(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】過給機
(51)【国際特許分類】
F02B 37/24 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
F02B37/24
(21)【出願番号】P 2019205715
(22)【出願日】2019-11-13
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】波多野 高斗
(72)【発明者】
【氏名】久間 啓司
(72)【発明者】
【氏名】築山 宜司
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 尚輝
(72)【発明者】
【氏名】樹杉 剛
【審査官】池田 匡利
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102008020732(DE,A1)
【文献】特開2010-203239(JP,A)
【文献】特開2010-019252(JP,A)
【文献】実開昭63-010231(JP,U)
【文献】特開2013-253519(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0260520(US,A1)
【文献】特開2016-003565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 37/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気の流路に配置されたノズルベーンの片側を
前記排気が流通する第1面で支持するリング型のノズルプレートと、
前記ノズルプレートを
貫通せずに前記第1面とは逆の第2面から支持するサポートシャフトと、
前記サポートシャフトをタービンシャフトと段違いで平行に軸支するベアリングハウジングと、を含み、
前記ノズルプレートは、前記流路を除いた場所に前記サポートシャフトを隙間を介在して保持する開口部を備え、前記開口部は前記ノズルプレートの径方向の内側に前記サポートシャフトとの干渉を回避するクリアランスを有する、
ことを特徴とする過給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルリングと、ノズルリングに対してタービンインペラの軸方向に離隔対向した位置に設けられたシュラウドリングと、ノズルリングの対向面とシュラウドリングの対向面との間に配設された複数の可変ノズルとを備える可変容量型過給機が知られている。
【0003】
この可変容量型過給機では、ノズルリングの対向面の反対面側にサポートリングが配設されており、サポートリングの内周縁部に複数の突出片が円周方向に間隔を置いて一体形成されている。これにより、複数の突出片とノズルリングの外周縁部とを圧接させた状態でのサポートリングのノズルリングに対する相対的な径方向の移動が許容されている。その他、サポートリングの外周縁部はベアリングハウジングによる冷却によって部材温度が低くなっている(以上、例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、可変ノズル(以下、ノズルベーンという。)は排気の流路に配設されるため、上述したノズルリング(以下、ノズルプレートという。)の対向面は排気にさらされている。このため、排気の熱が直接的にノズルプレートに及び、ノズルプレートは排気の熱に起因して膨張する。
【0006】
一方で、サポートリングの突出片も排気にさらされているため、排気の熱が直接的に突出片に及ぶ。しかしながら、突出片はサポートリングに一体形成されているため、突出片に及ぶ熱はベアリングハウジングによる冷却によって緩和される。このため、突出片とノズルプレートとの間には膨張差が発生する。膨張差が発生すると、突出片とノズルプレートとの圧接面において、突出片とノズルプレートとの間で相対滑りが発生し、圧接面が摩耗する。圧接面の摩耗が進行すると、サポートリングは突出片を介してノズルプレートを支持できなくなるおそれがあり、結果的に、ノズルベーンが動作不良となる可能性がある。
【0007】
