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特許7298221情報提供方法、情報提供プログラムおよび情報提供装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】情報提供方法、情報提供プログラムおよび情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230620BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230620BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019050325
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020154458
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 広明
(72)【発明者】
【氏名】大堀 耕太郎
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-113023(JP,A)
【文献】特開2005-301332(JP,A)
【文献】特開2019-021019(JP,A)
【文献】特開2010-204912(JP,A)
【文献】特開2005-196522(JP,A)
【文献】国際公開第2006/085383(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0285791(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動主体それぞれの属性情報に基づいて、前記複数の移動主体の中で互いに関係性を有すると推定される移動主体同士をグループ化し、
前記移動主体それぞれの行き先の履歴情報および前記行き先の混雑情報に基づく、前記移動主体それぞれの前記行き先に対する選好をもとに、前記行き先ごとの前記移動主体の配分数を求め、
前記行き先ごとに求めた配分数をもとに、当該行き先として影響を与えるための情報を提供するグループを選定し、選定した前記グループに属する移動主体それぞれに対して当該移動主体の行き先として影響を与えるための情報を提供する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報提供方法。
【請求項2】
前記グループ化する処理は、前記属性情報に含まれる移動主体の行動履歴をもとに、前記移動主体同士の関係性の有無を推定してグループ化を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供方法。
【請求項3】
前記グループ化する処理は、前記属性情報をもとに、前記移動主体それぞれが互いに近接しているか否かを判別し、互いに近接している移動主体同士をグループ化する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供方法。
【請求項4】
前記配分数を求める処理は、前記選好に基づく前記行き先ごとの効用が等しい利用者均衡となる前記行き先ごとの前記移動主体の配分数を求める、
ことを特徴とする請求項に記載の情報提供方法。
【請求項5】
複数の移動主体それぞれの属性情報に基づいて、前記複数の移動主体の中で互いに関係性を有すると推定される移動主体同士をグループ化し、
前記移動主体それぞれの行き先の履歴情報および前記行き先の混雑情報に基づく、前記移動主体それぞれの前記行き先に対する選好をもとに、前記行き先ごとの前記移動主体の配分数を求め、
前記行き先ごとに求めた配分数をもとに、当該行き先として影響を与えるための情報を提供するグループを選定し、選定した前記グループに属する移動主体それぞれに対して当該移動主体の行き先として影響を与えるための情報を提供する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項6】
複数の移動主体それぞれの属性情報に基づいて、前記複数の移動主体の中で互いに関係性を有すると推定される移動主体同士をグループ化するグループ化部と、
前記移動主体それぞれの行き先の履歴情報および前記行き先の混雑情報に基づく、前記移動主体それぞれの前記行き先に対する選好をもとに、前記行き先ごとの前記移動主体の配分数を求める配分計算部と、
前記行き先ごとに求めた配分数をもとに、当該行き先として影響を与えるための情報を提供するグループを選定し、選定した前記グループに属する移動主体それぞれに対して当該移動主体の行き先として影響を与えるための情報を提供する情報配信部と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供方法、情報提供プログラムおよび情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空港や会場内の各施設における混雑緩和などのため、クーポンの配布などの情報提供により空いている施設へ移動主体を誘導する人流誘導が行われている。この人流誘導に関する情報提供においては、空いている施設へ誘導する情報提供を各移動主体に対して一様に行い、混雑の平滑化を狙う従来技術がある。
【0003】
