(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】2次元、ライトフィールドおよびホログラフィックリレーによるエネルギー伝搬および横方向アンダーソン局在
(51)【国際特許分類】
G02B 6/00 20060101AFI20230620BHJP
G02B 6/04 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
G02B6/00 D
G02B6/04
(21)【出願番号】P 2019501554
(86)(22)【出願日】2017-07-14
(86)【国際出願番号】 US2017042275
(87)【国際公開番号】W WO2018014009
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-07-13
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519006883
【氏名又は名称】ライト フィールド ラボ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラフィン、ジョナサン ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ベヴェンシー、ブレンダン エルウッド
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-512954(JP,A)
【文献】国際公開第2013/140726(WO,A1)
【文献】特表2009-530661(JP,A)
【文献】米国特許第04099833(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0266992(US,A1)
【文献】米国特許第05974215(US,A)
【文献】特開2013-254649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0195410(US,A1)
【文献】国際公開第2011/158752(WO,A1)
【文献】特開平08-179131(JP,A)
【文献】特開2014-142368(JP,A)
【文献】特開2000-347046(JP,A)
【文献】特開2003-330109(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0268950(US,A1)
【文献】特表2008-518473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00-6/10
G02B 6/245-6/25
G02B 6/44-6/54
G02B 27/00-27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の構造体から形成されるリレー素子であって、第1の表面と、第2の表面と、横方向と、長手方向と、を有する、リレー素子を備え、
前記第1の表面が、前記第2の表面とは異なる表面積を有し、
前記リレー素子が、第1および第2の異なる材料、および、前記第1の表面と前記第2の表面との間に、傾斜したプロファイル部分を含み、
前記リレー素子の前記第1および第2の異なる材料は、前記第1の表面および前記第2の表面の間の光の伝搬が、波の干渉によって前記横方向において制限されるように配置され、これにより、前記横方向よりも前記長手方向の方が輸送効率が実質的に高くなり、
これにより前記第1の表面の前記第1および第2の異なる材料は、第1の画像解像度を解像するように動作可能であり、
前記第2の表面の前記第1および第2の異なる材料は、前記第1の画像解像度の約50%以上である第2の画像解像度を解像するように動作可能であり、前記第1の画像解像度および前記第2の画像解像度は写真線ペア周波数で測定され、
前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記傾斜したプロファイル部分を通って伝搬する光が、前記傾斜したプロファイル部分の前記横方向よりも前記長手方向において実質的に高い輸送効率により、前記長手方向に実質的に平行に進行し、
前記リレー素子を通過する前記光が、空間拡大または空間縮小をもたら
し、
それによって、前記第1の表面に呈される均一なプロファイルを有するエネルギーが、前記第2の表面を通過して、前記第2の表面上の位置に関係なく、前記第2の表面の法線に対して±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、
装置。
【請求項2】
前記1つ以上の構造体が、ガラス、カーボン、光ファイバ、光学薄膜、プラスチック、ポリマー、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リレー素子が、前記長手方向に積層構成の複数の素子を含み、前記複数の素子のうちの第1の素子が、前記第1の表面を含み、前記複数の素子のうちの第2の素子が、前記第2の表面を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の素子および前記第2の素子の各々が、前記光の空間拡大を引き起こす、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の素子および前記第2の素子の各々が、前記光の空間縮小を引き起こす、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の素子が、前記光の空間拡大を引き起こし、前記第2の素子が、前記光の空間縮小を引き起こす、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の素子が、前記光の空間縮小を引き起こし、前記第2の素子が、前記光の空間拡大を引き起こす、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記積層構成の前記複数の素子が、複数のフェースプレートを含む、請求項3から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記複数のフェースプレートが、異なる長さを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のフェースプレートが、曲がった光学リレーである、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記傾斜したプロファイル部分が、前記リレー素子の法線軸に対して非直角な角度で、角度をなすか、直線状であるか、湾曲するか、テーパ状であるか、切子面状であるか、または整列され得る、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記リレー素子が、前記光が前記横方向に局在化されるように、ランダム化された屈折率変動を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の表面が、エネルギー源ユニットから前記光を受信するように構成され、前記エネルギー源ユニットが、前記第1の表面および前記第2の表面のうちの少なくとも一方の幅とは異なる幅を有する機械的なエンベロープを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記機械的なエンベロープが、レンズと、前記レンズに隣接して配設された複数のエネルギー源パネルと、を有する投影システムを含み、前記複数のエネルギー源パネルの配置が、平面、非平面、またはそれらの組み合わせである、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のエネルギー源パネルが、傾斜、一定角度での整列、千鳥状、軸上、軸外、回転、平行、直角、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むように配置されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記複数のエネルギー源パネルが、半径方向に対称な構成で円周を形成するように配置されている、請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の表面が、平面であり、前記第2の表面が、平面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の表面が、平面であり、前記第2の表面が、非平面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の表面が、非平面であり、前記第2の表面が、平面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の表面が、非平面であり、前記第2の表面が、非平面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の表面が、凹面であり、前記第2の表面が、凹面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の表面が、凹面であり、前記第2の表面が、凸面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の表面が、凸面であり、前記第2の表面が、凹面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の表面が、凸面であり、前記第2の表面が、凸面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の表面および前記第2の表面のうちの少なくとも一方が、凹面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の表面および前記第2の表面のうちの少なくとも一方が、凸面である、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、超高解像度ホログラフィックエネルギー源の実装に関し、より具体的には、横方向アンダーソン局在の原理を利用する一般化されたエネルギー波リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
Gene RoddenberryのStar Trekにより世間一般に普及され、1900年代初期に作家Alexander Moszkowskiによって当初計画された「ホロデッキ」室内のインタラクティブな仮想世界の夢は、ほぼ一世紀の間、空想科学小説および技術革新に対するインスピレーションである。しかしながら、この経験の画期的な実現は、文献、メディア、ならびに子供達および同様に大人達の集合的な想像力の外には、全く存在していない。
【発明の概要】
【0003】
光学リレーおよび横方向アンダーソン局在を利用するライトフィールドおよびホログラフィックエネルギー源のためのリレー素子を使用する高解像度二次元エネルギー源システムが開示される。
【0004】
一実施形態では、エネルギー源システムのための装置は、1つ以上の構造体から形成されるリレー素子を含み、リレー素子は、第1の表面と、第2の表面と、横方向の配向と、長手方向の配向と、を有する。この実施形態では、第1の表面が、第2の表面とは異なる表面積を有し、リレー素子が、第1の表面と第2の表面との間に傾斜したプロファイル部分を含む。
【0005】
動作中、第1の表面と第2の表面との間を伝搬するエネルギー波は、横方向の配向よりも長手方向の配向において実質的に高い輸送効率により、長手方向の配向に実質的に平行に進行し、リレー素子を通過するエネルギー波は、空間拡大または空間縮小をもたらす。
【0006】
一実施形態では、第1の表面を通過するエネルギー波が、第1の解像度を有する一方で、第2の表面を通過するエネルギー波は、第2の解像度を有し、第2の解像度は、第1の解像度の約50%以上である。別の実施形態では、エネルギー波は、第1の表面に呈されるときに均一なプロファイルを有する一方で、第2の表面上の位置に関係なく、第2の表面の法線に対して約±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、前方方向のエネルギー密度であらゆる方向に放射する第2の表面を通過し得る。
【0007】
一実施形態では、リレー素子の1つ以上の構造体は、ガラス、カーボン、光ファイバ、光学薄膜、プラスチック、ポリマー、またはこれらの混合物を含む。別の実施形態では、装置のリレー素子は、長手方向の配向に積層構成の複数の素子を含み、それによって、複数の素子のうちの第1の素子が、第1の表面を含み、複数の素子のうちの第2の素子が、第2の表面を含む。
【0008】
一実施形態では、第1の素子および第2の素子の各々は、エネルギーの空間拡大を引き起こす。別の実施形態では、第1の素子および第2の素子の各々は、エネルギーの空間縮小を引き起こす。さらに別の実施形態では、第1の素子が、エネルギーの空間拡大を引き起こし、第2の素子が、エネルギーの空間縮小を引き起こす。さらに別の実施形態では、第1の素子は、エネルギーの空間拡大を引き起こし、第2の素子は、エネルギーの空間縮小を引き起こす。
【0009】
いくつかの実施形態では、積層構成の複数の素子は、複数のフェースプレートを含む。他の実施形態では、複数のフェースプレートは、異なる長さを有する。いくつかの他の実施形態では、複数のフェースプレートは、ゆるやかなコヒーレント光学リレーである。
【0010】
一実施形態では、リレー素子の傾斜したプロファイル部分は、リレー素子の法線軸に対して非直角な角度で、角度をなすか、直線状であるか、湾曲するか、テーパ状であるか、切子面状であるか、または整列され得る。いくつかの実施形態では、リレー素子は、エネルギーが横方向の配向に局在化されるように、ランダム化された屈折率変動を含む。他の実施形態では、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。
【0011】
いくつかの実施形態では、リレー素子の第1の表面は、エネルギー源ユニットからエネルギーを受信するように構成され、エネルギー源ユニットは、第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも一方の幅とは異なる幅を有する機械的なエンベロープを有する。他の実施形態では、機械的なエンベロープは、レンズと、レンズに隣接して配設された複数のエネルギー源パネルと、を有する、投影システムを含み、複数のエネルギー源パネルは、平面、非平面、またはそれらの組み合わせである。
【0012】
一実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、傾斜、一定角度での整列、千鳥状、軸上、軸外、回転、平行、直角、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、様々な構成で配置されている。いくつかの実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、半径方向に対称な構成で配置されている。他の実施形態では、投影システムは、導波路を通る集束されたエネルギー伝送を含み、整列していない角度でテレセントリックレンズリレー素子をさらに含む。
【0013】
一実施形態では、装置は、リレー素子と投影システムとの間に湾曲したエネルギー源をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の表面は、平面であり、かつ第2の表面は、平面であるか、または第1の表面は、平面であり、かつ第2の表面は、非平面であるか、または第1の表面は、非平面であり、かつ第2の表面は、平面であるか、または第1の表面は、非平面であり、かつ第2の表面は、非平面である。
【0014】
他の実施形態では、第1の表面は、凹面であり、かつ第2の表面は、凹面であるか、または第1の表面は、凹面であり、かつ第2の表面は、凸面であるか、または第1の表面は、凸面であり、かつ第2の表面は、凹面であるか、または第1の表面は、凸面であり、かつ第2の表面が凸面である。
【0015】
一実施形態では、第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも一方は、凹面である。別の実施形態では、第1の表面と第2の表面のうちの少なくとも一方は、凸面である。
【0016】
一実施形態では、エネルギー源システムは、第1および第2の方向にわたって配置された複数のリレー素子を含み、複数のリレー素子の各々は、ランダム化された屈折率変動を有し、それぞれのリレー素子の第1および第2の表面の間で長手方向の配向に沿って延在する。この実施形態では、複数のリレー素子の各々の第1および第2の表面は、第1および第2の方向によって画定される横方向の配向にほぼ沿って延在する一方で、長手方向の配向は、横方向の配向に対して実質的に垂直である。いくつかの実施形態では、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。
【0017】
一実施形態では、複数のリレーシステムは、それぞれ第1の方向または第2の方向に沿って単一のタイル状表面を形成するように、第1の方向または第2の方向にわたって配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のリレー素子は、当業者によって理解され得るように、他の構成の中でも、少なくとも2×2構成を有するマトリックス、または特に限定されないが、3×3構成、4×4構成、3×10構成を含む他のマトリックスに配置される。他の実施形態では、単一のタイル状表面間の継ぎ目は、単一のタイル状表面の最小寸法の2倍の視距離では認知不能であり得る。
【0018】
一実施形態では、複数のリレー素子の各々は、長手方向の配向に沿ってエネルギーを輸送するように構成され、複数のリレー素子を通って伝搬するエネルギー波の、ランダム化された屈折率変動による、横方向の配向よりも長手方向の配向における高い輸送効率により、エネルギーが横方向の配向に局在化される。いくつかの実施形態では、リレー素子間を伝搬するエネルギー波は、横方向の配向よりも長手方向の配向において実質的に高い輸送効率により、長手方向の配向と実質的に平行に進行し得る。いくつかの実施形態では、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。
【0019】
一実施形態では、システムの複数のリレー素子の各々の第1および第2の表面は、概して、横方向の配向に沿って湾曲し得る。別の実施形態では、複数のリレー素子は、第1および第2の方向にわたって一体的に形成され得る。さらに別の実施形態では、複数のリレー素子は、第1および第2の方向にわたって組み立てられ得る。
【0020】
一実施形態では、複数のリレーシステムは、それぞれ第1の方向または第2の方向に沿って単一のタイル状表面を形成するように、第1の方向または第2の方向にわたって配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のリレー素子は、当業者によって理解され得るように、他の構成の中でも、少なくとも2×2構成を有するマトリックス、または特に限定されないが、3×3構成、4×4構成、3×10構成を含む他のマトリックスに配置される。他の実施形態では、単一のタイル状表面間の継ぎ目は、単一のタイル状表面の最小寸法の2倍の視距離では認知不能であり得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数のリレー素子は、ガラス、カーボン、光ファイバ、光学薄膜、プラスチック、ポリマー、またはそれらの混合物を含む。他の実施形態では、複数のリレー素子は、エネルギーの空間拡大または空間縮小を引き起こす。いくつかの実施形態では、複数のリレー素子は、複数のフェースプレートを含み、フェースプレートは、異なる長さを有し得るか、またはフェースプレートがゆるやかなコヒーレント光学リレーであり得る。
【0022】
一実施形態では、システムの複数のリレー素子の各々は、それぞれのリレー素子の第1および第2の表面の間に傾斜したプロファイル部分を含み、傾斜したプロファイル部分は、複数のリレー素子の法線軸に対して非直角な角度で、角度をなすか、直線状であるか、湾曲するか、テーパ状であるか、切子面状であるか、または整列され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数のリレー素子の各々の第1の表面は、エネルギー源ユニットからエネルギーを受信するように構成されてもよく、エネルギー源ユニットは、第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも一方の幅とは異なる幅を有する機械的なエンベロープを含む。別の実施形態では、機械的なエンベロープは、レンズと、レンズに隣接して配設された複数のエネルギー源パネルと、を有する、投影システムを含み、複数のエネルギー源パネルは、平面、非平面、またはそれらの組み合わせである。
【0024】
一実施形態では、第1の表面を通過するエネルギー波が、第1の解像度を有する一方で、第2の表面を通過するエネルギー波は、第2の解像度を有し、第2の解像度は、第1の解像度の約50%以上である。別の実施形態では、エネルギー波は、第1の表面に呈されるときに均一なプロファイルを有する一方で、第2の表面上の位置に関係なく、第2の表面の法線に対して約±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、前方方向のエネルギー密度であらゆる方向に放射する第2の表面を通過し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、傾斜、一定角度での整列、千鳥状、軸上、軸外、回転、平行、直角、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、様々な構成で配置されてもよい。他の実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、半径方向に対称な構成で配置されている。
【0026】
