(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230620BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20230620BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J21/00 Z
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2019049879
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】沈 海霞
(72)【発明者】
【氏名】服部 佑香
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-151823(JP,A)
【文献】特開2017-177710(JP,A)
【文献】特開2007-295080(JP,A)
【文献】特開2018-106506(JP,A)
【文献】特開2010-130561(JP,A)
【文献】特開2004-147224(JP,A)
【文献】特開2019-006054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 21/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取部と、
表示部と、
入力部と、
記憶部と、
制御部と、
を備えた画像処理装置であって、
前記制御部は、
前記読取部により読取媒体の画像を読み取る読取処理と、
前記読取処理により前記読取媒体の画像が読み取られることに応じて、前記読取処理により読み取られた画像である読取画像のデータを前記記憶部に記憶する記憶処理と、
前
記読取画像を含むプレビュー画面を前記表示部に表示するプレビュー画面表示処理と、
前記プレビュー画面表示処理により前記プレビュー画面が表示された後、前記入力部を介して処理続行指示が入力されることに応じて、前記読取画像のデータに基づく特定の処理を行う読取画像処理と、
前記プレビュー画面表示処理により前記プレビュー画面が表示された後、前記処理続行指示が入力されることなく第1の規定時間が経過した場合、
前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを維持したまま、前記表示部に、前記プレビュー画面に代えて、前記特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージを含む待機画面を表示する待機画面表示処理と、
前記待機画面表示処理により前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示された後、第2の規定時間が経過した場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを消去する消去処理と、
前記待機画面表示処理により前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示された後、前記第2の規定時間が経過した場合、前記第1のメッセージに代えて又は前記第1のメッセージに加えて、前記読取画像のデータが消去されたことを示す第2のメッセージを前記待機画面に表示するメッセージ変更処理と、
を実行する
ように構成されている、画像処理装置。
【請求項2】
読取部と、
表示部と、
入力部と、
記憶部と、
制御部と、
を備えた画像処理装置であって、
前記制御部は、
前記読取部により読取媒体の画像を読み取る読取処理と、
前記読取処理により前記読取媒体の画像が読み取られることに応じて、前記読取処理により読み取られた画像である読取画像のデータを前記記憶部に記憶する記憶処理と、
前記読取画像を含むプレビュー画面を前記表示部に表示するプレビュー画面表示処理と、
前記プレビュー画面表示処理により前記プレビュー画面が表示された後、前記入力部を介して処理続行指示が入力されることに応じて、前記読取画像のデータに基づく特定の処理を行う読取画像処理と、
前記プレビュー画面表示処理により前記プレビュー画面が表示された後、前記処理続行指示が入力されることなく第1の規定時間が経過した場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを維持したまま、前記表示部に、前記プレビュー画面に代えて、前記特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージを含む待機画面を表示する待機画面表示処理と、
前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示されている間に、前記特定の処理を含む機能の実行指示が入力されることに応じて、前記表示部に、前記読取画像のデータに基づく前記特定の処理を実行するか否かを問う続行確認メッセージを表示する続行確認処理と、
前記続行確認処理により前記続行確認メッセージが表示された後、前記特定の処理の実行を要求する続行要求が入力されることに応じて、前記特定の処理を行う続行要求対応処理と、
前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示されている間に、前記特定の処理を含まない機能の実行指示が入力された場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを消去して前記実行指示に応じた機能を実行する、別機能対応処理と、
を実行するように構成されている、画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示された後、前記第2の規定時間が経過する前に、前記入力部を介して特定入力操作が行われることに応じて、前記表示部に、前記読取画像のデータに基づく前記特定の処理を実行するか否かを問う続行確認メッセージを表示する続行確認処理と、
前記続行確認処理により前記続行確認メッセージが表示された後、前記特定の処理の実行を要求する続行要求が入力されることに応じて、前記特定の処理を行う続行要求対応処理と、
を実行するように構成されている、画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記制御部は、前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示されている間に、前記入力部を介して特定入力操作が行われることに応じて、前記続行確認処理を実行するように構成されている、
画像処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記画像処理装置は、さらに、被記録媒体に画像を印刷する印刷部を備え、
前記特定の処理は、前記印刷部により前記読取画像を印刷する処理を含む、
