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特許7298979薄膜製造のための化学物質源の統合された合成、送達及び加工のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】薄膜製造のための化学物質源の統合された合成、送達及び加工のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/16 20060101AFI20230620BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20230620BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230620BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
C23C16/16
C23C16/455
H01L21/31 B
H01L21/318 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020517181
(86)(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018036855
(87)【国際公開番号】W WO2019074553
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】62/571,439
(32)【優先日】2017-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508129090
【氏名又は名称】ジェレスト, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】アークルズ, バリー, シー.
(72)【発明者】
【氏名】カロエロス, アラン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン, エリック アンソニー, ザ サード
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-150229(JP,A)
【文献】特表2008-538796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/16
C23C 16/455
H01L 21/31
H01L 21/318
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケルカルボニル前駆体の生成及び基板へのニッケル薄膜の形成のための統合方法であって、
第1の場所で、バルク金属ニッケルを前駆体生成チャンバーに供給するステップと;
前記前駆体生成チャンバーを密封するステップと;
前記前駆体生成チャンバーをパージして、吸収及び残留ガスを排気するステップと;
前記バルク金属ニッケルを、80℃~120℃の温度に加熱するステップと;
前記前駆体生成チャンバーに一酸化炭素を供給し、同時に前駆体生成システム及び下流の相互連結薄膜加工チャンバー間の流動連通を可能にして、前記ニッケルカルボニル前駆体を生成し、前記ニッケルカルボニル前駆体を前記前駆体生成チャンバーから前記薄膜加工チャンバーに直接供給するステップと;
前記基板で前記ニッケルカルボニル前駆体が分解して前記ニッケル薄膜が形成するように、前記薄膜加工チャンバーにおいて前記基板を180℃~250℃の温度に加熱するステップと;
前記薄膜加工チャンバーにおいて前記ニッケル薄膜形成の終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出を実施するステップと;
前記ニッケルカルボニル前駆体の生成が前記ニッケル薄膜形成と同時に又は連動して起こるように、前記ニッケルカルボニル前駆体の生成速度を制御するために、前記ニッケル薄膜形成に関するフィードバックを前記前駆体生成チャンバーに送るステップと
を含む、統合方法。
【請求項2】
アジ化水素酸前駆体の生成及びシリコン基板への窒化ケイ素薄膜の形成のための統合方法であって、
液体レベルより下の、チャンバーの下端部に近接したガス入口及び液体レベルより上のガス出口を有する前駆体生成チャンバーに高沸点ヒドロキシル液を供給するステップと;
前記ヒドロキシル液を40℃~65℃の温度に加熱して、ヒドロキシル化液を形成するステップと;
キャリアガスに混入したトリメチルシリルアジドの第1の流れを、前記ガス入口を通して前記前駆体生成チャンバーに導入するステップであり、前記トリメチルシリルアジドが前記ヒドロキシル化液と反応し、アジ化水素酸前駆体を生成する、ステップと;
前記キャリアガスに混入した前記アジ化水素酸の第2の流れを、前記前駆体生成チャンバーから、前記前駆体生成チャンバーとタンデム動作し、これに連結されている薄膜加工チャンバーに直接供給するステップと;
前記アジ化水素酸が前記シリコン基板と反応して前記窒化ケイ素薄膜を形成するように、前記薄膜加工チャンバーにおいて前記シリコン基板を325℃~500℃の温度に加熱するステップと;
前記薄膜加工チャンバーにおいて前記窒化ケイ素薄膜形成の終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出を実施するステップと;
前記アジ化水素酸前駆体の生成が前記窒化ケイ素薄膜形成と同時に又は連動して起こるように、前記アジ化水素酸前駆体の前記生成を制御するために、前記窒化ケイ素薄膜形成に関するフィードバックを前記前駆体生成チャンバーに送るステップと
を含む、統合方法。
【請求項3】
モノシリルアミン前駆体の生成及びシリコン基板への窒化ケイ素薄膜の形成のための統合方法であって、
第1のキャリアガスに混入したアンモニアの第1の流れを前駆体生成チャンバーに供給するステップと;
第2のキャリアガス中のモノクロロシランの第2の流れを前記前駆体生成チャンバーに供給して、前記第1の流れと反応させ、前記モノシリルアミン前駆体を生成するステップと;
前記第1及び第2のキャリアガスに前記混入したモノシリルアミン前駆体を、前記前駆体生成チャンバーから、前記前駆体生成チャンバーとタンデム動作し、これに連結されている薄膜加工チャンバーに供給するステップと;
前記モノシリルアミン前駆体の消費のための製造技術を適用して、前記薄膜加工チャンバーに配置された前記シリコン基板に窒化ケイ素薄膜を形成するステップと;
前記薄膜加工チャンバーにおいて前記窒化ケイ素薄膜形成の終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出を実施するステップと;
前記モノシリルアミン前駆体の生成が前記窒化ケイ素薄膜形成と同時に又は連動して起こるように、前記モノシリルアミン前駆体の前記生成を制御するために、前記窒化ケイ素薄膜形成に関するフィードバックを前記前駆体生成チャンバーに送るステップと
を含む、統合方法。
【請求項4】
前記前駆体生成チャンバーが、一連の静的フローミキサーを備えるプラグフロー反応器である、請求項に記載の統合方法。
【請求項5】
前記第1及び第2のキャリアガスに混入した前記モノシリルアミン前駆体を前記薄膜加工チャンバーに供給する前に、少なくとも1つのパラメーターのモニタリング及び検出のために、前記第1及び第2のキャリアガスに混入した前記モノシリルアミン前駆体を、前記前駆体生成チャンバーから計測学チャンバーに供給するステップをさらに含む、請求項に記載の統合方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願への相互参照]
[0002]本出願は、2017年10月12日に出願された米国特許仮出願第62/571,439号への優先権を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[発明の背景]
[0003]本発明は、例えば、堆積、エッチング及びパターニングを含む、薄膜製造のための化学物質源の合成、輸送及び送達、並びに加工のための方法及び統合システムを含む。
【0003】
[0004]集積回路(IC)デバイス及び微小電気機械システム(MEMS)を含む複数の産業にわたって、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、液相めっき、エッチング(原子層エッチング、部分及び完全材料除去プロセスを含む)、注入(例えば、イオン注入)、並びにパターニング(すなわち、先に堆積された層に所定の構造、例えば、シリコン基板にトランジスタパターンを形成すること)を含むがこれらに限定されない従来の薄膜製造方法は、以下の5ステップ手法を主に含む:(1)第1の場所、例えば化学物質製造プラントで、前駆体を製造又は合成する;(2)次いで、前駆体を顧客に運送する準備ができるまで、漏れ及び溢れ防止特注容器又は特設保管設備で保管する;(3)次いで、漏れ及び溢れ防止特注容器又は特設保管設備の前駆体を、陸上輸送、空中輸送又は海上輸送によって、前駆体がデバイス又はシステムの製造に使用されることになる第2の場所、典型的には顧客の産業プラントに輸送する;(4)前駆体を使用する準備ができるまで、前駆体を第2の場所で、漏れ及び溢れ防止特注容器又は特設保管設備において保管したままにする;(5)最後に、前駆体がデバイス又はシステム作製技術の一部として、薄膜の成長、構築又は形成に適用又は消費され得るように、前駆体を第2の場所で実施されている製造プロセスに導入する。
【0004】