各移動主体に対する一様な情報提供では、情報により多くの人が集まることで空いていた施設が混雑し、逆に混雑していた施設が空いてしまうなどの振動現象(ハンチング現象)のような好ましくないマクロ現象が起こる場合がある。このようなハンチング現象を防ぐ従来技術としては、一部の移動主体に情報配信を行い、利用者の各々にとって効用値が等しくなるように、各施設の利用者数を配分する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-310577号公報
【文献】特開2002-259251号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】大口敬,佐藤貴行,鹿田成則,渋滞時の代替経路選択行動に与える交通情報提供効果,土木計画学研究・論文集,2005,22巻,p.799-804
【文献】BECKMANN, M. J., C. B. McGUIRE, AND C. B. WINSTEN (1956). Studies in the Economics of Transportation. Yale University Press, New Haven, Conn.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術では、提供した情報のとおりに移動主体が移動することを前提としていることから、実際には想定どおりに移動主体が動かずにハンチング現象に代表される望ましくないマクロ現象が起こり得るという問題がある。
【0007】
例えば、移動主体においては、集団行動を行う場合がある。このような集団行動中の移動主体それぞれに対して一様でない情報が提供されると(例えば、一人のメンバーには情報提供が行われ、他のメンバーには情報提供が行われないなど)、集団が分けられることに対して負の連帯誘因が生じる。連帯誘因とは、集団における交流や居心地のよさ、帰属意識などからの報酬であり、負の連帯誘因は、集団が分けられることを嫌うことに相当する。このように負の連帯誘因が生じると、各移動主体は、集団が分けられないように、提供された情報のとおりに動かない場合がある。
【0008】
1つの側面では、人流誘導を適切に行うことができる情報提供方法、情報提供プログラムおよび情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの案では、情報提供方法は、グループ化する処理と、提供する処理とをコンピュータが実行する。グループ化する処理は、複数の移動主体それぞれの属性情報に基づいて、複数の移動主体の中で互いに関係性を有すると推定される移動主体同士をグループ化する。提供する処理は、グループ化したグループごとに、当該グループに属する移動主体それぞれに対し、当該移動主体の行き先として影響を与えるための情報を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の1実施態様によれば、人流誘導を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態にかかる情報提供の概要を説明する説明図である。
図2図2は、実施形態にかかる情報提供装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3図3は、利用者の選考の推定を説明する説明図である。
図4図4は、実施形態にかかる情報提供装置の動作例を示すフローチャートである。
図5図5は、グループ化の処理例を示すフローチャートである。
図6図6は、配信者の選定例を説明する説明図である。
図7図7は、実施形態にかかる情報提供装置の動作の変形例を示すフローチャートである。
図8図8は、近接性判定の処理例を示すフローチャートである。
図9図9は、配信者の選定例を説明する説明図である。
図10図10は、従来の情報提供による混雑状況を説明する説明図である。
図11図11は、実施形態における情報提供による混雑状況を説明する説明図である。
図12図12は、実施形態にかかる情報提供装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる情報提供方法、情報提供プログラムおよび情報提供装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する情報提供方法、情報提供プログラムおよび情報提供装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0013】
[情報提供の概要]
図1は、実施形態にかかる情報提供の概要を説明する説明図である。図1に示すように、実施形態にかかる情報提供は、空港や会場内の各施設における混雑緩和などのため、行き先として影響を与えるための情報の一例として施設の混雑状況を示す混雑情報を移動主体Mに対して配信し、人流誘導を行うものである。
【0014】
ここで、移動主体Mとは、目的とする施設(行き先)を自律的に判断して移動することができる単位の総称であり、運転者が運転する一台の車や一人の人間などが相当する。本実施形態では、各種施設を有するイベント会場のチケットを購入し、イベント会場内に入場した一人の利用者を移動主体Mの一例として説明する。
【0015】
本実施形態では、まず、各移動主体Mの行動履歴(例えば会場内の施設の選択履歴)や属性情報(例えばチケット購入時に登録した利用者の属性)から、各移動主体Mの各施設に対する選好・移動主体M同士の情報交換構造を推定する。
