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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】無停電電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20230620BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20230620BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230620BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20230620BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230620BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02M7/48 N
H02J7/34 G
H02J7/34 B
H02J9/06 120
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019139970
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2021023074
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】林 健太
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-059243(JP,A)
【文献】特開2017-103996(JP,A)
【文献】特開2015-109796(JP,A)
【文献】特開2015-100195(JP,A)
【文献】特開2009-033936(JP,A)
【文献】特表2014-514692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02M 7/48
H02J 7/34
H02J 9/06
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換器と、
前記直流電圧を交流電圧に変換して交流負荷に供給する直流交流変換器と、
前記直流交流変換器と並列に接続され、前記直流電圧を蓄電して、前記交流負荷に電力を供給するための蓄電装置と、
前記蓄電装置を制御するコントローラとを備え、
前記蓄電装置は、互いに並列に接続され、取り外し可能に設けられた複数の電池ユニットを含み、
各前記電池ユニットは、2次電池と、前記2次電池と前記直流交流変換器との間の接続を制御するスイッチとを含み、
前記コントローラは、
前記複数の電池ユニットのうちの少なくとも1つの電池ユニットをリペア用の電池ユニットに交換する場合に、前記リペア用の電池ユニットの2次電池の電圧と、残りの各前記電池ユニットの2次電池の電圧とを検出し、
前記リペア用の電池ユニットの2次電池の電圧と、前記残りの各前記電池ユニットの2次電池の電圧とが同じ電圧となった場合に前記リペア用の電池ユニットのスイッチを導通させ、
前記コントローラは、前記リペア用の電池ユニットの2次電池の電圧が残りの各前記電池ユニットの2次電池の電圧よりも小さい場合には、前記交流直流変換器を調整して、前記残りの各前記電池ユニットの2次電池を放電する、無停電電源装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記リペア用の電池ユニットの2次電池の電圧が残りの各前記電池ユニットの2次電池の電圧よりも大きい場合には、前記残りの各前記電池ユニットの2次電池を充電する、請求項1記載の無停電電源装置。
【請求項3】
前記リペア用の電池ユニットは、前記スイッチと並列に設けられ、前記スイッチが設けられる経路よりもインピーダンスが高いバイパス経路をさらに含む、請求項1記載の無停電電源装置。
【請求項4】
前記バイパス経路は、
抵抗素子と、
前記抵抗素子を介して前記バイパス経路を導通させるためのバイパススイッチとを含む、請求項3記載の無停電電源装置。
【請求項5】
前記バイパス経路は、前記スイッチと並列に設けられたトランジスタスイッチを含む、請求項3記載の無停電電源装置。
【請求項6】
前記バイパス経路は、前記トランジスタスイッチと直列に接続され抵抗素子をさらに含む、請求項5記載の無停電電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、商用電源が停電した場合に蓄電装置より電力を負荷へ供給し、復電した場合に商用電源から電力を負荷に供給する無停電電源装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-110887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、蓄電装置に異常が発生した場合に蓄電装置を構成する部品を交換する必要がある。
【0005】
この場合、蓄電装置が互いに並列に接続された複数の電池ユニットで構成されている場合に、複数の電池ユニットのうち交換された電池ユニットと、残りの電池ユニットとの間に電位差が有る場合には、当該電池ユニット間で電流が流れる可能性がある。
【0006】
そのため、過電流が電池ユニット間で流れた場合には保護回路により動作が停止する可能性がある。