画像処理装置。
【請求項6】
読取部により読取媒体の画像を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにより読み取られた画像である読取画像のデータを記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記読取画像を含むプレビュー画面を表示するプレビュー画面表示ステップと、
前記プレビュー画面表示ステップにより前記プレビュー画面が表示された後、処理続行指示が入力されることに応じて、前記読取画像のデータに基づく特定の処理を行う読取画像処理ステップと、
前記プレビュー画面表示ステップにより前記プレビュー画面が表示された後、前記処理続行指示が入力されることなく第1の規定時間が経過した場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを維持したまま、前記プレビュー画面に代えて、前記特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージを含む待機画面を表示する待機画面表示ステップと、
前記待機画面表示ステップにより前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示された後、第2の規定時間が経過した場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを消去する消去ステップと、
前記待機画面表示ステップにより前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示された後、前記第2の規定時間が経過した場合、前記第1のメッセージに代えて又は前記第1のメッセージに加えて、前記読取画像のデータが消去されたことを示す第2のメッセージを前記待機画面に表示するメッセージ変更ステップと、
を有する画像処理方法。
【請求項7】
読取部により読取媒体の画像を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにより読み取られた画像である読取画像のデータを記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記読取画像を含むプレビュー画面を表示するプレビュー画面表示ステップと、
前記プレビュー画面表示ステップにより前記プレビュー画面が表示された後、処理続行指示が入力されることに応じて、前記読取画像のデータに基づく特定の処理を行う読取画像処理ステップと、
前記プレビュー画面表示ステップにより前記プレビュー画面が表示された後、前記処理続行指示が入力されることなく第1の規定時間が経過した場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを維持したまま、前記プレビュー画面に代えて、前記特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージを含む待機画面を表示する待機画面表示ステップと、
前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示されている間に、前記特定の処理を含む機能の実行指示が入力されることに応じて、前記読取画像のデータに基づく前記特定の処理を実行するか否かを問う続行確認メッセージを表示する続行確認ステップと、
前記続行確認ステップにより前記続行確認メッセージが表示された後、前記特定の処理の実行を要求する続行要求が入力されることに応じて、前記特定の処理を行う続行要求対応ステップと、
前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示されている間に、前記特定の処理を含まない機能の実行指示が入力された場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを消去して前記実行指示に応じた機能を実行する、別機能対応ステップと、
を有する画像処理方法。
【請求項8】
読取部と、
表示部と、
記憶部と、
制御部と、
を備えた画像処理装置における前記制御部が実行可能な画像処理プログラムであって、
前記制御部に、
前記読取部により読取媒体の画像を読み取る読取処理と、
前記読取処理により前記読取媒体の画像が読み取られることに応じて、前記読取処理により読み取られた画像である読取画像のデータを前記記憶部に記憶する記憶処理と、
前記読取画像を含むプレビュー画面を前記表示部に表示するプレビュー画面表示処理と、
前記プレビュー画面表示処理により前記プレビュー画面が表示された後、処理続行指示が入力されることに応じて、前記読取画像のデータに基づく特定の処理を行う読取画像処理と、
前記プレビュー画面表示処理により前記プレビュー画面が表示された後、前記処理続行指示が入力されることなく第1の規定時間が経過した場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを維持したまま、前記表示部に、前記プレビュー画面に代えて、前記特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージを含む待機画面を表示する待機画面表示処理と、
前記待機画面表示処理により前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示された後、第2の規定時間が経過した場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを消去する消去処理と、
前記待機画面表示処理により前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示された後、前記第2の規定時間が経過した場合、前記第1のメッセージに代えて又は前記第1のメッセージに加えて、前記読取画像のデータが消去されたことを示す第2のメッセージを前記待機画面に表示するメッセージ変更処理と、
を実行させるための画像処理プログラム。
【請求項9】
読取部と、
表示部と、
記憶部と、
制御部と、
を備えた画像処理装置における前記制御部が実行可能な画像処理プログラムであって、
前記制御部に、
前記読取部により読取媒体の画像を読み取る読取処理と、
前記読取処理により前記読取媒体の画像が読み取られることに応じて、前記読取処理により読み取られた画像である読取画像のデータを前記記憶部に記憶する記憶処理と、
前記読取画像を含むプレビュー画面を前記表示部に表示するプレビュー画面表示処理と、
前記プレビュー画面表示処理により前記プレビュー画面が表示された後、処理続行指示が入力されることに応じて、前記読取画像のデータに基づく特定の処理を行う読取画像処理と、
