(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】プリンタシステムおよびプリンタシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 3/42 20060101AFI20230620BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20230620BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
B41J3/42
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/01 305
B41J21/00 Z
(21)【出願番号】P 2019204569
(22)【出願日】2019-11-12
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】青野 正裕
(72)【発明者】
【氏名】大川 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】石原 弘貴
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-141389(JP,A)
【文献】特開2012-045750(JP,A)
【文献】特開2017-146508(JP,A)
【文献】特開2017-087624(JP,A)
【文献】特開2018-120410(JP,A)
【文献】特開2012-101495(JP,A)
【文献】特開2017-149026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/42
B41J 2/01
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字対象物に対して第1印字内容を印字する親機プリンタと、前記印字対象物に対して第2印字内容を印字する少なくとも1台の子機プリンタとを有するプリンタシステムであって、
前記親機プリンタと前記子機プリンタとの間を通信可能に構成し、
前記親機プリンタは、前記第1印字内容および前記第2印字内容を表示する機能と、前記第1印字内容および前記第2印字内容を編集する機能とを有する表示操作部を備え、前
記表示操作部の操作により編集された前記第2印字内容を前記子機プリンタに送信するとともに、前記第1印字内容を前記印字対象物に印字し、
前記子機プリンタは、前記編集された前記第2印字内容により前記印字対象物に印字
し、
前記親機プリンタは、前記子機プリンタに前記第2印字内容の送信要求を行い、前記子機プリンタは前記送信要求を受信により、前記第2印字内容を前記親機プリンタに送信し、前記親機プリンタは、該送信された前記第2印字内容を前記表示操作部の操作により前記編集を行うプリンタシステム。
【請求項2】
請求項1記載のプリンタシステムにおいて、
前記親機プリンタに前記第1印字内容及び前記第2印字内容を保存し、前記親機プリンタは、前記第1印字内容により前記印字対象物の印字を行うとともに、前記子機プリンタの印字制御を行う子機制御機能を備え、前記第2印字内容に基づき前記子機プリンタを駆動し印字することを特徴とするプリンタシステム。
【請求項3】
請求項1記載のプリンタシステムにおいて、
前記親機プリンタは、親機制御機能を複製して、前記子機プリンタの子機制御機能を備えるようにしたことを特徴とするプリンタシステム。
【請求項4】
請求項1記載のプリンタシステムにおいて、
前記第1印字内容と前記第2印字内容とを合成したプレビュー画面を表示することを特徴とするプリンタシステム。
【請求項5】
請求項1記載のプリンタシステムにおいて、
前記印字対象物が所定位置に到達したことによりトリガ信号を出力するセンサを設け、前記親機プリンタは前記トリガ信号により前記印字を実行する印字タイミングを決定するとともに、前記トリガ信号に基づき前記子機プリンタの前記印字タイミングを決定することを特徴とするプリンタシステム。
【請求項6】
印字対象物に対して第1印字内容を印字する親機プリンタと、前記印字対象物に対して第2印字内容を印字する少なくとも1台の子機プリンタとを有するプリンタシステムの制御方法であって、
前記親機プリンタと前記子機プリンタとを通信可能にし、
前記親機プリンタに設けた表示操作部により、前記第1印字内容及び前記第2印字内容を編集し、
前記編集された後の前記第1印字内容を前記親機プリンタにより印字し、前記編集された後の前記第2印字内容を前記子機プリンタにより印字
し、