【0007】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであって、蓄電装置に異常が生じた場合であっても安全に蓄電装置を復旧させることが可能な無停電電源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある局面に従う無停電電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換器と、直流電圧を交流電圧に変換して交流負荷に供給する直流交流変換器と、直流交流変換器と並列に接続され、直流電圧を蓄電して、交流負荷に電力を供給するための蓄電装置と、蓄電装置を制御するコントローラとを備える。蓄電装置は、互いに並列に接続され、取り外し可能に設けられた複数の電池ユニットを含む。各電池ユニットは、2次電池と、2次電池と直流交流変換器との間の接続を制御するスイッチとを含む。コントローラは、複数の電池ユニットのうちの少なくとも1つの電池ユニットをリペア用の電池ユニットに交換する場合に、リペア用の電池ユニットの2次電池の電圧と、残りの各電池ユニットの2次電池の電圧とを検出し、リペア用電池ユニットの2次電池の電圧と、残りの各電池ユニットの2次電池の電圧とが同じ電圧となった場合にリペア用の電池ユニットのスイッチを導通させる。
【0009】
好ましくは、コントローラは、リペア用の電池ユニットの2次電池の電圧が残りの各電池ユニットの2次電池の電圧よりも大きい場合には、残りの各電池ユニットの2次電池を充電する。
【0010】
好ましくは、コントローラは、リペア用の電池ユニットの2次電池の電圧が残りの各電池ユニットの2次電池の電圧よりも小さい場合には、残りの各電池ユニットの2次電池を放電する。
【0011】
好ましくは、リペア用の電池ユニットは、スイッチと並列に設けられ、スイッチが設けられる経路よりもインピーダンスが高いバイパス経路をさらに含む。
【0012】
好ましくは、バイパス経路は、抵抗素子と、抵抗素子を介してバイパス経路を導通させるためのバイパススイッチとを含む。
【0013】
好ましくは、バイパス経路は、スイッチと並列に設けられたトランジスタスイッチを含む。
【0014】
好ましくは、バイパス経路は、トランジスタスイッチと直列に接続され抵抗素子をさらに含む。
【発明の効果】
【0015】
一実施例によれば、無停電電源装置は、蓄電装置を安全に復旧させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に基づく無停電電源装置10の構成を説明する図である。
図2】実施形態1に基づく蓄電装置6およびコントローラ4の構成について説明する図である。
図3】実施形態1に基づくコントローラ4の制御について説明する図である。
図4】実施形態1に基づくコントローラ4の制御について説明する別の図である。
図5】実施形態2に従う電池ユニットの構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0018】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に基づく無停電電源装置10の構成を説明する図である。
【0019】
図1に示されるように、無停電電源装置10は、交流入力電源3A、バイパス入力電源3Bおよび負荷20に接続される。
【0020】
交流入力電源3Aおよびバイパス入力電源3Bは、無停電電源装置10に交流電力を供給する交流電源である。これらの入力電源の各々は、たとえば商用交流電源もしくは自家用発電機等によって構成される。
【0021】
入力交流電源の一例として三相三線(3φ3W)式を示す。ただし、入力交流電源の種類は三相三線式に限定されず、たとえば三相四線式の電源でもよいし、単相三線式の電源でもよい。
【0022】
無停電電源装置10は、コンバータ5と、蓄電装置6と、インバータ7と、コンタクタ8,9と、無停電電源装置10全体を制御するコントローラ4とを備える。
【0023】
コンバータ5と、インバータ7と、コンタクタ9は、交流入力電源3Aと負荷20との間に直列に接続される。
【0024】
コンタクタ8は、コンタクタ9と並列にバイパス入力電源3Bと負荷20との間に接続される。
【0025】
蓄電装置6は、インバータ7と並列にコンバータ5と接続される。
コンバータ5は、交流入力電源3Aから供給される交流電圧を直流電圧に変換する。インバータ7は、コンバータ5により変換された直流電圧を交流電圧に変換する。なお、コンバータ5およびインバータ7の各々は、コントローラ4によって制御される。
【0026】
コンタクタ8,9は、コントローラ4からの指令に応答して開放(オン)および閉成(オフ)する。
【0027】
コンタクタ8は、インバータ7から負荷20に出力される交流電圧を、バイパス経路に切り替えるためのものである。
【0028】
蓄電装置6は、交流入力電源3Aが交流電圧を供給できないとき(たとえば停電時)において、インバータ7に直流電圧を供給するための装置である。
【0029】
交流入力電源3Aから交流電力を供給されている通常時には、コンバータ5によって生成された直流電圧が蓄電装置6に蓄電されるとともに、インバータ7によって交流電圧に変換されて負荷20に供給される。一方、交流入力電源3Aからの交流電圧の供給が停止した停電時には、コンバータ5の運転が停止され、蓄電装置6に蓄えられた直流電圧がインバータ7によって交流電圧に変換されて負荷20に供給される。したがって、無停電電源装置によれば、停電時でも蓄電装置6に蓄えられた電力を用いて負荷20の運転を継続することができる。
【0030】