前記プレビュー画面表示処理により前記プレビュー画面が表示された後、前記処理続行指示が入力されることなく第1の規定時間が経過した場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを維持したまま、前記表示部に、前記プレビュー画面に代えて、前記特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージを含む待機画面を表示する待機画面表示処理と、
前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示されている間に、前記特定の処理を含む機能の実行指示が入力されることに応じて、前記表示部に、前記読取画像のデータに基づく前記特定の処理を実行するか否かを問う続行確認メッセージを表示する続行確認処理と、
前記続行確認処理により前記続行確認メッセージが表示された後、前記特定の処理の実行を要求する続行要求が入力されることに応じて、前記特定の処理を行う続行要求対応処理と、
前記第1のメッセージを含む前記待機画面が表示されている間に、前記特定の処理を含まない機能の実行指示が入力された場合、前記記憶部に記憶されている前記読取画像のデータを消去して前記実行指示に応じた機能を実行する、別機能対応処理と、
を実行させるための画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読み取った画像を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、読み取った画像を印刷する際、印刷する前にその画像を表示させ、その後印刷指示を受けた場合に印刷するように構成されたプリンタ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のプリンタ装置において、読み取った画像が表示された後、ユーザによる操作が行われるまでその画像が表示され続けると、他のユーザによるプリンタ装置の使用が妨げられてしまう可能性がある。そこで、読み取った画像が表示された後、ユーザによる指示が行われることなく一定時間が経過した場合は、別の画面に切り替わって他のユーザが使用できるようになると便利である。
【0005】
しかし、読み取った画像が表示された後、その画像が印刷されないまま別の画面に切り替わると、読み取った画像がまだ印刷されていないことをユーザが気づきにくくなる可能性がある。つまり、画像を読み取らせたユーザの利便性が低下する可能性がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、読み取った画像を処理する前にその画像を表示させるように構成された画像処理装置の利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像処理装置は、読取部と、表示部と、入力部と、制御部とを備える。制御部は、読取処理と、プレビュー画面表示処理と、読取画像処理と、待機画面表示処理とを実行する。
【0008】
読取処理は、読取部により読取媒体の画像を読み取る処理である。プレビュー画面表示処理は、読取処理により読み取られた画像である読取画像を含むプレビュー画面を表示部に表示する処理である。読取画像処理は、プレビュー画面表示処理によりプレビュー画面が表示された後、入力部を介して処理続行指示が入力されることに応じて、読取画像のデータに基づく特定の処理を行う処理である。待機画面表示処理は、プレビュー画面表示処理によりプレビュー画面が表示された後、処理続行指示が入力されることなく第1の規定時間が経過した場合、表示部に、プレビュー画面に代えて、特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージを含む待機画面を表示する処理である。
【0009】
このような構成によれば、プレビュー画面が表示された後、処理続行指示が入力されることなく第1の規定時間が経過した場合は、待機画面に切り替わる。そのため、読取画像のデータに基づく特定の処理の完了を待つことなく他の処理を実行させることが可能となる。
【0010】
しかも、プレビュー画面から待機画面に切り替わった場合、その待機画面には、特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージが含まれる。そのため、ユーザは、画像の読み取りが行われたもののまだ特定の処理が完了していないことを認識することができる。そのため、ユーザは、第1のメッセージに応じて、読取画像のデータに基づく特定の処理を実行させることができる。よって、ユーザにとって利便性の高い画像処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態の画像処理システムの構成を示す説明図である。
【
図2】プレビュー対応機能実行時の画面遷移の一部を示す説明図である。
【
図3】プレビュー対応機能実行時の画面遷移の他の一部(
図2の続き)を示す説明図である。
【
図4】プレビュー対応機能実行時の画面遷移のさらに他の一部(
図3の続き)を示す説明図である。
【
図6】メイン処理のフローチャートの他の一部(
図5の続き)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1)画像処理システムの構成
図1に示す本実施形態の情報処理システム1は、画像処理装置10と、情報処理装置20とを備える。画像処理装置10と情報処理装置20とは、ネットワーク3を通じて相互にデータ通信可能である。ネットワーク3は、どのようなネットワークであってもよい。ネットワーク3は、例えば有線のネットワークであってもよいし、無線のネットワークであってもよい。また、有線及び無線のいずれにおいても、具体的な通信方式はどのような通信方式であってもよい。
【0013】
(2)画像処理装置10の構成
図1に示す本実施形態の画像処理装置10は、例えばスキャン機能、印刷機能、コピー機能、ファクス機能などの、複数の機能を備えている。スキャン機能は、原稿の画像を読み取ってその読み取った画像の画像データを生成する機能である。印刷機能は、シート状の記録用紙へ画像を印刷する機能である。コピー機能は、スキャン機能により読み取った画像を印刷機能により印刷する機能である。ファクス機能は、ファクシミリデータの送受信を行う機能である。
【0014】
図1に示すように、画像処理装置10は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、入力部14と、読取部15と、印刷部16と、メディアインタフェース部17と、第1通信部18と、第2通信部19とを備え、これらがバス5を介して相互に接続されている。なお、メディアインタフェース部のことを、以下「メディアI/F」と略称する。
【0015】
制御部11は例えばCPUを備える。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の画像処理装置10は、CPU及び半導体メモリを含む、マイクロコンピュータを備えている。
