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特許7298893高純度マンガンの製造方法および高純度マンガン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】高純度マンガンの製造方法および高純度マンガン
(51)【国際特許分類】
   C22B 47/00 20060101AFI20230620BHJP
   C22B 3/10 20060101ALI20230620BHJP
   C22B 3/42 20060101ALI20230620BHJP
   C22B 5/16 20060101ALI20230620BHJP
   C25C 1/10 20060101ALI20230620BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20230620BHJP
   B01D 15/04 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
C22B47/00
C22B3/10
C22B3/42
C22B5/16
C25C1/10 B
B01D15/00 N
B01D15/00 P
B01D15/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019219587
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021088744
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2021-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501122403
【氏名又は名称】株式会社 大阪アサヒメタル工場
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 智博
(72)【発明者】
【氏名】笹垣 通仁
(72)【発明者】
【氏名】富園 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】一色 実
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-285373(JP,A)
【文献】国際公開第2015/060018(WO,A1)
【文献】特開昭52-114512(JP,A)
【文献】国際公開第2015/060026(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/105291(WO,A1)
【文献】特開2013-142184(JP,A)
【文献】特開2016-180184(JP,A)
【文献】Andrew Sarangan,Physical and Chemical Vapor Deposition,Principles to Laboratory Practice,2016年10月,57,figure3.3
【文献】金属精製工学,日本,日本金属学会,p176-187,付録2 標準自由エネルギー変化
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00-61/00
B01D 15/00-15/42
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
純度が99.9質量%以上である原料マンガンを準備する工程と、
酸素の分圧が1.5×10Pa以上8×10Pa以下となるように調整された雰囲気中において、前記原料マンガンを40℃以上200℃以下の温度域に1時間以上48時間以内保持する熱処理を実施することにより、前記原料マンガンの表面を酸化させる工程と、
表面が酸化された前記原料マンガンを加熱することによりマンガン蒸気を生成させた後、前記マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンを得る工程と、を含む、高純度マンガンの製造方法。
【請求項2】
酸素濃度が570質量ppm以下かつホウ素濃度が20質量ppm以下である原料マンガンを準備する工程と、
酸素の分圧が1.5×10Pa以上8×10Pa以下となるように調整された雰囲気中において、前記原料マンガンを40℃以上200℃以下の温度域に1時間以上48時間以内保持する熱処理を実施することにより、前記原料マンガンの表面を酸化させる工程と、
表面が酸化された前記原料マンガンを加熱することによりマンガン蒸気を生成させた後、前記マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンを得る工程と、を含む、高純度マンガンの製造方法。
【請求項3】
前記原料マンガンを準備する工程は、
マンガン、塩化マンガンおよび二酸化マンガンのうち少なくともいずれか1つを含む原料を塩酸に溶解することにより塩化マンガン水溶液を調製し、前記塩化マンガン水溶液をキレート樹脂に接触させることで、前記塩化マンガン水溶液を精製する工程と、
