(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/10 20200101AFI20230620BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20230620BHJP
【FI】
H05B47/10
H05B47/165
(21)【出願番号】P 2019060298
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 匠
(72)【発明者】
【氏名】前田 貴史
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-074306(JP,A)
【文献】特開2018-181377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源に電力を出力する点灯回路と、
前記点灯回路に接続された第1の出力端子を有し、この第1の出力端子から調光制御信号を前記点灯回路に出力することにより前記光源の点灯制御を行う点灯マイコンと、
前記点灯マイコンを動作させる実行プログラムを記憶する記憶部と、
外部と双方向通信する外部通信
部、前記点灯マイコンに前記実行プログラムの更新を指示するデータ更新部、前記光源の点灯を制御する点灯制御
部、及び前記点灯回路に接続された第2の出力端子を有する制御マイコンと、
を備え、
前記データ更新部は、
前記外部通信部を介して外部からプログラム更新要求指示信号を受信すると、前記記憶部に格納された前記実行プログラムのバージョンをチェックし、
前記実行プログラムの更新が必要と判断した場合、前記外部通信部を介して外部に更新プログラムを送信するように要求し、
前記外部通信部を介して外部から前記更新プログラムを受信すると、前記点灯制御部に対し前記点灯マイコンに代わって前記光源の点灯制御を行うよう指示
し前記制御マイコンの前記第2の出力端子から前記点灯回路に調光制御信号を出力させるとともに、前記点灯マイコンに対し前記記憶部に記憶された前記実行プログラムの更新を指示する点灯装置。
【請求項2】
光源の点灯制御を行う点灯マイコンと、
前記点灯マイコンを動作させる実行プログラムを記憶する第1の記憶部と、
外部と双方向通信する外部通信部と、
前記実行プログラムと異なるバージョンの更新プログラムを記憶する第2の記憶部と、
前記外部通信部を介して外部からプログラム更新要求指示信号を受信すると、前記第1の記憶部に記憶された前記実行プログラムのバージョンをチェックし、
前記実行プログラムの更新が必要と判断した場合、前記外部通信部を介して外部に前記更新プログラムを要求し、
前記外部通信部を介して外部から前記更新プログラムを受信すると、受信した前記更新プログラムを前記第2の記憶部に記憶し、前記点灯マイコンに対し前記第2の記憶部に記憶した前記更新プログラムで前記光源を点灯制御するように指示するとともに、前記点灯マイコンが前記第2の記憶部に記憶された前記更新プログラムで実行しているとき、前記第1の記憶部に記憶された前記実行プログラムを前記更新プログラムに更新させるデータ更新部と、
を備えた点灯装置。
【請求項3】
前記データ更新部は、前記第2の記憶部に前記更新プログラムが記憶されていることを確認し、
前記更新プログラムの前記バージョンが、前記第1の記憶部に記憶された前記実行プログラムのバージョンよりも新しい場合、前記第1の記憶部に記憶された前記実行プログラムを前記第2の記憶部に記憶された前記更新プログラムに更新する請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記点灯マイコンまたは前記データ更新部は、前記第1の記憶部に記憶された前記実行プログラムを前記第2の記憶部に記憶された前記更新プログラムに更新すると、
前記第2の記憶部に記憶された前記更新プログラムを消去する請求項2または請求項3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記点灯マイコンまたは前記データ更新部は、前記第2の記憶部に記憶された前記更新プログラムのバージョンを前記第1の記憶部に記憶された前記実行プログラムのバージョンと比較し、
前記更新プログラムの前記バージョンが、前記実行プログラムの前記バージョンと同じまたは古い場合、前記第2の記憶部に記憶された前記更新プログラムを消去する請求項4に記載の点灯装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の点灯装置と、
前記光源と、
