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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】建設機械のフック格納構造
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/88 20060101AFI20230620BHJP
   B66C 1/68 20060101ALI20230620BHJP
   E02F 3/36 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
B66C23/88 M
B66C1/68 A
E02F3/36 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019171470
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2020152573
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2019045652
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136250
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 博臣
(74)【代理人】
【識別番号】100198719
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 良裕
(72)【発明者】
【氏名】古川 友也
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲靖
(72)【発明者】
【氏名】竹井 通景
(72)【発明者】
【氏名】上杉 憲央
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-181532(JP,A)
【文献】特開2017-150284(JP,A)
【文献】特開2001-226078(JP,A)
【文献】特開2014-156339(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0010677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/00- 3/20
B66C 19/00-23/94
E02F 3/28- 3/413
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック格納構造であって、
建設機械の作業アタッチメント先端に装着されるバケットと前記バケットを回動させるバケットシリンダとを接続するバケットリンクであって左右側板と前記左右側板を接続する底板とを含み内側に格納空間を有するバケットリンクと、
前記バケットと前記バケットリンクとを連結する連結ピンを介して前記バケットリンクに回動可能に取り付けられ、前記格納空間に格納される格納位置と前記格納空間から取り出される取出位置との間を移動可能に構成されるフックと、
前記格納空間において前記フックを保持する保持ユニットと、
を備え、
前記保持ユニットは、前記格納位置にある前記フックの側方に配置される固定保持部材と、前記フックを挟んで前記固定保持部材の反対側に配置される移動保持部材と、前記移動保持部材を前記固定保持部材の側に向けて付勢する付勢部材とを有し、
前記固定保持部材は、前記格納位置にある前記フックの鉤部内側に向けて凸形状をなす抜止部を有し、
前記移動保持部材は、前記フックの前記格納位置への移動を許容すべく前記付勢部材による付勢力に対抗して前記固定保持部材から離れる方向に移動可能に構成され、
前記格納位置にある前記フックは、前記固定保持部材の前記抜止部が鉤部内側に配置されると共に前記付勢部材により前記移動保持部材が前記固定保持部材の側に付勢されることで前記格納空間に保持されることを特徴とする建設機械のフック格納構造。
【請求項2】
前記固定保持部材は、前記フックを前記格納位置に移動させる過程において前記フックを前記格納位置へ誘導するためのガイド面を有し、
前記フックを前記ガイド面に当接させた状態で前記格納位置に向けて滑らせていくことで前記移動保持部材が前記フックに押し返されて前記固定保持部材から離れる方向に移動し、もって、前記フックの前記格納位置への移動が許容されることを特徴とする請求項1に記載の建設機械のフック格納構造。
【請求項3】
前記移動保持部材は、
前記バケットリンクに対して固定される台座と、
前記台座に対して回動可能に取り付けられ、前記フックの側方に当接可能な当接面を備える押付部材と、
を備え、
前記付勢部材は、前記当接面が前記フックに当接して前記フックを前記固定保持部材の側に押圧するように前記押付部材の回動軸に設けられ、
前記押付部材の回動軸は、前記フックの挿脱方向において前記抜止部よりも外側に配置されることを特徴とする請求項2に記載のフック格納構造。
【請求項4】
前記フックは、前記付勢部材による付勢力によって前記格納位置において前記固定保持部材と前記移動保持部材とにより挟持された状態で保持されることを特徴とする請求項1から3のうち何れかに記載のフック格納構造。