[0005]しかしながら、上で論じた従来の製造方法には、種々の技術的、安全性、環境的及び経済的な非効率さ及び欠点がある。従来の製造方法は、バルク貯蔵の危険性又は使用する前にその完全性を保持するために大規模な冷却が必要であることによって、例えば、有害な吸入毒性を有する及び/又は衝撃感度に起因して不安定である化学物質を輸送できないことによって制限される。別の主な欠点は、前駆体の合成と前駆体の実際の使用との間に経過する、不必要に長い時間ウィンドウ及び長い持続期間である。この欠点は、前駆体が販売され、使用のために顧客設備に運送される前に、化学合成設備において高価な前駆体を貯蔵及び保管する必要性に関連する資本支出に起因して、大きな経済的負担をもたらす。本プロトコルはまた、前駆体が使用されるまで前駆体の完全性を保持するための特化された容器の使用を必要とし、これは、別の付加費用である。余剰は、前駆体合成及び消費設備の両方における保管及び輸送につきものである。前駆体合成設備における前駆体合成及び顧客設備における前駆体消費からの副生成物の二重の取り扱い、保管、処理及び廃棄により、莫大なさらなる費用が生じる。さらに、時間に伴う製品品質の変化に関する懸念により、製造の時点から消費の時点までに、製品が目的の技術仕様からはずれていないことを保証するための追加費用が生じることがある。
【0005】
[0006]空中輸送、海上輸送又は陸上輸送による化学物質の輸送に関する環境、安全性及び健康への脅威、並びに例えば、ヒューマンエラー、品質管理の失敗及び/又は運送及び取り扱いフェーズの間に起こり得る他の予期せぬ出来事に起因した化学物質の流出に由来し得る、その結果生じるヒト及び環境への甚大な影響も同様に重要である。
【0006】
[0007]これらの不利益及び欠点は、これらの従来の製造方法の多くがバッチ、スタンドアローン及びクラスターツール製造又は加工装置と一般に呼ばれるものにおいて用いられる、半導体(すなわち、コンピュータチップ)及びヘテロデバイス集積回路(IC)産業において例示される。バッチツール加工は、単一の製造装置の複数のウェーハへの製造技術の同時適用を含む。これとは対照的に、スタンドアローンツール加工は、ウェーハを異なるバッチ、スタンドアローン又はクラスターツール製造装置に輸送する前の、個々の1つの装置における単一のウェーハへの製造技術の適用を含む。一方、クラスターツール加工は、いくつかの単一ウェーハ加工チャンバー及びウェーハハンドリングロボットを含む。
【0007】
[0008]クラスターツール加工は、International Symposium on Semiconductor Manufacturing(A.Bowling、Int’l. Symposium on Semiconductor Mfg.、(1994年6月21~22日、IEEE))に公開された、「Single-Wafer Processing And Real-Time Process Control For Semiconductor Integrated Circuit Manufacturing」と題する、A.Bowlingによる論文に記載されている通り、近年、多様なウェーハ作製プロセスにおける使用が増加している。IC産業に大規模な新しい製造装置方法が成功裡に導入されたのは、Applied Materialsによる1980年代半ばの単一ウェーハクラスターツールの導入が最後であった。その時点で主流であったバッチ加工プロトコルの大部分がクラスターツールに基づく製造で置き換えられたことより、IC産業において、総製造原価を削減すること、コンピュータ制御センサーを製造装置に組み込んで、リアルタイム診断を提供すること、異なる製造レシピの同時実施での多重度を達成すること、迅速な製造サイクル時間を確実にすること、材料及びプロセスイノベーションを試験するためのショートループ製造サイクルを実装すること、並びに種々のIC製品の同時作製における柔軟性を実現することが可能になった。これらの実績は、例えば、Applied Materialsのウェブサイト、並びにM.M.Moslehiら及びS.M.Georgeらによる論文(M.M.Moslehiら、「Single-Wafer Integrated Semiconductor Device Processing」、IEEE Transactions on Electron Devices、V.39、pp.4~31(1992);S.M.George、「Atomic Layer Deposition: An Overview」、Chem.Rev.、V.110、pp.111~131(2010))に記載されている。
【0008】
[0009]クラスターツール製造方法が受け入れられたことは、曝露時間、圧力、温度及び他のパラメーターを含む加工パラメーターの厳格な制御を必要とするCVD及びALDプロセスなどの逐次プロセスが必要とされることに基づいている。例えば、クラスターツールは、典型的には、堆積チャンバーなどの各加工ステーションに供給される前駆体の固定入口を備える中央の自動ハンドリングユニットの周囲に配置された複数のウェーハ加工ステーションで形成される。入口は、典型的には、気体又は揮発性材料の安定なリザーバである。第1の堆積チャンバーで加工されたウェーハは、次いで指定の時間制限内に第1の堆積チャンバーを離れ、典型的には、in-situ、高真空条件下で、真空破壊なしに、クラスターツール内の別の堆積チャンバーに移動する。
【0009】
[0010]in-situ、高真空条件なしでは、ウェーハに構築されているデバイス構造は、残留前駆体ガス及び副生成物、初期堆積チャンバー内の熱、他の堆積前駆体又は前駆体副生成物との相互汚染の問題、ウェーハが1つのチャンバーから次のチャンバーに輸送されている間に空気に曝露された場合の酸化及び外部汚染物の含有などに起因した品質問題の対象になると考えられる。真空下での加工ステーション間のin-situ移送により、制御を確実にするための雰囲気又は環境の厳しい管理が可能になり、プロセスステップ間の汚染が実際に排除される。
【0010】
[0011]しかしながら、前駆体の生成及び供給は、クラスターツールとは無関係である。したがって、クラスターツールで利用される高レベルの自動化及び制御は、前駆体自体の生成にまでは拡張されず、むしろ、堆積チャンバーへの前駆体の制御送達又は供給にのみ拡張される。さらに、この様相は、使用時点まで保管条件下での前駆体の熱安定性及び化学完全性を維持することに本質的に依存する。
【0011】
[0012]これに加えて、より複雑でより小さい半導体及びヘテロデバイス構造に向かう十分確立された動きは、確立された薄膜堆積方法における制限の増加を引き起こしている。具体的には、温度変化がサブ構造内の望ましくない反応を誘導し得るデバイス構造の複雑さ及び熱脆弱性に起因して、デバイス構造の作製の間の低温曝露が必要不可欠になりつつある。この脅威は、例えば、M.Badarogluによる論文(M.Badaroglu、ITRS Summer Conference, Roadmap Meeting、Stanford University、2015年7月11~12日;及び国際半導体技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductors)2.0、2015年版、Interconnect)に記載されている。さらに、膜厚が原子寸法に近づくことで、電気移動に加えて熱誘導移動により、膜特性及び性能が変化し得る。
【0012】
[0013]別の考察は、典型的には、窒化ケイ素又は窒化ガリウムなどの伝統的な基板と同じプロセス温度に耐えられない、より可撓性基板、例えば、プラスチック又はポリマー基板への移行の希望である。例えば、S.Majeeら、「Permeation barrier performance of Hot Wire-CVD grown silicon-nitride films treated by argon plasma」、Thin Solid Films、V.575、pp.72~75(2015)を参照されたい。
【0013】
[0014]より複雑でより小さい作製構造に向かう後押しのなお別の結果は、新しい材料及びプロセス技術を組み込む動きである。1990年代の半導体は、最大でおよそ12個の原子元素を利用していたが、国際半導体技術ロードマップは、2015年の半導体製造では50個近くの原子元素が使用されると予想する。例えば、B.Bottomsら、ITRS Summer Conference, Roadmap Meeting、Stanford University、2015年7月11~12日;R.Allenら、ITRS Summer Conference, Roadmap Meeting、Stanford University、2015年7月11~12日;S.Das、ITRS Architecture Workshop、2015年2月26~27日を参照されたい。これらの様々な原子元素の可能な組合せから得られる化合物を考慮すると、材料(例えば、金属、半導体、絶縁体、誘電体など)多様性及び複雑性は、ほぼ指数的に急成長している。しかしながら、この成長は、製造装置の加工ステーション内で制御可能且つ高い信頼性で反応して高品質膜を形成できる揮発性前駆体の保管安定且つ輸送可能な供給源を開発できないことによって著しく制限される。
【0014】
[0015]より複雑でより小さい作製構造に向かう動きのさらなる結果は、それらの複雑性、新しい材料及びプロセス技術の導入、並びに超薄膜(例えば、原子層の薄さ)の形成における、極度の精度及び厳しい制御の必要性に起因して、そのような構造の製造に関連して増加する費用である。
【0015】
[0016]したがって、製造プロセスにおいて余分なステップを排除する又はステップの数を減少させ、したがって、従来の及び新しい材料及びプロセスの両方の製造費用を低下させる、薄膜製造のための前駆体の合成、送達及び加工のための方法及びシステムが望ましいと考えられる。さらに、前駆体の熱及び化学安定性の問題を排除する方法は、現在、従来の方法及びシステムでは得られない新しい望ましい薄膜組成物を堆積する能力を拡張すると考えられる。さらに、そのような方法及びシステムは、半導体(例えば、コンピュータチップ)、航空機、エネルギー、センサー、医療、生物学、化学及び防衛産業部門を含む複数の産業部門において非常に望ましいと考えられる。
