(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】ワーク輸送容器、およびその利用
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20230620BHJP
B65D 77/02 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
B65D85/68 Z
B65D77/02 D
(21)【出願番号】P 2018214984
(22)【出願日】2018-11-15
【審査請求日】2021-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(73)【特許権者】
【識別番号】596006536
【氏名又は名称】カネカフォームプラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】蜂須 和則
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-151948(JP,A)
【文献】実開昭63-111486(JP,U)
【文献】特開平08-282757(JP,A)
【文献】特開2006-256657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/68
B65D 77/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを収容する容器本体と、
前記容器本体内部におけるXY方向を水平方向とし、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系での前記ワークの位置を確認するためのXYZ位置確認部と、を備え
、
前記ワークは、前記容器本体の外部に一部が露出した状態で収納されており、
前記XYZ位置確認部は、前記容器本体の上端部における前記ワークの露出部分と対向する位置に設けられて
おり、
前記XYZ位置確認部は、1箇所で、前記XYZ座標系での前記ワークの位置を確認できるように構成されている、ワーク輸送容器。
【請求項2】
ワークを収容する容器本体と、
前記容器本体内部におけるXY方向を水平方向とし、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系での前記ワークの位置を確認するためのXYZ位置確認部と、を備え、
前記ワークは、前記容器本体の外部に一部が露出した状態で収納されており、
前記XYZ位置確認部は、前記容器本体の上端部における前記ワークの露出部分と対向する位置に設けられており、
前記ワークの露出部分は、前記容器本体の上端部とZ方向で離間して配されている、ワーク輸送容器。
【請求項3】
さらに、前記容器本体を閉塞する蓋体、を備え、
前記容器本体および前記蓋体の何れか一方からZ方向に伸び、他方に当接する当接部を備えた、請求項1
または2に記載のワーク輸送容器。
【請求項4】
熱可塑性樹脂発泡粒子から構成されている、請求項1~
3の何れか1項に記載のワーク輸送容器。
【請求項5】
凸部および当該凸部に嵌合する形状を有する凹部が形成された側壁部を備えた、請求項1~
4の何れか1項に記載のワーク輸送容器。
【請求項6】
前記容器本体は、前記ワークの底部を受ける受面部を有し、当該受面部は、XY面に対して傾斜した受け面を有する、請求項1~
5の何れか1項に記載のワーク輸送容器。
【請求項7】
請求項1~
6の何れか1項に記載のワーク輸送容器内にワークが収納されたワーク梱包体の製造方法であって、
前記ワークの側部を前記容器本体のXY方向の少なくとも2つの側壁面に接触させ位置合わせする位置合わせ工程と、
前記位置合わせ工程により位置合わせされた状態で、Z方向へ向けて前記ワークを前記容器本体に収納する収納工程と、
前記XYZ位置確認部により、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系での前記ワークの位置を確認するXYZ位置確認工程と、を含む、ワーク梱包体の製造方法。
【請求項8】
請求項1~
6の何れか1項に記載のワーク輸送容器内にワークが収納された、ワーク梱包体。
【請求項9】
請求項
5に記載のワーク輸送容器内にワークが収納されたワーク梱包体を複数備え、
隣接するワーク梱包体同士は、前記凹部と前記凸部との嵌合により連結している、ワーク梱包体ユニット。
【請求項10】
請求項
9に記載のワーク梱包体ユニットと、
前記ワーク梱包体ユニットを収納する容器と、と備えた、ワーク梱包体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク輸送容器、およびその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車部品であるトランスファー等の重量物(ワーク)を輸送容器に収納し、梱包体を製造する梱包作業では、吊り具等によって重量物を吊るした状態で輸送容器と重量物とを位置合わせしながら、輸送容器に重量物を収納する。
【0003】
前記ワーク輸送容器として、例えば特許文献1に記載の梱包材が従来技術として知られている。特許文献1に記載の梱包材は、ワークとしてトランスミッションを輸送時に支持する梱包材であり、ワークが車体に取り付けられるべき姿勢にてワークを保持するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のワーク輸送容器を用いた重量物の梱包作業は、重量物の底部が輸送容器の受け面に適切に接触しているか否か確認が困難であることから、重量物が容器にしっかりと収納されていないと偏荷重となり、容器が座屈、または破損するという問題があることを、本願発明者は独自に見出した。
