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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】プラグ接続装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20230620BHJP
   H01R 13/44 20060101ALI20230620BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20230620BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/44 G
H01R13/66
H01R13/46 303C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022023291
(22)【出願日】2022-02-17
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】松村 暢也
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-174111(JP,A)
【文献】特開2017-215905(JP,A)
【文献】登録実用新案第3172236(JP,U)
【文献】中国実用新案第207765677(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、
単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部と、 前記第2コネクタ部の前記挿入口を開閉可能な開閉部と、
前記第2プラグが挿入されていない複数の前記挿入口のうち、前記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の前記挿入口の少なくとも1つが閉鎖されるように前記開閉部を制御する開閉制御部と
を備えるプラグ接続装置。
【請求項2】
前記開閉制御部は、前記第2プラグが挿入されていない複数の前記挿入口のうち1つを露出させると共に残りを閉鎖させるように前記開閉部を制御する
請求項1記載のプラグ接続装置。
【請求項3】
前記挿入口への前記第2プラグの挿入を検出する挿入検出部を備え、
前記開閉制御部は、前記挿入検出部の検出結果に基づいて、前記第2プラグが挿入されていない前記挿入口を判定する
請求項1または2記載のプラグ接続装置。
【請求項4】
前記開閉制御部は、
前記挿入検出部の検出結果に基づいて前記第2プラグが挿入された前記挿入口から前記第2プラグが抜出されたことを検知し、
前記第2プラグが抜出された前記挿入口と抜出前に開口された前記挿入口とのいずれかを前記開閉部に閉鎖させる
請求項3記載のプラグ接続装置。
【請求項5】
種類の異なる複数の前記挿入検出部を備え、
前記開閉制御部は、検出対象である前記挿入口に対して種類が異なる前記挿入検出部から異なる検出結果が得られた場合に、検出対象である前記挿入口を有する前記第2コネクタ部が異常であると判定する
請求項3または4記載のプラグ接続装置。
【請求項6】
前記第2コネクタ部が異常であることを外部に報知する報知部を備え、
前記開閉制御部は、前記第2コネクタ部が異常であると判定した場合に、前記報知部に前記第2コネクタ部が異常であることを外部に報知させる
請求項5記載のプラグ接続装置。
【請求項7】
前記第2コネクタ部ごとに前記報知部が設けられている請求項6記載のプラグ接続装置。
【請求項8】
前記挿入検出部として、前記挿入口に挿入された前記第2プラグへの給電ラインの電流を検出する電流検出部を備える請求項3~7のいずれか一項に記載のプラグ接続装置。
【請求項9】
プラグ接続装置に、複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部と、前記第2コネクタ部の前記挿入口を開閉可能な開閉部とが設けられ、
コンピュータに、
前記第2プラグが挿入されていない複数の前記挿入口のうち、前記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の前記挿入口の少なくとも1つが閉鎖されるように前記開閉部を制御させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグ接続装置、プラグ接続方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、異物が侵入して信頼性が低下することを防ぐためのテーブルタップを開示する。特許文献1に開示されたテーブルタップは、スライド移動可能なカバーを備える。特許文献1において、カバーは、カバー対象となる差込口を覆う位置と、差込口を露出する位置との間でスライド移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-174111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、交流電源プラグのように複数の端子を有するプラグと、USB(Universal Serial Bus)プラグのように単数の端子を有するプラグとの両方を接続可能なプラグ接続装置が存在する。このようなプラグ接続装置では、単数の端子を有するプラグが接続可能な挿入口が設けられている場合には、これらの挿入口に対して誤って複数の端部を有するプラグの端子を差し込む可能性がある。特許文献1に開示されたテーブルタップでは、カバーの位置をユーザが移動させる。このため、複数の挿入口に対して各々カバーが設けられているような場合には、これらの挿入口が2つ露出された状態となり、複数の端部を有するプラグの端子を誤って挿入口に挿入する可能性がある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、単数の端子を有するプラグが挿入可能な挿入口が複数設けられ、これらの挿入口に対して複数の端子を有するプラグの誤挿入をより確実に防止可能なプラグ接続装置、プラグ接続方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
本発明の第1の態様は、プラグ接続装置であって、複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部と、上記第2コネクタ部の上記挿入口を開閉可能な開閉部と、上記第2プラグが挿入されていない複数の上記挿入口のうち、上記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の上記挿入口の少なくとも1つが閉鎖されるように上記開閉部を制御する開閉制御部とを備えるという構成を採用する。
【0008】
