(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】ポンプ体固定装置及び加湿器
(51)【国際特許分類】
F04C 15/00 20060101AFI20230620BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20230620BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20230620BHJP
F16F 15/04 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
F04C15/00 K
F24F6/00 A
F16B5/02 U
F16B5/02 E
F16B5/02 Z
F16F15/04 A
(21)【出願番号】P 2023018678
(22)【出願日】2023-02-09
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202211687209.0
(32)【優先日】2022-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520066924
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲貝▼昂智能科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲義▼▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】路 ▲堯▼▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 其
(72)【発明者】
【氏名】向 冰
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 俊▲義▼
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-032566(JP,U)
【文献】実開昭52-161949(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 15/00
F24F 6/00
F16B 5/02
F16F 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部を有する加湿器に用いられるポンプ体固定装置において、
前記加湿器のポンプ体を被装するための本体部と、
前記本体部に設置されている第1接続耳と、
前記本体部に設置されている第2接続耳と、を含み、前記本体部、前記第1接続耳及び前記第2接続耳はいずれも弾性を有しており、
前記取付部には第1固定部材及び第2固定部材が設置されており、前記第1接続耳及び前記第2接続耳がいずれも弾性的に引っ張られた状態で前記第1固定部材及び前記第2固定部材とそれぞれ接続されて
おり、
前記第1固定部材及び前記第2固定部材はいずれも柱状構造を有しており、前記第2接続耳は前記第1接続耳と対称かつ一直線上に伸びるように設置されており、
前記第1接続耳には第1接続孔が、前記第2接続耳には第2接続孔が設置されており、
自然な状態において、前記第1接続孔と前記第2接続孔との間の距離が、前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離より短いことを特徴とする、
ポンプ体固定装置。
【請求項2】
前記取付部は前記加湿器の底部に設置されて
いる、
請求項1に記載のポンプ体固定装置。
【請求項3】
前記第1接続耳が前記第1固定部材に固定され、前記第2接続耳が前記第2固定部材に固定されている状態において、前記ポンプ体固定装置の伸長量が前記ポンプ体固定装置の長さの20%を下回らないことを特徴とする、請求項1に記載のポンプ体固定装置。
【請求項4】
前記第1接続耳、前記第2接続耳及び前記本体部がいずれもショアA硬度が40を上回らない材料によって作成されていることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ体固定装置。
【請求項5】