【0006】
本発明の一態様は、重量物であるワークの底部と受け面との位置関係を梱包後でも確認することが可能なワーク輸送容器、およびその利用を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るワーク輸送容器は、ワークを収容する容器本体と、前記容器本体内部におけるXY方向を水平方向とし、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系での前記ワークの位置を確認するためのXYZ位置確認部と、を備えた構成である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、重量物であるワークの底部と受け面との位置関係を梱包後でも確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るワーク輸送容器の構成を示し、(a)は分解斜視図であり、(b)は斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るワーク梱包体の構成を示し、(a)は分解斜視図であり、(b)は斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るワーク輸送容器における、容器本体の下端部に形成された凹部と蓋体の上端部に形成された凸部との関係を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るワーク輸送容器における、XYZ位置確認部とワークのカップリング部との位置関係を示し、(a)は、ワークが容器本体内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部とカップリング部との位置関係を示す、X方向から見た側面図であり、(b)は、ワークが収容空間内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部とカップリング部との許容される位置関係の一例を示す、X方向から見た側面図であり、(c)は、ワークが容器本体内に重心がずれて収容された状態でのXYZ位置確認部とカップリング部との位置関係を示す、X方向から見た側面図であり、(d)は、ワークが容器本体内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部とカップリング部との位置関係を示す、Z方向から見た上面図であり、(e)は、ワークWが収容空間内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部とカップリング部との許容される位置関係の一例を示す、Z方向から見た上面図であり、(f)は、ワークが容器本体内に重心がずれて収容された状態でのXYZ位置確認部とカップリング部との位置関係を示す、Z方向から見た上面図である。
【
図5】容器本体にワークを収納する手順の一例を模式的に示す平面図であり、(a)および(b)は、位置合わせ工程を示し、(c)は、収納工程を示す。
【
図6】(a)は、本発明の実施形態に係るワーク梱包体ユニットの構成を示す斜視図であり、(b)~(e)は本発明の実施形態に係るワーク梱包体パッケージの構成を示し、(b)は斜視図であり、(c)は(b)に示す構成の上面図であり、(d)は(b)に示す構成の側面図であり、(e)は、(d)とは別の方向から見た(b)に示す構成の側面図である。
【
図7】(a)は、ワーク梱包体ユニット内の容器本体と台車との関係を示す平面図であり、(b)は(a)に示される円内を拡大した拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
(ワーク輸送容器およびワーク梱包体)
図1は、本実施形態に係るワーク輸送容器100の構成を示し、
図1の(a)は分解斜視図であり、
図1の(b)は斜視図である。また、
図2は、本実施形態に係るワーク梱包体200の構成を示し、
図2の(a)は分解斜視図であり、
図2の(b)は斜視図である。
【0012】
ワーク輸送容器100は、矩形状の箱形状であり、容器本体10と、容器本体10を閉塞する蓋体20と、を備えている。容器本体10には、2つの収容空間11および12が長手方向に並んで形成されている。
図2の(a)および(b)に示されるように、収容空間11および12それぞれには、ワークWが収容されている。
【0013】
ここで、ワーク輸送容器100の長手方向をX方向とし、短手方向をY方向とする。そして、X方向およびY方向の両方に垂直な方向をZ方向とする。そして、XY方向を水平方向とし、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系としている。
【0014】
ワークWは、従来公知の車両に使用されるトランスファーである。トランスファーとしてのワークWは、カップリング部W1がX方向に向いた状態で、収容空間11または12に収容される。また、ワークWは、少なくともカップリング部W1を含む上側部分が容器本体10の外部に露出した状態で収容されている。
【0015】
収容空間11は、ワークWの底部W2を受ける受面部11A、並びに側壁部11B、11Cおよび11Dによって形成されている。同様に、収容空間12は、ワークWの底部W2を受ける受面部12A、並びに側壁部12B、12Cおよび12Dによって形成されている。
【0016】