【請求項5】
前記固定保持部材は、先端がテーパー状に形成されたテーパー面を備える円柱部材として構成され、
前記テーパー面は、前記フックを前記格納位置に移動させる過程において前記ガイド面として機能する一方、前記フックが前記格納位置に移動した後は前記フックの鉤部内側に当接した状態で嵌合することを特徴とする請求項2に記載のフック格納構造。
【請求項6】
前記フックの鉤部には、ワイヤー外れ止めが設けられ、
前記テーパー面を備える前記円柱部材は、一部が筒軸方向に切り取られた断面かまぼこ型を有し、切取面が前記バケットの側を向くように配置されることを特徴とする請求項5に記載のフック格納構造。
【請求項7】
前記ガイド面と前記押付部材との間隔は、前記フックを前記格納位置に移動させる過程において前記フックの鉤部の最も太い部分が挿入可能な最小距離であることを特徴とする請求項3に記載のフック格納構造。
【請求項8】
前記押付部材は、断面L字状のプレートで構成され、
前記押付部材は、L字内側において、前記台座と前記押付部材の回動軸と前記回動軸に設けられる前記付勢部材とを覆うように配置されることを特徴とする請求項3に記載のフック格納構造。
【請求項9】
前記移動保持部材は、ブラケットと、前記ブラケットに対して回動可能に取り付けられる押付部材とを備え、
前記押付部材は、前記フックの側方に当接可能な当接面を有し、
前記付勢部材は、前記格納位置にある前記フックに前記当接面が当接して前記フックを前記固定保持部材の側に押圧するように前記押付部材の回動軸に設けられ、
前記ブラケットのうち前記固定保持部材の側を向く面は、前記固定保持部材の前記抜止部の凸形状に沿って屈曲しており、
前記固定保持部材と前記ブラケットとの間には、前記フックを蛇行させながら挿脱させる挿脱経路が形成されることを特徴とする請求項1に記載のフック格納構造。
【請求項10】
前記押付部材は、前記格納位置にある前記フックを押圧した状態で前記フックの鉤部内側に向けて凸形状をなす突出部を更に備えることを特徴とする請求項9に記載のフック格納構造。
【請求項11】
前記固定保持部材と前記ブラケットとの少なくとも一方は、前記格納位置にある前記フックのうち前記挿脱経路の入口側に配置される部分の側面に当接する長さを備えていることを特徴とする請求項9又は10に記載のフック格納構造。
【請求項12】
前記固定保持部材のうち前記ブラケットの側を向く面は、前記挿脱経路の入口側一部と終端側一部とを除いた部分に前記ブラケットに向けて突出した凸部を有し、
前記凸部は、前記挿脱経路の入口側から終端側に向かって、前記底板に向かうにつれて前記ブラケットの側に傾斜する第1領域、前記底板に向かって直線状に延在する第2領域、及び前記底板に向かうにつれて前記ブラケットから離れる側に傾斜する第3領域を有し、
前記ブラケットのうち前記固定保持部材の側を向く面は、前記固定保持部材の前記凸部の形状に沿って、前記挿脱経路の入口側一部と終端側一部とを除いた部分に前記固定保持部材から離れる向きに凹んだ凹部を有し、
前記凹部は、前記挿脱経路の入口側から終端側に向かって、前記底板に向かうにつれて前記固定保持部材から離れる側に傾斜する第4領域、前記底板に向かって直線状に延在する第5領域、及び前記底板に向かうにつれて前記固定保持部材の側に傾斜する第6領域を有することを特徴とする請求項に記載のフック格納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械においてフックをバケットリンクに格納するフック格納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械の分野において、バケットとバケットを回動させるバケットシリンダとを連結するバケットリンク内に荷物の吊り荷作業を行うためのフックを備える油圧ショベルが知られている。バケットによる掘削作業時において、フックはフック保持手段によりバケットリンクの格納空間に固定された状態で格納される。一方、フックによる吊り荷作業時においては、フックはバケットリンクの格納空間から取り出されて使用される。
【0003】
例えば、特許文献1では、フック保持手段としてラッチ部材(43,61,81)が開示されている。ラッチ部材(43,61,81)は、特許文献1の図4等に示されるように、進出位置ではフック(27)をフックガイド(36,52)に固定して格納位置に保持する一方、後退位置ではフック(27)の作業位置への移動を許容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-226078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の発明では、機械を継続使用すると、ラッチ部材の付勢力が低下してがたつきが増加し、格納位置にあるフックのロックが勝手に解除され、掘削作業中にフックが意図せずに飛び出すおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、建設機械においてバケットリンクの格納空間に格納されるフックをより確実に保持することが可能な建設機械のフック格納構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