前記第2印字内容を前記子機プリンタから前記親機プリンタに送信し、該送信された前記第2印字内容を前記表示操作部により前記編集を行うプリンタシステムの制御方法。
【請求項7】
請求項
6記載のプリンタシステムの制御方法において、
前記親機プリンタに前記第1印字内容及び前記第2印字内容を保存し、前記表示操作部により前記第1印字内容および前記第2印字内容の前記編集を行い、前記親機プリンタにより前記編集された後の前記第1印字内容に基づき印字を行い、前記編集された後の前記第2印字内容に基づき前記子機プリンタを駆動制御して印字を行うことを特徴とするプリンタシステムの制御方法。
【請求項8】
請求項
7記載のプリンタシステムの制御方法において、
前記親機プリンタにより、親機制御機能を複製して、子機制御機能を備えるようにしたことを特徴とするプリンタシステムの制御方法。
【請求項9】
請求項
6記載のプリンタシステムの制御方法において、
前記表示操作部に、前記第1印字内容と前記第2印字内容とを合成したプレビュー画面を表示し、前記印字対象物に印字する印字内容の確認を可能にしたことを特徴とするプリンタシステムの制御方法。
【請求項10】
請求項
6記載のプリンタシステムの制御方法において、
前記印字対象物が所定位置に到達したことによりトリガ信号を出力し、該トリガ信号により前記親機プリンタの印字タイミングを決定するとともに、前記トリガ信号に基づき前記子機プリンタの前記印字タイミングを決定することを特徴とするプリンタシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタシステムおよびプリンタシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベア上を移動する印字対象物(製品など)に対して、製品情報やロゴマークなどを印字(印刷)するプリンタとして、インクジェットプリンタやレーザプリンタなどがよく知られている。なお、以下において「印字」という用語は、文字を印刷する場合だけでなく記号や図面等を印刷する場合も広く含む概念として使用する。
【0003】
印字対象物に対する印字内容(印字情報)が複雑であるとか、印字量が多くなると、一つの被印字物に対する全ての印字内容を1台のプリンタで印字することが困難になる場合がある。あるいは、無理に印字しようとすると、印字に時間がかかるなどの問題がある。そのような場合、一つの印字対象物に印字する内容を複数に分割し、分割された印字内容を複数のプリンタに振分けて印字することが行われてきている。そのような技術は、例えば、特開平06-64246号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの印字対象物に対して、複数のプリンタを用いて印字する場合、現在は各プリンタに夫々が印字する印字内容を記憶し、各プリンタを独立して駆動して印字を行うようになっている。この場合、各プリンタの設定や各プリンタが印字する位置を決める印字位置の調整などの設定作業が煩雑であり、多くの時間を要している。すなわち、各プリンタに各プリンタが印字する印字内容を記憶させたのち、テスト印字を行い、その印字状況結果を見て、各プリンタの印字情報の修正、印字位置ずれなどの調整などの不具合をなくすための編集を行う再設定作業が実施される。この再設定作業の後、再度テスト印字を行う。この再度のテスト印字でもまだ不具合が解消されない場合には、更に不具合解消のための編集とテスト印字を繰り返すことになる。このように、設定作業には多くの時間を要している。
【0006】
そこで、本発明の目的は、各プリンタの印字内容を簡単に編集して設定作業を効率的に行うことができるプリンタシステムおよびプリンタシステムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その一例を挙げると、印字対象物に対して第1印字内容を印字する親機プリンタと、前記印字対象物に対して第2印字内容を印字する少なくとも1台の子機プリンタとを有するプリンタシステムであって、前記親機プリンタと前記子機プリンタとの間を通信可能に構成し、前記親機プリンタは、前記第1印字内容および前記第2印字内容を表示する機能と、前記第1印字内容および前記第2印字内容を編集する機能とを有する表示操作部を備え、前記表示操作部の操作により編集された前記第2印字内容を前記子機プリンタに送信するとともに、前記第1印字内容を前記印字対象物に印字し、前記子機プリンタは、前記編集された前記第2印字内容により前記印字対象物に印字する、プリンタシステムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のプリンタの設定を効率的に行うことができるプリンタシステムおよびプリンタシステムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1におけるプリンタシステムの構成を示す図である。