精製された前記塩化マンガン水溶液を電解液としてマンガンを電析させる電解処理を実施して前記原料マンガンとしての電解採取マンガンを得る工程と、を含む、請求項1または請求項2に記載の高純度マンガンの製造方法。
【請求項4】
前記高純度マンガンを得る工程では、前記原料マンガンを加熱することにより昇華させて前記マンガン蒸気を生成した後、前記マンガン蒸気を冷却して前記高純度マンガンを得る、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高純度マンガンの製造方法。
【請求項5】
前記高純度マンガンを得る工程では、前記原料マンガンを加熱することにより蒸発させて前記マンガン蒸気を生成した後、前記マンガン蒸気を冷却して前記高純度マンガンを得る、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高純度マンガンの製造方法。
【請求項6】
酸素の含有量が3質量ppm以下であり、
ホウ素の含有量が3質量ppm以下である、高純度マンガン。
【請求項7】
ホウ素の含有量が0.8質量ppm以上3質量ppm以下である、
請求項6に記載の高純度マンガン。
【請求項8】
ホウ素の含有量が1.2質量ppm以上3質量ppm以下である、
請求項6に記載の高純度マンガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高純度マンガン(Mn)の製造方法および高純度マンガンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの配線材料である銅(Cu)にマンガンが添加される場合がある。このようにマンガンを添加することで、半導体材料である珪素(Si)中に銅が拡散することを抑制することができる。このようなマンガンとして、高純度マンガンが採用される場合がある。高純度マンガンを製造する方法として、電解処理を実施する方法や、原料マンガンを蒸留させる方法または昇華させる方法が提案されている(たとえば、特許文献1~4参照)。特許文献2においては、電解処理を実施する方法および昇華させる方法を組み合わせることで、酸素(O)濃度が低減された高純度マンガンを得る方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-152528号公報
【文献】特開2002-285373号公報
【文献】国際公開第2013/105291号
【文献】国際公開第2015/060018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記高純度マンガンにおいて、酸素濃度だけでなく、ホウ素(B)濃度を低減させることが求められる場合がある。そこで、酸素濃度およびホウ素濃度を十分に低減させることができる高純度マンガンの製造方法および高純度マンガンを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に従った高純度マンガンの製造方法は、原料マンガンを準備する工程と、酸素の分圧が1.5×10Pa以上8×10Pa以下となるように調整された雰囲気中において、原料マンガンを40℃以上200℃以下の温度域に1時間以上48時間以内保持する熱処理を実施することにより、原料マンガンの表面を酸化させる工程と、表面が酸化された原料マンガンを加熱することによりマンガン蒸気を生成させた後、マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンを得る工程と、を含む。
【0006】
本開示に従った高純度マンガンは、酸素の含有量が3質量ppm以下であり、ホウ素の含有量が3質量ppm以下である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、酸素濃度およびホウ素濃度が十分に低減された高純度マンガンを提供することができる。本開示の高純度マンガンによれば、酸素およびホウ素に起因する半導体デバイスの特性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における高純度マンガンの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図2】実施の形態2における高純度マンガンの製造方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示の高純度マンガンの製造方法は、原料マンガンを準備する工程と、酸素の分圧が1.5×10Pa以上8×10Pa以下となるように調整された雰囲気中において、原料マンガンを40℃以上200℃以下の温度域に1時間以上48時間以内保持する熱処理を実施することにより、原料マンガンの表面を酸化させる工程と、表面が酸化された原料マンガンを加熱することによりマンガン蒸気を生成させた後、マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンを得る工程と、を含む。
