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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】洗車機
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/06 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
B60S3/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020217699
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102765
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西濱 淳盛
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-012954(JP,A)
【文献】特開平05-139260(JP,A)
【文献】特開2016-030450(JP,A)
【文献】実開昭60-148159(JP,U)
【文献】特開2007-161134(JP,A)
【文献】実開昭60-139564(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/00-3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に操作面を有する洗車機本体と、前記操作面を覆う位置に装置されるカバーとを備え、
前記カバーは、
前記洗車機本体の前面と対向する側壁と、
前記側壁から前記洗車機本体側に突出する、複数の凸部と、
前記側壁に設けられた開口であるカバー開口部と、
前記カバー開口部を開閉する扉と、
前記扉を回動可能に拘束する回転軸とを備え、
前記複数の凸部は、前記カバー開口部よりも前記洗車機本体の上部側および下部側のそれぞれに位置し、かつ、前記回転軸を回動可能に拘束する軸受をそれぞれ有する、上側凸部および下側凸部を含み、
前記カバーは、前記上側凸部および前記下側凸部を介して、前記洗車機本体に対し装置され、
前記上側凸部および前記下側凸部のそれぞれの軸受は、樹脂を含む材料からなり、かつ、当該樹脂を介して前記回転軸と接触する洗車機。
【請求項2】
前記複数の凸部は、さらに、前記上側凸部よりもさらに上部側、または、前記下側凸部よりもさらに下部側の、少なくとも一方に位置する、少なくとも一つの補助凸部をさらに含み、
前記カバーは、さらに、少なくとも一つの前記補助凸部を介して、前記洗車機本体に対し装置される請求項1に記載の洗車機。
【請求項3】
前記上側凸部と前記下側凸部とは、前記補助凸部と比較して、前記側壁側の端部から前記洗車機本体側の端部までの最長距離が長い請求項2に記載の洗車機。
【請求項4】
前記上側凸部と前記下側凸部とは、前記補助凸部と比較して、前記洗車機本体の左右方向における、一端側の端部から他端側の端部までの最長距離が長い請求項2または3に記載の洗車機。
【請求項5】
前記扉の前記回転軸回りの回転角度が、所定角度である場合において、前記扉と当接することにより、前記回転角度を制限するメカストッパを、前記上側凸部と前記下側凸部との少なくとも一方が有する請求項1から4の何れか一項に記載の洗車機。
【請求項6】
少なくとも1つの前記凸部の前記洗車機本体側の端面が、前記洗車機本体の前面と密接し、かつ、当該凸部の端面と前記洗車機本体の前面とが締め付けられることにより、記カバーが前記洗車機本体に固定される請求項1から5の何れか一項に記載の洗車機。
【請求項7】
前記側壁と共に、前記カバーの外表面の一部を形成する外表壁を前記扉がさらに備え、
前記側壁と前記外表壁とが樹脂を含む材料からなる請求項1から6の何れか一項に記載の洗車機。
【請求項8】
前記外表壁よりも前記操作面側の内表壁を、前記扉がさらに備え、
前記内表壁が金属を含む材料からなる請求項7に記載の洗車機。
【請求項9】
前記カバーが、前記洗車機本体に対し、着脱可能に装置される請求項1から8の何れか一項に記載の洗車機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は被洗浄車両の洗車を行う洗車機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、洗車機のメンテナンスを行うための機構を、洗車機本体の内部に設けるために、洗車機本体の側面に扉を設ける技術について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-12954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された扉を拘束するヒンジは、洗車機本体の外側に形成されている。このため、上記構成においては、当該ヒンジへの埃等の堆積、あるいは、雨等とヒンジとの接触による、ヒンジからの潤滑油の流れ出し等が生じる場合がある。これらは、ヒンジの摩耗または破損、あるいは、ヒンジからの異音の発生等を含む、ヒンジの不良の発生の原因となり得る。
【0005】
上記の課題の解決のため、洗車機本体の外表面に対し載置するカバーに扉を取り付け、当該ヒンジを含む、扉を拘束する機構を、カバーよりも洗車機本体側に設けることが考えられる。しかしながら、この場合、カバーの内部に、拘束機構を設けるための部材を形成する必要があり、カバーの部品点数の増加につながる。