コントローラ4は、通常時および停電時において、負荷20に供給する交流電圧を発生させるために、コンバータ5、蓄電装置6およびインバータ7を制御するための制御装置であり、一例として、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶部とを含むマイクロコンピュータを主体として構成される。そして、コントローラ4は、予めROMなどに格納されたプログラムをCPUがRAMに読出して実行することによって、コンバータ5、蓄電装置6およびインバータ7等を制御する。
【0031】
さらに、コントローラ4は、このコンバータ5、蓄電装置6およびインバータ7の制御加えて、コンタクタ8,9を制御する。なお、コントローラ4の少なくとも一部は、電子回路等のハードウェアにより所定の数値・論理演算処理を実行するように構成されてもよい。
【0032】
図2は、実施形態1に基づく蓄電装置6およびコントローラ4の構成について説明する図である。
【0033】
図2に示されるように、蓄電装置6は、互いに並列に接続された複数の電池ユニット30で構成される。本例においては、各電池ユニット30は、着脱(取り外し)可能に設けられている。本例においては、3つの電池ユニット30A~30Cについて説明する。ここで、電池ユニット30Bは、リペア用の電池ユニットであり、当該箇所の電池ユニットに異常が生じて、交換した場合について説明する。
【0034】
電池ユニット30A~30Cは、同一の構成であり、スイッチ32A~32Cと、2次電池34A~34Cとをそれぞれ含む。
【0035】
コントローラ4は、電圧検出部40と、スイッチ制御部42と、充放電制御部44とを含む。
【0036】
電圧検出部40は、電池ユニット30A~30Cのそれぞれの2次電池34A~34Cにおいて蓄電している電圧を検出する。
【0037】
スイッチ制御部42は、電圧検出部40で検出された2次電池34A~34Cの電圧に基づいて各電池ユニット30のスイッチ32を制御する。
【0038】
充放電制御部44は、スイッチ制御部42からの指示に従ってコンバータ5を調整する。
【0039】
図3は、実施形態1に基づくコントローラ4の制御について説明する図である。
図3に示されるように、本例においては、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧が、他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧よりも高い場合について説明する。
【0040】
なお、スイッチ32A,32Cは導通しており、コンバータ5から2次電池34A,34Cに対する充電が行われている。
【0041】
時刻T1において、電池ユニット30Bを投入した場合が示されている。具体的には、故障した電池ユニットの代わりにリペア用の電池ユニット30Bを接続したことを意味する。これに伴い、電圧検出部40は、電池ユニット30A~30Cのそれぞれの2次電池34A~34Cにおいて蓄電している電圧を検出して、スイッチ制御部42に出力する。スイッチ制御部42は、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧が、他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧よりも高いと判断する。
【0042】
スイッチ制御部42は、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧が、他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧よりも高い場合には、他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cに対する充電指令を継続する。これにより、他の電池ユニット30A,30Cの電圧が上昇する。
【0043】
時刻T2において、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧と他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧とが同じ電圧となる。
【0044】
スイッチ制御部42は、電圧検出部40の検出結果に基づいてリペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧と他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧とが同じ電圧となった場合には、スイッチ32Bを導通させる。
【0045】
これにより、スイッチ32Bを介して2次電池34Bとコンバータ5とが接続される。
当該方式により、電池ユニット30A~30C間の電位差が無い状態でリペア用の電池ユニット30Bをコンバータ5と接続させることが可能であり、蓄電装置6に異常が生じた場合であっても安全に蓄電装置6を復旧させることが可能である。
【0046】
図4は、実施形態1に基づくコントローラ4の制御について説明する別の図である。
図4に示されるように、本例においては、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧が、他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧よりも低い場合について説明する。
【0047】
なお、スイッチ32A,32Cは導通しており、コンバータ5から2次電池34A,34Cに対する充電が行われている。
【0048】