【0010】
本開示の高純度マンガンの製造方法においては、酸素の分圧が1.5×10Pa以上8×10Pa以下となるように調整された雰囲気中において、原料マンガンを40℃以上200℃以下の温度域に1時間以上48時間以内保持する熱処理が実施される。このような熱処理を実施することで、原料マンガンの表面が酸化されて、マンガンの酸化膜が形成される。マンガンの酸化膜が形成されない状態でマンガン蒸気を生成するために原料マンガンを加熱すると、原料マンガン中に不純物として含まれるホウ素の一部が、不純物としてマンガン蒸気に混入する。これに対し、上記熱処理により原料マンガンの表面に酸化膜を形成しておくことにより、原料マンガン中のホウ素が酸化膜に捕捉される。その結果、マンガン蒸気に混入するホウ素を低減することができる。その結果、酸素濃度だけでなく、ホウ素濃度が十分に低減された高純度マンガンを得ることができる。このように、本開示の高純度マンガンの製造方法によれば、酸素濃度およびホウ素濃度が十分に低減された高純度マンガンを得ることができる。
【0011】
上記高純度マンガンの製造方法においては、原料マンガンにおける酸素濃度が570質量ppm以下であってもよい。このような原料マンガンを用いることで、酸素濃度が十分に低減された高純度マンガンを得ることが容易となる。
【0012】
上記高純度マンガンの製造方法において、原料マンガンを準備する工程は、マンガン、塩化マンガンおよび二酸化マンガンのうち少なくともいずれか1つを含む原料を塩酸に溶解することにより塩化マンガン水溶液を調製し、塩化マンガン水溶液をキレート樹脂に接触させることで、塩化マンガン水溶液を精製する工程と、精製された塩化マンガン水溶液を電解液としてマンガンを電析させる電解処理を実施して原料マンガンとしての電解採取マンガンを得る工程と、を含んでもよい。上記の電解処理を実施して得られた電解採取マンガンは、原料マンガンとして好適である。
【0013】
上記高純度マンガンの製造方法において、高純度マンガンを得る工程では、原料マンガンを加熱することにより昇華させてマンガン蒸気を生成した後、マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンを得てもよい。上記のように原料マンガンを昇華させることによってマンガン蒸気を生成することにより、高純度マンガンにおける酸素濃度およびホウ素濃度をさらに低減させることができる。
【0014】
上記高純度マンガンの製造方法における高純度マンガンを得る工程では、原料マンガンを加熱することにより蒸発させてマンガン蒸気を生成した後、マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンを得てもよい。上記のように原料マンガンを蒸発させることによってマンガン蒸気を生成することにより、より低コストで高純度マンガンを得ることができる。
【0015】
本開示の高純度マンガンにおいては、酸素の含有量が3質量ppm以下であり、ホウ素の含有量が3質量ppm以下である。このように酸素およびホウ素の含有量を上記範囲にすることで、酸素およびホウ素に起因する半導体デバイスの特性の低下を抑制することができる。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示にかかる高純度マンガンおよび高純度マンガンの製造方法の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0017】
(実施の形態1)
まず、本願の一実施の形態における高純度マンガンについて説明する。本実施の形態の高純度マンガンにおいては、酸素の含有量が3質量ppm以下であり、ホウ素の含有量が3質量ppm以下である。このように酸素およびホウ素の含有量を上記範囲にすることで、酸素およびホウ素に起因する半導体デバイスの特性の低下を抑制することができる。例えば、配線材料に対して本開示の高純度マンガンを用いると、酸素の含有量が十分に低減されているため、銅配線における導電性の低下を抑制することができる。また、例えば、スパッタリングのターゲット材として本開示の高純度マンガンを用いると、酸素の含有量が十分に低減されているため、パーティクルの発生を低減することができ、デバイスの信頼性の低下を抑制することができる。本発明者らの検討によれば、本開示の高純度マンガンではホウ素濃度が十分に低減されているため、例えば、半導体デバイスの活性層等へのホウ素の拡散を低減し、半導体デバイスの寿命の低下を抑制することができる。高純度マンガンの酸素の含有量は、好ましくは1質量ppm以下である。高純度マンガンのホウ素の含有量は、好ましくは2質量ppm以下である。上記酸素の含有量は、例えばIGA(Instrumental Gas Analysis)法によって測定することができる。より具体的には、赤外線吸収法によって測定することができる。上記ホウ素の含有量は、例えばGDMS(Glow Discharge Mass Spectrometry;グロー放電質量分析)法によって測定することができる。