受面部11Aは、XY面(水平面)に対して傾斜した受け面を有する。また、受面部11AにおけるX方向の両端には、側壁部11Bおよび11Dが連結している。側壁部11Bおよび11Dは、Z方向に立設してY方向に延びて設けられており、互いに対向している。さらに、側壁部11Cは、側壁部11Bおよび11D間を連結する壁部であり、Z方向に立設してX方向に延びて設けられている。さらに、側壁部11Cには、ワークWの一部を収容する収容部11Eが形成されている。収容部11Eは、側壁部11Cの内側から外側へ窪んだ凹部と、当該凹部の上側に形成された側壁部11Cの内側と外側とを貫通する貫通部と、を有する。また、収容空間12を構成する受面部12A、並びに側壁部12B、12Cおよび12Dはそれぞれ、上述した受面部11A、並びに側壁部11B、11Cおよび11Dと同様の構成を有している。
【0017】
容器本体10の上端部には、複数の凸部13が形成されている。また、容器本体10における側壁部11Cおよび12Cの外側面には、凹溝14および凸条15が形成されている。凹溝14および凸条15の両方は、Z方向に延びて形成されている。そして、凹溝14は、凸条15に嵌合する形状を有している。また、側壁部11Cおよび12Cと対向する受面部11Aおよび12Aの外側面にも凹溝14および凸条15が形成されている。
【0018】
側壁部11Cおよび12Cの外側面に形成された凹溝14は、X方向において、受面部11Aおよび12Aの外側面に形成された凸条15と同じ位置に配されている。また、側壁部11Cおよび12Cの外側面に形成された凸条15は、X方向において、受面部11Aおよび12Aの外側面に形成された凹溝14と同じ位置に配されている。これにより、側壁部11Cおよび12Cの外側面と受面部11Aおよび12Aの外側面とを接触させて2つのワーク輸送容器100を隣接させたとき、凹溝14と凸条15とが嵌合する。なお、側壁部11Cおよび12Cの外側面に形成される凹部および凸部の形状は、
図1または
図2に示される凹溝14および凸条15に限定されず、互いに嵌合する形状であればよい。例えば、凹溝14に代えて、Z方向に伸びない穴状の凹部が側壁部11Cおよび12Cの外側面に形成されていてもよい。この場合、凸条15に代えて、前記穴状の凹部に嵌合する形状を有する前記突起状の凸部が側壁部11Cおよび12Cの外側面に形成されている。
【0019】
蓋体20は、ワークWにおける容器本体10の外部から露出した上側部分を収容する収容空間が形成されている。蓋体20には上側へ窪んだ凹部21が設けられている。凹部21は、ワークWの上側部分におけるカップリング部W1に対応する蓋体20の箇所に設けられており、カップリング部W1が収容されるようになっている。
【0020】
容器本体10の底部には、複数の凹部16が形成されている。また、蓋体20の上端部には、複数の凸部22が設けられている。
図3は、容器本体10の下端部に形成された凹部16と蓋体20の上端部に形成された凸部22との関係を示す斜視図である。
図3に示されるように、凸部22は、蓋体20の上端部に容器本体10を積載したとき、容器本体10の下端部に形成された凹部16と対応する位置に設けられ、凹部16と嵌合するようになっている。凸部22は、凹部16に嵌合する形状を有している。
【0021】
また、蓋体20の下端部には、複数の凹部23が設けられている。凹部23は、蓋体20が容器本体10を閉塞したとき、容器本体10の上端部に形成された凸部13と対応する位置に設けられ、凸部13と嵌合するようになっている。凹部23は、凸部13と嵌合する形状を有している。
【0022】
図2の(a)および(b)に示されるように、本実施形態に係るワーク梱包体200は、ワークWを備え、ワークWがワーク輸送容器100内に収容され梱包された構成となっている。
【0023】
容器本体10の収容空間11および12に収容された2つのワークWは、X方向に沿ってカップリング部W1が互いに同じ側に向くように配置されている。これにより、例えば、吊り具等を用いてワークWを容器本体10に収容したとき、吊り具によって吊るされたワークWを同一方向にして容器本体10に収容できる。その結果、収容空間11および12に収容する毎にワークWの向きを変える必要がない。このため、効率的にワークWをワーク輸送容器100に収容することができる。
【0024】
以下、容器本体10に収容されたワークWについて説明する。収容空間11および12に収容されたワークWは、同じ状態であるので、主に、収容空間11に収容されたワークWについて説明する。
【0025】
ワークWは、容器本体10の収容空間11に収容されるとき、底部W2が受面部11Aの受け面に接触した状態となっている。このように水平面に対して傾斜した受け面に接触していることにより、容器本体10の重心に対するワークWの重心のズレを防止できる。これにより、収容空間11内におけるワークWの姿勢が安定する。
【0026】
ワークWは、カップリング部W1が容器本体10から外部に露出した状態で容器本体10に収容される。より具体的には、ワークWが容器本体10に収容された状態では、カップリング部W1は、容器本体10の上端部とZ方向で離間して配されている。
【0027】
ここで、吊り具によりワークWをワーク輸送容器100に収容し梱包するに際し、ワークWの底部W2が受面部11Aの受け面に適切に接触するか否か確認することが困難である。このことから、ワークWが適切に受面部11Aの受け面に接触していないと、ワークWは、重心がずれることにより偏荷重となる。このため、このような偏荷重の状態でワーク輸送容器100を輸送すると、ワーク輸送容器100が座屈または破損するという問題がある。
【0028】
そこで、本実施形態に係るワーク輸送容器100は、XYZ位置確認部30を備えている。XYZ位置確認部30は、容器本体10の収容空間11におけるXY方向を水平方向とし、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系でのワークWの位置を確認するためのものである。
【0029】