【
図2】印字対象物に対する印字内容の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施例1における動作フロー図である。
【
図10】印字プレビュー通信チャートを示す図である。
【
図11】本発明の実施例2におけるプリンタシステムの構成を示す図である。
【
図12】本発明の実施例2における機能を説明する機能図である。
【
図13】本発明の実施例3におけるプリンタシステムの構成を示す図である。
【
図14】本発明の実施例3における機能を説明する機能図である。
【
図16】本発明の実施例4におけるプリンタシステムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の具体的な実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明する本発明の実施例に限定されるものではない。また、以下の各実施例の説明および各図面において、同様の構成要素には同一の名称、符号を付し、その重複する説明を省略する場合がある。
【0011】
≪本発明の実施例1≫
本発明の実施例1におけるプリンタシステムを、
図1~
図10を用いて説明する。
【0012】
(システムの構成)
まず、
図1により本発明の実施例1におけるプリンタシステムの構成を説明する。
図1は、2台のプリンタ(例えば、インクジェットプリンタ)を用いて印字対象物に印字を行うプリンタシステムを示している。このシステムでは、ベルトコンベア40上を移動する印字対象物51,52に対し、親機プリンタ1および子機プリンタ2を用いて印字を行う。なお、
図1の印字対象物52は、すでに親機プリンタ1により親機プリンタ1が担当する第1印字内容(以下、親機印字内容)の印字がなされており、子機プリンタ2が担当する第2印字内容(以下、子機印字内容)の印字を行っている状態を示している。また、印字対象物51は、親機プリンタ1が親機印字内容(第1印字内容)を印字している状態を示している。
【0013】
図1において、親機プリンタ1は、プリンタ制御部10と印字機構16とで構成される。プリンタ制御部10は、親機印字内容を内部のメモリに保存(記憶)しており、センサ41が印字対象物を検知したことにより、印字機構16を駆動して印字対象物に親機印字内容を印字する。この実施例におけるプリンタ制御部10は、演算処理部11と、表示操作部14と、印字駆動部12と、通信制御部13とを含んでいる。演算処理部11は、マイクロプロセッシングユニット111(MPU111)と、メモリ112とで構成する。MPU111は、メモリ112に記憶されたプログラムにより動作する。親機印字内容は、メモリ112内に記憶されている。この演算処理部11は、親機プリンタの演算処理および制御全般を実行する部分であり、印字制御及び印字のための設定作業を実行する。印字駆動部12は、印字機構16を駆動するために設けられ、センサ41からの検知信号を受けて印字機構16を駆動し、親機印字内容を印字対象物に印字する。バス15は、親機プリンタ1内の各構成機器間においてデータや制御信号の送受信を行うために設けられる。
【0014】
通信部3は、親機プリンタ1と子機プリンタ2との間で送信・受信を行うために設けられる。この実施例における通信部3は、通信制御部13と、通信制御部23と、それらを接続する通信線30とで構成している。なお、通信線30を設ける代わりに、親機プリンタ1と子機プリンタ2との間を無線通信するような通信部3でも良い。
【0015】
表示操作部14は、親機印字内容及び子機印字内容を表示したり、それらの印字内容を編集する機能を有する。表示操作部14は、表示機能と操作機能を有する機器であれば良い。この実施例では、表示操作部14として表示装置とタッチパッドを組み合わせたタッチパネルを用いており、表示装置の画面をタッチする(押下する)ことにより画面選択や編集を実行するようにしている。なお、必要に応じて(特に編集作業時)キーボード等の他の操作手段を用いることができる。後述するように、表示操作部14は、画面操作と演算処理部11との協働作用により親機プリンタ1の印字内容(親機印字内容)だけでなく、子機プリンタ2の印字内容(子機印字内容)を表示することができ、かつ編集画面を表示して編集作業ができる。また、親機印字内容と子機印字内容とを合成したプレビュー画面を表示することができる。
【0016】
