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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】単結晶炭化ケイ素基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230620BHJP
   B24B 7/22 20060101ALI20230620BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20230620BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20230620BHJP
   C30B 29/36 20060101ALI20230620BHJP
   C30B 33/00 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
H01L21/304 622W
H01L21/304 622D
H01L21/304 611W
H01L21/304 621D
H01L21/304 631
B24B7/22 Z
B24B27/06 H
B24B37/00 H
C30B29/36 A
C30B33/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019571534
(86)(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 CN2018123718
(87)【国際公開番号】W WO2020077849
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2020-04-09
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】201811205291.2
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811205285.7
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519453009
【氏名又は名称】山▲東▼天岳先▲進▼科技股▲フン▼有限公司
【住所又は居所原語表記】No.99, Tianyue South Road, Huaiyin District, Jinan, Shandong 250118, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梁 ▲慶▼瑞
(72)【発明者】
【氏名】王 含冠
(72)【発明者】
【氏名】王 瑞
(72)【発明者】
【氏名】▲時▼ 文▲靈▼
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】恩田 春香
【審判官】棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-39731(JP,A)
【文献】特開2017-152423(JP,A)
【文献】特開2003-220548(JP,A)
【文献】特開2010-167509(JP,A)
【文献】特開2009-105127(JP,A)
【文献】特開2014-168067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/304
B24B 7/22
B24B27/06
B24B37/00
C30B29/36
C30B33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶炭化ケイ素基板の製造方法であって、
前記単結晶炭化ケイ素基板は、
基板の表面の粗さ≦0.10nmであり、基板の厚さが500μmより小さく、前記基板の微小な擦り傷die比率<10%であり、pit比率<0.1個/cmであり、bump比率<0.1個/cmであり、表面下損傷層がなく、前記基板は、直径が4インチまたは6インチ、表面形状データは、TTV<10μm、LTV<2μm、Bow<50μm、Warp<70μmであり、その中、前記LTV<2μmが1cm*1cmあたりであり、
単結晶炭化ケイ素に対して完全に固結された研磨材による加工を行ってから、化学機械研磨処理を行うことによって、前記高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板を製造するステップを含み、
前記固結された研磨材による加工は、ワイヤ切断及び砥石研削を含み、前記ワイヤの上に研磨材の粒子が固結されてあり、前記砥石の上に研磨材の粒子が固結されてあり、
前記ワイヤ切断加工は、具体的には、ダイヤモンドワイヤ切断であり、ダイヤモンドワイヤ切断のプロセスにおいて使用される冷却液に質量パーセント濃度が2~10%である研磨材の粒子を添加し、
前記砥石研削は、粗研削及び精密研削の2つのステップを含み、
前記粗研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に1000目~5000目の研磨材の粒子が固結されたものであり、前記精密研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に20000目~30000目の研磨材の粒子が固結されたものであり、