本発明の第2の態様は、プラグ接続方法であって、プラグ接続装置が、複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部とを有し、上記第2プラグが挿入されていない複数の上記挿入口のうち、上記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の上記挿入口の少なくとも1つを閉鎖するという構成を採用する。
【0009】
本発明の第3の態様は、プログラムであって、プラグ接続装置に、複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部と、上記第2コネクタ部の上記挿入口を開閉可能な開閉部とが設けられ、コンピュータに、上記第2プラグが挿入されていない複数の上記挿入口のうち、上記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の上記挿入口の少なくとも1つが閉鎖されるように上記開閉部を制御させるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、単数の端子を有するプラグが挿入可能な挿入口が複数設けられ、これらの挿入口に対して複数の端子を有するプラグの誤挿入をより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態のテーブルタップの外観の概略構成を示す模式図である。
図2】第1実施形態のテーブルタップの内部の概略構成を示す模式図である。
図3】第1実施形態のテーブルタップの制御部の機能構成を示すブロック図である。
図4】制御部を含む第1実施形態のテーブルタップの模式図である。
図5】第1実施形態のテーブルタップの制御を説明するフローチャートである。
図6】第1実施形態のテーブルタップの制御を説明するフローチャートである。
図7】第1実施形態のテーブルタップの動作を説明する模式図である。
図8】第1実施形態のテーブルタップの動作を説明する模式図である。
図9】第1実施形態のテーブルタップの動作を説明する模式図である。
図10】第2実施形態のテーブルタップの概略構成を示す模式図である。
図11】第3実施形態のテーブルタップの概略構成を示す模式図である。
図12】第4実施形態のテーブルタップの概略構成を示す模式図である。
図13】第5実施形態のテーブルタップの概略構成を示す模式図である。
図14】第6実施形態のプラグ接続装置の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係るプラグ接続装置、プラグ接続方法及びプログラムの一実施形態について説明する。なお、以下の説明におけるテーブルタップは、本発明に係るプラグ接続装置の一例である。本発明のプラグ接続装置は、テーブルタップに限定されない。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、テーブルタップ1の外観の概略構成を示す模式図である。テーブルタップ1は、AC(Alternating Current)電源プラグPと、USBデバイスD(USBプラグ)とが接続可能である。AC電源プラグPは、複数の端子P1を有するプラグであり、電子機器等に設けられている。本実施形態では、AC電源プラグPは、2つの端子P1を有している。ただし、AC電源プラグPは、3つ以上の端子を有していてもよい。
【0014】
USBデバイスDは、例えば、USBプラグを介して充電可能なスマートフォンやタブレット端末といった電子機器である。また、USBデバイスDは、USBメモリやUSB無線LAN(Local Area Network)子機であってもよい。USBデバイスDは、単数の端子D1を有している。端子D1は、例えばType-Aの規格に準拠した形状に形成されている。なお、端子D1は、Type-BやType-C等の他の規格に準拠した形状であってもよい。なお、テーブルタップ1には、USBデバイスDに限られず、USBプラグを備える機器であれば接続可能である。
【0015】
図1に示すように、テーブルタップ1は、筐体2と、複数のコンセント部3(第1コネクタ部)と、複数のUSBコネクタ部4(第2コネクタ部)と、複数のシャッタ部5(開閉部)と、ケーブル6とを備えている。このようなテーブルタップ1は、例えば、テーブル等に設置される。ただし、テーブルタップ1は、テーブル以外の箇所に設置してもよい。また、テーブルタップ1の設置姿勢は特に限定されない。
【0016】
筐体2は、複数のコンセント部3と、複数のUSBコネクタ部4と、複数のシャッタ部5とを収容あるいは支持する。本実施形態において、筐体2は、直方体形状に形成されている。ただし、筐体2の形状は、直方体形状と異なる形状であってもよい。本実施形態では、筐体2の一面に対して、コンセント部3の後述する開口31と、USBコネクタ部4の挿入ポート41(挿入口)とが複数設けられている。
【0017】
本実施形態では、コンセント部3は、4つ(第1コンセント部3a、第2コンセント部3b、第3コンセント部3c及び第4コンセント部3d)設けられている。ただし、コンセント部3の設置数は、1つから3つであってもよい。また、コンセント部3の設置数は、5つ以上であってもよい。図1に示すように、4つのコンセント部3は、筐体2の長軸方向に沿って配列されている。
【0018】
各々のコンセント部3は、AC電源プラグPの端子P1が挿入可能な開口31を2つ(複数)有している。各々のコンセント部3が有する2つの開口31は、AC電源プラグPの2つの端子P1の配置間隔と同じ間隔で配列されている。これらの2つの開口31にAC電源プラグPの端子P1が挿入されることで、テーブルタップ1とAC電源プラグPとが接続される。本実施形態では、第1コンセント部3a、第2コンセント部3b、第3コンセント部3c及び第4コンセント部3dの各々に異なるAC電源プラグPが接続できる。つまり、テーブルタップ1は、同時に4つのAC電源プラグPが接続可能である。
【0019】
本実施形態では、USBコネクタ部4は、4つ(第1USBコネクタ部4a、第2USBコネクタ部4b、第3USBコネクタ部4c及び第4USBコネクタ部4d)設けられている。ただし、USBコネクタ部4の設置数は、1つから3つであってもよい。また、USBコネクタ部4の設置数は、5つ以上であってもよい。図1に示すように、4つのUSBコネクタ部4は、筐体2の長軸方向に沿って配列されている。
【0020】
USBコネクタ部4は、例えばType-Aの規格に準拠して形成されている。なお、USBコネクタ部4は、Type-BやType-C等の他の規格に準拠して形成されてもよい。
【0021】
各々のUSBコネクタ部4は、USBデバイスDの端子D1が挿入可能な挿入ポート41を1つ(単数)有している。この挿入ポート41にUSBデバイスDの端子D1が挿入されることで、テーブルタップ1とUSBデバイスDとが接続される。本実施形態では、第1USBコネクタ部4a、第2USBコネクタ部4b、第3USBコネクタ部4c及び第4USBコネクタ部4dの各々に異なるUSBデバイスDが接続できる。つまり、テーブルタップ1は、同時に4つのUSBデバイスDが接続可能である。
【0022】