【0016】
例えば、各移動主体Mの各施設に対する選好は、各移動主体Mが選択した施設の選択履歴から求めた各施設に対する魅力と、各施設に対する移動主体Mとの距離から、各移動主体Mにおける施設ごとの移動主体Mに対する効用値を求める。そして、求めた効用値が最も高い施設を移動主体Mが選好するものと推定する。
【0017】
また、移動主体M同士の情報交換構造とは、互いの情報交換が疎であるか密で有るかを示すものである。例えば、移動主体Mそれぞれが互いに近接(単純な距離の近接だけでなく、友人同士または家族などの社会的な近接性を含む)しており、互いに関係性を有すると推定される移動主体M同士の場合は、互いの情報交換が密な情報交換構造と推定する。逆に、移動主体Mそれぞれが互いに近接していない場合は、互いの情報交換が疎な情報交換構造と推定する。
【0018】
次いで、本実施形態では、推定した移動主体M同士の情報交換構造をもとに、グループを抽出してグループ化する。具体的には、互いに関係性を有すると推定され、互いの情報交換が密な情報交換構造であるものと推定される移動主体M同士を、グループG1、G2などのようにグループ化する。また、移動主体Mそれぞれが互いに近接しておらず、互いの情報交換が疎な情報交換構造と推定される移動主体M同士についても、情報交換が密なグループとは別のグループとしてグループ化する。
【0019】
次いで、本実施形態では、グループ化後のグループ単位での情報配信を行う。一例として、グループG1に属する移動主体Mそれぞれには混雑情報を配信し、グループG2に属する移動主体Mそれぞれには混雑情報を配信しないものとする。
【0020】
このように、本実施形態では、互いに関係性を有すると推定されるグループG1、G2単位で移動主体Mをまとめた上で、行き先として影響を与えるための情報(例えば混雑情報)をグループG1、G2単位で配信する。このため、互いに関係性を有し、集団行動がなされているものと推定されるグループG1、G2に属する移動主体Mそれぞれに対しては、一様な情報が提供される。
【0021】
したがって、本実施形態の情報提供による人流誘導においては、グループG1、G2が分けられるような負の連帯要因が発生することを抑止でき、想定どおりの適切な人流誘導を実施することが可能となる。また、このような想定どおりの人流誘導を実施することで、ハンチング現象に代表される望ましくないマクロ現象の発生を抑止できる。
【0022】
[情報提供装置の機能構成と動作]
図2は、実施形態にかかる情報提供装置の機能構成例を示すブロック図である。図2に示す情報提供装置1は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置を適用できる。図2に示すように、情報提供装置1は、入力部10、配分計算部20グループ化部30および情報配信部40を有する。
【0023】
入力部10は、空間情報11、利用者情報12、施設選択情報13および施設混雑情報14などの、情報提供に関する各種情報の入力を受け付ける処理部である。
【0024】
空間情報11は、移動主体Mの行き先の対象となる各施設の位置情報など、イベント会場における空間(広さ、フロア数、壁、通路および施設の位置等)についての情報である。
【0025】
利用者情報12は、イベント会場の利用者、すなわち移動主体Mごとの情報である。例えば、利用者情報12は、イベント会場のチケットに付与されたチケット番号などの移動主体Mを識別する識別情報ごとに、移動主体Mに関する各種情報を有する。
【0026】
利用者情報12における移動主体Mに関する情報としては、移動主体Mの属性を示す属性情報、GPS(Global Positioning System)などを用いて取得した移動主体Mの現在位置を示す位置情報、移動主体Mに対する情報の通知先となるアドレス情報(例えば電子メールアドレス、SNSアカウントなど)などがある。
【0027】
例えば、移動主体Mの属性情報としては、移動主体Mの年齢、家族構成、グループ構成、その構成に伴うチケットの種類などがある。この移動主体Mの属性情報については、例えば、チケットの事前予約時における入力画面より入力された内容が格納されている。
【0028】
また、移動主体Mの属性情報には、移動主体Mの行動履歴が含まれていてもよい。例えば、移動主体Mの行動履歴としては、チケット購入時の行動内容(事前予約によるチケット購入の有無、同時購入者の有無など)、チケット購入の日時、イベント会場への入場日時などがある。
【0029】
施設選択情報13は、移動主体Mそれぞれが選択して訪れた施設の履歴情報である。具体的には、施設選択情報13は、移動主体Mが行き先として選択し、訪れた施設において移動主体Mが所持するチケットより読み取ったチケット番号をもとに、各移動主体Mが訪れた施設の履歴が示されている。すなわち、施設選択情報13は、移動主体Mそれぞれの行き先の履歴情報の一例である。
【0030】
施設混雑情報14は、移動主体Mの行き先の対象となる各施設の混雑情報を示す情報であり、例えば、施設ごとにカウントした待ち行列の数などである。
【0031】
配分計算部20は、移動主体Mの行き先の対象となる施設ごとの、利用者(移動主体M)の配分数を計算する処理部である。
【0032】
具体的には、配分計算部20は、施設選択情報13に示された移動主体Mにおける過去の選択行動(いずれの施設を選択して訪れたか)および施設混雑情報14をもとに、公知の最尤法を利用して各施設(行き先)に対する移動主体Mの選好を推定する。