前記化学機械研磨は、酸性化学機械研磨であり、前記酸性化学機械研磨の処理ステップにおいて使用される研磨液は、研磨材、酸化剤、水溶性酸性ポリマー及びRO水を含み、
前記酸性化学機械研磨の処理ステップにおいてはpH値が2~4であり、回転速度が20~50rpmであり、圧力が200~500g/cmである、
単結晶炭化ケイ素基板の製造方法。
【請求項2】
前記基板の表面の粗さ≦0.09nmであり、前記基板の微小な擦り傷die比率<8%であり、pit比率<0.08個/cmであり、bump比率<0.08個/cmであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶炭化ケイ素基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、結晶体材料の加工技術分野に関し、特に、高平坦性、低ダメージの大きな直径の単結晶炭化ケイ素基板及びその製造方法に属する。
【背景技術】
【0002】
単結晶炭化ケイ素は、最も重要な第三世代半導体材料の一つであり、バンドギャップが大きく、飽和電子移動度が高く、破壊電界強度が大きく、熱伝導率が高い等の優れた特性を有するので、パワーエレクトロニクス、無線周波数デバイス、オプトエレクトロニクスデバイス等の分野において広く応用される将来性がある。
【0003】
現在、商品の単結晶炭化ケイ素は、PVT(物理気相輸送法)の成長方法が多く使用されており、その後、端面の加工、マルチワイヤ切断、研削、機械研磨、化学機械研磨、洗浄パッケージングにより、開封してすぐに使える炭化ケイ素基板を形成する。単結晶炭化ケイ素は、モースが9.2であり、自然界では、金剛石(ダイヤモンド)の次であり、物理的に加工することが非常に難しく、また、炭化ケイ素は、耐酸性、耐アルカリ性、耐酸化性のような高い化学安定性を有するので、化学機械研磨(CMP)の難しさが大幅に増加する。化学機械研磨は、目下の唯一のグローバルな平坦化研磨方法であり、化学研磨剤が使用され、化学研磨剤には強力な酸化性の化学剤及び研磨剤としての粒子が含まれている。研磨のプロセスにおいては、化学作用及び機械作用は、同時にウェハの表面に働くことによって、ウェハの表面のダメージ層を除去する。
【0004】
炭化ケイ素材料の加工の難しさを鑑み、現在は、初期加工→サンドワイヤ切断→遊離研磨材研削→銅ディスク研磨→錫ディスク研磨→粗CMP→精密CMPの方法が多く使用されているが、加工のステップが複雑過ぎ、効率が低く、遊離研磨材が加工のプロセスにおいて洗浄されにくく、一回の通過率が低く、表面形状(TTV/Bow/Warp)が良くなく、表面下損傷が消えにくい等の問題がある。加工が終わった後の基板の表面に損傷があれば、直接に三角形の欠陥の形でエピタキシャルウェハの表面に蔓延するので、大量の不適格エリアを形成する。チップを製造する次のステップのプロセスにおいては、これらの不適格エリアは、チップの歩留りを大きく低下させ、チップの歩留りに影響を与える主な要素である。
【0005】
従来技術においては、研削に類似する切削方法であるサンドワイヤ切断を使用するので、切削力が非常に弱く、加工の効率を大幅に低下させる。また、遊離研磨材の研削プロセスにおいては、遊離研磨材の大きな粒子が深い擦り傷(スクラッチ)を招き、次の工程において除去しにくい。銅ディスクとスズディスクは、片面加工方法であり、ディスク表面が比較的に柔らかであるため、ディスク表面の平坦性をしっかりと制御しないと、ウェハの表面形状(TTV/LTV/BOW/Warp)にひどく影響を与える。
【0006】
伝統的なアルカリ性CMPの加工は、表面品質と除去率の矛盾がずっと存在しており、即ち、高硬度の研磨材を用いて除去率を高めることができるが、表面を損傷してしまう一方、低い硬度の研磨材を用いて高品質の表面を得ることができるが、除去率が非常に低い。最終的に得られたウェハの表面には、損傷層があれば、応用に致命的な影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術に存在する欠陥に対しては、本願は、高平坦性、低ダメージの大きな直径の単結晶炭化ケイ素基板及びその製造方法を提供することを目的とする。前記基板の表面の粗さ≦0.2nmであり、かつ表面下損傷層がない。本願の製造方法により製造された単結晶炭化ケイ素基板は、表面の粗さ、微小な擦り傷die(不適格ブロック)比率、pit(凹み)比率、bump(突起)が何れも比較的低く、表面形状のデータが良く、厚さの偏差が小さく、湾曲度が小さく、反り返り度が小さい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を実現するために、本願は、次のような技術案を提供する。
【0009】
本願の一つの局面は、高平坦性、低ダメージの大きな直径の単結晶炭化ケイ素基板及びその製造方法を提供する。前記基板の表面の粗さ≦0.2nmであり、表面下損傷層がない。
【0010】
更に、前記表面の粗さ≦0.10nmであり、前記基板の微小な擦り傷die比率<10%であり、pit比率<0.1個/cmであり、bump比率<0.1個/cmである。
【0011】
更に、前記表面の粗さ≦0.09nmであり、前記微小な擦り傷die比率<8%であり、pit比率<0.08個/cmであり、bump比率<0.08個/cmである。
【0012】
更に、前記表面の粗さ≦0.07nmであり、前記微小な擦り傷die比率<6%であり、pit比率<0.05個/cmであり、bump比率<0.05個/cmである。