【0018】
次に、本実施の形態の高純度マンガンを製造するための手順を説明する。図1を参照して、実施の形態1における高純度マンガンの製造方法においては、まず、原料マンガンを準備する工程(S10)が実施される。本実施の形態においては、塊状の原料マンガンが準備される。本実施の形態における原料マンガンの純度は、例えば99.9質量%(3N)以上である。本開示において純度とは、試料全体の質量に対するGDMS法により測定された試料中の金属不純物の合計の質量を試料全体の質量から差し引いたものの割合(質量%)をいう。本実施の形態における原料マンガンの酸素濃度は、570質量ppm以下である。原料マンガンの酸素濃度は、好ましくは535質量ppm以下であり、より好ましくは500質量ppm以下である。
【0019】
次に、図1を参照して、工程(S20)として、原料マンガンの表面を酸化させる工程が実施される。より具体的には、酸素の分圧が1.5×10Pa以上8×10Pa以下となるように調整された雰囲気中において、原料マンガンを40℃以上200℃以下の温度域に1時間以上48時間以内保持する第1熱処理が実施される。上記熱処理を実施する前に、原料マンガンの表面に付着した異物を除去するため、硝酸などを用いて酸洗浄を行ってもよい。第1熱処理を実施することで、原料マンガンの表面が酸化されて、マンガンの酸化膜が形成される。
【0020】
工程(S20)の第1熱処理における酸素の分圧が1.5×10Pa未満である場合には、原料マンガンの表面が十分に酸化されず、マンガンの酸化膜が十分に形成され難くなる。第1熱処理における酸素の分圧が8×10Paを超える場合には、マンガンが過剰に酸化されることにより、その後の精製処理に影響を及ぼすおそれがある。したがって、第1熱処理における酸素の分圧は、1.5×10Pa以上8×10Pa以下であることが好ましい。酸素の分圧は、より好ましくは2×10Pa以上6×10Pa以下である。第1熱処理における処理温度が40℃未満である場合には、原料マンガンの表面が十分に酸化されず、マンガンの酸化膜が十分に形成され難くなる。第1熱処理における処理温度が200℃よりも高い場合には、マンガンが過剰に酸化されることにより、その後の精製処理に影響を及ぼすおそれがある。したがって、第1熱処理における処理温度は、40℃以上200℃以下であることが好ましい。処理温度は、より好ましくは50℃以上150℃以下である。第1熱処理における処理時間は、十分な酸化膜を形成する観点から1時間以上48時間以内であることが好ましい。処理時間は、より好ましくは3時間以上36時間以下である。
【0021】
次に、図1を参照して、工程(S30)として、高純度マンガンを得る工程が実施される。より具体的には、表面が酸化された原料マンガンを加熱することによりマンガン蒸気を生成させた後、マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンが得られる。本実施の形態において、高純度マンガンを得る工程では、原料マンガンを加熱することにより昇華させてマンガン蒸気を生成した後、マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンが得られる(以下、昇華法ともいう)。昇華法において用いられる精製装置は、原料マンガンが配置される坩堝と、原料マンガンを加熱するための加熱部と、マンガン蒸気を冷却するための冷却部と、を備える。
【0022】
本実施の形態における昇華法の一例について具体的に説明する。まず、表面が酸化された原料マンガンを精製装置における坩堝内に配置する。坩堝内の排気を実施して、坩堝内の内部空間を真空状態にする。坩堝内の排気を実施すると共に、原料マンガンを500℃程度に加熱して1時間程度保持する予備加熱を実施してもよい。このように予備加熱を実施することで原料マンガンに含まれる揮発性不純物を低減させることができる。次に、坩堝内を真空状態に維持しつつ、原料マンガンを1000℃以上1200℃以下の温度範囲で20時間以上50時間以下保持する昇華処理を実施する。原料マンガンから昇華したマンガン蒸気は精製装置における冷却部において冷却されることにより凝縮し、固体の高純度マンガンが得られる。昇華処理における処理温度が1000℃未満である場合には、昇華速度が遅くなり、高純度マンガンを得るために長時間を要するおそれがある。上記処理温度が1200℃を超えると、原料の充填状況によっては原料マンガンが部分的に溶融するおそれがある。このように溶融することによって生成した液体マンガンが精製装置の内壁に付着すると、精製装置の内壁が損傷したり、その結果として生じた不純物が昇華することにより高純度マンガンを汚染したりするするおそれがある。したがって、上記処理温度は、1000℃以上1200℃以下であることが好ましい。昇華処理を実施する際の真空度は、10-5Pa以上1Pa以下であることが好ましい。昇華処理は、原料マンガンの残留物の質量が、原料マンガンの初期質量の20質量%以上40質量%以下になるまで実施することが好ましい。