一実施形態では、投影システムは、導波路を通る集束されたエネルギー伝送を含み、整列していない角度でテレセントリックレンズリレー素子をさらに含む。別の実施形態では、システムは、複数のリレー素子と投影システムとの間に湾曲したエネルギー源をさらに含む。
【0027】
一実施形態では、エネルギー源システムは、エネルギー表面を提供するように構成された複数のエネルギー源ユニットであって、第1のピッチを有する複数のエネルギー源ユニットと、エネルギー源に隣接して配設された複数のリレー素子であって、複数のリレー素子が第2のピッチを有し、第2のピッチが第1のピッチよりも小さい、複数のリレー素子と、を含み、複数のエネルギー源ユニットのうちの第1のエネルギー源ユニットは、第1のエネルギー源ユニットを通るエネルギー伝搬経路の角度範囲によって画定される第1の視野を有するように構成され、エネルギー伝搬経路に配設された複数のリレー素子のサブセットは、複数のリレー素子のサブセットを通るエネルギー伝搬経路の角度範囲が第1の視野よりも広い第2の視野を有するように、エネルギー伝搬経路を再分配するように構成されている。
【0028】
一実施形態では、複数のエネルギー源ユニットのエネルギー源ユニットの各々は、ピクセルである。別の実施形態では、複数のエネルギー源ユニットの各エネルギー源ユニットは、テーパ状リレー素子である。いくつかの実施形態では、エネルギー伝搬経路は、光経路である。他の実施形態では、エネルギー源は、複数のエネルギー源ユニットの表面に設けられる。
【0029】
一実施形態では、エネルギー源が設けられている表面は、仮想表面であり、仮想表面は、複数のエネルギー源ユニットからリレーされたエネルギーを受信するように構成された表面である。
【0030】
いくつかの実施形態では、複数のリレー素子は、フェースプレートと、リレー素子と、光ファイバと、を含む。他の実施形態では、複数のリレー素子の各々は、複数のリレー素子の各々のランダム化された屈折率変動により、横方向の配向よりも長手方向の配向において高い輸送効率でエネルギー伝搬経路を通るエネルギーを再分配するように動作可能であり、そのためエネルギーが横方向の配向に局在化される。他の実施形態では、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。
【0031】
一実施形態では、エネルギー源システムは、複数のフレキシブルなリレー素子を含み、各々が、それぞれのリレー素子の第1および第2の端部の間でエネルギーを輸送するように構成され、複数のフレキシブルなリレー素子の第1の端部は、複数のエネルギー源ユニットに光学的に結合され、複数のエネルギー源ユニットは、複数のフレキシブルなリレー素子の第2の端部から離間配置され、複数のフレキシブルなリレー素子の第2の端部は、集約エネルギー表面を形成するように束にされている。
【0032】
いくつかの実施形態では、複数のフレキシブルなリレー素子は、複数のゆるやかなコヒーレント光学リレーを含む。他の実施形態では、集約エネルギー表面は、システムの端部部分であり、端部部分のエネルギーは、エネルギー源ユニットからのエネルギーに対して空間拡大されていない。別の実施形態では、集約エネルギー表面は、システムの端部部分であり、端部部分のエネルギーは、エネルギー源ユニットからのエネルギーに対して空間拡大されている。さらに別の実施形態では、集約エネルギー表面は、システムの端部部分であり、端部部分のエネルギーは、エネルギー源ユニットからのエネルギーに対して空間縮小されている。
【0033】
一実施形態では、エネルギー源システムは、第1および第2の異なる材料を有するリレー素子を含み、第1および第2の材料は、横方向の配向および長手方向配向のうちの少なくとも一方で実質的に反復する内部構造体に配置され、そのためリレー素子は、横方向の配向に対して長手方向の配向においてより高い輸送効率を有し、エネルギーは、リレー素子の第1の端部に提供されるように動作可能であり、エネルギーは、第1の端部で第1の解像度を有し、リレー素子の第1の端部は、横方向の配向および長手方向の配向のうちの少なくとも一方で実質的に反復する内部構造体のピッチを有するように構成され、ピッチは、横方向の配向の第1の端部でエネルギーのほぼ第1の解像度以下であり、それによって、リレー素子の第2の端部から出るエネルギーは第2の解像度を有し、第2の解像度は、第1の解像度の50%以上である。別の実施形態では、エネルギー波は、第1の表面に呈されるときに均一なプロファイルを有する一方で、第2の表面上の位置に関係なく、第2の表面の法線に対して約±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、前方方向のエネルギー密度であらゆる方向に放射する第2の表面を通過し得る。
【0034】
一実施形態では、リレー素子は、第1および第2の材料とは異なる第3の材料を含み、第3の材料は、横方向の配向および長手方向の配向のうちの少なくとも一方で実質的に反復する内部構造体に配置される。別の実施形態では、リレー素子は、第1および第2の材料とは異なる第3の材料を含み、第3の材料は、横方向の配向および長手方向の配向のうちの少なくとも一方に実質的にランダム化された内部構造体に配置される。いくつかの実施形態では、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。
【0035】
一実施形態では、リレー素子の第1の端部の中心部分は、リレー素子の第1の端部表面に対して実質的に直角に整列されたエネルギー入口円錐を有するように構成される。別の実施形態では、リレー素子の第2の端部の中心部分は、リレー素子の第2の端部表面に対して実質的に直角に整列されたエネルギー出口円錐を有するように構成される。さらに別の実施形態では、リレー素子の第1の端部の中心部分は、リレー素子の第1の端部表面に対して非直角に整列されたエネルギー入口円錐を有するように構成され、リレー素子の第1の端部は、非平面の端部表面を含む。
【0036】
一実施形態では、リレー素子の第2の端部の中心部分は、リレー素子の第2の端部表面に対して非直角に整列されたエネルギー出口円錐を有するように構成され、リレー素子の第2の端部は、非平面の端部表面を含む。
【0037】
一実施形態では、リレー素子は、端部表面の第1の領域を含み、リレー素子の第2の端部は、端部表面の第2の領域を含む。別の実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部の各々は、複数の個別の端部部分を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、リレー素子は、ガラス、カーボン、光ファイバ、光学薄膜、プラスチック、ポリマーまたはそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、リレー素子は、エネルギーの空間拡大または空間縮小を引き起こす。
【0039】
一実施形態では、リレー素子は、複数のフェースプレートを有する積層構成を含む。いくつかの実施形態では、複数のフェースプレートは、異なる長さを有するか、またはゆるやかなコヒーレント光学リレーである。
【0040】
一実施形態では、リレー素子は、傾斜したプロファイル部分を含み、傾斜したプロファイル部分は、リレー素子の法線軸に対して非直角な角度で、角度をなすか、直線状であるか、湾曲するか、テーパ状であるか、切子面状であるか、または整列され得る。別の実施形態では、エネルギーは、エネルギー源ユニットから受信され、エネルギー源ユニットは、リレー素子の第1および第2の端部の少なくとも一方の幅とは異なる幅を有する機械的なエンベロープを有する。さらに別の実施形態では、機械的なエンベロープが、レンズと、レンズに隣接して配設された複数のエネルギー源パネルと、を有する、投影システムを含み、複数のエネルギー源パネルは、平面、非平面、またはそれらの組み合わせである。
【0041】
一実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、傾斜、一定角度での整列、千鳥状、軸上、軸外、回転、平行、直角、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、様々な構成で配置されている。別の実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、半径方向に対称な構成で配置されている。いくつかの実施形態では、投影システムは、導波路を通る集束されたエネルギー伝送を含み、整列されていない角度でテレセントリックレンズリレー素子をさらに含む。
【0042】
一実施形態では、システムは、リレー素子と投影システムとの間に湾曲したエネルギー源をさらに含む。いくつかの実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部は、両方とも平面であるか、またはリレー素子の第1および第2の端部は、両方とも非平面であるか、またはリレー素子の第1の端部は、非平面であり、かつリレー素子の第2の端部は、平面であるか、またはリレー素子の第1の端部は、非平面であり、かつリレー素子の第2の端部は、非平面である。
【0043】
いくつかの実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部は、両方とも凹面であるか、またはリレー素子の第1の端部は、凹面であり、かつリレー素子の第2の端部は、凸面であるか、またはリレー素子の第1の端部は、凸面であり、かつリレー素子の第2の端部は、凹面であるか、またはリレー素子の第1および第2の端部は、両方とも凸面である。
【0044】
一実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部のうちの少なくとも一方は、凹面である。別の実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部のうちの少なくとも一方は、凸面である。
【0045】
本開示のこれらおよび他の利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】エネルギー指向システムの設計パラメータを例解する概略図である。
【
図2】機械的なエンベロープを備えた能動装置領域を有するエネルギーシステムを例解する概略図である。
【
図3】エネルギーリレーシステムを例解する概略図である。
【
図4】ベース構造体に一緒に接着および締着されたエネルギーリレー素子の一実施形態を例解する概略図である。
【
図5A】マルチコア光ファイバを通るリレーされた画像の一例を例解する概略図である。
【
図5B】横方向アンダーソン局在原理の特性を呈する光学リレーを通るリレーされた画像の一例を例解する概略図である。
【
図6】エネルギー表面から視認者に伝搬される光線を示す概略図である。
【
図8】光ファイバに入る光線、およびリレーの出口で得られる円錐形の光分布の直交図を例解する。
【
図9】光ファイバの固有の特性のためにピクセル化およびファイバノイズを呈し得る従来のマルチコア光ファイバを介してリレーされている画像の一例の直交図を例解する。
【
図10】アンダーソン局在原理の特性を呈する光学リレーを介してリレーされている画像の一例の直交図を例解する。
【
図11】本開示の一の実施形態による、テーパ状エネルギーリレーモザイク配置の直交図を例解する。
【
図12】本開示の一実施形態による、直列の2つの複合されたテーパ状エネルギーリレーの、両方とも、縮小端部がエネルギー源に面している直交図を例解する。
【
図13】本開示の一実施形態による、複合されたテーパ状エネルギーリレーの、第2のテーパを縮小端部が第1のテーパの縮小端部と嵌合するように回転させた直交図を例解する。
【
図14】本開示の一実施形態による、拡大率が3:1である光学テーパリレー構成、およびその結果得られる取り付けられたエネルギー源の見える光の角度の直交図を例解する。
【
図15】本開示の一実施形態による、
図14の光学テーパリレーの、光学テーパリレーのエネルギー源側面上の湾曲した表面を有し、その結果、エネルギー源の全体的な視野角が増大している直交図を例解する。
【
図16】本開示の一実施形態による、
図15の光学テーパリレーの、エネルギー源側面に非直角であるが平面の表面を有する直交図を例解する。
【
図17】エネルギー源側面に凹面表面を有する
図14の光学リレーおよび照射円錐の直交図を例解する。
【
図18】本開示の一実施形態による、
図17の光学テーパリレーおよび光照射円錐の、エネルギー源の側面に同じ凸面の表面を有するが、凹面の出力エネルギー表面の形状を有する直交図を例解する。
【
図19】本開示の一実施形態による、湾曲したエネルギー源側面の表面と一緒に結合されて直角なエネルギー源表面からエネルギー源可視画像を形成する複数の光学テーパモジュールの直交図を例解する。
【
図20A】本開示の一実施形態による、直角なエネルギー源側面の形状および中心軸の周りに放射状の凸面のエネルギー源表面と一緒に結合された複数の光学テーパモジュールの直交図を例解する。
【
図20B】本開示の一実施形態による、直角なエネルギー源側面の形状および中心軸の周りに放射状の凸面のエネルギー源側面の表面と一緒に結合された複数の光学テーパリレーモジュールの直交図を例解する。
【
図21】本開示の一実施形態による、可視出力光線がエネルギー源から見てより均一になるように各エネルギー源が独立して構成されている、複数の光学テーパリレーモジュールの直交図を例解する。
【
図22】本開示の一実施形態による、エネルギー源側面とエネルギー源との両方が、入力および出力光線に対する制御を提供するために様々な形状で構成されている、複数の光学テーパリレーモジュールの直交図を例解する。
【
図23】
複数の光学テーパリレーモジュールの、その個々の出力エネルギー表面が視認者を囲むシームレスな凹面の円筒形エネルギー源を形成するように研削され、リレーの源の端部が平坦であり、各々、エネルギー源に接合されている構成の直交図を例解する。
【
図24】
本開示の一実施形態による、光学テーパリレー投影ベースの技術を用いた画像生成の直交図を例解する。
【
図25】
本開示の一実施形態による、図24の5つのオフセット投影源の配置の、特定の構成によって生成された主光線角度を有するテーパ状光学リレーからの出力可視光線に対して、必要に応じて個々の画像を生成する直交図を例解する。
【
図26】
本開示の一実施形態による、投影源がエネルギー源モジュール上の画像に重なるように半径方向に対称な構成により収束される、図24の変形形態の直交図を例解する。
【
図27】5つの光学テーパリレーモジュールが整列され、各々が独立して計算された凹面エネルギー源側面の表面および独立して計算された凸面のエネルギー源構成を有し、5つの投影源の各々が入力、出力および可視な画角プロファイルに対する制御を提供するように半径方向に収束するように構成されている、一実施形態の直交図を例解する。
【
図28】本開示の一実施形態による、
図27のモジュールを利用しつつ、各プロジェクタがあらゆる光学リレーを照射する配置の直交図を例解する。
【
図29】本開示の一実施形態による、エネルギー源とテーパとの間に機械的なオフセットをもたらす追加の光学フェースプレートを含むシステムの直交図を例解する。
【
図30】本開示の一実施形態による、エネルギー源とテーパとの間に機械的なオフセットをもたらす追加の光学フェースプレートを含むシステムの直交図を例解する。
【
図31】9個の光学リレーのアレイおよびシステム内のエネルギー源の各々に対する機械的なエンベロープのための十分な隙間を提供する5個の異なる千鳥状の長さのフェースプレートを有する一実施形態を例解する。
【
図32】本開示の一実施形態による、ゆるやかなおよび/または曲がった光学リレーを利用することによって、いかなる拡大も伴わずに一緒に結合された複数のエネルギー源の直交図を例解する。
【
図33】本開示の一実施形態による、
図32の、画像を縮小して全体的なディスプレイの寸法を小さくするために、能動ディスプレイ側面に追加のテーパ状エネルギーリレーが追加されている直交図を例解する。
【
図34】本開示の一実施形態による、縮小されたエネルギー源表面を形成するための第1のテーパ状光学リレー、画像を伝搬し、かつ機械的設計のために提供される追加の光学フェースプレートまたはテーパを結合するための第2のゆるやかなコヒーレント光学リレーまたは曲がった光学リレーを有する配置の直交図を例解する。
【
図35】本開示の一実施形態による、限定された機械的なエンベロープ間隔で間隙を除去するように、全体的なアレイの中の光学リレー素子の位置に応じて、様々な角度で光学リレーフェースプレートを傾斜させる能力を有する一実施形態の直交図を例解する。
【
図36】本開示の一実施形態による、光学テーパリレー設計を用いて生成される一般的な形状の直交図を例解する。
【
図37】縮小端部が空間的に均一な光分布を放出するディスプレイに接合されている場合に、軸外の視認者がテーパの拡大端部から出る光から観察するであろう陰影を例解する。
【
図38】各テーパの縮小端部が空間的に均一な光分布を放出するディスプレイに接合されている、軸外の視認者がテーパのアレイのシームレスな出力エネルギー表面上で観察するであろう陰影を例解する。
【
図39】本開示の一実施形態による、ファインファイバピッチおよびより高いNAを有する光学フェースプレートが、エネルギー源表面をわたって均一性の増大および増大した画角を呈する、視野拡大のための追加の光学リレーの直交図を例解する。
【
図40】本開示の一実施形態による、光学フェースプレートに延在する視野以外の任意の他の光学素子を用いずに、有効視野角を増大させるための従来のディスプレイに対する
図39からの設計の適用性の直交図を例解する。
【
図41】本開示の一実施形態による、研磨された非平面表面および制御された拡大率を有する単一のテーパの拡大端部から放出される主光線角度の直交図を例解する。
【
図42】本開示の一実施形態による、テーパのアレイがテーパの表面および拡大設計により空間に提示される全体的な光を制御することができる直交図を例解する。
【
図43】本開示の一実施形態による、インターレースリレー素子の一方の脚部に接続されたエネルギー源と、インターレースリレー素子の他方の脚部に接続されたエネルギーセンサと、を有するシステムにおける単一のリレー素子の設計の直交図を例解し、ここで、リレー素子は、2つの脚部の各々およびインターリーブされた単一のエネルギー表面を含む。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ホロデッキ(Holodeck)(集合的に「ホロデッキ設計パラメータ」と呼ばれる)の一実施形態は、十分なエネルギー刺激を提供して、人間の感覚受容器をだまし、仮想的、社会的、およびインタラクティブな環境内で受容されたエネルギーインパルスが真実であると信じ込ませ、1)外付けアクセサリ、ヘッドマウントアイウェア、または他の周辺機器を伴わない両眼視差、2)任意の数の視認者に対して同時に視認体積全域にわたる正確な運動視差、閉鎖、および不透明度、3)知覚されたすべての光線に対する、同期収束、目の遠近調節、および縮瞳を介した視覚的焦点、ならびに4)視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、および/またはバランスに対して人間の感覚「解像度」を超えるほどの十分な密度および解像度の収束エネルギー波伝搬を提供する。
【0048】
これまでの従来の技術に基づいて、視覚系、聴覚系、体性感覚系、味覚系、嗅覚系、および前庭系を含むホロデッキ設計パラメータ(Holodeck Design Parameter)によって示唆されたように、画期的な方法ですべての受容野を提供することが可能な技術から、我々は、数世紀とまでは言わないが、数十年経過したところにある。
【0049】
本開示では、ライトフィールドおよびホログラフィックという用語は、任意の感覚受容器応答の刺激のためのエネルギー伝搬を定義するために、同義的に使用され得る。最初の開示は、ホログラフィック画像および体積触覚に対するエネルギー表面を通る電磁的および機械的エネルギー伝搬の例に言及し得るが、あらゆる形態の感覚受容器が、本開示の中で想定される。さらに、伝搬経路に沿ったエネルギー伝搬に対する本明細書に開示された原理は、エネルギー放出およびエネルギー捕捉の両方に適用可能であり得る。
【0050】
今日、多くの技術が存在し、それらは、残念ながら、レンチキュラー印刷、ペッパーズゴースト、裸眼立体ディスプレイ、水平視差ディスプレイ、ヘッドマウントVRおよびARディスプレイ(HMD)、ならびに「フォークスログラフィ」として一般化された他のそのような錯覚を含む、ホログラムと混同されていることが多い。これらの技術は、真のホログラフィックディスプレイの所望の特性のいくつかを呈し得るが、識別された4つのホロデッキ設計パラメータのうちの少なくとも2つに対処するのに十分な任意の方法で、人間の視覚感覚応答を刺激する能力が不足している。
【0051】
これらの課題は、ホログラフィックエネルギー伝搬に対して十分にシームレスなエネルギー表面を生成するように、従来の技術によっては首尾よく実施されていない。しかしながら、視差バリア、ホーゲル、ボクセル、回折光学素子、マルチビュー投影、ホログラフィック拡散器、回転ミラー、多層ディスプレイ、時系列ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等を含む体積式および方向多重化ライトフィールドディスプレイを実施するには、様々な手法があるが、従来の手法は、画質、解像度、角度サンプリング密度、サイズ、コスト、安全性、フレームレート等に関する妥協を必要とすることがあり、最終的には実行不可能な技術となる可能性がある。
【0052】
視覚系、聴覚系、体性感覚系のためのホロデッキ設計パラメータを達成するために、それぞれの系の各々の人間の鋭敏さが研究され、人間の感覚受容器を十分欺くためにエネルギー波を伝搬させることが理解される。視覚系は、約1角度分まで解像することができ、聴覚系は、わずか3度の配置差を区別し得、手の体性感覚系は、2~12mm離れた点を識別することができる。これらの鋭敏さを測定するには、様々な相反する方法があるが、これらの値は、エネルギー伝搬の認知を刺激するためのシステムおよび方法を理解するには十分である。
【0053】