【0016】
[発明の簡単な概要]
[0017]一実施形態では、本発明は、膜形成前駆体の合成、前駆体の消費及び基板への薄膜の形成のための統合システムであって、前駆体合成速度が、薄膜の形成のための前駆体の消費速度と同期している、統合システムに関する。
【0017】
[0018]別の実施形態では、本発明は、膜形成前駆体の合成、前駆体の消費及び基板への薄膜の形成のための統合システムに関する。本統合システムは、少なくとも1種の原材料を含有する原材料供給源と;入口及び出口を備える前駆体合成チャンバーであって、前駆体合成チャンバーの入口が、原材料を前駆体合成チャンバーに供給するために原材料供給源と連通しており、そこで原材料が反応して前駆体が合成される、前駆体合成チャンバーと;前駆体合成チャンバーと連結された薄膜加工チャンバーであって、薄膜加工チャンバーにおいて前駆体を消費して基板に薄膜を形成するために制御された状態で、前駆体を前駆体合成チャンバーから薄膜加工チャンバーに供給するための、前駆体合成チャンバーの出口と直接連通し、これに連結された入口を備える、薄膜加工チャンバーと;薄膜加工チャンバーにおける薄膜形成及び/又は前駆体合成チャンバーにおける前駆体合成の終点リアルタイムモニタリング及び検出のためのモニタリングシステムと;(i)前駆体合成の速度を制御して、前駆体合成速度が前駆体消費及び薄膜形成の需要に合致することを確実にするために、前駆体消費及び薄膜形成に関するデータをモニタリングシステムから受け取り、データを前駆体合成チャンバーに送る、並びに/又は(ii)前駆体消費及び薄膜形成の速度を制御して、前駆体消費及び薄膜形成の速度が、前駆体合成速度と合致することを確実にするために、前駆体合成に関するデータをモニタリングシステムから受け取り、データを薄膜加工チャンバーに送るためのコントローラーとを具備する。前駆体合成速度は、薄膜の形成のための前駆体消費速度と同期している。
【0018】
[0019]別の実施形態では、本発明は、膜形成前駆体の合成、前駆体の消費及び基板への薄膜の形成の統合方法に関する。本統合方法は、第1の場所で、少なくとも1種の原材料を含有する原材料供給源を用意するステップと;第1の場所で、少なくとも1種の原材料を原材料供給源から前駆体合成チャンバーに供給するステップと;第1の場所で、前駆体合成チャンバーにおいて少なくとも1種の原材料を反応させて、前駆体を形成するステップと;第1の場所で、前駆体を前駆体合成チャンバーから、前駆体合成チャンバーとタンデム動作し、これに連結されている薄膜加工チャンバーに制御された状態で供給するステップと;第1の場所で、前駆体の消費のための製造技術を適用して、薄膜加工チャンバーに配置された基板に薄膜を形成するステップと;薄膜加工チャンバーにおいて前駆体消費及び薄膜形成の終点リアルタイムモニタリング及び検出を実施するステップと;(i)前駆体の合成が薄膜形成と同時に又はタンデムで起こり、(ii)前駆体合成速度が前駆体消費及び薄膜形成の需要と合致し、且つ(iii)前駆体合成速度が、薄膜の形成のための前駆体消費速度と同期するように、前駆体の合成を制御するために、前駆体消費及び薄膜形成に関するフィードバックを前駆体合成チャンバーに送るステップとを含む。
【0019】
[0020]別の実施形態では、本発明は、ニッケルカルボニル前駆体の生成及び基板へのニッケル薄膜の形成のための統合方法に関する。本方法は、第1の場所で、バルク金属ニッケルを前駆体生成チャンバーに供給するステップと、前駆体生成チャンバーを密封するステップと、前駆体生成チャンバーをパージして、吸収及び残留ガスを排気するステップと、バルク金属ニッケルを、80℃~120℃の温度に加熱するステップと、前駆体生成チャンバーに一酸化炭素を供給し、同時に前駆体生成システム及び下流の相互連結された薄膜加工チャンバー間の流動連通を可能にして、ニッケルカルボニル前駆体を生成し、ニッケルカルボニル前駆体を前駆体生成チャンバーから薄膜加工チャンバーに直接供給するステップと、基板でニッケルカルボニル前駆体が分解してニッケル薄膜が形成するように、薄膜加工チャンバーにおいて基板を180℃~250℃の温度に加熱するステップと、薄膜加工チャンバーにおいてニッケル薄膜形成の終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出を実施するステップと、ニッケルカルボニル前駆体の生成がニッケル薄膜形成と同時に又はタンデムで起こるように、ニッケルカルボニル前駆体の生成速度を制御するために、ニッケル薄膜形成に関するフィードバックを前駆体生成チャンバーに送るステップとを含む。
【0020】
[0021]別の実施形態では、本発明は、アジ化水素酸前駆体の生成及びシリコン基板への窒化ケイ素薄膜の形成のための統合方法に関する。本方法は、前駆体生成チャンバーに高沸点ヒドロキシル液を供給するステップを含む。前駆体生成チャンバーは、液体レベルより下の、チャンバーの下端部に近接したガス入口及び液体レベルより上のガス出口を有する。本方法は、ヒドロキシル液を40℃~65℃の温度に加熱して、ヒドロキシル化液を形成するステップと;キャリアガスに混入したトリメチルシリルアジドの第1の流れを、ガス入口を通して前駆体生成チャンバーに導入するステップであって、トリメチルシリルアジドがヒドロキシル化液と反応し、アジ化水素酸前駆体が生成する、ステップと;キャリアガスに混入したアジ化水素酸の第2の流れを、前駆体生成チャンバーから、前駆体生成チャンバーとタンデム動作し、これに連結されている薄膜加工チャンバーに直接供給するステップと;アジ化水素酸がシリコン基板と反応して窒化ケイ素薄膜が形成するように、薄膜加工チャンバーにおいてシリコン基板を325℃~500℃の温度に加熱するステップと;薄膜加工チャンバーにおいて窒化ケイ素薄膜形成の終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出を実施するステップと;アジ化水素酸前駆体の生成が、窒化ケイ素薄膜形成と同時に又はタンデムで起こるように、アジ化水素酸前駆体の生成を制御するために、窒化ケイ素薄膜形成に関するフィードバックを前駆体生成チャンバーに送るステップとをさらに含む。
【0021】
[0022]別の実施形態では、本発明は、モノシリルアミン前駆体の生成及びシリコン基板への窒化ケイ素薄膜の形成のための統合方法に関する。本方法は、第1のキャリアガスに混入したアンモニアの第1の流れを前駆体生成チャンバーに供給するステップと;第2のキャリアガス中のモノクロロシランの第2の流れを前駆体生成チャンバーに供給して、第1の流れと反応させ、モノシリルアミン前駆体を生成するステップと;第1及び第2のキャリアガスに混入したモノシリルアミン前駆体を、前駆体生成チャンバーから、前駆体生成チャンバーとタンデム動作し、これに連結されている薄膜加工チャンバーに供給するステップと;モノシリルアミン前駆体の消費のための製造技術を適用して、薄膜加工チャンバーに配置されたシリコン基板に窒化ケイ素薄膜を形成するステップと;薄膜加工チャンバーにおいて窒化ケイ素薄膜形成の終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出を実施するステップと;モノシリルアミン前駆体の生成が窒化ケイ素薄膜形成と同時に又はタンデムで起こるように、モノシリルアミン前駆体の生成を制御するために、窒化ケイ素薄膜形成に関するフィードバックを前駆体生成チャンバーに送るステップとを含む。
【0022】
[0023]本発明のなお別の実施形態は、原子層堆積(ALD)パルス要件に合致するように時間を定めたパルスで金属ハロゲン化物前駆体を形成する、統合方法に関する。
【0023】
[0024]本発明による、前駆体の生成及び消費との薄膜形成需要要件の新規統合により、これまで一貫製造では現実的ではないと考えられていた条件下で薄い組成物の実際の堆積が可能になる。例えば、極めて毒性の高い又は爆発する可能性のある前駆体の場合、前駆体の物理的存在を毒性又は自己加速分解危険性限界未満に制御し、それらが製造プロセスにおいて即座に消費されるようにすることが可能である。また、第1及び第2のチャンバーが、厳格に制御されたバルブ及びポンプシステムを使用して、一緒に連結され、互いに連通していることから、各チャンバーの内部雰囲気の完全性が保持され、隔離されている一方、チャンバー間のガス、化学物質及び前駆体の正確な流れがなお可能である。
【0024】
[0025]本発明による、前駆体の生成及び消費との薄膜形成需要要件の新規統合によりまた、室温で過度に不安定である化学物質及び前駆体又は使用される前にその完全性を保持するために大規模な冷却が必要であるものの使用が可能になる。本発明はまた、まだ市販されておらず、現在製造に使用されていない新しい、従来にない前駆体及び化学物質の形成又は揮発を可能にする。本発明はまた、これまで、商用の薄膜作製及び改質プロセスに利用するには過度に毒性である、過度に不安定である、又はそれ以外で危険であると考えられていた公知及び望ましい前駆体及び化学物質の形成又は揮発を可能にする。
【0025】
[0026]本発明はまた、第1の場所、最も一般的には化学製造プラントで、前駆体又は化学物質を合成し、次いで、前駆体を、それらが製造プロセスにおいて消費される第2の場所のデバイス又はシステム製造プラントに輸送する必要のある従来の製造方法における不必要なステップを排除する。より詳細には、本発明は、合成された前駆体をデバイス又はシステム製造プラントに輸送するステップを排除する。次に、本発明はまた、化学物質が使用されるまでその完全性を保持するための、費用のかかる特化された容器の必要性を排除し;化学合成及び顧客設備の両方における保管及び輸送につきものの余剰を排除し;且つ化学プラントにおける前駆体合成及び製造プラントにおける前駆体化学消費からの副生成物の二重の取り扱い、保管、処理及び廃棄を、製造プラントにおける単一の副生成物廃棄ステップに集約する。