子機プリンタ2は、この実施例では、表示操作部14が設置されていないことを除き、親機プリンタ1と同様の構成となっている。すなわち、子機プリンタ2は、プリンタ制御部20と、演算処理部21と、印字機構26とで構成される。プリンタ制御部20は、子機印字内容(第2印字内容)を内部のメモリに保存(記憶)しており、センサ42が印字対象物の到達を検知したことにより、印字機構26を駆動して印字対象物に子機印字内容を印字する。プリンタ制御部20は、演算処理部21と、印字駆動部22と、通信制御部23とを含んでいる。演算処理部21は、MPU211とメモリ212とで構成される。MPU211は、メモリ212に記憶されたプログラムにより動作する。子機印字内容はメモリ212内に記憶されている。印字駆動部22は、印字機構26を駆動するために設けられ、センサ42からの検知信号を受けて印字機構26を駆動し、子機印字内容を印字対象物に印字する。バス25は、子機プリンタ2内の各構成機器間のデータや信号の送受信を行うために設けられる。通信制御部23は、子機プリンタ2と親機プリンタ1との間の通信を行うために設けられる。
【0017】
(親機プリンタにおける画面表示の説明)
まず、以下の画面表示の説明の理解を容易にするために、印字対象物への印字内容の例を説明する。この実施例1において、印字対象物に対する印字内容は、「ロゴマーク」と、消費期限などの「製品情報」を印字するものとして説明を進める。その場合、親機プリンタ1が印字する親機印字内容61はメーカーのロゴマークとし、子機プリンタ2が印字する子機印字内容62は製品情報とする。なお、ロゴマークと製品情報との印字位置が離れている場合でも、2台のプリンタで夫々分担して印字するので所定の位置に印字を行うことができる。
【0018】
次に、表示操作部14に表示される確認や操作のために表示する画面例を説明する。
図3は、本体(親機プリンタ)の印字内容である親機印字内容61を表示したものである。この
図3では、この画面100の表示が親機の印字内容であることがわかるように、印字内容確認部101に親機を示す「本体」の文字が表示される。そして、画面の表示エリア110に、親機印字内容61(この例では、ロゴマーク)が表示される。この画面への遷移(移行)は、作業員が親機表示内容を表示する本体確認ボタン124を押下することにより実行される。なお、
図3の画面は遷移後の画面であり、本体確認ボタン124非表示であり、
図4に表示されている。操作者はこの画面を見て親機印字内容61の不具合の有無を確認できる。また、この親機印字内容を表示する画面には、この他に、いくつかの操作ボタンを表示する。操作用ボタンとして、子機確認ボタン121と、印字編集ボタン122と、プレビューボタン123を表示している。子機確認ボタン121は、子機印字内容62を表示する際に使用する。印字編集ボタン122は、内容に不具合がある場合に印字内容を編集するための編集画面に遷移する際に使用する。プレビューボタン123は、親機印字内容および子機印字内容を合成した内容を画面表示する際に使用する。子機確認ボタン121を押下すると、子機プリンタ2が印字する内容(子機印字内容62)を表示する画面(
図4参照)に遷移する。また、印字編集ボタン122を押下すると、印字編集を行う画面(
図6参照)に遷移する。プレビューボタン123を押下すると、プレビュー画面(
図5参照)に遷移する。
【0019】
なお、これらの表示操作部14に表示されたボタン操作による画面遷移は、表示操作部14のボタン押下信号を演算処理部11が受信(確認)し、演算処理部11がその押下ボタンの内容に対応する画面を表示操作部14に表示することにより行う。
【0020】
図4は、表示操作部14に表示される子機プリンタ2の子機印字内容62の表示画面を示す。
図4では、この画面が子機印字内容62を表示したものであることがわかるように、印字内容確認部101に「子機」の文字を表示する。そして、画面の表示エリア110に、子機印字内容62(この例では、消費期限等の製品情報)が表示される。この
図4に示す画面への遷移は、
図3において子機確認ボタン121を押下することにより行われる。操作者はこの画面を見て子機印字内容62の不具合の有無を確認できる。また、この画面には、本体確認ボタン124が表示されており、この本体確認ボタン124を押下すると、
図3の画面に遷移する。また、
図4には、印字編集ボタン122と、プレビューボタン123とが表示されている。印字編集ボタン122を押下すると、編集画面(
図6参照)に遷移する。不具合がある場合には、この印字編集ボタン122を押下する。プレビューボタン123を押下すると、プレビュー画面(
図5参照)に遷移する。
【0021】
図5は、プレビュー画面を示す。この画面の印字内容確認部101に、この画面がプレビュー画面であることを示す「プレビュー」の文字が表示される。そして、表示エリア110に、親機印字内容61と子機印字内容62とを合成して表示した印字対象物への印字内容全体(プレビュー)が表示される。さらに、この画面には、必要に応じて、本体印字内容確認画面(