図2の(a)および(b)に示されるように、XYZ位置確認部30は、容器本体10の上端部における、ワークWのカップリング部W1と対向する位置に設けられている。XYZ位置確認部30は、円弧面31と、ケガキ線部32と、を備えている。円弧面31は、XYZ位置確認部30におけるカップリング部W1と対向する面に形成されている。円弧面31は、XYZ座標系でのワークWの位置を確認するための基準面となる。また、ケガキ線部32は、Y方向に伸びる溝(ケガキ線)を有する。この溝がワークWの位置確認の基準となる。
【0030】
本実施形態に係るワーク輸送容器100では、XYZ位置確認部30は、1箇所で、XYZ座標系でのワークWの位置を確認できるように構成されている。すなわち、XYZ位置確認部30は、円弧面31およびケガキ線部32を基準としたカップリング部W1の位置を目視することにより、収容空間11内におけるワークWの姿勢、すなわちXYZ座標系でのワークWの位置を、容器本体10の外観から確認できるようになっている。
図4は、XYZ位置確認部30とワークWのカップリング部W1との位置関係を示す。
図4の(a)は、ワークWが収容空間11内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部30とカップリング部W1との位置関係を示す、X方向から見た側面図である。また、
図4の(b)は、ワークWが収容空間11内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部30とカップリング部W1との許容される位置関係の一例を示す、X方向から見た側面図である。また、
図4の(c)は、ワークWが収容空間11内に重心がずれて収容された状態でのXYZ位置確認部30とカップリング部W1との位置関係を示す、X方向から見た側面図である。また、
図4の(d)は、ワークWが収容空間11内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部30とカップリング部W1との位置関係を示す、Z方向から見た上面図である。また、
図4の(e)は、ワークWが収容空間11内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部30とカップリング部W1との許容される位置関係の一例を示す、Z方向から見た上面図である。また、
図4の(f)は、ワークWが収容空間11内に重心がずれて収容された状態でのXYZ位置確認部30とカップリング部W1との位置関係を示す、Z方向から見た上面図である。
【0031】
図4の(a)に示されるように、底部W2が受面部11Aの受け面に適切に接触した状態でワークWが収容空間11に適切な姿勢で収容されているとき、カップリング部W1を構成する円筒の中心軸O
1とXYZ位置確認部30の円弧面31の中心軸O
2とが一致している。すなわち、X方向側から見て、XYZ位置確認部30の円弧面31は、カップリング部W1を構成する円筒と同心となるように形成されている。このような状態では、円弧面31のY方向の一方の端部から他方の端部に亘って、カップリング部W1を構成する円筒と円弧面31との距離が一定になっている。
【0032】
一方、
図4の(c)に示されるように、底部W2が受面部11Aの受け面に適切に接触しない状態でワークWが収容空間11に収容されているとき、カップリング部W1を構成する円筒の中心軸O
1は、XYZ位置確認部30の円弧面31の中心軸O
2に対してずれて配置される。
【0033】
なお、中心軸O
1と中心軸O
2とは、
図4の(b)に示される位置関係であっても、底部W2が受面部11Aの受け面に適切に接触した状態でワークWが収容空間11に適切な姿勢で収容されているとみなすことができる。
図4の(b)は、ワークWが収容空間11内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部30とカップリング部W1との許容される位置関係の一例を示す、X方向から見た側面図である。例えば、ワークWをワーク輸送容器100に収容し梱包するに際し、収容空間11を構成する側壁部11B~11Dの壁面の少なくとも1つと、ワークWとの間で、クリアランスが設けられる。例えば、側壁部11Cの壁面とワークWとの間にクリアランスが設けられている場合、ワークWがY方向に若干ずれて収容されている。このような場合、
図4の(b)に示されるように、中心軸O
1は、中心軸O
2に対して若干Z方向にずれる。そして、この状態では、カップリング部W1を構成する円筒の外側面と円弧面31とが接している。このように、ワーク輸送容器100は、中心軸O
1と中心軸O
2とが一致しないがカップリング部W1を構成する円筒の外側面が円弧面31に接する程度にワークWと円弧面31とがずれていても、ワークWが収容空間11に適切な姿勢で収容されるように構成され得る。このような構成とすることにより、ワークWをワーク輸送容器100に収容し梱包するに際し、円弧面31とカップリング部W1との間で多少ずれが生じてもワークWを収容空間11に適切な姿勢で収容できる。それゆえ、位置決め精度の高い作業性を必要としなくても、ワークWを収容空間11に適切な姿勢で安定して収容できる。
【0034】
このように、本実施形態に係るワーク輸送容器100では、円弧面31とカップリング部W1との位置関係を目視により確認することにより、YZ座標におけるワークWの位置を確認することができる。そして、円弧面31とカップリング部W1とが、例えば
図4の(a)または(b)に示す位置関係にある場合に、YZ座標におけるワークWの位置が適正であると判断することができる。
【0035】
また、
図4の(d)に示されるように、底部W2が受面部11Aの受け面に適切に接触した状態でワークWが収容空間11に適切な姿勢で収容されているとき、カップリング部W1のX方向の端面SがXYZ位置確認部30のケガキ線部32の中央線Cに一致するように位置している。ここで、端面Sは、ケガキ線部32に対するカップリング部W1の位置を確認するための面として機能する。