【0033】
図3は、利用者の選考の推定を説明する説明図である。図3では、移動主体Mxにおける施設A、Bの選好を推定する場合を例示している。なお、配分計算部20は、利用者情報12における移動主体Mxの位置情報と、空間情報11における施設A、Bの位置情報との比較により、移動主体Mxに対する施設A、Bそれぞれの距離を「1」と求める。
【0034】
また、配分計算部20は、施設選択情報13が示す移動主体Mxにおける過去の選択行動(例えば施設Aまたは施設Bと同種の施設の選択数)と、施設混雑情報14が示す各施設の混雑状況(待ち行列の数)とにより、移動主体Mxの施設A、Bそれぞれに対する魅力を求める。例えば、配分計算部20は、過去の選択行動における、施設Aまたは施設Bと同種の施設の選択数に応じて、選択数が多い場合は高い魅力を有するものとする。また、配分計算部20は、各施設の待ち行列の数に応じて、待ち行列の数が少ない場合は高い魅力を有するものとする。これにより、配分計算部20は、移動主体Mxの施設Aに対する魅力を「5」、施設Bに対する魅力を「4」と求める。
【0035】
図3に示すように、配分計算部20は、移動主体Mxの施設A、Bに対する魅力、距離などをもとに、効用値(Ux)を求める。次いで、配分計算部20は、効用値(Ux)の最も高いものを移動主体Mxが選好するものとして推定する。
【0036】
次いで、配分計算部20は、求めた移動主体Mの選好をもとに、利用者(移動主体M)にとっての各施設の効用値が等しい状態、すなわち利用者均衡(Wardrop均衡)となる各施設の配分数を計算する。具体的には、配分計算部20は、公知のFrank-Wolfe法を用いて、利用者(移動主体M)にとっての各施設の効用値が等しい均衡配分を計算する。
【0037】
配分計算部20が計算した配分数の移動主体Mに対し、行き先として影響を与えるための情報(例えば混雑情報)を提供することで、利用者均衡(各施設の利用者における効用が均衡する)となるような、適切な人流誘導を実施することができる。
【0038】
グループ化部30は、各移動主体Mの利用者情報12をもとに、互いに関係性を有すると推定される移動主体M同士をグループ化する処理部である。
【0039】
情報配信部40は、グループ化部30がグループ化したグループごとに、グループに属する移動主体Mそれぞれに対し、移動主体Mの行き先として影響を与えるための情報(例えば混雑情報)を提供する処理部である。
【0040】
ここで、図4~6を参照し、グループ化部30および情報配信部40における処理の詳細を説明する。図4は、実施形態にかかる情報提供装置1の動作例を示すフローチャートである。図5は、グループ化の処理例を示すフローチャートである。図6は、配信者の選定例を説明する説明図である。
【0041】
図4に示すように、処理が開始されると、配分計算部20は、入力部10より入力された施設選択情報13および施設混雑情報14を収集する(S1)。
【0042】
次いで、配分計算部20は、施設選択情報13に示された移動主体Mにおける過去の選択行動および施設混雑情報14をもとに、各施設(行き先)に対する利用者(移動主体M)の選好を推定する(S2)。
【0043】
次いで、配分計算部20は、推定した移動主体Mの選好をもとに、利用者均衡(Wardrop均衡)となる各施設の配分数を計算する(S3)。
【0044】
次いで、グループ化部30は、各移動主体Mの利用者情報12をもとに、イベント会場に入場済みの利用者(移動主体M)の利用者リストを作成し、利用者リストに含まれる各利用者(移動主体M)間の準拠集団関係を判定する(S4)。そして、グループ化部30は、準拠集団関係の判定結果をもとに、準拠集団を共有するグループを単位としてグループ化する。
【0045】
具体的には、図5に示すように、グループ化の処理が開始されると、グループ化部30は、利用者リストから任意に一人を選択する(S10)。次いで、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)について、利用者情報12に含まれる行動履歴(チケット購入時の行動内容)をもとに、チケットの事前予約の有無を判定する(S11)。
【0046】
チケットの事前予約が無い場合(S11:NO)、グループ化部30は、チケット同時購入の有無が分からないことから、選択した利用者(移動主体M)を配信の対象外とする。次いで、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)を利用者リストから削除し(S12)、S15へ処理を進める。
【0047】
チケットの事前予約が有る場合(S11:YES)、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)について、利用者情報12をもとに、一次準拠集団および二次準拠集団の判定(S13、S14)を行う。
【0048】
具体的には、グループ化部30は、利用者情報12に含まれる行動履歴をもとに、同時購入者の有無を判定する(S13a)。同時購入者がいる場合(S13a:YES)、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)と同時購入者とをグループとしてまとめ、グループのメンバーを利用者リストから削除する(S13b)。
【0049】