図3)への遷移を行うために本体確認ボタン124と、子機印字内容確認画面(
図4)への遷移を行うために子機確認ボタン121と、プレビューにおいて不具合がないことの確認完了を連絡する完了ボタン126を表示する。
【0022】
図6は、編集画面を示す。
図6では、この画面が印字編集画面であることがわかるように、印字内容確認部101に「印字編集」の文字を表示する。この画面で印字内容を修正する(編集する)ことが可能である。この
図6では、親機印字内容61であるロゴマークを編集する例を示しているが、子機印字内容62の編集には子機印字内容を編集する画面(省略)を表示して子機印字内容を編集する。編集は入力ボタン130を操作して行うようにしているが、図示しないキーボード等から編集するようにしても良い。また、この画面には完了ボタン126も表示している。
編集が完了したら、完了ボタン126を押下し、
図5に示すプレビュー画面(印字内容確認画面)に遷移する。
【0023】
(実施例1の動作)
次に、
図7~
図10により、実施例1の動作を説明する。
図7は実施例1の動作フロー図である。
図8~
図10は、
図7に示す動作フローにおける通信チャートを示している。
【0024】
図2において、ステップS01では、親機プリンタの画面(具体的には、親機プリンタ1に設置されている表示操作部14の画面100)に、親機印字内容61(
図3参照)を表示する。
【0025】
次に、ステップS02に進み、作業員は不具合がないかどうかをチェックする。もし、親機印字内容61に不具合があれば(ステップS02でNOの場合)、ステップS03に進み、編集画面を表示する(
図6参照)。これにより、操作員は不具合がなくなるように編集作業を実施することができる。親機印字内容61に不具合がない場合(ステップS02でYESの場合)、ステップS04に進む。
【0026】
ステップS04では、表示操作部14の操作により、親機プリンタ1は通信部3を介して子機プリンタ2に対し、「子機印字内容」の送信要求を出す。この要求により、子機プリンタ2は、親機プリンタ1に対し子機印字内容を送信する。この送信された子機印字内容62は、親機プリンタ1内に保存する。そして、ステップS05に示すように、子機印字内容62を表示操作部14に表示する(
図4参照)。
【0027】
図8に、子機の印字内容確認画面を表示する際の通信手順を示す。
図3の画面において、子機確認ボタン121(
図3参照)が押下されると、親機プリンタ1から子機プリンタ2に対して「子機印字内容」送信を要求する。子機プリンタ2はこの送信要求を受取ると、親機プリンタ1に対し「子機印字内容」を送信する。親機プリンタ1はこの子機印字内容を保存するとともに、表示操作部14に「子機印字内容」を表示する(
図4参照)。この部分がステップS04とステップS05の動作に対応する。
【0028】
次に、ステップS05において、子機印字内容の表示がなされる(
図4参照)と、ステップS06に進む。ステップS06において、作業員は子機印字内容62に不具合がないかどうかをチェックする。もし、その内容に不具合があれば(ステップS06でNOの場合)、印字編集ボタン122を押下してステップS07に進み、印字編集画面(
図6参照)を表示する。この編集画面を使用して、作業員は不具合がなくなるように編集作業を実施する。編集後の子機印字内容62は親機プリンタ1内に保存する。
【0029】
図9に、子機印字内容62の編集作業(不具合を無くすための修正作業)の際の通信手順を示す。子機印字内容画面(
図4参照)において、印字編集ボタン122を押下すると、編集画面(
図6)が表示される。編集作業完了により、完了ボタン126が押下されると。
図4に示す画面(子機印字内容)を表示する。
図9のように、この時点で子機プリンタ2に送信しても良い。ここまでが、
図7のステップS06の動作である。
【0030】
次に、ステップS06でYESとなると、次のステップS08に進む。ステップS08では、子機プリンタ2に対し、子機印字内容62の表示位置である「子機印字位置」を送信要求し、親機プリンタ1内に保存する。そして、その保存後、親機印字内容61および子機印字内容62を子機印字位置情報に合致する位置に表示する(
図5参照)。この実施例では、この編集後の子機印字内容は、親機プリンタ内に保存しているので、再び子機プリンタ2から編集後の子機印字内容送信してもらう必要はない。また、子機印字内容を親機プリンタに送信する際に子機印字位置を含めておけば、別途送信する手間が不要になる。
【0031】