【0016】
制御部11は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0017】
記憶部12には、
図2~
図4に示す画面を含む各種画面のデータが記憶されている。また、記憶部12には、
図5~
図6に示すメイン処理のプログラムも記憶されている。
表示部13は、各種情報を表示するための表示デバイスを有する。本実施形態の表示部13は、表示デバイスとしてディスプレイ13aを有する。
【0018】
入力部14は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。本実施形態の入力部14は、入力用デバイスとしてタッチパネル14aを有する。タッチパネル14aは、表示部13の表示デバイスにおける、画像が表示される画像表示領域に重畳配置される。
【0019】
表示部13の画像表示領域に重畳配置されたタッチパネル14aは、画像表示領域に対する、指示体による接触又は近接による指示操作を検出可能である。即ち、タッチパネル14aは、画像表示領域に対して指示体による指示操作が行われている場合に、その指示操作が行われている位置である指示位置を示す位置情報を出力可能に構成されている。本実施形態のタッチパネル14aは、指示体により指示操作が行われている間、位置情報を連続的又は周期的に出力するよう構成されている。
【0020】
なお、タッチパネル14aは、指示操作として接触のみ検出可能な構成であってもよいし、近接のみ検出可能な構成であってもよいし、接触及び近接の両方を検出可能な構成であってもよい。
【0021】
制御部11は、タッチパネル14aから出力される位置情報を取得し、その取得した位置情報に基づいて、指示体の指示操作の有無、指示操作が行われている場合における指示位置、指示操作が行われている場合における指示体による少なくとも一種類の特定の操作を検出することができる。
【0022】
制御部11が検出可能な特定の操作には、例えば、タップ、フリック、ドラッグなどが含まれる。タップは、指示体により指示操作が行われた後、同じ位置で指示体が離れる操作である。指示操作を行うことが可能な指示体の具体的態様は種々考えられ、例えば指先であってもよいし、スタイラスペンなどの特定の指示用デバイスであってもよい。
【0023】
読取部15は、イメージセンサを備え、画像が記録された原稿におけるその画像を読み取り、読み取った画像(以下、「スキャン画像」と称する)の画像データ(以下、「スキャンデータ」と称する)を生成する。イメージセンサは、例えば、CCDイメージセンサであってもよいし、CMOSイメージセンサであってもよい。原稿は、例えば紙、布、レーベルのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0024】
なお、画像処理装置10は、原稿を載置するための不図示の原稿台を備える。読取部15は、原稿台に載置された原稿の画像を読み取るように構成されている。また、画像処理装置10は、ADFを備えていてもよい。ADFとは、自動原稿送り装置を意味する、Automatic Document Feederの略称である。また、読取部15は、原稿台に載置された及びADFにセットされた原稿の少なくとも一方について、その原稿の両面の画像を読み取るいわゆる両面スキャンを実行可能に構成されていてもよい。
【0025】
印刷部16は、インクジェット技術又は電子写真技術の印刷機構を有し、記録用紙に画像を印刷することが可能である。
メディアI/F17は、例えばUSBフラッシュメモリなどの、各種の記憶メディアが装着されるインタフェース部であり、装着された記憶メディアに対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。
【0026】
第1通信部18は、画像処理装置10をネットワーク3に接続可能な通信インタフェースである。画像処理装置10は、第1通信部18を介して、情報処理装置20を含む各種情報処理装置とデータ通信可能である。また、画像処理装置10は、第1通信部18を介してインターネットに接続し、インターネットを介して他の各種サーバや各種情報処理装置などとデータ通信可能である。
【0027】
第2通信部19は、通信回線150を通じて外部機器と通信を行うためのインタフェース部である。第2通信部19に接続される通信回線150は、本実施形態では例えば公衆電話網である。ファクス機能におけるファクスデータの送受信は、基本的には、第2通信部19を介して行われる。
【0028】
スキャン機能は、基本的には、制御部11が読取部15を制御することにより実行される。本実施形態のスキャン機能は、より詳しくは、スキャン画像の処理方法に応じた複数のサブ機能を含む。サブ機能には、例えば、スキャンtoUSBメモリ、スキャンtoPC、スキャンtoEメール送信、などがある。スキャンtoUSBメモリは、スキャンデータを、メディアI/F17に接続されているUSBメモリへ出力してUSBメモリに保存させる機能である。スキャンtoPCは、スキャンデータを、画像処理装置10に接続されている他の情報処理装置へ送信する機能である。スキャンtoEメール送信は、スキャンデータを電子メールで送信する機能である。
【0029】
コピー機能は、基本的には、制御部11が読取部15及び印刷部16を制御することにより実行される。即ち、制御部11は、読取部15により原稿の画像を読み取らせること、即ちスキャン機能を実行することにより、スキャンデータを取得する。そして、そのスキャンデータに基づいて印刷部16に印刷を実行させること、即ち印刷機能を実行することにより、スキャン画像が印刷された記録用紙である印刷物を出力する。
【0030】
本実施形態の画像処理装置10では、スキャン機能が含まれる各種機能のうちの一部又は全てにおいて、画像の読み取りが行われた後、スキャンデータに基づく特定の処理が実行される前に、
図2に例示するプレビュー画面65が表示部13に表示される。プレビュー画面65には、プレビュー画像66及びスタートボタン67が含まれる。プレビュー画像66は、スキャン画像を示す。以下、スキャン画像のプレビュー画面が表示されるように構成された機能のことを「プレビュー対応機能」と称する。
【0031】
スキャン機能自体は、プレビュー対応機能の1つである。即ち、例えばスキャンtoメモリにおいては、スキャンデータに基づく特定の処理が実行される前、即ちスキャンデータがUSBメモリに保存される前に、スキャン画像を示すプレビュー画像66含むプレビュー画面65が表示される。
【0032】
コピー機能も、プレビュー対応機能の1つである。即ち、コピー機能においては、原稿の画像が読み取られた後、スキャンデータに基づく特定の処理が実行される前、即ちスキャン画像が印刷される前に、スキャン画像を示すプレビュー画像66を含むプレビュー画面65が表示される。コピー機能実行時に表示されるプレビュー画像66には、記録用紙の外縁を示す画像が含まれていてもよい。即ち、プレビュー画像66は、記録用紙に実際にスキャン画像が印刷された状態を示す画像であってもよい。