【0036】
一方、
図4の(f)に示されるように、底部W2が受面部11Aの受け面に適切に接触しない状態でワークWが収容空間11に収容されているとき、端面Sは、ケガキ線部32により構成される領域Eからずれている。
【0037】
なお、端面Sとケガキ線部32とは、
図4の(e)に示される位置関係であっても、底部W2が受面部11Aの受け面に適切に接触した状態でワークWが収容空間11に適切な姿勢で収容されているとみなすことができる。
図4の(e)は、ワークWが収容空間11内に適切に収容された状態でのXYZ位置確認部30とカップリング部W1との許容される位置関係の一例を示す、Z方向から見た上面図である。例えば、ワークWをワーク輸送容器100に収容し梱包するに際し、収容空間11を構成する側壁部11B~11Dの壁面の少なくとも1つと、ワークWとの間で、クリアランスが設けられる。
図4の(e)に示されるように、ワーク輸送容器100は、カップリング部W1の端面Sが中央線Cと一致しないがケガキ線部32の領域E内に位置する程度にずれていても、ワークWが収容空間11に適切な姿勢で収容されるように構成され得る。このような構成とすることにより、ワークWをワーク輸送容器100に収容し梱包するに際し、位置決め精度の高い作業性を必要としなくても、ワークWを収容空間11に適切な姿勢で安定して収容できる。
【0038】
このように、本実施形態に係るワーク輸送容器100では、ケガキ線部32とカップリング部W1との位置関係を目視により確認することにより、X方向におけるワークWの位置を確認することができる。カップリング部W1のX方向の端面Sとケガキ線部32とが例えば
図4の(d)または(e)に示す位置関係にあるとき、X方向におけるワークWの位置が適正であると判断することができる。
【0039】
以上のように、本実施形態に係るワーク輸送容器100では、XYZ位置確認部30の円弧面31およびケガキ線部32を基準としたカップリング部W1の位置を目視することにより、XYZ座標系でのワークWの位置を確認できる。
【0040】
特に、吊り具を用いたワークWの梱包作業では、ワークWの底部W2がワーク輸送容器100の受面部11Aに適切に接触しているか否か確認することが困難である。しかし、本実施形態に係るワーク輸送容器100では、円弧面31とカップリング部W1との位置関係を確認することにより、容易にZ方向におけるワークWの位置を確認することができる。その結果、容器本体10に収容後もワークWの底部W2がワーク輸送容器100の受面部11Aに適切に接触しているか否か容易に確認でき、ワーク輸送容器100内におけるワークWの偏荷重を防止することができる。その結果、ワークWおよびワーク輸送容器100の損傷を防止できる。
【0041】
また、本実施形態では、XYZ座標系でのワークWの位置を確認するために、容器本体10から露出したカップリング部W1と、容器本体10のXYZ位置確認部30との位置関係を確認している。このようにXYZ座標系でのワークWの位置確認のために、ワークWにおける容器本体10から露出した部分を用いることにより、ワークWの容器本体10内での位置の容器本体10の外観から確認でき、XYZ位置確認部30による位置確認が容易になる。
【0042】
また、上述の例では、ワークWは、トランスファーであった。しかし、ワークWは、トランスファーに限定されず、輸送時に輸送容器内の位置確認が必要なものであれば、形状、寸法は特に限定されない。また、ワークWは、容器本体10の外部に一部が露出した状態で収納されていたが、収容形態は特に限定されない。例えば、ワークWの上端が容器本体10の上端よりも低くなるように収容された収容形態であってもよい。
【0043】
なお、XYZ位置確認部30は、容器本体10内におけるXYZ座標系でのワークWの位置を確認することが可能な構成であれば、
図1~
図4に示された構成に限定されない。XYZ位置確認部30は、ワークWの形状・容器本体10内でのワークWの位置等に応じて、適宜構成を設定することができる。例えば、ワークWが容器本体10内から露出していない場合、XYZ位置確認部30は、容器本体10の側壁部の内面に、基準となるケガキ線に形成された構成であってもよい。この場合、ワークWが容器本体10内に適正に収容されたときの上端部の位置をケガキ線として側壁部に形成すれば、当該ケガキ線とワークWの上部との位置関係を確認することにより、ワークWの底部W2が容器本体10の底面に接触しているか否か確認できる。
【0044】
また、容器本体10における側壁部11B~11Dおよび12B~12Dは、Z方向に伸び、蓋体20に当接する当接部として機能する。このように側壁部11B~11Dおよび12B~12Dが蓋体20と当接するように構成されていることにより、例えば、ワーク梱包体200を積載したときに、上側のワーク梱包体200から下側のワーク梱包体200へかかる荷重を分散することができる。この結果、積載時のワーク梱包体200の偏荷重を防止することができる。
【0045】
なお、
図1~
図3に示された構成では、前記当接部は、容器本体10からZ方向に伸びる側壁部11B~11Dおよび12B~12Dであった。しかし、前記当接部の構造は、側壁構造に限定されず、Z方向に伸び蓋体20に当接する構造であればよい。例えば、前記当接部は、柱状であってもよい。また、前記当接部は、側壁部11B~11Dおよび12B~12Dのように容器本体10から伸びた構成に限定されず、容器本体10および蓋体20の何れか一方からZ方向に伸びた構成であればよい。このため、前記当接部は、蓋体20からZ方向に伸び、容器本体10に当接する構成であってもよい。
【0046】
(ワーク梱包体の製造方法)
