(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20230620BHJP
F25D 17/04 20060101ALI20230620BHJP
F25D 23/08 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
F25D23/00 305B
F25D23/00 305G
F25D23/00 305K
F25D23/00 305H
F25D17/04 301
F25D23/08 W
(21)【出願番号】P 2019095450
(22)【出願日】2019-05-21
【審査請求日】2022-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤堂 栄治
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0093102(US,A1)
【文献】特開平09-161917(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1548887(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0022436(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 17/04
F25D 23/08
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、前記外箱の内部に設けられた内箱と、前記外箱と前記内箱の間に形成された断熱空間に設けられた断熱材とを備える断熱箱体と、
前記内箱の内部に設けられた電気部品と、
前記内箱に設けられた貫通孔に挿入され前記断熱空間から前記内箱の内部へ突出するように設けられた第1コネクタと、
前記電気部品のリード線に設けられ前記第1コネクタに接続される第2コネクタと、
前記第1コネクタの周りに設けられ、前記内箱の内部へ開口する開口部を有する第1ケースと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタを収納しつつ、前記第1ケースの前記開口部を閉塞する第2ケースとを備え
、
前記第1コネクタは、前記内箱の前記断熱空間側に当接する断熱側当接部と、前記内箱の内側に当接する庫内側当接部とを備える冷蔵庫。
【請求項2】
前記第1ケースは、前記第1コネクタの前記庫内側当接部が挿通される取付孔を備え、前記取付孔の周縁部が前記内箱と前記庫内側当接部との間で挟持されることで、前記第1コネクタの周りに設けられている請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第2ケースが、セルフヒンジ部によって前記第1ケースに対して前記開口部を開閉可能に連結されている請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第2ケースの底面に設けられ前記リード線を挿通するリード挿通孔と、前記リード挿通孔と前記リード線との間に設けられた透水性を有する固定部とを備え、
前記リード線が、
前記固定部によって前記第2ケースに対して固定されている請求項1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1ケース及び前記第2ケースは、前記内箱の冷蔵庫幅方向の一方側へ寄った位置に設けられ、
前記第2ケースは、前記リード線が挿通されるリード挿通孔を備え、
前記リード挿通孔が、前記第2ケースの冷蔵庫幅方向の中央部より前記一方側へ寄った位置に設けられている請求項1~4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記第1コネクタは、前記庫内側当接部材が設けられた弾性変形可能なアーム部を備え、
前記庫内側当接部材は、前記アーム部を弾性変形させながら前記内箱の前記断熱空間側から前記貫通孔に挿入され、前記内箱の内側に当接する、請求項1~5のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫では、除霜ヒータやファンなどの庫内に設けられた電気部品が、庫内に配置されたコネクタを介して庫外に設けられた制御基板と接続されていることがある(例えば、下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような冷蔵庫では、結露水がコネクタに付着してコネクタ端子の劣化を防止したり、万一、コネクタが異常発熱した時に他部品への延焼を防止したりするため、コネクタを難燃性の袋状部材で覆うことがある。