【0033】
ファクス機能の1つである、ファクスデータを送信するファクス送信機能も、プレビュー対応機能の1つである。即ち、ファクス送信機能においては、原稿の画像が読み取られた後、スキャンデータに基づく特定の処理が実行される前、即ちスキャン画像が第2通信部19を介して送信される前に、スキャン画像を含むプレビュー画面が表示される。ファクス送信機能実行時に表示されるプレビュー画像66においても、記録用紙の外縁を示す画像が含まれていてもよい。即ち、プレビュー画像66は、ファクスデータの送信先でそのファクスデータが示す画像が実際に記録用紙に印刷された状態を示す画像であってもよい。
【0034】
プレビュー対応機能においては、ユーザは、プレビュー画面65を見ることによって、スキャンデータに基づく特定の処理が実行される前にスキャン画像を確認することができる。そして、スキャンデータの処理を指示することで、スキャンデータに基づく特定の処理を実行させることができる。スキャンデータの処理の指示は、例えば、プレビュー画面65におけるスタートボタン67を選択操作(例えばタップ)することによって行うことができる。
【0035】
(3)情報処理装置20の構成
情報処理装置20は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの、各種の情報処理端末である。情報処理装置20は、
図1に示すように、制御部21と、記憶部22と、入力部23と、表示部24と、通信部25とを備える。
【0036】
制御部21は、例えばCPUを有する。記憶部22は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の情報処理装置20は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。記憶部22には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。
【0037】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
入力部23は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力部23が有する入力用デバイスには、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどが含まれる。タッチパネルは、表示部24が有する表示デバイスにおける画像の表示領域に重畳配置される。
【0038】
通信部25は、ネットワーク3を通じて外部の装置と通信を行うための通信インタフェースである。情報処理装置20は、通信部25を介して画像処理装置10とデータ通信を行うことができる。
【0039】
(4)プレビュー対応機能実行時の画面遷移
プレビュー対応機能が実行される際の画面遷移について、コピー機能が実行される場合を例に挙げて説明する。画像処理装置10の制御部11は、起動すると、初期処理を実行し、表示部13に、
図2に例示する待機画面40を表示させる。待機画面40は、ユーザが画像処理装置10において各種機能を実行させる際の起点となる画面である。
【0040】
待機画面40には、機能を実行させるための複数の機能ボタンが表示される。
図3に示す待機画面40には、複数の機能ボタンとして、ファクスボタン41、コピーボタン42及びスキャンボタン43が例示されている。ファクスボタン41が選択操作されると、制御部11は、ファクス機能を実行する。コピーボタン42が選択操作されると、制御部11は、コピー機能を実行する。スキャンボタン43が選択操作されると、制御部11は、スキャン機能を実行する。
【0041】
待機画面40には、さらに、ショートカットボタン44が表示される。ショートカットボタン44が選択操作されると、不図示のショートカット画面が表示される。ショートカット画面には、1つ以上のショートカットアイコンが表示される。ショートカットアイコンの各々には、特定の機能が登録されている。いずれかのショートカットアイコンが選択操作されると、そのショートカットアイコンに登録されている特定の機能が実行される。
【0042】
ユーザは、ショートカットアイコンに任意の機能を登録可能である。ユーザは、ショートカットアイコンに、プレビュー対応機能を登録することも可能である。プレビュー対応機能が登録されたショートカットアイコンが選択操作されると、前述の通り、スキャンデータが処理される前に、スキャン画像を示すプレビュー画像66を含むプレビュー画面65が表示される。
【0043】
ここで、プレビュー対応機能の1つであるコピー機能を実行するようユーザに指示されたことを想定する。具体的には、例えばコピーボタン42が選択操作されたことを想定する。
【0044】
この場合、表示部13に、
図2に例示するコピー設定画面50が表示される。コピー設定画面50には、複数の設定値表示ボタンが含まれる。複数の設定値表示ボタンには、例えば、倍率設定表示ボタン51、両面コピー設定表示ボタン52、トレイ設定表示ボタン53、及びコピー画質設定表示ボタン54が含まれる。
【0045】
倍率設定表示ボタン51には、スキャン画像を記録用紙に印刷させる際の拡大/縮小率を示すコピー倍率の現在の設定値が表示される。両面コピー設定表示ボタン52には、スキャン画像を記録用紙の片面及び両面のどちらに印刷するかを示す両面コピー設定の現在の設定値が表示される。トレイ設定表示ボタン53には、スキャン画像を印刷させる記録用紙が載置されたトレイを示す使用トレイの現在の設定値が表示される。コピー画質設定表示ボタン54には、スキャン画像を記録用紙に印刷させる際の画質を示すコピー画質の現在の設定値が表示される。ユーザは、各設定値表示ボタンを見ることで、コピー機能における各種設定項目の現在の設定値を確認することができる。なお、これら各ボタン51~54以外の他の設定値表示ボタンが表示される又は表示可能であってもよい。
【0046】
コピー設定画面50には、さらに、設定変更ボタン56と、モノクロスタートボタン57と、カラースタートボタン58とが表示される。
本実施形態では、コピー機能実行のために設定可能な各種設定項目として、前述のコピー倍率、両面コピー設定、使用トレイ及びコピー画質の他に、例えば、コピー部数、用紙タイプ、用紙サイズ、レイアウトコピーなどがある。コピー部数は、同じ1つのスキャン画像を印刷させる記録用紙の数(部数)を示す。用紙タイプは、スキャン画像を印刷させる記録用紙の種類を示す。用紙サイズは、スキャン画像を印刷させる記録用紙のサイズを示す。レイアウトコピーは、1つのスキャン画像をどのようなサイズで1つの記録用紙内に印刷させる又は複数の記録用紙に分割して印刷させるかを示す。そして、設定項目毎に、選択可能な複数の設定値が用意されている。ユーザは、設定項目毎に、対応する複数の設定値のうちのいずれか1つを設定することができる。
