は、サプライチェーンの取引階層が「1」のサプライヤに付与されるコードになっている。
また、アルファベットに数字が1個だけついている「サプライヤ企業・取引階層コード(A-1、A-2、B-1等)」は、サプライチェーンの取引階層が「2」のサプライヤに付与されるコードであり、自身の属するサプライチェーンにおける自身よりも1つ上のサプライヤの「サプライヤ企業・取引階層コード」に「数字」が付加されている。例えば、「サプライヤ企業・取引階層コード」が「B-1」であれば、自身の属するサプライチェーンにおける自身よりも1つ上のサプライヤの「サプライヤ企業・取引階層コード」が「B」になる。
また、アルファベットに数字が2個ついている「サプライヤ企業・取引階層コード(A-1-1、A-2-1、B-1-2等)」は、サプライチェーンの取引階層が「3」のサプライヤに付与されるコードであり、自身の属するサプライチェーンにおける自身よりも1つ上のサプライヤの「サプライヤ企業・取引階層コード」に「数字」が付加されている。例えば、「サプライヤ企業・取引階層コード」が「A-2-1」であれば、自身の属するサプライチェーンにおける自身よりも1つ上のサプライヤの「サプライヤ企業・取引階層コード」が「A-2」になる。
また、、アルファベットに数字がn個だけついている「サプライヤ企業・取引階層コード」は、サプライチェーンの取引階層が「n+1」のサプライヤに付与されるコードであり、自身の属するサプライチェーンにおける自身よりも1つ上のサプライヤの「サプライヤ企業・取引階層コード」に「数字」が付加されている。
【0153】
そして、サプライヤ製品情報データベース700に、上記のようなデータ構造の「サプライヤ企業・取引階層コード」を設けたことで、この「サプライヤ企業・取引階層コード」を参照することで、各サプライチェーンの構成が把握できるようになっている。
例えば、「サプライヤ企業・取引階層コード:A」のサプライヤと、「サプライヤ企業・取引階層コード:A-1」のサプライヤと、「サプライヤ企業・取引階層コード:A-1-1」のサプライヤと、「サプライヤ企業・取引階層コード:A-1-1-1」のサプライヤは、同じサプライチェーンに属するサプライヤになる。その関係は、「A-1-1-1」⇒「A-1-1」⇒「A-1」⇒「A」⇒「アラート通知を受ける企業」となる。
また、例えば、「サプライヤ企業・取引階層コード:A」のサプライヤと、「サプライヤ企業・取引階層コード:A-1」のサプライヤと、「サプライヤ企業・取引階層コード:A-1-2」のサプライヤと、「サプライヤ企業・取引階層コード:A-1-2-2」のサプライヤは、同じサプライチェーンに属するサプライヤになる。その関係は、「A-1-2-2」⇒「A-1-2」⇒「A-1」⇒「A」⇒「アラート通知を受ける企業」となる。
【0154】
また、図示する例では、フィールド707「企業名」にひらがなの一文字が記載されているが、実際には、「エスケー 沼津工場」などのサプライヤの企業名(或いは「企業名及び工場名」)が登録される。
また、図示する例では、フィールド708に登録される「企業の拠点(住所等の位置情報)」にカタカナの一文字が記載されているが、実際には、「静岡県沼津市・・・」等の住所等の位置情報が登録される。
また、
図15に示す例では、取引階層が「5」までのサプライチェーンの情報が登録できるようになっているが、あくまでもこれは一例に過ぎない。
【0155】
《第2実施形態のデータリンク・通知部5の処理》
続いて、第2実施形態のデータリンク・通知部5が行う「アラート通知及びアラート通知詳細情報」を生成する処理について説明する。
【0156】
ここでは、アラートデータベース50から読み出したリスク内容(アラート理由)が、共通リスクワード(共通ワード)の場合の例で説明する。具体的には、リスク情報の「リスク内容(アラート理由)」が「河川決壊」であり、「位置情報(所在地情報)」が「ソ(住所)」であり、「日時情報:〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分」であったとする。
【0157】
この場合、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース700にアクセスし、リスク情報に含まれる「位置情報」に対応する「拠点(位置情報)」のサプライヤが登録されているレコードを読み出す。
図15に示す例では、「位置情報」に「ソ」が登録されている登録されている「拠点(位置情報)」のサプライヤとして「サプライヤ企業・取引階層コード:A-1-2-2」、「サプライヤ企業名:り」、「図面番号:図面999」、「使用材料:材料NNN」が登録されているレコードが読み出される。
この読み出したリスク情報に含まれる「位置情報」に対応する「拠点(位置情報)」のサプライヤがアラート対象先(リスク情報により影響を受けると推測されるサプライヤ)となる。すなわち、「企業名:り」のサプライヤがアラート対象先となる。
【0158】
また、データリンク・通知部5は、アラートデータベース50から読み出したリスク情報と、サプライヤ製品情報データベース700から読み出したレコードに登録されている情報とを用いて、アラート通知を生成する。
第2実施形態では、データリンク・通知部5は、アラート通知として、
図16に例示する内容のものを生成する。このアラート通知には、リクス情報のリスク内容(アラート理由)と、アラート対象先企業名(サプライヤの企業名(企業情報))と、アラート対象先拠点(位置情報)と、アラート対象先企業の取引階層と、アラート対象先企業が属するサプライチェーンのチェーンコードと、アラート通知の送信先の企業が製造する製品の「製品番号及び製品名」と、アラート対象先企業が供給している製品(部品)の製品情報(図面番号及び使用材料)とが含まれている。
【0159】
また、データリンク・通知部5は、アラート通知を生成すると、ユーザ端末151、152に対して、アラート通知とともに提供するためのアラート通知詳細情報を生成する。
このアラート通知詳細情報は、アラート理由により影響を受けるサプライヤが属するサプライチェーンの情報(影響を受けるサプライヤが属するサプライチェーンと企業との関係を示す情報)だけではなく、アラート通知の送信先の企業が、アラート理由により影響を受けるサプライチェーンから供給される製品(部品)を用いて製造している製品に関連する他のサプライチェーンの情報も付加されている。
【0160】
具体的には、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース700にアクセスして、アラート通知に含まれている「製品番号及び製品名」が登録されているレコードを全て読み出す。
図15に示す例では、上記のアラート通知(
図16参照)に含まれている「製品番号及び製品名」が「SG3001RV、精密減速機RV」が登録されてる20個のレコードが読み出される。
【0161】
また、データリンク・通知部5は、読み出した20個のレコードを用いて「アラート通知に含まれている「製品番号及び製品名」の製品の製造に関連する各サプライチェーンを構成するサプライヤ名及び各サプライヤが供給している製品の「図面番号、使用材料」を示した「サプライチェーン情報」を生成する。
「サプライチェーン情報」は、読み出した各レコードの「サプライヤ企業・取引階層コード」をキーにして、サプライチェーン毎にグループ分けして、それぞれのサプライチェーンについて、取引階層順に「サプライヤ企業・取引階層コード、企業名、拠点(位置情報)、図面番号、製品(部品)の使用材料」を並べて関連付けたものであり、例えば、
図17に示すように構成されている。