【0006】
さらに、上記構成においては、拘束機構と回転軸とが金属のみからなる場合、金属同士の摩擦により、拘束機構および回転軸の摩耗、または異音の発生等を含む不良が発生する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る洗車機は、前面に操作面を有する洗車機本体と、前記操作面を覆う位置に装置されるカバーとを備え、前記カバーは、前記洗車機本体の前面と対向する側壁と、前記側壁から前記洗車機本体側に突出する、複数の凸部と、前記側壁に設けられた開口であるカバー開口部と、前記カバー開口部を開閉する扉と、前記扉を回動可能に拘束する回転軸とを備え、前記複数の凸部は、前記カバー開口部よりも前記洗車機本体の上部側および下部側のそれぞれに位置し、かつ、前記回転軸を回動可能に拘束する軸受をそれぞれ有する、上側凸部および下側凸部を含み、前記カバーは、前記上側凸部および前記下側凸部を介して、前記洗車機本体に対し装置され、前記上側凸部および前記下側凸部のそれぞれの軸受は、樹脂を含む材料からなり、かつ、当該樹脂を介して前記回転軸と接触する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、洗車機本体の操作面を覆うカバーの部品点数の増加を低減しつつ、当該カバーに取り付けられた扉の回転軸、および当該回転軸を拘束する軸受における不良の発生を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るカバーを示す概略斜視図である。
図2】実施形態に係る洗車機を示す概略側面図である。
図3】実施形態に係る洗車機本体を示す概略正面図である。
図4】実施形態に係る操作面を示す概略斜視図である。
図5】実施形態に係るカバーの扉の周辺についての概略拡大図である。
図6】実施形態に係るカバーの扉の周辺についての概略断面図である。
図7】実施形態に係るカバーの扉が開いた状態における、当該扉の周辺についての概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態〕
<洗車機の概要>
図2は、本実施形態に係る洗車機2が備える、洗車機本体4とリモートパネル6との概略側面図である。本実施形態に係る洗車機2は、図2に示すように、被洗浄車両である車両Xの洗車を行う洗車機本体4と、洗車機本体4による車両Xの洗車条件を取得するリモートパネル6とを備える。図2においては、車両Xがリモートパネル6よりも、紙面に向かって奥側に位置することを示すために、車両Xの外形を点線にて示す。
【0011】
図3は、本実施形態に係る洗車機本体4の概略正面図である。図3に示すように、洗車機本体4は、例えば、2つのスタンド部8と、当該2つのスタンド部8の上端同士を連結する天井部10とを備える。洗車機本体4は、図2に示す、車両Xの進入方向DAに沿って、車両Xが、スタンド部8および天井部10によって囲まれた空間4Sを通過できる構造を有している。なお、本明細書において、進入方向DAは、洗車機本体4の正面から背面に向かう方向とする。
【0012】
洗車機本体4は、例えば、スタンド部8のそれぞれの下部に車輪12を有し、図示しない駆動部によって当該車輪12を回転駆動することにより、地面Gに配されたレールRに沿って、車両Xに対し前後方向に相対移動する。レールRは、例えば、進入方向DAに沿って形成されている。ここで、洗車機本体4は、車両Xに対する相対移動を行いつつ、空間4S中の車両Xに対する洗浄を実施する。
【0013】
洗車機本体4には、車両X上に摺動してブラッシングする複数の回転ブラシが設けられる。例えば、洗車機本体4が備える回転ブラシは、それぞれが回転モータ(不図示)によって回転するトップブラシ14、サイドブラシ16、およびロッカーブラシ18を含む。トップブラシ14は、車両Xの上面に沿って移動し、車両Xの上面を洗浄する。サイドブラシ16、およびロッカーブラシ18は、車両Xの両側面を洗浄する。特に、ロッカーブラシ18は、サイドブラシ16の下方に配され、車両Xの側面下部を洗浄する。
【0014】
洗車機本体4の側部には、洗剤またはワックス等を含む各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部20が配される。タンク収納部20の上方には、市水を含む水、または各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部22が設けられる。分配配管部22には、第1浄水ノズル24、第2浄水ノズル26、第1洗剤ノズル28、第2洗剤ノズル30、撥水コートノズル32、およびワックスノズル34がそれぞれ電磁弁(不図示)を介して導出される。
【0015】
第1浄水ノズル24、および第2浄水ノズル26は、洗車機本体4の手前側、および奥側にそれぞれ配され、車両Xに対して市水を含む水を噴射する。第1洗剤ノズル28、第2洗剤ノズル30は、洗車機本体4の手前側および奥側にそれぞれ配され、車両Xに対してシャンプー等を含む洗浄液を噴射する。撥水コートノズル32およびワックスノズル34は洗車機本体4の後面に配される。撥水コートノズル32は車両Xに対して撥水コート剤の液剤を噴射する。ワックスノズル34は車両Xに対してワックスを噴射する。
【0016】