複数の挿入ポート41の配列方向に間隔は特に限定されない。つまり、複数の挿入ポート41の配列は、AC電源プラグPの2つの端子P1の配置間隔と同じであってもよい。また、複数の挿入ポート41の配列は、AC電源プラグPの2つの端子P1の配置間隔と異なってもよい。本実施形態では、シャッタ部5を用いることでAC電源プラグPの端子P1が挿入ポート41に挿入されることが防止される。このため、複数の挿入ポート41の配列間隔は、AC電源プラグPの2つの端子P1の配置間隔と同じであっても、AC電源プラグPの端子P1が挿入ポート41に挿入されることが防止される。つまり、本実施形態のテーブルタップ1は、テーブルタップ1のデザインに応じて、複数の挿入ポート41の配列間隔を任意に設定できる。
【0023】
シャッタ部5は、USBコネクタ部4の各々に対して設けられている。各々のシャッタ部5は、USBコネクタ部4の挿入ポート41を開閉可能である。各々のシャッタ部5は、例えば、挿入ポート41を開閉する遮蔽体(カバー、扉あるいは蓋等)と、遮蔽体を移動させる駆動部とを備える。遮蔽体は、例えば、筐体2の外壁面に沿って設けられており、挿入ポート41を閉鎖する位置と挿入ポート41とを露出可能な位置とに移動可能である。なお、遮蔽体は、筐体2の内部に配置されてもよい。
【0024】
これらのシャッタ部5は、後述する制御部15の制御に基づいて、各々が個別に動作可能である。つまり、本実施形態のテーブルタップ1は、例えば、第1USBコネクタ部4aの挿入ポート41、第2USBコネクタ部4bの挿入ポート41、第3USBコネクタ部4cの挿入ポート41及び第4USBコネクタ部4dの挿入ポート41のいずれかを露出し、残りを閉鎖することができる。
【0025】
本実施形態においては、シャッタ部5として、第1シャッタ部5aと、第2シャッタ部5bと、第3シャッタ部5cと、第4シャッタ部5dとを備えている。第1シャッタ部5aは、第1USBコネクタ部4aの挿入ポート41を開閉する。第2シャッタ部5bは、第2USBコネクタ部4bの挿入ポート41を開閉する。第3シャッタ部5cは、第3USBコネクタ部4cの挿入ポート41を開閉する。第4シャッタ部5dは、第4USBコネクタ部4dの挿入ポート41を開閉する。
【0026】
ケーブル6は、筐体2に対して接続されている。ケーブル6は、コンセント部3に対して給電を行う電源ケーブルである。また、ケーブル6は、USBコネクタ部4に対して給電を行う。また、ケーブル6は、USBコネクタ部4に接続されたUSBデバイスDと通信を行うための通信ケーブルを含んでもよい。
【0027】
図2は、テーブルタップ1の内部の概略構成について示す模式図である。図2に示すように、テーブルタップ1は、筐体2の内部に変換器10と、直流電源ライン11と、分岐ライン12と、保護部13と、電流測定部14(挿入検出部)と、制御部15とを備えている。
【0028】
変換器10は、ケーブル6の内部配線と接続されている。変換器10をケーブル6から供給される交流電力を直流電力に変換するAC/DC(Direct Current)変換器である。変換器10は、例えば、100Vの交流電力を、5Vや15Vの直流電力に変換する。また、変換器10は、制御部15が必要とする電圧がUSBコネクタ部4に給電される電力と異なる場合には、制御部15に合わせた電圧の電力を生成する。
【0029】
直流電源ライン11及び分岐ライン12は、変換器10と、各々のUSBコネクタ部4とを接続する電力線である。直流電源ライン11は、変換器10に接続されており、変換器10から出力された直流電力を案内する。分岐ライン12は、各々のUSBコネクタ部4に対して設けられており、直流電源ライン11と各々のUSBコネクタ部4とを接続する。これらの分岐ライン12は、挿入ポート41に挿入されたUSBデバイスDへの給電ラインである。図2に示すように、本実施形態においては、分岐ライン12として、第1分岐ライン12aと、第2分岐ライン12bと、第3分岐ライン12cと、第4分岐ライン12dとが設けられている。
【0030】
第1分岐ライン12aは、直流電源ライン11と第1USBコネクタ部4aとを接続する。第2分岐ライン12bは、直流電源ライン11と第2USBコネクタ部4bとを接続する。第3分岐ライン12cは、直流電源ライン11と第3USBコネクタ部4cとを接続する。第4分岐ライン12dは、直流電源ライン11と第4USBコネクタ部4dとを接続する。
【0031】
保護部13は、分岐ライン12の途中部位に設けられている。保護部13は、分岐ライン12に異常な電流が流れた場合に、分岐ライン12の電流を遮断する。例えば、保護部13は、第1分岐ライン12aと、第2分岐ライン12bと、第3分岐ライン12cと、第4分岐ライン12dとの各々に設けられる保護素子を有する。保護素子は、例えば、ヒューズやポリスイッチである。
【0032】
電流測定部14(電流検出部)は、分岐ライン12の途中部位に設けられている。電流測定部14は、分岐ライン12に流れる電流の値を計測し、その計測結果の値を示す計測信号を出力する。この計測信号には、挿入ポート41にUSBデバイスDが挿入されているか否かを示す情報が含まれている。つまり、電流測定部14は、挿入ポート41にUSBデバイスDが挿入されているかを検出し、その検出結果を出力する。このような電流測定部14は、第1分岐ライン12aと、第2分岐ライン12bと、第3分岐ライン12cと、第4分岐ライン12dとの各々に設けられる電流センサを有する。
【0033】
制御部15は、シャッタ部5の開閉を制御する。本実施形態において制御部15は、USBデバイスDが挿入されていない複数の挿入ポート41のうち、AC電源プラグPの複数の端子P1が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の挿入ポート41の少なくとも1つが閉鎖されるようにシャッタ部5を制御する。つまり、AC電源プラグPが2つの端子P1を有している場合には、これらの2つの端子P1が同時に挿入可能な位置に配置された2つの挿入ポート41(USBデバイスDが挿入されていない挿入ポート41)の少なくとも一方が閉鎖されるように、制御部15は、シャッタ部5を制御する。
【0034】
このような制御を実現するために、例えば、制御部15は、USBデバイスDが挿入されていない挿入ポート41が複数存在する場合に、これらのUSBデバイスDが挿入されていない複数の挿入ポート41のうち1つのみが露出されると共に残りが閉鎖されるようにシャッタ部5を制御する。これによって、AC電源プラグPが2つの端子P1が同時に挿入可能な位置に配置された2つの挿入ポート41の少なくとも1つは閉鎖された状態となる。
【0035】
また、制御部15は、電流測定部14の測定結果(検出結果)に基づいて、挿入ポート41にUSBデバイスDが挿入されているか否かの判定をする。つまり、制御部15は、電流測定部14の検出結果に基づいて、USBデバイスDが挿入されていない挿入ポート41を判定する。
【0036】