、フック格納構造であって、建設機械の作業アタッチメント先端に装着されるバケットと前記バケットを回動させるバケットシリンダとを接続するバケットリンクであって左右側板と前記左右側板を接続する底板とを含み内側に格納空間を有するバケットリンクと、前記バケットと前記バケットリンクとを連結する連結ピンを介して前記バケットリンクに回動可能に取り付けられ、前記格納空間に格納される格納位置と前記格納空間から取り出される取出位置との間を移動可能に構成されるフックと、前記格納空間において前記フックを保持する保持ユニットと、を備え、前記保持ユニットは、前記格納位置にある前記フックの側方に配置される固定保持部材と、前記フックを挟んで前記固定保持部材の反対側に配置される移動保持部材と、前記移動保持部材を前記固定保持部材の側に向けて付勢する付勢部材とを有し、前記固定保持部材は、前記格納位置にある前記フックの鉤部内側に向けて凸形状をなす抜止部を有し、前記移動保持部材は、前記フックの前記格納位置への移動を許容すべく前記付勢部材による付勢力に対抗して前記固定保持部材から離れる方向に移動可能に構成され、前記格納位置にある前記フックは、前記固定保持部材の前記抜止部が鉤部内側に配置されると共に前記付勢部材により前記移動保持部材が前記固定保持部材の側に付勢されることで前記格納空間に保持されることを特徴とする建設機械のフック格納構造を提供している。
【0008】
ここで、前記固定保持部材は、前記フックを前記格納位置に移動させる過程において前記フックを前記格納位置へ誘導するためのガイド面を有し、前記フックを前記ガイド面に当接させた状態で前記格納位置に向けて滑らせていくことで前記移動保持部材が前記フックに押し返されて前記固定保持部材から離れる方向に移動し、もって、前記フックの前記格納位置への移動が許容されるのが好ましい。
【0009】
また、前記移動保持部材は、前記バケットリンクに対して固定される台座と、前記台座に対して回動可能に取り付けられ、前記フックの側方に当接可能な当接面を備える押付部材と、を備え、前記付勢部材は、前記当接面が前記フックに当接して前記フックを前記固定保持部材の側に押圧するように前記押圧部材の回動軸に設けられ、前記押圧部材の回動軸は、前記フックの挿脱方向において前記抜止部よりも手前側に配置されるのが好ましい。
【0010】
また、前記フックは、前記付勢部材による付勢力によって前記格納位置において前記固定保持部材と前記移動保持部材とにより挟持された状態で保持されるのが好ましい。
【0011】
また、前記固定保持部材は、先端がテーパー状に形成されたテーパー面を備える円柱部材として構成され、前記テーパー面は、前記フックを前記格納位置に移動させる過程において前記ガイド面として機能する一方、前記フックが前記格納位置に移動した後は前記フックの鉤部内側に当接した状態で嵌合するのが好ましい。
【0012】
また、前記フックの鉤部には、ワイヤー外れ止めが設けられ、前記テーパー面を備える前記円柱部材は、一部が筒軸方向に切り取られた断面かまぼこ型を有し、切取面が前記バケットの側を向くように配置されるのが好ましい。
【0013】
また、前記ガイド面と前記押付部材との間隔は、前記フックを前記格納位置に移動させる過程において前記フックの鉤部の最も太い部分が挿入可能な最小距離であるのが好ましい。
【0014】
また、前記押付部材は、断面L字状のプレートで構成され、前記押付部材は、L字内側において、前記台座と前記押付部材の回動軸と前記回動軸に設けられる前記付勢部材とを覆うように配置されるのが好ましい。
【0015】
また、前記移動保持部材は、ブラケットと、前記ブラケットに対して回動可能に取り付けられる押付部材とを備え、前記押付部材は、前記フックの側方に当接可能な当接面を有し、前記付勢部材は、前記格納位置にある前記フックに前記当接面が当接して前記フックを前記固定保持部材の側に押圧するように前記押圧部材の回動軸に設けられ、前記ブラケットのうち前記固定保持部材の側を向く面は、前記固定保持部材の前記抜止部の凸形状に沿って屈曲しており、前記固定保持部材と前記ブラケットとの間には、前記フックを蛇行させながら挿脱させる挿脱経路が形成されるのが好ましい。
【0016】
また、前記押付部材は、前記格納位置にある前記フックを押圧した状態で前記フックの鉤部内側に向けて凸形状をなす突出部を更に備えるのが好ましい。
【0017】
また、前記固定保持部材と前記ブラケットとの少なくとも一方は、前記格納位置にある前記フックのうち前記挿脱経路の入口側に配置される部分の側面に当接する長さを備えているのが好ましい。
【0018】
