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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】Syk阻害薬及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20230620BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20230620BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20230620BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20230620BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20230620BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230620BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230620BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230620BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20230620BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20230620BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20230620BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20230620BHJP
   C07D 487/08 20060101ALI20230620BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61K31/4709
A61K31/498
A61K31/5377
A61K31/551
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
C07D401/14
C07D403/04
C07D405/14
C07D413/14
C07D487/08
C07D491/107
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019568033
(86)(22)【出願日】2018-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2018091269
(87)【国際公開番号】W WO2018228475
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】201710448438.X
(32)【優先日】2017-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516089784
【氏名又は名称】チア タイ ティエンチン ファーマシューティカル グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.369 Yuzhou South Rd.,Lianyungang,Jiangsu 222062 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 世▲ラン▼
(72)【発明者】
【氏名】梁 貴柏
(72)【発明者】
【氏名】王 宏健
(72)【発明者】
【氏名】張 明
(72)【発明者】
【氏名】陳 曙輝
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-519846(JP,A)
【文献】国際公開第2017/001733(WO,A1)
【文献】特表2017-501215(JP,A)
【文献】特表2013-522238(JP,A)
【文献】国際公開第2010/053757(WO,A1)
【文献】再公表特許第2012/002577(JP,A1)
【文献】スペイン国特許出願公開第2450746(ES,A1)
【文献】特開2015-091815(JP,A)
【文献】特表2011-510990(JP,A)
【文献】O'Brien, Nathan J. et al.,Synthesis and biological evaluation of substituted 3-anilino-quinolin-2(1H)-ones as PDK1 inhibitors,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2014年,22(14),,3781-3790
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(式中、
Wは、C(R)又はNであり、
は、H又はハロゲンから選択され、及びRは、6員アリール基又はN、O、Sから選択される1-2ヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリール基から選択され、前記5~6員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換され、又は、
は、6員アリール基又はN、O、Sから選択される1-2ヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリール基から選択され、前記5~6員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換され、及びRは、H又はハロゲンから選択され、
、R、Rは、H、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は3~6員ヘテロシクロアルキル基から独立して選択され、前記アミノ基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は3~6員ヘテロシクロアルキル基は、任意選択的にRによって置換され、
は、H、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキルC(O)基、C3-6シクロアルキルC(O)基、3~6員ヘテロシクロアルキルC(O)基、フェニルC(O)基、5~6員ヘテロアリールC(O)基、C1-6アルキルSO基、C3-6シクロアルキルSO基、3~6員ヘテロシ
クロアルキルSO基、フェニルSO基又は5~6員ヘテロアリールSO基から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキルC(O)基、C3-6シクロアルキルC(O)基、3~6員ヘテロシクロアルキルC(O)基、フェニルC(O)基、5~6員ヘテロアリールC(O)基、C1-6アルキルSO基、C3-6シクロアルキルSO基、3~6員ヘテロシクロアルキルSO基、フェニルSO基又は5~6員ヘテロアリールSO基は、任意選択的にRによって置換され、
Xは、任意の2つの位置にH原子を失った3~12員環から選択され、前記環は、任意選択的にRによって置換され、
-L-は、単結合、-NH-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、-C(O)-、-OC(O)-、-C(O)O-、-NHSO-、-SONH-、-NHC(O)NH-、又は-NHSONH-から選択され、
は、H、アミノ基、C1-4アルキル基、C3-5シクロアルキル基又はN、O、Sから選択される1-2ヘテロ原子を含有する3~10員ヘテロシクロアルキル基から選択され、前記アミノ基、C1-4アルキル基、C3-5シクロアルキル基又は3~10員ヘテロシクロアルキル基は、任意選択的にR10によって置換され、
、Rは、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はCOOHから独立して選択され、
10は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ハロC1-3アルキル基、COOH、=(O)、C1-4アルキル基、C1-4アルキルSO基又はN、O、Sから選択される1-2ヘテロ原子を含有する3~5員ヘテロシクロアルキル基から選択され、
且つ、R及びRの少なくとも一方は、6員アリール基又はN、O、Sから選択される1-2ヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリール基から選択され、前記5~6員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換される)。
【請求項2】
はアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
は、H又はハロゲンから選択され、及びR、N、O、Sから選択される1-2ヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリール基から選択され、前記5~6員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換され、又は、
、N、O、Sから選択される1-2ヘテロ原子を含有する5~6員ヘテロアリール基から選択され、前記5~6員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換され、及びRは、H又はハロゲンから選択され、
前記Rはアミノ基から選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
は、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基又はピリジル基からなる群より選択され、及びRは、H、F又はClからなる群より選択され、前記チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基又はピリジル基は、任意選択的にRによって置換され、又はRは、H又はFからなる群より選択され、及びRは、ピラゾリル基から選択され、前記ピラゾリル基は、任意選択的にRによって置換され、
前記Rはアミノ基から選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
は、アミノ基、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
は、
又は
から選択され、Rは、H、F又はClから選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
は、H又はFから選択され、Rは、
から選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
、R、Rは、H、ハロゲン、C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選択され、前記C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、任意選択的にRによって置換される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
は、H、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はt-ブチル基から選択され、前記メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はt-ブチル基は、任意選択的にRによって置換される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Xは、任意の2つの位置にH原子を失った、ベンゼン環、
フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、テトラゾール環又はトリアジン環から選択され、前記Xは、
任意選択的にRによって置換される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Xは、
又は
から選択される、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
は、ハロゲン、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基から選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
-L-は、単結合、-NH-又は-SO-から選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
は、H、アミノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロブチル基、
から選択され、前記アミノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロブチル基、
は、任意選択的にR10によって置換される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
は、H、NH、メチル基、
又は
から選択される、請求項14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
10は、F、Cl、Br、OH、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、COOH、=(O)、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、SOCH、SOCHCH、SOCHCHCH、SOCH(CH)CH、SOCHCHCHCH、SOCH(CH)CHCH、SOCHCH(CH、SOC(CH、並びに、次の化合物
又は
より任意の位置で1つのH原子を失った基から選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
10は、F、OH、トリフルオロメチル基、COOH、=(O)、メチル基、SOCH、SOCHCH又は
から選択される、請求項16に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
式(I)の化合物は、
から選択される、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
治療有効量の請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、1種もしくはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬物組成物。
【請求項20】
Syk受容体関連疾患の治療における使用のための、請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年6月14日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201710448438.Xの中国発明特許出願の優先権を主張し、当該出願の全体内容が参照により本願に援用される。
【0002】
本願は、医薬技術の分野に関し、Syk阻害薬又はその薬学的に許容される塩、その製造方法及び薬物組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
脾臓チロシンキナーゼ(Syk:spleen tyrosine kinase)は、細胞内チロシンプロテインキナーゼであり、ZAP70プロテインキナーゼファミリーのメンバーである。SykはB細胞初期発生、リンパ球の発生、成熟B細胞の機能発揮において重要な役割を果たす。これらのプロセスで様々なシグナル伝達経路に関与し、Srcキナーゼのリン酸化を経なくても機能を発揮できる。Sykは造血幹細胞の中で一般的に発現される他に、上皮細胞、肝細胞、線維芽細胞、神経細胞及び乳腺組織などの非造血細胞の中でも発現され、様々な機能を有する。
【0004】
人類の多くの疾患で、例えば、アレルギー反応、喘息、炎症及び自己免疫疾患で、Syk
PTKの機能不全が確認されている。多くの関連研究により、Sykが急性又は慢性炎症における一つの重要な媒介であることが証明されていた。いくつかの一般的なB細胞リンパ腫では、いずれもSykの活性化が確認されている。例えば、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫及びB細胞慢性リンパ性白血病で、いずれも非抗原依存性的にリン酸化されたSykが検出されている。研究者は濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞におけるSykを阻害すれば、下流のシグナル伝達分子のリン酸化レベルを低下させ、そして腫瘍細胞の増殖及び生存を阻害できることを見出した。また、骨髄異形成症候群及び末梢T細胞リンパ腫でSyk転座が確認されていることから、当該キナーゼは癌原遺伝子として機能することが一層証明されていた。従って、B細胞リンパ腫及び白血病を含む特定種類の癌の治療において、Sykの活性阻害を利用できる。
【発明の概要】
【0005】
本願は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【化1】

式中、
Wは、C(R)又はNであり、
、Rは、H、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-6アルキル基
、C3-6シクロアルキル基、3~10員ヘテロシクロアルキル基、6~12員アリール基又は5~12員ヘテロアリール基から独立して選択され、前記アミノ基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3~10員ヘテロシクロアルキル基、6~12員アリール基又は5~12員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換され、
、R、Rは、H、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は3~6員ヘテロシクロアルキル基から独立して選択され、前記アミノ基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は3~6員ヘテロシクロアルキル基は、任意選択的にRによって置換され、
は、H、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基C(O)、C3-6シクロアルキル基C(O)、3~6員ヘテロシクロアルキル基C(O)、フェニル基C(O)、5~6員ヘテロアリール基C(O)、C1-6アルキル基SO、C3-6シクロアルキル基SO、3~6員ヘテロシクロアルキル基SO、フェニル基SO又は5~6員ヘテロアリール基SOから選択され、前記C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3~6員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基C(O)、C3-6シクロアルキル基C(O)、3~6員ヘテロシクロアルキル基C(O)、フェニル基C(O)、5~6員ヘテロアリール基C(O)、C1-6アルキル基SO、C3-6シクロアルキル基SO、3~6員ヘテロシクロアルキル基SO、フェニル基SO又は5~6員ヘテロアリール基SOは、任意選択的にRによって置換され、
Xは、任意の2つの位置にH原子を失った3~12員環から選択され、前記環は、任意選択的にRによって置換され、
Lは、化学結合、NH、O、S、SO、SO、C(O)、OC(O)、C(O)O、C(O)NH、NHSO、SONH、NHC(O)NH又はNHSONHから選択され、
は、H、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基又は3~10員ヘテロシクロアルキル基から選択され、前記アミノ基、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基又は3~10員ヘテロシクロアルキル基は、任意選択的にR10によって置換され、
、Rは、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はCOOHから独立して選択され、
10は、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロC1-3アルキル基、COOH、=(O)、C1-6アルキル基、C1-6アルキル基SO、C3-6シクロアルキル基又は3~10員ヘテロシクロアルキル基から選択され、
且つ、R及びRの少なくとも一方は、6~12員アリール基又は5~12員ヘテロアリール基から選択され、前記6~12員アリール基又は5~12員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換される。
【0006】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R、Rは、H、ハロゲン又は5~12員ヘテロアリール基から独立して選択され、前記5~12員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換される。
【0007】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R、Rは、H、F、Cl、Br、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、テトラゾリル基又はトリアジニル基から独立して選択され、前記フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、テトラゾリル基又はトリアジニル基は、任意選択的にRによって置換される。
【0008】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R、Rは、H、F、Cl、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基又はピリジル基から独立して選択され、前記チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基又はピリジル基は、任意選択的にRによって置換される。
【0009】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、アミノ基、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基から選択される。
【0010】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、アミノ基又はメチル基から選択される。
【0011】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、F、
【化2】
から選択され、任意選択的にRによって置換される。
【0012】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、F、
【化3】
から選択される。
【0013】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、F、Cl又は
【化4】
から選択される。
【0014】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、5~12員ヘテロアリール基から選択され、Rは、H又はハロゲンから選択され、ただし、Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0015】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、テトラゾリル基又はトリアジニル基から選択され、Rは、H、F、Cl又は
Brから選択され、ただし、Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0016】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基又はピリジル基から選択され、Rは、H、F又はClから選択され、ただし、Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0017】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、
【化5】
から選択され、Rは、H、F又はClから選択され、ただし、Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0018】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、
【化6】
から選択され、Rは、H、F又はClから選択される。
【0019】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H又はハロゲンから選択され、Rは、5~12員ヘテロアリール基から選択され、ただし、Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0020】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、F、Cl又はBrから選択され、Rは、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、テトラゾリル基又はトリアジニル基から選択され、ただし、Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0021】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H又はFから選択され、Rは、ピラゾリル基に選択され、ただし、Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0022】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H又はFから選択され、Rは、
【化7】
から選択される。
【0023】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R、R、Rは、H、ハロゲン、C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選択され、前記C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、任意選択的にRによって置換される。
【0024】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R、R、Rは、H又はハロゲンから独立して選択される。
【0025】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R、R、Rは、H、F又はClから独立して選択される。
【0026】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Wは、C(R)であり、RはHであり、R、Rは、H、F、又はClから独立して選択される。
【0027】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Wは、Nであり、R、Rは、H、F、又はClから独立して選択される。
【0028】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選択され、ただしC1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、任意選択的にRによって置換される。
【0029】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はt-ブチル基から選択され、前記メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はt-ブチル基は、任意選択的にRによって置換される。
【0030】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、メチル基に選択される。
【0031】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Xは、任意の2つの位置にH原子を失ったベンゼン環又は5~10員複素芳香環から選択され、前記Xは、任意選択的にRによって置換される。
【0032】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Xは、任意の2つの位置にH原子を失ったベンゼン環、
【化8】
フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、テトラゾール環又はトリアジン環から選択され、前記Xは、
任意選択的にRによって置換される。
【0033】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Xは、任意の2つの位置にH原子を失ったベンゼン環又はピリジン環から選択され、前記Xは、任意選択的にRによって置換される。
【0034】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Xは、
【化9】
から選択され、前記Xは、任意選択的にRによって置換される。
【0035】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Xは、
【化10】
から選択される。
【0036】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、ハロゲン、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基から選択される。
【0037】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、F、Cl、メチル基又はOCHから選択される。
【0038】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Lは、化学結合、NH、O、S、SO、SO、NHSO、SONH又はNHSONHから選択される。
【0039】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Lは、化学結合、NH、O、S、SO又はSOから選択される。
【0040】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Lは、化学結合、NH又はSOから選択される。
【0041】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、アミノ基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は3~10員ヘテロシクロアルキル基から選択され、前記アミノ基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は3~10員ヘテロシクロアルキル基は、任意選択的にR10によって置換される。
【0042】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、アミノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、任意の位置
に1つのH原子を失った、
【化11】
から選択され、前記アミノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、任意の位置に1つのH原子を失った、
【化12】
は、任意選択的にR10によって置換される。
【0043】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、NH、メチル基、イソプロピル基、シクロブチル基、
【化13】
から選択され、前記NH、メチル基、イソプロピル基、シクロブチル基、
【化14】
は、任意選択的にR10によって置換される。
【0044】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、Rは、H、NH、メチル基、
【化15】
から選択される。
【0045】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R10は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ハロC1-3アルキル基、COOH、=(O)、C1-6アルキル基、C1-6アルキル基SO又は3~10員ヘテロシクロアルキル基から選択される。
【0046】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R10は、F、Cl、Br、OH、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、COOH、=(O)、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、SOCH、SOCHCH、SOCHCHCH、SOCH(CH)CH、SOCHCHCHCH、SOCH(CH)CHCH、SOCHCH(CH、SOC(CH、任意の位置に1つのH原子を失った、
【化16】
から選択される。
【0047】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、R10は、F、OH、トリフルオロメチル基、COOH、=(O)、メチル基、SOCH、SOCHCH、又は
【化17】

から選択される。
【0048】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、前記式(I)の化合物は、式(II)に記載のとおりである。
【化18】
ただし、Rは、6~12員アリール基又は5~12員ヘテロアリール基から選択され、前記6~12員アリール基又は5~12員ヘテロアリール基は、任意選択的にRによって置換され、
、R、R、R、R、R、R、X及びLは、式(I)に定義されたとおりである。
【0049】
本願に係る式(II)の化合物の一つの実施形態において、Rは、ピラゾリル基に選択され、任意選択的にRによって置換される。
【0050】
本願に係る式(II)の化合物の一つの実施形態において、Rは、
【化19】
に選択される。
【0051】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、前記式(I)の化合物は、式(III)に記載のとおりである。
【化20】
ただし、R、R、R、R、R及びXは、式(I)に定義されたとおりである。