【0026】
[0027]本発明はまた、前駆体の使用時点生成の概念とは別個のものである。一般的に述べると、使用時点前駆体生成には2つのクラスが存在する。1つのクラスは、薄膜作製が行われる同じチャンバー、通常基板上の蒸気空間におけるin-situでの前駆体の形成を含む。このクラスは、「in-situ使用時点前駆体生成」と呼ばれることがある。第2のクラスは、薄膜加工又は作製チャンバーに近接した容器における前駆体の生成を含み、前駆体は、直ちに作製チャンバーに送達されるか又は後の時点での使用まで保存/保管されるかのいずれかである。このクラスは、「ex-situ」又は「近接」使用時点前駆体生成と呼ばれることがある。
【0027】
[0028]in-situ及びex-situ使用時点前駆体生成はいずれも、いくつかの固有の制限及び不利点を有する。in-situ前駆体生成の例は、米国特許第6,730,367号及び米国特許第5,478,435号に開示されている。in-situ前駆体生成の1つの固有の制限は、前駆体合成に関連する化学反応が、多くの場合、薄膜作製に関連する化学反応と干渉することである。また、出発材料の存在、副生成物の生成、及び前駆体を合成するために必要な複数の基本化学成分の反応からの熱又は光を含み得る、前駆体を合成する化学反応の固有特性に起因して、in-situ使用時点前駆体生成において加工条件の正確な管理を達成するのは困難である。前駆体を合成する反応のそのような副次作用は、膜形成に直接影響し、チャンバー壁及び基板動作パラメーターへの悪影響、例えば、反応壁及び/又は基板の温度の望ましくない制御できない上昇、並びにプラスチック及びポリマーなどの脆弱な基板への熱又は光誘導損傷をもたらすことを含む負の影響を加工チャンバーに与え得る。本発明は、基本化学成分が別々の合成チャンバーに注入され、そこから実際の化学反応が起こり、その結果得られた前駆体のみが加工反応器に導入されるため、はるかに信頼性が高く、非常に再現性の高い手法を提供する。
【0028】
[0029]前駆体のin-situ使用時点生成の別の制限は、含まれる合成及び加工ステップの逐次性である。第1のステップにおいて、複数の基本成分をチャンバー近傍又は内部で反応させて前駆体源を形成することを可能にするために、加工チャンバーは、特定の前駆体合成パラメーターに設定する必要がある。次に、加工チャンバーはパージされてすべての合成副生成物が除去され、最後に、加工チャンバーは、実際の基板加工パラメーター(基板導入を含む)に設定されて、前駆体分解及び膜形成が可能になる。しかしながら、この手法は、加工チャンバーにおける第1のセットのパラメーターでの前駆体形成、次いで分解及び膜形成を可能にするためにこれらのパラメーターの変更を待つステップの連続ステップに起因して、ウェーハスループットの望ましくない遅延を引き起こす(したがって、製造費用がより高くなる)。
【0029】
[0030]本発明は、別々の合成チャンバーにおいて前駆体源を連続して合成し、前駆体源を、望ましい加工パラメーターに事前設定された加工チャンバーに、制御可能且つ高い信頼性で絶えずフィーディングし、ここで前駆体源を作製又は堆積プロセスにおいて同時に消費することによって、これらの問題を解決する。
【0030】
[0031]前駆体のin-situ使用時点生成のさらなる制限は、加工チャンバー及び基板の汚染ではなく、前駆体合成副生成物に関連する課題である。本発明は、必要な場合、加工チャンバーへの前駆体の導入前に、前駆体合成チャンバーから前駆体合成副生成物を除去することによって、これらの問題を解決する。
【0031】
[0032]前駆体のin-situ使用時点生成のなお別の制限は、前駆体の合成のための基本化学成分及びそのような合成の副生成物が、作製チャンバーの望ましくないエッチング、腐食又は酸化を引き起こし得るため、加工チャンバーに有害又は損傷を与えるものであり得るという懸念である。本発明は、特別に設計され、腐食性、酸化性又はそれ以外の干渉性基本化学物質及び反応副生成物を取り扱うために構築された別々の合成チャンバーで前駆体源を合成することによって、並びに加工チャンバーへの前駆体の導入前に前駆体合成副生成物を除去することによって、これらの問題を解決する。
【0032】
[0033]前駆体のin-situ使用時点生成のさらなる制限は、前駆体合成が、製造プロセスにおいて前駆体消費と連動しないことであり、これにより、正確な厚さ及び組成の薄膜などの正確な堆積結果を得るように製造プロセスを正確に制御する能力が制限される。機械を用いたフィードバックループによる前駆体生成及び堆積プロセスの正確な連動は、本明細書に詳細に記載される通り、本発明の重要な側面である。
【0033】
[0034]ex-situ又は近接使用時点前駆体生成の例は、J.P.ven der Ziel、Applied Physics Letters、Vol.71:6、pp.791~793(1997);D.N.Buckleyら、Applied Physics Letters、Vol.57:16、pp.1684~1686(1990);米国特許第5,158,656号;及び米国特許出願公開第2011/0136347号に開示されている。前駆体のex-situ使用時点生成の主な制限は、前駆体合成が、製造プロセスにおいて前駆体消費と緊密に連結されない又は同期しないことであり、これにより、正確な厚さ、所望のモルホロジー、物理及び化学特性、並びに組成の薄膜などの正確な堆積結果を得るように製造プロセスを正確に制御する能力が著しく制限される。新しい製造プロセスにおける制御の増加し続ける重要性については、例えば、A.Emami-Naeiniら、Proceedings of the Symposium to honor W.Wolovich、第47回IEEE Conference on Decision and Control、Cancun、Mexico(2008年12月9~11日)を参照されたい。機械を用いたフィードバックループによる前駆体生成及び堆積プロセスの正確なリンクは、本明細書に詳細に記載される通り、本発明の重要な側面である。
【0034】
[0035]機械を用いたフィードバックループは、前駆体合成プロセス及び膜製造プロセスの種々のパラメーターの同時モニタリング、同時制御並びに同時管理及びペアリングのためのin-situ及びex-situモニタリング及び検出技術、スペクトロスコピー、並びにスペクトロメトリーを含み得る。そのようなパラメーターには、温度、圧力、原材料及び前駆体の流速、並びに化学合成生成自体及び薄膜製造プロセスのすべての動作条件を含まれ得るが、これらに限定されない。in-situ及びex-situ検出技術、スペクトロスコピー及びスペクトロメトリーによりまた、終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出が可能になる。これらの設備によりまた、前駆体合成パラメーター、薄膜加工パラメーター、並びに反応副生成物及び廃水パラメーター間の相互作用、連結及び閉鎖フィードバックループが可能になる。
【0035】
[0036]ex-situ又は近接使用時点前駆体生成の別の制限は、前駆体生成及び送達が、所望の薄膜標的を達成する薄膜製造プロセスの成功を確実にするように行われていることを確実にするのに必要な、重要なフィードバック要素及び情報を提供できないことである。従来のex-situ又は近接使用時点前駆体生成は、前駆体の特性及び特徴、例えば、品質(純度)及びフロー(製造チャンバーに送達されている量)を評価することのみに焦点を合わせている。これとは対照的に、本発明は、基板でリアルタイムに測定された具体的な膜特性によって決定される、非常に望ましいフィードバックを可能にする。例えば、in-situシート抵抗及び/又は厚さの測定は、製造プロセスが行われて前駆体生成及び送達についてのリアルタイムフィードバックが提供される間に集計され得る。
【0036】
[図面のいくつかの見方の簡単な説明]
[0037]本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読む場合により良好に理解されることになる。本発明を例示する目的で、図面には、現在好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、示される正確な配置及び機器に限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明のある実施形態に従う、薄膜加工チャンバーに連結された前駆体合成チャンバーの概略図である。
図2】本発明のある実施形態に従う、気相前駆体を、マニフォールドシステムを介して薄膜加工チャンバーに供給する前駆体合成チャンバーを備えるシステムの概略図である。
図3】本発明のある実施形態に従う、液相前駆体を、マニフォールドシステムを介して薄膜加工チャンバーに供給する前駆体合成チャンバーを備えるシステムの概略図である。
図4】本発明のある実施形態に従う、単一の薄膜製造ユニットに連結された複数の前駆体合成チャンバーを備えるシステムの概略図である。
図5】本発明のある実施形態に従う、複数の薄膜加工チャンバーに流体連通した複数の前駆体合成チャンバーを備えるシステムの概略図である。
図6】本発明のある実施形態に従う、複数の統合された前駆体合成チャンバー及び薄膜加工チャンバーを備えるクラスターツールの概略図である。
図7】本発明のある実施形態に従う、連続ロール又はコイルの形態の可撓性基板を含む製造技術のプロセス概略図である。
【0038】
[発明の詳細な説明]