同時購入者がいない場合(S13a:NO)、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)を一人グループとし、該当の者を利用者リストから削除する(S13c)。
【0050】
このように、グループ化部30は、S13の処理により、選択した利用者(移動主体M)の一次準拠集団としての関係性(同時にチケットを購入した人から、友人・家族関係(友人集団、家族集団の可能性が高い)の有無)を判定する。
【0051】
次いで、グループ化部30は、S13において一次準拠集団の判定を行ったグループについて、当該グループのチケットの種類から世代を判定し、メモリなどに保存する(S14a)。具体的には、グループ化部30は、利用者情報12に示されたチケットの種類と、予め設定された世代判定テーブルT1とを突き合わせることで、世代(子供、学生、大人、シニアなど)を判定する。
【0052】
次いで、グループ化部30は、S13において一次準拠集団の判定を行ったグループについて、当該グループの世代構成から社会属性を判定し、メモリなどに保存する(S14b)。具体的には、グループ化部30は、S14aで判定した世代の構成と、予め設定された社会属性判定テーブルT2とを突き合わせることで、社会属性(家族連れ、友人など)を判定する。
【0053】
このように、グループ化部30は、S14の処理により、一次準拠集団の判定を行ったグループについて、さらに二次準拠集団としての関係性(世代、社会属性)を判定する。
【0054】
次いで、グループ化部30は、利用者リストが空か否かを判定し(S15)、空でない場合(S15:NO)はS20へ処理を戻す。利用者リストが空である場合(S15:YES)は、処理を終了する。
【0055】
図4に戻り、S4に次いで、情報配信部40は、準拠集団を共有するグループを単位とし、S3で計算した各施設の配分数を満たすように、情報の配信者を選定する(S5)。
【0056】
図6は、配信者の選定例を説明する説明図である。図6に示すように、情報配信部40は、グループ化部30のグループ化による準拠集団を共有するグループを配信単位とする。ここで、情報配信部40は、各グループの合計人数を求める。
【0057】
例えば、「家族連れ」のグループについては、「グループ1」などが当てはまることから、「グループ1」の合計人数である「30」が得られる。また、「友人」のグループについては、「グループ2」、「グループn」などが当てはまることから、「グループ2」、「グループn」の合計人数である「20」が得られる。
【0058】
次いで、情報配信部40は、S3で計算した各施設の配分数を満たすように、適切な合計人数となるようセグメント(グループの組み合わせ)を選定する。例えば、配分数が50人である場合は、「家族連れ」、「友人」の合計人数である「30」+「20」が最も50人に近くなる。したがって、情報配信部40は、「家族連れ」、「友人」のグループを配信単位とし、グループ内の移動主体Mを配信者として選定する。
【0059】
図4に戻り、S5に次いで、情報配信部40は、選定した配信者(移動主体M)に対し、行き先として影響を与えるための情報(例えば混雑情報、タイムサービス情報などのインセンティブを提供する情報など)を配信する。具体的には、情報配信部40は、利用者情報12のアドレス情報を参照し、選定した配信者(移動主体M)のアドレス宛に情報提供を行う。
【0060】
なお、情報配信部40における情報提供は、セグメント選択の根拠が問われないように(一部のグループに対して情報提供が成されることに対する不公平感が出ないように)、例えば、予め設定された情報の中からランダムに選択されたものが提供される。
【0061】
次いで、情報配信部40は、処理を一定時間待機し(S7)、予め設定された誘導の終了時間であるか否かを判別する(S8)。終了時間でない場合(S8:NO)、情報配信部40はS1へ処理を戻す。終了時間である場合(S8:YES)、情報配信部40は処理を終了する。
【0062】
なお、グループ化部30については、利用者(移動主体M)同士の社会的または距離的な近接性を判定してグループ化してもよい。
【0063】
ここで、図7~9を参照し、利用者(移動主体M)同士の社会的または距離的な近接性を判定してグループ化する変形例の処理について、詳細を説明する。図7は、実施形態にかかる情報提供装置1の動作の変形例を示すフローチャートである。図8は、近接性判定の処理例を示すフローチャートである。図9は、配信者の選定例を説明する説明図である。
【0064】
図7に示すように、変形例では、前述したS4~S6の処理がS4a~S4cに変わる以外は、図4と同じ処理内容である。よって、同じ処理内容については説明を省略し、異なる処理内容について説明する。
【0065】
図7に示すように、S3に次いで、グループ化部30は、各移動主体Mの利用者情報12をもとに、イベント会場に入場済みの利用者(移動主体M)の利用者リストを作成し、利用者リストに含まれる利用者同士の近接性を判定する(S4a)。そして、グループ化部30は、S4aの判定結果をもとに、近接性の高いグループを単位としてグループ化する。
【0066】
具体的には、図8に示すように、近接性判定の処理が開始されると、グループ化部30は、利用者リストから任意に一人を選択する(S20)。次いで、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)について、利用者情報12に含まれる行動履歴(チケット購入時の行動内容)をもとに、チケットの事前予約の有無を判定する(S21)。