時刻T3において、電池ユニット30Bを投入した場合が示されている。具体的には、故障した電池ユニットの代わりにリペア用の電池ユニット30Bを接続したことを意味する。これに伴い、電圧検出部40は、電池ユニット30A~30Cのそれぞれの2次電池34A~34Cにおいて蓄電している電圧を検出して、スイッチ制御部42に出力する。スイッチ制御部42は、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧が、他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧よりも低いと判断する。
【0049】
時刻T4において、スイッチ制御部42は、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧が、他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧よりも低い場合には、他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cに対する放電指令を出力する。
【0050】
具体的には、スイッチ制御部42は、充放電制御部44に放電指令を出力する。
充放電制御部44は、スイッチ制御部42からの放電指令に従ってコンバータ5を調整する。例えば、充放電制御部44は、コンバータ5を停止させるあるいは、蓄電装置6側から直流電圧が放電されるようにコンバータ5で変換される電力量を少なく調整する。
【0051】
これにより、他の電池ユニット30A,30Cの電圧が下降する。
時刻T5において、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧と他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧とが同じ電圧となる。
【0052】
スイッチ制御部42は、電圧検出部40の検出結果に基づいてリペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧と他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧とが同じ電圧となった場合には、スイッチ32Bを導通させる。
【0053】
これにより、スイッチ32Bを介して2次電池34Bとコンバータ5とが接続される。
スイッチ制御部42は、電池ユニット30A~30Cの2次電池34A~34Cに対する充電指令を出力する。具体的には、スイッチ制御部42は、充放電制御部44に充電指令を出力する。充放電制御部44は、スイッチ制御部42からの充電指令に従ってコンバータ5の調整を終了する。例えば、充放電制御部44は、コンバータ5の停止を終了あるいは、蓄電装置6側に充電されるようにコンバータ5で変換される電力量を調整する。
【0054】
当該方式により、電池ユニット30A~30C間の電位差が無い状態でリペア用の電池ユニット30Bをコンバータ5と接続させることが可能であり、蓄電装置6に異常が生じた場合であっても安全に蓄電装置6を復旧させることが可能である。
【0055】
従来は、上記で説明したように電池ユニット30A~30C間で電位差が生じている可能性があるため電池ユニット30A~30Cのスイッチ32A~32Cを全部非導通に設定した後、それぞれの電池ユニット30A~30Cの電圧をモニタリングして、それぞれの電圧を揃えるために個別に電池ユニット30A~30Cを充電する等の煩雑な作業を必要としていた。
【0056】
当該方式により、上記煩雑な作業を要する必要が無く、安全かつ早期に蓄電装置6を復旧させることが可能である。
【0057】
本実施形態においては、スイッチ制御部42は、電圧検出部40の検出結果に基づいてリペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧と他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧とが同じ電圧となった場合には、スイッチ32Bを導通させる場合について説明した。一方で、同じ電圧となった場合とは完全に同一である必要はなく、リペア用の電池ユニット30Bの2次電池34Bの電圧が他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧と比較して所定範囲内に含まれた場合に同じ電圧であると判断してもよい。
【0058】
(実施形態2)
上記で説明したように、蓄電装置が互いに並列に接続された複数の電池ユニットで構成されている場合に、複数の電池ユニットのうち交換された電池ユニットと、残りの電池ユニットとの間に電位差が有る場合には、当該電池ユニット間で電流が流れる可能性がある。
【0059】
したがって、インピーダンスが高いバイパス経路を介して接続すれば当該電流を抑制することが可能である。
【0060】
実施形態2においては、実施形態1に従う電池ユニット30と異なる電池ユニットの形態について説明する。
【0061】
具体的には、インピーダンスが高いバイパス経路を設ける構成について説明する。
図5は、実施形態2に従う電池ユニットの構成について説明する図である。
【0062】
図5(A)には、電池ユニット50Pの回路構成が示されている。
電池ユニット50Pは、スイッチ52と、バイパススイッチ53と、抵抗素子55と、2次電池54とを含む。
【0063】
スイッチ52は、2次電池54と接続される。バイパススイッチ53と、抵抗素子55とは直列に接続され、スイッチ52と並列に設けられる。
【0064】