また、洗車機本体4には、気流を発生して車両Xを乾燥させるブロワ36が設けられる。ブロワ36にはトップ送風ノズル38、およびサイド送風ノズル40が接続される。トップ送風ノズル38は、洗車機本体4の中央上部に設けられ、車両Xの天井面に向けて送風する。サイド送風ノズル40は、洗車機本体4の両側部に設けられ、車両Xの側面に向けて送風する。洗車機本体4は、トップ送風ノズル38、およびサイド送風ノズル40の送風によって、洗浄後の車両Xを乾燥させる。
【0017】
なお、図1においては、図示の簡単のために、上述した、洗車機本体4が備える、車両Xの洗浄のための各装置に関する図示を省略している場合がある。また、図1に示す、洗車機本体4が備える各装置は、単なる例示であり、洗車機本体4は、上述した装置の他、従来公知の構成を含む、車両Xの洗浄のための装置、および当該洗浄を補助する装置を、スタンド部8または天井部10に備えていてもよい。
【0018】
本実施形態において、洗車機本体4の少なくとも一方のスタンド部8の前面には、カバー42が装置される。例えば、図1に示すように、洗車機本体4の双方のスタンド部8の前面に、カバー42が装置される。カバー42は、洗車機本体4が前面に有する操作面44を覆う位置に装置される。カバー42および操作面44の詳細については後述する。
【0019】
なお、本実施形態において、カバー42の外表面は、洗車機本体4のスタンド部8の前面の一部を形成する。また、カバー42の外表面を含むスタンド部8の前面は、洗車機本体4の上下方向における、スタンド部8の上端および下端と比較して、スタンド部8の中央部分が、洗車機本体4の前面側に突出した形状を有する。
【0020】
リモートパネル6は、例えば、洗車機本体4の前方側に位置し、おおよそ洗車機本体4の移動方向に沿って配置される。また、リモートパネル6は、図2に示すように、その正面が、洗車機本体4により洗浄される前、換言すれば、洗車機本体4の内部に進入する前の車両Xと対向するように配置される。このため、図2においては、リモートパネル6の背面を図示している。
【0021】
図2に示すように、リモートパネル6は、筐体46と、地面Gに立設された、筐体46を支持する支持柱48とを備える。リモートパネル6は、筐体46に設けられた、不図示のタッチパネルまたはボタン等の操作により、洗車機本体4による車両Xの洗車条件の少なくとも一部を取得してもよい。洗車機本体4は、リモートパネル6が取得した洗車条件の少なくとも一部に基づいて、車両Xを洗浄してもよい。
【0022】
<側壁および周壁の概要>
本実施形態に係るカバー42について、図1を参照してより詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るカバー42の斜視図である。図1においては、カバー42が洗車機本体4に装置される際の洗車機本体4側を裏面側として、正面側斜視42Fと、裏面側斜視42Rとをそれぞれ示す。換言すれば、カバー42は、裏面側を洗車機本体4側に向けて、洗車機本体4の前面に装置される。
【0023】
カバー42は、洗車機本体4に装置された際に、裏面側が洗車機本体4の前面と対向する側壁50を備える。また、カバー42は、裏面側に向かって、換言すれば、洗車機本体4に装置された際の洗車機本体4側に向かって、側壁50の周囲端部からそれぞれ立設する、左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56を備える。カバー42が洗車機本体4に装置された際に、左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56のそれぞれは、側壁50の洗車機本体4の、左右方向、上方向、および下方向のそれぞれの端部から立設する。
【0024】
カバー42が洗車機本体4に装置された際、左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56のそれぞれの、カバー42の裏面側の端部を、端部52E、端部54E、および端部56Eとする。ここで、カバー42が洗車機本体4に装置された際、端部52E、端部54E、および端部56Eは、後述する、操作面44の各操作部が形成される面よりも、洗車機本体4側に位置する。これにより、操作面44の各操作部が形成される面は、
側壁50、左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56により覆われる。カバー42が洗車機本体4に装置された際、カバー42の端部52E、端部54E、および端部56Eから、側壁50の洗車機本体4側、換言すれば、側壁50よりもカバー42の裏面側までは、カバー42の内部側となる。
【0025】
側壁50は、洗車機本体4に装置された際に、スタンド部8の前面側の表面、換言すれば、洗車機本体4の前面側の表面の一部を形成する。例えば、本実施形態において、カバー42が、スタンド部8の上下方向の略中央に装置されるとする。この場合、側壁50は、スタンド部8の前面の形状に合わせて、上部周壁54側、および下部周壁56側と比較して、上下方向の中央側が、カバー42の正面側に突出する形状を有する。このため、左右周壁52のそれぞれは、上部周壁54側、および下部周壁56側から、上下方向の中央側に向かって、側壁50から、カバー42の裏面側の端部までの距離が次第に長くなる。
【0026】