を備えた照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置及び点灯装置を備えた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、制御プログラムを更新可能な照明器具が知られている。特許文献1には、制御機が伝送線を介して照明器具のプログラム更新データを送信する照明器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような照明器具では、実行プログラムの更新中に光源を点灯できないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、光源を点灯させながら点灯マイコンの実行プログラムを更新することができる点灯装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る点灯装置は、光源に電力を出力する点灯回路と、点灯回路に接続された第1の出力端子を有し、この第1の出力端子から調光制御信号を点灯回路に出力することにより光源の点灯制御を行う点灯マイコンと、該点灯マイコンを動作させる実行プログラムを記憶する記憶部と、外部と双方向通信する外部通信部、点灯マイコンに実行プログラムの更新を指示するデータ更新部、光源の点灯を制御する点灯制御部、及び点灯回路に接続された第2の出力端子を有する制御マイコンと、を備え、データ更新部は外部通信部を介して外部からプログラム更新要求指示信号を受信すると、記憶部に格納された実行プログラムのバージョンをチェックし、実行プログラムの更新が必要と判断した場合、外部通信部を介して外部に更新プログラムを送信するように要求し、外部通信部を介して外部から更新プログラムを受信すると、点灯制御部に対し点灯マイコンに代わって前記光源の点灯制御を行うよう指示し制御マイコンの第2の出力端子から前記点灯回路に調光制御信号を出力させるとともに、点灯マイコンに対し記憶部に記憶された実行プログラムの更新を指示するものである。
【0007】
本発明に係る照明器具は、点灯装置と、光源と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る点灯装置では、データ更新部が外部から更新プログラムを受信すると、点灯制御部に対し点灯マイコンに代わって光源の点灯制御を指示するとともに、点灯マイコンに対し記憶部に記憶されたプログラムの更新を指示する。したがって、光源を点灯させながら点灯マイコンの実行プログラムを更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1における点灯装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1における点灯装置の動作を示す通信シーケンス図である。
【
図3】実施の形態1における点灯装置の動作を示す通信シーケンス図である。
【
図4】実施の形態2における点灯装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態2における点灯装置の動作を示す通信シーケンス図である。
【
図6】実施の形態2における点灯装置の動作を示す通信シーケンス図である。
【
図7】実施の形態3における照明器具の光源ユニットを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
まず、
図1を用いて、本実施の形態の点灯装置1aの構成を説明する。
点灯装置1aは、制御ユニット10と点灯基板20に分けて構成してもよい。点灯装置1aを制御ユニット10と点灯基板20に分けることにより、実行プログラムの更新機能ありの機種となしの機種で点灯基板20を共通化することができる。
【0011】
制御ユニット10は、接続端子11、降圧回路12、制御マイコン13、及びアンテナ14を備える。制御マイコン13は、データ更新部15、外部通信部16、及び点灯制御部17を備える。
点灯基板20は、点灯回路21、点灯マイコン22、第1の記憶部23、及び通信端子24を備える。
【0012】
制御ユニット10の接続端子11は、点灯基板20の通信端子24と接続される。
点灯装置1aの電源Vccは、通信端子24、接続端子11、降圧回路12を介して、制御マイコン13の電源端子Vddに接続される。電源Vccは、商用電源から供給される電力を整流、平滑、降圧して生成される。
【0013】
点灯マイコン22は、第1の記憶部23と電気的に接続される。第1の記憶部23は、点灯マイコン22に内蔵されていてもよい。第1の記憶部23は、制御マイコン13の近くに配置されていてもよい。第1の記憶部23は、不揮発性メモリである。第1の記憶部23には、点灯マイコン22を動作させる実行プログラムやデータが記憶される。点灯マイコン22は、第1の記憶部23に記憶された実行プログラムにより動作し、光源3の点灯制御を行う。
【0014】
点灯マイコン22の受信端子Rxは、通信端子24、接続端子11を介して、制御マイコン13の送信端子Txに接続される。