そこで、本発明では、ノズルプレートの支持不良を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る過給機は、排気の流路に配置されたノズルベーンの片側を前記排気が流通する第1面で支持するリング型のノズルプレートと、前記ノズルプレートを貫通せずに前記第1面とは逆の第2面から支持するサポートシャフトと、前記サポートシャフトをタービンシャフトと段違いで平行に軸支するベアリングハウジングと、を含み、前記ノズルプレートは、前記流路を除いた場所に前記サポートシャフトを隙間を介在して保持する開口部を備え、前記開口部は前記ノズルプレートの径方向の内側に前記サポートシャフトとの干渉を回避するクリアランスを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ノズルプレートの支持不良を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1はターボチャージャの断面図の一例である。
【
図2】
図2(a)は可変ノズルユニットの平面図の一例である。
図2(b)は第1実施形態に係る連結構造の平面図の一例である。
【
図3】
図3(a)はノズルプレートの膨張前の一例である。
図3(b)はノズルプレートの膨張後の一例である。
【
図4】
図4(a)は第2実施形態に係る連結構造の平面図の一例である。
図4(b)及び(c)は第2実施形態に係る連結構造の平面図の他の一例である。
【
図5】
図5(a)は第3実施形態に係るノズル付近の部分拡大図である。
図5(b)はサポートシャフト付近のY-Y断面の一例である。
図5(c)はサポートシャフト付近のZ-Z断面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1はターボチャージャ100の断面図の一例である。ターボチャージャ100は、可変容量型(可変ノズル式)過給機である。ターボチャージャ100は、
図1に示すように、コンプレッサ10と、ベアリング部20と、タービン30と、を備えている。ベアリング部20はコンプレッサ10とタービン30とを接続する。
【0013】
コンプレッサ10はコンプレッサハウジング11を含んでいる。ベアリング部20はベアリングハウジング21を含んでいる。タービン30はタービンハウジング31を含んでいる。ベアリングハウジング21はターボチャージャ100の略中央部に配設されている。コンプレッサハウジング11とベアリングハウジング21とタービンハウジング31は一体的に組付けられている。具体的には、ベアリングハウジング21の両側にコンプレッサハウジング11とタービンハウジング31がそれぞれ組付けられている。
【0014】
コンプレッサハウジング11内にはコンプレッサホイール12が収容されている。コンプレッサホイール12はナット13によってタービンシャフト32の一端に固定されている。コンプレッサホイール12はタービンシャフト32とともに一体的に回転する。コンプレッサホイール12には複数のコンプレッサブレードが設けられている。コンプレッサホイール12が回転すると、コンプレッサブレードにより新気が遠心力により半径方向外側に加速されて圧縮される。このため、
図1に示すように、コンプレッサハウジング11の中央部に新気が導入されると、この新気が、回転するコンプレッサホイール12のコンプレッサブレードにより圧縮され、この圧縮された新気がターボチャージャ100の外部に吐出される。具体的には、この圧縮された新気は吸気管を介してエンジンに向けて吐出される。このように、コンプレッサ10では新気が流通する。
【0015】
ベアリングハウジング21はタービンシャフト32を軸支する。ベアリングハウジング21は冷水路23を含み、水冷されている。ベアリングハウジング21には様々なベアリングが設けられている。例えば、タービンシャフト32のスラスト方向の荷重を受け止めるためのスラストベアリングや、タービンシャフト32のラジアル方向の荷重を保持するフローティングベアリングなどが設けられている。ベアリングはオイルなどにより潤滑される。このような様々なベアリングによってタービンシャフト32は軸支される。
【0016】
タービンハウジング31内にはタービンホイール33が収容されている。タービンホイール33はタービンインペラと言い換えてもよい。タービンホイール33にはタービンシャフト32の他端が接続されて固定されている。タービンホイール33はエンジンから排出される排気によって回転駆動される。これにより、タービンホイール33は回転動力を生成する。この回転動力によってタービンシャフト32を通じてコンプレッサホイール12が駆動されて、圧縮された新気が生成される。上述したように、圧縮された新気はエンジンに向けて吐出される。
【0017】