図17に示すサプライチェーン情報を見ると、アラート通知の送信先の企業の製品の製造に関連する製品(部品)を供給している各サプライチェーンの構成(アラート通知の送信先の企業までに至るサプライチェーンの構成)と、サプライチェーンを構成する各サプライヤの「企業名、拠点(位置情報)、図面番号、製品(部品)の使用材料」を把握できる。
【0162】
また、データリンク・通知部5は、
図18に示すように、「アラート理由」と、「アラート対象先企業名(サプライヤの企業名)」と、「アラート対象先拠点(位置情報)」と、「アラート対象先企業の取引階層」と、アラート通知の送信先の企業が製造する製品の「製品番号及び製品名」と、「チェーンコード」と、上記の作成した「サプライチェーン情報」とを対応付けた「アラート通知詳細情報」を生成する。この「アラート通知詳細情報」は、例えば、CSV形式のデータ(CSVファイル)で生成することができる。
【0163】
そして、データリンク・通知部5は、ユーザ端末151、152に対して、CSVファイルで生成された「アラート通知詳細情報」が添付されたアラート通知を提供する。
この構成によれば、アラート通知及びアラート通知詳細情報が提供された企業の担当者(サプライヤから製品(部品)の供給を受けて製品を生産している企業の担当者)は、アラート通知及びCSVファイルで生成されたアラート通知詳細情報を参照することで、災害やトラブルが発生した場合に、どのサプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)が影響を受けているかの情報や、生産が停止している製品(部品)に関する情報を早期に把握することができる。
【0164】
また、第2実施形態では、
図18に示すアラート通知詳細情報に示すように、アラート理由により影響を受けると推測されるサプライヤを有するサプライチェーンの情報だけではなく、アラート理由により影響を受けるサプライチェーンから供給される製品(部品)を用いて製造している製品に関連する他のサプライチェーンの情報も取得することができる。
したがって、第2実施形態によれば、アラート通知及びアラート通知詳細情報が提供された企業の担当者は、代替可能なサプライチェーンの検討も行うことができる。
【0165】
なお、上記の説明では、アラート理由が共通ワードの場合について述べたが、アラートデータベース50から読み出したリクス情報のアラート理由が、特別リスクワード(特別ワード)の場合は、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース700にアクセスして、使用材料に特別ワードが登録されているレコードを読み出す。具体的には、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース700にアクセスして、フィールド710に、特別ワード(半導体等の特別ワード)が登録されているレコードを読み出す。
【0166】
また、1つのサプライチェーンの異なる取引階層に、同じサプライヤが存在するケースがある。この場合、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース700から読み出したレコードから、
図19に示すような「サプライチェーン情報」を生成する。図示する「サプライチェーン情報」の一番上のレコードでは、取引階層が1のサプライヤと、取引階層が3のサプライとが同じ会社(図示する例では、商社Z)になっている。
ここで、
図19は、本発明の第2実施形態において、1つのサプライチェーンの異なる取引階層に、同じサプライヤが存在するケースを説明するための模式図である。
なお、サプライヤ企業・取引階層コードは、サプライヤが属するサプライチェーン及びその階層を特定するコードであるため、同じ会社(図示する例では、商社Z)でもサプライチェーンの取引階層に応じた異なるコードが付与される。
また、図示する例では、同じ会社が商社である場合を示しているが、商社以外の業態の会社が、1つのサプライチェーンの異なる取引階層に複数存在するケースもある。
【0167】
《第3実施形態》
次に、本発明の第3実施形態の災害危機管理システムについて
図20~
図21を用いて説明する。
ここで、
図20は、本発明の第3実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ企業情報データベースを示した模式図である。
図21は、本発明の第3実施形態の災害危機管理システムがユーザ端末に提供するアラート通知の内容を説明するための模式図である。
【0168】
第3実施形態の災害危機管理システムは、サプライヤ企業情報に、「代替可能なサプライヤ」及び「サプライヤのリスク度係数」を対応付けて管理し、アラート通知に「代替可能なサプライヤ」及び「リスク度係数」を含めるようにしたものである。
具体的には、第3実施形態の災害危機管理システムは、第1実施形態の災害危機管理システムのサーバ1に設けられていた「サプライヤ企業情報データベース30」を、
図20に示す「サプライヤ企業情報データベース31A」に変更し、アラート通知に「代替可能なサプライヤ(サプライヤの企業名)」及び「リスク度係数」を付加するようにしたものである。
なお、第3実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成や相当する構成については、同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0169】
《第3実施形態のサプライヤ企業情報データベース31A》
先ず、第3実施形態のサプライヤ企業情報データベース31Aのデータ構成について説明する。
サプライヤ企業情報データベース31Aは、アラート通知の送信先の企業に製品(部品)を供給しているサプライヤのサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)、サプライヤの企業情報(企業名及び工場名)、サプライヤの所在地(位置情報)、サプライヤの取引区分、サプライチェーンにおけるサプライヤの取引階層(階層情報)、上位サプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)、代替可能なサプライヤ情報、リスク度係数等が登録されているデータベースである。
【0170】
具体的には、サプライヤ企業情報データベース31Aは、
図20に示すように、「お客様コード」を登録するためのフィールド31aと、「お客様工場名」を登録するためのフィールド31bと、「サプライヤ企業コード」を登録するためのフィールド31cと、「サプライヤ工場コード」を登録するためのフィールド31dと、「サプライヤ企業名」を登録するためのフィールド31eと、「サプライヤ工場名」を登録するためのフィールド31fと、「サプライヤ工場の所在地(位置情報)」を登録するためのフィールド31gと、「サプライヤの取引区分」を登録するためのフィールド31hと、「サプライヤの取引階層」を登録するためのフィールド31iと、「上位サプライヤ企業コード」を登録するためのフィールド31jと、「上位サプライヤ工場コード」を登録するためのフィールド31kと、「代替サプライヤ企業コード 1」を登録するためのフィールド31lと、「代替サプライヤ工場コード 1」を登録するためのフィールド31mと、「代替サプライヤ企業コード 2」を登録するためのフィールド31nと、「代替サプライヤ工場コード 2」を登録するためのフィールド31оと、「リスク度係数」を登録するためのフィールド31pとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0171】