よく知られている感覚受容器のうち、人間の視覚系は、単一の光子でさえ感覚を誘発することができるとして、はるかに感度が高い。この理由のため、本導入の多くは、視覚エネルギー波伝搬に焦点を絞り、開示されたエネルギー導波路表面内に結合された極めて低い解像度のエネルギーシステムが、適切な信号を収束させ、ホログラフィック感覚上の認知を誘発し得る。特に断りのない限り、すべての開示は、すべてのエネルギーおよび感覚領域に当てはまる。
【0054】
視認体積および視距離が与えられた視覚系の場合のエネルギー伝搬の有効設計パラメータを計算する場合、所望のエネルギー表面は、有効エネルギー位置密度の多くのギガピクセルを含むように設計し得る。広い視認体積、または近視野観察の場合、所望のエネルギー表面の設計パラメータは、数百ギガピクセルまたはそれを越える有効エネルギー位置密度を含み得る。比較すると、所望のエネルギー源は、入力環境変数に従って、体積触覚学の超音波伝搬の場合には1~250有効ギガピクセルのエネルギー位置密度、またはホログラフィック音響の音響伝搬の場合には36~3,600個の有効エネルギー位置のアレイを有するように設計され得る。留意すべき重要なことは、開示された双方向エネルギー表面アーキテクチャを使って、すべてのコンポーネントが、任意のエネルギー領域に対して適切な構造体を形成し、ホログラフィック伝搬を可能にするように構成され得ることである。
【0055】
しかしながら、今日、ホロデッキを可能にするための主な課題は、利用可能な視覚技術および電磁気装置の限界を内包している。音響装置および超音波装置は、それぞれの受容野における感覚的鋭敏さに基づいて所望の密度における大きさに数桁の違いがあるならば、それほど困難なものではないが、その複雑さを軽視すべきではない。ホログラフィックエマルジョンは、所望の密度を上回る解像度を伴って存在し、静止画像内の干渉パターンを符号化するが、最先端のディスプレイ装置は、解像度、データスループット、および製造の実現可能性によって制約される。これまで、並外れたディスプレイ装置でも、視力に対してほぼ近いホログラフィック解像度を有するライトフィールドを有意に生成することができなかった。
【0056】
画期的なライトフィールドディスプレイのための所望の解像度を満たすことが可能な単一のシリコンベースデバイスの製造は、現実的ではなく、現在の製造能力を超える極めて複雑な製造プロセスを内包し得る。既存の多数のディスプレイ装置を一緒にタイル状に並べることに対する制約は、パッケージング、電子機器回路、筐体、光学部品の物理的サイズで形成される継ぎ目および間隙、ならびに画像化、コスト、および/またはサイズの観点から結果として必然的に実行不可能な技術となる他の多くの課題を内包する。
【0057】
本明細書に開示された実施形態は、ホロデッキを構築するための現実世界の道筋を提供し得る。
【0058】
ここで、これ以降の本明細書に、添付図面を参照して、実施形態例について説明するが、添付図面は、本明細書の一部を形成し、それらは、実施されることが可能な実施形態例を例解している。本開示および付属の特許請求の範囲の中で使用されているように、「実施形態」、「実施形態例」、および「例示的実施形態」という用語は、必ずしも単一の実施形態を指しているわけではないが、それらは単一の実施形態であってもよく、また、様々な実施形態例が、実施形態例の範囲または趣旨から逸脱しなければ、容易に組み合わされ、同義的に使用され得る。さらに、本明細書で使用される専門用語は、実施形態例を説明することのみを目的としており、限定されたものであることを意図されていない。この点において、本明細書で使用されているように、「in」という用語は、「の中(in)」および「の上(on)」を含み得、「a」、「an」、および「the」という用語は、単数および複数を指すことを含み得る。さらに、本明細書で使用されているように、「by」という用語は、また、その文脈に従って「から(from)」をも意味し得る。さらに、本明細書で使用されているように、「if」という用語は、また、その文脈に従って「when(の場合)」または「on(のとき)」をも意味し得る。さらに、本明細書で使用されているように、「および/または」という語は、関連して列挙された項目のうちの1つ以上の任意およびすべての可能な組み合わせを指し、包含し得る。
【0059】
[ホログラフィックシステムの検討]
[ライトフィールドエネルギー伝搬解像度の概要]
ライトフィールドおよびホログラフィックディスプレイは、エネルギー表面位置が、視認体積内に伝搬された角度、色、および強度の情報を提供する複数の投影の結果である。開示されたエネルギー表面は、追加の情報が同じ表面を通って共存および伝搬する機会を提供し、他の感覚系応答を誘発する。立体ディスプレイとは異なり、空間内の収束されたエネルギー伝搬経路の視認される位置は、視認者が視認体積の周りを移動しても変化せず、多数の視認者が、あたかも対象物が本当にそこに存在するかのように、現実世界の空間内の伝搬された対象物を同時に観察し得る。いくつかの実施形態では、エネルギーの伝搬は、同じエネルギー伝搬経路内に配置され得るが、反対方向に配置されてもよい。例えば、エネルギー伝搬経路に沿ったエネルギー放出およびエネルギー捕捉は、本開示のいくつかの実施形態では、両方とも可能である。
【0060】
図1は、感覚受容器応答の刺激に関連した変数を例解する概略図である。これらの変数には、表面対角01、表面幅02、表面高さ03、確定したターゲット座席距離18、ディスプレイの中心からの視野のターゲット座席フィールド04、両眼の間のサンプルとしてここで実証された中間サンプルの数05、大人の眼間の平均離隔距離06、人間の目の角度分当たりの平均解像度07、ターゲット視認者位置と表面幅との間に形成される水平視野08、ターゲット視認者位置と表面高さとの間に形成される垂直視野09、結果として得られる水平導波路素子解像度、または表面10を横切る素子の総数10、結果として得られる垂直導波路素子解像度、または表面11を横切る素子の総数11、両眼の間における眼間の間隙、および両眼の間の角度投影に対する中間サンプル数に基づいたサンプル距離12が含まれ得、角度サンプリング13は、サンプル距離およびターゲット座席距離18、求められた角度サンプリングから導き出される導波路素子毎の水平方向の全解像度14、求められた角度サンプリングから導き出される導波路素子毎の全解像度の垂直方向15に基づき得、装置の水平方向は、求められた個別のエネルギー源の決定された数のカウント16であり、装置の垂直方向は、求められた個別のエネルギー源の決定された数のカウント17である。
【0061】
所望の最小解像度を理解するための方法は、視覚(または他の)感覚受容器応答の十分な刺激を確保するための以下の基準、すなわち、表面サイズ(例えば、84インチ対角線)、表面アスペクト比(例えば、16:9)、座席距離(例えば、ディスプレイからの距離128インチ)、座席視野(例えば、ディスプレイの中心に対して120度または±60度)、ある距離をf隔てた所望の中間サンプル(例えば、両眼の間にある1つの追加伝搬経路)、大人のレンズ間の平均離隔距離(約65mm)、および人間の目の平均解像度(約1角度分)に基づき得る。これらの例の値は、具体的なアプリケーション設計パラメータに応じたプレースホルダとみなされるべきである。
【0062】
さらに、視覚感覚受容器に起因する値の各々は、他の系と置き換えられ、所望の伝搬経路パラメータを決定し得る。他のエネルギー伝搬の実施形態の場合、聴覚系の角度感度を3度と低くなるように、また、手の体性感覚系の空間解像度を2~12mmと小さくなるように考慮され得る。
【0063】
これらの知覚の鋭敏さを測定するための様々な相反する方法が存在するが、これらの値は、仮想エネルギー伝搬の認知を刺激するシステムおよび方法を理解するのに十分である。設計解像度を考慮するための多くの方法が存在するが、以下に提案される原理体系は、実用的な製品検討と感覚系の生物学的な解像限界とを組み合わせる。当業者には理解されるように、以下の概要は、かかる任意のシステム設計を単純化したものであり、単なる例示的な目的のみのために考慮されるべきである。
【0064】
知覚系の解像度限界が理解されている場合、全エネルギー導波路素子密度は、受容する感覚系が、隣接する素子から単一のエネルギー導波路素子を識別することができないように計算され得ると、以下のように与えられる。
[数1]
[数2]
[数3]
[数4]
[数5]
[数6]
[数7]
【0065】
上記の計算の結果、約32×18°の視野が得られ、その結果、約1920×1080(最も近いフォーマットに丸められた)エネルギー導波路素子が望ましい。また、視界が(u,v)の両方に対して両立し、エネルギー位置のより規則正しい空間サンプリング(例えば、ピクセルアスペクト比)を提供するように、変数を抑制することもできる。システムの角度サンプリングが、最適化された距離における2点間で定義されたターゲット視認体積位置、および追加伝搬エネルギー経路を仮定すると、以下のように与えられる。
[数8]
[数9]
【0066】
この場合、眼間距離を活用してサンプル距離を計算するが、任意の尺度を活用して所与の距離としての適切なサンプル数を説明し得る。上記の変数を考慮すると、0.57°当たり約1本の光線が望ましく、別々の感覚系当たりの系全体の解像度が、算出され得、以下のように与えられる。
[数10]
[数11]
[数12]
【0067】
上記のシナリオを使って、視力システムに対して対処されたエネルギー表面のサイズ、および角度解像度が与えられると、その結果得られるエネルギー表面は、望ましくは、約400k×225kピクセルのエネルギー解像位置、または90ギガピクセルのホログラフィック伝搬密度を含み得る。これらの与えられた変数は、単なる例示的な目的のみのためであり、他の多くの感覚およびエネルギー計測学上の考察は、エネルギーのホログラフィック伝搬の最適化に対して検討されるべきである。追加の実施形態では、1ギガピクセルのエネルギー解像位置が、入力変数に基づいて求められ得る。追加の実施形態では、1,000ギガピクセルのエネルギー解像位置が、入力変数に基づいて求められ得る。
【0068】
[現行技術の限界]
[能動領域、装置電子機器回路、パッケージング、および機械的なエンベロープ]
図2は、ある特定の機械的形状因子を伴う能動領域22を有する装置20を例解する。装置20は、電力供給のためのドライバ24および電子機器回路24を含み、能動領域22に接続し得、その能動領域は、xおよびyの矢印により示される寸法を有する。この装置20は、電力および冷却のコンポーネントを駆動するためのケーブル配線および機械的構造体を考慮に入れておらず、さらに、機械的実装面積は、可撓ケーブルを装置20の中に導入することによって最小化され得る。また、かかる装置20に対する最小実装面積は、M:xおよびM:yの矢印により示される寸法を有する機械的なエンベロープ21と呼ばれ得る。この装置20は、単に例解目的のみのためであり、特定用途向け電子機器回路設計は、機械的なエンベロープオーバーヘッドをさらに減らす可能性があるが、ほとんどすべての場合において、装置の能動領域の正確なサイズとはなり得ない。一実施形態では、この装置20は、マイクロOLED、DLPチップ、もしくはLCDパネル、または画像照明の目的を有する他の任意の技術に対する能動画像領域22と関連するため、電子機器回路の依存状態を例解する。
【0069】
いくつかの実施形態では、より大規模な全体的なディスプレイ上に多数の画像を集約するために、他の投影技術を検討することも可能となり得る。しかしながら、このことは、投写距離、最小焦点、光学品質、均一なフィールド解像度、色収差、熱特性、較正、整列、追加サイズ、または形状因子に対するより大きな複雑化によるコストをもたらし得る。最も実用的な応用の場合、数十または数百個のこれらの投影源20をホストとして機能させることは、結果として、より信頼性が低く、より大規模な設計となり得る。
【0070】
単に例示的な目的だけのため、3840×2160サイトのエネルギー位置密度を有するエネルギー装置を仮定すると、エネルギー表面に対して望ましい個別のエネルギー装置(例えば、装置100)の数を算出し得、以下のように与えられる。
[数13]
[数14]
【0071】
上記の解像度の考慮を前提とすると、
図2に示すエネルギー装置と同様の、約105×105個の装置が所望され得る。数多くの装置が、規則正しい格子状にマッピングされ、またはマッピングされなくてもよいような様々なピクセル構造体から構成されることに留意されたい。各完全なピクセル内に追加のサブピクセルまたは位置が存在するという場合には、これらは、活用され、追加の解像度または角度密度を生成し得る。追加の信号処理を使用して、ピクセル構造体の指定された位置に従って、ライトフィールドを正しい(u,v)座標に変換する方法を決定することができ、各装置の、既知の、較正された明示的な特性となり得る。さらに、他のエネルギー領域は、これらの比率および装置構造体の異なる取り扱いを必要とし得、当業者は、所望の周波数領域の各々の間にある直接的な内在的関係を理解するであろう。これについては、以降の開示の中でより詳細に示され、検討されるであろう。
【0072】
結果得られた計算を使用して、最大解像度エネルギー表面を生成するには、これらの個別の装置のうちのどれだけの個数が望ましいのかを理解し得る。この場合、視力閾値を達成するには、約105×105個、または約11,080個の装置が所望され得る。十分な感覚ホログラフィック伝搬に対してこれらの利用可能なエネルギー位置からシームレスなエネルギー表面を作り出すことには、課題および新規性が存在する。
【0073】
[シームレスなエネルギー表面の摘要]
[エネルギーリレーのアレイの構成および設計]
いくつかの実施形態では、各装置の機械的構造の制約による継ぎ目がない個別装置のアレイから高エネルギー位置密度を生成する課題に対処するための手法について開示されている。一実施形態では、エネルギー伝搬リレーシステムにより、能動装置領域の有効サイズを増加させることが、機械的寸法を満たすか、または超過することを可能にして、リレーのアレイを構成し、かつ単一のシームレスなエネルギー表面を形成し得る。
【0074】
図3は、かかるエネルギーリレーシステム30の一実施形態を例解する。図に示すように、リレーシステム30は、機械的なエンベロープ32に搭載された装置31を含み、装置31からエネルギーを伝搬させるエネルギーリレー素子33を有することができる。リレー素子33は、装置の多数の機械的なエンベロープ32が多数の装置31のアレイ中に配置されているときに生じ得る任意の間隙34を減らす能力を提供するように構成され得る。
【0075】
例えば、装置の能動領域31が20mm×10mmであり、かつ機械的なエンベロープ32が40mm×20mmである場合、各装置31の機械的なエンベロープ32を変化または衝突させずにこれらの素子33のアレイを一緒にシームレスに整列することができると仮定すると、エネルギーリレー素子33は、2対1の拡大率で設計され、縮小端部(矢印A)上に約20mm×10mm、および拡大端部(矢印B)上に約40mm×20mmのテーパ形状を生成し得る。機械的に、リレー素子33は、一緒に接合または融着され、各装置31間の最低限の継ぎ目間隙34を確保しながら整列し、かつ研磨し得る。かかる一実施形態では、目の視力限界より小さい継ぎ目間隙34を達成することが可能になる。
【0076】
図4は、一緒に形成され、追加の機械的構造体43に確実に締着されたエネルギーリレー素子41を有するベース構造体40の一例を例解する。シームレスなエネルギー表面42の機械的構造体は、多数のエネルギーリレー素子41、45を、リレー素子41、45を搭載するための接合または他の機械的プロセスを通じて、同じベース構造体に直列に結合させる能力を提供する。いくつかの実施形態では、各リレー素子41は、融着され、接合され、接着され、圧力嵌合され、整列され、またはそれ以外では、一緒に取り付けられて、その結果得られるシームレスなエネルギー表面42を形成し得る。いくつかの実施形態では、装置48は、リレー素子41の後部に搭載され、パッシブまたはアクティブ調芯されて、決められた公差を維持する範囲内で適切なエネルギー位置に整列することを確保し得る。
【0077】
一実施形態では、シームレスエネルギー表面は、1つ以上のエネルギー位置を含み、1つ以上のエネルギーリレー素子スタックは、第1および第2の側面を含み、各エネルギーリレー素子スタックは、1つ以上のエネルギー位置とシームレスディスプレイ表面との間で延在する伝搬経路に沿ってエネルギーを指向する単一のシームレスなディスプレイ表面を形成するように配置され、ここで、終端エネルギーリレー素子の任意の2つの隣接する第2の側面の端部間距離は、単一のシームレスなディスプレイ表面の幅より大きい距離において20/100の映像よりも良好な人間の視力によって定義されるような最小の認知可能な輪郭よりも小さい。
【0078】
一実施形態では、シームレスなエネルギー表面の各々は、横方向および長手方向の配向に第1および第2の表面を形成する1つ以上の構造体を各々有する1つ以上のエネルギーリレー素子を含む。第1のリレー表面は、結果として正または負の拡大率となる第2のリレー表面と異なる領域を有し、第2のリレー表面全体を横切る表面輪郭の法線に対して±10度の角度を実質的に満たすように、第2のリレー表面を通ってエネルギーを通過させる第1および第2の表面の両方に対して明白な表面輪郭を伴って構成されている。
【0079】
一実施形態では、多数のエネルギー領域は、視覚、聴覚、触覚、または他のエネルギー領域を含む1つ以上の感覚ホログラフィックエネルギー伝搬経路を指向するように、単一のエネルギーリレー内、または複数のエネルギーリレーの間に構成され得る。
【0080】
一実施形態では、シームレスなエネルギー表面は、1つ以上のエネルギー領域を同時に受信および放出の両方を行ってそのシステム全体にわたって双方向のエネルギー伝搬を提供するように、各第2の側面に対して2つ以上の第1の側面を含むエネルギーリレーで構成され得る。
【0081】
一実施形態では、エネルギーリレーは、ゆるやかなコヒーレント素子として提供される。
【0082】
[コンポーネント設計構造体の導入]
[横方向アンダーソン局在エネルギーリレーにおける開示された進展]
エネルギーリレーの特性は、横方向アンダーソン局在を誘発させるエネルギーリレー素子に対して本明細書に開示された原理に従って大幅に最適化され得る。横方向アンダーソン局在は、横方向には無秩序であるが長手方向には一貫性のある材料を通って輸送される光線の伝搬である。
【0083】
これは、アンダーソン局在現象を生じさせる材料の影響は、波の干渉が横方向の配向の伝搬を完全に制限し得る一方で長手方向の配向の伝搬を継続するような多重散乱経路間のランダム化によるよりも、全反射による影響を受けにくいことを意味し得る。
【0084】
さらに重要な利点としては、従来のマルチコア光ファイバ材料のクラッドを除去することである。このクラッドは、ファイバ間のエネルギーの散乱を機能的に除去するが、同時に光線エネルギーに対する障壁として機能し、これによって少なくともコア対クラッド比(例えば、70:30のコア対クラッド比では、受信されたエネルギー伝送のうちの最大70%で送信し得る)まで伝送を減少させ、さらに、伝搬されたエネルギー内に強いピクセル化パターニングを形成する。
【0085】
図5Aは、かかる1つの非アンダーソン局在エネルギーリレー50の一例の端面図を例解し、ここでは、画像が、光ファイバの固有の特性のためにピクセル化およびファイバノイズを呈し得るマルチコア光ファイバを介してリレーされている。従来のマルチモードおよびマルチコア光ファイバを使うと、リレーされた画像は、離散的なアレイコアの全反射特性のために本質的にピクセル化され得、そこでは、任意のコア間クロストークが変調伝達関数を低下させ、かつ輪郭ボケを増加させるであろう。従来のマルチコア光ファイバを使って結果として生成された画像は、
図3に示すものと同様の残留固定ノイズファイバパターンを有する傾向がある。
【0086】
図5Bは、横方向アンダーソン局在の特性を呈する材料を含むエネルギーリレーを通って同じリレーされた画像55の一例を例解し、ここでは、リレーされたパターンが、
図5Aからの固定されたファイバパターンと比較してより大きな密度の粒子構造を有する。一実施形態では、ランダム化された微小コンポーネント加工構造体を含むリレーは、横方向アンダーソン局在を誘発し、市販のマルチモードガラス光ファイバよりも高い、解決可能な解像度の伝搬で光をより有効に輸送する。
【0087】
コストおよび重量の両方に関して、横方向アンダーソン局在材料特性には大きな利点があり、ここで、同様の光学グレードのガラス材料が、一実施形態内で生成された同じ材料のコストよりも10~100倍以上のコストおよび重量がかかる可能性があり、ここでは、開示されたシステムおよび方法は、当技術分野で知られる他の技術を凌駕してコストおよび品質の両方を改善する重要な機会を実証するランダム化された微小コンポーネント加工構造体を含む。
【0088】
一実施形態では、横方向アンダーソン局在を呈するリレー素子は、1次元格子状に配置された3つの各々の直交平面内に、複数の少なくとも2つの異なるコンポーネント加工構造体を含み得、その複数の構造体は、1次元格子内の横方向平面内の材料の波伝搬特性のランダム化された分布、および1次元格子内の長手方向平面内の材料の波伝搬特性の同値チャネルを形成し、そこでは、エネルギーリレーを通って伝搬する局在エネルギー波が、横方向の配向に対して長手方向の配向により高い輸送効率を有する。
【0089】
一実施形態では、多数のエネルギー領域は、単一内、または多数の横方向アンダーソン局在エネルギーリレーの間に構成され、視覚、聴覚、触覚、または他のエネルギー領域を含む1つ以上の感覚ホログラフィックエネルギー伝搬経路を指向し得る。
【0090】
一実施形態では、シームレスなエネルギー表面は、1つ以上のエネルギー領域を同時に受信および放出の両方を行ってそのシステム全体にわたって双方向のエネルギー伝搬を提供するように、各第2の側面に対して2つ以上の第1の側面を含む横方向アンダーソン局在エネルギーリレーで構成され得る。
【0091】
一実施形態では、横方向アンダーソン局在エネルギーリレーは、ゆるやかなコヒーレント素子、またはフレキシブルなエネルギーリレー素子として構成されている。
【0092】
[4Dプレノプティック関数に関する考察]