例えば、挿入ポート41にUSBデバイスDが挿入されると、分岐ライン12に電流が流れるため、電流測定部14の測定値が上昇する。制御部15は、電流測定部14の測定結果が示す電流値が予め定められた閾値を超えた場合に、挿入ポート41にUSBデバイスDが挿入されたと判定する。一方、制御部15は、電流測定部14の測定結果が示す電流値が予め定められた閾値を超えない場合には、挿入ポート41にUSBデバイスDが挿入されていないと判定する。
【0037】
また、制御部15は、電流測定部14の測定結果に基づいてUSBデバイスDが挿入された挿入ポート41からUSBデバイスDが抜出されたことを検知する。このような場合に、制御部15は、USBデバイスDが抜出された挿入ポート41と抜出前に開口された挿入ポート41とのいずれかをシャッタ部5に閉鎖させる。
【0038】
このような制御部15は、マイクロコンピュータを備えており、予め記憶されたプログラムに基づいてシャッタ部5を制御する。図3は、制御部15の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部15は、機能部として、制御処理部15aと、シャッタ駆動部15bと、記憶部15cとを備える。これらの機能部は、マイクロコンピュータ等のハードウェアと、プログラム等との協働によって実現される。
【0039】
制御処理部15aは、電流測定部14にて測定された計測結果に基づいて挿入ポート41にUSBデバイスDが挿入されているか否かの判定を行う。また、制御処理部15aは、電流測定部14にて測定された計測結果に基づいて挿入ポート41にUSBデバイスDに挿入されたことを検知する。また、制御処理部15aは、電流測定部14にて測定された計測結果に基づいてUSBデバイスDが挿入された挿入ポート41からUSBデバイスDが抜出されたことを検知する。
【0040】
制御処理部15aは、USBデバイスDが挿入されていない挿入ポート41が複数存在する場合には、露出させる挿入ポート41をこれらのうちから1つ選択する。例えば、第1USBコネクタ部4aの挿入ポート41と、第2USBコネクタ部4bの挿入ポート41と、第3USBコネクタ部4cの挿入ポート41と、第4USBコネクタ部4dの挿入ポート41とに対して、予め優先順位が定められており、制御処理部15aは、優先順位が高い挿入ポート41を露出させる挿入ポート41として選択する。
【0041】
シャッタ駆動部15bは、複数のシャッタ部5の開閉を各々個別に駆動する。シャッタ駆動部15bは、制御処理部15aの判定結果に基づいて、複数のシャッタ部5を個別に駆動する。記憶部15cは、例えば、制御処理部15aで実行された各種演算の結果等を一時的に記憶する。また、記憶部15cは、シャッタ部5を制御するためのプログラムPRを予め記憶する。
【0042】
このプログラムPRは、制御部15に設けられたマイクロコンピュータに、USBデバイスDが挿入されていない複数の挿入ポート41のうち、AC電源プラグPの複数の端子P1が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の挿入ポート41の少なくとも1つが閉鎖されるようにシャッタ部5を制御させる。本実施形態では、プログラムPRは、制御部15に設けられたマイクロコンピュータに、USBデバイスDが挿入されていない複数の挿入ポート41のうち、1つが露出すると共に残りが閉鎖されるようにシャッタ部5を制御させる。
【0043】
図4は、制御部15を含むテーブルタップ1の模式図である。この図に示すように、筐体2の内部に変換器10が収容されており、変換器10から出力された直流電力がUSBデバイスDに供給される。電流測定部14は、変換器10からUSBデバイスDに流れる電流を測定し、測定結果を制御部15に入力する。制御部15は、電流測定部14の測定結果に基づいて、シャッタ部5を制御する。
【0044】
続いて、制御部15のシャッタ部5の制御(プラグ接続方法)の一例について、図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は、シャッタ部5の制御を説明するためのフローチャートである。
【0045】
図5に示すように、商用電源コンセントに本実施形態のテーブルタップ1が接続されることで本制御が開始される(ステップS1)。ここでは、例えば、テーブルタップ1のケーブル6を商用電源に接続する。
【0046】
テーブルタップ1が商用電源に接続されると、変換器10がDC電源(直流電源)を生成する。変換器10は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換することでDC電源を生成する。変換器10でDC電源が生成されると、制御部15に給電される(ステップS3)。制御部15は、給電されると初期化処理を開始する(ステップS4)。
【0047】
制御部15は、初期化処理を開始すると、電流が流れている挿入ポート41(USBコネクタ部4)が存在するか否かを判定する(ステップS5)。ここでは、制御部15は、電流測定部14から入力される電流の測定値が、予め記憶された閾値を超えている場合に、電流が流れている挿入ポート41が存在すると判定する。
【0048】
ステップS5において、電流が流れている挿入ポート41が存在すると判定した場合に、制御部15は、1つの未使用の挿入ポート41の開口操作を行う(ステップS6)。なお、未使用の挿入ポート41は、USBデバイスDが挿入されていない挿入ポート41を意味する。制御部15は、複数の未使用の挿入ポート41から優先順位の高い挿入ポート41を1つ選択する。制御部15は、選択した挿入ポート41に対して設けられたシャッタ部5を開放する。シャッタ部5が開放されることで、挿入ポート41が開口される。例えば、第1USBコネクタ部4aの挿入ポート41を開口する場合には、制御部15は、図7に示すように、第1USBコネクタ部4aの挿入ポート41を開閉する第1シャッタ部5aを開放する。ステップS6が完了すると、制御部15は、初期化処理を完了する(ステップS7)。
【0049】
ステップS5において、電流が流れている挿入ポート41が存在しないと判定した場合に、制御部15は、未使用の使用可能な挿入ポート41が存在するか否かを判定する(ステップS8)。制御部15は、故障等の理由により使用できない挿入ポート41を除いて未使用の挿入ポート41が存在する場合には、未使用の使用可能な挿入ポート41が存在すると判定する。
【0050】
ステップS8において、未使用の使用可能な挿入ポート41が存在すると判定した場合に、制御部15は、全ての未使用の挿入ポート41が閉鎖しているか否かを判定する(ステップS9)。全ての未使用の挿入ポート41が閉鎖している場合、制御部15は、1つの未使用の挿入ポート41の開口操作を行う(ステップS10)。
【0051】
ステップS10が完了すると、制御部15は、ステップS7に移行する。また、ステップS8にて未使用の使用可能な挿入ポート41が存在しないと判定した場合、及び、ステップS9にて全ての未使用の挿入ポート41が閉鎖していないと判定した場合も、制御部15は、ステップS7に移行する。
【0052】