フィールド31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h、31iに登録される「お客様コード、お客様工場名、サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード、サプライヤ企業名、サプライヤ工場名、所在地、取引区分、取引階層」は、第1実施形態のサプライヤ企業情報データベース30(
図4参照)のフィールド30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g、30h、30iに登録される情報と同じである。
また、フィールド31j、31kに登録される「上位サプライヤ企業コード、上位サプライヤ工場コード」は、第1実施形態のサプライヤ企業情報データベース30(
図4参照)のフィールド30l、30mに登録される情報と同じである。
【0172】
また、フィールド31l、31mに登録される「代替サプライヤ企業コード 1、代替サプライヤ工場コード 1」は、フィールド31c、31dに登録されるサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)のサプライヤと代替可能な第1のサプライヤを識別するサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)である。
また、フィールド31n、31оに登録される「代替サプライヤ企業コード 2、代替サプライヤ工場コード 2」は、フィールド31c、31dに登録されるサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)のサプライヤと代替可能な第2のサプライヤを識別するサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)である。
【0173】
フィールド31pに登録される「リスク度係数」は、フィールド31c、31dに登録されるサプライヤ識別情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)により特定されるサプライヤのリスクを評価した値であり、例えば、1~100の数値が付けられている。
リスク度係数は、アラート通知の送信先の企業が評価して、サプライヤ毎に付けた値であり、数値が高いほど、リスクが高いことを示している。例えば、所在地が洪水多発地帯にあるサプライヤには、高いリスク度係数が付けられる。また、例えば、アラート通知の送信先の企業への部品供給量が多いサプライヤや、代替先が少ないサプライヤには、高いリスク度係数が付けられる。また、例えば、代替先が多いサプライヤには、低いリスク度係数が付けられる。
【0174】
《第3実施形態のデータリンク・通知部5の処理》
続いて、第3実施形態のデータリンク・通知部5の処理について説明する。
【0175】
第3実施形態のデータリンク・通知部5は、第1実施形態のアラート通知生成処理と略同様の処理を行うが、「アラート通知」を生成する際、以下の処理も行う。
【0176】
具体的には、データリンク・通知部5は、アラート通知生成処理の際に、上述した第1実施形態と略同様の処理に加えて、サプライヤ企業情報データベース31Aを参照して、アラート対象先企業に対応付けられた「代替サプライヤ識別情報(第1の代替サプライヤ識別情報、第2の代替サプライヤ識別情報)」及び「リスク度係数」を読み出す。
例えば、
図20において、アラート対象先企業が「エスケー 沼津工場」であったとする。この場合、データリンク・通知部5は、「エスケー 沼津工場」に対応付けられている「代替サプライヤ識別情報」として、「サプライヤ企業コード:100001、サプライヤ工場コード:001」及び「サプライヤ企業コード:900003、サプライヤ工場コード:001」を読み出す。
また、この場合、データリンク・通知部5は、「エスケー 沼津工場」に対応付けられている「リスク度係数」として「62」を読み出す。
【0177】
また、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース31Aを参照し、読み出した代替サプライヤ識別情報により特定されるサプライヤ名(サプライヤ企業名、サプライヤ工場名)を読み出す。
上記の例に従うと、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース31Aを参照し、「代替サプライヤ名」として、フィールド31c、31dに、「サプライヤ企業コード:100001、サプライヤ工場コード:001」が登録されたレコードにあるサプライヤ名である「鈴木産業 大和工場」を読み出す。また、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業情報データベース31Aを参照し、「代替サプライヤ名」として、フィールド31c、31dに、「サプライヤ企業コード:900003、サプライヤ工場コード:001」が登録されたレコードにあるサプライヤ名である「エムズ 甲府工場」を読み出す。
【0178】
そして、第3実施形態では、データリンク・通知部5は、アラート通知として、上述した第1実施形態のアラート通知の内容に、上記の処理で読み出した「代替サプライヤ名」及び「リスク度係数」を付加した、
図21に示すアラート通知を生成する。
例えば、
図21に例示するように、アラート通知には、リクス情報のリスク内容(アラート理由)と、アラート対象先のサプライヤ名(エスケー 沼津工場)と、アラート対象先のサプライヤが属するサプライチェーンとアラート通知を受ける企業との関係を示すサプライチェーン情報(当社との関係)と、アラート対象先のサプライヤが供給する製品情報(製品名、製品番号、図番、使用材料)と、第1の代替サプライヤ名(鈴木産業 大和工場)と、第2の代替サプライヤ名(エムズ 甲府工場)と、リスク度係数(62)とが含まれている。
【0179】
また、データリンク・通知部5は、ユーザ端末151、152に対して、
図21に例示するアラート通知を送信し、ユーザ端末151にアラート通知を表示させる。
【0180】
このように第3実施形態においても、第1実施形態と同様、サプライヤから製品(部品)の供給を受けて製品を生産している企業に対して、実際に、想定外の災害やトラブルが発生した場合に、どのサプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)が影響を受けているかについての情報や、生産が停止している製品(部品)に関する情報を早期に提供することができる。その結果、第3実施形態によれば、災害やトラブルが発生した際に、製造メーカ等の企業は、災害やトラブル等のリスクに対して、速やかに対策を講じることができる。
さらに、第3実施形態によれば、アラート通知に、代替サプライヤ名が提示されているので、アラート通知が送信される企業(製造業者)の担当者は、想定外の災害やトラブルが発生した場合に影響を受けるサプライヤの代替となるサプライヤを直ぐに把握することができる。
また、第3実施形態によれば、アラート通知に、リスク度係数が提示されている。そのため、アラート通知が送信される企業(製造業者)の担当者に対して、発生したリスクに対する企業にとっての深刻度合いを認識させることができる。
【0181】
なお、第3実施形態では、第1実施形態の災害危機管理システムのサーバ1に設けられていた「サプライヤ企業情報データベース30」の構成を、