また、前記固定保持部材のうち前記ブラケットの側を向く面は、前記挿脱経路の入口側一部と終端側一部とを除いた部分に前記ブラケットに向けて突出した凸部を有し、前記凸部は、前記挿脱経路の入口側から終端側に向かって、前記底板に向かうにつれて前記ブラケットの側に傾斜する第1領域、前記底板に向かって直線状に延在する第2領域、及び前記底板に向かうにつれて前記ブラケットから離れる側に傾斜する第3領域を有し、前記ブラケットのうち前記固定保持部材の側を向く面は、前記固定保持部材の前記凸部の形状に沿って、前記挿脱経路の入口側一部と終端側一部とを除いた部分に前記固定保持部材から離れる向きに凹んだ凹部を有し、前記凹部は、前記挿脱経路の入口側から終端側に向かって、前記底板に向かうにつれて前記固定保持部材から離れる側に傾斜する第4領域、前記底板に向かって直線状に延在する第5領域、及び前記底板に向かうにつれて前記固定保持部材の側に傾斜する第6領域を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、移動保持部材とは独立した固定保持部材の抜止部が鉤部内側に配置されるため、付勢部材により付勢された移動保持部材が多少がたついたとしても、フックのロック状態は固定保持部材によって担保される。そのため、建設機械においてバケットリンクの格納空間に格納されるフックをより確実に保持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】フックがバケットリンクに格納されている状態を示す斜視図。
図2】フックがバケットリンクから取り出された状態を示す斜視図。
図3】バケットリンクを示す平面図。
図4図3のIV-IV位置で切った断面図。
図5】フックが格納された状態のバケットリンクを示す平面図。
図6図5のVI-VI位置で切った断面図。
図7図5のVII-VII位置で切った断面図。
図8】フックがバケットリンクに格納される前の状態を示す図。
図9】フックが固定保持部材のガイド面に当接している状態を示す図。
図10】フックが固定保持部材の抜止部を通過した状態を示す図。
図11】フックが押付部材によって押圧された状態を示す図。
図12】フックがバケットリンクの格納空間に格納された状態を示す斜視図。
図13】第2実施形態に係る固定保持部材を示す斜視図。
図14】第2実施形態に係るバケットリンクを示す平面図。
図15図14のXV-XV位置で切った断面図。
図16】第2実施形態においてフックが格納された状態を示す平面図。
図17】第2実施形態においてフックが格納された状態を示す斜視図。
図18】第3実施形態に係るバケットリンク(フックなし)を示す斜視図。
図19】第3実施形態に係るバケットリンク(フックあり)を示す斜視図。
図20図19のXX-XX位置で切った断面図。
図21】フックが挿脱経路に入り始めた様子を示す図。
図22】フックが挿脱経路を通過している様子を示す図。
図23】フックが格納位置で保持されている様子を示す図。
図24】フックの抜けが阻止される様子を示す図。
図25】第1変形例に係る保持ユニットを示す図。
図26】第2変形例に係る保持ユニットを示す図。
図27】第3変形例に係る挿脱経路を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<1.第1実施形態>
本発明の第1実施形態による建設機械のフック格納構造について、図1から図12を参照しながら説明する。以下では、フック格納構造の一例として、油圧ショベルにおいてフックをバケットリンクに格納するための構造について説明する。
【0022】
図1に示されるように、油圧ショベルの作業アタッチメント先端には、作業機としてバケット1が装着される。バケット1は、バケットリンク5を介してバケットシリンダ3の先端に接続されている。バケットシリンダ3は、バケット1を回動させる油圧シリンダである。
【0023】
バケットリンク5は、バケット1の背面とバケットシリンダ3の先端とを接続するためのリンクである。バケットリンク5には、バケット1とバケットリンク5とを連結する連結ピン15を介してフック7が回動可能に取り付けられている。
【0024】
図1及び図2に示されるように、フック7は、バケットリンク5の内側に形成される格納空間に格納される格納位置PS1(図1参照)と当該格納空間の外側に取り出された取出位置PS2(図2参照)との間を移動可能に構成されている。
【0025】
図3及び図4に示されるように、バケットリンク5は、左側板51Lと、右側板51Rと、左右側板51L,51Rを接続する底板53とを備えて構成される。バケットリンク5は、左右側板51L,51R及び底板53の三面から構成される断面U字状の部材であり、三面の内側にフック7を格納するための格納空間SPを有している。
【0026】
図5に示すように、格納位置PS1において、フック7は、鉤部の貫通方向が左右側板51L,51Rに対して直交するように配置される。
【0027】
また、バケットリンク5には、格納空間SPにおいてフック7を保持する(格納位置PS1でロックする)保持ユニット9が設けられている。
【0028】
図3及び図4に示されるように、保持ユニット9は、非移動式の固定保持部材91と、移動式の移動保持部材93とを備えて構成される。
【0029】
固定保持部材91は、上下方向に長尺な板状の部材を加工したものであり、バケットリンク5の左側板51Lに対して設けられる。図5及び図6に示されるように、フック7が格納位置PS1に移動した場合、固定保持部材91はフック7の左側方に配置される。
【0030】
図4に示されるように、固定保持部材91は、格納位置PS1にあるフック7の抜けを阻止する抜止部911と、格納位置PS1に移動するフック7を誘導するためのガイド面913とを備えて構成される。
【0031】
図6に示されるように、抜止部911は、格納位置PS1にあるフック7の鉤部内側70(図7参照)に向けて凸形状をなす部分である。
【0032】