【0005】
しかしながら、袋内部に結露水が堆積するのを防止するため、コネクタから延びるリード線が袋状部材の下側から引き出されるように、コネクタを固定しながら袋状部材で覆う必要があり、冷蔵庫内の奥側の狭い空間にコネクタがあると作業しにくいことがある。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、コネクタの結露及び延焼を防止する構造を、組立作業性に優れた簡単な構成で実現することができる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態の冷蔵庫は、外箱と、前記外箱の内部に設けられ前記外箱との間で断熱空間を形成する内箱と、前記断熱空間に設けられた断熱材とを備える断熱箱体と、前記内箱の内部に設けられた電気部品と、前記内箱に設けられた貫通孔に挿入され前記断熱空間から前記内箱の内部へ突出するように設けられた第1コネクタと、前記電気部品のリード線に設けられ前記第1コネクタに接続される第2コネクタと、前記第1コネクタの周りに設けられ前記内箱の内部へ開口する開口部を有する第1ケースと、前記第1コネクタと前記第2コネクタを収納しつつ前記第1ケースの前記開口部を閉塞する第2ケースとを備え、前記第1コネクタと前記第2コネクタを収納しつつ、前記第1ケースの前記開口部を閉塞する第2ケースとを備え、前記第1コネクタは、前記内箱の前記断熱空間側に当接する断熱側当接部と、前記内箱の内側に当接する庫内側当接部とを備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態の冷蔵庫の概略構成を示す縦断面図
【
図2】扉、仕切板及びエバカバーを外した状態の冷凍空間の正面図
【
図7】本発明の変更例1の冷蔵庫における接続部の断面図
【
図8】本発明の変更例2の冷蔵庫における扉、仕切板及びエバカバーを外した状態の冷凍空間の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態の冷蔵庫1について図面に基づき説明する。
【0010】
(1)冷蔵庫1の構成
冷蔵庫1は、
図1及び
図2に示すように、前面に開口する断熱箱体からなる冷蔵庫本体2を備える。冷蔵庫本体2は、鋼板製の外箱3と、外箱3の内部に設けられた内箱4と、外箱3と内箱4の間に形成された断熱空間に設けられた断熱材5とを有して構成されている。
【0011】
冷蔵庫本体2の外郭を構成する外箱3は、左側面、右側面、天面、底面及び背面を有する前面に開口した箱状をなしている。内箱4は、合成樹脂材を真空成形機によって成形したもので、外箱3の左側面、右側面、天面、底面及び背面とそれぞれ対向する左側面、右側面、天面、底面及び背面を有する前面に開口した箱状をなしている。
【0012】
内箱4の背面には、後述する断熱仕切壁12を形成する仕切部4aが内箱4の前面開口部に向けて突出している。この仕切部4aは、内箱4の左側面、右側面、及び背面に開口し、この開口を介して外箱3と内箱4との間に形成される断熱空間と連通している。
【0013】
外箱3と内箱4の間に形成された断熱空間には、ウレタンフォーム等の発泡断熱材や真空断熱パネル等の断熱材5が設けられている。断熱仕切壁12を形成する仕切部4aの内部にも発泡断熱材などの断熱材5が設けられている。
【0014】
内箱4の内部には、複数の貯蔵室が設けられている。具体的には、上段から順に、冷蔵室6、野菜室7が設けられ、その下方に製氷室と第1冷凍室9が左右に並べて設けられ、これらの下方に第2冷凍室10が設けられている。
【0015】
冷蔵室6及び野菜室7は、いずれも冷蔵温度帯(例えば、1~4℃)に冷却される貯蔵室であり、それらの間は、合成樹脂製の仕切板11により上下に仕切られている。
【0016】
野菜室7の下方は、内部に断熱材5が設けられた断熱仕切壁12によって仕切られ、冷凍温度帯(例えば、-10~-20℃)に冷却される冷凍空間が形成されている。この冷凍空間は、仕切板13によって上下に区画され、その上方空間が更に不図示の仕切板によって左右に分割され製氷室及び第1冷凍室9が設けられ、仕切板13の下方に第2冷凍室10が設けられている。