前記ポンプ体が動作していない場合、前記本体部と前記取付部の筐体との間に所定間隔が形成され、前記所定間隔が、前記ポンプ体の動作後における前記本体部の前記ポンプ体に伴う震動幅より大きいことを特徴とする、請求項1に記載のポンプ体固定装置。
【請求項6】
前記所定間隔の大きさが前記本体部の振幅の15%を下回らないことを特徴とする、請求項5に記載のポンプ体固定装置。
【請求項7】
前記ポンプ体には取水口及び放水口が設置されており、
前記取水口には取水管が接続され、前記放水口には放水管が接続されており、
前記取水管はショアA硬度が40を上回らない材質で作成され、前記取水管の壁厚は3mmを上回らず、前記放水管はショアA硬度が40を上回らない材質で作成され、前記放水管の壁厚は2mmを上回らないことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載のポンプ体固定装置。
【請求項8】
前記放水管が、前記取付部内で前記取付部の壁面に沿って少なくとも前記取付部の半周の長さを旋回した後、前記取付部の外まで延伸していることを特徴とする、請求項7に記載のポンプ体固定装置。
【請求項9】
前記取付部には固定クリップが設置されており、前記固定クリップは少なくとも前記取水管及び前記放水管のいずれか一方を固定しており、
前記固定クリップはショアA硬度が40を上回らない材質で作成されていることを特徴とする、
請求項7に記載のポンプ体固定装置。
【請求項10】
加湿器において、請求項1~6中のいずれかに記載のポンプ体固定装置を含むことを特徴とする、加湿器。
【請求項11】
加湿器において、請求項7に記載のポンプ体固定装置を含むことを特徴とする、加湿器。
【請求項12】
加湿器において、請求項8に記載のポンプ体固定装置を含むことを特徴とする、加湿器。
【請求項13】
加湿器において、請求項9に記載のポンプ体固定装置を含むことを特徴とする、加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、加湿設備技術分野、特にポンプ体固定装置及び加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
消費レベルが向上するにつれて、加湿器製品は北方の乾燥気候における必需品となり、それに対する人々の要求もますます高まっている。常に追求されているのは、機能の多さと性能の良さである。
【0003】
従来の加湿器には、一般に以下の3種類の形式がある。
1.フィルタ浸漬式、ポンプでフィルタに水を送って加湿する必要がない。この技術手法は、コストは低いものの、フィルタの浸漬により加湿にむらが生じるので、安価なローエンド製品に属する。
2.浸漬式とポンプによるフィルタへの吸上げ加湿との組み合わせ。マイクロポンプによる吸上げは高周波の震動音を発生させるため、これらの製品は、一般的に、睡眠に影響しない昼間にはポンプ式を採用し、夜間には、ポンプによる吸上げを停止して騒音の発生を回避する浸漬式、即ちスリープモードによる動作を採用している。これは比較的よく見られるやり方であり、ポンプによる吸上げ騒音を防止することについて、ユーザに対して一定の役割を果たしている。しかし、夜間には効果が大幅に下がる。
3.ポンプによる吸上げのみを採用。この方式は、ポンプの騒音問題に直面しており、上手く解決できない場合、ユーザ体験が非常に悪くなる。
【0004】
上記のポンプ吸上げの技術手法に対して、騒音問題を解決するために、現在、比較的よく見られるのは以下の方法である。
(1)水槽のポンプのように、ポンプを直接水中に浸す。ポンプを水中に浸すと、ポンプから生じる騒音が水によって遮られるので、設備の外側から聞くと、騒音は非常に小さくなる。しかし、一部の周波数の騒音は依然として有効にフィルタリングできず、また一部は震動によって伝達されるので、騒音に敏感な人はやはり不快に感じる。また、長期的に水に浸すことは、ポンプの電子部品の密封性にとって極めて大きな試練となる。