【0023】
上記昇華法によれば、マンガンよりも蒸気圧の高い不純物は、精製装置における冷却部のマンガンが凝縮する領域よりも低温側の領域で凝縮される。また、マンガンよりも蒸気圧の低い不純物は、原料マンガンの残留物として残留する。このようにして、純度が向上した高純度マンガンを得ることができる。
【0024】
ここで、本実施の形態における高純度マンガンの製造方法における第1熱処理を実施することで、原料マンガンの表面が酸化されて、マンガンの酸化膜が形成される。マンガンの酸化膜が形成されない状態でマンガン蒸気を生成するために原料マンガンを加熱すると、原料マンガン中に不純物として含まれるホウ素の一部は、不純物としてマンガン蒸気に混入する。上記熱処理により原料マンガンの表面に酸化膜を形成しておくことにより、原料マンガン中のホウ素が酸化膜に捕捉される。その結果、マンガン蒸気に混入するホウ素を低減することができる。
【0025】
上記実施の形態における高純度マンガンを得る工程では、原料マンガンを加熱することにより昇華させてマンガン蒸気を生成した後、マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンを得る。原料マンガン中に不純物として含まれる酸素は、マンガンとの親和力が大きいことから、マンガンの酸化物を形成してそのまま残渣中に残り、マンガン蒸気から分離することができる。その結果、原料マンガン中に不純物として含まれる酸素がマンガン蒸気に不純物として混入することを抑制することができる。原料マンガンを昇華させることによってマンガン蒸気を生成することで、酸素濃度およびホウ素濃度が十分に低減された高純度マンガンを得ることができる。
【0026】
次に、実施の形態1の高純度マンガンの製造方法の変形例について説明する。工程(S30)の高純度マンガンを得る工程において、原料マンガンを加熱することにより昇華させてマンガン蒸気を生成する代わりに原料マンガンを加熱することにより蒸発させてマンガン蒸気を生成するようにしてもよい(以下、蒸留精製法ともいう)。
【0027】
上記蒸留精製法の一例について具体的に説明する。昇華法と同様に、表面が酸化された原料マンガンを精製装置における坩堝内に配置する。坩堝内の排気を実施して、坩堝内の内部空間を真空状態にする。昇華法と同様に予備加熱を実施してもよい。次に、坩堝内を真空状態に維持しつつ、原料マンガンを1250℃以上1300℃以下の温度範囲に保持する蒸発処理を実施する。蒸発処理を実施することで、原料マンガンが溶融して液体マンガンが生成し、さらに液体マンガンが蒸発することで、マンガン蒸気が生成される。蒸発したマンガン蒸気が精製装置の冷却部において冷却されることにより凝縮し、固体の高純度マンガンが得られる。蒸発処理における処理温度が1250℃未満である場合には、マンガンが十分に溶融しないおそれがある。蒸発処理における処理温度が1300℃を超える場合には、精製装置における内壁とマンガン蒸気とが反応し、マンガン蒸気に不純物が導入されるおそれがある。したがって、蒸発処理における処理温度は、1250℃以上1300℃以下であることが好ましい。蒸発処理を実施する際の真空度は、10-3Pa以上10Pa以下であることが好ましい。蒸留精製法では、昇華処理よりも圧力が高い状態で蒸発処理を実施することができる。蒸発処理を実施する際の真空度が10Paを超えると、蒸発速度が遅くなり、高純度マンガンを得るために長時間を要するおそれがある。原料マンガンの残留物の質量が原料マンガンの初期質量の10質量%以上40質量%以下になるまで、上記蒸発処理を実施することが好ましい。
【0028】
精製装置において液体マンガンが接触する恐れのある領域は、アルミナなど、マンガンと反応し難い材料で保護することが望ましい。このようにすることで、液体マンガンが精製装置の内壁に付着しても、高純度マンガン中に不純物が導入されることを低減することができる。
【0029】
上記蒸留精製法によれば、マンガンよりも蒸気圧の高い不純物は、精製装置における冷却部のマンガンが凝縮する領域よりも低温側の領域で凝縮される。また、マンガンよりも蒸気圧の低い不純物は、原料マンガンの残留物として残留する。このようにして、純度が向上した高純度マンガンを得ることができる。上記蒸留精製法においては、液体マンガンが生成された際に、液体の表面上に密度の低いマンガンの酸化物が配置される。原料マンガン中に不純物として含まれるホウ素は、上記酸化物によって捕捉される。その結果、マンガン蒸気に混入するホウ素を低減することができる。
【0030】
上記実施の形態における高純度マンガンを得る工程では、原料マンガンを加熱することにより蒸発させてマンガン蒸気を生成した後、マンガン蒸気を冷却して高純度マンガンが得られる。このような蒸留精製法は、昇華法よりもより短時間で高純度マンガンを得ることができる。したがって、より低コストで高純度マンガンを得ることができる。
【0031】
(実施の形態2)