初期化処理が完了すると、制御部15は、開口された未使用の挿入ポート41に電流が流れ始めたか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11にて、開口された未使用の挿入ポート41に電流が流れ始めていないと判定した場合には、制御部15は、電流が流れなくなった挿入ポート41が存在するか否かの判定を行う(ステップS12)。
【0053】
ステップS11にて、開口された未使用の挿入ポート41に電流が流れ始めたと判定した場合には、制御部15は、未使用の使用可能な挿入ポート41が存在するか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13において、未使用の使用可能な挿入ポート41が存在すると判定した場合に、制御部15は、全ての未使用の挿入ポート41が閉鎖しているか否かを判定する(ステップS14)。全ての未使用の挿入ポート41が閉鎖している場合、制御部15は、1つの未使用の挿入ポート41の開口操作を行う(ステップS15)。
【0054】
例えば、第1USBコネクタ部4aの挿入ポート41に対してUSBデバイスDが挿入された場合には、図8に示す黒丸で示した第1USBコネクタ部4aの挿入ポート41に閾値を超える電流が流れ始める。このため、図8に示すように、第2USBコネクタ部4bの挿入ポート41が開口される。
【0055】
ステップS15が完了すると、制御部15は、ステップS12に移行する。また、ステップS13にて未使用の使用可能な挿入ポート41が存在しないと判定した場合、及び、ステップS14にて全ての未使用の挿入ポート41が閉鎖していないと判定した場合も、制御部15は、ステップS12に移行する。
【0056】
ステップS12にて、電流が流れなくなった挿入ポート41が存在しないと判定した場合には、制御部15は、シャッタ部5の操作を行わない(ステップS16)。その後、制御部15は、テーブルタップ1への給電が停止された否かを判定する(ステップS17)。給電が停止されていない場合には、制御部15は、ステップS11に戻る。給電が停止された場合には、制御が終了する。
【0057】
ステップS12にて、電流が流れなくなった挿入ポート41が存在すると判定した場合には、制御部15は、電流の変化があった挿入ポート41と異なる挿入ポート41で開口している未使用の挿入ポート41が存在するか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18にて、未使用の挿入ポート41が存在すると判定した場合に、制御部15は、電流の変化が挿入ポート41の閉鎖操作を行う(ステップS19)。
【0058】
ステップS18にて、未使用の挿入ポート41が存在しないと判定した場合に、制御部15は、電流の変化があった挿入ポート41が複数存在するか否かの判定を行う(ステップS20)。電流の変化があった挿入ポート41が複数存在しないと判定した場合には、制御部15は、ステップS16に移行する。ステップS20にて、電流の変化があった挿入ポート41が複数存在すると判定した場合には、制御部15は、電流の変化がった挿入ポート41の全数から1を除いた数の挿入ポート41の閉鎖操作を行う(ステップS21)。制御部15は、ステップS21では、優先順位の高い挿入ポート41を除いた挿入ポート41を閉鎖する。
【0059】
ステップS19にて挿入ポート41の閉鎖操作を行った後、及び、ステップS21で挿入ポート41の閉鎖操作を行った後、制御部15はステップS17に移行する。なお、ステップS19及びステップS21にて挿入ポート41の閉鎖操作を行う場合には、図9に示すように、優先順位が高い挿入ポート41と異なる挿入ポート41が開口されるように、閉鎖操作をおこなってもよい。
【0060】
以上のような本実施形態のテーブルタップ1は、コンセント部3と、USBコネクタ部4と、シャッタ部5と、制御部15とを備えている。コンセント部3は、複数の端子P1を有するAC電源プラグPが差込可能である。USBコネクタ部4は、単数の端子D1を有するUSBデバイスDが挿入可能な挿入ポート41を有する。シャッタ部5は、USBコネクタ部4の挿入ポート41を開閉可能である。制御部15は、USBデバイスDが挿入されていない複数の挿入ポート41のうち、AC電源プラグPの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の挿入ポート41の少なくとも1つが閉鎖されるようにシャッタ部5を制御する。
【0061】
USBのType-Aの規格に準拠したUSBコネクタ部4の挿入ポート41の形状は、サイズは異なるもののコンセント部3の開口31の形状と同様に長方形の穴形状である。挿入ポート41が等間隔で並びかつ、コンセント部3の2つの開口31の配置ピッチと同様のピッチで配列されている場合には、複数の挿入ポート41が開放されていると、これらの挿入ポート41に跨ってAC電源プラグPの端子P1を誤挿入できてしまう。例えば、挿入ポート41の配置ピッチが12.7mmである場合や、これに近い場合に、AC電源プラグPの端子P1を挿入ポート41に誤挿入できてしまう。
【0062】
AC電源プラグPを挿入ポート41に誤挿入した場合には、保護部13で回路が保護されたとしても、筐体2が傷つく等の問題が生じる可能性がある。その対策として、2つ以上の挿入ポート41をコンセント部3の開口31と同間隔で配置しないようにしたり、コンセント部3の傍にUSBコネクタ部4を配置しなかったりということが考えられる。しかしながら、こういった制限は、テーブルタップ1の外観(見た目)や内観(内部の部品のレイアウト)といったデザイン性や製品コストに影響を与えることになる。
【0063】
これに対して、本実施形態のテーブルタップ1によれば、単数の端子D1を有するUSBデバイスDが挿入可能な挿入ポート41が複数設けられているにも関わらず、これらの挿入ポート41に対してAC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。したがって、本実施形態のテーブルタップ1によれば、テーブルタップ1のデザイン性や製品コストへの影響を抑えつつ、AC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。さらに、本実施形態のテーブルタップ1によれば、制御部15がシャッタ部5を制御するため、ユーザ自らが挿入ポート41を覆うようにカバーを移動させるような構成と比較して、より確実にAC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。
【0064】
また、本実施形態のテーブルタップ1において、制御部15は、USBデバイスDが挿入されていない複数の挿入ポート41のうち1つを露出させると共に残りを閉鎖させるようにシャッタ部5を制御する。このような本実施形態のテーブルタップ1によれば、開口される挿入ポート41が1つのみとなる。このため、テーブルタップ1のユーザが挿入ポート41をAC電源プラグPの差込口であると視認することを抑制できる。ただし、AC電源プラグPの2つの端子P1を同時に挿入できない位置に複数の挿入ポート41が位置する場合には、これらの挿入ポート41を同時に開口してもよい。