スイッチ制御部42は、リペア用の電池ユニット50Pが装着された場合には、スイッチ52を非導通とし、バイパススイッチ53を導通させる。これにより、インピーダンスが高いバイパス経路を介して充電あるいは放電が実行される。
【0065】
その際、複数の電池ユニットのうち交換された電池ユニットと、残りの電池ユニットとの間に電位差が有る場合には、当該電池ユニット間で電流が流れる可能性があるが、インピーダンスが高いバイパス経路を介して電流が流れるため電流量を抑制することが可能である。したがって、過電流が電池ユニットに流れることを抑制して保護回路により動作が停止することを防止することが可能である。
【0066】
スイッチ制御部42は、電圧検出部40の検出結果に基づいてリペア用の電池ユニット50Pの2次電池54の電圧と他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧とが同じ電圧となった場合には、スイッチ52を導通させ、バイパススイッチ53を非導通にする。
【0067】
当該方式により、上記煩雑な作業を要する必要が無く、安全かつ早期に蓄電装置6を復旧させることが可能である。
【0068】
図5(B)には、電池ユニット50Qの回路構成が示されている。
電池ユニット50Qは、電池ユニット50Pと比較して、バイパススイッチ53および抵抗素子55の代わりにトランジスタスイッチ51と、当該トランジスタスイッチ51のゲートを制御するゲート制御回路56とを含む。
【0069】
ゲート制御回路56がトランジスタスイッチ51のゲートを制御することによりトランジスタスイッチ51を流れる電流量を調整することが可能である。
【0070】
スイッチ制御部42は、リペア用の電池ユニット50Qが装着された場合には、スイッチ52を非導通とし、ゲート制御回路56によりトランジスタスイッチ51を導通させる。これにより、インピーダンスが高いバイパス経路を介して充電あるいは放電が実行される。
【0071】
その際、複数の電池ユニットのうち交換された電池ユニットと、残りの電池ユニットとの間に電位差が有る場合には、当該電池ユニット間で電流が流れる可能性があるが、ゲート制御回路56によりバイパス経路を介して流れる電流量を抑制することが可能である。したがって、過電流が電池ユニットに流れることを抑制して保護回路により動作が停止することを防止することが可能である。
【0072】
スイッチ制御部42は、電圧検出部40の検出結果に基づいてリペア用の電池ユニット50Qの2次電池54の電圧と他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧とが同じ電圧となった場合には、スイッチ52を導通させ、ゲート制御回路56によるトランジスタスイッチ51の動作を停止する。
【0073】
当該方式により、上記煩雑な作業を要する必要が無く、安全かつ早期に蓄電装置6を復旧させることが可能である。
【0074】
バイパススイッチ53および抵抗素子55の代わりにトランジスタスイッチ51をバイパス経路に配置するため回路規模を縮小することが可能である。
【0075】
図5(C)には、電池ユニット50Rの回路構成が示されている。
電池ユニット50Rは、電池ユニット50Qと比較して、抵抗素子55を設けて、トランジスタスイッチ51と直列に接続した点が異なる。その他の点については同様であるのでその詳細は説明については繰り返さない。
【0076】
ゲート制御回路56がトランジスタスイッチ51のゲートを制御することによりトランジスタスイッチ51を流れる電流量を調整することが可能である。また、抵抗素子55が設けられているためトランジスタスイッチ51が導通した際の突入電流も抑制することが可能である。
【0077】
スイッチ制御部42は、リペア用の電池ユニット50Qが装着された場合には、スイッチ52を非導通とし、ゲート制御回路56によりトランジスタスイッチ51を導通させる。これにより、インピーダンスが高いバイパス経路を介して充電あるいは放電が実行される。
【0078】
その際、複数の電池ユニットのうち交換された電池ユニットと、残りの電池ユニットとの間に電位差が有る場合には、当該電池ユニット間で電流が流れる可能性があるが、ゲート制御回路56によりバイパス経路を介して流れる電流量を抑制することが可能である。したがって、過電流が電池ユニットに流れることを抑制して保護回路により動作が停止することを防止することが可能である。
【0079】
スイッチ制御部42は、電圧検出部40の検出結果に基づいてリペア用の電池ユニット50Qの2次電池54の電圧と他の電池ユニット30A,30Cの2次電池34A,34Cの電圧とが同じ電圧となった場合には、スイッチ52を導通させ、ゲート制御回路56によるトランジスタスイッチ51の動作を停止する。
【0080】
当該方式により、上記煩雑な作業を要する必要が無く、安全かつ早期に蓄電装置6を復旧させることが可能である。
【0081】
なお、他の電池ユニット30A,30Cについても電池ユニット50P~50Rと同様の構成とすることも可能である。
【0082】
また、実施形態2に従う方式においては、コンバータ5を調整する必要はないためコントローラ4に充放電制御部44を設けない構成とすることも可能である。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
3A 交流入力電源、3B バイパス入力電源、4 コントローラ、5 コンバータ、6 蓄電装置、7 インバータ、8,9 コンタクタ、10 無停電電源装置、20 負荷、40 電圧検出部、42 スイッチ制御部、44 充放電制御部。
図1
図2
図3
図4
図5