次に、本願の高純度マンガンの製造方法の実施の形態2について説明する。実施の形態2における高純度マンガンの製造方法は、基本的に実施の形態1の製造方法と同様の工程を有し、同様の効果を奏する。しかしながら、実施の形態2においては、工程(S10)の代わりに、原料を準備する工程(S40)、塩化マンガン水溶液を精製する工程(S50)および電解採取マンガンを得る工程(S60)を実施する点において、実施の形態1の場合とは異なっている。以下、実施の形態1の場合とは異なる点について主に説明する。
【0032】
図2を参照して、実施の形態2における高純度マンガンの製造方法においては、まず、工程(S40)として、原料を準備する工程が実施される。本実施の形態では、マンガン、塩化マンガンおよび二酸化マンガンのうち少なくともいずれか1つを含む原料を準備する。次に、工程(S50)として、塩化マンガン水溶液を精製する工程を実施する。以下に塩化マンガン水溶液を精製する工程の一例を具体的に説明する。まず、上記原料を塩酸に溶解することによって、塩化マンガン水溶液を調製する。マンガンの濃度は、例えば10g/L以上80g/L以下である。次に、上記塩化マンガン水溶液にアンモニア水溶液を添加して、例えばpHが2以上7以下である塩化マンガン水溶液を調製する。次に、上記塩化マンガン水溶液を、キレート樹脂に接触させる工程が実施される。より具体的には、キレート樹脂が充填されたガラス製または塩化ビニル製のカラムに上記塩化マンガン水溶液を通液する。本実施の形態におけるキレート樹脂は、イミノ二酢酸型キレート樹脂である。上記塩化マンガン水溶液のカラムに対する通液速度は、例えば1SV(Space Velocity)以上10SV以下である。原料に含まれる鉄(Fe)、アルミニウム(Al)およびクロム(Cr)の金属不純物は、イミノ二酢酸型キレート樹脂に吸着される。このため、原料に含まれる上記金属不純物の含有量を低減させることができる。このような塩化マンガン水溶液を精製する工程を、繰り返し実施してもよい。
【0033】
塩化マンガン水溶液のpHが2未満である場合には、イミノ二酢酸型キレート樹脂に対する鉄、アルミニウムおよびクロムの金属不純物の吸着率が低下するおそれがある。上記塩化マンガン水溶液のpHが7を超える場合には、水酸化マンガンが析出するおそれがある。このため、塩化マンガン水溶液のpHは、2以上7以下であることが好ましい。塩化マンガン水溶液のカラムに対する通液速度が1SV未満である場合には、精製された塩化マンガン水溶液を得るために長時間を要してしまう。塩化マンガン水溶液の通液速度が10SVを超える場合には、上記金属不純物がキレート樹脂に対して吸着され難くなるおそれがある。したがって、塩化マンガン水溶液の通液速度は、1SV以上10SV以下であることが好ましい。
【0034】
次に、工程(S60)として、電解採取マンガンを得る工程を実施する。本実施の形態においては、精製された上記塩化マンガン水溶液を電解液としてマンガンを電析させる電解処理を実施する。以下、電解処理の一例について具体的に説明する。まず、精製された上記塩化マンガン水溶液に緩衝剤として塩化アンモニウムを添加した電解液を調製する。上記電解液におけるマンガンの濃度は、例えば5g/L以上60g/L以下である。上記電解液における塩化アンモニウムの濃度は、例えば80g/L以上150g/L以下である。次に、上記電解液を用いて電解処理を実施する。電解処理における電流密度は、例えば50mA/cm以上120mA/cm以下である。上記電解処理においては、適量のアンモニア水溶液を電解液に対して添加することにより、pHを4以上7以下に保持する。このようにして、平滑な板状の電解採取マンガンが形成される。上記電解処理における電解液のpHが4未満である場合には、電解採取マンガンが電解液に対して再溶出し易くなる。pHが7を超える場合には、電解液中に水酸化マンガンが析出し易くなる。したがって、上記電解処理における電解液のpHは、4以上7以下であることが好ましい。上記のように電解処理を実施することで、原料に含まれるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の不純物を低減させることができる。
【0035】
上記工程によって得られた電解採取マンガンを原料マンガンとして、工程(S20)および工程(S30)を実施の形態1と同様に実施する。上記実施の形態2の高純度マンガンの製造方法によっても、実施の形態1と同様に、酸素濃度およびホウ素濃度が十分に低減された高純度マンガンを得ることができる。
【0036】
なお、上記実施の形態においては、工程(S40)においてマンガン、塩化マンガンおよび二酸化マンガンのうち少なくともいずれか1つを含む原料を用いる場合について説明したが、これに限らず、純度が99.9質量%(3N)以上である原料マンガンを用いてもよい。また、酸素濃度が570質量ppm以下である原料マンガンを用いてもよい。原料マンガンの酸素濃度は、好ましくは535質量ppm以下であり、より好ましくは500質量ppm以下である。このような原料マンガンを用いることで、高純度マンガンにおける酸素濃度およびホウ素濃度をさらに低減させることができる。