【0052】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、前記式(I)の化合物は、式(IV)に記載のとおりである。
【化21】
ただし、Rは、6~12員アリール基又は5~12員ヘテロアリール基から選択され、前記Rは、任意選択的にRによって置換され、
、R、R、R、R、R、X及びLは、式(I)に定義されたとおりである。
【0053】
本願に係る式(IV)の化合物の一つの実施形態において、Rは、5~12員ヘテロアリール基から選択され、前記Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0054】
本願に係る式(IV)の化合物の一つの実施形態において、Rは、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、テトラゾリル基又はトリアジニル基から選択され、前記Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0055】
本願に係る式(IV)の化合物の一つの実施形態において、Rは、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基又はピリジル基から選択され、前記Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0056】
本願に係る式(IV)の化合物の一つの実施形態において、Rは、
【化22】
から選択され、前記Rは、任意選択的にRによって置換される。
【0057】
本願に係る式(IV)の化合物の一つの実施形態において、Rは、
【化23】
から選択される。
【0058】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、前記式(I)の化合物は、式(V)に記載のとおりである。
【化24】
ただし、R、R、R、R、X及びLは、式(I)に定義されたとおりである。
【0059】
本願に係る式(I)の化合物の一つの実施形態において、前記式(I)の化合物は、
【化25】
【化26】
【化27】
から選択される。
【0060】
本願のもう一つの態様は、本願に係る式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬物組成物に関する。いくつかの実施形態において、本願に係る薬物組成物は、1種以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0061】
本願に係る薬物組成物は本願に係る化合物と、その薬学的に許容される塩と、適切な薬学的に許容される賦形剤とを組み合わせて製造できる。例えば、固体、半固体、液体又は気体製剤として、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、軟膏剤、乳剤、懸濁剤、溶液型製剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフェア及びエアロゾルなどを製造してもよい。
【0062】
本願に係る化合物、その薬学的に許容される塩又はその薬物組成物の一般的な投与経路は、経口、直腸、経粘膜、経腸、又は局所、経皮、吸入、非経口、舌下、膣内、鼻腔内、眼内、腹腔内、筋肉内、皮下、静脈内投与を含むが、これらに限定されない。
【0063】
本願に係る薬物組成物は、本分野で周知の方法、例えば、混合法、溶解法、造粒法、糖衣錠法、粉砕法、乳化法、凍結乾燥法などを採用して製造できる。
【0064】
経口投与の場合、活性化合物と本分野で周知の薬学的に許容される賦形剤とを混合して当該薬物組成物を製造できる。これらの賦形剤を使用して本願に係る化合物を患者の経口投与用の錠剤、丸剤、タブレット剤、糖衣錠、カプセル剤、液体、ゲル剤、シロップ剤、懸濁剤などを製造できる。一般的な混合、充填又は打錠の方法を採用して固体経口組成物を製造できる。例えば、下記方法を採用できる。前記活性化合物と固体賦形剤とを混合し、得た混合物を任意選択的に粉砕し、必要であれば他の適切な賦形剤を加え、次に当該混合物を加工して顆粒を形成させることにより、錠剤又は糖衣錠のコアを得る。適切な賦形剤は、接着剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動化剤、甘味剤又は矯正剤などを含むが、これらに限定されない。
【0065】
薬物組成物は、適切な単位剤形の無菌溶液製剤、懸濁剤又は凍結乾燥製品などとして、非経口投与にも適用される。充填剤、緩衝剤又は界面活性剤など適切な賦形剤を使用できる。
【0066】
本明細書に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、任意の適切な経路及び方法で投与されてもよい。例えば、経口又は非経口(例えば、静脈内)投与される。式(I)の化合物の治療有効量は約0.0001~20mg/kg(体重)/日であり、例えば0.001~10mg/kg(体重)/日である。
【0067】
式(I)の化合物の用量と投与頻度は、患者の個体状態によって決定される。例えば、1日1回又は2回、又は1日3回以上の投与である。また、間欠的に投与されてもよい。例えば、一定の日数で患者に式(I)の化合物の1日用量を投与し、続いて同日数又はより長い期間に、患者に式(I)の化合物の1日用量を投与しない。
【0068】
本願のもう一つの態様は、Syk受容体関連疾患の治療薬を製造するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、又は上記薬物組成物の使用を提供する。
【0069】
本願のもう一つの態様は、Syk受容体関連疾患の治療方法を提供し、前記方法は、治療有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩又は上記薬物組成物の投与を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、Syk受容体関連疾患は、癌又は炎症性疾患から選択される。いくつかの実施形態において、Syk受容体関連疾患は、B細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞白血病、多発性骨髄腫、慢性顆粒球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性リンパ球白血病、急性リンパ球白血病、関節リウマチ、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、アレルギー誘発炎症性疾患、多発性硬化症、自己免疫疾患、急性炎症反応、アレルギー性疾患又は多発性嚢胞腎から選択される。
[定義及び説明]
【0071】
特に説明された場合を除き、本明細書で使用されている下記用語及び表現は、以下記載の意味を有する。特定の用語又は表現は、特に定義された場合を除き、不明確又は不明瞭なものとしてではなく、本分野通常の意味で理解されるべきである。本明細書に商品名が記載された場合、対応する製品又はその有効成分を指す。
【0072】
用語「薬学的に許容される」は、ヒト及び動物の組織と接触して使用されるのに適し、毒性と刺激性を持たず、アレルギー反応や他の問題又は合併症を引き起こさないと医学的に判断され、合理的な利益/リスク比に見合う化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対して使用される。
【0073】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明により発現された特定の置換基を有する化合物と相対的に毒性を示さない酸又は塩基で製造される、本発明に係る化合物の塩を指す。本発明に係る化合物に相対的に酸性を示す官能基が含まれる場合、適切な塩基を当該化合物の中性形態と接触させる方法により塩基付加塩を得ることができる。本発明に係る化合物に相対的に塩基性を示す官能基が含まれる場合、適切な酸を当該化合物の中性形態と接触させる方法により酸付加塩を得ることができる。本発明のいくつかの特定の化合物に塩基性及び酸性の官能基が含まれるため、任意の塩基付加塩又は酸付加塩に転化できる。
【0074】
本発明に係る化合物の一部は、不斉炭素原子(キラル中心)又は二重結合を有してもよい。ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体及び個別の異性体はいずれも本発明の範囲に含まれる。例えば、化合物の構造に含まれる
【化28】
であってもよい。例えば、化合物の構造に含まれる
【化29】
であってもよい。
【0075】
本明細書に記載の化合物にエチレン二重結合又は他の幾何不斉中心が含まれる場合、特に規定された場合を除き、それはE、Z幾何異性体を含む。同様のように、全ての互変異性体はいずれも、本願の範囲に含まれる。例えば、
【化30】
は互いに互変異性体である。
【0076】
本発明に係る化合物には、特定の幾何異性体又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明に記載のこのような化合物は、シス異性体とトランス異性体、(-)-エナンチオマーと(+)-エナンチオマー、(R)-エナンチオマーと(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、及びラセミ混合物と他の混合物、例えばエナンチオマー又はジアステレオマーを大量に含有する混合物を含み、これらの混合物はいずれも本発明の範囲に含まれる。アルキル基などの置換基には、別の不斉炭素原子が存在してもよい。上記全ての異性体及びそれらの混合物は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0077】
不斉合成、不斉試薬又は他の通常技術により光学活性を有する(R)-異性体と(S)-異性体及びD異性体とL異性体を製造できる。本発明に係る特定の化合物の1種のエナンチオマーを得るには、不斉合成、又は不斉助剤の誘導作用を利用して製造できる。ただし、得られたジアステレオマー混合物を分離して、補助的な官能基を脱去させることにより、純粋な所望のエナンチオマーを得る。又は、分子に塩基性官能基(例えば、アミノ基)又は酸性官能基(例えば、カルボキシル基)が含まれる場合、光学活性を有する適切な酸又は塩基とジアステレオマーの塩を形成して、当分野で周知の通常方法によりジアステレオマーの分割を行って回収することにより、純粋なエナンチオマーを得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は一般にクロマトグラフィーにより行われ、当該クロマトグラフィーにはキラルな固定相を使用し、任意選択的に化学誘導法と組み合わせても
よい(例えば、アミンからのカルバメート生成)。
【0078】
本発明に係る化合物は、当該化合物を構成する1つ以上の原子に、非天然的な割合で同原子の同位体が含まれてもよい。例えば、放射性同位体、例えば、重水素(H)、三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)又は炭素-14(14C)を使用して化合物を標識できる。本発明に係る化合物の同位体による変形は、放射性の有無にかかわらず、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0079】
用語「薬学的に許容される賦形剤」とは、生体に顕著な刺激を与えず、当該活性化合物の生体活性及び性能を損なわない賦形剤を指す。適切な賦形剤は当業者に周知されるものである。例えば、炭水化物、ワックス、水溶性及び/又は水膨潤性のポリマー、親水性又は疎水性の材料、ゼラチン、オイル、溶剤、水などが挙げられる。
【0080】
用語「有効量」又は「治療的有効量」とは、所望の効果を得られる薬物又は製剤の十分な用量を指す。有効量は、投与対象の年齢及び一般状況、具体的な有効成分によって個体的に異なるが、場合によっては、適切な有効量は当業者が通常の試験を行って決定できる。
【0081】
用語「有効成分」、「治療剤」、「有効成分」又は「有効剤」とは、対象とする障害や異常、疾患又は症状を効果的に治療できる実際に存在する化学物質を指す。
【0082】
用語「任意選択的」又は「任意選択的に」とは、その次に述べられる事項又は状況は生じる又は生じない両方の可能性があり、当該説明には前記事項又は状況が生じる場合又は生じない場合が含まれる。例えば、エチル基が「任意選択的に」ハロゲンによって置換されるとは、エチル基は置換されていない(CHCH)、単一置換されている(例えば、CHCHF)、多置換されている(例えば、CHFCHF、CHCHFなど)又は完全置換されている(CFCF)のいずれかであってもよい。また、当業者が理解できるように、1つ以上の置換基を含む任意の官能基には、空間的に存在及び/又は合成できない特定の置換又は置換形式が適用されない。
【0083】
本明細書で使用される用語「Cm-n」とは、当該部分がm~n個の炭素原子を有することを指す。例えば、「C3-10シクロアルキル基」とは、当該シクロアルキル基が3~10個の炭素原子を有することを指す。「C0-6アルキレン基」とは、当該アルキレン基が0~6個の炭素原子を有することを指す。アルキレン基が0個の炭素原子を有する場合、当該官能基は化学結合である。
【0084】
本明細書に記載の数字範囲は、所定範囲内の各整数を指すものである。例えば、「C1-10」は当該官能基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、6個の炭素原子、7個の炭素原子、8個の炭素原子、9個の炭素原子又は10個の炭素原子を有してもよいことを指す。
【0085】
用語「置換された」とは、特定の官能基における任意の1つ又は複数の水素原子が置換基によって置換されることを指す。ただし特定原子の原子価状態が正常であり、且つ、置換後の化合物が安定的であることが条件である。置換基がケトン基(即ち、=O)(オキソ基ともいう)である場合、2つの水素原子が置換されることを意味し、ケトン置換はアリール基に生じない。
【0086】
いずれかの変数(例えば、R)が化合物の組成又は構造に1回以上出現する場合、それぞれの場合に独立して定義される。そのため、例えば、1つの官能基が0~2個のRによって置換された場合、前記官能基は任意選択的に最大2つのRによって置換され、それぞれの場合にRは独立して選択される。また、置換基及び/又はその変形形態の組み合わせは
、当該組み合わせにより安定的な化合物が生成される場合のみ認められる。
【0087】
いずれかの変数が化学結合に選択される場合、それによって接続された2つの官能基は直接的につながることを意味する。例えば、A-L-Zで、Lが化学結合である場合、当該構造は実際にA-Zである。
【0088】
1つの置換基が埋まらない場合、当該置換基は存在しないことを表す。例えば、A-XでXが埋まらない場合、当該構造は実際にAであることを表す。1つの置換基の化学結合が交差して同一の環上の2つの原子に接続できる場合、当該置換基は当該環上の任意の原子と結合できる。挙げられた置換基で、どの原子によって化学構造式に含まれるが具体的に提及されていない化合物に接続されることが明記されない場合、当該置換基はその任意の原子によって結合できる。置換基及び/又はその変形形態の組み合わせは、当該組み合わせにより安定的な化合物が生成される場合のみ認められる。例えば、構造単位
【化31】
は、シクロヘキシル基又はシクロヘキサジエンの任意の1つの位置に置換が生じ得ることを表す。
【0089】
特に規定された場合を除き、用語「ハロ」又は「ハロゲン」自体、又は別の置換基の一部として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。また、用語「ハロアルキル基」は、単一置換のハロアルキル基及び多置換のハロアルキル基を含むことが意図される。例えば、用語「ハロC1-3アルキル基」には、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基及び3-ブロモプロピル基などが含まれるが、これらに限定されない。ハロアルキル基の例は、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基及びペンタクロロエチル基を含むが、これらに限定されない。
【0090】
用語「ヒドロキシ基」とは、-OHを指す。
【0091】
用語「シアノ基」とは、-CNを指す。
【0092】
用語「アミノ基」とは、-NHを指す。
【0093】
用語「アルキル基」とは、炭素原子と水素原子からなる直鎖状又は分枝状の飽和脂肪族炭化水素官能基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などを指す。当該特定のアルキル基は、その全ての異性体の形態を含む。例えば、プロピル基は、-CHCHCH、-CH(CHを含み、例えばブチル基は、-CHCHCHCH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CH、-CHCH(CHを含む。用語「C1-8アルキル基」とは、1~8個の炭素原子を有するアルキル基を指す。用語「C1-6アルキル基」とは、1~6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。用語「C1-4アルキル基」とは、1~4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。用語「C1-3アルキル基」とは、1~3個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0094】
用語「アルコキシ基」とは、-O-アルキル基を指す。
【0095】
用語「シクロアルキル基」とは、炭素原子と水素原子のみからなる単環の飽和脂肪族炭化水素官能基を指す。例えば、C3-10シクロアルキル基は、C3-6シクロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基などであることが好ましい。
【0096】
特に規定された場合を除き、用語「ヘテロ」とは、ヘテロ原子又はヘテロ原子団(即ち、ヘテロ原子を含む原子団)を指す。炭素(C)と水素(H)以外の原子、及びこれらのヘテロ原子を含む原子団を含む。例えば、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、-O-、-S-、=O、=S、-C(=O)O-、-C(=O)-、-C(=S)-、-S(=O)、-S(=O)-、及び-C(=O)N(H)-、-N(H)-、-C(=NH)-、-S(=O)N(H)-又は-S(=O)N(H)-を含む。
【0097】
特に規定された場合を除き、「環」は、置換された又は置換されていないシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基を指す。前記環は、単環、連環、スピロ環、縮合環又は二環を含む。環上の原子数は通常、環の員数として定義される。例えば、「5~7員環」は、環状に配列された5~7個の原子を指す。特に規定された場合を除き、当該環は任意選択的に1~3個のヘテロ原子を含む。従って、「5~7員環」は、例えばフェニル基、ピリジル基及びピペリジニル基を含む。
【0098】
用語「ヘテロシクロアルキル基」とは、単環、二環又はスピロ環として存在し得る完全飽和の環状官能基を指す。特に説明された場合を除き、当該へテロ環は通常、硫黄、酸素及び/又は窒素から独立して選択された1~3個のヘテロ原子(好ましくは1つ又は2つのヘテロ原子)を含む3~10員環である。3員ヘテロシクロアルキル基の例は、オキシラニル基、チイラニル基、アジリジニル基を含むがこれらに限定されず、4員ヘテロシクロアルキル基の例は、アゼチジニル基、オキセタニル基、チエタニル基を含むこれらに限定されず、5員ヘテロシクロアルキル基の例は、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピロリジニル基、イソオキサゾリジニル基、オキサゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、チアゾリジニル基、イミダゾリジニル基、テトラヒドロピラゾリル基を含むがこれらに限定されず、6員ヘテロシクロアルキル基の例は、ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、1,4-チオキサニル基、1,4-ジオキソラン基、チオモルホリニル基、1,3-ジチエニル基、1,4-ジチエニル基を含むがこれらに限定されず、7員ヘテロシクロアルキル基の例は、アゼパニル基、オキセパン基、チエパン基を含むがこれらに限定されず、8員ヘテロシクロアルキル基の例は、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクチル基を含むがこれらに限定されず、9員ヘテロシクロアルキル基の例は、2-オキソ-7-アザスピロ[3,5]ノニル基を含むがこれらに限定されない。
【0099】
用語「アリール基」とは、共役のπ電子系の全炭素単環又は縮合多環を有する芳香環官能基を指す。例えば、アリール基は6~20個の炭素原子、6~14個の炭素原子又は6~12個の炭素原子を有してもよい。アリール基の例は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンなどを含むがこれらに限定されない。
【0100】
用語「ヘテロアリール基」とは、N、O、Sから選択された少なくとも1つの環上原子を含み、好ましくはN、O又はSから選択された1つ、2つ又は3つの環上原子を含み、残りの環上原子はCであり、少なくとも1つの芳香環を有する単環又は縮合多環系を指す。好ましくは、ヘテロアリール基は1つの4~8員環、特に5~8員環を有するか、又は6~14個、特に6~10個の環上原子を含む複数の縮合環を含む。ヘテロアリール基の例は、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、テトラゾリル基、トリアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、イン
ドリル基、イソインドリル基などを含むがこれらに限定されない。
【0101】
本願に係る化合物は、以下記載の具体的な実施形態、他の化学的合成方法と組み合わせてなる実施形態及び当業者が熟知する等価な代替形態を含み、好ましい実施形態は本願に係る実施例を含むがこれらに限定されない、当業者が熟知する様々な合成方法によって製造できる。
【0102】
本願に係る具体的な実施形態における化学反応は、適切な溶剤において行われるが、当該溶剤は本願に係る化学的変化及びその必要な試薬と原料に使用可能なものでなければならない。場合によっては、本願に係る化合物を得るために、当業者が既存の実施形態を踏まえ合成ステップ又は反応プロセスに修正又は選択を加える必要がある。
【0103】
本分野で合成スキームの設定における一つの考慮すべき重要な事項は、反応性官能基(例えば、本願でアミノ基)に対する適切な保護基の選択である。例えば、これに関してGreene’s Protective Groups in Organic Synthesis(4th Ed).Hoboken,New Jersey: John Wiley &Sons,Inc.を参照できる。本願に援用されている全ての参照文献は、その全体内容が本願に組み込まれる。
【0104】
合成スキームA:
【化32】
ただし、官能基の定義は式IIIの化合物に記載のとおりである。
【0105】
合成スキームB:
【化33】
ただし、官能基の定義は式IV化合物に記載のとおりである。
【発明を実施するための形態】
【0106】
以下記載の具体的な実施例は、当業者が本願をよりよく理解し実施できるようにするためのものである。それらは本願の範囲に対する制限としてではなく、本願に対する例示的な説明と代表的な例として見なされるべきである。当業者が理解できるように、他にも本願に係る化合物の合成経路は存在する。以下記載されているのは非限制的な実施例に過ぎない。
【0107】
特に説明された場合を除き、温度とは摂氏温度を指す。本願で使用される溶剤は市販品として入手できる。
【0108】
本願で下記略号を使用する。TMSCHNは(トリメチルシリル)ジアゾメタンを、TfOはトリフルオロメタンスルホン酸無水物を、DMAPは4-ジメチルアミノピリジンを、Pd(dba)はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を、Xantphosは4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンを、Pd(dppf)Clは[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を、NBSはN-ブロモスクシンイミドを、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを、DMSOはジメチルスルホキシドを、DIEA(DIPEA)はN,N-ジイソプロピルエチルアミンを、Pd(OAc)は酢酸パラジウムを、Brettphosはジシクロヘキシル(2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-[1,1’-ビフェニル]-2-イル)ホスフィンを、EDTAはエチレンジアミン四酢酸を、DTTはジチオトレイトールを、TFAはトリフルオロ酢酸を、DCMはジクロロメタンを、BINAPは2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレンを、DASTは三フッ化N,N-ジエチルアミノ硫黄を、TLCは薄層クロマトグラフィーを、LCMSは液体クロマトグラフィー/質量分析を、NCSはN-クロロスクシンイミドを、t-Buはt-ブチル基を、DMEはジメチルエーテルを表す。
【0109】
実施例1:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化34】
【0110】
ステップA:6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-3-ヒドロキシ-1-メチル-キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、6-ブロモ-3-ヒドロキシ-1-メチル-キノリル-2-オン(0.6g、2.36mmol)と1-ベンジル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(805.2mg、2.83mmol)と炭酸カリウム(652.7mg、4.72mmol)とを溶解したジオキサン(4.00mL)と水(1.00mL)の混合溶液にPd(dppf)Cl(172.7mg、0.236mmol)を加える。80℃で反応液を7時間攪拌する。反応液を水40mLで希釈して、ジクロロメタン40mLで2回抽出し、食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水してそのままクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール系)によって分離して表題化合物を得る。
【0111】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.51(s,1H),7.97(d,J=2.0Hz,1H),7.90(d,J=2.4Hz,1H),7.84(dd,J=2.0,8.8Hz,1H),7.51-7.45(m,1H),7.39-7.32(m,2H),7.32-7.25(m,3H),7.17(s,1H),6.78(d,J=2.4Hz,1H),5.39(s,2H),3.71(s,3H)。
【0112】
ステップB:[6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-イル]トリフレート
0℃で、6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-3-ヒドロキシ-1-メチル-キノリル-2(1H)-オン(340.00mg、1.03mmol)のジクロロメタン溶液に、DMAP(125.8mg、1.03mmol)と、TfO(581.2mg、2.06mmol、0.339mL)とを加え、次にピリジン(244.4mg、3.09mmol、0.25mL)を加える。15℃で16時間攪拌して反応させる。反応液を水40mLで希釈して、ジクロロメタン40mLで2回抽出し、食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水してそのままクロマトグラフィー(石油エーテル:テトラヒドロフラン=50:50)によって分離して表題化合物を得る。
【0113】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.48(s,1H),8.32(d,J=2.0Hz,1H),8.16(dd,J=2.0,8.8Hz,1H),7.95(d,J=2.3Hz,1H),7.67(d,J=9.0Hz,1H),7.39-7.25(m,5H),6.82(d,J=2.3Hz,1H),5.40(s,2H),3.74(s,3H)。
【0114】
ステップC:6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
20℃で、[6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-キノリン-3-イル]トリフレート(150mg、323.67μmol)と4-モルホリノアニリン(86.53mg、485.51μmol)の無水ジオキサン(3mL)溶液に、炭酸セシウム(158.19mg、485.51μmol)と、Xantphos(37.46mg、64.73μmol)と、Pd(dba)(29.64mg、32.37μmol)とを加える。窒素ガスで保護して100℃で7時間攪拌する。反応液を水40mLで希釈して、ジクロロメタン40mLで2回抽出し、食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水してそのままクロマトグラフィー(石油エーテル:テトラヒドロフラン=100%~60:40)によって分離して表題化合物を得る。
【0115】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.90(dd,J=1.8,13.2Hz,1H),7.78-7.73(m,1H),7.46(d,J=8.8Hz,1H),7.39-7.32(m,2H),7.32-7.24(m,5H),7.21(s,1H),6.97(d,J=8.8Hz,2H),6.77(d,J=2.4Hz,1H),5.37(s,2H),3.79-3.72(m,7H),3.10-3.04(m,1H)。
【0116】
ステップD:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン(30.00mg、61.03μmol)のメタノール溶液にPd(OH)(30.00mg)を加え、50℃で水素ガス雰囲気(45psi)において16時間攪拌する。反応液を濾過してメタノール30mL
でケーキを洗浄する。濾液を遠心脱水して分取HPLCによって分離(トリフルオロ酢酸系)して表題化合物1を得る。
【0117】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.93(s,1H),7.78(d,J=8.0Hz,1H),7.70(d,J=2.0Hz,1H),7.50(d,J=8.8Hz,1H),7.34-7.17(m,3H),7.03(s,2H),6.72(d,J=2.4Hz,1H),3.77(s,7H),3.12(s,4H)。MS-ESI(m/z):402.2(M+H)
【0118】
実施例2:1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化35】
【0119】
ステップA:5-ブロモ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン
窒素ガスで保護して、5-ブロモインドリン-2,3-ジオン(50.00g、221.21mmol)と炭酸セシウム(144.15g、442.42mmol)とを溶解したアセトニトリル(700mL)溶液に、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸メチル(39.93g、243.33mmol)を滴加し、0℃で1時間攪拌する。反応液を2Lの水に注入して、1mol/Lの塩酸でpH値を6に調節する。析出した固体を濾過し乾燥させて、表題化合物を得る。
【0120】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.83(dd,J=2.0,8.3Hz,1H),7.68(d,J=2.0Hz,1H),7.11(d,J=8.5Hz,1H),3.11(s,3H)。
【0121】
ステップB:6-ブロモ-3-ヒドロキシ-1-メチルキノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、5-ブロモ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン(44.00g、183.30mmol)とトリエチルアミン(37.10g、366.60mmol)とを溶解したエタノール(1L)溶液に、25℃でTMSCHN(2mol/L、91.65mL)を滴加し、25℃で12時間攪拌する。反応液を半分に濃縮させて、濾過する。酢酸エチル(100mL)でケーキを洗浄し、乾燥させて表題化合物を得る。
【0122】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.78(br s,1H),7.81(d,J=2.5Hz,1H),7.54(dd,J=2.3,8.8Hz,1H),7.42(d,J=9.0Hz,1H),7.11(s,1H),3.68(s,3H)。
【0123】
ステップC:6-ブロモ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート
窒素ガスで保護して、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(39.14g、13
8.73mmol)を、6-ブロモ-3-ヒドロキシ-1-メチルキノリル-2(1H)-オン(23.50g、92.49mmol)とピリジン(21.95g、277.47mmol)とDMAP(1.13g、9.25mmol)とを溶解したジクロロメタン(400mL)に滴加する。25℃で3時間攪拌する。1Nの塩酸で反応をクエンチして、pHを6に調節する。飽和塩化ナトリウム(500mL)で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し蒸発して表題化合物を得る。
【0124】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.38(s,1H),8.15(d,J=2.3Hz,1H),7.90(dd,J=2.1,9.2Hz,1H),7.61(d,J=9.3Hz,1H),3.72(s,3H)。