[ホログラフィック導波路アレイを通るエネルギーの選択的伝搬]
上記および本明細書全体にわたって論述されているように、ライトフィールドディスプレイシステムは、一般に、エネルギー源(例えば、照明源)、および上記の論述で明確に示したような、十分なエネルギー位置密度で構成されたシームレスなエネルギー表面を含む。複数のリレー素子を使用して、エネルギー装置からシームレスなエネルギー表面にエネルギーをリレーし得る。一旦、エネルギーが所要のエネルギー位置密度を有するシームレスなエネルギー表面に送達されると、エネルギーは、開示されたエネルギー導波路システムを介して4Dプレノプティック関数に従って伝搬され得る。当業者により理解されるように、4Dプレノプティック関数は、当技術分野でよく知られており、本明細書では、これ以上詳述しない。
【0093】
エネルギー導波路システムは、4Dプレノプティック関数の角度コンポーネントを表すことを通じて通過するエネルギー波の角度方向を変化させるように構成された構造体と一緒に、4Dプレノプティック関数の空間座標を表すシームレスなエネルギー表面に沿って複数のエネルギー位置を通ってエネルギーを選択的に伝搬させ、そこでは、伝搬されたエネルギー波は、4Dプレノプティック関数により指向された複数の伝搬経路に従って空間内に収束し得る。
【0094】
ここで、
図6を参照して、4Dプレノプティック関数に従って4D画像空間におけるライトフィールドエネルギー表面の一例を例解する。この図は、エネルギーの光線が視認体積内の様々な位置から空間63内でどのように収束するかを説明する際の視認者62へのエネルギー表面60の光線追跡を示している。図に示すように、各導波路素子61は、エネルギー表面60を通るエネルギー伝搬64を説明する4次元情報を画定する。2つの空間次元(本明細書では、xおよびyと呼ばれる)とは、画像空間内で観察され得る物理的な複数のエネルギー位置、ならびに角度成分θおよびφ(本明細書では、uおよびvと呼ばれる)であり、このことは、エネルギー導波路アレイを通って投影されるときに仮想空間内で観察される。通常、および4Dプレノプティック関数に従って、複数の導波路(例えば、小型レンズ)は、本明細書に記載されたホログラフィックまたはライトフィールドシステムを形成する際、u、v角度成分により画定された方向に沿って、x、y次元から仮想空間内の特定の位置にエネルギー位置を指向することができる。
【0095】
しかしながら、当業者であれば、ライトフィールドおよびホログラフィックディスプレイ技術に対する重要な課題は、回折、散乱、拡散、角度方向、較正、焦点、視準、曲率、均一性、素子クロストーク、ならびに減少する有効解像度ならびに極めて忠実にエネルギーを正確に収束させることができないことの一因となる他の多数のパラメータのいずれかを正確に考慮しなかった設計のために、制御されていないエネルギー伝搬を引き起こすことを理解するであろう。
【0096】
一実施形態では、ホログラフィックディスプレイと関連付けられた課題に対処するための選択的エネルギー伝搬への手法は、エネルギー阻害素子、およびほぼコリメートされたエネルギーを有する導波路アパーチャを、4Dプレノプティック関数により画定された環境の中に実質的に満たすことを含み得る。
【0097】
一実施形態では、エネルギー導波路のアレイは、各導波路素子が通って延在するように構成された複数のエネルギー伝搬経路を画定し、単一導波路素子を通過するのみのために各エネルギー位置の伝搬を制限するように配置された1つ以上の素子によって抑制されたシームレスなエネルギー表面に沿って、複数のエネルギー位置に対する所定の4D関数により画定された固有の方向の導波路素子の有効アパーチャを、実質的に満たし得る。
【0098】
一実施形態では、多数のエネルギー領域は、単一のエネルギー導波路内に、または多数のエネルギー導波路の間に構成され、視覚、聴覚、触覚、または他のエネルギー領域を含む1つ以上の感覚ホログラフィックエネルギー伝搬を指向し得る。
【0099】
一実施形態では、エネルギー導波路およびシームレスなエネルギー表面は、1つ以上のエネルギー領域を受信および放出の両方を行うように構成され、システム全体を通じて双方向エネルギー伝搬を提供する。
【0100】
一実施形態では、エネルギー導波路は、エネルギーの非線形または非規則的なエネルギー分布を伝搬するように構成されており、そのエネルギー分布は、非透過性空隙領域を含み、デジタル符号化、回折、屈折、反射、グリン、ホログラフィック、フレネル、または壁、テーブル、床、天井、部屋、もしくは他の幾何学ベース環境を含む任意のシームレスなエネルギー表面配向のための同様な導波路構成を活用する。さらなる実施形態では、エネルギー導波路素子は、ユーザが360度構成でエネルギー表面のすべての周辺からホログラフィック画像を視認することを可能にする任意の表面プロファイルおよび/または卓上視野を提供する様々な形状を生成するように構成され得る。
【0101】
一実施形態では、エネルギー導波路アレイ素子は、反射表面としてもよく、それらの素子の配置は、六角形、正方形、不規則、半規則、湾曲、非平面、球面、円筒、傾斜規則、傾斜不規則、空間的に変化する、かつ/または多層化されてもよい。
【0102】
シームレスなエネルギー表面内の任意のコンポーネントの場合、導波路またはリレーコンポーネントとしては、以下に限定されないが、光ファイバ、シリコン、ガラス、ポリマー、光学リレー、回折、ホログラフィック、屈折、または反射素子、光学フェースプレート、エネルギー結合器、ビームスプリッタ、プリズム、偏光素子、空間光変調器、能動ピクセル、液晶セル、透明ディスプレイ、またはアンダーソン局在もしくは全反射を呈する任意の同様な材料を挙げることができる。
【0103】
[ホロデッキの実現]
[ホログラフィック環境内で人間の感覚受容器を刺激するための双方向シームレスエネルギー表面システムの集約]
多数のシームレスなエネルギー表面を一緒にタイル張り、融着、接合、取り付け、および/または縫い合わせを行い、部屋全体を含む任意のサイズ、形状、輪郭、または形状因子を形成することによって、シームレスなエネルギー表面システムの大規模な環境を構築することが可能になる。各エネルギー表面システムは、双方向ホログラフィックエネルギーの伝搬、放出、反射、または検知のために集合的に構成されたベース構造体、エネルギー表面、リレー、導波路、装置、および電子機器回路を有するアセンブリを含み得る。
【0104】
一実施形態では、タイル張り式シームレスエネルギーシステムの環境が、集約されて所与の環境内のすべての表面まで構成する設備を含む大きくてシームレスな平面または曲面壁を形成し、シームレス、不連続面、切子面、曲面、円筒、球面、幾何学的、または非規則的な形状の任意の組み合わせとして構成されている。
【0105】
一実施形態では、平面表面の集約タイルは、劇場または会場ベースのホログラフィックエンターテイメントのための壁サイズのシステムを形成する。一実施形態では、平面表面の集約タイルは、洞窟ベースのホログラフィック設備のために天井および床の両方を含む4~6つの壁を有する部屋をカバーする。一実施形態では、湾曲した表面の集約タイルは、没入型ホログラフィック設備のための円筒型シームレス環境を生成する。一実施形態では、シームレス球形表面の集約タイルは、没入型ホロデッキベース体験のためのホログラフィックドームを形成する。
【0106】
一実施形態では、シームレスな湾曲したエネルギー導波路の集約タイルは、エネルギー導波路構造体内のエネルギー阻害素子の境界に沿って正確なパターンに従う機械端部を提供し、隣接する導波路表面の隣接するタイル状機械端部を接合、整列、または融着し、結果としてモジュール式のシームレスなエネルギー導波路システムを得る。
【0107】
集約タイル環境のさらなる実施形態では、エネルギーは、多数同時エネルギー領域に対して双方向に伝搬される。さらなる実施形態では、エネルギー表面は、導波路を使って同じエネルギー表面から同時に表示および捕捉の両方を行う能力を提供し、その導波路は、ライトフィールドデータが導波路を通って照明源により投影され、同時に同じエネルギー表面を通って受信され得るように設計されている。さらなる実施形態では、深度検知および能動走査技術をさらに活用して、正確な世界座標内のエネルギー伝搬と視認者との間の相互作用を可能にし得る。さらなる実施形態では、エネルギー表面および導波路は、触覚興奮または体積触覚学のフィードバックを誘発するような周波数を放出、反射、または収束させるように動作可能である。いくつかの実施形態では、双方向エネルギー伝搬および集約表面の任意の組み合わせが可能である。
【0108】
一実施形態では、システムは、少なくとも2つのエネルギー装置をシームレスなエネルギー表面の同じ部分にペアにするために、2つ以上の経路エネルギー結合器を使用して別々にペアにされた、1つ以上のエネルギー装置を伴うエネルギー表面を通ってエネルギーの双方向放出および検知を可能にするエネルギー導波路を備え、または1つ以上のエネルギー装置は、エネルギー表面の後ろに固定され、ベース構造体に固定された追加のコンポーネントに、または軸外の直接もしくは反射の投影もしくは検知のための導波路のFOVの前方かつ外側の位置に、最も近接しており、その結果得られたエネルギー表面は、双方向エネルギー伝送を提供し、その双方向エネルギー伝送は、導波路がエネルギーを収束させ、第1の装置がエネルギーを放出させ、そして第2の装置がエネルギーを検知するのを可能にし、そこでは、その情報を処理し、以下に限定されないが、4Dプレノプティックアイ、および伝搬エネルギーパターン内干渉の網膜追跡もしくは検知、深度推定、近似、動作追跡、画像、色、もしくは音響情報、または他のエネルギー周波数解析を含むコンピュータ視覚関連タスクを実行する。さらなる実施形態では、追跡された位置は、双方向に捕捉されたデータと投影情報との間の干渉に基づいて、エネルギーの位置を能動的に計算し、修正する。
【0109】
いくつかの実施形態では、超音波センサ、可視電磁ディスプレイ、および超音波放出装置を含む3つのエネルギー装置の複数の組み合わせが、各装置のエネルギー領域に特有の加工特性、ならびに超音波および電磁エネルギーが、各装置のエネルギーを別々に指向および収束させ、分離したエネルギー領域のために構成されている他の導波路素子によっては実質的に影響を受けない能力をそれぞれ提供するように構成された2つの加工導波路素子、を含む3つの第1の表面の各々と一緒に単一の第2のエネルギーリレー表面の中に結合されたエネルギーを伝搬させる3つの第1のリレー表面の各々、に対して共に構成されている。
【0110】
いくつかの実施形態では、符号化/復号化技術、ならびに較正された構成ファイルに基づいてエネルギー伝搬に適切な較正情報にデータを変換するための専用の集積システムを使用して、効率的な製造がシステムアーチファクトの除去、および得られたエネルギー表面の幾何学的マッピングの生成を可能にする較正手順が開示されている。
【0111】
いくつかの実施形態では、一連の追加のエネルギー導波路、および1つ以上のエネルギー装置が1つのシステムに一体化され、不明瞭なホログラフィックピクセルを生成し得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、追加の導波路素子が、エネルギー阻害素子、ビームスプリッタ、プリズム、能動視差バリア、または偏光技術を含めて一体化され、導波路の直径よりも大きい空間解像度および/または角度解像度を提供し、または他の超解像の目的のために提供する。
【0113】
いくつかの実施形態では、開示されたエネルギーシステムは、また、仮想現実(VR)または拡張現実(AR)などのウェアラブル双方向装置としても構成され得る。他の実施形態では、エネルギーシステムは、表示または受信されたエネルギーが、視認者に対して空間内に決められた平面の最も近いところに焦点を合わせるような調整光学素子を含み得る。いくつかの実施形態では、導波路アレイは、ホログラフィックヘッドマウントディスプレイに組み込まれ得る。他の実施形態では、システムは、視認者がエネルギーシステムおよび現実世界環境(例えば、透明ホログラフィックディスプレイ)の両方を見ることが可能になる多数の光学経路を含み得る。これらの例では、システムは、他の方法に加えて近視野として呈してもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、データの送信は、情報およびメタデータの任意のデータセットを受信し、当該データセットを分析し、材料特性、ベクトル、表面ID、より疎なデータセットを形成する新規ピクセルデータを受信または割り当てを行う、選択可能または可変の圧縮率を有する符号化処理を含み、そこでは、受信されたデータは、2D、立体、マルチビュー、メタデータ、ライトフィールド、ホログラフィック、形状、ベクトルもしくはベクトル化されたメタデータを含んでもよく、符号器/復号器は、2D、2Dプラス深度、メタデータ、もしくは他のベクトル化された情報、立体、立体プラス深度、メタデータ、もしくは他のベクトル化された情報、マルチビュー、マルチビュープラス深度、メタデータ、もしくは他のベクトル化された情報、ホログラフィック、またはライトフィールドコンテンツに対する画像処理を含む実時間またはオフラインのデータを、深度メタデータの有無にかかわらず深度推定アルゴリズムを介して変換する能力を提供してもよく、逆光線追跡方法は、特徴付けられた4Dプレノプティック関数を介して、様々な2D、立体、マルチビュー、体積、ライトフィールド、またはホログラフィックのデータから実世界座標に逆光線追跡によって生成されて得られた変換データを適切にマッピングする。これらの実施形態では、所望の全データ送信は、未処理のライトフィールドデータセットよりも数桁小さい送信情報となり得る。
【0115】
[光学画像リレーおよびテーパ素子]
非常に高密度の繊維束は、光をピクセルコヒーレンシおよび高い透過率でリレーすることを可能にするために、多量の材料で製造されることがある。光ファイバは、ガラス、プラスチック、または同様の媒体の透明なファイバに沿って光を導く。この現象は、全反射と呼ばれる概念によって制御される。光線が材料の臨界角内に含まれ、光線がより高密度な材料の方向から入射すると、光線は異なる屈折率を有する2つの透明な光学材料の間で全体的に内部反射することになる。
【0116】
図7は、最大許容角φ72(または材料のNA)、異なる屈折率を有するコア74およびクラッド76の材料、ならびに反射光線78および屈折光線79を詳述する内部反射70の基本原理の直交図を例解する。一般に、光の透過率は、反射毎に0.001パーセント未満だけ減少し、直径が約50ミクロンのファイバは、フィート毎に3,000回の反射を有し得、これは、他の複合光学方法論と比較して、その光伝送がいかに効率的であるかを理解するのに役立つ。
【0117】
入射角(I)と屈折角(R)との関係は、スネルの法則で計算することができ、
[数15]
ここで、n
1は、空気の屈折率であり、n
2は、コア材料74の屈折率である。
【0118】
ファイバ光学分野の当業者であれば、集光力、最大許容角、および他の必要な計算に関連付けられている追加の光学原理を理解して、光が光ファイバ材料を通ってどのように進行するかを理解するであろう。以下の実施形態で説明するように、光ファイバ材料は集束する方法ではなく光のリレーとみなされるべきであるので、この概念を理解することは重要である。
【0119】
光ファイバを出る光の角度分布を理解することは、本開示にとって重要であり、また入射角に基づいて予想されるものと同じではないことがある。ファイバからの出射時の方位角は、最大許容角、ファイバの長さおよび直径、ならびに出射光線が入射角および屈折角によって定義されるような円錐形状として出射する傾向がある材料の他のパラメータにより、急速に変化する傾向がある。
【0120】
図8は、光ファイバ82に入る光線84が、特定の方位角φを有する円錐形状の光分布86で、どのように出ることができるかを示している。この効果は、ファイバを通してレーザポインタを照らすことによって観察され、表面上の様々な距離と角度で出力光線を見ることができる。提案された設計と共に進歩する重要な概念になるであろう円錐領域全体にわたる光の分布を有する円錐形状の出口(例えば、円錐形状の半径だけではない)。
【0121】
ファイバ材料の伝送損失の主な原因は、クラッディング、材料の長さ、および許容角度の外側の光線に対する光の損失である。クラッディングは、コアを絶縁し、光線が各個々のファイバ間を進行するのを軽減するのを助けるために、より大きい束内の個々のファイバを囲む材料である。これに加えて、追加の不透明な材料を使用して、余分な壁吸収(EMA)と呼ばれる許容角度の外側の光を吸収してもよい。両方の材料は、コントラスト、散乱、および複数の他の要因に関して見られる画像品質を改善するのを助けることができるが、入口から出口までの全体的な光透過を減少させる可能性がある。簡単にするために、クラッドに対するコアの割合は、これが光の損失の理由の1つであり得るので、ファイバのおおよその伝送能力を理解するために使用することができる。他の種類の材料も利用可能であり、また以下の議論において検討されるが、大部分の材料において、コア対クラッド比は、おおよそ50%~約80%の範囲であり得る。
【0122】
各ファイバはファイバ直径毎におおよそ0.5の写真線ペアを解像することができ、したがってピクセルをリレーするとき、ピクセル毎に1つより多いファイバを有することが重要であり得る。いくつかの実施形態では、ファイバの各々の間の平均解像度がこれらの材料を利用するときに関連するMTF損失を軽減するのに役立つので、ピクセル毎に10ダース程度が利用され得るか、または3つ以上のファイバが許容可能であり得る。
【0123】
一実施形態では、光ファイバは、ファイバ光学フェースプレートの形態で実装され得る。フェースプレートは、一緒に融着されて真空気密ガラスプレートを形成する、単一または複数、または複数のマルチファイバの集合である。フェースプレートの一方の側面に提示される画像は、高効率で外部表面に輸送され得るので、このプレートは理論的には厚さゼロの窓と考えることができる。従来、これらのフェースプレートは、約6ミクロン以上のピッチを有する個々のファイバで構成され得るが、最終的にコントラストおよび画像品質を低下させる可能性があるクラッド材料の有効性にもかかわらず、より高い密度が達成され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、光ファイバ束はテーパ状であってもよく、その結果、異なるサイズおよび各表面の釣り合った拡大率を有するピクセルのコヒーレントマッピングがもたらされる。例えば、拡大端部は、より大きいファイバピッチおよびより高い拡大率を有する光ファイバ素子の側面を指すことができ、縮小端部は、より小さいファイバピッチおよびより低い拡大率を有する光ファイバ素子の側面を指すことができる。様々な形状を製造するプロセスは、加熱および所望の拡大率の製造を含み得、これは光ファイバの元のピッチをそれらの元のサイズからより小さいピッチに物理的に変更し、これによりテーパおよびNA上の位置に応じて許容角度を変化させ得る。別の要因は、製造プロセスが平らな表面に対する繊維の直角度を歪める可能性があることである。とりわけテーパ設計に関する課題の1つは、各端部の有効NAが、拡大率の割合におおよそ比例して変化し得ることである。例えば、2:1の比を有するテーパは、直径10mmの縮小端部と、直径20mmの拡大端部と、を有し得る。元の材料が10ミクロンのピッチで0.5のNAを有する場合、縮小端部は、1.0のおおよそ有効なNAと、5ミクロンのピッチと、を有するであろう。結果として得られる許容角度および出口角度も同様に、比例して変化し得る。このプロセスからの厳密な結果を理解するために実施され得るはるかに複雑な分析があり、当業者であれば誰でもこれらの計算を実施することができるであろう。この議論の目的のために、これらの一般化は、画像化の影響ならびに全体的なシステムおよび方法を理解するのに十分である。
【0125】
[横方向アンダーソン局在]
アンダーソン局在原理は1950年代に導入されたが、それが材料およびプロセスにおける最近の技術的進歩によって初めて実際に光伝送で探求されることを可能にした。横方向アンダーソン局在は、横方向に無秩序であるが長手方向に一定である材料を通って輸送される、横方向の平面における波の拡散を伴わない波の伝搬である。
【0126】
先行技術の中で、横方向アンダーソン局在は、ランダムに混合され、一緒に融着された異なるRIを有する何百万もの個々の繊維のストランドを引くことにより、ファイバ光学フェースプレートが製造される実験を通して観察された。入力ビームがフェースプレートの一方の表面を横切って走査されると、反対側の表面上の出力ビームは、入力ビームの横方向位置に追従する。アンダーソン局在は無秩序な媒体では波の拡散がないように呈するので、基本的な物理学のいくつかは、規則的な光ファイバリレーについての以前の計算と比較した場合に異なる。これは、アンダーソン局在現象を生じさせる光ファイバの影響が、波の干渉が横方向の配向の伝搬を完全に制限し得る一方で長手方向の配向の経路で継続するような多重散乱経路間のランダム化によるよりも、全反射による影響を受けにくいことを意味し得る。
【0127】
図9は、従来の光ファイバの特性のためにピクセル化およびファイバノイズを呈し得る従来のマルチコア光ファイバ90を介してリレーされた画像例の直交図を例解する。
図10は、本開示の一実施形態による、アンダーソン局在化原理の特性を呈する光ファイバ100を介してリレーされた同じ画像の直交図を例解する。
【0128】
一実施形態では、横方向アンダーソン局在材料は、より高いMTFを有する最高品質の市販のマルチモードガラス画像ファイバと同様に、またはそれ以上に光を輸送することが可能である。従来のマルチモードおよびマルチコア光ファイバを使うと、リレーされた画像は、離散的なアレイコアの全反射特性のために本質的にピクセル化され、そこでは、任意のコア間クロストークがMTFを低下させ、かつ輪郭ボケを増加させるであろう。マルチコア光ファイバを使って結果として生成された画像は、
図10に例解するように、残留固定ノイズファイバパターンを有する傾向がある。対照的に、
図11は、ノイズパターンが固定ファイバパターンよりも、よりグレイン構造に見える横方向アンダーソン局在原理の特性を呈する材料サンプルの一例による同じリレーされた画像を示す。