【0065】
また、本実施形態のテーブルタップ1においては、挿入ポート41へのUSBデバイスDの挿入を検出する電流測定部14を備えている。また、制御部15は、電流測定部14の検出結果に基づいて、USBデバイスDが挿入されていない挿入ポート41を判定する。このような本実施形態のテーブルタップ1によれば、制御部15は、電流測定部14の検出結果に基づいて、USBデバイスDが挿入されていない挿入ポート41を判定できる。したがって、制御部15は、閉鎖すべき挿入ポート41を判断できる。
【0066】
また、本実施形態のテーブルタップ1において、制御部15は、電流測定部14の検出結果に基づいてUSBデバイスDが挿入された挿入ポート41からUSBデバイスDが抜出されたことを検知する。また、制御部15は、USBデバイスDが抜出された挿入ポート41と抜出前に開口された挿入ポート41とのいずれかをシャッタ部5に閉鎖させる。このような本実施形態のテーブルタップ1によれば、USBデバイスDが抜出された後に、制御部15は、閉鎖すべき挿入ポート41を判断できる。
【0067】
また、本実施形態のテーブルタップ1においては、挿入ポート41に挿入されたUSBデバイスDへの給電ライン(分岐ライン12)の電流を測定する電流測定部14を用いて挿入ポート41へのUSBデバイスDの挿入を検出する。つまり、本実施形態のテーブルタップ1においては、給電ラインの電流変化を利用してUSBデバイスDの挿入を検出できるため、簡易な制御でUSBデバイスDの挿入を検出できる。
【0068】
また、本実施形態のプラグ接続方法は、USBデバイスDが挿入されていない複数の挿入ポート41のうち、AC電源プラグPの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の挿入ポート41の少なくとも1つを閉鎖する。このため、本実施形態のプラグ接続方法によれば、テーブルタップ1に単数の端子D1を有するUSBデバイスDが挿入可能な挿入ポート41が複数設けられているにも関わらず、これらの挿入ポート41に対してAC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。したがって、本実施形態のプラグ接続方法によれば、テーブルタップ1のデザイン性や製品コストへの影響を抑えつつ、AC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。さらに、本実施形態のプラグ接続方法によれば、制御部15がシャッタ部5を制御するため、ユーザ自らが挿入ポート41を覆うようにカバーを移動させるような構成と比較して、より確実にAC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。
【0069】
また、本実施形態のプログラムPRは、制御部15が備えるマイクロコンピュータに、USBデバイスDが挿入されていない複数の挿入ポート41のうち、AC電源プラグPの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の挿入ポート41の少なくとも1つが閉鎖されるようにシャッタ部5を制御させる。このため、本実施形態のプログラムPRによれば、テーブルタップ1に単数の端子D1を有するUSBデバイスDが挿入可能な挿入ポート41が複数設けられているにも関わらず、これらの挿入ポート41に対してAC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。したがって、本実施形態のプログラムPRによれば、テーブルタップ1のデザイン性や製品コストへの影響を抑えつつ、AC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。さらに、本実施形態のプログラムPRによれば、制御部15がシャッタ部5を制御するため、ユーザ自らが挿入ポート41を覆うようにカバーを移動させるような構成と比較して、より確実にAC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図10を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0071】
図10は、本実施形態のテーブルタップ1Aの模式図である。この図に示すように、本実施形態のテーブルタップ1Aは、接触式センサ20を備えている。接触式センサ20は、テーブルタップ1Aに装着されたUSBデバイスDが当接する位置に設けられている。接触式センサ20は、筐体2の外壁面に設けてよい。
【0072】
接触式センサ20は、USBデバイスDが挿入ポート41に挿入されると、USBデバイスDが当接する。接触式センサ20は、USBデバイスDが当接すると、当接したことを示す検出信号を出力する。つまり、接触式センサ20は、USBデバイスDの挿入ポート41への挿入を検出する。
【0073】
接触式センサ20は、制御部15と接続されている。接触式センサ20から出力された検出信号は、制御部15に入力される。制御部15は、接触式センサ20から入力された検出信号に基づいて、挿入ポート41にUSBデバイスDの端子D1が挿入されているか否かの判定を行う。
【0074】
このような本実施形態のテーブルタップ1Aによれば、接触式センサ20からの検出結果に基づいて、挿入ポート41にUSBデバイスDの端子D1が挿入されているか否かの判定を行うことできる。このため、電流測定部14を設けなくてもよい。
【0075】
また、電流測定部14を合わせて、接触式センサ20を設けてもよい。つまり、種類の異なる挿入検出部を設けてもよい。このような場合には、制御部15は、電流測定部14と接触式センサ20とから異なる検出結果が得られた場合に、検出対象の挿入ポート41を有するUSBコネクタ部4が異常であると判定してもよい。このように、種類の異なる挿入検出部を設けることで、容易にUSBコネクタ部4の故障を判定することができる。
【0076】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図11を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0077】
図11は、本実施形態のテーブルタップ1Bの模式図である。この図に示すように、本実施形態のテーブルタップ1Bは、光学式の反射センサ21を備えている。反射センサ21は、例えば赤外線等を射出する射出部と、赤外線等を受光する受光部とを備える。反射センサ21は、射出部から射出した赤外線等を受光部で受光すると、受光したことを示す検出信号を出力する。つまり、反射センサ21は、USBデバイスDの挿入ポート41への挿入を光学的に検出する。
【0078】
反射センサ21は、制御部15と接続されている。反射センサ21から出力された検出信号は、制御部15に入力される。制御部15は、反射センサ21から入力された検出信号に基づいて、挿入ポート41にUSBデバイスDの端子D1が挿入されているか否かの判定を行う。