ワーク梱包体200は、吊り具等にワークWを吊るした状態で、ワークWを容器本体10へ向けて移動させて収納することにより製造される。本実施形態に係るワーク梱包体200の製造方法は、ワークWの側部を容器本体10のXY方向の少なくとも2つの側壁面に接触させ位置合わせする位置合わせ工程と、前記位置合わせ工程により位置合わせされた状態で、Z方向へ向けてワークWを容器本体10に収納する収納工程と、XYZ位置確認部30により、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系でのワークWの位置を確認するXYZ位置確認工程と、を含む。前記位置合わせ工程、前記収納工程、前記XYZ位置確認工程の順にワークWの梱包作業を行うことによって、より簡単な作業にて偏荷重のないワーク梱包体200を製造することができる。
【0047】
図5は、容器本体10にワークWを収納する手順の一例を模式的に示す平面図であり、
図5の(a)および(b)は、前記位置合わせ工程を示し、
図5の(c)は、前記収納工程を示す。
【0048】
図5の(a)に示されるように、前記位置合わせ工程では、まず、ワークWのX方向の側面を容器本体10の側壁部11Bの内面に接触させてX方向の位置合わせをしている。次いで、
図5の(b)に示されるように、ワークWのY方向の側面を側壁部11Cの内面に接触させてY方向の位置合わせをしている。
【0049】
このように位置合わせされた状態では、ワークWは、カップリング部W1と反対側の側面が側壁部11Bの内面と接触し、Y方向側の側面が側壁部11Cの収容部11Eに収容された状態となっている(
図5の(c)参照)。この状態で、ワークWをZ方向下側へ移動させることにより、底部W2が受面部11Aの受け面に接触して、ワークWが容器本体10の収容空間11に収容されることになる。
【0050】
本実施形態に係るワーク梱包体200の製造方法では、このように収容空間11に収容されたワークWについて、XYZ位置確認部30により、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系でのワークWの位置を確認する(XYZ位置確認工程)。XYZ位置確認工程では、カップリング部W1と、ケガキ線部32および円弧面31との位置関係を目視することにより、XYZ座標系でのワークWの位置を確認することができる。
【0051】
XYZ位置確認工程にて、XYZ座標系でのワークWの位置が適正であると確認されたとき、ワークWが収容された容器本体10を蓋体20で閉塞することにより、ワーク梱包体200が得られる。一方、XYZ位置確認工程にて、XYZ座標系でのワークWの位置が不適であると確認されたとき、XYZ座標系でのワークWの位置が適正であると確認されるまで、前記位置合わせ工程または前記収納工程を繰り返し行う。
【0052】
なお、
図5の(a)~(c)に示された例では、位置合わせ工程にて、ワークWの側面と側壁部11Bおよび11Cの内面とを接触させて位置合わせしていた。しかし、前記位置合わせ工程における位置合わせの形態は、面同士の接触による位置合わせに限定されず、ワークWの形状に応じて適宜設定することができる。例えば、ワークWが球状、または円柱状である場合、前記位置合わせ工程における位置合わせの形態は、球面または円筒側面と側壁部11Bおよび11Cの内面との接触による位置合わせであってもよい。
【0053】
また、前記位置合わせのために使用する、容器本体10の収容空間11を構成する側壁部11B~11Dの内面は、特に限定されない。例えば、互いに対向する側壁部11Bおよび11Dの内面に順次ワークWの側面を接触させることによりワークWの位置合わせを行ってもよい。また、側壁部11B~11Dという3つの内面に順次ワークWの側面を接触させることによりワークWの位置合わせを行ってもよい。
【0054】
しかし、位置合わせ作業の簡易さの観点から、互いに対向する側壁部11Bおよび11Dの内面よりも、
図5の(a)および(b)のように互いに連結した側壁部11Bおよび11Cの内面順次ワークWの側面を接触させるほうが好ましい。互いに連結した側壁部11Bおよび11Cの内面にワークWを接触させる場合、側壁部11Bおよび11Cの内面のうち一方にワークWの側面を接触させた状態で、他方に接触させて位置合わせできる。このため、ワークWの移動精度を高める必要がない。すなわち、側壁部11Bおよび11Cの内面の何れか一方の内面にワークWの側面を接触させる程度の移動精度でよい。
【0055】
一方、互いに対向する側壁部11Bおよび11Dの内面にワークWを接触させる場合、ワークWを互いに対向する側壁部11Bおよび11Dの内面に同時に接触させる(側壁部11Bおよび11D同士の隙間にワークを挿入する)必要があり、高い精度でのワークWを移動させる必要がある。
【0056】
(ワーク梱包体ユニットおよびワーク梱包体パッケージ)
本実施形態に係るワーク梱包体ユニットは、上述したワーク梱包体が複数備えた構成となっている。
図6の(a)は、本実施形態に係るワーク梱包体ユニット300の構成を示す斜視図であり、
図6の(b)~(e)は本実施形態に係るワーク梱包体パッケージ400の構成を示し、
図6の(b)は斜視図であり、
図6の(c)は
図6の(b)に示す構成の上面図であり、
図6の(d)は
図6の(b)に示す構成の側面図であり、
図6の(e)は、
図6の(d)とは別の方向から見た
図6の(b)に示す構成の側面図である。
【0057】
図6の(a)に示されるように、ワーク梱包体ユニット300は、複数のワーク梱包体200がXY方向に並んで搭載された構成となっている。また、ワーク梱包体ユニット300は、Z方向にワーク梱包体200が積載された構成となっている。さらに、