【0129】
アンダーソン局在現象を呈する光学リレーに対する別の重要な利点は、光学リレーがポリマー材料から製造され得ることであり、その結果、コストおよび重量が減少する。一般にガラスまたは他の類似の材料で作られる同様の光学グレード材料は、ポリマーを用いて生成された同じ寸法の材料のコストよりも10倍から100倍(またはそれ以上)高くなる可能性がある。さらに、材料の密度の大部分までが空気および他の軽量プラスチックであることを考えると、ポリマーリレー光学系の重量は、10~100倍少なくすることができる。疑義を避けるために、アンダーソン局在特性を呈する任意の材料は、たとえそれが上記のコストおよび重量の示唆を満たさないとしても、本明細書のこの開示に含まれる。当業者には理解されるように、上記の示唆は、同様のガラス製品が除外する重要な商業的実行可能性に向いている単一の実施形態である。重要な追加の利点としては、横方向アンダーソン局在が機能するために、光ファイバクラッディングが必要とされないことであり、このため、従来のマルチコアファイバ光学は、ファイバ間の光の拡散を防ぐために必要であるが、光線の一部を同時に遮断し、これにより少なくともコア対クラッド比による透過率を下げる(例えば、コア対クラッド比70:30は、最高で受信照明の70%を透過するであろう)。
【0130】
別の重要な利点は、材料が基本的に従来の意味での縁部を有さず、任意の2つの部品の結合が、2つ以上の部品を一緒に結合するプロセスによる単一の部品としてコンポーネントを生成するのとほぼ同じであるので、継ぎ目を伴わずに接合または融着され得る多数のより小さな部品を製造することができることである。大規模な用途では、これは大規模なインフラストラクチャまたは金型コストをかけずに製造する能力にとって大きな利点であり、また他の方法では不可能であったであろう単一の部品の材料を生成する能力を提供する。従来のプラスチック光ファイバは、これらの利点のいくつかを有するが、クラッディングのために、一般的には依然として、ある程度の距離の継ぎ目を含む。
【0131】
横方向アンダーソン局在を呈する光学リレーは、各々が制御された屈折率RI、可視光の波長の桁数の大きさ、約1μm、および細長い形状を有する1つ以上のビルディングブロック構造体から構築されて、構造体の長軸に沿った電磁エネルギーの伝送を容易にすることができる。構造体は、最小のRI変動のチャネルが光学リレーの長さ全体にわたって長手方向に形成されるように配置されるべきであるが、RIは横方向の平面においてランダムに変動する。可視電磁エネルギー波リレーの一実施形態では、ポリメチルメタクリレート(PMMA、1.49のRI)およびポリスチレン(PS、1.59のRI)の細長い粒子を含む、約0.1の屈折率オフセットを有する2つのビルディングブロック構造体が選択される。第1および第2の構造体が配置され、光学接着剤と混合され、次いで硬化される。一実施形態では、材料の比率は50:50であり得る。
【0132】
横方向アンダーソン局在は、電磁波、音波、量子波などの輸送に適用される一般的な波の現象である。横方向アンダーソン局在を呈するエネルギー波リレーを形成するのに必要とされる1つ以上のビルディングブロック構造体は各々、対応する波長の桁数の大きさを有する。ビルディングブロックに対する別の重要なパラメータは、これらのビルディングブロックに使用される材料中のエネルギー波の速度であり、これは電磁波に対する屈折率と、音波に対する音響インピーダンスと、を含む。例えば、ビルディングブロックのサイズおよび屈折率は、X線から電波までの電磁スペクトルの任意の周波数に適応するように変化し得る。
【0133】
このため、光学リレーに関する本開示における議論は、完全な電磁スペクトルだけでなく、音響エネルギーおよび他の多くの種類のエネルギーに一般化することができる。このため、たとえ議論が可視電磁スペクトルのような特定の形態のエネルギーに焦点を合わせていても、エネルギー源、エネルギー表面、およびエネルギーリレーという用語の使用がしばしば用いられるであろう。
【0134】
疑義を避けるために、材料の量、プロセス、種類、RIなどは単なる例示であり、アンダーソン局在特性を呈する任意の光学材料が本明細書に含まれる。さらに、無秩序な材料および方法の任意の使用も本明細書に含まれる。
【0135】
本開示に記載されている光学設計の原理は、概して、すべての形態のエネルギーリレーに適用され、特定の製品、市場、フォームファクタ、搭載などのために選択された設計の実装は、これらの形態に対処する必要があるかまたは必要がないことがあるが、簡単にするために、開示されている任意の手法は、すべての潜在的なエネルギーリレー材料を含むものである。
【0136】
[エネルギーモザイクアレイ]
前記エネルギー波源に対する機械的要件の制限により、継ぎ目のない個々のエネルギー波源のアレイから高解像度を生成するという課題をさらに解決するために、テーパ状光学リレーの使用を用いて、能動ディスプレイ領域の有効サイズを増大させて、必要な機械的寸法に一致させるかまたはそれを超すようにして、テーパのアレイを一緒にシームレスに縫い合わせ、単一の隣接する電磁エネルギー表面を形成し得る。
【0137】
例えば、エネルギー波源の能動領域が、20mm×10mmであり、機械的なエンベロープが、40mm×20mmである場合、各エネルギー波源の機械的なエンベロープを変更するかまたは妨害することなく、これらのテーパのアレイを一緒にシームレスに整列させることができると仮定すると、テーパ状エネルギーリレーは、2:1の拡大率で設計されて、縮小端部上に20mm×10mm(切断時)、および拡大端部上に40mm×20mm(切断時)のテーパを生成し得る。
【0138】
図11は、本開示の一実施形態による、かかる1つのテーパ状のエネルギーリレーモザイク配置110を直交図で例解する。一実施形態では、リレー装置110は、2つ以上のリレー素子112を含み得、各リレー素子112は、1つ以上の構造体から形成され、各リレー素子112は、第1の表面114と、第2の表面116と、横方向の配向(表面114、116にほぼ平行)と、長手方向の配向(表面114、116にほぼ直角)と、を有する。一実施形態では、第1の表面114の表面積は、第2の表面116の表面積とは異なり得る。例えば、第1の表面114の表面積は、第2の表面116の表面積よりも大きいかまたは小さくてもよい。別の実施形態では、第1の表面114の表面積は、第2の表面116の表面積と同じであり得る。エネルギー波は、第1の表面114から第2の表面116へ、またはその逆に通過し得る。
【0139】
一実施形態では、リレー素子装置110のリレー素子112は、第1の表面114と第2の表面116との間に傾斜したプロファイル部分118を含む。動作中、第1の表面114と第2の表面116との間を伝搬するエネルギー波は、横方向の配向よりも長手方向の配向において実質的に高い輸送効率を有し得、リレー素子112を通過するエネルギー波は、空間拡大または空間縮小をもたらし得る。言い換えれば、リレー素子装置110のリレー素子112を通過するエネルギー波は、増加した拡大または減少した拡大を経験し得る。いくつかの実施形態では、リレー素子装置110を形成するための1つ以上の構造体は、ガラス、カーボン、光ファイバ、光学薄膜、プラスチック、ポリマー、またはそれらの混合物を含み得る。
【0140】
一実施形態では、第1の表面114を通過するエネルギー波は、第1の解像度を有する一方で、第2の表面116を通過するエネルギー波は、第2の解像度を有し、第2の解像度は第1の解像度の約50%以上である。別の実施形態では、エネルギー波は、第1の表面に呈されるときに均一なプロファイルを有する一方で、第2の表面上の位置に関係なく、第2の表面の法線に対して約±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、前方方向のエネルギー密度であらゆる方向に放射する第2の表面を通過し得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、第1の表面114は、エネルギー波源からエネルギーを受信するように構成されてもよく、エネルギー波源は、第1の表面114および第2の表面116の少なくとも一方の幅とは異なる幅を有する機械的なエンベロープを含む。
【0142】
機械的に、これらのテーパ状エネルギーリレーは、波エネルギー源間の可能な限り最小の継ぎ目間隙が可能になるように整列させ、研磨し、かつ確実にするために、一緒に接合または融着される。かかる一実施形態では、テーパ材料に熱的に適合するエポキシを使用して、50μmの最大継ぎ目間隙を達成することが可能である。別の実施形態では、テーパアレイを圧縮および/または加熱下に置く製造プロセスは、素子を一緒に融着する能力を提供する。別の実施形態では、プラスチックテーパの使用は、追加の接合を伴わずに接合を生成するために、より容易に化学的に融着または熱処理され得る。疑義を避けるために、重力および/または力以外の接合を明示的に含まないように、任意の方法を使用してアレイを一緒に接合してもよい。
【0143】
[光ファイバモザイク設計]
特定の許容誤差仕様を満たすような方法で複数のコンポーネントを保持するためには、機械的構造が必要になることがある。いくつかの実施形態では、表面114、116のテーパ状リレー素子は、円形、楕円形、卵形、三角形、正方形、長方形、平行四辺形、台形、菱形、五角形、六角形などを含むがこれらに限定されない任意の多角形形状を有し得る。いくつかの例では、例えば正方形テーパなどの非正方形テーパの場合、リレー素子110は、全体的なエネルギー源の最大寸法と平行な最小テーパ寸法を有するように回転させてもよい。この手法は、エネルギー源の中心点から見たときに、拡大されたリレー素子の許容円錐により、光線の最も低い拒絶を呈するエネルギー源の最適化を可能にする。例えば、所望のエネルギー源サイズが100mm×60mmであり、各テーパ状エネルギーリレーが20mm×10mmである場合、所望のエネルギー源のサイズを生成するために、3×10のテーパエネルギーリレー素子のアレイを組み合わせることができるように、リレー素子を整列および回転させてもよい。ここで、他の組み合わせの中でも、6×5のマトリックスのアレイの代替構成を有するアレイを利用できないことを示唆するものは何もない。3×10のレイアウトからなるアレイは、概して、他の6×5のレイアウトよりも性能が良くなるであろう。
【0144】
エネルギー源システムの最も単純化された構造は単一のテーパ状エネルギーリレー素子からなるが、複数の素子を結合して、品質または柔軟性を高めた単一のエネルギー源モジュールを形成してもよい。かかる一実施形態は、エネルギー源に取り付けられた縮小端部を有する第1のテーパ状エネルギーリレーと、第1のリレー素子に接続された第2のテーパ状エネルギーリレーと、を含み、第2の光学テーパの縮小端部が、2つの個々のテーパ拡大率の積に等しい合計拡大率を生成する第1のリレー素子の拡大端部に接触している。
【0145】
図12は、本開示の一実施形態による、直列の2つの複合された光学リレーテーパ120、テーパ122、124の、両方とも、縮小端部がエネルギー源表面126に面している直交図を例解する。この例では、入力NAはテーパ124の入力に対して1.0であるが、テーパ122の出力に対しては約0.16にすぎない。出力が6の合計拡大率で除算され、これは、テーパ124の場合は2、またテーパ122の場合は3の積であることに留意されたい。この手法の1つの利点は、第2のエネルギー波リレーを変更することなく、エネルギー源の様々な寸法を考慮するために、第1のエネルギー波リレーをカスタマイズすることができることである。それはさらに、第1のリレー素子の設計を変化させることなく、出力エネルギー表面のサイズを変更する柔軟性を提供する。ディスプレイ126および機械的なエンベロープ128もまた、示されている。
【0146】
図13は、本開示の一実施形態による、複合されたテーパ状エネルギーリレー130の、第2のテーパ134を縮小端部が第1のテーパ132の縮小端部と嵌合するように回転させた直交図を例解する。これは、
図12に示したものと同様の利点を有する。エネルギー波の場合、両方の縮小端部が嵌合するときに、光の発生角度を部分的に復元するというさらなる利点があり、拒絶された光線を復元することはできないが、出口の角度をより制御可能にすることはできる。この場合もやはり、0.5の入力NAは、システム1.5の合計拡大率に等しい係数だけ、0.3の出力値まで減少され得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、リレー素子は、
図12および
図13に示されているものなど、長手方向の配向の積層構成の複数のリレー素子を含み得る。これらの積層構成では、複数の素子のうちの第1の素子(例えば、124)は、第1の表面(例えば、エネルギー源表面126に近い表面)を含み得、複数の素子のうちの第2の素子(例えば、122)は、第2の表面(例えば、エネルギー源表面126から最も離れた表面)を含む。第1の素子および第2の素子の各々は、上述のように、エネルギーの空間拡大または空間縮小のいずれかを個別にまたは一緒に引き起こし得る。
【0148】
一実施形態では、第1の表面を通過するエネルギー波が、第1の解像度を有し得る一方で、第2の表面を通過するエネルギー波が、第2の解像度を有し得、それによって、第2の解像度が、第1の解像度の約50%以上である。別の実施形態では、エネルギー波は、第1の表面に呈されるときに均一なプロファイルを有する一方で、第2の表面上の位置に関係なく、第2の表面の法線に対して約±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、前方方向のエネルギー密度であらゆる方向に放射する第2の表面を通過し得る。
【0149】
一実施形態では、積層構成の複数の素子は、複数のフェースプレート(
図29に最もよく示されている)を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のフェースプレートは、異なる長さを有するか、またはゆるやかなコヒーレント光学リレー(
図31~
図35に最もよく示されている)であり得る。他の実施形態では、複数の素子は、
図11のものと同様の傾斜したプロファイル部分を有し得、傾斜したプロファイル部分は、リレー素子の法線軸に対して非直角な角度で、角度をなすか、直線状であるか、湾曲するか、テーパ状であるか、切子面状であるか、または整列され得る。さらに別の実施形態では、リレー素子は、エネルギーが横方向の配向に局在化されるように、ランダム化された屈折率変動を含み得る。他の実施形態では、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。これについては、後続の図および説明でさらに詳しく説明する。
【0150】
ここで
図12を参照すると、動作中、第1の表面は、エネルギー源ユニット(例えば、126)からエネルギー波を受信するように構成されてもよく、エネルギー源ユニットが、第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも一方の幅とは異なる幅を有する機械的なエンベロープ128を含む。一実施形態では、第1の表面を通過するエネルギー波が、第1の解像度を有し得る一方で、第2の表面を通過するエネルギー波が、第2の解像度を有し得、そのため、第2の解像度が第1の解像度の約50%以上である。別の実施形態では、エネルギー波は、第1の表面に呈されるときに均一なプロファイルを有する一方で、第2の表面上の位置に関係なく、第2の表面の法線に対して約±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、前方方向のエネルギー密度であらゆる方向に放射する第2の表面を通過し得る。
【0151】
一実施形態では、機械的なエンベロープ128は、レンズ236を有する投影システム234(
図24に最もよく示されている)と、レンズに隣接して配設された複数のエネルギー源パネルと、を含み得、複数のエネルギー源パネルが、平面、非平面、またはそれらの組み合わせ(
図24~
図28および
図30~
図31に最もよく示されている)である。これらの後続の図面に示されるように、いくつかの実施形態では、複数のエネルギー源パネル(例えば、242、252、262、274)は、傾斜、一定角度での整列、千鳥状、軸上、軸外、回転、平行、直角、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、様々な構成で配置され得る。他の実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、半径方向に対称な構成(
図27、
図28、および
図30に最もよく示されている)で配置され得る。一実施形態では、投影システムはまた、導波路を通る集束されたエネルギー伝送を含み得、整列していない角度でテレセントリックレンズリレー素子をさらに含む。これらの実施形態は、他の実施形態と共に、後続の図面および議論においてより詳細に説明されるであろう。
【0152】
[フレキシブルなエネルギー源と湾曲したエネルギーリレー表面の使用]
湾曲した表面を有する特定のエネルギー源技術またはエネルギー投影技術を作り出すことが可能であり得る。例えば、一実施形態では、エネルギー源として、湾曲したOLEDディスプレイパネルが使用され得る。別の実施形態では、エネルギー源として、焦点のないレーザ投影システムが利用され得る。さらに別の実施形態では、投影される表面にわたって焦点を維持するのに十分に広い被写界深度を有する投影システムが利用され得る。疑義を避けるために、これらの例は例示目的で提供されており、決してこの技術の説明のための技術的実装の範囲を限定するものではない。
【0153】
既知の光入力角度で完全に集束した投影画像を保持し得る湾曲したエネルギー表面または湾曲した表面を活用することによって、光学構成の主光線角(CRA)に基づいて光の操作円錐を生成することができる光学技術を考慮すると、それぞれの出力修正角度は、より理想化された視野角を提供し得る。
【0154】
かかる一実施形態では、光学リレー素子のエネルギー表面の側面は、モジュール毎に、円筒形、球形、平面、または非平面の研磨構成(本明細書では「形状」または「形状の」と呼ぶ)に湾曲し得、ここでは、エネルギー源は、もう1つの源モジュールから生じる。各有効な発光エネルギー源は、変形の過程を通して変更されるそれ自体のそれぞれの視野角を有する。この湾曲したエネルギー源または同様のパネル技術を活用することは、変形およびCRAの再構成または各有効ピクセルの最適視野角の影響を受けにくいであろうパネル技術を可能にする。
【0155】
図14は、本開示の一実施形態による、拡大率が3:1である光学リレーテーパ構成140、およびその結果得られる取り付けられたエネルギー源の見える光の角度の直交図を例解する。光学リレーテーパは、3:1の拡大率で1.0の入力NAを有し、結果として、おおよそ0.33の出力光線に対する有効NA(これに関連する他の多くの係数があり、これは単純化された参照用のみである)、平面および直角な表面が、テーパ状エネルギーリレーの両端にあり、エネルギー源が、縮小端部に取り付けられている。この手法だけを利用すると、エネルギー表面の画角は入力角度の画角のおおよそ1/3であり得る。疑義を避けるために、1:1の有効拡大率を有する同様の構成(光学フェースプレートまたは他のものを活用する)、または任意の他の光学リレーの種類もしくは構成が、さらに活用され得る。
【0156】
図15は、
図14と同じテーパ状エネルギーリレーモジュール150を例解するが、ここで、エネルギー源側面の表面が湾曲した幾何学的構成152を有する一方で、エネルギー源側面154の反対側の表面が、平面の表面を有し、モジュール150の光軸に直角である。この手法では、入力角度(例えば、152付近の矢印を参照)は、この形状に基づいてバイアスされ得、出力角度(例えば、154付近の矢印を参照)は、
図14のものとは異なり、表面上の位置とはより関係なく調整され得るが、
図15に例示されるような湾曲した表面152を考慮すると、各有効光放出源の可視出口円錐は、全体的なエネルギー源よりも小さくてもよい。これは、利用可能な光線のより粗いかまたはより圧縮された密度のために視角を最適化する特定のエネルギー表面を考慮するときに有利であり得る。
【0157】
別の実施形態では、(
図17~
図18に示すように)
図15のエネルギー表面の形状を凸面にすることによって、出力角度の変動が達成され得る。かかる変化がなされた場合、エネルギー表面152の端部近くの光の出力円錐は、中心に向かって曲がるであろう。
【0158】
いくつかの実施形態では、リレー素子装置は、リレー素子と投影システムとの間に湾曲したエネルギー源(図示せず)を含み得る。一例では、リレー素子装置の両方の表面は、平面であり得る。代替的に、他の例では、一方の表面は、平面であり得、他方の表面は、非平面であり得、またはその逆もあり得る。最後に、別の例では、リレー素子装置の両方の表面は、非平面であり得る。他の実施形態では、非平面の表面は、他の非平面の構成の中でも、凹面の表面または凸面の表面であり得る。例えば、リレー素子の両方の表面は、凹面であり得る。代替的に、両方の表面は、凸面であり得る。別の例では、一方の表面が、凹面であり得、他方の面が、凸面であり得る。当業者には、本明細書では、平面、非平面、凸面、および凹面の表面の複数の構成が企図および開示されていることが理解されよう。
【0159】
図16は、本開示の別の実施形態による、光学リレーテーパ160の、エネルギー源側面に非直角であるが平面の表面162を有する直交図を示す。エネルギー源側面の形状における著しいカスタマイズ可能な変動を明確にするために、
図16は、
図15と比較するためにエネルギー源側面に対して単に直角ではないが平面の形状を生成する結果を例解し、無限の潜在的な表面特性により可能となる光1、2、3の入力許容円錐角度および出力可視放出円錐角度を直接制御する能力をさらに実証する。
【0160】