(2)防音綿(消音綿)などの騒音低減手段を使用する。これは、かなり公に認められている普遍的で有効な手段のひとつであり、例えば、自動車のエンジンや操縦室で使用される防音綿(消音綿)などがある。この種の手段を採用する場合、防音綿に対する要求はかなり高く、防音綿の厚さ、防音綿の有効騒音周波数帯、防音綿の取付及び震動防止などについて、いずれも高い技術的要求があるので、生産ラインの操作の難易度がかなり高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の目的は、従来の加湿器の騒音低減方式に限界があり、しかも騒音低減効果はごく普通であるのに、その方式ではコストがかかり、生産の難易度も高く、生産効率に影響しやすいという、従来の技術に存在する技術的課題をある程度解決するためのポンプ体固定装置及び加湿器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願では加湿器に用いるポンプ体固定装置を提供しており、前記加湿器は取付部を有しており、このポンプ体固定装置は、
前記加湿器のポンプ体を被装するための本体部と、
前記本体部に設置されている第1接続耳と、
前記本体部に設置されている第2接続耳とを含み、前記本体部、前記第1接続耳及び前記第2接続耳はいずれも弾性を有しており、
前記取付部には第1固定部材及び第2固定部材が設置されており、前記第1接続耳及び前記第2接続耳はいずれも弾性的に引っ張られた状態で前記第1固定部材及び前記第2固定部材とそれぞれ接続されている。
【0007】
上記の技術手法では、さらに、前記取付部は前記加湿器の底部に設置されており、前記第1固定部材及び前記第2固定部材はいずれも柱状構造を有し、前記第2接続耳は前記第1接続耳と対称に設置されており、
前記第1接続耳には第1接続孔が、前記第2接続耳には第2接続孔が設置されており、
自然な状態では、前記第1接続孔と前記第2接続孔との間の距離は、前記第1固定部材と前記第2固定部材との間の距離より短い。
【0008】
上記の任意の技術手法において、さらに、前記第1接続耳が前記第1固定部材に固定され、前記第2接続耳が前記第2固定部材に固定されている状態において、前記ポンプ体固定装置の伸長量は前記ポンプ体固定装置の長さの20%を下回らない。
【0009】
上記の任意の技術手法では、さらに、前記第1接続耳、前記第2接続耳及び前記本体部は、いずれもショアA硬度が40を上回らない材料によって作成されている。
【0010】
上記の任意の技術手法では、さらに、前記ポンプ体が動作していない場合、前記本体部と前記取付部の筐体との間に所定の間隔が形成され、前記所定の間隔は、前記ポンプ体の動作後における前記本体部の前記ポンプ体に伴う震動幅より大きい。
【0011】
上記の任意の技術手法において、さらに、前記所定の間隔の大きさは、前記本体部の振幅の15%を下回らない。
【0012】
上記の任意の技術手法において、さらに、前記ポンプ体には取水口と放水口が設置されており、
前記取水口には取水管が接続され、前記放水口には放水管が接続されており、
前記取水管はショアA硬度が40を上回らない材質で作成され、前記取水管の壁厚は3mmを上回らず、前記放水管はショアA硬度が40を上回らない材質で作成され、前記放水管の壁厚は2mmを上回らない。
【0013】
上記の任意の技術手法において、さらに、前記放水管は前記取付部内で前記取付部の壁面に沿って少なくとも前記取付部の半周の長さを旋回した後、前記取付部の外まで延伸している。
【0014】
上記の任意の技術手法において、さらに、前記取付部には固定クリップが設置されており、前記固定クリップは少なくとも前記取水管及び前記放水管のいずれか一方を固定しており、
前記固定クリップはショアA硬度が40を上回らない材質で作成されている。
【0015】
本願ではさらに加湿器を提供しており、上記のいずれかの技術手法に記載のポンプ体固定装置を含むので、該ポンプ体固定装置のすべての有益な技術的効果を有しているが、ここでは繰り返し述べない。
【0016】
従来の技術と比較すると、本願の有益な効果は次の通りである。
【0017】
本願で提供するポンプ体固定装置は、加湿器のポンプ体を被装するための本体部と、本体部に設置された第1接続耳と、本体部に設置された第2接続耳と、を含み、本体部、第1接続耳及び第2接続耳はいずれも弾性を有しており、取付部には第1固定部材及び第2固定部材が設置されており、第1接続耳及び第2接続耳はいずれも弾性的に引っ張られた状態で第1固定部材及び第2固定部材とそれぞれ接続されている。