[0045]本発明のある実施形態によると、リアルタイムのin-situ分析及び制御を利用し、前駆体合成プロセス/システムと薄膜形成プロセス/システムとの完全連結及び統合を可能にする、反応性又は取り扱い困難な前駆体を生成及び消費することによって薄膜構造を作製するための完全且つ緊密に制御されたプロセス及びシステムを達成するための、方法及びシステムが提供される。化学物質源の統合された合成、送達及び加工により、再現性が高く、信頼性の高い薄膜作製のための実施形態が可能になる。
【0039】
[0046]本発明の実施形態は、半導体(コンピューターチップ)、航空機、エネルギー、センサー、医療、生物学、化学及び防衛産業部門を含むがこれらに限定されない任意の産業設定における任意の製造プロセスに適用され得る。
【0040】
[0047]図1を参照すると、第2のチャンバー102に連結された第1のチャンバー101、より詳細には、制御条件下で薄膜加工チャンバー102に連結された前駆体形成チャンバー101を備える統合された前駆体合成(すなわち、生成)及び薄膜堆積システム100の概略図が示されている。一実施形態では、したがって、本発明は、1つ又は複数のプロセス(例えば、堆積、エッチング、パターニング、注入など)チャンバー又はモジュール102との1つ又は複数の前駆体形成チャンバー又はモジュール101の統合に関する。別の実施形態では、本発明は、薄膜形成、エッチング、注入又はパターニングのためのプロセスとタンデムで実施される前駆体形成のためのプロセスに関する。別の実施形態では、本発明は、加工チャンバー102と物理的に接する前駆体形成チャンバー101(又は前駆体合成容器又は前駆体合成チャンバー、これらの用語は、本明細書において交換可能に使用される)のタンデム構成に関し、ここで、加工チャンバー102は、スタンドアローン加工チャンバー又は加工チャンバーの集合の一部のいずれかである。前駆体形成チャンバー101の廃水又は生成物は、管又はマニフォールドシステムを介してタンデム加工チャンバー102に直接輸送される。したがって、前駆体の生成は、合成を最適化するためだけでなく、加工チャンバー(複数可)における基板への前駆体の効率的な堆積を調整するためにも制御される。本発明により、両方の新しい薄膜構造の信頼性の高い作製が可能になり、伝統的な薄膜が作製され得る条件が拡張される。
【0041】
[0048]前駆体形成チャンバー101は、原材料104の入口を備える、その働きを果たすのに必要な1つ又は複数の入口、電力などのユーティリティ109、並びに前駆体形成チャンバー101の動作を管理及び制御するための電子モニタリング及び制御機器を有し得る。より詳細には、統合システム100は、前駆体形成チャンバー101における前駆体の合成のために、原材料供給源104と、第1の管105(すなわち、原材料供給管)及び原材料入口106を介して、制御された状態で(種々の制御ユーティリティ109、例えば、電力、真空、熱、冷却、放射などを利用して)、前駆体の基本又は原材料を前駆体形成チャンバー101に送達する、関連するフィーディングシステムとをさらに備える。したがって、前駆体形成チャンバー101は、前駆体の単なる保管容器ではなく、むしろ、そこに供給される原材料から前駆体材料が生成される反応器である。
【0042】
[0049]前駆体形成チャンバー101は、生成された前駆体が前駆体合成チャンバー101から加工チャンバー102に供給又は輸送される前駆体出口107をさらに備える。より詳細には、前駆体は、出口107を通って前駆体形成チャンバー101から出、次いで、第2の管108(すなわち、前駆体輸送管)を介して、正確な制御された状態で(種々の制御ユーティリティ109、例えば、電力を利用して)、固体、液体又は蒸気形態で加工チャンバー102に輸送され、ここで、合成された前駆体は加工されて、前駆体から薄膜が成長、エッチング、注入又はパターニングされる。したがって、前駆体形成チャンバー101及び加工チャンバー102は、互いに連結され、直接連通している。
【0043】
[0050]別の実施形態(図示せず)では、管によって分離された別個の異なるチャンバーの代わりに、前駆体形成チャンバー及び加工チャンバーは、単一のタンクの異なるチャンバー、区域又は領域を構成していてもよく、共有壁又は仕切りによって、タンク中で互いに分離されていてもよい。そのような実施形態では、壁又は仕切りは、好ましくは、バルブを備えた開口、及びチャンバーを互いに選択的に隔離するか、又は前駆体合成チャンバーから加工チャンバーへの前駆体のフローを可能にするための制御を具備する。したがって、前駆体移送管が存在しないにも関わらず、前駆体合成チャンバー及び加工チャンバーは、なお、互いに連結され、直接連通していると考えられる。
【0044】
[0051]一実施形態では、前駆体形成チャンバー101は、好ましくは、前駆体合成チャンバーである。前駆体形成チャンバー101は、以下、代替的に、前駆体合成チャンバーと呼ばれる。
【0045】
[0052]一実施形態では、原材料供給管105、前駆体輸送管108、前駆体合成チャンバー101及び/又は加工チャンバー102は、1つ又は複数のバルブアセンブリ103並びに原材料送達、前駆体送達、薄膜加工及び副生成物の加工の終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出のための電子センサー(図示せず)を備える。例えば、そのようなバルブ103及びセンサーにより、前駆体が、信頼性が高く、制御され一貫した形で、前駆体合成チャンバー101から薄膜加工チャンバー102に流動することが可能になる。バルブシステムはまた、前駆体合成チャンバー101を加工チャンバー102から効果的に隔離する。より詳細には、一実施形態では、バルブシステムは、2つのチャンバー101、102の環境を有効に分離するための、Oリング又は金属ガスケットなどのデバイスを用いる1つ又は複数のバルブ103を備える。
【0046】
[0053]前駆体合成チャンバー101はまた、前駆体合成に不必要な又は有害でさえある材料を排出するための設備、システム又はマニフォールド110を有していてもよい。そのような材料には、チャンバー101をパージするために使用される流体、チャンバー101の始動の間に若しくはプロセス外乱の結果として生成され得る合成反応副生成物、及び/又は管理限界又は薄膜作製若しくは改質需要外の品質を有する製造された前駆体が含まれ得る。
【0047】
[0054]前駆体合成チャンバー101はまた、前駆体合成プロセスの種々のパラメーターをモニタリング及び制御するためのin-situ及びex-situモニタリング及び検出技術、スペクトロスコピー並びにスペクトロメトリーを備え得る。そのようなパラメーターには、温度、圧力、原材料及び前駆体の流速、並びに化学合成生成自体のすべての動作条件が含まれ得るが、これらに限定されない。電子センサー、並びにin-situ及びex-situモニタリング及び検出技術、スペクトロスコピー並びにスペクトロメトリーによりまた、終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出が可能になる。これらの設備によりまた、前駆体合成パラメーター、薄膜加工パラメーター、並びに反応副生成物及び廃水パラメーター間の相互作用、連結及び閉鎖フィードバックループが可能になる。より詳細には、本発明により、in-situ及び/又はex-situ組込みセンサーを使用して前駆体生成/合成、前駆体消費及び薄膜加工間のリンクを制御及び管理することによって、閉鎖ループ前駆体合成及び薄膜加工が可能になる。一部の実施形態では、センサーには、光学、音響、電気(例えば、シート抵抗)、電子、磁気、機械、電気機械及び電磁センサーが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
[0055]さらに、したがって、本発明により、前駆体特徴の正確且つ制御された管理、例えば、生成及び加工チャンバー102へのフィード速度;薄膜形成特徴、例えば、厚さ及び組成;並びに反応副生成物及び加工チャンバー廃水特徴、例えば、化学組成及び流速が確実になる。一部の実施形態では、モニタリング及び検出技術には、偏光解析及び質量分析、並びに赤外、近赤外、光学及び紫外分光が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、前駆体形成チャンバー101における前駆体生成並びに/又は薄膜作製チャンバー102への輸送及び送達の速度を制御するためのアルゴリズムに差を組み込んで、薄膜加工又は形成チャンバー102を出る前駆体の量又は濃度対前駆体合成チャンバー101を出る前駆体の量又は濃度の相対評価を実施することができる。好ましい実施形態では、前駆体形成/合成チャンバー101における前駆体生成の量は、薄膜特性、例えば、偏光解析による厚さ又はシート抵抗を考慮するアルゴリズムによって制御される。
【0049】
[0056]前駆体合成及び薄膜堆積プロセスは、タンデムで又は同時に実施することができ、チャンバー101、102のうちの1つからのフィードバックにより、もう一方のチャンバー101、102の動作を制御する。例えば、第2のチャンバー102(例えば、加工チャンバー又は堆積チャンバー、これらの用語は、本明細書において交換可能に使用される)における薄膜形成は、モニタリング、好ましくは、連続モニタリングされ、フィードバックが、前駆体の形成/合成を制御するために前駆体合成チャンバー101に通信される。最も単純な場合、堆積チャンバー102において前駆体需要がなければ、前駆体合成チャンバー101における前駆体の生成は、停止される。つまり、前駆体の生成は、薄膜形成の需要と連結され、堆積チャンバー102に進入する共反応物質の導入と合致する。したがって、前駆体合成チャンバー101及び堆積チャンバー102間には双方向連通があり、両方のチャンバー101、102の動作は、各チャンバー101、102のモニタリングされたパラメーターに基づいてコントローラーによって制御される。
【0050】