【0125】
ステップD:6-ブロモ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、テトラヒドロフラン(300mL)に、6-ブロモ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート(28.00g、81.95mmol)と、5-モルホリノピリジル-2-アミノ(16.15g、90.15mmol)と、Pd(dba)(3.75g、4.10mmol)と、Xantphos(4.74g、8.20mmol)と、炭酸セシウム(53.40g、163.90mmol)とを加える。25℃で6時間攪拌する。反応液を濾過して、酢酸エチル(50mL)と水(200mL)でケーキを洗浄する。固体を乾燥させて表題化合物を得る。
【0126】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.72(d,J=11.0Hz,2H),7.97(d,J=2.8Hz,1H),7.66(d,J=2.5Hz,1H),7.50(d,J=9.0Hz,1H),7.41(ddd,J=2.6,9.0,16.9Hz,2H),7.32(d,J=9.0Hz,1H),3.97-3.67(m,7H),3.13-2.94(m,4H)。
【0127】
ステップE:1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、1,4-ジオキサン(200mL)と水(50mL)の混合溶液に、6-ブロモ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン(10.00g、24.08mmol)と、炭酸カリウム(8.32g、60.20mmol)と、Pd(dppf)Cl(7.16g、2.41mmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-1H-ピラゾール(5.61g、28.90mmol)とを加える。110℃で12時間攪拌する。反応液を濾過し、酢酸エチル(200mL)でケーキを洗浄する。水相を除去し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させて、濃縮させ、濾過して、乾燥させて表題化合物2を得る。
【0128】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.60-12.56(m,1H),8.86(s,1H),8.63(br s,1H),8.00(s,2H),8.13-7.93(m,1H),7.92-7.68(m,1H),7.53(br d,J=8.0Hz,1H),7.43(dd,J=3.0,9.0Hz,1H),7.32(d,J=9.0Hz,1H),6.81(br s,1H),3.85-3.70(m,7H),3.18-2.98(m,4H)。
(ESI)m/z:403(M+1)。
【0129】
実施例3:1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-((5-)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
【化36】
【0130】
ステップA:5-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジル-2-アミン窒素ガスで保護して、2-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3-2-ジオキサンシクロペンタボラン(2.29g、10.91mmol)と、炭酸カリウム(3.77g、27.27mmol)と、Pd(dppf)Cl(332.56mg、454.50μmol)とを、5-ヨードピリジル-2-アミン(2.00g、9.09mmol)を溶解したジオキサン(32mL)と水(8mL)の混合溶液に加え、窒素ガスで保護して、80℃で3時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、反応液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL)で2回抽出する。飽和食塩水(50mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して残留物を得て、カラムクロマトグラフィーによって表題化合物を得る。
【0131】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.12(d,J=2.3Hz,1H),7.49(dd,J=2.3,8.5Hz,1H),6.49(d,J=8.5Hz,1H),6.01-5.94(m,1H),4.58-4.37(m,2H),4.31(q,J=2.8Hz,2H),3.93(t,J=5.5Hz,2H),2.51-2.42(m,2H)。
【0132】
ステップB:5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジル-2-アミン
5-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジル-2-アミン(1.29g、7.32mmol)の酢酸エチル(5mL)と水の混合溶液に、10%パラジウム炭素(0.12g)を加え、水素ガスが充填されたバルーンで3回置換して、室温で16時間攪拌する。珪藻土で濾過し、酢酸エチル(50mL)で3回リンスし、濾液を遠心脱水して表題化合物を得る。
【0133】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.94(d,J=2.0Hz,1H),7.32(dd,J=2.3,8.5Hz,1H),6.49(d,J=8.3Hz,1H),4.35(br s,2H),4.10-4.02(m,2H),3.51(dt,J=3.3,11.2Hz,2H),2.71-2.59(m,1H),1.80-1.71(m,4H)。
【0134】
ステップC:1-メチル-3((5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジル-2-アミン(63.71mg、357.44μmol)と、炭酸セシウム(145.58mg、446.81μmol)と、Xantphos(34.47mg、59.57μmol)と、Pd(dba)(27.28mg、29.79μmol)とを、1-メチル-2-オキソ-6-(1-
((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート(150.00mg、297.87μmol)を溶解したジオキサン(8mL)溶液に加え、窒素ガスで保護して、100℃で16時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、反応液に水(30mL)を加え、ジクロロメタン(30mL)で2回抽出する。飽和食塩水(20mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して残留物を得て、カラムクロマトグラフィーによって表題化合物を得る。
【0135】
MS-ESI(m/z):532(M+H)+。
【0136】
ステップD:1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-((5-)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
室温で、1-メチル-3((5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン(100.00mg、188.07μmol)をトリフルオロ酢酸(4mL)に溶解する。95℃で3時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、遠心脱水し、反応液に水(15mL)を加え、ジクロロメタン(15mL)で2回抽出する。飽和食塩水(20mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させて残留物を得て分取HPLC(トリフルオロ酢酸)によって分離して表題化合物3を得る。
【0137】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.99(br s,1H),8.83(br s,1H),8.18(s,1H),8.06(s,1H),7.91(br d,J=8.5Hz,1H),7.74(d,J=2.0Hz,1H),7.66(br d,J=8.8Hz,1H),7.57(d,J=8.8Hz,1H),7.34(d,J=8.8Hz,1H),6.81(d,J=2.3Hz,1H),3.96(br d,J=10.8Hz,2H),3.79(s,3H),2.81-2.73(m,1H),1.75-1.67(m,4H),-0.01--0.01(m,1H)。
MS-ESI(m/z):402(M+H)+。
【0138】
実施例4:1-メチル-3-[[5-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル]アミノ]-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化37】
【0139】
ステップA:1-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン
窒素ガスで保護して、ピペラジン(2.55g、29.56mmol)と5-ブロモ-2-ニトロ-ピリジン(5g、24.63mmol)とを溶解したアセトニトリル(40mL)溶液に、炭酸カリウム(5.11g、36.95mmol)とテトラブチルアンモニウムヨージド(636.83mg、1.72mmol)とを加え、100℃で16時間攪拌する。そのまま濾過し、加熱されたアセトニトリルでケーキを洗浄し、濾液から固体が析出すると、再度濾過して、少量の常温アセトニトリルでケーキを洗浄し、最後にケーキを遠心脱水して、表題化合物を得る。
【0140】
MS-ESI(m/z):209(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.23(d,J=3.0Hz,1H),8.13(d,J=9.3Hz,1H),7.44(dd,J=3.0,9.3Hz,1H),3.43-3.38(m,4H),2.87-2.76(m,4H)。
【0141】
ステップB:1-(6-ニトロピリジン-3-イル)-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン
塩化亜鉛(1M、9.90mL)とオキセタン-3-オン(712.92mg、9.90mmol)とを溶解したメタノール(20mL)溶液に、実施例4のAの生成物(1.03g、4.95mmol)を加え、30℃で2時間攪拌して、数回に分けてシアノ水素化ホウ素ナトリウム(621.70mg、9.90mmol)を徐々に加え、50℃に加熱して14時間反応させる。そのまま濾過し、濾液及びメタノール(50mL)でそれぞれケーキを洗浄し、ケーキを遠心脱水して、表題化合物を得る。
【0142】
MS-ESI(m/z):265(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.26(br d,J=3.0Hz,1H),8.20-8.13(m,1H),7.49(dd,J=3.0,9.3Hz,1H),4.60-4.53(m,2H),4.47(t,J=6.0Hz,2H),3.54-3.49(m,4H),3.16(d,J=5.3Hz,1H),2.43-2.38(m,4H)。
【0143】
ステップC:5-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ピリジル-2-アミン
実施例4のBの生成物(990mg、3.75mmol)とパラジウム炭素(100mg、10%純度)とメタノール(150mL)の混合物を、水素ガス(15psi)において、50℃で16時間反応させる。次に珪藻土で濾過し、メタノール(100mL)でケーキを洗浄し、濾液を遠心脱水して、表題化合物を得る。
【0144】
MS-ESI(m/z):235(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.59(d,J=3.0Hz,1H),7.24-7.10(m,1H),6.40(d,J=8.8Hz,1H),5.38(s,2H),4.58-4.51(m,2H),4.44(t,J=6.0Hz,2H),3.45-3.42(m,1H),2.97-2.91(m,4H),2.40-2.34(m,4H)。
【0145】
ステップD:6-クロロ-1-メチル-3-[[5-[4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル]アミノ]キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例4のCの生成物(100mg、426.80μmol)と(6-クロロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)トリフレート(145.83mg、426.80μmol)と炭酸セシウム(278.12mg、853.60μmol)とを溶解したテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、Xantphos(49.39mg、85.36μmol)と、Pd(dba)(39.08mg、42.68μmol)とを加える。80℃で12時間攪拌する。室温に冷却し、水(50mL)を加えてクエンチし、水層をジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を分離し精製して表題化合物を得る。
【0146】
MS-ESI(m/z):426.1(M+1)。
【0147】
ステップE:1-メチル-3-[[5-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-2-イル]アミノ]-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例4のDの生成物(86mg、201.92μmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(78.36mg、403.84μmol)と炭酸セシウム(197.37mg、605.76μmol)とをジオキサン(8mL)溶液に溶解して、Brettphos-Pd(32.26mg、40.38μmol)を加え、110℃で15時間攪拌する。室温に冷却し、水(50mL)を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、分取HPLC(トリフルオロ酢酸系)によって残留物を分離し精製して表題化合物4を得る。
【0148】
MS-ESI(m/z):457.5(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.85(s,1H),8.77(s,1H),8.06(d,J=3.0Hz,1H),7.98(s,1H),7.87(dd,J=2.0,8.7Hz,1H),7.73(d,J=2.1Hz,1H),7.58-7.50(m,2H),7.36(d,J=9.0Hz,1H),6.79(d,J=2.2Hz,1H),4.82-4.75(m,4H),4.55-4.43(m,1H),3.88-3.83(m,9H),3.31(br s,2H)。
【0149】
実施例5:3-((5-(4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アミノ)-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-
イル)キノリル-2(1H)-オン
【化38】
【0150】
ステップA:t-ブチル4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピペリジノ-1-ギ酸塩
0℃で、窒素ガスで保護して、t-ブチル4-カルボニルヘキサヒドロピリジン-1-カルボン酸塩(1.2g、6.02mmol)のDMF(10mL)溶液に、トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(3.85g、27.10mmol)を一滴ずつ加え、25℃で2時間攪拌して、水(100mL)を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL×2)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発して、表題化合物を得る。
【0151】
ステップB:4-(トリフルオロメチル)ピペリジニル-4-オール
窒素ガスで保護して、実施例5のAの生成物(1.6g、5.94mmol)にトリフルオロ酢酸(2mL)と、ジクロロメタン(10mL)とを加えて25℃で12時間反応させる。反応混合液を減圧蒸発して表題化合物を得る。
【0152】
ステップC:1-(6-ニトロピリジン-3-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピペリジニル-4-オール
窒素ガスで保護して、実施例5のBの生成物(1.67g、5.90mmol)と、5-ブロモ-2-ニトロピリジン(1.32g、6.49mmol)と、炭酸カリウム(4.08g、29.49mmol)とをDMF(50mL)に加え、100℃で混合物を10時間攪拌して、水(50mL)で希釈する。酢酸エチル(50mL×3)で水層を抽出する。有機層を合わせて塩水(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0153】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.29(d,J=3.0Hz,1H),8.14(d,J=9.3Hz,1H),7.52(dd,J=3.0,9.3Hz,1H),6.18(s,1H),4.10-4.03(m,2H),3.29-3.19(m,2H),1.80-1.72(m,4H)。
【0154】
ステップD:1-(6-アミノピリジン-3-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピペリジニル-4-オール
窒素ガスで保護して、実施例5のCの生成物(810mg、2.78mmol)のメタノ
ール(20mL)溶液に、10%の湿潤されたパラジウム炭素(81mg)を加える。次に、水素ガスで3回置換して、25℃で、窒素ガス(15psi)雰囲気において15時間攪拌し、珪藻土で反応液を濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0155】
MS-ESI(m/z):262(M+1)。
【0156】
ステップE:6-クロロ-3-[[5-[4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル]ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例5のDの生成物(275.24mg、1.05mmol)と、(6-クロロ-1-メチル-2-オキシ-3-キノリル)トリフレート(300mg、877.99μmol)と、Pd(dba)(80.40mg、87.80μmol)と、炭酸セシウム(572.13mg、1.76mmol)と、Xantphos(76.20mg、131.70μmol)とをテトラヒドロフラン(10.00mL)に加え、25℃で混合物を4時間攪拌する。水(20mL)で希釈し、水層をジクロロメタン(20mL×3)で抽出する。有機層を合わせて塩水(20mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0157】
MS-ESI(m/z):453(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.72(s,1H),8.67(s,1H),8.01(d,J=2.8Hz,1H),7.65(d,J=2.0Hz,1H),7.50(d,J=9.0Hz,1H),7.45(dd,J=2.8,9.0Hz,1H),7.41-7.36(m,1H),7.29(d,J=9.0Hz,1H),6.01(s,1H),3.75(s,3H),3.53(br d,J=11.8Hz,2H),2.97-2.87(m,2H),1.84-1.71(m,4H)。
【0158】
ステップF:3-((5-(4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピペリジン-2-イル)アミノ)-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例5のEの生成物(330mg、728.70μmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-1H-ピラゾール(212.10mg、1.09mmol)と、[2-(2-アミノエチル)フェニル]-クロロ-パラジウムと、ビスシクロヘキシル-[3,6-ジメトキシ-2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]リン酸塩(58.21mg、72.87μmol)と、炭酸セシウム(712.28mg、2.19mmol)とをジメチルスルホキシド(8mL)と水(2mL)の混合溶液に加え、120℃で混合物を10時間攪拌する。水(30mL)で希釈して、水層をジクロロメタン(30mL×3)で抽出する。有機層を合わせて塩水(30mL×2)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物5を得る。
【0159】
MS-ESI(m/z):485(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.41-12.81(m,1H),8.85(br s,1H),8.62(br s,1H),8.02(br d,J=18.3Hz,2H),7.92-7.74(m,1H),7.62-7.41(m,2H),7.30(br d,J=8.0Hz,1H),6.80(br s,1H),6.00(br s,1H),3.79(br s,3H),3.52(br s,2H),2.93(br t,J=11.2Hz,2H),1.90-1.69(m,4H
)。
【0160】
実施例6:7-フルオロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化39】
【0161】
ステップA:(E)-N-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-2-(オキシミド)アセトアミド
4-ブロモ-3-フルオロ-アニリン(5.00g、26.31mmol)の水溶液(150.00mL)に、2,2,2-トリクロロエタン-1,1-ジオール(5.66g、34.20mmol)と、硫酸ナトリウム(8.22g、57.88mmol)と、塩酸ヒドロキシルアミン(7.31g、105.24mmol)と、塩酸(2.50mL)とを加える。反応液を100℃に加熱して16時間攪拌する。濾過して、水(200mL)でケーキを洗浄する。固体を乾燥させて表題化合物を得る。
【0162】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.30(s,1H),10.50(s,1H),7.83(dd,J=2.4,11.4Hz,1H),7.69-7.61(m,2H),7.46(dd,J=2.0,8.8Hz,1H)。
【0163】
ステップB:5-ブロモ-6-フルオロインドリン-2,3-ジオン
(E)-N-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-2-(オキシミド)アセトアミド(2.00g、7.66mmol)を硫酸(10.00mL)に溶解し、反応液を80℃に加熱して1時間攪拌する。反応液を水(50mL)に注入する。析出した固体を濾過し乾燥させて表題化合物を得る。
【0164】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=11.30(s,1H),7.99-7.75(m,1H),6.94(d,J=8.8Hz,1H)。
【0165】
ステップC:5-ブロモ-6-フルオロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン
窒素ガスで保護して、0℃で5-ブロモ-6-フルオロインドリン-2,3-ジオン(800.00mg、3.28mmol)のアセトニトリル(20.00mL)溶液に炭酸セシウム(2.14g、6.56mmol)と、トリフルオロメタンスルホン酸メチル(645.59mg、3.94mmol)とを加える。0℃で、2時間攪拌する。水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL)で3回抽出する。飽和食塩水(100mL)で有機相を洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し蒸発して、表題化合物を得る。
【0166】
ステップD:6-ブロモ-7-フルオロ-3-ヒドロキシ-1-メチルキノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、0℃で、5-ブロモ-6-フルオロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン(800mg、3.10mmol)とトリエチルアミン(627.44mg、6.20mmol)とを溶解したエタノール(30mL)溶液にTMSCHN(2mol/L、1.86mL)を滴加し、25℃で16時間攪拌する。反応液を濃縮させて表題化合物を得る。
【0167】
MS-ESI(m/z):272(M+H)+。
【0168】
ステップE:6-ブロモ7-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート
窒素ガスで保護して、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.87g、6.62mmol)を、6-ブロモ-7-フルオロ-3-ヒドロキシ-1-メチルキノリル-2(1H)-オン(1.2g、4.41mmol)とピリジン(697.76mg、8.82mmol)とDMAP(538.85mg、4.41mmol)とを溶解したジクロロメタン(20mL)溶液に滴加する。25℃で16時間攪拌する。1Nの塩酸で反応をクエンチして、pHを6に調節する。ジクロロメタン(50mL)で3回抽出する。有機相を合わせて、飽和塩化ナトリウム(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過して蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0169】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.85(d,J=7.0Hz,1H),7.63(s,1H),7.19(d,J=10.0Hz,1H),3.76(s,3H)。
【0170】
ステップF:6-ブロモ-7-フルオロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、テトラヒドロフラン(10mL)に、6-ブロモ7-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート(300mg、0.742mmol)と、5-モルホリノピリジル-2-アミノ(146.35mg、816.57μmol)と、Pd(dba)(67.98mg、74.23μmol)と、Xantphos(85.91mg、148.47μmol)と、炭酸セシウム(483.74mg、1.48mmol)とを加える。25℃で12時間攪拌する。反応液を濾過し、酢酸エチル(20mL)及び水(50mL)でケーキを洗浄する。乾燥させて表題化合物を得る。
【0171】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.72(s,1H),8.03(d,J=2.8Hz,1H),7.87(s,1H),7.78(d,J=7.3Hz,1H),7.30(br d,J=3.0Hz,1H),7.12(d,J=10.5Hz,1H),6.83(d,J=9.0Hz,1H),3.97-3.87(m,4H),3.80(s,3H),3.22-3.07(m,4H)。
【0172】
ステップG:7-フルオロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、1,4-ジオキサン(4mL)と水(1mL)の混合溶液に、6-ブロモ-7-フルオロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン(50mg、115.4μmol)と、炭酸カリウム(31.9mg、230.8μmol)と、Pd(dppf)Cl(8.44mg、11.54μmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリ
ナン-2-イル)-1H-ピラゾール(33.59mg、173.1μmol)とを加える。100℃で8時間攪拌する。反応液を濾過し、濾液を濃縮させて、分取HPLCによって残留物を分離して表題化合物6を得る。
【0173】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.80(s,1H),8.71(br s,1H),8.11(d,J=8.0Hz,1H),7.96(d,J=2.8Hz,1H),7.79(d,J=1.8Hz,1H),7.54-7.43(m,2H),7.32(d,J=9.0Hz,1H),6.68(dd,J=2.3,3.5Hz,1H),3.80-3.71(m,7H),3.13-3.04(m,4H)。
(ESI)m/z:421(M+1)
【0174】
実施例7:5-クロロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化40】
【0175】
ステップA:5-ブロモ-4-クロロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン
25℃で、NBS(181.54mg、1.02mmol)を4-クロロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン(200mg、1.02mmol)を溶解したアセトニトリル(7mL)と水(7mL)の混合溶液に加える。12時間攪拌して、反応液を濾過し、ケーキを乾燥させて表題化合物を得る。
【0176】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.02(d,J=8.5Hz,1H),7.10(d,J=8.5Hz,1H),3.14(s,3H)。
【0177】
ステップB:6-ブロモ-5-クロロ-3-ヒドロキシ-1-メチルキノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、5-ブロモ-4-クロロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン(500mg、1.82mmol)とトリエチルアミン(368.63mg、3.64mmol)とを溶解したエタノール(15mL)溶液に、25℃でTMSCHN(2mol/L、1.09mL)を滴加して、25℃で12時間攪拌する。反応液を濃縮させて表題化合物の粗品を得て、そのまま次のステップの反応に使用する。
【0178】
ステップC:6-ブロモ-5-クロロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート
窒素ガスで保護して、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.03g、3.65mmol)を、6-ブロモ-5-クロロ-3-ヒドロキシ-1-メチルキノリル-2(1H)-オン(700mg、2.43mmol)とピリジン(576.64mg、7.29mmol)とDMAP(29.69mg、0.243mmol)とを溶解したジクロロ
メタン(20mL)に滴加する。25℃で3時間攪拌する。1Nの塩酸で反応をクエンチして、pHを6に調節する。ジクロロメタン(100mL)で3回抽出する。有機相を合わせて、飽和塩化ナトリウム(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過して蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0179】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.46(s,1H),8.09(d,J=9.3Hz,1H),7.63(d,J=9.3Hz,1H),3.75(s,3H)。
【0180】
ステップD:6-ブロモ-5-クロロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、テトラヒドロフラン(10mL)に、6-ブロモ-5-クロロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート(250mg、0.594mmol)と、5-モルホリノピリジル-2-アミノ(127.83mg、713.28μmol)と、Pd(dba)(54.43mg、59.44μmol)と、Xantphos(51.59mg、89.16μmol)と、炭酸セシウム(387.33mg、1.19mmol)とを加える。25℃で3時間攪拌する。反応液を濃縮させて、酢酸エチル(20mL)でパルプ化させる。濾過し、乾燥させて表題化合物を得る。
【0181】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.27(s,1H),8.93(s,1H),8.01(d,J=2.5Hz,1H),7.69(d,J=9.0Hz,1H),7.46(br d,J=8.8Hz,2H),7.42-7.33(m,1H),3.80-3.72(m,7H),3.10(br s,4H)。
【0182】
ステップE:5-クロロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、1,4-ジオキサン(4mL)と水(1mL)の混合溶液に、6-ブロモ-5-クロロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン(150mg、333.53μmol)と、炭酸カリウム(138.29mg、1.0mmol)と、Pd(dppf)Cl(24.4mg、33.35μmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-1H-ピラゾール(97.08mg、500.3μmol)とを加える。110℃で8時間攪拌する。反応液を濾過し、酢酸エチル(30mL)でケーキを洗浄する。濾液を濃縮させて、高速液体クロマトグラフィーによって残留物を分離して表題化合物7を得る。