また、タービンハウジング31とベアリングハウジング21との間にはリンク室50が形成される。リンク室50には可変ノズルユニット34が配置される。可変ノズルユニット34はリング型のノズルプレート34a、複数のノズルベーン34b、リング型のユニゾンリング34cなどを備えている。ノズルプレート34aはT字型のサポートシャフト22により支持されている。尚、サポートシャフト22はベアリングハウジング21によってタービンシャフト32と段違いに平行に軸支され、コイルバネによってコンプレッサハウジング11側に付勢されている。
【0018】
ノズルプレート34aは、タービンハウジング31のシュラウド部31aと対向する位置に、タービンハウジング31に当接するように配置される。すなわち、ノズルプレート34aは、ベアリングハウジング21側に配置される。ノズルプレート34aとシュラウド部31aが対向して配置されることにより排気が流通するノズルNが流路として形成される。ノズルベーン34bの一方の片側がノズルプレート34aに支持され、ノズルベーン34bの他方の片側がシュラウド部31aに支持されることによって、ノズルベーン34bがノズルN内に回動可能に配置される。ノズルベーン34bがノズルNにおける流路断面を調節することによってタービン30の容量が可変となる。
【0019】
次に、
図2(a)及び(b)を参照して、上述した可変ノズルユニット34の詳細について説明する。
【0020】
図2(a)は可変ノズルユニット34の平面図の一例である。
図2(b)は第1実施形態に係る連結構造34dの平面図の一例である。尚、
図2(a)ではコンプレッサ10側から見た可変ノズルユニット34が示されている。可変ノズルユニット34は、上述したように、ノズルプレート34aや複数のノズルベーン34b、ユニゾンリング34cなどを含んでいるが、裏側に配設されている複数のノズルベーン34bについては、
図2(a)において示されていない。
【0021】
ノズルプレート34aの中心軸L1を中心とする円周上には、複数のベーン軸34fが周方向に略等間隔に配置されている。各ベーン軸34fは、中心軸L1に略平行に延びており、ノズルプレート34aに対し回動可能に挿通されている。各ベーン軸34fのうちノズルプレート34aからベアリングハウジング21側に突出している端部には、ノズルベーン34bを駆動するアーム34eの基端部が固定されている。
【0022】
ユニゾンリング34cの外周面には複数の凹部34gが形成されている。これらの凹部34gには、アーム34eの先端部が係合している。ユニゾンリング34cはリンク(不図示)等を介してターボチャージャ100の外部から回転される。
【0023】
ユニゾンリング34cが、ターボチャージャ100の外部からリンク等を介して中心軸L1の周りで回動させられると、ユニゾンリング34cの複数の凹部34gに係合している各アーム34eがベーン軸34fを中心として各々同期した状態で回動(開閉)される。各ベーン軸34fの回動に基づいてノズルベーン34bの開度が変化することにより、ノズルNの流路断面が変更される。そして、隣り合う2つのノズルベーン34bの間を通じてタービンホイール33に供給される排気の流速又は流量が調整される。
【0024】
ここで、隣り合う2つのベーン軸34fの少なくとも1つの間には連結構造34dが配置されている。連結構造34dにはサポートシャフト22が連結される。
図2(b)に示すように、連結構造34dは連結部34αと開口部34βを含んでいる。連結部34αと開口部34βはいずれもU字型である。
図2(a)ではコンプレッサ10側から見た可変ノズルユニット34が示されているため、連結構造34dの連結部34αと開口部34βはいずれもノズルN側とは逆の場所に設けられている。すなわち、連結部34αと開口部34βはノズルNを除いた異なる場所に設けられている。
図2(b)に示すように、連結構造34dの連結部34αがサポートシャフト22のシャフト頭部22aと連結し、連結構造34dの開口部34βがシャフト軸部22bを所定の隙間GPを介在して保持する。特に、本実施形態では、シャフト軸部22bとの間に介在する径方向の隙間GPの大きさ以上の大きさを有するクリアランスCLがノズルプレート34aの径方向の内側に設けられている。連結部34αがU字型であるため、ノズルプレート34aの径方向の内側は開放されている。これにより、クリアランスCLは隙間GPの大きさより大きくなる。
【0025】
次に、
図3(a)及び(b)を参照して、ノズルプレート34aの膨張前後について説明する。
【0026】
図3(a)はノズルプレート34aの膨張前の一例である。
図3(b)はノズルプレート34aの膨張後の一例である。特に、
図3(a)及び(b)では、
図2(a)に示すX-X断面が示されている。