[0057]一部の実施形態では、製造技術は、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、液相めっき、エッチング(原子層エッチング、並びに部分及び完全材料除去プロセスを含む)、又はパターニング(すなわち、先に堆積された層に所定の構造、例えば、シリコン基板にトランジスタパターンを形成すること)のうちの1つである。
【0051】
[0058]一部の実施形態では、前駆体合成チャンバー101が加工チャンバー102に連結される制御環境は、真空、不活性ガス、水素、反応性ガス又はそのようなガスの組合せのうちの1種である。
【0052】
[0059]一部の実施形態では、加工チャンバー102は、単一の製造装置において製造技術が複数のウェーハに同時適用されるバッチツールである。他の実施形態では、加工チャンバー102は、個々の1つの装置において単一のウェーハに製造技術が適用されるスタンドアローンツールである。
【0053】
[0060]一部の実施形態では、前駆体分子は、揮発又は蒸発し、それ自体の蒸気圧を使用して加工チャンバー102に輸送されるが、他の実施形態では、前駆体分子は、不活性又は反応性キャリアガスを使用して輸送される。前駆体は、液体、固体又は気体の形態であり得る。
【0054】
[0061]一部の実施形態では、前駆体合成チャンバーは、副生成物化学物質を分離する方法、例えば、選択的吸着層、例えば、活性炭素、分子篩又は副生成物を蒸気輸送流から除去する金属有機フレームワークを含有する。
【0055】
[0062]特に好ましい実施形態では、本発明は、金属堆積チャンバーに連結された前駆体合成反応器内での、統合された形での毒性材料のタンデム生成及び消費に関する。例えば、ニッケルカルボニルは、ニッケル薄膜の前駆体であり、タンデム前駆体生成クラスターツールにおいて実施することができる金属化プロセスの代表的なものである。
【0056】
[0063]ニッケルカルボニルは、非常に毒性が高く、ppmレベルでは発癌性である。地方条例に応じて、ニッケルカルボニルの輸送及び保管は、高く規制されているか又は完全に禁止されているかのいずれかである。さらに、ニッケルカルボニルは、限られた安定性しか有さず、室温であってもゆっくり分解してニッケル及び一酸化炭素を形成する。本発明のある実施形態では、バルク金属ニッケルが、前駆体合成チャンバー101に投入される。ニッケルの好ましい形態は、多孔性を保持する部分焼結ニッケルモノリスである。チャンバー101は密封され、次いで、適宜パージ及び排気されて吸収及び残留ガスが排除される。次いで、ニッケルのモノリスは、80℃~120℃の温度に加熱される。この段階で、一酸化炭素流が、前駆体輸送管108のバルブの開口により流れ始め、これによって、前駆体合成チャンバー101から堆積チャンバー102へのフローが可能になる。堆積チャンバー102への連結は、例えば、近赤外検出器システムを有し、これは、堆積チャンバー102中の前駆体(すなわち、ニッケルカルボニル)の存在を検出し、定量することができる。
【0057】
[0064]堆積チャンバー102において、基板(図示せず)が、180℃~250℃の範囲の温度に加熱される。ニッケルカルボニルは、基板で分解して非常に純度の高いニッケル膜が形成する。ニッケルカルボニル観察ウィンドウ及び堆積チャンバー制御からのデータは、焼結ニッケルモノリスの温度を調整する(好ましくは、コントローラーによって)ためのニッケルカルボニルの形成速度及び/又は一酸化炭素流速に利用される。堆積チャンバー102に進入する及び/又はこれを離れる過剰な一酸化炭素の比は、プロセス制御によって測定し、最適な堆積速度及び最適な膜特性を達成するために調整することができる。
【0058】
[0065]類似の条件下で、コバルト膜を形成することができる。
【0059】
[0066]本発明の別の実施形態は、アジ化水素酸を利用する、低温での窒化ケイ素の形成に関する。アジ化水素としても公知のアジ化水素酸は、バルクで保管された場合爆発性分解することがあり、シアニドに匹敵する毒性を有する。アジ化水素酸は、比較的低温で分解して、Si-H結合に挿入することができるニトレンを含むラジカル窒素生成物を形成する。堆積チャンバー102内で、非晶質水素化ケイ素の窒素化によって、又は堆積チャンバー102においてアジ化水素酸及びシラン(又はより高いポリシラン)の両方を基板と反応させることによって、窒化ケイ素膜を形成することができる。本発明では、例えば、アジ化水素酸は、適当な不活性キャリアガスにより低濃度の蒸気としてタンデム堆積チャンバー102において形成される。アジ化水素酸を生成する1つの好ましい方法は、液体レベルより低い底部ガス入口及び液体より上のガス出口を備える前駆体合成チャンバー101に高沸点ヒドロキシル液を有することである。トリメチルシリルアジドは、気流に混入され、これが、40~65℃の温度に加熱されたヒドロキシル液に進入する。トリメチルシリルアジドはヒドロキシル化液と反応し、アジ化水素酸を生成する際に、例えば、危険ではないトリメチルシリルステアリルアルコールを形成する。次いで、キャリアガスに混入したアジ化水素酸は、堆積チャンバー102に進入し、ここで、325°~500°で非晶質水素化ケイ素基板と反応して窒化ケイ素を形成することができる。先の実施形態におけるように、前駆体合成チャンバー101におけるアジ化水素酸の生成速度は、適当な制御機構によって、堆積チャンバー102におけるその消費速度と合致する。アジ化水素酸を生成する代替的な方法は、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロベンゾトリアゾールなどの化合物の熱駆動による逆Diels Alder反応によって、高温で材料を連続生成することである。
【0060】
[0067]さらに、ニッケルカルボニル又はアジ化水素酸を利用する例の上記のステップのうちの1つ又は複数は、任意の公知の前駆体及び本発明のシステム/方法とともに用いられ得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0061】
[0068]本発明はまた、前駆体反応物質の安定性の時間尺度がかなり短く、それらの利用が、毒性によってではなくこの要素によってのみ制限される場合、大きな有用性を有する。例えば、グラフェン膜は、成長及び改質が困難である。1つのそのような方法は、ベンジンを形成することであり得る。中程度の濃度における100℃超の温度でのベンジンの安定性は、数秒程度である。ベンジンは、2-(トリメチルシリル)フェニルトリフルオロメタンスルホネートなどの中間体から形成することができる。この実施形態では、化合物を混入した不活性ガスは、タンデム前駆体生成チャンバー101において高温の加熱ブロックを通過して、ベンジン及び副生成物であるトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを形成する。副生成物はグラフェンと反応性ではない一方、ベンジンはグラフェンと反応し、それによって、多環式構造が伸長する。
【0062】
[0069]別の実施形態では、前駆体の合成は、電気化学合成にリンクされた消費によって生成することができる。生成され得る毒性前駆体の例には、アルシン、ホスフィン、ゲルマン及びセレン化水素が含まれる。比較的不安定な前駆体、例えば、スタナンもまた同様に、消費と協調して生成することができる。
【0063】
[0070]熱安定性に関する別の実施形態は、窒化ケイ素の形成である。t-ブチルアミノクロロシランは、室温で数日の範囲の半減期を有する。しかしながら、t-ブチルアミノクロロシランは、-40℃の温度で数か月間安定である。この場合、タンデム前駆体チャンバー101は、輸送に適当な温度で、流動しているキャリアガス流に液体を吐出することができる冷凍容器で形成される。300℃~350℃の基板温度及びアンモニアの共反応物質により、SiN膜を形成することができる。
【0064】
[0071]堆積とタンデムでの前駆体生成の利点のなお別の実施形態は、モノシリルアミンからの窒化ケイ素の低温堆積である。約2%超のガス濃度で、モノシリルアミンは自己反応し、ジシリルアミン及び最終的にトリシリルアミンを形成する。モノシリルアミンは、200℃範囲の温度で窒素濃縮非晶質水素化ケイ素膜を形成することができるが、現在、モノシリルアミンを保管及び利用する実際の方法は存在しない。この例では、タンデム前駆体チャンバー101は、一連の静的フローミキサー(図示せず)を備えるプラグフロー反応器である。アンモニア及びモノクロロシランは、適当な不活性キャリアガス中の別々の気流として導入される。流速及び濃度は、モノシリルアミンの生成を最適にするだけでなく、未反応のモノクロロシラン及びジシリルアミン及びトリシリルアミン分解生成物を最小にするようにも調整される。本発明のこの実施形態では、気流は、まず、堆積チャンバー102を迂回し、質量スペクトル(RGA)によって分析され、気流が制御パラメーター内である場合にのみ、堆積チャンバー102に進入することが可能である。
【0065】
[0072]別の実施形態では、前駆体合成チャンバーは、金属の重ハロゲン化物の制御合成のためである。粒状又は反応性金属、例えば、ケイ素、チタン又はタンタルを充填された石英管が、誘導加熱炉内に配置される。管は、重ハロゲン化物、臭素又はヨウ素の蒸気が粒状塊を通過することができるように構成される。ハロゲンとの反応性が可能になる温度への金属の誘導加熱は、堆積チャンバーにおけるALDの消費パルスと協調してパルス駆動される。具体的な実施形態では、多結晶ケイ素粒が石英管に充填され、200℃超に加熱されたヨウ素蒸気がケイ素充填層に進入する。1分間のALDパルス時間と協調して、金属ケイ素の温度は、1分間で650℃~1000℃に誘導加熱され、蒸気体中のヨウ素の量は、四ヨウ化ケイ素の形成速度を制御するために利用され、これが次に、膜形成チャンバー内のALDパルスの要件に合致するように制御される。誘導加熱パルスにより、四ヨウ化ケイ素形成の速度及び持続時間が制御される一方、ハロゲン蒸気の量により、形成される四ヨウ化ケイ素の量が制御される。四ヨウ化ケイ素の輸送は、四ヨウ化ケイ素の蒸気の温度を、好ましくは125℃~350℃に制御して固体四ヨウ化ケイ素の形成を回避する熱交換区域を通過する。膜形成チャンバー内で、四ヨウ化ケイ素チャンバーからのパルスは、不活性ガスパージ、続いてアンモニアパージ、続いて不活性ガスパージによって変更される。そのようにすることで、窒化ケイ素の膜が形成される。同様に、金属を置き換えることによって、他の金属ハロゲン化物を形成することができる。膜形成チャンバー内の条件及び交換される反応物質に応じて、中でも窒化物、酸化物及び金属(ゼロ価)膜を形成することができる。