【0183】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.35(s,1H),8.88(s,1H),8.00(d,J=2.8Hz,1H),7.80(d,J=2.0Hz,1H),7.74(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.48(dd,J=3.0,9.0Hz,1H),7.37(d,J=9.0Hz,1H),6.77(d,J=2.3Hz,1H),3.82(s,3H),3.78-3.73(m,4H),3.14-3.08(m,1H),3.39-2.90(m,4H)。
(ESI)m/z:437(M+1)。
【0184】
実施例8:5,7-ジフルオロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化41】
【0185】
実施例8は、実施例6に記載の製造方法を参照して、4-ブロモ-3,5-ジフルオロアニリンで製造できる。
【0186】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.98(s,1H),8.80(s,1H),7.99(d,J=3.0Hz,1H),7.84(br s,1H),7.47-7.39(m,2H),7.37-7.32(m,1H),7.24-6.95(m,1H),6.62(s,1H),3.77(s,3H),3.75(br d,J=5.5Hz,4H),3.12-3.06(m,4H)。
【0187】
実施例9:5-フルオロ-1-メチル-3-((5-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化42】
【0188】
ステップA:4-フルオロ-1-メチル-1H-インドール
窒素ガスで保護して、4-フルオロ-1H-インドール(59.00g、436.59mmol)のテトラヒドロフラン(600mL)溶液に、0℃で水素化ナトリウム(19.24g、480.99mmol、純度60%)を加え、30分間攪拌してトリフルオロメタンスルホン酸メチル(93.14g、567.57mmol、62.09mL)を加える。15℃で引き続き2時間攪拌する。飽和塩化アンモニウム(1L)で反応液をクエンチして、酢酸エチル(500mL)で3回抽出する。飽和食塩水(1L)で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し濃縮させて、カラムクロマトグラフィーによって残留物から表題化合物を得る。
【0189】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.22-7.08(m,2H)
,7.03(br d,J=3.0Hz,1H),6.86-6.73(m,1H),6.58(d,J=2.5Hz,1H),3.81(s,3H)。
【0190】
ステップB:4-フルオロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン
窒素ガスで保護して、4-フルオロ-1-メチル-1H-インドール(55.00g、368.72mmol)のジメチルスルホキシド(400mL)溶液に、NBS(65.63g、368.72mmol)を加え、20℃で1時間攪拌する。もう一部のNBS(65.63g、368.72mmol)を加えて、反応液を60℃に加熱して引き続き10時間攪拌する。反応液を水(6L)に注入して、濾過する。ケーキをアセトン(2L)に溶解して、不溶物を濾過し、アセトン(500mL)でケーキを洗浄する。濾液を濃縮させて、カラムクロマトグラフィーによって残留物から表題化合物を得る。
【0191】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.72(dt,J=5.8,8.2Hz,1H),6.99(d,J=7.8Hz,1H),6.93(t,J=8.8Hz,1H),3.15(s,3H)。
【0192】
ステップC:5-ブロモ-4-フルオロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン
窒素ガスで保護して、4-フルオロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン(31.0g、173.04mmol)を溶解したアセトニトリル(300mL)と水(600mL)の混合溶液にNBS(40.04g、224.95mmol)を加える。15℃で16時間攪拌する。反応液を濾過し、水(300mL)でケーキを洗浄し、乾燥させて表題化合物を得る。
【0193】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.99(dd,J=7.3,8.3Hz,1H),6.98(d,J=8.5Hz,1H),3.14(s,3H)。
【0194】
ステップD:6-ブロモ-5-フルオロ-3-ヒドロキシ-1-メチルキノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、0℃で、5-ブロモ-4-フルオロ-1-メチルインドリン-2,3-ジオン(32.00g、124.01mmol)とトリエチルアミン(25.1g、248.02mmol)とを溶解したエタノール(300mL)溶液にTMSCHN(2mol/L、65.11mL)を滴加し、0~15℃で1時間攪拌する。反応液を濃縮させて、酢酸エチル(500mL)で残留物をパルプ化させる。濾過し、ケーキを乾燥させて表題化合物を得る。
【0195】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=10.17(br s,1H),7.65(dd,J=7.5,9.0Hz,1H),7.30(d,J=9.0Hz,1H),7.11(s,1H),3.69(s,3H)。
【0196】
ステップE:6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート
窒素ガスで保護して、0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(13.48g、47.78mmol)を、6-ブロモ-5-フルオロ-3-ヒドロキシ-1-メチルキノリル-2(1H)-オン(10.0g、36.76mmol)とピリジン(8.72g、110.27mmol)とDMAP(449.04mg、3.68mmol)とを溶解したジクロロメタン(200mL)に滴加する。15℃で1時間攪拌する。水(300mL)で反応液をクエンチし、1Nの塩酸でpHを5に調節する。飽和塩化ナトリウム(250mL)で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し蒸発して表題化合物を得る。
【0197】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.93(s,1H),7.82-7.75(m,1H),7.11(d,J=9.0Hz,1H),3.79(s,3H)。
【0198】
ステップF:6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-3-((5-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、テトラヒドロフラン(200mL)に、6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート(10.00g、24.74mmol)と、5-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジル-2-アミノ(6.38g、27.21mmol)と、Pd(dba)(2.27g、2.47mmol)と、Xantphos(2.15g、3.71mmol)と、炭酸セシウム(16.12g、49.48mmol)とを加える。50℃で16時間攪拌する。反応液を水(200mL)に加え、濾過し、酢酸エチル(100mL)でケーキをパルプ化させる。濾過し、固体を乾燥させて表題化合物を得る。
【0199】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.07-8.76(m,2H),8.00(br d,J=2.3Hz,1H),7.68-7.40(m,2H),7.32(br dd,J=9.0,13.3Hz,2H),4.71-4.39(m,4H),3.75(s,3H),3.52-3.39(m,1H),3.14(br s,4H),2.42(br s,4H)。
【0200】
ステップG:5-フルオロ-1-メチル-3-((5-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、1,4-ジオキサン(160mL)と水(40mL)の混合溶液に、6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-3-((5-(4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン(9.00g、18.43mmol)と、炭酸カリウム(6.37g、46.07mmol)と、Pd(dppf)Cl(1.08g、1.47mmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-1H-ピラゾール(5.36g、27.64mmol)とを加える。110℃で16時間攪拌する。反応液を冷却して固体が析出すると、濾過する。水(200mL)と酢酸エチル(100mL)でケーキを洗浄する。ケーキを乾燥させて表題化合物9を得る。
【0201】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.08(br s,1H),9.04(br s,1H),8.78(br s,1H),8.16-7.70(m,3H),7.57-7.23(m,3H),6.73(br s,1H),4.74-4.37(m,4H),3.79(br s,3H),3.56(br s,2H),3.14(br s,3H),2.42(br s,4H)。
【0202】
実施例10:5-フルオロ-3-[[5-[4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル]ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化43】
【0203】
ステップA:6-ブロモ-5-フルオロ-3-[[5-[4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル]ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、(6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-3-キノリル)トリフレート(220mg、544.38μmol)と1-(6-アミノ-3-ピリジル)-4-(トリフルオロメチル)ピペリジニル-4-オール(213.32mg、544.38μmol)とPd(dba)(49.85mg、54.44μmol)とXantphos(47.25mg、81.66μmol)と炭酸セシウム(354.74mg、1.09mmol)とをテトラヒドロフラン(10mL)に溶解して、25℃で混合物を2時間反応させ、水(20mL)を加えてクエンチし、水層をジクロロメタン(20mL×2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(20mL×2)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0204】
LCMS(ESI)m/z:515(M+1)。
【0205】
ステップB:5-フルオロ-3-[[5-[4-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル]ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例10のAの生成物(220mg、426.94μmol)と、5-(4,4,5,5-テトラメチル1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-1H-ピリジン(124.27mg、640.41μmol)と、Pd(dppf)Cl(31.24mg、42.69μmol)と、炭酸カリウム(177.02mg、1.28mmol)とをジオキサン(8mL)と水(2mL)に溶解して、120℃で混合物を10時間反応させる。室温に冷却して、水(20mL)で希釈し、水層をジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機層を合わせて塩水(20mL×3)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物10を得る。
【0206】
LCMS(ESI)m/z:503(M+1)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.38-13.04(m,1H),9.04(s,1H),8.86-8.72(m,1H),8.06(d,J=2.8Hz,1H),7.96(br t,J=8.3Hz,1H),7.87(br s,1H),7.46(dd,J=2.8,9.0Hz,1H),7.40(br d,J=
9.0Hz,1H),7.32(d,J=9.0Hz,1H),6.73(br s,1H),6.00(s,1H),3.79(s,3H),3.63-3.50(m,4H),2.93(br t,J=11.2Hz,2H),1.86-1.77(m,2H)。
【0207】
実施例11:5-フルオロ-1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化44】
【0208】
実施例11は、実施例10に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0209】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.01(s,1H),8.85(br s,1H),8.01(d,J=3.0Hz,1H),7.93(t,J=8.4Hz,1H),7.81(d,J=2.0Hz,1H),7.47(br d,J=9.0Hz,1H),7.42(d,J=8.8Hz,1H),7.35(d,J=9.0Hz,1H),6.73(dd,J=2.3,3.5Hz,1H),3.79(s,3H),3.77-3.74(m,4H),3.13-3.06(m,4H)。
MS-ESI(m/z):421(M+H)。
【0210】
実施例12:5-フルオロ-1-メチル-3-[[5-(2-オキサゾリル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-6-(1H-ピラジル-3)キノリル-2(1H)-オン
【化45】
【0211】
ステップA:7-(6-ニトロ-3-ピリジル)-2-オキサゾリル-7-アザスピロ[3.5]ノナン
2-オキサゾリル-7-アザスピロ[3.5]ノナンオキサラート(1.00g、4.60mmol)と炭酸カリウム(1.91g、13.80mmol)とを溶解したジメチルスルホキシド(15mL)溶液に、5-ブロモ-2-ニトロ-ピリジン(1.12g、5
.52mmol)を加え、窒素ガスで保護して、100℃で14時間攪拌し、室温に冷却し、水(50mL)を加えてクエンチし、水層をジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0212】
LCMS(ESI)m/z:250(M+1)。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.15-8.11(m,2H),7.21(dd,J=3.1,9.2Hz,1H),4.50(s,4H),3.44-3.38(m,4H),2.06-2.00(m,4H)。
【0213】
ステップB:5-(2-オキサゾリル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7イル)ピリジル-2-アミン
実施例12のAの生成物(1g、4.01mmol)とラネーニッケル(34.35mg、401.00μmol)とをメタノール(110mL)に溶解して、水素ガス(15psi)において、30℃で混合物を15時間反応する。次に珪藻土で濾過し、メタノール(200mL)でケーキを洗浄し、濾液を遠心脱水して、表題化合物を得る。
【0214】
LCMS(ESI)m/z:219.9(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.59(d,J=2.8Hz,1H),7.14(dd,J=3.0,8.8Hz,1H),6.37(d,J=8.8Hz,1H),5.38(s,2H),4.31(s,4H),2.86-2.74(m,4H),1.96-1.80(m,4H)。
【0215】
ステップC:6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-3-[[5-(2-オキサゾリル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)-2-ピリジル]アミノ]キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例12のBの生成物(97.67mg、445.40μmol)と(6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-3-キノリル)トリフレート(150.00mg、371.17μmol)と炭酸セシウム(241.87mg、742.34μmol)とがテトラヒドロフラン(5mL)に溶解した混合物に、Xantphos(42.95mg、74.23μmol)と、Pd(dba)(33.99mg、37.12μmol)とを加える。80℃で4時間攪拌して、反応液を濾紙で濾過し、濾液でケーキを3回洗浄し、最後にケーキを乾燥させて表題化合物を得る。
【0216】
LCMS(ESI)m/z:473/475(M/M+2)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.91(s,1H),8.87(s,1H),7.99(d,J=2.5Hz,1H),7.59(t,J=8.3Hz,1H),7.43(dd,J=3.1,9.2Hz,1H),7.35-7.29(m,2H),4.34(s,4H),3.75(s,3H),3.07-3.01(m,4H),1.94-1.86(m,4H)。
【0217】
ステップD:5-フルオロ-1-メチル-3-[[5-(2-オキサゾリル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-6-(1H-ピラジル-3)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例12のCの生成物と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(131.18mg、676.04μmol)と、炭酸カリウム(140.15mg、1.01mmol)とをジオキサン(4mL)と水(1mL)の混合溶液に溶解して、Pd(dppf)Cl(24.73mg、33.80μmol)を加え、110℃で12時間攪拌する。室温に冷却し、水(50mL)を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(50mL×4)で抽出し
、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、残留物にジメチルスルホキシド(10mL)とトリフルオロ酢酸(0.15mL)とを加えて、攪拌しながら水(30mL)を注入し、濾過し、酢酸エチル(20mL)でケーキを洗浄し、最後に50℃でジクロロメタン(20mL)とメタノール(20mL)でケーキを再結晶させて、表題化合物12を得る。
【0218】
MS-ESI(m/z):461(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.43(br s,1H),9.08-8.98(m,1H),8.84-8.70(m,1H),8.26-8.11(m,1H),8.05-7.92(m,2H),7.58-7.50(m,1H),7.41(d,J=8.8Hz,1H),6.84(br s,1H),4.40(s,3H),3.76(s,3H),3.58-3.44(m,5H),2.26(br s,3H),1.96-1.83(m,1H)。
【0219】
実施例13:(R)5-フルオロ-1-メチル-3-((5-(-3-メチルモルホリニル)ピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化46】
【0220】
実施例13は、実施例12に記載の製造方法を参照して、(3R)-3-メチルモルホリンを使用して製造できる。
【0221】
MS-ESI(m/z):435(M+H)
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ=8.20(dd,J=2.6,9.9Hz,1H),7.97(d,J=2.8Hz,1H),7.88(t,J=8.4Hz,1H),7.82(d,J=2.3Hz,1H),7.48(d,J=9.8Hz,1H),7.42(d,J=9.0Hz,1H),7.32(s,1H),6.78(t,J=2.6Hz,1H),4.22(br d,J=7.5Hz,1H),4.10(dd,J=3.6,11.4Hz,1H),3.92-3.75(m,1H),3.94-3.75(m,5H),3.75-3.65(m,1H),3.62-3.51(m,1H),1.43(d,J=6.8Hz,3H)。
【0222】
実施例14:(S)5-フルオロ-1-メチル-3-((5-(-3-メチルモルホリニル)ピリジン-2-イル)アミノ)-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化47】
【0223】
実施例14は、実施例12に記載の製造方法を参照して、(3S)-3-メチルモルホリンを使用して製造できる。
【0224】
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ=8.20(dd,J=2.6,9.9Hz,1H),7.97(d,J=2.8Hz,1H),7.88(t,J=8.4Hz,1H),7.82(d,J=2.3Hz,1H),7.48(d,J=9.8Hz,1H),7.42(d,J=9.0Hz,1H),7.32(s,1H),6.78(t,J=2.6Hz,1H),4.22(br d,J=7.5Hz,1H),4.10(dd,J=3.6,11.4Hz,1H),3.92-3.75(m,1H),3.94-3.75(m,5H),3.75-3.65(m,1H),3.62-3.51(m,1H),1.43(d,J=6.8Hz,3H)。
MS-ESI(m/z):435(M+H)
【0225】
実施例15:5-フルオロ-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-3-(ピリジル-2-アミン)-キノリル-2(1H)-オン
【化48】
【0226】
実施例15は、実施例12に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0227】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.09(br s,1H),9.18(s,1H),8.98(br s,1H),8.38-8.31(m,1H),8.01(br s,1H),7.87(br s,1H),7.71-7.62(m,1H),7.47-7.37(m,2H),6.95-6.88(m,1H),6.75(br d,J=2.0Hz,1H),3.80(s,3H)。
MS-ESI(m/z):336.0(M+H)
【0228】
実施例16:3-((5-アミノピリジン-2-イル)アミノ)-5-フルオロ-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化49】
【0229】
実施例16は、実施例12に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0230】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.98(d,J=7.5Hz,2H),8.09(s,1H),7.96(t,J=8.5Hz,1H),7.83(s,1H),7.44(d,J=9.0Hz,1H),7.42-7.37(m,2H),6.74(br s,1H),3.80(s,3H)。
MS-ESI(m/z):350.9(M+H)
【0231】
実施例17:1-(6-((5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-1,2-ジヒドロキノリン3-イル)アミン)ピリジン-3-イル)-3-ピペリジニル-3-カルボン酸
【化50】
【0232】
実施例17は、実施例12に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0233】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.99(s,1H),8.86(br s,1H),7.99(br s,1H),7.97-7.92(m,1H),7.83(s,1H),7.43(br d,J=8.8Hz,2H),7.38-7.31(m,1H),6.74(br s,1H),3.80(s,3H),3.71-3.70(m,1H),3.31(br d,J=11.8Hz,1H),2.65(br d,J=16.1Hz,1H),2.05(br d,J=13.1Hz,1H),1.76-1.63(m,2H),1.33-1.22(m,1H),1.17(s,3H)。
MS-ESI(m/z):477.2(M+H)+。
【0234】
実施例18:(3R)-1-[6-[[5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル]アミノ]ピリジン-3-イル]ピペリジニル-3-カルボン酸
【化51】
【0235】
ステップA:(3R)-1-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペリジニル-3-ギ酸エチル
(3R)-ピペリジニル-3-ギ酸エチル(1.00g、6.36mmol)と炭酸カリウム(2.64g、19.08mmol)とを溶解したジメチルスルホキシド(10mL)溶液に、5-ブロモ-2-ニトロ-ピリジン(1.32g、6.49mmol)を加え、85℃で14時間攪拌して、室温に冷却し、水(50mL)を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(50mL×5)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL×2
)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0236】
LCMS(ESI)m/z:280.1(M+1)。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.17-8.13(m,2H),7.24(dd,J=3.0,9.0Hz,1H),4.18(q,J=7.3Hz,2H),3.88(dd,J=3.8,13.3Hz,1H),3.74-3.66(m,1H),3.48(dd,J=9.0,13.3Hz,1H),3.23(ddd,J=3.3,9.8,13.1Hz,1H),2.72-2.61(m,1H),2.14-2.05(m,1H),1.94-1.83(m,2H),1.76-1.67(m,1H),1.29-1.25(m,3H)。
【0237】
ステップB:(3R)-1-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペリジニル-3-ギ酸エチル
実施例18のAの生成物(1g、3.58mmol)とラネーニッケル(30.67mg)とがメタノール(50mL)に溶解した混合物を、水素ガス(15psi)において、23℃で15時間反応させる。次に珪藻土で濾過し、メタノール(200mL)でケーキを洗浄し、濾液を遠心脱水して、表題化合物を得る。
【0238】
LCMS(ESI)m/z:250.1(M+1)。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.79(br s,1H),7.20(dd,J=2.4,8.7Hz,1H),6.48(d,J=8.8Hz,1H),4.19-4.14(m,2H),3.72(s,1H),3.44(br d,J=9.5Hz,1H),3.22(br d,J=11.5Hz,1H),2.97-2.87(m,1H),2.76-2.67(m,2H),2.05-1.96(m,1H),1.69-1.58(m,2H),1.28(t,J=7.2Hz,3H)。
【0239】
ステップC:(3R)-1-[6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)アミノ]ピリジン-3-イル]ピペリジニル-3-ギ酸エチル
窒素ガスで保護して、実施例18のBの生成物(200mg、802.21μmol)と(6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-3-キノリル)トリフレート(356.62mg、882.43μmol)と炭酸セシウム(392.07mg、1.2mmol)とがテトラヒドロフラン(15mL)に溶解した混合物に、Xantphos(69.63mg、120.33μmol)と、Pd(dba)(73.46mg、80.22μmol)とを加え、15℃で16時間攪拌する。水(50mL)を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0240】
LCMS(ESI)m/z:503/505.0(M/M+2)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.90(s,1H),8.86(s,1H),7.98(d,J=2.8Hz,1H),7.57(dd,J=7.7,8.9Hz,1H),7.45-7.37(m,1H),7.35-7.26(m,2H),4.09(q,J=7.2Hz,2H),3.74(s,3H),3.61-3.52(m,1H),2.97(dd,J=9.5,11.8Hz,1H),2.86-2.76(m,1H),2.74-2.61(m,1H),1.95-1.68(m,3H),1.67-1.54(m,2H),1.24-1.14(m,3H)。
【0241】
ステップD:(3R)-1-[6-[[5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-6-(
1H-ピラゾール-3-イル)-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル]アミノ]ピリジン-3-イル]ピペリジニル-3-カルボン酸
窒素ガスで保護して、実施例1のCの生成物(350mg、695.33μmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(148.41mg、764.86μmol)と、炭酸セシウム(453.10mg、1.39mmol)とをジオキサン(8mL)と水(2mL)の混合溶液に溶解して、Pd(dppf)Cl(50.88mg、69.53μmol)を加え、110℃で12時間攪拌する。室温に冷却し、反応液を遠心脱水し、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製し、最後にキラル分割して、表題化合物18を得る。ee値は98.06%である。
【0242】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.04(s,1H),8.78(s,1H),8.00(d,J=2.8Hz,1H),7.92(br t,J=8.2Hz,1H),7.81(br s,1H),7.45-7.38(m,2H),7.36-7.29(m,1H),6.73(dd,J=2.1,3.6Hz,1H),3.79(s,3H),3.57(br d,J=8.8Hz,1H),3.17(d,J=4.3Hz,1H),2.99-2.87(m,1H),2.79(br t,J=9.4Hz,1H),2.56(br d,J=9.5Hz,1H),1.90(br d,J=8.5Hz,1H),1.79-1.71(m,1H),1.66-1.51(m,2H)。
MS-ESI(m/z):463.1(M+H)+。
【0243】
実施例19:(3S)-1-[6-[[5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル]アミン]ピリジン-3-イル]ピペリジニル-3-カルボン酸
【化52】
【0244】
実施例18に記載の方法を参照して、(3S)-ピペリジニル-3-カルボン酸塩を使用して製造する。
【0245】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.05(s,1H),8.78(s,1H),8.01(d,J=2.8Hz,1H),7.93(br t,J=8.4Hz,1H),7.82(br s,1H),7.46-7.38(m,2H),7.32(d,J=9.0Hz,1H),7.35-7.27(m,1H),6.74(dd,J=2.1,3.8Hz,1H),4.35(br s,1H),3.80(s,3H),3.77(br d,J=6.1Hz,1H),3.57(br d,J=11.2Hz,1H),2.97-2.88(m,1H),2.79(br t,J=9.4Hz,1H),2.62-2.54(m,1H),1.91(br d,J=8.9Hz,1H),1.74(br d,J=3.4Hz,1H),1.67-1.51(m,2H)。MS-ESI(m/z):463.1(M+H)+。
【0246】
実施例20:5-フルオロ-3-[[5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-6-(1H-ピリジン-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化53】
【0247】
ステップA:2-(6-アミノ-3-ピリジル)プロパン-2-オール
0℃で、窒素ガスで保護して、メチル6-アミノピリジル-3-ギ酸メチル(3.2g、21.03mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液にメチルクロロマグネシウム(70.10mL、3mol)を一滴ずつ加え、25℃で15時間攪拌して、水(50mL)を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(50mL×2)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させて、表題化合物を得る。