側壁50、左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56は、例えば、樹脂を含む材料からなる。一般に、鋼鉄等を含む金属材料と比較して、樹脂材料は、単位体積あたりの質量が低い。このため、側壁50、左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56が、樹脂を含む材料からなることにより、カバー42全体の重量を低減し、カバー42の取り回しをより容易とできる。
【0027】
<凸部の概要>
カバー42は、側壁50から、カバー42の裏面側に向かって突出する、複数の凸部58を備える。各凸部58は、例えば、側壁50から、左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56の、カバー42の裏面側の端部52E、端部54E、および端部56Eの手前まで突出する。このため、端部52E、端部54E、および端部56Eは、各凸部58のカバー42の裏面側の端面よりも、カバーの裏面側に位置する。
【0028】
カバー42は、さらに、側壁50に設けられた開口であるカバー開口部60を備える。ここで、複数の凸部58は、カバー開口部60よりも上部周壁54側に位置する上側凸部62と、カバー開口部60よりも下部周壁56側に位置する下側凸部64とを含む。また、複数の凸部58は、上側凸部62よりも上部周壁54側、および、下側凸部64よりも下部周壁56側のそれぞれに位置する補助凸部66をさらに含む。
【0029】
本実施形態において、上側凸部62、下側凸部64、および補助凸部66のそれぞれにおいて、側壁50から、カバー42の裏面側の端部までの距離を、それぞれ、D62、D64、およびD66とする。また、上側凸部62、下側凸部64、および補助凸部66のそれぞれにおいて、左右周壁52の一方側の端部から他端側の端部までの距離を、それぞれ、W62、W64、およびW66とする。
【0030】
なお、各凸部58における、側壁50から、カバー42の裏面側の端部までの距離、および、左右周壁52の一方側の端部から他端側の端部までの距離は、均一でなくともよい。この場合、D62、D64、およびW66は、各凸部における、側壁50から、カバー42の裏面側の端部までの最長距離であり、W62、W64、およびW66は、各凸部における、左右周壁52の一方側の端部から他端側の端部までの最長距離である。
【0031】
ここで、上述した通り、各凸部58は、側壁50から、左右周壁52の、カバー42の裏面側の端部まで突出する。さらに、左右周壁52の、側壁50から、カバー42の裏面側の端部までの距離は、上部周壁54側、および下部周壁56側と比較して、上下方向の中央側が長い。このため、D62、およびD64のそれぞれは、D66よりも長い。また、本実施形態において、W62、およびW64のそれぞれは、W66よりも長い。
【0032】
なお、各凸部58は、カバー42の裏面側の端面に、複数の開口68を有する。開口68は、例えば、各凸部58のカバー42の裏面側の端面のうち、左右周壁52側のそれぞれの端部近傍に形成されている。
【0033】
<扉の概要>
カバー42は、さらに、カバー開口部60を開閉する扉70を備える。扉70は、カバー42の正面側に形成されたハンドル72を備える。加えて、カバー42は、扉70を回動可能に拘束する上側回転軸74および下側回転軸76を備える。例えば、上側回転軸74および下側回転軸76は、金属を含む材料からなる。当該構成により、上側回転軸74および下側回転軸76の強度をより効率的に確保できる。
【0034】
ここで、上側凸部62は、上側回転軸74を回動可能に拘束する上側軸受78を有し、下側凸部64は、下側回転軸76を回動可能に拘束する下側軸受80を有する。このため、例えば、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれは、上側軸受78および下側軸受80のそれぞれと接触しつつ、各回転軸回りに回動する。
【0035】
上側回転軸74および下側回転軸76は、回転軸固定具82により、扉70に対して固定される。ここで、上側回転軸74および下側回転軸76は略同一直線上にある。このため、扉70は、上側回転軸74回りおよび下側回転軸76回りに回動して、カバー開口部60を開閉する。
【0036】
なお、上側軸受78および下側軸受80のそれぞれは、樹脂を含む材料からなる。また、上側軸受78および下側軸受80のそれぞれは、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれと、樹脂を介して接触する。このため、上側軸受78および下側軸受80のそれぞれと、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれとの接触は、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれが金属からなっていたとしても、少なくとも、樹脂と金属との接触となる。
【0037】
カバー42は、さらに、扉70の上側回転軸74および下側回転軸76回りの回転角度を制限するメカストッパ84を備える。メカストッパ84は、例えば、メカストッパ固定具86により、上側凸部62および下側凸部64のそれぞれに固定され、扉70に向かってそれぞれ延伸する。メカストッパ84は、上側凸部62または下側凸部64の、少なくとも一方に形成されている。なお、メカストッパ84による扉70の回転角度を制限する機構については後述する。
【0038】
なお、図示の簡単のため、図1においては、扉70が備える部材の図示を省略または簡略化している場合がある。扉70のより詳細な構造については後述する。
【0039】
<操作面の概要>