図20に示す「サプライヤ企業情報データベース31A」に変更し、アラート通知に「代替可能なサプライヤ(サプライヤの企業名)」及び「リスク度係数」を付加しているが、特にこれに限定されるものではない。
上述した第2実施形態のサプライヤ製品情報データベース700の各レコードに代替可能なサプライヤ(サプライヤの企業名)」を登録するフィールドと、「リスク度係数」を登録するフィールドとを付加するようにしても良い。この構成によれば、第2実施形態のアラート通知にも「代替可能なサプライヤ(サプライヤの企業名)」及び「リスク度係数」を含めることができる。
【0182】
《第3実施形態の変形例》
また、上記の第3実施形態では、第1実施形態の「サプライヤ企業情報データベース30」に代替可能なサプライヤ情報(サプライヤ企業コード、サプライヤ工場コード)」及び「リスク度係数」を付加したが、例えば、
図22に示すように、第1実施形態の「サプライヤ企業情報データベース30」に「リスク度係数」だけを付加した構成にしても良い。
なお、
図22は、第3実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサプライヤ企業情報データベースを示した模式図である。
【0183】
図22に示すサプライヤ企業情報データベース31Bは、
図20に示すサプライヤ企業情報データベース31Aのレコードから、フィールド31l、31m、31n、31оを削除した構成になっている。
第3実施形態の変形例では、アラート通知に、代替サプライヤ名が提示されないが、リスク度係数が提示されるようになる。この変形例においても、アラート通知が送信される企業(製造業者)の担当者に対して、発生したリスクに対する企業にとっての深刻度合いを認識させることができる。
【0184】
また、上述した第3実施形態では、サプライヤ企業情報データベース31Aのサプライヤに対して「リスク度係数」を対応付けて記憶させておき、アラート通知に「アラート対象先のサプライヤのリスク度係数」を含めるようにしているが、特にこれに限定するものではない。サプライヤ製品情報データベース40(
図5参照)のサプライヤが供給する製品(部品)に、リスク度係数を対応付けて記憶させておき、アラート通知に「アラート対象先のサプライヤが供給する製品のリスク度係数」を含めるようにしても良い。
この場合の「リスク度係数」は、フィールド40gに登録される製品番号により特定される製品のリスクを評価した値であり、例えば、1~100の数値が付けられている。
また、商品に付与するリスク度係数は、サプライヤ毎に付与するリスク度係数と同様、アラート通知の送信先の企業が評価して、製品毎に付けた値であり、数値が高いほど、リスクが高いことを示している。
【0185】
《第4実施形態》
次に、本発明の第4実施形態の災害危機管理システムについて
図23を用いて説明する。
ここで、
図23は、本発明の第4実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。
第4実施形態の災害危機管理システムは、第2実施形態の災害危機管理システムのサーバ1に設けられていた「サプライヤ製品情報データタベース700(
図15参照)」を、
図23に示す「サプライヤ製品情報データタベース750」に変更し、データリンク・通知部5が行うアラート通知処理の一部を変更したものである。
なお、第4実施形態の説明では、第2実施形態と同じ構成や相当する構成については、同じ符号を付して説明を省略し、第2実施形態と異なる部分だけを説明する。
【0186】
《第4実施形態のサプライヤ製品情報データベース750》
先ず、第4実施形態のサプライヤ製品情報データベース750のデータ構成について説明する。
サプライヤ製品情報データベース750は、第2実施形態のサプライヤ製品情報データベース700に、さらに、代替サプライヤ情報(第1の代替サプライヤ、第2の代替サプライヤ)と、2種類のリスク度係数(サプライヤのリスクを示すサプライヤ・リスク度係数、サプライヤが供給している製品のリスクを示す製品・リスク度係数)とを付加したデータベースである。
【0187】
具体的には、サプライヤ製品情報データベース750は、「お客様工場コード」を登録するためのフィールド701と、「製品番号」を登録するためのフィールド702と、「製品名」を登録するためのフィールド703と、「チェーンコード」を登録するためのフィールド704と、「取引階層(外注順序)」を登録するためのフィールド705と、「サプライヤ企業・取引階層コード」を登録するためのフィールド706と、「サプライヤの企業名」を登録するためのフィールド707と、「サプライヤの拠点(位置情報)」を登録するためのフィールド708と、サプライヤが供給している製品(部品)の「図面番号」を登録するためのフィールド709と、「使用材料」を登録するためのフィールド710と、「代替サプライヤ1(第1の代替サプライヤ情報)」を登録するためのフィールド711と、「代替サプライヤ2(第2の代替サプライヤ情報)」を登録するためのフィールド712と、「サプライヤ・リスク度係数」を登録するためのフィールド713と、「製品・リスク度係数」を登録するためのフィールド714とを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0188】
また、フィールド711に登録される「代替サプライヤ1(第1の代替サプライヤ情報)」は、フィールド706、707に登録されている情報により特定される「サプライヤ」と代替可能な第1のサプライヤの企業名を含む企業情報である。
また、フィールド712に登録される「代替サプライヤ2(第2の代替サプライヤ情報)」は、フィールド706、707に登録されている情報により特定される「サプライヤ」と代替可能な第2のサプライヤの企業名を含む企業情報である。
【0189】
また、フィールド713に登録される「サプライヤ・リスク度係数」は、フィールド706、707に登録されている情報により特定される「サプライヤ」のリスクを評価した値であり、上述した第3実施形態の災害危機管理システムのサプライヤ企業情報データベース31A(
図20参照)のフィールド31pに登録される「リスク度係数」と同じものである。
【0190】
また、フィールド713に登録される「製品・リスク度係数」は、フィールド706、707に登録されている情報により特定される「サプライヤ」が供給する製品のリスクを評価した値であり、例えば、1~100の数値が付けられている。
例えば、半導体のように品薄になる傾向の製品や、製造している企業が限定される製品に対して、高い値の「製品・リスク度係数」が付けられる。また、例えば、代替先のサプライヤから容易に入手できる製品に対して、低い値の「製品・リスク度係数」が付けられる。
【0191】
《第4実施形態のデータリンク・通知部5の処理》
続いて、第4実施形態の災害危機管理システムのデータリンク・通知部5が行う「アラート通知」を生成する処理について説明する。
【0192】
第4実施形態の災害危機管理システムのデータリンク・通知部5は、上述した第2実施形態と同様、アラートデータベース50からリスク情報を読み出し、サプライヤ製品情報データベース750にアクセスして、その読み出したリクス情報に対応するサプライヤが登録されているレコードを読み出す。
【0193】
例えば、読み出したリスク情報の「リスク内容(アラート理由)」が「河川決壊」であり、「位置情報(所在地情報)」が「ケ(住所)」であり、「日時情報:〇〇年〇〇月〇〇日〇〇時〇〇分」であったとする。
この場合、