【0079】
このような本実施形態のテーブルタップ1Bによれば、反射センサ21からの検出結果に基づいて、挿入ポート41にUSBデバイスDの端子D1が挿入されているか否かの判定を行うことできる。このため、電流測定部14を設けなくてもよい。
【0080】
また、電流測定部14を合わせて、反射センサ21を設けてもよい。つまり、種類の異なる挿入検出部を設けてもよい。このような場合には、制御部15は、電流測定部14と反射センサ21とから異なる検出結果が得られた場合に、検出対象の挿入ポート41を有するUSBコネクタ部4が異常であると判定してもよい。このように、種類の異なる挿入検出部を設けることで、容易にUSBコネクタ部4の故障を判定することができる。
【0081】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図12を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0082】
図12は、本実施形態のテーブルタップ1Cの模式図である。この図に示すように、本実施形態のテーブルタップ1Cは、光学式の遮蔽センサ22を備えている。遮蔽センサ22は、例えば赤外線等を射出する射出部22aと、赤外線等を受光する受光部22bとを備える。これらの射出部22aと受光部22bとは、USBデバイスDが配置される箇所を間に挟んで配置されている。受光部22bは、射出部22aから射出した赤外線等が遮られると、遮光されたことを示す検出信号を出力する。つまり、遮蔽センサ22は、USBデバイスDの挿入ポート41への挿入を光学的に検出する。
【0083】
遮蔽センサ22は、制御部15と接続されている。遮蔽センサ22から出力された検出信号は、制御部15に入力される。制御部15は、遮蔽センサ22から入力された検出信号に基づいて、挿入ポート41にUSBデバイスDの端子D1が挿入されているか否かの判定を行う。
【0084】
このような本実施形態のテーブルタップ1Cによれば、遮蔽センサ22からの検出結果に基づいて、挿入ポート41にUSBデバイスDの端子D1が挿入されているか否かの判定を行うことできる。このため、電流測定部14を設けなくてもよい。
【0085】
また、電流測定部14を合わせて、遮蔽センサ22を設けてもよい。つまり、種類の異なる挿入検出部を設けてもよい。このような場合には、制御部15は、電流測定部14と遮蔽センサ22とから異なる検出結果が得られた場合に、検出対象の挿入ポート41を有するUSBコネクタ部4が異常であると判定してもよい。このように、種類の異なる挿入検出部を設けることで、容易にUSBコネクタ部4の故障を判定することができる。
【0086】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、図13を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0087】
図13に示すように、本実施形態のテーブルタップ1Dは、複数の報知部30を備えている。報知部30は、USBコネクタ部4が異常であることを外部に報知する。これらの報知部30としては、LED(Light Emitting Diode)素子や、ディスプレイを用いてよい。
【0088】
本実施形態において、報知部30は、USBコネクタ部4ごとに設けられている。本実施形態のテーブルタップ1Dは、報知部30として、第1報知部30aと、第2報知部30bと、第3報知部30cと、第4報知部30dとが設けられている。第1報知部30aは、第1USBコネクタ部4aに対応して設けられている。第2報知部30bは、第2USBコネクタ部4bに対応して設けられている。第3報知部30cは、第3USBコネクタ部4cに対応して設けられている。第4報知部30dは、第4USBコネクタ部4dに対応して設けられている。
【0089】
制御部15は、各々の報知部30と接続されている。制御部15は、USBコネクタ部4に異常が生じた場合には、報知部30に外部に異常を報知させる。第1報知部30aは、第1USBコネクタ部4aに異常が発生した場合に、例えば発光で外部に異常を報知する。また、第2報知部30bは、第2USBコネクタ部4bに異常が発生した場合に、例えば発光で外部に異常を報知する。また、第3報知部30cは、第3USBコネクタ部4cに異常が発生した場合に、例えば発光で外部に異常を報知する。また、第4報知部30dは、第4USBコネクタ部4dに異常が発生した場合に、例えば発光で外部に異常を報知する。
【0090】
このような本実施形態のテーブルタップ1Dは、USBコネクタ部4が異常であることを外部に報知する報知部30を備えている。また、制御部15は、USBコネクタ部4が異常であると判定した場合に、報知部30にUSBコネクタ部4が異常であることを外部に報知させる。このような本実施形態のテーブルタップ1Dによれば、USBコネクタ部4に異常があることを外部に報知できる。
【0091】
また、本実施形態のテーブルタップ1Dにおいては、USBコネクタ部4ごとに報知部30が設けられている。このため、どのUSBコネクタ部4に異常が発生したかを容易に外部から把握できる。
【0092】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図14を参照して説明する。図14は、本実施形態のプラグ接続装置100の概略構成図である。
【0093】
図14に示すように、本実施形態のプラグ接続装置100は、第1コネクタ部101と、複数の第2コネクタ部102と、開閉部103と、開閉制御部104とを備えている。
【0094】
第1コネクタ部101は、複数の端子を有する第1プラグが差込可能である。第2コネクタ部102は、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口102aを有する。開閉部103は、第2コネクタ部102の挿入口102aを開閉可能である。開閉制御部104は、第2プラグが挿入されていない複数の挿入口102aのうち、第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の挿入口102aの少なくとも1つが閉鎖されるように開閉部103を制御する。
【0095】
このような本実施形態のプラグ接続装置100によれば、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口102aが複数設けられているにも関わらず、これらの挿入口102aに対して第1プラグの端子を誤挿入することを防止できる。したがって、本実施形態のプラグ接続装置100によれば、プラグ接続装置100のデザイン性や製品コストへの影響を抑えつつ、第1プラグの端子を誤挿入することを防止できる。さらに、本実施形態のプラグ接続装置100によれば、開閉制御部104が開閉部103を制御するため、ユーザ自らが挿入口102aを覆うようにカバーを移動させるような構成と比較して、より確実に第1プラグの端子を誤挿入することを防止できる。