【0017】
冷蔵室6及び野菜室7の後部には、エバカバー20と内箱4の背面とで前後に区画された冷蔵冷却器室22と、冷蔵冷却器室22及び冷蔵室を連結するダクト23が設けられている。冷蔵冷却器室22には、冷蔵冷却器24、冷蔵ファン26等が収納されている。
【0018】
製氷室、第1冷凍室9及び第2冷凍室10の後部には、エバカバー30と内箱4の背面とで前後に区画された冷凍冷却器室32と、製氷室、第1冷凍室9及び第2冷凍室10と冷凍冷却器室32とを連結するダクト33とが形成されている。冷凍冷却器室32には、冷凍冷却器34、冷凍ファン36、除霜ヒータ38及び排水樋37等が収納されている。
【0019】
冷蔵冷却器24及び冷凍冷却器34は、機械室40に収納された圧縮機42や凝縮器(不図示)とともに冷凍サイクルを構成する。冷凍サイクルでは、圧縮機42から吐出された冷媒が不図示の切替弁によって冷蔵冷却器24及び冷凍冷却器34の一方に供給されることで所定温度に冷蔵冷却器24及び冷凍冷却器34が冷却される。
【0020】
冷蔵冷却器24は、冷蔵冷却器室22の空気を冷却して、例えば、-10~-20℃の冷気を生成する。冷蔵冷却器室22で生成された冷気は、冷蔵ファン26の回転によって、冷蔵室6及び野菜室7に供給され、これにより、冷蔵室6及び野菜室7は、冷蔵室6に設けられた温度センサ14の検出温度が所定温度になるように冷却される。
【0021】
冷凍冷却器34は、冷凍冷却器室32の空気を冷却して、例えば、-20~-30℃の冷気を生成する。生成した冷気は、冷凍ファン36の回転によってダクトを介して製氷室、第1冷凍室9及び第2冷凍室10に供給され、これにより、氷室、第1冷凍室9及び第2冷凍室10は、第2冷凍室10に設けられた温度センサ15の検出温度が所定温度になるように冷却される。
【0022】
冷凍冷却器34の下方には、除霜ヒータ38と排水樋37が設けられており、所定のタイミングで除霜ヒータ38を通電することで、冷凍冷却器34を加熱して付着した霜を融解除去する。この時、融解した除霜水は排水樋37より機械室40に設けられた蒸発皿へ排出される。
【0023】
上記の温度センサ15や冷凍ファン36や除霜ヒータ38は、内箱4の内部に設けられた電気部品である。これらの電気部品15,36,38は、冷凍冷却器室32に設けられた接続部50において、冷蔵庫本体2の外側に設けられた制御基板43から内箱4の断熱空間内を通って延びるリード線44に接続され、制御基板43から駆動電源や制御信号が伝送される。
【0024】
(2)接続部50の構成
図2~
図4に示すように、接続部50は、内箱4の内側に固定された第1コネクタ51及び第1ケース53と、第1コネクタ51に接続される第2コネクタ52と、第1ケース53とともに第1コネクタ51及び第2コネクタ52を覆う第2ケース54とを備える。
【0025】
接続部50は、例えば、冷凍冷却器34近傍における断熱仕切壁12の下面であって、冷蔵庫幅方向の一方側へ寄った位置(本実施形態では、冷蔵庫を正面から見て左側)に設けられている。
【0026】
第1コネクタ51は、制御基板43に接続されたリード線44の先端に設けられたメス側のコネクタであって、第2コネクタ52を差し込む差込口が内箱4から庫内側へ突出するように、断熱仕切壁12の下面を構成する内箱4の仕切部4aに設けられた貫通孔4bに挿通されている。
【0027】
第1コネクタ51は、略直方体状のハウジング51aと、リード線44に電気接続された不図示の端子から構成されている。
【0028】
ハウジング51aは、対向する側面に設けられたパネルロック構造を備える。
図3に示すように、パネルロック構造は、ハウジング51aの先端からリード線44が引き出される側(以下、ハウジング51aにおいてリード線44が引き出される側を基端側といい、基端側の端部及び先端を基端部及び基端ということもある)へ行くほどハウジング51aから離れる方向へ延びる一対のアーム部51bと、アーム部51bの基端部に設けられた庫内側当接部51cと、ハウジング51aの側面から突出する断熱側当接部51dとを備える。
【0029】