【0067】
チケットの事前予約が無い場合(S21:NO)、グループ化部30は、チケット同時購入の有無が分からないことから、選択した利用者(移動主体M)を配信の対象外とする。次いで、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)を利用者リストから削除し(S22)、S26へ処理を進める。
【0068】
チケットの事前予約が有る場合(S21:YES)、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)について、利用者情報12に含まれる行動履歴をもとに、同時購入者の有無を判定する(S23)。同時購入者がいる場合(S23:YES)、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)と同時購入者とをグループとしてまとめ、グループのメンバーを利用者リストから削除する(S24)。
【0069】
同時購入者がいない場合(S23:NO)、グループ化部30は、選択した利用者(移動主体M)を一人グループとし、該当の者を利用者リストから削除する(S25)。
【0070】
次いで、グループ化部30は、利用者リストが空か否かを判定し(S26)、空でない場合(S26:NO)はS20へ処理を戻す。利用者リストが空である場合(S26:YES)は、処理を終了する。
【0071】
このように、グループ化部30は、チケットの同時購入は友人・家族などの可能性が高く、友人・家族であれば社会的な近接性が高いことを利用し、グループ化を行ってもよい。
【0072】
なお、近接性判定は、同時購入者の有無に限定するものではなく、他の属性情報、行動履歴をもとに判定を行ってもよい。例えば、S23においては、利用者情報12の行動履歴をもとに、同時入場者の有無を判定し、同時入場者がいる場合は友人・家族などの可能性が高く、近接性が高いものと判定してもよい。また、S23においては、利用者情報12における移動主体Mの位置情報をもとに、移動主体M同士の距離が閾値以内であるか否かを判定し、距離が近い場合は友人・家族などの可能性が高く、近接性が高いものと判定してもよい。
【0073】
図7に戻り、S4aに次いで、情報配信部40は、近接性が高いグループを単位とし、S3で計算した各施設の配分数を満たすように、情報の配信者を選定し(S4b)、選定した配信者に情報配信を行う(S4c)。
【0074】
図9は、配信者の選定例を説明する説明図である。図9に示すように、情報配信部40は、グループG1、G2ごとに、所定の条件を満たすか否かに応じたスコア付けを行い、スコアによるグループの優先順位付けを行ってもよい。そして、情報配信部40は、スコアが高いグループから順に、配分数を満たすように配信者の選定を行ってもよい。
【0075】
例えば、図9の例では、グループG1、G1について、チケットの種類が優先チケットであるか通常チケットであるかに応じたスコア(優先チケット>通常チケットとする)を付ける。また、予約順序の順位に応じたスコア(先着者ほど優先順位が高い)を付ける。また、過去の利用実績に応じたスコア(利用回数が多いほど優先順位が高い)を付ける。また、利用者属性に応じたスコア(子供連れやシニアは優先順位が高い)を付ける。これにより、グループG1のスコアは「6点」、グループG2のスコアは「4.5点」となることから、S4cでは、スコアの高いグループG1の移動主体Mに対して情報配信を行う。
【0076】
[効果について]
以上のように、情報提供装置1は、グループ化部30と、情報配信部40とを有する。グループ化部30は、複数の移動主体Mそれぞれの属性情報に基づいて、複数の移動主体Mの中で互いに関係性を有すると推定される移動主体M同士をグループ化する。情報配信部40は、グループ化したグループごとに、グループに属する移動主体Mそれぞれに対し、移動主体Mの行き先として影響を与えるための情報を提供する。このように、情報提供装置1は、互いに関係性を有すると推定されるグループG1、G2単位で、各グループに属する移動主体Mそれぞれに対して混雑情報などの情報提供を行う。このため、情報提供装置1の情報提供では、グループG1、G2が分けられるような負の連帯要因が発生することを抑止でき、想定どおりの適切な人流誘導を実施することが可能となる。
【0077】
図10は、従来の情報提供による混雑状況を説明する説明図である。図10に示すように、一様な情報配信が行われる従来の情報提供では、施設Aの混雑人数の推移を示す結果グラフR1と、施設Bの混雑人数の推移を示す結果グラフR2とから明らかなように、振れ幅が大きな(図示例では0人~100人)振動現象が生じている。
【0078】
図11は、実施形態における情報提供による混雑状況を説明する説明図である。なお、図11の例では、選好の値はα:0.089、β1:0.178(図3と同様)であり、均等配分(A:B=50:50)であるものとする。また、準拠集団を共有する(グループ化した)移動主体Mそれぞれに同一の情報を提供しているものとする。
【0079】
図11に示すように、本実施形態の情報提供では、施設Aの混雑人数の推移を示す結果グラフR3と、施設Bの混雑人数の推移を示す結果グラフR4とから明らかなように、混雑状況の振れ幅が軽減されている(図示例では0人~50人、50人~100人)。