図3(a)及び(b)に示すように、ノズルプレート34aが径方向外側に膨張する前においても後にも、ノズルプレート34aが備える連結構造34dの連結部34αとサポートシャフト22のシャフト軸部22bとの間には所定の隙間GPが介在する。所定の隙間GPの大きさは設計や実験などに応じて適宜定めればよい。また、シャフト軸部22bの径方向内側にはクリアランスCLが設けられる。
【0027】
ここで、
図3(b)に示すように、ノズルプレート34aが径方向外側に膨張すると、ノズルプレート34aが備える連結構造34dも追従して径方向外側に膨張する。特に、連結構造34dの連結部34αとサポートシャフト22のシャフト頭部22aとが摺動しながら(滑りながら)連結構造34dが膨張する。一方で、サポートシャフト22はベアリングハウジング21に軸支されているため中心軸は変わらず、連結構造34dの膨張には追従せずに静止する。この結果、隙間GPの大きさは、ノズルプレート34aの膨張に応じて、ノズルプレート34aの膨張前と比べて拡張する。逆に、クリアランスCLの大きさは、ノズルプレート34aの膨張に応じて、ノズルプレート34aの膨張前と比べて縮小する。
【0028】
このように、ノズルプレート34aが径方向外側に膨張しても、ノズルプレート34aの径方向内側にはクリアランスCLが設けられているため、シャフト軸部22bと干渉する対象が存在せず、シャフト軸部22bとの干渉が回避される。すなわち、本実施形態では、ノズルプレート34aが排気の熱に起因して径方向外側に膨張しても、その膨張が許容されている。
【0029】
また、仮に、ノズルプレート34aがサポートシャフト22に直接的に固定されて拘束されている場合に、ノズルプレート34aが膨張すると、ノズルプレート34aの膨張に応じた応力がノズルプレート34aにおけるサポートシャフト22との固定部分に作用し、ノズルプレート34aがその固定部分から変形する可能性がある。これにより、ノズルNの平面性が保てなくなるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、ノズルプレート34aは連結構造34dを介して間接的にサポートシャフト22と支持されており、ノズルプレート34aはサポートシャフト22に直接的に固定されていないため、ノズルプレート34aの変形を回避することができる。すなわち、ノズルプレート34aが膨張しても、ノズルNの平面性を保つことができ、ノズルベーン34bの動作に影響が及ばない。
【0030】
以上、第1実施形態によれば、ターボチャージャ100はリング型のノズルプレート34aと、サポートシャフト22と、ベアリングハウジング21とを含んでいる。ノズルプレート34aはノズルNに配置されたノズルベーン34bの片側を支持する。サポートシャフト22はノズルプレート34aを支持する。ベアリングハウジング21はサポートシャフト22をタービンシャフト32と段違いで平行に軸支する。特に、ノズルプレート34aは、ノズルNを除いた場所にサポートシャフト22を隙間GPを介して保持する開口部34βを備え、開口部34βはノズルプレート34aの径方向の内側にサポートシャフト22との干渉を回避するクリアランスCLを含んでいる。これにより、突出片といった別の部品を採用しなくても、ノズルプレート34aの支持不良を抑えることができる。特に、本実施形態では、開口部34βがノズルNを除いた場所に設けられている。このため、開口部34βを含む連結構造34dは排気に接触せず、排気の温度より低い温度状態を保つことができる。したがって、連結構造34dの連結部34αとサポートシャフト22のシャフト頭部22aとの摺動に応じた摩耗の進行を抑制することができる。
【0031】
(第2実施形態)
続いて、
図4(a)乃至(c)を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図4(a)は第2実施形態に係る連結構造34dの平面図の一例である。
図4(b)及び(c)は第2実施形態に係る連結構造34dの平面図の他の一例である。尚、
図2(b)に示す各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。後述する第3実施形態についても同様である。
【0032】
図4(a)乃至(c)に示すように、開口部34βは種々の形状を採用することができる。例えば、