点灯マイコン22の送信端子Txは、通信端子24、接続端子11を介して、制御マイコン13の受信端子Rxに接続される。
点灯マイコン22のグランドGNDは、通信端子24、接続端子11を介して、制御マイコン13のグランドGNDに接続される。
【0015】
点灯マイコン22の出力端子P1は、点灯回路21に入力される。点灯マイコン22は、点灯回路21に調光制御信号を送信することにより、点灯回路21から光源3に出力される電力を制御する。
通信端子24、接続端子11を介して制御ユニット10に供給される電源Vccの電圧は、例えば15Vである。
降圧回路12は、例えばレギュレータICで構成され、電源Vccの電圧を例えば5Vまたは3.3Vに降圧し、制御ユニット10内で用いられる電力を供給する。
【0016】
外部通信部16は、チップアンテナやパターンアンテナ等のアンテナ14を用いて、点灯装置1aの外部の照明制御コントローラ41と無線により双方向通信する。外部通信部16は、照明制御コントローラ41から送信される調光信号を受信する。外部通信部16により受信される調光信号は、例えばPWM信号や、IEC62386で規定されるDALI(登録商標)信号である。
外部通信部16はまた、Wi-Fi(登録商標)、bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって外部の操作端末42と双方向通信し、点灯マイコン22の更新プログラムを受信する。外部の操作端末42は、例えばパソコン等で構成される。
【0017】
データ更新部15は、調光信号の送信及び点灯マイコン22の実行プログラムの更新を行う。
データ更新部15は、外部通信部16が受信した信号が調光信号であるか、点灯マイコン22のプログラム更新要求指示信号であるかを判別する。
外部通信部16が受信した信号が調光信号の場合、データ更新部15は、制御マイコン13の送信端子Tx、受信端子Rxを用いてシリアル双方向通信により、点灯マイコン22に調光信号を送信する。
外部通信部16が受信した信号が点灯マイコン22のプログラム更新要求指示信号である場合、データ更新部15は、点灯マイコン22の実行プログラムの更新を行う。
点灯制御部17は、データ更新部15の指示により光源3の点灯を制御する調光制御信号を出力する。
【0018】
次に
図2、3を用いて、本実施の形態の点灯マイコン22の実行プログラムを更新する動作の一例を説明する。なお通信シーケンスは便宜上、
図2と
図3に分けて示す。
図2と
図3の通信シーケンス及びフローの接続箇所を結合子A~Dで示す。
先ず、外部の操作端末42から点灯装置1aの制御マイコン13にプログラム更新要求指示信号が送信される(ステップ1)。プログラム更新要求指示信号のデータ領域には、点灯マイコン22の更新プログラムのバージョン情報が格納される。外部通信部16を介してプログラム更新要求指示信号を受信したデータ更新部15は、点灯マイコン22にバージョン確認要求を送信する(ステップ2)。バージョン確認要求を受信した点灯マイコン22は、第1の記憶部23に記憶された実行プログラムのバージョン情報を読み出し、バージョン確認応答として制御マイコン13に送信する(ステップ3)。
【0019】
ここで、バージョン情報とは例えば、第1の記憶部23に記憶された実行プログラムの開始番地、終了番地、及びチェックサムである。バージョン情報は、実行プログラムに付されたバージョン番号であってもよい。バージョン番号は、第1の記憶部23のデータ領域に記憶される。
バージョン情報としてバージョン番号を用いると、バージョン番号の大小によりプログラムの新旧を判断することができる。
【0020】
バージョン確認応答を受信した制御マイコン13のデータ更新部15は、プログラム更新要求指示信号から得た更新プログラムの更新バージョン情報と、バージョン確認応答から得た実行プログラムの現バージョン情報とを比較することにより、点灯マイコン22の実行プログラムのバージョンをチェックする(ステップ4)。
更新バージョン情報と現バージョン情報が一致しない場合、制御マイコン13のデータ更新部15は、プログラムの更新が必要と判断し、外部通信部16を介して更新プログラムの送信を要求するプログラム更新応答を操作端末42に送信する(ステップ5)。
更新バージョン情報と現バージョン情報が一致した場合、制御マイコン13のデータ更新部15は、実行プログラムが更新プログラムと同一のバージョンのため更新不要と判断し、外部通信部16を介して更新プログラム不要のプログラム更新応答を操作端末42に送信する(ステップ5’)。
【0021】
このようにステップ4で第1の記憶部23に記憶された実行プログラムのバージョン情報をチェックすることにより、更新バージョン情報と現バージョン情報が一致した場合にプログラムの更新を回避することができる。
【0022】