本実施形態に係る操作面44について、図4を参照してより詳細に説明する。図4は、操作面44を示す斜視図であり、例えば、カバー42を洗車機本体4の前面に装置した状態において、当該カバー42を透過して示す図である。
【0040】
操作面44は、洗車機本体4の前面側において突出する操作面凸部44Pを含む。操作面凸部44Pは、洗車機本体4の前面側の上面44Tと、当該上面44Tの周囲端部から、洗車機本体4の前面まで立設する側壁44Sとを含む。
【0041】
操作面44に対し、カバー42が装置された場合、カバー42の各周壁の、カバー42の裏面側の端部である、端部52E、端部54E、および端部56Eは、上面44Tよりも、洗車機本体4側に位置する。このため、各側壁44Sは、洗車機本体4の左右方向または上下方向からみて、左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56と重なる。したがって、操作面44に対し、カバー42が装置された場合、上面44Tと側壁44Sとを含む、操作面凸部44Pの全体が、カバー42の内側に位置する。
【0042】
なお、操作面44は、上記構成に限られず、凸部構造を備えていなくともよい。換言すれば、操作面44の各操作部は、洗車機本体4の前面に直接形成されていてもよい。この場合、カバー42が操作面44に対し装置された場合、カバー42の左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56は、操作面44の周囲端部と当接してもよい。加えて、カバー42の左右周壁52、上部周壁54、および下部周壁56は、各凸部58の、カバー42の裏面側の端部と、略同一平面上に位置してもよい。
【0043】
操作面44は、例えば、複数の開口88を備える。各開口88は、上面44T上に形成され、カバー42を洗車機本体4の前面に装置した状態において、カバー42の各凸部58が有する各開口68と対向する位置に形成される。
【0044】
例えば、図4に示す、各開口88から突出するボルト90を、各開口68に挿入し、ナット92により、各凸部58のカバー42の裏面側の端部を、操作面44に対し締め付けることにより、カバー42を洗車機本体4の前面に装置できる。この場合、各開口68は、カバー42のナットサートとして機能する。
【0045】
カバー42が洗車機本体4の前面に装置される際、各凸部58のカバー42の裏面側の端面は、操作面44の表面、特に、操作面凸部44Pの上面44Tと密接してもよい。これにより、より確実にカバー42を洗車機本体4に対し装置することが可能となる。ボルト90およびナット92により、カバー42を洗車機本体4に対し装置する場合、ボルト90の突出部には、ボルト90とナット92との間のワッシャが挿入されていてもよい。
【0046】
特に、カバー42は、例えば、上述のボルト90およびナット92により、少なくとも、上側凸部62および下側凸部64の双方を介して、洗車機本体4に対し装置される。また、カバー42は、補助凸部66の少なくとも一つをさらに介して、洗車機本体4に対し装置されていてもよい。本実施形態において、より多くの凸部58を介して、カバー42が洗車機本体4に対し装置されることにより、より確実にカバー42を洗車機本体4に対し装置できる。
【0047】
ここで、ナット92をボルト90から脱去することにより、カバー42を洗車機本体4から取り外すことができる。換言すれば、カバー42は、洗車機本体4に対し、着脱可能に装置される。
【0048】
<表示パネルおよび操作部>
操作面44は、さらに、例えば、表示パネル94、キー挿入部96、スイッチ98、およびボタン100を備える。特に、本実施形態において、表示パネル94、キー挿入部96、スイッチ98、およびボタン100は、上面44T上に形成される。表示パネル94は、洗車機本体4の設定情報等を表示してもよく、タッチパネルであってもよい。キー挿入部96は、キーが挿入された状態において当該キーが回動することにより回動してもよく、例えば、洗車機本体4の電源等を走査してもよい。スイッチ98およびボタン100は、洗車機2の使用者または整備者等により操作されることにより、洗車機本体4の設定等が変更されてもよい。
【0049】
例えば、表示パネル94と、キー挿入部96、スイッチ98、およびボタン100を含む各操作部の一部とは、カバー42を洗車機本体4の前面に装置した状態において、カバー開口部60と対向する領域である領域60Aの内側に位置してもよい。領域60Aの内側に位置する表示パネル94および上述した各操作部は、カバー42を洗車機本体4に対し装置した状態においても、扉70を開放することにより、カバー開口部60を介して視認および操作することが可能である。なお、各操作部の他の一部は、領域60Aの外側に位置してもよい。
【0050】
上記構成により、例えば、洗車機本体4の電源および設定等を含む、頻繁に操作する操作部、および上記設定に関する情報を表示する表示パネル94のみを、領域60Aの内側に配置することができる。この場合、カバー42を洗車機本体4から取り外すことなく、カバー開口部60を介して、表示パネル94を視認し、洗車機本体4の設定を実施することが可能となる。
【0051】
さらに、上記構成により、例えば、洗車機本体4のオーバーホール等を含む、洗車機本体4のメンテナンスに使用するものの、頻繁には操作されない操作部のみを、領域60Aの外側に配置することができる。この場合、カバー42を洗車機本体4から取り外すことにより、領域60Aの外側に配置された各操作部を操作でき、洗車機本体4の整備等を実施することが可能となる。