図6の(b)~(e)に示されるように、ワーク梱包体パッケージ400は、ワーク梱包体ユニット300と、複数のワーク梱包体ユニット300を収納する台車Dと、を備えている。ワーク梱包体ユニット300は、台車Dに収納されて運搬される。本実施形態に係るワーク梱包体パッケージ400においては、ワーク梱包体ユニット300を収納する容器は、台車Dに限定されず、ワーク梱包体ユニット300を収容可能な構成であればよい。また、複数のワーク梱包体ユニット300を収容する構成に限定されず、1つのワーク梱包体ユニット300を収容する構成であってもよい。
【0058】
図6の(a)に示された構成では、ワーク梱包体ユニット300は、X方向に2つのワーク梱包体200、Y方向に4つのワーク梱包体200が搭載され、Z方向に2つのワーク梱包体200が積載された構成となっている。しかし、本実施形態に係るワーク梱包体ユニット300は、
図6の(a)に示された構成に限定されず、X方向、Y方向、およびZ方向におけるワーク梱包体200の搭載数は、適宜設定することが可能である。
【0059】
ワーク梱包体ユニット300では、Y方向に隣接するワーク梱包体200同士が凹溝14と凸条15との嵌合により位置固定されている。さらに、Z方向に積載されたワーク梱包体200同士は、容器本体10に形成された凹部16と蓋体20に形成された凸部22との嵌合により位置固定されている。これにより、ワーク梱包体ユニット300では、輸送中に、複数のワーク梱包体200が独立して移動することが抑制される。その結果、ワーク梱包体ユニット300内での個々のワーク梱包体200の偏荷重を防止することができる。
【0060】
図7の(a)は、ワーク梱包体ユニット300内の容器本体10と台車Dとの関係を示す平面図であり、
図7の(b)は
図7の(a)に示される円内を拡大した拡大平面図である。
【0061】
ワーク梱包体200では、ワーク輸送容器100の収容部11Eおよび12Eに形成された窓部を介して、ワークWの一部が露出している。この露出したワークWは、台車Dによるワーク梱包体ユニット300の運搬中に、台車Dの内側面に衝突するおそれがある。
【0062】
ここで、
図7の(a)および(b)に示されるように、ワーク梱包体ユニット300では、Y方向に隣接するワーク梱包体200同士が凹溝14と凸条15との嵌合により位置固定されている。そして、ワーク輸送容器100における容器本体10の一側壁部には、凹溝14および凸条15の両方が形成されている。凹溝14のみが形成されているのではなく、凸条15のみが形成されているのではない。このため、ワーク梱包体ユニット300における台車Dと対向する面には、必ず凸条15が形成されている。
【0063】
この凸条15により、ワーク梱包体ユニット300の外側面と台車Dとの間の隙間が確保される。このため、台車Dによるワーク梱包体ユニット300の運搬中に、ワーク梱包体ユニット300の外側面に配された凸条15がクッションとなり、収容部11Eおよび12Eから露出したワークWの一部と台車Dとの衝突を防止することができる。
【0064】
このように、ワーク梱包体ユニット300におけるワーク輸送容器100は、凸条15および凸条15に嵌合する形状を有する凹溝14が形成された側壁部を備えた構成である。この構成によれば、隣接するワーク梱包体200同士を、凹溝14と凸条15との嵌合により連結することによって、ワーク梱包体200同士のXY座標での移動が係止されたワーク梱包体ユニット300を実現できる。このため、ワーク梱包体200の輸送時においてもワークWの偏荷重を防止できる。また、凹溝14と凸条15の両方を備えた側壁部を有するワーク輸送容器100を備えたワーク梱包体ユニット300は、外周側面に、凹溝14と嵌合していない凸条15を有する。この外周側面に形成された凸条15により、例えば台車Dにワーク梱包体ユニット300を収納して輸送する場合、台車Dとワーク梱包体ユニット300との十分な間隔を確保することができる。このため、ワークWの台車Dへの衝突を防止することができる。
【0065】
(ワーク輸送容器の材質について)
ワーク輸送容器100を構成する容器本体10および蓋体20の材質は、発泡樹脂製である限り特に限定されないが、例えば、容器本体10および蓋体20は、熱可塑性樹脂の発泡粒子から型内発泡成形された発泡成形体である。容器本体10および蓋体20それぞれは、一体成型により各部(凸部13、凹溝14、凸条15、凹部16、凸部22、凹部23等)が構成されていてもよいし、それぞれが別々に成形された後、組み合わされてもよい。より好ましくは、容器本体10および蓋体20はそれぞれ、一体成形物である。また、容器本体10および蓋体20の寸法としては、特に限定されるものではなく、収容されるワークWの寸法、および、ワーク輸送容器100の取り扱い性の観点などから、適宜設定され得る。
【0066】
前記熱可塑性樹脂の発泡粒子の種類、および当該発泡粒子の製造方法に特に制限は無く、従来公知の発泡粒子および製造方法を挙げることができる。前記製造方法の一例としては、前記熱可塑性樹脂の発泡粒子が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子である場合には、国際公開特許公報WO2009/075208および特開2006-117842号公報等に開示されている製造方法が挙げられ、ポリスチレン系樹脂発泡粒子である場合には、特開2003-201360号公報および特開2014-118474号公報等に開示されている製造方法が挙げられ(該特許文献中には、前記熱可塑性樹脂の発泡粒子は「予備発泡粒子」として記載されている)、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡粒子である場合には、特開2008-239794号公報等に開示されている製造方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