更新プログラムの送信要求を受信した操作端末42は、制御マイコン13に更新プログラムを送信する(ステップ6)。外部通信部16を介して更新プログラムを受信した制御マイコン13のデータ更新部15は、点灯マイコン22にプログラム更新準備要求を送信する(ステップ7)。プログラム更新準備要求を受信した点灯マイコン22は、点灯回路21への調光制御信号の出力を停止し(ステップ8)、第1の記憶部23への更新プログラムの書き込みを準備する(ステップ9)。点灯マイコン22は、プログラム更新準備応答を制御マイコン13に送信する(ステップ10)。
【0023】
ステップ8で点灯回路21への調光制御信号の出力を停止し、光源3が一旦消灯する前に、データ更新部15が光源3を例えば2回点滅させる調光制御信号を送信してもよい。これにより、光源3を用いて点灯マイコン22の実行プログラムの更新を開始したことを報知することができる。
【0024】
プログラム更新準備応答を受信した制御マイコン13のデータ更新部15は、点灯制御部17に点灯マイコン22に代わって光源3の点灯制御を行うよう指示する(ステップ11)。これにより、光源3は再点灯する。データ更新部15の指示を受けた点灯制御部17は、制御マイコン13の出力端子P2から点灯回路21に調光制御信号を出力する。点灯制御部17は、例えば点灯マイコン22から点灯マイコン22が調光制御信号の出力を停止する直前の調光制御信号のデューティ比を制御マイコン13と点灯マイコン22間のシリアル双方向通信により受信し、同じデューティ比の調光制御信号を点灯回路21に出力する。
【0025】
次に点灯マイコン22が第1の記憶部23に記憶された実行プログラムを更新する動作を説明する。データ更新部15は、点灯マイコン22に更新プログラムを送信する(ステップ12)。更新プログラムを受信した点灯マイコン22は、第1の記憶部23に更新プログラムを書き込む(ステップ13)。点灯マイコン22は、第1の記憶部23に書き込まれたプログラムを読み出す(ステップ14)。点灯マイコン22は、受信した更新プログラムと、第1の記憶部23から読み出した更新プログラムを照合する(ステップ15)。ステップ15の照合は、プログラムの照合に代えてプログラムのチェックサムを照合してもよい。
【0026】
点灯マイコン22は、制御マイコン13のデータ更新部15を介して照合結果を操作端末42に送信する(ステップ16)。点灯マイコン22は、照合結果のログを第1の記憶部23のデータ領域に書き込んでもよい。
【0027】
操作端末42を操作する作業者は、受信した更新プログラムの照合結果を確認する。作業者は、照合結果に問題があると判断した場合、ステップ6の更新プログラム送信をリトライしてもよい。作業者が照合結果に問題がないと判断した場合、点灯マイコン22を更新プログラムで起動するため、作業者は点灯マイコン22にリセット要求を送信する(ステップ17)。
【0028】
点灯マイコン22のリセット要求を受信したデータ更新部15は、点灯制御部17に調光制御信号の出力を停止させる(ステップ18)よう指示する。これにより、光源3は一旦消灯する。データ更新部15は、点灯マイコン22にリセット要求を送信する(ステップ19)。
リセット応答を受信した点灯マイコン22はリセットし(ステップ20)、第1の記憶部23に記憶された更新プログラムを起動する(ステップ21)。点灯マイコン22は、点灯回路21に調光制御信号を送信することにより、光源3の点灯制御を再開する(ステップ21)。
【0029】
ステップ18で点灯回路21への調光制御信号の出力を停止し、光源3が一旦消灯する前に、データ更新部15が光源3を例えば3回点滅させる調光制御信号を送信してもよい。これにより、光源3を用いて点灯マイコン22の実行プログラムの更新が終了し、点灯マイコン22が更新プログラムで起動することを報知することができる。
【0030】
本実施の形態に係る点灯装置1aは、データ更新部15が外部から前記更新プログラムを受信すると、点灯制御部17に対し点灯マイコン22に代わって光源3の点灯制御を指示するとともに、点灯マイコン22に対し第1の記憶部23に記憶された実行プログラムの更新を指示する構成により、光源3を点灯させながら点灯マイコン22の実行プログラムを更新することができる。
【0031】
また本実施の形態の点灯装置1aは、外部から無線で送信される調光信号を受信し、光源3を調光制御する無線調光ユニット10の制御マイコン13から点灯回路21への出力線を追加する簡単なハードウェアの構成で実現することができる。
【0032】
更に本実施の形態の点灯装置1aは、点灯マイコン22の実行プログラムの更新を要求する作業者が操作端末42により、無線双方向通信によりプログラム更新結果である照合結果をリモートで確認することができる。照合結果が一致しない場合、点灯マイコン22の実行プログラムの更新をリトライすることができる。
【0033】
実施の形態2.