【0013】
更に、前記表面の粗さ≦0.05nmであり、前記微小な擦り傷die比率<4%であり、pit比率<0.03個/cmであり、bump比率<0.03個/cmである。
【0014】
更に、前記基板の厚さは、500μmより小さい。前記基板の厚さは、350μmより小さいことが好ましい。前記基板の厚さは、200μmより小さいことがより好ましい。前記基板の厚さは、100μmより小さいことがより好ましい。前記基板の厚さは、50μmより小さいことがより好ましい。
【0015】
更に、前記基板の直径は、4インチ、6インチ及び8インチのうちの一種類である。前記基板の直径は、6インチ及び8インチのうちの一種類であることが好ましい。
【0016】
更に、前記基板は、直径が4インチであり、その表面形状のデータが次の通りであり、即ち、TTV(全体の厚さの変化)<5μmであり、LTV(局部の厚さの変化)(1cm*1cm)<2μmであり、Bow(湾曲度)<20μmであり、Warp(反り返り度)<40μmである。
【0017】
表面形状のデータが次の通りであることが好ましく、即ち、TTV<3μmであり、LTV(1cm*1cm)<1.5μmであり、Bow<15μmであり、Warp<30μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<1μmであり、LTV(1cm*1cm)<1μmであり、Bow<10μmであり、Warp<20μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<0.5μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.5μmであり、湾曲度Bow<5μmであり、Warp<10μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<0.1μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.08μmであり、Bow<2μmであり、Warp<5μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<0.08μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.08μmであり、湾曲度Bow<0.5μmであり、Warp<1μmである。
【0018】
更に、前記基板は、直径が6インチである。前記基板の表面形状のデータが次の通りであり、即ち、TTV<10μmであり、LTV(1cm*1cm)<2μmであり、Bow<40μmであり、Warp<60μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<5μmであり、LTV(1cm*1cm)<1.5μmであり、Bow<30μmであり、Warp<50μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<3μmであり、LTV(1cm*1cm)<1μmであり、Bow<20μmであり、Warp<30μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<1μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.5μmであり、Bow<10μmであり、Warp<15μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<0.15μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.12μmであり、Bow<3μmであり、Warp<8μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<0.1μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.1μmであり、Bow<1μmであり、Warp<2μmである。
【0019】
更に、前記基板は、直径が8インチである。前記基板の表面形状のデータが次の通りであり、即ち、TTV<10μmであり、LTV(1cm*1cm)<2μmであり、Bow<50μmであり、Warp<70μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<6μmであり、LTV(1cm*1cm)<1.5μmであり、Bow<40μmであり、Warp<60μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<4μmであり、LTV(1cm*1cm)<1μmであり、Bow<30μmであり、Warp<50μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<2μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.5μmであり、Bow<20μmであり、Warp<40μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<1μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.5μmであり、Bow<5μmであり、Warp<10μmである。表面形状のデータが次の通りであることがより好ましく、即ち、TTV<0.5μmであり、LTV(1cm*1cm)<0.2μmであり、Bow<3μmであり、Warp<5μmである。