用途に応じて、エネルギー源が、エネルギー源側面が直角なままであるか、またはエネルギー源とエネルギー源側面との両方の形状の構成が様々な非直角な形状の構成を呈する非直角な形状の構成である、エネルギー源の構成を設計することも可能である。この方法では、入力および出力エネルギー源の視野角に対する制御をさらに向上させることが可能であり得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、テーパは、特定の視野角を最適化するように、非垂直でもあり得る。かかる一実施形態では、単一のテーパを四分円に切断し、次いで各テーパを個々の光学中心軸を中心に180度回転させて再組み立てし、テーパの縮小端部を再組み立てした四分円の中心から離れて面するようにし、これにより視野を最適化してもよい。他の実施形態では、物理的に拡大された端部のサイズまたは縮尺を増大させることなく、縮小された端部上のエネルギー源間の隙間の増大を提供するために、非直角なテーパも直接製造され得る。これらのおよび他のテーパ状の構成は本明細書に開示されている。
【0162】
図17は、エネルギー源170の側面に凹面表面を有する
図14の光学リレーおよび光照射円錐の直交図を例解する。この場合、出力光の円錐は、
図14と比較して、エネルギー源側面が平坦である場合よりも、出力エネルギー表面の平面の縁部近くで著しく広がる。
【0163】
図18は、エネルギー源の側面に同じ凸面の表面を有する
図17の光学テーパリレーおよび光照射円錐の直交図を例解する。この例では、出力エネルギー表面180は、凹面の形状を有する。
図17と比較して、凹面出力表面180上の出力光の円錐は、入力許容円錐およびこの形状の構成から生成される光の出口円錐により、エネルギー源表面にわたってよりコリメートされる。疑義を避けるために、提供される例は単に例示であり、入力エネルギー源側面および出力エネルギー表面のための任意の形状の構成が、出力エネルギー表面の所望の画角および光の密度に応じて利用され得る明示的な表面特性、ならびにエネルギー源自体から生成される光の角度を示すことを意図しない。
【0164】
いくつかの実施形態では、複数のリレー素子は、直列に構成され得る。一実施形態では、直列の任意の2つのリレー素子は、別の素子に対する一方の素子からの逆歪みが、任意のかかるアーチファクトを光学的に軽減するのを助けるように、意図的に歪められたパラメータとさらに結合され得る。別の実施形態では、第1の光学テーパは、光学バレル歪みを呈し、第2の光学テーパは、このアーチファクトの逆を呈するように製造されて、一緒に集約されたときに生じる情報が、部分的または完全のいずれかで打ち消されるよりも、2つの素子のうちのいずれか1つによってもたらされる任意のかかる光学的歪みのような、光ピンクッション歪みを生成し得る。これは、複合補正が一連で適用され得るように、任意の2つ以上の素子にさらに適用可能であり得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、小型および/または軽量のフォームファクタで、エネルギー源のアレイなどを製造するために、単一のエネルギー源基板、電子機器、および/または同種のものなどを製造することが可能であり得る。この構成では、個々の構成要素および電子機器と比較して、光学リレーの端部が極めて小さいフォームファクタでエネルギー源の能動領域に整列するように、光学リレーモザイクをさらに組み込むことが実行可能であり得る。この技術を使用して、モニタ、スマートフォンなどのような小型フォームファクタ装置に対応することは実現可能であり得る。
【0166】
図19は、本開示の一実施形態による、湾曲したエネルギー源側面の表面196と一緒に結合されて、複数の直角な出力エネルギー表面192から最適可視画像194を形成する、複数の光学テーパリレーモジュール192のアセンブリ190の直交図を例解する。この場合、テーパリレーモジュール192は、並列に形成される。単一の列のテーパリレーモジュール192のみが示されているが、いくつかの実施形態では、
図12および
図13に示されるものと同様の積層構成を有するテーパもまた、並列にかつ一列に一緒に結合されて、連続したシームレスな可視画像194を形成し得る。
【0167】
ここで
図19を参照すると、各テーパリレーモジュール192は、独立して動作してもよいか、または光学リレーのアレイに基づいて設計されてもよい。この図に示されるように、光学テーパリレー192a、192b、192c、192d、192eを有する5つのモジュールが一緒に整列されて、より大きい光学テーパ出力エネルギー表面194を生成する。この構成では、出力エネルギー表面194は、垂直であり得、5つのエネルギー源側面196a、196b、196c、196d、196eの各々は、中心軸の周りで変形させられ得、個々のモジュールとしてではなく、アレイ全体を単一の出力エネルギー表面として機能させることを可能にする。さらに、出力された見える光の角度を計算し、エネルギー源側面の形状に必要な理想的な表面特性を決定することによって、このアセンブリ構造体190を最適化することも可能であり得る。
図19は、複数のモジュールが一緒に結合され、エネルギー源側面の曲率が、より大きい出力エネルギー表面の見える光の角度を説明する、かかる一実施形態を示す。5つのリレーモジュール192が示されているが、用途に応じてより多くのまたはより少ないリレーモジュールが、一緒に結合され得ることが当業者には理解されよう。
【0168】
一実施形態では、
図19のシステムは、第1および第2の方向にわたって(例えば、列を横切るかまたは積層構成で)配置された複数のリレー素子192を含み、複数のリレー素子の各々は、ランダム化された屈折率可変性を有し、それぞれのリレー素子の第1および第2の表面の間の長手方向の配向に沿って延在する。いくつかの実施形態では、複数のリレー素子の各々の第1および第2の表面は、第1および第2の方向によって画定される横方向の配向にほぼ沿って延在し、長手方向の配向は横方向の配向に対して実質的に垂直である。他の実施形態では、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。
【0169】
一実施形態では、複数のリレーシステムは、それぞれ第1の方向または第2の方向に沿って単一のタイル状表面を形成するように、第1の方向または第2の方向にわたって配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のリレー素子は、当業者によって理解され得るように、他の構成の中でも、少なくとも2×2構成を有するマトリックス、または特に限定されないが、3×3構成、4×4構成、3×10構成を含む他のマトリックスに配置される。他の実施形態では、単一のタイル状表面間の継ぎ目は、単一のタイル状表面の最小寸法の2倍の視距離では認知不能であり得る。
【0170】
いくつかの実施形態では、複数のリレー素子192の各々は、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動を有し、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。リレーがマルチコアファイバで構成されているいくつかの実施形態では、各リレー素子内を伝搬するエネルギー波は、この配向でのファイバの整列によって決定される長手方向の配向に進行し得る。
【0171】
他の実施形態では、複数のリレー素子192の各々は、長手方向の配向に沿ってエネルギーを輸送するように構成され、複数のリレー素子を通って伝搬するエネルギー波は、ランダム化された屈折率変動により、横方向の配向よりも長手方向の配向において高い輸送効率を有し、そのためエネルギーが前記横方向の配向に空間的に局在化される。いくつかの実施形態では、リレー素子間を伝搬するエネルギー波は、横方向の配向よりも長手方向の配向において実質的に高い輸送効率により、長手方向の配向と実質的に平行に進行し得る。他の実施形態では、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿った実質的により高い輸送効率を有するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらす。
【0172】
図20Aは、本開示の一実施形態による、直角なエネルギー源側面の形状202a、202b、202c、202d、202e、および中心軸の周りで放射状である凸面のエネルギー源表面204と一緒に結合された複数の光学テーパリレーモジュールの配置200の直交図を例解する。
図20Aは、直角なエネルギー源側面の形状および中心軸の周りに放射状である凸面のエネルギー源表面を有する
図19の構成を例解する。
【0173】
図20Bは、本開示の別の実施形態による、直角なエネルギー源表面208の形状および中心軸の周りで放射状の凸面のエネルギー源側面の表面209と一緒に結合された複数の光学リレーモジュールの配置206の直交図を例解する。
【0174】
いくつかの実施形態では、エネルギーリレーのアレイの源側面を中心半径の周りで円筒形に湾曲した形状に構成し、平坦なエネルギー出力表面を有することによって、入力エネルギー源の許容角度および出力エネルギー源の放出角度は、切り離され得、各エネルギー源モジュールをエネルギーリレーの許容円錐とより良く整列させることが可能であり得、他の原因のなかでもこれが、エネルギーテーパリレー拡大率、NAなどのパラメータに対する制約のために制限され得ることが望ましい。
【0175】
図21は、本開示の一実施形態による、可視出力光線がより均一になるように、各エネルギー出力表面が独立して構成されている、複数のエネルギーリレーモジュールの配置210の直交図を例解する。
図21は、
図20Aのものと同様の構成を例解するが、各エネルギーリレー出力表面は、より大きな組み合わされたエネルギー出力表面を考慮して、可視出力光線がより均一になるように(または用いられる正確な形状に応じて小さくなるように)、独立して構成される。
【0176】
図22は、本開示の一実施形態による、放出エネルギー源側面とエネルギーリレー出力表面との両方が、入力および出力光線に対する明示的な制御を提供する様々な形状で構成されている、複数の光学テーパリレーモジュールの配置220の直交図を例解する。この目的のために、
図22は、放出エネルギー源側面とリレー出力表面との両方が、入力および出力光線に対するより大きな制御を可能にする、湾曲した形状で構成されている、
図14の5つのモジュールを有する構成を例解する。
【0177】
図23は、複数の光学テーパリレーモジュールの、その個々の出力エネルギー表面が視認者を囲むシームレスな凹面の円筒形エネルギー源表面を形成するように構成され、リレーの源の端部が平坦であり、各々が、エネルギー源に接合されている、配置225の直交図を例解する。
【0178】
図
23に示す実施形態で、
図19、
図20A、
図20B、
図21、および
図22に示す実施形態と同様に、システムは、第1および第2の方向にわたって配置された複数のエネルギーリレーを含み得、リレーの各々において、エネルギーは、長手方向の配向を画定する第1および第2の表面の間で輸送され、リレーの各々の第1および第2の表面は、第1および第2の方向によって画定される横方向の配向にほぼ沿って延在し、長手方向の配向は、横方向の配向に実質的に垂直である。また、この実施形態では、複数のリレーを通って伝搬するエネルギー波は、長手方向の配向の最小屈折率変動に伴う横方向の配向のランダムな屈折率変動により、横方向の配向よりも長手方向の配向において高い輸送効率を有する。各リレーがマルチコアファイバで構成されているいくつかの実施形態では、各リレー素子内を伝搬するエネルギー波は、この配向のファイバの整列によって決定される長手方向の配向に進行し得る。
【0179】
一実施形態では、上述したものと同様に、複数のリレー素子の各々の第1および第2の表面は、概して、横方向の配向に沿って湾曲し得、複数のリレー素子は、第1および第2の方向にわたって一体的に形成され得る。複数のリレーは、第1および第2の方向にわたって組み立てられ、少なくとも2×2構成を有するマトリックスに配置され、ガラス、光ファイバ、光学フィルム、プラスチック、ポリマー、またはそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のリレーのシステムは、第1の方向または第2の方向に沿って単一のタイル状表面をそれぞれ形成するように、第1の方向または第2の方向にわたって配置され得る。上記のように、複数のリレー素子は、当業者には理解され得るように、他の構成の中でも特に限定されないが、3×3構成、4×4構成、3×10構成を含む他のマトリックスに配置され得る。他の実施形態では、単一のタイル状表面間の継ぎ目は、単一のタイル状表面の最小寸法の2倍の視距離では認知不能であり得る。
【0180】
エネルギーリレーのモザイクの場合、以下の実施形態が含まれてもよい:第1および第2の表面の両方が、平面であり得るか、第1および第2の表面の一方が、平面であり、かつ他方が非平面であり得るか、または第1および第2の葉面が、非平面であり得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の表面の両方は、凹面であり得るか、第1および第2の表面の一方は、凹面であり、かつ他方は、凸面であり得るか、または第1および第2の表面は、凸面であり得る。他の実施形態では、第1および第2の表面のうちの少なくとも一方は、平面、非平面、凹面、または凸面であり得る。
【0181】
いくつかの実施形態において、複数のリレーは、他の種類のエネルギー波の中でも特に限定されないが、電磁波、光波、音響波を含むエネルギー源の空間拡大または空間縮小を引き起こし得る。他の実施形態では、複数のリレーはまた、複数のエネルギーリレー(例えば、エネルギー源のためのフェースプレートなど)も含み、複数のエネルギーリレーは、他の寸法の中でも異なる幅、長さを有し得る。いくつかの実施形態では、複数のエネルギーリレーはまた、ゆるやかなコヒーレント光学リレーまたはファイバも含み得る。
【0182】
[ビーム誘導のための投影技術の利用]
ビーム誘導のためのフレキシブルなエネルギー源および投影技術の様々な実装形態のために、投影技術を活用し、さらなる制御により出力される可視角度を制御することがさらに可能である。
【0183】
図24は、本開示の一実施形態による、光学リレー投影ベースの技術対前述のパネルベースの方法を使用した画像生成の直交図を例示する。プロジェクタの機械的なエンベロープ234は、レンズ226を使用してテーパ状光学リレー236の縮小端部に投影されるディスプレイを含む。
【0184】
最も単純な形態では、既知のプロジェクタは、エネルギー源パネル(または当技術分野で知られているような光変調器など)、光源、および集束レンズ226からなる。いくつかの最新技術の実装形態は、コリメートまたは制御された光を活用することによって、集束素子またはエネルギー源パネルの使用を減らすことができ、この実施形態にも等しく関連する。投影図のピンホールの説明を簡略化することによって(ただし、疑義を避けるために、これは説明の目的であり、投影システムまたは関連する可視光線を設計する方法ではない)、投影画像からの各可視ピクセルは、明示的に画定される可視光線を形成する。従来、これらの光線は、光を散乱させ、より均一な画像を生成する傾向があるより多くのランベルト表面に投影される。しかしながら、偏光状態を含む光の特定の反射特性を維持するために、従来使用されている銀スクリーンが利用される場合、投影画像は、投影システムの視野角依存性をより多く保持し、見られる画像に、投射画像のホットスポットまたはケラレを含む不均一性を生じさせる傾向がある。
【0185】
これらの特性は従来、投影画像化用途にとって理想的ではなく、回避されているが、光ファイバを通して特定の角度の光をリレーする能力は、かなりの潜在的な見られるエネルギー源特性を有する。
【0186】
図
24に示されるように、単一の投影光源234および単一の光学リレー236(
図14に示されるものと同様)を活用することは、場合によっては、非常に異なる見られる出力結果を生成する可能性がある。この手法による依存性は、投影システムによって生成されたピクセル内に含まれる各ピクセルについての入力角度に基づいており、その結果、投影システムの光学テーパリレーのエネルギー源側面からの距離、ならびに視野、アパーチャ、照明方法、および投影技術の光学および光伝送システムによって定義される他の特性がもたらされる。
【0187】
ピンホール投影システムを仮定すると(簡単にするために)、図24は、単一のプロジェクタが図24に示されるような光学材料の単一のエネルギー源側面に投影するときに、エネルギー源表面から生じる光線の相対視野角依存性を例解する。投影画像の縁部に位置するピクセルによって画定される最も広い角度は、同じ結果として生じる投影画像サイズまたはピクセルピッチのパネルベースのエネルギー源によってアドレス指定される同じピクセルとは異なる結果として生じる可視出力照明円錐を生成し得る。これは、パネルベースのエネルギー源からの光の比較的均一な角度分布対投影ベースの技術によって説明されるより角度的に保持する方法に起因し得る。
【0188】
図25は、本開示の一実施形態による、図25の5つのオフセット投影源242a、242b、242c、242d、242eの、特定の構成によって生成された主光線角度243を有するテーパ状光学リレー236からの出力可視光線に対して、必要に応じて個々の画像を生成する配置240の直交図を例解する。この手法では、1つ以上の投影源242a、242b、242c、242d、242eからの複数の画像を、可視光線がそれぞれの説明される光線について角度バイアスを保持し得る平行光学構成で投影することが可能である。エネルギー源パネル244がエネルギー源レンズ226の光軸からアレイの中心からのエネルギー源パネルの距離に比例した量だけ変位している、軸外投影光学系の使用は、平行アレイ構造を維持しながら、これらの画定された画像の各々の重なりを可能にし得る。この手法は、同一の画像が提示され、エネルギー源側面に較正されるときにエネルギー源の可視画角を拡大するか、または異なる画像を投影し、視野角によって画定される多数の2D可視画像を較正するか、またはより制御されたホログラフィックおよび/またはライトフィールドディスプレイのための光の角度をより均一に分布する能力を提供する。
【0189】
他の実施形態では、複数のエネルギーリレー236の各々は、それぞれのリレー素子の第1および第2の表面の間に傾斜したプロファイル部分を含み得、傾斜したプロファイル部分は、複数のリレー素子の法線軸に対して非直角な角度で、角度をなすか、直線状であるか、湾曲するか、テーパ状であるか、切子面状であるか、または整列され得る。
【0190】
動作中、上述したものと同様に、複数のエネルギーリレーの各々の第1の表面は、放射エネルギー源ユニットからエネルギー波を受信するように構成されてもよく、放射エネルギー源ユニットは、第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも一方の幅とは異なる幅を有する機械的なエンベロープ(例えば、個々のユニット242の各々の全体の長さおよび幅)を含む。一実施形態では、第1の表面を通過するエネルギー波が、第1の解像度を有する一方で、第2の表面を通過するエネルギー波は、第2の解像度を有し、第2の解像度は、第1の解像度の約50%以上である。別の実施形態では、エネルギー波は、第1の表面に呈されるときに均一なプロファイルを有する一方で、第2の表面上の位置に関係なく、第2の表面の法線に対して約±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、前方方向のエネルギー密度であらゆる方向に放射する第2の表面を通過し得る。
【0191】
機械的なエンベロープは、波エネルギーを位置の関数として操作する導波路を有する投影システムと、リレー素子に隣接して配設された複数の放射エネルギー源と、を含み、複数の放射エネルギー源は、平面、非平面、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、複数の放出エネルギー源は、傾斜、一定角度での整列、千鳥状、軸上、軸外、回転、平行、直角、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、様々な構成で配置されてもよい(
図26~
図28に最もよく示されている)。別の実施形態では、複数の放射エネルギー源は、半径方向に対称な構成で配置されてもよい(
図26~
図28に最もよく示されている)。これについては、後続の図面および説明でより明らかになる。
【0192】
投影システムは、導波路を通る集束されたエネルギー伝送を含み得、整列していない角度でテレセントリックレンズリレー素子をさらに含み得る。システムは、複数のエネルギーリレーと投影システムとの間に湾曲したエネルギー源をさらに含み得る。
【0193】
投影システムを収束させることによって投影光源を整列させて、光学オフセットを用いずに、または光学オフセットをほとんど用いずに、照明の重なりを生成することがさらに有利であり得る。これは、半径方向、対称、非対称、平面回転、または製造または較正プロセスを通じて正確な距離および投影角度が分かっている場合の上記の任意の組み合わせで実施され得る。
【0194】
図25の変形形態では、本開示の一実施形態による、投射源の配置は、各モジュールのエネルギー源側面で重なりを生成するために、回転と共に平面配向に整列される。
【0195】
図26は、本開示の一実施形態による、投影源262a、262b、262c、262d、262eの配置260が、エネルギー源モジュール上の画像に重なるように半径方向に対称な構成により収束される、図
25の変形形態の直交図を例解する。
【0196】
回転収束が活用される場合、投影画像の結果として生じるキーストーン、およびモジュールのエネルギー源側面に提示されるすべてのピクセルにわたって焦点を維持するのに十分に広い領域ではない可能性がある許容可能な焦点も考慮しなければならない。
【0197】
画像のキーストーン化に対応するために、個々の投影システムによって生成される正確な必要とされる変位を構成する歪んだ画像を投影するようにシステムを較正することが可能であり得、投影画像の最大の幅または高さに整列せされた場合に、照明情報が得られないような任意の投影領域を除去するために、各プロジェクタによって生成された画像円をオーバースキャンしてもよい。
【0198】