実施の形態1の点灯装置1aに代えて、第1の記憶部23に加え第2の記憶部18を備えた点灯装置1bを用いて、光源3を点灯させながら点灯マイコン22の実行プログラムを更新してもよい。
図4~6を用いて、本実施の形態の点灯装置1bを説明する。
図4~6において、実施の形態1と同一または相当の構成については同一の符号を付す。
【0034】
図4を用いて、実施の形態1の点灯装置1aと本実施の形態の点灯装置1bの相違点を説明する。
図4に示すように、本実施の形態の点灯装置1bは、第1の記憶部23に加え、第2の記憶部18を備える。制御マイコン13は第1の記憶部23、及び第2の記憶部18と電気的に接続される。点灯マイコン22は、第1の記憶部23、及び第2の記憶部18と電気的に接続される。第1の記憶部23、及び第2の記憶部18は、不揮発性メモリである。第1の記憶部23には、点灯マイコン22を動作させる実行プログラムやデータが記憶される。点灯マイコン22は実施の形態1の点灯装置1aと同様に、第1の記憶部23に記憶された実行プログラムにより動作し、光源3の点灯制御を行う。第2の記憶部18には、実行プログラムのバージョンアップのため、実行プログラムよりも新しいバージョンの更新プログラムが記憶される。
本実施の形態の点灯装置1bは、実施の形態1の点灯装置1aと異なり、点灯制御部17、及び出力端子P2を備えていない。
【0035】
図5,6を用いて、本実施の形態の点灯装置1bの動作の一例を説明する。なお通信シーケンスは便宜上、
図5と
図6に分けて示す。
図5と
図6の通信シーケンス及びフローの接続箇所を結合子A~Dで示す。
ステップ1からステップ6は、実施の形態1の点灯装置1aと同様の動作を行う。
更新プログラムを受信した制御マイコン13のデータ更新部15は、第2の記憶部18への更新プログラムの書き込みを準備する(ステップ9’)。データ更新部15は、第2の記憶部18に更新プログラムを書き込み(ステップ13’)、読み出した更新プログラムを受信した更新プログラムと照合する(ステップ15’)。
制御マイコン13のデータ更新部15は、照合結果を操作端末42に送信する(ステップ16)。
本実施の形態では、制御マイコン13のデータ更新部15が、受信した更新プログラムを第2の記憶部18に書き込む構成としたが、点灯マイコン22が光源3の点灯制御を行いながら更新プログラムを第2の記憶部18に書き込む構成としてもよい。
【0036】
操作端末42を操作する作業者は、操作端末42で受信した更新プログラムの照合結果を確認する。作業者が照合結果に問題がないと判断した場合、作業者は制御マイコン13にプログラム更新の続行を要求する(ステップ31)。
プログラム更新の続行要求を受信した制御マイコン13のデータ更新部15は、点灯マイコン22に第2の記憶部18に記憶した更新プログラムで光源3を点灯制御するように
指示する第2記憶部25の更新プログラムの実行要求を送信する(ステップ32)。
【0037】
第2記憶部25に記憶された更新プログラムの実行要求を受信した点灯マイコン22は、第2記憶部25に更新プログラムが格納されているかを確認する(ステップ33)。第2の記憶部18に更新プログラムが記憶されている場合、点灯マイコン22は、リセット後の実行プログラムの開始アドレスを第2の記憶部18に記憶された更新プログラムの先頭アドレスに変更する(ステップ34)。
【0038】
点灯マイコン22は、第2の記憶部18に記憶した更新プログラムを実行する旨の更新プログラムの実行応答を制御マイコン13に送信する(ステップ35)。
点灯マイコン22は、リセット(ステップ36)し、第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを起動し、光源3の点灯制御を開始する(ステップ37)。
【0039】
次に、点灯マイコン22が第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを実行していることをデータ更新部15が確認する動作について説明する。
更新プログラムの実行応答を受信した制御マイコン13のデータ更新部15は、点灯マイコン22に実行プログラム確認要求を送信する(ステップ38)。点灯マイコン22は、実行プログラム確認応答を制御マイコン13に送信する(ステップ39)。
点灯マイコン22から送信された実行プログラム確認応答を受信した制御マイコン13のデータ更新部15は、点灯マイコン22から送信されたプログラムアドレス、またはバージョン情報等により、点灯マイコン22が第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを実行していることを確認する(ステップ40)。