【0080】
また、グループ化部30は、移動主体Mの属性情報に含まれる移動主体Mの行動履歴をもとに、移動主体M同士の関係性の有無を推定してグループ化を行う。このように、情報提供装置1は、移動主体Mの行動履歴から移動主体M同士の関係性の有無を推定してもよい。
【0081】
また、グループ化部30は、移動主体Mの属性情報をもとに、移動主体Mそれぞれが互いに近接しているか否かを判別し、互いに近接している移動主体M同士をグループ化する。互いに近接している移動主体M同士は、情報交換しやすいことから、グループ化して共通の情報が配信されるようにする。このように、情報提供装置1は、互いに近接している移動主体M同士をグループ化して、グループ内で異なる情報が配信されないようにすることで、たとえ情報交換が行われたとしても、情報の信頼性が失われないようにすることができる。
【0082】
また、情報提供装置1は、移動主体Mそれぞれの行き先の履歴情報に基づく、移動主体Mそれぞれの行き先に対する選好をもとに、行き先ごとの移動主体Mの配分数を求める配分計算部20をさらに有する。情報配信部40は、行き先ごとに求めた配分数をもとに、行き先として影響を与えるための情報を提供するグループを選定し、選定したグループに属する移動主体Mそれぞれに対して情報を提供する。これにより、情報提供装置1は、例えば利用者均衡(各施設の利用者における効用が均衡する)となるような、適切な人流誘導を実施することができる。
【0083】
[その他]
また、上記の実施形態で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、任意に変更することができる。また、上記の実施形態で説明した具体例、分布、数値などは、あくまで一例であり、任意に変更することができる。
【0084】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウエアとして実現され得る。
【0085】
例えば、情報提供装置1で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウエア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。また、情報提供装置1で行われる各種処理機能は、クラウドコンピューティングにより、複数のコンピュータが協働して実行してもよい。
【0086】
[ハードウエア構成について]
ところで、上記の実施形態で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータ(ハードウエア)の一例を説明する。図12は、実施形態にかかる情報提供装置1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0087】
図12に示すように、情報提供装置1は、各種演算処理を実行するCPU101と、データ入力を受け付ける入力装置102と、モニタ103と、スピーカ104とを有する。また、情報提供装置1は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置105と、各種装置と接続するためのインタフェース装置106と、有線または無線により外部機器と通信接続するための通信装置107とを有する。また、情報提供装置1は、各種情報を一時記憶するRAM108と、ハードディスク装置109とを有する。また、情報提供装置1内の各部(101~109)は、バス110に接続される。
【0088】
ハードディスク装置109には、上記の実施形態で説明した入力部10、配分計算部20、グループ化部30および情報配信部40にかかる各種の処理を実行するためのプログラム111が記憶される。また、ハードディスク装置109には、プログラム111が参照する各種データ112が記憶される。入力装置102は、例えば、情報提供装置1の操作者から操作情報の入力を受け付ける。モニタ103は、例えば、操作者が操作する各種画面を表示する。インタフェース装置106は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置107は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークと接続され、通信ネットワークを介した外部機器との間で各種情報をやりとりする。
【0089】
CPU101は、ハードディスク装置109に記憶されたプログラム111を読み出して、RAM108に展開して実行することで、入力部10、配分計算部20、グループ化部30および情報配信部40に関連する各種の処理を行う。なお、プログラム111は、ハードディスク装置109に記憶されていなくてもよい。例えば、情報提供装置1が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラム111を、情報提供装置1が読み出して実行するようにしてもよい。情報提供装置1が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD-ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこのプログラム111を記憶させておき、情報提供装置1がこれらからプログラム111を読み出して実行するようにしてもよい。