アーム部51bは、庫内側当接部51cがハウジング51aの側面に近接離隔する方向に弾性変形可能に設けられている。アーム部51bが外力を受けていない状態では、一対のアーム部51bに設けられた庫内側当接部51cの間隔は、内箱4の貫通孔4bの口径より大きいが、ハウジング51aの側面に近接するように変形させると、ハウジング51aとともに庫内側当接部51cを内箱4の貫通孔4bに挿通することができるようになっている。
【0030】
庫内側当接部51cは、基端側へ行くほどハウジング51aに近づくように傾斜する傾斜面51fを有している。
【0031】
断熱側当接部51dは、ハウジング51aの対向する側面から突出しており、断熱側当接部51dの先端の間隔が内箱4の貫通孔4bの口径より大きくなっている。また、断熱側当接部51dは、庫内側当接部51cの基端までの距離が内箱4の仕切部4aの厚さと等しくなるように、庫内側当接部51cより離れた位置に設けられている。
【0032】
このような第1コネクタ51は、一対のアーム部51bの間隔を狭めながら内箱4の断熱空間側から貫通孔4bに挿入される。これにより、
図3に示すように、庫内側当接部51cの基端部(先端部)が貫通孔4bの周縁部の庫内側に当接し、断熱側当接部51dが貫通孔4bの周縁部の断熱空間側に当接して、庫内側当接部51cと断熱側当接部51dとの間で内箱4が挟持され、第1コネクタ51が内箱4に固定される。
【0033】
第2コネクタ52は、温度センサ15や冷凍ファン36や除霜ヒータ38等の電気部品のリード線を一体に束線化したリード線39の先端に設けられたオス側のコネクタであって、略直方体状のハウジング52aと不図示の端子から構成されている。
【0034】
図4に示すように、ハウジング52aの側面には、係止爪52bが設けられている。第2コネクタ52が第1コネクタ51に奥まで差し込まれると、係止爪52bが第1コネクタ51のハウジング51aの側面に設けられた係合突起51eに係合することで、第2コネクタ52の抜けを防止する。
【0035】
第1ケース53は、下方に開口部53aを有する難燃性プラスチック製の箱状体からなり、内箱4より庫内側へ突出する第1コネクタ51を挿通する取付孔53bが底面に設けられている。取付孔53bは、第1ケース53の外側(
図3の上側)より第1ケース53の内側(
図3の下側)の口径が大きくなる段付き孔からなる。取付孔53bの口径は、アーム部51bが外力を受けていない状態における庫内側当接部51cの間隔より小さく、一対のアーム部51bの間隔を狭めることでハウジング51aとともにアーム部51b及び庫内側当接部51cが取付孔53bに挿通される。
【0036】
第1ケース53の開口部53aの周縁部には、外方へ延びるフランジ部53cが周縁部全周にわたって設けられている。
【0037】
第1ケース53の対向する側面に設けられたフランジ部53cの一方には第1係合枠53dが設けられ、他方には爪部53eが設けられている。第1係合枠53dは、フランジ部53cに沿って開口部53aの外方へ突出し、その内側に第2ケース54の突状片54dが挿入される嵌合孔53f(
図5及び
図6参照)が設けられている。
【0038】
爪部53eは、フランジ部53cに沿って開口部53aの外方へ突出し、第1ケース53の底面側から開口部53a側に行くにしたがって(
図4において下方へ行くにしたがって)開口部53aの内方へ向かう傾斜面が設けられている。
【0039】
このような第1ケース53は、一対のアーム部51bの間隔を狭めながら第1ケース53の底面に設けられた取付孔53bにアーム部51b及び庫内側当接部51cを挿通することで、庫内側当接部51cの傾斜面51fが取付孔53bの内周面に当接し、傾斜面51fと内箱4との間で取付孔53bの周縁部(取付孔53bの内周面)が挟持される。これにより、第1ケース53の開口部53aを下方に向けつつ第1コネクタ51の周りに第1ケース53が固定される。
【0040】
第2ケース54は、上方に開口部54aを有する難燃性プラスチック製の箱状体からなり、第1ケース53の開口部53aを開閉可能に閉塞する。第2ケース54の底面の中央部には、第2コネクタ52に接続されたリード線39を挿通するリード挿通孔54bが設けられている。リード挿通孔54bとリード線39との間には、ソフトテープなどの適度な弾力性と透水性を有する固定部54hが設けられている。固定部54hは、第2ケース54内で発生した水を外部へ排出しつつ、リード線39をリード挿通孔54bの位置において第2ケース54に固定する。
【0041】