ガイド面913は、フック7を格納位置PS1に移動させる過程においてフック7の一部を当接させるための面である。ここでは、ガイド面913は、上述した抜止部911の一部を構成し、抜止部911の凸部頂点に向けて直線状に傾斜している。
【0033】
再度、図4を参照する。移動保持部材93は、バケットリンク5の右側板51Rに対して設けられる。図5及び図6に示されるように、フック7が格納位置PS1に移動した場合、固定保持部材91はフック7の右側方に配置される。つまり、移動保持部材93は、フック7を挟んで固定保持部材91の反対側に配置される。
【0034】
図4に示されるように、移動保持部材93は、バケットリンク5の右側板51Rに固定される台座931と、回動軸RSを支軸として台座931に対して回動可能に取り付けられる押付部材933とを備えて構成される。なお、回動軸RSは、フック7の格納時に押付部材933が回動可能となるようにフック7の挿脱方向において抜止部911の凸部頂点よりも外側に配置される。
【0035】
押付部材933は、フック7の側方に当接可能な当接面933Aを有する断面L字状のプレートである。
【0036】
押付部材933の回動軸RSには付勢部材95が設けられている。付勢部材95は、押付部材933を固定保持部材91の方向D1(時計回り)に回動させようとする付勢力を有している。
【0037】
なお、押付部材933は、付勢部材95により固定保持部材91の方向D1に付勢されているものの、付勢部材95の付勢力に対抗して固定保持部材91から離れる方向D2(反時計回り)にも回動可能に構成されている。かかる構成により、フック7を格納位置PS1に移動させる場合に、フック7が付勢力に対抗して押付部材933を押し返し、押付部材933を固定保持部材91から離れる方向D2に回動させる。
【0038】
図4に示されるように、押付部材933は、L字プレートの内側において、台座931と回動軸RSと付勢部材95とを覆うように配置されている。
【0039】
続いて、図8図12を参照しながら、フック7が格納位置PS1に移動し、保持ユニット9で保持されるまでの各部の動作について説明する。
【0040】
図8に示されるように、フック7が格納空間SPに格納されていない状態において、押付部材933は、付勢部材95の付勢力によって固定保持部材91の側に回動する。これにより、押付部材933の当接面933Aが固定保持部材91の抜止部911の頂点付近に当接する。
【0041】
フック7を格納空間SPに格納する場合、図8に示す破線矢印に示されるように、フック7を固定保持部材91と移動保持部材93との間に向けて挿入する。フック7を挿入していくと、フック7の一部が固定保持部材91のガイド面913に当接すると共に、フック7の他の一部が押付部材933の当接面933Aに当接する。
【0042】
図9に示されるように、フック7の一部をガイド面913に当接させた状態でフック7をガイド面913の傾斜に沿って滑らせていくと、フック7が移動保持部材93の側に傾いた状態で徐々に挿入される。その際、フック7は付勢部材95の付勢力に対抗して押付部材933を押し返し、押付部材933を固定保持部材91から離れる方向D2に回動させる。
【0043】
なお、ガイド面913と押付部材933との間隔は、フック7を格納位置PS1に移動させる過程においてフック7の最も太い部分(本実施形態ではフック7の基端部)が挿入可能な最小距離で構成されている。
【0044】
図10に示されるように、フック7をさらに挿入していくと、フック7の一部とガイド面913との当接状態が終了し、固定保持部材91の抜止部911がフック7の鉤部内側70に位置する。その結果、今度は、付勢部材95の付勢力によって押付部材933がフック7を固定保持部材91の方向D1に押し付ける。
【0045】
そして、図11に示されるように、固定保持部材91の抜止部911がフック7の鉤部内側70に配置される。また、付勢部材95により押付部材933が付勢されて押付部材933の当接面933Aがフック7の側面を押圧する。その結果、図12に示されるように、フック7が格納空間SPにおいて保持される。
【0046】
このように、フック7は、ガイド面913に当接することでバケットリンク5の左右側板51L,51Rに対して一旦斜めに移動する(図9及び図10参照)。その後、ガイド面913との当接が終了した時点において、フック7は押付部材933により押圧され、バケットリンク5の左右側板51L,51Rと略並行の状態となる(図11参照)。このように、フック7は蛇行しながらラビリンス状に格納位置PS1へ移動する。
【0047】
上述した第1実施形態によれば、格納空間SPにおいてフック7を保持する保持ユニット9が固定保持部材91と移動保持部材93とを備えて構成される。移動保持部材93は移動可能な構成となっているものの、固定保持部材91はバケットリンク5の左側板51Lに対して固定され移動しない構成となっている。
【0048】
よって、少なくとも固定保持部材91に関しては付勢力の低下やがたつきの増加といった問題が発生しにくい。そのため、掘削作業中に移動保持部材93が多少動いたとしても、固定保持部材91の抜止部911によってフック7が確実に保持され、フック7の固定が意図せずに解除されずに済む。特に、上述した第1実施形態では、フック7の挿脱経路がラビリンス状に蛇行するため、フック7が格納空間SPから抜け難い。したがって、油圧ショベルにおいてバケットリンク5の格納空間SPに格納されるフック7をより確実に保持することが可能である。