【0020】
前記高平坦性、低ダメージの大きな直径の単結晶炭化ケイ素基板の製造方法は、単結晶炭化ケイ素に対して完全に固結された研磨材によって加工を行ってから、化学機械研磨処理を行うことによって前記高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板を製造するステップを含むことが好ましい。
【0021】
なお、前記固結された研磨材による加工は、ワイヤ切断及び砥石研削を含み、前記ワイヤの上に研磨材の粒子が固結されてあり、前記砥石の上に研磨材の粒子が固結されてある。
【0022】
前記ワイヤ切断加工は、具体的には、ダイヤモンドワイヤ切断であり、ダイヤモンドワイヤ切断のプロセスにおいて使用される冷却液に質量パーセント濃度が2~10%である研磨材の粒子を添加することが好ましい。
【0023】
前記砥石研削は、粗研削及び精密研削の2つのステップを含み、前記粗研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に1000目~5000目の研磨材の粒子が固結されたものであり、前記精密研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に20000目~30000目の研磨材の粒子が固結されたものである。
【0024】
前記化学機械研磨は、酸性化学機械研磨であり、なお、前記酸性化学機械研磨の処理ステップにおいて使用される研磨液は、研磨材、酸化剤、水溶性酸性ポリマー及びRO水を含むことが好ましい。
【0025】
本願のもう一つの局面は、高平坦性、低ダメージの大きな直径の単結晶炭化ケイ素基板の製造方法を更に提供する。当該基板の製造方法は、単結晶炭化ケイ素に対して完全に固結された研磨材による加工を行ってから、化学機械研磨処理を行うことによって前記高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板を製造するステップを含む。なお、前記固結された研磨材による加工は、ワイヤ切断及び砥石研削を含み、前記ワイヤの上に研磨材の粒子が固結されてあり、前記砥石の上に研磨材の粒子が固結されてある。
【0026】
前記研磨材の粒子は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、炭化珪素、炭化ホウ素、酸化ジルコニウム、金剛石の中から選択される一種類又は多種類である。
【0027】
更に、単結晶炭化ケイ素に対してダイヤモンドワイヤ切断を行う前に、前記単結晶炭化ケイ素に対して初期加工を行い、なお、初期加工では、固結された研磨材による加工方法を用いる。
【0028】
更に、前記ワイヤ切断は、具体的には、ダイヤモンドワイヤ切断である。
【0029】
更に、前記ダイヤモンドワイヤ切断加工において使用される冷却液に研磨材の粒子を添加し、なお、前記研磨材の粒子は、冷却液における質量パーセント濃度が2~10%である。前記研磨材の粒子は、酸化アルミニウム、金剛石、炭化ホウ素の中の一種類又は多種類であっても良い。前記研磨材の粒子は、直径が50~100nmである。前記研磨材の粒子は、直径が60~80nmであることが好ましい。
【0030】
更に、前記ダイヤモンドワイヤ切断加工ステップにおいては、切断ワイヤの張力は、22~40Nであり、ワイヤ運行速度は、1200~1800m/minであり、スイング角度は、1~10°であり、送り速度は、5~15mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径は、0.12~0.28mmである。前記ダイヤモンドワイヤ切断加工ステップにおいては、切断ワイヤの張力は、30~40Nであり、ワイヤ運行速度は、1300~1600m/minであり、スイング角度は、3~8°であり、送り速度は、8~12mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径は、0.15~0.20mmであることが好ましい。前記ダイヤモンドワイヤ切断加工ステップにおいては、切断ワイヤの張力は、33~38Nであり、ワイヤ運行速度は、1400~1500m/minであり、スイング角度は、4~6°であり、送り速度は、9~11mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径は、0.15~0.18mmであることがより好ましい。
【0031】
ダイヤモンドワイヤ切断方法の原理は、ダイヤモンドワイヤ(金属ニッケルにより)を用いてシーブの間に等間隔のワイヤメッシュを形成し、ワイヤメッシュの高速往復運動により切削の効果を得ることである。本願においては、一定の濃度の研磨材の粒子を冷却液に添加し、粒子が酸化アルミニウム、金剛石、炭化ホウ素等であっても良く、質量パーセント濃度が2%~10%であり、伝統的なモルタル切断方法及び固結モルタルワイヤ切断方法を合わせて用いることによって、切削面の粗さがより低く、刀痕率がより低い。
【0032】