【0052】
換言すれば、上記構成により、使用される頻度に応じて、操作面44上における表示パネル94および各操作部の位置を設計することが可能となる。これにより、カバー42の洗車機本体4に対する脱着の頻度を低減しつつ、より効果的な操作面44の視認および操作を可能とし、洗車機本体4の操作をより快適とする。
【0053】
<扉の細部>
扉70およびその周囲の細部について、図5および図6を参照してより詳細に説明する。図5は、カバー42を扉70の周囲について拡大して示す概略図である。図5においては、側壁50および扉70の、カバー42の正面側の表面から、紙面向かって奥側に位置する各部材の一部の外形を、点線にて示している。
【0054】
なお、図5においては、扉70がカバー開口部60を閉じ、扉70の、カバー42の正面側の表面が、側壁50の、カバー42の正面側の表面と、略面一となる状態を示す。また、各部材の位置関係等をより明確に記載するために、図5においては、側壁50と扉70との間の空間を実際よりも広く示している。しかしながら、側壁50と扉70とは、実際には、扉70の回動に支障がない程度に近接していてもよい。
【0055】
図6は、扉70の周囲における、カバー42の断面図である。図6に示す断面600、断面602、断面604、および断面606は、それぞれ、図5における、B-B線、C-C線、D-D線、およびE-E線の矢視断面図である。なお、図6において、断面602、断面604、および断面606は、図示の簡単のため、それぞれ対応する断面における部材のみを示し、紙面向かって奥側に位置する部材の図示を省略している。ただし、図6に示す断面600のみは、B-B線矢視断面よりも紙面向かって奥側に位置する部材の図示を行っている。
【0056】
図5および図6の断面600に示すように、上側凸部62が含む上側回転軸74およびメカストッパ84は、それぞれ、上側軸受78およびメカストッパ固定具86により、上側凸部62に対し拘束される。ここで、上述の通り、上側回転軸74は上側軸受78に対し回動可能に拘束され、メカストッパ84はメカストッパ固定具86に固定されている。
【0057】
図5および図6の断面602、断面604に示すように、上側凸部62が含む上側回転軸74およびメカストッパ84は、上側凸部62を貫通し、カバー42の正面視において、扉70と重なる位置まで延伸する。上側回転軸74は、後述する回転軸固定具82により、扉70に対し固定される。
【0058】
なお、下側凸部64が含む下側回転軸76およびメカストッパ84のそれぞれは、上側凸部62が含む上側回転軸74およびメカストッパ84のそれぞれと対応する構成を備えていてもよい。例えば、下側凸部64が含む下側回転軸76およびメカストッパ84のそれぞれは、下側凸部64に対し拘束され、下側凸部64を貫通し、カバー42の正面視において、扉70と重なる位置まで延伸する。下側回転軸76は、後述する回転軸固定具82により、扉70に対し固定される。
【0059】
<外表壁および内表壁>
扉70は、断面604、および断面606に示すように、カバー42の正面側の外表壁102と、当該外表壁102よりもカバー42の裏面側の内表壁104とを備える。特に、外表壁102は、カバー42の正面側の最外表面を形成する。このため、外表壁102は、側壁50とともに、カバー42の正面側の外表面の一部を形成する。
【0060】
扉70は、さらに、外表壁102からカバー42の裏面側に突出する外表壁凸部106、および当該外表壁凸部106に対し内表壁104を固定するための外表壁固定具108を有する。例えば、外表壁固定具108は、外表壁凸部106に対し内表壁104を締め付けることにより、外表壁102に対し、内表壁104を固定するボルトであってもよい。
【0061】
外表壁102は、樹脂を含む材料からなる。外表壁102は、例えば、側壁50と同一の材料からなっていてもよい。この場合、上述した理由と同一の理由から、扉70の質量を低減し、扉70の開閉を含む、扉70の取り回しが改善する。
【0062】
また、内表壁104は、金属を含む材料からなる。この場合、扉70は、例えば、樹脂を含む材料からなる外表壁102と、金属を含む材料からなる内表壁104との二重構造を備える。上記構成により、扉70は、外表壁102により、質量を低減しつつ、内表壁104により、より効率よく強度を確保することができる。
【0063】
扉70は、さらに、図5および図6の断面606に示すように、内表壁104に形成された開口である内表壁開口部110を有する。ここで、内表壁開口部110は、カバー42を洗車機本体4の前面に装置した状態において、図4に示す、操作面44上の一部領域である領域110Aと対向する。なお、内表壁開口部110は、カバー42の正面視において、カバー開口部60の内部に位置するため、領域110Aは、領域60Aの内側に位置する。
【0064】
カバー42を洗車機本体4の前面に装置した状態における、領域110Aの内側において、カバー42の裏面側端部と操作面44との距離は、外表壁102と操作面44との距離に相当する。一方、上記状態における、領域60Aの内側、かつ、領域110Aの外側において、カバー42の裏面側端部と操作面44との距離は、内表壁104と操作面44との距離に相当する。このため、カバー42の裏面側端部と操作面44との距離は、領域60Aの内側、かつ、領域110Aの外側と比較して、領域110Aの内側において長くなる。