【実施例
【0037】
上記本開示の高純度マンガンの製造方法によってサンプルを作製し、酸素濃度およびホウ素濃度が低減する効果を確認する実験を行った。実験の手順は、以下の通りである。
【0038】
(実施例1~実施例3)
酸素濃度が490質量ppmおよびホウ素濃度が20質量ppmの電解マンガンを原料マンガンとして準備した。原料マンガンを水およびアルコールで洗浄する前処理を実施した。次に、酸素の分圧が8×10Paに調整された雰囲気中において、原料マンガンを温度50℃において15時間保持する第1熱処理を実施した。このように第1熱処理が実施された原料マンガン10kgを坩堝内に配置して、予備加熱を実施した。予備加熱は、真空度10-4~10-3Paの範囲で500℃に加熱し、1時間保持する条件で実施した。予備加熱の後に、第1熱処理が実施された原料マンガンを約1080℃に加熱して、30時間保持する昇華処理(昇華法)を実施した。昇華処理を実施することで生成されたマンガン蒸気が、高純度アルミナ製の冷却部において冷却され、約6kgのサンプル(実施例1)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を3.5×10Pa、処理温度150℃、処理時間3時間とした以外は、実施例1と同様にしてサンプル(実施例2)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を2×10Pa、処理温度45℃、処理時間36時間とした以外は、実施例1と同様にしてサンプル(実施例3)が作製された。
【0039】
(実施例4~実施例6)
酸素濃度が490質量ppmおよびホウ素濃度が20質量ppmの電解マンガンを原料マンガンとして準備した。原料マンガンを純水で洗浄した後、塩酸に溶解することによって塩化マンガン水溶液を調製した。塩化マンガン水溶液に塩化アンモニウムおよび純水を添加して、塩化マンガンおよび塩化アンモニウムの水溶液を調製した。塩化マンガンおよび塩化アンモニウムの水溶液におけるマンガン濃度は50g/Lであり、塩化アンモニウム濃度は100g/Lであった。pHが6となるように塩化マンガンおよび塩化アンモニウムの水溶液に適量のアンモニア水溶液を添加した。pHが調整された塩化マンガンおよび塩化アンモニウムの水溶液をイミノ二酢酸型キレート樹脂(ユニチカ製、商品名「UR-30S」)が充填されたカラムに通液して、塩化マンガンおよび塩化アンモニウムの水溶液を精製する処理を実施した。塩化マンガンおよび塩化アンモニウムの水溶液のカラムに対する通液速度を5SVとした。イミノ二酢酸型キレート樹脂が7L充填されたカラムを用いた。
【0040】
精製された塩化マンガンおよび塩化アンモニウムの水溶液30Lを電解液として電解処理を実施した。電解処理における電流密度は、100mA/cmである。電解処理において、適量のアンモニア水溶液を電解液に添加して、pHが約6に保持された。このようにして、平滑な板状の電解採取マンガンが形成された。このようにして形成された電解採取マンガン10kgに対して、酸素の分圧が2.5×10Paに調整された雰囲気中において、200℃に加熱して1時間保持する第1熱処理を実施した。このように第1熱処理が実施された電解採取マンガンを坩堝内に配置して、予備加熱を実施した。予備加熱は、真空度10-4~10-3Paの範囲で500℃に加熱し、1時間保持する条件で実施した。予備加熱の後に、第1熱処理が実施された電解採取マンガンを約1270℃に加熱して、6時間保持する蒸発処理(蒸留精製法)を実施した。蒸発処理を実施することで生成されたマンガン蒸気が、高純度アルミナ製の冷却部において冷却され、約7kgのサンプル(実施例4)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を3×10Pa、処理温度60℃、処理時間20時間とした以外は、実施例4と同様にしてサンプル(実施例5)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を4.5×10Pa、処理温度80℃、処理時間12時間とした以外は、実施例4と同様にしてサンプル(実施例6)が作製された。
【0041】
(実施例7~実施例9)
実施例4と同様に電解処理を実施して作製された電解採取マンガン10kgに対して、酸素の分圧が4×10Paに調整された雰囲気中において、40℃に加熱して48時間保持する第1熱処理を実施した。このように第1熱処理が実施された電解採取マンガンを用いて、実施例1と同様の昇華処理を実施して、サンプル(実施例7)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を6×10Pa、処理温度100℃、処理時間6時間とした以外は、実施例7と同様にしてサンプル(実施例8)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を1.5×10Pa、処理温度120℃、処理時間10時間とした以外は、実施例7と同様にしてサンプル(実施例9)が作製された。