図4(a)に示すように、開口部34βの形状をシャフト軸部22bの径より大きな真円を採用することができる。この場合、ノズルプレート34aの径方向におけるシャフト軸部22bと連結部22αとの隙間GPとノズルプレート34aの径方向内側に設けられるクリアランスCLの各大きさは同じになる。このような形状の場合にノズルプレート34aが膨張しても、ノズルプレート34aの径方向内側にはクリアランスCLが設けられているため、シャフト軸部22bと連結部22αとが干渉するまでその干渉が回避される。すなわち、ノズルプレート34aが排気の熱に起因して径方向外側に膨張しても、その膨張を許容しつつ、ノズルプレート34aの支持不良を抑えることができる。
【0033】
また、
図4(b)に示すように、開口部34βの形状をシャフト軸部22bの径より大きな長円を採用することができる。長円に換えて楕円を採用してもよい。これらの場合、ノズルプレート34aの径方向におけるシャフト軸部22bと連結部22αとの隙間GPとノズルプレート34aの径方向内側に設けられるクリアランスCLの大きさを同じにしてもよいし、隙間GPよりクリアランスCLの大きさを大きくしてもよい。真円の場合と同様に、ノズルプレート34aが排気の熱に起因して径方向外側に膨張しても、その膨張を許容しつつ、ノズルプレート34aの支持不良を抑えることができる。
【0034】
さらに、
図4(c)に示すように、開口部34βの形状をシャフト軸部22bの径より大きな長方形を採用することができる。長方形に換えて正方形を採用してもよい。これらの場合も、真円の場合と同様に、ノズルプレート34aが排気の熱に起因して径方向外側に膨張しても、その膨張を許容しつつ、ノズルプレート34aの支持不良を抑えることができる。尚、第2実施形態では第1実施形態と異なり連結部34αが開放されていない。このため、第2実施形態で連結構造34dとサポートシャフト22とを連結させる際には、例えば連結部34αをノズルプレート34aの径方向外形側に屈曲させて、連結構造34dとサポートシャフト22とを連結させるようにすればよい。
【0035】
(第3実施形態)
続いて、
図5(a)乃至(c)を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
図5(a)は第3実施形態に係るノズルN付近の部分拡大図である。
図5(b)はサポートシャフト22付近のY-Y断面の一例である。
図5(c)はサポートシャフト22付近のZ-Z断面の一例である。
【0036】
第3実施形態では、
図5(a)に示すように、ノズルプレート34aとは別のノズルプレート(以下、シュラウドプレートという。)34hがタービンハウジング31のシュラウド部31aに設けられている。ノズルプレート34aの対向面とシュラウドプレート34hの対向面との間にはノズルベーン34bに加え、スペーサ34iが配置される。したがって、シュラウドプレート34hはノズルベーン34bの片側とスペーサ34iの片側とを支持する。
【0037】
図5(b)に示すように、ノズルプレート34aは開口部34βを有する。一方、
図5(c)に示すように、シュラウドプレート34hは開口部34γを有する。したがって、開口部34β,34γがそれぞれサポートシャフト22のシャフト軸部22bを隙間GPを介在して保持する。このように、開口部34β,34γはいずれもノズルNと異なる場所に設けられる。
【0038】
第3実施形態の場合、シュラウドプレート34hの径方向におけるシャフト軸部22bとシュラウドプレート34hとの隙間GPとシュラウドプレート34hの径方向内側に設けられるクリアランスCLの各大きさは同じになる。このように、シュラウドプレート34hが開口部34γを有する場合に、シュラウドプレート34hが膨張しても、シュラウドプレート34hの径方向内側にはクリアランスCLが設けられているため、シャフト軸部22bとシュラウドプレート34hとが干渉するまでその干渉が回避される。すなわち、シュラウドプレート34hが排気の熱に起因して径方向外側に膨張しても、その膨張を許容しつつ、シュラウドプレート34hの支持不良を抑えることができる。
【0039】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上述した第1実施形態及び第2実施形態については部分的に適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0040】
21 ベアリングハウジング
22 サポートシャフト
31 タービンハウジング
32 タービンシャフト
34a ノズルプレート
34b ノズルベーン
34c ユニゾンリング
34d 連結構造
34h シュラウドプレート
34α 連結部
34β,34γ 開口部
34h シュラウドプレート
100 ターボチャージャ
CL クリアランス
GP 隙間