【0018】
本願の実施例で提供するポンプ体固定装置は、ポンプ体固定装置の材質、設置方式など多方面を改良することにより、ポンプ体を浮かせて設置しており、実際の動作過程では、ポンプ体(ポンプ)の震動エネルギーがポンプ固定スリーブの跳躍弾性変形運動エネルギーに変換されて打ち消され、ポンプ体の動作時に生じる震動がこのポンプ体固定装置に伝達されると、取付孔付近で震動がほぼ完全に打ち消されるので、加湿器の動作過程で生じる騒音を有効に軽減することができる。ポンプ体は、動作の過程で震動が生じた場合も、加湿器筐体との衝突や共振を生み出さず、新たな騒音の発生によるユーザの使用体験への影響を防止している。しかも、このポンプ体固定装置は構造が簡単で、取付がスムーズであり、従来の防音綿などを使用する騒音低減方式と比べて、騒音低減効果が高いだけでなく、生産の難易度を顕著に引き下げ、コストを削減することにも役立っている。
【0019】
本願で提供する加湿器は、上記のポンプ体固定装置を含むので、そのポンプ体固定装置によってポンプ体を固定することにより、加湿器の動作時に生じる騒音を顕著に低減させ、ユーザの使用感を明らかに向上させることができる。
【0020】
本願の具体的実施形態または従来技術における技術手法をより明確に説明するために、以下では、具体的実施形態または従来技術の記述において使用する必要がある図面について簡単に説明する。以下に記述する図面は本願のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働を伴わないことを前提に、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本願の実施例で提供するポンプ体固定装置の取付状態における構造概略図である。
【
図3】本願の実施例で提供するポンプ体固定装置とポンプ体との間の組立概略図である。
【
図4】本願の実施例で提供するポンプ体固定装置の構成概略図である。
【
図5】本願の実施例で提供するポンプ体固定装置の初期状態における概略図である。
【
図6】本願の実施例で提供するポンプ体固定装置の、引っ張られた状態における概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図面と結び付けて本願の技術手法について明確かつ完全に記述しているが、記述している実施例は本願の実施例の一部であって、すべての実施例ではないことは明らかである。
【0023】
通常、ここでの図面で記述及び表示されている本願の実施例のアセンブリは、様々な配置によりレイアウト及び設計することができる。つまり、図面で提供されている本願の以下の実施例の詳細な記述は、保護を請求する本願の範囲を限定することを意味するものではなく、本願で選択されている実施例を表しているにすぎないのである。
【0024】
本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に取得したその他の実施例は、すべて本願で保護する範囲に属する。
【0025】
本願の記述において説明しておかなければならないが、用語である「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などが指示する方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、本願を記述しやすくし、記述を簡略化するものであって、指している装置や素子が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位によって構成及び操作されることを指示したり、暗示したりするものではないので、本願に対する限定と理解することはできない。また、用語の「第1」、「第2」、「第3」は目的を記述するために用いられているにすぎないので、相対的な重要性を指示または暗示するものと理解することはできない。
【0026】
本願の記述において説明しておかなければならないが、別途明確な規定や限定がない限り、用語の「取付」、「連結」、「接続」は広義に理解しなければならない。例えば、固定接続でもよいし、着脱可能な接続でもよいし、一体式の接続でもよいし、機械接続でもよいし、電気接続でもよいし、また直接的な連結でもよいし、中間媒体を介しての間接的な連結でもよいし、2つの素子の内部での連通でもよい。当業者であれば、本願における上記の用語の具体的な意味を、具体的な状況において理解することができる。