図23に示す例では、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース750にアクセスし、リスク情報に含まれる「位置情報」に対応する「拠点(位置情報)がケ」のサプライヤが登録されているレコードを読み出す。具体的には、「拠点(位置情報)」に「ケ」が登録されている登録されているサプライヤとして「サプライヤ企業・取引階層コード:A-1-2」、「サプライヤ企業名:ほ」、「図面番号:図面999」、「使用材料:材料NNN」、「代替サプライヤ1:BD」、「代替サプライヤ2:CA」、「サプライヤ・リスク度係数:30」、「製品・リスク度係数:40」が登録されているレコードが読み出される。
なお、「企業名:ほ」のサプライヤがアラート対象先となる。
【0194】
次に、データリンク・通知部5は、アラートデータベース50から読み出したリスク情報と、サプライヤ製品情報データベース750から読み出したレコードに登録されている情報とを用いて、アラート通知を生成する。
第4実施形態では、データリンク・通知部5は、第2実施形態のアラート通知に、さらに、「第1の代替サプライヤの企業情報(企業名を含む企業情報)」、「第2の代替サプライヤの企業情報(企業名を含む企業情報)」、「サプライヤ・リスク度係数」及び「製品・リスク度係数」が付加されたものを生成する。
【0195】
また、データリンク・通知部5は、アラート通知を生成すると、第2実施形態と同様、ユーザ端末151、152に対して、アラート通知とともに提供するためのアラート通知詳細情報を生成する。
その後、データリンク・通知部5は、ユーザ端末151、152に対して、「アラート通知詳細情報」が添付されたアラート通知を提供する。
【0196】
このように、第4実施形態では、第2実施形態のアラート通知に、さらに、「第1の代替サプライヤの企業情報(企業名を含む企業情報)」、「第2の代替サプライヤの企業情報(企業名を含む企業情報)」、「サプライヤ・リスク度係数」及び「製品・リスク度係数」が付加されている。
したがって、第4実施形態によれば、第3実施形態と同様、アラート通知が送信される企業(製造業者)の担当者は、想定外の災害やトラブルが発生した場合に影響を受けるサプライヤの代替となるサプライヤを直ぐに把握することができる。
また、第4実施形態では、アラート通知に、アラート対象先のサプライヤのリスクを示す「サプライヤ・リスク度係数」と、そのサプライヤが供給している製品のリスクを示す「製品・リスク度係数」が含まれている。
そのため、アラート通知が送信される企業(製造業者)の担当者に対して、アラート対象先となっているサプライヤと、そのサプライヤの供給している製品を考慮した、リスクに対する企業にとっての深刻度合いを認識させることができる。
【0197】
《第5実施形態》
次に、本発明の第5実施形態の災害危機管理システムについて
図24~36を用いて説明する。
【0198】
第5実施形態の災害危機管理システムは、第1実施形態の災害危機管理システムのサーバ1の記憶部7に設けられていた「サプライヤ企業情報データベース30及びサプライヤ製品情報データベース40」を
図24、25に示す「サプライヤ製品情報データタベース800」に変更している。
また、第5実施形態のの災害危機管理システムは、サーバ1の記憶部7に、新たに、
図26~33に示す「サプライチェーンデータベース850」と、
図34に示す「サプライヤ企業マスタデータベース900」を付加し、データリンク・通知部5の処理の手順を変更している。
なお、第5実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成や相当する構成については、同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0199】
《第5実施形態のサプライヤ製品情報データベース800》
先ず、
図24~25を用いて、第5実施形態のサプライヤ製品情報データベース800の構成について説明する。
ここで、
図24~25は、本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ製品情報データベースを示した模式図である。なお、
図24~25に示す「サプライヤ製品情報データベース800」は、1つのデータベースであるが、紙面のスペースの都合で、2頁に分けて記載している。
【0200】
サプライヤ製品情報データベース800は、アラート通知の送信先となる企業(サプライチェーンで製造された部品の供給を受けている企業)が仕入れている部品(製品)の「品目名を含む部品情報(品目コード、品目名、図面番号)」毎に、その部品の「仕入れ先企業情報(仕入先コード、仕入先企業名)」と、その部品の「リスク度係数」と、その部品を生産しているサプライチェーンを識別する「チェーンコード」と、「チェーンコード」により特定されるサプライチェーンを構成する「サプライヤの企業名を含む企業情報(サプライヤ識別情報及びサプライヤ企業名)」と、当該サプライヤが担当している「工程情報(工程区分、工程名称)」と、当該サプライヤの「取引階層」と、当該サプライヤの「位置情報(都道府県名、市町村名、住所)」と、「当該サプライヤが供給している製品の製品情報(使用材料)」と、「当該サプライヤのリスク度係数」とを対応付けて記憶しているデータベースである。
なお、第5実施形態では、アラート通知の送信先となる企業は、各サプライチェーンにより生産された部品を、仕入先企業(
図24の例では、AB産業株式会社、CD工業株式会社)から仕入れて、当該部品を用いて製品を生産しているケースを示している。
【0201】
具体的には、
図24、25に示すように、サプライヤ製品情報データベース800は、アラート通知の送信先となる企業が供給を受けている部品(製品)を識別する「品目コード」を登録するためのフィールド801と、この「品目コード」により特定される部品の「品目名(部品名)」を登録するためのフィールド802と、この「品目コード」により特定される部品の「図面番号」を登録するためのフィールド803と、この部品の仕入れ先・企業を識別する「仕入先コード」を登録するためのフィールド804と、この「仕入先コード」により特定される「仕入れ先名(企業名)」を登録するためのフィールド805と、当該部品の「リスク度係数」を登録するためのフィールド806と、当該部品を供給するサプライチェーンを識別する「チェーンコード」を登録するためのフィールド807と、当該チェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成するサプライヤを識別するサプライヤ識別情報を登録するためのフィールド808と、当該サプライヤ識別情報により特定されるサプライヤの「サプライヤ企業名」を登録するためのフィールド809と、当該サプライヤが担当している「工程区分」を登録するためのフィールド810と、当該サプライヤが担当している「工程名称」を登録するためのフィールド811と、当該サプライヤの「取引階層」を登録するためのフィールド812と、当該サプライヤの所在地の「都道府県名」を登録するためのフィールド813と、当該サプライヤの所在地の「市区町村名」を登録するためのフィールド814と、当該サプライヤの所在地を示す「住所」を登録するためのフィールド815と、部品を生産するための「使用材料」を登録するためのフィールド816、817、818と、当該サプライヤの「リスク度係数」を登録するためのフィールド819とを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0202】