【0049】
また、上述した第1実施形態によれば、固定保持部材91がガイド面913を有するため、フック7の一部をガイド面913に当接させた状態で滑らせることで、フック7の他の一部が押付部材933を押し返しながらフック7をスムーズに移動させることが可能である。
【0050】
また、上述した第1実施形態によれば、台座931に対して押付部材933が回動可能に取り付けられているため、フック7をワンタッチで脱着させることが可能となり、比較的操作性が高い。
【0051】
また、上述した第1実施形態によれば、固定保持部材91と移動保持部材93とによってフック7が挟持される構成となっているため、格納位置PS1におけるフック7のがたつきを抑制することが可能である。
【0052】
また、上述した第1実施形態によれば、ガイド面913と押付部材933との間隔は、フック7を格納位置PS1に移動させる過程においてフック7の最も太い部分が挿入可能な最小距離で構成されている。そのため、押付部材933が多少回動したとしても、フック7が抜け難い。
【0053】
また、上述した第1実施形態によれば、押付部材933が断面L字状のプレートとして構成されている。そして、押付部材933は、L字プレートの内側において、台座931と回動軸RSと付勢部材95とを覆うように配置されている。そのため、掘削作業に伴って飛散する飛散物(石、岩、砂等)から付勢部材95や回動軸RSを保護することが可能である。また、押付部材933がプレートで構成されるため、押付部材933とフック7とが面接触し、フック7の摩耗を抑制することが可能である。
【0054】
<2.第2実施形態>
続いて、第2実施形態に係る建設機械のフック格納構造について、図13から図17を参照しながら説明する。
【0055】
上記第1実施形態では、本発明に係る固定保持部材の一例として、板状の部材を加工した固定保持部材91(図3及び図4)を例示した。
【0056】
一方、この第2実施形態では、本発明に係る固定保持部材の一例として、テーパー面を備える円柱状の固定保持部材92(図13参照)を例示する。
【0057】
具体的には、図13に示されるように、固定保持部材92は、一部が円筒軸方向に切り取られて断面かまぼこ型の円柱部材である。固定保持部材92のうち円筒軸方向の一方の端部には、テーパー面920が形成されている。
【0058】
図14に示されるように、固定保持部材92は、円筒軸方向がバケットリンク5の左側板51Lに直交すると共に切取面925がバケット側(前側)を向くように左側板51Lに対して設けられる。
【0059】
図15に示されるように、固定保持部材92に形成されるテーパー面920は、上記第1実施形態で説明したガイド面913として機能する。また、固定保持部材92に形成されるテーパー面920は、上記第1実施形態で説明した抜止部911としても機能する。
【0060】
図16及び図17に示されるように、フック7が格納位置PS1に移動すると、固定保持部材92のテーパー面920がフック7の鉤部内側に当接した状態(面接触した状態)で嵌合する。
【0061】
上述した第2実施形態によれば、フック7が格納位置PS1で保持される場合に、固定保持部材92のテーパー面920がフック7の鉤部内側に当接した状態(面接触した状態)で嵌合するため、上下左右方向のみならず、前後方向のがたつきをも抑制することが可能である。
【0062】
また、上述した第2実施形態によれば、固定保持部材92の切取面925がバケット側を向いている。そのため、フック7の鉤部に設けられたワイヤー外れ止め71を下に向けて格納した場合に固定保持部材92がワイヤー外れ止め71に干渉せずに済む。
【0063】
<3.第3実施形態>
続いて、第3実施形態に係る建設機械のフック格納構造について、図18から図24を参照しながら説明する。
【0064】
上述した第1,2実施形態では、図11及び図15に示すように、押付部材933が台座931に対して回動可能に取り付けられている場合を例示した。
【0065】
一方、この第3実施形態では、図18に示すように、押付部材943が一対のブラケット941F,941Rに対して回動可能に取り付けられる場合を例示する。
【0066】
具体的には、図18に示すように、保持ユニット9は、固定保持部材96と、移動保持部材94とを備えて構成される。図19に示すように、保持ユニット9は、格納位置PS1においてフック7を保持するための部材である。
【0067】
固定保持部材96は、上述した第1,2実施形態の固定保持部材91と同様に、上下方向に長尺な板状の部材を加工したものが用いられる。
【0068】
移動保持部材94は、前後方向に間隔を空けて配列されたブラケット941F,941Rと、ブラケット941F,941Rに対して回動可能に取り付けられた押付部材943とを備えて構成される。
【0069】
図20に示すように、固定保持部材96とブラケット941Rとの間には、フック7を挿脱するための挿脱経路PTが形成される。
【0070】
固定保持部材96のうちブラケット941Rの側を向く面は、挿脱経路PTの入口側から終端側(底板53)に向かって、入口側領域961、傾斜領域962及び終端側領域963を備えて構成される。