【0027】
以下では、
図1~
図6を参照して、本願の実施例に基づくポンプ体固定装置及び加湿器について記述していく。
【0028】
図1~
図6に示すように、本願の実施例ではポンプ体固定装置を提供しており、このポンプ体固定装置は加湿器に用いられ、加湿器にはポンプ体を取り付けるための取付部が設置されており、このポンプ体固定装置は、具体的には、本体部1と、本体部1に設置された第1接続耳2及び第2接続耳3とを含み、好適には、第1接続耳2及び第2接続耳3は本体部1と同じ材料により一体成型され、かつ弾性を有している。
【0029】
取付部4には第1固定部材9及び第2固定部材10が設置されており、第1固定部材9と第2固定部材10は加湿器筐体の底板内壁面上に間隔を空けて設置されており、第1接続耳2は第1固定部材9と接続するために用いられ、第2接続耳3は第2固定部材10と接続するために用いられ、それによりポンプ体5をポンプ体固定装置を介して加湿器の取付部4に固定しており、また、第1接続耳2と第2接続耳3がそれぞれ第1固定部材9と第2固定部材10に互いに接続された状態で、第1接続耳2及び第2接続耳3がどちらも引っ張られ、本体部1にもある程度の形状変化が生じることで、ポンプ体5に対する本体部1の緊張度を強化し、ポンプ体5の本体部1に対する安定性を確保しており、第1接続耳2と第2接続耳3はいずれも引っ張られて形状が変化し、緊張した状態にあるので、ポンプ体5が起動するとある程度の震動が発生する。本体部1、第1接続耳2及び第2接続耳3にはいずれも弾性があり、ポンプ体固定装置にポンプ体5の震動に伴ってある程度の揺動を生じさせることができるので、揺動の過程では加湿器の筐体との接触は発生せず、ポンプ体5は加湿器筐体に対して宙に浮いている。ポンプ体固定装置は緊張した状態にあるので、ポンプ体固定装置がポンプ体5の震動に伴って垂直方向で往復揺動すると、本体部1と第1接続耳2及び第2接続耳3の本体部1寄りの部分が上下に揺動し、揺動が第1接続耳2の第1固定部材と固定された遠端、第2接続耳3の第2固定部材と固定された遠端に伝達されると、第1接続耳2と第2接続耳3自身の弾性によってほぼ打ち消され、第1接続耳2は第1固定部材9に対して、第2接続耳3は第2固定部材10に対して震動や揺動をほとんど発生させず、しかも本体部1の運動を第1固定部材9及び第2固定部材10に伝達しないので、ポンプ体5の動作過程における震動が加湿器筐体に伝わって騒音を誘発することを有効に解決し、ポンプ体5の動作過程において加湿器筐体と接触することにより生じる騒音を根本的に解決している。
【0030】
さらに、取付部4は具体的に水タンク底部の層間スペース内に設置されており、ポンプ体5は管路を介してそれぞれ水タンク及びフィルタに噴水するためのシャワー口と連通しており、ポンプ体5の起動後、水タンク内の水をフィルタへポンピングすることができ、誰かがフィルタを湿らせると、風がフィルタを流れ、湿った風または空気が室内環境の中にもたらされる。
【0031】
さらに、第1固定部材9及び第2固定部材10はいずれも柱状構造を有しており、第1固定部材9及び第2固定部材10は具体的には加湿器底板上に固定されたネジであってよいが、もちろんそれに限らず、加湿器の底板と一体形成された固定柱であってもよい。第1固定部材9と第2固定部材10は間隔を空けて設置されており、第1固定部材9の軸線と第2固定部材10の軸線との間には第1間隔が形成されており、第1間隔をAと定義する。第1接続耳2及び第2接続耳3はいずれもシート状構造または柱状構造を有しており、第1接続耳2の本体部1から遠い方の片端には第1接続孔201が開設され、第1接続孔201の軸線方向は第1固定部材9の軸線方向と同じであり、第2接続耳3の本体部1から遠い方の片端には第2接続孔301が開設され、第2接続孔301の軸線方向は第2固定部材10の軸線方向と同じである。
【0032】