更に、前記砥石研削は、粗研削及び精密研削の2つのステップを含む。前記粗研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に1000目~5000目の研磨材の粒子が固結されたものであり、前記精密研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に20000目~30000目の研磨材の粒子が固結されたものである。前記粗研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に2000目~4000目の研磨材の粒子が固結されたものであり、前記精密研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に25000目~30000目の研磨材の粒子が固結されたものであることが好ましい。前記粗研削における固結な研磨材は、研削砥石の上に3000目の研磨材の粒子が固結されたものであり、前記精密研削における固結された研磨材は、研削砥石の上に28000目の研磨材の粒子が固結されたものであることが好ましい。
【0033】
更に、前記粗研削のステップの研削砥石の回転速度は、1000~2000rpmであり、送り速度は、0.2~1μm/sであり、前記精密研削のステップの研削砥石の回転速度は、1000~2000rpmであり、送り速度は、0.2~1μm/sである。前記粗研削のステップの研削砥石の回転速度は、1300~1600rpmであり、送り速度は、0.6~0.8μm/sであり、前記精密研削のステップの研削砥石の回転速度は、1000~1200rpmであり、送り速度は、0.4~0.6μm/sであることが好ましい。
【0034】
前記砥石研削(Grinding)の原理は、金剛石の粒子を含む樹脂砥石を用いてウェハに対して片面の加工を行うことである。ウェハは、遅いスピードで回転し、砥石は、高速で回転し、異なる目数の砥石は、異なる加工の表面の粗さを得る。
【0035】
更に、前記化学機械研磨は、具体的には、酸性化学機械研磨である。
【0036】
更に、前記酸性化学機械研磨の処理ステップにおいて使用される研磨液は、研磨材、酸化剤、水溶性酸性ポリマー及びRO水を含む。なお、前記研磨材の質量パーセント濃度は、1~30%であり、前記研磨材は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、ダイヤモンド粒子、酸化セリウム、炭化珪素、炭化ホウ素、酸化ジルコニウム、金剛石の中から選択される一種類又は多種類である。前記酸化剤は、過酸化水素水、過マンガン酸カリウム、硝酸、塩酸、過塩素酸カリウムの中から選択される一種類又は多種類である。前記水溶性酸性ポリマーは、カルボキシルポリマー、スルホン酸基ポリマーの中から選択される一種類又は多種類である。
【0037】
更に、前記酸性化学機械研磨の処理ステップにおいて使用される研磨液は、研磨材、酸化剤、水溶性酸性ポリマー、分散剤及びRO水を含む。なお、前記研磨材の質量パーセント濃度は、1~30%であり、前記研磨材は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、ダイヤモンド粒子、酸化セリウム、炭化珪素、炭化ホウ素、酸化ジルコニウム、金剛石の中から選択される一種類又は多種類である。前記酸化剤は、過酸化水素水、過マンガン酸カリウム、硝酸、塩酸、過塩素酸カリウムの中から選択される一種類又は多種類である。前記水溶性酸性ポリマーは、カルボキシルポリマー、スルホン酸基ポリマーの中から選択される一種類又は多種類である。前記分散剤は、高級アルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールの中から選択される一種類又は多種類であり、質量パーセントが0.2~1%である。
【0038】
研磨液の中に水溶性酸性ポリマーを増やすことで、研磨液のpH値を制御することができるだけでなく、研磨液の分散の安定性を保つことができる役割も果たす。水溶性酸性ポリマーを増やした後、化学機械研磨プロセスにおいては、研磨液のpH値がずっと2~4の範囲内に保て、研磨材の、研磨液における分散均一性がほぼ影響されず、製品の研磨表面に擦り傷及び損傷が生じる可能性が減る。
【0039】
更に、前記研磨液の中には、腐食防止剤、粘度調整剤、界面活性材、抗菌剤が更に含まれても良い。
【0040】
更に、前記酸性化学機械研磨の処理ステップの中の酸性化学機械研磨液は、pH値が2~4であり、回転速度が20~50rpmであり、圧力が200~500g/cmであり、材料の流量が3~10L/minである。前記酸性化学機械研磨の処理ステップの中の酸性化学機械研磨液は、pH値が2.5~3.5であり、回転速度が25~45rpmであり、圧力が250~450g/cmであり、材料の流量が5~7L/minであることが好ましい。前記酸性化学機械研磨の処理ステップの中の酸性化学機械研磨液は、pH値が3.0~3.5であり、回転速度が30~40rpmであり、圧力が300~400g/cmであり、材料の流量が6~7L/minであることがより好ましい。
【発明の効果】
【0041】
本願は、次のような有益的な効果を有する。
【0042】
1、本願は、完全に固結された研磨材による加工方法を用いることによって、加工効率を大幅に高めることができる。伝統的な遊離研磨材研削及び研磨の代わり、固結された研磨材を用いるメリットは、研磨材がキャリアに嵌められることにより、生じた嵌め込み擦り傷がとても浅いので、研磨材の集まり、研磨材のディスク面への嵌め込みによる擦り傷の問題を解決することができる。固結された研磨材の研削により、ウェハの表面の高い箇所を効率的に除去し、砥石が変形しにくく、加工した表面形状のパラメータが良く、ウェハの平坦性を高めることができる。