上述した製造方法によって得られる発泡粒子においては、適宜、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤等の添加剤を従来公知の方法により含有あるいは被覆させることができる。また、前記発泡粒子の粒径としては、特に限定されず、例えば、1mm~10mmであることが好ましいが、金型充填性の観点からは、1mm~5mmであることがより好ましく、1mm~3mmであることがさらに好ましい。
【0068】
前記発泡粒子の発泡倍率としては、特に限定されず、例えば、3倍~90倍であることが好ましいが、機械的強度や成形性の観点からは、5倍~60倍であることがより好ましく、5倍~30倍であることがさらに好ましい。
【0069】
このような発泡粒子は、例えば、(株)カネカ製エペラン-PP、およびエペラン-XL等として市販されており、容易に入手可能である。
【0070】
上述した熱可塑性樹脂の発泡粒子を使用して、発泡成形体として容器本体10または蓋体20を製造する方法としては、型内発泡成形方法を採用することができ、特開2001-79870号公報等に記載された従来公知の成形方法を採用することができる。例えば、(1)先ず、凹型と凸型からなる一対の型を型閉して成形空間を形成し、(2)発泡粒子を原料タンクから充填器を通じて成形空間内に送入して充填し、(3)次に成形空間内の発泡粒子を水蒸気で加熱することにより、発泡粒子どうしを融着させて一体化させた後に、冷却し、(4)一対の型を型開して型内発泡成形体を取り出す方法が挙げられる。
【0071】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段同士を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0072】
(まとめ)
本発明の態様1に係るワーク輸送容器100は、ワークWを収容する容器本体10と、前記容器本体10内部におけるXY方向を水平方向とし、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系での前記ワークWの位置を確認するためのXYZ位置確認部30と、を備えた構成である。
【0073】
本発明の態様2に係るワーク輸送容器100は、態様1において、前記XYZ位置確認部30は、1箇所で、前記XYZ座標系での前記ワークの位置を確認できるように構成されている構成である。
【0074】
本発明の態様3に係るワーク輸送容器100は、態様1または2において、前記ワークWは、前記容器本体10の外部に一部が露出した状態で収納されており、前記XYZ位置確認部30は、前記容器本体10における前記ワークWの露出部分に設けられている構成である。
【0075】
本発明の態様4に係るワーク輸送容器100は、態様1~3において、さらに、前記容器本体10を閉塞する蓋体20、を備え、前記容器本体10および前記蓋体20の何れか一方からZ方向に伸び、他方に当接する当接部(側壁部11B~11Dおよび12B~12D)を備えた構成である。
【0076】
本発明の態様5に係るワーク輸送容器100は、態様1~4において、熱可塑性樹脂発泡粒子から構成されている構成である。
【0077】
本発明の態様6に係るワーク輸送容器100は、態様1~5において、凸部(凸条15)および当該凸部に嵌合する形状を有する凹部(凹溝14)が形成された側壁部(側壁部11B~11Dおよび12B~12D)を備えた構成である。
【0078】
本発明の態様7に係るワーク梱包体200の製造方法は、態様1~6のワーク輸送容器100内にワークWが収納されたワーク梱包体200の製造方法であって、前記ワークWの側部を前記容器本体10のXY方向の少なくとも2つの側壁面に接触させ位置合わせする位置合わせ工程と、前記位置合わせ工程により位置合わせされた状態で、Z方向へ向けて前記ワークWを前記容器本体10に収納する収納工程と、前記XYZ位置確認部30により、Z方向を鉛直方向とするXYZ座標系での前記ワークWの位置を確認するXYZ位置確認工程と、を含む。
【0079】
本発明の態様8に係るワーク梱包体200は、態様1~6のワーク輸送容器100内にワークWが収納された構成である。
【0080】
本発明の態様9に係るワーク梱包体ユニット300は、態様6のワーク輸送容器100内にワークWが収納されたワーク梱包体200を複数備え、隣接するワーク梱包体200同士は、前記凹部(凹溝14)と前記凸部(凸条15)との嵌合により連結している構成である。
【0081】
本発明の態様10に係るワーク輸送容器100は、態様1~6において、ワークWはトランスファーであり、当該トランスファーのカップリング部W1が容器本体10から露出しており、前記XYZ位置確認部30は、前記ワークWの位置確認の基準となる円弧面31を有し、前記円弧面31は、カップリング部W1を構成する円筒と同心になるように形成されている構成である。
【0082】
本発明の態様11に係るワーク輸送容器100は、態様10において、前記XYZ位置確認部30は、さらに、前記ワークWの位置確認の基準となるケガキ線部32を備え、前記ケガキ線部32は、Y方向に伸びるケガキ線を有し、当該ケガキ線は、XY方向において、その中央が前記カップリング部W1の端部と一致するように配されている構成である。
【0083】
本発明の態様12に係るワーク梱包体パッケージは、態様9のワーク梱包体ユニットと、前記ワーク梱包体ユニットを収納する容器と、と備えた構成である。
【符号の説明】
【0084】
10 容器本体
11A、12A 受面部
11B~11D、12B~12D 側壁部(当接部)
14 凹溝(凹部)
15 凸条(凸部)
20 蓋体
30 XYZ位置確認部
100 ワーク輸送容器
200 ワーク梱包体
300 ワーク梱包体ユニット
400 ワーク梱包体パッケージ
W ワーク
W1 カップリング部(ワークの露出部分)