【0047】
設定項目の設定値の変更は、例えば、コピー設定画面50における設定変更ボタン56を選択操作することによって可能である。設定変更ボタン56が選択操作されると、表示部13に不図示の設定項目画面が表示される。設定項目画面には、設定項目毎の複数の設定項目ボタンが表示される。いずれかの設定項目ボタンが選択操作されると、その設定項目ボタンに対応した設定項目の設定値を選択させるための不図示の設定値選択画面が表示される。設定値選択画面には、選択可能な設定値の各々に対応した複数のボタンが表示され、そのうち1つが選択操作されると、その選択操作されたボタンに対応した設定値が選択、設定される。
【0048】
コピー設定画面50において、モノクロスタートボタン57又はカラースタートボタン58が選択操作されると、コピー機能が開始される。なお、モノクロスタートボタン57が選択操作された場合は、原稿の画像がモノクロで印刷され、カラースタートボタン58が選択操作された場合は、原稿の画像がカラーで印刷される。
【0049】
コピー機能が開始されると、まず、スキャン機能が実行されることにより、原稿の画像が読み取られ、スキャンデータが生成される。スキャン機能の実行中は、表示部13に、
図2に例示するスキャン中画面60が表示される。スキャンデータが生成されると、表示部13に、スキャン画像のプレビュー画像を含むプレビュー画面65が表示される。
【0050】
プレビュー画面65において、スタートボタン67が選択操作されると、前述の通り、スキャンデータに基づく特定の処理が実行される。
図2の例における特定の処理は、スキャンデータに基づく画像を印刷することである。
【0051】
一方、プレビュー画面65が表示された後、無操作タイムアウトが発生した場合は、スキャンデータが保存されつつ、表示部13に表示される画面が、プレビュー画面65から、
図3に例示する待機画面40に切り替わる。無操作タイムアウトとは、プレビュー画面65が表示された後、スタートボタン67が選択操作されることなく第1の規定時間が経過することを含む。
【0052】
プレビュー画面65の表示後に無操作タイムアウトが発生することに応じて遷移する待機画面40には、
図3に例示するように、第1情報バー46が表示される。第1情報バー46には、スキャンデータに基づく特定の処理が実行されていないことを示す第1のメッセージが表示される。
【0053】
本実施形態における第1のメッセージは、例えば、「プレビューした内容が印刷されていません。情報バーをタップすると印刷できます。」というメッセージを含む。第1のメッセージはどのような内容であってもよい。また、第1情報バー46に第1のメッセージの全体を同時に表示できない場合は、例えばユーザによるフリック操作によって第1メッセージをスクロール表示させてもよいし、第1のメッセージを自動的に特定の方向へ流れるように表示させてもよい。また例えば、第1情報バー46が選択操作されると第1メッセージの全体がポップアップ表示されてもよい。
【0054】
第1情報バー46を含む待機画面40が表示されている状態からの画面遷移は、主に、第1イベント及び第2イベントのどちらが発生するかによって異なる。第1イベントには、例えば、第1情報バー46が選択操作されること、及び、スキャン済み中断中の機能と同種の機能の実行が新たに指示されること、を含む。
【0055】
スキャン済み中断中の機能とは、現在表示されている第1情報バー46が表示される直前に原稿の読み取りまで完了しているもののそのスキャンデータに基づく特定の処理が実行されていない状態になっている機能を意味する。よって、
図3の例では、スキャン済み中断中の機能と同種の機能とは、コピー機能である。そのため、
図3に示す待機画面40において、例えばコピーボタン42が選択操作されることは、第1イベントに含まれる。
【0056】
第2イベントは、例えば、無操作タイムアウトによってプレビュー画面65から待機画面40に遷移した後、その待機画面40に対する選択操作が何ら行われないまま第2の規定時間が経過すること、を含む。
【0057】
第1情報バー46を含む待機画面40において、第1情報バー46が選択操作された場合は、表示部13に、
図3に例示する第1通知画面70が表示される。第1通知画面70には、続行確認メッセージ71と、はいボタン72と、いいえボタン73とが表示される。続行確認メッセージ71は、すでに生成されて保存されているスキャンデータに基づく特定の処理を実行するか否かを問うメッセージである。ユーザは、続行確認メッセージ71を見ることで、スキャン済み中断中の機能があることを認識することができる。
【0058】
第1通知画面70において、いいえボタン73が選択操作されると、第1情報バー46を含む待機画面40に遷移する。第1通知画面70において、はいボタン72が選択操作されると、スキャン済み中断中の機能が実行される。
図3の例では、保存されているスキャンデータが示すスキャン画像が印刷機能により印刷される。機能実行後は、
図2に示す待機画面40に遷移してもよいし、実行した機能に対応する特定の画面に遷移してもよい。
図3の例では、機能実行後は例えば
図2に示すコピー設定画面50に遷移してもよい。
【0059】
第1情報バー46を含む待機画面40において、スキャン済み中断中の機能と同種の機能の実行が新たに指示された場合も、第1情報バー46が選択操作された場合と同様に、表示部13に第1通知画面70が表示される。この場合において、はいボタン72が選択操作された場合の処理についても、第1情報バー46の選択操作によって遷移した第1通知画面70における、はいボタン72が選択操作された場合と同様であり、スキャン済み中断中の機能が実行される。
【0060】
一方、スキャン済み中断中の機能と同種の機能の実行が新たに指示されたことによって遷移した第1通知画面70において、いいえボタン73が選択操作された場合は、スキャンデータを保持しつつ、コピー設定画面50(
図2参照)に遷移する。この場合、ユーザは、新たにコピー機能を実行させることができる。そして、その新たなコピー機能の完了後は、例えば、第1情報バー46を含む待機画面40が再び表示されてもよい。
【0061】
第1情報バー46を含む待機画面40が表示されている状態で、例えば第2イベントが発生した場合は、保存されているスキャンデータが消去される。そして、
図4に例示する、第2情報バー47を含む待機画面40に遷移する。第2情報バー47には、スキャンデータに基づく特定の処理が実行されていないこと、及び、スキャン済み中断中の機能を続行したい場合は再び原稿の読み取りから行う必要があること(換言すれば保存されていたスキャンデータが消去されたこと)を示す第2のメッセージが表示される。
【0062】