【0043】
2、本願は、砥石上の固結された研磨材を用いて加工するので、得られた単結晶炭化ケイ素基板は、比較的良い表面形状のデータを有し、比較的低い全体の厚さの変化、局部の厚さの変化、湾曲度及び反り返り度を有する。
【0044】
3、本願は、酸性CMP加工方法を用いるので、Grinding(研削)工程による損傷を迅速で効率的に除去し、効率が5~10倍上げられ、ウェハの表面の粗さ≦0.2nmであることを保障することができる。本願によって製造された基板は、表面下損傷層がない。
【0045】
4、本願の単結晶炭化ケイ素基板の加工方法は、2、3、4、6、8インチの基板の加工に適用でき、基板のサイズが大きければ大きいほど、メリットがより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
ここで説明する図面は、本願をより理解するためのものであり、本願の一部を構成する。本願の例示的実施例及びその説明は、本願を解釈するために用いられ、本願を制限しない。
図1図1は、伝統的な加工方法により製造された単結晶炭化ケイ素基板のAFM表面形態図である。
図2図2は、本願の方法により製造された単結晶炭化ケイ素基板のAFM表面形態図である。
図3図3は、本願の高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板の製造方法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本願の全体的な構想をより分かりやすく説明するために、以下、明細書の図面を参照しながら、例示する方法で詳しく説明する。
【0048】
高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板の製造方法は、ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4を含む。
【0049】
ステップ1においては、初期加工を行い、即ち、単結晶炭化ケイ素基板に対して初期加工を行う。
【0050】
ステップ2においては、ダイヤモンドワイヤで切断し、即ち、ダイヤモンドワイヤを用いてステップ1において初期加工された単結晶炭化ケイ素を切断し、なお、切断ワイヤは、張力が22~40Nであり、ワイヤ運行速度が1200~1800m/minであり、スイング角度が1~10°であり、送り速度が5~15mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径が0.12~0.28mmである。
【0051】
ステップ3においては、砥石研削し、即ち、Grinding(研削)のデバイスの2つの加工位置には、二種類の目数の砥石をそれぞれ取り付け、粗研削及び精密研削として、ステップ2においてダイヤモンドワイヤで切断された単結晶炭化ケイ素に対して研削加工を行い、なお、粗研削には、1000目~5000目の砥石を用い、回転速度、送り速度、精密研削には、20000目~30000目の砥石を用い、回転速度が1000~2000rpmであり、送り速度が0.2~1μm/sである。
【0052】
ステップ4においては、酸性CMP加工を行い、即ち、酸性化学機械研磨液を用いてステップ3において砥石研削された後の単結晶炭化ケイ素に対して酸性CMP加工を行い、酸性CMP加工プロセスにおいては、pH値が2~4に保て、回転速度が20~50rpmであり、圧力が200~500g/cmであり、材料の流量が3~10L/minである。
【0053】
(実施例1)
直径が100mmである高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板の製造方法は、ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4を含む。
【0054】
ステップ1においては、初期加工を行い、即ち、単結晶炭化ケイ素基板に対して初期加工を行う。
【0055】
ステップ2においては、ダイヤモンドワイヤで切断し、即ち、ダイヤモンドワイヤを用いてステップ1において初期加工された単結晶炭化ケイ素を切断し、なお、切断ワイヤは、張力が22Nであり、ワイヤ運行速度が1200m/minであり、スイング角度が5°であり、送り速度が5mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径が0.12mmである。
【0056】
ステップ3においては、砥石研削し、即ち、Grinding(研削)のデバイスの2つの加工位置には、二種類の目数の砥石をそれぞれ取り付け、粗研削及び精密研削として、ステップ2においてダイヤモンドワイヤで切断された単結晶炭化ケイ素に対して研削加工を行い、なお、粗研削には、1000目の砥石を用い、回転速度、送り速度、精密研削には、20000目の砥石を用い、回転速度が1000rpmであり、送り速度が0.2μm/sである。
【0057】
ステップ4においては、酸性CMP加工を行い、即ち、酸性化学機械研磨液を用いてステップ3において砥石研削された後の単結晶炭化ケイ素に対して酸性CMP加工を行い、酸性CMP加工プロセスにおいては、pH値が2に保て、回転速度が20rpmであり、圧力が200g/cmであり、材料の流量が5L/minである。
【0058】