【0065】
ここで、例えば、領域60Aの内側に位置する、表示パネル94と、キー挿入部96、スイッチ98、およびボタン100を含む各操作部のうち、当該各操作部が、領域110Aの内側に位置してもよい。
【0066】
例えば、スイッチ98、およびボタン100は、一般に、操作面44の表面と比較して突出した構造を有する。また、例えば、キー挿入部96にキーを挿入したまま、洗車機本体4を稼働させる場合が考えられ、この場合、キー挿入部96からキーが突出する。したがって、これらの操作部が、領域110Aの内側に位置することにより、操作部またはキー挿入部96から突出したキー等を含む、操作面44上の各部材と、扉70との当接が、内表壁開口部110により低減する。
【0067】
なお、表示パネル94は、領域110Aの外側に位置してもよい。一般に、上記各操作部と比較して、表示パネル94は薄く形成できるため、領域110Aの外側に位置する場合においても、扉70と干渉する蓋然性は低い。
【0068】
<当接部>
加えて、扉70は、内表壁104よりもカバー42の裏面側の当接部112、内表壁104からカバー42の裏面側に突出する内表壁凸部114、および当該内表壁凸部114に対し当接部112を固定するための当接部固定具116を有する。例えば、当接部固定具116は、内表壁凸部114に対し当接部112を締め付けることにより、内表壁104に対し、当接部112を固定するボルトであってもよい。
【0069】
なお、図5および図6の断面604、断面606に示すように、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれは、内表壁凸部114に挿入され、当接部固定具116により、当該内表壁凸部114に固定されていてもよい。例えば、当接部固定具116は、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれを挟み込むように、内表壁凸部114に固定してもよい。この場合、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれは、内表壁104に対し固定され、ひいては、扉70に対し固定される。換言すれば、内表壁凸部114および当接部固定具116は、回転軸固定具82を兼ねていてもよい。
【0070】
あるいは、回転軸固定具82は、内表壁凸部114および当接部固定具116とは別に形成されていてもよい。この場合、回転軸固定具82と、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれと、内表壁104とが、直接接合されることにより、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれが、回転軸固定具82を介して、扉70に固定されていてもよい。
【0071】
当接部112の機能を、メカストッパ84の機能と併せて、図7を参照して説明する。特に、図7は、扉70を開放した状態における、図6に示す断面604と同一の断面を示す。
【0072】
図7に示すように、図5および図6に示す扉70の状態から、図7に示す角度θだけ、扉70が上側回転軸74および下側回転軸76回りに、カバー42の正面側に回転したとする。上記状態においては、図7に示すように、当接部112が、上側凸部62および下側凸部64のそれぞれから、正面視において扉70と重なる位置まで延伸したメカストッパ84と当接する。
【0073】
このため、扉70は、角度θよりも大きく、上側回転軸74および下側回転軸76回りに回転しない。したがって、メカストッパ84および当接部112により、扉70の上側回転軸74および下側回転軸76回りの回転角度を、所定角度までに制限することができる。上記構成により、カバー42は、扉70の回転角度を、メカストッパ84および当接部112を含む、比較的簡素な構成により制限することができる。
【0074】
なお、扉70の、上側回転軸74および下側回転軸76回りの、カバー42の裏面側への回転角度は、例えば、外表壁102および内表壁104が、操作面44と干渉することにより制限されてもよい。上記構成を達成するため、扉70は、外表壁102および内表壁104の周囲端部から、カバー42の裏面側に立設する縁部を備えていてもよい。この場合、カバー42が洗車機本体4に対し装置された際に、外表壁102および内表壁104の縁部が、操作面44と当接することにより、扉70のカバー42の裏面側への回転が制限されてもよい。
【0075】
<ハンドル>
ハンドル72は、例えば、ボルトおよびワッシャによって、外表壁102に対し締め付けられることにより、扉70の外表面に形成されてもよい。ここで、例えば、ハンドル72の、外表壁102側の端面は、外表壁102の外表面と密接していてもよい。当該構成により、ハンドル72と外表壁102との間への異物等の堆積を低減できる。
【0076】
ハンドル72は、樹脂を含む材料からなっていてもよく、例えば、外表壁102が含む材料と同一の材料からなっていてもよい。この場合、ハンドル72の重量を低減できる他に、ハンドル72と外表壁102との接触を、樹脂同士の接触とすることができる。ハンドル72と外表壁102との接触が、樹脂同士の接触である場合、例えば、ハンドル72と外表壁102との接触が、金属同士の接触、または金属と樹脂との接触である場合と比較して、ハンドル72と外表壁102との摩耗を含む不良を低減できる。
【0077】