このポンプ体固定装置が自然な状態にある時、つまり第1接続耳2及び第2接続耳3がいずれも第1固定部材9及び第2固定部材10と接続されていない状態では、第1接続孔201の中心と第2接続孔301の中心との間には第2間隔があり、第2間隔をBと定義し、かつ第2間隔は第1間隔より短く、第1接続孔201を第1固定部材9に被せ、第2接続孔301を第2固定部材10に被せると、第1接続耳2が引っ張られ、第2接続耳3も引っ張られて、本体部1にもある程度の形状変化が発生する。この時、第1接続孔201の中心から第2接続孔301の中心までの距離は第1間隔にほぼ等しいので、このポンプ体固定装置及びポンプ体5が取付部4の壁面に対して宙に浮く。
【0033】
好適には、第1接続耳2、第2接続耳3及び本体部1はゴム材質により作成され、かなりの弾性を有しており、しかも第1接続耳2、第2接続耳3及び本体部1のショアA硬度はいずれも40を上回らない。
【0034】
より好適には、(B-A)/A≧20%であり、該パラメータでは、第1接続耳2及び第2接続耳3はいずれも有効に引っ張られて緊張状態にあり、しかもこのポンプ体固定装置の弾性限界には達していないので、この第1接続耳2及び第2接続耳3に断裂が発生することを防ぎ、ポンプ体固定装置の使用寿命を確保している。
【0035】
さらに、本体部1は両端が開口した筒構造を有しており、本体部1の内部に限定される形状はポンプ体5の形状と整合しており、本体部1の片端の開口はポンプ体5を被装するために用いられ、本体部1の他端の開口には位置限定フランジ101が設置され、本体部1と弾性を有しているので、ポンプ体5に比較的ゆるく被せることができ、かつ位置限定フランジ101はポンプ体5の脱落を防止することもできる。好適には、位置限定フランジ101と本体部1の側壁との間の境界位置には中空部102が断続的に形成されており、本体部1が引っ張られてある程度の形状変化が発生した場合、中空部102を設置することにより、ポンプ体5を締め付けることができる。
【0036】
本体をこのポンプ体固定装置によって取付部4内に固定すると、ポンプ体5が起動していない時、本体部1の上表面と取付部4の上壁面、つまり水タンクの底壁面との間には第1所定間隔が形成され、本体部1の下表面と取付部4の底板(つまり加湿器の底板)との間には第2所定間隔が形成される。第1所定間隔及び第2所定間隔はいずれもこのポンプ体固定装置がポンプ体5の震動に伴って垂直方向に揺動を発生させる際の運動幅より大きいので、ポンプ体固定装置が揺動する際に取付部4の壁面と接触して音を発することを防止している。
【0037】
説明しておかなければならないが、第1所定間隔及び第2所定間隔は同一で、いずれも4mmを下回らず、実際のテストでは、このポンプ体固定装置がポンプ体5の震動に伴って揺動を発生させる際の振幅は約2mmである。もちろん、実際のデータはこれに限らないが、当業者であれば、ポンプ体5の体積、重量に基づいて所定間隔の大きさを適宜増減させる能力を確実に有している。
【0038】
さらに、ポンプ体5は取水口及び放水口を有しており、取水口には取水管6が、放水口には放水管7が設置されており、取水管6のポンプ体5から遠い方の片端は水タンクと連通し、放水管7のポンプ体5から遠い方の片端は取付部4の外まで突き出し、かつ加湿器のフィルタに向かって延伸している。取水管6及び放水管7はそれぞれポンプ体5と接続されているので、ポンプ体5が動作して震動が発生すると、取水管6と放水管7に伝達され、取水管6及び放水管7にも軽微な移動が生じて音が発生する。この部分の騒音を解決するために、放水管7が使用する材質はショアA硬度が40を上回らない弾性ゴム管材であり、しかも壁厚は2mmを上回らず、放水管7が十分な柔軟性を持つようにしており、ポンプ体5が起動すると、放水管7は自身の弾性により本体が放水管7に伝達する震動を打ち消すことができる。同様に、取水管6が使用する材質もショアA硬度が40を上回らない弾性ゴム管材であり、しかも壁厚は3mmを上回らないので、十分な柔軟性を有している。
【0039】
さらに、加湿器全体は柱状であり、取付部4が限定する層間スペースも同様に柱状であるため、放水管7は比較的長く、取付部4内で取付部4の側面に沿って一定の長さを旋回した後、取付部4の外まで延伸しており、好適には、放水管7の取付部4内における旋回長さは取付部4の周方向の約半周分を占めており、放水管7は一般的に比較的細く、水流はポンプ体5のインペラによって加圧搬送され、取水管6に比べて震動が発生しやすいので、弾性を有し、かつ比較的柔らかい材質を使用するとともに、放水管7の長さを追加することにより、ポンプ体5の起動後に放水管7に伝達される震動を有効に打ち消すことができ、放水管7による異音の発生を有効に減少させ、または防止している。