実施例1により製造された、直径が100mmである単結晶炭化ケイ素基板の技術パラメータは、次の通りである。表面の粗さは、0.05nmであり、表面下損傷層がなく、微小な擦り傷die比率が5%であり、pit比率が0.05個/cmであり、bump比率が0.05個/cmである。
【0059】
表面形状のデータは、次の通りである。TTVが2μmであり、LTV(1cm*1cm)が1.5μmであり、湾曲度Bowが15μmであり、Warpが30μmである。
【0060】
(実施例2)
直径が100mmである高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板の製造方法は、ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4を含む。
【0061】
ステップ1においては、初期加工を行い、即ち、単結晶炭化ケイ素基板に対して初期加工を行う。
【0062】
ステップ2においては、ダイヤモンドワイヤで切断し、即ち、ダイヤモンドワイヤを用いてステップ1において初期加工された単結晶炭化ケイ素を切断し、なお、切断ワイヤは、張力が40Nであり、ワイヤ運行速度が1800m/minであり、スイング角度が10°であり、送り速度が15mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径が0.28mmである。
【0063】
ステップ3においては、砥石研削し、即ち、Grinding(研削)のデバイスの2つの加工位置には、二種類の目数の砥石をそれぞれ取り付け、粗研削及び精密研削として、ステップ2においてダイヤモンドワイヤで切断された単結晶炭化ケイ素に対して研削加工を行い、なお、粗研削には、5000目の砥石を用い、回転速度、送り速度、精密研削には、30000目の砥石を用い、回転速度が2000rpmであり、送り速度が1μm/sである。
【0064】
ステップ4においては、酸性CMP加工を行い、即ち、酸性化学機械研磨液を用いてステップ3において砥石研削された後の単結晶炭化ケイ素に対して酸性CMP加工を行い、酸性CMP加工プロセスにおいては、pH値が4に保て、回転速度が50rpmであり、圧力が500g/cmであり、材料の流量が5L/minである。
【0065】
実施例2により製造された、直径が100mmである単結晶炭化ケイ素基板の技術パラメータは、次の通りである。表面の粗さは、0.08nmであり、表面下損傷層がなく、微小な擦り傷die比率が4%であり、pit比率が0.03個/cmであり、bump比率が0.03個/cmである。
【0066】
表面形状のデータは、次の通りである。TTVが1.5μmであり、LTV(1cm*1cm)が1.1μmであり、湾曲度Bowが10μmであり、Warpが20μmである。
【0067】
(実施例3)
直径が150mmである高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板の製造方法は、ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4を含む。
【0068】
ステップ1においては、初期加工を行い、即ち、単結晶炭化ケイ素基板に対して初期加工を行う。
【0069】
ステップ2においては、ダイヤモンドワイヤで切断し、即ち、ダイヤモンドワイヤを用いてステップ1において初期加工された単結晶炭化ケイ素を切断し、なお、切断ワイヤは、張力が30Nであり、ワイヤ運行速度が1500m/minであり、スイング角度が5°であり、送り速度が10mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径が0.15mmである。
【0070】
ステップ3においては、砥石研削し、即ち、Grinding(研削)のデバイスの2つの加工位置には、二種類の目数の砥石をそれぞれ取り付け、粗研削及び精密研削として、ステップ2においてダイヤモンドワイヤで切断された単結晶炭化ケイ素に対して研削加工を行い、なお、粗研削には、3000目の砥石を用い、回転速度、送り速度、精密研削には、25000目の砥石を用い、回転速度が1500rpmであり、送り速度が0.5μm/sである。
【0071】
ステップ4においては、酸性CMP加工を行い、即ち、酸性化学機械研磨液を用いてステップ3において砥石研削された後の単結晶炭化ケイ素に対して酸性CMP加工を行い、酸性CMP加工プロセスにおいては、pH値が3に保て、回転速度が30rpmであり、圧力が300g/cmであり、材料の流量が8L/minである。
【0072】
実施例3により製造された、直径が150mmである単結晶炭化ケイ素基板の技術パラメータは、次の通りである。表面の粗さは、0.08nmであり、表面下損傷層がなく、微小な擦り傷die比率が6%であり、pit比率が0.06個/cmであり、bump比率が0.05個/cmである。
【0073】
表面形状のデータは、次の通りである。TTVが3μmであり、LTV(1cm*1cm)が1.8μmであり、湾曲度Bowが17μmであり、Warpが25μmである。
【0074】
(実施例4)
直径が150mmである高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板の製造方法は、ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4を含む。
【0075】
ステップ1においては、初期加工を行い、即ち、単結晶炭化ケイ素基板に対して初期加工を行う。
【0076】