なお、例えば、ハンドル72を外表壁102に対し固定するためのボルトは、外表壁102に形成された開口と摩擦嵌合するスペーサに挿入されることにより、外表壁102に対し固定されていてもよい。これにより、当該ボルトは、外表壁102の開口と直接接触しないため、外表壁102が樹脂材料からなる場合に、外表壁102と上記ボルトとの接触に伴う、外表壁102へのクリープの発生等の不良を低減できる。
【0078】
<まとめ>
本実施形態に係るカバー42は、扉70の回転軸である上側回転軸74および下側回転軸76、およびこれらの回転軸の軸受である、上側軸受78および下側軸受80を、側壁50よりも洗車機本体4側に備える。上記構成により、扉70の回転軸および当該回転軸の軸受が雨ざらしとなることを低減し、これらの回転軸および当該回転軸の軸受への埃等の堆積を低減する。したがって、本実施形態に係るカバー42は、扉70の回転軸および当該回転軸の軸受における、潤滑油の流れ出し、または、軸受の摩耗等を含む不良の発生を低減する。
【0079】
本実施形態に係るカバー42は、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれは、これらの回転軸の軸受である、上側軸受78および下側軸受80のそれぞれが含む、樹脂部分を介して接触する。上記構成により、上側回転軸74および下側回転軸76のそれぞれと、上側軸受78および下側軸受80のそれぞれとの接触が、金属同士の接触となることを防止する。したがって、本実施形態に係るカバー42は、扉70の回転軸と、該回転軸の軸受との摩耗を低減し、あるいは、当該回転軸および軸受の摩擦に伴う異音の発生を低減する。
【0080】
本実施形態に係るカバー42は、側壁50よりも洗車機本体4側に位置する凸部58を介して洗車機本体4に装置される。特に、カバー42は、少なくとも、上述した上側軸受78および下側軸受80のそれぞれを有する、上側凸部62および下側凸部64を介して、洗車機本体4に装置される。換言すれば、上側凸部62および下側凸部64は、扉70の回転軸を拘束する軸受を有する部材と、カバー42を洗車機本体4に装置するための部材とを兼ねる。したがって、本実施形態に係るカバー42は、洗車機本体4への装置と、扉70の拘束とのために必要な部品の点数を低減できるため、構造をより簡素化する。
【0081】
本実施形態に係る洗車機2は、上述したカバー42を、洗車機本体4の前面に位置する操作面44を覆うカバーとして備えている。したがって、本実施形態に係る洗車機2は、カバー42における不良の発生を低減しつつ、カバー42をより簡素に構成することができる。
【0082】
<補遺>
上述の通り、D62、およびD64のそれぞれは、D66よりも長い。換言すれば、上側凸部62および下側凸部64は、側壁50側の端部から、カバー42の裏面側の端部までの長さが、補助凸部66と比較して長い。このため、上側凸部62および下側凸部64は、より効率的に、上側軸受78および下側軸受80を形成するための領域を確保できる。また、D62、およびD64のそれぞれが長いことにより、操作面44に形成された各操作部が、カバー42と干渉することを、より効率的に低減できる。
【0083】
なお、上記構成をさらに換言すれば、補助凸部66の、側壁50側の端部から、カバー42の裏面側の端部までの長さは、上側凸部62および下側凸部64と比較して短い。このため、カバー42の正面側の端部から裏面側までの端部までの距離は、カバー42の上端部および下端部において短くなる。したがって、本実施形態においては、カバー42の上端部および下端部において、カバー42をより小型に形成することができる。
【0084】
また、上述の通り、W62、およびW64のそれぞれは、W66よりも長い。換言すれば、上側凸部62および下側凸部64は、左右周壁52の一方側の端部から他端側の端部までの長さが、補助凸部66と比較して長い。このため、上側凸部62および下側凸部64は、より効率的に、上側軸受78、下側軸受80およびメカストッパ固定具86を形成するための領域を確保できる。ひいては、上側凸部62および下側凸部64は、より効率的に、上側回転軸74、下側回転軸76、およびメカストッパ84を形成するための領域を確保できる。なお、上側回転軸74、下側回転軸76、およびメカストッパ84は、上側凸部62および下側凸部64のうち、カバー42の上下方向からみて補助凸部66と重ならない位置に形成されていてもよい。
【0085】
一方、補助凸部66の左右周壁52の一方側の端部から他端側の端部までの長さは、開口68を形成できる程度の長さがあればよく、上側凸部62および下側凸部64と比較して短くともよい。したがって、本実施形態においては、補助凸部66を、上側凸部62および下側凸部64と比較して、より小型に形成することができる。
【0086】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された異なる技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
2 洗車機、4 洗車機本体、8 スタンド部、10 天井部、42 カバー、44 操作面、50 側壁、58 凸部、60 カバー開口部、62 上側凸部、64 下側凸部、66 補助凸部、70 扉、74 上側回転軸、76 下側回転軸、78 上側軸受、80 下側軸受、84 メカストッパ、102 外表壁、104 内表壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7