第2ケース54の開口部54aの周縁部には、外方へ延びるフランジ部54cが周縁部全周にわたって設けられている。フランジ部54cは、第1ケース53のフランジ部53cとの対向面(
図3の上面)にゴムシートなどのガスケット55が設けられている。
【0042】
第2ケース54の対向する側面に設けられたフランジ部54cの一方には第1ケース53の嵌合孔53fに挿入される突状片54dが設けられ、他方には第1ケース53の爪部53eと係合する第2係合枠54eが設けられている。
【0043】
突状片54dは、フランジ部54cに沿って開口部54aの外方へ突出し、その先端部に第1ケース53の第1係合枠53dと係合する係合突起54fが設けられている。第2係合枠54eは、フランジ部54cに対して略垂直な方向へ突出し、その内側に第1ケース53の爪部53eが挿入される係合孔54gが設けられている。
【0044】
第2ケース54は、突状片54dの係合突起54fが第1ケース53の第1係合枠53dに係合するとともに、第2係合枠54eに第1ケース53の爪部53eが係合する。これにより、ガスケット55を介在させつつ第1ケース53のフランジ部53cと第2ケース54のフランジ部54cとが当接して、内部に第1コネクタ51及び第2コネクタ52を収納した状態で第2ケース54が第1ケース53の開口部53aを閉塞する。
【0045】
(3)接続部50の組立方法
次に接続部50の組立方法について説明する。
【0046】
まず、リード線44の先端に設けられた第1コネクタ51を内箱4の貫通孔4bに挿通して内箱4に第1コネクタ51を固定する。第1コネクタ51を固定した内箱4を外箱3に組み付けるとともに断熱空間に断熱材5を設けることで、第1コネクタ51のアーム部51b及び庫内側当接部51cが冷凍冷却器室32の天井面から下方へ向けて突出する冷蔵庫本体2を作製する。
【0047】
次いで、第1ケース53の底面を上方に向けつつ第1ケース53を上方へ移動させて、第1コネクタ51のアーム部51b及び庫内側当接部51cを取付孔53bに挿通することで、第1コネクタ51の周りにおいて第1ケース53を内箱4に固定する。その際、爪部53eが冷蔵庫前側に位置し、突状片54dが冷蔵庫奥側に位置するように、第1コネクタ51の周りに第1ケース53を固定する。なお、アーム部51bがハウジング51aの基端側に行くほどハウジング51aから離れる方向へ延びているため、第1ケース53を上方移動させると一対のアーム部51bの間隔が狭められ、取付孔53bにアーム部51b及び庫内側当接部51cを簡単に挿通することができる。
【0048】
次いで、内箱4の内部に設ける電気部品のリード線を一体に束線化したリード線39を、第2ケース54の外側からリード挿通孔54bに挿通した後、リード線39の端部に第2コネクタ52を取り付ける。
【0049】
次いで、
図5に示すように内箱4から突出する第1コネクタ51に第2コネクタ52を連結する。そして、フランジ部54cの上面にガスケット55を設けた後、
図6に示すように第2ケース54の突状片54dを下方から第1ケース53の嵌合孔53fに挿通して第1係合枠53dに係合突起54fを係合させる。そして、第2ケース54の第2係合枠54eが上方へ移動するように第1係合枠53dを回動軸として第2ケース54を回動させて、係合孔54gに第1ケース53の爪部53eを挿通して第2係合枠54eに爪部53eを係合させる。これにより、第1ケース53及び第2ケース54によって区画された内部空間に第1コネクタ51及び第2コネクタ52を収納してなる接続部50を内箱4に取り付けることができる。
【0050】
(4)効果
本実施形態の冷蔵庫1では、第1ケース53及び第2ケース54によって閉塞された空間に第1コネクタ51及び第2コネクタ52を収納することができる。そのため、第1コネクタ51及び第2コネクタ52に冷気が直接当たるのを防ぎ結露を防止することができたり、第1コネクタ51及び第2コネクタ52が異常発熱した時に他部品への延焼を防止することができる。
【0051】
本実施形態では、第1コネクタ51が内箱4に固定されているため、冷蔵庫搬送中等に第1コネクタ51と第2コネクタ52との接続部分が移動して、周囲に設けられた冷凍冷却器34などと接触したりすることがない。
【0052】
本実施形態では、リード挿通孔54bが第2ケース54の底面に設けられているため、第1ケース53及び第2ケース54の内部で水(結露水)が発生しても、その水をリード挿通孔54bから外部へ排水することができる。