【0248】
LCMS(ESI)m/z:153(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.96(d,J=2.3Hz,1H),7.45(dd,J=2.5,8.5Hz,1H),6.39(d,J=8.5Hz,1H),5.74(br s,2H),4.85(s,1H),1.36(s,6H)。
【0249】
ステップB:6-ブロモ-5-フルオロ-3-[[5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-キノリル-2-オン
窒素ガスで保護して、実施例20のAの生成物(400mg、2.63mmol)と(6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-2-オキソ-3-キノリル)トリフレート(1.12g、2.76mmol)とPd(dba)(240.68mg、0.263mmol)とXantphos(228.12mg、0.3945mmol)と炭酸セシウム(1.71g、5.26mmol)とがテトラヒドロフラン(40mL)に溶解して、25℃で混合物を15時間反応させる。室温に冷却し、水(30mL)で希釈して、水層を酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機層を合わせて塩水(30mL×3)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0250】
LCMS(ESI)m/z:406(M+1)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.05(s,1H),9.00(s,1H),8.41(d,J=2.5Hz,1H),7.74(dd,J=2.4,8.7Hz,1H),7.63(dd,J=7.5,9.0Hz,1H),7.37-7.31(m,2H),5.08(s,1H),3.76(s,3H),1.45(s,6H)。
【0251】
ステップC:5-フルオロ-3-[[5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-6-(1H-ピリジン-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例20のBの生成物(100mg、0.24615mmol)
と3-(4,4,5,5-テトラメチル1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(52.54mg、0.27077mmol)とPd(dppf)Cl(18.01mg、0.02462mmol)と炭酸カリウム(102.06mg、0.73845mmol)とがジオキサン(2mL)と水(0.5mL)に溶解し、100℃で混合物を15時間攪拌して、水(20mL)で水層を希釈してジクロロメタン(20mL×3)で抽出する。有機層を合わせて塩水(20mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、分取HPLC(トリフルオロ酢酸系)によって残留物を精製して表題化合物20を得る。
【0252】
LCMS(ESI)m/z:394(M+1)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.12(br s,1H),9.17(s,1H),8.92(s,1H),8.42(d,J=1.8Hz,1H),7.96(br t,J=8.4Hz,1H),7.82(br s,1H),7.74(dd,J=2.3,8.8Hz,1H),7.43(d,J=9.0Hz,1H),7.34(d,J=8.8Hz,1H),6.74(br s,1H),5.08(s,1H),3.80(s,3H),1.46(s,6H)。
【0253】
実施例21:5-フルオロ-3-[[5-(1-ヒドロキシシクロブチル)ピリジン-2-イル]-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化54】
【0254】
ステップA:1-(6-クロロ-3-ピリジル)シクロブタノール
-10℃で、窒素ガスで保護して、5-ブロモ-2-クロロ-ピリジン(10g、51.96mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体(1.3M、59.95mL)を徐々に滴加し、当該温度で1時間攪拌して、-10~0℃でシクロブタノン(4.01g、57.16mmol)を徐々に滴加し、当該温度区間で2時間攪拌し、最後に0℃で引き続き2時間攪拌する。飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(50mL×4)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0255】
LCMS(ESI)m/z:184.0(M+1)。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.51(d,J=2.5Hz,
1H),7.80(dd,J=2.6,8.4Hz,1H),7.32(d,J=8.3Hz,1H),2.58-2.49(m,2H),2.48-2.37(m,3H),2.13-2.02(m,1H),1.81-1.69(m,1H)。
【0256】
ステップB:1-(6((ジフェニルメチレン)アミン)ピリジン-3-イル)シクロブタノール
窒素ガスで保護して、実施例21のAの生成物(1g、5.45mmol)とベンゾフェノンイミン(1.48g、8.18mmol)と炭酸セシウム(3.55g、10.90mmol)とを溶解したジオキサン(25mL)溶液に、BINAP(339.36mg、545μmol)と、Pd(dba)(249.53mg、272.5μmol)とを加え、100℃で12時間攪拌する。室温に冷却して、水(50mL)で希釈し、水層を酢酸エチル(50mL×4)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を分離し精製して、表題化合物を得る。
【0257】
LCMS(ESI)m/z:329.2(M+1)。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.46(d,J=2.0Hz,1H),7.80(br d,J=7.5Hz,2H),7.59(dd,J=2.5,8.3Hz,1H),7.53-7.47(m,1H),7.45-7.38(m,2H),7.27(s,3H),7.18(br d,J=6.8Hz,2H),6.58(d,J=8.3Hz,1H),2.56-2.45(m,2H),2.41-2.30(m,2H),2.04-2.00(m,1H),1.72-1.63(m,1H)。
【0258】
ステップC:1-(6-アミン-3-ピリジル)シクロブタノール
実施例21のBの生成物(820mg、2.5mmol)と酢酸カリウム(490.7mg、5mmol)とを溶解したメタノール(10mL)溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(347.45mg、5mmol)を加え、17℃で1時間攪拌して、濾過し、メタノール(5mL)でケーキを洗浄し、濾液を蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を分離し精製して、表題化合物を得る。
【0259】
LCMS(ESI)m/z:164.9(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.99(d,J=2.3Hz,1H),7.44(dd,J=2.5,8.5Hz,1H),6.41(d,J=8.5Hz,1H),5.74(s,2H),5.28(br s,1H),2.36-2.26(m,2H),2.23-2.13(m,2H),1.87-1.76(m,1H),1.57-1.45(m,1H)。
【0260】
ステップD:6-ブロモ-5-フルオロ-3-((5-(1-ヒドロキシシクロブチル)ピリジン-2-イル)アミン)-1-メチルキノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例21のCの生成物(250mg、1.52mmol)と炭酸セシウム(990.49mg、3.04mmol)とを溶解したテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、Xantphos(131.93mg、228μmol)と、Pd(dba)(139.19mg、152μmol)とを加え、15℃で12時間攪拌して、濾過し、メタノール(20mL)及びジクロロメタン(20mL)でそれぞれケーキを洗浄し、濾液を蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を分離し精製して、表題化合物を得る。
【0261】
LCMS(ESI)m/z:418(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.06(d,J=9.0Hz,2H),8.44(d,J=2.3Hz,1H),7.75(dd,J=2.5,8.5H
z,1H),7.63(dd,J=7.8,8.8Hz,1H),7.40(d,J=8.5Hz,1H),7.33(d,J=9.3Hz,1H),5.56(s,1H),3.76(s,3H),2.42(dt,J=4.3,8.4Hz,2H),2.34-2.22(m,2H),1.94-1.82(m,1H),1.69-1.56(m,1H)。
【0262】
ステップE:5-フルオロ-3-[[5-(1-ヒドロキシシクロブチル)ピリジン-2-イル]-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例21のDの生成物(340mg、812.89μmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(394.33mg、2.03mmol)と、炭酸カリウム(337.04mg、2.44mmol)とをジオキサン(10mL)と水(2.5mL)の混合溶液に溶解して、Pd(dppf)Cl(59.48mg、81.29μmol)を加え、110℃で15時間攪拌する。室温に冷却して、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(394.33mg、2.03mmol)と、Pd(dppf)Cl(59.48mg、81.29μmol)とを追加し、引き続き窒素ガスで保護して、110℃で15時間攪拌する。室温に冷却して、反応液を濾過し、酢酸エチル(100mL)でケーキを洗浄し、濾液を水(50mL)で希釈し、水層を酢酸エチル(50mL×5)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、分取HPLC(トリフルオロ酢酸系)によって残留物を分離して、表題化合物21を得る。
【0263】
MS-ESI(m/z):406(M+H)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.17(s,1H),9.00(s,1H),8.44(d,J=1.8Hz,1H),7.97(br t,J=8.4Hz,1H),7.82(br s,1H),7.76(dd,J=2.3,8.8Hz,1H),7.41(br dd,J=8.7,20.0Hz,2H),6.74(br
s,1H),3.80(s,3H),2.36-2.20(m,4H),1.94-1.85(m,1H),1.70-1.58(m,1H),1.23(br s,1H),1.30-1.18(m,1H)。
【0264】
実施例22:5-フルオロ-3-[[5-(3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化55】
【0265】
実施例22は、実施例21に記載の製造方法を参照して、オキセタノンを原料として製造できる。
【0266】
LCMS(ESI)m/z:408(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.19(s,1H),9.08(s,1H),8.53(d,J=2.0Hz,1H),7.97(t,J=8.4Hz,1H),7.87-7.79(m,2H),7.45(dd,J=3.5,8.8Hz,
2H),6.74(br s,1H),4.76(s,4H),3.81(s,3H)。
【0267】
実施例23:5-フルオロ-3-[[5-(3-フルオロオキセタン-3-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化56】
【0268】
ステップA:6-ブロモ-5-フルオロ-3-[[5-(3-フルオロオキセタン-3-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-キノリル-2(1H)-オン
-10℃で、窒素ガスで保護して、6-ブロモ-5-フルオロ-3-[[5-(3-ヒドロキシオキセタン-3-イル)-2-ピリジル]アミノ]-1-メチル-キノリル-2-オン(150mg、356.95μmol)を溶解したジクロロメタン(5mL)に、DAST(103.56mg、642.50μmol)を滴加して、-50℃で混合物を1時間反応させ、水(20mL)を加えてクエンチし、水層をジクロロメタン(20mL×2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水(20mL×2)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物23Aを得る。
【0269】
LCMS(ESI)m/z:422(M+1)。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=9.10(s,1H),8.60(s,1H),8.24(s,1H),7.74(dd,J=2.3,8.8Hz,1H),7.51(dd,J=7.3,9.0Hz,1H),7.09-6.90(m,2H),5.22-5.09(m,2H),4.98-4.85(m,2H),3.84(s,3H)。
【0270】
ステップB:5-フルオロ-3-[[5-(3-フルオロオキセタン-3-イル)ピリジン-2-イル]アミノ]-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例23のAの生成物(130mg、307.89μmol)と3-(4,4,5,5-テトラメチル1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-1H-ピリジン(89.61mg、461.84μmol)とPd(dppf)Cl(22.53mg、30.79μmol)とフッ化カリウム(53.66mg、926.68μmol)とをジオキサン(4mL)に溶解して、100℃で混合物を15時間反応させる。室温に冷却して、水(20mL)でクエンチして、水層をジクロロメタン(20mL×3)で抽出し、有機層を合わせて塩水(20mL×3)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、分取HPLCによって残留物を精製して表題化合物23を得る。
【0271】
LCMS(ESI)m/z:410(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.30-9.10(m,2H),8.59-8.47(m,1H),7.98(br t,J=8.4Hz,1H),7.90-7.77(m,2H),7.58-7.40(m,2H),6.74(br s,1H),5.08-4.91(m,2H),4.76(s,2H),3.80(s,3H)。
【0272】
実施例24、25:5-フルオロ-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-3-((5-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
【化57】
【0273】
ステップA:2-(6-クロロピリジン-3-イル)-1,1,1-トリフルオロメチル-プロパン-2-オール
0℃で、2-(6-クロロ-3-ピリジル)-1,1,1-トリフルオロメチル-プロパン-2-オール(5g、32.14mmol)と炭酸セシウム(12.57g、38.56mmol)とを溶解したDMF(80mL)に、トリフルオロメチルトリメチルシラン(20.56g、144.62mmol)を滴加して、16℃で混合物を2時間反応させ、水(100mL)を加えてクエンチし、水層を酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で(100mL×2)洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0274】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.49(d,J=2.5Hz,1H),7.84(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),7.29(d,J=8.3Hz,1H),3.58(s,1H),1.74(s,3H)。
【0275】
ステップB:2-[6-(ジフェニルメチレンアミノ)ピリジン-3-イル]-1,1,1-トリフルオロメチル-プロパン-2-オール
窒素ガスで保護して、実施例24のAの生成物(5.5g、24.38mmol)とベンゾフェノンイミン(6.63g、36.57mmol)とPd(dba)(2.23g、2.44mmol)とBINAP(2.28g、3.66mmol)と炭酸セシウム(15.89g、48.76mmol)とをジオキサン(100mL)に溶解して、100℃で混合物を16時間反応させる。室温に冷却して、水(100mL)で希釈して、水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機層を合わせて塩水(100mL×3)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0276】
ステップC:2-(6-アミノピリジン-3-イル)-1,1,1-トリフルオロメチル-プロパン-2-オール
窒素ガスで保護して、実施例24のBの生成物(8g、21.60mmol)と、酢酸カ
リウム(4.24g、43.20mmol)と、塩酸ヒドロキシルアミン(3g、43.20mmol)とをメタノール(100mL)に溶解して、16℃で混合物を2時間反応させ、反応液を濾過し、メタノール(100mL)でケーキを洗浄し、濾液を蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0277】
LCMS(ESI)m/z:207(M+1)。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.15(s,1H),7.67(br d,J=8.5Hz,1H),6.52(d,J=8.8Hz,1H),5.22(br s,1H),4.13(br d,J=7.5Hz,2H),1.75(s,3H)。
【0278】
ステップD:6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-3-((5-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、テトラヒドロフラン(100mL)に、6-ブロモ-5フルオロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル-トリフレート(3.0g、7.42mmol)と、2-(6-アミノピリジン-3-イル)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オール(1.53g、7.42mmol)と、Pd(dba)(679.77mg、742.33μmol)と、Xantphos(644.29mg、1.11mmol)と、炭酸セシウム(4.84g、14.85mmol)とを加える。30℃で16時間攪拌する。水(200mL)で反応液をクエンチして、ジクロロメタン(100mL)で3回抽出する。食塩水(200mL)で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し濃縮させて、酢酸エチル(50mL)で残留物をパルプ化させる。濾過し乾燥させて表題化合物を得る。
【0279】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=9.12(s,1H),8.60(s,1H),8.21(s,1H),7.83(br d,J=9.0Hz,1H),7.67-7.44(m,1H),7.06(d,J=9.0Hz,1H),6.89(d,J=8.8Hz,1H),3.85(s,3H),2.42(s,1H),1.85(s,3H)。
【0280】
ステップE:5-フルオロ-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-3-((5-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、1,4-ジオキサン(40mL)と水(10mL)の混合溶液に、6-ブロモ-5-フルオロ-1-メチル-3-((5-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン(1.8g、3.91mmol)と、炭酸カリウム(1.62g、11.73mmol)と、Pd(dppf)Cl(286.18mg、391μmol)と、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.14g、5.87mmol)とを加える。100℃で16時間攪拌する。水(200mL)とジクロロメタン(150mL)で反応液をクエンチする。有機相を分離して、ジクロロメタン(150mL)で水相を抽出する。有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。濾過し濃縮させて、ジクロロメタン(60mL)で残留物をパルプ化させる。濾過し乾燥させて表題化合物を得る。
【0281】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.21(s,1H),9.13(s,1H),8.52(d,J=1.8Hz,1H),7.99(br t,J=8.5Hz,1H),7.90-7.77(m,2H),7.45(d,J=9.0Hz,2H),6.75(br s,1H),3.81(s,3H),1.73(s,3H)。
【0282】
ステップF:5-フルオロ-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-3-((5-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン
5-フルオロ-1-メチル-6-(1H-ピラゾール-3-イル)-3-((5-(1,1,1-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)キノリル-2(1H)-オン(0.95g、2.12mmol)をキラル分割して(カラム:Chiralpak AD-3 50×4.6mm I.D.,3μm 移動相:40%エタノール(0.05%ジエタノールアミン) 二酸化炭素中の流速:4mL/分、カラム温度:40℃)、ピーク1(0.990分、99%ee)を得て化合物24とし、ピーク2(1.601分、97%ee)を得て化合物25とする。
【0283】
化合物24:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.56-12.88(m,1H),9.21(s,1H),9.13(br s,1H),8.53(s,1H),8.03(br s,1H),7.94-7.80(m,2H),7.45(br d,J=8.5Hz,2H),6.75(br s,1H),6.68(s,1H),3.81(s,3H),1.73(s,3H).化合物25:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.10(br s,1H),9.20(d,J=4.3Hz,1H),9.13(br s,1H),8.52(br s,1H),8.10-7.76(m,3H),7.44(br dd,J=4.5,8.5Hz,2H),6.74(br s,1H),6.67(d,J=4.3Hz,1H),3.80(d,J=4.3Hz,3H),1.73(br d,J=4.0Hz,3H)。
(ESI)m/z:448.1(M+1)。
【0284】
実施例26:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化58】
【0285】
ステップA:5-ブロモ-N-メチル-2-ニトロアニリン
窒素ガスで保護して、4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロアニリン(15.0g、68.18mmol)と炭酸カリウム(11.31g、81.82mmol)とを溶解したDMF(250mL)溶液に、25℃でメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(2M、68.18mL)を滴加し、25℃で18時間攪拌する。反応液を水500mLに注入し、10分間攪拌する。析出した固体を濾過して乾燥させて、表題化合物を得る。
【0286】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.03(d,J=9.4Hz,
2H),7.01(s,1H),6.77(dd,J=1.8,9.2Hz,1H),3.02(d,J=5.1Hz,3H)。
【0287】
ステップB:5-ブロモ-N1-メチルフェニル-1,2-ジアミン
窒素ガスで保護して、5-ブロモ-N-メチル-2-ニトロアニリン(9.0g、38.95mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液に、ラネーニッケル(1.67g)を加える。水素ガスで反応液を複数回置換して、50psiにおいて、25℃で5時間反応させる。反応液を濾過し、濾液を濃縮させて表題化合物を得る。
【0288】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=6.79(dd,J=2.1,8.2Hz,1H),6.75(d,J=2.0Hz,1H),6.59(d,J=8.0Hz,1H),2.87(s,3H)。
【0289】
ステップC:7-ブロモ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
窒素ガスで保護して、0℃で、5-ブロモ-N-1-メチルフェニル-1,2-ジアミン(7.7g、38.3mmol)とトリエチルアミン(9.69g、95.75mmol)とを溶解した1,2-ジクロロエタン(80mL)に、クロログリオキシル酸エチル(6.27g、45.96mmol)を加える。25℃で2時間攪拌する。60℃に加熱して、3時間攪拌する。反応液を濾過し、水(20mL)でケーキを2回洗浄する。ケーキを乾燥させて表題化合物を得る。
【0290】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.07(br.s.,1H),7.51(d,J=1.2Hz,1H),7.33(dd,J=1.6,8.2Hz,1H),7.07(d,J=8.6Hz,1H),3.47(s,3H)。
【0291】
ステップD:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
窒素ガスで保護して、DMF(10mL)とジオキサン(10mL)と水(5mL)の混合溶液に、7-ブロモ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン(1.00g、3.92mmol)と、1-ベンジル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)ピラゾール(1.23g、4.31mmol)と、炭酸カリウム(1.08g、7.84mmol)と、Pd(dppf)Cl(286.86mg、392.05μmol)とを加える。100℃で5時間攪拌する。水(100mL)で反応液をクエンチして、析出した固体を濾過する。カラムクロマトグラフィーによってケーキから表題化合物を得る。
【0292】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.01(s,1H),8.35(s,1H),8.00(s,1H),7.50(s,1H),7.44-7.24(m,6H),7.14(d,J=8.2Hz,1H),5.35(s,2H),3.57(s,3H)。
【0293】
ステップE:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ブロモ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、0℃で、7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン(500mg、1.5mmol)とトリエチルアミン(152.23mg、1.50mmol)とを溶解した1,2-ジクロロエタンに、ホスホリルトリブロミド(1.29g、4.5mmol)を加える。80℃で5時間攪拌する。飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)で反応液をクエンチして、ジクロロメタン(100mL)で2回抽出する。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させて、カラムクロマトグラフィーによって濃縮後の残留物から表題化合物を得る。
【0294】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.55(s,1H),8.16(s,1H),7.76-7.66(m,2H),7.62(d,J=8.2Hz,1H),7.43-7.08(m,5H),5.35(s,2H),3.69(s,3H)。
【0295】
ステップF:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、1,4-ジオキサン(10mL)に7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ブロモ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン(220.0mg、556.61μmol)と、4-モルホリノアニリン(128.97mg、723.59μmol)と、炭酸セシウム(362.71mg、1.50mmol)と、[2-(2-アミンエチル)フェニル]-クロロ-パラジウムと、ジt-ブチル-[2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]リン酸塩(38.22mg、55.66μmol)とを加える。70℃で3時間攪拌する。水(40mL)で反応液をクエンチして、ジクロロメタン(50mL)で2回抽出する。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させて、高速液体クロマトグラフによって濃縮後の残留物を分離して表題化合物を得る。
【0296】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.25(s,1H),8.39(s,1H),8.03(s,1H),7.97(d,J=8.6Hz,2H),7.56(s,1H),7.51-7.40(m,2H),7.38-7.23(m,4H),6.93(d,J=9.0Hz,2H),5.34(s,2H),3.72(br.s.,7H),3.06(br.s.,4H)。
【0297】
ステップG:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(40.0mg、81.21μmol)のDMSO(2mL)溶液に、カリウムt-ブトキシド(63.79mg、568.45μmol)を加える。25℃で18時間攪拌する。そのまま高速液体クロマトグラフによって反応液を分離(トリフルオロ酢酸を添加)して表題化合物26を得る。
【0298】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.31(br.s.,1H),8.17(s,2H),7.99(d,J=8.6Hz,2H),7.60(s,1H),7.56-7.49(m,1H),7.45(d,J=8.2Hz,1H),6.98(d,J=8.2Hz,2H),3.73(br.s.,8H),3.09(br.s.,3H)。
【0299】
実施例27:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化59】
【0300】
ステップA:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
窒素ガスで保護して、DMF(10mL)とジオキサン(10mL)と水(5mL)の混合溶液に、7-ブロモ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン(1.00g、3.92mmol)と、1-ベンジル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)ピラゾール(1.45g、5.10mmol)と、炭酸カリウム(1.08g、7.84mmol)と、Pd(dppf)Cl(286.86mg、392.0μmol)とを加える。100℃で5時間攪拌する。水(100mL)で反応液をクエンチして、析出した固体を濾過する。カラムクロマトグラフィーによってケーキから表題化合物を得る。
【0301】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.05(br.s.,1H),7.87(br.s.,1H),7.65-7.55(m,2H),7.35-7.11(m,6H),6.81(br.s.,1H),5.36(s,2H),3.54(s,3H)。
【0302】
ステップB:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-3-ブロモ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、0℃で7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン(700mg、2.11mmol)とトリエチルアミン(213.51mg、2.11mmol)とを溶解した1,2-ジクロロエタン(20mL)に、ホスホリルトリブロミド(1.81g、6.33mmol)を加える。80℃で5時間攪拌する。飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)で反応液をクエンチして、ジクロロメタン(100mL)で2回抽出する。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させて、カラムクロマトグラフィーによって濃縮後の残留物から表題化合物を得る。