なお、フィールド806に登録される「リスク度係数(部品リスク度係数)」は、フィールド801により特定される部品(製品)のリスクを評価した値であり、例えば、1~100の数値が付けられている。例えば、品薄になる傾向の部品や、製造しているサプライチェーンが限定される部品に対して、高い値の「リスク度係数」が付けられる。また、例えば、代替先のサプライチェーンから容易に入手できる製品に対して、低い値の「リスク度係数」が付けられる。
【0203】
また、フィールド807に登録される「チェーンコード」は、サプライチェーンを識別する一意の情報であり、英数字記号等で構成されている。
フィールド808に登録される「サプライヤ識別情報」は、サプライヤを識別する一意の情報であり、英数字記号等で構成されている。このサプライヤ識別情報には、第1実施形態と同様、「サプライヤ企業コード及びサプライヤ工場コード」を組み合わせたものを用いることができる。この場合、サプライヤ識別情報によりサプライヤ企業及び工場が特定される。
【0204】
フィールド810に登録される「工程区分」は、サプライチェーンを構成するサプライヤが担当している工程区分を特定するための情報であり、図示する例では、「1」が「加工」、「2」が素材を示している。
フィールド811に登録される「工程名称」は、「加工」、「ロー付け」、「鋳造」等の具体的な工程の名称である。
【0205】
フィールド812に登録される「取引階層」は、フィールド808により特定されるサプライヤの自身が属するサプライチェーンにおける「階層」を示している。図示する例では、説明を簡略化するために、「取引階層」を3つだけ示しているが、実際には、階層が3つより多い(例えば、6階層のサプライチェーンであれは、階層が6になる)ことが一般的である。
【0206】
フィールド813、814、815には、それぞれ、「所在地の都道府県」、「所在地の市区町村」、「所在地の住所」が登録されているが、このようにしているのは、リスク情報抽出装置100が抽出するリスク情報の位置情報が、「都道府県」単位であったり、「市区町村単位」である場合を考慮したものである。このように、「都道府県」単位及び「市区町村単位」のデータを登録しておくことで、リスク情報の位置情報からアラート対象先のサプライヤを選定する際の処理速度を速めることができる。
【0207】
フィールド816、817、818は、フィールド808により特定されるサプライヤが用いる使用材料が登録される。図示する例では、一例として、3種類の材料が登録できるようになっているが、特にこれに限定されるものではない。登録できる材料の種類は、適宜設計されるものである(例えば、フィールド数を増やして、4以上の材料を登録できるようにすることができる)。
【0208】
フィールド819に登録される「リスク度係数(サプライヤリスク度係数)」は、フィールド808により特定されるサプライヤのリスクを評価した値であり、例えば、1~100の数値が付けられている。
【0209】
《第5実施形態のサプライチェーンデータベース850》
次に、サプライチェーンデータベース850の構成について、
図26~33を用いて説明する。
ここで、
図26~33は、本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライチェーンデータベースを示した模式図である。なお、
図26~33に示す「サプライチェーンデータベース850」は、1つのデータベースであるが、紙面のスペースの都合で、8頁に分けて記載している。
【0210】
上述した第2実施形態では、データリンク・通知部5が、アラート通知を生成した後、さらに、サプライヤ製品情報データベース700(
図15参照)から対応するレコードを読み出し、その読み出したレコードに登録されている情報を用いて、アラート通知の対象となっている「製品番号及び製品名」の製品(部品)に関連する各サプライチェーンの構成を示した「サプライチェーン情報」を生成している。
第5実施形態では、データリンク・通知部5の処理負担を軽減させるために、予め、サーバ1の記憶部7に、サプライチェーン情報を記憶させたサプライチェーンデータベース850を設けるようにしている。この構成により、データリンク・通知部5が、アラート通知を生成する際に、アラート通知に関連するサプライチェーン情報を生成する処理を行う必要がなくなる。
【0211】
第5実施形態のサプライチェーンデータベース850は、アラート通知の送信先となる企業が供給を受けている部品情報毎に、当該部品を供給しているサプライチェーンの構成を示すサプライチェーン情報を対応付けて記憶しているデータベースである。また、サプライチェーンデータベース850には、代替先となるサプライチェーン情報(代替先のサプライチェーンを構成するサプライヤの企業名)も登録されている。
サプライチェーンデータベース850の情報を参照することで、各サプライチェーンの構成と、各サプライヤの位置情報と、各サプライヤの工程情報と代替先となるサプライチェーン情報を把握することができる。
【0212】
具体的には、
図26~33に示すように、サプライチェーンデータベース850は、アラート通知の送信先となる企業が仕入れている部品の仕入れ先・企業を識別する「仕入先コード」を登録するためのフィールド850aと、この「仕入先コード」により特定される「仕入れ先名(企業名)」を登録するためのフィールド850bと、アラート通知の送信先となる企業が仕入れている部品(製品)の「品目名」を登録するためのフィールド850cと、当該部品(製品)を識別する「品目コード」を登録するためのフィールド850dと、この「品目コード」により特定される部品の「図面番号」を登録するためのフィールド850eと、当該部品の「リスク度係数」を登録するためのフィールド850fと、当該部品を供給しているサプライチェーンを識別する「チェーンコード」を登録するためのフィールド850gと、当該チェーンコードにより特定されるサプライチェーンの加工取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド851a~851k(
図27参照)と、当該サプライチェーンの加工取引階層2のサプライヤ情報を登録するための各フィールド852a~852k(
図28参照)と、当該サプライチェーンの加工取引階層3のサプライヤ情報を登録するための各フィールド853a~853k(
図29参照)と、当該サプライチェーンの素材取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド854a~854k(
図30参照)と、当該サプライチェーンの素材取引階層2のサプライヤ情報を登録するための各フィールド855a~855k(
図31参照)と、当該サプライチェーンの素材取引階層3のサプライヤ情報を登録するための各フィールド856a~856k(
図32参照)と、当該サプライチェーンの代替先のサプライチェーン情報を登録するためのフィールド857a~857l(
図33参照)とを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0213】
図示するサプライチェーンデータベース850では、1つのサプライチェーンが、「フィールド850cに登録されている部品(例えば、クランクシャフト)を供給するための加工工程を行う加工サプライチェーン」と、「当該部品(例えば、クランクシャフト)に用いられる素材を生産する(或いは取り扱う)素材サプライチェーン」とにより構成されている例を示している。
【0214】
加工取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド851a~851k(
図27参照)は、以下のように構成されている。
【0215】