十分ではない任意の光学系に対する許容可能な焦点範囲の増大に対応するために、より広い被写界深度を生成するようにアパーチャサイズを縮小するか、必要な異なる焦点平面に対応するように光学系を変更するか、よりコリメートされた光源を用いる他の投影技術を活用するか、または当技術分野で既知の他の任意の投影の変形形態を活用してもよい。かかる一実施形態では、MEMタイプの投影システムは、距離に関係なく焦点のない画像を生成するために空間変調コリメート光を操縦する。
【0199】
また、非直角なエネルギー源側面およびエネルギー源表面の構成、ならびに上記のパネルベースのエネルギー源セクションで前に定義されたようなモジュールのアレイを有する構成を用いて、上記の投影手法を活用することも可能であり得る。
【0200】
図27は、本開示の一実施形態による、5つの光学テーパリレーモジュール272a、272b、272c、272d、274eが整列されている配置270の直交図を例解し、各々が、独立して計算された凹面のエネルギー源側面の表面と、独立して計算された凸面のエネルギー源構成と、を有し、5つの投影源274a、274b、274c、274d、274eが、入力、出力、および可視画角プロファイルに対する厳密な制御を生成する方法で半径方向に収束するように構成されている。疑義を避けるために、
図27は、任意の表面の形状が活用されている可能性があるか、任意の投影構成が用いられている可能性があるか、またはこれらの手法と任意のパネルベース手法との任意の組み合わせが、特定のエネルギー源の要件に応じて活用されている、1つの例示的例解である。
【0201】
図28は、
図27のモジュールを活用しているが、各プロジェクタ242a、242b、242c、242d、242eが、各光学リレーを照明している配置280の直交図を例解する。各個々の投影源282からの画像は、光学リレー232の数によって細分化され得る。レンズアレイ284からの専用の多素子小型レンズは、すべてのプロジェクタからの重なっている光を各リレーの第1の表面に集束させる。これにより、各部分画像がプロジェクタから出るときに近テレセントリック光線が生成される。このアーキテクチャにより、各光学リレー専用の複数の投影光源を除去する。
【0202】
いくつかの例では、エネルギー源側面の直径(集束カメラに必要な任意のオーバースキャンを考慮する)と同じ(または同様の、そうでなければ意図的に設計された)直径である画像円を有するアパーチャを有する小型レンズアレイを製造することが可能であり得る。高密度投影アレイの場合、各重なっている画像は、各生成された小型レンズ画像のCRAに基づいてわずかにオフセットされてもよい。小型レンズアレイの出口でテレセントリックまたは近テレセントリック光線をさらに生成して、この潜在的な整列の課題またはアーチファクトに対処するのを助けるために、より複雑な光学系が実装され得る。
【0203】
さらに、それぞれの小型レンズからの投影画像が得られる正確な投影距離および/またはCRAを計算することが可能であり、そこでは、軸外投影光源はもはや、小型レンズの真下のエネルギー源側面モジュールと整列しなくてもよい。このようにして、投影されたサブ画像を意図的に補正して、より複雑な光学系の追加を回避するシステムを設計することが可能である。この補正は主に軸外歪みを除去するためのシフトであるので、この補正はオフセットとして表される。実際には、これはオフセットと歪みであり、これには追加の画像較正と特性評価が必要である。
【0204】
かかる一実施形態では、5個の投影源は、10個の小型レンズと10個の光学リレーと共に活用され、N個のプロジェクタは、エネルギー源側面の画像の各々を直接アドレス指定し、単一の投影アレイから視野角の増大がもたらされることを回避するために、N個-1またはN個+1の各プロジェクタは、N個のプロジェクタへの配向に対応して1つのモジュール(またはXで表されるいくらかの量)だけオフセットされ、N個-2またはN個+2は、N個のプロジェクタへの配向に対応して2つのモジュール(またはXよりも大きい数)だけオフセットされる。この説明は例示のみを目的としており、任意の密度、または前述の他の構成と組み合わせてもよい。さらに、投影クラスタに所定の較正量だけ補正オフセットを加えることに加えて、より複雑な光学系を利用してよりテレセントリックな光線を形成し、同時によりテレセントリックな構造の利点を得ることが可能である。
【0205】
疑義を避けるために、上記で提案した構成のいずれも、水平および/またはアレイ状の分布を呈することがあるが、これらの説明または例示に含まれるものは、いずれも単一の水平または垂直の構成として解釈されるべきではない。
【0206】
[光ファイバモザイク設計への剛性でフレキシブルなエネルギーリレーまたは湾曲したリレーの追加]
より効率的な機械的整列を得るために、放出エネルギー源と出力エネルギー表面との間に追加のエネルギーリレーを導入することがしばしば有利である。この目的のために、エネルギー源については、機械的設計、整列、および/または較正プロセスのために必要に応じて、1つ以上の光学フェースプレート、光ファイバ、光学素子、または追加のリレー素子が導入され得る。
図29は、エネルギー源とテーパとの間に機械的オフセットを提供する、追加の光学フェースプレート292を含むシステム290の直交図を例解し、これは有利であり得る。複数の追加の光学素子が導入され得、
図29に示す実施形態は、例示の目的のためだけに提供されている。
【0207】
多数の並列光学リレーを有するシステムでは、
図29に示すようにフェースプレートを千鳥状にし、エネルギー源に垂直に、z軸に沿って各エネルギー源の位置をオフセットすることによって、第1の光学テーパの光学中心の位置を変更することなくエネルギー源の機械的なエンベロープに隙間を提供することが望ましくあり得る。このようにして、フェースプレートまたは光学テーパが、隣接するエネルギー源モジュールに関して様々な長さで存在することがあり、この千鳥状にすることが、アレイ内の複数の列または行にわたって起こり、エネルギー源を他の手段とオフセットすることなく、より高い全体的な機械密度を生成することができる。
【0208】
図30は、本開示の別の実施形態による、追加の光学フェースプレートを含むシステム300の直交図をさらに例解する。
図29のシステム30と同様に、
図30のシステム30は、異なるリレー表面(例えば、凹面)を有し、光学フェースプレートおよびリレー素子の長さがより短い。追加の光学フェースプレートのリレー素子の有無にかかわらず、任意の数の追加のリレー素子が、任意の光学構成に導入され得ることが当業者には理解されよう。
【0209】
図31は、全体的なエネルギー源システム内のエネルギー源の各々に対して機械的なエンベロープのための十分な隙間を提供する、9個のテーパ状光学リレー236のアレイであるが、5つの異なる長さの千鳥状のフェースプレート1~5を有する、かかる実施形態を示す。
【0210】
エネルギー源ピクセルピッチおよび要求される出力ピクセルおよび角度密度の仕様に応じて、要求される機械的なエンベロープに対して十分な隙間を機械的に提供しながら、同じであるかまたは別個の能動画像領域寸法を減少させる必要性がしばしば生じる。
【0211】
図32は、本開示の一実施形態による、ゆるやかなおよび/または曲がった光学リレーを活用することによって、いかなる拡大も伴わずに共に結合された複数のエネルギー源326の配置320の直交図を例解する。能動画像領域への変化が望まれない最も単純な形態では、ゆるやかなコヒーレント光学リレー322、画像導管、または曲がった光学リレーを活用することが可能である。ゆるやかなコヒーレント光学リレー322は、エネルギー源側面とエネルギー源領域との間のコヒーレンシを維持するために、2つの高密度端部を有するように設計されてもよい。一実施形態では、曲がった光学リレーまたは画像導管は、機械設計に必要とされる特定の曲線で設計された押出フェースプレートであり得る。ゆるやかなまたは曲がった光学リレーが設計されると、それらは、単一の出力ディスプレイ表面を形成するために隣接して集約され得、交互の端部は、機械的なエンベロープの干渉を伴わずにエネルギー源の能動領域に接合され得る。
図32は、複数のエネルギー源がいかなる拡大も伴わずに共に結合されている、かかる設計を示す。
【0212】
一実施形態では、システム320は、複数のフレキシブルなエネルギーリレー322を含み得、各々が、それぞれのリレーの第1および第2の端部の間でエネルギーを輸送するように構成され、複数のフレキシブルなエネルギーリレーの第1の端部は、複数の放出エネルギー源ユニット326に光学的に結合され、複数の放出エネルギー源ユニット326は、複数のフレキシブルなエネルギーリレーの第2の端部から離間配置され、複数のフレキシブルなエネルギーリレーの第2の端部は、集約出力エネルギー表面324を形成するように束にされる。追加のテーパ状エネルギーリレーがないと、集約出力エネルギー表面は、放射エネルギー源ユニットからのエネルギーに対して空間的に拡大されない可能性がある。テーパ状エネルギーリレーが集約出力エネルギー表面に取り付けられる場合、集約出力エネルギー表面は、テーパの第2の表面にリレーされ得、これは、テーパの拡大または縮小に応じて、放出エネルギー源ユニットからのエネルギーに対して空間的に縮小または拡大され得る。当業者であれば、リレー素子に関する上記の開示を本明細書に組み込むことができることを理解されよう。
【0213】
図33は、本開示の一実施形態による、配置330の直交図を例解し、これは、
図32の、画像を縮小して全体的なエネルギー源のより小さい寸法を提供するために、能動エネルギー源に追加の光学テーパリレー332が追加されているものである。
【0214】
一実施形態では、システム330は、複数のフレキシブルなリレー素子334を含み得、各々が、それぞれのリレー素子の第1および第2の端部の間でエネルギーを輸送するように構成され、複数のフレキシブルなリレー素子の第1の端部は、複数のエネルギー源ユニット336に光学的に結合され、複数のエネルギー源ユニット336は、複数のフレキシブルなリレー素子の第2の端部から離間配置され、複数のフレキシブルなリレー素子の第2の端部は、集約エネルギー表面332を形成するように束にされている。
【0215】
いくつかの実施形態では、複数のフレキシブルなリレー素子334は、複数のゆるやかなコヒーレント光学リレーを含む。他の実施形態では、集約エネルギー表面332は、システムの端部部分であり、端部部分のエネルギーは、エネルギー源ユニット336からのエネルギーに対して空間拡大されていない。別の実施形態では、集約エネルギー表面332は、システムの端部部分であり、端部部分のエネルギーは、エネルギー源ユニット336からのエネルギーに対して空間拡大されている。さらに別の実施形態では、集約エネルギー表面332は、システムの端部部分であり、端部部分のエネルギーは、エネルギー源ユニット336からのエネルギーに対して空間縮小されている。
【0216】
機械的な理由から、追加する必要がある任意の追加の光学素子をオフセットするために、エネルギー源に対していくらかの量の拡大を生成するテーパ状光学リレーを提供することが有利であり得る。このようにして、第1のテーパ状光学リレーが、アレイ内の他のテーパと集約されて拡大された寸法のものであり、もしあれば、ゆるやかなコヒーレント光学リレーまたは曲がった光学リレーを結合するのに必要な拡大の量を有する正しい寸法に等しい、2つまたは3つ(またはそれ以上)の光学素子を有するシステムを設計することが可能であり得る。この第2の素子は、設計に対して最適化されているように、能動エネルギー源領域、または第3の光学フェースプレートもしくはテーパ状光学リレーに直接取り付けられ得る。
【0217】
図34は、本開示の一実施形態による、機械的なエンベロープ342を有するディスプレイ343に接続された第1のテーパ状光学リレーと、縮小画像表面を提示するテーパ状光学リレーの光学的に縮小された端部と、縮小画像を伝搬し、単一のエネルギー表面348を有するテーパ状光学リレーモザイクの一部である追加のテーパ状光学リレー346と嵌合する、第2のゆるやかなコヒーレント光学リレーまたは曲がった光学リレー344と、を有する配置340の直交図を例解する。
【0218】
図35は、本開示の一実施形態による、限定された機械的なエンベロープ間隔で間隙を除去し、単一のエネルギー表面358を生成するように、全体的なアレイの中の光学リレー素子の位置に応じて、様々な角度で光学フェースプレート356傾斜させる能力を有する配置350の直交図を例解する。完全なテーパ状設計を必要としないエネルギー源間のより小さな間隙を低減するために、非直角なフェースプレートも追加の実施形態において構築され得る。
図35において、エネルギー波源354は、駆動電子機器用の機械的なエンベロープ352内に設けられ得る。
【0219】
疑義を避けるために、提供された例は例示目的のためだけであり、光学リレー素子の任意の組み合わせは必要に応じて組み合わせられてもよく、実用的、製品の、または機械的目的に適していてもよい。明確にするために、テーパ状光学リレーは、1:1を含み得るある程度の比率の拡大率を有し、したがって、光学リレーテーパに関するすべての開示は、光学リレーテーパ、光学フェースプレート、曲がった光学リレー、ゆるやかなコヒーレント光学リレー、または複数のエネルギー源を単一の隣接するエネルギー源に集約する目的のためのこれらの特性および材料の任意の他の使用と互換性があるとみなされ得る。
【0220】
[光ファイバの視野依存性]
図36は、本開示の一実施形態による、光学テーパリレー設計360を用いて生成される一般的な形状の直交図を例解する。テーパの縮小端部362に入る光の角度は、光線が進行する媒体がもはや平行ではなくなり、その結果生じる出口の角度が減少するので、直径が増大するにつれてよりコリメートされるようになる。しかしながら、これらのよりコリメートされた光線は、エネルギー源の表面に対して直角ではない可能性のある角度になる傾向があり得る。逆の場合も同様であり、テーパの拡大端部に入る光線は、直径が小さくなるにつれてコリメートされなくなる。
図36は、かかるテーパ状リレー素子設計を用いて製造される一般的な形状を有する概念を例解する。
【0221】
一実施形態では、システムは、エネルギー表面を提供するように構成された複数のエネルギー源ユニットであって、第1のピッチを有する複数のエネルギー源ユニットと、エネルギー源に隣接して配設された複数のリレー素子であって、複数のリレー素子が、第2のピッチを有し、第2のピッチが、第1のピッチよりも小さい、複数のリレー素子と、を含み得、複数のエネルギー源ユニットのうちの第1のエネルギー源ユニットは、第1のエネルギー源ユニットを通るエネルギー伝搬経路の角度範囲によって画定される第1の視野を有するように構成され、エネルギー伝搬経路に配設された複数のリレー素子のサブセットは、複数のリレー素子のサブセットを通るエネルギー伝搬経路の角度範囲が、第1の視野よりも広い第2の視野を有するように、エネルギー伝搬経路を再分配するように構成されている。
【0222】
いくつかの実施形態では、複数のエネルギー源ユニットの各エネルギー源ユニットは、ピクセルであり、または複数のエネルギー源ユニットの各エネルギー源ユニットは、テーパ状リレー素子であり、エネルギー伝搬経路は光路である。他の実施形態では、エネルギー源は、複数のエネルギー源ユニットの表面に設けられる。いくつかの実施形態では、エネルギー源が設けられている表面は、仮想表面であり、仮想表面は、複数のエネルギー源ユニットからリレーされたエネルギーを受信するように構成された表面である。他の実施形態では、複数のリレー素子は、フェースプレートと、光学素子と、光ファイバと、を含む。
【0223】
一実施形態では、複数のリレー素子の各々は、複数のリレー素子の各々のランダム化された屈折率変動により、横方向の配向よりも長手方向の配向において高い輸送効率でエネルギー伝搬経路を通るエネルギーを再分配するように動作可能であり得、そのためエネルギーが横方向の配向に局在化される。別の実施形態では、リレー素子の長手方向の配向の最小屈折率変動に伴うリレー素子の横方向の配向のランダム化された屈折率変動は、長手方向の配向に沿って実質的により高い輸送効率を有するリレー素子を伝搬するエネルギー波、および横方向の配向に沿った空間局在をもたらし得る。
【0224】
光源を下にして上からテーパを見るとき、縮小端部(エネルギー源側面)を下にして置くと、光源を見る能力が軸から離れて低下し、光源における画像化データは、それが見えなくなるまで軸外のコントラストを急速に失う。これは、縮小端部の許容角度が、利用可能な光または画像をリレーの配向に見合った角度でよりコリメートされた円錐をリレーしており、それによって、拡大率に基づいて光を見る能力が低下するためである。例えば、テーパ拡大端部のNAが1で、完璧な状況で、±60度の光を放射する光源で、3:1のテーパ状である場合、3:1の拡大率は、おおよそ±20度である円錐に対する光源を見る能力を変更することになり、おおよそ0.33の有効NAをもたらす。これは例示目的のためだけの概算である。
【0225】
図37は、縮小端部が空間的に均一な光分布を放出するエネルギー源に接合されている場合に、軸外の視認者がテーパ370の拡大端部から出る光から観察するであろう陰影を例解する。テーパが逆に配置されている場合、縮小端部からの視野が、設計および材料の物理的性質に基づいて増加する場合、反対のことが起こり得る。
【0226】
図38は、各テーパの縮小端部が空間的に均一な光分布を放出するエネルギー源に接合されている、軸外の視認者がテーパ380のアレイのシームレスな出力エネルギー表面上で観察するであろう陰影を例解する。生じる陰影は、各個々の光学リレー表面を横切って出る光の円錐の主光線角度の傾斜の位置依存性の結果である。これは、エネルギー源からの光出力が視野に依存することを意味する。
【0227】
概して言えば、複数のテーパおよび/または他のファイバ素子のアレイからなるエネルギー源からの光出力の視野依存性は、2Dエネルギー源およびライトフィールドディスプレイにとって望ましくない特徴である。
【0228】
[視野拡大のための光学リレー]
追加の拡大を導入することなく任意の光源の視野角を広げるために追加のリレー素子を使用することが可能であり得る。
【0229】
図39は、本開示の一実施形態による、数ミクロン程度のファインフピッチおよびテーパの拡大端部よりも高いNAを有する光学フェースプレートが、ディスプレイ表面390をわたって均一性の増大および増大した画角を呈する、視野拡張のための追加の光学リレーの直交図を例解する。
【0230】
かかる実施形態では、設計は、テーパ状光学リレー396と、テーパの拡大端部から数ミクロン離れて配置された光学リレーフェースプレート395と、を含み、小さい間隙394を形成し得る。この距離は、所望の効果、フェースプレートファイバのピッチ、接合材料、フェースプレート材料、または光学設計の他の要件に応じて調整され得る。フェースプレートは、テーパの出口の有効NAよりも大きいNAを持つ必要がある。
図39では、光の経路は、テーパ状光学リレー392の縮小端部から、線393で示される経路にほぼ沿ってディスプレイ表面へと進行する。これらの条件が満たされると、テーパからの光線は円錐の半径を横切るエネルギーの分布を有する円錐として出て、光のより高い許容角度でフェースプレート内に含まれる複数の異なる小さいファイバに進行する一群の光線397を形成し、そのようにして、各光線が交差する複数のフェースプレートファイバの各々に対して軸外で始まり、これらの軸外フェースプレートファイバは、各々、それ自体の出口円錐398を生成し、光学中心の左側を出る光線はここでまた、右側にも見え、その逆もまた同様である。設計に応じて、この実施形態は、最大で光学フェースプレート材料の許容角度に近い出口を達成することができ、これは均一性の大幅な増大である。しかしながら、テーパの出口角度は、テーパを出る光線がフェースプレート材料の許容角度内で円錐を形成しなければならない場合、光線がテーパから光学フェースプレートを通る出口の光線のより均一な分布を十分に形成するために、フェースプレートの許容角度との関係を維持しなければならない。経験則として、フェースプレートのNAはテーパの出口のNAの2倍にする必要がある。
【0231】
一実施形態では、ファイバ光学を用いて構成されたリレー素子は、リレー素子の拡大端部において、2:1の拡大率、9ミクロンのファイバピッチ、および0.5のNAを有するテーパを提供するように作成され得る。光がテーパの拡大端部を出ると、光は、出る許容円錐397の効果的な減少により、例えば、おおよそ±26.5度の視野内でしか見ることができない。NAが1であり、ファイバピッチが3ミクロンの追加の光ファイバフェースプレートは、テーパの表面上に4.5ミクロンの間隙394を空けて配置され得、視野角は、例えば±45度の視野角398に増大され得る。
図39は、視野拡大のための追加の光ファイバリレーに対するこの手法を例解する。
【0232】
追加の実施形態では、エネルギー源もしくはエネルギー源表面のいずれかもしくは両方、または他の任意の光学リレー平面に様々な研磨が施される。粗い研磨を提供することは、すりガラスのような効果を生成するように作用し、それによって、画像を拡散させて、増大する視野角分布に対処する。これは、施される粗い表面の量に応じて、MTFを犠牲にする。
【0233】
開示された実施形態は、フェースプレートのピッチが、発光源よりも高い密度および十分に大きい許容角度を有するNAを有する限り、この手法が、任意の他の発光源に適用可能であり得るので、光学リレーに限定されない。
【0234】
一実施形態では、
図39の光学リレーは、第1および第2の異なる材料を有するリレー素子396を有するシステム内に組み込まれてもよく、第1および第2の材料は、横方向の配向および長手方向の配向のうちの少なくとも一方で実質的に反復する内部構造体に配置され、そのためリレー素子が、横方向の配向に対して長手方向の配向においてより高い輸送効率を有する。動作中、エネルギーは、リレー素子396の第1の端部392に提供されるように動作可能であり、エネルギーは、第1の端部に第1の解像度を有し、リレー素子396の第1の端部392は、横方向の配向および長手方向配向のうちの少なくとも一方で実質的に反復する内部構造体のピッチを有するように構成され、ピッチは、横方向の配向の第1の端部においておおよそエネルギーの第1の解像度以下であり、それによって、第2のリレー素子396の第2の端部394を出るエネルギーは、第2の解像度を有し、第2の解像度は第1の解像度の50%以上である。別の実施形態では、エネルギー波は、第1の表面に呈されるときに均一なプロファイルを有する一方で、第2の表面上の位置に関係なく、第2の表面の法線に対して約±10度の開口角を有する円錐を実質的に充填する、前方方向のエネルギー密度であらゆる方向に放射する第2の表面を通過し得る。