【0096】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0097】
例えば、挿入ポート41を閉鎖するシャッタ部5をロックするロック機構を備えてもよい。このようなロック機構を設けることで、給電が停止された場合であっても、シャッタ部5が挿入ポート41を閉鎖する状態を維持することができる。したがって、給電が停止された場合であっても、AC電源プラグPの端子P1を誤挿入することを防止できる。
【0098】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0099】
(付記1)
複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、
単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部と、
上記第2コネクタ部の上記挿入口を開閉可能な開閉部と、
上記第2プラグが挿入されていない複数の上記挿入口のうち、上記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の上記挿入口の少なくとも1つが閉鎖されるように上記開閉部を制御する開閉制御部と
を備えるプラグ接続装置。
【0100】
(付記2)
上記開閉制御部は、上記第2プラグが挿入されていない複数の上記挿入口のうち1つを露出させると共に残りを閉鎖させるように上記開閉部を制御する
付記1記載のプラグ接続装置。
【0101】
(付記3)
上記挿入口への上記第2プラグの挿入を検出する挿入検出部を備え、
上記開閉制御部は、上記挿入検出部の検出結果に基づいて、上記第2プラグが挿入されていない上記挿入口を判定する
付記1または2記載のプラグ接続装置。
【0102】
(付記4)
上記開閉制御部は、
上記挿入検出部の検出結果に基づいて上記第2プラグが挿入された上記挿入口から上記第2プラグが抜出されたことを検知し、
上記第2プラグが抜出された上記挿入口と抜出前に開口された上記挿入口とのいずれかを上記開閉部に閉鎖させる
付記3記載のプラグ接続装置。
【0103】
(付記5)
種類の異なる複数の上記挿入検出部を備え、
上記開閉制御部は、検出対象である上記挿入口に対して種類が異なる上記挿入検出部から異なる検出結果が得られた場合に、検出対象である上記挿入口を有する上記第2コネクタ部が異常であると判定する
付記3または4記載のプラグ接続装置。
【0104】
(付記6)
上記第2コネクタ部が異常であることを外部に報知する報知部を備え、
上記開閉制御部は、上記第2コネクタ部が異常であると判定した場合に、上記報知部に上記第2コネクタ部が異常であることを外部に報知させる
付記5記載のプラグ接続装置。
【0105】
(付記7)
上記第2コネクタ部ごとに上記報知部が設けられている付記6記載のプラグ接続装置。
【0106】
(付記8)
上記挿入検出部として、上記挿入口に挿入された上記第2プラグへの給電ラインの電流を測定する電流測定部を備える付記3~7のいずれか一項に記載のプラグ接続装置。
【0107】
(付記9)
上記挿入検出部として、上記第2プラグを有するデバイスが接触されることで上記第2プラグの挿入を検出する接触式センサを備える付記3~8のいずれか一項に記載のプラグ接続装置。
【0108】
(付記10)
上記挿入検出部として、上記第2プラグを有するデバイスを光学的に検出する光学式センサを備える付記3~9のいずれか一項に記載のプラグ接続装置。
【0109】
(付記11)
プラグ接続装置が、複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部とを有し、
上記第2プラグが挿入されていない複数の上記挿入口のうち、上記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の上記挿入口の少なくとも1つを閉鎖する
プラグ接続方法。
【0110】
(付記12)
プラグ接続装置に、複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部と、上記第2コネクタ部の上記挿入口を開閉可能な開閉部とが設けられ、
コンピュータに、
上記第2プラグが挿入されていない複数の上記挿入口のうち、上記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の上記挿入口の少なくとも1つが閉鎖されるように上記開閉部を制御させる
プログラム。
【符号の説明】
【0111】
1 テーブルタップ
1A テーブルタップ
1B テーブルタップ
1C テーブルタップ
1D テーブルタップ
3 コンセント部(第1コネクタ部)
3a 第1コンセント部(第1コネクタ部)
3b 第2コンセント部(第1コネクタ部)
3c 第3コンセント部(第1コネクタ部)
3d 第4コンセント部(第1コネクタ部)
4 USBコネクタ部(第2コネクタ部)
4a 第1USBコネクタ部(第2コネクタ部)
4b 第2USBコネクタ部(第2コネクタ部)
4c 第3USBコネクタ部(第2コネクタ部)
4d 第4USBコネクタ部(第2コネクタ部)
5 シャッタ部(開閉部)
5a 第1シャッタ部(開閉部)
5b 第2シャッタ部(開閉部)
5c 第3シャッタ部(開閉部)
5d 第4シャッタ部(開閉部)
11 直流電源ライン(給電ライン)
12 分岐ライン(給電ライン)
12a 第1分岐ライン(給電ライン)
12b 第2分岐ライン(給電ライン)
12c 第3分岐ライン(給電ライン)
12d 第4分岐ライン(給電ライン)
14 電流測定部(挿入検出部)
15 制御部
20 接触式センサ(挿入検出部)
21 反射センサ(挿入検出部)
22 遮蔽センサ(挿入検出部)
30 報知部
30a 第1報知部
30b 第2報知部
30c 第3報知部
30d 第4報知部
41 挿入ポート(挿入口)
100 プラグ接続装置
101 第1コネクタ部
102 第2コネクタ部
102a 挿入口
103 開閉部
104 開閉制御部
D USBデバイス(第2プラグ)
D1 端子
P AC電源プラグ(第1プラグ)
P1 端子
PR プログラム
【要約】
【課題】単数の端子を有するプラグが挿入可能な挿入口が複数設けられ、これらの挿入口に対して複数の端子を有するプラグの誤挿入をより確実に防止可能なプラグ接続装置、プラグ接続方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】プラグ接続装置であって、複数の端子を有する第1プラグが差込可能な第1コネクタ部と、単数の端子を有する第2プラグが挿入可能な挿入口を有する複数の第2コネクタ部と、上記第2コネクタ部の上記挿入口を開閉可能な開閉部と、上記第2プラグが挿入されていない複数の上記挿入口のうち、上記第1プラグの複数の端子が同時に挿入可能な間隔で配列された複数の上記挿入口の少なくとも1つが閉鎖されるように上記開閉部を制御する開閉制御部とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14