【0303】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.94(d,J=2.3Hz,1H),7.87-7.79(m,2H),7.78-7.74(m,1H),7.38-7.21(m,5H),7.02(d,J=2.3Hz,1H),5.40(s,2H),3.70(s,3H)。
【0304】
ステップC:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、1,4-ジオキサン(10mL)に7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-3-ブロモ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン(300.0mg、759.01μmol)と、4-モルホリノアニリン(175.86mg、986.71μmol)と、炭酸セシウム(494.60mg、1.52mmol)と、
[2-(2-アミンエチル)フェニル]-クロロ-パラジウムと、ジt-ブチル-[2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]リン酸塩(52.12mg、75.9μmol)とを加える。70℃で3時間攪拌する。水(40mL)で反応液をクエンチして、ジクロロメタン(50mL)で2回抽出する。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させて、カラムクロマトグラフィーによって濃縮後の残留物から表題化合物を得る。
【0305】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.36(s,1H),8.01(d,J=9.0Hz,2H),7.93(d,J=2.3Hz,1H),7.77-7.69(m,2H),7.50(d,J=8.3Hz,1H),7.40-7.26(m,5H),6.97(d,J=9.0Hz,2H),6.90(d,J=2.3Hz,1H),5.42(s,2H),3.80-3.71(m,7H),3.12-3.06(m,4H)。
【0306】
ステップD:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-3-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(100.0mg、203.02μmol)のDMSO(5mL)溶液に、カリウムt-ブトキシド(159.47mg、1.42mmol)を加える。25℃で18時間攪拌する。反応液を濃縮させて、高速液体クロマトグラフによって残留物を分離(トリフルオロ酢酸を添加)して表題化合物27を得る。
【0307】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=3.13(br.s.,4H),3.48-3.64(m,7H),6.82(br.s.,1H),7.03(br.s.,2H),7.50(br.s.,1H),7.61-7.85(m,3H),8.00(d,J=7.83Hz,2H),9.45(br.s.,1H)。
【0308】
実施例28:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(ピリジル-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化60】
【0309】
実施例28は、実施例27に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0310】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.93(d,J=6.3Hz,1H),8.64(s,1H),8.09(d,J=6.0Hz,2H),8.00(d,J=9.0Hz,2H),7.87(d,J=8.5Hz,1H),7.73(d,J=9.8Hz,1H),7.60(s,1H),7.25(d,J=9.0Hz,2H),4.05-4.00(m,4H),3.92(s,3H),3.38-3.32(m,4H)。
MS-ESI(m/z):414(M+H)+。
【0311】
実施例29:1-メチル-7-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
【化61】
【0312】
ステップA:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、7-ブロモ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(2.00g、4.82mmol)を溶解したDMF(30mL)に、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.84g、7.23mmol)と、酢酸ナトリウム(1.19g、14.46mmol)と、Pd(dppf)Cl(352.68mg、482μmol)とを加える。100℃で5時間攪拌する。水(100mL)で反応液をクエンチして、酢酸エチル(30mL)で3回抽出する。有機相を合わせて、飽和食塩水(100mL)で洗浄する。濾過し、濃縮させてカラムクロマトグラフィーによって残留物から表題化合物を得る。
【0313】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.41(s,1H),7.86(d,J=8.8Hz,2H),7.72(d,J=8.0Hz,1H),7.67(s,1H),7.65-7.60(m,1H),6.95(d,J=9.0Hz,2H),3.92-3.85(m,4H),3.83-3.79(m,3H),3.18-3.10(m,4H),1.40-1.33(m,12H)。
【0314】
ステップB:1-メチル-7-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)キノキサリル-2(1H)-オンに、5-メチル-1H-ピラゾール(41.79mg、259.55μmol)と、炭酸カリウム(89.68mg、648.87mmol)と、Pd(dppf)Cl(15.83mg、21.63μmol)とを加える。80℃で5時間攪拌する。反応液を濾過し、濾液を濃縮させて高速液体クロマトグラフィーによって残留物を分離して表題化合物29を得る。
【0315】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.43(br.s.,1H),8.17-7.86(m,3H),7.62-7.31(m,3H),7.05(br.s.,2H),3.90-3.63(m,7H),3.15(br.s.,4H)2.44(br.s.,3H)。
【0316】
MS-ESI(m/z):417(M+H)+。
【0317】
実施例30~32は、実施例29に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0318】
【表1】
【0319】
実施例33:1-メチル-3((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化62】
【0320】
ステップA:1-メチル-4-(4-ニトロフェニル)ピペラジン
炭酸カリウム(10.77g、77.96mmol)を、1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(10.00g、70.87mmol)のジメチルスルホキシド(25mL)溶液に加え、室温で30分間を攪拌する。次に反応液に1-メチルピペラジン(7.17g、71.58mmol)を滴加して、室温で16時間攪拌する。反応液に水(300mL)を加え、固体が析出すると、濾過し、遠心脱水して表題化合物を得る。
【0321】
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.04(d,J=9.3Hz,2H),7.02(d,J=9.3Hz,2H),3.46-3.41(m,4H),2.44-2.39(m,4H),2.21(s,3H)。
【0322】
ステップB:4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリン
1-メチル-4-(4-ニトロフェニル)ピペラジン(5.00g、22.60mmol)の酢酸エチル(80mL)溶液に、10%パラジウム炭素(2.00g)を加え、水素ガスが充填されたバルーンで3回置換して、室温で16時間攪拌する。珪藻土で濾過し、ジクロロメタンとメタノール(200mL)で5回リンスし、遠心脱水して表題化合物を得る。
【0323】
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=6.67(d,J=8.8Hz,2H),6.48(d,J=8.6Hz,2H),4.54(s,2H),2.93-2.80(m,4H),2.46-2.36(m,4H),2.19(s,3H)。
【0324】
ステップC:7-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-メチル-3((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アミン(48.39mg、253.00μmol)と、DIEA(98.09mg、759.00μmol)とを7-(1-フェニルピラゾール-4-イル)-3-ブロモ-1-メチル-キノキサリル-2-オン(100.00mg、253.00μmol)のイソプロパノール(3mL)溶液に加え、窒素ガスで保護して、115℃で16時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、固体が析出すると、濾過し、エタノール(5mL)でケーキをリンスし、遠心脱水して表題化合物を得る。
【0325】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.26(s,1H),8.41(s,1H),8.06(s,1H),7.97(d,J=8.8Hz,2H),7.58(s,1H),7.50-7.43(m,2H),7.37-7.28(m,5H),6.94(d,J=8.8Hz,2H),5.36(s,2H),3.74(s,3H),
3.10(br.s.,4H),2.46(br.s.,4H),2.22(s,3H)。
【0326】
ステップD:1-メチル-3((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
室温で、カリウムt-ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液(1M、71.02mg、632.88μmol)を7-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-メチル-3((4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(40.00mg、79.11μmol)のジメチルスルホキシド(3mL)溶液に加える。室温で、酸素ガスが充填されたバルーンで3回置換して、16時間攪拌する。反応液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(15mL)で2回抽出する。飽和食塩水(20mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させて残留物を得て、分離して(トリフルオロ酢酸)表題化合物33を得る。
【0327】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.35(s,1H),8.20(s,2H),8.04(d,J=9.0Hz,2H),7.62(s,1H),7.56-7.51(m,1H),7.45(d,J=8.4Hz,1H),7.02(d,J=8.8Hz,2H),3.81(d,J=13.2Hz,2H),3.76(s,3H),3.53(d,J=11.7Hz,2H),3.18(d,J=10.8Hz,2H),2.97-2.86(m,5H)。
MS-ESI(m/z):416(M+H)+。
【0328】
実施例34:1-メチル-3-((4-((4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化63】
【0329】
ステップA:1-メチル-4-((4-ニトロフェニル)スルホニル)ピペラジン
0℃で、1-メチルピペラジン(4.52g、45.12mmol)のピリジン(40mL)に4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(10.00g、45.12mmol)のピリジン溶液(20mL)を加える。0~20℃で反応液を2時間攪拌する。水(200mL)でクエンチし、析出した固体を濾過する。ジクロロメタン/メタノール(22mL、10:1)でケーキを再結晶させて表題化合物を得る。
【0330】
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=8.44(d,J=8.8Hz,2H),8.00(d,J=8.8Hz,2H),2.96(br.s,4H),2.36(t,J=4.4Hz,4H),2.13(s,3H)。
【0331】
ステップB:4-((4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)アニリン
1-メチル-4-((4-ニトロフェニル)スルホニル)ピペラジン(3.70g、12.97mmol)のメタノール(50.00mL)溶液にPd/C(800mg)を加える。水素ガスが充填されたバルーン(15psi)において、15℃で反応液を2時間攪拌する。反応液を濾過し、濾液を濃縮させて表題化合物を得る。
【0332】
H NMR(400MHz,DMSO-d):δ=7.33(d,J=8.5Hz,2H),6.64(d,J=8.5Hz,2H),6.08(s,2H),2.78(br.s.,4H),2.34(br.s.,4H),2.13(s,3H)。
【0333】
ステップC:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-1-メチル-3-((4-((4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
実施例34のステップCは、実施例33のステップCに記載の製造方法を参照して実施できる。
【0334】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.95(s,1H),8.51-8.42(m,2H),8.10(s,1H),7.73-7.63(m,3H),7.59(d,J=2.6Hz,2H),7.42-7.24(m,5H),5.38(s,2H),3.77(s,3H),2.88(br.s.,4H),2.36(br.s.,4H),2.13(s,3H)。
【0335】
ステップD:1-メチル-3-((4-((4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)フェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
実施例34のステップDは、実施例33のステップDに記載の製造方法を参照して実施できる。
【0336】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=10.02(s,1H),9.45-9.34(m,1H),8.51(d,J=8.8Hz,2H),8.24(br.s.,2H),7.76(d,J=8.4Hz,2H),7.69(s,1H),7.64-7.56(m,2H),3.79(s,5H),3.16(br.s.,6H),2.79(s,3H)。
MS-ESI(m/z):480.2(M+H)+。
【0337】
実施例35:3-((4-(1,1-ジオキソチオモルホリニル)フェニル)アミノ)-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化64】
【0338】
実施例35は、実施例33に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0339】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.97(br s,1H),9.33(s,1H),8.32(s,1H),8.04(br d,J=9.0Hz,3H),7.61(d,J=1.3Hz,1H),7.56-7.51(m,1H),7.47-7.43(m,1H),7.05(d,J=9.3Hz,2H),3.75(s,
7H),3.14(br s,4H)。
LCMS(ESI)m/z:451(M+1)。
【0340】
実施例36:3-((4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化65】
【0341】
実施例36は、実施例33に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0342】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.35(s,1H),8.20(s,2H),8.01(d,J=8.8Hz,2H),7.61(s,1H),7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.46(d,J=8.0Hz,1H),7.01(d,J=8.0Hz,2H),3.75(s,3H),3.33(br s,4H),3.19(br s,4H),3.10~3.22(m,2H),1.22~1.26(m,3H)。
LCMS(ESI)m/z:494.1(M+1)。
【0343】
実施例37:1-メチル-3-((4-(4-メチル-1,4-ジアザヘプタン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化66】
【0344】
実施例37は、実施例33に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0345】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.35(s,1H),8.20(s,2H),8.04(d,J=9.0Hz,2H),7.62(s,1H),7.56-7.51(m,1H),7.45(d,J=8.4Hz,1H),7.02(d,J=8.8Hz,2H),3.80(br,5H),3.52~3.65(m,4H),3.32~3.39(m,2H),2.95(s,3H),2.25-2.29(m,2H)。
MS-ESI(m/z):429(M+H)
【0346】
実施例38:1-メチル-3-((4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化67】
【0347】
実施例38は、実施例34に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0348】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.93(s,2H),8.45(d,J=8.6Hz,2H),8.24(br.s.,1H),7.74-7.53(m,5H),3.78(s,3H),2.87(br.s.,4H),1.54(br.s.,4H),1.35(br.s.,2H)。
【0349】
実施例39:1-メチル-3-((4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化68】
【0350】
実施例39は、実施例33に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0351】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.35(s,1H),8.76(s,2H),8.20(s,2H),8.03(d,J=8.8Hz,2H),7.62(s,1H),7.54(d,J=8.4Hz,1H),7.45(d,J=8.0Hz,1H),7.01(d,J=8.8Hz,2H),3.75(s,3H),3.28(d,J=16.0Hz,8H)。
LCMS(ESI)m/z:402.1(M+1)。
【0352】
実施例40:1-メチル-3-((3-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化69】
【0353】
実施例40は、実施例33に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0354】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.99(br.s.,1H),9.28(br.s.,1H),8.34(br.s.,1H),8.07(br.s.,1H),7.87(br.s.,1H),7.70(d,J=7.7Hz,1H),7
.64(br.s.,1H),7.54(br.s.,2H),7.21(t,J=8.0Hz,1H),6.69(d,J=7.5Hz,1H),3.76(s,3H),3.33(s,8H),2.94(s,3H)。
【0355】
実施例41:5-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化70】
【0356】
ステップA:5-ブロモ-1,3-ジクロロ-2-ニトロベンゼン
20℃で、4-ブロモ-2,6-ジクロロ-アニリン(10g、41.51mmol)のジクロロエタン(250mL)溶液に、数回に分けて80%m-クロロ過安息香酸(35.82g、166mmol)を加え、室温で1時間攪拌して70℃に加熱して8時間反応させる。TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、冷却して、反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(350mL)を徐々に加えてクエンチして、ジクロロメタン280mLを加えて抽出する。2Mの水酸化ナトリウム水溶液(150mL)と飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して目的化合物5-ブロモ-1,3-ジクロロ-2-ニトロベンゼンを得る。
【0357】
ステップB:5-ブロモ-3-クロロ-N-メチル-2-ニトロベンゼン
0℃で、5-ブロモ-1,3-ジクロロ-2-ニトロベンゼン(6g、22.15mmol)のDMF(150mL)溶液に、トリエチルアミン(3.07mL、22.15mmol)と、メチルアミン溶液(2M、22.15mL、44.3mmol)とを加え、室温で1時間攪拌後50℃に加熱して6時間反応させる。TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、冷却して、反応液に水(100mL)と、酢酸エチル(150mL)とを加えて抽出する。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して目的化合物5-ブロモ-3-クロロ-N-メチル-2-ニトロベンゼンを得る。
【0358】
ステップC:5-ブロモ-3-クロロ-N1-トルエン-1,2-ジアミン
5-ブロモ-3-クロロ-N-メチル-2-ニトロベンゼン(2.5g、22.15mmol)を溶解したエタノール(50mL)と水(50mL)の混合溶液に、数回に分けて鉄粉(3.16g、56.5mmol)と、酢酸(0.56g、9.42mmol)とを加え、室温で1時間攪拌後60℃に加熱して4時間反応させる。TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、冷却して、濾過し、濾液に酢酸エチル(150mL)を
加えて3回抽出する。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して目的化合物5-ブロモ-3-クロロ-N1-トルエン-1,2-ジアミンを得る。
【0359】
ステップD:7-ブロモ-5-クロロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
0℃で、5-ブロモ-3-クロロ-N1-トルエン-1,2-ジアミン(1.2g、5.1mmol)の1,2-ジクロロエタン(130.00mL)溶液にトリエチルアミン(0.52g、5.1mmol)と、エチル-2-クロロ-2-オキソアセタート(1.04g、7.65mmol)とを加える。15℃で12時間攪拌して、TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、反応液を濃縮させて酢酸エチル20mLで2回洗浄して7-ブロモ-5-クロロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオンを得る。
【0360】
H NMR(DMSO-d,400MHz):d=11.56(br.s.,1H),7.55(dd,J=12.3,1.8Hz,2H),3.50ppm(s,3H)。
【0361】
ステップE:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-クロロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
7-ブロモ-5-クロロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン(3.50g、12.09mmol)と1-ベンジル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(3.78g、13.3mmol)とを溶解したDMF(20mL)とジオキサン(20.00mL)と水(10.00mL)の混合溶液に、Pd(dppf)Cl(0.88mg、1.21mmol)と、炭酸カリウム(5.01g、36.27mmol)とを加える。100℃で2時間攪拌して、TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、反応液を濃縮させてジクロロメタン(100mL)と、水(50mL)とを加える。ジクロロメタン100mLで水相を3回抽出する。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-クロロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオンを得る。
【0362】
H NMR(クロロホルム-d,400MHz):d=9.12(br.s.,1H),7.82(s,1H),7.67(s,1H),7.34-7.44(m,4H),7.29-7.32(m,2H),7.18(d,J=1.5Hz,1H),5.37(s,2H),3.71ppm(s,3H)。
【0363】
ステップF:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-3,5-ジクロロ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン
0℃で、7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-クロロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン(1.2g、3.27mmol)のトルエン(35.00mL)溶液に、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.43g、3.27mmol)と、塩化ホスホリル(1g、6.54mmol)とを加える。100℃で3時間攪拌して、TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、0℃に冷却し、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)を徐々に加えてクエンチし、ジクロロメタン120mLを加えて抽出する。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して目的化合物7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-3,5-ジクロロ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オンを得る。
【0364】
H NMR(クロロホルム-d,400MHz):d=7.90(s,1H),7.74(s,1H),7.55(d,J=1.3Hz,1H),7.34-7.44(m,3H),7.30(d,J=6.5Hz,2H),7.23(d,J=1.3Hz,1H),5.38(s,2H),3.79ppm(s,3H)。
【0365】
ステップG:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
20℃で、7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-3,5-ジクロロ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン(700.00mg、1.82mmol)と4-モルホリノアニリン(647mg、3.63mmol)とを溶解したアセトニトリル(5.00mL)溶液を攪拌する。100℃で反応液を4時間攪拌する。反応液を濃縮させて1Mの塩酸(50mL)と、ジクロロメタンDCM(50mL)とを加えて3回抽出する。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して目的化合物7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オンを得る。
【0366】
MS-ESI(m/z):527.0(M+H)。
【0367】
ステップH:5-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
20℃で、7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(100.00mg、189.75μmol)のDMSO(5.00mL)溶液に、カリウムt-ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液(127.75mg、1.14mmol)を加え、酸素雰囲気において1時間攪拌する。LCMSによって原料が完全に反応したことが示されると、反応液を濃縮させて水10mLに注入して、酢酸エチル15mLで3回抽出する。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、遠心脱水して分離(トリフルオロ酢酸系)して5-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン(化合物41)を得る。
【0368】
H NMR(DMSO-d,400MHz):d=9.89(br.s.,1H),8.44(d,J=8.0Hz,2H),8.33(s,2H),7.80(s,1H),7.63(br.s.,3H),4.02(br.s.,4H),3.76(s,3H),3.48ppm(br.s.,4H)。
MS-ESI(m/z):437.1(M+H)。
【0369】
実施例42:6-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化71】
【0370】
ステップA:5-ブロモ-N-メチル2-ニトロアニリン
0℃で、窒素ガスで保護して、5-ブロモ-N-メチル2-ニトロアニリン(30g、136.36mmol)と炭酸カリウム(28.27g、204.54mmol)とを溶解したDMF(500mL)溶液に、メチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(2M、81.82mL)を滴加する。25℃で2時間攪拌して、反応液を氷水(1000mL)に注入して、10分間攪拌し、濾過し、ケーキを水(50mL×2)で洗浄して、表題化合物を得る。
【0371】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.03(d,J=9.0Hz,2H),7.01(d,J=1.3Hz,1H),6.77(dd,J=1.7,9.2Hz,1H),3.02(d,J=5.1Hz,3H)。
【0372】
ステップB:5-ブロモ-4-クロロ-N-メチル-2-ニトロアニリン
25℃で、実施例42のAの生成物(20g、86.56mmol)と、NCS(11.79g、88.29mmol)とをDMF(300mL)に溶解して40℃で18時間反応させ、水(500mL)で水層を希釈して酢酸エチル(500mL×2)で抽出する。有機層を合わせて塩水(1000mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0373】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.94(br.s.,1H),7.26(s,1H),7.15(s,1H),3.02(d,J=5.1Hz,3H)。
【0374】
ステップC:5-ブロモ-4-クロロ-N1-メチルフェニル-1,2-ヒドラジン
25℃窒素ガスで保護して、実施例42のBの生成物(4g、15.07mmol)のエタノール(80mL)溶液に、亜鉛粉(4.93g、75.33mmol)と、ギ酸アンモニウム(4.75g、75.33mmol)とを加え、50℃で2時間攪拌して、反応液を濾過し、ジクロロメタン(100mL)でケーキを洗浄して、水(50mL)で濾液を洗浄し、飽和食塩水(100mL)で有機層を洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させて、表題化合物を得る。
【0375】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=6.78(s,2H),3.40-3.30(m,2H),2.83(s,3H)。
【0376】
ステップD:7-ブロモ-6-クロロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
0℃で、実施例42のCの生成物(3.4g、14.44mmol)とトリエチルアミン(3.65g、36.10mmol)とを溶解した1,2-ジクロロエタン(60mL)に、エチル2-クロロ-2-オキソ-アセテート(2.37g、17.33mmol)を滴加して、25℃で2時間反応させ、白色固体が形成されると、60℃で3時間反応させて、反応液を濾過し、ケーキを水(50×2mL)で洗浄し、ケーキを減圧蒸発して表題化合物を得る。