【0053】
本実施形態では、第1コネクタ51の庫内側当接部51cと内箱4との間で第1ケース53を保持させるため、内箱4に固定された第1コネクタ51のパネルロック構造を利用して内箱4に固定することができ、簡単な構成により第1コネクタ51及び第2コネクタ52を覆う第1ケース53及び第2ケース54を内箱4に固定することができる。
【0054】
本実施形態では、第2ケース54のリード挿通孔54bに挿通されたリード線39が、固定部54hによって第2ケース54に固定されているため、リード線39に張力が作用しても、その力がリード線39と第2コネクタ52との連結部分などに作用しにくくなり、接続部50において断線が発生しにくくなる。
【0055】
本実施形態では、爪部53eが冷蔵庫前側に位置し、突状片54dが冷蔵庫奥側に位置するように、第1コネクタ51の周りに第1ケース53が固定されているため、第1ケース53に対して第2ケース54を回動させる回動軸を冷蔵庫奥側に配置させることができ、接続部50を容易に組み立てることができる。
【0056】
(5)変更例1
上記実施形態の変更例1について、主に
図7を参照しながら、上記した実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0057】
本変更例では、第2ケース54がフランジ部54c、53cに比べて肉薄に設けられたセルフヒンジ部156を介して第1ケース53に一体に連結されている。これにより、第2ケース54が、セルフヒンジ部156を中心として回動して第1ケース53の開口部53aを開閉する。
【0058】
このような変更例の冷蔵庫では、第1ケース53と第2ケース54を一部品とすることができ、組立作業性を向上させることができるとともに、低コスト化を図ることができる。
【0059】
(6)変更例2
上記実施形態の変更例2について、主に
図8を参照しながら、上記した実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0060】
上記した実施形態では、第2ケース54の底面の中央部にリード線39を挿通するリード挿通孔54bを設ける場合について説明したが、本変更例では、リード挿通孔254bが第2ケース54の冷蔵庫幅方向の中央部Cより冷蔵庫幅方向外側に設けられている。
【0061】
つまり、接続部50が、冷蔵庫幅方向の一方側(
図8では、冷蔵庫を正面から見て左側)へ寄った位置に設けられ、リード挿通孔254bが第2ケース54の中央部Cより冷蔵庫幅方向の一方側に設けられている。
【0062】
このような変更例では、リード線39を接続部50から冷蔵庫幅方向外側(つまり、冷蔵庫本体2の側壁側)へ引き出すことができるため、リード線39が冷凍冷却器34等のような庫内に配設された機器と干渉しにくくなり、リード線39の配線が容易となる。
【0063】
なお、本変更例では、
図8に示すように、リード挿通孔54bを第2ケース54の底面に設けたが、第2ケース54の側面に設けてもよい。
【0064】
(7)その他の変更例
上記した実施形態では、接続部50を冷凍冷却器室32の天井面を構成する断熱仕切壁12の下面に設けたが、内箱4の背面や側面など内箱4の内側の任意の場所に接続部50を設けてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
1…冷蔵庫、2…冷蔵庫本体、3…外箱、4…内箱、4a…仕切部、4b…貫通孔、5…断熱材、6…冷蔵室、7…野菜室、9…第1冷凍室10…第2冷凍室、12…断熱仕切壁、30…エバカバー、32…冷凍冷却器室、33…ダクト、34…冷凍冷却器、36…冷凍ファン、37…排水樋、38…除霜ヒータ、39…リード線、44…リード線、50…接続部、51…第1コネクタ、51a…ハウジング、51b…アーム部、51c…庫内側当接部、51d…断熱側当接部、51e…係合突起、51f…傾斜面、52…第2コネクタ、52a…ハウジング、52b…係合爪、53…第1ケース、53a…開口部、53b…取付孔、53c…フランジ部、53d…第1係合枠、53e…爪部、53f…嵌合孔、54…第2ケース、54a…開口部、54b…リード挿通孔、54c…フランジ部、54d…突状片、54e…第2係合枠、54f…係合突起、54g…係合孔、54h…固定部、55…ガスケット