【0040】
点灯マイコン22が第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを実行していることを確認したデータ更新部15は、点灯マイコン22が第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを実行しているときに、第1の記憶部23に記憶された実行プログラムを第2の記憶部18に記憶された更新プログラムに更新するプログラム更新要求を点灯マイコン22に送信する(ステップ41)。
【0041】
プログラム更新要求を受信した点灯マイコン22は、第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを読み出し(ステップ42)、第1の記憶部23に書き込む(ステップ43)。点灯マイコン22は、第1の記憶部23に書き込まれた更新プログラムと第2の記憶部18に記憶された更新プログラムとを照合し(ステップ44)、照合結果を制御マイコン13に送信する(ステップ45)。
点灯マイコン22は、プログラムの読み出し先を第1の記憶部23に復帰させ(ステップ46)、第1の記憶部23に記憶された更新プログラムを起動し、光源3を点灯制御する。
【0042】
点灯マイコン22は、第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを消去する(ステップ47)。
このように、第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを消去することにより、第1の記憶部23に記憶された点灯マイコン22の実行プログラムの更新後に第2の記憶部18に記憶された同じ更新プログラムを再度更新するおそれをなくすことができる。
【0043】
第1の記憶部23に記憶された実行プログラムを更新するステップ41からステップ45の動作を点灯マイコン22に代わりデータ更新部15が行ってもよい。
このようにデータ更新部15が第1の記憶部23に記憶された実行プログラムを更新することにより、点灯マイコン22の負荷を分散させることができる。
【0044】
第2の記憶部18に更新プログラムが記憶されていない場合、点灯マイコン22はステップ34からステップ45をスキップし、第1の記憶部23の実行プログラムの更新を行わない。
このように、点灯マイコン22が第2の記憶部18に更新プログラムが記憶されていることを確認することにより、第2の記憶部18に更新プログラムが記憶されていないときに第1の記憶部23に記憶された実行プログラムを誤って更新するおそれをなくすことができる。
【0045】
本実施の形態の点灯装置1bは、制御マイコン13のデータ更新部15が、受信した更新プログラムを第2の記憶部18に記憶し、点灯マイコン22に対し第2の記憶部18に記憶した更新プログラムで光源3を点灯制御するように指示するとともに、点灯マイコン22が第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを実行しているとき、第1の記憶部23に記憶された実行プログラムを更新プログラムに更新する構成により、光源3を点灯させながら、点灯マイコン22の実行プログラムを更新プログラムに更新させることができる。
【0046】
また、本実施の形態の点灯装置1bは、点灯マイコン22が第2の記憶部18に記憶された更新プログラムで実行しているときに、実行プログラムを更新することから、点灯マイコン22の実行プログラムを動作確認した後に、第1の記憶部23に記憶された実行プログラムを更新プログラムに書き換えることができる。
【0047】
更に、本実施の形態の点灯装置1bは、実施の形態1と異なり光源3の点灯制御を点灯マイコン22のみで行うため、光源3の点灯制御のマイコン間の切り替えがない。これにより、プログラム更新の確実性及び信頼性を高くすることができる。
【0048】
本実施の形態の点灯装置1bの変形例1として、ステップ33の第2の記憶部18に更新プログラムが記憶されていることの確認時に、第2の記憶部18のデータ領域に記憶された更新プログラムのバージョン番号を確認し、更新プログラムのバージョン番号が第1の記憶部23のデータ領域に格納された実行プログラムのバージョン番号よりも新しい場合、点灯マイコン22が第1の記憶部23に記憶された実行プログラムを第2の記憶部18に記憶された更新プログラムに更新(ステップ34~ステップ45)してもよい。