【0090】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0091】
(付記1)複数の移動主体それぞれの属性情報に基づいて、前記複数の移動主体の中で互いに関係性を有すると推定される移動主体同士をグループ化し、
グループ化したグループごとに、当該グループに属する移動主体それぞれに対し、当該移動主体の行き先として影響を与えるための情報を提供する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報提供方法。
【0092】
(付記2)前記グループ化する処理は、前記属性情報に含まれる移動主体の行動履歴をもとに、前記移動主体同士の関係性の有無を推定してグループ化を行う、
ことを特徴とする付記1に記載の情報提供方法。
【0093】
(付記3)前記グループ化する処理は、前記属性情報をもとに、前記移動主体それぞれが互いに近接しているか否かを判別し、互いに近接している移動主体同士をグループ化する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の情報提供方法。
【0094】
(付記4)前記移動主体それぞれの前記行き先の履歴情報に基づく、前記移動主体それぞれの前記行き先に対する選好をもとに、前記行き先ごとの前記移動主体の配分数を求める処理をさらにコンピュータが実行し、
前記提供する処理は、前記行き先ごとに求めた配分数をもとに、当該行き先として影響を与えるための前記情報を提供するグループを選定し、選定した前記グループに属する移動主体それぞれに対して前記情報を提供する、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一に記載の情報提供方法。
【0095】
(付記5)複数の移動主体それぞれの属性情報に基づいて、前記複数の移動主体の中で互いに関係性を有すると推定される移動主体同士をグループ化し、
グループ化したグループごとに、当該グループに属する移動主体それぞれに対し、当該移動主体の行き先として影響を与えるための情報を提供する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【0096】
(付記6)前記グループ化する処理は、前記属性情報に含まれる移動主体の行動履歴をもとに、前記移動主体同士の関係性の有無を推定してグループ化を行う、
ことを特徴とする付記5に記載の情報提供プログラム。
【0097】
(付記7)前記グループ化する処理は、前記属性情報をもとに、前記移動主体それぞれが互いに近接しているか否かを判別し、互いに近接している移動主体同士をグループ化する、
ことを特徴とする付記5または6に記載の情報提供プログラム。
【0098】
(付記8)前記移動主体それぞれの前記行き先の履歴情報に基づく、前記移動主体それぞれの前記行き先に対する選好をもとに、前記行き先ごとの前記移動主体の配分数を求める処理をさらにコンピュータに実行させ、
前記提供する処理は、前記行き先ごとに求めた配分数をもとに、当該行き先として影響を与えるための前記情報を提供するグループを選定し、選定した前記グループに属する移動主体それぞれに対して前記情報を提供する、
ことを特徴とする付記5乃至7のいずれか一に記載の情報提供プログラム。
【0099】
(付記9)複数の移動主体それぞれの属性情報に基づいて、前記複数の移動主体の中で互いに関係性を有すると推定される移動主体同士をグループ化するグループ化部と、
グループ化したグループごとに、当該グループに属する移動主体それぞれに対し、当該移動主体の行き先として影響を与えるための情報を提供する情報配信部と、
を有することを特徴とする情報提供装置。
【0100】
(付記10)前記グループ化部は、前記属性情報に含まれる移動主体の行動履歴をもとに、前記移動主体同士の関係性の有無を推定してグループ化を行う、
ことを特徴とする付記9に記載の情報提供装置。
【0101】
(付記11)前記グループ化部は、前記属性情報をもとに、前記移動主体それぞれが互いに近接しているか否かを判別し、互いに近接している移動主体同士をグループ化する、
ことを特徴とする付記9または10に記載の情報提供装置。
【0102】
(付記12)前記移動主体それぞれの前記行き先の履歴情報に基づく、前記移動主体それぞれの前記行き先に対する選好をもとに、前記行き先ごとの前記移動主体の配分数を求める配分計算部をさらに有し、
前記情報配信部は、前記行き先ごとに求めた配分数をもとに、当該行き先として影響を与えるための前記情報を提供するグループを選定し、選定した前記グループに属する移動主体それぞれに対して前記情報を提供する、
ことを特徴とする付記9乃至11のいずれか一に記載の情報提供装置。
【符号の説明】
【0103】
1…情報提供装置
11…空間情報
12…利用者情報
13…施設選択情報
14…施設混雑情報
10…入力部
20…配分計算部
30…グループ化部
40…情報配信部
G1、G2…グループ
A、B…施設
M、Mx…移動主体
R1~R4…結果グラフ
T1…世代判定テーブル
T2…社会属性判定テーブル
101…CPU
102…入力装置
103…モニタ
104…スピーカ
105…媒体読取装置
106…インタフェース装置
107…通信装置
108…RAM
109…ハードディスク装置
110…バス
111…プログラム
112…各種データ
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