【0066】
[0073]別の実施形態では、2種の反応物質ガス及び任意選択で1種のキャリアガスが前駆体合成チャンバー101に導入され、その廃水が薄膜加工チャンバー102に進行する。前駆体合成チャンバーは、混合が可能であり、静的ミキサーを潜在的に含み、加熱又は冷却機構を備え得る、一連のチャンバーを具備する。適当な圧力下で、キャリアガス及び反応物質ガスのうちの1種は、質量流量計によって制御された、静的混合チャンバーの第1段階に導入される。次の静的混合要素の前に、第2の反応物質ガスが、やはり質量流量計の制御下で、合成流に導入される。反応が高発熱性の場合、第2の段階で冷却を行う必要があり得る。しかしながら、少なくとも、いずれの段階も、循環液を用いたジャケット又は別の公知の熱制御方法のいずれかによる熱制御下にある。静的混合要素を離れると、残留ガス分析(RGA)、質量スペクトル、NIR(近赤外)又はUV分析により生成物流が分析される。
【0067】
[0074]適当なバルブを通して、流れはまず低減プロセスに迂回される。しかしながら、前駆体の適切な比が達成されるとすぐ、流れの通路は直接加工チャンバー102に向かい、ここで、活性成分の利用率がモニタリングされる。偏光解析、シート抵抗又は他の適当なパラメーターによって測定される通り、膜加工が完了すると、質量流量計の前に配置されたバルブを閉じる制御ループによって、反応物質ガスの前駆体合成チャンバー101への導入が停止される。好ましくは、副生成物除去段階は、前駆体合成チャンバー101の一部としてプロセス流に含まれる。副生成物除去要素は、例えば、低温トラップ、吸着ステップ又は副生成物に特有の別個の化学反応プロセスを含み得る。
【0068】
[0075]別の実施形態では、特に、窒化ケイ素堆積のためにモノシリルアミンが利用される場合、モノシリルアミン及びアンモニア反応物質(これはキャリアガスとしても作用し得る)又は代替的に窒素(これは別個のキャリアガスとして作用し得る)が、静的ミキサーの第1の段階に導入される。均質混合物として第1の段階を離れると、モノクロロシランは、第2の静的混合要素の前に流れに導入される。質量流量計により、RGAによって得られる分析情報を利用することによって、第2の静的混合要素において形成されたモノシリルアミンの量及び濃度が制御される。分析の前又は後のいずれかに、プロセス流を、好ましくは-10℃未満の温度に冷却されたペレット炭の充填層を通過させることによって、副生成物である塩化アンモニウムを除去することができる。しかしながら、一部の場合には、塩化アンモニウムは、堆積プロセスに影響を及ぼすことなく、薄膜加工チャンバー102を直接通過し得るため、このステップは必須ではない。
【0069】
[0076]別の実施形態では、2つの相互連結サブチャンバーが、1つの前駆体合成チャンバー101として挙動する。第1のサブチャンバーの目的は、制御下で反応物質を第2のサブチャンバーに運搬するガス流に液体反応物質を混入することであり、第2のサブチャンバーで、比較的不揮発性の材料と反応することによって反応が起こり、したがって、制御条件下で薄膜プロセスチャンバー102に進行する揮発性前駆体を形成する。副生成物は、第2のサブチャンバー内に保持される。第1のサブチャンバーの反応物質体積は枯渇するが、第2のサブチャンバーは、副生成物を含有するため、必ずしも枯渇するとは限らないことに留意されたい。第1のサブチャンバーは、容器に揮発性液体が投入され、浸漬管により液体反応物質の表面下へのガスの導入が可能であり、液相を通してガスが進行するにつれて、液体のレベルより上でチャンバーを出る蒸気流に液体が混入される、当技術分野においてバブラーと呼ばれるものに類似であると考えられ得る。混入した反応物質の量は、バブラーを通過するキャリアガスの速度及びサブチャンバーの液体の温度によって制御される。次いで、混入した反応物質は、浸漬管を通過して、反応器として機能する第2のサブチャンバーに向かう。反応チャンバーは、浸漬管で構成され、典型的には撹拌しながら加熱され、薄膜加工チャンバー102に連結された蒸気相出口を備える。反応チャンバーには、第2の不揮発性反応物質が投入される。好ましい実施形態では、混入した反応物質との接触時間は、揮発性反応物質が完全消費されていること、及び反応チャンバーを離れる気流がキャリアガス及び薄膜合成のための揮発性前駆体を含有することを確実にするのに十分である。
【0070】
[0077]ここで示される通り、キャリアガスに混入した質量を除く投入された反応物質及び副生成物が、前駆体合成チャンバー101を離れる唯一の材料である。しかしながら、この概念の明確な拡張は、前駆体合成チャンバー101の反応性材料及び副生成物を制御プロセスにおいて補充及び置き換えることである。
【0071】
[0078]1つのそのような実施形態は、アジ化水素酸(アジ化水素)を含み、トリメチルシリルアジドがバブラーに投入される。第2のサブチャンバーは、ステアリルアルコール(オクタデカノール)に投入され、60℃超の温度(ステアリルアルコールの融点超)に加熱され、撹拌される。窒素流は、ステアリルアルコールと反応して揮発性前駆体アジ化水素酸を形成するトリメチルシリルアジドを混入し、これは窒素キャリアガスに混入して、薄膜加工チャンバー102に向かう。副生成物であるステアリルオキシトリメチルシランは揮発せず、反応チャンバーに残留する。
【0072】
[0079]図1及び関連する好ましい実施形態に関する上記の議論は、その詳細な議論が以下に記載される、図2~7に等しく当てはまることを理解されたい。
【0073】
[0080]図2を参照すると、気相前駆体を供給し、気体又は蒸気形態の気体、液体又は固体前駆体を送達するために好適に備えられたマニフォールドシステム206を介して薄膜加工チャンバー202に連結された前駆体合成チャンバー201を具備するシステムの概略図が示されている。前駆体のための原材料又は基本材料(複数可)は、原材料供給源(図示せず)から供給される。マニフォールドシステム206は、電子質量流量計又は固体若しくは液体送達システムを備え得る。マニフォールドシステム206はまた、前駆体合成チャンバー201及び薄膜加工チャンバー202を連結する管又はパイプ207のパージ及び/又は排気を行うためのパージガスシステム203及び対応する通気システム205などのさらなる装置及び制御を包含し得る。
【0074】
[0081]一実施形態では、マニフォールドシステム206はまた、例えば、前駆体フィード、粒状物のろ過又は前駆体合成チャンバー201から加工チャンバー202への移送において生成され得る不純物の吸着におけるばらつきをなくす電子安定器を備えることによって、ガスをコンディショニングするための、一般に204として示される種々の機構及び制御を備え得る。移送プロセスはまた、移送、例えば、温度、圧力及び流速のモニタリング及び制御のためのさらなる機構を含み得る。
【0075】
[0082]図3を参照すると、液相前駆体を送達するために好適に備えられたマニフォールドシステム306を介して薄膜加工チャンバー302に液相前駆体を供給又は送達する前駆体合成チャンバー301の概略図が示されている。前駆体は、原材料供給源(図示せず)から供給される、固体又は液体形態であってもよく、固体前駆体は、薄膜加工チャンバー302への送達前に液化又は溶融プロセスにかけられるか又は好適な液体若しくは溶媒に溶解されている。マニフォールドシステム306のさらなる装置及び制御は、ライン(すなわち移送管)307からの残留前駆体を清浄又は除去するための溶媒システム303と、移送管307からの残留溶媒を除去するためのパージシステム304と、移送管307のパージ及び/又は排気を行うための対応する通気システム308と、溶媒廃棄コンポーネント309とを備える。種々の機器及び制御305がまた、適正純度での適正量の前駆体の加工チャンバー302への送達の管理及び制御のために含まれ得る。そのような装置は、温度、圧力及びフローをモニタリングする、前駆体を処理して粒子状物質若しくは他の不純物を除去する、又は薄膜プロセスチャンバー302への導入の直前に液体前駆体を蒸発するための機器を備え得る。
【0076】
[0083]図4を参照すると、制御環境下で単一の薄膜製造ステーション又は加工チャンバー403に連結された複数の前駆体合成チャンバー404a、404b、404cを備えるシステムの実施形態の概略図が示されている。複数の前駆体は、前駆体合成チャンバー404a~404cにおいて合成され、次いで、加工チャンバー403に同時又は逐次輸送され、そこで、製造(例えば、堆積)技術において消費される。前駆体合成チャンバー404は、図1~3に関して上で記載されているように、システムの動作全体について必要とされ得る通り、それぞれの気体若しくは液体送達システム又は他のサブシステムで構成され得る。
【0077】