【0040】
さらに、本実施例で提供するポンプ体固定装置は固定クリップ8を含み、固定クリップ8は取付部4の底板上に設置され、かつ取付部4の底板に対して開放または閉合することができ、固定クリップ8と取付部4を固定する手段としては、ネジを使って締めてもよいが、これに限らない。固定クリップ8の数は複数であり、取水管6及び放水管7はいずれも固定クリップ8によって取付部4の底板と相互に固定されており、これにより取水管6と放水管7の取付部4に対する安定性が有効的に強化されて、ポンプ体5が起動した後、取水管6と放水管7が取付部4に対して位置ずれや震動を生じさせて音を発することを防止している。
【0041】
好適には、固定クリップ8の材質は同様にショアA硬度が40を上回らないゴム材質であり、比較的高い弾性と柔軟性を有しているので、震動がネジまたは取付部4の板面に伝達されることを防ぎ、余計な騒音の発生を防止することができる。
【0042】
以上のように、本願の実施例で提供するポンプ体固定装置は、ポンプ体固定装置の材質、設置方式など多方面を改良し、ポンプ体を浮かせて設置することにより、実際の動作過程で、ポンプ体(ポンプ)の震動エネルギーがポンプ固定スリーブの跳躍弾性変形運動エネルギーに変換されて打ち消され、ポンプ体の動作時に生じる震動がこのポンプ体固定装置に伝達され、取付孔付近に到達すると、震動がほぼ完全に打ち消されるので、加湿器の動作過程で生じる騒音を有効に軽減することができる。ポンプ体は、動作の過程で震動が生じた場合も、加湿器筐体との衝突や共振を生み出さないので、新たな騒音の発生によるユーザの使用体験への影響を防止している。しかも、このポンプ体固定装置は構造が簡単で、取付がスムーズであり、従来の防音綿などを使用する騒音低減方式と比べて、騒音低減効果が高いだけでなく、生産の難易度を顕著に引き下げ、コストを削減することにも役立っている。
【0043】
本願の実施例では加湿器も提供しており、上記のいずれかの実施例に記載されているポンプ体固定装置を含むので、該ポンプ体固定装置のすべての有益な技術的効果を有しているが、ここでは繰り返し述べない。
【0044】
最後に説明しておかなければならないが、上記の各実施例は本願の技術手法を説明するものにすぎず、それを限定するものではない。前述の各実施例を参照して本願を詳細に説明してきたが、当業者であれば、前述の各実施例に記載されている技術手法について修正を行ったり、その中の一部または全部の技術的特徴について同等の置換を行ったりすることは可能であるが、それらの修正または置換は、対応する技術手法の本質を本願の各実施例の技術手法の範囲から逸脱させるものではないことを理解しておかなければならない。
【符号の説明】
【0045】
1 本体部
101 位置限定フランジ
102 中空部
2 第1接続耳
201 第1接続孔
3 第2接続耳
301 第2接続孔
4 取付部
5 ポンプ体
6 取水管
7 放水管
8 固定クリップ
9 第1固定部材
10 第2固定部材
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、ポンプ体固定装置及び加湿器を提供する。
【解決手段】ポンプ体固定装置は、加湿器のポンプ体を被装する本体部と、本体部に設置される第1接続耳と、本体部に設置される第2接続耳とを含み、本体部、第1接続耳及び第2接続耳はいずれも弾性を有しており、取付部には第1固定部材及び第2固定部材が設置されており、第1接続耳及び第2接続耳はいずれも弾性的に引っ張られた状態で第1固定部材及び第2固定部材とそれぞれ接続されている。本願の実施例で提供するポンプ体固定装置は、ポンプ体固定装置の材質、設置方式など多方面を改良することにより、ポンプ体を浮かせて設置しているので、動作の過程で震動が生じた場合でも、ポンプ体が加湿器筐体との衝突や共振を生み出さないため、加湿器の動作過程における騒音の発生を有効に軽減し、ユーザへの影響を防止している。
【選択図】
図1