本実施形態における第2のメッセージは、例えば、「プレビュー内容が印刷されていません。印刷する場合はもう一度原稿を読み取ってください。」というメッセージを含む。第2のメッセージはどのような内容であってもよい。また、第2情報バー47に第2のメッセージの全体を同時に表示できない場合は、第1情報バー46における第1のメッセージと同様に種々の方法で表示させてもよい。
【0063】
第2情報バー47を含む待機画面40において、第2情報バー47が選択操作された場合は、表示部13に、
図4に例示する第2通知画面80が表示される。第2通知画面80には、中断中機能キャンセルメッセージ81と、閉じるボタン82とが表示される。中断中機能キャンセルメッセージ81は、スキャン後に中断されていた機能のスキャンデータに基づく特定の処理が実行されていないこと、及びそのスキャンデータが消去されたことにより機能を続行させたい場合はもう一度原稿の読み取りから始める必要があること、をユーザに知らせるメッセージである。ユーザは、中断中機能キャンセルメッセージ81を見ることで、先に読み取らせた原稿のコピーを完了させたい場合はもう一度スキャンから行う必要があることを認識することができる。
【0064】
第2通知画面80において、閉じるボタン82が選択操作されると、
図2に示す待機画面40、即ち第1情報バー46及び第2情報バー47のいずれも表示されていない通常の待機画面40に遷移する。
【0065】
(5)メイン処理
上述した画面遷移を実現するために制御部11が実行するメイン処理について、
図5~
図6を用いて説明する。制御部11は、電源電力が供給されることにより起動すると、記憶部12からメイン処理のプログラムを読み込んで実行する。
【0066】
制御部11は、メイン処理を開始すると、S110で、表示部13に待機画面40を表示させる。S120では、プレビュー対応機能を実行することが選択されたか否か判断する。プレビュー対応機能を実行することが選択されていない場合は、S130で、他イベント対応処理を実行する。具体的に、プレビュー対応機能が選択されること以外の他のイベントが発生することに応じてそのイベントに対応した処理を実行する。S130の処理後はS110に移行する。S130で、イベントが発生していない場合も、S110に移行する。
【0067】
S120で、プレビュー対応機能を実行することが選択された場合は、S140で、機能設定受付処理を実行する。具体的には、選択されたプレビュー対応機能に対応した機能設定画面を表示部13に表示し、その機能を実行する際に用いられる各種設定値の設定を受け付ける。S120で選択されたプレビュー対応機能が例えばコピー機能である場合は、S140では、
図2に示したコピー設定画面50を表示し、コピー機能で用いられる各種設定値の設定を受け付ける。
【0068】
S140では、プレビュー画面65を表示させる機能(以下、プレビュー表示機能と称する)自体をオン又はオフに設定できる。プレビュー表示機能がオンに設定されることで、プレビュー対応機能の実行時にプレビュー画面65が表示される。プレビュー表示機能がオフに設定されると、プレビュー対応機能が実行された場合、プレビュー画面65が表示されることなく機能が実行される。本実施形態では、例えば、プレビュー表示機能がデフォルトでオンに設定されている。そのため、ユーザが意図的にプレビュー表示機能をオフに変更しない限り、プレビュー対応機能の実行時にはプレビュー画面65が表示される。
【0069】
なお、プレビュー機能のデフォルト設定がオフであってもよい。また、プレビュー機能のデフォルト設定値をユーザが任意に決めることができてもよい。また、プレビュー機能の設定がデフォルトから変更された場合、その変更された設定状態をそのまま維持してもよいし、機能実行後にデフォルト設定に戻してもよい。また、プレビュー機能をオン又はオフに設定可能であることは必須ではなく、プレビュー対応機能の実行時にはプレビュー画面65が表示されるように構成されていてもよい。
【0070】
S150では、ユーザにより機能開始の指示が行われたか否か判断する。
図2に示した例では、コピー設定画面50においてモノクロスタートボタン57又はカラースタートボタン58が選択操作されることが、機能開始の指示に対応する。機能開始の指示が行われていない場合は、S140に移行する。機能開始の指示が行われた場合は、S160に移行する。
【0071】
S160では、スキャン機能を実行することにより、原稿の画像を読み取り、スキャンデータを生成する。そして、生成したスキャンデータを記憶部12に保存する。
S170では、プレビュー表示機能がオンに設定されているか否か判断する。プレビュー表示機能がオフに設定されている場合は、S210に移行し、スキャン後機能を実行する。即ち、実行中のプレビュー対応機能における、スキャンデータ生成後に実行すべき残りの機能を実行することにより、プレビュー対応機能を完了させる。そして、S220で、保存していたスキャンデータを消去して、S140に移行する。
【0072】
S170で、プレビュー表示機能がオンに設定されている場合は、S180で、表示部13にプレビュー画面65を表示する。S190では、前述の無操作タイムアウトが発生したか否か判断する。無操作タイムアウトが発生していない場合は、S200で、プレビュー画面65におけるスタートボタン67が選択操作されたか否か判断する。スタートボタン67が選択操作された場合は、S210に移行し、スキャン後機能を実行する。スタートボタン67が選択操作されていない場合は、S190に移行する。
【0073】
S190で、無操作タイムアウトが発生した場合は、スキャンデータが保存された状態を維持したまま、S230に移行する。S230では、表示部13に、第1情報バー46を含む待機画面40(
図3参照)を表示する。S240では、イベントが発生したか否か判断する。イベントが発生していない場合はS230に移行する。何らかのベントが発生した場合は、S250(
図6参照)に移行する。
【0074】
S250では、発生したイベントの内容を判断する。発生したイベントが第1イベント及び第2イベントのいずれでもない場合は、S360で、S160で保存したスキャンデータを消去し、S130に移行する。この場合、S130で、発生したイベントに応じた処理を行って、S110に移行する。
【0075】
S250で、発生したイベントが第1イベントであった場合は、S310に移行する。S310では、表示部13に、第1通知画面70(
図3参照)を表示する。S320では、ユーザによる操作に基づいて、スキャン後機能の実行の要否を判断する。
図3に示す第1通知画面70においては、はいボタン72が選択操作されることが、スキャン後機能の実行が要求されることに対応し、いいえボタン73が選択操作されることが、スキャン後機能の実行が不要であるとの指示がなされることに対応する。
【0076】
スキャン後機能の実行を要求する操作が行われた場合は、S330で、S210と同様にスキャン後機能を実行する。そして、S340で、S220と同様、そのスキャン後機能で用いたスキャンデータを記憶部12から消去して、S140(