第2の記憶部18のデータ領域に記憶された更新プログラムのバージョン番号が第1の記憶部23のデータ領域に記憶された実行プログラムのバージョン番号と同じまたは古い場合、点灯マイコン22はステップ34からステップ45をスキップし、第1の記憶部23の実行プログラムの更新を行わない。
このように、点灯マイコン22が更新プログラムのバージョン番号が第1部の記憶部に記憶された実行プログラムのバージョン番号よりも新しい場合に実行プログラムを更新することにより、第2の記憶部18に記憶された更新プログラムのバージョンが第1の記憶部23に記憶された実行プログラムに記憶された実行プログラムと同じまたは古い場合に誤って更新するおそれをなくすことができる。
【0049】
本実施の形態の点灯装置1bの変形例2として、ステップ33の第2の記憶部18に更新プログラムが記憶されていることの確認時に、点灯マイコン22が第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを読み出しチェックサムを算出し、第2の記憶部18のデータ領域に記憶された更新プログラムのチェックサムと比較し、両者が一致しない場合、点灯マイコン22はステップ47からステップ49をスキップし、第1の記憶部23の実行プログラムの更新を行わないこととしてもよい。
このように、点灯マイコン22が第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを読み出しチェックサムを算出し、第2の記憶部18のデータ領域に記憶された更新プログラムのチェックサムと比較することにより、第2の記憶部18に記憶された更新プログラムが壊れていた場合に第1の記憶部23の実行プログラムを誤って更新するおそれをなくすことができる。
【0050】
本実施の形態の点灯装置1bの動作の変形例3として、ステップ33の第2の記憶部18に更新プログラムが記憶されていることの確認時に、第2の記憶部18に記憶された更新プログラムのバージョン番号を第1の記憶部23に記憶された実行プログラムのバージョン番号と比較し、更新プログラムのバージョン番号が実行プログラムのバージョン番号と同じまたは古い場合、第2の記憶部18に記憶された更新プログラムを消去してもよい。
このような変形例3の動作を行うことにより、第1の記憶部23に記憶された実行プログラムと同じバージョンまたは古いバージョンの更新プログラムを誤って更新するおそれをなくすことができる。
【0051】
実施の形態3.
図7に本実施の形態における光源一体型の照明器具の光源ユニット5の構成を示す。光源ユニット5は、カバー6内に収納された光源3(図示省略)、制御ユニット10、及び点灯基板20(図示省略)を収めた点灯ユニット26を備える。
制御ユニット10、及び点灯基板20は、実施の形態1、2の点灯装置1a、1bを用いて構成し、無線による調光制御が可能な点灯装置と同じように光源ユニット5に配置することができる。
このように実施の形態1、2の点灯装置1a、1bを用いて、無線による調光制御が可能な点灯装置と同様に、照明器具の光源ユニット5に実装することができる。
また実施の形態1、2の点灯装置1a、1bは、
図7に示す光源一体型の照明器具や、グリッド照明器具、高天井照明器具、間接照明器具等の様々な照明器具の光源3に接続して用いることができる。
このような照明器具において、点灯装置1aまたは1bの点灯マイコン22の実行プログラムを照明器具が設置される高所に上ることなく、操作端末42を用いて書き換えることができる。
また、光源3を点灯させながら点灯マイコン22の更新プログラムを書き換えることができる。
【0052】
なお実施の形態1、2の点灯装置1a、1bの更新プログラムを無線で受信する構成に代えて、有線で受信する構成としてもよい。
この場合、既存の有線通信を用いて点灯マイコン22の実行プログラムを更新することができる。
【符号の説明】
【0053】
1a、1b 点灯装置、3 光源、5 光源ユニット、6 カバー、10 制御ユニット、11 接続端子、12 降圧回路、13 制御マイコン、14 アンテナ、15 データ更新部、16 外部通信部、17 点灯制御部、18 第2の記憶部、20 点灯基板、21 点灯回路、22 点灯マイコン、23 第1の記憶部、24 通信端子、26 点灯ユニット、41 照明制御コントローラ、42 操作端末、GND グランド、P1、P2 出力端子、Rx 受信端子、Tx 送信端子、Vcc、Vdd 電源。