【0235】
別の実施形態では、リレー素子396は、第1および第2の材料とは異なる第3の材料を含み得、第3の材料は、横方向の配向および長手方向の配向のうちの少なくとも一方に実質的にランダム化された内部構造体に配置される。さらに別の実施形態では、リレー素子396は、第1および第2の材料とは異なる第3の材料を含み得、第3の材料は、横方向の配向および長手方向の配向のうちの少なくとも一方に実質的にランダム化された内部構造体に配置される。
【0236】
一実施形態では、リレー素子396の第1の端部392の中心部分は、リレー素子396の第1の端部表面に対して実質的に直角に整列されたエネルギー入口円錐を有するように構成され得る。別の実施形態では、リレー素子396の第2の端部394の中心部分は、リレー素子396の第2の端部表面に対して実質的に直角に整列されたエネルギー出口円錐を有するように構成され得る。さらに別の実施形態では、リレー素子396の第1の端部392の中心部分は、リレー素子396の第1の端部表面に対して非直角に整列されたエネルギー入口円錐を有するように構成され得、リレー素子396の第1の端部392の表面は、非平面の端部表面を含む。さらに別の実施形態では、リレー素子396の第2の端部394の中心部分は、リレー素子396の第2の端部の表面に対して非直角に整列されたエネルギー出口円錐を有するように構成され得、リレー素子396の第2の端部394は、非平面の端部表面を含む。
【0237】
一実施形態では、リレー素子は、端部表面の第1の領域を含み、リレー素子の第2の端部は、端部表面の第2の領域を含む。別の実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部の各々は、複数の個別の端部部分を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、リレー素子は、ガラス、カーボン、光ファイバ、光学薄膜、プラスチック、ポリマーまたはそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、リレー素子は、エネルギーの空間拡大または空間縮小を引き起こす。
【0239】
一実施形態では、リレー素子は、複数のフェースプレートを有する積層構成を含む。いくつかの実施形態では、複数のフェースプレートは、異なる長さを有するか、またはゆるやかなコヒーレント光学リレーである。
【0240】
一実施形態では、リレー素子は、傾斜したプロファイル部分を含み、傾斜したプロファイル部分は、リレー素子の法線軸に対して非直角な角度で、角度をなすか、直線状であるか、湾曲するか、テーパ状であるか、切子面状であるか、または整列され得る。別の実施形態では、エネルギーは、エネルギー源ユニットから受信され、エネルギー源ユニットは、リレー素子の第1および第2の端部の少なくとも一方の幅とは異なる幅を有する機械的なエンベロープを有する。さらに別の実施形態では、機械的なエンベロープが、レンズと、レンズに隣接して配設された複数のエネルギー源パネルと、を有する、投影システムを含み、複数のエネルギー源パネルは、平面、非平面、またはそれらの組み合わせである。
【0241】
一実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、傾斜、一定角度での整列、千鳥状、軸上、軸外、回転、平行、直角、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、様々な構成で配置されている。別の実施形態では、複数のエネルギー源パネルは、半径方向に対称な構成で配置されている。いくつかの実施形態では、投影システムは、導波路を通る集束されたエネルギー伝送を含み、整列されていない角度でテレセントリックレンズリレー素子をさらに含む。
【0242】
一実施形態では、システムは、リレー素子と投影システムとの間に湾曲したエネルギー源をさらに含む。いくつかの実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部は、両方とも平面であるか、またはリレー素子の第1および第2の端部は、両方とも非平面であるか、またはリレー素子の第1の端部は、非平面であり、かつリレー素子の第2の端部は、平面であるか、またはリレー素子の第1の端部は、非平面であり、かつリレー素子の第2の端部は、非平面である。
【0243】
いくつかの実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部は、両方とも凹面であるか、またはリレー素子の第1の端部は、凹面であり、かつリレー素子の第2の端部は、凸面であるか、またはリレー素子の第1の端部は、凸面であり、かつリレー素子の第2の端部は、凹面であるか、またはリレー素子の第1および第2の端部は、両方とも凸面である。
【0244】
一実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部のうちの少なくとも一方は、凹面である。別の実施形態では、リレー素子の第1および第2の端部のうちの少なくとも一方は、凸面である。
【0245】
図40は、本開示の一実施形態による、光学フェースプレートリレー395に延在する視野以外の任意の他の光学素子を用いずに、有効視野角を増大させるための従来のエネルギー源に対する
図39からの設計の適用性の直交視400を例解する。
図40は、従来のバックライトLCDに対するこの設計の適用可能性を例解しているが、投影、他のエネルギー源の種類、および他の無数の用途にも適用することができる。
図40では、構造体402は、従来のディスプレイのピクセルピッチを表し、光学フェースプレートリレーの個々のファイバ406は、実質的により小さいピッチを有する。フェースプレートからの光線F2の放射角度は、ディスプレイのみからの光線F1よりも広い視野408を形成する。
【0246】
一実施形態では、エネルギー源システム400は、エネルギー表面を提供するように構成された複数のエネルギー源ユニット402であって、第1のピッチを有する複数のエネルギー源ユニットと、エネルギー源に隣接して配設された複数のリレー素子406であって、複数のリレー素子406が第2のピッチを有し、第2のピッチが第1のピッチよりも小さい、複数のリレー素子と、を含み得、複数のエネルギー源ユニットのうちの第1のエネルギー源ユニットは、第1のエネルギー源ユニット402を通るエネルギー伝搬経路の角度範囲によって画定される第1の視野F1を有するように構成され、エネルギー伝搬経路に配設された複数のリレー素子のサブセットは、複数のリレー素子のサブセット404を通るエネルギー伝搬経路の角度範囲が第1の視野よりも広い第2の視野F2を有するように、エネルギー伝搬経路を再分配するように構成されている。
【0247】
一実施形態では、複数のエネルギー源ユニット402のうちのエネルギー源ユニット402の各々は、ピクセルであり得る。別の実施形態では、複数のエネルギー源ユニット402のうちの各エネルギー源ユニット402は、テーパ状リレー素子であり得る。いくつかの実施形態では、エネルギー伝搬経路は、光経路である。他の実施形態では、エネルギー源は、複数のエネルギー源ユニット402の表面に設けられる。
【0248】
一実施形態では、エネルギー源が設けられている表面は、仮想表面であり、仮想表面は、複数のエネルギー源ユニットからリレーされたエネルギーを受信するように構成された表面である。
【0249】
いくつかの実施形態では、複数のリレー素子404は、フェースプレートと、光ファイバと、を含む。他の実施形態では、複数のリレー素子404の各々は、複数のリレー素子の各々のランダム化された屈折率変動により、横方向の配向よりも長手方向の配向において高い輸送効率でエネルギー伝搬経路を通るエネルギーを再分配するように動作可能であり、そのためエネルギーが横方向の配向に局在化される。
【0250】
横方向アンダーソン局在技術を活用して、同じ効果のために光学フェースプレートを製造することができることに留意されたい。材料の原理は、明示的にファイバピッチを有さないが、平面座標におけるテーパ内の材料のNA値およびランダム分布は、光が出るときの光線の均一性の向上を提供するという同様の効果を有する。
【0251】
疑義を避けるために、本開示におけるいかなるものも、光源および材料の許容円錐にわたって均一性の向上を提供する光学リレー素子を組み込んだ設計の範囲の限定として解釈されるべきではない。
【0252】
[リレー導波路アレイ設計]
図41は、本開示の一実施形態による、研磨された非平面表面414および制御された拡大率を有する単一のテーパ状エネルギーリレーの拡大端部から放出される主エネルギー光線角度412の直交視410を例解する。
図42は、
図41に示されるテーパのアレイ420全体が、テーパ状エネルギーリレー表面の詳細設計および拡大により、空間に提示されるエネルギー分布をどのように制御することができるかについての直交図を例解する。
【0253】
所望の出口の角度および材料の設計に基づいて、テーパ状エネルギーリレーのモザイクのうちの1つのテーパから作られたエネルギー表面を丸い形状に研磨することが可能である。このようにして、別個のエネルギー導波路素子を使用しなくても、表面特性および材料の拡大率に基づいて、投影エネルギーの方向を直接制御することが可能である。ポリマー媒体に形成されたテーパの製造プロセスは、導波路アレイの全機能を果たすか、または別個のエネルギー導波路アレイの性能を単に増強する機能を果たす適切なエネルギー導波路アレイ表面を生成するための成形プロセスを含み得る。
【0254】
テーパがエネルギー導波路アレイの単一の素子と同じサイズであるか、またはいくらか大きいかもしくは小さい、テーパ状エネルギーリレーのアレイ全体を作ることも可能である。しかしながら、これは、各テーパが、N個またはN個の領域のいくつかの集合を効果的に表すことを必要とし、はるかに多くの個々のエネルギー源コンポーネントをもたらし、関連するであろう固定具の数を考慮すると整列は極めて困難になる。
【0255】
[光学リボン、エネルギー結合器、ならびに単一の双方向エネルギー表面を通じた同時エネルギー投影および検知]
前述の実施形態は、隣接する無限解像度ディスプレイ表面をどのように生成するかを例解しているが、光学リボンまたはエネルギー結合器を用いて各テーパ状光学リレー経路を第2のインターレース経路に分割することも可能である。エネルギー結合器は、2つ以上の独立した経路に分割されたインターレースリレー素子を用いて単一のエネルギー表面を生成する方法である。これは、解像度を効果的に高めるために使用され得るが、同時にそのエネルギー波を検知しながらエネルギー波を供給することにも活用され得る。
【0256】
図43は、このシステムにおける、インターレースリレー素子の一方の脚部434に接続されているエネルギー源432、およびインターレースリレー素子の他方の脚部433に接続されたエネルギーセンサ431からなる単一素子430の設計の直交図を例解し、リレー素子は、2つの脚部433、434の各々、および435によって形成されたインターリーブされた単一のエネルギー表面から構成される。
図43において、エネルギー導波路アレイ436も示されているが、それはリレー素子の一部ではないという事実にもかかわらず、出ていくエネルギー波を収束点438に導くと同時に、入ってくるエネルギー波をエネルギーセンサに導くように機能する。一実施形態では、放出ディスプレイは、エネルギー源として使用され、画像化センサは、ディスプレイからの光を検出するために使用される。
図43は、このシステムにおける、1つの双方向エネルギー表面、エネルギーを伝搬するための1つのインターレースセグメント、およびエネルギー表面でエネルギーを受信するための第2のインターレースセグメントからなる単一のリレー素子の設計を例解する。このようにして、これは、システム内のすべてのエネルギーリレーモジュール毎に反復されて、双方向のエネルギー表面が生成され得る。
【0257】
この手法により、単一のリレー素子のみを用い、エネルギー導波路アレイを用いずに、指紋または用紙、ドキュメントなどのようにディスプレイの表面に接触する任意の他の物体を高い精度でリアルタイムに光学的に走査することが可能である。逆較正プロセスを通して、すべての光学的アーチファクトを補正し、極めて高品質の解像度を生成することが可能である。
【0258】
別の実施形態では、画像結合器を用いた画像捕捉のためのこの方法は、位置に極めて正確に応答し、対話的に任意の数の他のディスプレイベースの機能を描画または実施することができる極めて正確な「ホワイトボード」または芸術的表面を生成する能力を提供する。
【0259】
追加の実施形態は、
図43に示されるように、組み込まれたエネルギー導波路と共にこの手法を活用する能力を提供する。電磁エネルギーの場合の一実施形態では、アレイ導波路素子によって提供される三角測量を使用することによって、環境内の物体の空間位置を比較的高い精度で決定することが可能である。これは、近くにある物体に対してはより正確であり、他の能動走査技術を使用せずに、環境と対話する複数の対象の空間位置を決定するときに、相対的な透過量を有する移動物体は、高い成功率を有する。音響エネルギーについての別の実施形態では、機械的圧力差を投影および検出するように、音波を伝送および吸収することが可能である。
【0260】
疑義を避けるために、すべての光学技術は、ガラス、プラスチック、無秩序な、コヒーレントの、横方向アンダーソン局在を呈する、または他の光学的もしくは他のリレー技術であってもよい。さらに、提供されている図面には、技術の任意の単一の実装または組み合わせを暗示、制限、口述、省略、要求またはその他の方法で含めるべきではない。さらに、提供される設計は概念的な形態であり、一定の縮尺ではない。
【0261】
アーキテクチャ内の様々なコンポーネントは、壁取り付け、テーブル取り付け、ヘッド取り付け、または技術の他の適切な実装を含むがこれらに限定されない、いくつかの構成で取り付けられてもよい。
【0262】
本明細書に開示された原理に従う様々な実施形態が上述されてきたが、それらの実施形態は、単なる例示としての目的のために示されており、限定されないことを理解されたい。したがって、本発明の幅広さおよび範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、本開示に由来する特許請求の範囲、およびそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。さらに、上記の利点および特徴は、記載された実施形態において提供されているが、上記の利点のいずれかまたはすべてを達成するプロセスおよび構造に対して、かかる由来の特許請求の範囲の適用を限定しない。
【0263】
本開示の原理的な特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく様々な実施形態の中で使用することができることを理解されたい。当業者は、日常的なわずかな実験を用いて、本明細書に記載された特定の手順に対する多くの等価物を認識するか、または探求することができるであろう。かかる等価物は、本開示の範囲内にあるとみなされ、特許請求の範囲によりカバーされる。
【0264】
さらに、本明細書におけるセクションの見出しは、37CFR1.77に基づく示唆との一貫性を持たせるために、またはそれ以外では内容構成のヒントを与えるために、提供されている。これらの見出しは、本開示に由来し得る任意の特許請求の範囲の中に記載された本発明を限定または特徴付けるものではない。具体的には、一例として、見出しが「発明の分野」と呼ばれていても、かかる特許請求の範囲は、いわゆる技術分野を説明するためのこの見出しの文言によって限定されるべきではない。さらに、「発明の背景」のセクションにおける技術の説明は、技術が本開示内の任意の発明の先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。「発明の概要」は、論点となる特許請求の範囲に記載された本発明の特徴付けとは、決してみなされない。さらに、本開示内での単数形の「発明」の言及は、本開示において単一の新規性のみ存在すると主張するために使用されるべきではない。複数の発明は、本開示に由来する複数の請求項の制限に従って記載され得、かつかかる請求項は、それによって保護される本発明およびそれらの等価物を定義する。すべての例では、かかる請求項の範囲は、本開示に照らしてそれら自体のメリットを考慮されるであろうが、本明細書内で記載された見出しによって制約されるべきではない。
【0265】
特許請求の範囲および/または明細書中の「備える(comprising)」という用語と併せて使用されるときに使われる「1つの(a)」または「1つの(an)」という語は、「1つ(one)」を意味し得るが、それはまた、「1つ以上(one or more)」、「少なくとも1つ(at least one)」、および「1つまたは1つ超(one or more than one)」の意味とも矛盾しない。特許請求の範囲の中で使用される「または(or)」という用語は、代替物のみに明示的に言及せず、または代替物が相互に排他的でない限り、「および/または(and/or)」を意味するように使用されているが、本開示は、代替物のみ、および「および/または(and/or)」を指す定義を支持する。本出願全体を通じて、「約(about)」という用語は、1つの値が、装置の固有の誤差ばらつきを含むことを示すために使用され、方法は、その値、または研究課題の間に存在するばらつきを判定するために使用されている。一般に、ただし前述の議論に対する対象であるが、「約(about)」などの近似の語により修飾された本明細書中の数的な値は、記述された値から、少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、10、12、または15%だけ変化する可能性がある。
【0266】
本明細書および特許請求の範囲で使用されているように、「備える(comprising)」(ならびに「comprise」および「comprises」などの任意の形式の備える)、「有する(having)」(ならびに「have」および「has」などの任意の形式の有する)、「含む(including)」(ならびに「includes」および「include」などの任意の形式の含む)、または「containing」(ならびに「contains」および「contain」などの任意の形式の包含する)という語は、包括的または開放的、追加的、引用されていない要素または方法ステップを排除しない。
【0267】
「その時(at the time)」、「同等(equivalent)」、「間中(during)」、「完全(complete)」等の比較、測定、およびタイミングに関する語は、「実質的にその時(substantially at the time)」、「実質的に同等(substantially equivalent)」、「実質的に~間中(substantially during)」、「実質的に完全(substantially complete)」等を意味すると理解されるべきであり、ここで、「実質的に(substantially)」とは、そのような比較、測定、およびタイミングが、暗黙のうちに、または明示的に記述された所望の結果を達成するために、実用的であることを意味している。「近く(near)」、「近接する(proximate to)」、「隣接する(adjacent to)」などの要素の相対的位置に関係する語は、それぞれのシステム要素の相互作用に実質的な影響を及ぼすのに十分近いことを意味するものとする。近似の他の言葉は、同様に、そのように変更されたとき、必ずしも絶対的または完全であるとはみなされないが、存在しているとしてその条件を指定することを保証するために、当業者にとっては十分近いとみなされるであろうということが理解される条件を指す。記述が変わる可能性の程度は、どのように大きな変化がもたらされるかに依存し、当業者であれば、修正されていない特徴の要求された特性および可能性を依然として有するような修正された特徴を認識するであろう。
【0268】
本明細書で使用される「またはそれらの組み合わせ」という用語は、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列および組み合わせを指す。例えば、A、B、C、またはそれらの組み合わせは、A、B、C、AB、AC、BC、またはABCのうちの少なくとも1つを含むことを意図しており、特定の文脈で順番が重要である場合には、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABも同様である。この例を続けると、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどのような1つ以上の項目または用語の繰り返しを含む組み合わせが明示的に含まれる。当業者であれば、文脈から明らかでない限り、典型的には、任意の組み合わせにおける項目または用語の数に制限はないことを理解するであろう。
【0269】
本明細書に開示および請求された組成物および/または方法のすべては、本開示に照らして過度の実験をすることなく作製および実行することができる。本開示の組成物および方法は、好ましい実施形態の観点から記載されているが、組成物および/または方法に対して、ならびに本明細書に記載された方法のステップまたはステップの順序において、本開示の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、様々なバリエーションを適用することができることは、当業者にとって明らかであろう。当業者に明らかなこのような類似の置換および修飾はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義される開示の趣旨、範囲および概念の範囲内であるとみなされる。