具体的には、フィールド851aには加工サプライチェーンの取引階層1のサプライヤの「企業名(取引階層1企業)」が登録され、フィールド851bには当該サプライヤの「工程区分」が登録され、フィールド851cには当該サプライヤの「工程名称」が登録され、フィールド851dには当該サプライヤの所在地がある国の「国コード」が登録され、フィールド851eには当該サプライヤの所在地の「都道府県」が登録され、フィールド851fには当該サプライヤの所在地がある国の「市区町村」が登録され、フィールド851gには当該サプライヤの「住所」が登録される。
【0216】
また、フィールド851h、851i、851jには当該サプライヤが用いる「使用材料」が登録される。なお、
図27に示す3つのレコードは、いずれも、使用材料が1つなので、フィールド851i、851jが空白になっている。
また、フィールド851kには当該サプライヤのリスクを評価した「リスク度係数」が登録される。なお、サプライヤのリスクを評価した「リスク度係数」を利用しない場合には、
図27に示すように、フィールド851kは空白になっている。
【0217】
加工取引階層2のサプライヤ情報を登録するための各フィールド852a~852k(
図28参照)は、加工取引階層が2になっている以外は、加工取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド851a~851k(
図27参照)と同じデータ構造になっている。
また、加工取引階層3のサプライヤ情報を登録するための各フィールド853a~853k(
図29参照)は、加工取引階層が3になっている以外は、加工取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド851a~851k(
図27参照)と同じデータ構造になっている。
【0218】
また、素材取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド854a~854k(
図30参照)は、素材取引階層が1になっている以外は、加工取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド851a~851k(
図27参照)と同じデータ構造になっている。
また、素材取引階層2のサプライヤ情報を登録するための各フィールド855a~855k(
図31参照)は、素材取引階層が2になっている以外は、加工取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド851a~851k(
図27参照)と同じデータ構造になっている。
また、素材取引階層3のサプライヤ情報を登録するための各フィールド865a~856k(
図32参照)は、素材取引階層が3になっている以外は、加工取引階層1のサプライヤ情報を登録するための各フィールド851a~851k(
図27参照)と同じデータ構造になっている。
【0219】
また、当該サプライチェーンの代替先のサプライチェーンを登録するためのフィールド857a~857l(
図33参照)は、以下のように構成されている。
【0220】
具体的には、フィールド857a、857b、857cには、フィールド850gのチェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成する加工サプライチェーンの代替先となる第1候補のサプライチェーン(代替加工サプライチェーン)のサプライヤ(企業名)が登録される。
なお、フィールド857aに取引階層1のサプライヤが登録され、フィールド857bに取引階層2のサプライヤが登録され、フィールド857cに取引階層3のサプライヤが登録される。
【0221】
また、フィールド857d、857e、857fには、フィールド850gのチェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成する素材サプライチェーンの代替先となる第1候補のサプライチェーン(代替素材サプライチェーン)のサプライヤ(企業名)が登録される。
なお、フィールド857dに取引階層1のサプライヤが登録され、フィールド857eに取引階層2のサプライヤが登録され、フィールド857fに取引階層3のサプライヤが登録される。
【0222】
また、フィールド857g、857h、857iには、フィールド850gのチェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成する加工サプライチェーンの代替先となる第2候補のサプライチェーン(代替加工サプライチェーン)のサプライヤ(企業名)が登録される。
また、フィールド857j、857k、857lには、フィールド850gのチェーンコードにより特定されるサプライチェーンを構成する素材サプライチェーンの代替先となる第2候補のサプライチェーン(代替素材サプライチェーン)のサプライヤ(企業名)が登録される。
【0223】
《第5実施形態のサプライヤ企業マスタデータベース900》
次に、サプライヤ企業マスタデータベース900の構成について
図34を用いて説明する。
ここで、
図34は、本発明の第5実施形態の災害危機管理システムを構成するサプライヤ企業マスタデータベースを示した模式図である。
【0224】
第5実施形態の災害危機管理システムでは、サーバ1の記憶部7に、各サプライヤの緯度、経度が登録されたサプライヤ企業マスタデータベース900(
図34参照)を設け、サーバ1が、ユーザ端末151、152に対してアラート通知と共に、アラート対象先の企業の所在地が提示された地図情報(マップ)を提供できるようにしている。
【0225】
図34に示すように、サプライヤ企業マスタデータベース900は、サプライヤの企業毎に、そのサプライヤの拠点名(〇〇工場、□〇事業部等の拠点名)と、そのサプライヤの所在地を示す住所と、そのサプライヤの位置情報(緯度、経度)とを対応付けて記憶しているデータベースである。
なお、このサプライヤ企業マスタデータベース900は、アラート対象先のサプライヤの所在地が表示された地図情報を生成するために用いられるものである。
【0226】
《第5実施形態のリスク情報》
続いて、第5実施形態のリスク情報取得部3がリスク情報抽出装置100から取得するリスク情報について、
図35を用いて説明する。
ここで、
図35は、本発明の第5実施形態の災害危機管理システムのリスク情報取得部がリスク情報抽出装置から取得するリスク情報を示した模式図であり、(a)がリスク内容が共通ワードの場合のリスク情報を示しており、(b)がリスク内容が特別ワードの場合のリスク情報を示している。
【0227】
図35(a)に示すように、リスク内容が共通ワード(共通リスクワード)の場合のリスク情報には、「日時情報(発災日時)」と、「発災分類」と、「発災ワード(リスク内容)」と、「発災場所(位置情報)」と、「発災ニュースURL(発災ニュースリンク情報)」とが含まれている。
また、
図35(b)に示すように、リスク内容が特別ワード(特別リスクワード)の場合のリスク情報には、「日時情報(発災日時)」と、「発災分類」と、「発災ワード(リスク内容)」と、「発災ニュースURL(発災ニュースリンク情報)とが含まれている。
【0228】
なお、「発災ニュースURL(発災ニュースリンク情報)」は、リスク情報抽出装置100が抽出したリスク情報の情報源になったSNSサイトのURL(リンク情報)や、ライブカメラの映像提供するサイトのURL(リンク情報)や、ニュースサイトのURL(リンク情報)等の情報である。
また、「発災分類」は、リスク内容が「共通ワード(共通リスクワード)」であるか、或いは「特別ワード」であるかを示す情報であり、「共通」が「共通ワード」であることを示し、「特別」が特別ワードであることを示している。