ステップ2においては、ダイヤモンドワイヤで切断し、即ち、ダイヤモンドワイヤを用いてステップ1において初期加工された単結晶炭化ケイ素を切断し、なお、切断ワイヤは、張力が35Nであり、ワイヤ運行速度が1600m/minであり、スイング角度が5°であり、送り速度が12mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径が0.15mmである。
【0077】
ステップ3においては、砥石研削し、即ち、Grinding(研削)のデバイスの2つの加工位置には、二種類の目数の砥石をそれぞれ取り付け、粗研削及び精密研削として、ステップ2においてダイヤモンドワイヤで切断された単結晶炭化ケイ素に対して研削加工を行い、なお、粗研削には、3000目の砥石を用い、回転速度、送り速度、精密研削には、25000目の砥石を用い、回転速度が1500rpmであり、送り速度が0.6μm/sである。
【0078】
ステップ4においては、酸性CMP加工を行い、即ち、酸性化学機械研磨液を用いてステップ3において砥石研削された後の単結晶炭化ケイ素に対して酸性CMP加工を行い、酸性CMP加工プロセスにおいては、pH値が2.5に保て、回転速度が40rpmであり、圧力が400g/cmであり、材料の流量が6L/minである。
【0079】
実施例4により製造された、直径が150mmである単結晶炭化ケイ素基板の技術パラメータは、次の通りである。表面の粗さは、0.01nmであり、表面下損傷層がなく、微小な擦り傷die比率が5%であり、pit比率が0.03個/cmであり、bump比率が0.03個/cmである。
【0080】
表面形状のデータは、次の通りである。TTVが1.4μmであり、LTV(1cm*1cm)が0.9μmであり、湾曲度Bowが9μmであり、Warpが16μmである。
【0081】
参考例
直径が200mmである高平坦性、低ダメージの単結晶炭化ケイ素基板の製造方法は、ステップ1、ステップ2、ステップ3及びステップ4を含む。
【0082】
ステップ1においては、初期加工を行い、即ち、単結晶炭化ケイ素基板に対して初期加工を行う。
【0083】
ステップ2においては、ダイヤモンドワイヤで切断し、即ち、ダイヤモンドワイヤを用いてステップ1において初期加工された単結晶炭化ケイ素を切断し、なお、切断ワイヤは、張力が35Nであり、ワイヤ運行速度が1500m/minであり、スイング角度が4°であり、送り速度が10mm/hであり、ダイヤモンドワイヤ直径が0.154mmである。
【0084】
ステップ3においては、砥石研削し、即ち、Grinding(研削)のデバイスの2つの加工位置には、二種類の目数の砥石をそれぞれ取り付け、粗研削及び精密研削として、ステップ2においてダイヤモンドワイヤで切断された単結晶炭化ケイ素に対して研削加工を行い、なお、粗研削には、3000目の砥石を用い、回転速度、送り速度、精密研削には、25000目の砥石を用い、回転速度が1500rpmであり、送り速度が0.6μm/sである。
【0085】
ステップ4においては、酸性CMP加工を行い、即ち、酸性化学機械研磨液を用いてステップ3において砥石研削された後の単結晶炭化ケイ素に対して酸性CMP加工を行い、酸性CMP加工プロセスにおいては、pH値が2に保て、回転速度が35rpmであり、圧力が400g/cmであり、材料の流量が8L/minである。
【0086】
参考例により製造された、直径が200mmである単結晶炭化ケイ素基板の技術パラメータは、次の通りである。表面の粗さは、0.01nmであり、表面下損傷層がなく、微小な擦り傷die比率が9%であり、pit比率が0.03個/cmであり、bump比率が0.02個/cmである。
【0087】
表面形状のデータは、次の通りである。TTVが3.5μmであり、LTV(1cm*1cm)が2.3μmであり、湾曲度Bowが24μmであり、Warpが35μmである。
【0088】
(対比例1)
図1は、伝統的な加工方法により製造された単結晶炭化ケイ素基板の表面10μm*10μmのAFM表面形態図である。AFM表面形態図から分かるように、得られた基板の表面は、比較的多い擦り傷及び比較的大きな粗さを有し、損傷層が存在している。図2は、本願の方法により製造された単結晶炭化ケイ素基板の表面10μm*10μmのAFM表面形態図である。AFM表面形態図から分かるように、得られた基板の表面は、殆ど擦り傷がなく、均一性が良く、粗さが低く、損傷層が存在しない。
【0089】
(対比例2)
ダイヤモンドワイヤでの切断プロセスに用いられる冷却液には、研磨材を添加する時と研磨材を添加しない時の切断ウェハの表面の粗さと刀痕率に対してテストを行った。テストの結果から分かるように、冷却液には研磨材を添加しない場合、切断ウェハの表面は、粗さが500~700nmであり、刀痕率が5%~10%であり、冷却液には研磨材を添加する場合、切断ウェハの表面は、粗さが200~400nmであり、刀痕率<5%である。
【0090】
ダイヤモンドワイヤ切断の切削速度は、サンドワイヤ切断の切削速度に比べ、5~10倍上げられた。
【0091】
本明細書に詳しく説明していない内容は、当業者の周知の従来技術である。上述した内容は、本願の実施例に過ぎず、本願を制限しない。当業者にとっては、本願に対して様々な変更及び変化を行うことができる。本願の技術的構想及び原理以内に行われた任意の補正、置換え、改良等は、何れも本願の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3