【0071】
入口側領域961は、底板53に向けて直線状に延在する領域である。傾斜領域962は、底板53に向かうにつれてブラケット941Rから離れる側に傾斜する領域である。終端側領域963は、底板53に向けて直線状に延在する領域である。
【0072】
また、ブラケット941Rのうち固定保持部材96の側を向く面は、上述した固定保持部材96の形状に沿って、入口側領域411と、傾斜領域412と、終端側領域413とを備えて構成される。
【0073】
入口側領域411は、底板53に向けて直線状に延在する領域である。傾斜領域412は、底板53に向かうにつれて固定保持部材96に近づく側に傾斜する領域である。終端側領域413は、底板53に向けて直線状に延在する領域である。
【0074】
固定保持部材96及びブラケット941Rが上述したような形状を備えているため、挿脱経路PTは、入口側から終端側に向かって直線状に延伸した後、固定保持部材96の側に屈曲して傾斜し、その後、再び終端側に向かって直線状に延伸している。このため、挿脱経路PTを介してフック7を格納位置PS1に対して挿脱させた場合、フック7はラビリンス状に蛇行する。
【0075】
押付部材943は、回動軸AXを中心として回動可能に構成されている。押付部材943の回動軸AXには、上述した第1,2実施形態と同様に、付勢部材97が設けられている。付勢部材37は、押付部材943を固定保持部材96の方向D3に回動させようとする付勢力を有している。
【0076】
押付部材943は、格納位置PS1にあるフック7の側面に当接可能な当接面943Aと、フック7を押圧した状態においてフック7の鉤部内側70に向けて凸形状をなす突出部943Bとを備えて構成される。
【0077】
図20では、フック7が格納位置PS1において保持ユニット9によって保持された状態が示されている。図20に示すように、固定保持部材96のうちブラケット941Rの側を向く面(詳細には、入口側領域961から傾斜領域962に切り替わる屈曲した部分の頂点)は、フック7の鉤部内側70に向けて凸形状をなしている。また、押付部材943の突出部943Bもフック7の鉤部内側70に向けて凸形状をなしている。
【0078】
また、第3実施形態では、挿脱経路PTの挿脱方向に関して、ブラケット941Rは、固定保持部材96よりも長く構成されている。これにより、ブラケット941Rは、格納位置PS1にあるフック7のうち挿脱経路PTの入口側に配置される部分の側面に当接する。
【0079】
続いて、図21図23を参照しつつ、フック7が格納位置PS1に移動し、保持ユニット9で保持されるまでの各部の動作について説明する。
【0080】
図21に示すように、挿脱経路PTを介してフック7を格納位置PS1に移動させる場合、フック7を挿入経路PTの入口側から終端側(底板53)に向けて徐々に挿入していく。その際、フック7は、挿脱経路PTのうち入口側領域961と入口側領域411との間を通って直線状に挿入されていく。
【0081】
フック7が徐々に挿入されていくと、ある時点において、フック7の一部が押付部材943に当接する。フック7の一部が押付部材943に当接した後、更にフック7が挿入されると、フック7は付勢部材97の付勢力に対抗して押付部材943を押し返す。これに伴い、押付部材943は、固定保持部材96から離れる方向(図20に示す方向D3とは逆の方向)に回動する(図22参照)。
【0082】
そして、フック7は、挿脱経路PTのうち傾斜領域962と傾斜領域412との間を通って固定保持部材96の側に屈曲して斜めに移動する。
【0083】
傾斜領域962と傾斜領域412との間を抜けると、フック7は、挿脱経路PTのうち終端側領域963と終端側領域412との間を通って再び直線状に挿入され、格納位置PS1に到達する(図23参照)。
【0084】
なお、フック7が格納位置PS1に到達した時点において、フック7に押し返されていた押付部材943は、付勢部材97の付勢力によって元の位置に戻る。
【0085】
フック7が格納位置PS1において保持されると、図24に示すように、フック7が挿入経路PTから抜ける方向(破線矢印)に移動しようとしても、固定保持部材96の傾斜領域962とブラケット941Rの突出部943Bとの双方にフック7が当接する。すなわち、格納位置PS1にあるフック7の抜けが阻止される。
【0086】
上述した第3実施形態によれば、フック7を挿脱するための挿脱経路PT(図20参照)を確保しつつ、固定保持部材96と押付部材943との隙間が最小化されるため、横方向(挿脱方向に直交する方向)のがたつきを抑制することが可能である。
【0087】
また、上述した第3実施形態によれば、押付部材943が突出部943Bを備えているため、フック7が更に抜けにくくなると共に、格納時における挿脱方向のがたつきを更に低減することが可能である。
【0088】
また、上述した第3実施形態によれば、挿脱経路PTの挿脱方向に関して、ブラケット941Rが固定保持部材96よりも長く構成されている。そのため、格納時におけるフック7の傾きを抑制しつつ、横方向及び挿脱方向のがたつきを低減することが可能である。また、フック7の格納時に、鉤部の基端側と先端側とのいずれの側から挿入した場合であっても、フック7が格納位置PS1から抜けにくくなる。