図10にプレビュー画面を表示する際の通信手順を示す。編集が終了すると、完了ボタン126を押下する。完了ボタンを押下すると、子機印字内容表示画面(
図4参照)が表示される。この画面において、プレビューボタン123を押下すると、プレビュー画面(
図5参照)が表示される。
【0032】
ステップS09の動作後、ステップS10に進む。ステップS10おいて、プレビュー画面(
図5)を見て、最終的な不具合の有無をチェックする。このプレビュー画面において不具合がある場合にはステップS11に進み、編集画面に遷移し、編集作業を実行する。ステップS10において不具合がない場合(YESの場合)、ステップS12に進み、子機プリンタ2に対し、編集後の子機印字内容62及び子機印字位置情報を送信する。これは、プレビュー画面(
図5参照)の完了ボタン126を押下することで行われる。
【0033】
このようにして、親機プリンタ1の表示操作部14により親機プリンタの編集だけでなく、子機プリンタの印字内容の編集を行うことができる。そして、編集後の子機印字内容62を子機プリンタ2に送信することにより、親機プリンタ1と子機プリンタ2とでそれぞれ独立して印字を実行することができる。
【0034】
(本発明の実施例1の効果)
以上説明した本発明の実施例1によれば、子機印字内容を子機プリンタから親機プリンタに送信して、親機プリンタにおいて編集することができるので、効率的な設定作業を実現することができる。
【0035】
≪本発明の実施例2≫
次に、本発明の実施例2におけるプリンタシステムを説明する。
図11は、実施例2のシステム構成を示す図である。また、
図13は、この実施例2の機能を説明する機能図である。なお、上述した画面の表示や編集などは、この実施例2でも同様に行われる。
【0036】
上述した実施例1では、親機プリンタ1と子機プリンタ2に夫々制御機能を設けたシステム構成とした。これに対し、本発明の実施例2は、親機プリンタ側にのみ制御機能を持たせ、子機プリンタ2は制御機能を保有せず、印字機能のみを有するシステム構成とした。したがって、基本的に、実施例1と実施例2とでは、大部分において共通の機器構成であり同様の動作となる。そのため、以下では、実施例1においてすでに説明した内容と同様の動作に関する説明は省略し、異なる構成部分の動作を中心に説明する。
【0037】
(実施例2のシステム構成)
まず、
図11により本発明の実施例2におけるプリンタシステムの構成を説明する。
図11において、
図1と異なる構成は、子機プリンタ2に、演算処理部21が設けられていないことのみが異なる。すなわち、
図11では、親機プリンタ1内に、子機プリンタ2の制御機能を持たせ、親機プリンタ1が子機プリンタ2の印字駆動部22を制御し、印字駆動部が印字機構26を駆動して子機印字内容を印字するようにしている。その他の構成は
図1に関してすでに説明したので、
図11の説明は省略する。
【0038】
(実施例2の機能説明)
ここで、
図12により、実施例2の機能について説明する。親機プリンタ1は、親機印字内容61を保存し、この親機印字内容61を親機プリンタのプリンタ制御部10の制御により、印字機構16を駆動する機能を有する。更に、親機プリンタ1は、子機印字内容62を保存し、この子機印字内容62を駆動する機能を有する。なお、親機プリンタ1において、子機印字内容の編集を行い、子機印字内容を補正する機能等は実施例1の場合と同様であるから、ここでは図示及び説明を省略する。
【0039】
(実施例2の動作説明)
次に、本発明の実施例2における動作を説明する。この実施例2の動作は、実施例1と異なるのは、親機プリンタ1内に最初から子機プリンタで印字する子機印字内容62を保存しており、編集作業はこの保存された子機印字内容62を使用して行うことのみである。また、編集に際して使用する画面(
図3~
図6)は実施例1の場合と同様である。したがって、この実施例2における動作は
図7に関して説明した内容と重複するので、ここでは説明を省略する。
【0040】
(本発明の実施例2の効果)
以上説明した本発明の実施例2によれば、実施例1と同様の効果を有するとともに、子機プリンタの構成を簡略化することができるので、低コストのプリンタシステムを実現することができる。
【0041】
≪本発明の実施例3≫
次に、本発明の実施例3におけるプリンタシステムについて説明する。
図13は、本発明の実施例3のシステム構成である。また、
図14は、この実施例3の機能を説明する機能図である。
図15は、実施例3における子機管理画面の例を示す図である。
【0042】
(実施例3のシステム構成)