図5参照)に移行する。
【0077】
S320で、スキャン後機能の実行が不要であるとの指示がなされた場合は、S350に移行する。S350では、発生した第1イベントが、第1情報バー46が選択操作されたことであるか否か判断する。第1情報バー46が選択操作されたことであった場合は、S230(
図5参照)に移行し、第1情報バー46を含む待機画面40を表示する。発生した第1イベントが、第1情報バー46が選択操作されたこととは異なるイベントであった場合は、S140に移行する。この場合、S140では、
図3で説明したように、発生したイベントに対応した機能の機能設定画面を表示する。
【0078】
S250で、発生したイベントが第2イベントであった場合は、S260に移行する。S260では、S160で保存したスキャンデータを消去する。S270では、待機画面40に表示されている情報バーを、第1情報バー46から第2情報バー47(
図4参照)に切り替える。
【0079】
S280では、何らかのイベントが発生したか否か判断し、イベントが発生した場合、S290に移行する。S290では、発生したイベントが、第2情報バー47の選択操作であるか否か判断する。第2情報バー47の選択操作ではない場合は、S130に移行する。第2情報バー47の選択操作であった場合は、S300に移行する。
【0080】
S300では、表示部13に第2通知画面80(
図4参照)を表示する。そして、第2通知画面80における閉じるボタン82が選択操作されることに応じて、S110に移行する。
【0081】
(6)実施形態の効果
以上説明したように、本実施形態の画像処理装置10では、プレビュー対応機能の実行時において、プレビュー画面65が表示された後、無操作タイムアウトが発生した場合は、待機画面40に切り替わる。そのため、スキャン後機能の完了を待つことなく、他の機能を実行させることができる。
【0082】
しかも、無操作タイムアウトによってプレビュー画面65から遷移した待機画面40には、第1情報バー46が表示される。そのため、ユーザは、原稿の画像が読み取られたもののその後の処理がまだ行われていないことを認識することができる。これにより、ユーザは、第1情報バー46に応じて、保存されているスキャンデータに基づくスキャン後処理を実行させることができる。よって、ユーザにとって利便性の高い画像処理装置10を提供することが可能となる。
【0083】
また、第1情報バー46を含む待機画面40が表示されている場合に、第1情報バー46を選択操作することで、スキャン済み中断中の機能を再開させることができる。また、第1情報バー46を含む待機画面40が表示されている場合に、スキャン済み中断中の機能と同種の機能の実行を指示することで、スキャンデータが保存されている状態を維持しつつ、その指示した機能を実行させることができる。
【0084】
また、無操作タイムアウトの発生によって第1情報バー46を含む待機画面40が表示された後、第2イベントが発生した場合、即ちその待機画面40に対する選択操作が何ら行われないまま第2の規定時間が経過した場合は、スキャンデータが消去される。ユーザによっては、プレビュー対応機能の実行を指示したものの、プレビュー画面65が表示された後の操作を失念してしまうことが起こり得る。その場合、保存したスキャンデータはその後使用されることがなく無駄なデータになってしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、上記のように、第1情報バー46を含む待機画面40が表示された後にさらに第2イベントが発生した場合はスキャンデータが消去される。そのため、記憶部12におけるスキャンデータの記憶領域の適正な利用が可能となる。
【0085】
また、第2イベントが発生した場合、スキャンデータが消去されることに加え、待機画面40には、第1情報バー46に代わって第2情報バー47が表示される。そのため、ユーザは、第2情報バー47を見ることによって、スキャンデータが消去されたことを認識することができる。
【0086】
なお、本実施形態において、第1情報バー46が表示された待機画面40における、第1情報バー46を選択操作することは、特定入力操作の一例に相当する。第1通知画面70における、はいボタン72を選択操作することは、続行要求の一例に相当する。記録用紙は被記録媒体の一例に相当する。
【0087】
また、S160の処理は読取処理及び記憶処理の一例に相当する。S180の処理はプレビュー画面表示処理の一例に相当する。S200~S210の処理は読取画像処理の一例に相当する。S230の処理は待機画面表示処理の一例に相当する。S260の処理は消去処理の一例に相当する。S270の処理はメッセージ変更処理の一例に相当する。S310の処理は続行確認処理の一例に相当する。S330の処理は続行要求対応処理の一例に相当する。S360及びこれに続くS130の処理は別機能対応処理の一例に相当する。
【0088】
[2.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0089】
(1)第1情報バー46を含む待機画面40が表示されている状態でスキャン済み中断中の機能と同種の機能の実行が選択されることに応じて表示される第1通知画面70において、いいえボタン73が選択操作された場合、次のような処理が行われてもよい。
【0090】
例えば、保存されているスキャンデータを消去して、その選択された同種の機能を実行するようにしてもよい。
また例えば、選択された同種の機能が実行されることによって生成された新たなスキャンデータのデータ量に応じて、保存されているスキャンデータをそのまま維持するか消去するかを決定してもよい。例えば、記憶部12におけるスキャンデータを保存可能な記憶領域の空き容量が、新たに生成されたスキャンデータのデータ量よりも少ない場合は、保存されているスキャンデータを消去してもよい。
【0091】
(2)
図2~
図4に示した各画面の内容はあくまでも一例であり、各画面はどのような内容であってもよい。
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0092】
1…情報処理システム、10…画像処理装置、11,21…制御部、12,22…記憶部、13,24…表示部、14,23…入力部、15…読取部、16…印刷部、17…メディアI/F、18…第1通信部、19…第2通信部、20…情報処理装置、25…通信部、40…待機画面、41…ファクスボタン、42…コピーボタン、43…スキャンボタン、46…第1情報バー、47…第2情報バー、50…コピー設定画面、57…モノクロスタートボタン、58…カラースタートボタン、65…プレビュー画面、66…プレビュー画像、67…スタートボタン、70…第1通知画面、71…続行確認メッセージ、80…第2通知画面、81…中断中機能キャンセルメッセージ。