【0042】
(比較例1,2)
第1熱処理における酸素の分圧を9×10Pa、処理温度50℃、処理時間15時間とした以外は、実施例1と同様にしてサンプル(比較例1)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を3.5×10Pa、処理温度150℃、処理時間0.5時間とした以外は、実施例1と同様にしてサンプル(比較例2)が作製された。
【0043】
(比較例3,4)
第1熱処理における酸素の分圧を2.5×10Pa、処理温度250℃、処理時間1時間とした以外は、実施例4と同様にしてサンプル(比較例3)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を3×10Pa、処理温度35℃、処理時間20時間とした以外は、実施例4と同様にしてサンプル(比較例4)が作製された。
【0044】
(比較例5,6)
第1熱処理における酸素の分圧を4×10Pa、処理温度40℃、処理時間60時間とした以外は、実施例7と同様にしてサンプル(比較例5)が作製された。第1熱処理における酸素の分圧を1×10Pa、処理温度100℃、処理時間6時間とした以外は、実施例7と同様にしてサンプル(比較例6)が作製された。
【0045】
(酸素濃度、ホウ素濃度の測定)
実施例1~実施例9、および比較例1~比較例6のサンプルについて酸素濃度およびホウ素濃度を測定した。酸素濃度は、赤外線吸収法によって測定された。上記測定装置は、LECO社製「ONH836」を用いた。ホウ素濃度は、GDMS法によって測定された。上記測定装置は、Thermo Scientific社製「Element GD」を用いた。実施例1~実施例9および比較例1~比較例6のサンプルの酸素濃度およびホウ素濃度の測定結果を表1に示す。表1の精製方法において、Iは昇華法を示す。IIは蒸留精製法を示す。IIIは電解処理を示す。「I,III」は、精製方法として電解処理および昇華法が実施されることを示す。同様に、「II,III」は、精製方法として電解処理および蒸留精製法が実施されることを示す。実施例1~実施例9および比較例1~比較例6のサンプルにおける、半導体デバイスの特性が低下する可能性の度合いを表2に示す。表2中において、Aは半導体デバイスの特性が低下する可能性が極めて低いことを示す。Bは半導体デバイスの特性が低下する可能性が低いことを示す。Cは半導体デバイスの特性が低下する可能性が高いことを示す。Dは半導体デバイスの特性が低下する可能性が極めて高いことを示す。上記A~Dは、半導体デバイスの特性が低下する可能性の度合いについて、A<B<C<Dの関係を有する。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
表1を参照して、第1熱処理の酸素の分圧が1.5×10Pa以上8×10Pa以下、処理温度が40℃以上200℃以下および処理時間が1時間以上48時間以内であるサンプル(実施例1~実施例9)では、第1熱処理が上記範囲から外れるサンプル(比較例1~比較例6)に比べて、酸素濃度およびホウ素濃度を低減させることができる。第1熱処理が上記範囲内のサンプル(実施例1~実施例9)では、酸素濃度を3質量ppm以下およびホウ素濃度を3質量ppm以下とすることができる。したがって、実施例1~実施例9のサンプルでは、酸素濃度およびホウ素濃度が十分に低減されていることが確認される。
【0049】
電解処理および昇華処理(昇華法)が実施されたサンプル(実施例7~実施例9)では、電解処理が実施されず昇華処理のみが実施されたサンプル(実施例1~実施例3)に比べて、酸素濃度およびホウ素濃度をより低減させることができる。したがって、電解処理された電解採取マンガンを原料マンガンとして用いることが好ましい。電解処理および昇華処理が実施されたサンプル(実施例7~実施例9)では、電解処理および蒸発処理(蒸留精製法)が実施されたサンプル(実施例4~実施例6)に比べて、酸素濃度およびホウ素濃度をより低減させることができる。したがって、高純度マンガンの製造方法として、電解処理および昇華処理を実施することがより好ましい。
【0050】
表2を参照して、実施例1~実施例9のサンプルでは、比較例1~比較例6のサンプルに比べて半導体デバイスの特性が低下し難くなるものと考えられる。特に、電解処理および昇華処理が実施されたサンプル(実施例7~実施例9)は、半導体デバイスの特性が特に低下し難くなるものと考えられる。
【0051】
以上の実験結果より、本開示の高純度マンガンの製造方法によって酸素濃度だけでなく、ホウ素濃度が十分に低減された高純度マンガンが得られることが確認される。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本開示の高純度マンガンの製造方法は、高純度マンガンの酸素濃度およびホウ素濃度を低減させることが求められる場合において特に有利に適用される。
図1
図2