【0089】
<4.変形例>
本発明による建設機械のフック格納構造は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0090】
上記第1実施形態では、図4に示されるように、固定保持部材91がバケットリンク5の左側板51Lに固定され、移動保持部材93がバケットリンク5の右側板51Rに固定される場合を例示したが、これに限定されない。
【0091】
例えば、大型の重機においてはバケットリンク5が幅広に構成されるため、図25に示されるように、固定保持部材91及び移動保持部材93がバケットリンク5の底板53にそれぞれ固定されるように構成してもよい。
【0092】
同様に、上記第2実施形態においては、図15に示されるように、固定保持部材92がバケットリンク5の左側板51Lに固定され、移動保持部材93がバケットリンク5の右側板51Rに固定される場合を例示したが、これに限定されない。図26に示されるように、固定保持部材92及び移動保持部材93がバケットリンク5の底板53にそれぞれ固定されるように構成してもよい。
【0093】
また、上記第1,2実施形態では、台座931に対して押付部材933が回動可能に取り付けられることで移動保持部材93を移動可能に構成する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、回動式の部材の代わりに摺動移動可能な部材を採用することで移動保持部材を移動可能に構成するようにしてもよい。
【0094】
また、上記第1,2実施形態では、ガイド面913が直線状に傾斜する場合を例示したが、これに限定されず、ガイド面913が曲線状(R状)に傾斜するように構成してもよい。
【0095】
また、上記第3実施形態では、図20に示すように、挿脱経路PTが固定保持部材96の側に1回だけ屈曲する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、図27に示すように、挿脱経路PTがブラケット981Rの側に屈曲した後、固定保持部材99の側に更に屈曲する、すなわち、挿脱経路PTが複数回屈曲するように構成してもよい。
【0096】
具体的には、図27に示すように、固定保持部材99のうちブラケット981Rを向く面は、挿脱経路PTの入口側一部と終端側(底板53の側)一部とを除いた部分に凸部990を有する。
【0097】
凸部990は、ブラケット981Rの側に向けて突出する部分であり、挿脱経路PTの入口側から終端側(底板53)に向かって、傾斜領域991、直線領域992及び傾斜領域993を備えて構成される。
【0098】
傾斜領域991は、底板53に向かうにつれてブラケット981Rの側に傾斜する領域である。直線領域992は、底板53に向かって直線状に延在する領域である。傾斜領域993は、底板53に向かうにつれてブラケット981Rから離れる側に傾斜する領域である。
【0099】
他方、ブラケット981Rのうち固定保持部材99の側を向く面は、上述した凸部990の形状に沿って、挿脱経路PTの入口側一部と終端側(底板53の側)一部とを除いた部分に凹部810を有する。
【0100】
凹部810は、固定保持部材99から離れる側に凹んだ部分であり、挿脱経路PTの入口側から終端側(底板53)に向かって、傾斜領域811、直線領域812及び傾斜領域813を備えて構成される。
【0101】
傾斜領域811は、底板53に向かうにつれて固定保持部材99から離れる側に傾斜する領域である。直線直領域812は、底板53に向かって直線状に延在する領域である。傾斜領域813は、底板53に向かうにつれて固定保持部材99の側に傾斜する領域である。
【0102】
固定保持部材99及びブラケット981Rが上述したような形状で構成されることで、挿脱経路PTは、ブラケット981Rの側に屈曲した後、固定保持部材99の側に更に屈曲している。すなわち、当該変形例に係る挿脱経路PTを介してフック7を挿脱するためには、フック7を複数回屈曲させなければならない。そのため、上記第3実施形態に比べてフック7が更に抜けにくくなり、格納時における挿脱方向のがたつきについても更に低減される。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように本発明にかかる構成は、フックをバケットリンクの格納空間に保持する油圧ショベル等に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0104】
1 バケット、3 バケットシリンダ、5 バケットリンク、7 フック、
9 保持ユニット、15 連結ピン、51L,51R 左右側板、53 底板、
70 鉤部内側、91 固定保持部材、92 固定保持部材、93 移動保持部材、
95 付勢部材、911 抜止部、913 ガイド面、920 テーパー面、
925 切取面、931 台座、933 押付部材、933A 当接面、
D1 方向、D2 方向、PS1 格納位置、PS2 取出位置、
RS 回動軸、SP 格納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図16
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