上述した実施例2では、親機プリンタ1と、1台の子機プリンタ2とで構成したシステムとなっている。これに対し、本発明の実施例3では、親機プリンタ1と、複数台の子機プリンタ(この実施例では、2台の子機プリンタ2,2’)とで構成したシステムとしている。すなわち、親機プリンタ1内に夫々の子機プリンタ2,2’における子機印字内容を保存しており、このそれぞれの子機印字内容を編集することができる構成としている。子機プリンタ2及び2’には、プリンタ制御機能がなく、親機プリンタ1の制御により各子機プリンタが駆動されて印字が実行される。また、この実施例3では、子機制御を実行するプログラムを、親機のプログラムを複製することにより作成するようにしている。
【0043】
(実施例3の機能説明)
次に、この実施例3の機能を
図14により説明する。なお、
図14では、親機プリンタ1内の機能を示している。
図14において、親機プリンタ1は、まず、親機印字内容61、プリンタ制御部10、印字機構16を有する。また、親機プリンタ1は、2台の子機プリンタにより印字する子機印字内容62,62’と、子機プリンタのプリンタ制御部20,20’とを有する。更に、親機プリンタ1は、制御複製部70を有し、親機プリンタのプリンタ制御部10の制御機能(制御プログラム)を、子機プリンタのプリンタ制御部のために複製する機能を有している。これにより、親機のプリンタ制御部10の制御機能を、簡単に子機のプリンタ制御部に複製することが可能である。子機のプリンタ制御部20,20’は、夫々独立した機能を有しており、このプリンタ制御部20,20’は、それぞれ子機プリンタ2,2‘を駆動することができる。
【0044】
次に、実施例3において使用する制御機能の複製を行うための子機管理画面を示す。複製の際に制御対象を指定する必要がある。
図15は、親機と子機がIPプロトコルにより接続されている想定であり、IPアドレスによって子機を指定可能としている。例えばシリアル通信で接続されているときには、ポート番号でも指定可能である。印字編集ボタン122を押下することにより、編集画面(
図6参照)に遷移し、各子機プリンタの印字内容を編集可能である。編集方法は、実施例1で説明した内容と同様である。子機追加ボタン127によりさらに制御を複製して子機を追加可能である。その際には、制御対象を指定する必要がある。
【0045】
(本発明の実施例3の効果)
以上説明した本発明の実施例3によれば、上述した実施例2と同様の効果を有するとともに、複数台の子機プリンタを用いて印字を行うことができる。更に、子機プリンタの印字制御を行う際の制御機能を親機の制御機能を複製することで実現することができる。
【0046】
≪本発明の実施例4≫
次に、本発明の実施例4におけるプリンタシステムについて説明する。
図16は、本発明の実施例4のシステム構成である。この実施例4では、親機プリンタから子機プリンタの印字タイミングを制御するようにしたシステム構成となっている。実施例3との違いは、子機プリンタが1台であることと、印字タイミングをどのように得るかの部分である。
【0047】
図16において、親機プリンタ1の印字タイミングは、外部の検知器80からのトリガ信号の入力によって行われる。また、子機プリンタ2は、このトリガ信号に基づいて子機プリンタのトリガ信号を求める。そして、親機プリンタ1からら子機プリンタ2に対し、印字タイミングを決定するためのトリガ信号を出力する。
【0048】
図15に子機管理画面を示す。子機管理画面にタイミング設定90を表示している。これを用いて子機プリンタの制御機能を複製する際に、子機の印字タイミングを決定する。また、複製後も本画面にてタイミングを変更可能である。
【0049】
この実施例4によれば、子機プリンタにトリガ信号を入力することなく子機プリンタの印字タイミングを制御することが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
1…親機プリンタ、2…子機プリンタ、2’…子機プリンタ、3…通信部、10…プリンタ制御部、11…演算処理部、12…印字駆動部、13…通信制御部、14…表示操作部、15…バス、16…印字機構、20…プリンタ制御部、20’… プリンタ制御部、21…演算処理部、22…印字駆動部、23…通信制御部、25…バス、26…印字機構、30…通信線、40…ベルトコンベア、41…センサ、42…センサ、50…印字対象物、51…印字対象物、52…印字対象物、61…親機印字内容、62…子機印字内容、70…制御複製部、80…検知器、90…タイミング設定、100…画面、101…印字内容確認部、110…表示エリア、111…マイクロプロセッシングユニット、112…メモリ、121…子機確認ボタン、122…印字編集ボタン、123プレビューボタン、124…本体確認ボタン、126…完了ボタン、127…子機追加ボタン、130…入力ボタン、211…マイクロプロセッシングユニット、212…メモリ