【0377】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.08(br.s.,1H),7.66(s,1H),7.26(s,1H),3.46(s,3H)。
【0378】
ステップE:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-6クロロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
窒素ガスで保護して、実施例42のDの生成物(1g、3.45mmol)と1-ベンジル-4-(4,4,5,5-テトラメチル1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)ピラゾール(1.08g、3.8mmol)とPd(dppf)Cl(282.08mg、345.41μmol)と炭酸カリウム(954.79mg、6.91mmol)とをDMF(15.00mL)ジオキサン(15.00mL)と水(5.00mL)の混合溶液に溶解して、100℃で混合物を5時間攪拌する。室温に冷却し、水(100mL)で希釈して、濾過する。カラムクロマトグラフィーによってケーキを精製して表題化合物を得る。
【0379】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.06(s,1H),8.36(s,1H),7.95(s,1H),7.43(s,1H),7.38-7.26(m,5H),7.22(s,1H),5.38(s,2H),3.53(s,3H)。
【0380】
ステップF:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-3,6-ジクロロ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン
0℃で、窒素ガスで保護して、実施例42のEの生成物(900mg、2.45mmol)とDIEA(265.98mg、2.06mmol)とを溶解したトルエン(9mL)溶液に、塩化ホスホリル(589.78g、3.85mmol)を加え、110℃で2時間攪拌して、反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)に徐々に注入して、10分間攪拌し、ジクロロメタン(50mL×2)で抽出し、飽和食塩水(100mL)で有機層を洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって精製して表題化合物を得る。
【0381】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.56(s,1H),8.12(s,1H),7.92(s,1H),7.69(s,1H),7.39-7.33(m,2H),7.33-7.26(m,3H),5.41(s,2H),3.69(s,3H)。
【0382】
ステップG:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例42のFの生成物(100mg、259.57μmol)と、4-モルホリノアニリン(92.53mg、519.14μmol)とをアセトニトリル(2mL)に溶解して、80℃で当該混合物を18時間反応させ、反応液を減圧蒸発させて、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物を得る。
【0383】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.47(s,1H),8.41(
s,1H),8.03-7.91(m,3H),7.53(d,J=11.2Hz,2H),7.41-7.22(m,5H),6.94(d,J=9.0Hz,2H),5.40(s,2H),3.79-3.66(m,7H),3.11-3.02(m,4H)。
【0384】
ステップH:6-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
酸素ガスで保護して、実施例42のGの生成物(80mg、151.80μmol)と、t-BuOK(1M、1.06mL)と、DMSO(1.00mL)とを混合して、25℃で混合物を4時間攪拌する。反応液に氷水(10mL)を注入して希釈し、10分間攪拌して、1Mの塩酸でpHを8に調節する。ジクロロメタン(10mL×2)で抽出し、飽和食塩水(20mL)で有機層を洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して蒸発させ、分取HPLCによって残留物を精製して表題化合物42を得る。
【0385】
LCMS(ESI)m/z:437.1(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.48(s,1H),8.10(s,2H),7.98(d,J=8.8Hz,2H),7.51(d,J=13.5Hz,2H),6.96(d,J=8.8Hz,2H),3.73(br.s.,4H),3.69(s,3H),3.08(br.s.,4H)。
【0386】
実施例43:8-クロロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化72】
【0387】
実施例43は、実施例42に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0388】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.53(s,1H),8.06-7.94(m,4H),7.43(s,2H),7.01(d,J=9.0Hz,2H),3.90(s,3H),3.76(d,J=4.8Hz,4H),3.15-3.10(m,4H)。
LCMS(ESI)m/z:437.1(M+1)。
【0389】
実施例44:5-フルオロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノリル-2(1H)-オン
【化73】
【0390】
ステップA:5-ブロモ-3-フルオロ-N-メチル-2-ニトロベンゼン
0℃で、メチルアミン(21.01mL、2.0mol/L)を5-ブロモ-1,3-ジフルオロ-2-ニトロベンゼン(10.00g、42.02mmol)のDMF(100.00mL)溶液に加える。0℃~室温で反応液を16時間攪拌する。反応液を水(500.00mL)に注入して、酢酸エチル(500.00mL)で2回抽出する。飽和食塩水(500mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下遠心脱水して残留物を得て、カラムクロマトグラフィーによって分離して表題化合物を得る。
【0391】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.56(d,J=4.3Hz,1H),6.93-6.85(m,2H),2.86(d,J=5.0Hz,3H)。
【0392】
ステップB:5-ブロモ-3-フルオロ-N1-メチルフェニル-1,2-ヒドラジン
鉄粉(11.17g、199.98mmol)と、酢酸(2.00g、33.33mmol)とを、5-ブロモ-3-フルオロ-N-メチル-2-ニトロベンゼン(8.30g、33.33mmol)を溶解したエタノール(80mL)と水(80mL)の混合溶液に加え、60℃で3時間攪拌する。反応液を濾過し、濾液を濃縮させて、酢酸エチル(80.00mL)で3回抽出する。飽和食塩水(80mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、固体が析出すると、濾過し、固体を遠心脱水して表題化合物を得る。
【0393】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=6.69-6.47(m,1H),6.36-6.18(m,1H),5.27(br.s.,1H),4.54(br.s.,2H),2.78-2.61(m,3H)。
【0394】
ステップC:7-ブロモ-5-フルオロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
0℃で、窒素ガスで保護して、クロログリオキシル酸エチル(4.36g、31.96mmol)を5-ブロモ-3-フルオロ-N1-メチルフェニル-1,2ヒドラジン(7.00g、31.96mmol)とトリエチルアミン(8.08g、79.89mmol)とを溶解した1,2-ジクロロエタン(70.00mL)溶液に滴加して、室温で2時間反応させ、白色固体が析出すると、60℃に加熱して3時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、濾過し、水(40mL)でケーキを2回洗浄し、ケーキを遠心脱水して残留物を得て、酢酸エチルでパルプ化させて表題化合物を得る。
【0395】
ステップD:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-フルオロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
窒素ガスで保護して、室温で、1-ベンジル-4-ボロン酸ピナコールエステルピラゾール(1.04g、3.66mmol)と、炭酸カリウム(1.01g、7.32mmol)と、Pd(dppf)Cl(267.96mg、366.22mmol、1.01mL)とを、7-ブロモ-5-フルオロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン(1.00g、3.66mmol)を溶解したジオキサン(30mL)と水(6mL)の混合溶液に加え、窒素ガスで保護して、100℃で4時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、反応液に水(100mL)を加え、ジクロロメタン(100mL)で2回抽出する。飽和食塩水(100mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水する。酢酸エチルでパルプ化させて表題化合物を得る。
【0396】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.30(s,1H),7.95(s,1H),7.38-7.25(m,5H),7.19-7.10(m,2H),5.33(s,2H),3.61-3.52(m,3H)。
【0397】
ステップE:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ブロモ-5-フルオロ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン
0℃で、ホスホリルトリブロミド(368.23mg、1.28mmol)を、7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-フルオロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン(300.00mg、856.29μmol)とDIEA(88.53mg、685.03μmol)とを溶解したトルエン(8mL)溶液に滴加し、窒素ガスで保護して、110℃で1.5時間攪拌する。反応液を珪藻土で濾過し、濾液に水(10mL)を加えて、酢酸エチル(10mL)で3回抽出する。飽和食塩水(15mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して表題化合物を得る。
【0398】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.62(s,1H),8.23(s,1H),7.62(d,J=7.3Hz,1H),7.56(s,1H),7.37-7.29(m,5H),5.42-5.33(m,2H),3.70(s,3H)。
【0399】
ステップF:7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-フルオロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
室温で、7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-ブロモ-5-フルオロ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン(100mg、241.99μmol)をトルエン(5mL)に溶解し、窒素ガスで保護して、4-モルホリノアニリン(51.76mg、290.39μmol)と、炭酸セシウム(236.54mg、725.97μmol)と、Xphos(23.07mg、48.40μmol)と、Pd(dba)(22.16mg、24.20μmol)とを加える。窒素ガスで保護して、100℃で4時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、反応液に水(15mL)を加え、ジクロロエタン(15mL)で2回抽出する。飽和食塩水(20mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させて残留物を得てカラムクロマトグラフィーによって分離して表題化合物を得る。
【0400】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.48(d,J=6.8Hz,1H),8.47(d,J=6.8Hz,1H),8.12-8.03(m,3H),7.48-7.27(m,6H),6.96(br.s.,2H),5.36(d,J=6.0Hz,2H),3.73(d,J=6.5Hz,7H),3.08(br.s.,4H)。
【0401】
ステップG:5-フルオロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
室温で、7-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-フルオロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(30mg、58.76μmol)をジメチルスルホキシド(3mL)に溶解し、窒素ガスで保護して、カリウムt-ブトキシド(2mol、235.04μL)を加える。次に、酸素ガスが充填されたバルーンで3回置換する。酸素ガスで保護して、35℃で3時間攪拌する。反応液を水(15mL)に徐々に滴加して、酢酸エチル(15mL)で2回抽出する。飽和食塩水(20mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させて残留物を得て、分離(トリフルオロ酢酸)して表題化合物44を得る。
【0402】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.49(br.s.,1H),8.24(s,2H),8.08(d,J=8.5Hz,2H),7.55-7.45(m,2H),7.10-6.92(m,2H),3.74(br.s.,7H),3.12(br.s.,4H)。
MS-ESI(m/z):421(M+H)
【0403】
実施例45:6-フルオロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化74】
【0404】
ステップA:5-ブロモ-4-フルオロ-N1-メチル-フェニル-1,2-ヒドラジン0℃で、窒素ガスで保護して、4-ブロモ-5-フルオロ-N2-メチル-フェニル-1,2-ヒドラジン(6g、24.09mmol)のエタノール(120mL)溶液に、亜鉛粉(7.88g、120.45mmol)と、ギ酸アンモニウム(7.6g、120.45mmol)とを加え、50℃で2時間攪拌して、反応液を濾過し、ジクロロメタン(500mL)でケーキを洗浄し、水(200mL)で濾液を洗浄し、飽和食塩水(500mL)で有機層を洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させて、表題化合物を得る。
【0405】
ステップB:7-ブロモ-6-フルオロ-1-メチルキノキサリル-2,3(1H,4H)-ジオン
0℃で、実施例45のAの生成物(4.65g、21.23mmol)と、トリエチルア
ミン(5.37g、53.08mmol)とを溶解した1,2-ジクロロエタン(120mL)に、エチル2-クロロ-2-オキソ-アセテート(3.48g、25.48mmol)を滴加して、25℃で2時間反応させ、白色固体が形成されると、60℃で2時間反応させて、反応液を濾過し、ケーキを水(50×2mL)で洗浄し、ケーキを減圧蒸発して表題化合物を得る。
【0406】
LCMS(ESI)m/z:273(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.14(s,1H),7.65(d,J=6.3Hz,1H),7.06(d,J=9.0Hz,1H),3.48(s,3H)。
【0407】
ステップC:3,7-ジブロモ-6-フルオロ-1-メチル-3,4-ジヒドロキノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例45のBの生成物(2.4g、8.79mmol)と、トリエチルアミン(1.33g、13.18mmol)と、ホスホリルトリブロミド(7.56g、26.37mmol)とを1,2-ジクロロエタン(50mL)に溶解し、90℃で混合物を6時間攪拌して、反応液を常温の炭酸水素ナトリウム(300mL)に徐々に注入して、10分間攪拌し、混合物を濾過し、ケーキを減圧下遠心脱水して表題化合物を得る。
【0408】
LCMS(ESI)m/z:337(M+1)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.01(d,J=6.3Hz,1H),7.89(d,J=8.8Hz,1H),3.65(s,3H)。
【0409】
ステップD:7-ブロモ-6-フルオロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例45のCの生成物(1.95g、5.80mmol)と、酢酸ナトリウム(1.43g、17.41mmol)と、4-モルホリノアニリン(1.24g、6.97mmol)とをイソプロパノール(30mL)に溶解して、100℃で混合物を12時間反応させて、室温に冷却し、濾過して表題化合物を得る。
【0410】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.56(s,1H),7.96(br d,J=8.8Hz,2H),7.73(br d,J=6.0Hz,1H),7.41(br d,J=9.8Hz,1H),6.94(br d,J=8.8Hz,2H),3.74(br s,4H),3.67(s,3H),3.08(br s,4H)。
【0411】
ステップE:6-フルオロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、実施例45のDの生成物(2.3g、5.31mmol)と、4-(4,4,5,5-テトラメチル1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.55g、7.96mmol)と、Pd(dppf)Cl(388.43mg、530.85μmol)と、炭酸カリウム(2.2mg、15.93mmol)とをジオキサン(40.00mL)と水(10.00mL)の混合溶液に溶解して、120℃で混合物を10時間攪拌する。室温に冷却し、水(100mL)で水層を希釈してジクロロメタン(100mL×3)で抽出する。有機層を合わせて塩水(100mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過して蒸発させ、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製して表題化合物45を得る。
【0412】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.12(br s,1H),9
.40(s,1H),8.27(br s,1H),8.07(br s,1H),7.97(br d,J=9.0Hz,2H),7.65(d,J=7.0Hz,1H),7.31(d,J=12.0Hz,1H),6.95(br d,J=8.8Hz,2H),3.75(s,7H),3.10-3.06(m,4H)。LCMS(ESI)m/z:421(M+1)。
【0413】
実施例46:8-フルオロ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化75】
【0414】
実施例46は、実施例44に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0415】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.48(br.s.,1H),8.08(br.s.,2H),8.00(d,J=7.6Hz,2H),7.58(br.s.,1H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.01(d,J=5.8Hz,2H),3.90(d,J=7.6Hz,7H),3.13(br.s.,4H)。MS-ESI(m/z):421(M+H)
【0416】
実施例47:3-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化76】
【0417】
ステップA:4-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)モルホリン
炭酸カリウム(9.87g、71.43mmol)と、モルホリン(2.49g、28.57mmol)とを2,4-ジフルオロ-1-ニトロ-ベンゼン(5.00g、31.43mmol)のDMF(50mL)溶液に加えて、80℃で2.5時間攪拌する。次に、反応液に1-メチルピペラジン(7.17g、71.58mmol)を滴加して、室温で16時間攪拌する。酢酸エチル(200mL)で反応液を希釈して、飽和食塩水(150mL)で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水して残留物を得て、カラムクロマトグラフィーによって分離して表題化合物を得る。
【0418】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.02(t,J=9.3Hz,1H),6.96(dd,J=2.5,16.1Hz,1H),6.87(dd,J=2.5,9.5Hz,1H),3.76-3.68(m,4H),3.48-3.41(m,4H)。
【0419】
ステップB:2-フルオロ-4-モルホリノアニリン
4-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)モルホリン(1.00g、4.42mmol)のメタノール(20mL)溶液に、パラジウム炭素(517.41mg、486.20μmol)を加え、水素ガスが充填されたバルーンで3回置換して、室温で3時間攪拌する。珪藻土で濾過し、遠心脱水して表題化合物を得る。
【0420】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=6.73-6.63(m,2H),6.54(dd,J=1.9,8.4Hz,1H),4.58(s,2H),3.74-3.65(m,4H),2.97-2.85(m,4H)。
【0421】
ステップC:7-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、2-フルオロ-4-モルホリニル-アニリン(99.29mg、506.00μmol)と、炭酸セシウム(247.30mg、759.00μmol)と、Xantphos(14.64mg、25.30μmol)と、Pd(OAc)(11.36mg、50.60μmol)とを7-(1-フェニルピラゾール-4-イル)-3-ブロモ-1-メチル-キノキサリル-2-オン(100.00mg、253.00μmol)のジオキサン(3mL)溶液に加え、窒素ガスで保護して、110℃で16時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、珪藻土で濾過し、遠心脱水して残留物を得る。カラムクロマトグラフィーによって残留物を分離して表題化合物を得る。
【0422】
ES-ESI(m/z):511(M+H)
【0423】
ステップD:3-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
室温で、カリウムt-ブトキシド(1mol、1.65mL)を7-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-3-((2-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン(120.00mg、235.04μmol)のジメチルスルホキシド(3mL)溶液に加える。35℃で、酸素ガスが充填されたバルーンで3回置換して、16時間攪拌する。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を加え、ジクロロメタン/イソプロパノール(10:1、50mL)で4回抽出する。減圧濃縮させて残留物を得て、分離(トリフルオロ酢酸)して表題化合物47を得る。
【0424】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.75(s,1H),8.21(s,2H),8.11(t,J=9.0Hz,1H),7.65(s,1H),7.55(d,J=8.5Hz,1H),7.43(d,J=8.0Hz,1H),6.95(dd,J=2.0,14.1Hz,1H),6.84(d,J=8.5Hz,1H),3.77-3.74(m,7H),3.17-3.13(m,4H)。
MS-ESI(m/z):421.1(M+H)。
【0425】
実施例48:3-((3-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化77】
【0426】
実施例48は、実施例47に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0427】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.52(br.s.,1H),8.18(br.s.,2H),8.09(d,J=15.2Hz,1H),7.86(d,J=8.2Hz,1H),7.60(br.s.,1H),7.54-7.46(m,2H),7.00(t,J=9.3Hz,2H),3.72(br.s.,7H),2.94(br.s.,4H).MS-ESI(m/z):421.2(M+H)。
【0428】
実施例49:1-メチル-3-((3-フルオロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化78】
【0429】
実施例49は、実施例47に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0430】
1HNMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.25(s,1H),8.19(s,2H),7.95(d,J=8.6Hz,1H),7.88(br.s.,1H),7.60(s,1H),7.56-7.50(m,1H),7.50-7.45(m,1H),7.03(d,J=8.6Hz,1H),3.74(s,7H),2.82(br.s.,4H),2.28(s,3H)。
MS-ESI(m/z):417.1(M+H)+。
【0431】
実施例50:3-((3-クロロ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化79】
【0432】
実施例50は、実施例47に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0433】
1HNMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.77-9.42(m,1H),8.54-7.93(m,4H),7.78-7.40(m,3H),7.21(br.s.,1H),3.79(br.s.,7H),2.98(br.s.,4H)。
MS-ESI(m/z):437.0(M+H)+。
【0434】
実施例51:3-((3-メトキシ-4-モルホリノフェニル)アミノ)-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)オン
【化80】
【0435】
実施例51は、実施例47に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0436】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=13.03(br.s.,1H),9.36(br.s.,1H),8.46-7.45(m,7H),6.90(br.s.,1H),4.04-3.63(m,10H),2.97(br.s.,4H)。
MS-ESI(m/z):433.1(M+H)+。
【0437】
実施例52:1-メチル-3-((5-モルホリノピリジン-2-イル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)オン
【化81】
【0438】
実施例52は、実施例47に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0439】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=10.93(br.s.,1H),8.27(s,2H),8.16-8.12(m,1H),8.06-8.02(m,2H),7.87(d,J=8.5Hz,1H),7.72-7.65(m,2H),7.32-7.01(m,1H),3.81-3.76(m,7H),3.19(br.s.,4H)。
MS-ESI(m/z):404.1(M+H)+。
【0440】
実施例53:1-メチル-3-((6-モルホリノピリジン-3-イル)アミノ)-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)オン
【化82】
【0441】
実施例53は、実施例47に記載の製造方法を参照して、別のアミンを使用して製造できる。
【0442】
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ=9.43-9.35(m,1H),8.32(d,J=9.0Hz,1H),8.10(br.s.,2H),7.59-
7.49(m,3H),7.44-7.37(m,1H),3.91-3.85(m,4H),3.79(s,3H),3.63(d,J=4.5Hz,4H)。
MS-ESI(m/z):404.1(M+H)+。
【0443】
実施例54:3-[4-(3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アニリン]-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
【化83】
【0444】
ステップA:t-ブチル-8-(4-ニトロフェニル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩
t-ブチル-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩(399.0mg、1.88mmol)のDMF溶液(4.00mL)に炭酸カリウム(742.19mg、5.37mmol)と、1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(252.57mg、1.79mmol)とを加える。80℃で36時間攪拌する。反応液を冷却して水20mLを加え、固体が析出すると濾過して表題化合物を得る。
【0445】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.14(d,J=9.2Hz,2H),6.71(d,J=9.2Hz,2H),4.33(d,J=19.2Hz,2H),3.92-3.62(m,2H),3.30-3.05(m,2H),2.08(br.s.,2H),1.93(dd,J=7.2,14.2Hz,2H),1.45(s,9H)。
【0446】
ステップB:t-ブチル-8-(4-アミノフェニル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩
t-ブチル-8-(4-ニトロフェニル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩(400.00mg、1.20mmol)のメタノール(50.00mL)溶液にPd/C(200.00mg、1.20mmol)を加える。水素雰囲気(15psi)において1時間攪拌する。反応完了後に濾過して触媒を除去し、母液を濃縮させて表題化合物を得る。
【0447】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=6.72-6.61(m,4H),4.14-3.96(m,2H),3.72(d,J=12.0Hz,1H),3.58(d,J=13.2Hz,1H),3.44-3.15(m,4H),2.07-1.91(m,2H),1.88-1.68(m,2H),1.50-1.38(m,9H)。
【0448】
ステップC:t-ブチル-8-[4-[[6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロキノキサリン-2-イル]アミノ]フェニル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩
t-ブチル-8-(4-アミノフェニル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩(340.00mg、1.12mmol)のイソプロパノール溶液に、7-(1-ベンジルピラゾール-4-イル)-3-ブロモ-1-メチル-キノキサリル-2-オン(486.95mg、1.23mmol)と、DIPEA(217.12mg、1.68mmol)とを加え、100℃で12時間攪拌する。TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、反応液を濃縮させてシリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)によって分離して表題化合物を得る。