【0229】
《第5実施形態のデータ・リンク通知部5の処理》
続いて、第5実施形態のデータ・リンク通知部5の処理について、
図36を用いて説明する。
ここで、
図36は、本発明の第5実施形態のデータリンク・通知部が生成するアラート通知を示した模式図である。
【0230】
なお、ここでは、データリンク・通知部5がアラートデータベース50から読み出したリスク情報のリスク内容(アラート理由)が、
図35(a)に示すように、共通リスクワード(共通ワード)の「洪水」であり、「位置情報(所在地情報)」が「長野県長野市(住所)」であり、「日時情報:2022年8月31日 13時15分」であったとする。
この場合、データリンク・通知部5は、取得したリスク情報のアラート理由が共通ワードであるため、サプライヤ製品情報データベース800にアクセスし、リスク情報に含まれる「位置情報」に対応する「拠点(位置情報)」のサプライヤが登録されているレコードを読み出す。
図24,25に示す例では、フィールド814に「長野市」が登録されている登録されている「所在地(位置情報)」のサプライヤとして「サプライヤ識別情報:100101**,サプライヤ企業名C」が登録されているレコードが読み出される(上から3行目のレコード)。この読み出したリスク情報に含まれる「位置情報」に対応する「所在地(位置情報)」のサプライヤがアラート対象先(リスク情報により影響を受けると推測されるサプライヤ)となる。すなわち、「企業名:C」のサプライヤがアラート対象先となる。
【0231】
また、データリンク・通知部5は、アラートデータベース50から読み出したリスク情報と、サプライヤ製品情報データベース800から読み出したレコードに登録されている情報とを用いて、アラート通知を生成する。
【0232】
第5実施形態では、データリンク・通知部5は、アラート通知として、例えば、
図36に示す内容のものを生成する。このアラート通知には、リクス情報のリスク内容(アラート理由)と、アラート対象先企業名(サプライヤの企業名(企業情報))と、アラート対象先所在地位置情報)と、アラート通知の送信先となる企業が仕入れている部品の仕入れ先・企業名と、アラート通知の送信先となる企業が仕入れている部品の品目名(部品名)と、アラート対象先企業(サプライヤ)の担当している工程区分と、アラート対象先企業(サプライヤ)の取引階層が含まれている。
【0233】
図36に例示するアラート通知では、「アラート理由:洪水、アラート対象先(サプライヤ):C(サプライヤ名)、所在地:長野県長野市・・・、仕入先:AB産業、品目名:クランクシャフト、工程区分:加工、取引階層:3」になっている。
なお、アラート通知に、リスク情報に含まれている「発災ニュースURL(発災ニュースリンク情報)」を付加するようにしてもよい。
【0234】
また、データリンク・通知部5は、サプライヤ企業マスタデータベース900にアクセスして、アラート対象先企業名(サプライヤの企業名(企業情報))の「緯度、経度」を読み出す。また、データリンク・通知部5は、「地図データ」及び「読み出した「緯度、経度」を用いて、アラート対象先のサプライヤの所在地が表示された地図情報を生成するとともに、その生成した地図情報にアクセスさせるための地図リンク情報を生成する。
【0235】
また、データリンク・通知部5は、サプライチェーンデータベース850にアクセスして、アラート理由に含まれている部品(図示する例では「クランクシャフト」)を生産しているサプライチェーン情報が登録されているレコードを全て読み出し、読み出したレコードに登録されたサプライチェーン情報をCSV形式のデータに変換したCSVファイルを生成する。
【0236】
また、データリンク・通知部5は、、ユーザ端末151、152に対して、生成した「アラート通知」、「アラート対象先のサプライヤの所在地が表示された地図情報にアクセスさせるための地図リンク情報」、及び「サプライチェーン情報が登録されたCSVファイル」を送信する。
【0237】
このように、第5実施形態の構成によれば、企業のユーザ端末151、152に、「アラート通知、地図情報にアクセスさせるためのリンク情報、及び、サプライチェーン情報が登録されたCSVファイル」が提供される。そのため、企業の担当者(サプライチェーンから部品の供給を受けて製品を生産している企業の担当者)は、アラート通知及びCSVファイルを参照することで、災害やトラブルが発生した場合に、どのサプライチェーンのどこ(どのサプライヤ)が影響を受けているかの情報や、生産が停止する虞がある部品に関する情報を早期に把握することができる。
また、第5実施形態の構成によれば、企業の担当者は、地図情報にアクセスさせるためのリンク情報をクリックすることで、アラート通知を受けた企業の担当者は、アラート対象先のサプライヤの所在地が表示された地図情報を参照することができる。
【0238】
なお、上記の説明では、アラート理由が共通ワードの場合について述べたが、アラートデータベース50から読み出したリクス情報のアラート理由が、特別リスクワード(特別ワード)の場合は、データリンク・通知部5は、サプライヤ製品情報データベース800にアクセスして、使用材料に特別ワードが登録されているレコードを読み出すようにすれば良い。
【0239】
また、データリンク・通知部5は、アラートデータベース50から読み出したリクス情報のアラート理由が、特別リスクワード(特別ワード)の場合、サプライヤ製品情報データベース800とのマッチング処理をせずに、
図37に示すような、「アラート理由」及び「発災ニュースURL」が記載されたアラート通知を生成し、ユーザ端末151、152に提供するようにしても良い。
なお、
図37は、本発明の第5実施形態の災害危機管理システムが提供するアラート通知の変形例を示した模式図である。
【符号の説明】
【0240】
1…サーバ
3…リスク情報取得部
4…サプライヤ情報取得部
5…データリンク通知部
7…記憶部
10…共通リスクワードデータベース
20…特別リスクワードデータベース
30…サプライヤ企業情報データベース
31A、31B…サプライヤ企業情報データベース
40…サプライヤ製品情報データベース
50…アラートデータベース
500、700、750、800……サプライヤ製品情報データベース
60、600…アラート通知データベース
850…サプライチェーンデータベース
900…サプライ企業マスタデータベース
100…リスク情報抽出装置
150…基幹システムサーバ
151、152…ユーザ端末
【要約】
【課題】サプライチェーンから部品の供給を受けている企業が受けるリスクを軽減させるための災害危機管理システムを提供する。
【解決手段】企業のユーザ端末151、152と通信可能なサーバ1と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故等を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部100とを備えた災害危機管理システムであって、サーバ1は、リスク情報抽出部100からリスク情報を取得し、そのリスク情報と、記憶しているサプライヤ企業情報データベース30及びサプライヤ製品情報データベース40とを用いて、リスク情報により影響を受けるサプライヤを特定し、リスク情報の内容と、特定したサプライヤの企業情報と、特定したサプライヤが属するサプライチェーン情報と、特定したサプライヤの製品情報を含むアラート通知を生成し、ユーザ端末151、152にアラート通知を送信する。
【選択図】
図1