[0084]前駆体合成チャンバー404a~404cは、種々の構成で配置され得る。例えば、前駆体合成チャンバー404a~404cの一部又はすべては、単一又は複数の前駆体が同時に各チャンバー404a~404cから堆積チャンバー043に同時送達されるように、平行に(つまり、図4のチャンバー404a及び404bを参照されたい)に配置されてもよい。あるいは、前駆体合成チャンバー404a~404cの一部又はすべては、タンデム又は直列配置(つまり、図4のチャンバー404b及び404cを参照されたい)に構成されてもよく、単一又は複数の前駆体は、1つの合成チャンバー(すなわち、図4のチャンバー404c)から第2の合成チャンバー(すなわち、図4のチャンバー404b)に順に送達され、次いで、得られた前駆体の混合物が加工チャンバー403に送達される。構成はまた、平行及びタンデム配置の組合せによって構成され得る任意の他の配置を含み得る。また、チャンバーの平行配置は、薄膜プロセスチャンバー403において所望の効果をもたらすために、逐次、同時又は必要に応じて任意の他の組合せで動作させることができる。ウェーハハンドリングシステム401がまた、基板ウェーハを保管カセット402及び薄膜プロセスチャンバー403間で移動させるために設けられる。
【0078】
[0085]図5を参照すると、複数の薄膜加工チャンバー(TPC)505a、505bと流体連通した複数の前駆体合成チャンバー(PSC)504a、504bを備えるシステムの実施形態の概略図が示されている。前駆体合成チャンバー504a、504bの各々は、図1~3に関して上で記載されている通りの気体又は液体送達システムを備えている。図5のウェーハハンドリングシステム501は、保管カセット503、種々の薄膜加工チャンバー505a、505b、及び加工チャンバー505a、505bを通って進む間に各基板ウェーハの特徴をモニタリングするために使用される1つ又は複数の計測学(M)チャンバー506の中を、基板ウェーハを輸送するための機構502、この例ではロボティックアームを備える。前駆体合成チャンバー504a、504bは、同じ前駆体、異なる前駆体又はその任意の組合せを生成するように構成される。システムの動作モードは、プロセス全体の最適化又は単一若しくは多層膜若しくは構造の製造のために必要とされ得る通り、基板ウェーハが薄膜加工チャンバー505a、505bのうちの1つのみ又は薄膜加工チャンバー505a、505bの任意の組合せを訪れ得るように確立される。製造プロセスは、単一の加工ステップ、例えば、膜堆積、エッチング、イオン注入若しくはパターニングを含む、又は加工ステップの組合せ、例えば、堆積、エッチング、イオン注入及びパターニングプロセスの全セット若しくはサブセットからなり得る。
【0079】
[0086]図6を参照すると、各加工チャンバー602a、602b、602c、602d、602eに供給する前駆体の固定入口を備える中央の自動ハンドリングユニットの周囲に配置された複数の統合前駆体合成チャンバー又は生成器603a、603b、603c、603d、603e及び薄膜加工チャンバー602a、602b、602c、602d、602eを具備するクラスターツールの実施形態が示されている。前駆体合成チャンバー603a、603b、603c、603d、603eからの廃水は、薄膜プロセスチャンバー602a、602b、602c、602d、602eが完全にコンディショニングされ、前駆体の導入の準備ができており、前駆体が薄膜製造プロセスによって要求される仕様及び特徴を示すと決定されている時点まで、薄膜プロセスチャンバー602a、602b、602c、602d、602eから離れて安全な位置(例えば、スクラバー)609に方向付けられ得る。
【0080】
[0087]基板ウェーハは、保管カセット601からロボティックアーム608又は他の自動システムを介して薄膜加工チャンバー602a、602b、602c、602d、602e(又はクラスターツールの全体的な有用性のために備えられ得る他のチャンバー)に輸送される。前駆体合成チャンバー603a、603b、603c、603d、603eは、各々、図1に関して上で記載されている通り、管(図示せず)を介して原材料供給源に連結され、先進技術により前駆体合成を制御して、例えば、特定の前駆体純度及び薄膜プロセスチャンバー602a、602b、602c、602d、602eへの流速を維持するように構成され得る。
【0081】
[0088]図6を参照すると、そのような制御ループの概念が1つの前駆体合成チャンバー603cに設けられているが、そのような制御ループは、同一の形で、又は異なる前駆体若しくは薄膜製造プロセスのための様々な制御対象に合うように修正されたプロトコルのいずれかで、他の前駆体合成チャンバー603a、603b、603d、603eのうちの任意の1つ又は複数に適用されてもよいことが理解されることになる。具体的には、図6に示される制御ループにおいて、1つ又は複数の信号が、薄膜プロセスチャンバー602c、前駆体合成チャンバー603c又はその両方において1つ又は複数の機器604、605から読み取られる。例えば、薄膜プロセスチャンバー602cは、プロセスチャンバーセンサー604を備えていてもよく、前駆体合成チャンバー603cは、化学生成器センサー605を備えていてもよい。これらのセンサー604、605からの信号は、機能ブロック606を通ってプロセッシングされて、前駆体合成チャンバー603cの動作を製造対象に合うように調整するコントローラー607(より詳細には、化学生成器コントーラー)への入力を提供する。そのような機器には、前駆体合成プロセスの種々のパラメーターをモニタリング及び制御するための、終点リアルタイムin-situモニタリング及び検出並びに/又はin-situ及びex-situモニタリング及び検出技術、スペクトロスコピー並びにスペクトロメトリーのための電子センサーが含まれ得る。
【0082】
[0089]一部の実施形態では、システムは、逐次的又は直列に設定された1つ又は複数の相互連結作製又は加工チャンバーを備え、製造技術は、連続基板に適用され、基板は、1つのチャンバーから次のチャンバーに逐次的に移動し、そこで1つ又は複数の製造技術にかけられる。そのような実施形態の一例は、可撓性基板への連続膜のロールツーロールコーティングである。そのような一実施形態では、1つ又は複数の前駆体合成モジュール又はチャンバーは、作製又は加工チャンバーに連結され、1つ又は複数の前駆体は、可撓性基板に送達されるか又は蒸気若しくは液体形態のいずれかで可撓性基板に噴霧され、そこで分解又は加工されて可撓性基板に膜が生じる。
【0083】
[0090]より詳細には、図7を参照すると、分離した又は別々のユニットの形態(例えば、ウェーハ)ではなく、連続ロール又はコイルの形態(例えば、リボン、ロール又はスプール)の可撓性基板への製造技術の適用の概略図が示されている。可撓性基板のストックロール701は、巻かれていない又はたたまれておらず、制御された状態で、逐次的に又は直列に配置された1つ又は複数の相互連結作製又は加工チャンバー703a、703bにフィードされ、可撓性基板に標的薄膜構造を生成するように設計された一連の1つ又は複数の製造技術に曝される。製造技術は、同じ加工ステップ、例えば、膜堆積、エッチング、イオン注入又はパターニングを含み得る。あるいは、製造技術は、加工ステップの組合せ、例えば、各々、それ自体の加工又は製造チャンバー内での堆積、エッチング、イオン注入及びパターニングプロセスの全セット又はサブセットを含み得る。
【0084】
[0091]製造技術は、好ましくは、互いに隔離され、各々、それ自体の加工チャンバー703a、703b内で封入される。1つ又は複数の介在チャンバー704(例えば、計測学チャンバー)は、好ましくは、隔離及び/又はプロセス制御を促進するために設けられる。各プロセスチャンバー703a、703bは、1つ又は複数の前駆体合成チャンバー705a、705bと関連する。前駆体合成チャンバー705a、705bはすべて、すべての個々の作製又は加工チャンバー703a、703bに、蒸気又は液体形態のいずれかで同じ前駆体を送達することができ、ここで、前駆体は、完全又は部分的に分解又は加工又は消費されて可撓性基板に膜が生じる。あるいは、各前駆体合成チャンバー705a、705bは、対応する作製又は加工チャンバー703a、703bに、蒸気又は液体形態のいずれかで異なる前駆体を送達することができ、ここで、各前駆体は、完全又は部分的に分解又は加工又は消費されて可撓性基板に多層膜の層が生じる。
【0085】
[0092]測定機器類707a、707b及び708、並びにライン又は管711a、711bを介してプロセスコントローラー706a、706bと連通した変換プロセスモデル709a、709bを備える制御マニフォールドが、所与の事前設定された加工設定点710a、710bに合わせるために、個々の前駆体合成チャンバー705a、705へのフィードバック及びフィードフォワード制御を提供するために組み込まれる。得られる加工された可撓性基板は、エンドロール702で巻き戻される。一実施形態では、機器707a、707bは、in-situセンサーであり、機器708は、ex-situセンサーである。一実施形態では、プロセスコントローラー706a、706bは、化学物質源(すなわち、前駆体)コントローラーであり、変換プロセスモデル709a、709bは、信号変換器である。
【0086】
[0093]一部の実施形態では、1つ又は複数の前駆体は、ゾルゲル又はめっき技術を使用して、可撓性基板で分解又は加工されて、層又は膜を形成する。他の実施形態では、前駆体は、CVD又はALD技術を使用して、可撓性基板で分解又は加工される。他の実施形態では、得られる膜は、使用される異なる前駆体の数に応じて、単一の均一層又は多層を含む。
【0087】
[0094]上記の実施形態に対して、その広い発明概念から逸脱することなく変更がなされ得ることが、当業者によって認識される。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨及び範囲内の修正を包含することが意図されることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7