【0449】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.28(s,1H),7.88(s,1H),7.83(d,J=9.2Hz,2H),7.68(s,1H),7.60(d,J=8.4Hz,1H),7.42-7.33(m,4H),7.32-7.28(m,3H),6.93-6.80(m,2H),5.38(s,2H),4.24-4.11(m,2H),3.81-3.78(m,3H),3.75(d,J=12.4Hz,1H),3.61(d,J=12.4Hz,1H),3.42-3.17(m,2H),1.85(dd,J=7.2,14.8Hz,2H),1.46(s,9H)。
【0450】
ステップD:t-ブチル-8-[4-[[4-メチル-3-オキソ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-3,4-ジヒドロキノキサリル-2-イル]アミノ]フェニル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩
t-ブチル-8-[4-[[6-(1-ベンジル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロキノキサリル-2-イル]アミノ]フェニル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩(380.00mg、615.15μmol)のDMSO(10.00mL)溶液にカリウムt-ブトキシド(345.13mg、3.08mmol)を加えて、20℃で酸素ガス雰囲気(15psi)において反応液を1時間攪拌する。TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、反応液を氷水10mLに注入して、酢酸エチル20mLで3回抽出する。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、濃縮させて表題化合物を得る。
【0451】
ステップE:3-[4-(3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)アニリン]-1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
t-ブチル-8-[4-[[4-メチル-3-オキソ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-3,4-ジヒドロキノキサリル-2-イル]アミノ]フェニル]-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-ギ酸塩(300.00mg、568.59μmol)の4MのHClメタノール溶液(10.00mL)を、20℃で30分間攪拌する。LCMSによって原料が完全に反応したことが示されると、反応液を濃縮させて、分離(ギ酸系)して表題化合物54を得る。
【0452】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.24(s,1H),8.32-8.13(m,3H),7.99(d,J=8.8Hz,1H),7.61(s,1H),7.55-7.49(m,1H),7.44(d,J=8.4Hz,1H),6.87(d,J=8.8Hz,2H),4.24(br.s.,2H),3.75(s,4H),3.05(d,J=12.4Hz,2H),2.75-2.63(m,2H),1.98(br.s.,3H)。
MS-ESI(m/z):428.2(M+H)+。
【0453】
実施例55:1-(4-((4-メチル-3-オキソ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-3,4-ジヒドロキノキサリン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペリジニル-3-カルボン酸
【化84】
【0454】
ステップA:1-(4-ニトロフェニル)ピペリジニル-3-ギ酸エチル
トリエチルアミン(7.17g、70.88mmol)と、ピペリジニル-3-ギ酸エチル(5.57g、35.44mmol)とを、1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(5.00g、35.44mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に加え、80℃で16時間攪拌する。反応液を遠心脱水して、酢酸エチル(100mL)で希釈し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させて残留物を得て、カラムクロマトグラフィーによって分離して表題化合物を得る。
【0455】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.10(d,J=9.2Hz,2H),6.83(d,J=9.2Hz,2H),4.23-4.04(m,2H),3.97-3.84(m,1H),3.77-3.63(m,1H),3.35(dd,J=9.6,13.3Hz,1H),3.20-3.04(m,1H),2.68-2.51(m,1H),2.12-2.03(m,1H),1.88-1.75(m,2H),1.70-1.57(m,1H),1.26(t,J=7.1Hz,3H)。
【0456】
ステップB:1-(4-アミノフェニル)ピペリジニル-3-ギ酸エチル
1-(4-ニトロフェニル)ピペリジニル-3-ギ酸エチル(2.00g、7.19mmol)のメタノール(30mL)溶液に10%パラジウム炭素(0.2g)を加え、水素ガスが充填されたバルーンで3回置換して、室温で16時間攪拌する。珪藻土で濾過し、ジクロロメタンとメタノール(15mL)で3回リンスして、濾液を遠心脱水して表題化合物を得る。
【0457】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=6.84(d,J=8.6Hz,2H),6.70-6.58(m,2H),4.17(q,J=7.1Hz,2H),3.51(d,J=10.4Hz,1H),3.44(br.s.,2H),3.29(d,J=11.7Hz,1H),2.92-2.80(m,1H),2.73-2.56(m,2H),2.05-1.93(m,1H),1.87-1.78(m,1H),1.75-1.57(m,2H),1.28(t,J=7.2Hz,3H)。
【0458】
ステップC:1-(4-((6-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロキノキサリン-2-イル)アミノ)フェニル基)ピペリジニル-3-ギ酸エチル
1-(4-アミノフェニル)ピペリジニル-3-ギ酸エチル(169.89mg、684.16μmol)と、DIEA(221.05mg、1.17mmol)とを7-(1-フェニルピラゾール-4-イル)-3-クロロ-1-メチル-キノキサリル-2-オン(200.00mg、570.13μmol)のイソプロパノール(6mL)溶液に加え、100℃で32時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、固体が析出すると、濾過し、遠心脱水して表題化合物を得る。
【0459】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.27(s,1H),8.42(s,1H),8.06(s,1H),7.97(d,J=9.0Hz,1H),7.73(d,J=5.3Hz,1H),7.66(d,J=7.5Hz,1H),7.58(s,1H),7.53-7.48(m,1H),7.33-7.26(m,4H),6.94(d,J=8.8Hz,2H),5.38(d,J=8.8Hz,2H),4.10(q,J=7.1Hz,2H),3.73(d,J=5.3Hz,3H),3.58(d,J=9.5Hz,1H),3.06-2.93(m,2H),2.78(d,J=9.7Hz,2H),1.89(br.s.,1H),1.72(br.s.,1H),1.60(t,J=9.3Hz,2H),1.27-1.15(m,3H)。
【0460】
ステップD:1-(4-((4-メチル-3-オキソ-6-(1H-ピラゾール-4-イル)-3,4-ジヒドロキノキサリン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペリジニル-3-カルボン酸
室温で、カリウムt-ブトキシド(159.54mg、1.42mmol)を1-(4-((6-(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロキノキサリン-2-イル)アミン)フェニル)ピペリジニル-3-ギ酸エチル(100.00mg、177.73μmol)のジメチルスルホキシド(3mL)溶液に加える。室温で、酸素ガスが充填されたバルーンで3回置換して、40℃で3時間攪拌する。反応液に水(15mL)を加え、酢酸エチル(15mL)で2回抽出する。飽和食塩水(20mL)で有機相を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させて残留物を得て、分離(トリフルオロ酢酸)して表題化合物55を得る。
【0461】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.53(br.s.,1H),8.21(s,2H),8.13(d,J=5.5Hz,2H),7.64(br.s.,1H),7.59-7.53(m,1H),7.51(br.s.,1H),7.36-7.22(m,2H),3.76(s,3H),3.70-3.57(m,2H),3.48(br.s.,1H),3.30-3.03(m,2H),2.76(br.s.,1H),2.04-1.57(m,3H)。
MS-ESI(m/z):445(M+H)+。
【0462】
実施例56:1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)-3-((6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
【化85】
【0463】
ステップA:5-ニトロ-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジル-2-アミン
トリエチルアミン(5.11g、50.46mmol)と、テトラヒドロピラニル-4-アミン(2.55g、25.23mmol)とを2-クロロ-5-ニトロ-ピリジン(4
.00g、25.23mmol)のDME(100mL)溶液に加え、80℃で16時間攪拌する。反応液を遠心脱水して、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和食塩水(100mL)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させて残留物を得て、カラムクロマトグラフィーによって分離して表題化合物を得る。
【0464】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=8.91(d,J=2.4Hz,1H),8.19-8.00(m,2H),6.56(d,J=9.0Hz,1H),4.13(br.s.,1H),3.87(d,J=11.2Hz,2H),3.41(t,J=10.8Hz,2H),1.86(d,J=12.1Hz,2H),1.57-1.39(m,2H)。
【0465】
ステップB:N2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジル-2,5-ジアミン
5-ニトロ-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジル-2-アミン(800.00mg、3.58mmol)のメタノール(20mL)溶液に、10%パラジウム炭素(0.2g)を加え、水素ガスで3回置換し、室温で3時間攪拌する。珪藻土で濾過し、濾液を遠心脱水して表題化合物を得る。
【0466】
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.68(d,J=2.4Hz,1H),6.94(dd,J=2.6,8.6Hz,1H),6.31(d,J=8.8Hz,1H),3.98(d,J=11.5Hz,3H),3.81-3.68(m,1H),3.52(dt,J=1.5,11.5Hz,2H),3.21(br.s.,2H),2.02(d,J=12.6Hz,2H),1.55-1.39(m,2H)。
【0467】
ステップC:7-ブロモ-1-メチル-3-((6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
N2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリジル-2,5-ジアミン(494.59mg、2.56mmol)と、DIEA(992.30mg、7.68mmol)とを7-ブロモ-3-クロロ-1-メチルキノキサリル-2(1H)-オン(700.00mg、2.56mmol)のイソプロパノール(15mL)溶液に加え、100℃で24時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、固体が析出すると、濾過し、酢酸エチル(5mL)でケーキを3回リンスする。遠心脱水して表題化合物を得る。
【0468】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.39(br.s.,1H),8.63(br.s.,1H),7.98(d,J=8.3Hz,1H),7.59(br.s.,1H),7.37(br.s.,2H),6.55-6.27(m,2H),3.87(d,J=9.3Hz,2H),3.65(br.s.,3H),1.88(d,J=11.8Hz,2H),1.41(d,J=9.5Hz,2H),1.03(d,J=5.8Hz,3H)。
【0469】
ステップD:1-メチル-7-(1H-ピラゾール-4-イル)3-((6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
窒素ガスで保護して、炭酸カリウム(192.72mg、1.39mmol)と、t-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(246.00mg、836.46μmol)と、Pd(dppf)Cl(51.01mg、69.72μmol)とを7-ブロモ-1-メチル-3-((6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(300.00mg、697.19μmol)を溶解したジオキサン(8mL)と水(2mL)の混合溶液に加え、100℃で4時間攪拌する。反応液を室温に冷却して、濃縮
させ、反応液に水(20mL)を加え、濾過して残留物を得て、分離(トリフルオロ酢酸)して表題化合物56を得る。
【0470】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.78(s,1H),9.11(br.s.,1H),8.35(d,J=8.3Hz,1H),8.19(s,2H),7.62-7.53(m,2H),7.45(d,J=8.3Hz,1H),7.03(d,J=9.5Hz,1H),3.97-3.81(m,3H),3.71(s,3H),3.41(t,J=11.2Hz,2H),1.92(d,J=11.5Hz,2H),1.58-1.39(m,2H)。
MS-ESI(m/z):418(M+H)+。
【0471】
実施例57:7-(2-アミノ-1H-イミダゾール-5-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
【化86】
【0472】
ステップA:7-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
7-ブロモ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(100.00mg、240.80μmol)とイミダゾ[1,2-a]ピリミジン(57.80mg、288.96μmol、臭化水素酸塩)とを溶解したジオキサン(2.00mL)に、トリフェニルホスフィン(12.63mg、48.16μmol)と、酢酸パラジウム(5.41mg、24.08μmol)と、炭酸セシウム(235.37mg、722.40μmol)とを加える。窒素ガスで保護して、反応液を加熱しながら17時間攪拌する。LCMSによって反応が完了したことが示されると、珪藻土で反応液を濾過してジクロロメタンでケーキを洗浄する。母液を遠心脱水して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=0~10%)によって表題化合物を得る。
【0473】
MS-ESI(m/z):456(M+H)+。
【0474】
ステップB:7-(2-アミノ-1H-イミダゾール-5-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
7-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-3-イル-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(40.00mg、88.20μmol)とヒドラジン一水和物(1.78g、55.54mmol)とを溶解したエタノール(3.00mL)溶液を密閉状態で16時間加熱する(105℃)。LCMSによって原料が完全に反応したことが示されると、反応液を遠心脱水して、分離(トリフルオロ酢酸系)して7-(2-アミノ-1H-イミダゾール-5-イル)-1-メチル-3-(
(4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(化合物57)を得る。
【0475】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=12.83(br.s.,1H),12.13(br.s.,1H),9.45(s,1H),8.01(d,J=9.0Hz,2H),7.66(s,1H),7.60(br.s.,2H),7.57-7.51(m,2H),6.97(d,J=9.0Hz,2H),3.78-3.72(m,7H),3.13-3.06(m,4H)。
MS-ESI(m/z):418.2(M+H)+。
【0476】
実施例58:7-(2-アミノチアゾール-5-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
【化87】
【0477】
ステップA:1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノキサリル-2(1H)-オン
7-ブロモ-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン(500.00mg、1.20mmol)と4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(335.20mg、1.32mmol)とPd(dppf)Cl(70.24mg、96.00μmol)と酢酸カリウム(353.30mg、3.60mmol)とを溶解したジオキサン溶液(50.00mL)を脱気させて、窒素ガスで置換し、窒素雰囲気において110℃で1.5時間還流させ、冷却してジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和食塩水(50mL×3回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮させてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(12g、テトラヒドロフラン:ジクロロメタン=0~5%)によって表題化合物を得る。
【0478】
MS-ESI(m/z):463(M+H)+。
【0479】
ステップB:t-ブチル(5-(4-メチル-2-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-3-オキソ-3,4-ジヒドロキノキサリン-6-イル)チアゾール-2-イル)((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ギ酸塩
t-ブチルN-(5-ブロモチアゾール-2-イル)-N-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ギ酸塩(102.28mg、249.81μmol)と1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノキサリル-2(1H)-オン(100.00mg、166.54μmol)とを溶解したDMF(2.00mL)溶液に、Brettphosパラジウム触媒(26.61mg、33.31μmol)と炭酸セシウム(108.
52mg、333.08μmol)とを加える。窒素雰囲気において90℃で混合物を加熱して5時間攪拌する。100℃で16時間攪拌する。LCMSによって原料が完全に反応したことが示されると、混合物を冷却してジクロロメタン150mLで希釈し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、遠心脱水し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(テトラヒドロフラン:ジクロロメタン=0~30%)によって表題化合物を得る。
【0480】
MS-ESI(m/z):665.5(M+H)+。
【0481】
ステップC:7-(2-アミノチアゾール-5-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
t-ブチル(5-(4-メチル-2-((4-モルホリノフェニル)アミノ)-3-オキソ-3,4-ジヒドロキノキサリン-6-イル)チアゾール-2-イル)((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ギ酸塩(133.33mg、150.40μmol)のジクロロメタン(20.00mL)溶液にトリフルオロ酢酸(6.12g、53.67mmol)を加え、20℃で混合物を1時間攪拌し、35℃で4時間攪拌する。LCMSによって原料が完全に反応したことが示されると、ジクロロメタン存在下で遠心脱水して分離(トリフルオロ酢酸系)して表題化合物58を得る。
【0482】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.41(s,1H),8.33-8.14(m,1H),8.00(d,J=9.0Hz,2H),7.74(s,1H),7.47(d,J=4.0Hz,2H),7.36(d,J=8.0Hz,1H),6.98(d,J=9.0Hz,2H),3.78-3.73(m,7H),3.13-3.08(m,4H)。
MS-ESI(m/z):435.0(M+H)+。
【0483】
実施例59:7-(2-アミノチアゾール-4-イル)-1-メチル-3-((4-モルホリノフェニル)アミノ)キノキサリル-2(1H)-オン
【化88】
【0484】
実施例59は、実施例58に記載の製造方法を参照して製造できる。
【0485】
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=9.43(br.s.,1H),8.02(d,J=8.0Hz,2H),7.79(br.s.,1H),7.71(d,J=8.0Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,1H),7.21(br.s.,1H),7.00(d,J=8.0Hz,2H),3.75(d,J=13.1Hz,9H),3.12(br.s.,4H)。
MS-ESI(m/z):435.1(M+H)+。
【0486】
実験例1:実施例化合物のSYKキナーゼ阻害作用に関するインビトロアッセイ
【0487】
1.1 実験目的:ホモジニアス時間分解蛍光法(HTRF)によって基質と酵素の相互作用を検出し、化合物の半数阻害濃度(IC50)値を指標として、化合物のチロシンキナーゼ(SYK)阻害作用を評価する。
【0488】
1.2 実験材料:
チロシンキナーゼ(インビトロジェン社提供、PV3857)
ジチオスレイトール(DTT)(シグマ社提供、#43815)
アデノシン三リン酸(ATP)(シグマ社提供、#A7699)
塩化マグネシウム(MgCl)(シグマ社提供、#63020)
塩化マンガン(MnCl)(シグマ社提供、#M1787)
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)(インビトロジェン社提供、#15575-020)
4-ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸緩衝液(HEPES Buffer)(インビトロジェン社提供、#15630-080)
HTRF(登録商標)KinEASEチロシンキナーゼキット(シスバイオ社提供、#62TK0PEC、20000テスト)
低容量384ウェル白色ポリスチレンプレート(グライナー社提供、#784075)
384マイクロプレート(グライナー社提供、#781946)
遠心分離機(エッペンドルフ社提供、#5810R)
ピペッター(エッペンドルフ社提供)
ピペット(グライナー社提供)
ピペット(エッペンドルフ社提供)
Multidrop自動ディスペンサー
POD 810 Plate Assembler全自動マイクロプレート前処理システム
Envision Reader多機能マイクロプレートリーダー
【0489】
1.3 実験手順と方法:
a)化合物の希釈とローディング:
1)化合物粉末を秤量し、一定量のジメチルスルホキシドに溶解し、開始濃度は10mMとする。
2)化合物を0.74mMの濃度に希釈して、全自動マイクロプレート前処理システムを使用してローディングし、各ウェルに135nLを加え、化合物の開始濃度は10μMとし、11の濃度を設定し、3倍に勾配希釈する。
【0490】
b)酵素と基質反応段階:
1)実験緩衝液の希釈に備えて準備をし、キットに含めた5×HTRF緩衝液を1×に希釈して、所定量のジチオスレイトールと、塩化マグネシウム溶液とを加える。
2)チロシンキナーゼの最終反応濃度が0.0156ng/μLになるように、1×HTRF緩衝液でチロシナーゼ反応溶液を調製する。
3)最終基質濃度が0.2μMになるように、チロシンキナーゼ-基質-ビオチン/アデノシン三リン酸混合液を調製する。アデノシン三リン酸の濃度は2μMとする。
4)Multidrop自動ディスペンサーを使用してローディングし、各ウェルにチロシナーゼ溶液及びチロシンキナーゼ-基質-ビオチン/アデノシン三リン酸混合液をそれぞれ5μl加えて、23℃で1時間インキュベートする。
【0491】
c)検出段階:
1)キット検出緩衝液(Detection Buffer)にエチレンジアミン四酢酸溶液13.33mLを加え、ウラン(Eu)で標識された所定量の抗体及びストレプトアビジンXL-665を加えて、検出液を調製する。
2)Multidrop自動ディスペンサーを使用してローディングし、各ウェルに検出液10μLを加え、23℃で1時間インキュベートする。酵素と基質混合液の反応を停止させる。
3)遠心分離して、多機能マイクロプレートリーダーにおいて値を読み取る。
【0492】
d)データ分析:XL-Fitでデータを分析して、化合物のIC50値を算出する。
【0493】
実験例2:実施例化合物のAKTリン酸化阻害作用に関するインビトロアッセイ
【0494】
2.1 実験目的:酵素結合免疫吸着(ELISA)アッセイにより、細胞内におけるプロテインキナーゼAKTのリン酸化作用を検出し、化合物の半数阻害濃度(IC50)値を指標として、化合物のプロテインキナーゼAKTのリン酸化阻害作用を評価する。
【0495】
2.2 実験材料:
細胞株:Ramos細胞株
細胞培地(RPMI1640、インビトロジェン社提供、#22400-105//10%血清Gibco、#10099-141//L-グルタミン1×、Gibco、#25030-081)
実験培地(血清を含有せず、RPMI1640、インビトロジェン社提供、#22400-105//L-グルタミン1×、Gibco、#25030)
分解緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩、インビトロジェン社提供、15567-1000ml//塩化ナトリウム、中国産//デオキシコール酸ナトリウム、シグマ社提供、30970-25G//ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、シグマ社提供、T9284-100ml//ドデカンスルホン酸ナトリウム、シグマ社提供、L3771//エチレンジアミン四酢酸、インビトロジェン社提供、15575-038-100ml//超純水、MilliQ)
プロテアーゼ阻害薬(Roche、4693159001-30/BOX)
ホスファターゼ阻害薬混合物2(シグマ社提供、P5726-5ML)
ホスファターゼ阻害薬混合物3(シグマ社提供、P0044-5ML)
ヤギ抗ヒト免疫グロブリンM(F(ab’)2 Goat Anti-Human IgM)(JacksonImmuno Research-109-006-129)
リン酸化AKT検出キット(Phospho-AKT 1/2/3(ser473))(TGRバイオサイエンス社提供、EKT002)
10×平衡塩溶液(10×Hank’s Balanced Salt Solution)(Gibco、#14065-056)
96ウェル細胞培養プレート(グライナー社提供、#655090)
化合物希釈用V型マイクロウェルプレート(アキシゲン社提供、#WITP02280)COインキュベーター(サーモ社提供、#371)
遠心分離機(エッペンドルフ社提供、#5810R)
Vi-cellセルカウンター(ベックマン・コールター社提供)
ピペッター(エッペンドルフ社提供)
ピペット(グライナー社提供)
ピペット(エッペンドルフ社提供)
多機能マイクロプレートリーダー(Envision Reader)
【0496】
2.3 実験手順と方法:
a)細胞接種(Ramos細胞):
1)37℃水浴で培地を予熱する。浮遊細胞とその培養液を吸い取り、1000rpmで5分間遠心分離する。
2)細胞培地を吸って除去し、予熱された培地10mLを遠心分離管に加え、細胞を分散して再懸濁させ、細胞再懸濁液を1mL吸い取り、Vi-cellを使用して計数する。3)密度が5×10/mLになるように、培地を使用してRamos細胞を希釈し、マルチチャンネルピペットを使用して、希釈された細胞を96ウェル細胞培養プレートに加える(100μL/ウェル)。37℃で細胞培養プレートを静置し、5%COインキュ
ベーターにおいて一晩静置しておく。
【0497】
b)細胞栄養飢餓:
1)接種細胞を一晩静置して培養後、翌日に1000rpmで5分間遠心分離し、マルチチャンネルピペットで培地を吸って除去し、血清を含有しない実験培地を加え、37℃で細胞培養プレートを静置し、5%COインキュベーターにおいて、栄養飢餓状態で一晩静置しておく。
【0498】
c)化合物の用意とローディング:
1)開始濃度が5mMになるように、ジメチルスルホキシドで化合物を希釈する。化合物希釈用V型マイクロウェルプレートで3倍に勾配希釈し、10の濃度を設定する。
2)別のV型化合物希釈用マイクロウェルプレートを使用して、各ウェルに血清を含有しない実験培地198μlを加え、続いて各ウェルに前ステップで希釈した化合物2μlを加え、マルチチャンネルピペットを用いて均一に混合する。化合物が100倍に希釈されて、開始濃度は50μMである。
3)細胞培養プレートに調製した化合物を加え、各ウェルに25μLを加え(細胞培地は100μL)、化合物を5倍に希釈して、最終的に反応開始濃度は10μMである。3倍勾配として、10の濃度を設定する。
4)試料を加えて、1000rpmで1分間遠心分離して、37℃で細胞培養プレートを静置し、5%COインキュベーターにおいて、化合物を1時間作用させる。
【0499】
d)刺激因子による刺激:
1)1×平衡塩溶液を2チューブ調製し、二重蒸留水で10×平衡塩溶液を1×平衡塩溶液に希釈して、それぞれ37℃インキュベーターと4℃冷蔵庫に保管しておく。
2)分解混合液を1チューブ調製し、4℃冷蔵庫に保管しておく。配合:プロテアーゼ阻害薬錠剤1錠+ホスファターゼ阻害薬混合物2 100μl+ホスファターゼ阻害薬混合物3 100μl+分解液10ml。
3)37℃に予熱した1×平衡塩溶液で、ヤギ抗ヒト免疫グロブリンM(F(ab’)2(Goat Anti-Human IgM、1.2mg/ml)を60ug/mlに希釈する。
4)化合物で細胞を1時間処理して、各ウェルに希釈されたヤギ抗ヒト免疫グロブリンM(F(ab’)2(Goat Anti-Human IgM)25μlを加え、IgMの作用濃度は10ug/mlである。
5)IgMで細胞を10分間刺激し、4000rpmで5分間遠心分離して、浮遊細胞を96ウェルプレートの底部に堆積させ、96ウェルプレートから液体をデカントして、ティッシュペーパーで残りの液体を吸って除去する。浮遊細胞が損失しないように注意する。
6)各ウェルに(4℃)予冷された1×平衡塩溶液250μlを加え、4000rpmで5分間遠心分離して、刺激因子による細胞刺激を停止させる。
【0500】
e)細胞分解液の調製:
1)96ウェルプレートから液体をデカントして、ティッシュペーパーで残りの液体を吸って除去する。各ウェルに分解混合液100μlを加え、振とう培養機において、4℃で1時間揺動させて、細胞を分解させる。
2)細胞分解が1時間ほど行われると、4℃で、4000rpmで5分間遠心分離し、上清を吸い取って、細胞分解液を得る。
【0501】
f)酵素結合免疫吸着法(ELISA)アッセイ:
1)AKTリン酸化検出キットから96ウェルELISAプレートを取り出して、室温で平衡させ、各ウェルに細胞分解液50μlを加える。
2)キットに含めた抗体捕捉試薬(Capture Antibody Reagent)と抗体検出試薬(Detection Antibody Reagent)とを1:1で均一に混合して、各ウェルに50μlで96ウェルELISAプレートに加える。振とう培養機において、室温で細胞分解液と抗体混合液を1時間揺動させる。
3)二重蒸留水でキットに含めた洗浄液(10×)を1×に希釈して、ELISAプレートから液体をデカントして、吸取紙に置いて軽く叩いて液体を除去し、各ウェルに1×洗浄液200μlを加え、プレートを洗浄して叩いて液体を除去し、4回繰り返す。
4)ADHP希釈液で10-アセチル3,7-ジヒドロキシフェノキサジン(ADHP)(100×)基質を1×に希釈して、各ウェルに100μlで96ウェルELISAプレートに加えて、振とう培養機において、室温で10分間揺動させる。
5)各ウェルに停止液10μlを加え、瞬間遠心分離する。振とう培養機において、室温で5分間揺動させる。Envision Reader多機能マイクロプレートリーダーにおいて値を読み取る。
【0502】
g)データ分析:XL-Fitでデータを分析して、化合物のIC50値を算出する。
【0503】
実験例1及び実験例2の結果を表1にまとめる。
【0504】

【表2】